説明

電気自動車

【課題】インホイールモータ駆動装置及び独立操舵装置を備えた電気自動車において、車輪の定位置旋回に必要な最小限の円形のスペースから車体やボディの一部が突き出すことのない構造とすることにより、最小限の駐車スペースで定位置旋回ができるようにすることである。
【解決手段】車輪が、左右の前輪17a、17bと左右の後輪17c、17dの4輪の場合、左右の前輪17a、17bのみ、左右の後輪17c、17dのみ、又は全車輪17a、17b、17c、17dにインホイールモータ駆動装置27を設け、各車輪17a、17b、17c、17dに独立操舵装置を搭載し、各車輪17a、17b、17c、17dのキングピンの軸線と路面との交点Aを、車体12の内側の円周上に位置させた構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は電気自動車に関し、特に、インホイールモータ駆動装置及び独立操舵装置を備えた電気自動車において、定位置旋回が容易な電気自動車に関するものである。
【背景技術】
【0002】
インホイールモータ駆動装置を備えた電気自動車、及びステアリング・バイ・ワイヤシステムによって構成された独立操舵装置を備えた電気自動車はそれぞれ従来から知られている(特許文献1、2)。
【0003】
インホイールモータ駆動装置は、駆動力を発生させるモータ部と、モータ部の回転を減速して出力する減速部と、減速部からの出力を車輪に伝える車輪ハブを備える。減速部は、例えば遊星歯車機構によって構成される。前記のインホイールモータ駆動装置の回転速度、回転方向等は、車載されたモータ制御部によって電子制御される(特許文献1、2)。
【0004】
また、ステアリング・バイ・ワイヤシステムによって構成された独立操舵装置は、各車輪に操舵アクチュエータを設け、運転者によるハンドルの操作角に応じて操舵角制御部において目標操舵角を演算し、前記の操舵アクチュエータを電子的に制御し、各車輪の操舵角を設定するようにしたものである(特許文献3)。
【0005】
前記の独立操舵装置を備えた電気自動車において、一定場所で旋回するいわゆるその場旋回、即ち定位置旋回をする場合は、前輪をハの字形、後輪を逆ハの字形になるように操舵し、二輪駆動の場合は前輪又は後輪の左右の駆動車輪の回転方向が反対方向となるように制御する。四輪駆動の場合は、前後輪ともに左右逆回転、かつ前後で対応する左右の車輪が同方向回転となるように制御する。このように制御することにより定位置旋回が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−7914号公報
【特許文献2】特開2007−216930号公報(図1、図4)
【特許文献3】特開2009−23561号公報(図1、図3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の電気自動車においては、そのボディの平面視形状がエンジン自動車の形状に合わせ前後方向に長い縦長形状に形成されることが一般的であるため、車幅方向に十分なスペースがない場所で定位置旋回を行うと、隣の車両や建造物等に干渉するおそれがあった。
【0008】
そこで、この発明は、インホイールモータ駆動装置及び独立操舵装置を備えた電気自動車において、車輪の定位置旋回に必要な最小限の円形のスペースから車体やボディの一部が突き出すことのない構造とすることにより、最小限の駐車スペースで定位置旋回ができるようにした電気自動車を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の課題を解決するために、この発明は、車輪が、前輪と左右の後輪の3輪もしくは左右の前輪と後輪の3輪で、前輪のみ、後輪のみ、又は全車輪にインホイールモータ駆動装置を設けた電気自動車において、各車輪に独立操舵装置を搭載し、各車輪のキングピンの軸線と路面との交点を、車体の内側の円周上に位置させたものである。
また、車輪が、左右の前輪と左右の後輪の4輪で、左右の前輪のみ、左右の後輪のみ、又は全車輪にインホイールモータ駆動装置を設けた電気自動車において、各車輪に独立操舵装置を搭載し、各車輪のキングピンの軸線と路面との交点を、車体の内側の円周上に位置させたものである。
前記車体は、略円筒形の外形で、乗降口を前面に設けるとよい。
【発明の効果】
【0010】
この発明に係る電気自動車は、旋回するためのスペースが十分にない場所においても、独立操舵装置によって車輪の向きを、定位置旋回が可能な方向に向けることができる。したがって、進入し得る幅さえあれば、それ以上に広いスペースがなくても周囲の物体に干渉することなく定位置旋回が可能となり、行き止まりの狭い駐車スペースに前進で進入した場合でも、定位置旋回を行うことにより、その駐車スペースから前進で抜け出すことができる。
【0011】
また、インホイール駆動装置を設けたことにより、後輪駆動の場合はもちろん、前輪駆動又は全車輪駆動の場合であっても、左右の前輪ハウジングの間に十分スペースをとることができる。これにより、乗降口を車体の前面に設けることができ、狭い駐車スペースにおいても進入方向から乗り降りできる便利さがある。
【0012】
さらに、乗降口を車体の前面に設けることにより、駐車時、自動車の左右に乗降のためのスペースを確保する必要がなく、狭い駐車スペースであっても定位置旋回が可能であることと相まって、駐車スペースの有効利用を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、実施形態1の電気自動車の横断平面図である。
【図2】図2は、同上の斜視図である。
【図3】図3は、同上の制御ブロック図を併せて示した横断平面図である。
【図4】図4は、同上の小回り運転時の横断平面図である。
【図5】図5は、定位置旋回時の横断平面図である。
【図6】図6は、3輪の自動車に適用した実施形態の横断説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、この発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
[実施形態1]
【0015】
図1に示したように、実施形態1の電気自動車は、その平面視形状において、車体12の外周縁が半径R0の車体円C上にある。車体12は、フレーム13と、フレーム13上に設置された床板14等によって構成される。
【0016】
車体12のフレーム13の平面形状は、その中心Oを含む四角形の中央部15と、その中央部15の前後に設けられた前端部15a及び後端部15b、中央部15の左右両側に設けられた左側部15c及び右側部15dとからなる十字形のものである。前記各部15a〜15dは、前記車体円Cの半径R0と一致する曲率半径をもった円弧状のフレーム端縁13aと、左右のフレーム側縁13b、13cによって3辺が囲まれる。
【0017】
前記各部15a〜15d相互間のフレーム側縁13bと13cの間にそれぞれ角形に凹入した車輪ハウジング16が前後左右の4個所に設けられ、それぞれ左右の前輪17a、17b及び左右の後輪17c、17dが取り付けられる。
【0018】
なお、各車輪17a〜17dのサスペンションは、この発明の内容に直接関係するものではないので、図示を省略している。
【0019】
各車輪17a〜17dは、キングピンの軸線と路面との交点Aが、車体12の外周縁の円C以下の大きさの半径R1の車輪配置円D上にあり、かつ、車体12の中心Oで直交する左右方向及び前後方向の基準線(X、Y)に対して前後、左右対称の位置に配置される。
【0020】
前記の車体12のキャビン19は、図2に示したように、全体としては円筒形をなすものであり、円筒部20の外周面は前記の車体円Cの外周面に沿う。車体円Cの半径R0にキャビン19の板厚を加えた円が半径R2の最大円Eである。ただし、キャビン19の板厚は、車体円Cの径に比べて無視できる程度に小さいことから、最大円Eは実質的に車体円Cに等しいということができる。
【0021】
前記のキャビン19は、4個所の車輪ハウジング16の部分においては、その形状に従って円筒部20の外周面から凹入するように形成される(図2参照)。
【0022】
前記の円筒部20の上端面が円形の天板21によって閉塞される。また円筒部20の前面、即ち左右の車輪ハウジング16の間に乗降口22が設けられる。この乗降口22は、ヒンジ式、スライド式のいずれでもよい。その他、円筒部20には、窓23が設けられる。また、円筒部20の内部、即ち車内にハンドル24を備えた運転席25が設けられる。運転席25には、後述のインホイールモータ駆動装置27を操作するためのアクセルペダル26(図1参照)、車輪17a〜17dを制動するためのブレーキペダル30等が設けられる。
【0023】
なお、図示の場合は、後輪17c、17dにインホイールモータ駆動装置27を設けた後輪駆動形式であるが、前輪駆動形式又は全車輪駆動形式の場合であっても、インホイールモータ駆動装置27はそれぞれの車輪ハウジング16内に収まるので、左右の車輪ハウジング16の間に十分なスペースをとることができる。これにより、キャビン19の前面に乗降口22を設けることに支障とならない。
【0024】
次に、前記車輪17a〜17dの制御装置を図3に基づいて説明する。前記のインホイールモータ駆動装置27は、周知のように、駆動力を発生させるモータ部と、モータ部の回転を減速して出力する減速部と、減速部からの出力を車輪に伝える車輪ハブを備える。減速部は、例えば遊星歯車機構によって構成される。インホイールモータ駆動装置27は、車体12に搭載されたモータ制御ユニット28によって制御され、これにより後輪17c、17dの回転速度、回転方向等が設定される。
【0025】
また、前記の各車輪17a〜17dを操舵するための独立操舵装置29が車体12に搭載される。独立操舵装置29は、次に説明するステアリング・バイ・ワイヤシステムによって構成される。
【0026】
即ち、各車輪17a〜17dにそれぞれ操舵アクチュエータ31が付設される。操舵アクチュエータ31は、図3に示したようにモータ32とこれによって駆動される直動機構33とによって構成される。直動機構33は、モータ32の駆動軸に取り付けられたナット34と、そのナット34にねじ結合されたねじ棒35とにより構成される。ナット34とねじ棒35は、通常、ボールねじが用いられる。モータ32が駆動されると、ナット34が定位置で回転し、ねじ棒35がその長さ方向に進退する。
【0027】
前記ねじ棒35はL形のナックルアーム36の一端部に連結される。ナックルアーム36は、コーナピン37によって平面内で揺動可能に取り付けられ、他端部に車輪ハブに連結されたナックル38の一端部に連結される。モータ32の回転によりナックルアーム36の一端部が前後方向に作動されるとともに、他端のナックル38が円周方向に回転し、車輪17a〜17dの操舵角θ(図4参照)を設定する。
【0028】
前記の操舵アクチュエータ31を制御する操舵角制御ユニット39が車体12に搭載される。車体12には、前記のハンドル24の操作量を検知するハンドル操作量センサー40が設けられ、その検知信号が前記の操舵角制御ユニット39に入力される。操舵角制御ユニット39は、前記の操作量の検知信号に基づき目標となる操舵角θを演算し、前記操舵アクチュエータ31を制御する。
【0029】
また、運転席25には、狭路への旋回のような切り返しが必要な場面、Uターン等の際に操作される小回り運転スイッチ41、狭い駐車位置で定位置旋回を行う場合に操作される定位置旋回スイッチ42が設けられる。小回り運転スイッチ41が操作されると、小回り信号が操舵角制御ユニット39に入力される。また、定位置旋回スイッチ42が操作されると、定位置旋回信号がモータ制御ユニット28と操舵角制御ユニット39に対し入力される。定位置旋回スイッチ42は、左旋回と右旋回の区別ができるようになっている。尚、小回りする際には、スイッチによるON/OFFの切り替えの他、ステアリング転舵角と車速から自動で使用を判断する方法も使用できる。
【0030】
実施形態1の自動車は以上のようなものであり、次にその作用について説明する。
【0031】
[直進運転]
図3は直進運転時を示す。運転の開始に際し、ハンドル操作量センサー40からの信号に基づき、操舵角制御ユニット39において操舵角(=0°)を演算し、操舵アクチュエータ31を制御して車輪17a〜17dを前記の操舵角に設定する。運転席25のアクセルペダル26を操作することにより、モータ制御ユニット28を経て、インホイールモータ駆動装置27によって後輪17c、17dを駆動し直進させる。前進、後退の切り替えは図示省略のレバー等の操作によって行う。
【0032】
[小回り運転]
図4に示したように、レーン変更、Uターン等の方向転換に際しては、通常、前輪17a、17bのみを操舵する。狭路への旋回のような切り返しが必要な場面、Uターンを行う場合は、運転席25の小回り運転スイッチ41を操作する。小回り信号が操舵角制御ユニット39に入力され、同ユニット39によって後輪14c、14dの操舵アクチュエータ31が制御され、当該後輪17c、17dが前後で対応する前輪17a、17bの操舵角θ、δと反対方向へ向きを変えた操舵角−θ’、−δ’を持つように設定される。
【0033】
これにより、いわゆる内輪差が解消され、小回りの効く方向転換が可能となる。ただし、車体12の安定を保つために、一定以下の低速で操舵する必要がある。なお、後退時に小回りする場合も同様の制御が行われる。
【0034】
[定位置旋回]
狭い駐車スペース等において定位置旋回を行う場合は、運転席25の定位置旋回スイッチ42を操作する。定位置旋回信号が操舵角制御ユニット39に入力されると、同ユニット39は各車輪17a〜17dの操舵アクチュエータ31を制御して、図5に示したように、各車輪17a〜17dの車軸18がすべて車輪配置円Dの半径方向となるようにその操舵角を設定する。これによって、前輪17a、17bがハの字形になり、後輪17c、17dが逆ハの字形になる。
【0035】
これと同時に、モータ制御ユニット28に定位置旋回信号(例えば右旋回、図5の矢印B参照)が入力されると、図5に示したように、左後輪17cが前進方向に回転し、右後輪17dが後退方向に回転する、即ち、左右逆方向に回転するように回転方向が設定される。左右の前輪17a、17bは前記後輪17c、17dの回転に従動して、同様に、左前輪17aが前進方向、右前輪17bが後退方向に回転する。
【0036】
四輪駆動の場合は、前後輪ともに左右逆回転(左前輪17aが前進、右前輪17bが後退方向。左後輪17cが前進、右後輪17dが後退方向)で、かつ前後で対応する左右の車輪が同方向の回転方向、即ち、左前輪17a、左後輪17cがともに前進、右前輪17b、右後輪17dがともに後退方向となるように設定する。その結果、車体12及びボディ19は中心Oを中心として、最大円E、実質的に車体円C以内で回転する。
【0037】
前記の定位置旋回時において、旋回に必要な最小限のスペースは、実質的に車体円Cのスペースであり、車輪配置円D及びボディ19はその車体円C以内に存在するので、前記スペースの外部に突き出す部分が存在しない。このため、その周辺に存在する物体に干渉することがない。
【0038】
なお、図5に示したように、定位置旋回時において、車輪17a〜17dの一部が車体円Cから突き出しているが、この程度は駐車スペースのゆとりの範囲に吸収されるので、実質的な影響をもたらすものではない。
【0039】
このような特性を有することから、この自動車を運転する場合は、狭い駐車スペースに前進で進入したのち、その駐車スペースから進入の方向へ抜け出す場合、通常は後退によって行うが、この自動車の場合は定位置旋回することにより、前進で抜け出すことができる。
【0040】
また、車体12の前部は、前輪駆動の場合であっても、インホイールモータ駆動装置27を用いているので十分なスペースをとることができる。これにより、前述のように、ボディ19の前部に乗降口22を設けることができ、降車時も広い視野を得ることができ安全に乗降できる。また、駐車スペースの左右に乗降のためのスペースを必要としない。さらに、行き止まりの狭い駐車スペースに前進で進入した場合においても、定位置旋回することにより、進入方向から乗り降りすることができる。
【0041】
以上、4輪の自動車について説明したが、この発明は、図6に示すように、3輪の自動車にも適用することができる。図6の実施形態では、左右の後輪17c、17dにインホイールモータ駆動装置27を設けているが、インホイールモータ駆動装置27を、前輪17aのみに、また全輪に設けるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0042】
A キングピンの軸線と路面との交点
12 車体
13 フレーム
13a フレーム端縁
13b、13c フレーム側縁
14 床板
15 中央部
15a 前端部
15b 後端部
15c 左側部
15d 右側部
16 車輪ハウジング
17a〜17d 車輪
18 車軸
19 キャビン
20 円筒部
21 天板
22 乗降口
23 窓
24 ハンドル
25 運転席
26 アクセルペダル
27 インホイールモータ駆動装置
28 モータ制御ユニット
29 独立操舵装置
30 ブレーキペダル
31 操舵アクチュエータ
32 モータ
33 直動機構
34 ナット
35 ねじ棒
36 ナックルアーム
37 コーナピン
38 ナックル
39 操舵角制御ユニット
40 ハンドル操作量センサー
41 小回り運転スイッチ
42 定位置旋回スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車輪が、左右の前輪と左右の後輪の4輪で、左右の前輪のみ、左右の後輪のみ、又は全車輪にインホイールモータ駆動装置を設けた電気自動車において、各車輪に独立操舵装置を搭載し、各車輪のキングピンの軸線と路面との交点を、車体の内側の円周上に位置させたことを特徴とする電気自動車。
【請求項2】
車輪が、前輪と左右の後輪の3輪もしくは左右の前輪と後輪の3輪で、前輪のみ、後輪のみ、又は全車輪にインホイールモータ駆動装置を設けた電気自動車において、各車輪に独立操舵装置を搭載し、各車輪のキングピンの軸線と路面との交点を、車体の内側の円周上に位置させたことを特徴とする電気自動車。
【請求項3】
全車輪が、前後方向の基準線に対して90度以上の角度まで操舵可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気自動車。
【請求項4】
前記車体のキャビンが略円筒形の外形をしている請求項1から3のいずれかに記載の電気自動車。
【請求項5】
前記車体のキャビンの前面に乗降口が設けられたことを特徴とする請求項4に記載の電気自動車。
【請求項6】
前記独立操舵装置が、ハンドル操作量センサーと、そのハンドル操作量センサーによって検知されたハンドル操作量信号に基づき各車輪の操舵角を演算制御する操舵角制御ユニットと、前記操舵角制御ユニットによって制御される操舵アクチュエータと、前記操舵アクチュエータに連結されたナックルアームとからなるステアリング・バイ・ワイヤシステムによって構成され、前記ナックルアームが車輪側のナックルに連結されたことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の電気自動車。
【請求項7】
前記操舵アクチュエータが、モータと、そのモータによって駆動される直動機構とからなり、前記直動機構によってL形のナックルアームの一端部を自動車の前後方向へ作動させると同時に、前記ナックルアームの他端部を車幅方向へ作動させるようにしたことを特徴とする請求項6に記載の電気自動車。
【請求項8】
前記直動機構が、前記モータによって一定位置で回転されるナットと、そのナットにねじ結合され前記ナックルアームに連結されたねじ棒とからなることを特徴とする請求項7に記載の電気自動車。
【請求項9】
前記車体内部の運転席に小回り運転スイッチが設けられ、前記小回り運転スイッチが操作されることによって小回り信号が前記操舵角制御ユニットに入力され、前記操舵角制御ユニットにおいて前記小回り信号に基づき各操舵アクチュエータを制御して、当該左右の後輪に対応した左右の前輪の操舵角と反対側へ向きを変えた操舵角を持つように当該左右の後輪の操舵角を設定することを特徴とする請求項6から8のいずれかに記載の電気自動車。
【請求項10】
前記車体内部の運転席に定位置旋回スイッチが設けられ、前記定位置旋回スイッチが操作されることによって定位置旋回信号が前記操舵角制御ユニットとモータ制御ユニットに入力され、前記操舵角制御ユニットにおいては前記定位置旋回信号に基づき各操舵アクチュエータを制御して各車輪が車体内側円の径方向に向くように操舵角を設定し、前記モータ制御ユニットにおいては前記定位置旋回信号に基づき前記インホイールモータ駆動装置を制御して、二輪駆動の場合は各駆動車輪の回転方向が反対方向となるように設定し、四輪駆動の場合は前後輪ともに左右逆回転、かつ前後で対応する左右の車輪が同方向回転となるように設定することを特徴とする請求項6から9のいずれかに記載の電気自動車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−17093(P2012−17093A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−124043(P2011−124043)
【出願日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【出願人】(000102692)NTN株式会社 (9,006)
【Fターム(参考)】