説明

電気車両及び関連する輸送システム

【課題】所定の進行方向に進行するように構成された電気車両を提供する。
【解決手段】本発明は、a)電気駆動手段(13)と、b)前記駆動手段(13)に電力供給するための少なくとも1つの第1集電舟(11)と、c)少なくとも1つの第1送信機(18)とを具備した電気車両(4)に関する。前記第1集電舟(11)は、0.2メートル以上の第1距離(D1)によって、前記第1送信機(18)から分離され、かつ、前記第1送信機(18)は、車両の進行方向(F1)で、前記第1集電舟(11)の前に配置されている。また、本発明は、関連する輸送システムに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の進行方向に進行するように構成された電気車両に関する。車両は、地中の供給デバイスによって電力供給可能であり、地中の供給デバイスは、電力供給線、導電トラックセグメント(conductive track segment)及び制御手段(それぞれがトラックセグメントに接続された)を備え、各制御手段は、検出器によって転送された電磁信号を検出し、かつ、電力供給線をトラックセグメント(そこに接続されている)に接続するように構成され、それが前記電磁信号を検出するとき、車両は、
1)電気駆動手段と、
2)駆動手段に電力供給するように、各トラックセグメントと連続して接触する状態になるように構成された、少なくとも1つの第1集電舟と、
3)各制御手段の方向に、電磁信号を転送可能な少なくとも1つの第1送信機と、
を具備している。
【背景技術】
【0002】
特に、特許文献1は、一連の供給トラックセグメント(クロッシング表面と同一平面である)と、一連の制御デバイス(制御デバイスがクロッシング上を移動中の電気車両内に配置された送信機によって生成された電磁信号を受信するか否かによって、トラックセグメントを、電力供給線か、又は、走行レール電位保護線に、選択的に接続するようにそれぞれ構成された)とを備えた輸送システムを開示している。
【0003】
電気車両は、電気モータと、モータに電力を供給するように、トラックセグメントに接して配置された2つの集電舟と、舟の周囲の2つの送信コイルとを具備している。送信コイルは、制御デバイスの方向に、電磁信号を生成するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1043187号明細書
【特許文献2】国際公開第2007/056804号パンフレット
【特許文献3】欧州特許出願公開第1095812号明細書
【特許文献4】特開2004−136860号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、代替的な電気車両を提案することである。
【0006】
本発明の更なる目的は、代替的な輸送システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
したがって、本発明は、上記したタイプの電気車両に関し、第1集電舟は、0.2メートル以上の第1距離によって第1送信機から分離されており、かつ、第1送信機は、車両の進行方向で、第1集電舟の前に配置されていることを特徴とする。
【0008】
特定の態様によれば、電気車両は、次の1又は複数の特徴を有している。
1)電気車両は、第2集電舟と第2送信機とをさらに具備し、第2集電舟は、第2距離によって第2送信機から分離され、かつ、第2送信機は、車両の進行方向で、第2集電舟の後ろに配置されている。
2)電気車両は、分離され、かつ、車両の進行方向で、第2集電舟の後ろに配置された第3送信機をさらに備えている。
3)電気車両は、分離され、かつ、車両の進行方向で、第1集電舟の前に配置された第4送信機をさらに備え、第4送信機は、同じ距離で、第2集電舟から分離されている。
4)第1距離及び第2距離は、それぞれ0.2メートル〜3メートルである。
5)電気車両は、第3送信機及び第4送信機から選択された送信機を停止可能な案内ユニットをさらに備え、選択された送信機は、車両の進行方向で、電気車両の後ろに配置されている。
【0009】
また、本発明は、
a)電力供給線と導電トラックセグメント(縦に配置され、かつ、相互から絶縁されている)とを備えた地中の供給デバイスと、
b)それぞれが検出手段と切替手段(同じトラックセグメントに結合されている)とを備えた制御手段と、
を具備し、
検出手段は、トラックセグメント(そこに結合されている)に平行に延出し、
検出手段の少なくとも一部は、このトラックセグメントに対して突出し、
検出手段は、送信機によって送信された電磁信号を検出することができ、
切替手段は、検出手段が前記電磁信号を検出するとき、電力供給線をトラックセグメント(そこに結合されている)に接続するように構成されている輸送システムにおいて、
本発明による電気車両を備え、かつ、前記第1及び第2距離は、トラックセグメントに対して突出した検出手段の一部又は各一部の長さよりも短いことを特徴とする輸送システムに関する。
【0010】
特定の態様によれば、輸送システムは、次の1又は複数の特徴を有している。
1)地中の供給デバイスは、走行レールに接続された保護線を備え、各切替手段は、検出手段が電磁信号を検出しないとき、保護線をトラックセグメント(そこに結合されている)に接続するように構成され、かつ、各制御手段は、安全線を遮断可能な監視デバイスを備えて、検出手段が所定期間以降に電磁信号を検出せず、かつ、切替手段が前記所定期間以降にトラックセグメントにまだ接続されているとき、地中の供給デバイスをオフにする。
2)各トラックセグメントの長さは、4.02〜18メートルである。
3)各検出手段は、6.02〜24メートルの長さにわたって延出している。
4)2つの隣接した検出手段は連続し、かつ、トラックセグメントはギャップによって相互から分離されている。
5)各検出手段は、トラックセグメント周囲に検出ループを備えている。
【0011】
本発明は、図面を参照しつつ、ほんの一例として与えられた以下の説明を読むことによって、一層理解される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明による輸送システム及び本発明による電気車両の第1実施例の概略側面図である。
【図2】図2は、本発明による輸送システム及び本発明による電気車両の第2実施例の概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0013】
図1は、本発明の第1実施例による輸送システム2である。本発明による電気車両4(地中6の供給システムによって電力供給されるように構成されている)を備えている。
【0014】
地中6の供給システムは、一連の導電トラックセグメント8,9,10によって形成された供給トラック7を備えている。
【0015】
トラックセグメント8,9,10は、渡り線に沿って縦に配置され、かつ、約2〜6メートルにわたって延出している絶縁ゾーンIによって、相互から分離されている。この絶縁ゾーンによって、1つのトラックセグメントから他のトラックセグメントに電流が流れるのを回避している。
【0016】
本発明の第1実施例によれば、トラックセグメント8,9,10は、対象とする車両の長さによって、4〜15メートルの長さS1を有している。
【0017】
本発明によれば、電気車両4は、3つの連続したトラックセグメント8,9,10の長さにほぼ等しい長さを有している。特に、電気車両4の長さは20メートル以上である。電気車両4によって、車輪(金属製の走行レールに電気的に接続されている)を介して、電流は戻ることができる。
【0018】
電気車両4には、第1集電舟11と、第2集電舟12と、集電舟11及び12に電気的に接続された電気モータ13とが備えられている。
【0019】
集電舟11及び12は、トラックセグメント8,9,10と連続して接している状態になり、電気モータ13に電力供給するように構成されている。
【0020】
集電舟11及び12は、電気車両4の中央部に固定されている。他の集電舟12が2つのトラックセグメント間に配置されているとき、集電舟11がトラックセグメント8,9,10と接している状態を常に維持することができるように、それらは、絶縁ゾーンIの長さ以上の距離で分離されている。したがって、電気車両4には電力が常に供給されている。
【0021】
集電舟11,12がそれに接触する状態になるように構成されているので、トラックセグメント8,9,10は、渡り線の表面と同一表面である。
【0022】
また、電気車両4には、第1送信機18と、第2送信機20と、第3送信機22と、最後に第4送信機24(案内ユニット26によって制御される)とが備えられている。本明細書では、送信機及び舟は、車両4の進行方向F1に対するこれらの地理的な位置ではなく、本発明に対するこれらの重要性によって、第1、第2、第3及び第4とする。したがって、第4送信機24は、車両が方向F1に進行する場合、車両4の前部に位置する。次に、第2舟12が続き、次いで、第2送信機20、第1送信機18、第1舟11、最後に第3送信機22が続く。
【0023】
各送信機18,20,22,24は、地中6の供給システムの方向に、電磁信号を生成するように構成された送信コイルからなっている。
【0024】
本発明によれば、第1送信機18は、進行方向F1に、第1集電舟11の前に、かつ、離れて配置されている。特に、第1距離D1は、第1集電舟11から第1送信機18を分離している。
【0025】
本発明によれば、第2送信機20は、進行方向F1に、第2集電舟12の後ろに、かつ、離れて配置されている。特に、第2距離D2は、第2集電舟12から第2送信機20を分離している。
【0026】
一般に、第1距離D1及び第2距離D2は、0.2〜3メートルである。これらの距離D1及びD2は水平面において計測される。換言すれば、送信機及び集電舟が車台に固定されている高さは考慮されていない。
【0027】
図1に示された本発明の実施例では、第1距離D1は、第2距離D2と実質的に同じ長さである。変形例では、第1距離及び第2距離の長さは異なってもよい。
【0028】
第3送信機22は、さらに進行方向F1に、第1集電舟11の後ろに、かつ、離れて配置されている。
【0029】
第4送信機24は、さらに進行方向F1に向かって、第2集電舟12の前に、かつ、離れて配置されている。
【0030】
案内ユニット26は、以降に説明されるように、車両の進行方向の関数として、第3送信機22又は第4送信機24の開始及び停止を制御するように構成されている。
【0031】
地中6の供給システムは、電力供給線36と、保護線38と、制御手段44,46(トラックセグメント8,9,10を、走行レールの電位となるように電力供給線36か、又は、保護線38に、それぞれ接続可能である)とをさらに具備している。
【0032】
供給線36及び保護線38は、トラックセグメント8,9,10に沿って延出し、かつ、2つの供給サブステーション40及び42に恒久的に接続されている。電力供給線36は、750ボルトの電圧で常に保たれている。
【0033】
制御手段44は、検出ループ48(トラックセグメント8に接続され、かつ、このトラックセグメント8を囲んでいる)と、検出ループ48に接続された制御ユニット50と、制御ユニット50によって制御された切替手段52とを具備している。
【0034】
検出ループ48は、送信機18,20,22,24によって転送された電磁信号を、この送信機が検出ループ48の上側及び反対側に配置されるときだけ、検出するように構成されている。
【0035】
検出ループ48は、長さB1(トラックセグメント8の長さS1よりも長い)にわたって、トラックセグメント8に平行に延出している。検出ループ48の部分53,55は、トラックセグメント8の各端部を越えて突出している。トラックセグメント8を超えて突出している検出ループの各部分53,55は、0〜I/2(Iは絶縁ゾーンの長さである)メートルの長さkを有している。
【0036】
検出ループの部分53は、集電舟11又は12がトラックセグメント8,9又は10に接触する以前に、送信機18,20,22,24の存在を検出して、その結果、前記ライブトラックセグメントをスイッチオフすることができる。
【0037】
したがって、B1の長さは6〜21メートルである。特に、図1に示された本発明の第1実施例では、各検出ループ48,54の長さB1は約11メートルである。
【0038】
本発明によれば、第1集電舟11と第1送信機18との間に設けられた第1距離D1、及び、第2集電舟12と第2送信機20との間に設けられた第2距離D2は、部分53,55の長さk(検出ループ48がトラックセグメント8に対して突出する)よりも短い。
【0039】
制御ユニット50は、検出ループ48によって検出された電磁信号を受信し、かつ、そのような電磁信号の不在を検出するように構成されている。また、制御ユニット50は、この電磁信号の有無の関数として、切替手段52を制御することができる。
【0040】
切替手段52は、制御ユニット50が電磁信号の存在を検出するとき、トラックセグメント8を供給線36に接続し、かつ、制御ユニット50が電磁信号を検出しないとき、この同じトラックセグメント8を保護リターン線38に接続するように構成されている。
【0041】
したがって、制御手段44は、制御ユニット50が送信機18,20,22,24から発信している信号を検出するとき、トラックセグメント8を供給線36に接続するように構成されている。通常、送信機のうちの1つが電磁信号を転送し、かつ、検出ループ48上に配置されているとき、この信号が受信される。また、制御手段44は、制御ユニット50が送信機から発信している信号を検出しないとき、換言すれば、送信機18,20,22,24がこの検出ループ48上に配置されていないとき、トラックセグメント8を保護線38に接続するように構成されている。
【0042】
制御手段46は、次のトラックセグメント(9で示された)に結合される。それは制御手段44と同じである。
【0043】
それは、トラックセグメント9に結合された検出ループ54と、検出ループ54に接続された制御ユニット56と、制御ユニット56によって制御された切替手段58とを具備している。
【0044】
検出ループ54は、受信ループ48に隣接しつつ、連続している。
【0045】
制御ユニット50及び56は、一般に同じボックス内に備えられているので、図1に単一のボックスによって概略的に示されている。
【0046】
制御手段46は、電磁信号を転送する送信機18,20,22,24が検出ループ54上に配置されているとき、トラックセグメント9を供給線36に接続し、かつ、この送信機18,20,22,24が検出ループ54上に配置されていないとき、トラックセグメント9を保護線38に接続するように構成されている。
【0047】
地中6の供給システムは、装置44及び46を供給サブステーション40及び42に接続している安全線を遮断するように構成された監視デバイス62をさらに備えている。この遮断によって、所定期間Tp以降に、検出ループ48,54のうちの1つが電磁信号を検出せず、かつ、トラックセグメント8,9(そこに結合されている)が保護線38と接触するように戻っていない場合、2つの供給サブステーション40及び42はオフになる。
【0048】
したがって、監視デバイス62は、切替手段52,58の接続状態を監視し、かつ、この状態を電磁信号が検出ループ48,54によって検出されるか否かに関する情報と比較するように構成されている。この情報は、制御ユニット50,56によって、それらに転送される。
【0049】
変形例では、隣接した検出ループ48及び54は連続していない。例えば、数メートルの距離で分離されている。
【0050】
オペレーションでは、車両4が方向F1に移動する間、案内ユニット26は、電磁信号を転送するように、第1送信機18、第2送信機20及び第4送信機24を制御する。加えて、制御ユニット26は、電磁信号を転送しないように、第3送信機22(列車の後方に配置されている)を制御する。
【0051】
電気車両の第4送信機24が、トラックセグメント8に対して突出している検出ループ48の部分53に到着するとき、それによって転送された電磁信号は、検出ループ48によって検出される。制御ユニット50は、トラックセグメント8を供給線36に接続して、電力供給することができるように、この信号を受信し、かつ、切替手段52を制御する。第2集電舟12は、トラックセグメント8を経由して電流を得つつ、モータ13に電力供給する。
【0052】
トラックセグメント8は、第2集電舟12がそれに到達する以前に電力供給されるので、電気車両のモータ13は、装置52の切り替え中に、電流を必要としない。このため、非常に大規模かつ重さのある切替手段52は必要ではない。
【0053】
第4送信機24が次の検出ループ54上に到着するとき、検出ループ54は、第4送信機24によって送信された電磁信号を検出し、かつ、制御ユニット56は、次のトラックセグメント9を電力供給線36に接続することができるように、切替手段58を制御する。このとき、第1送信機18が受信ループ48上にまだ配置されているので、前のトラックセグメント8は、まだ電力供給されている。かつ、これによって、第1集電舟11(第1トラックセグメント8にまだ電気的に接触している)を介して、モータ13が電力供給される。
【0054】
第1送信機18が受信ループ48に向かい合っていないとき、トラックセグメント8を保護線38に接続することができるように、制御ユニット50は切替手段52を誘導する。
【0055】
このとき、車両4の後ろは、トラックセグメント8の最も近い端部(図1の左手部分)からの所定距離DSECUである。
【0056】
このとき、システムは、トラックセグメント8が車両4の後ろに現れる以前に、時間TSECUを有している。この時間TSECUは、TSECU1+TSECU2にブレークダウンされる。制御ユニット50及び切替手段52は、トラックセグメント8を電力供給線38から切断し、かつ、それを保護線38に接続する時間TSECU1を有している。これが時間TSECU1の終了までに実行されない場合、この機能障害は、制御ユニット50によって検出され、かつ、供給サブステーション40及び42は、供給線36を切断するTSECU2を有する。
【0057】
この合計時間TSECUは、トラックセグメント8上に存在する歩行者の感電死の可能性を回避するために、電気車両が、車両の後ろとトラックセグメント8の最も近い端部(図1のトラックセグメント8の左手の端部)との間に設けられた距離DSECUを移動するのに必要な時間以下でなければならない。
【0058】
第1送信機18が第1集電舟11の前に配置されているので、本発明による電気車両4において、距離DSECUは、従来技術による車両(一方では、送信機18及び20が第1集電舟11及び第2集電舟12を取り巻いて並べられ、かつ、他方では、送信機22及び24が存在しない)よりも長い。
【0059】
特に、第1送信機18が第1距離D1によって第1集電舟11から分離されているので、本発明による輸送システム2の距離DSECUは、従来技術による電気車両の距離DSECUプラス第1距離D1に等しい。
【0060】
電気車両が方向F1の反対方向に移動するとき、案内ユニット26は、送信機24(現在、車両の後ろに配置されている)を停止する。
【0061】
結果的に、安全性を犠牲にすることなくさらに速く走行することができるか、又は、安全性を犠牲にすることなくさらに長いセグメント8,9,10を設置することができるように、本発明による電気車両4は、従来技術による車両よりも送信機22,24を2つ多く備えている。
【実施例2】
【0062】
図2は、本発明の第2実施例による輸送システム64を示している。図2に示すように、図1のコンポーネントと同一のコンポーネントには同類の参照番号が付与されて、説明は繰り返されない。
【0063】
輸送システム64は、図1に示された電気車両4と同一の電気車両4と、この車両に電力供給可能な地中66の供給システムとを具備している。
【0064】
地中66の供給システムは、一連の導電性トラックセグメント68,70によって形成された供給トラック67と、一連の検出ループ74,76(それぞれがトラックセグメント68,70を囲んでいる)とを具備している。
【0065】
本発明の第2実施例のトラックセグメント68,70は、長さS2(本発明の第1実施例のトラックセグメント8,9,10の長さS1よりも長い)を有している。
【0066】
特に、トラックセグメント68,70は、長さS2(長さS1プラス第1距離D1と第2距離D2との間の最小距離に等しい)を有している。以降、この最小距離をDと称する。上記した実施例では、距離D1=D2=Dであり、かつ、0.2〜3mである。
【0067】
その結果、トラックセグメント68,70の長さは、4.2(=4+0.2)メートルから18(=15+3)メートルである。
【0068】
同様に、本発明の第2実施例の検出ループ74及び76は、長さB2(本発明の第1実施例の検出ループ48,54の長さB1よりも長い)を有している。
【0069】
特に、検出ループ74及び76は、長さB2(本発明の第1実施例の検出ループ48,54の長さB1プラス距離Dに等しい)を有している。
【0070】
例えば、検出ループ74及び76の長さは、6.02(=4.02+2)メートルから24(=18+6)メートルである。
【0071】
輸送システム64は輸送システム6と同じ方法で動作する。
【0072】
輸送システム64の安全距離DSECUは、従来技術の距離DSECUに等しいが、輸送システム64は、供給トラック67の所定距離に対して、より数の少ないボックス50,56を備えている。
【0073】
図1及び図2に示すように、ボックス50,56は、渡り線に沿って並べられて、供給トラック7(本発明の第1実施例による供給システム6において長さB1+B1を有する)の供給を制御する。これに反して、ボックス50,56は、供給トラック67(供給システム66において長さB2+B2=B1+B1+D+Dにわたって延出している)の供給を制御することに使用される。
【0074】
したがって、本発明のこの第2実施例による輸送システム64は、より少ないボックス50,56を供給トラックの所定長さにわたって設置することができるので、より経済的である。
【0075】
本発明の第1及び第2実施例は、相互に独立して、又は、組み合わせて使用することができる。
【0076】
送信機18,20,22,24が集電舟11,12から離れているので、ライブ舟は、送信機によって送信された電磁信号を変更しないことが好ましい。
【符号の説明】
【0077】
2 輸送システム
4 電気車両
6 地中
7 供給トラック
8,9,10 導電トラックセグメント
11,12 集電舟
13 電気モータ
18,20,22,24 送信機
26 案内ユニット
36 電力供給線
38 保護線
40,42 供給サブステーション
44,46 制御手段
48 検出ループ
50,56 制御ユニット
52 切替手段
62 監視デバイス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地中(6,66)の供給デバイスによって、電力供給することができ、
前記地中(6,66)の前記供給デバイスは、電力供給線(36)と、導電トラックセグメント(8,9,10;68,70)と、トラックセグメント(8,9,10;68,70)にそれぞれ結合された制御手段(44,46)とを具備し、
各制御手段(44,46)は、検出器(18,20,22,24)によって転送された電磁信号を検出し、かつ、前記電力供給線(36)を、そこに結合されている前記トラックセグメント(8,9,10;68,70)に接続するように構成され、
前記電磁信号を検出するとき、
(a)電気駆動手段(13)と、
(b)前記駆動手段(13)に電力供給するように、連続して各トラックセグメント(8,9,10;68,70)と接触する状態になるように構成された少なくとも1つの第1集電舟(11)と、
(c)各制御手段(44,46)の方向に、電磁信号を転送可能な少なくとも1つの第1送信機(18)と
を具備した所定の進行方向に進行するように構成された電気車両(4)において、
前記第1集電舟(11)は、0.2メートル以上の第1距離(D1)によって前記第1送信機(18)から分離され、かつ、
前記第1送信機(18)は、車両の進行方向(F1)で、前記第1集電舟(11)の前に配置されることを特徴とする電気車両(4)。
【請求項2】
第2集電舟(12)と第2送信機(20)とをさらに具備し、
前記第2集電舟(12)は、第2距離(D2)によって前記第2送信機(20)から分離され、かつ、
前記第2送信機(20)は、車両の進行方向(F1)で、前記第2集電舟(12)の後ろに配置されることを特徴とする請求項1に記載の電気車両(4)。
【請求項3】
分離され、かつ、車両の進行方向(F1)で、前記第2集電舟(12)の後ろに配置された第3送信機(22)をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気車両(4)。
【請求項4】
分離され、かつ、車両の進行方向(F1)で、前記第1集電舟(11)の前に配置された第4送信機(24)をさらに備え、
前記第4送信機(24)は、同じ距離(D1)で、前記第2集電舟(12)から分離されることを特徴とする請求項2又は3に記載の電気車両(4)。
【請求項5】
前記第1距離(D1)及び前記第2距離(D2)は、それぞれ0.2メートル〜3メートルであることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の電気車両(4)。
【請求項6】
前記第3送信機(22)及び前記第4送信機(24)から選択された送信機を停止可能な案内ユニット(26)をさらに備え、
前記選択された送信機は、車両の進行方向(F1)で、前記電気車両(4)の後部に位置することを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載の電気車両(4)。
【請求項7】
a)電力供給線(36)と、縦に配置され、かつ、相互から絶縁された導電トラックセグメント(8,9,10;68,70)とを備えた地中(6;66)の供給デバイスと、
b)それぞれが検出手段(48,54;74,76)と、同じトラックセグメント(8,9,10;68,70)に結合されている切替手段(52,58)とを備えた制御手段(44,46)と
を具備し、
前記検出手段(48,54;74,76)は、そこに結合されている前記トラックセグメント(8,9,10;68,70)に平行に延出し、
前記検出手段(48,54;74,76)の少なくとも一部(53,55)は、このトラックセグメント(8,9,10;68,70)に対して突出し、
前記検出手段(48,54;74,76)は、送信機(18,20,22,24)によって送信された電磁信号を検出することができ、
前記切替手段(52,58)は、前記検出手段(48,54;74,76)が前記電磁信号を検出するとき、前記電力供給線(36)を、そこに結合されている前記トラックセグメント(8,9,10;68,70)に接続するように構成される輸送システム(2;64)において、
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電気車両(4)を備え、かつ、
前記第1距離(D1)及び第2距離(D2)は、前記トラックセグメント(8,9,10;68,70)に対して突出した前記検出手段(48,54;74,76)の一部又は各一部(53,55)の長さよりも短いことを特徴とする輸送システム(2;64)。
【請求項8】
前記地中(6;66)の前記供給デバイスは、走行レールに接続された保護線(38)を備え、
各切替手段(52,58)は、前記検出手段(48,54;74,76)が電磁信号を検出しないとき、前記保護線(38)を、そこに結合されている前記トラックセグメント(8,9,10;68,70)に接続するように構成され、かつ、
各制御手段(6;66)は、安全線を遮断可能な監視デバイス(62)を備えて、
前記検出手段(48,54;74,76)が所定期間(Tp)以降に電磁信号を検出せず、かつ、前記切替手段(52,58)が前記所定期間(Tp)以降に前記トラックセグメント(8,9,10;68,70)にまだ接続されているとき、前記地中(6;66)の供給デバイスをオフにすることを特徴とする請求項7に記載の輸送システム(2;64)。
【請求項9】
各トラックセグメント(8,9,10;68,70)の長さは、4.02〜18メートルであることを特徴とする請求項7又は8に記載の輸送システム(2;64)。
【請求項10】
各検出手段(48,54;74,76)は、6.02〜24メートルの長さにわたって延出することを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項に記載の輸送システム(2;64)。
【請求項11】
2つの隣接した検出手段(48,54;74,76)は連続し、かつ、
前記トラックセグメント(8,9,10;68,70)は、ギャップ(I)によって相互から分離されることを特徴とする請求項7乃至10のいずれか1項に記載の輸送システム(2;64)。
【請求項12】
各検出手段(48,54;74,76)は、トラックセグメント(8,9,10;68,70)周囲に検出ループを備えることを特徴とする請求項7乃至11のいずれか1項に記載の輸送システム(2;64)。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−189237(P2009−189237A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−4055(P2009−4055)
【出願日】平成21年1月9日(2009.1.9)
【出願人】(507030690)アルストム トランスポート ソシエテ アノニム (13)
【Fターム(参考)】