説明

電気透析器

【課題】水道水や井戸水を適切に処理する電気透析器を提供することを目的とする。
【解決手段】原水を通過させるように処理空間12を形成する中央部13と、処理空間12の一面側に位置する第一の電解質膜16と、処理空間12の他面側に位置する第二の電解質膜17と、第一の電解質膜16に面接触して処理空間12と反対側に位置する陽極板18と、第二の電解質膜17に面接触して処理空間12と反対側に位置する陰極板19とを備え、
第一の電解質膜16及び第二の電解質膜17の全てに陽極板18または陰極板19の電極を配置する構成を備え、
陽極板18と陰極板19に通電し、処理空間12の原水から陰イオンを第一の電解質膜16及び陽極板18を介して取り除くと共に、処理空間12の原水から陽イオンを第二の電解質膜17及び陰極板19を介して取り除くように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原水を処理する電気透析器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、水道水や井戸水を軟水化する際には、イオン交換樹脂を配した軟水器を用いてCaやMg等の硬度成分を低減することが主流であり、より高度な純水処理の前処理には逆浸透(RO、Reverse Osmosis)膜を配した純水製造器が用いられている。
【0003】
また塩濃度の高い原水を処理する際には電気透析器を用いることが考えられており、一般的な電気透析器は図3に示す如く内部空間1の両側に陽極2と陰極3を配置し、内部空間1には、陽極2側から陰極3側へ向かって順に陰イオン交換膜4、陽イオン交換膜5が一定の間隔を介して交互に配置されている。また内部空間1は、陰イオン交換膜4及び陽イオン交換膜5によって脱塩槽6と濃縮槽7とに交互に区分けされており、脱塩槽6には、原水を流入させる流入ライン8と、処理した原水を送出する送出ライン9とが備えられ、また濃縮槽7には、濃縮した陽イオンまたは陰イオンを排出する排出ライン10とが備えられている。
【0004】
このような電気透析器を用いてNaCl液を処理する際には、流入ライン8からNaCl液を脱塩槽6に導入して陽極2及び陰極3に通電し、陽イオン交換膜5を介してNaの陽イオンを取り除くと共に陰イオン交換膜4を介してClの陰イオンを取り除き、処理水(脱塩液)として送出ライン9より送出している。また脱塩槽6に隣接する濃縮槽7では、陽イオンまたは陰イオンの濃度を高めて排出ライン10より適宜排出している。
【0005】
なお、このような電気透析器に関連する先行技術文献情報としては、例えば、下記の特許文献1等が既に存在している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−263654号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、逆浸透膜等を用いた純水製造器は高価なため、水道水を処理する給湯器や加湿器等の各機器への導入することが困難であった。また従来の電気透析器は、塩水や海水のように塩濃度が高いものを処理するものであり、水道水や井戸水のように塩濃度が数百ppm以下の場合には、電気伝導率が低下して処理効率が下がるため、硬度の高い水道水や井戸水を軟水化することができないという問題があった。更に純水製造器や電気透析器は複雑な構成になるため、製造コストが増加すると共に、補修時において陰イオン交換膜4や陽イオン交換膜5等を交換する際には装置全体を分解する必要があり、容易に補修することができないという問題があった。
【0008】
本発明は上述の実情に鑑みてなしたもので、水道水や井戸水について電気処理を適切に行う電気透析器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、原水を通過させるように処理空間を形成する中央部と、前記処理空間の一面側に位置する第一の電解質膜と、前記処理空間の他面側に位置する第二の電解質膜と、前記第一の電解質膜に面接触して処理空間と反対側に位置する陽極板と、前記第二の電解質膜に面接触して処理空間と反対側に位置する陰極板とを備え、
前記第一の電解質膜及び第二の電解質膜の全てに陽極板または陰極板の電極を配置する構成を備え、
前記陽極板と陰極板に通電し、処理空間の原水から陰イオンを第一の電解質膜及び陽極板を介して取り除くと共に、処理空間の原水から陽イオンを第二の電解質膜及び陰極板を介して取り除くように構成したことを特徴とする電気透析器、にかかるものである。
【0010】
また本発明の電気透析器において、原水を通過させるように処理空間を形成する中央部と、前記処理空間の一面側に位置する第一の電解質膜と、前記処理空間の他面側に位置する第二の電解質膜と、前記第一の電解質膜に面接触して処理空間と反対側に位置する陽極板と、前記第二の電解質膜に面接触して処理空間と反対側に位置する陰極板とを、一基の処理モジュールとし、
前記陽極板と陰極板が交互に位置するように複数の処理モジュールを並列に組み合わせると共に、両側の処理モジュールから陰イオンまたは陽イオンが流入するように二つの処理モジュールの間に濃縮用空間を形成することが好ましい。
【0011】
更に本発明の電気透析器において、前記中央部の一側に位置する第一押え部と、前記中央部の他側に位置する第二押え部と、前記第一の電解質膜と陽極板を第一押え部とで挟み込む第一外枠と、前記第二の電解質膜と陰極板を第二押え部とで挟み込む第二外枠とを備えることが好ましい。
【0012】
更にまた本発明の電気透析器において、前記第一の電解質膜と陽極板を嵌め込んで第一の電解質膜と陽極板の外周を支持する第一周囲枠と、前記第二の電解質膜と陰極板を嵌め込んで第二の電解質膜と陰極板の外周を支持する第二周囲枠とを備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の電気透析器によれば、第一の電解質膜に陽極板を面接触させると共に第二の電解質膜に陰極板を面接触させるので、通電抵抗を低減し、また第一の電解質膜及び第二の電解質膜の全てに陽極板または陰極板の電極を配置するので、通電効率を高め、よって処理空間に対する電気処理効率を上げ、水道水や井戸水のように塩濃度が数百ppm以下の場合であっても、水道水や井戸水について軟水化等の電気処理を適切に行うことができる。また全体構成を単純化し得るので、逆浸透膜等を用いた純水製造器等に比べて製造コストを低減することができ、更に電気透析器の補修時においても第一の電解質膜や第二の電解質膜を簡単に交換し、容易に補修することができるという種々の優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明を実施する形態例を示す概念図である。
【図2】本発明を実施する形態例であって一基の処理モジュールの構成を示す分解概念図である。
【図3】従来例の電気透析器を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施する形態例を図1、図2を参照して説明する。
【0016】
実施の形態例の電気透析器は、処理モジュール11を構成して配置するものであり、一基の処理モジュール11は、処理空間12を形成する枠状の中央部13と、中央部13の一側に位置する第一押え部14と、中央部13の他側に位置する第二押え部15と、第一押え部14に配置される第一の電解質膜16と、第二押え部15に配置される第二の電解質膜17と、第一の電解質膜16に面接触して処理空間12と反対側に位置する陽極板18と、第二の電解質膜17に面接触して処理空間12と反対側に位置する陰極板19と、第一の電解質膜16と陽極板18の外周を支持する第一周囲枠20と、第二の電解質膜17と陰極板19の外周を支持する第二周囲枠21と、第一の電解質膜16と陽極板18を第一周囲枠20ごと外方から押える第一外枠22と、第二の電解質膜17と陰極板19を第二周囲枠21ごと外方から押える第二外枠23とを備えている。
【0017】
中央部13は、所定の厚みを備えて内部に所定容積の処理空間12を形成し、中央部13の一辺(図2では上辺)には、水道水や井戸水等の原水を流入させる流入ライン24が配置されていると共に、中央部13の他辺(図2の下辺)には、処理空間12で処理した処理水を流出させる送出ライン25が配置されている。ここで流入ライン24及び送出ライン25は、図2の例に限定されるものではなく、他の配置でも良い。また中央部13の厚みは、処理空間12の通電効率を高めるように薄い厚みであることが好ましい。
【0018】
第一押え部14は、中央部13に一側面に固定されており、第一押え部14の中央位置には、中央部13の処理空間12に面するように、所定の大きさの第一流通孔26が形成されていると共に、第一の電解質膜16を支持する第一支持部27が形成されている。また第二押え部15は、中央部13に他側面に固定されており、第二押え部15の中央位置には、中央部13の処理空間12に面するように、所定の大きさの第二流通孔28が形成されていると共に、第二の電解質膜17を支持する第二支持部29が形成されている。ここで第一流通孔26は、第一支持部27の作用に影響を与えるものでなければ、形状や構成が特に制限されるものではない。また第二流通孔28は、同様に第二支持部29の支持作用に影響を与えるものでなければ形状や構成が特に制限されるものではない。
【0019】
第一の電解質膜16は、中央部13の一側面及び第一押え部14よりも一回り小さい大きさのシート状に形成されている。また第二の電解質膜17は、同様に中央部13の他側面及び第二押え部15よりも一回り小さい大きさのシート状に形成されている。ここで第一の電解質膜16及び第二の電解質膜17は、原水から所望の陽イオンまたは陰イオンを取り除き得るならば、材質、厚さ、透過孔に制限はなく、どのような構成でも良い。
【0020】
陽極板18は、第一の電解質膜16とほぼ同じ大きさで形成されて第一の電解質膜16に全体に重なり、且つ面接触で密接(ゼロギャップ)の状態となっている。また陽極板18の面には、通水し得る所定の孔18aが形成され、陽極板18の一端(図2では上端)には電源へ通じる配線18bが備えられている。ここで陽極板18の素材は、導電性を有する素材ならば、ステンレス等のどのような素材でも良いが、チタン製白金めっき等の素材が好ましい。また陽極板18の形状は、通水し得るものならばパンチングメタルやエキスパンドメタル等のどのような形状でも良い。更に陽極板18と第一の電解質膜16との間にカーボンスパッタリング処理を施しても良い。
【0021】
陰極板19は、第二の電解質膜17とほぼ同じ大きさで形成されて第二の電解質膜17に全体に重なり、且つ面接触で密接(ゼロギャップ)の状態になっている。また陰極板19の面には、通水し得る所定の孔19aが形成され、陰極板19の一端(図2では上端)には電源へ通じる配線19bが備えられている。ここで陰極板19の素材は、導電性を有する素材ならば、ステンレス等のどのような素材でも良いが、チタン製白金めっき等の素材が好ましい。また陰極板19の形状は、通水し得るものならばパンチングメタルやエキスパンドメタル等のどのような形状でも良い。更に陰極板19と第二の電解質膜17との間にカーボンスパッタリング処理を施しても良い。
【0022】
第一周囲枠20は、中央部13の一側面及び第一押え部14とほぼ同じ大きさを備えると共に、内部中央に、第一の電解質膜16と陽極板18を嵌め込み得る空間30を形成している。また第二周囲枠21は、第一周囲枠20と同様に中央部13の他側面及び第二押え部15とほぼ同じ大きさを備えると共に、内部中央に、第二の電解質膜17と陰極板19を嵌め込み得る空間31を形成している。
【0023】
第一外枠22は、第一周囲枠20とほぼ同じ大きさを備えると共に、第一周囲枠20の空間30より一回り小さい流通空間32を形成し、流通空間32の周囲部分33と第一押え部14とにより第一の電解質膜16と陽極板18を挟み込むようにしている。また第二外枠23は、第二周囲枠21とほぼ同じ大きさを備えると共に、第二周囲枠21の空間31より一回り小さい流通空間34を形成し、流通空間34の周囲部分35と第二押え部15とにより第二の電解質膜17と陽極板18を挟み込むようにしている。
【0024】
ここで、中央部13、第一押え部14、第二押え部15、第一周囲枠20、第二周囲枠21、第一外枠22、第二外枠23の各部材は、アクリルや塩化ビニル等の非導電性部材で構成されると共に、外周にボルト孔13a,14a,15a,20a,21a,22a,23aを備え、ボルト締結により一体化し得るようになっている。ここで処理モジュール11の陽極板18と陰極板19の間隔を1.3mm以上6.3mm以下することが好ましく、また各部材の締結手段は、ボルトに制限されるものではなく、処理モジュール11を分解・組立を容易にするものならば他の締結手段や構成でも良い。
【0025】
また中央部13等を組み立て構成される処理モジュール11は、図1に示す如く収納容器や収納フレーム等のモジュールハウジング36内に着脱可能に配置されており、モジュールハウジング36には、複数の処理モジュール11(図1では2基)を所定の間隔で並列に配置し、処理モジュール11の両側の隙間を濃縮用空間37としている。また複数の処理モジュール11は、一基の処理モジュール11の第一外枠22と、隣接する他の処理モジュール11の第二外枠23とが濃縮用空間37で対向すると共に、一基の処理モジュール11の陽極板18と、隣接する他の処理モジュール11の陰極板19とが交互に位置するようにしている。更に濃縮用空間37には、濃縮した陽イオンまたは陰イオンを排出する排出ライン38が備えられている。ここでモジュールハウジング36に配置される処理モジュール11の個数は特に制限されるものではなく、三基以上でも良いし、一基の処理モジュール11でも良い。
【0026】
以下本発明を実施する形態例の作用を説明する。
【0027】
水道水や井戸水等の原水を処理する際には、流入ライン24から原水を処理空間12に導入して陽極板18及び陰極板19に通電し、第一の電解質膜16及び陽極板18により処理空間12からHCO,Cl,SO2−の陰イオンを濃縮用空間37へ移動させると共に、第二の電解質膜17及び陰極板19により処理空間12からMg2+,Na,Ca2+の陽イオンを濃縮用空間37へ移動させる。その後、原水から陰イオン及び陽イオンを取り除いた処理空間12の軟水の処理水は電気伝導率10μS/cm以上20μS/cm以下となって送出ライン25より送出される。また陽イオンまたは/及び陰イオンの流入により濃度を高めた濃縮用空間37の排水は排出ライン38より適宜排出される。
【0028】
ここで原水は、水道水や井戸水に限定されるものではなく、塩濃度が14ppm以上600ppm以下(電気伝導度で20μS/cm以上860μS/cm以下)のものならば特に制限されるものではない。また原水を処理する際には、通電量を48V/1A以下にし、処理空間12への流速を80ml/min以上120ml/min以下にすることが好ましい。
【0029】
以下、処理モジュール11の1基を用いて原水を処理し、その作用効果を試験した。
【0030】
[試験1]
試験1は、試験条件として、処理モジュール11の陽極板18と陰極板との間隔を6.3mmにし、原水として水道水を用い、通電量を48Vとし、処理空間12への流速を71.3ml/minとし、表1の結果を得た。
【0031】
[表1]



【0032】
このことから処理水の電気伝導度が18μS/cmと市販蒸留水(1〜10μS/cm)に近い値になり、Caイオンの濃度が0.5mg/minとなり、原水の軟水化等の電気処理が適切に行われることが明らかとなった。
【0033】
而して、このように実施の形態例によれば、第一の電解質膜16に陽極板18を面接触させると共に第二の電解質膜17に陰極板19を面接触させるので、通電抵抗を低減し、また第一の電解質膜16及び第二の電解質膜17の全てに陽極板18または陰極板19の電極を配置するので、通電効率を高め、よって処理空間12に対する電気処理効率を上げ、水道水や井戸水のように塩濃度が数百ppm以下の場合であっても、水道水や井戸水について軟水化等の電気処理を適切に行うことができる。
【0034】
また全体構成を単純化し得るので、逆浸透膜等を用いた純水製造器等に比べて製造コストを低減し、よって水道水を処理する給湯器や加湿器等の各機器へ容易に導入することができる。更に電気透析器の補修時においても第一の電解質膜16や第二の電解質膜17を簡単に交換し、容易に補修することができる。
【0035】
実施の形態例において、原水を通過させるように処理空間12を形成する中央部13と、処理空間12の一面側に位置する第一の電解質膜16と、処理空間12の他面側に位置する第二の電解質膜17と、第一の電解質膜16に面接触して処理空間12と反対側に位置する陽極板18と、第二の電解質膜17に面接触して処理空間12と反対側に位置する陰極板19とを、一基の処理モジュール11とし、陽極板18と陰極板19が交互に位置するように複数の処理モジュール11を並列に組み合わせると共に、両側の処理モジュール11から陰イオンまたは陽イオンが流入するように二つの処理モジュール11の間に濃縮用空間37を形成すると、複数の処理空間12によって原水の処理量を増やし、軟水化等の電気処理を好適に行うことができる。また複数の処理モジュール11を並列に配して、両側の処理モジュール11から濃縮用空間37へ陽イオン及び陰イオンが流入するように構成するので、濃縮用空間37の排水を中性のpHもしくは所定のpHの範囲として排水処理し、陽イオン等からのスケールの発生を抑制して好適な長期運転を期待することができる。更に複数の処理モジュール11を配置する構成のうち一基の処理モジュール11を補修する際には、修理する処理モジュール11を新たな処理モジュール11に容易に交換し得るので、好適に補修することができる。
【0036】
実施の形態例において、中央部13の一側に位置する第一押え部14と、中央部13の他側に位置する第二押え部15と、第一の電解質膜16と陽極板18を第一押え部14とで挟み込む第一外枠22と、第二の電解質膜17と陰極板19を第二押え部15とで挟み込む第二外枠23とを備えると、第一の電解質膜16と陽極板18との面接触、及び第二の電解質膜17と陰極板19との面接触を夫々適切に為し得るので、処理空間12に対する電気処理効率を上げ、水道水や井戸水のように塩濃度が数百ppm以下の場合であっても、水道水や井戸水について軟水化等の電気処理を好適に行うことができる。
【0037】
実施の形態例において、第一の電解質膜16と陽極板18を嵌め込んで第一の電解質膜16と陽極板18の外周を支持する第一周囲枠20と、第二の電解質膜17と陰極板19を嵌め込んで第二の電解質膜17と陰極板19の外周を支持する第二周囲枠21とを備えると、第一周囲枠20により第一の電解質膜16と陽極板18とを適切に保持して面接触させ、且つ第二周囲枠21により第二の電解質膜17と陰極板19とを適切に保持して面接触させるので、処理空間12に対する電気処理効率を上げ、水道水や井戸水のように塩濃度が数百ppm以下の場合であっても、水道水や井戸水について軟水化等の電気処理を好適に行うことができる。
【0038】
尚、本発明の電気透析器は、上述の形態例にのみ限定されるものではなく、第一の電解質膜と陽極板との面接触、及び第二の電解質膜と陰極板との面接触を為し得るならば、他の部材の構成を変更しても良いこと、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0039】
11 処理モジュール
12 処理空間
13 中央部
14 第一押え部
15 第二押え部
16 電解質膜
17 電解質膜
18 陽極板
19 陰極板
20 第一周囲枠
21 第二周囲枠
22 第一外枠
23 第二外枠
37 濃縮用空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原水を通過させるように処理空間を形成する中央部と、前記処理空間の一面側に位置する第一の電解質膜と、前記処理空間の他面側に位置する第二の電解質膜と、前記第一の電解質膜に面接触して処理空間と反対側に位置する陽極板と、前記第二の電解質膜に面接触して処理空間と反対側に位置する陰極板とを備え、
前記第一の電解質膜及び第二の電解質膜の全てに陽極板または陰極板の電極を配置する構成を備え、
前記陽極板と陰極板に通電し、処理空間の原水から陰イオンを第一の電解質膜及び陽極板を介して取り除くと共に、処理空間の原水から陽イオンを第二の電解質膜及び陰極板を介して取り除くように構成したことを特徴とする電気透析器。
【請求項2】
原水を通過させるように処理空間を形成する中央部と、前記処理空間の一面側に位置する第一の電解質膜と、前記処理空間の他面側に位置する第二の電解質膜と、前記第一の電解質膜に面接触して処理空間と反対側に位置する陽極板と、前記第二の電解質膜に面接触して処理空間と反対側に位置する陰極板とを、一基の処理モジュールとし、
前記陽極板と陰極板が交互に位置するように複数の処理モジュールを並列に組み合わせると共に、両側の処理モジュールから陰イオンまたは陽イオンが流入するように二つの処理モジュールの間に濃縮用空間を形成したことを特徴とする請求項1に記載の電気透析器。
【請求項3】
前記中央部の一側に位置する第一押え部と、前記中央部の他側に位置する第二押え部と、前記第一の電解質膜と陽極板を第一押え部とで挟み込む第一外枠と、前記第二の電解質膜と陰極板を第二押え部とで挟み込む第二外枠とを備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の電気透析器。
【請求項4】
前記第一の電解質膜と陽極板を嵌め込んで第一の電解質膜と陽極板の外周を支持する第一周囲枠と、前記第二の電解質膜と陰極板を嵌め込んで第二の電解質膜と陰極板の外周を支持する第二周囲枠とを備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電気透析器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−121003(P2012−121003A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−275651(P2010−275651)
【出願日】平成22年12月10日(2010.12.10)
【出願人】(000198318)株式会社IHI検査計測 (132)
【Fターム(参考)】