説明

電気錠システム及び建物

【課題】一つの電源供給系統から電源供給不能となることの対策として機械式の施解錠装置を設けるという必要が無く、ピッキング等による不正解除を防止する。
【解決手段】ドア本体12は、錠前を電気的に施開錠する電気錠22、電気錠22を遠隔操作する電子キーK及び電気錠22の施解錠を制御するコントローラ24を備えている。そして、コントローラ24には二つの電源系統から電源が供給される。一つは交流電源系統であり、商用交流電源AC、電源回路111、第1電源配線96、第1通電配線44及び第1内配線91により構成されている。もう一つは直流電源系統であり、直流電源DC、第2電源配線98、第2通電配線45及び第2内配線92により構成されている。いずれかの電源系統からコントローラ24に電源が供給されれば、コントローラ24を介して電気錠22に電源が供給される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気錠システム及びそれを備えた建物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、電気的に錠前を施解錠する電気錠が設けられた玄関ドア等の扉体が知られている。この扉体では、ユーザが所持する電子キーによって電気錠を遠隔操作することが可能となるという点でメリットがある。
【0003】
もっとも、このように電気錠が設けられた扉体であっても、従来は、機械的に錠前の施解錠する施解錠装置も設けられている(例えば、特許文献1参照)。この機械式の施解錠装置では、同装置が有する鍵穴にキーを挿し込んで施解錠を行うことになる。
【0004】
そして、このように機械式の施解錠装置も併用されている理由は、電子キーによって電気錠を施解錠する通常使用の場合と異なる場合に、対処できるようにする点にある。例えば、建物が施工中であるため、商用交流電源を源とする電源が供給されていない状態では、建物に扉体を設置してもその扉体が有する電気錠を使用することができない。このため、建物施工中の場合、前記機械式の施解錠装置を利用して扉体を施錠すれば、電気錠が使用不能という状態に対処できる。
【特許文献1】特開平8−184228号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前述した従来の機械式施解錠装置を有する扉体は、ピッキング等によって不正に解錠されてしまうというおそれが常につきまとう。
【0006】
そこで、ピッキング等による不正解錠を防止するための一方策として、機械式の施解錠装置を扉体から一切無くしてしまうことが考えられる。こうすれば、扉体には鍵穴が無くなるため、ピッキング等による不正解錠を防止することができる。
【0007】
ところが、その一方で、このように機械式の施解錠装置を無くしてしまうと、別の問題が浮上する。すなわち、通常使用する電源供給系統から電気錠に電源を供給できなくなると、電気錠を施解錠することが全くできなくなってしまうという問題である。そのような場合の例としては、建物施工中である場合が考えられる。この場合、通常使用の場合に供給される商用交流電源を源とする電源が供給されないため、電気錠を施解錠することが全くできない。
【0008】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、通常使用の電源供給系統から電源供給不能となることの対策として機械式の施解錠装置を設けるという必要が無く、ピッキング等による不正解除を防止できる電気錠システム、及びそれを備えた建物を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題を解決するために、以下の手段を採用した。
【0010】
すなわち、第1の発明では、取付対象の開口部を開閉する扉体に設けられ、電気的に錠前を施解錠する電気錠と、前記電気錠の施解錠を遠隔操作すべく、固有の識別情報を無線送信する電子キーと、前記電子キーから無線受信した識別情報を、予め登録された識別情報と照合し、前記両情報が一致した場合に、前記電気錠を施解錠する制御手段とを備えた電子錠システムであって、複数の電源供給系統を設け、そのいずれかの電源供給系統から前記電気錠に電源を供給するようにした。
【0011】
この第1の発明によれば、通常使用する一つの電源供給系統から電気錠に電源を供給できなくなることがあっても、別の電源供給系統を用いて電気錠に電源を供給することが可能となる。このため、機械式の施解錠装置を無くしても、施解錠ができなくなってしまうことはない。したがって、通常使用の電源供給系統から電源供給不能となることの対策として機械式の施解錠装置を設けるという必要が無く、ピッキング等による不正解除を防止できる。
【0012】
第2の発明では、上記第1の発明において、前記複数の電源供給系統は、商用交流電源を源とする交流電源系統と、直流電源を源とする直流電源系統とを含むことが好ましい。
【0013】
交流電源系統を通常使用の電源供給系統とすると、例えば、建物施工中や停電中等のため、交流電源系統から電源が供給されない場合がある。このような場合に、直流電源系統から電源を供給することが可能となるため、交流電源系統から電源が供給されなくても電子キーによって電気錠を施解錠することができる。このため、交流電源系統から電源が供給されないことの対策として機械式の施解錠装置を設けるという必要が無い。
【0014】
この第2の発明では、前記扉体は建物の屋内外を連通する開口部を開閉するものであり、前記直流電源系統は、前記扉体の屋外側で直流電源と接続可能な電源接続部を有することが好ましい。
【0015】
建物の屋内外を連通する開口部を開閉する扉体では、電子キーによる電気錠の遠隔操作が当該扉体の屋外側で行われる。このため、扉体の屋内側で直流電源と接続される構成では、電気錠の施錠後に直流電源と電源接続部との接続を解消することができない。その点、電源接続部を扉体の屋外側で直流電源と接続可能とすれば、電気錠による施錠後でも、直流電源と電源接続部との接続を解消することができる。そうすることで、直流電源の消費を抑えることもできる。
【0016】
また、第2の発明では、前記電子キーは互いに異なる識別情報が付与される複数のキーを備え、それら各キーの識別情報を前記複数の電源供給系統にそれぞれ対応づけ、前記制御手段は、前記複数の電源供給系統のうち、いずれの電源供給系統から電源供給されているかを判断し、該判断した電源供給系統に対応する識別情報を照合に用いることが好ましい。
【0017】
この発明によると、電気錠に電源を供給する電源供給系統が異なれば、制御手段によって照合に用いられる識別情報も異なり、電気錠の施解錠が可能となる電子キーも異なってくる。これにより、例えば通常用キーと非常用キー等のように、電源供給系統に応じて電子キーを使い分けることができる。
【0018】
さらに、第2の発明では、前記電子キーは互いに異なる識別情報が付与される主キーと仮キーとを備え、前記交流電源系統から前記電気錠に電源が供給されたことがなく、かつ前記直流電源系統から前記電気錠に電源が供給されている場合、前記制御手段は、予め登録された前記仮キーの識別情報を照合に用いることが好ましい。
【0019】
これにより、例えば建物施工中の場合のように、交流電源系統から電源が供給されておらず、しかも主キーとは異なる仮キーが施工関係者用に必要となる場合に、電気錠に直流電源系統から電源を供給すれば、その仮キーによって電気錠を施解錠することが可能となる。このため、仮キーによって施解錠するための対策として機械式の施解錠装置を設けるという必要も無くなる。
【0020】
この場合、前記電気錠に交流電源系統から電源が供給されると、前記制御手段は、予め登録された前記仮キーの識別情報を抹消するなどにより無効化することが好ましい。これにより、交流電源系統から電源が供給されると、主キーによる電気錠の施解錠のみが可能となり、仮キーによって電気錠を施解錠することが不能となるため、仮キーの所持者による不正解除を防止できる。
【0021】
さらに、前記制御手段は、前記仮キーの識別情報の無効化を、交流電源系統からの電源供給後、所定時間経過後に実行することが好ましい。これにより、交流電源系統からの電源が供給された後、所定時間が経過するまでの間は仮キーによって電気錠を施開錠することが可能となる。このため、例えば、建物の施工完了後、引渡し前の最終仕上げ処理等、交流電源系統からの電源が供給された後に必要となる処置のために仮キーを使用することができる。
【0022】
なお、上記いずれかの電気錠システムは建物に設けられることが好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下に、一実施の形態である玄関ドアについて、図面を参照しつつ説明する。
【0024】
最初に、玄関ドアの全体構成を図1に基づいて説明する。なお、図1は玄関ドアの正面図であり、屋内側から見た場合と屋外側から見た場合の両者を示している。
【0025】
図1に示すように、玄関ドア11は、扉体としてのドア本体12と、ドア枠13とを備えている。ドア本体12は縦長の矩形状をなし、ドアフレーム、断熱材及び面材等によって周知の如く構成されている。ドア本体12は、把手21、電気錠22、照合ユニット23及びコントローラ24を備えている。把手21はドア本体12の屋内側及び屋外側に設けられており、ユーザがドア本体12を開閉する際に用いられる。電気錠22は電気的に錠前を施解錠する装置であり、把手21の上方及び下方にそれぞれ設けられている。電気錠22は手動により錠前を施解錠するサムターン31を有しており、そのサムターン31が屋内側に設けられている。照合ユニット23はコントローラ24と外部機器との間で無線通信を可能とするものであり、ドア本体12の屋外側に設けられている。制御手段としてのコントローラ24は電気錠22の制御システムを司るものであり、ドア本体12に内蔵されている。
【0026】
なお、前述した把手21の形状、電気錠22の個数及びその取付位置に関しては一例を示したに過ぎず、把手21と電気錠22とを一体的に設けたり、電気錠22の数を増減させたりする等、適宜、他の構成を採用してもよい。
【0027】
ドア枠13は、建物の屋内外を連通する開口部の周縁に設置され、その枠内に前記ドア本体12が設けられている。ドア本体12は、前記把手21が設けられた側とは反対側に設けられた丁番36によってドア枠13と連結され、その丁番36によってドア本体12は建物の前記開口部を開閉するようになっている。また、ドア枠13には係止孔(図示略)が設けられており、この係止孔に向けて電気錠22の係止部材32が進退することにより電気錠22の施解錠が行われる。そして、電気錠22が施錠されれば前記開口部を閉じた状態にあるドア本体12を開くことが不能となり、一方、電気錠22が解錠されるとドア本体12を開いてドア枠13の前記開口部を開放することが可能となる。
【0028】
上記玄関ドア11は通電部材41を備えている。通電部材41は、丁番36が設けられた側の上部に設けられている。そして、この通電部材41は、前記ドア本体12に設けられた電気錠22及びコントローラ24に前記ドア枠13側から電源などを供給すべく、ドア本体12とドア枠13との間で電源供給用の配線接続に用いられる部材である。
【0029】
そこで、次にこの通電部材41を図2及び図3に基づいて説明する。なお、図2は通電部材が設けられた部分(図1で一点鎖線で囲んだ部分)を拡大して示す部分拡大図であり、図3は通電部材を示す分解斜視図である。
【0030】
図2及び図3に示すように、通電部材41はドア側部材42、枠側部材43及び一対の通電配線44,45を備えている。ドア側部材42は平板部51を備えている。平板部51の上端部及び下端部には、ドア側部材42をドア本体12に取り付ける場合にネジ等の締結部材Tが挿通される透孔52が設けられている。上下の透孔52の間には配線挿通孔53が設けられ、配線挿通孔53は配線収納部54につながっている。配線収納部54は平板部51のドア本体12への取付側に設けられ、その上部は開放されている。
【0031】
枠側部材43もドア側部材42と同様、平板部61及び配線収納部64を備えている。平板部61には枠側部材43をドア枠13に取り付ける場合に締結部材Tが挿通される透孔62と、配線挿通孔63とが設けられている。配線収納部64は平板部61のドア枠13への取付側に設けられ、その上部は開放されている。
【0032】
一対の通電配線44,45のうち、第1通電配線44は商用交流電源ACを源とする交流電源系統の一部を構成し、第2通電配線45は直流電源DCを源とする直流電源系統の一部を構成する。第1通電配線44の一端部にはドア側接続部71が設けられ、そのドア側接続部71はドア側部材42の配線収納部54の上方に引き出されている。また、第1通電配線44の他端部には電源接続部72が設けられ、その電源接続部72は配線挿通孔53,63を介して枠側部材43の配線収納部64に至り、その上方に引き出されている。一方、第2通電配線45の一端部にはドア側接続部73が設けられ、そのドア側接続部73はドア側部材42の配線収納部54の上方に引き出されている。また、第2通電配線45の他端部には電源接続部74が設けられ、その電源接続部74は配線挿通孔53を介してドア側部材42と枠側部材43との間の隙間14から引き出されている。
【0033】
以上のように構成された通電部材41は、ドア本体12がドア枠13に取り付けられた状態で、ドア側部材42がドア本体12に、枠側部材43がドア枠13にそれぞれ取り付けられている。この場合、ドア本体12及びドア枠13に設けられた収容孔81,82に配線収納部54,64が収容され、その状態で、透孔52,62、及び収容孔81,82の上下に設けられた取付用孔83,84を用いて締結部材Tにより取り付けられる。
【0034】
ここで、ドア本体12内には、一端がコントローラ24に接続される一対の内配線91,92が設けられている。第1内配線91は交流電源系統の一部を構成し、第2内配線92は直流電源系統の一部を構成する。
【0035】
第1通電配線44のドア側接続部71は、その第1内配線91の接続部93と接続されている。そして、電源接続部72は、第1電源配線96の接続部97と接続されている。この第1電源配線96は、電源回路111を介して商用交流電源ACと接続されている。一方、第2通電配線45のドア側接続部73は、第2内配線92の接続部94と接続されている。そして、電源接続部74は、第2電源配線98の接続部99と接続可能となっている。この第2電源配線98は、バッテリ等の直流電源DCに接続されている。
【0036】
建物の施工が完了した場合には、商用交流電源ACから電源供給を受ける。これにより、商用交流電源AC、電源回路111、第1電源配線96、第1通電配線44及び第1内配線91が交流電源系統となり、その交流電源系統を通じて、ドア本体12の電気錠22やコントローラ24に電源が供給される。
【0037】
一方、建物がいまだ施工中である場合には、日ごと施工開始とともに、電源接続部74が第2電源配線98の接続部99に接続される。これにより、建物施工中は、直流電源DC、第2電源配線98、第2通電配線45及び第2内配線92が直流電源系統となり、その直流電源系統を通じて、ドア本体12の電気錠22やコントローラ24に電源が供給される。
【0038】
次に、電気錠システム、すなわちコントローラ24によって電気錠22の施解錠を制御する制御システムを、図4に基づいて説明する。なお、図4は本制御システムの概要を示すブロック図である。
【0039】
図4に示すように、本制御システムは、ドア本体12に設けられた前記コントローラ24及び電気錠22と、電子キーKとを主として備えている。コントローラ24は、CPU101及びメモリ102等を備えた周知のマイクロコンピュータにより構成されている。メモリ102には本制御システムを実行する制御プログラムが予め記憶されており、また、電子キーKから受信した識別情報が記憶されるようになっている。
【0040】
コントローラ24は、無線通信部103及び前記通電部材41と接続されている。無線通信部103は前記照合ユニット23に設けられ、この無線通信部103によってコントローラ24は外部機器との間で無線通信が可能となる。また、通電部材41は第1電源配線96と接続されており、第2電源配線98とも接続可能となっている。そして、商用交流電源ACから電源供給を受けると、コントローラ24には交流電源系統を通じて電源が供給される。また、電源接続部74が第2電源配線98に接続されると、コントローラ24には直流電源系統を通じて電源が供給される。
【0041】
コントローラ24には前記電気錠22が接続されている。このため、コントローラ24に交流電源系統から電源が供給されると、その電源がコントローラ24を通じて電気錠22に供給される。また、コントローラ24に直流電源系統から電源が供給された場合も、その電源がコントローラ24を通じて電気錠22に供給される。そして、コントローラ24は電気錠22に対して制御信号を送信し、その制御信号に基づいて電気錠22は錠前を施解錠するようになっている。
【0042】
電子キーKはユーザによって所持される主キーK1と、施工関係者によって所持される工事用の仮キーK2とからなる。各キーK1,K2は無線通信部m1を備えており、数m(例えば、1,2m)又は数cm(例えば、1,2cm)程度の距離を送受信エリアとして、コントローラ24の無線通信部103との間で無線通信が可能となっている。また、各キーK1,K2にはメモリm2が設けられており、そのメモリm2には、各キーK1,K2ごとに異なる個別の識別情報が記憶されている。このうち仮キーK2のメモリm2には、その仮キーK2の識別情報に加え、当該仮キーK2に対応する主キーK1の識別情報も仮キーK2の識別情報と対応させて記憶されている。
【0043】
また、各キーK1,K2には登録ボタン、施錠ボタン、解錠ボタン等を有する入力部材m3が設けられている。コントローラ24に識別情報を登録する場合には登録ボタンが、電気錠22を施錠する場合は施錠ボタンが、電気錠22を解錠する場合は解錠ボタンがユーザにより操作されるようになっている。なお、登録ボタンは仮キーK2にのみ設けられている。
【0044】
上記構成の電気錠システムでは、各キーK1,K2とコントローラ24との間の送受信エリアにおいて、各キーK1,K2のボタン操作に基づいてコントローラ24からリクエスト信号が送信されるようになっている。各キーK1,K2は、リクエスト信号に応答して識別情報を送信する。この場合、仮キーK2からは当該仮キーK2の識別情報だけでなく、対応する主キーK1の識別情報も併せて送信する。コントローラ24はその識別情報を各キーK1,K2から受信して、それに基づいて識別情報の登録、認証処理を実行する。また、各キーK1,K2は入力部材m3のボタン操作に基づいて、その操作に応じた制御信号をコントローラ24に送信する。コントローラ24はその制御信号を受信して、ボタン操作に応じた制御を実行する。
【0045】
次に、コントローラ24は、その内部回路により、当該コントローラ24に交流電源系統と直流電源系統とのいずれから電源が供給されているかを判断している。そこで、その内部回路を、図5に基づいて説明する。なお、図5は内部回路を示す回路図であり、交流電源AC及び直流電源DCの両者が接続された状態を便宜的に示している。もっとも、実際には、建物施工中であれば直流電源DCのみが接続され、建物の施工完了後であれば商用交流電源ACのみが接続されている。
【0046】
交流電源系統から電源が供給された場合(具体的には、商用交流電源ACから電源供給を受けた場合)、スイッチング電源回路111から出力された直流電圧が電圧検知回路112に入力されるようになっている。電圧検知回路112の第1出力側は、第1トランジスタTR1のベースと接続されている。第1トランジスタTR1のコレクタはCPU101に接続され、エミッタは接地されている。
【0047】
また、電圧検知回路112の第1出力側は起動用回路113と接続されている。起動用回路113の出力側はリレー駆動用の第2トランジスタTR2のベースと接続されており、電圧検知回路112から直流電圧が供給されている場合にはこの起動用回路113により第2トランジスタTR2がオフされる。第2トランジスタTR2のコレクタはリレー114の駆動コイル121の一端と接続されており、第2トランジスタTR2がオフ状態であると駆動コイル121は非通電状態となり、リレースイッチ122は図示の左側端子123にオンする。リレースイッチ122の左側端子123は、前記電圧検知回路112の第2出力側と接続されている。このため、その第2出力側から出力された直流電圧はリレー114に供給されるとともに、そのリレー114から出力される。リレー114の出力側は前記第1トランジスタTR1のコレクタと抵抗131を介して接続されている。また、リレー114の出力側は電気錠22に接続されており、これにより直流電圧が電気錠22に供給されるようになっている。
【0048】
一方、直流電源系統から電源が供給された場合(具体的には、電源接続部74が第2電源配線98と接続された場合)、直流電源DCのマイナス側は接地されている。直流電源DCのプラス側は、前記起動用回路113と、リレー114の駆動コイル121の一端と、リレー114の右側端子124と接続されている。直流電源DCからの直流電圧が起動用回路113に供給されると、起動用回路113により第2トランジスタTR2がオンされる。これにより、駆動コイル121が通電状態となり、リレースイッチ122は右側端子124にオンする。リレースイッチ122の右側端子124は直流電源DCのプラス側と接続されているため、リレー114に直流電圧が供給されるとともに、そのリレー114から出力される。この直流電圧が、第1トランジスタTR1のコレクタ側、及び電気錠22に供給される。
【0049】
以上より、交流電源系統から電源が供給されると、スイッチング電源回路111から出力された直流電圧がリレー114を経て電気錠22に供給される。また、その直流電圧により第1トランジスタTR1がオンされて、その直流電圧がCPU101に供給されないため、CPU101への入力はLowとなる。これにより、コントローラ24は交流電源系統から電源が供給されていることを認識する。
【0050】
これに対し、直流電源系統から電源が供給されると、直流電圧がリレー114を経て電気錠22に供給される。また、スイッチング電源回路111から直流電圧が出力されていないため、第1トランジスタTR1はオフされて、リレー114から出力された直流電圧が抵抗131を介してCPU101に供給される。これにより、CPU101への入力はHiとなって、コントローラ24は直流電源系統から電源が供給されていることを認識する。
【0051】
次に、電気錠22の施解錠を制御する流れを説明する。この制御は、電子キーK1,K2のユーザ登録処理、電子キーK1,K2によって電気錠22を施解錠する施解錠処理、仮キーK2の識別情報抹消処理という3つの処理を有している。
【0052】
最初に、第1の処理である電子キーK1,K2のユーザ登録処理を、図6のフローチャートに基づいて説明する。このユーザ登録処理は、初期設定として、建物に玄関ドア11が設置され、直流電源系統から電源が最初に供給された場合に、その電源供給がトリガとなって1回だけ実行される。
【0053】
図6に示すように、ステップS11では、仮キーK2の登録ボタンが操作されているか否かを判定する。登録ボタンが操作されていない場合は判定を否定し、登録ボタンが操作されるまで判定を繰り返す。
【0054】
そして、ユーザにより登録ボタンが操作されると、判定を肯定してステップS12に進み、登録モードへの移行処理を実行する。続くステップS13にて、リクエスト信号の送信処理を実行する。ステップS14では、そのリクエスト信号に応答して識別情報を受信したか否かを判定する。応答がない場合、すなわち識別情報を受信していない場合、識別信号を受信するまでリクエスト信号の送信を継続する。
【0055】
また、応答がある場合、すなわち仮キーK2から識別情報を受信している場合、ステップS15に進み、受信した識別情報に基づいてユーザ登録処理を実行する。ユーザ登録処理では、仮キーK2から受信した識別情報をコントローラ24のメモリ102に記憶する。そしてこの場合、仮キーK2からは当該仮キーK2の識別情報に加え、主キーK1の識別情報も送信されるため、仮キーK2及び主キーK1の両者の識別情報をメモリ102に記憶する。
【0056】
その後、ステップS16にて、再度、登録ボタンが操作されているか否かを判定する。登録ボタンが操作されていない場合は判定を否定し、登録ボタンが操作されるまで判定を繰り返す。そして、ユーザにより再度、登録ボタンが操作されると、判定を肯定してステップS17に進み、登録モードを終了する。
【0057】
次に、第2の処理である電気錠22の施解錠処理を、図7のフローチャートに基づいて説明する。この処理は、上記ユーザ登録処理を実行後、電子キーK1,K2によって電気錠22を施解錠する処理であり、コントローラ24によって所定の時間周期で実行される。なお、各キーK1,K2の施錠ボタン及び解錠ボタンのいずれが操作されても制御処理の流れは同じであるため、共通化したフローチャートに基づいて説明することとする。
【0058】
図7に示すように、ステップS21では、電子キー(主キーK1又は仮キーK2)の施錠ボタン又は解錠ボタンが操作されたか否かを判定する。いずれのボタンも操作されていない場合、判定を否定してそのまま本処理を終了する。
【0059】
一方、ユーザにより施錠ボタン又は解錠ボタンが操作された場合、判定を肯定してステップS22に進む。ステップS22ではリクエスト信号の送信処理を実行し、続くステップS23にてリクエスト信号に応答して識別情報を受信したか否かを判定する。応答がない場合、すなわち識別情報を受信していない場合、そのまま本処理を終了する。
【0060】
また、応答がある場合、すなわち、電子キーK1,K2から識別情報を受信している場合、ステップS24に進み、受信した識別情報に基づいてユーザ認証処理を実行する。ユーザ認証処理では、受信した識別情報と、前述したユーザ登録処理にてメモリ102に記憶された識別情報とを照合し、両者が一致した場合に認証OKと判断する。
【0061】
ここで、建物施工中である場合、コントローラ24に直流電源系統から電源が供給されており、コントローラ24はその状態を認識している。この場合のユーザ認証処理では、主キーK1の識別情報及び仮キーK2の識別情報の両情報をメモリ102から読み取り、これを用いて受信した識別情報と照合する。このため、主キーK1及び仮キーK2のいずれが用いられても、その識別情報が登録された主キーK1又は仮キーK2の識別情報と一致すれば、認証OKと判断する。
【0062】
一方、建物の施工が完了し、コントローラ24に交流電源系統から電源が供給されると、コントローラ24はその状態を認識する。この場合のユーザ認証処理では、主キーK1の識別情報のみをメモリ102から読み取り、これを用いて受信した識別情報と照合する。このため、主キーK1が用いられ、かつその識別情報が登録された主キーK1の識別情報と一致した場合に限り、認証OKと判断する。
【0063】
なお、交流電源系統から電源が供給されると、後述する仮キーK2の識別情報処理でその仮キーK2の識別情報を抹消する。このため、処理の不具合が生じたり、不正な処理がなされても、仮キーK2の識別情報を誤って読み取ってしまうことはない。
【0064】
上記照合によって認証OKと判断されれば、続くステップS25での判定を肯定して後続のステップS26に進み、認証NGであれば、そのステップS25での判定を否定してそのまま本処理を終了する。
【0065】
そして、ステップS26では、電気錠22の施解錠処理を実行する。すなわち、施錠ボタンが操作されたのであれば電気錠22を施錠させ、解錠ボタンが操作されたのであれば電気錠22を解錠させる。なお、電気錠22が施錠中であるのに施錠ボタンが操作された場合、及び電気錠22が解錠中であるのに解錠ボタンが操作された場合、電気錠22はその施解錠状態が維持されるに留まる。
【0066】
次に、第3の処理である仮キーK2の識別情報抹消処理を、図8のフローチャートに基づいて説明する。この処理もコントローラ24によって所定の時間周期で実行される。
【0067】
図8に示すように、ステップS31では、コントローラ24に交流電源系統から電源が供給されているか否かを判定する。建物施工中のため、直流電源系統から電源が供給されている場合、判定を否定してそのまま本処理を終了する。
【0068】
また、建物の施工が完了し、交流電源系統から電源が供給されている場合、判定を肯定してステップS32に進む。続くステップS32では、交流電源系統から電源が供給された後、所定時間(例えば、数十時間)経過したか否かを判定する。その所定時間が経過していない場合、判定を否定してそのまま本処理を終了する。
【0069】
一方、所定時間がすでに経過している場合、判定を肯定してステップS33に進む。このステップS33では、仮キーK2の識別情報を抹消する処理を実行する。この抹消処理では、メモリ102に記憶されている仮キーK2の識別情報だけを抹消する。これにより、交流電源系統から電源が供給された後、所定時間が経過すると、仮キーK2によって電気錠22を施解錠することができなくなる。
【0070】
以上の構成により、本実施の形態によれば、以下に示す有利な効果が得られる。
【0071】
建物施工中である場合、ドア本体12の電気錠22に交流電源系統から電源を供給することができない。そこで、第2電源配線98の接続部99と電源接続部74とを接続すれば、乾電池やバッテリ等の直流電源DCを源とする直流電源系統からコントローラ24及び電気錠22に電源を供給することが可能となる。このため、建物施工中であっても、電子キーである仮キーK2によって電気錠22を施解錠することができる。
【0072】
これにより、建物施工中である場合、交流電源系統から電源が供給されないことの対策として、建物施工中の仮キー用に機械式の施解錠装置を設けるという必要が無くなり、ピッキング等による不正解除を防止できる。また、機械式の施解錠装置が無くなれば、鍵穴も不要となるため、玄関ドア11のデザイン性を向上させることもできる。
【0073】
第2電源配線98と接続される電源接続部74は、ドア本体12とドア枠13との間から引き出されている。このため、ドア本体12の屋外側で直流電源DCとの接続が可能となる。この場合、ドア枠13や周辺の壁内部に配線を設ける必要が無いため、直流電源DCに接続するための配線構成を簡略化させることができる。
【0074】
また、電子キーK1,K2による施解錠の遠隔操作はドア本体12の屋外側で行われるため、ドア本体12の屋内側で直流電源DCと接続すると、電気錠22の施錠後に第2電源配線98の接続部99と電源接続部74との接続を解消することができない。この点、ドア本体12の屋外側で直流電源DCと電源接続部74との接続が行われるのであれば、電気錠22による施錠後でも、その接続を解消することができる。そうすれば、直流電源DCの消費を抑えることもできる。
【0075】
電子キーKは、ユーザに所持される主キーK1と、施工関係者に所持される仮キーK2とを備えている。そして、建物施工中であるため、直流電源系統から電源が供給されている場合、仮キーK2の識別情報がユーザ認証処理における照合に用いられる。このため、仮キーK2の識別情報は直流電源系統と対応づけられ、直流電源系統からの電源供給時には仮キーK2によって電気錠22を施解錠することができる。一方、建物の施工完了により、交流電源系統から電源が供給されると、主キーK1の識別情報のみがユーザ認証処理における照合に用いられる。このため、主キーK1の識別情報は交流電源系統と対応づけられ、主キーK1によってのみ電気錠22を施解錠できる。このように、電気錠22に電源を供給する電源系統が異なる場合には、ユーザ認証処理において照合に用いられる識別情報も異なるようにすれば、使用する電源に応じて主キーK1と仮キーK2とを使い分けることができる。
【0076】
交流電源系統から電源が供給されると、コントローラ24は仮キーK2の識別情報を抹消するため、それ以後、主キーK1による電気錠22の施解錠のみが可能となり、仮キーK2によって電気錠22を施解錠することができなくなる。これにより、建物完成後、仮キーK2を所持していた施工関係者によって玄関ドア11が不正解除されることを防止できる。そして、仮キーK2の識別情報が抹消されるのは、電源が供給されてから所定時間が経過した後であるため、その所定時間の間は仮キーによって電気錠22を施開錠することが可能となる。これにより、建物の施工完了後、引渡し前の最終仕上げ処理等の処置が必要となった場合に、施工関係者は仮キーK2を使用して電気錠22を施解錠できる。
【0077】
そして、このように建物が完成すれば、仮キーK2は不要になる。ただ、仮キーK2は電子キーであるため、鍵穴に挿入されるキーと異なり、新たな識別情報を再び登録し直せば、他の玄関ドア用に仮キーK2を再利用することができる。これにより、廃棄物の削減に寄与できる。
【0078】
通電部材41の枠側部材43には配線収納部64が設けられているため、ドア本体12とドア枠13との間から引き出された第2通電配線45及び電源接続部74を使用しない場合、これらを配線収納部64に収納することが可能となる。このため、引き出された第2通電配線45及び電源接続部74がドア本体12の開閉に干渉し、その開閉に支障が出ることを防止できる。また、不使用状態の通電配線45等が外部に露出しないため、外観上の美観を保つことができる。
【0079】
なお、以上説明した実施の形態に限らず、例えば以下に別例として示した形態で実施することもできる。
【0080】
上記実施の形態では、建物の施工完了後は、電源接続部74と第2電源配線98の接続部99とが接続されないが、施工完了後も停電対策として、両者を常時接続させた状態としてもよい。この場合、停電が発生すると、コントローラ24の前記内部回路(図5参照)により、直流電源系統から電気錠22に電源が供給される。このため、停電時でも電子キーである主キーK1によって電気錠22を施解錠することが可能となる。これにより、停電により、建物内外への出入りが不能になってしまうことを防止できる。
【0081】
上記実施の形態では、複数の電源供給系統として、交流電源系統及び直流電源系統という二つの系統を備えているが、電源供給系統は3つ以上の系統を備えていてもよい。また、必ずしも交流電源系統と直流電源系統との二つの系統が含まれる必要は無く、すべてが交流電源系統又は直流電源系統であってもよい。
【0082】
上記実施の形態では、ドア本体12とドア枠13との間の隙間14から電源接続部74が引き出されているが、ドア枠13の収容孔82から引き出される配線の一端と接続されるようにしてもよい。この場合、玄関ドア11周囲の壁面に直流電源DCとの接続部を設け、その接続部にドア枠13内を通る前記配線の他端が接続される構成とするとよい。これにより、直流電源DCに通じる配線が、外部に引き出されずに、ドア枠13内や周囲の壁内部に収容されるため、引き出された第2通電配線45等がドア本体12の開閉に干渉することを防止できる。
【0083】
上記実施の形態では、通電部材41に直流電源DCと接続される電源接続部74が設けられているが、照合ユニット23に電源接続部を設けてもよい。これによっても、直流電源DCに通じる配線が、外部に引き出されずに、ドア枠13内に収容されるため、引き出された第2通電配線45等がドア本体12の開閉に干渉することを防止できる。
【0084】
上記実施の形態では、ユーザ登録処理(図6のフローチャートにおけるステップS16)において、主キーK1の識別情報も併せて登録するようにしたが、仮キーK2の識別情報のみを登録するようにしてもよい。建物施工中は主キーK1が用いられることはほとんど無いため、仮キーK2のみによって電気錠22を施解錠するようにしても特に支障はない。この場合、建物の施工完了後、仮キーK2の識別情報を抹消する処理とともに主キーK1の識別情報を登録する処理を実行すればよい。
【0085】
上記実施の形態では、ユーザ登録処理において、仮キーK2から受信した識別情報をコントローラ24のメモリ102に記憶するようにしているが、予め複数の識別情報をメモリ102に記憶させておいてもよい。この場合、仮キーK2から受信した識別情報が予め記憶された識別情報の一つに該当すれば、その仮キーK2の識別情報を正規の仮キーK2の識別情報として登録する処理が実行されることになる。
【0086】
上記実施の形態では、仮キーK2の入力部材m3に登録ボタンが設けられているが、ドア本体12側にユーザ登録処理を開始させる登録ボタンを設けてもよい。
【0087】
上記実施の形態では、電源接続部74に直流電源DCを接続するようにしているが、交流発電機等による交流電源にスイッチング電源回路を接続し、そのスイッチング電源回路の出力側と電源接続部74とを接続するようにしてもよい。この場合、スイッチング電源回路により直流電圧が生成されるため、直流電源DCを直接接続した場合と同様に、直流電圧を電気錠22に供給することができる。
【0088】
上記実施の形態では、玄関ドア11のドア本体12を扉体としたが、金庫の扉、棚等の収納庫の扉及び窓障子等を扉体としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】玄関ドアの屋内側から見た正面図及び屋外側から見た正面図。
【図2】通電部材が設けられた部分(図1で一点鎖線で囲んだ部分)の部分拡大図。
【図3】通電部材を示す分解斜視図。
【図4】電気錠システムの概要を示すブロック図。
【図5】コントローラの内部回路を示す回路図
【図6】電子キーのユーザ登録処理を示すフローチャート。
【図7】電気錠の施解錠処理を示すフローチャート。
【図8】仮キーの識別情報抹消処理を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0090】
11…玄関ドア、12…ドア本体(扉体)、22…電気錠、24…コントローラ(制御手段)、44,45…通電配線(交流電源系統又は直流電源系統)、74…電源接続部、91,92…内側配線(交流電源系統又は直流電源系統)、96…第1電源配線(交流電源系統)、98…第2電源配線(直流電源系統)、111…スイッチング電源回路(交流電源系統)、AC…商用交流電源(交流電源系統)、DC…直流電源(直流電源系統)、K1…主キー(電子キー)、K2…仮キー(電子キー)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
取付対象の開口部を開閉する扉体に設けられ、電気的に錠前を施解錠する電気錠と、
前記電気錠の施解錠を遠隔操作すべく、固有の識別情報を無線送信する電子キーと、
前記電子キーから無線受信した識別情報を、予め登録された識別情報と照合し、前記両情報が一致した場合に、前記電気錠を施解錠する制御手段と
を備えた電子錠システムであって、
複数の電源供給系統を設け、そのいずれかの電源供給系統から前記電気錠に電源を供給するようにしたことを特徴とする電気錠システム。
【請求項2】
前記複数の電源供給系統は、商用交流電源を源とする交流電源系統と、直流電源を源とする直流電源系統とを含む請求項1に記載の電気錠システム。
【請求項3】
前記扉体は建物の屋内外を連通する開口部を開閉するものであり、
前記直流電源系統は、前記扉体の屋外側で直流電源と接続可能な直流接続部を有する請求項2に記載の電気錠システム。
【請求項4】
前記電子キーは互いに異なる識別情報が付与される複数のキーを備え、
それら各キーの識別情報を前記複数の電源供給系統にそれぞれ対応づけ、
前記制御手段は、前記複数の電源供給系統のうち、いずれの電源供給系統から電源供給されているかを判断し、該判断した電源供給系統に対応する識別情報を照合に用いるようにした請求項2又は3に記載の電気錠システム。
【請求項5】
前記電子キーは互いに異なる識別情報が付与される主キーと仮キーとを備え、
前記交流電源系統から前記電気錠に電源が供給されたことがなく、かつ前記直流電源系統から前記電気錠に電源が供給されている場合、前記制御手段は、予め登録された前記仮キーの識別情報を照合に用いるようにした請求項2乃至4のいずれか1項に記載の電気錠システム。
【請求項6】
前記電気錠に交流電源系統から電源が供給されると、前記制御手段は、予め登録された前記仮キーの識別情報を無効化するようにした請求項5に記載の電気錠システム。
【請求項7】
前記制御手段は、前記仮キーの識別情報の無効化を、交流電源系統からの電源供給後、所定時間経過後に実行するようにした請求項6に記載の電気錠システム。
【請求項8】
建物の屋内外を連通する開口部を開閉する前記扉体と、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の電気錠システムとを備えた建物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−144422(P2009−144422A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−323156(P2007−323156)
【出願日】平成19年12月14日(2007.12.14)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】