説明

電池パック、充電器および充電方法

【課題】複数種類の電池パックに対して適切に充電を行う。
【解決手段】充電器1に接続された電池パック10が検出されて充電処理が開始されると、初期充電が開始され、タイマ13が時間の測定を開始する。タイマ13の測定時間がタイムアウト時間に達していない場合には、電池パック10との通信が可能であるかどうかが判断される。電池パック10との通信が可能である場合には、通信を行ってタイムアウト時間の情報を電池パックから取得し、新たなタイムアウト時間としてタイマ15にセットする。次に、電池パック10の電池電圧と切替電圧とを比較し、電池電圧が切替電圧に達した場合には、充電方式が初期充電から急速充電に切り替わり、急速充電が開始される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、二次電池の電池パックを充電する電池パック、充電器および充電方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ノート型PC(Personal Computer)や携帯電話、PDA(Personal Digital Assistants) 等の携帯型電子機器が普及し、その電源として高電圧、高エネルギー密度、軽量といった利点を有するリチウムイオン二次電池を用いた電池パックが広く使用されている。このような電池パックは、使用機器や用途に応じて様々な容量や充電レートのものが作製されている。なお、本明細書において、電池パックの用語は、二次電池と二次電池の充電または放電を制御する回路部と充電器との通信を行う通信部とが一体的に構成されたものを指すものとして使用する。
【0003】
従来、これらの電池パックを充電するための充電器は、電池パックの容量や充電レートなどの特性に応じて、対応する充電器がそれぞれ作製されていた。しかしながら、新たな電池パックを作製する毎に対応する充電器を作製することは、コストがかかってしまう。また、例えば、形状が略同一で特性が異なる電池パックを、その電池パックに対応していない充電器に接続してしまった場合には、発熱や発火などの危険な状態となるおそれがある。
【0004】
そのため、最近では、複数種類の電池パックに対応して充電することができる充電器が使用されている。このような充電器を用いることにより、例えば、電池容量が異なる電池パックであっても、新たに充電器を作製することなく、1つの充電器を用いて充電することができる。複数種類の電池パックを充電可能な充電器は、通常、対応する電池パックのうち低容量の電池パックや充電レートの低い電池パックを充電することができるように設計されている。そのため、例えば、充電の際に充電器から電池パックに流れる充電電流は、低容量の電池パックに対応するように低く設定されている。
【0005】
二次電池例えばリチウムイオン二次電池の急速充電方式として定電流充電と定電圧充電とを組合せたCCCV(Constant Current Constant Voltage:定電流定電圧)充電方式が用いられる。CCCV充電方式では、図9に示すように、電池パックの電池電圧が所定の電圧に達するまでは定電流で充電し、所定の電圧に達した後は定電圧で充電する。そして、充電電流が略0[A]に収束した時点で充電が終了となる。
【0006】
例えば電池電圧Vが4.1V以下の領域では、A=500mAによって定電流充電を行う。充電によって二次電池の電池電圧(内部起電力)が上昇し、電池電圧Vが4.1Vより大きくなると、充電電源部が定電圧制御の動作に切り換わり、次第に充電電流Aが減少する。電池電圧Vが電源部の出力電圧(4.2V)に向かって上昇する。そして、充電電流がほぼ0に近づくと、充電が完了する。充電が完了したことを検出する方法として、電流検出方式と、ΔV検出方式とが知られている。
【0007】
一般的に、高容量化された電池パックに対して急速充電を行う場合には、低容量の電池パックの充電電流に比べてより高い充電電流で充電することができる。しかしながら、従来の複数種類の電池パックを充電可能な充電器を用いて高容量化された電池パックを充電する場合、充電器に予め設定された、低容量の電池パックを充電するための低い充電電流で充電を行うことになる。そのため、高容量化された電池パックを充電する場合には、図10に示すように定電流充電領域が長くなり、充電に時間がかかってしまう。
【0008】
すなわち、従来の充電器を用いて高容量化された電池パックや充電レートの高い電池パックを充電する場合には、その特性に合わせて適切に充電することができず、充電に時間がかかってしまうという問題点があった。
【0009】
そこで、上述の問題を解決するために、例えば下記の特許文献1に記載されているように、電池パックの特性に応じて充電電流を変化させ、それぞれの電池パックに対して適切に充電を行うことができる充電器が提案されている。特許文献1に記載の充電器では、例えば、電池パックから最大充電電流や最大充電電圧の情報を取得する。そして、充電器は、取得した最大充電電流や最大充電電圧の情報に基づき、定電流領域における充電電流を変化させるようにしている。
【0010】
具体的には、例えば図11に示すように、高容量化された電池パックの定電流領域における充電電流を、低容量の電池パックに比べてより高い電流値で充電電流を流すように設定する。こうすることにより、高容量化された電池パックに対して適切に充電することができ、従来の充電器を用いた充電に比べて、充電時間を短縮することができる。
【0011】
このように、電池パックから受け取った最大充電電流の情報に基づき充電電流を変化させることにより、様々な特性の電池パックに対して適切に充電し、充電時間を短縮することができる。
【0012】
【特許文献1】特開平9−285026号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
ところで、電池パックの電池電圧が所定の電圧以下となっている場合に急速充電を行い、電池パックに対して通常の充電電流を流してしまうと、発熱などの異常を引き起こすおそれがある。そのため、通常は、急速充電の前に、電池パックに対して例えば100mA〜200mA程度の小さい充電電流を流し、電池パックの電池電圧が所定の電圧となるまで初期充電を行うようにされている。
【0014】
充電器には、初期充電から急速充電に切り替えるための電圧しきい値としての所定電圧(以下、切替電圧と適宜称する)が予め設定されており、初期充電の際に、電池パックの電池電圧が切替電圧に達すると、急速充電が行われる。また、充電器には、タイマが設けられており、電池パックの電池電圧が所定時間以内に切替電圧に達しない場合には、電池パックが異常であると判断して充電を中止するためのタイムアウト時間が設定されている。
【0015】
ここで、従来の充電器を用いて、高容量化された電池パックを充電する場合について考える。充電器には、例えば、従来の低容量の電池パックに合わせてタイムアウト時間および切替電圧が設定されている。
【0016】
高容量化された電池パックは、図12に示すように、低容量の電池パックに比べて電圧の上昇速度が遅く、電池パックの電池電圧が切替電圧に達するまでに時間がかかり、充電器のタイマに設定されたタイムアウト時間を超えてしまう場合がある。そのため、このような場合には、高容量化された電池パックが正常な状態であっても、異常と判断されて充電を中止してしまう。
【0017】
また、電池パックには、例えば、電極に用いられる材料などを変更することによって、図13に示すように従来の電池パックに比べて低い電圧まで放電可能なように高性能化されたものがある。高性能化された電池パックは、従来の電池パックに比べて低い電圧まで放電可能であるため、より多くの放電量を引き出すことが可能とされている。
【0018】
高性能化によって高容量化された電池パックは、上述の高容量化された電池パックと同様に、低容量の電池パックに比べて電圧の上昇速度が遅いため、従来の電池パックに合わせて切替電圧が設定された充電器を用いて充電した場合、電池パックが正常な状態であっても、測定時間がタイムアウト時間を超えてしまうことにより、充電を制御するプロセッサによって異常と判断され、充電が中止されてしまう。
【0019】
さらに、高性能化された電池パックは、従来の電池パックに比べて低い電圧から急速充電を行うことができる。初期充電から急速充電に切り替わる切替電圧が従来の電池パックに合わせて設定された従来の充電器を用いて、高性能化された電池パックを充電した場合、図14に示すように、電池パックの電池電圧が、急速充電に切替可能な電圧に達した後であっても初期充電が行われるため、充電に要する時間が長くなってしまう。
【0020】
このように、従来の充電器では、初期充電から急速充電の切替に関連するタイムアウト時間や切替電圧が低容量の電池パックに合わせて設定されているため、高容量の電池パックや充電レートの高い電池パックに対して適切に充電することができないという問題点があった。
【0021】
したがって、この発明の目的は、複数種類の電池パックに対して適切に充電を行う電池パック、充電器および充電方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0022】
上述した課題を解決するために、この発明は、二次電池と、二次電池の充電および放電を制御するスイッチ素子と、スイッチ素子を制御する制御部と、充電器との通信を行う通信部とを有し、
充電時に、二次電池の電圧が所定電圧に達すると、初期充電から急速充電に切り替えられ、初期充電が開始されてからタイムアウト時間内に所定電圧に達しない場合には、充電器によって異常と判定される電池パックであって、
タイムアウト時間および所定電圧の少なくとも一方を記憶し、
読み出されたタイムアウト時間および所定電圧の少なくとも一方を通信部を介して充電器側へ送信するようにした電池パックである。
【0023】
この発明は、電池パックに対する充電器において、
電池パックと通信を行い、電池パックからタイムアウト時間の情報を受け取る通信部と、
充電時に、電池パックに対して初期充電を行い、電池パックの電圧が所定電圧に達すると、急速充電を行い、初期充電が開始されてからタイムアウト時間内に、電圧が所定電圧に達しない場合には、電池パックを異常と判定する充電制御部と
を有する充電器である。
また、この発明は、電池パックから受け取ったタイムアウト時間の情報に基づいて判定する充電方法である。
【0024】
この発明は、電池パックに対する充電器において、
電池パックと通信を行い、電池パックから二次電池の満充電容量値の情報を受け取る通信部と、
満充電容量値に基づきタイムアウト時間を算出し、充電時に、電池パックに対して初期充電を行い、電池パックの電圧が所定電圧に達すると、急速充電を行い、初期充電が開始されてから算出されたタイムアウト時間内に、電圧が所定電圧に達しない場合には、電池パックを異常と判定する充電制御部と
を有する充電器である。
また、この発明は、電池パックから受け取った満充電容量値の情報に基づきタイムアウト時間を算出し、算出されたタイムアウト時間に基づいて判定する充電方法である。
【0025】
この発明は、電池パックに対する充電器において、
電池パックと通信を行い、電池パックから所定電圧の情報を受け取る通信部と、
充電時に、電池パックに対して初期充電を行い、電池パックの電圧が所定電圧に達すると、急速充電を行い、初期充電が開始されてからタイムアウト時間内に、電圧が所定電圧に達しない場合には、電池パックを異常と判定する充電制御部と
を有する充電器である。
また、この発明は、電池パックから受け取った所定電圧の情報に基づいて電池パックを異常か否かを判定する充電方法である。
【0026】
上述したように、この発明では、電池パックがタイムアウト時間の情報を充電器側に知らせるので、充電器側は、適切なタイムアウト時間を使用して初期充電時に電池パックが異常か否かを判定することができる。また、この発明では、電池パックが所定電圧の情報を充電器側に知らせるので、充電器側は、適切な所定電圧を使用して初期充電と急速充電の切替を制御することができる。
【発明の効果】
【0027】
この発明は、二次電池の種類に応じてタイムアウト時間を適切に設定するようにしているため、二次電池に対して適切に初期充電を行うことができ、正常であるにもかかわらず異常と判断されて充電が停止するのを防ぐことができるという効果がある。
【0028】
また、この発明は、二次電池の種類に応じて初期充電から急速充電に切り替わる所定電圧を適切に設定するようにしているため、二次電池に対して適切に充電を行うことができ、充電時間を短縮することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、この発明の第1の実施形態について説明する。この発明の第1の実施形態では、リチウムイオン二次電池を有する電池パックを充電器によって充電するようになされ、急速充電方式として、CCCV充電方式が使用される。また、急速充電の前段階として初期充電がなされる。充電時に、二次電池の電圧(電池パックの出力電圧)がしきい値としての切替電圧に達すると、初期充電から急速充電に切り替えられる。初期充電が開始されてからタイムアウト時間内に切替電圧に達しない場合には、充電器によってその電池パックが異常と判定される。タイムアウト時間は、初期充電から急速充電に切り替わる切替電圧に達するまでの時間の限度を示す。タイムアウト時間が電池パックの種類に応じて変化されることにより、電池パックを適切に充電することができる。
【0030】
この発明の第1の実施形態による充電器1の一例の構成について、図1を参照して説明する。充電器1は、電源供給端子2、電源回路3、充電制御部4および定電流定電圧制御部5を備え、電池パック10が接続されることによって電池パック10に対して充電が行われる。電池パック10は、二次電池例えばリチウムイオン二次電池と、二次電池の充電おいて放電を制御するスイッチ素子例えばFETと、スイッチ素子を制御する制御部と、充電器との通信を行う通信部を有している。制御部は、マイクロプロセッサによって構成されている。さらに、電池パック10は、不揮発性メモリ例えばEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory )を有し、不揮発性メモリに対して、二次電池に適切なタイムアウト時間が記憶されている。
【0031】
充電器1の電源供給端子2は、例えば、家庭用交流電源の外部電源に接続されるコンセントであり、電源回路3に交流電力を供給する。電源回路3は、主に、入力フィルタ21、整流回路22、トランス23、整流回路24およびPWM(Pulse Width Modulation)制御回路25で構成され、電源供給端子2から供給される交流電力を電池パック10を充電するための直流電力に変換する。
【0032】
充電制御部4は、充電の際に電流が逆流するのを防ぐための逆流防止スイッチ6や、充電のON/OFFを行う充電スイッチ7を制御して、接続された電池パック10の充電制御を行う。また、充電制御部4は、電池パック10の電池電圧を所定時間毎に検出する。充電制御部4は、主に、メモリ11、CPU(Central Processing Unit )12、タイマ13および通信部14で構成される。
【0033】
メモリ11は、EEPROMなどの不揮発性メモリと、書き換え可能なメモリとの両方を含み、不揮発性メモリには、初期値としてのタイムアウト時間、並びに、初期充電から急速充電に切り替わる電池電圧を示す切替電圧が予め記憶されている。また、メモリ11が接続された電池パック10から取得したタイムアウト時間を記憶する。なお、充電器1が初期値を記憶する代わりに、電池パック10から送信されるタイムアウト時間および切替電圧を充電器1のメモリに記憶しても良い。
【0034】
CPU12は、図示しないROM(Read Only Memory)に予め格納されたプログラムに従い、図示しないRAM(Random Access Memory)をワークメモリとして各部を制御する。CPU12は、接続された電池パック10から通信部14を介してタイムアウト時間を取得し、タイマ13にセットする。タイマ13は、測定時間がタイムアウト時間に達すると、タイムアウトの判定出力をCPU12に供給する。さらに、CPU12は、メモリ11に記憶されている切替電圧を読み出し、検出した電池パック10の電池電圧との比較を行う。
【0035】
通信部14は、接続された電池パック10と有線または無線による通信を行い、電池パック10からタイムアウト時間の情報を受け取り、CPU11に供給する。
【0036】
定電流定電圧制御部5は、電池パック10に対する充電電圧や充電電流を検出し、検出結果に基づいて電池パック10に対して適切に充電するように電源回路3を制御する。
【0037】
この発明の第1の実施形態による充電方法について説明する。背景技術の項で説明したように、高容量化された電池パックは、低容量の電池パックに比べて初期充電の際の電池電圧の上昇度合が小さく、初期充電から急速充電に切り替わる切替電圧に達するまでの時間が長い。低容量の電池パックに対応したタイムアウト時間が設定されている充電器を用いて高容量化された電池パックを充電した場合には、タイムアウト時間内に電池パックの電池電圧が切替電圧に達しないため、高容量化された電池パックは、正常な状態であっても異常と判断され、充電を行うことができなくなってしまう。
【0038】
そこで、この第1の実施形態では、高容量化された電池パックを適切に充電することができるように、タイムアウト時間を高容量化された電池パックに適した時間に変更する。
【0039】
例えば、図2に示すように、低容量の電池パックAが切替電圧に達する時間(以下、切替時間と適宜称する)を示す時点aよりも所定時間経過した時点aout にタイムアウト時間が予め設定された充電器を用いて、高容量化された電池パックBを充電する場合について考える。
【0040】
この充電器に対して高容量化された電池パックBを接続した場合、充電器は、電池パックBからタイムアウト時間を取得し、新たにタイマに設定し直す。こうすることにより、電池パックBの切替時間を示す時点bから所定時間経過した時点bout に、新たなタイムアウト時間が設定され、電池パックBを適切に充電することができ、電池パックBの電池電圧が切替電圧に達するまで、正常に初期充電を行うことができる。
【0041】
この発明の第1の実施形態の充電器1による充電処理の流れについて、図3に示すフローチャートを参照して説明する。なお、特別な記載がない限り、以下の処理は、CPU12の制御の下で行われるものとする。
【0042】
充電器1に電池パック10が接続され、電池パック10が検出されることにより充電処理が開始されると、ステップS11で初期充電が開始され、タイマ13が時間の測定を開始する。そして、ステップS12において、メモリ11に記憶された基準となるタイムアウト時間がタイマ13にセットされる。初期充電の開始とタイムアウト時間のセットは、同時になされる。
【0043】
ステップS13では、タイマ13の測定時間がセットされたタイムアウト時間に達したか否かが判断される。タイマ13は、測定時間がタイムアウト時間に達すると、達したことを示す出力信号を発生する。タイマ13の測定時間がタイムアウト時間に達していないと判断された場合には、処理がステップS14に移行する。一方、タイマ13の測定値がタイムアウト時間に達したと判断された場合には、電池パック10が異常であると判断し、一連の処理が終了する。
【0044】
ステップS14では、電池パック10との通信が可能か否かが判断される。電池パック10との通信が可能であると判断された場合には、処理がステップS15に移行する。ステップS15では、電池パック10との通信が開始され、ステップS16において、電池パック10からタイムアウト時間の情報を取得し、新たなタイムアウト時間としてタイマ13にセットする。一方、ステップS14において、電池パック10との通信が不可能であると判断された場合には、処理がステップS13に戻る。
【0045】
ステップS17では、電池パック10の電池電圧を検出し、検出された電池パック10の電池電圧と、予めセットされた切替電圧とを比較し、電池パック10の電池電圧が切替電圧に達したか否かが判断される。電池パック10の電池電圧が切替電圧に達したと判断された場合には、処理がステップS18に移行する。一方、電池パック10の電池電圧が切替電圧に達していないと判断された場合には、処理がステップS13に戻る。
【0046】
ステップS18では、充電方式が初期充電から急速充電に切り替わり、急速充電が開始される。ステップS19では、電池パック10の電池電圧を検出し、検出された電池パック10の電池電圧と、充電器の出力電圧とを比較することにより、充電が完了したか否かが判断される。充電が完了したと判断された場合には、一連の処理が終了する。一方、充電が完了していないと判断された場合、処理がステップS18に戻る。充電完了を充電電流から検出するようにしても良い。
【0047】
なお、ステップS13におけるタイムアウト時間に達したかどうかの処理は、ステップS16とステップS17の間に行うようにしてもよい。こうすることにより、ステップS17の処理においてステップS13に戻った際に、タイムアウト時間を再度取得する処理を省略できる。
【0048】
このように、この発明の第1の実施形態では、接続された電池パック10から取得したタイムアウト時間をタイマ13にセットするようにしているため、電池パック10に対して初期充電を適切に行うことができ、タイムアウトにより異常と判断されて充電が停止するのを防ぐことができる。
【0049】
次に、この発明の第2の実施形態について説明する。この発明の第2の実施形態では、電池パック10からタイムアウト時間を取得する代わりに、電池パック10の満充電容量値を取得し、取得した満充電容量値に基づいてタイムアウト時間を算出するものである。電池パック10の不揮発性メモリには、満充電容量値が記憶されており、満充電容量値の情報が充電器に対して送信される。
【0050】
第2の実施形態に適用される充電器は、上述の第1の実施形態で説明した図1に示す充電器と同様の構成で実現可能である。なお、以下では、第1の実施形態と同様の部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0051】
CPU12は、接続された電池パック10から通信部14を介して満充電容量値を取得する。そして、CPU12は、取得した満充電容量値に基づき所定の計算式に従ってタイムアウト時間を算出し、算出されたタイムアウト時間をタイマ13にセットする。タイマ13は、測定時間がタイムアウト時間に到達すると、CPU12に対してその旨を示す信号を出力する。
【0052】
この発明の第2の実施形態の充電器1による充電処理の流れについて、図4に示すフローチャートを参照して説明する。なお、特別な記載がない限り、以下の処理は、CPU12で行われるものとする。充電器1に電池パック10が接続され、電池パック10が検出されることにより充電処理が開始されると、ステップS21で初期充電が開始され、タイマ13が時間の測定を開始する。そして、ステップS22において、メモリ11に記憶された基準(初期値)となるタイムアウト時間がタイマ13にセットされる。
【0053】
ステップS23では、タイムアウト時間に達したか否かが判断される。タイマ13の測定値がタイムアウト時間に達していないと判断された場合には、処理がステップS24に移行する。一方、タイマ13の測定値がタイムアウト時間に達したと判断された場合には、電池パックが異常であると判断し、一連の処理が終了する。
【0054】
ステップS24では、電池パック10との通信が可能であるか否かが判断される。電池パック10との通信が可能であると判断された場合には、処理がステップS25に移行する。一方、電池パック10との通信が不可能であると判断された場合には、処理がステップS23に戻る。
【0055】
ステップS25では、電池パック10との通信が開始され、ステップS26において、電池パック10から満充電容量値を取得する。ステップS27では、ステップS26で取得した電池パック10の満充電容量値に基づき、例えば所定の計算式に従ってタイムアウト時間を算出し、タイマ13にセットする。
【0056】
ステップS28では、電池パックの電池電圧10を検出し、検出された電池パック10の電池電圧と、予めセットされた切替電圧とを比較し、電池パック10の電池電圧が切替電圧に達したか否かが判断される。電池パックの電池電圧が切替電圧に達したと判断された場合には、処理がステップS29に移行する。一方、電池パックの電池電圧が切替電圧に達していないと判断された場合には、処理がステップS23に戻る。
【0057】
ステップS29では、充電方式が初期充電から急速充電に切り替わり、急速充電が開始される。ステップS30では、電池パック10の電池電圧を検出し、検出された電池パック10の電池電圧と、充電器の出力電圧とを比較することにより、充電が完了したか否かが判断される。充電電流から充電が完了したか否かを判断しても良い。充電が完了したと判断された場合には、一連の処理が終了する。一方、充電が完了していないと判断された場合には、処理がステップS29に戻る。
【0058】
なお、この例では、ステップS27において、タイムアウト時間を容量値に基づき算出するように説明したが、これはこの例に限られない。例えば、満充電容量値とタイムアウト時間との関係を示すテーブルを予めメモリ11に記憶させておき、取得した満充電容量値に基づき、テーブルを参照してタイムアウト時間を決定するようにしてもよい。
【0059】
また、ステップS23におけるタイムアウト時間に達したかどうかの処理は、ステップS27とステップS28の間に行われるようにしてもよい。
【0060】
このように、この発明の第2の実施形態では、接続された電池パック10から取得した満充電容量値に基づき得られたタイムアウト時間をタイマ13にセットするようにしているため、電池パック10に対して初期充電を適切に行うことができ、異常と判断されて充電が停止するのを防ぐことができる。
【0061】
次に、この発明の第3の実施形態について説明する。初期充電において電池パックの電池電圧が上昇している場合、この電池パックは、正常に充電が行われていると考えられる。しかしながら、低容量の電池パックに対応したタイムアウト時間がタイマにセットされた充電器に、高容量化された電池パックを接続して充電を行った場合には、正常に充電が行われている場合であっても、電池パックの電池電圧が切替電圧に達する前にタイムアウト時間となってしまい、充電が中止されてしまう場合がある。
【0062】
そこで、この発明の第3の実施形態では、電池パックが正常であると判断できる場合には、電池パック10の電池電圧が切替電圧に達する前にタイムアウト時間となっても、切替電圧に達するまで初期充電を継続できるように、タイムアウト時間を延長させることにより、電池パックに対して適切に充電を行うことができるようにした。具体的には、所定時間内の電池パック10の電池電圧の変動量を算出し、算出された電池電圧の変動量に基づきタイムアウト時間を延長させるようにした。
【0063】
第3の実施形態に適用される充電器は、上述の第1の実施形態で説明した図1に示す充電器と同様の構成で実現可能である。なお、以下では、第1の実施形態と同様の部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0064】
メモリ11には、基準となるタイムアウト時間や切替電圧の他に、接続された電池パック10が高容量化された電池パックであるかどうかを判断するための容量値と、タイムアウト時間の延長量とが予め記憶されている。
【0065】
CPU12は、接続された電池パック10から通信部14を介して満充電容量値を取得する。また、CPU12は、前回検出された電池パック10の電池電圧と今回検出された電池電圧とに基づき電圧の変動量を算出する。
【0066】
この発明の第3の実施形態の充電器1による充電処理の流れについて、図5に示すフローチャートを参照して説明する。なお、特別な記載がない限り、以下の処理は、CPU12で行われるものとする。充電器1に電池パック10が接続され、電池パック10が検出されることにより充電処理が開始されると、ステップS31で初期充電が開始され、タイマ13が時間の測定を開始する。そして、ステップS32において、メモリ11に記憶された基準(初期値)となるタイムアウト時間がタイマ13にセットされる。
【0067】
ステップS33では、タイマ13によって、測定時間がタイムアウト時間に達したか否かが判断される。タイマ13の測定値がタイムアウト時間に達していないと判断された場合には、処理がステップS34に移行する。一方、タイマ13の測定値がタイムアウト時間に達したと判断された場合には、電池パック10が異常であると判断し、一連の処理が終了する。
【0068】
ステップS34では、電池パック10との通信が可能であるか否かが判断される。電池パック10との通信が可能であると判断された場合には、処理がステップS35に移行する。一方、電池パック10との通信が不可能であると判断された場合には、処理がステップS33に戻る。ステップS35では、電池パック10との通信が開始され、ステップS36において、電池パック10から満充電容量値を取得する。
【0069】
ステップS37では、接続された電池パック10の電池電圧を検出する。ステップS38では、前回検出された電池パック10の電池電圧および今回検出された電池電圧に基づき電池電圧の変動量を算出し、算出された変動量に基づき電池電圧が上昇しているか否かが判断される。電池電圧の変動量に基づき電池電圧が上昇していると判断された場合には、処理がステップS39に移行する。
【0070】
ステップS39では、ステップS36で取得した満充電容量値とメモリ11に予め記憶された容量値とを比較して、接続された電池パック10が高容量化された電池パックであるか否かが判断される。満充電容量値がメモリ11に記憶された容量値以上である場合には、接続された電池パック10が高容量化された電池パックであると判断し、処理がステップS40に移行する。ステップS40では、メモリ11に記憶された延長量の時間だけ延長させたタイムアウト時間をタイマ13にセットする。
【0071】
一方、ステップS38において、電池電圧の変動量に基づき電池電圧が上昇していないと判断された場合には、処理がステップS41に移行する。また、ステップS39において、満充電容量値が所定の容量値未満である場合には、電池パック10が高容量化された電池パックでないと判断し、処理がステップS41に移行する。
【0072】
ステップS41では、電池パック10の電池電圧を検出し、検出された電池パック10の電池電圧と、予めセットされた切替電圧とを比較し、電池パック10の電池電圧が切替電圧に達したか否かが判断される。電池パック10の電池電圧が切替電圧に達したと判断された場合には、処理がステップS42に移行する。一方、電池パック10の電池電圧が切替電圧に達していないと判断された場合には、処理がステップS33に戻る。
【0073】
ステップS42では、充電方式が初期充電から急速充電に切り替わり、急速充電が開始される。ステップS43では、電池パック10の電池電圧を検出し、検出された電池パック10の電池電圧と、充電器の出力電圧とを比較することにより、充電が完了したか否かが判断される。充電が完了したと判断された場合には、一連の処理が終了する。一方、充電が完了していないと判断された場合には、処理がステップS42に戻る。
【0074】
なお、ステップS33におけるタイムアウト時間に達したかどうかの処理は、ステップS40とステップS41の間に行われるようにしてもよい。
【0075】
このように、この発明の第3の実施形態では、電池パック10の電池電圧の変動量に基づき、電池パックの電池電圧が上昇している場合には、正常に充電されていると判断し、タイムアウト時間を延長させるようにしている。そのため、電池パック10に対して初期充電を適切に行うことができ、異常と判断されて停止するのを防ぐことができる。
【0076】
次に、この発明の第4の実施形態について説明する。この発明の第4の実施形態では、初期充電から急速充電に切り替わる切替電圧を、電池パックの種類に応じて変化させることにより、電池パックに対して適切に充電を行うようにした。
【0077】
第4の実施形態に適用される充電器は、上述の第1の実施形態で説明した図1に示す充電器と同様の構成で実現可能である。なお、以下では、第1の実施形態と同様の部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0078】
電池パック10の不揮発性メモリには、その電池パックに適合した切替電圧の情報が記憶されている。CPU12は、接続された電池パック10から通信部14を介して切替電圧の情報を取得し、メモリ11に記憶する。また、CPU12は、メモリ11に記憶された切替電圧を読み出し、検出した電池パック10の電池電圧との比較を行う。
【0079】
この発明の第4の実施形態による充電方法について説明する。背景技術の項で説明したように、例えば、電極に用いられる材料などを変更して高性能化されることにより、従来の電池パックと比べて高容量化された電池パックは、従来の電池パックと比べて低い充電電圧で急速充電を行うことができる。ところが、従来の低容量の電池パックに対応した切替電圧が予め設定されている充電器を用いて高性能化された電池パックを充電した場合、予め設定された切替電圧が高いため、本来急速充電が可能な電池電圧となっても初期充電が継続され、充電に時間を要してしまう。
【0080】
そこで、この第4の実施形態では、高性能化されることによって高容量化された電池パックを適切に充電することができるように、切替電圧を高容量化された電池パックに適した電圧に変更する。
【0081】
例えば、図6に示すように、従来の低容量の電池パックXの切替電圧Vx が予め設定された充電器を用いて、高性能化されることによって高容量化された電池パックYを充電する場合について考える。この充電器に対して高容量化された電池パックYを接続した場合、充電器は、電池パックYから切替電圧の情報を取得する。そして、取得した切替電圧の情報に基づき、切替電圧Vy を新たに設定し直す。こうすることにより、電池パックYに適した切替電圧が設定されるため、初期充電から急速充電に適切に切り替わるようにすることができ、電池パックYに対する充電時間を短縮することができる。
【0082】
この発明の第4の実施形態の充電器1による充電処理の流れについて、図7に示すフローチャートを参照して説明する。なお、特別な記載がない限り、以下の処理は、CPU12で行われるものとする。充電器に電池パックが接続され、電池パックが検出されることにより充電処理が開始されると、ステップS51で初期充電が開始され、ステップS52において、初期充電から急速充電に切り替わる電圧しきい値としての切替電圧の初期値がメモリ11に記憶される。
【0083】
ステップS53では、電池パック10との通信が可能であるか否かが判断される。電池パック10との通信が可能であると判断された場合には、処理がステップS54に移行する。ステップS54では、電池パック10との通信が開始され、ステップS55において、電池パック10から切替電圧の情報を取得し、取得した切替電圧の情報に基づいて新たな切替電圧をメモリ11に記憶する。一方、ステップS53において、電池パック10との通信が不可能であると判断された場合には、再度ステップ53の処理が行われる。
【0084】
ステップS56では、電池パック10の電池電圧を検出し、検出された電池パック10の電池電圧と、メモリ11に記憶された切替電圧とを比較し、電池パックの電池電圧10が切替電圧に達したか否かが判断される。電池パックの電池電圧が切替電圧に達したと判断された場合には、処理がステップS57に移行する。一方、電池パックの電池電圧が切替電圧に達していないと判断された場合には、処理がステップS53に戻る。
【0085】
ステップS57では、充電方式が初期充電から急速充電に切り替わり、急速充電が開始される。ステップS58では、電池パック10の電池電圧を検出し、検出された電池パック10の電池電圧と、充電器の出力電圧とを比較することにより、充電が完了したか否かが判断される。充電が完了したと判断された場合には、一連の処理が終了する。充電電流から充電完了を検出しても良い。一方、充電が完了していないと判断された場合には、処理がS57に戻る。
【0086】
このように、この発明の第4の実施形態では、接続された電池パック10から取得した切替電圧の情報に基づいて切替電圧を設定するので、電池パック10に応じて初期充電から急速充電に適切に切り替わるようにすることができ、電池パック10に対する充電時間を短縮することができる。
【0087】
次に、この発明の第5の実施形態について説明する。この発明の第5の実施形態は、第2の実施形態および第4の実施形態を統合したものである。すなわち、この発明の第5の実施形態では、充電器に接続された電池パックから取得した満充電容量値および切替電圧に基づきタイムアウト時間および切替電圧を設定し、電池パックを適切に充電するようになされる。
【0088】
この発明の第5の実施形態の充電器1による充電処理の流れについて、図8に示すフローチャートを参照して説明する。なお、特別な記載がない限り、以下の処理は、CPU12で行われるものとする。充電器1に電池パック10が接続され、電池パックが検出されることにより充電処理が開始されると、ステップS61で初期充電が開始され、タイマ13が時間の測定を開始する。そして、ステップS62において、初期充電から急速充電に切り替わる電圧値としての切替電圧の初期値がメモリ11に記憶され、ステップS63において、基準となるタイムアウト時間の初期値がタイマ13にセットされる。
【0089】
ステップS64では、電池パック10との通信が可能であるか否かが判断される。電池パック10との通信が可能であると判断された場合には、処理がステップS65に移行する。一方、電池パック10との通信が不可能であると判断された場合には、処理がステップS69に移行する。
【0090】
ステップS65では、電池パック10との通信が開始され、ステップS66において、電池パック10から切替電圧を取得し、取得した切替電圧を新たな切替電圧としてメモリ11に記憶する。ステップS67では、電池パック10から満充電容量値を取得し、ステップS68では、取得した電池パック10の満充電容量値に基づき、例えば所定の計算式に従ってタイムアウト時間を算出し、算出されたタイムアウト時間をタイマ13にセットする。
【0091】
ステップS69では、タイマ13により測定時間がタイムアウト時間に達したか否かが判断される。タイマ13の測定値がタイムアウト時間に達していないと判断された場合には、処理がステップS70に移行する。ステップS70では、電池パック10の電池電圧を検出し、検出された電池パックの電池電圧10と、メモリ11に記憶された切替電圧とを比較し、電池パック10の電池電圧が切替電圧に達したか否かが判断される。電池パック10の電池電圧が切替電圧に達したと判断された場合には、処理がステップS71に移行する。一方、電池パック10の電池電圧が切替電圧に達していないと判断された場合には、処理がステップS69に戻る。
【0092】
ステップS71では、充電方式が初期充電から急速充電に切り替わり、急速充電が開始される。ステップS72では、電池パック10の電池電圧を検出し、検出された電池パック10の電池電圧と、充電器の出力電圧とを比較することにより、充電が完了したか否かが判断される。充電が完了したと判断された場合には、一連の処理が終了する。充電が完了していないと判断された場合には、処理がS71に戻る。充電電流の値から充電完了を検出しても良い。
【0093】
一方、ステップS69において、タイマ13の測定値がタイムアウト時間に達したと判断された場合には、電池パック10が異常であると判断し、処理がステップS73に移行する。ステップS73では、充電を停止するなどの異常処理が行われ、一連の処理が終了する。
【0094】
このように、この発明の第5の実施形態では、接続された電池パック10から満充電容量値および切替電圧を取得し、満充電容量値に基づき得られたタイムアウト時間をタイマ13にセットするとともに、取得した切替電圧を設定するようにしている。そのため、電池パック10に対して初期充電を適切に行うことができ、誤って異常と判断されるのを防ぐとともに、電池パック10に応じて初期充電から急速充電に適切に切り替わるようにすることができ、電池パック10に対する充電時間を短縮することができる。
【0095】
なお、上述の例では、電池パック10から取得した満充電容量値に基づきタイムアウト時間を算出するようにしているが、これはこの例に限られず、例えば、電池パック10からタイムアウト時間を直接取得するようにしてもよい。
【0096】
この発明の第1〜第5の実施形態によれば、接続された電池パックからタイムアウト時間や切替電圧などの情報を取得し、取得した情報に基づき電池パックに対して適切に充電することができる。そのため、例えば、充電器が発売された以降に作製された高容量の電池パックや高性能の電池パックであっても、適切な充電を行うことができる。
【0097】
なお、電池パックとの通信ができずに、タイムアウト時間や切替電圧などの情報を取得することができない場合には、メモリ11に予め記憶されている初期値としてのタイムアウト時間や切替電圧を用いて制御される。
【0098】
以上、この発明の第1〜第5の実施形態について説明したが、この発明は、上述したこの発明の第1〜第5の実施形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。例えば充電器1は、ノート型PC、携帯電話等の装置内に構成されたものでも良い。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】この発明の第1の実施形態による充電器の一例の構成を示すブロック図である。
【図2】電池パックの充電特性に応じたタイムアウト時間の設定の変更を説明するための略線図である。
【図3】この発明の第1の実施形態の充電器による充電処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【図4】この発明の第2の実施形態の充電器による充電処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【図5】この発明の第3の実施形態の充電器による充電処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【図6】電池パックの充電特性に応じた切替電圧の設定の変更を説明するための略線図である。
【図7】この発明の第4の実施形態の充電器による充電処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【図8】この発明の第5の実施形態の充電器による充電処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【図9】CCCV充電方式による充電特性の一例を示す略線図である。
【図10】従来の充電器において、低容量の電池パックと高容量化された電池パックとを充電した場合について説明するための略線図である。
【図11】電池パックの充電特性に応じた充電電流の設定の変更を説明するための略線図である。
【図12】初期充電から急速充電への切り替わりを説明するための略線図である。
【図13】電池パックの放電特性を説明するための略線図である。
【図14】初期充電から急速充電への切り替わりを説明するための略線図である。
【符号の説明】
【0100】
1 充電器
2 電源供給端子
3 電源回路
4 充電制御部
5 定電流定電圧制御部
10 二次電池
11 メモリ
12 CPU
13 タイマ
14 通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次電池と、上記二次電池の充電および放電を制御するスイッチ素子と、上記スイッチ素子を制御する制御部と、充電器との通信を行う通信部とを有し、
充電時に、上記二次電池の電圧が所定電圧に達すると、初期充電から急速充電に切り替えられ、初期充電が開始されてからタイムアウト時間内に上記所定電圧に達しない場合には、充電器によって異常と判定される電池パックであって、
上記タイムアウト時間および上記所定電圧の少なくとも一方を記憶し、
読み出された上記タイムアウト時間および上記所定電圧の少なくとも一方を上記通信部を介して充電器側へ送信するようにした電池パック。
【請求項2】
電池パックに対する充電器において、
上記電池パックと通信を行い、上記電池パックからタイムアウト時間の情報を受け取る通信部と、
充電時に、上記電池パックに対して初期充電を行い、上記電池パックの電圧が所定電圧に達すると、急速充電を行い、上記初期充電が開始されてから上記タイムアウト時間内に、上記電圧が上記所定電圧に達しない場合には、上記電池パックを異常と判定する充電制御部と
を有する充電器。
【請求項3】
電池パックに対する充電器において、
上記電池パックと通信を行い、上記電池パックから上記二次電池の満充電容量値の情報を受け取る通信部と、
上記満充電容量値に基づきタイムアウト時間を算出し、充電時に、上記電池パックに対して初期充電を行い、上記電池パックの電圧が所定電圧に達すると、急速充電を行い、上記初期充電が開始されてから算出された上記タイムアウト時間内に、上記電圧が上記所定電圧に達しない場合には、上記電池パックを異常と判定する充電制御部と
を有する充電器。
【請求項4】
請求項2または3に記載の充電器において、
上記充電制御部が充電開始時に上記タイムアウト時間として予め設定されている初期値を使用する充電器。
【請求項5】
請求項2または3に記載の充電器において、
上記充電制御部は、
充電開始時に上記タイムアウト時間として予め設定されている初期値を使用し、
前回取得した電池電圧および今回取得した電池電圧に基づき、上記二次電池の電池電圧が上昇しているかどうかを判断し、
上記二次電池が高容量電池であり、かつ上記電池電圧が上昇していると判断した場合に、上記初期値に代えて上記タイムアウト時間を設定する充電器。
【請求項6】
電池パックに対する充電器において、
上記電池パックと通信を行い、上記電池パックから所定電圧の情報を受け取る通信部と、
充電時に、上記電池パックに対して初期充電を行い、上記電池パックの電圧が上記所定電圧に達すると、急速充電を行い、上記初期充電が開始されてからタイムアウト時間内に、上記電圧が上記所定電圧に達しない場合には、上記電池パックを異常と判定する充電制御部と
を有する充電器。
【請求項7】
請求項6に記載の充電器において、
さらに、上記通信部が上記電池パックからタイムアウト時間の情報を受け取り、
上記充電制御部が上記タイムアウト時間を使用して上記電池パックを異常と判定する充電器。
【請求項8】
請求項6に記載の充電器において、
さらに、上記通信部が上記電池パックから上記二次電池の満充電容量値の情報を受け取り、
上記満充電容量値に基づきタイムアウト時間を算出し、
上記充電制御部が算出された上記タイムアウト時間を使用して上記電池パックを異常と判定する充電器。
【請求項9】
電池パックに対する充電方法において、
上記電池パックと通信を行い、上記電池パックからタイムアウト時間の情報を受け取る通信ステップと、
充電時に、上記電池パックに対して初期充電を行い、上記電池パックの電圧が所定電圧に達すると、急速充電を行い、上記初期充電が開始されてから上記タイムアウト時間内に、上記電圧が上記所定電圧に達しない場合には、上記電池パックを異常と判定する充電制御ステップと
を有する充電方法。
【請求項10】
電池パックに対する充電方法において、
上記電池パックと通信を行い、上記電池パックから上記二次電池の満充電容量値の情報を受け取る通信ステップと、
上記満充電容量値に基づきタイムアウト時間を算出し、充電時に、上記電池パックに対して初期充電を行い、上記電池パックの電圧が所定電圧に達すると、急速充電を行い、上記初期充電が開始されてから算出された上記タイムアウト時間内に、上記電圧が上記所定電圧に達しない場合には、上記電池パックを異常と判定する充電制御ステップと
を有する充電方法。
【請求項11】
請求項9または10に記載の充電方法において、
上記充電制御ステップにおいて、充電開始時に上記タイムアウト時間として予め設定されている初期値を使用する充電方法。
【請求項12】
請求項9または10に記載の充電方法において、
上記充電制御ステップは、
充電開始時に上記タイムアウト時間として予め設定されている初期値を使用し、
前回取得した電池電圧および今回取得した電池電圧に基づき、上記二次電池の電池電圧が上昇しているかどうかを判断し、
上記二次電池が高容量電池であり、かつ上記電池電圧が上昇していると判断した場合に、上記初期値に代えて上記タイムアウト時間を設定する充電方法。
【請求項13】
電池パックに対する充電方法において、
上記電池パックと通信を行い、上記電池パックから所定電圧の情報を受け取る通信ステップと、
充電時に、上記電池パックに対して初期充電を行い、上記電池パックの電圧が上記所定電圧に達すると、急速充電を行い、上記初期充電が開始されてからタイムアウト時間内に、上記電圧が上記所定電圧に達しない場合には、上記電池パックを異常と判定する充電制御ステップと
を有する充電方法。
【請求項14】
請求項13に記載の充電方法において、
さらに、上記通信ステップにおいて、上記電池パックからタイムアウト時間の情報を受け取り、
上記充電制御ステップにおいて、上記タイムアウト時間を使用して上記電池パックを異常と判定する充電方法。
【請求項15】
請求項13に記載の充電方法において、
さらに、上記通信ステップにおいて、上記電池パックから上記二次電池の満充電容量値の情報を受け取り、
上記満充電容量値に基づきタイムアウト時間を算出し、
上記充電制御ステップにおいて、上記タイムアウト時間を使用して上記電池パックを異常と判定する充電方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−228408(P2008−228408A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−61060(P2007−61060)
【出願日】平成19年3月9日(2007.3.9)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】