電池モジュールおよび組電池
【課題】複数配列される単電池間の位置ずれを防止可能な電池モジュールを提供する。
【解決手段】本発明の電池モジュールは、第1の電池1と、第1の電池1の電極端子11、12が形成された面を覆い、第1の嵌合凸部37を備えた第1のキャップと、第2の電池と、前記第2の電池の電極端子が形成された面を覆い、第2の嵌合凹部を備えた第2のキャップとを有し、前記第1および第2のキャップは、前記第1の嵌合凸部と前記第1の嵌合凹部とを互いに嵌合させて配置される。
【解決手段】本発明の電池モジュールは、第1の電池1と、第1の電池1の電極端子11、12が形成された面を覆い、第1の嵌合凸部37を備えた第1のキャップと、第2の電池と、前記第2の電池の電極端子が形成された面を覆い、第2の嵌合凹部を備えた第2のキャップとを有し、前記第1および第2のキャップは、前記第1の嵌合凸部と前記第1の嵌合凹部とを互いに嵌合させて配置される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池モジュールおよび組電池に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数の単電池を含んだ組電池が知られている。組電池は、携帯電話やビデオカメラ等の電子機器の電源、電気自動車の電源や家庭用の蓄電装置等として利用されている。組電池を構成する単電池は、配線板により互いに電気的に接続されている。この配線板を用いた組電池として、特許文献1に開示されているものが挙げられる。
【0003】
特許文献1の組電池は、組電池用蓋体(配線板)に複数の単電池が取付けられたものである。組電池用蓋体は、複数の孔部と、孔部ごとに設けられた導電部と、導電部間を電気的に接続する単電池間導電体とを備える。単電池の極柱(電極端子)が組電池用蓋体の孔部に挿入されて、単電池が組電池用蓋体に取付けられている。導電部と単電池間導電体とを介して、単電池間を電気的に接続することが可能になっている。
【0004】
近年、リチウムイオン二次電池(LiBと略記することがある)が注目されている(例えば、特許文献2)。LiBは、鉛蓄電池等の他の二次電池に比べて、高電圧が得られること、エネルギー密度が高いこと、クーロン効率が高いこと等の特長を有している。LiBを用いて組電池を構成すると、所定の電圧や容量を得るために接続する単電池の数を減らすことができ、LiBを搭載する機器を軽量化、小型化することができる。特許文献2では、アルミニウム系材料からなる電池容器を正極端子と電気的に接続することにより電池容器を酸化雰囲気にしている。これにより、電池容器の内壁がリチウムイオンと反応しなくなり、電池容器の合金化が防止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−265830号公報
【特許文献2】特開2008−186591号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、組電池を構成する過程で、複数の単電池を配列しておき、複数の単電池に対して一括して処理を行うことがある。例えば、配列された複数の単電池に対して配線板を位置合わせすれば、単電池ごとに位置合わせするよりも組電池を効率よく製造することができると期待される。しかしながら、実際には単電池間で位置ずれを生じることがあり、位置ずれが生じると単電池を再度配列させること等により作業効率が低下してしまう。
また、特許文献2のLiBのように二次電池の容器が正極端子と電気的に接続されている場合に単電池に位置ずれが生じると、単電池が互いに接触して電池容器の電位が変化してしまう恐れもある。
本発明は、上述の事情に鑑み成されたものであって、単電池間の位置ずれを防止可能な電池モジュール、およびこの電池モジュールを用いて構成された組電池を提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明では、前記目的を達成するために以下の手段を採用している。
本発明の電池モジュールは、第1の電池と、前記第1の電池の電極端子が形成された面を覆い、第1の嵌合凸部を備えた第1のキャップと、第2の電池と、前記第2の電池の電極端子が形成された面を覆い、第2の嵌合凹部を備えた第2のキャップとを有し、前記第1および第2のキャップは、前記第1の嵌合凸部と前記第1の嵌合凹部とを互いに嵌合させて配置されることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の組電池は、上記の電池モジュールと、前記電池モジュールを収容する枠体とで構成される組電池であって、前記枠体の内面には枠凹部及び枠体凸部が設けられ、前記電池モジュールに装着された前記第1のキャップ及び前記第2のキャップの外周面であって前記枠体と対向する面にそれぞれ設けられた第2の嵌合凸部及び第2の嵌合凹部が、前記枠体の内周面に設けられた枠体凹部及び枠体凸部に対応してそれぞれ嵌め合わされていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の電池モジュールによれば、電池モジュールを構成する単電池を容易に配列して電気的に連結することができ、単電池の位置ずれを修正する手間を省くことができる。さらに単電池の位置ずれに伴う短絡を防止することもできる。
また、本発明の組電池によれば、電池モジュールと枠体との位置ずれが防止されるので、電池モジュールと枠体との隙間に起因する電池モジュールの位置ずれやこの位置ずれに伴う単電池間の短絡を防止することができる。これにより、組電池を構成することが容易になり、例えば組電池を低コストにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る単電池カバーが取付けられた二次電池の斜視図である。
【図2】単電池カバーの構成と二次電池の構成を示す分解斜視図である。
【図3】第1キャップの(a)平面図、(b)側断面図、(c)横断面図である。
【図4】第2キャップの(a)平面図、(b)側断面図、(c)横断面図である。
【図5】(a)、(b)は、2つの二次電池を連結する方法を示す説明図である。
【図6】本発明に係る組電池の構成を示す分解斜視図である。
【図7】(a)は変形例1−1、(b)は変形例1−2の第1キャップを示す平面図である。
【図8】変形例2の第1キャップを示す平面図である。
【図9】変形例3の第1キャップを示す平面図である。
【図10】変形例4の第1キャップを示す断面図である。
【図11】(a)〜(c)は変形例5〜7の第1キャップを示す平面図である。
【図12】(a)は変形例8の第1キャップを示す平面図、図12(b)は図12(a)のF−F’線矢視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、一対の第1キャップ3と第2キャップ4とからなる単電池カバー(第1のキャップ)2が取付けられた二次電池1の外観を示す斜視図、図2は単電池カバー2と二次電池1の構成を示す分解斜視図、図3(a)は第1キャップ3の平面図、図3(b)は図3(a)のB−B’線矢視断面図、図3(c)は図3(b)のC−C’線矢視断面図、図4(a)は第2キャップ4の平面図、図4(b)は図4(a)のD−D’線矢視断面図、図4(c)は図4(b)のE−E’線矢視断面図である。
【0012】
本実施形態では、単電池カバーは単電池に取付けられて使用され、この単電池カバーと単電池とにより単電池モジュールが構成される。そしてこの単電池モジュールが2つ以上連結されて電池モジュールが構成される。また、複数の単電池モジュールが配列されて互いに固定されることにより、組電池が構成される(図5、図6参照)。単電池カバーの説明に先立ち、まず、単電池の構成例について説明する。ここでは、単電池の一例として積層型のリチウムイオン二次電池について説明するが、本発明の適用範囲は、単電池の内部構造に限定されない。一次電池にも適用でき、さらに鉛電池などリチウムイオン電池以外のものにも適用できる。
【0013】
図2に示すように二次電池1は、電池容器10、電極端子としての正極端子11および負極端子12を備える。電池容器10は、例えばアルミニウム製の中空容器である。本例の電池容器10は、外形が略角柱状(略直方体状)であるが、外形が略円柱状であってもよい。正極端子11および負極端子12は、電池容器10の外面の1つである端子配置面10aに設けられている。
【0014】
以下、図1に示すXYZ座標系に基づいて構成要素の位置関係を説明する。このXYZ直交座標系において、X方向およびY方向は端子配置面10aに沿う方向であり、Z方向は端子配置面10aの法線方向である。ここでは、正極端子11、負極端子12が並ぶ方向をX方向とする。負極端子12は、正極端子11に対してX正方向側に配置されている。端子配置面10aは、X方向を長辺とし、Y方向を短辺とする略矩形になっている。
【0015】
図1の単電池モジュールを複数組み合わせて図6に示すような組電池6を構成する場合には、複数の二次電池1で電極端子の突出方向が略平行になるように、二次電池1が配列される。このように配列された二次電池1は、端子配置面10aの法線方向を軸として、この軸周り位置する側面が他の二次電池と隣接する。本実施形態では、複数の二次電池1をX方向、Y方向の2方向に二次元配列することを予定している。すなわち、本図の二次電池1の外形は略角柱状(略直方体状)であるため端子配置面10aとこの面に対向する面を除いた電池容器10の4つの側面が、他の二次電池1と隣接する隣接面10b、10cになる。
一方、電池容器が円柱状である場合には、軸方向の端面が端子配置面に設定され、軸周りの曲面が隣接面に設定される。
【0016】
電池容器10内に、正極板13および負極板14がY方向に繰返し配置されている。正極板13は、負極板14と対向配置されている。正極板13と負極板14との間にセパレータ15が設けられており、正極板13が負極板14と接触しないようになっている。正極板13および負極板14は、導体箔や導体薄板からなる。セパレータ15は、例えば樹脂フィルム等の絶縁材料からなる。
【0017】
負極板14におけるZ方向の端部には、X正方向に偏らせて負極タブ14aが形成されている。繰返し配置された複数の負極板14の負極タブ14aが一括して負極端子12と電気的に接続されている。正極板13におけるZ方向の端部には、X負方向に偏らせて正極タブ13aが形成されている。繰返し配置された複数の正極板13の正極タブ13aが一括して正極端子11と電気的に接続されている。
【0018】
電池容器10内に、リチウムイオンを含んだ電解成分が、正極板13および負極板14と接触するように貯蔵される。電解成分の貯蔵形態としては、例えば電解成分を含んだ電解液を電池容器10内に貯留する形態であってもよいし、電解成分を含んだ固形物を電池容器10内に収容する形態であってもよい。本例の二次電池1は、正極端子11が電池容器10と電気的に接続されており、電池容器10の正極端子11に対する電位が制御されている。これにより、例えばリチウムイオンが電池容器10と反応しないように電池容器10の電位が制御され、電池容器10の合金化が防止される。
【0019】
図1、図2に示すように、本実施形態の単電池カバー2は、第1キャップ3および第2キャップ4により構成される。第1キャップ3は、凹部30に二次電池1の端子配置面10a側(Z正方向)の端部が押込まれて嵌め込まれることにより、二次電池1に取付けられる。第2キャップ4は、凹部40に二次電池1の端子配置面10aと対向する面側(Z負方向)の端部が嵌め込まれることにより、二次電池1に取付けられる。第1キャップ3および第2キャップ4は、電池容器10との間の吸着力や摩擦力、キャップ自身の収縮により電池容器10を締め付ける力等によって、電池容器10に固定される。
【0020】
図3(a)〜(c)に示すように第1キャップ3は、側部33および上部34で構成される。側部33は、略枠形状になっており、側部33に囲まれる部分が凹部30になっている。すなわち、側部33は、第1キャップ3が二次電池1に被着された状態で、隣接面10b、10cの一部を被覆する被覆部になっている。凹部30の開口形状は、端子配置面10aの外形と略一致するように設定され、ここでは略矩形になっている。凹部30の開口の内寸は、端子配置面10aの外寸と同程度に設定される
【0021】
上部34は、第1キャップ3が二次電池1に取付けられた状態で、端子配置面10aと対向する板状の部分である。上部34には、上部34を貫通する孔部31、32が設けられている。第1キャップ3が二次電池1に取付けられた状態で、孔部31内に正極端子11が位置するとともに孔部32内に負極端子12が位置するように、孔部31、32の形成位置が設定されている。また、第1キャップ3が二次電池1に取り付けられた状態で、正極端子11の先端および負極端子12の先端が第1キャップ3から突出するように、上部34の板厚が設定されている。正極端子11の側面が孔部31の内壁に囲まれていることにより、正極端子11の短絡が防止されている。また、正極端子11の先端が第1キャップ3から突出しているので、正極端子11を外部に容易に接続することができる。負極端子12についても同様に、短絡が防止されているとともに、外部と容易に接続可能になっている。
【0022】
側部33に、嵌合凹部35、36および嵌合凸部37、38が設けられている。嵌合凹部35、36および嵌合凸部37、38を除いた側部33の外形は、二次電池1の配列方向に応じて適宜選択され、ここでは平面視略矩形になっている。この矩形の長辺はX方向に延びており、短辺はY方向に延びている。側部33の外周面は、互いに対向する二対の端面(それぞれの対は図3(c)の2つの長辺からなる対と2つの短辺からなる対)を有している。それぞれの対の端面の一方に嵌合凹部が設けられており、他方に嵌合凸部が設けられている。一対の端面に設けられた、嵌合凹部および嵌合凸部は互いに対応する形状になっている。すなわち、嵌合凹部35は嵌合凸部37と一組の嵌合部になっており、嵌合凹部36は嵌合凸部38と一組の嵌合部になっている。嵌合凹部35と嵌合凸部37とを結ぶ線は、嵌合凹部36と嵌合凸部38とを結ぶ線と交差(ここでは直交)している。
【0023】
嵌合凹部35は、嵌合凸部37と第1の配列方向であるX方向に凹部30を挟んで対称的に配置されており、嵌合凸部37と組になっている。嵌合凹部35、嵌合凸部37は、平面視した側部33の短辺を構成する一対の端面に設けられている。嵌合凹部35および嵌合凸部37のそれぞれは、同一種類の単電池カバーをそれぞれ用いた複数の単電池モジュールを組み合わせて図6に示すような組電池6を構成する場合に、隣り合う単電池モジュールの嵌合凸部37(「第1の嵌合凸部」とも称する)と嵌合凹部35(「第1の嵌合凹部」とも称する)の各々に互いに嵌め合わされる形状に形成されている。
【0024】
嵌合凹部35は、溝部により構成されており、溝部はZ方向における端面の一端から他端まで通じている。溝部は、図3(a)のZ方向から見た平面図に示すように、側部33外周の端面に沿って台形状に形成されている。また、前記溝部は深さ方向へ向かうにつれて広くなるよう形成されている。すなわち、溝底部35bへ向かうにつれて溝部側面の幅が広くなるテーパー形状に形成されている。溝底部35bには突起部35aが設けられており、前記突起部35aの形状はスポット状のものであり、外形が例えば半円球状である。
【0025】
嵌合凸部37は、端面から突出した帯状の突条部により構成されており、突条部はZ方向における端面の一端から他端まで通じている。突条部は、図3(a)のZ方向から見た平面図に示すように、側部33外周の端面に沿って台形状に形成されている。また、前記突条部は、高さ方向へ向かうにつれて広くなるよう形成されている。すなわち、突条頂部37bに向かうにつれて突条部側面の幅が広くなるテーパー形状に形成されている。また、嵌合凸部37には、突条頂部37bに窪み部37aが設けられている。窪み部37aは、スポット状のものであり、同一種類の単電池カバーをそれぞれ用いた複数の単電池モジュールを組み合わせて図6に示すような組電池6を構成する場合に、隣り合う単電池モジュールの突起部35aと嵌め合わされる形状に形成されている。
なお、上記の例では溝底部35bに突起部35aを設けて突条頂部37bに窪み部37aを設けたがこれに限らない。例えば溝底部35bに突起部35aでなく窪み部を設け、対応する突条頂部37bに突起部を設けるようにしてもよい(以下の変形例についても同様)。
【0026】
嵌合凹部36は、嵌合凸部38と第2の配列方向であるY方向に凹部30を挟んで対称的に配置されており、嵌合凹部38と組になっている。嵌合凹部36、嵌合凸部38は、平面視した側部33の長辺を構成する一対の端面に設けられている。嵌合凹部36および嵌合凸部38のそれぞれは、同一種類の単電池カバーをそれぞれ用いた複数の単電池モジュールを組み合わせて図6に示すような組電池6を構成する場合に、隣り合う単電池モジュールの嵌合凸部38と嵌合凹部36の各々に互いに嵌め合わされる形状に形成されている。
【0027】
嵌合凹部36は、嵌合凹部35と同様に、Z方向における端面の一端から他端に通じる溝部により構成されており、溝部は、側部33の外周の端面から深さ方向へ向かうにつれて幅が広くなるテーパー形状になっている。溝部の溝底部に、例えば半球状の突起部36aが設けられている。
【0028】
嵌合凸部38は、嵌合凸部37と同様に、Z方向における端面の一端から他端に通じる突条部により構成されている。突条部は、側部33の外周から外側に向かうにつれて幅が広くなるテーパー形状になっている。嵌合凸部38には、同一種類の単電池カバーをそれぞれ用いた複数の単電池モジュールを組み合わせて図6に示すような組電池6を構成する場合に、隣り合う単電池モジュールの突起部36aと嵌め合わされる形状の窪み部38aが設けられている。
【0029】
図4(a)〜(c)に示すように第2キャップ4は、孔部31、32が設けられていない点を除いて、第1キャップ3と同様の構成になっている。なお、第1キャップ3は、孔部31、32が設けられてはいるが、そのまま第2キャップとして用いることもできる。
【0030】
第2キャップ4は、側部43および底部44により構成されている。側部43の外形は、第1キャップ3の側部33と同様になっている。側部43に、嵌合凹部45、46および嵌合凸部47、48が設けられている。凹部40の開口形状や開口寸法は、二次電池1における端子配置面10aと対向する面側の外形や寸法に応じて設定され、ここでは第1キャップ3の上部34と同様になっている。
【0031】
嵌合凹部45は、嵌合凸部47と第1の配列方向であるX方向に凹部40を介して対称的に配置されており、嵌合凸部47と組になっている。嵌合凹部45および嵌合凸部47は、互いに嵌め合わされる形状に形成されている。嵌合凹部45は、側部43の外周の端面から深さ方向へ向かって幅が広がるテーパー形状の溝部により構成されており、溝底部45bに例えば半球状の突起部45aが設けられている。嵌合凸部47は、側部43の外周の端面から高さ方向へ向かうにつれて幅が広がるテーパー形状の突条部により構成されており、突条頂部47bには、同一種類の単電池カバーをそれぞれ用いた複数の単電池モジュールを組み合わせて図6に示すような組電池6を構成する場合に、隣り合う単電池モジュールの突起部45aと嵌め合わされる形状の窪み部47aが設けられている。
【0032】
嵌合凹部46は、嵌合凸部48と第2の配列方向であるY方向に凹部40を介して対称的に配置されており、嵌合凸部48と組になっている。嵌合凹部46および嵌合凸部48のそれぞれは、同一種類の単電池カバーをそれぞれ用いた複数の単電池モジュールを組み合わせて図6に示すような組電池6を構成する場合に、隣り合う単電池モジュールの嵌合凸部48と嵌合凹部46の各々に互いに嵌め合わされる形状に形成されている。嵌合凹部46は、側部43の外周の端面から深さ方向に向かって幅が広がるテーパー形状の溝部により構成されており、その溝底部に例えば半球状の突起部46aが設けられている。嵌合凸部48は、側部43の外周の端面の高さ方向へ向かうにつれて幅が広がるテーパー形状の突条部により構成されており、嵌合凸部48には、同一種類の単電池カバーをそれぞれ用いた複数の単電池モジュールを組み合わせて図6に示すような組電池6を構成する場合に、隣り合う単電池モジュールの突起部46aと嵌め合わされる形状の窪み部48aが設けられている。
【0033】
次に、図2、図5(a)、(b)を参照しつつ、単電池カバー2の使用方法について説明する。図5(a)は、単電池カバー2が取付けられた二次電池1を他の二次電池1と連結する方法の一例を示す説明図である。図5(a)は図5(b)と異なる連結方法を示す説明図である。なお、複数用意される二次電池1のうち、ある二次電池1に使用する単電池カバー2の第1キャップまたは第2キャップを「第1のキャップ」と称し、この二次電池1の単電池カバー2と連結される他の二次電池1の単電池カバー2の第1キャップまたは第2キャップを「第2のキャップ」と称する。これら第1のキャップおよび第2のキャップは、上述の第1キャップおよび第2キャップとは異なるので念のためここに書きおく。
【0034】
単電池カバー2を使用するには、複数の二次電池1を用意し、図2に示すように複数の二次電池1の各々に第1キャップ3および第2キャップ4をそれぞれ取付けることにより、複数の単電池モジュール5を組み立てる。ここでは、説明の簡略化のため、2つの単電池モジュールを用いてこれらの連結方法につき説明するが、個数に限定はない。
図5(a)及び(b)に示すように、一方の単電池モジュール5における第1キャップ3の嵌合凹部36を、他方の単電池モジュール5における第1キャップの嵌合凸部38と嵌め合わせる。図示しないが、同様に、一方の単電池モジュール5における第2キャップ4の嵌合凹部46についても、他方の単電池モジュール5における第2キャップ4の嵌合凸部48と嵌め合わせる。
【0035】
図5(a)に示す連結方法では、嵌合凹部36および嵌合凸部38の延在方向(Z方向)に沿って一対の単電池モジュール5をスライドさせる。図3(a)〜(c)に示した突起部36aと窪み部38aとが嵌め合わさる位置までスライドさせて、一対の単電池モジュール5を互いに連結する。また、図示しないが、突起部46aと窪み部48aについても、同様に連結する。
【0036】
第1キャップ3の材質がゴム等の弾性材料であれば、突起部36aを人力で圧縮して変形させることが可能であり、単電池モジュール5をスライドさせることが容易になる。また、嵌合凹部36および嵌合凸部38をスライドさせて嵌め合わせるので、嵌め合わせる過程で嵌合凹部36および嵌合凸部38の変形させる量を最小限度にすることができ、嵌合凹部36および嵌合凸部38を嵌め合わせることが容易になる
【0037】
上記スライドさせる場合には、嵌合凹部36および嵌合凸部38がヤング率の低い材質(例えばゴムなど)としてもよいし、第1キャップ3、第2キャップ4の材質としてヤング率が高い材料(例えば中密度繊維板など)を採用してもよい。ヤング率の高い材料の場合には、第1キャップ3や第2キャップ4の変形による、連結後の単電池モジュール5の間の位置ずれが低減される。
【0038】
図5(b)に示す連結方法では、嵌合凹部36および嵌合凸部38を互いに向かい合わせに押合わせて、嵌合凹部36や嵌合凸部38を変形させ、嵌合凹部36内に嵌合凸部38を押込む。突起部36aと窪み部38aとが嵌め合わさるように、嵌合凹部36および嵌合凸部38の延在方向における、隣接する2つの単電池モジュール5間の相対位置を適宜調整する。この場合には、圧力により上記変形を行うので、ヤング率の低い材質が望ましい。
【0039】
第1キャップ3、第2キャップ4の材質として、嵌合凹部36と嵌合凸部38とを変形させて嵌め合せることが可能な程度にヤング率が低い材質を選択すれば、単電池モジュール5の耐衝撃性を高めることができる。例えば、落下等により単電池モジュール5に外力が加わった場合に、この外力が第1キャップ3、第2キャップ4に緩和され、単電池モジュール5に伝わる衝撃力が弱められる。
【0040】
以上のようにして連結された複数の単電池モジュール5は、嵌合凹部36の内壁が嵌合凸部38の外壁と接触する方向(X方向)において、相対位置が変化しなくなり位置ずれが防止される。
【0041】
また、嵌合凹部36および嵌合凸部38がテーパー形状になっているので、側部33の外周の外側に離れる方向(Y方向)において、一対の単電池モジュール5の相対位置が変化しなくなり位置ずれが防止される。
【0042】
また、嵌合凹部36の突起部36aが嵌合凸部38の窪み部38aと嵌め合わされるので、嵌合凹部36および嵌合凸部38の延在方向(Z方向)において、一対の単電池モジュール5の相対位置が変化しなくなり位置ずれが防止される。
このように、上記単電池カバーによれば単電池間の位置ずれが防止されるので、複数の単電池モジュール5を配列させて組電池を構成することが容易になる。嵌合凹部が嵌合凸部と、キャップの凹部を介して対称的に設けられているので、単電池モジュール5を繰返し配置することが容易になる。
【0043】
図6は、本発明に係る単電池モジュールを複数組み合わせた組電池の一実施形態を示す分解斜視図である。なお本明細書においては、単電池モジュールを複数組み合わせてケース(枠体および配線板)内に収容したものを組電池と称する。図6に示すように、組電池6は、複数の単電池モジュール5、枠体61、配線板62から構成されている。ここでは、複数の単電池モジュール5がX方向、Y方向に二次元配列されて枠体61に収容されている。
【0044】
枠体61は、箱状のものであり、枠体61の内壁に枠体凸部63、64および枠体凹部65、66が設けられている。枠体61は上記単電池カバーと同様の絶縁性材料でよいが、端電池カバーが絶縁性材料の為、非絶縁性材料でも使用可とする。成形容易の観点からはプラスチック樹脂が望ましい。
枠体凸部63は、枠体凹部65と向かい合って配置されている。配列された複数の単電池モジュール5のうち最も外側に配置された単電池モジュール5における、第1キャップ3の嵌合凹部35および第2キャップ4の嵌合凹部45(これらを「第2の嵌合凹部」とも称する)が、枠体凸部63に嵌め合わされる。同様に、枠体凹部65には、第1キャップ3の嵌合凸部37および第2キャップ4の嵌合凸部47(これらを「第2の嵌合凸部」とも称する)が嵌め合わされる。
枠体凸部64は、枠体凹部66と向かい合って配置されている。枠体凸部64には、第1キャップ3の嵌合凹部36および第2キャップ4の嵌合凹部46が嵌め合わされる。枠体凹部66には、第1キャップ3の嵌合凸部38および第2キャップ4の嵌合凸部48が嵌め合わされる。
【0045】
このように、単電池モジュール5が二次元配列されて相互に連結されているとともに、連結された複数の単電池モジュール5が枠体61と連結されている。連結された単電池モジュール5において、第1キャップ3および第2キャップ4はスペーサとして機能しており、二次電池1が所定の間隔で配列される。正極端子11および負極端子12が突出する方向が複数の単電池モジュール5で揃うように、複数の単電池モジュール5が配列されている。
【0046】
配線板62は、複数の単電池モジュール5の正極端子11および負極端子12と接触するように設けられている。配線板62は枠体61と同様の材質でよく、これに金属性の複数の配線67が所定のパターンで埋め込まれて配置されている。ここでは、配線67の各々が、1つの単電池モジュール5の正極端子11と、この単電池モジュール5のY方向に隣接する単電池モジュール5の負極端子12とを電気的に接続するようになっている。すなわち、1つの配列方向(Y方向)に並ぶ単電池モジュール5が、直列に接続されている。
【0047】
上述のように、二次電池1の隣接面10b、10cを覆う部分に嵌合凸部37、38や嵌合凹部35、36が配置される。単電池モジュール5の嵌合凸部37、38を、この単電池モジュール5と隣接して配置される他の単電池モジュール5の嵌合凹部35、36と嵌め合わせることにより、単電池モジュール5が連結される。
【0048】
これにより、隣接する単電池モジュール5の間で、二次電池1の正極端子11の相対位置および負極端子12の相対位置が変化しなくなる。したがって、これら単電池モジュールを複数組み合わせた組電池を枠体61に入れ、所定パターンの配線67を施した配線板62を蓋として被せるだけで、複数の単電池モジュール5に一括して配線処理を施すことができる。
【0049】
特に、正極端子11が電池容器10と電気的に接続されている二次電池1に対して単電池カバー2を用いると、二次電池1を配列する際に二次電池1の位置ずれに起因する短絡等を防止することもでき、短絡により電池容器10の電位が不測に変化することを防止することができる。
【0050】
このように上記単電池カバー2を用いた単電池モジュールによれば、二次電池1を複数容易に配列するとともに連結することができ、位置ずれを修正する手間を省くことができる。また、位置ずれに伴う短絡を防止する手間を省くこともできる。本発明の単電池カバー2を用いれば、位置ずれに関わる手間を省くことができるので、複数の単電池を効率よく配列することが可能になる。
よって、組電池6を効率よく組立てることが可能であるので、低コストに製造することができる。また、単電池モジュール5間の不測の短絡等が防止されるので、良好な特性のものになる。
【0051】
なお、本発明の技術範囲は上述の実施形態に限定されるものではない。本発明の主旨を逸脱しない範囲内で多様な変形が可能である。
例えば、単電池カバーとしては、第1キャップと第2キャップの少なくとも一方を用いていれば、単電池間の位置ずれを防止する効果が得られる。もちろん、第1キャップと第2キャップの2つを用いれば、より強固に位置ずれを防止できる。
また、単電池カバーが、第1キャップや第2キャップ等のキャップの他に、各種付帯物を備えていてもよい。各種付帯物は、例えば第1キャップと第2キャップとを連結する部材等である。
互いに隣接して配置された単電池モジュールの各々のキャップが互いに接触する接触面のそれぞれに、一対の嵌合凹部と嵌合凸部が複数組設けられていてもよい。
溝部や突条部の延在方向は、Z方向でなくともよく、例えばX方向やY方向等であってもよい。
【0052】
この他にも単電池カバーとなるキャップについては、様々な変形が考えられる。以下、キャップの変形例について説明する。図7(a)は変形例1−1の第1キャップ3Aを示す平面図、図7(b)は変形例1−2の第1キャップ3Bを示す平面図、図8は変形例2の第1キャップ3Cを示す平面図、図9は変形例3の第1キャップ3D、3Eを示す平面図、図10は変形例4の第1キャップ3Fを示す平面図、図11(a)は変形例5の第1キャップ3Gを示す平面図、図11(b)は変形例6の第1キャップ3Hを示す平面図、図11(c)は変形例7の第1キャップ3Iを示す平面図、図12(a)は変形例8の第1キャップJを示す平面図、図12(b)は図12(a)のF−F’線矢視断面図である。
【0053】
図7(a)に示す変形例1−1の第1キャップ3Aは、嵌合凹部と嵌合凸部とからなる組が一組だけ設けられており、図3(a)に示す嵌合凹部35および嵌合凸部37が設けられていない。
図7(b)に示す変形例1−2の第1キャップ3Bは、嵌合凹部と嵌合凸部とからなる組が一組だけ設けられており、図3(a)に示す嵌合凹部35および嵌合凸部37が設けられている。第1キャップ3A、3Bによれば、複数の単電池モジュールを互いに連結しつつ一次元配列することができる。
【0054】
図8に示す変形例2の第1キャップ3Cは、円柱状の単電池に用いる場合の単電池カバーの例である。第1キャップ3Cの凹部30Cは、平面形状が略円形になっている。このように、単電池カバーを構成するキャップの凹部の形状は、単電池の形状に応じて適宜変形可能である。
【0055】
図9に示す変形例3の第1キャップ3D、3Eは、円柱状の単電池に用いる場合の単電池カバーの例ではあるが、平面形状が略正三角形になっている。第1キャップ3Dの側部には、嵌合凹部35、36および嵌合凸部37が設けられている。第1キャップ3Eの側部には、嵌合凹部36および嵌合凸部37、38が設けられている。ここでは、嵌合凸部37が嵌合凹部36と嵌め合わされることにより、第1キャップ3D、3Eが連結されている。
【0056】
図10に示す変形例4の第1キャップ3Fは、円柱状の単電池に用いる場合の単電池カバーの例ではあるが、平面形状が略正六角形になっている。第1キャップ3Fの側部には、嵌合凹部36および嵌合凸部37が設けられている。平面視した第1キャップ3Fの対辺の一方に嵌合凹部36が設けられており、他方に嵌合凸部37が設けられている。嵌合凹部36と嵌合凸部37とが組になっており、対辺ごとに嵌合凹部36と嵌合凸部37とが設けられている。
【0057】
変形例3、4のように、キャップの平面形状が、単電池の端子配置面の形状と異なっていてもよい。隣接するキャップ間で互いに接触する側部の形状を設計することにより、単電池の形状と独立して単電池モジュールの配列方向を設計することができる。例えば、変形例4の第1キャップ3Fによれば、単電池モジュールを三角格子状に配列することができる。これにより、例えば円柱状の単電池で組電池を構成する場合に、単電池の集積度を高めることが可能になる。
【0058】
図11(a)に示す変形例5の第1キャップ3Gは、略角柱状(略直方体状)の単電池に用いる場合の単電池カバーの例であるが、溝形状の嵌合凹部35、36の幅が深さ方向で略均一になっており、突条形状の嵌合凸部37、38の幅が高さ方向で略均一になっている。このような第1キャップ3Gによっても、連結された単電池モジュール間で溝部の幅方向の位置ずれを防止する効果は得られる。
【0059】
図11(b)に示す変形例6の第1キャップ3Hは、略角柱状(略直方体状)の単電池に用いる場合の単電池カバーの例であるが、溝形状の嵌合凹部35、36の幅が深さ方向でステップ的に変化しており、突条形状の嵌合凸部37、38の幅が高さ方向でステップ的に変化している。詳しくは、嵌合凹部35、36は、溝底部の幅が溝部内の溝底部の反対側の幅よりも広くなっている。溝部の両側の側面は、溝底部35の反対側が溝部35bの内側に向かって張り出している。嵌合凸部37、38は、突条頂部側の幅が突条頂部の反対側の幅よりも広くなっている。突条部の両側の側面は、突条頂部35側が突条頂部35の外側に向かって張り出している。
【0060】
図11(c)に示す変形例7の第1キャップ3Iは、略角柱状(略直方体状)の単電池に用いる場合の単電池カバーの例であるが、溝形状の嵌合凹部35、36の幅が深さ方向で略均一になっており、幅方向の嵌合凹部35、36の中心位置が、溝底部側とその反対側とでずれている。すなわち、嵌合凹部35、36の片側の側面が、溝底部と反対側にて嵌合凹部の内側に向かって張り出している。突条形状の嵌合凸部37、38の幅が高さ方向で略均一になっており、幅方向の嵌合凸部37、38の中心位置が、突条頂部側とその反対側とでずれている。すなわち、嵌合凸部37、38の片側の側面が、突条頂部にて嵌合凸部の外側に向かって張り出している。
【0061】
図11(b)、(c)に示した変形例6の第1キャップ3H、変形例7の第1キャップ3Iのように嵌合凸部や嵌合凹部がテーパー形状でなくとも、連結された単電池モジュール間で嵌合凹部の深さ方向(嵌合凸部の高さ方向)の位置ずれを防止する効果は得られる。このような効果を得るためには、嵌合凹部の側面の少なくとも一部が、溝底部と反対側にて嵌合凹部の内側に向かって張り出しており、このような嵌合凹部と対応して嵌合凸部の側面の少なくとも一部が、突条頂部側にて嵌合凸部の外側に向かって張り出していればよい。嵌合凹部の幅あるいは幅方向の中心位置が深さ方向で連続的に変化するものであってもよく、例えば、嵌合凹部の延在方向に直交する断面形状がウェーブ形状であって、嵌合凸部の延在方向に直交する断面形状がウェーブ形状であってもよい。
【0062】
図12(a)、(b)に示す変形例8の第1キャップ3Jは、略角柱状(略直方体状)の単電池に用いる場合の単電池カバーの例であるが、嵌合凹部35、36がスポット状の窪み部により構成されており、嵌合凸部37、38がスポット状の突起部により構成されている。嵌合凹部35が、嵌合凸部37と対応しており、嵌合凹部36が嵌合凸部38と対応している。ここでは、嵌合凹部35、36が略同一形状になっており、嵌合凸部37、38が略同一形状になっている。
【0063】
嵌合凸部37は、第1キャップ3Jの側部から突出した柱状部371と、柱状部371の先端と連続した球体部372とから構成されている。嵌合凸部37の高さ方向と直交する面内で、柱状部371の外寸は球状部372の最大外寸よりも小さくなっている。嵌合凹部35は、嵌合凸部37と嵌め合わされる形状になっている。すなわち、嵌合凹部35は、柱状部371と対応する開口部を備える。この開口部の内寸は、柱状部371の外寸と同程度になっており、球状部372の最大外寸よりも小さくなっている。
【0064】
以上のような構成の第1キャップ3Jを単電池に取付けて単電池モジュールを構成し、一対の単電池モジュールを連結するには以下のようにする。一方の単電池モジュールの嵌合凹部35の開口部に、他方の単電池モジュールの嵌合凸部37の球状部372を押込む。嵌合凹部35の開口部を球状部372が通過する段階で、嵌合凹部35の開口部の周辺部が変形して開口径が広がる。また、嵌合凹部35の開口を球状部372が通過した後に、嵌合凹部35の開口径は柱状部371の外寸程度に戻る。
【0065】
連結された一対の単電池モジュールは、互いに接触する接触面に沿う方向において、単電池モジュール間の位置ずれが防止される。嵌合凸部37の一部の外寸が嵌合凹部35の開口径よりも大きくなっているので、連結された単電池モジュール間で、嵌合凹部35の深さ方向(嵌合凸部37の高さ方向)の位置ずれも防止される。
【符号の説明】
【0066】
1・・・二次電池(第1、第2の電池)、
2・・・単電池カバー(第1、第2のキャップ)、
3、3A〜3J・・・第1キャップ、4・・・第2キャップ、
5・・・単電池モジュール、6・・・組電池、10・・・電池容器、
10a・・・端子配置面、10b、10c・・・隣接面、
11・・・正極端子(電極端子)、12・・・負極端子(電極端子)、13・・・正極板、
13a・・・正極タブ、14・・・負極板、14a・・・負極タブ、
15・・・セパレータ、30、30C・・・凹部、31、32・・・孔部、
33・・・側部(被覆部)、34・・・底部、35、36・・・嵌合凹部、
35a、36a・・・突起部、35b、36b・・・溝底部、
37、38・・・嵌合凸部、37a、38a・・・窪み部、
37b・・・突条頂部、40・・・凹部、43・・・側部、44・・・底部、
45、46・・・嵌合凹部、45a、46a・・・突起部、45b・・・溝底部、
47、48・・・嵌合凸部、47a、48a・・・窪み部、47b・・・突条頂部、
61・・・枠体、62・・・配線板、63、64・・・枠体凸部、
65、66・・・枠体凹部、66・・・枠体凹部、67・・・配線、
371・・・柱状部、372・・・球状部、
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池モジュールおよび組電池に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数の単電池を含んだ組電池が知られている。組電池は、携帯電話やビデオカメラ等の電子機器の電源、電気自動車の電源や家庭用の蓄電装置等として利用されている。組電池を構成する単電池は、配線板により互いに電気的に接続されている。この配線板を用いた組電池として、特許文献1に開示されているものが挙げられる。
【0003】
特許文献1の組電池は、組電池用蓋体(配線板)に複数の単電池が取付けられたものである。組電池用蓋体は、複数の孔部と、孔部ごとに設けられた導電部と、導電部間を電気的に接続する単電池間導電体とを備える。単電池の極柱(電極端子)が組電池用蓋体の孔部に挿入されて、単電池が組電池用蓋体に取付けられている。導電部と単電池間導電体とを介して、単電池間を電気的に接続することが可能になっている。
【0004】
近年、リチウムイオン二次電池(LiBと略記することがある)が注目されている(例えば、特許文献2)。LiBは、鉛蓄電池等の他の二次電池に比べて、高電圧が得られること、エネルギー密度が高いこと、クーロン効率が高いこと等の特長を有している。LiBを用いて組電池を構成すると、所定の電圧や容量を得るために接続する単電池の数を減らすことができ、LiBを搭載する機器を軽量化、小型化することができる。特許文献2では、アルミニウム系材料からなる電池容器を正極端子と電気的に接続することにより電池容器を酸化雰囲気にしている。これにより、電池容器の内壁がリチウムイオンと反応しなくなり、電池容器の合金化が防止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−265830号公報
【特許文献2】特開2008−186591号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、組電池を構成する過程で、複数の単電池を配列しておき、複数の単電池に対して一括して処理を行うことがある。例えば、配列された複数の単電池に対して配線板を位置合わせすれば、単電池ごとに位置合わせするよりも組電池を効率よく製造することができると期待される。しかしながら、実際には単電池間で位置ずれを生じることがあり、位置ずれが生じると単電池を再度配列させること等により作業効率が低下してしまう。
また、特許文献2のLiBのように二次電池の容器が正極端子と電気的に接続されている場合に単電池に位置ずれが生じると、単電池が互いに接触して電池容器の電位が変化してしまう恐れもある。
本発明は、上述の事情に鑑み成されたものであって、単電池間の位置ずれを防止可能な電池モジュール、およびこの電池モジュールを用いて構成された組電池を提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明では、前記目的を達成するために以下の手段を採用している。
本発明の電池モジュールは、第1の電池と、前記第1の電池の電極端子が形成された面を覆い、第1の嵌合凸部を備えた第1のキャップと、第2の電池と、前記第2の電池の電極端子が形成された面を覆い、第2の嵌合凹部を備えた第2のキャップとを有し、前記第1および第2のキャップは、前記第1の嵌合凸部と前記第1の嵌合凹部とを互いに嵌合させて配置されることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の組電池は、上記の電池モジュールと、前記電池モジュールを収容する枠体とで構成される組電池であって、前記枠体の内面には枠凹部及び枠体凸部が設けられ、前記電池モジュールに装着された前記第1のキャップ及び前記第2のキャップの外周面であって前記枠体と対向する面にそれぞれ設けられた第2の嵌合凸部及び第2の嵌合凹部が、前記枠体の内周面に設けられた枠体凹部及び枠体凸部に対応してそれぞれ嵌め合わされていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の電池モジュールによれば、電池モジュールを構成する単電池を容易に配列して電気的に連結することができ、単電池の位置ずれを修正する手間を省くことができる。さらに単電池の位置ずれに伴う短絡を防止することもできる。
また、本発明の組電池によれば、電池モジュールと枠体との位置ずれが防止されるので、電池モジュールと枠体との隙間に起因する電池モジュールの位置ずれやこの位置ずれに伴う単電池間の短絡を防止することができる。これにより、組電池を構成することが容易になり、例えば組電池を低コストにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る単電池カバーが取付けられた二次電池の斜視図である。
【図2】単電池カバーの構成と二次電池の構成を示す分解斜視図である。
【図3】第1キャップの(a)平面図、(b)側断面図、(c)横断面図である。
【図4】第2キャップの(a)平面図、(b)側断面図、(c)横断面図である。
【図5】(a)、(b)は、2つの二次電池を連結する方法を示す説明図である。
【図6】本発明に係る組電池の構成を示す分解斜視図である。
【図7】(a)は変形例1−1、(b)は変形例1−2の第1キャップを示す平面図である。
【図8】変形例2の第1キャップを示す平面図である。
【図9】変形例3の第1キャップを示す平面図である。
【図10】変形例4の第1キャップを示す断面図である。
【図11】(a)〜(c)は変形例5〜7の第1キャップを示す平面図である。
【図12】(a)は変形例8の第1キャップを示す平面図、図12(b)は図12(a)のF−F’線矢視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、一対の第1キャップ3と第2キャップ4とからなる単電池カバー(第1のキャップ)2が取付けられた二次電池1の外観を示す斜視図、図2は単電池カバー2と二次電池1の構成を示す分解斜視図、図3(a)は第1キャップ3の平面図、図3(b)は図3(a)のB−B’線矢視断面図、図3(c)は図3(b)のC−C’線矢視断面図、図4(a)は第2キャップ4の平面図、図4(b)は図4(a)のD−D’線矢視断面図、図4(c)は図4(b)のE−E’線矢視断面図である。
【0012】
本実施形態では、単電池カバーは単電池に取付けられて使用され、この単電池カバーと単電池とにより単電池モジュールが構成される。そしてこの単電池モジュールが2つ以上連結されて電池モジュールが構成される。また、複数の単電池モジュールが配列されて互いに固定されることにより、組電池が構成される(図5、図6参照)。単電池カバーの説明に先立ち、まず、単電池の構成例について説明する。ここでは、単電池の一例として積層型のリチウムイオン二次電池について説明するが、本発明の適用範囲は、単電池の内部構造に限定されない。一次電池にも適用でき、さらに鉛電池などリチウムイオン電池以外のものにも適用できる。
【0013】
図2に示すように二次電池1は、電池容器10、電極端子としての正極端子11および負極端子12を備える。電池容器10は、例えばアルミニウム製の中空容器である。本例の電池容器10は、外形が略角柱状(略直方体状)であるが、外形が略円柱状であってもよい。正極端子11および負極端子12は、電池容器10の外面の1つである端子配置面10aに設けられている。
【0014】
以下、図1に示すXYZ座標系に基づいて構成要素の位置関係を説明する。このXYZ直交座標系において、X方向およびY方向は端子配置面10aに沿う方向であり、Z方向は端子配置面10aの法線方向である。ここでは、正極端子11、負極端子12が並ぶ方向をX方向とする。負極端子12は、正極端子11に対してX正方向側に配置されている。端子配置面10aは、X方向を長辺とし、Y方向を短辺とする略矩形になっている。
【0015】
図1の単電池モジュールを複数組み合わせて図6に示すような組電池6を構成する場合には、複数の二次電池1で電極端子の突出方向が略平行になるように、二次電池1が配列される。このように配列された二次電池1は、端子配置面10aの法線方向を軸として、この軸周り位置する側面が他の二次電池と隣接する。本実施形態では、複数の二次電池1をX方向、Y方向の2方向に二次元配列することを予定している。すなわち、本図の二次電池1の外形は略角柱状(略直方体状)であるため端子配置面10aとこの面に対向する面を除いた電池容器10の4つの側面が、他の二次電池1と隣接する隣接面10b、10cになる。
一方、電池容器が円柱状である場合には、軸方向の端面が端子配置面に設定され、軸周りの曲面が隣接面に設定される。
【0016】
電池容器10内に、正極板13および負極板14がY方向に繰返し配置されている。正極板13は、負極板14と対向配置されている。正極板13と負極板14との間にセパレータ15が設けられており、正極板13が負極板14と接触しないようになっている。正極板13および負極板14は、導体箔や導体薄板からなる。セパレータ15は、例えば樹脂フィルム等の絶縁材料からなる。
【0017】
負極板14におけるZ方向の端部には、X正方向に偏らせて負極タブ14aが形成されている。繰返し配置された複数の負極板14の負極タブ14aが一括して負極端子12と電気的に接続されている。正極板13におけるZ方向の端部には、X負方向に偏らせて正極タブ13aが形成されている。繰返し配置された複数の正極板13の正極タブ13aが一括して正極端子11と電気的に接続されている。
【0018】
電池容器10内に、リチウムイオンを含んだ電解成分が、正極板13および負極板14と接触するように貯蔵される。電解成分の貯蔵形態としては、例えば電解成分を含んだ電解液を電池容器10内に貯留する形態であってもよいし、電解成分を含んだ固形物を電池容器10内に収容する形態であってもよい。本例の二次電池1は、正極端子11が電池容器10と電気的に接続されており、電池容器10の正極端子11に対する電位が制御されている。これにより、例えばリチウムイオンが電池容器10と反応しないように電池容器10の電位が制御され、電池容器10の合金化が防止される。
【0019】
図1、図2に示すように、本実施形態の単電池カバー2は、第1キャップ3および第2キャップ4により構成される。第1キャップ3は、凹部30に二次電池1の端子配置面10a側(Z正方向)の端部が押込まれて嵌め込まれることにより、二次電池1に取付けられる。第2キャップ4は、凹部40に二次電池1の端子配置面10aと対向する面側(Z負方向)の端部が嵌め込まれることにより、二次電池1に取付けられる。第1キャップ3および第2キャップ4は、電池容器10との間の吸着力や摩擦力、キャップ自身の収縮により電池容器10を締め付ける力等によって、電池容器10に固定される。
【0020】
図3(a)〜(c)に示すように第1キャップ3は、側部33および上部34で構成される。側部33は、略枠形状になっており、側部33に囲まれる部分が凹部30になっている。すなわち、側部33は、第1キャップ3が二次電池1に被着された状態で、隣接面10b、10cの一部を被覆する被覆部になっている。凹部30の開口形状は、端子配置面10aの外形と略一致するように設定され、ここでは略矩形になっている。凹部30の開口の内寸は、端子配置面10aの外寸と同程度に設定される
【0021】
上部34は、第1キャップ3が二次電池1に取付けられた状態で、端子配置面10aと対向する板状の部分である。上部34には、上部34を貫通する孔部31、32が設けられている。第1キャップ3が二次電池1に取付けられた状態で、孔部31内に正極端子11が位置するとともに孔部32内に負極端子12が位置するように、孔部31、32の形成位置が設定されている。また、第1キャップ3が二次電池1に取り付けられた状態で、正極端子11の先端および負極端子12の先端が第1キャップ3から突出するように、上部34の板厚が設定されている。正極端子11の側面が孔部31の内壁に囲まれていることにより、正極端子11の短絡が防止されている。また、正極端子11の先端が第1キャップ3から突出しているので、正極端子11を外部に容易に接続することができる。負極端子12についても同様に、短絡が防止されているとともに、外部と容易に接続可能になっている。
【0022】
側部33に、嵌合凹部35、36および嵌合凸部37、38が設けられている。嵌合凹部35、36および嵌合凸部37、38を除いた側部33の外形は、二次電池1の配列方向に応じて適宜選択され、ここでは平面視略矩形になっている。この矩形の長辺はX方向に延びており、短辺はY方向に延びている。側部33の外周面は、互いに対向する二対の端面(それぞれの対は図3(c)の2つの長辺からなる対と2つの短辺からなる対)を有している。それぞれの対の端面の一方に嵌合凹部が設けられており、他方に嵌合凸部が設けられている。一対の端面に設けられた、嵌合凹部および嵌合凸部は互いに対応する形状になっている。すなわち、嵌合凹部35は嵌合凸部37と一組の嵌合部になっており、嵌合凹部36は嵌合凸部38と一組の嵌合部になっている。嵌合凹部35と嵌合凸部37とを結ぶ線は、嵌合凹部36と嵌合凸部38とを結ぶ線と交差(ここでは直交)している。
【0023】
嵌合凹部35は、嵌合凸部37と第1の配列方向であるX方向に凹部30を挟んで対称的に配置されており、嵌合凸部37と組になっている。嵌合凹部35、嵌合凸部37は、平面視した側部33の短辺を構成する一対の端面に設けられている。嵌合凹部35および嵌合凸部37のそれぞれは、同一種類の単電池カバーをそれぞれ用いた複数の単電池モジュールを組み合わせて図6に示すような組電池6を構成する場合に、隣り合う単電池モジュールの嵌合凸部37(「第1の嵌合凸部」とも称する)と嵌合凹部35(「第1の嵌合凹部」とも称する)の各々に互いに嵌め合わされる形状に形成されている。
【0024】
嵌合凹部35は、溝部により構成されており、溝部はZ方向における端面の一端から他端まで通じている。溝部は、図3(a)のZ方向から見た平面図に示すように、側部33外周の端面に沿って台形状に形成されている。また、前記溝部は深さ方向へ向かうにつれて広くなるよう形成されている。すなわち、溝底部35bへ向かうにつれて溝部側面の幅が広くなるテーパー形状に形成されている。溝底部35bには突起部35aが設けられており、前記突起部35aの形状はスポット状のものであり、外形が例えば半円球状である。
【0025】
嵌合凸部37は、端面から突出した帯状の突条部により構成されており、突条部はZ方向における端面の一端から他端まで通じている。突条部は、図3(a)のZ方向から見た平面図に示すように、側部33外周の端面に沿って台形状に形成されている。また、前記突条部は、高さ方向へ向かうにつれて広くなるよう形成されている。すなわち、突条頂部37bに向かうにつれて突条部側面の幅が広くなるテーパー形状に形成されている。また、嵌合凸部37には、突条頂部37bに窪み部37aが設けられている。窪み部37aは、スポット状のものであり、同一種類の単電池カバーをそれぞれ用いた複数の単電池モジュールを組み合わせて図6に示すような組電池6を構成する場合に、隣り合う単電池モジュールの突起部35aと嵌め合わされる形状に形成されている。
なお、上記の例では溝底部35bに突起部35aを設けて突条頂部37bに窪み部37aを設けたがこれに限らない。例えば溝底部35bに突起部35aでなく窪み部を設け、対応する突条頂部37bに突起部を設けるようにしてもよい(以下の変形例についても同様)。
【0026】
嵌合凹部36は、嵌合凸部38と第2の配列方向であるY方向に凹部30を挟んで対称的に配置されており、嵌合凹部38と組になっている。嵌合凹部36、嵌合凸部38は、平面視した側部33の長辺を構成する一対の端面に設けられている。嵌合凹部36および嵌合凸部38のそれぞれは、同一種類の単電池カバーをそれぞれ用いた複数の単電池モジュールを組み合わせて図6に示すような組電池6を構成する場合に、隣り合う単電池モジュールの嵌合凸部38と嵌合凹部36の各々に互いに嵌め合わされる形状に形成されている。
【0027】
嵌合凹部36は、嵌合凹部35と同様に、Z方向における端面の一端から他端に通じる溝部により構成されており、溝部は、側部33の外周の端面から深さ方向へ向かうにつれて幅が広くなるテーパー形状になっている。溝部の溝底部に、例えば半球状の突起部36aが設けられている。
【0028】
嵌合凸部38は、嵌合凸部37と同様に、Z方向における端面の一端から他端に通じる突条部により構成されている。突条部は、側部33の外周から外側に向かうにつれて幅が広くなるテーパー形状になっている。嵌合凸部38には、同一種類の単電池カバーをそれぞれ用いた複数の単電池モジュールを組み合わせて図6に示すような組電池6を構成する場合に、隣り合う単電池モジュールの突起部36aと嵌め合わされる形状の窪み部38aが設けられている。
【0029】
図4(a)〜(c)に示すように第2キャップ4は、孔部31、32が設けられていない点を除いて、第1キャップ3と同様の構成になっている。なお、第1キャップ3は、孔部31、32が設けられてはいるが、そのまま第2キャップとして用いることもできる。
【0030】
第2キャップ4は、側部43および底部44により構成されている。側部43の外形は、第1キャップ3の側部33と同様になっている。側部43に、嵌合凹部45、46および嵌合凸部47、48が設けられている。凹部40の開口形状や開口寸法は、二次電池1における端子配置面10aと対向する面側の外形や寸法に応じて設定され、ここでは第1キャップ3の上部34と同様になっている。
【0031】
嵌合凹部45は、嵌合凸部47と第1の配列方向であるX方向に凹部40を介して対称的に配置されており、嵌合凸部47と組になっている。嵌合凹部45および嵌合凸部47は、互いに嵌め合わされる形状に形成されている。嵌合凹部45は、側部43の外周の端面から深さ方向へ向かって幅が広がるテーパー形状の溝部により構成されており、溝底部45bに例えば半球状の突起部45aが設けられている。嵌合凸部47は、側部43の外周の端面から高さ方向へ向かうにつれて幅が広がるテーパー形状の突条部により構成されており、突条頂部47bには、同一種類の単電池カバーをそれぞれ用いた複数の単電池モジュールを組み合わせて図6に示すような組電池6を構成する場合に、隣り合う単電池モジュールの突起部45aと嵌め合わされる形状の窪み部47aが設けられている。
【0032】
嵌合凹部46は、嵌合凸部48と第2の配列方向であるY方向に凹部40を介して対称的に配置されており、嵌合凸部48と組になっている。嵌合凹部46および嵌合凸部48のそれぞれは、同一種類の単電池カバーをそれぞれ用いた複数の単電池モジュールを組み合わせて図6に示すような組電池6を構成する場合に、隣り合う単電池モジュールの嵌合凸部48と嵌合凹部46の各々に互いに嵌め合わされる形状に形成されている。嵌合凹部46は、側部43の外周の端面から深さ方向に向かって幅が広がるテーパー形状の溝部により構成されており、その溝底部に例えば半球状の突起部46aが設けられている。嵌合凸部48は、側部43の外周の端面の高さ方向へ向かうにつれて幅が広がるテーパー形状の突条部により構成されており、嵌合凸部48には、同一種類の単電池カバーをそれぞれ用いた複数の単電池モジュールを組み合わせて図6に示すような組電池6を構成する場合に、隣り合う単電池モジュールの突起部46aと嵌め合わされる形状の窪み部48aが設けられている。
【0033】
次に、図2、図5(a)、(b)を参照しつつ、単電池カバー2の使用方法について説明する。図5(a)は、単電池カバー2が取付けられた二次電池1を他の二次電池1と連結する方法の一例を示す説明図である。図5(a)は図5(b)と異なる連結方法を示す説明図である。なお、複数用意される二次電池1のうち、ある二次電池1に使用する単電池カバー2の第1キャップまたは第2キャップを「第1のキャップ」と称し、この二次電池1の単電池カバー2と連結される他の二次電池1の単電池カバー2の第1キャップまたは第2キャップを「第2のキャップ」と称する。これら第1のキャップおよび第2のキャップは、上述の第1キャップおよび第2キャップとは異なるので念のためここに書きおく。
【0034】
単電池カバー2を使用するには、複数の二次電池1を用意し、図2に示すように複数の二次電池1の各々に第1キャップ3および第2キャップ4をそれぞれ取付けることにより、複数の単電池モジュール5を組み立てる。ここでは、説明の簡略化のため、2つの単電池モジュールを用いてこれらの連結方法につき説明するが、個数に限定はない。
図5(a)及び(b)に示すように、一方の単電池モジュール5における第1キャップ3の嵌合凹部36を、他方の単電池モジュール5における第1キャップの嵌合凸部38と嵌め合わせる。図示しないが、同様に、一方の単電池モジュール5における第2キャップ4の嵌合凹部46についても、他方の単電池モジュール5における第2キャップ4の嵌合凸部48と嵌め合わせる。
【0035】
図5(a)に示す連結方法では、嵌合凹部36および嵌合凸部38の延在方向(Z方向)に沿って一対の単電池モジュール5をスライドさせる。図3(a)〜(c)に示した突起部36aと窪み部38aとが嵌め合わさる位置までスライドさせて、一対の単電池モジュール5を互いに連結する。また、図示しないが、突起部46aと窪み部48aについても、同様に連結する。
【0036】
第1キャップ3の材質がゴム等の弾性材料であれば、突起部36aを人力で圧縮して変形させることが可能であり、単電池モジュール5をスライドさせることが容易になる。また、嵌合凹部36および嵌合凸部38をスライドさせて嵌め合わせるので、嵌め合わせる過程で嵌合凹部36および嵌合凸部38の変形させる量を最小限度にすることができ、嵌合凹部36および嵌合凸部38を嵌め合わせることが容易になる
【0037】
上記スライドさせる場合には、嵌合凹部36および嵌合凸部38がヤング率の低い材質(例えばゴムなど)としてもよいし、第1キャップ3、第2キャップ4の材質としてヤング率が高い材料(例えば中密度繊維板など)を採用してもよい。ヤング率の高い材料の場合には、第1キャップ3や第2キャップ4の変形による、連結後の単電池モジュール5の間の位置ずれが低減される。
【0038】
図5(b)に示す連結方法では、嵌合凹部36および嵌合凸部38を互いに向かい合わせに押合わせて、嵌合凹部36や嵌合凸部38を変形させ、嵌合凹部36内に嵌合凸部38を押込む。突起部36aと窪み部38aとが嵌め合わさるように、嵌合凹部36および嵌合凸部38の延在方向における、隣接する2つの単電池モジュール5間の相対位置を適宜調整する。この場合には、圧力により上記変形を行うので、ヤング率の低い材質が望ましい。
【0039】
第1キャップ3、第2キャップ4の材質として、嵌合凹部36と嵌合凸部38とを変形させて嵌め合せることが可能な程度にヤング率が低い材質を選択すれば、単電池モジュール5の耐衝撃性を高めることができる。例えば、落下等により単電池モジュール5に外力が加わった場合に、この外力が第1キャップ3、第2キャップ4に緩和され、単電池モジュール5に伝わる衝撃力が弱められる。
【0040】
以上のようにして連結された複数の単電池モジュール5は、嵌合凹部36の内壁が嵌合凸部38の外壁と接触する方向(X方向)において、相対位置が変化しなくなり位置ずれが防止される。
【0041】
また、嵌合凹部36および嵌合凸部38がテーパー形状になっているので、側部33の外周の外側に離れる方向(Y方向)において、一対の単電池モジュール5の相対位置が変化しなくなり位置ずれが防止される。
【0042】
また、嵌合凹部36の突起部36aが嵌合凸部38の窪み部38aと嵌め合わされるので、嵌合凹部36および嵌合凸部38の延在方向(Z方向)において、一対の単電池モジュール5の相対位置が変化しなくなり位置ずれが防止される。
このように、上記単電池カバーによれば単電池間の位置ずれが防止されるので、複数の単電池モジュール5を配列させて組電池を構成することが容易になる。嵌合凹部が嵌合凸部と、キャップの凹部を介して対称的に設けられているので、単電池モジュール5を繰返し配置することが容易になる。
【0043】
図6は、本発明に係る単電池モジュールを複数組み合わせた組電池の一実施形態を示す分解斜視図である。なお本明細書においては、単電池モジュールを複数組み合わせてケース(枠体および配線板)内に収容したものを組電池と称する。図6に示すように、組電池6は、複数の単電池モジュール5、枠体61、配線板62から構成されている。ここでは、複数の単電池モジュール5がX方向、Y方向に二次元配列されて枠体61に収容されている。
【0044】
枠体61は、箱状のものであり、枠体61の内壁に枠体凸部63、64および枠体凹部65、66が設けられている。枠体61は上記単電池カバーと同様の絶縁性材料でよいが、端電池カバーが絶縁性材料の為、非絶縁性材料でも使用可とする。成形容易の観点からはプラスチック樹脂が望ましい。
枠体凸部63は、枠体凹部65と向かい合って配置されている。配列された複数の単電池モジュール5のうち最も外側に配置された単電池モジュール5における、第1キャップ3の嵌合凹部35および第2キャップ4の嵌合凹部45(これらを「第2の嵌合凹部」とも称する)が、枠体凸部63に嵌め合わされる。同様に、枠体凹部65には、第1キャップ3の嵌合凸部37および第2キャップ4の嵌合凸部47(これらを「第2の嵌合凸部」とも称する)が嵌め合わされる。
枠体凸部64は、枠体凹部66と向かい合って配置されている。枠体凸部64には、第1キャップ3の嵌合凹部36および第2キャップ4の嵌合凹部46が嵌め合わされる。枠体凹部66には、第1キャップ3の嵌合凸部38および第2キャップ4の嵌合凸部48が嵌め合わされる。
【0045】
このように、単電池モジュール5が二次元配列されて相互に連結されているとともに、連結された複数の単電池モジュール5が枠体61と連結されている。連結された単電池モジュール5において、第1キャップ3および第2キャップ4はスペーサとして機能しており、二次電池1が所定の間隔で配列される。正極端子11および負極端子12が突出する方向が複数の単電池モジュール5で揃うように、複数の単電池モジュール5が配列されている。
【0046】
配線板62は、複数の単電池モジュール5の正極端子11および負極端子12と接触するように設けられている。配線板62は枠体61と同様の材質でよく、これに金属性の複数の配線67が所定のパターンで埋め込まれて配置されている。ここでは、配線67の各々が、1つの単電池モジュール5の正極端子11と、この単電池モジュール5のY方向に隣接する単電池モジュール5の負極端子12とを電気的に接続するようになっている。すなわち、1つの配列方向(Y方向)に並ぶ単電池モジュール5が、直列に接続されている。
【0047】
上述のように、二次電池1の隣接面10b、10cを覆う部分に嵌合凸部37、38や嵌合凹部35、36が配置される。単電池モジュール5の嵌合凸部37、38を、この単電池モジュール5と隣接して配置される他の単電池モジュール5の嵌合凹部35、36と嵌め合わせることにより、単電池モジュール5が連結される。
【0048】
これにより、隣接する単電池モジュール5の間で、二次電池1の正極端子11の相対位置および負極端子12の相対位置が変化しなくなる。したがって、これら単電池モジュールを複数組み合わせた組電池を枠体61に入れ、所定パターンの配線67を施した配線板62を蓋として被せるだけで、複数の単電池モジュール5に一括して配線処理を施すことができる。
【0049】
特に、正極端子11が電池容器10と電気的に接続されている二次電池1に対して単電池カバー2を用いると、二次電池1を配列する際に二次電池1の位置ずれに起因する短絡等を防止することもでき、短絡により電池容器10の電位が不測に変化することを防止することができる。
【0050】
このように上記単電池カバー2を用いた単電池モジュールによれば、二次電池1を複数容易に配列するとともに連結することができ、位置ずれを修正する手間を省くことができる。また、位置ずれに伴う短絡を防止する手間を省くこともできる。本発明の単電池カバー2を用いれば、位置ずれに関わる手間を省くことができるので、複数の単電池を効率よく配列することが可能になる。
よって、組電池6を効率よく組立てることが可能であるので、低コストに製造することができる。また、単電池モジュール5間の不測の短絡等が防止されるので、良好な特性のものになる。
【0051】
なお、本発明の技術範囲は上述の実施形態に限定されるものではない。本発明の主旨を逸脱しない範囲内で多様な変形が可能である。
例えば、単電池カバーとしては、第1キャップと第2キャップの少なくとも一方を用いていれば、単電池間の位置ずれを防止する効果が得られる。もちろん、第1キャップと第2キャップの2つを用いれば、より強固に位置ずれを防止できる。
また、単電池カバーが、第1キャップや第2キャップ等のキャップの他に、各種付帯物を備えていてもよい。各種付帯物は、例えば第1キャップと第2キャップとを連結する部材等である。
互いに隣接して配置された単電池モジュールの各々のキャップが互いに接触する接触面のそれぞれに、一対の嵌合凹部と嵌合凸部が複数組設けられていてもよい。
溝部や突条部の延在方向は、Z方向でなくともよく、例えばX方向やY方向等であってもよい。
【0052】
この他にも単電池カバーとなるキャップについては、様々な変形が考えられる。以下、キャップの変形例について説明する。図7(a)は変形例1−1の第1キャップ3Aを示す平面図、図7(b)は変形例1−2の第1キャップ3Bを示す平面図、図8は変形例2の第1キャップ3Cを示す平面図、図9は変形例3の第1キャップ3D、3Eを示す平面図、図10は変形例4の第1キャップ3Fを示す平面図、図11(a)は変形例5の第1キャップ3Gを示す平面図、図11(b)は変形例6の第1キャップ3Hを示す平面図、図11(c)は変形例7の第1キャップ3Iを示す平面図、図12(a)は変形例8の第1キャップJを示す平面図、図12(b)は図12(a)のF−F’線矢視断面図である。
【0053】
図7(a)に示す変形例1−1の第1キャップ3Aは、嵌合凹部と嵌合凸部とからなる組が一組だけ設けられており、図3(a)に示す嵌合凹部35および嵌合凸部37が設けられていない。
図7(b)に示す変形例1−2の第1キャップ3Bは、嵌合凹部と嵌合凸部とからなる組が一組だけ設けられており、図3(a)に示す嵌合凹部35および嵌合凸部37が設けられている。第1キャップ3A、3Bによれば、複数の単電池モジュールを互いに連結しつつ一次元配列することができる。
【0054】
図8に示す変形例2の第1キャップ3Cは、円柱状の単電池に用いる場合の単電池カバーの例である。第1キャップ3Cの凹部30Cは、平面形状が略円形になっている。このように、単電池カバーを構成するキャップの凹部の形状は、単電池の形状に応じて適宜変形可能である。
【0055】
図9に示す変形例3の第1キャップ3D、3Eは、円柱状の単電池に用いる場合の単電池カバーの例ではあるが、平面形状が略正三角形になっている。第1キャップ3Dの側部には、嵌合凹部35、36および嵌合凸部37が設けられている。第1キャップ3Eの側部には、嵌合凹部36および嵌合凸部37、38が設けられている。ここでは、嵌合凸部37が嵌合凹部36と嵌め合わされることにより、第1キャップ3D、3Eが連結されている。
【0056】
図10に示す変形例4の第1キャップ3Fは、円柱状の単電池に用いる場合の単電池カバーの例ではあるが、平面形状が略正六角形になっている。第1キャップ3Fの側部には、嵌合凹部36および嵌合凸部37が設けられている。平面視した第1キャップ3Fの対辺の一方に嵌合凹部36が設けられており、他方に嵌合凸部37が設けられている。嵌合凹部36と嵌合凸部37とが組になっており、対辺ごとに嵌合凹部36と嵌合凸部37とが設けられている。
【0057】
変形例3、4のように、キャップの平面形状が、単電池の端子配置面の形状と異なっていてもよい。隣接するキャップ間で互いに接触する側部の形状を設計することにより、単電池の形状と独立して単電池モジュールの配列方向を設計することができる。例えば、変形例4の第1キャップ3Fによれば、単電池モジュールを三角格子状に配列することができる。これにより、例えば円柱状の単電池で組電池を構成する場合に、単電池の集積度を高めることが可能になる。
【0058】
図11(a)に示す変形例5の第1キャップ3Gは、略角柱状(略直方体状)の単電池に用いる場合の単電池カバーの例であるが、溝形状の嵌合凹部35、36の幅が深さ方向で略均一になっており、突条形状の嵌合凸部37、38の幅が高さ方向で略均一になっている。このような第1キャップ3Gによっても、連結された単電池モジュール間で溝部の幅方向の位置ずれを防止する効果は得られる。
【0059】
図11(b)に示す変形例6の第1キャップ3Hは、略角柱状(略直方体状)の単電池に用いる場合の単電池カバーの例であるが、溝形状の嵌合凹部35、36の幅が深さ方向でステップ的に変化しており、突条形状の嵌合凸部37、38の幅が高さ方向でステップ的に変化している。詳しくは、嵌合凹部35、36は、溝底部の幅が溝部内の溝底部の反対側の幅よりも広くなっている。溝部の両側の側面は、溝底部35の反対側が溝部35bの内側に向かって張り出している。嵌合凸部37、38は、突条頂部側の幅が突条頂部の反対側の幅よりも広くなっている。突条部の両側の側面は、突条頂部35側が突条頂部35の外側に向かって張り出している。
【0060】
図11(c)に示す変形例7の第1キャップ3Iは、略角柱状(略直方体状)の単電池に用いる場合の単電池カバーの例であるが、溝形状の嵌合凹部35、36の幅が深さ方向で略均一になっており、幅方向の嵌合凹部35、36の中心位置が、溝底部側とその反対側とでずれている。すなわち、嵌合凹部35、36の片側の側面が、溝底部と反対側にて嵌合凹部の内側に向かって張り出している。突条形状の嵌合凸部37、38の幅が高さ方向で略均一になっており、幅方向の嵌合凸部37、38の中心位置が、突条頂部側とその反対側とでずれている。すなわち、嵌合凸部37、38の片側の側面が、突条頂部にて嵌合凸部の外側に向かって張り出している。
【0061】
図11(b)、(c)に示した変形例6の第1キャップ3H、変形例7の第1キャップ3Iのように嵌合凸部や嵌合凹部がテーパー形状でなくとも、連結された単電池モジュール間で嵌合凹部の深さ方向(嵌合凸部の高さ方向)の位置ずれを防止する効果は得られる。このような効果を得るためには、嵌合凹部の側面の少なくとも一部が、溝底部と反対側にて嵌合凹部の内側に向かって張り出しており、このような嵌合凹部と対応して嵌合凸部の側面の少なくとも一部が、突条頂部側にて嵌合凸部の外側に向かって張り出していればよい。嵌合凹部の幅あるいは幅方向の中心位置が深さ方向で連続的に変化するものであってもよく、例えば、嵌合凹部の延在方向に直交する断面形状がウェーブ形状であって、嵌合凸部の延在方向に直交する断面形状がウェーブ形状であってもよい。
【0062】
図12(a)、(b)に示す変形例8の第1キャップ3Jは、略角柱状(略直方体状)の単電池に用いる場合の単電池カバーの例であるが、嵌合凹部35、36がスポット状の窪み部により構成されており、嵌合凸部37、38がスポット状の突起部により構成されている。嵌合凹部35が、嵌合凸部37と対応しており、嵌合凹部36が嵌合凸部38と対応している。ここでは、嵌合凹部35、36が略同一形状になっており、嵌合凸部37、38が略同一形状になっている。
【0063】
嵌合凸部37は、第1キャップ3Jの側部から突出した柱状部371と、柱状部371の先端と連続した球体部372とから構成されている。嵌合凸部37の高さ方向と直交する面内で、柱状部371の外寸は球状部372の最大外寸よりも小さくなっている。嵌合凹部35は、嵌合凸部37と嵌め合わされる形状になっている。すなわち、嵌合凹部35は、柱状部371と対応する開口部を備える。この開口部の内寸は、柱状部371の外寸と同程度になっており、球状部372の最大外寸よりも小さくなっている。
【0064】
以上のような構成の第1キャップ3Jを単電池に取付けて単電池モジュールを構成し、一対の単電池モジュールを連結するには以下のようにする。一方の単電池モジュールの嵌合凹部35の開口部に、他方の単電池モジュールの嵌合凸部37の球状部372を押込む。嵌合凹部35の開口部を球状部372が通過する段階で、嵌合凹部35の開口部の周辺部が変形して開口径が広がる。また、嵌合凹部35の開口を球状部372が通過した後に、嵌合凹部35の開口径は柱状部371の外寸程度に戻る。
【0065】
連結された一対の単電池モジュールは、互いに接触する接触面に沿う方向において、単電池モジュール間の位置ずれが防止される。嵌合凸部37の一部の外寸が嵌合凹部35の開口径よりも大きくなっているので、連結された単電池モジュール間で、嵌合凹部35の深さ方向(嵌合凸部37の高さ方向)の位置ずれも防止される。
【符号の説明】
【0066】
1・・・二次電池(第1、第2の電池)、
2・・・単電池カバー(第1、第2のキャップ)、
3、3A〜3J・・・第1キャップ、4・・・第2キャップ、
5・・・単電池モジュール、6・・・組電池、10・・・電池容器、
10a・・・端子配置面、10b、10c・・・隣接面、
11・・・正極端子(電極端子)、12・・・負極端子(電極端子)、13・・・正極板、
13a・・・正極タブ、14・・・負極板、14a・・・負極タブ、
15・・・セパレータ、30、30C・・・凹部、31、32・・・孔部、
33・・・側部(被覆部)、34・・・底部、35、36・・・嵌合凹部、
35a、36a・・・突起部、35b、36b・・・溝底部、
37、38・・・嵌合凸部、37a、38a・・・窪み部、
37b・・・突条頂部、40・・・凹部、43・・・側部、44・・・底部、
45、46・・・嵌合凹部、45a、46a・・・突起部、45b・・・溝底部、
47、48・・・嵌合凸部、47a、48a・・・窪み部、47b・・・突条頂部、
61・・・枠体、62・・・配線板、63、64・・・枠体凸部、
65、66・・・枠体凹部、66・・・枠体凹部、67・・・配線、
371・・・柱状部、372・・・球状部、
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の電池と、
前記第1の電池の電極端子が形成された面を覆い、第1の嵌合凸部を備えた第1のキャップと、
第2の電池と、
前記第2の電池の電極端子が形成された面を覆い、第1の嵌合凹部を備えた第2のキャップと、を有し、
前記第1および第2のキャップは、前記第1の嵌合凸部と前記第1の嵌合凹部とを互いに嵌合させて配置されることを特徴とする電池モジュール。
【請求項2】
前記第1のキャップの前記第1の嵌合凸部は窪み部又は突起部をさらに有し、
前記第2のキャップの前記第1の嵌合凹部は前記窪み部又は前記突起部と対応して互いに嵌合する形状の突起部又は窪み部をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の電池モジュールと、
前記電池モジュールを収容する枠体とで構成される組電池であって、
前記枠体の内面には枠体凹部及び枠体凸部が設けられ、
前記電池モジュールに装着された前記第1のキャップ及び前記第2のキャップの外周面であって前記枠体と対向する面にそれぞれ設けられた第2の嵌合凸部及び第2の嵌合凹部が、前記枠体の内周面に設けられた枠体凹部及び枠体凸部に対応してそれぞれ嵌め合わされていることを特徴とする組電池。
【請求項1】
第1の電池と、
前記第1の電池の電極端子が形成された面を覆い、第1の嵌合凸部を備えた第1のキャップと、
第2の電池と、
前記第2の電池の電極端子が形成された面を覆い、第1の嵌合凹部を備えた第2のキャップと、を有し、
前記第1および第2のキャップは、前記第1の嵌合凸部と前記第1の嵌合凹部とを互いに嵌合させて配置されることを特徴とする電池モジュール。
【請求項2】
前記第1のキャップの前記第1の嵌合凸部は窪み部又は突起部をさらに有し、
前記第2のキャップの前記第1の嵌合凹部は前記窪み部又は前記突起部と対応して互いに嵌合する形状の突起部又は窪み部をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の電池モジュールと、
前記電池モジュールを収容する枠体とで構成される組電池であって、
前記枠体の内面には枠体凹部及び枠体凸部が設けられ、
前記電池モジュールに装着された前記第1のキャップ及び前記第2のキャップの外周面であって前記枠体と対向する面にそれぞれ設けられた第2の嵌合凸部及び第2の嵌合凹部が、前記枠体の内周面に設けられた枠体凹部及び枠体凸部に対応してそれぞれ嵌め合わされていることを特徴とする組電池。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−134554(P2011−134554A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−292370(P2009−292370)
【出願日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】
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