説明

電池電源装置

【課題】電力制御部の発熱によって生じる二次電池の劣化のばらつきを低減することが容易な電池電源装置を提供する。
【解決手段】
組電池11における充電及び放電のうち少なくとも一方の電力を、所定の制限電力値の電力以下に制御する充放電制御回路13と、充放電制御回路13の温度を制御部温度Tcdとして検出する温度センサTS0と、組電池11の温度を最高温度Tmaxとして検出する温度センサTS1と、制限電力値を設定する第1制限電力設定部120とを備え、組電池11と充放電制御回路13とは、充放電制御回路13において生じた熱が組電池11へ移動可能に配設され、第1制限電力設定部120は、制御部温度Tcdが最高温度Tmaxより高いとき、制御部温度Tcdが最高温度Tmaxより低いときよりも前記制限電力値を減少させるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池を充放電することで蓄電と電力供給とを行う電池電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数の二次電池で構成された組電池が広く用いられている。そして、組電池に充放電される電力を制御するため、制御回路が電力制御部として設けられている。このように、複数の二次電池で構成された組電池では、組電池の外部に配置された充電力制御部の発熱の影響で、各二次電池の温度が不均一になる。
【0003】
一方、二次電池の劣化は、温度と相関関係があることが知られている。そのため、上述のような組電池において、各二次電池の温度が不均一になると、一部の二次電池で劣化が進むおそれがある。そして、組電池は、その一部の二次電池の劣化によって、組電池全体の特性が劣化し、寿命が短くなってしまう。そのため、組電池に含まれる各二次電池の劣化の程度がばらつくことは好ましくない。
【0004】
そこで、組電池の各二次電池が発熱することにより生じる温度分布と、この各二次電池の温度分布を相殺するような温度分布となるように部品を配置した電力制御部の回路基板とを近接配置することによって、電力制御部の発熱に起因する温度ばらつきを低減することで、二次電池の劣化のばらつきを低減する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−294175号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の技術のように、電力制御部の発熱に起因する温度ばらつきそのものを低減することによって二次電池の劣化のばらつきを低減しようとすると、組電池を構成する複数二次電池のうち温度の低い二次電池と電力制御部の発熱が大きい部品とを近接配置させる必要があるため、設計上、発熱部品の配置が制約されるという不都合があった。このように部品の配置が制約されると、装置を小型化することが難しくなるため、部品の配置が制約されることは好ましくない。
【0007】
本発明の目的は、電力制御部における部品の配置が制約されるおそれを低減しつつ、電力制御部の発熱によって生じる二次電池の劣化のばらつきを低減することが容易な電池電源装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る電池電源装置は、複数の二次電池を含む組電池と、前記組電池における充電及び放電のうち少なくとも一方の電力を、所定の制限電力値の電力以下に制御する電力制御部と、前記電力制御部の温度を制御部温度として検出する制御温度検出部と、前記組電池の温度を第1電池温度として検出する第1温度検出部と、前記制限電力値を設定する第1制限電力設定部とを備え、前記組電池と前記電力制御部とは、前記電力制御部において生じた熱が前記組電池へ移動可能に配設され、前記第1制限電力設定部は、前記制御部温度が前記第1電池温度より高いとき、前記制御部温度が前記第1電池温度より低いときよりも前記制限電力値を減少させる。
【0009】
この構成によれば、組電池と電力制御部とは、電力制御部において生じた熱が組電池へ移動可能に配設されているから、電力制御部が発熱して組電池より高温になると、電力制御部の熱が組電池へ移動し、組電池が加熱される。このとき、各二次電池は、電力制御部に近い位置にある二次電池から順に加熱されることになるから、各二次電池における温度ばらつきが増大する。一方、電力制御部の温度が組電池より低いときは、電力制御部の熱は組電池へ移動しないから、電力制御部の発熱に起因して各二次電池の温度ばらつきが増大することはない。
【0010】
そこで、第1制限電力設定部は、電力制御部の温度である制御部温度が組電池の温度である第1電池温度より高いとき、すなわち各二次電池における温度ばらつきが今後増大すると予想されるときは、制御部温度が第1電池温度より低く、電力制御部の発熱に起因する各二次電池の温度ばらつきが生じないと予想されるときよりも制限電力値を減少させる。そして、電力制御部によって、組電池における充電及び放電のうち少なくとも一方の電力が、制限電力値の電力以下に制御されるから、第1制限電力設定部によって制限電力値が減少されると、電力制御部が組電池における充電及び放電のうち少なくとも一方について許容する電力の上限が減少される。
【0011】
二次電池は、充放電される電力がある程度以上増大すると劣化が増大する性質があり、かつ、温度によって二次電池の劣化が増大する電力が異なる。そのため、組電池の各二次電池の温度がばらついた状態では、各二次電池が大きな劣化を伴うことなく充放電可能な電力の上限値も、ばらついている。そのため、各二次電池の温度ばらつきが生じると、ある充放電電力に対して、一部の二次電池のみが大きく劣化し、劣化のばらつきを生じるおそれがある。
【0012】
そこで、この構成によれば、各二次電池の温度ばらつきが生じないと予想されるときに電力制御部が組電池の充電又は放電について許容する電力の上限よりも、各二次電池における温度ばらつきが増大すると予想されるときの方が、当該電力の上限が減少されるので、温度ばらつきが生じた場合であっても一部の二次電池のみを大きく劣化させるおそれが低減される結果、電力制御部の発熱によって生じる二次電池の劣化のばらつきを低減することが容易となる。また、背景技術のように、組電池を構成する複数二次電池のうち温度の低い二次電池と電力制御部の発熱が大きい部品とを近接配置させる必要がないので、電力制御部における部品の配置が制約されるおそれが低減される。
【0013】
また、前記第1制限電力設定部は、前記制御部温度が前記第1電池温度より低いとき、所定の基準電力値を前記制限電力値として設定し、前記制御部温度が前記第1電池温度より高いとき、前記制限電力値として、前記基準電力値より小さく、かつ前記制御部温度と前記第1電池温度との差が大きいほど小さな値を設定することが好ましい。
【0014】
この構成によれば、第1制限電力設定部によって、制御部温度が第1電池温度より高いとき、制御部温度が前記第1電池温度より低いときよりも制限電力値が減少されるとともに、その制限電力値は、制御部温度と第1電池温度との差が大きいほど小さな値となる。
【0015】
制御部温度と第1電池温度との差が大きいほど、電力制御部からの熱の移動に伴う組電池の温度上昇が大きくなると予想される。そうすると、組電池の温度が上昇する過程における各二次電池の温度ばらつきも、制御部温度と第1電池温度との差が大きいほど大きくなり、劣化のばらつきが生じやすくなると予想される。そこで、第1制限電力設定部は、制御部温度と第1電池温度との差が大きいほど制限電力値を小さくすることで、制限電力値を最適化することが容易となる。
【0016】
また、前記第1制限電力設定部は、前記第1電池温度に応じて前記基準電力値を設定することが好ましい。
【0017】
二次電池の劣化が増大する充放電電力は、温度によって異なる。そこで、この構成によれば、第1制限電力設定部によって、第1電池温度に応じて基準電力値が設定される結果、基準電力値を最適化することが容易となる。
【0018】
また、前記第1温度検出部は、前記複数の二次電池の温度のうち、最も高い温度を前記第1電池温度として検出することが好ましい。
【0019】
もし仮に、複数の二次電池の温度のうち、最も高い温度である最高温度とは異なる温度を用いた場合、制御部温度が、第1電池温度より高く、かつ最高温度より低い温度となる場合がある。この場合、電力制御部からの熱の移動によっては、最高温度の二次電池は加熱されず、温度の低い二次電池が加熱されることになるから、温度のばらつきは増大しない。
【0020】
そこで、この構成によれば、第1温度検出部は、複数の二次電池の温度のうち、最も高い温度を第1電池温度として検出することで、第1制限電力設定部が、各二次電池の温度ばらつきが増大すると予想される条件を、より精度よく判定することが可能となる。
【0021】
また、前記複数の二次電池の温度のうち、最も低い温度を第2電池温度として検出する第2温度検出部と、前記第1電池温度と前記第2電池温度との差が、予め設定された基準温度値より大きいとき、前記第1制限電力設定部によって設定された制限電力値をさらに減少させることによって新たな制限電力値を設定し、当該新たな制限電力値を前記電力制御部に用いさせる第2制限電力設定部とをさらに備えることが好ましい。
【0022】
この構成によれば、第2制限電力設定部によって、第1電池温度と前記第2電池温度との差、すなわち各二次電池の最高温度と最低温度との差が、予め設定された基準温度値より大きいとき、第1制限電力設定部によって設定された制限電力値がさらに減少されて新たな制限電力値が設定される。ここで、各二次電池の最高温度と最低温度との差は、各二次電池において既に生じている現時点での温度ばらつきの大きさを表している。
【0023】
従って、第2制限電力設定部が、第1電池温度と第2電池温度との差が基準温度値より大きくなり、すなわち各二次電池の温度ばらつきが一定以上に増大したとき、第1制限電力設定部によって設定された制限電力値をさらに減少して新たな制限電力値を設定することによって、各二次電池の充電電力又は放電電力の上限を低下させることができる結果、温度ばらつきによって劣化のばらつきが増大するおそれを低減することができる。
【0024】
また、前記複数の二次電池の温度のうち、最も低い温度を第2電池温度として検出する第2温度検出部と、前記第1電池温度と前記第2電池温度との差が大きいほど減少量を増大させるように前記第1制限電力設定部によって設定された制限電力値をさらに減少させることによって、新たな制限電力値を設定し、当該新たな制限電力値を前記電力制御部に用いさせる第2制限電力設定部とをさらに備えることが好ましい。
【0025】
この構成によれば、第2制限電力設定部によって、第1電池温度と前記第2電池温度との差が大きいほど、すなわち各二次電池の温度ばらつきが大きいほど、第1制限電力設定部によって設定された制限電力値が、より大きく減少されて新たな制限電力値が設定される。これにより、各二次電池の充電電力又は放電電力の上限を、その温度ばらつきの程度に応じて低下させることができる。その結果、劣化のばらつきが増大するおそれを低減することができる。
【0026】
また、前記複数の二次電池の温度のうち、最も低い温度を第2電池温度として検出する第2温度検出部と、前記第1電池温度と前記第2電池温度との差が、予め設定された基準温度値より大きいとき、前記第1電池温度と前記第2電池温度との差が大きいほど減少量を増大させるように前記第1制限電力設定部によって設定された制限電力値をさらに減少させることによって、新たな制限電力値を設定し、当該新たな制限電力値を前記電力制御部に用いさせる第2制限電力設定部とをさらに備えることが好ましい。
【0027】
この構成によれば、第1電池温度と第2電池温度との差が、予め設定された基準温度値より大きいときのみ、第2制限電力設定部によって、第1電池温度と前記第2電池温度との差が大きいほど、第1制限電力設定部によって設定された制限電力値が、より大きく減少されて新たな制限電力値が設定される。従って、第1電池温度と第2電池温度との差が基準温度値より小さく、温度ばらつきが小さいときは、第2制限電力設定部は、新たな制限電力値を設定する処理を行わないから、不要な処理を減少させることができる。
【0028】
また、前記制御温度検出部は、前記電力制御部の内部で最も発熱量の多い部品の温度を、前記制御部温度として検出することが好ましい。
【0029】
電力制御部の内部で最も発熱量の多い部品は、電力制御部の内部で最も早く温度が上昇すると考えられる。従って、電力制御部の内部で最も発熱量の多い部品の温度を制御部温度として検出することで、第1制限電力設定部は、制御部温度が第1電池温度より高いか否かに基づく各二次電池における温度ばらつきの発生予測を、より早いタイミングで行うことが可能となる。
【0030】
また、前記最も発熱量の多い部品に取り付けられたヒートシンクをさらに備え、前記制御温度検出部は、前記ヒートシンクの温度を、前記制御部温度として検出することが好ましい。
【0031】
ヒートシンクには、制御温度検出部のような検出部を取り付けることが容易である。
【発明の効果】
【0032】
このような構成の電池電源装置は、電力制御部における部品の配置が制約されるおそれを低減しつつ、電力制御部の発熱によって生じる二次電池の劣化のばらつきを低減することが容易である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の一実施形態に係る電池電源装置を備えた電源システムの構成の一例を示すブロック図である。
【図2】図1に示す充放電制御回路の構成の一例を示す回路図である。
【図3】図1に示す電池電源装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図4】図3に示すフローチャートの変形例を示すフローチャートである。
【図5】図3に示すフローチャートの変形例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る電池電源装置を備えた電源システムの構成の一例を示すブロック図である。図1に示す電源システムは、例えば、電池電源装置1と、太陽電池2と、負荷3と、パワーコンディショナ4とを備えている。
【0035】
なお、図1において、電池電源装置1に太陽電池が接続された太陽電池発電システムの例を示したが、電池電源装置1に接続されるものは、太陽電池に限らない。例えば、太陽電池2の代わりに風力発電機が接続されてもよく、商用電源が接続されてもよい。
【0036】
また、電池電源装置1は、例えばHEV(Hybrid Electric Vehicle)やEV(Electric Vehicle)の電源システムに用いられてもよい。この場合、例えば太陽電池2の代わりに、エンジンで駆動される発電機や回生電力を発生するモータ、あるいはEV用充電器が用いられ、負荷3としてモータや車載機器が用いられる。
【0037】
太陽電池2は、太陽光によって発電を行い、例えば50V程度の電圧をパワーコンディショナ4へ出力する。
【0038】
パワーコンディショナ4は、例えば、DC/DCコンバータ41と、DC/ACコンバータ42とを備えている。DC/DCコンバータ41は、配線等からなる中間配電部Mを介してDC/ACコンバータ42と接続されている。また、中間配電部Mは、電池電源装置1と接続されている。
【0039】
電池電源装置1は、例えば、組電池11、制御部12、充放電制御回路13(電力制御部)、温度センサTS0(制御温度検出部)、温度センサTS1(第1温度検出部)、及び温度センサTS2(第2温度検出部)を備えている。電池電源装置1は、例えば図略の筐体内に封入されて、電池パックとして構成されている。
【0040】
なお、電池電源装置1は、必ずしも電池パックとして構成される例に限られず、筐体内に配設されて一体に構成される例に限られない。例えば、制御部12が、充放電制御回路13や温度センサTS0,TS1,TS2とケーブルで接続されるなどによって、組電池11や充放電制御回路13と、制御部12とが離れた位置に配設されて、これらが分離した状態で電池電源装置1が構成されていてもよい。
【0041】
例えば、電池電源装置1が、HEVやEV用の電源システムとして用いられる場合、組電池11や充放電制御回路13から離れた位置に配設されたECU(Electronic Control Unit)が、制御部12として用いられる構成としてもよい。
【0042】
DC/DCコンバータ41は、太陽電池2によって発電された直流50Vの電圧を、例えば予め基準電圧値Vrとして設定された直流350Vに変換し、中間配電部Mを介してDC/ACコンバータ42と電池電源装置1とへ出力する。DC/ACコンバータ42は、DC/DCコンバータ41と電池電源装置1とから得られた直流350Vを、交流200V、又は交流100Vに変換して、負荷3へ出力する。
【0043】
負荷3は、例えば、家庭用家電製品や車載モータ等の負荷回路である。
【0044】
ここで、DC/DCコンバータ41は、太陽電池2によって発電された電力から直流350Vの電圧を生成するから、太陽電池2の発電量が増大すれば中間配電部Mへの供給電流が増大し、発電量が減少すれば中間配電部Mへの供給電流が減少する。一方、DC/ACコンバータ42は、負荷3の消費電力に応じた電力を、中間配電部Mから供給される直流350Vの電圧に基づき生成するから、負荷3の消費電力が増大すれば、中間配電部Mから引き込む電流が増大し、負荷3の消費電力が減少すれば、中間配電部Mから引き込む電流が減少する。
【0045】
そのため、もし電池電源装置1がパワーコンディショナ4に接続されていなければ、発電量より消費電力が多くなると、中間配電部Mに供給される電流よりも引き込まれる電流が増大し、DC/DCコンバータ41は350Vの電圧を維持できなくなって、中間配電部Mの電圧が低下する。そして、中間配電部MからDC/ACコンバータ42へ供給される電力が不足して、DC/ACコンバータ42は負荷3の消費電力を供給することができなくなる。
【0046】
また、消費電力より発電量が多くなると、中間配電部Mに引き込まれる電流より、中間配電部Mに供給される電流が増大し、余剰電流によって中間配電部Mの電圧が上昇する。そうすると、DC/DCコンバータ41は、350Vの電圧を維持するために太陽電池2から取り込む電流を減少させる結果、太陽電池2の発電電力の一部が利用されずに損失となる。
【0047】
そこで、電池電源装置1における充放電制御回路13は、中間配電部Mにおいて電流(電力)が余剰となって電圧が上昇すると、中間配電部Mから余剰電流を吸収して組電池11へ充電する。また、充放電制御回路13は、中間配電部Mにおいて電流(電力)が不足して電圧が低下すると、組電池11を放電させて中間配電部Mへ電流(電力)を供給し、電流(電力)の不足を補うようになっている。
【0048】
組電池11は、複数、例えば14個の二次電池B1〜B14が、直列に接続されて構成されている。また、二次電池B1〜B14は、それぞれ、例えば20個のセルが並列接続されて構成されている。
【0049】
以下、二次電池B1〜B14を総称して二次電池Bと表記する。二次電池Bは、例えば単セルであってもよく、例えば複数のセルが直列接続された組電池であってもよく、例えば複数のセルが並列接続された組電池であってもよく、直列と並列とが組み合わされて複数のセルが接続された組電池であってもよい。
【0050】
二次電池B(又は二次電池Bを構成するセル)としては、例えばリチウムイオン二次電池が用いられる。なお、二次電池Bは、リチウムイオン二次電池に限られず、例えばニッケル水素二次電池やニッケルカドミウム二次電池等、種々の二次電池を用いることができる。
【0051】
図2は、図1に示す充放電制御回路13の構成の一例を示す回路図である。図2に示す充放電制御回路13は、DC/DCコンバータ131、ヒートシンク132、コンバータ制御部133、電流センサ134、接続端子135,136、インダクタL1、及びキャパシタC1を備えている。
【0052】
接続端子135,136は、パワーコンディショナ4の中間配電部Mに接続される接続端子である。DC/DCコンバータ131は、一次側端子311,312と、二次側端子313,314とを備えている。DC/DCコンバータ131の一次側端子311,312は、接続端子135,136を介して中間配電部Mと接続されている。
【0053】
二次側端子313は、インダクタL1と電流センサ134とを介して組電池11の正極と接続されている。二次側端子314は、組電池11の負極と接続されている。そして、組電池11と並列にキャパシタC1が接続されている。キャパシタC1とインダクタL1とは、平滑回路を構成している。
【0054】
DC/DCコンバータ131は、中間配電部Mから一次側端子311,312によって受電された電力に基づき、コンバータ制御部133からの制御信号に応じた電圧、電流を生成し、二次側端子313,314から出力することで、組電池11を充電する。
【0055】
また、DC/DCコンバータ131は、コンバータ制御部133からの制御信号に応じて組電池11を放電させ、得られた電力に基づき直流350Vの電圧を生成する。そしてDC/DCコンバータ131は、生成された直流350Vの電圧を、一次側端子311,312から中間配電部Mへ供給する。
【0056】
DC/DCコンバータ131は、例えばスイッチング電源回路がモジュール化されて図略の金属ケースに封入され、一個の部品として構成されている。そして、DC/DCコンバータ131の金属ケースにヒートシンク132が取り付けられている。DC/DCコンバータ131で発生した熱が、ヒートシンク132によって放熱されるようになっている。DC/DCコンバータ131は、充放電制御回路13の内部で最も発熱量の多い部品の一例である。
【0057】
そして、温度センサTS0は、ヒートシンク132に取り付けられて、ヒートシンク132の温度を制御部温度Tcdとして検出し、制御部温度Tcdを示す信号を、制御部12へ送信する。
【0058】
ヒートシンクは、一般的に部品本体よりも加工が容易であり、部品の取付孔やネジ孔を設けることが容易である。従って、温度センサTS0をヒートシンクに取りつけることとすれば、温度センサTS0をネジ止めしたり、取付孔に挿入するなどして取り付けることが容易である。
【0059】
なお、DC/DCコンバータ131には、必ずしもヒートシンク132が取り付けられている必要はない。また、温度センサTS0は、DC/DCコンバータ131のケースに取り付けられてもよく、DC/DCコンバータ131の近傍に設けられてDC/DCコンバータ131の温度を制御部温度Tcdとして検出するようにしてもよい。
【0060】
また、DC/DCコンバータ131は、必ずしも一個の部品として構成されている必要はない。例えば、DC/DCコンバータ131を構成するスイッチング電源回路において、電流のスイッチングを行うトランジスタ、あるいはこのトランジスタに取り付けられたヒートシンクに温度センサTS0を取り付けるようにしてもよい。この場合、トランジスタは、充放電制御回路13の内部で最も発熱量の多い部品の一例である。
【0061】
また、必ずしもDC/DCコンバータ131やトランジスタ、あるいはこれらに取り付けられたヒートシンクに温度センサTS0を取り付ける必要はない。例えば、実験的に動作時の充放電制御回路13の温度分布を測定し、最も発熱量の多い部品の温度を、温度センサTS0によって検出するようにしてもよい。
【0062】
あるいは、温度センサTS0は、必ずしも充放電制御回路13の内部で最も発熱量の多い部品の温度を検出する例に限らない。例えば充放電制御回路13全体の平均的な温度が得られる箇所に、温度センサTS0が取り付けられるようにしてもよい。
【0063】
しかしながら、充放電制御回路13の内部で最も発熱量の多い部品は、充放電制御回路13の内部で最も早く温度が上昇すると考えられる。従って、充放電制御回路13の内部で最も発熱量の多い部品の温度を制御部温度Tcdとして検出することで、後述するフローチャートのステップS4〜S7において、充放電制御回路13全体の平均的な温度を制御部温度Tcdとして検出する場合よりも、早いタイミングで、今後発生すると予測される温度ばらつきに対応した充電可能電力値Pin、及び放電可能電力値Poutを設定することが可能となる。
【0064】
電流センサ134は、例えばシャント抵抗やホール素子等の電流検出素子を用いて構成されている。そして、電流センサ134は、組電池11に流れる電流を検出し、その電流値Iを示す信号を、コンバータ制御部133へ出力する。電流センサ134は、例えば、組電池11の、充電方向の電流値Iをプラスの極性で、放電方向の電流値Iをマイナスの極性で示すようになっている。
【0065】
コンバータ制御部133は、例えば所定の演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)と、所定の制御プログラムが記憶された不揮発性のROM(Read Only Memory)と、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)と、アナログデジタルコンバータと、これらの周辺回路等とを備えて構成されている。そして、コンバータ制御部133は、ROMに記憶された制御プログラムを実行することにより、DC/DCコンバータ131の動作を制御する。
【0066】
具体的には、コンバータ制御部133は、例えばアナログデジタルコンバータによって、接続端子135,136間の電圧、すなわち中間配電部Mの電圧である中間電圧Vmと、組電池11の両端子間の電圧である電池電圧Vbとを検出する。また、コンバータ制御部133は、電流センサ134によって検出された電流値Iと、電池電圧Vbとを乗算することによって、組電池11に入出力される電力の電力値Pを算出する。
【0067】
また、コンバータ制御部133は、中間電圧Vmを監視し、中間電圧Vmが350Vの基準電圧値Vrを超えると、DC/DCコンバータ131によって中間電圧Vmから組電池11の充電用の電圧を生成させることによって、組電池11を充電させる。これにより、中間配電部Mで生じた余剰電流(電力)がDC/DCコンバータ131によって引き込まれ、組電池11に充電されるので、太陽電池2によって発電された余剰電力が無駄になるおそれが低減される。
【0068】
また、コンバータ制御部133は、中間電圧Vmが基準電圧値Vrを下回ると、DC/DCコンバータ131によって組電池11の電池電圧Vbから基準電圧値Vr(直流350V)の電圧を生成させて、すなわち組電池11を放電させることによって、接続端子135,136から中間配電部Mへ出力させる。これにより、中間配電部Mで生じた不足電流(電力)が、組電池11の放電によって補われるので、DC/ACコンバータ42の供給電力が、負荷3の消費電力に対して不足するおそれが低減される。
【0069】
また、コンバータ制御部133は、制御部12から、組電池11に対して許容可能な最大の充電電力値である充電可能電力値Pinと組電池11に対して許容可能な最大の放電電力値である放電可能電力値Poutとを、許容電力値として制御部12から受信する。そして、コンバータ制御部133は、電力値Pの絶対値が、充電可能電力値Pin及び放電可能電力値Poutを超えないように、DC/DCコンバータ131の動作を制御する。
【0070】
具体的には、コンバータ制御部133は、DC/DCコンバータ131によって組電池11を充電させているときに、電力値Pが充電可能電力値Pin以上になると、DC/DCコンバータ131による二次側端子313,314への出力電圧又は出力電流を減少させて、組電池11の充電電力を充電可能電力値Pin以下に制限する。
【0071】
また、コンバータ制御部133は、DC/DCコンバータ131によって組電池11を放電させているときに、電力値Pの絶対値が放電可能電力値Poutになると、DC/DCコンバータ131による一次側端子311,312への出力電圧又は出力電流を減少させて、組電池11の放電電力を放電可能電力値Pout以下に制限する。
【0072】
図1に戻って、組電池11に含まれる二次電池B1〜B14の温度は、その配置によって、周囲を他の二次電池に囲まれる中央部に近い位置に配置された二次電池ほど、放熱しにくく、かつ周囲の二次電池の煽りによって、温度が高くなる。
【0073】
また、組電池11は、充放電制御回路13と接触して、あるいは近接して配置されており、充放電制御回路13から組電池11へ熱伝導や熱放射によって熱が移動可能に配設されている。
【0074】
例えば、充放電制御回路13が構成された基板や充放電制御回路13を構成する部品の少なくとも一部が、二次電池B1〜B14の少なくとも一部と接するように組電池11と充放電制御回路13とが配設されている。あるいは、充放電制御回路13がケース(筐体、パッケージ)に封入されている場合には、充放電制御回路13のケースが二次電池B1〜B14の少なくとも一部と接していてもよい。これにより、充放電制御回路13で生じた熱が基板、部品、あるいはケース等を介する熱伝導によって、組電池へ移動する。
【0075】
あるいは、組電池11と充放電制御回路13とは接触していなくても、充放電制御回路13を構成する回路基板や部品が、二次電池B1〜B14の少なくとも一部と近接して配設されていてもよい。これにより、充放電制御回路13で生じた熱が、熱放射によって、組電池へ移動する。
【0076】
このように、組電池11と充放電制御回路13とは、充放電制御回路13から組電池11へ熱が移動可能に配設されているので、二次電池B1〜B14のうち、充放電制御回路13と接触する二次電池や、充放電制御回路13に近い位置に配設された二次電池は、充放電制御回路13からの熱によって加熱されて、温度が上昇しやすい。
【0077】
このように、二次電池B1〜B14の配置や、充放電制御回路13との位置関係に応じて、二次電池B1〜B14の各温度にばらつきが生じる。そこで、例えば実験的に二次電池B1〜B14の温度を測定し、二次電池B1〜B14のうち、動作時に最も高温になる二次電池と、最も低温になる二次電池とを特定しておく。
【0078】
図1においては、最も高温になる二次電池が二次電池B6であり、最も低温になる二次電池が二次電池B14である例を示している。
【0079】
温度センサTS0,TS1,TS2は、例えばサーミスタや熱電対等の感熱素子を用いて構成されている。
【0080】
温度センサTS1は、例えば最も高温になる二次電池B6に取り付けられ、二次電池B6の温度を第1電池温度の一例である最高温度Tmaxとして検出し、最高温度Tmaxを示す信号を制御部12へ出力する。なお、二次電池Bが複数のセルで構成されている場合には、組電池11に含まれるセルのうち、最も高温になるセルに、温度センサTS1を取り付けてもよい。
【0081】
温度センサTS2は、例えば最も低温になる二次電池B14に取り付けられ、二次電池B14の温度を第2電池温度の一例である最低温度Tminとして検出し、最低温度Tminを示す信号を制御部12へ出力する。なお、二次電池Bが複数のセルで構成されている場合には、組電池11に含まれるセルのうち、最も低温になるセルに、温度センサTS1を取り付けてもよい。
【0082】
制御部12は、例えば所定の演算処理を実行するCPUと、所定の制御プログラムやデータテーブルが記憶された不揮発性のROMと、データを一時的に記憶するRAMと、アナログデジタルコンバータと、これらの周辺回路等とを備えて構成されている。そして、制御部12は、ROMに記憶された制御プログラムを実行することにより、第1制限電力設定部120、及び第2制限電力設定部121として機能する。
【0083】
また、例えば、制御部12のROMには、制限値テーブル122、第1補正値テーブル123、及び第2補正値テーブル124が予め記憶されている。
【0084】
制限値テーブル122は、二次電池Bの温度と、充電可能電力値Pin及び放電可能電力値Poutとを対応付けるルックアップテーブルである。二次電池は、温度によって特性が変化する。また、二次電池は、充放電する電力がある程度以上増大すると、劣化する。そして、温度によって、二次電池が劣化し始める電力値が異なる。
【0085】
そこで、低温から高温までの広い温度範囲で、温度毎、例えば1℃間隔の温度毎に、二次電池Bを過度に劣化させずに充放電させることが可能な電力量を、充電可能電力値Pin及び放電可能電力値Poutとして、例えば実験的に求める。そして、このようにして得られた充電可能電力値Pin及び放電可能電力値Poutを、温度と対応付けたルックアップテーブルが、制限値テーブル122としてROMに予め記憶されている。
【0086】
二次電池は、例えば、充放電に適した所定温度との温度差が大きくなるほど、すなわち所定温度より高温になったり、低温になったりすると、充電可能電力値Pin及び放電可能電力値Poutが減少する。
【0087】
第1補正値テーブル123は、制御部温度Tcdと最高温度Tmaxとの差である第1温度差D1と、係数αとを対応付けて記憶するルックアップテーブルである。
【0088】
制御部温度Tcdと最高温度Tmaxとの差が大きいと、充放電制御回路13と組電池11との温度差が大きいのであるから、この後、充放電制御回路13の熱が組電池11に移動して、組電池11の温度が上昇し、組電池11の温度が制御部温度Tcdに近づくと予想される。
【0089】
そして、充放電制御回路13から二次電池B1〜B14への熱の移動は均一ではないから、組電池11の温度上昇に伴い、以後、二次電池B1〜B14における温度のばらつきが増大すると推定できる。そして、二次電池B1〜B14における温度のばらつきが増大すると、最も温度条件が良好(最も劣化しにくい)二次電池の充電可能電力値及び放電可能電力値と、最も温度条件が悪い(最も劣化しやすい)二次電池の充電可能電力値及び放電可能電力値との差が増大する。
【0090】
そこで、予め、例えば実験的に、所定の範囲で様々な第1温度差D1を、例えば1℃間隔でそれぞれ生じさせ、各第1温度差D1を生じさせたときに、充放電制御回路13から組電池11への熱の移動に伴い、充放電制御回路13と組電池11との温度が略等しくなる(第1温度差D1が略ゼロになる)までの過程において、第1温度差D1毎に、二次電池B1〜B14のうち、最も劣化しにくい温度条件となった二次電池の充電可能電力値Pia及び放電可能電力値Poaと、最も劣化し易い温度条件となった二次電池の充電可能電力値Pib及び放電可能電力値Pobとを取得する。
【0091】
そして、充電可能電力値Piaと充電可能電力値Pibとの比率(Pib/Pia)を係数αi、放電可能電力値Poaと放電可能電力値Pobとの比率(Pob/Poa)を係数αoとして算出する。
【0092】
そして、充電可能電力値Pia,Pib、及び放電可能電力値Poa,Pobを取得したときの各第1温度差D1と対応付けて、それぞれ各第1温度差D1と対応する係数αi,αoとして、第1補正値テーブル123に記憶しておく。
【0093】
以下、各第1温度差D1と対応する係数αiと係数αoが等しいものとして、係数αi,αoを係数αとする(α=αi=αo)。このようにして得られた係数αが、第1温度差D1と対応付けられて第1補正値テーブル123として記憶されている。なお、第1補正値テーブル123は、係数αの代わりに係数αi,αoを記憶するものであってもよい。
【0094】
第1温度差D1が大きいほど、充電可能電力値Piaと充電可能電力値Pibとの差、及び放電可能電力値Poaと放電可能電力値Pobと差が大きくなるから、第1温度差D1が大きいほど、係数α,αi,αoは小さな値となる。また、係数α,αi,αoは、0以上1以下の値となる。
【0095】
第2補正値テーブル124は、最高温度Tmaxと最低温度Tminとの差である第2温度差D2と、係数βとを対応付けて記憶するルックアップテーブルである。
【0096】
最高温度Tmaxと最低温度Tminとの差が生じていることは、現在既に、二次電池B1〜B14において、温度ばらつきが実際に生じていることを意味している。そして、最高温度Tmaxと最低温度Tminとの差が大きいほど、二次電池B1〜B14における温度ばらつきが大きいことを意味している。
【0097】
そこで、予め、例えば実験的に、動作状態における所定の温度範囲で様々な第2温度差D2を、例えば1℃間隔で生じさせ、第2温度差D2毎に、二次電池B1〜B14のうち、最も劣化しにくい温度条件となった二次電池の充電可能電力値Pic及び放電可能電力値Pocと、最も劣化し易い温度条件となった二次電池の充電可能電力値Pid及び放電可能電力値Podとを取得する。
【0098】
そして、充電可能電力値Picと充電可能電力値Pidとの比率(Pid/Pic)を係数βi、放電可能電力値Pocと放電可能電力値Podとの比率(Pod/Poc)を係数βoとして算出する。
【0099】
そして、充電可能電力値Pic,Pid、及び放電可能電力値Poc,Podを取得したときの各第2温度差D2と対応付けて、それぞれ各第2温度差D2と対応する係数βi,βoとして、第2補正値テーブル124に記憶しておく。
【0100】
以下、各第2温度差D2と対応する係数βiと係数βoとが等しいものとして、係数βi,βoを係数βとする(β=βi=βo)。このようにして得られた係数βが、第2温度差D2と対応付けられて第2補正値テーブル124として記憶されている。
【0101】
この場合、第2温度差D2が大きいほど、充電可能電力値Picと充電可能電力値Pidとの差、及び放電可能電力値Pocと放電可能電力値Podと差が大きくなるから、第2温度差D2が大きいほど、係数β,βi,βoは小さな値となる。また、係数β,βi,βoは、0以上1以下の値となる。なお、第2補正値テーブル124は、係数βの代わりに係数βi,βoを記憶するものであってもよい。
【0102】
第1制限電力設定部120は、制御部温度Tcdが最高温度Tmaxより低いとき、制限値テーブル122において最高温度Tmaxと対応付けられた充電可能電力値Pin、及び放電可能電力値Poutを、そのまま制限電力値として設定する。
【0103】
また、第1制限電力設定部120は、制御部温度Tcdが最高温度Tmaxより高いとき、第1補正値テーブル123において第1温度差D1(=Tcd−Tmax)と対応付けられた係数αを取得する。そして、第1制限電力設定部120は、制限値テーブル122において最高温度Tmaxと対応付けられた充電可能電力値Pin、及び放電可能電力値Poutに、それぞれ上記取得された係数αを乗算することによって、新たな充電可能電力値Pin、及び放電可能電力値Poutを算出し、これらを制限電力値として設定する。
【0104】
第2制限電力設定部121は、最高温度Tmaxと最低温度Tminとの差である第2温度差D2が、基準温度値Tthより大きいとき、第2補正値テーブル124において第2温度差D2と対応付けられた係数βを取得する。そして、第2制限電力設定部121は、第1制限電力設定部120によって制限電力値として設定された充電可能電力値Pin、放電可能電力値Poutに、それぞれ上記取得された係数βを乗算することによって、新たな充電可能電力値Pin、及び放電可能電力値Poutを算出し、これらを制限電力値として設定する。
【0105】
ここで、最高温度Tmaxと最低温度Tminとの差、すなわち二次電池B1〜B14の温度ばらつきが生じていても、その差が小さい場合には、二次電池の劣化に対する影響がほとんどないと考えられる。そこで、二次電池の劣化に対する影響が、ほとんど無視できると考えられる第2温度差D2の上限値が、例えば予め実験的に求められて、基準温度値Tthとして設定されている。
【0106】
そうすると、第2補正値テーブル124には、第2温度差D2が大きいほど、係数βが小さな値となるように、第2温度差D2と係数βとが対応付けられているから、第2制限電力設定部121は、第2温度差D2が、基準温度値Tthより大きいとき、第2温度差D2が大きいほど、充電可能電力値Pin、及び放電可能電力値Poutを大きく減少させることとなる。
【0107】
次に、図1に示す電池電源装置1の動作について説明する。図3は、図1に示す電池電源装置1の動作の一例を示すフローチャートである。なお、以下のフローチャートにおいて、同一の動作には同一のステップ番号を付してその説明を省略する。
【0108】
まず、温度センサTS0によって、充放電制御回路13の温度が制御部温度Tcdとして検出され、制御部温度Tcdを示す信号が、制御部12へ出力される(ステップS1)。
【0109】
次に、温度センサTS1によって、二次電池B6の温度が最高温度Tmaxとして検出され、最高温度Tmaxを示す信号が、制御部12へ出力されると共に、温度センサTS2によって、二次電池B14の温度が最低温度Tminとして検出され、最低温度Tminを示す信号が、制御部12へ出力される(ステップS2)。
【0110】
次に、第1制限電力設定部120によって、制限値テーブル122が参照されて、最高温度Tmaxと対応付けられている充電可能電力値Pinと放電可能電力値Poutとが取得され、この取得された充電可能電力値Pinと放電可能電力値Poutとが制限電力値として設定される(ステップS3)。この場合、ステップS3において設定された充電可能電力値Pinと放電可能電力値Poutとが、基準電力値の一例に相当している。
【0111】
次に、第1制限電力設定部120によって、制御部温度Tcdと最高温度Tmaxとが比較され(ステップS4)、制御部温度Tcdが最高温度Tmax以下であれば(ステップS4でNO)、今後、充放電制御回路13の発熱により二次電池B1〜B14の温度ばらつきが増大することはないと推定されるから、充電可能電力値Pin及び放電可能電力値Poutを補正することなくステップS8へ移行する。
【0112】
一方、制御部温度Tcdが最高温度Tmaxを超えていれば(ステップS4でYES)、今後、充放電制御回路13からの熱の移動により二次電池B1〜B14が加熱され、二次電池B1〜B14の温度ばらつきが増大すると予想される。そこで、第1制限電力設定部120は、今後予想される温度ばらつきに対して、二次電池B1〜B14の劣化のばらつきを低減するべくステップS5へ移行する。
【0113】
ステップS5において、第1制限電力設定部120は、制御部温度Tcdから最高温度Tmaxを減算して第1温度差D1を算出する(ステップS5)。そして、第1制限電力設定部120は、第1補正値テーブル123を参照して、第1温度差D1と対応付けられている係数を、係数αとして取得する(ステップS6)。
【0114】
次に、第1制限電力設定部120は、ステップS3において取得された充電可能電力値Pin、及び放電可能電力値Poutに係数αを乗算することによって、新たな充電可能電力値Pin、及び放電可能電力値Poutを算出し、新たに制限電力値として設定する(ステップS7)。
【0115】
ここで、第1補正値テーブル123には、第1温度差D1が大きいほど、係数αが小さな値となるように、第1温度差D1と係数αとが対応付けられている。また、係数αはその絶対値が”1”以下の値である。そのため、第1制限電力設定部120は、制御部温度Tcdが最高温度Tmaxより高く(ステップS4でYES)、第1温度差D1が大きいほど、すなわち今後二次電池B1〜B14の温度ばらつきが増大すると予想されるほど、新たな制限電力値として充電可能電力値Pin、及び放電可能電力値Poutを小さな値に補正することになる。
【0116】
後述するように、充放電制御回路13は、このようにして得られた充電可能電力値Pin、及び放電可能電力値Pout以下になるように、組電池11の充放電電力を制限する。従って、今後二次電池B1〜B14の温度ばらつきが増大し、その温度ばらつきによって劣化しやすい温度条件となると予想される二次電池に対しても、充電電力及び放電電力の上限を、そのばらつきの程度に応じて低下させることができる。その結果、温度ばらつきによって劣化しやすい温度条件となる二次電池において劣化が生じるおそれを低減することができ、その結果、劣化のばらつきが生じるおそれを低減することができる。
【0117】
これにより、背景技術のように、組電池を構成する複数二次電池のうち温度の低い二次電池と電力制御部の発熱が大きい部品とを近接配置させなくても、二次電池B1〜B14の温度ばらつきに起因する二次電池の劣化のばらつきを低減することが容易となる。
【0118】
なお、必ずしも、第1補正値テーブル123を備える必要はなく、ステップS5,S6を実行しなくてもよい。そして、ステップS7において、係数αとして、予め、0<α<1となる範囲に予め設定された値、例えば0.7や0.5といった固定的な値を用いてもよい。
【0119】
これにより、制御部温度Tcdが最高温度Tmax以下であって(ステップS4でNO)、今後、充放電制御回路13の発熱により二次電池B1〜B14の温度ばらつきが増大することはないと推定されるときよりも、制御部温度Tcdが最高温度Tmaxより高く(ステップS4でYES)、今後二次電池B1〜B14の温度ばらつきが増大すると予想されるときに、充電可能電力値Pin、及び放電可能電力値Poutを減少させることができるので、二次電池B1〜B14の温度ばらつきに起因する二次電池の劣化のばらつきを低減することが容易となる。
【0120】
しかしながら、第1補正値テーブル123を備え、ステップS5,S6を実行した方が、充電可能電力値Pin、及び放電可能電力値Poutを最適化することが容易であり、過度に組電池11の充放電電力を制限したり、充放電電力の制限が不足して劣化を招いたりするおそれが低減できる。
【0121】
また、必ずしも制限値テーブル122を備える必要はなく、ステップS3を実行することなく、予め想定される電池電源装置1の使用環境での、組電池11の温度に対応する充電可能電力値Pinと放電可能電力値Poutとを予め制限電力値(基準電力値)として設定しておく構成としてもよい。
【0122】
しかしながら、制限値テーブル122を備え、ステップS3を実行することで、電池電源装置1の環境温度の変化や、組電池11の自己発熱等による温度変化に応じて、充電可能電力値Pin、及び放電可能電力値Poutを最適化することが容易となり、過度に組電池11の充放電電力を制限したり、充放電電力の制限が不足して劣化を招いたりするおそれが低減できる。
【0123】
また、最高温度Tmaxを第1電池温度として用いる例を示したが、第1電池温度は必ずしも二次電池B1〜B14のうち最も高温になる二次電池Bの温度でなくてもよく、例えば二次電池B1〜B14のうち平均的な温度になる二次電池Bの温度を第1電池温度として用いてもよい。
【0124】
しかしながら、最高温度Tmaxの代わりに最高温度Tmaxより低い温度を第1温度として用いると、ステップS4において、制御部温度Tcdの温度が、二次電池B1〜B14のうち最も高温の二次電池Bより低い場合においてもステップS5〜S7が実行される場合がある。しかしながら、制御部温度Tcdの温度が、最も高温の二次電池Bより低い場合には、充放電制御回路13からの加熱によって、今後最も高温の二次電池Bの温度が上昇するおそれはなく、従って、今後温度ばらつきが増大することもないと考えられる。
【0125】
そうすると、最高温度Tmaxの代わりに最高温度Tmaxより低い温度を第1温度として用いると、今後温度ばらつきが増大することがなく、従って、ステップS5〜S7を実行する必要がない場合であっても、ステップS5〜S7を実行する場合がある。
【0126】
そこで、最高温度Tmaxとして第1温度を用いると、このような不要な処理を実行するおそれが低減できる点で、より望ましい。
【0127】
次に、第2制限電力設定部121は、最高温度Tmaxから最低温度Tminを減算して第2温度差D2を算出する(ステップS8)。
【0128】
次に、第2制限電力設定部121によって、第2温度差D2と基準温度値Tthとが比較され(ステップS9)、第2温度差D2が基準温度値Tth以下であれば(ステップS9でNO)、二次電池B1〜B14の現状の温度ばらつきは、劣化の程度にほとんど影響を与えないと考えられるから、充電可能電力値Pin、放電可能電力値Poutの新たな補正を実行することなくステップS12へ移行する。
【0129】
一方、第2温度差D2が基準温度値Tthを超えていれば(ステップS9でYES)、第2制限電力設定部121は、第2補正値テーブル124を参照して、第2温度差D2と対応付けられている係数を、係数βとして取得する(ステップS10)。
【0130】
次に、第2制限電力設定部121は、第1制限電力設定部120によって制限電力値として設定された充電可能電力値Pin、及び放電可能電力値Poutに係数βを乗算することによって、新たな充電可能電力値Pin、及び放電可能電力値Poutを算出し、新たに制限電力値として設定する(ステップS11)。
【0131】
ここで、第2補正値テーブル124には、第2温度差D2が大きいほど、係数βが小さな値となるように、第2温度差D2と係数βとが対応付けられている。また、係数βは”1”以下の正の値である。そのため、第2制限電力設定部121は、第2温度差D2が基準温度値Tthより大きく(ステップS9でYES)、第2温度差D2が大きいほど、すなわち現状の二次電池B1〜B14の温度ばらつきが大きいほど、新たな制限電力値として充電可能電力値Pin、及び放電可能電力値Poutを小さな値に補正することになる。
【0132】
後述するように、充放電制御回路13は、このようにして得られた充電可能電力値Pin、及び放電可能電力値Pout以下になるように、組電池11の充放電電力を制限する。従って、既に生じている二次電池B1〜B14の温度ばらつきによって劣化しやすい温度条件となると予想される二次電池に対しても、充電電力及び放電電力の上限を、そのばらつきの程度に応じて低下させることができる結果、温度ばらつきによって劣化しやすい温度条件となる二次電池において劣化が生じるおそれを低減することができる。
【0133】
これにより、既に生じている二次電池B1〜B14の温度ばらつきに起因する二次電池の劣化のばらつきを低減することが容易となる。
【0134】
次に、第2制限電力設定部121は、最後に設定された充電可能電力値Pin及び放電可能電力値Pout、すなわち、ステップS7、S11が実行されていなければ、ステップS3において設定された充電可能電力値Pin及び放電可能電力値Poutを、ステップS7が実行され、かつステップS11が実行されていなければ、ステップS7において設定された充電可能電力値Pin及び放電可能電力値Poutを、ステップS11が実行されていれば、ステップS11において設定された充電可能電力値Pin及び放電可能電力値Poutを、制限電力値として充放電制御回路13へ送信する(ステップS12)。
【0135】
次に、充放電制御回路13によって、制御部12から送信された充電可能電力値Pin及び放電可能電力値Poutが受信される。そして、充放電制御回路13によって、組電池11の充電電力が充電可能電力値Pin以下、組電池11の放電電力が放電可能電力値Pout以下に制限され(ステップS13)、再びステップS1〜S13が繰り返される。
【0136】
なお、必ずしも、第2補正値テーブル124を備える必要はなく、ステップS10を実行しなくてもよい。そして、ステップS11において、係数βとして、予め、0<β<1となる範囲に予め設定された値、例えば0.7や0.5といった固定的な値を用いてもよい。
【0137】
これにより、第2温度差D2が基準温度値Tth以下であって(ステップS9でNO)、二次電池B1〜B14の現状の温度ばらつきが、劣化の程度にほとんど影響を与えないと考えられるときよりも、第2温度差D2が基準温度値Tthより大きく(ステップS9でYES)、二次電池B1〜B14の温度ばらつきが生じているときに、充電可能電力値Pin、及び放電可能電力値Poutを減少させることができるので、現状の二次電池B1〜B14の温度ばらつきに起因する二次電池の劣化のばらつきを低減することが容易となる。
【0138】
しかしながら、第2補正値テーブル124を備え、ステップS10を実行した方が、充電可能電力値Pin、及び放電可能電力値Poutを最適化することが容易であり、過度に組電池11の充放電電力を制限したり、充放電電力の制限が不足して劣化を招いたりするおそれが低減できる。
【0139】
また、図3において、ステップS9を実行しない構成としてもよい。しかしながら、ステップS9を実行することによって、二次電池B1〜B14の現状の温度ばらつきが劣化の程度にほとんど影響を与えないと考えられるときは、ステップS10,S11の実行を省略することができるから、不要な処理を減らして処理を簡素化できる点で、ステップS9を実行することが望ましい。
【0140】
また、第2制限電力設定部121、第2補正値テーブル124、及び温度センサTS2を備えず、ステップS8〜S11を実行しない構成とし、ステップS7の次に、第1制限電力設定部120がステップS12の処理を実行する構成としてもよい。
【0141】
また、充放電制御回路13は、充電可能電力値Pin、及び放電可能電力値Poutに基づき、組電池11の充電電力と放電電力とを両方とも制限する例を示したが、充放電制御回路13を、充電電力と放電電力とのうち、いずれか一方のみを制限する構成としてもよい。
【0142】
例えば負荷3の消費電力がゼロでも太陽電池2の発電電力が充電可能電力値Pinを超えないことが予め判っている場合など、充電電力を制限する必要がないことが判っている場合などは、充放電制御回路13を、放電可能電力値Poutに基づき、放電電力のみ制限するようにしてもよい。
【0143】
この場合、第1制限電力設定部120及び第2制限電力設定部121は、放電可能電力値Poutのみ、制限電力値として設定するようにしてもよい。そして、例えば図4に示すように、ステップS6a,S7a、S10a、S11aにおいて、係数α,βの代わりに係数αo,βoを用い、ステップS3a,S7a、S11a,S12a,S13aにおいて、放電可能電力値Poutのみを処理対象とする構成としてもよい。
【0144】
また、例えば、負荷3の消費電力が最大でも放電可能電力値Poutを超えないことが予め判っている場合など、放電電力を制限する必要がないことが判っている場合などは、充放電制御回路13は、充電可能電力値Pinに基づき、充電電力のみ制限するようにしてもよい。
【0145】
この場合、第1制限電力設定部120及び第2制限電力設定部121は、充電可能電力値Pinのみ、制限電力値として設定するようにしてもよい。そして、例えば図5に示すように、ステップS6b,S7b、S10b、S11bにおいて、係数α,βの代わりに係数αi,βiを用い、ステップS3b,S7b、S11b,S12b,S13bにおいて、充電可能電力値Pinのみを処理対象とする構成としてもよい。
【0146】
また、電池電源装置1は、図4に示すステップS1〜S13aと、図5に示すステップS1〜S13bとを、逐次実行するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0147】
本発明に係る電池電源装置は、電気自動車やハイブリッドカー等の車両、ハイブリッドエレベータ、太陽電池や発電装置と二次電池とを組み合わされた電源システム、無停電源装置等の電池電源システム、あるいは携帯型パーソナルコンピュータやデジタルカメラ、ビデオカメラ、携帯電話機等、種々の機器、システムにおいて、好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0148】
1 電池電源装置
2 太陽電池
3 負荷
4 パワーコンディショナ
11 組電池
12 制御部
13 充放電制御回路
41 DC/DCコンバータ
42 DC/ACコンバータ
120 第1制限電力設定部
121 第2制限電力設定部
122 制限値テーブル
123 第1補正値テーブル
124 第2補正値テーブル
131 DC/DCコンバータ
132 ヒートシンク
133 コンバータ制御部
134 電流センサ
B,B1〜B14 二次電池
D1 第1温度差
D2 第2温度差
I 電流値
M 中間配電部
Pin 充電可能電力値
Pout 放電可能電力値
TS0,TS1,TS2 温度センサ
Tcd 制御部温度
Tmax 最高温度
Tmin 最低温度
Tth 基準温度値
Vb 電池電圧
Vm 中間電圧
Vr 基準電圧値

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の二次電池を含む組電池と、
前記組電池における充電及び放電のうち少なくとも一方の電力を、所定の制限電力値の電力以下に制御する電力制御部と、
前記電力制御部の温度を制御部温度として検出する制御温度検出部と、
前記組電池の温度を第1電池温度として検出する第1温度検出部と、
前記制限電力値を設定する第1制限電力設定部とを備え、
前記組電池と前記電力制御部とは、前記電力制御部において生じた熱が前記組電池へ移動可能に配設され、
前記第1制限電力設定部は、
前記制御部温度が前記第1電池温度より高いとき、前記制御部温度が前記第1電池温度より低いときよりも前記制限電力値を減少させる電池電源装置。
【請求項2】
前記第1制限電力設定部は、
前記制御部温度が前記第1電池温度より低いとき、所定の基準電力値を前記制限電力値として設定し、
前記制御部温度が前記第1電池温度より高いとき、前記制限電力値として、前記基準電力値より小さく、かつ前記制御部温度と前記第1電池温度との差が大きいほど小さな値を設定する請求項1記載の電池電源装置。
【請求項3】
前記第1制限電力設定部は、
前記第1電池温度に応じて前記基準電力値を設定する
請求項2記載の電池電源装置。
【請求項4】
前記第1温度検出部は、
前記複数の二次電池の温度のうち、最も高い温度を前記第1電池温度として検出する請求項1〜3のいずれか1項に記載の電池電源装置。
【請求項5】
前記複数の二次電池の温度のうち、最も低い温度を第2電池温度として検出する第2温度検出部と、
前記第1電池温度と前記第2電池温度との差が、予め設定された基準温度値より大きいとき、前記第1制限電力設定部によって設定された制限電力値をさらに減少させることによって新たな制限電力値を設定し、当該新たな制限電力値を前記電力制御部に用いさせる第2制限電力設定部とをさらに備える請求項4記載の電池電源装置。
【請求項6】
前記複数の二次電池の温度のうち、最も低い温度を第2電池温度として検出する第2温度検出部と、
前記第1電池温度と前記第2電池温度との差が大きいほど減少量を増大させるように前記第1制限電力設定部によって設定された制限電力値をさらに減少させることによって、新たな制限電力値を設定し、当該新たな制限電力値を前記電力制御部に用いさせる第2制限電力設定部とをさらに備える請求項4記載の電池電源装置。
【請求項7】
前記複数の二次電池の温度のうち、最も低い温度を第2電池温度として検出する第2温度検出部と、
前記第1電池温度と前記第2電池温度との差が、予め設定された基準温度値より大きいとき、前記第1電池温度と前記第2電池温度との差が大きいほど減少量を増大させるように前記第1制限電力設定部によって設定された制限電力値をさらに減少させることによって、新たな制限電力値を設定し、当該新たな制限電力値を前記電力制御部に用いさせる第2制限電力設定部とをさらに備える請求項4記載の電池電源装置。
【請求項8】
前記制御温度検出部は、
前記電力制御部の内部で最も発熱量の多い部品の温度を、前記制御部温度として検出する請求項1〜7のいずれか1項に記載の電池電源装置。
【請求項9】
前記最も発熱量の多い部品に取り付けられたヒートシンクをさらに備え、
前記制御温度検出部は、
前記ヒートシンクの温度を、前記制御部温度として検出する請求項8に記載の電池電源装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2012−80598(P2012−80598A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−220472(P2010−220472)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】