説明

電波吸収体

【課題】 ピラミッド形吸収体の母材として多く用いられている発泡材は、熱に弱く、大電力を吸収して発熱すると変形、変質して電波吸収性能が劣化したり、発火する危険性がある。また、電波吸収体の母材となる樹脂や発泡材は耐候性が十分でなく、電波吸収体の屋外使用では長期に亘る使用に限界があり、耐候性と耐電力特性に優れたピラミッド形電波吸収体が望まれていた。
【解決手段】 粘土素地のピラミッド成形体の表面に、いぶし瓦製造法によりカーボン層を形成した電波吸収体としている。また、前記ピラミッド成形体は、側壁内面から側壁外面に貫通する放熱孔を複数個設けたり、複数個を一体化して成形している。また、前記ピラミッド成形体の底面部には、任意の一辺の中央部に突起部を設け、かつ該突起部と対向する位置の辺の中央部に他のピラミッド成形体の突起部を挿入する切欠部を設けている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電磁波の反射を抑制する電波吸収体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電磁波の不要な反射を無くする電波吸収体は、実用化されており、電波吸収体の素材や構造は幾つか知られている。電波吸収体は、到来する電磁波エネルギーを吸収して熱に変換するデバイスであり、カーボンまたは金属粉等の導電材を樹脂に混合した損失材や、フェライト等の磁性材を利用した損失材などが電波吸収体の素材として用いられている。これらの損失材を用いて単層形、2層形、ピラミッド形等各種の構造により電波吸収体が設計されている。特に高吸収性能が必要な場合および広周波数帯域で使用する場合には、ピラミッド形電波吸収体が用いられる。ピラミッド形電波吸収体としては、発泡材を母材として用い、該発泡材の空孔部にカーボン等の導電材を充填した損失材をピラミッド形に成形したピラミッド形電波吸収体、あるいは中空のピラミッド構造にして、該ピラミッド形状表面部にのみ導電膜を施したピラミッド形電波吸収体が知られている(非特許文献1参照)。
【0003】
【非特許文献1】 清水康敬、杉浦行、石野健編集、「電磁波の吸収と遮蔽」日経技術図書株式会社、1999年9月10日発行、P.187
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、携帯電話や無線LANの普及に伴い、周波数の近接した電磁波が空間に混在している。高品質な通信状態を達成するために、多くの電子機器では不要な電磁波の発生を抑制し、かつ外来電磁波に対して影響を受けにくくする対策が施されている。電子機器が発生する不要電磁波の放射強度評価や到来電磁波による誤動作評価、あるいは携帯電話やレーダなどの電磁波を放射する機器にあっては電磁波放射特性の評価等は通常、電波吸収体で内壁面を覆った電波暗室内で行われる。また、電磁波を放射する機器の周辺では周囲物体による反射・散乱波が不要電磁波となり、これを抑制する目的で該周囲物体に電波吸収体を施工する対策がとられている。
【0005】
電波暗室用の電波吸収体は広周波数帯域が要求されるので、その内壁面にはピラミッド形吸収体が装着される。大電力の電磁波を放射するレーダの放射特性評価用、あるいは大電力の電磁波を電子機器に照射して誤動作状況を評価するイミュニティ評価用の電波暗室では、内壁面に装着する電波吸収体には耐電力特性が要求される。ピラミッド形吸収体の母材として、従来、多用されている発泡材は、熱に弱く大電力を吸収して発熱すると変形、変質して電波吸収性能が劣化することや、発火する危険性がある。そのため、耐電力特性に優れるピラミッド形電波吸収体が望まれている。
【0006】
さらに、電波吸収体の母材となる樹脂や発泡材は耐候性が十分ではなく、電波吸収体の屋外使用では長期に亘る使用に限界があった。そのため材質の劣化を軽減するために、電波吸収体表面に耐候性塗膜を施すなどの対策がとられているが十分ではない。屋外用電波吸収体は施工箇所によっては修理や取り替えの必要がない恒久的使用が望まれる場合もあり、耐候性に優れる電波吸収体が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、図1に示すような、粘土素地からなるピラミッド成形体の表面に、いぶし瓦製造法によりカーボン層を形成し、ピラミッド形の電波吸収体を構成する。
【0008】
いぶし瓦製造法とは伝統的な瓦焼成法の一種であり、粘土素地を成形・乾燥した後、焼成炉内に入れ、約1000℃に粘土素地を加熱焼成した後、炉内を密閉し、外気と遮断した状態で、炭化水素に富むガスを導入することで、燻化処理を行う製造方法である。燻化処理とは、焼成過程において炭化水素ガスに含まれる炭素が、粘土素地表面で熱分解して、膜状の炭素が粘土素地表面に沈着、及びグラファイト結晶を層状に構成し、厚み数ミクロンメートル程度のカーボン層を形成するものである。このカーボン層は、いぶし瓦に灰色の独特な風合いを与えると共に、瓦の吸水性を低減させる効果や耐候性を高める効果をもつ。
【0009】
瓦表面に形成されるカーボン層は電気的に見れば導電膜である。粘土素地で作製した棒状試料をいぶし瓦製造法にて焼結し、該棒状試料の表面に、いぶし瓦と同様にカーボン層を形成して導電膜の面抵抗を4端子法で測定したところ、面抵抗は71[Ω]であった。
【0010】
前記の中空ピラミッド形電波吸収体において、該ピラミッド形状表面部にのみ導電膜を形成する場合の、該導電膜の面抵抗は数10[Ω]〜百数10[Ω]である。このことと、いぶし瓦製造法により得られるカーボン層の面抵抗より、発明者らは、粘土素地を用いて図1に示すようなピラミッド成形体を作製し、該ピラミッド成形体の表面にいぶし瓦製造法によりカーボン膜を形成すれば、ピラミッド形の電波吸収体が構成できるとの着想を得た。
【0011】
高出力レーダの放射電力ピーク値は数MWに達するが、間欠的に電磁波を放射するパルスレーダにおける平均放射電力はこの数100分の1程度になり、仮に平均放射電力を100mの電波吸収体で受けるとすると、電波吸収体に入射する電力密度は数100W/mである。電波吸収体は大電力電磁波を吸収すると電磁波エネルギーが熱に変換されて温度が上昇し、放熱とのバランスで温度はある一定値に収束する。電力密度が数100W/mのマイクロ波を吸収するときの電波吸収体の温度上昇は経験上最大でも300℃〜400℃である。一方、いぶし瓦製造法においては前記のように1000℃程度で焼成するので、いぶし瓦製造法で製作したピラミッド形の電波吸収体は、電力密度が数100W/m程度のマイクロ波吸収では材質の変形、変質は生じず、耐電力特性に優れるという特徴がある。
【0012】
また、いぶし瓦製造法で作製したピラミッド形の電波吸収体は、形状以外は素地、製造法ともにいぶし瓦と実質的に同様であるから、いぶし瓦と同等に長期屋外使用に耐え、耐候性に非常に優れるという特徴がある。
【0013】
粘土素地で作製されたピラミッド成形体の表面に、いぶし瓦製造法により形成されたカーボン膜は、入射波に対して中空のピラミッド構造表面部の導電膜と実質的に同じ作用をし、入射電磁波を吸収する。
【発明の効果】
【0014】
本発明による電波吸収体は、従来、ピラミッド形電波吸収体として多く用いられている発泡材に比べて、熱に強く、大電力を吸収しても、電波吸収性能が劣化することなく、発火の危険性もない。さらに、耐候性に優れる点からも、短期間での取り替えなどメンテナンスの心配もなく、安全に電波吸収体を使用できるため、用途を広めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1は、本発明の実施形態の一例を示す電波吸収体を示す斜視図である。図1において、ピラミッド成形体1は、正方形底面の一辺の長さをd、高さをpとするピラミッド形である。pとdの比(p/d)は、従来の発泡材を母材とする中空ピラミッド吸収体の経験より勘案して、p/d=1.2〜3.0としている。また、ピラミッド成形体1の表面(底面を除く)には、厚み数ミクロンメートル程度のカーボン層を形成する。
【0016】
図2は、図1のA−A線断面図(ピラミッド内部を粘土素地で充填形成した構造)である。図3は、図1のA−A線断面図であり、(a)はピラミッド内部を空洞にした構造を示したもので、(b)は(a)のD−D線拡大断面図である。ピラミッド成形体1は、図2に示すようにピラミッド成形体1の全容積を粘土素地で充填形成した構造とするか、図3に示すように粘土素地を用いて厚みtを有する側壁3で形成されたピラミッドを作製し、内部を空洞にした構造としてもよい。内部を空洞しにした構造の場合、ピラミッド成形体1の側壁3の厚みtが薄いとピラミッド成形体1の機械的強度が弱くなるので、側壁3の厚さtは10mm〜20mmの範囲が望ましい。焼成炉内において炭化水素ガスはピラミッド成形体1内部の空洞にも入り込み、側壁内面でも熱分解しカーボン層2を形成する。したがって、図3に示す構造ではカーボン層2はピラミッド成形体1の側壁外面である面Aだけでなく、空洞側にある側壁内面の面Bにも形成される。ピラミッド成形体1内部を空洞にすることで重量低減になると同時に、ピラミッド成形体1のカーボン層2を側壁3の内外面に存在させることになり、電磁波の吸収効果を高めることができる。
【0017】
図4は、本発明の他の実施形態の電波吸収体を示す斜視図である。電波吸収体は金属板上に並べて使用されるので、ピラミッド成形体10の底面は金属板に当接する。電磁波がピラミッド先端から垂直に入射するとき電界成分は金属板に対して平行であり、電界成分は金属板上では境界条件より0である。したがって、ピラミッド成形体10表面のカーボン層2のうち、底面に近い部分は電界成分が弱いので該カーボン層2を流れる電流が小さく、電波吸収効果に殆ど寄与しない。そこで、ピラミッド成形体10の側壁に形成されたカーボン層2全体が電波吸収に寄与するようにするため、図4に示すように、ピラミッド成形体10の下部に、該ピラミッド成形体10の底面と同じ形状の四角形断面(四角形断面には、正方形、長方形、菱形を含む)を有する台座部4を一体化して設ける構造とする。
【0018】
電界成分は金属板から波長/4だけ離れた位置で最大であることと、ピラミッド形の電波吸収体はその高さが波長程度以上になる周波数で有効な吸収特性を示すことが知られているので、この両者を勘案して、台座の高さqとピラミッドの高さpの比を見積もると、q/p=0.25〜2.00の範囲であることが望ましい。
【0019】
図5は、図4のB−B線断面図(ピラミッド内部を粘土素地で充填形成した構造)である。図6は、図4のB−B線断面図であり、(a)はピラミッド内部を空洞にした構造を示したもので、(b)は(a)のE−E線拡大断面図である。台座部4を付加したピラミッド成形体10においても、図5に示すようにピラミッド全容積を粘土素地で充填形成する構造や、図6に示すように粘土素地を用いて厚みtを有する側壁3で形成されたピラミッドを作製し、内部を空洞にした構造にすることが可能である。
【0020】
図7は、本発明の他の実施形態の電波吸収体を示す斜視図であり、(a)は全体斜視図、(b)は放熱孔部分の拡大断面図である。図7において、内部が空洞のピラミッド成形体を、いぶし瓦製造法で焼成すると、図3および図6に示すようにピラミッド成形体1,10の側壁外面である面Aだけでなく、空洞側の側壁内面の面Bにもカーボン層2が形成される。したがって空洞側の側壁内面においても電磁波の吸収により発熱する。そこで、側壁内面の面Bにおける発熱を外部に放散するために、図7に示すようにピラミッド成形体11の側壁3に、側壁内面から側壁外面に貫通する放熱孔5を複数個設ける。入射電磁波はピラミッド底面よりもピラミッド先端に近い領域で多く吸収される傾向があるので、前記放熱孔5はピラミッド先端に近い領域に多く設けるのが有効である。
【0021】
図8は、本発明の他の実施形態の電波吸収体を示す斜視図である。本発明の電波吸収体を使用する際には、複数個の電波吸収体の所定面(ピラミッド成形体の底面または台座部の底面)を整列させて隙間なく覆う。このとき複数個のピラミッド成形体を一体化して成形したものを用いると、取り扱いが便利であり、作業効率が向上する。図8は、図4に示すピラミッド成形体10の6個を一体化成形したピラミッド成形体12を示したものである。なお、一体化成形する個数は6個に限定されるものではなく、設置場所や環境に応じて適宜増減することが可能なものである。
【0022】
本発明の電波吸収体を実際に使用する場合、水平面に配列するだけでなく、垂直壁面にも配列する。垂直壁面に電波吸収体を配列する場合には、各電波吸収体を接着剤等で固定する方法が考えられるが、安全面を考慮すると取付金具で物理的に固定することが望ましい。
【0023】
図9は、本発明の他の実施形態の電波吸収体を示す斜視図であり、図10は、図9の電波吸収体を切欠部の側から見た斜視図である。図9および図10に示すように、ピラミッド成形体13の台座部4の任意の一辺の中央部に突起部6を設け、かつ、該突起部6と対向する位置の辺の中央部に、隣に配置する他のピラミッド成形体13の突起部6を挿入するための切欠部8を設ける構造にする。また、前記突起部6には取付金具9を挿通するための、通し孔7を設ける。
【0024】
図11は、本発明の電波吸収体の取り付け要領を示す説明図であり、(a)は図10のC−C線断面を示す電波吸収体の複数個を、垂直壁面Wに固定した状態、(b)は(a)のH部詳細図である。まず、垂直壁面Wに、頭部が略L形の取付金具9を仮付けしておき、下側のピラミッド成形体13aの突起部6に設けた通し孔7(孔径は取付金具の頭部を挿通できる大きさ)を前記取付金具9に通して保持し、前記取付金具9を垂直壁面Wに締結して下側のピラミッド成形体13aを固定する。次に、上側のピラミッド成形体13bの切欠部8を下側ピラミッド成形体13aの突起部6に冠着した状態で、上側ピラミッド成形体13bの突起部6の通し孔7に取付金具9を挿通して、上側ピラミッド成形体13bを固定する。この作業を繰り返すことにより、下側から上側に順に電波吸収体を隙間なく配列することができる。なお、本実施形態では、頭部が略L形の取取付金具9としているが、これに限定されるものではなく、ボルトやビス等の機械的な締結部品を適宜用いることができる。
【0025】
図9から図11は、図6に示す内部が空洞の台座部付き電波吸収体の固定法を示したが、図2、図5、図7、図8に示す電波吸収体においても、同様にピラミッド成形体の底面または台座部の底面の任意の一辺の中央部に突起部を設け、かつ、該突起部と対向する位置の辺の中央部には、他のピラミッド成形体の突起部を挿入する切欠部を設ければ、同じ要領で電波吸収体を垂直壁面に安全にかつ隙間なく取り付けることができる。
【0026】
以下、実施例に基づいて本発明による電波吸収体の電波吸収特性等を説明する。
【実施例】
【0027】
(実施例1)
内部が図3に示すように空洞である、図1に示すピラミッド構造において、ピラミッド高さpが15cm、ピラミッド底面の一辺の長さdが10cm、ピラミッド側壁の厚みtが10mmであるピラミッド成形体を粘土素地で形成し、いぶし瓦製造法によりカーボン層を形成してピラミッド形の電波吸収体を作製した。これを9個隙間なく配列して、底面が30cm正方の電波吸収体とし、吸収量を測定した。その結果、図12に示すように、3GHzから12GHzに亘って20dB以上の吸収量を示しており、本発明による電波吸収体が良好な電波吸収特性を有することが確認された。
【0028】
さらに、ピラミッド高さpが20cm、ピラミッド底面の一辺の長さdが15cmになるよう作製した(ピラミッド側壁の厚みt、その他の条件は同一)該電波吸収体1個に、50Wの電磁波(周波数2.45GHz)を60秒照射したところ、特に先端部に近い領域において温度が高くなり、ピラミッド表面の温度は最高で300℃まで上昇した。電磁波照射を止めて外気中に10分放置した後に外観検査、吸収量測定を行った。その結果、外観、吸収量とも電磁波照射前と変化はなく、本発明による電波吸収体は良好な耐電力特性を有することが確認された。
【0029】
(実施例2)
内部が図6のように空洞である、図4に示すピラミッド構造において、ピラミッド高さpが15cm、台座の高さqが5cm、台座底面の一辺の長さdが10cm、ピラミッド側壁の厚みtが10mmであるピラミッド成形体を粘土素地で形成し、いぶし瓦製造法によりカーボン層を形成して電波吸収体を作製した。これを9個隙間なく配列して底面が30cm正方の電波吸収体とし、吸収量を測定した。その結果、図13に示すように3GHzから12GHzに亘って20dB以上の吸収量を示しており、本発明による電波吸収体が良好な電波吸収特性を有することが確認された。
【0030】
(実施例3)
内部が図6のように空洞である、図4に示すピラミッド成形体9個が一体化成形されたピラミッド構造において、ピラミッド高さpが7cm、台座の高さqが3cm、台座底面の一辺の長さdが15cm、ピラミッド側壁の厚みtが10mmであるピラミッド成形体を粘土素地で形成し、いぶし瓦製造法によりカーボン層を形成して電波吸収体を作製した。これを4個隙間なく配列して底面が30cm正方の電波吸収体とし、吸収量を測定した。その結果、図14に示すように3GHzから12GHzに亘って20dB以上の吸収量を示しており、本発明による電波吸収体が良好な電波吸収特性を有することが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明は、大電力の電磁波を放射するレーダの放射特性評価用、また、大電力の電磁波を電子機器に照射して誤作動状況を評価するイミュニティ評価用の電波暗室の内壁面に装着する電波吸収体として利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】 本発明の実施形態の一例を示す電波吸収体を示す斜視図である。
【図2】 図1のA−A線断面図(ピラミッド内部を粘土素地で充填形成した構造)である。
【図3】 図1のA−A線断面図であり、(a)はピラミッド内部を空洞にした構造を示したもので、(b)は(a)のD−D線拡大断面図である。
【図4】 本発明の他の実施形態の電波吸収体を示す斜視図である。
【図5】 図4のB−B線断面図(ピラミッド内部を粘土素地で充填形成した構造)である。
【図6】 図4のB−B線断面図であり、(a)はピラミッド内部を空洞にした構造を示したもので、(b)は(a)のE−E線拡大断面図である。
【図7】 本発明の他の実施形態の電波吸収体を示す斜視図であり、(a)は全体斜視図、(b)は放熱孔部分の拡大断面図である。
【図8】 本発明の他の実施形態の電波吸収体を示す斜視図である。
【図9】 本発明の他の実施形態の電波吸収体を示す斜視図である。
【図10】 図9の電波吸収体を切欠部の側から見た斜視図である。
【図11】 本発明の電波吸収体の取り付け要領を示す説明図であり、(a)は図10のC−C線断面を示す電波吸収体の複数個を、垂直壁面Wに固定した状態、(b)は(a)のH部詳細図である。
【図12】 本発明に係る実施例1の電波吸収特性を示す図である。
【図13】 本発明に係る実施例2の電波吸収特性を示す図である。
【図14】 本発明に係る実施例3の電波吸収特性を示す図である。
【符号の説明】
【0033】
1、10、11、12、13、13a,13b ピラミッド成形体
2 カーボン層
3 側壁
4 台座部
5 放熱孔
6 突起部
7 通し孔
8 切欠部
9 取付金具
d ピラミッド底面の一辺の長さ
p ピラミッドの高さ
q 台座の高さ
t ピラミッド側壁の厚み
W 垂直壁面
面A ピラミッド成形体の側壁外面
面B ピラミッド成形体の側壁内面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粘土素地のピラミッド成形体の表面に、いぶし瓦製造法によりカーボン層を形成することを特徴とする電波吸収体。
【請求項2】
前記ピラミッド成形体は、四角形底面の一辺の長さdとピラミッド高さpの比(p/d)が1.2〜3.0の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の電波吸収体。
【請求項3】
前記ピラミッド成形体の下部に、該ピラミッド成形体の底面と同じ形状の断面を有する台座部を設け、かつ該台座部の高さqとpの比(q/p)が0.25〜2.00であることを特徴とする請求項1または2に記載の電波吸収体。
【請求項4】
前記ピラミッド成形体は、全容積を粘土素地で充填形成されたものであるか、または粘土素地を用いて厚みtを有する側壁で形成されており、該ピラミッド成形体の内部は空洞であると共に、四角形底面が開口されていることを特徴とする請求項1から3いずれかに記載の電波吸収体。
【請求項5】
前記ピラミッド成形体は、側壁内面から側壁外面に貫通する放熱孔を複数個設けることを特徴とする請求項4に記載の電波吸収体。
【請求項6】
前記ピラミッド成形体は、複数個を一体化して成形することを特徴とする請求項1から5いずれかに記載の電波吸収体。
【請求項7】
前記ピラミッド成形体の底面部は、任意の一辺の中央部に突起部を設け、かつ該突起部と対向する辺の中央部に、他のピラミッド成形体の突起部を挿入する切欠部を設けることを特徴とする請求項1から6いずれかに記載の電波吸収体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−177105(P2009−177105A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−42146(P2008−42146)
【出願日】平成20年1月25日(2008.1.25)
【出願人】(508055777)松岡瓦産業株式会社 (1)
【出願人】(592216384)兵庫県 (258)
【Fターム(参考)】