説明

電波吸収材、電波吸収積層材、電波吸収体及び電波吸収体の製造方法

【課題】設計した電波吸収特性を精度よく実現でき、良好な電波吸収特性を得ることが可能な電波吸収材の製造方法を提供する。
【解決手段】電波吸収材料及び第1の未硬化樹脂を含む未硬化複合樹脂1と、繊維が集合した繊維集合体2とを混合した未硬化電波吸収材であって、混合の前に、繊維集合体2に第2の未硬化樹脂を染み込ませる。この場合、前記第2の未硬化樹脂を染み込ませないと仮定したときに、繊維集合体2に染み込む前記第1の未硬化樹脂の体積量に近似した体積量の前記第2の未硬化樹脂を、前記繊維集合体に染み込ませるとよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維強化プラスチック(FRP、Fiber Reinforced Plastics)型の電波吸収材、電波吸収積層材、電波吸収体及び電波吸収体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電波吸収体の強度を向上するために、樹脂等の基材に電波吸収材料を混合した複合樹脂に繊維を内含させたFRP型の電波吸収体や、複合樹脂を層状にした複合樹脂層と繊維からなる層(以下、「繊維層」という。)とを交互に積層するFRP型電波吸収体がある(例えば、下記特許文献1参照)。
【特許文献1】特開昭58−6200号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これらのFRP型電波吸収体で、繊維が集合した繊維集合部が存在する場合、複合樹脂の基材成分の少なくとも一部が繊維集合部に流れ出る、あるいは、繊維集合部が複合樹脂層の基材成分の少なくとも一部を吸い取ることによって、繊維集合部近傍であるほど電波吸収材料の密度が増加する偏在現象が生じる。とりわけ、複合樹脂層の基材が熱硬化型等の未硬化樹脂であり、電波吸収体の硬化過程において、未硬化樹脂が液状化する場合においては、複合樹脂層から繊維層への基材成分の流れ出しが顕著であることを本発明者は見出した。
【0004】
図8は電波吸収材料を含む複合樹脂と繊維集合体とを混合した電波吸収材において、その偏在現象を模式的に説明するものであり、繊維集合体と未硬化複合樹脂とを混合した場合、図8(A)の硬化前に電波吸収材料の偏在現象が発生していなくとも、同図(B)の硬化後は、硬化過程において未硬化樹脂が液状化して複合樹脂層から繊維集合体へ基材成分が流出し、電波吸収材料が繊維集合体近傍に偏在してしまう。
【0005】
図9は電波吸収積層材における前記偏在現象を模式的に説明するものであり、繊維集合層と未硬化複合樹脂層とを積層した場合、図9(A)の硬化前に偏在現象が発生していなくとも、同図(B)の硬化後は、硬化過程において未硬化樹脂が液状化して複合樹脂層から繊維集合層へ基材成分が流出し、電波吸収材料が繊維集合層近傍に偏在してしまう。
【0006】
本発明者は、上記偏在現象が、設計した電波吸収特性と、製作された電波吸収体の電波吸収特性とのずれを大きくする原因となることを見出した。すなわち、本発明者は、上記偏在現象により複合樹脂の複素比誘電率、複素比透磁率及び導電率等の電気定数が繊維集合部近傍であるほど大きく変化し、これにより、設計した電波吸収特性と、製作された電波吸収体の電波吸収特性とのずれが大きくなることを見出した。
【0007】
特に、繊維が多く、かつ、繊維集合部が多い場合には、複合樹脂から繊維集合部に流れ出る基材成分が多くなるため、複合樹脂の電気定数の変化が大きくなり、設計した電波吸収特性との乖離が大きくなる。また、電波吸収材料の混合量が多く、上記偏在現象によって、電波吸収材料(電波吸収材料は、粒子、粉体、粉砕体や繊維等の形状をしている。)の間の距離が著しく接近する場合にも、電波吸収材料の電気定数の変化が大きくなるため、設計した電波吸収特性との乖離が大きくなる。
【0008】
本発明はこうした状況を認識してなされたものであり、その目的は、設計した電波吸収特性を精度よく実現でき、良好な電波吸収特性を得ることが可能な電波吸収材、電波吸収積層材、電波吸収体及び電波吸収体の製造方法を提供することにある。
【0009】
本発明のその他の目的や新規な特徴は後述の実施の形態において明らかにする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様の未硬化電波吸収材は、電波吸収材料及び第1の未硬化樹脂を含む未硬化複合樹脂と、繊維が集合した繊維集合体とを混合したものであって、混合の前に、前記繊維集合体に第2の未硬化樹脂を染み込ませたことを特徴としている。
【0011】
前記第1の態様の未硬化電波吸収材において、前記第2の未硬化樹脂を染み込ませないと仮定したときに、前記繊維集合体に染み込む前記第1の未硬化樹脂の体積量に近似した体積量の前記第2の未硬化樹脂を、前記繊維集合体に染み込ませてもよい。
【0012】
本発明の第2の態様の未硬化電波吸収材は、電波吸収材料及び第1の未硬化樹脂を含む未硬化複合樹脂と、繊維が集合した繊維集合体とを混合したものであって、混合の前に、前記繊維集合体を第2の未硬化樹脂で包んだことを特徴としている。
【0013】
前記第2の態様の未硬化電波吸収材において、前記第2の未硬化樹脂で包まないと仮定したときに、前記繊維集合体に染み込む前記第1の未硬化樹脂の体積量に近似した体積量の前記第2の未硬化樹脂で、前記繊維集合体を包んでもよい。
【0014】
本発明の第3の態様の電波吸収体は、前記未硬化電波吸収材を硬化させた電波吸収材を含むことを特徴としている。
【0015】
本発明の第4の態様の電波吸収体の製造方法は、繊維が集合した繊維集合体に第2の未硬化樹脂を染み込ませる工程と、電波吸収材料及び第1の未硬化樹脂を含む未硬化複合樹脂と、前記第2の未硬化樹脂が染み込んだ繊維集合体とを混合して未硬化電波吸収材を作製する工程と、前記未硬化電波吸収材を硬化させる硬化工程とを備えることを特徴としている。
【0016】
本発明の第5の態様の電波吸収体の製造方法は、繊維が集合した繊維集合体を第2の未硬化樹脂で包む工程と、電波吸収材料及び第1の未硬化樹脂を含む未硬化複合樹脂と、前記第2の未硬化樹脂で包んだ繊維集合体とを混合して未硬化電波吸収材を作製する工程と、前記未硬化電波吸収材を硬化させる硬化工程とを備えることを特徴としている。
【0017】
前記第5の態様の電波吸収体の製造方法の前記硬化工程において、前記第2の未硬化樹脂が前記繊維集合体に染み込むようにしてもよい。
【0018】
本発明の第6の態様の未硬化電波吸収積層材は、繊維が集合した繊維集合層と、前記繊維集合層の片側又は両側に積層され、電波吸収材料及び第1の未硬化樹脂を含む未硬化複合樹脂を層状にした未硬化複合樹脂層とを有し、積層の前に、前記繊維集合層に第2の未硬化樹脂を染み込ませたことを特徴としている。
【0019】
前記第6の態様の未硬化電波吸収積層材において、前記第2の未硬化樹脂を染み込ませないと仮定したときに、前記繊維集合層に染み込む前記第1の未硬化樹脂の体積量に近似した体積量の前記第2の未硬化樹脂を、前記繊維集合層に染み込ませてもよい。また、前記第2の未硬化樹脂は、未硬化複合樹脂であってもよく、該未硬化複合樹脂を、積層の前に硬化させてもよい。
【0020】
本発明の第7の態様の電波吸収積層材は、繊維が集合した繊維集合層と、前記繊維集合層の片側又は両側に積層され、電波吸収材料及び第1の未硬化樹脂を含む未硬化複合樹脂を層状にした未硬化複合樹脂層とを有し、前記繊維集合層と前記未硬化複合樹脂層との間に、第2の未硬化樹脂を層状にした未硬化樹脂層を配したことを特徴としている。
【0021】
本発明の第8の態様の電波吸収体は、前記未硬化電波吸収積層材を硬化させた電波吸収積層材を少なくとも1層含むことを特徴としている。
【0022】
本発明の第9の態様の電波吸収体の製造方法は、繊維が集合した繊維集合層に第2の未硬化樹脂を染み込ませる工程と、電波吸収材料及び第1の未硬化樹脂を含む未硬化複合樹脂を層状にした未硬化複合樹脂層を、前記第2の未硬化樹脂を染み込ませた繊維集合層の片側又は両側に積層し、未硬化電波吸収積層材を作製する工程と、前記未硬化電波吸収積層材を硬化させる硬化工程とを備えることを特徴としている。
【0023】
本発明の第10の態様の電波吸収体の製造方法は、繊維が集合した繊維集合層の片側又は両側に、電波吸収材料及び第1の未硬化樹脂を含む未硬化複合樹脂を層状にした未硬化複合樹脂層を、第2の未硬化樹脂を層状にした未硬化樹脂層を介在させて積層し、未硬化電波吸収積層材を作製する工程と、前記未硬化電波吸収積層材を硬化させる硬化工程とを備えることを特徴としている。
【0024】
前記第10の態様の電波吸収体の製造方法の前記硬化工程において、前記未硬化樹脂層の第2の未硬化樹脂は、前記繊維集合層に染み込むようにしてもよい。
【0025】
なお、以上の構成要素の任意の組合せや、本発明の表現を、方法等の間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、電波吸収材料の偏在現象を解消して、設計した電波吸収特性を精度よく実現できる電波吸収材、電波吸収積層材、及びそれらを構成部材として有する電波吸収体が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明を実施するための最良の形態として、電波吸収材、電波吸収積層材、電波吸収体及び電波吸収体の製造方法の実施の形態を図面に従って説明する。
【0028】
図1は本発明の実施の形態1を示す。図1(A)は電波吸収材料及び基材である第1の未硬化樹脂を含む未硬化複合樹脂1と、繊維が集合した繊維集合体2とを混合した未硬化電波吸収材であるが、混合の前に、繊維集合体2に第2の未硬化樹脂を予め染み込ませてある。前記第2の未硬化樹脂を染み込ませる量は、前記第2の未硬化樹脂を染み込ませないと仮定したときに、繊維集合体2に染み込む(流れ出る)前記第1の未硬化樹脂の体積量と同量の体積とすることが最も好ましいが、近似した体積量(概ね同量)であれば、硬化させるときの電波吸収材料の偏在現象を防止して未硬化複合樹脂1の部分の電気定数の変化を抑制でき、電波吸収性能の低下も抑制できる。ここで、電気定数(複素比誘電率、複素比透磁率、導電率)の夫々は、周波数によって異なるものである。
【0029】
前記電波吸収材料は、磁性体又は誘電損失体からなる粒子、粉体、粉砕体、繊維から選ばれた少なくとも1つであってよい。磁性体としては、フェライト、金属磁性体、酸化金属磁性体が挙げられる。誘電損失体としては、カーボン(カーボンブラック、カーボングラファイト、カーボン繊維)、金属、酸化金属が挙げられる。
【0030】
前記電波吸収材料を含む未硬化複合樹脂としては、電波吸収材料を基材となる第1の未硬化樹脂に混合したものが挙げられる。前記第1の未硬化樹脂としては、熱硬化型樹脂、紫外線硬化型樹脂が挙げられる。熱硬化型樹脂としては、エポキシ系樹脂が挙げられる。紫外線硬化型樹脂としては、エポキシ系樹脂が挙げられる。さらに、電波吸収材料を含む未硬化複合樹脂は、誘電体からなる粒子、粉体、粉砕体、繊維から選ばれた少なくとも1つを含んでいてもよい。誘電体としては、ガラス、シリカ、チタン、珪砂が挙げられる。
【0031】
前記繊維集合体を構成する繊維は、誘電体繊維であることが好ましく、ガラス繊維、樹脂繊維(ポリエステル繊維、アラミド繊維、ポリパラフェニレン・ベンゾビス・オキサゾール(PBO)繊維)から選ばれた少なくとも1つであってよい。
【0032】
前記第2の未硬化樹脂は前記第1の未硬化樹脂は同等材質であっても、異なるものであってもよい。但し、硬化工程を考慮すると、硬化条件(熱硬化型樹脂では、硬化工程で掛ける温度およびその時間変化など)が同じ材質であることが最も好ましく、硬化条件が同等の材質であることが好ましいと言える。
【0033】
前記第2の未硬化樹脂を染み込ませない場合に、前記未硬化複合樹脂から繊維集合体2に流れ出る第1の未硬化樹脂の体積は、繊維集合体2内の空隙部分の体積で概ね表される。また、繊維集合体2に、液状の樹脂等を染み込ませることによって、その体積を事前に把握することが可能である。
【0034】
図1(A)のように繊維集合体2に第2の未硬化樹脂を予め染み込ませてから、未硬化複合樹脂1と、繊維集合体2とを混合して未硬化電波吸収材を作製後、未硬化電波吸収材を硬化工程で硬化処理すれば、硬化過程において第1の未硬化樹脂が液状化しても繊維集合体2に第1の未硬化樹脂が流れ出ることはなく、硬化後の電波吸収材においても図1(B)のように電波吸収材料の偏在現象は発生しない。従って、所望の設計通りの電波吸収特性を精度よく実現できる電波吸収材、ひいてはこれを構成部材として有する電波吸収体が得られる。
【0035】
前記電波吸収体は、電波反射体によって裏打ちされたものであってもよい。電波反射体としては、金属板、導電性繊維集合体、導電性繊維集合体と未硬化樹脂を積層した未硬化電波反射材が挙げられる。導電性繊維集合体は、導電性繊維をメッシュ状、不織布状、又は、一方向配列したものであってよい。導電性繊維は、金属繊維、金属酸化物繊維、カーボン繊維、樹脂繊維の表面に金属膜を形成したものであってよい。未硬化電波反射材の未硬化樹脂は、未硬化電波吸収材の未硬化樹脂と異なる未硬化樹脂であってもよい。さらに、前記電波吸収体に塗装を施してもよい。
【0036】
図2は本発明の実施の形態2を示す。図2(A)は電波吸収材料及び第1の未硬化樹脂を含む未硬化複合樹脂1と、繊維が集合した繊維集合体2とを混合した未硬化電波吸収材であるが、混合の前に、繊維集合体2を第2の未硬化樹脂3で包んである。ここで、包むために用いる第2の未硬化樹脂3の量は、第2の未硬化樹脂3で包まない場合に、繊維集合体2に染み込む前記第1の未硬化樹脂の体積量と同量の体積とすることが最も好ましいが、近似した体積量(概ね同量)であれば、硬化させるときの電波吸収材料の偏在現象を防止して未硬化複合樹脂1の部分の電気定数の変化を抑制でき、電波吸収性能の低下も抑制できる。
【0037】
繊維集合体2を包む第2の未硬化樹脂3と、未硬化複合樹脂1の基材である第1の未硬化樹脂は同等材質であっても、異なるものであってもよい。但し、硬化工程を考慮すると、硬化条件(熱硬化型樹脂では、硬化工程で掛ける温度およびその時間変化など)が同じ材質であることが最も好ましく、硬化条件が同等の材質であることが好ましいと言える。
【0038】
図2(A)のように繊維集合体2を第2の未硬化樹脂3で包んでから、未硬化複合樹脂1と、繊維集合体2とを混合して未硬化電波吸収材を作製後、未硬化電波吸収材を硬化工程で硬化処理すれば、硬化過程において第1の未硬化樹脂が液状化しても繊維集合体2に第1の未硬化樹脂が流れ出ることはなく、硬化後の電波吸収材においても図2(B)のように電波吸収材料の偏在現象は発生しない。
【0039】
例えば、第1及び第2の未硬化樹脂として、熱硬化型の未硬化樹脂を用いた場合においては、加熱によって、未硬化複合樹脂層の第1の未硬化樹脂及び第2の未硬化樹脂が液状化する。繊維集合体2のより近傍にある第2の未硬化樹脂3が、繊維集合体2に染み込むことによって、第1の未硬化樹脂は繊維集合体2に染み込むことがなくなり、未硬化複合樹脂部分の電気定数の変化を抑制でき、電波吸収性能の低下も抑制できる。
【0040】
従って、所望の設計通りの電波吸収特性を精度よく実現できる電波吸収材、ひいてはこれを構成部材として有する電波吸収体が得られる。この電波吸収体は、電波反射体によって裏打ちされたものであってもよいし、さらに、電波吸収体に塗装を施してもよい。
【0041】
なお、実施の形態2の電波吸収材料、繊維、樹脂等の各構成材料は前記実施の形態1と同様であり、同一又は相当部分に同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0042】
図3は本発明の実施の形態3を示す。図3(A)は、繊維が層状に集合した繊維集合層10と、繊維集合層10の両側(又は片側)に積層され、電波吸収材料及び第1の未硬化樹脂を含む未硬化複合樹脂を層状にした未硬化複合樹脂層11(ゲル状である)とを有する未硬化電波吸収積層材であるが、積層の前に、繊維集合層10に第2の未硬化樹脂を予め染み込ませてある。ここで、前記第2の未硬化樹脂を染み込ませる量は、前記第2の未硬化樹脂を染み込ませない場合に、繊維集合層10に染み込む前記第1の未硬化樹脂の量と同量の体積とすることが最も好ましいが、近似した体積量(概ね同量)であれば、硬化させるときの電波吸収材料の偏在現象を防止して未硬化複合樹脂層11の部分の電気定数の変化を抑制でき、電波吸収性能の低下も抑制できる。
【0043】
繊維集合層10は、前記実施の形態1で例示した繊維又は繊維からなる糸が、複数一方向に並んだものであって良い。また、繊維又は繊維からなる糸からなる織布乃至不織布であってよい。
【0044】
また、未硬化電波吸収積層材が、未硬化複合樹脂層11を繊維集合層10の両側に積層してなる場合において、未硬化複合樹脂層11の厚さ及び電気定数は、繊維集合層10の両側において異なるものであってもよい。
【0045】
また、前記第2の未硬化樹脂は、未硬化複合樹脂であってもよい。その場合、前記第2の未硬化樹脂は、未硬化複合樹脂層11と同材質又は異なる未硬化複合樹脂であってもよい。但し、硬化工程を考慮すると、硬化条件(熱硬化型樹脂では、硬化工程で掛ける温度およびその時間変化など)が同じ材質であることが最も好ましく、硬化条件が同等の材質であることが好ましいと言える。
【0046】
図3(A)のように繊維集合層10に第2の未硬化樹脂を予め染み込ませてから、未硬化複合樹脂層11と、繊維集合層10とを積層して未硬化電波吸収積層材を作製後、未硬化電波吸収積層材を硬化工程で硬化処理すれば、硬化過程において第1の未硬化樹脂が液状化しても繊維集合層10に第1の未硬化樹脂が流れ出ることはなく、硬化後の電波吸収積層材においても図3(B)のように電波吸収材料の偏在現象は発生しない。従って、所望の設計通りの電波吸収特性を精度よく実現できる電波吸収積層材、ひいてはこれを構成部材として有する電波吸収体が得られる。
【0047】
なお、実施の形態3において、繊維集合層10に染み込ませる第2の未硬化樹脂が未硬化複合樹脂である場合、前記第2の未硬化複合樹脂を、積層の前に硬化させることが好ましい。通常、未硬化複合樹脂層11と繊維集合層10は、ローラー等で加圧しながら積層する。この場合、加圧によって、未硬化複合樹脂層11の一部が繊維集合層10に食い込み、簡単には、未硬化複合樹脂層11と繊維集合層10を剥離できなくなる。しかし、繊維集合層10に未硬化複合樹脂を染み込ませた後に、未硬化複合樹脂層11と繊維集合層10を積層すると、食い込んだ未硬化複合樹脂層11と繊維集合層10間の摩擦が減り、容易に未硬化複合樹脂層11と繊維集合層10が剥離し、未硬化電波吸収積層材が一体でなくなってしまう。そこで、前記第2の未硬化樹脂が未硬化複合樹脂である場合には、未硬化電波吸収積層材の積層前に、繊維集合層10に染み込ませた未硬化複合樹脂を硬化させることが好ましい。その結果、未硬化複合樹脂層11と繊維集合層10を積層した際に、食い込む未硬化複合樹脂層11と繊維集合層10間の摩擦が大きくなり、未硬化電波吸収積層材を一体に保つことができる。
【0048】
実施の形態3の電波吸収積層材を用いて電波吸収体を作製する場合、電波吸収体は、前記未硬化電波吸収積層材が複数重ねられて硬化した電波吸収体であってもよい。積層する未硬化複合樹脂積層材は、すべて同一のものであってもよいし、厚さや電気定数、繊維集合層の種類が異なるものを組合わせてもよい。また、未硬化電波吸収積層材と未硬化電波反射材を積層した後に、硬化した電波吸収体であってもよい。さらに、未硬化電波吸収積層材が硬化した電波吸収積層材や、未硬化電波反射材が硬化した電波反射材を保護するための保護層が設けられていてもよい。また、保護層が、未硬化樹脂と誘電体繊維集合層からなる未硬化保護層であってもよい。この場合には、未硬化保護層、未硬化電波吸収積層材及び未硬化電波反射材とを積層した後に、硬化した電波吸収体であってもよい。必要に応じ、電波吸収体に塗装を施すこともできる。
【0049】
実施の形態3において、電波吸収材料、繊維、樹脂等の各構成材料は前記実施の形態1と同様であればよい。
【0050】
図4は本発明の実施の形態4を示す。図4(A)は、繊維が層状に集合した繊維集合層20と、繊維集合層20の両側(又は片側)に積層され、電波吸収材料及び第1の未硬化樹脂を含む未硬化複合樹脂を層状にした未硬化複合樹脂層21(ゲル状)とを有する未硬化電波吸収積層材であるが、繊維集合層20と未硬化複合樹脂層21との間に、第2の未硬化樹脂を層状にした未硬化樹脂層22(ゲル状)を配して積層したものである。ここで、前記未硬化樹脂層22の体積は、この未硬化樹脂層が存在しない場合において、未硬化電波吸収積層材の積層後(硬化過程を含む)に、未硬化複合樹脂層21から繊維集合層20に染み込む(流れ出る)第1の未硬化樹脂と同量の体積であることが好ましいが、近似した体積量(概ね同量)であれば、硬化させるときの電波吸収材料の偏在現象を防止して未硬化複合樹脂層部分の電気定数の変化を抑制でき、電波吸収性能の低下も抑制できる。
【0051】
繊維集合層や未硬化複合樹脂層の材質は前記実施の形態3と同様であればよい。また、未硬化樹脂層22をなす第2の未硬化樹脂と、未硬化複合樹脂層21の基材である第1の未硬化樹脂は同材質又は異なる材質であってもよい。但し、硬化工程を考慮すると、硬化条件(熱硬化型樹脂では、硬化工程で掛ける温度およびその時間変化など)が同じ材質であることが最も好ましく、硬化条件が同等の材質であることが好ましいと言える。
【0052】
図4(A)のように繊維集合層20に、未硬化樹脂層22を介在させて未硬化複合樹脂層21を積層して未硬化電波吸収積層材を作製後、未硬化電波吸収積層材を硬化工程で硬化処理すれば、硬化過程において未硬化樹脂層22が繊維集合層20に先に染み込み、この結果、第1の未硬化樹脂が流れ出ることはなく、硬化後の電波吸収積層材においても図4(B)のように電波吸収材料の偏在現象は発生しない。
【0053】
例えば、未硬化複合樹脂層21の第1の未硬化樹脂及び未硬化樹脂層22の第2の未硬化樹脂として、熱硬化型の未硬化樹脂を用いた場合においては、加熱によって、未硬化複合樹脂層21の第1の未硬化樹脂及び未硬化樹脂層22をなす第2の未硬化樹脂が液状化する。繊維集合層20のより近傍にある第2の未硬化樹脂が、繊維集合層20に染み込むことによって、第1の未硬化樹脂は繊維集合層20に染み込むことがなくなり、未硬化複合樹脂層部分の電気定数の変化を抑制でき、電波吸収性能の低下も抑制できる。
【0054】
従って、所望の設計通りの電波吸収特性を精度よく実現できる電波吸収積層材、ひいてはこれを構成部材として有する電波吸収体が得られる。この電波吸収体は、電波反射体によって裏打ちされたものであってもよいし、さらに、電波吸収体に塗装を施してもよい。
【0055】
実施の形態4の電波吸収積層材を用いて電波吸収体を作製する場合、電波吸収体は、前記未硬化電波吸収積層材が複数重ねられて硬化した電波吸収体であってもよい。積層する未硬化複合樹脂積層材は、すべて同一のものであってもよいし、厚さや電気定数、繊維集合層の種類が異なるものを組合わせてもよい。また、未硬化電波吸収積層材と未硬化電波反射材を積層した後に、硬化した電波吸収体であってもよい。さらに、未硬化電波吸収積層材が硬化した電波吸収積層材や、未硬化電波反射材が硬化した電波反射材を保護するための保護層が設けられていてもよい。また、保護層が、未硬化樹脂と誘電体繊維集合層からなる未硬化保護層であってもよい。この場合には、未硬化保護層、未硬化電波吸収積層材及び未硬化電波反射材とを積層した後に、硬化した電波吸収体であってもよい。必要に応じ、電波吸収体に塗装を施すこともできる。
【0056】
実施の形態4において、電波吸収材料、繊維、樹脂等の各構成材料は前記実施の形態1と、繊維集合層は前記実施の形態3と同様であればよい。
【0057】
図5は、FRP型電波吸収体で、繊維が集合した繊維集合部が存在する場合において、繊維集合部近傍であるほど電波吸収材料の密度が増加する偏在現象、及び本発明の実施の形態4によって、この偏在を防止する例を説明するものである。
【0058】
まず、硬化前の図5(A−1)は、未硬化複合樹脂層と繊維集合層とを積層した未硬化電波吸収積層材の積層後(硬化過程を含む)に、未硬化複合樹脂層の未硬化樹脂の一部が繊維集合層に染み出すことを考慮し、未硬化複合樹脂の未硬化樹脂の量を、前記染み出す分だけ多くした未硬化電波吸収材の断面図である。硬化前の図5(A−1)の未硬化電波吸収積層材が硬化すると、硬化後の図5(A−2)になるものと考えられるが、実際には、積層後(硬化過程を含む)において、繊維集合層近傍であるほど、未硬化複合樹脂層の未硬化樹脂は繊維集合層に染み出すので、硬化後の図5(B)に示した断面図のようになる。
【0059】
つまり、硬化前の図5(A−1)状態(電波吸収材料間の間隔L1とL2がほぼ等しい)から、硬化後の図5(A−2)状態(電波吸収材料間の間隔L1’(<L1)とL2’(<L2)がほぼ等しい)に変化せず、硬化後は図5(B)状態(電波吸収材料間の間隔L1”(≦L1)よりもL2”(<L2)が狭い)となってしまい、単に未硬化複合樹脂中の未硬化樹脂の量を染み出し相当量分多くしても電波吸収材料の偏在現象を回避できない。
【0060】
図5(C−1),(C−2)は本発明の実施の形態4の場合であり、繊維集合層の両側に未硬化樹脂層を介在させて未硬化複合樹脂層が積層されている。この未硬化樹脂層の体積は、この未硬化樹脂層が存在しない場合において、未硬化電波吸収積層材の積層後(硬化過程を含む)に、未硬化複合樹脂層から繊維集合層に流れ出る未硬化樹脂と同量の体積量乃至それに近似した体積量となっている。そのため、硬化前の図5(C−1)状態と硬化後の図5(C−2)状態において、電波吸収材料間の間隔L1’とL2’を殆ど同じとすることができる。
【0061】
図6は本発明の実施の形態5であって、実施の形態4で述べた電波吸収積層材を複数層備える電波吸収体を示す。図6(A)の硬化前においては、繊維集合層20の両側に未硬化樹脂層22を介在させて未硬化複合樹脂層21を積層した未硬化電波吸収積層材30を4層重ね、電波到来方向の反対側に電波反射体として、未硬化電波反射材40を積層し、さらに電波到来方向側に未硬化保護層50を積層した未硬化の電波吸収体である。硬化過程において、未硬化電波吸収積層材30中の未硬化樹脂層22は繊維集合層20に染み込み、電波反射材と未硬化複合樹脂との積層構造である未硬化電波反射材40や、誘電体繊維集合層と未硬化複合樹脂との積層構造である未硬化保護層50の未硬化複合樹脂も、電波反射材や誘電体繊維集合層に染み込むため、硬化後の電波吸収体の厚さは、硬化前よりも薄いものとなっている。
【0062】
なお、図6において、電波吸収積層材を構成する繊維集合層の斜線の向きが異なっているが、これは繊維の向きが異なることを示している。格子状に織られた繊維であれば、平面内で45°傾けて積層することによって、等方性に近いの強度を実現することが可能である。
【0063】
図7は、図6の本発明に係る実施の形態5で述べたような、電波反射体で裏打ちした電波吸収体の電波吸収特性の例を示す。この図において、点線で示す特性(偏在防止なし)は、図5(A−1)から(A−2)となるように、未硬化電波吸収積層材の積層後(硬化過程を含む)に、未硬化複合樹脂層の未硬化樹脂の一部が繊維集合層に染み出すことを考慮するが、図5(B)のように、硬化後に電波吸収材料が偏在することは考慮せずに、周波数fc付近で電波吸収特性が良好になるように設計したとき、実際には図5(B)のように電波吸収材料の偏在が生じた場合の電波吸収特性を示している。電波吸収特性が最大となる周波数が、fcよりも低周波側にシフトし、電波吸収特性の最大値も低下している。
【0064】
図7の実線で示す特性(偏在防止)は、図5(A−1)のように、未硬化電波吸収積層材の積層後(硬化過程を含む)に、未硬化複合樹脂層の未硬化樹脂の一部が繊維集合層に染み出すことを考慮し、図5(C−1)から(C−2)となるように、繊維集合層の両側に未硬化樹脂層を介在させて未硬化複合樹脂層を積層した未硬化電波吸収積層材を用いて、周波数fc付近で電波吸収特性が良好になるように設計した例である。実際に周波数fc付近で電波吸収特性が良好となり、所望の(予め、計算設計において予測した通りの)電波吸収特性を実現している。
【0065】
また、図5(A−1),(A−2)のように、未硬化電波吸収積層材の積層後(硬化過程を含む)に、未硬化複合樹脂層の未硬化樹脂の一部が繊維集合層に染み出すことを考慮し、かつ図5(B)のように、硬化後に電波吸収材料が偏在することも考慮して設計した場合には、図7の実線で示す特性(偏在防止)とほぼ同等の電波吸収特性を実現し得る場合(上記偏在現象による複合樹脂の電気定数の変化が比較的小さい場合)もあるが、電波吸収体の総厚さは本発明を適用した場合よりも厚くなってしまう。
【0066】
以上本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されることなく請求項の記載の範囲内において各種の変形、変更が可能なことは当業者には自明であろう。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の実施の形態1であって、未硬化電波吸収材の硬化前と硬化後を示す模式的拡大平面図である。
【図2】本発明の実施の形態2であって、未硬化電波吸収材の硬化前と硬化後を示す模式的拡大平面図である。
【図3】本発明の実施の形態3であって、未硬化電波吸収積層材の硬化前と硬化後を示す断面図である。
【図4】本発明の実施の形態4であって、未硬化電波吸収積層材の硬化前と硬化後を示す断面図である。
【図5】繊維集合部が存在する場合に電波吸収材料の偏在現象が生じるが、本発明の実施の形態4によって、この偏在を防止する例を説明する説明図である。
【図6】本発明の実施の形態5であり、実施の形態4の電波吸収積層材を複数層有する電波吸収体の例であって、硬化前と硬化後を示す断面図である。
【図7】電波反射体で裏打ちした電波吸収体の電波吸収特性であり、本発明の偏在防止を図った場合と偏在防止無しの場合とを対比して示す周波数特性図である。
【図8】従来の未硬化電波吸収材の硬化前と硬化後を示す模式的拡大平面図である。
【図9】従来の未硬化電波吸収積層材の硬化前と硬化後を示す断面図である。
【符号の説明】
【0068】
1 未硬化複合樹脂
2 繊維集合体
3 未硬化樹脂
10,20 繊維集合層
11,21 未硬化複合樹脂層
22 未硬化樹脂層
30 未硬化電波吸収積層材
40 未硬化電波反射材
50 未硬化保護層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電波吸収材料及び第1の未硬化樹脂を含む未硬化複合樹脂と、繊維が集合した繊維集合体とを混合した未硬化電波吸収材であって、
混合の前に、前記繊維集合体に第2の未硬化樹脂を染み込ませたことを特徴とする未硬化電波吸収材。
【請求項2】
前記第2の未硬化樹脂を染み込ませないと仮定したときに、前記繊維集合体に染み込む前記第1の未硬化樹脂の体積量に近似した体積量の前記第2の未硬化樹脂を、前記繊維集合体に染み込ませたことを特徴とする請求項1記載の未硬化電波吸収材。
【請求項3】
電波吸収材料及び第1の未硬化樹脂を含む未硬化複合樹脂と、繊維が集合した繊維集合体とを混合した未硬化電波吸収材であって、
混合の前に、前記繊維集合体を第2の未硬化樹脂で包んだことを特徴とする未硬化電波吸収材。
【請求項4】
前記第2の未硬化樹脂で包まないと仮定したときに、前記繊維集合体に染み込む前記第1の未硬化樹脂の体積量に近似した体積量の前記第2の未硬化樹脂で、前記繊維集合体を包んだことを特徴とする請求項3記載の未硬化電波吸収材。
【請求項5】
請求項1,2,3又は4記載の未硬化電波吸収材を硬化させた電波吸収材を含むことを特徴とする電波吸収体。
【請求項6】
繊維が集合した繊維集合体に第2の未硬化樹脂を染み込ませる工程と、
電波吸収材料及び第1の未硬化樹脂を含む未硬化複合樹脂と、前記第2の未硬化樹脂が染み込んだ繊維集合体とを混合して未硬化電波吸収材を作製する工程と、
前記未硬化電波吸収材を硬化させる硬化工程とを備えることを特徴とする電波吸収体の製造方法。
【請求項7】
繊維が集合した繊維集合体を第2の未硬化樹脂で包む工程と、
電波吸収材料及び第1の未硬化樹脂を含む未硬化複合樹脂と、前記第2の未硬化樹脂で包んだ繊維集合体とを混合して未硬化電波吸収材を作製する工程と、
前記未硬化電波吸収材を硬化させる硬化工程とを備えることを特徴とする電波吸収体の製造方法。
【請求項8】
前記硬化工程において、前記第2の未硬化樹脂が前記繊維集合体に染み込むことを特徴とする請求項7記載の電波吸収体の製造方法。
【請求項9】
繊維が集合した繊維集合層と、
前記繊維集合層の片側又は両側に積層され、電波吸収材料及び第1の未硬化樹脂を含む未硬化複合樹脂を層状にした未硬化複合樹脂層とを有し、
積層の前に、前記繊維集合層に第2の未硬化樹脂を染み込ませたことを特徴とする未硬化電波吸収積層材。
【請求項10】
前記第2の未硬化樹脂を染み込ませないと仮定したときに、前記繊維集合層に染み込む前記第1の未硬化樹脂の体積量に近似した体積量の前記第2の未硬化樹脂を、前記繊維集合層に染み込ませたことを特徴とする請求項9記載の未硬化電波吸収積層材。
【請求項11】
前記第2の未硬化樹脂は、未硬化複合樹脂であり、該未硬化複合樹脂を、積層の前に硬化させたことを特徴とする請求項9又は10記載の未硬化電波吸収積層材。
【請求項12】
繊維が集合した繊維集合層と、
前記繊維集合層の片側又は両側に積層され、電波吸収材料及び第1の未硬化樹脂を含む未硬化複合樹脂を層状にした未硬化複合樹脂層とを有し、
前記繊維集合層と前記未硬化複合樹脂層との間に、第2の未硬化樹脂を層状にした未硬化樹脂層を配したことを特徴とする未硬化電波吸収積層材。
【請求項13】
請求項9,10,11又は12記載の未硬化電波吸収積層材を硬化させた電波吸収積層材を少なくとも1層含むことを特徴とする電波吸収体。
【請求項14】
繊維が集合した繊維集合層に第2の未硬化樹脂を染み込ませる工程と、
電波吸収材料及び第1の未硬化樹脂を含む未硬化複合樹脂を層状にした未硬化複合樹脂層を、前記第2の未硬化樹脂を染み込ませた繊維集合層の片側又は両側に積層し、未硬化電波吸収積層材を作製する工程と、
前記未硬化電波吸収積層材を硬化させる硬化工程とを備えることを特徴とする電波吸収体の製造方法。
【請求項15】
繊維が集合した繊維集合層の片側又は両側に、電波吸収材料及び第1の未硬化樹脂を含む未硬化複合樹脂を層状にした未硬化複合樹脂層を、第2の未硬化樹脂を層状にした未硬化樹脂層を介在させて積層し、未硬化電波吸収積層材を作製する工程と、
前記未硬化電波吸収積層材を硬化させる硬化工程とを備えることを特徴とする電波吸収体の製造方法。
【請求項16】
前記硬化工程において、前記未硬化樹脂層の第2の未硬化樹脂は、前記繊維集合層に染み込むことを特徴とする請求項15記載の電波吸収体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−258623(P2007−258623A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−84380(P2006−84380)
【出願日】平成18年3月27日(2006.3.27)
【出願人】(000003067)TDK株式会社 (7,238)
【Fターム(参考)】