説明

電流駆動回路の駆動制御方法および装置、表示パネル駆動装置、表示装置、駆動制御プログラム

【課題】回路規模を増大させることなく所定期間内に駆動電流の書き込みを完了させる。
【解決手段】コントローラは、本来供給すべき画像データに代えて設定準備データを前記電流駆動回路に供給し、電流駆動回路に設定準備データに対応する駆動電流を設定準備期間が経過するまで供給させる(ST102,ST103)。次に、コントローラは、画像データを電流駆動回路に供給し、電流駆動回路に画像データに対応する駆動電流を電流設定期間が経過するまで供給させる(ST104,ST105)。なお、設定準備期間および電流設定期間における駆動電流の供給によって駆動対象回路に対する画像データに応じた駆動電流の書き込みが完了するように、設定準備データのデジタル値が決定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、有機ELのような電流駆動型の駆動素子を駆動させる電流駆動回路を制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、有機EL(Electro Luminescence)を発光素子として用いた表示装置の開発が盛んである。このような表示装置は、画像データに対応する電流値を有する駆動電流を供給する電流駆動回路と、複数の画素部が設けられた表示パネルとを備える。画素部の各々には、有機ELが設けられる。この表示装置では、電流駆動回路が画素部の各々に駆動電流を書き込み、画素部の各々に設けられた有機ELがその画素部に書き込まれた駆動電流の電流値に応じて発光することで、表示パネルに画像が表示される。
【0003】
このように、電流駆動回路によって駆動対象回路に駆動電流が書き込まれ、その駆動電流の電流値に応じて駆動対象回路が駆動する。しかし、駆動電流が供給される際、電流駆動回路の負荷容量(駆動電流が伝達される配線の寄生容量や、駆動対象回路が有する容量成分等)を充放電するために駆動電流が使用されるので、駆動対象回路に対する駆動電流の書き込みが完了する(すなわち、駆動対象回路に流れる電流が目標電流値(駆動電流の電流値)に到達する)までに時間がかかる。さらに、駆動電流の電流値が小さい程、負荷容量の充放電に要する時間が長くなり、所定時間内に駆動電流の書き込みを完了することができない可能性が高くなる。例えば、表示装置の場合、予め定められた電流設定期間内に駆動電流の書き込みが完了していないと、画像データに対応する駆動電流を画素部に正確に保持させることができず、その結果、表示不良を発生させてしまう。
【0004】
このような問題に対処すべく、特開2004−309924号公報(特許文献1)には、既存の電流源(画像データに対応する駆動電流を生成するための複数の電流源)とは異なる別の電流源や、既存の電流源と表示パネルの画素部との間にバイパス経路を形成するためのスイッチ群を新たに備えることにより、画像データに対応する駆動電流とは異なる任意の電流を供給することができる電流駆動回路が開示されている。この電流駆動回路は、電流設定期間のうち所定の期間だけ任意の電流を表示パネルの画素部に供給し、それ以外の動作期間には画像データに対応する駆動電流を画素部に供給する。これにより、画素部に流れる電流が目標電流値に到達するまでの時間(収束時間)を短縮することができる。
【特許文献1】特開2004−309924号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、任意の電流を供給するための回路を電流駆動回路に追加する必要があるので、その分、回路面積が増大してしまう。
【0006】
そこで、この発明は、回路規模を増大させることなく所定期間内に駆動電流の書き込みを完了させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の1つの局面に従うと、駆動制御方法は、デジタルデータのデジタル値に対応する電流値を有する駆動電流を電流駆動型の駆動対象回路に供給する電流駆動回路を制御する方法であって、本来供給すべき第1デジタルデータに代えて第2デジタルデータを上記電流駆動回路に供給し、第1の期間中、上記電流駆動回路に上記第2デジタルデータに対応する駆動電流を供給させるステップ(a)と、上記ステップ(a)の後に、上記第1デジタルデータを上記電流駆動回路に供給し、第2の期間中、上記電流駆動回路に上記第1デジタルデータに対応する駆動電流を供給させるステップ(b)とを備え、上記ステップ(a)では、上記第1および第2の期間の各々における駆動電流の供給によって上記駆動対象回路に対する上記第1デジタルデータに対応する駆動電流の書き込みが完了するように、上記第1デジタルデータのデジタル値に基づいて上記第2デジタルデータのデジタル値を決定する。
【0008】
上記駆動制御方法では、第1デジタルデータのデジタル値に応じて第2デジタルデータのデジタル値を増減することによって、第1の期間における駆動対象回路の充放電量を調整することができる。これにより、第1デジタルデータに対応する駆動電流の電流値が小さい場合でも、電流駆動回路の負荷容量を十分に充放電させることができる。また、電流量を調整するための回路を電流駆動回路に追加する必要がないので、電流駆動回路の回路規模を増大させることなく、第1デジタルデータに対応する駆動電流の書き込みを所定期間内に完了させることができる。
【0009】
なお、上記ステップ(a)では、上記第1デジタルデータのデジタル値が小さい程、上記第2デジタルデータのデジタル値が大きくなるように、上記第2デジタルデータのデジタル値を決定しても良い。
【0010】
また、上記ステップ(a)では、上記第1デジタルデータのデジタル値が所定値よりも小さい場合には上記第2デジタルデータのデジタル値が上記第1デジタルデータのデジタル値よりも大きくなるように、上記第2デジタルデータのデジタル値を決定しても良いし、上記第1デジタルデータのデジタル値が所定値よりも大きいまたは等しい場合には上記第1デジタルデータを上記第2デジタルデータとして供給しても良い。
【0011】
好ましくは、上記駆動制御方法は、上記ステップ(a)において上記電流駆動回路に上記駆動電流を供給させる前に、上記駆動対象回路の電圧値を初期化するステップ(c)をさらに備える。
【0012】
上記駆動制御方法では、駆動対象回路における残存電圧を除去することができ、第1の期間において駆動対象回路を適切に充放電させることができる。これにより、所定期間内に、第1デジタルデータに対応する駆動電流を駆動対象回路に正確に書き込むことができる。
【0013】
好ましくは、上記ステップ(a)は、上記第1デジタルデータと上記電流駆動回路に対して以前に供給したデジタルデータである第3デジタルデータとの大小関係を判定するステップ(a1)と、上記ステップ(a1)において上記第1デジタルデータが上記第3デジタルデータよりも大きいまたは等しい判定されると、上記第1デジタルデータと第3デジタルデータとの差分値が大きい程、上記第2デジタルデータのデジタル値が大きくなるように、上記第2デジタルデータのデジタル値を決定するステップ(a2)と、上記ステップ(a1)において上記第1デジタルデータが上記第3デジタルデータよりも小さいと判定されると、上記駆動対象回路の電圧値を初期化し、且つ、上記第1デジタルデータのデジタル値が小さい程、上記第2デジタルデータのデジタル値が大きくなるように、上記第2デジタルデータのデジタル値を決定するステップ(a3)とを含む。
【0014】
上記駆動制御方法では、今回供給すべき第1デジタルデータと以前に供給した第3デジタルデータとの差分値に基づいて第1の期間における駆動電流の電圧値が決定されるので、第1の期間における駆動対象回路の充放電量を適切に設定することができる。また、第1デジタルデータと第3デジタルデータの大小関係に基づいて駆動対象回路の初期化の要否を判定することにより、駆動対象回路の電圧値を不要に初期化することを防止することができ、電流駆動回路の消費電力を低減することができる。
【0015】
また、上記駆動対象回路は、電流駆動型の駆動素子と、上記駆動素子に電流を供給するための駆動トランジスタと、上記駆動トランジスタのゲート電圧を保持するために上記駆動トランジスタのゲートに接続された電圧保持部とを含んでいても良い。上記駆動制御方法は、上記ステップ(a)において上記電流駆動回路に上記駆動電流を供給させる前に、上記駆動トランジスタのゲートとドレインとを接続することにより、上記駆動トランジスタに電流が流れていないときの駆動トランジスタのゲート電圧を上記電圧保持部に保持させるステップ(d)と、上記第1および第2の期間中、上記駆動トランジスタと上記電流駆動回路とを接続することにより、上記電流駆動回路から供給された駆動電流を上記駆動トランジスタに与え、上記駆動トランジスタの電流値に応じたゲート電圧を上記電圧保持部に保持させるステップ(e)と、上記第2の期間の経過後、上記駆動トランジスタと上記駆動素子とを接続することにより、上記電圧保持部に保持されたゲート電圧に応じた電流を上記駆動素子に供給するステップ(f)とを備えていても良い。
【0016】
上記駆動制御方法では、駆動対象回路(電圧保持部)の残存電圧を除去することができ、駆動対象回路を適切に充放電することができる。
【0017】
この発明の別の局面に従うと、駆動制御装置は、デジタルデータのデジタル値に対応する電流値を有する駆動電流を電流駆動型の駆動対象回路に供給する電流駆動回路を制御する装置であって、第1の期間において本来供給すべき第1デジタルデータに代えて第2デジタルデータを上記電流駆動回路に供給し、上記第1の期間よりも後の第2の期間において上記第1デジタルデータを上記電流駆動回路に供給する変換部と、上記第1の期間において上記電流駆動回路に上記変換部からの第2デジタルデータを取り込ませて上記電流駆動回路に上記第2デジタルデータに対応する駆動電流を供給させ、上記第2の期間において上記電流駆動回路に上記変換部からの第1デジタルデータを取り込ませて上記電流駆動回路に上記第1デジタルデータに対応する駆動電流を供給させる制御部とを備え、上記変換部は、上記第1および第2の期間の各々における駆動電流の供給によって上記駆動対象回路に対する上記第1デジタルデータに対応する駆動電流の書き込みが完了するように、上記第1デジタルデータのデジタル値に基づいて上記第2デジタルデータのデジタル値を決定する。
【0018】
上記駆動制御装置では、第1デジタルデータのデジタル値に応じて第2デジタルデータのデジタル値を増減することによって、第1の期間における駆動対象回路の充放電量を調整することができる。これにより、第1デジタルデータに対応する駆動電流の電流値が小さい場合でも、電流駆動回路の負荷容量を十分に充放電させることができる。また、電流量を調整するための回路を電流駆動回路に追加する必要がないので、電流駆動回路の回路規模を増大させることなく、第1デジタルデータに対応する駆動電流の書き込みを所定期間内に完了させることができる。
【0019】
また、この発明の別の局面に従うと、表示パネル駆動装置は、画像データのデジタル値に対応する電流値を有する駆動電流を電流駆動型の表示パネルに含まれる画素部に供給する電流駆動回路と、設定準備期間において本来供給すべき画像データに代えて設定準備データを上記電流駆動回路に供給して、上記電流駆動回路に上記設定準備データに対応する駆動電流を供給させ、上記設定準備期間よりも後の電流設定期間において上記画像データを上記電流駆動回路に供給して、上記電流駆動回路に上記画像データに対応する駆動電流を供給させる回路であり、上記設定準備期間および上記電流設定期間の各々における駆動電流の供給によって上記画素部に対する上記画像データに対応する駆動電流の書き込みが完了するように、上記画像データのデジタル値に基づいて上記設定準備データのデジタル値を決定する駆動制御回路とを備える。
【0020】
さらに、この発明の別の局面に従うと、表示装置は、上記表示パネル駆動装置と、上記表示パネル駆動装置が埋設された表示パネルとを備える。
【発明の効果】
【0021】
以上のように、電流駆動回路の回路規模を増大させることなく、第1デジタルデータに対応する駆動電流の書き込みを所定期間内に完了させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一または相当部分には同一の符号を付しその説明は繰り返さない。
【0023】
(実施形態1)
図1は、この発明の実施形態1による表示装置の構成を示す。表示装置は、表示パネル11と、コントローラ(駆動制御回路)12と、電流駆動回路13と、走査線駆動回路14とを備える。
【0024】
表示パネル11は、マトリクス状に配置された複数の画素部101,101,・・・と、互いに平行に延びる複数のデータ線102,102,・・・とを含む。画素部101,101,・・・の各々には、有機ELのような電流駆動型の発光素子が設けられている。また、画素部101,101,・・・の各々は、データ線102,102,・・・のいずれか1本に対応しており、電流コピーモードと、電流駆動モードとを有する。画素部101,101,・・・の各々は、電流コピーモードに設定されると、自己に対応するデータ線に供給された電流を受けてその電流を保持し、電流駆動モードに設定されると、自己に保持している電流を自己に設けられた発光素子に与えて発光素子を発光させる。
【0025】
コントローラ12は、電流駆動回路13および走査線駆動回路14を制御する。また、コントローラ12は、ラスタ周期期間の前半部である設定準備期間において、本来供給すべき画像データDD1に代えて設定準備データDD2を電流駆動回路13へ供給し、ラスタ周期期間の後半部である電流設定期間において、画像データDD1を供給する。ラスタ周期期間は、画素部101に対する電流の書き込みが開始されてから画素部101が電流駆動モードになる(すなわち、有機ELが発光する)までの期間であり、表示パネル11の水平ラインの本数やフレーム周期等に基づいて定められる。例えば、フレーム周期が「60Hz」であるとすると、QVGA(Quarter Video Graphics Array)パネルの場合、ラスタ周期期間は、1/(320×60Hz)≒50μs になる。
【0026】
画像データDD1は、画素の輝度レベルを規定するデジタルデータである。また、ラスタ周期期間中に画素部101に対する駆動電流(画像データDD1に対応する駆動電流Iout1)の書き込みが完了するように、画像データDD1のデジタル値に基づいて設定準備データDD2のデジタル値が決定される。なお、画像データDD1と設定準備データDD2との対応関係については後述する。ここでは、図2のように、画像データDD1のデジタル値が小さい程、設定準備データDD2のデジタル値が大きくなるものとする。また、設定準備データDD2の最大値は、画像データDD1の最大値よりも小さいまたは等しい。
【0027】
電流駆動回路13は、表示パネル11のデータ線102,102,・・・の各々にそれぞれ対応する複数のデータ線駆動部103,103,・・・を含む。データ線駆動部103,103,・・・の各々は、フリップフロップ(FF)111と、ラッチ(Latch)112,113と、デジタル・アナログ変換部(DAC)114とを含む。フリップフロップ111は、コントローラ12からのクロック信号CLKに同期して前段からの取込開始信号STRを後段へ転送する。ラッチ112は、フリップフロップ111の出力に同期してコントローラ12からのデジタルデータ(画像データDD1または設定準備データDD2)を取り込む。ラッチ113は、コントローラ12からの出力指示信号LOADに同期してラッチ112に保持されたデジタルデータをデジタル・アナログ変換部114へ転送する。デジタル・アナログ変換部114は、ラッチ113からのデジタルデータのデジタル値に対応する電流値を有する駆動電流Iout1(または、Iout2)を出力する。駆動電流とデジタルデータは互いに比例関係にあり、デジタルデータのデジタル値が大きい程、駆動電流の電流値が大きくなる。このように、データ線駆動部103,103,・・・の各々は、先頭のデータ線駆動部103から順番に、自己に対応するデジタルデータ(画像データDD1または設定準備データDD2)を取り込み、コントローラ12による制御に応答して駆動電流を供給する。
【0028】
走査線駆動回路14は、表示パネル11に含まれる複数の画素部101,101,・・・を水平ライン毎に駆動させる。詳しくは、走査線駆動回路14は、1つの水平ラインに属する画素部101,101,・・・を選択し、設定準備期間および電流設定期間(すなわち、ラスタ周期期間)では選択した画素部101,101,・・・の動作モードを電流コピーモードに設定し、発光期間では選択した画素部101,101,・・・の動作モードを電流駆動モードに設定する。
【0029】
図3は、図1に示したコントローラ12の内部構成を示す。コントローラ12は、複数の画像データDD1,DD1,・・・を格納するRAM201と、電流駆動回路13および走査線駆動回路14の制御やコントローラ12内の各ブロックの制御を実行する制御部202と、変換モードおよび非変換モードとを有する変換部203とを含む。
【0030】
制御部202は、クロック信号CLK,電流駆動回路13にデータの取り込みを開始させる取込開始信号STR,電流駆動回路13に駆動電流の供給を開始させる出力指示信号LOADを出力する。また、制御部202は、変換部203の動作モードの設定や、RAM201から変換部203への画像データDD1の転送を実行する。
【0031】
変換部203は、変換モードに設定されると、RAM201から転送された画像データDD1に対応する設定準備データDD2を電流駆動回路13に供給し、非変換モードに設定されると画像データDD1をそのまま供給する。例えば、変換部203は、図2のような画像データDD1と設定準備データDD2との対応関係を示す変換テーブルTBL11を格納するレジスタを有しており、変換テーブルTBL11を用いて、設定準備データDD2のデジタル値を決定する。
【0032】
次に、図4A,図4Bを参照しつつ、図1に示した画素部101について説明する。画素部101は、有機ELのような電流駆動型の発光素子EEEと、駆動トランジスタTTTと、容量素子CCC(電圧保持部)と、スイッチSW1,SW2,SW3(接続状態切替部)とを含む。
【0033】
画素部101が電流コピーモードに設定されると、図4Aのように、スイッチSW1,SW2はオンなり、スイッチSW3はオフになる。これにより、駆動トランジスタTTTに電流が流れ始めるとともに、容量素子CCCが充放電される。駆動トランジスタTTTの電流値がデータ線102に供給された駆動電流の電流値と等しく(ほぼ等しく)なると、駆動トランジスタTTTのゲート電圧は、駆動電流に対応する電圧値になる。また、容量素子CCCは、駆動トランジスタTTTのゲート電圧を保持する。このようにして、データ線102に供給された駆動電流が画素部101に書き込まれる。
【0034】
画素部101が電流駆動モードになると、図4Bのように、スイッチSW1,SW2がオフになり、スイッチSW3がオンになる。これにより、容量素子CCCに保持された電圧に応じた電流が駆動トランジスタTTTから発光素子EEEに供給され、発光素子EEEが発光する。このように、画素部101は、自己に保持している駆動電流の電流値に応じて駆動する。
【0035】
次に、図5を参照しつつ、図1に示した表示装置による動作について説明する。
【0036】
〔ステップST101〕
まず、走査線駆動回路14は、表示パネル11のいずれかの水平ラインに属する画素部101,101,・・・を選択し、選択した画素部101,101,・・・の動作モードを電流コピーモードに設定する。
【0037】
〔ステップST102〕
次に、コントローラ12において、制御部202は、変換部203の動作モードを変換モードに設定する。また、制御部202は、RAM201から変換部203へ画像データDD1,DD1,・・・を1つずつ順番に転送させる。これにより、画像データDD1,DD1,・・・に対応する設定準備データDD2,DD2,・・・が1つずつ順番にコントローラ12から電流駆動回路13へ供給される。また、制御部202は、取込開始信号STRを出力する。これにより、電流駆動回路13において、データ線駆動部103,103,・・・の各々は、自己に対応する設定準備データDD2を取り込む。
【0038】
〔ステップST103〕
1水平ライン分の設定準備データDD2,DD2,・・・の供給が完了すると、制御部202は、出力指示信号LOADを出力する。これにより、電流駆動回路13において、データ線駆動部103,103,・・・の各々は、自己に保持している設定準備データDD2のデジタル値に対応する電流値を有する駆動電流Iout2を、自己に対応するデータ線102に供給し始める。このようにして、設定準備期間が経過するまで、駆動電流Iout2,Iout2,・・・がデータ線102,102,・・・に供給され続け、データ線駆動部103,103,・・・の各々の負荷容量(データ線102の寄生容量や、画素部101の容量成分等)が放電される。
【0039】
〔ステップST104〕
設定準備期間が経過すると、コントローラ12において、制御部202は、変換部203の動作モードを非変換モードに設定する。また、制御部202は、ステップST102において処理した画像データDD1,DD1,・・・を1つずつ順番にRAM201から変換部203へ再び転送させる。これにより、画像データDD1,DD1,・・・が1つずつ順番にコントローラ12から電流駆動回路13へ供給される。また、制御部202から取込開始信号STRが再び出力され、電流駆動回路13において、データ線駆動部103,103,・・・の各々は、自己に対応する画像データDD1を取り込む。
【0040】
〔ステップST105〕
1水平ライン分の画像データDD1,DD1,・・・の供給が完了すると、制御部202は、出力指示信号LOADを電流駆動回路13へ再び出力する。これにより、電流駆動回路13において、データ線駆動部103,103,・・・の各々は、自己に保持している画像データDD1のデジタル値に対応する電流値を有する駆動電流Iout1を、自己に対応するデータ線102に供給し始める。このようにして、電流設定期間が経過するまで、駆動電流Iout1,Iout1,・・・がデータ線102,102,・・・に供給され続け、画素部101,101,・・・に駆動電流Iout1,Iout1,・・・が書き込まれる。
【0041】
〔ステップST106〕
電流設定期間が経過すると、走査線駆動回路14は、画素部101の動作モードを電流コピーモードから電流駆動モードに変更する。これにより、表示パネル11の画素部101,101,・・・の各々では、容量素子CCCに保持された電圧に応じた電流が発光素子EEEに供給され、発光素子EEEが発光する。また、走査線駆動回路14は、次に処理すべき水平ラインに属する画素部101,101,・・・を新たに選択する。
【0042】
このようにして、1水平ライン毎に上記の処理が実行され、画像データDD1に対応する駆動電流Iout1が画素部101,101,・・・に順次書き込まれていく。
【0043】
次に、図6A,図6Bを参照しつつ、表示パネル11の1つの画素部101における電圧変化および電流変化について説明する。
【0044】
画像データDD1のデジタル値が小さい程、画像データDD1に対応する駆動電流Iout1の電流値も小さくなる。そのため、図6A,図6Bにおいて破線で示すように、画像データDD1に対応する駆動電流Iout1のみを画素部101へ供給し続けても、画素部101の電圧値(容量素子CCCの電圧値)を目標電圧値Vout1(駆動トランジスタTTTの電流値が駆動電流Iout1の電流値であるときの駆動トランジスタTTTのゲート電圧値)に到達させることができず、ラスタ周期期間内に画素部101の電流値(駆動トランジスタTTTの電流値)を駆動電流Iout1の電流値と等しくすることができない。
【0045】
例えば、
ラスタ周期期間:50μs
画像データDD1に対応する駆動電流Iout1:10nA
放電開始時の画素部101の電圧値と目標電圧値Vout1との差:3v
電流駆動回路13の負荷容量の容量値:50pF
であるとすると、画素部101の電圧値が目標電圧値Vout1に到達するまでの時間(収束時間)は、
(50pF×3v)/10nA = 150ms
になり、ラスタ周期期間(50μs)よりも長くなってしまう。
【0046】
一方、本実施形態では、設定準備期間P1が開始すると、設定準備データDD2に対応する駆動電流Iout2によって電流駆動回路13(データ線駆動部103)の負荷容量が放電され始める。すなわち、図6A,図6Bの実線で示すように、画素部101では、駆動トランジスタTTTのゲート電圧値が急激に降下するとともに、駆動トランジスタTTTの電流値が急激に増加する。その結果、設定準備期間P1において画素部101が電圧量Vdだけ放電される。次に、電流設定期間P2が開始すると、画像データDD1に対応する駆動電流Iout1がデータ線102を介して画素部101に供給される。このとき、画素部101の電圧値は十分に低下しているので、駆動電流Iout1の電流値が小さくても、電流設定期間P2内に画素部101の電圧値を目標電圧値Vout1に到達させることができ、画素部101の電流値を駆動電流Iout1の電流値と等しくすることができる。
【0047】
例えば、
ラスタ周期期間:50μs
設定準備期間:7.49μs
電流設定期間:42.51μs
画像データDD2に対応する駆動電流Iout2:20μA
画像データDD1に対応する駆動電流Iout1:10nA
放電開始時の画素部101の電圧値と目標電圧値Vout1との差:3v
電流駆動回路の負荷容量の容量値:50pF
であるとすると、設定準備期間P1における画素部101の放電量Vdは、
(20μA×7.49μs)/50pF = 2.996v
になる。すなわち、電流設定期間P2において画素部101を0.004vだけ放電すれば、画素部101の電圧値を目標電圧値Vout1に到達させることができる。ここで、電流設定期間P2において、画素部101が電圧値を目標電圧値Vout1に到達するまでに要する時間(収束時間)は、
(50pF×0.004v)/10nA = 20μs
になり、電流設定期間P2の途中で画素部101の電圧値を目標電圧値Vout1に収束させることができる。すなわち、ラスタ周期期間内に画素部101に対する駆動電流Iout1の書き込みを完了させることができる。
【0048】
次に、画像データDD1と設定準備データDD2との対応関係について詳しく述べる。電流駆動回路13において、画像データDD1(設定準備データDD2)と駆動電流Iout1(Iout2)は互いに比例関係にある。すなわち、画像データDD1のデジタル値を決定すれば、駆動電流Iout1の電流値が分かる。さらに、駆動電流Iout1の電流値と電流設定期間P2の長さに基づいて、電流設定期間P2における画素部101の放電量を算出することができる。また、電流設定期間P2における放電量が分かれば、ラスタ周期期間内に画素部101の電圧を目標電圧値Vout1に収束させるために設定準備期間P1において必要とされる放電量Vdを求めることができ、放電量Vdと設定準備期間P1の長さとに基づいて、設定準備期間P1において供給すべき駆動電流の電流値(すなわち、駆動電流Iout2の電流値)を算出することができる。また、駆動電流Iout2の電流値が分かれば、設定準備データDD2のデジタル値を決定することができる。このようにして、画像データDD1に対応する設定準備データDD2を取得することができる。
【0049】
以上のように、画像データDD1のデジタル値に応じて設定準備データDD2のデジタル値を増減することによって、設定準備期間P1における放電量Vdを調整することができる。これにより、画像データDD1に対応する駆動電流Iout1の電流値が小さい場合でも、電流駆動回路13の負荷容量を十分に放電することができる。
【0050】
また、電流量を調整するための回路を電流駆動回路13に追加する必要がないので、電流駆動回路の回路規模を増大させることなく、所定期間内に画像データDD1に対応する駆動電流の書き込みを完了させることができる。
【0051】
さらに、変換テーブルTBL11に示された対応関係を書き換えれば、設定準備期間中に供給される駆動電流Iout2の電流値を変更できるので、電流駆動回路13の特性や表示パネル11の特性に応じて駆動電流Iout2の電流値を容易に設定することができる。このように、コントローラ12は汎用性が高いので、様々な電流駆動回路や表示パネルに適用することができる。
【0052】
(実施形態1の変形例1)
また、図7のように、画像データDD1のデジタル値が十分に大きい場合、画像データDD1に対応する駆動電流Iout1の電流値も十分に大きいので、駆動電流Iout1のみを画素部101へ供給し続けることにより、ラスタ周期期間内に画素部101の電圧値を目標電圧値Vout1に収束させることが可能である。すなわち、画像データDD1のデジタル値が十分に大きい場合、画像データDD1を設定準備データDD2に変換せずにそのまま供給しても良い。また、このような画像データDD1のデジタル値のうち最小値を「Dth」とすると、図8のように、画像データDD1のデジタル値のうち所定値Dth以上のデジタル値については、設定準備データDD2のデジタル値を対応付けなくても良いことになる。ここでは、設定準備データDD2のデジタル値は、画像データDD1のデジタル値よりも大きい。
【0053】
ここで、図9を参照しつつ、画像データDD1から設定準備データDD2への変換処理(図5に示したステップST102の処理)の変形例1について説明する。
【0054】
まず、変換部203は、RAM201から画像データDD1を取得する(ステップST111)。次に、変換部203は、画像データDD1のデジタル値が所定値Dthよりも小さいかを判定する(ステップST112)。画像データDD1のデジタル値が所定値Dthよりも小さい場合、変換部203は、変換テーブルTBL12(図8参照)を用いて画像データDD1に対応する設定準備データDD2を生成し、設定準備データDD2を電流駆動回路13に供給する(ステップST113)。一方、画像データDD1のデジタル値が所定値Dthよりも大きいまたは等しい場合、変換部203は、画像データDD1を設定準備データDD2として供給する(ステップST114)。1水平ライン分の画像データDD1が処理されるまで、上述の処理が繰り返し実行される(ステップST115)。以上のように制御した場合も、上述のような効果を得ることができる。
【0055】
(実施形態1の変形例2)
また、外部からの制御等によって、設定準備期間P1の長さを任意に設定できるように構成しても良い。さらに、画像データDD1を設定準備データDD2へ変換する際に、画像データDD1のデジタル値,設定準備期間P1の長さ,電流駆動回路13の負荷容量(駆動電流が伝達されるデータ線102の寄生容量や、画素部101が有する容量成分等))に基づいて設定準備データDD2のデジタル値を決定することも可能である。
【0056】
ここで、図10を参照しつつ、図5に示したステップST102の処理の変形例2について説明する。ここでは、変換部203は、変換テーブルTBL13,TBL14と、変換式F1とを有する。
【0057】
変換テーブルTBL13には、画像データDD1と設定準備期間P1における画素部101の放電量Vdとの対応関係が示されており、画像データDD1のデジタル値が小さい程、放電量Vdが大きくなる。なお、放電量Vdの最小値Vdminは「0v」であっても良い。変換式F1において、「I」は、設定準備データDD2に対応する駆動電流Iout2の所望値を示し、「C」は、電流駆動回路13の負荷容量の容量値を示し、「T1」は、設定準備期間P1の長さを示す。変換テーブルTBL14には、駆動電流Iout2の所望値Iと設定準備データDD2との対応関係が示されており、所望値Iと設定準備データDD2のデジタル値とは互いに比例関係にある。
【0058】
まず、外部からの制御によって、電流駆動回路13の負荷容量の容量値C、設定準備期間の長さT1が設定される。次に、変換部203は、変換テーブルTBL13を用いて画像データDD1のデジタル値に対応する放電量Vdを取得した後、放電量Vd,容量値C,電流設定期間の長さT1を変換式F1に代入して駆動電流Iout2の所望値Iを算出する。次に、変換部203は、変換テーブルTBL14を用いて駆動電流Iout2の所望値Iに対応する設定準備データDD2のデジタル値を決定する。
【0059】
以上のように、電流駆動回路13や表示パネル11に関する種々のパラメータに基づいて設定準備データDD2のデジタル値を決定することにより、設定準備期間P1における放電量Vdを適切に設定することができる。これにより、画像データDD1に対応する駆動電流Iout1を画素部101に正確に書き込むことができる。
【0060】
(実施形態2)
図11は、この発明の実施形態2による表示装置の構成を示す。この表示装置は、図1に示した構成に加えて、電圧供給部21と、接続切替部22とを備える。電圧供給部21は、データ線102の電圧値を初期化するための初期化電圧V21を供給する。接続切替部22は、コントローラ12(制御部202)による制御に応答して、電圧供給部21とデータ線102,102,・・・の各々とを接続または非接続にする。なお、ここでは、初期化電圧V21は、画素部101の駆動トランジスタTTTの閾値電圧にほぼ等しいものとする。また、ここでは、ラスタ周期期間は、初期化期間,設定準備期間,および電流設定期間に分割され、初期化期間では、コントローラ12は、電圧供給部21とデータ線102,102,・・・とが接続されるように接続切替部22を制御する。
【0061】
次に、図12を参照しつつ、図11に示した表示装置による動作について説明する。この表示装置では、ステップST101とステップST102との間においてステップST201の処理が実行される。
【0062】
〔ステップST201〕
コントローラ12は、接続切替部22に電圧供給部21とデータ線102,102,・・・と接続させる。これにより、電圧供給部21からの初期化電圧V21がデータ線102,102,・・・の各々に印加され、データ線102,102,・・・および画素部101,101,・・・(電流コピーモードに設定された画素部)の電圧は、初期化電圧V21と等しくなる。次に、初期化期間P0が経過すると、ステップST102の処理が実行される。
【0063】
次に、図13を参照しつつ、表示パネル11の1つの画素部101における電圧変化について説明する。
【0064】
表示パネル11の水平ラインを1ラインずつ順番に駆動させた場合、データ線102の電圧値は、1ライン前に供給された駆動電流に対応する電圧値(すなわち、1ライン前の画像データに対応する目標電圧値)になっている可能性が高い。そのため、データ線102を初期化せずに駆動電流の供給を開始すると、データ線102の放電量が過剰になったり不足したりするおそれがある。一方、本実施形態では、初期化期間P0においてデータ線102に初期化電圧V21を印加することにより、図13のように、データ線102および画素部101の電圧値が初期化電圧の電圧値Viniに設定される。このように、データ線102および画素部101の電圧値を予め定められた初期値に設定することにより、設定準備期間P1においてデータ線102および画素部101を過不足なく放電することができる。
【0065】
以上のように、データ線102の電圧を初期化することにより、電流駆動回路13の負荷容量における残存電圧を除去することができる。これにより、設定準備期間P1において電流駆動回路13の負荷容量を適切に放電させることができ、電流設定期間P2において画像データDD1に対応する駆動電流Iout1を画素部101に正確に書き込むことができる。
【0066】
(実施形態2の変形例)
なお、外部からの制御等によって、設定準備期間P1の長さや初期化電圧の電圧値Viniを任意に設定できるように構成しても良い。また、画像データDD1から設定準備データDD2への変換処理(図12に示したステップST102の処理)において、画像データDD1のデジタル値,電流駆動回路13の負荷容量の容量値C,設定準備期間の長さT1,初期化電圧V21の電圧値に基づいて、設定準備データDD2のデジタル値を決定しても良い。
【0067】
ここで、図14を参照しつつ、図12に示したステップST102の処理の変形例について説明する。ここでは、変換部203は、変換テーブルTBL21,TBL14と、変換式F2とを有する。変換テーブルTBL21には、画像データDD1と設定準備期間P1における目標電圧値V1(設定準備期間P1の終了時における画素部101の所望電圧値)との対応関係が示されており、画像データDD1のデジタル値が小さい程、目標電圧値V1が大きくなる。なお、目標電圧値V1の最小値Vminは「0v」であっても良い。
【0068】
まず、外部からの制御によって、電流駆動回路の負荷容量の容量値C、設定準備期間の長さT1,初期化電圧の電圧値Viniが設定される。次に、変換部203は、変換テーブルTBL21を用いて画像データDD1のデジタル値に対応する目標電圧値V1を取得した後、目標電圧値V1,容量値C,電流設定期間の長さT1を変換式F2に代入して駆動電流Iout2の所望値Iを算出する。次に、変換部203は、変換テーブルTBL14を用いて駆動電流Iout2の所望値Iに対応する設定準備データDD2のデジタル値を決定する。
【0069】
以上のように、電流駆動回路13や表示パネル11に関する種々のパラメータに基づいて設定準備データDD2のデジタル値を決定することにより、設定準備期間P1における放電量を適切に設定することができ、画像データDD1に対応する駆動電流Iout1を画素部101に正確に書き込むことができる。
【0070】
(実施形態3)
この発明の実施形態3による表示装置は、図11に示したコントローラ12に代えて、図15に示すコントローラ32を備える。その他の構成は、図11と同様である。コントローラ32では、制御部202は、画像データDD1と、画像データDD1に対応する1ライン前の画像データDD3とを変換部203に転送する。1ライン前の画像データDD3は、1つ前の水平ラインに対応する画像データのうち今回の画像データDD1と同一のデータ線102に対応する画像データである。変換部203は、変換モードのときには、画像データDD1と画像データDD3との大小関係を比較し、比較結果に応じて、設定準備データDD2の生成および接続切替部22の制御を実行する。また、変換部203は、画像データDD1に基づく設定準備データDD2の生成に加えて、画像データDD1とDD3との差分値に基づいて設定準備データDD2を生成する。例えば、変換部203は、図16のような変換テーブルTBL31を用いて、設定準備データDD2のデジタル値を決定する。変換テーブルTBL31では、画像データDD1と画像データDD3との差分値(DD1−DD3)が大きい程、設定準備データDD2のデジタル値が大きくなる。
【0071】
次に、図17を参照しつつ、実施形態3による表示装置の動作について説明する。この表示装置では、図5に示したステップST102に代えて、以下の処理が実行される。その他の処理は、図5と同様である。
【0072】
〔ステップST301〕
コントローラ32において、制御部202は、変換部203の動作モードを変換モードに設定する。また、制御部202は、RAM201から変換部203へ画像データDD1とその画像データDD1に対応する前ラインの画像データDD3とを転送させる。
【0073】
〔ステップST302〕
次に、変換部203は、画像データDD1と画像データDD3との大小関係を判定する。画像データDD1のデジタル値が画像データDD3のデジタル値よりも大きいまたは等しい場合には、ステップST303へ進む。そうでない場合には、ステップST305へ進む。
【0074】
〔ステップST303〕
次に、変換部203は、画像データDD1とDD3との差分値に基づいて、設定準備データDD2を生成し、設定準備データDD2を電流駆動回路13へ供給する。電流駆動回路13において、設定準備データDD2は、その設定準備データDD2に対応するデータ線駆動部103によって取り込まれる。
【0075】
〔ステップST304〕
次に、1水平ライン分の画像データDD1が処理された場合には、ステップST103へ進み、そうでない場合には、ステップST301へ進む。
【0076】
〔ステップST305〕
一方、ステップST302において画像データDD1が画像データDD3よりも小さいと判定すると、変換部203は、接続切替部22にその画像データDD1に対応するデータ線102と電圧供給部21とを接続させる。これにより、電圧供給部21からの初期化電圧V21がそのデータ線102に伝達され、そのデータ線102に対応する画素部101(電流コピーモードに設定された画素部)に印加される。また、変換部203は、画像データDD1に基づいて設定準備データDD2を生成し、設定準備データDD2を電流駆動回路13へ供給する。次に、ステップST304へ進む。
【0077】
次に、図18A,図18Bを参照しつつ、表示パネル11の1つのデータ線102における電圧変化について説明する。
【0078】
画像データDD1が画像データDD3よりも大きい場合、図18Aのように、画像データDD1に対応する目標電圧値Vout1は、1ライン前の画像データDD3に対応する目標電圧値Vout3(すなわち、処理開始前におけるデータ線102の電圧値)よりも低い。この場合、初期化期間P0では、データ線102には初期化電圧V21が印加されないので、データ線102および画素部101の電圧は、目標電圧値Vout3のままである。次に、設定準備期間P1が開始すると、画像データDD1と画像データDD3との差分値に対応する駆動電流Iout2が供給されてデータ線102および画素部101が放電される。また、画像データDD1と画像データDD3との差分値が小さい程、設定準備期間P1における放電量が少なくなる。
【0079】
一方、画像データDD1が画像データDD3よりも小さい場合、図18Bのように、目標電圧値Vout1は、データ線102の電圧値(目標電圧値Vout3)よりも高い。初期化期間P0において、データ線102に初期化電圧V21が印加され、データ線102および画素部101の電圧値は、初期化電圧の電圧値Viniになる。次に、実施形態2と同様に、駆動電流Iout2が供給されてデータ線102および画素部101が放電される。
【0080】
以上のように、今回の画像データDD1と1ライン前の画像データDD3との差分値に基づいて駆動電流Iout2の電圧値を決定することにより、設定準備期間P1における放電量を適切に設定することができる。また、今回の画像データDD1と1ライン前の画像データDD3との大小関係に基づいて初期化の要否を判定することにより、電流駆動回路13の負荷容量の電圧値を不要に初期化することを防止することができる。これにより、電流駆動回路13の消費電力を低減することができる。
【0081】
(実施形態3の変形例)
なお、画像データDD1とDD3との差分値に基づいて設定準備データDD2を生成する処理(図17に示したステップST303の処理)において、画像データDD1のデジタル値,画像データDD3のデジタル値,電流駆動回路13の負荷容量の容量値C,および設定準備期間の長さT1に基づいて、設定準備データDD2のデジタル値を決定しても良い。
【0082】
ここで、図19を参照しつつ、図17に示したステップST303の処理の変形例について説明する。ここでは、変換部203は、変換テーブルTBL32,TBL14と、変換式F3とを有する。変換テーブルTBL32には、画像データDD1(DD3)と設定準備期間P1における画素部101の目標電圧値V1(V3)との対応関係が示されており、画像データDD1(DD3)のデジタル値が小さい程、目標電圧値V1(V3)が大きくなる。
【0083】
まず、外部からの制御によって、電流駆動回路13の負荷容量の容量値C、設定準備期間P1の長さT1が設定される。次に、変換部203は、変換テーブルTBL32を用いて画像データDD1に対応する目標電圧値V1と画像データDD3に対応する目標電圧値V3とを取得した後、目標電圧値V1,V3,容量値C,設定準備期間の長さT1を変換式F3に代入して駆動電流Iout2の所望値Iを算出する。次に、変換部203は、変換テーブルTBL14を用いて駆動電流Iout2の所望値Iに対応する設定準備データDD2のデジタル値を決定する。
【0084】
以上のように、電流駆動回路13や表示パネル11等に関する種々のパラメータに基づいて設定準備データDD2のデジタル値を決定することにより、設定準備期間P1における放電量を適切に設定することができ、画像データDD1に対応する駆動電流Iout1を画素部101に正確に書き込むことができる。
【0085】
(その他の実施形態)
以上の各実施形態において、画素部101の電圧値は、1フレーム前に供給された駆動電流に対応する電圧値(すなわち、1フレーム前の画像データに対応する目標電圧値)になっている可能性が高いので、画素部101の放電量が過剰になったり不足したりするおそれがある。そこで、データ線102,102,・・・の各々に駆動電流が供給される前に、以下のように、コントローラ12が、走査線駆動回路14に画素部101,101,・・・の各々を制御させても良い。ここで、画素部101,101,・・・の各々は、電流コピーモード,電流駆動モードに加えて、初期化モードを有する。画素部101が初期化モードに設定されると、図20のように、スイッチSW1がオンになり、スイッチSW2,SW3がオフになる。これにより、駆動トランジスタTTTのゲートとドレインとが接続され、駆動トランジスタTTTのゲート電圧が変動する。これにより、容量素子CCCの電圧は、駆動トランジスタTTTの閾値電圧と等しくなる。走査線駆動回路14は、ステップST102の処理が開始される前に、表示パネル11の画素部101,101,・・・を初期化モードに設定する。次に、所定期間(例えば、初期化モードに設定されてから駆動トランジスタTTTのゲート電圧が安定するまでの期間)の経過後、走査線駆動回路14は、画素部101,101,・・・を電流コピーモードに設定し、ステップST102の処理が実行される。
【0086】
以上のように、画素部101,101,・・・の各々において駆動トランジスタTTTに固有の閾値電圧を容量素子CCCに保持させることができるので、駆動トランジスタTTTのトランジスタ特性に応じて画素部101,101,・・・の各々の電圧を適切に初期化することができる。すなわち、画素部101,101,・・・の各々の残存電圧を除去することができ、画素部101,101,・・・の各々を適切に放電することができる。例えば、画素部101,101,・・・間において駆動トランジスタTTTのトランジスタ特性がばらついていたとしても、画素部101,101,・・・を個別に初期化する必要がなくなる。さらに、画素部101,101,・・・の各々を初期化モードに設定する前に、画素部101,101,・・・の各々を電流コピーモードに設定するとともにデータ線102,102,・・・に初期化電圧V21を印加すれば、画素部101,101,・・・の各々において、容量素子CCCの電圧が駆動トランジスタTTTの閾値電圧に収束するまでの時間を短縮することが可能である。
【0087】
なお、以上の各実施形態では、設定準備期間において画素部101の電圧値が目標電圧値Vout1の近傍になるように制御されているが、図21のように、設定準備期間P1内に画素部101の電圧値が目標電圧値Vout1に到達するように制御しても良い。この場合、駆動電流Iout1の電流値と電流設定期間P2の長さとに基づいて電流設定期間P2における充電量を算出し、算出された充電量に基づいて放電量Vdを求め、設定準備データDD2のデジタル値を決定すれば良い。
【0088】
また、変換テーブルTBL11,TBL12,TBL13,TBL21,TBL31,TBL32の各々における対応関係は、線形的であっても良いし、非線形的であっても良い。また、各変換テーブルを関数で表現し、変換部203が、その関数を用いて演算処理を実行し、設定準備データDD2を取得するように構成しても良い。例えば、図10の変換テーブルTBL14は、駆動電流Iout2の所望値を「I」,駆動電流Iout2の最大値を「Imax」,設定準備データDD2の最大値を「Dmax」とすると、
設定準備データDD2のデジタル値 =(Imax / I)×Dmax
と、表現することが可能である。また、表示パネル11のサイズや表示パネル11の製造プロセス等に基づいて各パラメータを設定しても良い。さらに、設定準備データDD2を決定するためのパラメータは、上記の変換テーブル等に示されたものに限らず、電流駆動回路13の出力性能(駆動電流の最大値)やコントローラ12と電流駆動回路13との間の配線遅延等を利用しても良い。
【0089】
また、コントローラ12と電流駆動回路13とを同一の集積回路上に構成しても良い。すなわち、コントローラ12と電流駆動回路13とを一体となって表示パネル駆動装置蔵置として構成されていても良い。さらに、コントローラ12および電流駆動回路13が表示パネル11の額縁部(表示画面の周縁部分)に埋設されていても良い。すなわち、コントローラ12,電流駆動回路13,および表示パネルが一体となって表示装置として構成されていても良い。このように構成することにより、各回路を接続するための接続パッドが不要となり、実装面積を低減することができる。また、各回路間の配線長を短縮することができる。
【0090】
以上の各実施形態において、コントローラ12,32に含まれる機能ブロックの各々は、通常、MPUやメモリ等によって実現可能である。また、機能ブロックの各々による処理は、通常、ソフトウェア(プログラム)によって実現することができ、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。そして、このようなソフトウェアをソフトウェアダウンロード等により配布しても良いし、CD−ROMなどの記録媒体に記録して配布しても良い。なお、各機能ブロックデータをハードウェア(専用回路)によって実現することも、当然、可能である。
【0091】
なお、以上の説明では、電流吐き出し型の電流駆動回路を例に挙げているが、電流引き込み型の電流駆動回路であっても同様に制御することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0092】
以上説明したように、この発明は、電流駆動回路の回路規模を増大させることなく所定期間内に駆動電流の書き込みを完了させることができるので、電流駆動型の表示装置やプリンタドライバ等に適用される。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】この発明の実施形態1による表示装置の構成を示す図。
【図2】画像データと設定準備データとの対応関係を示す図。
【図3】図1に示したコントローラの構成を示す図。
【図4】図1に示した画素部について説明するための図。
【図5】図1に示した表示装置の動作について説明するためのフローチャート。
【図6】(A)図1に示した画素部における電圧変化について説明するための図。(B)図1に示した画素部における電流変化について説明するための図。
【図7】画像データのデジタル値が十分に大きい場合の画素部の電圧変化を示す図。
【図8】データ変換テーブルの別の例を示す図。
【図9】実施形態1の変形例1における設定準備データの生成手順について説明するためのフローチャート。
【図10】実施形態1の変形例2における設定準備データの生成手順について説明するための図。
【図11】この発明の実施形態2による表示装置の構成を示す図。
【図12】図9に示した表示装置の動作について説明するためのフローチャート。
【図13】図9に示した画素部における電圧変化について説明するための図。
【図14】実施形態2の変形例における設定準備データの生成手順について説明するための図。
【図15】この発明の実施形態3におけるコントローラの構成を示す図。
【図16】図13に示した変換部に格納されるデータ変換テーブルの一例を示す図。
【図17】実施形態3による表示装置の動作について説明するためのフローチャート。
【図18】(A)今回の画像データが前回の画像データよりも大きい場合の画素部の電圧変化について説明するための図。(B)今回の画像データが前回の画像データよりも小さい場合の画素部の電圧変化について説明するための図。
【図19】実施形態3の変形例における設定準備データの生成手順について説明するための図。
【図20】画素部の初期化制御について説明するための図。
【図21】設定準備期間において画素部を過剰に放電させる場合の制御方法について説明するための図。
【符号の説明】
【0094】
11 表示パネル
12 コントローラ
13 電流駆動回路
14 走査線駆動回路
101 画素部
102 データ線
103 データ線駆動部
111 フリップフロップ
112 ラッチ
113 ラッチ
114 デジタル・アナログ変換部
201 RAM
202 制御部
203 変換部
TTT 駆動トランジスタ
CCC 容量素子
EEE 発光素子
SW1,SW2,SW3 スイッチ
21 電圧供給部
22 接続切替部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタルデータのデジタル値に対応する電流値を有する駆動電流を電流駆動型の駆動対象回路に供給する電流駆動回路を制御する方法であって、
本来供給すべき第1デジタルデータに代えて第2デジタルデータを前記電流駆動回路に供給し、第1の期間中、前記電流駆動回路に前記第2デジタルデータに対応する駆動電流を供給させるステップ(a)と、
前記ステップ(a)の後に、前記第1デジタルデータを前記電流駆動回路に供給し、第2の期間中、前記電流駆動回路に前記第1デジタルデータに対応する駆動電流を供給させるステップ(b)とを備え、
前記ステップ(a)では、前記第1および第2の期間の各々における前記駆動電流の供給によって前記駆動対象回路に対する前記第1デジタルデータに対応する駆動電流の書き込みが完了するように、前記第1デジタルデータのデジタル値に基づいて前記第2デジタルデータのデジタル値を決定する
ことを特徴とする駆動制御方法。
【請求項2】
請求項1において、
前記ステップ(a)では、前記第1デジタルデータのデジタル値が小さい程、前記第2デジタルデータのデジタル値が大きくなるように、前記第2デジタルデータのデジタル値を決定する
ことを特徴とする駆動制御方法。
【請求項3】
請求項1において、
前記ステップ(a)では、前記第1デジタルデータのデジタル値が所定値よりも小さい場合には前記第2デジタルデータのデジタル値が前記第1デジタルデータのデジタル値よりも大きくなるように、前記第2デジタルデータのデジタル値を決定し、前記第1デジタルデータのデジタル値が所定値よりも大きいまたは等しい場合には前記第1デジタルデータを前記第2デジタルデータとして供給する
ことを特徴とする駆動制御方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項において、
前記ステップ(a)において前記電流駆動回路に前記駆動電流を供給させる前に、前記駆動対象回路の電圧値を初期化するステップ(c)をさらに備える
ことを特徴とする駆動制御方法。
【請求項5】
請求項1において、
前記ステップ(a)は、
前記第1デジタルデータと前記電流駆動回路に対して以前に供給したデジタルデータである第3デジタルデータとの大小関係を判定するステップ(a1)と、
前記ステップ(a1)において前記第1デジタルデータが前記第3デジタルデータよりも大きいまたは等しい判定されると、前記第1デジタルデータと第3デジタルデータとの差分値が大きい程、前記第2デジタルデータのデジタル値が大きくなるように、前記第2デジタルデータのデジタル値を決定するステップ(a2)と、
前記ステップ(a1)において前記第1デジタルデータが前記第3デジタルデータよりも小さいと判定されると、前記駆動対象回路の電圧値を初期化し、且つ、前記第1デジタルデータのデジタル値が小さい程、前記第2デジタルデータのデジタル値が大きくなるように、前記第2デジタルデータのデジタル値を決定するステップ(a3)とを含む
ことを特徴とする駆動制御方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項において、
前記駆動対象回路は、電流駆動型の駆動素子と、前記駆動素子に電流を供給するための駆動トランジスタと、前記駆動トランジスタのゲート電圧を保持するために前記駆動トランジスタのゲートに接続された電圧保持部とを含み、
前記駆動制御方法は、
前記ステップ(a)において前記電流駆動回路に前記駆動電流を供給させる前に、前記駆動トランジスタのゲートとドレインとを接続することにより、前記駆動トランジスタに電流が流れていないときの駆動トランジスタのゲート電圧を前記電圧保持部に保持させるステップ(d)と、
前記第1および第2の期間中、前記駆動トランジスタと前記電流駆動回路とを接続することにより、前記電流駆動回路から供給された駆動電流を前記駆動トランジスタに与え、前記駆動トランジスタの電流値に応じたゲート電圧を前記電圧保持部に保持させるステップ(e)と、
前記第2の期間の経過後、前記駆動トランジスタと前記駆動素子とを接続することにより、前記電圧保持部に保持されたゲート電圧に応じた電流を前記駆動素子に供給するステップ(f)とを備える
ことを特徴とする駆動制御方法。
【請求項7】
デジタルデータのデジタル値に対応する電流値を有する駆動電流を電流駆動型の駆動対象回路に供給する電流駆動回路を制御する装置であって、
第1の期間において、本来供給すべき第1デジタルデータに代えて第2デジタルデータを前記電流駆動回路に供給し、前記第1の期間よりも後の第2の期間において、前記第1デジタルデータを前記電流駆動回路に供給する変換部と、
前記第1の期間において、前記電流駆動回路に前記変換部からの第2デジタルデータを取り込ませて前記電流駆動回路に前記第2デジタルデータに対応する駆動電流を供給させ、前記第2の期間において、前記電流駆動回路に前記変換部からの第1デジタルデータを取り込ませて前記電流駆動回路に前記第1デジタルデータに対応する駆動電流を供給させる制御部とを備え、
前記変換部は、前記第1および第2の期間の各々における駆動電流の供給によって前記駆動対象回路に対する前記第1デジタルデータに対応する駆動電流の書き込みが完了するように、前記第1デジタルデータのデジタル値に基づいて前記第2デジタルデータのデジタル値を決定する
ことを特徴とする駆動制御装置。
【請求項8】
請求項7において、
前記変換部は、前記第1デジタルデータのデジタル値が小さい程、前記第2デジタルデータのデジタル値が大きくなるように、前記第2デジタルデータのデジタル値を決定する
ことを特徴とする駆動制御装置。
【請求項9】
請求項7において、
前記変換部は、前記第1デジタルデータのデジタル値が所定値よりも小さい場合には前記第2デジタルデータのデジタル値が前記第1デジタルデータのデジタル値よりも大きくなるように、前記第2デジタルデータのデジタル値を決定し、前記第1デジタルデータのデジタル値が所定値よりも大きいまたは等しい場合には前記第1デジタルデータを前記第2デジタルデータとして供給する
ことを特徴とする駆動制御装置。
【請求項10】
請求項7〜9のいずれか1項において、
前記駆動対象回路の電圧値を初期化するための電圧初期化部をさらに備え、
前記制御部は、前記電流駆動回路に前記駆動電流を供給させる前に、前記電圧初期化部に前記駆動対象回路の電圧値を初期化させる
ことを特徴とする駆動制御装置。
【請求項11】
請求項7において、
前記駆動対象回路の電圧を初期化するための電圧初期化部をさらに備え、
前記変換部は、
前記第1デジタルデータが前記電流駆動回路に対して以前に供給したデジタルデータである前記第3デジタルデータよりも大きいまたは等しい場合には、前記第1デジタルデータと前記第3デジタルデータとの差分値が大きい程、前記第2デジタルデータのデジタル値が大きくなるように、前記第2デジタルデータのデジタル値を決定し、
前記第1デジタルデータが前記第3デジタルデータよりも小さい場合には、前記電圧初期化部に前記駆動対象回路の電圧を初期化させ、且つ、前記第1デジタルデータのデジタル値が小さい程、前記第2デジタルデータのデジタル値が大きくなるように、前記第2デジタルデータのデジタル値を決定する
ことを特徴とする駆動制御装置。
【請求項12】
請求項7〜11のいずれか1項において、
前記駆動対象回路は、電流駆動型の駆動素子と、前記駆動素子に電流を供給するための駆動トランジスタと、前記駆動トランジスタのゲート電圧を保持するために前記駆動トランジスタのゲートに接続された電圧保持部と、前記駆動トランジスタの接続状態を切り替える接続状態切替部とを含み、
前記制御部は、
前記電流駆動回路に前記駆動電流を供給させる前に、前記接続状態切替部に前記駆動トランジスタのゲートとドレインとを接続させることにより、前記駆動トランジスタに電流が流れていないときの駆動トランジスタのゲート電圧を前記電圧保持部に保持させ、
前記第1および第2の期間中、前記接続状態切替部に前記駆動トランジスタと前記電流駆動回路とを接続させることによって、前記電流駆動回路から供給された駆動電流を前記駆動トランジスタに与え、前記駆動トランジスタの電流値に応じたゲート電圧を前記電圧保持部に保持させ、
前記第2の期間の経過後、前記接続状態切替部に前記駆動トランジスタと前記駆動素子とを接続させることによって、前記電圧保持部に保持された電圧に応じた電流を前記駆動素子に供給する
ことを特徴とする駆動制御装置。
【請求項13】
画像データのデジタル値に対応する電流値を有する駆動電流を電流駆動型の表示パネルに含まれる画素部に供給する電流駆動回路と、
設定準備期間において本来供給すべき画像データに代えて設定準備データを前記電流駆動回路に供給して、前記電流駆動回路に前記設定準備データに対応する駆動電流を供給させ、前記設定準備期間よりも後の電流設定期間において前記画像データを前記電流駆動回路に供給して、前記電流駆動回路に前記画像データに対応する駆動電流を供給させる回路であり、前記設定準備期間および前記電流設定期間の各々における駆動電流の供給によって前記画素部に対する前記画像データに対応する駆動電流の書き込みが完了するように、前記画像データのデジタル値に基づいて前記設定準備データのデジタル値を決定する駆動制御回路とを備える
ことを特徴とする表示パネル駆動装置。
【請求項14】
請求項13に記載の表示パネル駆動装置と、
前記表示パネル駆動装置が埋設された表示パネルとを備える
ことを特徴とする表示装置。
【請求項15】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の駆動制御方法をコンピュータに実行させる
ことを特徴とする駆動制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2008−90282(P2008−90282A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−205718(P2007−205718)
【出願日】平成19年8月7日(2007.8.7)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】