電源システム
【課題】電源システムにおいて、電力損失を抑えて、消費電力を少なくする。
【解決手段】電源システム1は、所定の電圧Vinの直流電源2が接続される入力部4と、複数の外部装置3A〜3Dが接続される接続部5と、複数の外部装置3A〜3Dに電力を供給するための複数の定電圧電源61〜63とを備える。定電圧電源61〜63は、入力部4の入力端子4a、4b間に直列接続されている。接続部5は、各外部装置3A〜3Dを定電圧電源61〜63のいずれに接続するかを選択可能に構成されている。定電圧電源61〜63が直列に接続されているので、定電圧電源61で利用された電流は、定電圧電源62で再利用され、また、定電圧電源62で利用された電流は、定電圧電源63で再利用される。これにより、電力損失を抑えて、消費電力を少なくすることができる。
【解決手段】電源システム1は、所定の電圧Vinの直流電源2が接続される入力部4と、複数の外部装置3A〜3Dが接続される接続部5と、複数の外部装置3A〜3Dに電力を供給するための複数の定電圧電源61〜63とを備える。定電圧電源61〜63は、入力部4の入力端子4a、4b間に直列接続されている。接続部5は、各外部装置3A〜3Dを定電圧電源61〜63のいずれに接続するかを選択可能に構成されている。定電圧電源61〜63が直列に接続されているので、定電圧電源61で利用された電流は、定電圧電源62で再利用され、また、定電圧電源62で利用された電流は、定電圧電源63で再利用される。これにより、電力損失を抑えて、消費電力を少なくすることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力を供給する電源システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、電力を供給する電源システムにおいて、図22に示す構成のものがある。この電源システム100は、複数の定電圧電源101、102、103、104が直流電源105に並列に接続されている。定電圧電源101には、外部装置106Aが接続され、定電圧電源102には、外部装置106Bが接続され、定電圧電源103には、外部装置106Cが接続され、定電圧電源104には、外部装置106Dが接続されている。
【0003】
定電圧電源101、102、103、104は、各々、直流電源105からの電力供給を受けて、外部装置106A、106B、106C、106Dに電力を供給する。定電圧電源101、102、103、104は、直流電源105に並列に接続されているため、定電圧電源101、102、103、104には、各々、直流電源105の直流電圧Vinが入力されることになる。定電圧電源101、102、103、104は、各々、シリーズレギュレータであり、直流電源105から入力される入力電圧(直流電源105の直流電圧)Vinを降圧して所定の出力電圧V1、V2、V3、V4を出力する。そして、定電圧電源101、102、103、104は、各々、その出力電圧V1、V2、V3、V4を外部装置106A、106B、106C、106Dに印加する。
【0004】
このような構成の電源システム100において、例えば、直流電源105の直流電圧(すなわち、各定電圧電源101、102、103、104に入力される入力電圧)Vinが24Vであるとする。また、各定電圧電源101、102、103、104の出力電圧V1、V2、V3、V4がV1=5V、V2=5V、V3=5V、V4=5Vであるとする。また、5V定格時において、各外部装置106A、106B、106C、106Dに流れる負荷電流IA、IB、IC、IDがIA=100mA、IB=70mA、IC=110mA、ID=50mAであるとする。また、各定電圧電源101、102、103、104自身の消費電流IcがIc=1mAであるとする。
【0005】
そうすると、電源システム100に流れるシステム電流Isは、直流電源105に定電圧電源101〜104が直流電源105に並列に接続されていることから、直流電源105から各定電圧電源101〜104に流れる入力電流I1〜I4の和となる。つまり、システム電流Isは、外部装置106A〜106Dに流れる負荷電流IA〜IDと、定電圧電源101〜104自身の消費電流Icの総和となる。すなわち、システム電流Isは、Is=(100mA+1mA)+(70mA+1mA)+(110mA+1mA)+(50mA+1mA)=334mAとなる。従って、電源システム100と外部装置106A〜106Dを含めた全体の消費電力Psは、Ps=Vin×Is=24V×334mA=8016mWとなる。
【0006】
一方、外部装置106A〜106Dの消費電力PLは、PL=(V1×IA)+(V2×IB)+(V3×IC)+(V4×ID)=(5V×100mA)+(5V×70mA)+(5V×110mA)+(5V×50mA)=1650mWとなる。すなわち、全体の消費電力Ps=8016mWのうち、外部装置106A〜106Dの消費電力PL=1650mW以外の6366mWの電力は、無駄に消費されており、損失されている。
【0007】
この電力損失の大部分は、定電圧電源101〜104が、入力電圧Vinを出力電圧V1〜V4に降圧するために電力を消費することによるものであり、定電圧電源101〜104で発生する。この定電圧電源101〜104での電力損失は、入力電圧Vinと出力電圧V1〜V4との電圧差が大きいほど(入力電圧Vinに対して、出力電圧V1〜V4が低電圧であるほど)、大きくなる。
【0008】
一方、蓄電池に定電流回路と定電圧回路を直列に接続した電源回路を有するエネルギー蓄積装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2010−124597号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、従来の電源システム100においては、定電圧電源101〜104が直流電源105に並列に接続されているため、各定電圧電源101〜104には、同じ入力電圧Vinが入力される。このため、各定電圧電源101〜104の出力電圧V1〜V4が異なる(外部装置106A〜106Dの定格電圧が異なる)と、各定電圧電源101〜104の入力電圧Vinと出力電圧V1〜V4との電圧差が異なることになる。その結果、定電圧電源101〜104の入力電圧Vinと出力電圧V1〜V4との電圧差が必要以上に大きくなることが生じ得る。入力電圧Vinと出力電圧V1〜V4との電圧差が大きくなると、定電圧電源101〜104での電力損失が大きくなり、消費電力が多くなる。
【0011】
そこで、従来の電源システム100において、入力電圧Vinから出力電圧V1〜V4を得るために、定電圧電源101〜104として、DC/DCコンバータを用いることが考えられる。DC/DCコンバータを用いれば、シリーズレギュレータを用いる場合と比較して、エネルギー効率が改善し、電力損失を抑えることができる。しかしながら、外部装置106A〜106Dの定格電圧は全て同じとは限らず、共通のDC/DCコンバータを持てない場合がある。
【0012】
一方、現在及び今後の一般的な動向として、太陽光発電、電気自動車用バッテリ、直流配電等の直流電源(これらの直流電源の電源電圧は、変動しがちである)が増えることが予測される。また、半導体プロセスの微細化、高速化により、外部装置の定格電圧は、多様化すると共に、低電圧化が進展することが予測される。従って、これら今後の予測される状況において、従来の電源システム100を使用したのでは、定電圧電源101〜104での電力損失がますます大きくなる。
【0013】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、電力損失を抑えて、消費電力を少なくすることができる電源システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために本発明の電源システムは、所定の電圧の直流電源が接続される入力部と、複数の外部装置が接続される接続部と、複数の外部装置に電力を供給するための少なくとも2つ以上の定電圧電源と、を備え、少なくとも2つ以上の定電圧電源は、入力部の入力端子間に直列に接続されており、接続部は、複数の外部装置の各外部装置を少なくとも2つ以上の定電圧電源のいずれの定電圧電源に接続するかを選択可能に構成されているものが好ましい。
【0015】
本発明の電源システムにおいて、少なくとも2つ以上の定電圧電源の出力電流の電流値の大小関係を表示する表示手段をさらに備えるものが好ましい。
【0016】
また、本発明の電源システムにおいて、接続部は、外部装置が接続される複数の接続端子部と、接続端子部と定電圧電源とを接続する電源接続部とを有し、電源接続部は、複数の接続端子部の各接続端子部を少なくとも2つ以上の定電圧電源のいずれの定電圧電源に接続するかを選択可能に構成されており、電源接続部における接続端子部と定電圧電源との接続を制御する接続制御部をさらに備えるものが好ましい。
【0017】
また、本発明の電源システムにおいて、接続制御部は、外部装置に供給すべき電圧又は電流に関する情報である設定情報に基いて、複数の接続端子部の各接続端子部を少なくとも2つ以上の定電圧電源のいずれの定電圧電源に接続するかを決定して、該決定したように接続端子部と定電圧電源とを接続するように、電源接続部における接続端子部と定電圧電源との接続を制御するものが好ましい。
【0018】
また、本発明の電源システムにおいて、設定情報の少なくとも一部がプログラマブルとなっているものが好ましい。
【0019】
また、本発明の電源システムにおいて、設定情報は、外部装置から伝えられるものが好ましい。
【0020】
また、本発明の電源システムにおいて、接続制御部は、設定情報として、外部装置に供給すべき電圧に関する情報である電圧設定情報に基いて、複数の接続端子部の各接続端子部を少なくとも2つ以上の定電圧電源のいずれの定電圧電源に接続するかを決定して、該決定したように接続端子部と定電圧電源とを接続するように、電源接続部における接続端子部と定電圧電源との接続を制御するものが好ましい。
【0021】
また、本発明の電源システムにおいて、接続制御部は、設定情報として、外部装置に供給すべき電流に関する情報である電流設定情報に基いて、複数の接続端子部の各接続端子部を少なくとも2つ以上の定電圧電源のいずれの定電圧電源に接続するかを決定して、該決定したように接続端子部と定電圧電源とを接続するように、電源接続部における接続端子部と定電圧電源との接続を制御するものが好ましい。
【0022】
また、本発明の電源システムにおいて、接続端子部に流れる電流の電流値を検出する電流検出部をさらに備え、接続制御部は、電流検出部により検出された電流値に基いて、複数の接続端子部の各接続端子部を少なくとも2つ以上の定電圧電源のいずれの定電圧電源に接続するかを決定して、該決定したように接続端子部と定電圧電源とを接続するように、電源接続部における接続端子部と定電圧電源との接続を制御するものが好ましい。
【0023】
また、本発明の電源システムにおいて、定電圧電源の出力電流の電流値を検出する電流検出部をさらに備え、接続制御部は、電流検出部により検出された電流値に基いて、複数の接続端子部の各接続端子部を少なくとも2つ以上の定電圧電源のいずれの定電圧電源に接続するかを決定して、該決定したように接続端子部と定電圧電源とを接続するように、電源接続部における接続端子部と定電圧電源との接続を制御するものが好ましい。
【0024】
また、本発明の電源システムにおいて、入力部から定電圧電源に流れるシステム電流の電流値を検出する電流検出部をさらに備え、接続制御部は、電流検出部により検出された電流値に基いて、複数の接続端子部の各接続端子部を少なくとも2つ以上の定電圧電源のいずれの定電圧電源に接続するかを決定して、該決定したように接続端子部と定電圧電源とを接続するように、電源接続部における接続端子部と定電圧電源との接続を制御するものが好ましい。
【0025】
また、本発明の電源システムにおいて、接続制御部は、入力部から定電圧電源に流れるシステム電流の電流値を最小にすることができるように、複数の接続端子部の各接続端子部を少なくとも2つ以上の定電圧電源のいずれの定電圧電源に接続するかを決定して、該決定したように接続端子部と定電圧電源とを接続するように、電源接続部における接続端子部と定電圧電源との接続を制御するものが好ましい。
【0026】
また、本発明の電源システムにおいて、定電圧電源の出力電圧又は入力部から定電圧電源に流れるシステム電流を制御する電源制御部をさらに備えるものが好ましい。
【0027】
また、本発明の電源システムにおいて、電源制御部は、システム電流の電流値を、少なくとも2つ以上の定電圧電源のうちの少なくとも1つの定電圧電源の安定動作に必要最小限の電流値となるように制御するものが好ましい。
【0028】
また、本発明の電源システムにおいて、電源制御部は、定電圧電源と直列に接続される、システム電流を制御するシステム電流制御部を有し、定電圧電源は、シャントレギュレータであるものが好ましい。
【0029】
また、本発明の電源システムにおいて、定電圧電源は、シリーズレギュレータであり、定電圧電源と並列に可変シャント電流経路を有し、電源制御部は、可変シャント電流経路に流れるシャント電流の電流値を制御するものが好ましい。
【0030】
また、本発明の電源システムにおいて、定電圧電源は、シリーズレギュレータであり、定電圧電源の出力端子間に可変電流経路を有し、電源制御部は、可変電流経路に流れる電流の電流値を制御するものが好ましい。
【0031】
また、本発明の電源システムにおいて、電源制御部は、定電圧電源の出力電圧が所定の電圧値以下になるか、又は、定電圧電源の出力電流が所定の電流値以下になると、システム電流を増加させるように制御するものが好ましい。
【0032】
また、本発明の電源システムにおいて、電源制御部は、定電圧電源の出力電圧が所定の電圧値以下でない場合、又は、定電圧電源の出力電流が所定の電流値以下でない場合には、システム電流を減少させるように制御するものが好ましい。
【0033】
また、本発明の電源システムにおいて、電源制御部は、システム電流の電流値を、少なくとも2つ以上の定電圧電源のうちの少なくとも1つの定電圧電源の出力電圧が所定の電圧値となるように、又は、少なくとも2つ以上の定電圧電源のうちの少なくとも1つの定電圧電源のシャント電流が所定の電流値となるように負帰還制御するものが好ましい。
【0034】
また、本発明の電源システムにおいて、電源制御部は、システム電流の電流値を、少なくとも2つ以上の定電圧電源の全ての定電圧電源の安定動作に必要最小限の電流値となるように制御するものが好ましい。
【0035】
また、本発明の電源システムにおいて、電源制御部は、外部装置に供給すべき電圧に関する情報である電圧設定情報に基いて、定電圧電源の出力電圧又は出力電流を制御するものが好ましい。
【0036】
また、本発明の電源システムにおいて、接続端子部に接続されている外部装置への電力の供給を遮断又は制限する電力供給遮断制限手段をさらに備えるものが好ましい。
【0037】
また、本発明の電源システムにおいて、定電圧電源をバイパスするバイパス手段をさらに備えるものが好ましい。
【0038】
また、本発明の電源システムにおいて、接続端子部の接続端子間電圧、又は接続端子部に流れる電流を監視することにより過負荷を検出する回路監視手段をさらに備え、回路監視手段は、過負荷を検出したときに、過負荷の原因となっている外部装置への電力供給を遮断又は制限するように、電力供給遮断制限手段を制御し、又は、過負荷の原因となっている外部装置が接続されている接続端子部に接続されている定電圧電源をバイパスするように、バイパス手段を制御するものが好ましい。
【0039】
また、本発明の電源システムにおいて、少なくとも2つ以上の定電圧電源の全ての定電圧電源の出力電圧の合計電圧又はシステム電流を監視することにより過負荷を検出するシステム監視手段をさらに備え、システム監視手段は、過負荷を検出したときに、全ての外部装置への電力供給を遮断又は制限するように、電力供給遮断制限手段を制御し、又は、全ての定電圧電源をバイパスするように、バイパス手段を制御するものが好ましい。
【0040】
また、本発明の電源システムにおいて、少なくとも2つ以上の定電圧電源の全ての定電圧電源の出力電圧の合計電圧又はシステム電流を監視することにより過負荷を検出するシステム監視手段をさらに備え、システム監視手段は、過負荷を検出したときに、所定のルーチンに基いて、過負荷の原因となっている外部装置を割り出し、割り出した外部装置への電力供給を遮断又は制限するように、電力供給遮断制限手段を制御し、又は、割り出した外部装置が接続されている接続端子部に接続されている定電圧電源をバイパスするように、バイパス手段を制御するものが好ましい。
【0041】
また、本発明の電源システムにおいて、少なくとも2つ以上の定電圧電源のうちの任意の1つの定電圧電源について、その定電圧電源の接続点における本電源システムの最低電位を基準とした電位の値が、その定電圧電源を含んでそれより電位の低い側に接続されている各定電圧電源の出力電圧設定情報の示す設定電圧値の和に対して、所定値以上の差がある電位不整合状態か否かを検出する電位監視手段をさらに備え、電位監視手段は、電位不整合状態を検出したときに、電位不整合状態の原因となっている外部装置への電力供給を遮断又は制限するように、電力供給遮断制限手段を制御し、又は、電位不整合状態の原因となっている外部装置が接続されている接続端子部に接続されている定電圧電源をバイパスするように、バイパス手段を制御するものが好ましい。
【0042】
また、本発明の電源システムにおいて、電位監視手段は、所定のルーチンに基いて、電位不整合状態の原因となっている外部装置を割り出し、割り出した外部装置への電力供給を遮断又は制限するように、電力供給遮断制限手段を制御し、又は、割り出した外部装置が接続されている接続端子部に接続されている定電圧電源をバイパスするように、バイパス手段を制御するものが好ましい。
【0043】
また、本発明の電源システムにおいて、接続端子部に接続される外部装置からの異常診断情報に基いて、定電圧電源、又は接続端子部に接続される外部装置の異常を検出する異常監視手段をさらに備え、異常監視手段は、異常を検出したときに、異常診断情報に基いて、異常のある外部装置を割り出し、割り出した外部装置への電力供給を遮断又は制限するように、電力供給遮断制限手段を制御し、又は、割り出した外部装置が接続されている接続端子部に接続されている定電圧電源をバイパスするように、バイパス手段を制御するものが好ましい。
【0044】
また、本発明の電源システムにおいて、接続端子部に接続される外部装置との間で双方向通信を行う通信部をさらに備えるものが好ましい。
【0045】
また、本発明の電源システムにおいて、定電圧電源は、シャントレギュレータであり、該シャントレギュレータとして、ツェナーダイオードが使用されているものが好ましい。
【発明の効果】
【0046】
本発明によれば、少なくとも2つ以上の定電圧電源が直列に接続されているので、電流が再利用され、これにより、電力損失を抑えて、消費電力を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る電源システムの電気的ブロック構成図。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る電源システムの筐体の側面図。
【図3】本発明の第3の実施形態に係る電源システムの電気的ブロック構成図。
【図4】本発明の第4の実施形態に係る電源システムの電気的ブロック構成図。
【図5】本発明の第5の実施形態に係る電源システムの電気的ブロック構成図。
【図6】本発明の第6の実施形態に係る電源システムの電気的ブロック構成図。
【図7】本発明の第7の実施形態に係る電源システムの電気的ブロック構成図。
【図8】本発明の第8の実施形態に係る電源システムの電気的ブロック構成図。
【図9】本発明の第9の実施形態に係る電源システムの電気的ブロック構成図。
【図10】本発明の第10の実施形態に係る電源システムの電気的ブロック構成図。
【図11】同電源システムの定電圧電源の回路図。
【図12】同電源システムの定電圧電源の別の構成を示す回路図。
【図13】本発明の第11の実施形態に係る電源システムの筐体の側面図。
【図14】本発明の第12の実施形態に係る電源システムの電気的ブロック構成図。
【図15】本発明の第13の実施形態に係る電源システムの電気的ブロック構成図。
【図16】本発明の第14の実施形態に係る電源システムの電気的ブロック構成図。
【図17】本発明の第15の実施形態に係る電源システムの電気的ブロック構成図。
【図18】同電源システムの過負荷の原因となっている外部装置を割り出すルーチンを示すフローチャート。
【図19】本発明の第16の実施形態に係る電源システムの電気的ブロック構成図。
【図20】同電源システムの電位不整合状態の原因となっている外部装置を割り出すルーチンを示すフローチャート。
【図21】本発明の第17の実施形態に係る電源システムの電気的ブロック構成図。
【図22】従来の電源システムの電気的ブロック構成図。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下、本発明を具体化した実施形態による電源システムについて図面を参照して説明する。
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態による電源システムの構成を示す。電源システム1は、直流電源2及び外部装置3が接続され、外部装置3に電力を供給するものである。電源システム1は、直流電源2が接続される入力部4と、複数の外部装置3が接続される接続部5と、複数の外部装置3に電力を供給するための複数の定電圧電源6とを備える。
【0049】
入力部4は、入力端子4a、4bを有しており、入力端子4a、4bに直流電源2が接続される。直流電源2は、所定の直流電圧Vinを出力する電源である。直流電源2は、+極(正極)が入力端子4aに接続され、−極(負極)が入力端子4bに接続されるように、入力部4に接続される。
【0050】
接続部5は、外部装置3を定電圧電源6に接続するものである。接続部5は、外部装置3が接続される複数の接続端子部7と、接続端子部7と定電圧電源6とを接続する(すなわち、接続端子部7に接続された外部装置3を定電圧電源6に接続する)電源接続部8とを有する。
【0051】
複数の接続端子部7は、各々、接続端子7a、7bを有しており、接続端子7a、7bに外部装置3が接続される。本実施形態では、接続部5は、4つの接続端子部7(7A、7B、7C、7D)を備えている。すなわち、本実施形態では、外部装置3として、4つのものを接続できるようになっている。
【0052】
外部装置3は、電力を消費する負荷を備えており、その負荷が接続端子7a、7b間に接続されるように、接続端子部7に接続される。外部装置3の負荷は、例えば、単純な抵抗などでもよいし、シリーズレギュレータ(例えば3.3V出力)及びシリーズレギュレータの出力を受ける抵抗を有する回路などでもよい。図示の例では、4つの外部装置3(3A、3B、3C、3D)が接続されている。すなわち、外部装置3Aは、接続端子部7Aに接続されており、外部装置3Bは、接続端子部7Bに接続されており、外部装置3Cは、接続端子部7Cに接続されており、外部装置3Dは、接続端子部7Dに接続されている。
【0053】
電源接続部8は、各接続端子部7A〜7Dを定電圧電源61〜63のいずれに接続するかを選択可能に構成されている。すなわち、電源接続部8は、例えば、スイッチ、コネクタ、リレーなどの接続用デバイスの集合体によって構成されている。そして、電源接続部8は、不図示のセレクタスイッチが操作されることによって、その操作に応じて接続用デバイスを動作させて、各接続端子部7A〜7Dを定電圧電源61〜63のいずれかに接続し、又は、その接続を切り換えるようになっている。従って、接続端子部7A〜7Dに接続された外部装置3A〜3Dは、不図示のセレクタスイッチが操作されることによって、電源接続部8を介して、定電圧電源61〜63のいずれかに選択的に接続され、又は、その接続が切り換えられる。
【0054】
接続部5は、このような構成により、各外部装置3を定電圧電源61〜63のいずれに接続するかを選択可能に構成されている。すなわち、接続部5は、不図示のセレクタスイッチが操作されることによって、各外部装置3を定電圧電源61〜63のいずれに接続するのかが任意に選択され、その選択されたように、外部装置3を定電圧電源61〜63に接続するようになっている。
【0055】
複数の定電圧電源6は、外部装置3に電力を供給するためのものである。複数の定電圧電源6は、各々、入力ライン6a、6b間に電力が供給されることにより、定電圧電源6内の動作回路部が動作して、出力ライン6c、6d間に所定の出力電圧を出力する回路である。本実施形態では、電源システム1は、3つの定電圧電源6(61、62、63)を備えている。
【0056】
複数の定電圧電源6は、入力部4の入力端子4a、4b間に直列接続されている。すなわち、定電圧電源61の入力ライン6aは、入力部4の入力端子4aに接続され、定電圧電源62の入力ライン6aは、定電圧電源61の入力ライン6bに接続され、定電圧電源63の入力ライン6aは、定電圧電源62の入力ライン6bに接続されている。そして、定電圧電源63の入力ライン6bは、入力部4の入力端子4bに接続されている。従って、複数の定電圧電源61、62、63は、入力部4に接続された直流電源2に直列に接続された状態となる。
【0057】
上記接続部5の電源接続部8における各接続端子部7と各定電圧電源6との接続において、接続端子部7の接続端子7aは、定電圧電源6の出力ライン6cに接続され、接続端子部7の接続端子7bは、定電圧電源6の出力ライン6dに接続される。従って、接続端子部7に接続された(接続部5に接続された)外部装置3は、その負荷が、接続端子部7の接続端子7a、7b及び電源接続部8を介して、定電圧電源6の出力ライン6c、6d間に接続された状態になる。
【0058】
図示の例では、接続端子部7Aが定電圧電源61に接続され、接続端子部7Bが定電圧電源62に接続され、接続端子部7Cが定電圧電源63に接続され、接続端子部7Dが定電圧電源62に接続されている。なお、図において、各接続端子部7と各定電圧電源6を結ぶ実線は、各接続端子部7を各定電圧電源6に接続していることを示し、各接続端子部7と各定電圧電源6を結ぶ点線は、各接続端子部7を各定電圧電源6に接続し得ることを示している。
【0059】
ここで、上記定電圧電源61、62、63について説明する。定電圧電源61は、シャントレギュレータである。すなわち、定電圧電源61の入力ライン6a、6bには、入力電流I1が流れ、定電圧電源61内の動作回路部には、シャント電流Ish1及び消費電流Icが流れ、定電圧電源61の出力ライン6c、6dには、出力電流IL1が流れる。入力電流I1は、消費電流Icとシャント電流Ish1と出力電流IL1の和である。そして、定電圧電源61は、動作回路部においてシャント電流Ish1の大きさを制御することにより、出力電流IL1の大きさを制御して、出力ライン6c、6d間の出力電圧V1を所定の電圧値に保つ。
【0060】
定電圧電源62の構成は、定電圧電源61と同様の構成である。すなわち、定電圧電源62の入力ライン6a、6bには、入力電流I2が流れ、定電圧電源62内の動作回路部には、シャント電流Ish2及び消費電流Icが流れ、定電圧電源62の出力ライン6c、6dには、出力電流IL2が流れる。入力電流I2は、消費電流Icとシャント電流Ish2と出力電流IL2の和である。そして、定電圧電源62は、動作回路部においてシャント電流Ish2の大きさを制御することにより、出力電流IL2の大きさを制御して、出力ライン6c、6d間の出力電圧V2を所定の電圧値に保つ。
【0061】
また、定電圧電源63の構成も、定電圧電源61と同様の構成である。すなわち、定電圧電源63の入力ライン6a、6bには、入力電流I3が流れ、定電圧電源63内の動作回路部には、シャント電流Ish3及び消費電流Icが流れ、定電圧電源63の出力ライン6c、6dには、出力電流IL3が流れる。入力電流I3は、消費電流Icとシャント電流Ish3と出力電流IL3の和である。そして、定電圧電源63は、動作回路部においてシャント電流Ish3の大きさを制御することにより、出力電流IL3の大きさを制御して、出力ライン6c、6d間の出力電圧V3を所定の電圧値に保つ。定電圧電源61、62、63の仕様や特性は同一である。
【0062】
このような構成の電源システム1において、電源システム1には、システム電流Isが流れる。このシステム電流Isは、電源システム1全体に流れる電流であって、直流電源2から入力部4に(電源システム1に)入力される電流である。
【0063】
ここで、定電圧電源61、62、63は、入力部4の入力端子4a、4b間に直列に接続されている。従って、システム電流Isは、定電圧電源61の入力電流I1として定電圧電源61に流れ、さらに、定電圧電源62の入力電流I2として定電圧電源62に流れ、さらに、定電圧電源63の入力電流I3として定電圧電源63に流れる。つまり、定電圧電源61の入力電流I1は、システム電流Isと等しく、また、定電圧電源62の入力電流I2も、システム電流Isと等しく、また、定電圧電源63の入力電流I3も、システム電流Isと等しい。
【0064】
また、各定電圧電源61〜63は、出力電流IL1〜IL3を出力する。各定電圧電源61〜63の出力電流IL1〜IL3は、電源接続部8における各接続端子部7と各定電圧電源6との接続状態に応じて、外部装置3A〜3Dのいずれか1つに供給され、又は、外部装置3A〜3Dの幾つかに分配して供給される。つまり、定電圧電源61の出力電流IL1は、定電圧電源61に接続されている外部装置に流れる負荷電流の和(但し、定電圧電源61に接続されている外部装置が1つである場合には、その外部装置の負荷電流)に等しい。また、定電圧電源62の出力電流IL2は、定電圧電源62に接続されている外部装置の負荷電流の和に等しく、定電圧電源63の出力電流IL3は、定電圧電源63に接続されている外部装置の負荷電流の和に等しい。
【0065】
図示の例では、接続端子部7Aが定電圧電源61に接続され、接続端子部7Bと接続端子部7Dが定電圧電源62に接続され、接続端子部7Cが定電圧電源63に接続されている。従って、図示の例では、定電圧電源61の出力電流IL1は、外部装置3Aに流れる負荷電流IAと等しい。また、定電圧電源62の出力電流IL2は、外部装置3Bに流れる負荷電流IBと外部装置3Dに流れる負荷電流IDの和に等しい。また、定電圧電源63の出力電流IL3は、外部装置3Cに流れる負荷電流ICと等しい。
【0066】
すなわち、システム電流Isとして、定電圧電源61〜63のうちの出力電流(負荷電流の和)が最大である定電圧電源の安定動作に必要な電流を流せば、その電流が各定電圧電源61〜63の入力電流I1〜I3として、各定電圧電源に流れることになる。つまり、システム電流Isとして、定電圧電源61〜63のうちの出力電流が最大である定電圧電源の安定動作に必要な電流を流せば、全ての定電圧電源61〜63を安定動作させることができる。
【0067】
従って、システム電流Isとして、出力電流(負荷電流の和)が最大である定電圧電源の安定動作に必要最小限の電流を流せばよい。このようにシステム電流Isを流せば、少ないシステム電流Isで、全ての定電圧電源61〜63を安定動作させることができる。つまり、このようにシステム電流Isを流せば、システム電流Isとして、不必要な電流を流さなくて済み、無駄な電力消費を抑えることができる。
【0068】
一方、接続端子部7A〜7Dの個数は、定電圧電源61〜63の個数よりも多い。従って、複数の接続端子部7A〜7Dのうちの幾つかは、複数の定電圧電源61〜63のうちの少なくともいずれか1つに共通に接続されることになる。つまり、定電圧電源61〜63の出力電流IL1〜IL3のうちの少なくともいずれか1つの出力電流は、外部装置3A〜3Dの幾つかに分配して供給されることになる。
【0069】
本実施形態では、接続端子部7A〜7Dの個数が4つであり、定電圧電源61〜63の個数が3つである。従って、接続端子部7A〜7Dのいずれか2つが、定電圧電源61〜63のいずれか1つに共通に接続されることになる。つまり、本実施形態では、定電圧電源61〜63の出力電流IL1〜IL3のいずれか1つの出力電流が、外部装置3A〜3Dのいずれか2つに分配して供給されることになる。
【0070】
図示の例では、2つ接続端子部7B、7Dが、定電圧電源62に共通に接続されており、定電圧電源62の出力電流IL2が、2つの外部装置3B、3Dに分配して供給される状態となっている。
【0071】
なお、接続端子部7の個数、及び定電圧電源6の個数によっては、多様な接続端子部7と定電圧電源6との接続形態が存在し、多様な出力電流の供給形態(分配形態)が存在する。例えば、接続端子部7の個数が定電圧電源6の個数よりも3つ以上多い場合には、ある2つ以上の接続端子部7を、ある1つ定電圧電源6に接続すると共に、前者とは別の3つ以上の接続端子部7を、前者とは別の1つ定電圧電源6に接続し得る。この場合には、ある1つの定電圧電源6の出力電流が、ある2つ以上の外部装置3に分配して供給されると共に、前者とは別のある1つの定電圧電源6の出力電流が、前者とは別のある3つ以上の外部装置3に分配して供給されることになる。
【0072】
すなわち、各接続端子部7と各定電圧電源6との接続形態に応じて、出力電流の供給形態(分配形態)が異なって、各定電圧電源61〜63の出力電流IL1〜IL3の電流値が異なることになる。つまり、各接続端子部7と各定電圧電源6との接続形態を変えると、定電圧電源61〜63の出力電流IL1〜IL3(負荷電流の和)のうちの最大となる出力電流の電流値が変わり得る。また、定電圧電源61〜63のうちの出力電流が最大となる定電圧電源も変わり得る。
【0073】
従って、各接続端子部7と各定電圧電源6との接続形態として、定電圧電源61〜63の出力電流IL1〜IL3のうちの最大となる出力電流の電流値が最も小さくなるように接続形態を選択すればよい。このように接続形態を選択すれば、定電圧電源61〜63のうちの出力電流が最大である定電圧電源の安定動作に必要最小限のシステム電流Is、すなわち、全ての定電圧電源61〜63の安定動作に必要最小限のシステム電流Isを、より少なくできる。つまり、このように接続形態を選択したうえで、システム電流Isとして、定電圧電源61〜63のうちの出力電流が最大である定電圧電源の安定動作に必要最小限の電流を流せばよい。このようにすれば、システム電流Isとして、不必要な電流を流さなくて済み、無駄な電力消費を抑えることができる。なお、定電圧電源61〜63の出力電流IL1〜IL3のうちの最大となる出力電流の電流値が最も小さくなるように接続形態を選択するには、出力電流IL1〜IL3の電流値の大小差ができるだけ小さくなるように接続形態を選択すればよい。
【0074】
例えば、直流電源2の直流電圧Vin、各定電圧電源61、62、63の出力電圧V1、V2、V3、各外部装置3A、3B、3C、3Dに流れる負荷電流IA、IB、IC、IDが図22に示される従来例と同様であるとする。すなわち、直流電源2の直流電圧Vinが24Vであるとする。また、各定電圧電源61、62、63の出力電圧V1、V2、V3がV1=5V、V2=5V、V3=5Vであるとする。また、5V定格時において、各外部装置3A、3B、3C、3Dに流れる負荷電流IA、IB、IC、IDがIA=100mA、IB=70mA、IC=110mA、ID=50mAであるとする。また、各定電圧電源61、62、63自身の消費電流IcがIc=1mAであるとする。
【0075】
そうすると、外部装置3Aを定電圧電源61に接続し、外部装置3Bと外部装置3Dを定電圧電源62に接続し、外部装置3Cを定電圧電源63に接続すれば、出力電流IL1〜IL3の電流値の大小差が最も小さくなる。そして、このように外部装置3A〜3Dを定電圧電源61〜63に接続すれば、出力電流IL1〜IL3のうちの最大となる出力電流の電流値が最も小さくなる。
【0076】
このとき、定電圧電源61〜63の出力電流IL1〜IL3は、IL1=100mA、IL2=120mA、IL3=110mAとなる。すなわち、定電圧電源61〜63の出力電流IL1〜IL3のうちの最大となる出力電流は、定電圧電源62の出力電流IL2となり、その電流値(出力電流IL1〜IL3のうちの最大となる出力電流の電流値)は、IL2=120mAとなる。そして、この120mAという電流値は、外部装置3A〜3Dと定電圧電源61〜63との全ての接続形態における出力電流IL1〜IL3のうちの最大となる出力電流の電流値の中で、最も小さい電流値となる。
【0077】
そして、定電圧電源61の安定動作に(定電圧電源61に接続されている外部装置を正常に動作にさせるのに)必要最小限の入力電流I1の電流値I1minは、I1min=Ic+Ish1+IL1=1mA+0mA+100mA=101mAとなる。また、定電圧電源62の安定動作に(定電圧電源62に接続されている外部装置を正常に動作させるのに)必要最小限の入力電流I2の電流値I2minは、I2min=Ic+Ish2+IL2=1mA+120mA=121mAとなる。また、定電圧電源63の安定動作に(定電圧電源63に接続されている外部装置を正常に動作させるのに)必要最小限の入力電流I3の電流値I3minは、I3min=Ic+Ish3+IL3=1mA+0mA+110mA=111mAとなる。すなわち、定電圧電源61〜63のうちの出力電流(負荷電流の和)が最大である定電圧電源は、定電圧電源62となり、出力電流(負荷電流の和)が最大である定電圧電源の安定動作に必要最小限の電流は、I2min=121mAとなる。
【0078】
従って、上記の場合、外部装置3Aを定電圧電源61に接続し、外部装置3Bと外部装置3Dを定電圧電源62に接続し、外部装置3Cを定電圧電源63に接続すると共に、システム電流Isとして、Is=121mAの電流を流せばよい。このようにすれば、少ないシステム電流Isで、全ての定電圧電源61〜63を安定動作させる(全ての外部装置3A〜3Dを正常に動作させる)ことができる。すなわち、システム電流Isとして、不必要な電流を流さなくて済み、無駄な電力消費を抑えることができる。
【0079】
システム電流Isとして、121mAの電流を流した場合、電源システム1と外部装置8A〜8Dを含めた全体の消費電力Psは、Ps=Vin×Is=24V×121mA=2904mWとなる。一方、外部装置3A〜3Dの消費電力PLは、従来と同様に、PL=(V1×IA)+(V2×IB)+(V3×IC)+(V4×ID)=(5V×100mA)+(5V×70mA)+(5V×110mA)+(5V×50mA)=1650mWとなる。従って、全体の消費電力Ps=2904mWのうち、外部装置3A〜3Dの消費電力PL=1650mW以外の1254mWの電力が、電力損失となっている。
【0080】
これらを従来の電源システムと比較すると、図22に示される従来の電源システムでは、電力損失が6366mWであるのに対して、本発明の電源システム1では、電力損失が1254mWである。そして、従来の電源システムでは、全体の消費電力Psが8016mWであるのに対して、本発明の電源システム1では、全体の消費電力Psが2904mWである。すなわち、本発明の電源システム1では、従来と比較して、電力損失が大きく抑えられており、全体の消費電力Psが従来の約36%に低減されている。本発明の電源システム1における直流電源2の直流電圧Vin、各定電圧電源61〜63の出力電圧V1〜V3、各外部装置3A〜3Dに流れる負荷電流IA〜IDは、従来と同じである。すなわち、本発明の電源システム1では、従来と同じ直流電圧、同じ外部装置(同じ負荷)において、電力損失が抑えられて、消費電力が低減されている。
【0081】
本発明の電源システム1において、このように電力損失が抑えられて、消費電力が低減されるのは、定電圧電源61〜63が、入力部4の入力端子4a、4b間に直列に接続されているためである。すなわち、システム電流Isが、定電圧電源61の入力電流I1として定電圧電源61に流れ、さらに、定電圧電源62の入力電流I2として定電圧電源62に流れ、さらに、定電圧電源63の入力電流I3として定電圧電源63に流れるためである。つまり、定電圧電源61で利用された電流が、定電圧電源62で再利用され、また、定電圧電源62で利用された電流が、定電圧電源63で再利用されるために、全ての定電圧電源61〜63を安定動作させるのに、少ないシステム電流Isで済むからである。
【0082】
システム電流Isの電流値は、不図示の電源制御部(例えば、入力部4と定電圧電源6との間に設けられた可変抵抗器や可変定電流回路)によって設定される。システム電流Isの電流値は、定電圧電源61〜63のうちの出力電流(負荷電流の和)が最大である定電圧電源の安定動作に必要最小限の電流値となるように設定される。このシステム電流Isの電流値の設定は、例えば、電源システム1の設置者又は外部装置3A〜3Dの設置者により、直流電源2の直流電圧Vinや外部装置3A〜3Dの定格電圧、定格電流等に基いて行われる。
【0083】
本発明の電源システム1によれば、定電圧電源61〜63は、入力部4の入力端子4a、4b間に直列に接続されている。このため、入力部4からのシステム電流Isは、定電圧電源61の入力電流I1として定電圧電源61に流れて、定電圧電源61で利用される。そして、定電圧電源61で利用された入力電流I1は、定電圧電源62の入力電流I2として定電圧電源62に流れて、定電圧電源62で利用される。さらに、定電圧電源62で利用された入力電流I2は、定電圧電源63の入力電流I3として定電圧電源63に流れて、定電圧電源63で利用される。つまり、定電圧電源61で利用された電流は、定電圧電源62で再利用され、また、定電圧電源62で利用された電流は、定電圧電源63で再利用される。従って、少ないシステム電流Isで、全ての定電圧電源61〜63を安定動作させることができる。これにより、電力損失を抑えて、消費電力を少なくすることができる。
【0084】
また、接続部5は、各外部装置3A〜3Dを定電圧電源61〜63のいずれに接続するかを選択可能に構成されている。このため、定電圧電源61〜63の出力電流IL1〜IL3のうちの最大となる出力電流の電流値が最も小さくなるように、外部装置3A〜3Dを定電圧電源61〜63に接続することができる。このように接続することにより、全ての定電圧電源61〜63を安定動作させるのに必要最小限のシステム電流Isを、最も少なくすることができる。従って、このように接続したうえで、システム電流Isとして、定電圧電源61〜63のうちの出力電流が最大である定電圧電源の安定動作に必要最小限の電流を流すことにより、より一層、電力損失を抑えて、消費電力を少なくすることができる。
【0085】
なお、本実施形態において、電源システム1は、直流電源2が接続される構成に限られず、直流電源2を一体的に備えた構成であってもよい。また、直流電源2は、直流電圧を出力するものであればよく、例えば、交流を整流して直流電圧を作り出して、その作り出した直流電圧を出力するものであってもよい。
【0086】
また、本実施形態において、複数の定電圧電源6は、3つに限られず、少なくとも2つ以上のものが直列接続されていればよい。また、複数の定電圧電源6の仕様や特性は同一でなくてもよい。また、複数の定電圧電源6のうちの幾つかのもの、又は、複数の定電圧電源6の全てのものは、ツェナーダイオードを用いたシャントレギュレータであってもよい。また、複数の定電圧電源6のうちの幾つかのもの、又は、複数の定電圧電源6の全てのものは、シャントレギュレータに限られず、例えばシリーズレギュレータであってもよい。
【0087】
また、本実施形態において、接続端子部7は、4つに限られず、5つ以上あってもよい。すなわち、接続部5は、5つ以上の外部装置3を複数の定電圧電源6に接続可能になっていてもよい。また、接続部5は、例えば、パソコンなどの外部制御装置から接続信号を与えられることによって、各外部装置3を複数の定電圧電源6のいずれに接続するのかが選択されるように構成されていてもよい。また、接続部5は、各外部装置3が複数の接続端子部7のいずれに接続されるかによって、各外部装置3を複数の定電圧電源6のいずれに接続するのかが選択されるように構成されていてもよい。
【0088】
また、本実施形態において、各定電圧電源6の出力電流の電流値の大小関係を表示する表示部を備えていてもよい。このような構成によれば、その表示部の表示を見て、外部装置3の接続先(外部装置3A〜3Dを定電圧電源61〜63のいずれに接続するか)の決定の参考とすることができる。また、その表示部の表示を見て、各定電圧電源6の出力電流の電流値の大小差を小さくするように、外部装置3の接続先を決定することができる。
【0089】
また、本実施形態において、不図示の電源制御部が、全ての定電圧電源61〜63を安定動作させるのに必要最小限のシステム電流Isの電流値を求めて、システム電流Isの電流値を、その電流値に設定するようになっていてもよい。また、不図示の接続制御部が、各定電圧電源6の出力電流の電流値の大小差が小さくなるような接続端子部7と定電圧電源6との接続形態を求めて、そのように各接続端子部7と定電圧電源6とを接続するようになっていてもよい。
【0090】
<第2の実施形態>
図2は、第2の実施形態による電源システムの構成を示す。本実施形態の電源システム1は、接続部5の構成が上記第1の実施形態と異なっている。また、本実施形態の電源システム1は、上記第1の実施形態の構成に加え、定電圧電源61〜63の出力電流IL1〜IL3の電流値の大小関係を表示する表示部20をさらに備えている。表示部20によって、表示手段が構成されている。本実施形態における他の構成については、上記第1の実施形態と同様である。
【0091】
本実施形態では、接続部5は、12個の接続端子部7(7A、7B、・・・、7K、7L)を備えている。これら12個の接続端子部7は、電源システム1の筐体10の側面10aに配置されている。
【0092】
各接続端子部7は、コネクタプラグであり、外部装置3のコネクタ3oが自由に接続できるようになっている。すなわち、各接続端子部7は、外部装置3のコネクタ3oを介して、外部装置3が自由に接続できるようになっている。各接続端子部7は、1対の接続端子7a、7bを筐体10の側面10aに露出させた構成になっており、プラグの内側が+極(正極)側の接続端子7aであり、プラグの外側が−極(負極)側の接続端子7bである。
【0093】
そして、本実施形態では、接続部5は、上記第1の実施形態における電源接続部8を備えておらず、接続端子部7が直接に定電圧電源6に接続されている。すなわち、接続端子部7A〜7Dは、定電圧電源61に並列に接続されており、接続端子部7E〜7Hは、定電圧電源62に並列に接続されており、接続端子部7I〜7Lは、定電圧電源63に並列に接続されている。つまり、接続端子部7A〜7Dの各接続端子7aは、定電圧電源61の出力ライン6cに接続されており、接続端子部7A〜7Dの接続端子7bは、定電圧電源61の出力ライン6dに接続されている。また、接続端子部7E〜7Hの各接続端子7aは、定電圧電源62の出力ライン6cに接続されており、接続端子部7E〜7Hの接続端子7bは、定電圧電源62の出力ライン6dに接続されている。また、接続端子部7I〜7Lの各接続端子7aは、定電圧電源63の出力ライン6cに接続されており、接続端子部7I〜7Lの接続端子7bは、定電圧電源63の出力ライン6dに接続されている。
【0094】
本実施形態では、接続部5は、このような構成により、各外部装置3を定電圧電源61〜63のいずれに接続するかを選択可能に構成されている。すなわち、接続部5は、外部装置3のコネクタ3oが接続端子部7A〜7Lに抜き差しされることによって、各外部装置3を定電圧電源61〜63のいずれに接続するのかが任意に選択されるようになっている。そして、接続部5は、その選択されたように、外部装置3を定電圧電源61〜63に接続するようになっている。
【0095】
接続端子部7A〜7Lは、定電圧電源61〜63との対応が分かるように配置されている。すなわち、接続端子部7A、7B、7C、7Dは、定電圧電源61に対応しており、定電圧電源61に対応していることが分かるように、筐体10の側面10aの上段に配置されている。また、接続端子部7E、7F、7G、7Hは、定電圧電源62に対応しており、定電圧電源62に対応していることが分かるように、筐体10の側面10aの中段に配置されている。また、接続端子部7I、7J、7K、7Lは、定電圧電源63に対応しており、定電圧電源63に対応していることが分かるように、筐体10の側面10aの下段に配置されている。
【0096】
接続端子部7A〜7Dに接続された各外部装置3は、定電圧電源61の出力ライン6c、6d間に並列に接続され、定電圧電源61の出力電流IL1は、接続端子部7A〜7Dに接続された各外部装置3に分配して供給される。また、接続端子部7E〜7Hに接続された各外部装置3は、定電圧電源62の出力ライン6c、6d間に並列に接続され、定電圧電源62の出力電流IL2は、接続端子部7E〜7Hに接続された各外部装置3に分配して供給される。また、接続端子部7I〜7Lに接続された各外部装置3は、定電圧電源63の出力ライン6c、6d間に並列に接続され、定電圧電源63の出力電流IL3は、接続端子部7I〜7Lに接続された各外部装置3に分配して供給される。
【0097】
図示の例では、接続端子部7A、7F、7G、7Kに、各々、外部装置3が接続されている。すなわち、定電圧電源61の出力ライン6c、6d間に、1つの外部装置3が接続され、定電圧電源62の出力ライン6c、6d間に、2つの外部装置3が並列に接続され、定電圧電源63の出力ライン6c、6d間に、1つの外部装置3が接続されている。
【0098】
表示部20は、定電圧電源61〜63の出力電流IL1〜IL3の大きさを表示するためのインジケータ21、22、23を備えている。各インジケータ21〜23は、複数のランプ25が1列に配列された構成になっている。
【0099】
インジケータ21は、定電圧電源61の出力電流IL1の大きさ(接続端子部7A〜7Dに接続されている外部装置3に流れる合計電流の大きさ)を表示するものであり、筐体10の側面10aの上段に配置されている。インジケータ22は、定電圧電源62の出力電流IL2の大きさ(接続端子部7E〜7Hに接続されている外部装置3に流れる合計電流の大きさ)を表示するものであり、筐体10の側面10aの中段に配置されている。インジケータ23は、定電圧電源63の出力電流IL3の大きさ(接続端子部7I〜7Lに接続されている外部装置3に流れる合計電流の大きさ)を表示するものであり、筐体10の側面10aの下段に配置されている。
【0100】
インジケータ21は、定電圧電源61の出力電流IL1の大きさに応じて、出力電流IL1の大きさに対応する個数だけランプ25を点灯することによって、定電圧電源61の出力電流IL1の大きさをレベル表示する。すなわち、インジケータ21は、定電圧電源61の出力電流IL1の電流値が小さいほど、ランプ25の点灯個数を少なく(電流値が0のときには、全てのランプ25を消灯)する。また、インジケータ21は、定電圧電源61の出力電流IL1の電流値が大きいほど、ランプ25の点灯個数を多くする。
【0101】
また、インジケータ22は、定電圧電源62の出力電流IL2の大きさに応じて、出力電流IL2の大きさに対応する個数だけランプ25を点灯することによって、定電圧電源62の出力電流IL2の大きさをレベル表示する。すなわち、インジケータ22は、定電圧電源62の出力電流IL2の電流値が小さいほど、ランプ25の点灯個数を少なく(電流値が0のときには、全てのランプ25を消灯)する。また、インジケータ22は、定電圧電源62の出力電流IL2の電流値が大きいほど、ランプ25の点灯個数を多くする。
【0102】
また、インジケータ23は、定電圧電源62の出力電流IL3の大きさに応じて、出力電流IL3の大きさに対応する個数だけランプ25を点灯することによって、定電圧電源63の出力電流IL3の大きさをレベル表示する。すなわち、インジケータ23は、定電圧電源63の出力電流IL3の電流値が小さいほど、ランプ25の点灯個数を少なく(電流値が0のときには、全てのランプ25を消灯)する。また、インジケータ23は、定電圧電源63の出力電流IL3の電流値が大きいほど、ランプ25の点灯個数を多くする。
【0103】
このような構成の表示部20は、インジケータ21〜23のランプ25の点灯個数によって、定電圧電源61〜63の出力電流IL1〜IL3の電流値の大小関係をレベル表示する。
【0104】
図示の例では、インジケータ22のランプ25の点灯個数が最も多く、定電圧電源62の出力電流IL2の電流値が最も大きい(定電圧電源61の出力電流IL1の電流値、及び定電圧電源63の出力電流IL3の電流値よりも大きい)ことが表示されている。また、インジケータ21のランプ25の点灯個数とインジケータ23のランプ25の点灯個数とが同じであり、定電圧電源61の出力電流IL1の電流値と定電圧電源63の出力電流IL3の電流値とがほぼ同じであることが表示されている。
【0105】
本実施形態の電源システム1によれば、利用者が、外部装置3のコネクタ3oを接続端子部7A〜7Lに抜き差しして、表示部20の表示を見ることにより、外部装置3の接続先の決定の参考とすることができる。また、表示部20の各インジケータ21〜23のレベル(ランプ25の点灯個数)ができるだけ揃うように、外部装置3を接続端子部7A〜7Lに差し込むことにより、最適な接続を実現できる。すなわち、このように外部装置3を接続端子部7A〜7Lに差し込むことにより、定電圧電源61〜63の出力電流IL1〜IL3の電流値の大小差を最も小さくでき、出力電流IL1〜IL3のうちの最大となる出力電流の電流値を最も小さくできる。つまり、このように外部装置3を接続端子部7A〜7Lに差し込むことにより、全ての定電圧電源61〜63を安定動作させるのに必要最小限のシステム電流Isを、最も少なくすることができる。
【0106】
なお、本実施形態において、表示部20は、定電圧電源61〜63の出力電流IL1〜IL3の電流値をデジタル表示(数値表示)するものであってもよい。また、表示部20は、最小の出力電流になっている定電圧電源や最大の出力電流になっている定電圧電源を、LEDランプの点等、消灯等によって示す表示をするものであってもよい。
【0107】
<第3の実施形態>
図3は、第3の実施形態による電源システムの構成を示す。本実施形態の電源システム1は、接続部5の電源接続部8の構成が上記第1の実施形態と異なっている。また、本実施形態の電源システム1は、上記第1の実施形態の構成に加え、電源接続部8における接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63との接続を制御する接続制御部31をさらに備えている。本実施形態における他の構成については、上記第1の実施形態と同様である。
【0108】
本実施形態では、接続部5の電源接続部8は、複数の接続スイッチ9−1A、9−1B、9−1C、9−1D、9−2A、9−2B、9−2C、9−2D、9−3A、9−3B、9−3C、9−3Dを有している。
【0109】
接続スイッチ9−1Aは、オン状態のときに、定電圧電源61と接続端子部7Aとを接続し、オフ状態のときに、定電圧電源61と接続端子部7Aとを切断する。また、接続スイッチ9−1Bは、オン状態のときに、定電圧電源61と接続端子部7Bとを接続し、オフ状態のときに、定電圧電源61と接続端子部7Bとを切断する。また、接続スイッチ9−1Cは、オン状態のときに、定電圧電源61と接続端子部7Cとを接続し、オフ状態のときに、定電圧電源61と接続端子部7Cとを切断する。また、接続スイッチ9−1Dは、オン状態のときに、定電圧電源61と接続端子部7Dとを接続し、オフ状態のときに、定電圧電源61と接続端子部7Dとを切断する。
【0110】
同様に、接続スイッチ9−2A〜9−2Dは、オン状態のときに、定電圧電源62と接続端子部7A〜7Dとを接続し、オフ状態のときに、定電圧電源62と接続端子部7A〜7Dとを切断する。また同様に、接続スイッチ9−3A〜9−3Dは、オン状態のときに、定電圧電源63と接続端子部7A〜7Dとを接続し、オフ状態のときに、定電圧電源63と接続端子部7A〜7Dとを切断する。
【0111】
なお、上記における定電圧電源61と接続端子部7Aとの接続、切断は、定電圧電源61の出力ライン6c、6dと接続端子部7Aの接続端子7a、7bとの接続、切断である。また、定電圧電源61と接続端子部7Bとの接続、切断は、定電圧電源61の出力ライン6c、6dと接続端子部7Bの接続端子7a、7bとの接続、切断である。また、定電圧電源61と接続端子部7Cとの接続、切断は、定電圧電源61の出力ライン6c、6dと接続端子部7Cの接続端子7a、7bとの接続、切断である。また、定電圧電源61と接続端子部7Dとの接続、切断は、定電圧電源61の出力ライン6c、6dと接続端子部7Dの接続端子7a、7bとの接続、切断である。
【0112】
同様に、定電圧電源62と接続端子部7A〜7Dとの接続、切断は、定電圧電源62の出力ライン6c、6dと接続端子部7A〜7Dの接続端子7a、7bとの接続、切断である。また同様に、定電圧電源63と接続端子部7A〜7Dとの接続、切断は、定電圧電源63の出力ライン6c、6dと接続端子部7A〜7Dの接続端子7a、7bとの接続、切断である。
【0113】
従って、接続スイッチ9−1Aがオン状態であると、定電圧電源61から接続端子部7Aに接続される外部装置に電力が供給される。また、接続スイッチ9−1Bがオン状態であると、定電圧電源61から接続端子部7Bに接続される外部装置に電力が供給される。また、接続スイッチ9−1Cがオン状態であると、定電圧電源61から接続端子部7Cに接続される外部装置に電力が供給される。また、接続スイッチ9−1Dがオン状態であると、定電圧電源61から接続端子部7Dに接続される外部装置に電力が供給される。
【0114】
同様に、接続スイッチ9−2A〜9−2Dがオン状態であると、定電圧電源62から接続端子部7A〜7Dに接続される外部装置に電力が供給される。また同様に、接続スイッチ9−3A〜9−3Dがオン状態であると、定電圧電源63から接続端子部7A〜7Dに接続される外部装置に電力が供給される。
【0115】
各接続スイッチ9−1A〜9−1D、9−2A〜9−2D、9−3A〜9−3Dは、例えば、トランジスタなどの電子スイッチであり、接続制御部31によって、オン状態とオフ状態とに切換えられる。すなわち、電源接続部8は、接続制御部31による制御のもと、各接続端子部7A〜7Dを定電圧電源61〜63のいずれかに接続し、又は、その接続を切り換えるようになっている。
【0116】
接続制御部31は、接続スイッチ9−1A〜9−1D、9−2A〜9−2D、9−3A〜9−3Dを制御する。このとき、接続制御部31は、接続スイッチ9−1A、9−2A、9−3Aのうちの、いずれか1つをオン状態にし、それ以外をオフ状態にする。また、接続制御部31は、接続スイッチ9−1B、9−2B、9−3Bのうちの、いずれか1つをオン状態にし、それ以外をオフ状態にする。また、接続制御部31は、接続スイッチ9−1C、9−2C、9−3Cのうちの、いずれか1つをオン状態にし、それ以外をオフ状態にする。また、接続制御部31は、接続スイッチ9−1D、9−2D、9−3Dのうちの、いずれか1つをオン状態にし、それ以外をオフ状態にする。
【0117】
すなわち、電源接続部8は、接続制御部31による制御のもと、接続端子部7A(接続端子部7Aに接続される外部装置3A)を定電圧電源61〜63のいずれか1つに接続する。また、電源接続部8は、接続端子部7B(接続端子部7Bに接続される外部装置3B)を定電圧電源61〜63のいずれか1つに接続する。また、電源接続部8は、接続端子部7C(接続端子部7Cに接続される外部装置3C)を定電圧電源61〜63のいずれか1つに接続する。また、電源接続部8は、接続端子部7D(接続端子部7Dに接続される外部装置3D)を定電圧電源61〜63のいずれか1つに接続する。
【0118】
図示の例では、接続スイッチ9−1A、9−2A、9−3Aのうちの接続スイッチ9−1Aがオン状態にされている。また、接続スイッチ9−1B、9−2B、9−3Bのうちの接続スイッチ9−2Bがオン状態にされている。また、接続スイッチ9−1C、9−2C、9−3Cのうちの接続スイッチ9−3Cがオン状態にされている。また、接続スイッチ9−1D、9−2D、9−3Dのうちの接続スイッチ9−2Dがオン状態にされている。これら以外は、オフ状態にされている。従って、図示の例では、接続端子部7Aが定電圧電源61に接続され、接続端子部7Bが定電圧電源62に接続され、接続端子部7Cが定電圧電源63に接続され、接続端子部7Dが定電圧電源62に接続されている。
【0119】
接続制御部31は、例えばパソコンなどの外部制御装置からの接続制御信号を受けて、接続スイッチ9−1A〜9−1D、9−2A〜9−2D、9−3A〜9−3Dを制御する。すなわち、接続制御部31は、例えばパソコンなどの外部制御装置からの接続制御信号を受けて、接続端子部7A〜7D(外部装置3A〜3D)と定電圧電源61〜63との接続を制御する。つまり、接続制御部31は、外部制御装置からの接続制御信号の示す接続形態で接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63とを接続するように、接続スイッチ9−1A〜9−1D、9−2A〜9−2D、9−3A〜9−3Dを制御する。
【0120】
本実施形態の電源システム1によれば、外部制御装置から接続制御信号を与えることによって、外部装置3A〜3Dの接続先(外部装置3A〜3Dを定電圧電源61〜63のいずれに接続するか)を選択することができる。従って、利用者がスイッチ等を操作したり、外部装置3A〜3Dのコネクタを抜き差しすることなく、遠隔制御などによって、外部装置3A〜3Dの接続先を選択することができる。
【0121】
なお、本実施形態において、各定電圧電源6の出力電流の電流値の大小関係を表示する表示部を備えていてもよい。このような構成によれば、その表示部の表示を見て、外部装置3の接続先の決定の参考とすることができる。また、その表示部の表示を見て、各定電圧電源6の出力電流の電流値の大小差を小さくするように、外部装置3の接続先を決定することができる。
【0122】
<第4の実施形態>
図4は、第4の実施形態による電源システムの構成を示す。本実施形態の電源システム1は、上記第3の実施形態の構成に加え、接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63との接続を制御するのに用いる情報を設定するためのスライド抵抗32(32A、32B、32C、32D)をさらに備えている。また、本実施形態の電源システム1は、接続制御部31の構成が上記第3の実施形態と異なっている。本実施形態における他の構成については、上記第3の実施形態と同様である。
【0123】
スライド抵抗32A〜32Dによって、接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63との接続を制御するのに用いる情報として、接続端子部7A〜7Dに接続される外部装置3A〜3Dに供給すべき電流に関する情報である電流設定情報が設定される。すなわち、利用者が、スライド抵抗32A〜32Dによって、接続端子部7A〜7Dに接続される外部装置3A〜3Dに供給すべき電流に関する情報である電流設定情報を設定する。電流設定情報は、例えば、外部装置3A〜3Dの定格電流である。つまり、利用者は、スライド抵抗32Aによって、接続端子部7Aに接続される外部装置3Aに供給すべき電流に関する情報である電流設定情報を設定する。また、利用者は、スライド抵抗32Bによって、接続端子部7Bに接続される外部装置3Bに供給すべき電流に関する情報である電流設定情報を設定する。また、利用者は、スライド抵抗32Cによって、接続端子部7Cに接続される外部装置3Cに供給すべき電流に関する情報である電流設定情報を設定する。また、利用者は、スライド抵抗32Dによって、接続端子部7Dに接続される外部装置3Dに供給すべき電流に関する情報である電流設定情報を設定する。電流設定情報は、プログラマブルとなっており、利用者が、スライド抵抗32A〜32Dによって、任意に設定できるようになっている。
【0124】
接続制御部31は、スライド抵抗32A〜32Dにより設定された電流設定情報に基いて、接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63との接続形態(接続端子部7A〜7Dを定電圧電源61〜63のいずれに接続するか)を決定する。このとき、接続制御部31は、定電圧電源61〜63の出力電流IL1〜IL3の電流値の大小差が最小となるように、接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63との接続形態を決定する。
【0125】
出力電流IL1〜IL3の電流値の大小差が最小となる場合は、出力電流IL1〜IL3のうちの最大となる出力電流の電流値が最も小さくなる場合である。出力電流IL1〜IL3のうちの最大となる出力電流の電流値が最も小さいということは、全ての定電圧電源61〜63を安定動作させるのに必要なシステム電流Isの電流値が最も小さいということである。出力電流IL1〜IL3の電流値の大小差を最小にすれば、出力電流IL1〜IL3のうちの最大となる出力電流の電流値を最も小さくでき、全ての定電圧電源61〜63を安定動作させるのに必要なシステム電流Isの電流値を最小にすることができる。従って、出力電流IL1〜IL3の電流値の大小差が最小となる場合とは、全ての定電圧電源61〜63を安定動作させるのに必要なシステム電流Isの電流値を最小にできる場合である。すなわち、接続制御部31は、スライド抵抗32A〜32Dにより設定された電流設定情報に基いて、システム電流Isの電流値を最小にすることができるように、接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63との接続形態を決定する。
【0126】
そして、接続制御部31は、その決定したように(その決定した接続形態で)接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63とを接続するように、電源接続部8における接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63との接続を制御する。すなわち、接続制御部31は、その決定したように接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63とを接続するように、接続スイッチ9−1A〜9−1D、9−2A〜9−2D、9−3A〜9−3Dを制御する。
【0127】
本実施形態の電源システム1によれば、利用者が、スライド抵抗32A〜32Dによって定電圧電源61〜63の出力電流(外部装置の定格電流)を設定するだけで、外部装置3A〜3Dを定電圧電源61〜63に接続することができる。しかも、全ての定電圧電源61〜63を安定動作させるのに必要なシステム電流Isを最も少なくすることができるように、外部装置3A〜3Dを定電圧電源61〜63に接続することができる。また、定電圧電源61〜63の出力電圧V1〜V3が同じである場合に、ある定電圧電源の出力電流(ある定電圧電源に接続される外部装置の負荷電流の和)が所定の値を超えないように、外部装置3A〜3Dを定電圧電源61〜63に接続することができる。
【0128】
なお、本実施形態において、スライド抵抗32A〜32Dにより設定される電流設定情報は、外部装置3A〜3Dの定格電流に限られず、最大電流値であってもよい。また、スライド抵抗32A〜32Dは、電流設定情報に代えて、外部装置3A〜3Dに供給すべき電圧に関する情報である電圧設定情報を設定するためのものであってもよい。この場合、電圧設定情報は、例えば、外部装置3A〜3Dの定格電圧である。また、この場合、接続制御部31は、スライド抵抗32A〜32Dにより設定された電圧設定情報に基いて、システム電流Isが最小となるように、接続端子部7A〜7Dを定電圧電源61〜63のいずれに接続するかを決定する。
【0129】
また、本実施形態において、接続制御部31は、接続端子部7A〜7Dを定電圧電源61〜63のいずれに接続するかを決定せず、例えばCPUや外部制御装置が、接続端子部7A〜7Dを定電圧電源61〜63のいずれに接続するかを決定してもよい。
【0130】
また、本実施形態において、接続制御部31又は例えばCPUや外部制御装置が、全ての定電圧電源61〜63を安定動作させるのに必要最小限のシステム電流Isの電流値を求めるようになっていてもよい。そして、不図示の電源制御部が、システム電流Isの電流値を、接続制御部31又は例えばCPUや外部制御装置が求めた電流値に設定するようになっていてもよい。
【0131】
<第5の実施形態>
図5は、第5の実施形態による電源システムの構成を示す。本実施形態の電源システム1は、上記第3の実施形態の構成に加え、接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63との接続を制御するのに用いる情報をデータとして保持するレジスタ33をさらに備えている。また、本実施形態の電源システム1は、接続制御部31の構成が上記第3の実施形態と異なっている。本実施形態における他の構成については、上記第3の実施形態と同様である。
【0132】
レジスタ33は、接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63との接続を制御するのに用いる情報として、外部装置3A〜3Dに供給すべき電圧に関する情報である電圧設定情報をデータとして保持する。電圧設定情報は、例えば、外部装置3A〜3Dの定格電圧である。レジスタ33のデータ(電圧設定情報)は、プログラマブルとなっており、外部装置3A〜3D又は不図示のパソコンなどの外部制御装置から通信によってレジスタ33に伝えられて、書込まれる(書換えられる)ようになっている。
【0133】
接続制御部31は、レジスタ33の保持しているデータに基いて、接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63との接続形態(接続端子部7A〜7Dを定電圧電源61〜63のいずれに接続するか)を決定する。このとき、接続制御部31は、定電圧電源61〜63の出力電流IL1〜IL3の電流値の大小差が最小となるように、接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63との接続形態を決定する。
【0134】
出力電流IL1〜IL3の電流値の大小差が最小となる場合とは、全ての定電圧電源61〜63を安定動作させるのに必要なシステム電流Isの電流値を最小にできる場合である。すなわち、接続制御部31は、レジスタ33の保持しているデータに基いて、システム電流Isの電流値を最小にすることができるように、接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63との接続形態を決定する。
【0135】
そして、接続制御部31は、その決定したように(その決定した接続形態で)接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63とを接続するように、電源接続部8における接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63との接続を制御する。すなわち、接続制御部31は、その決定したように接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63とを接続するように、接続スイッチ9−1A〜9−1D、9−2A〜9−2D、9−3A〜9−3Dを制御する。
【0136】
本実施形態の電源システム1によれば、利用者が、レジスタ33に定電圧電源61〜63の出力電圧(外部装置の定格電圧)を書込むだけで、外部装置3A〜3Dを定電圧電源61〜63に接続することができる。しかも、全ての定電圧電源61〜63を安定動作させるのに必要なシステム電流Isを最も少なくすることができるように、外部装置3A〜3Dを定電圧電源61〜63に接続することができる。また、外部装置3A〜3Dは、誤った電圧を供給される虞がない。
【0137】
なお、本実施形態において、レジスタ33のデータを、例えば外部装置3A〜3D又は外部制御装置からの通信によって、自動的に、書込むようにしてもよい。このようにすれば、利用者が電圧設定情報を書込む手間が不要となり、また、人的エラーによる諸問題の発生を防ぐことができる。また、レジスタ33のデータを通信によって書込むようにした場合、通信は、電線によるものであってもよいし、無線や光結合によるものであってもよい。
【0138】
また、本実施形態において、レジスタ33は、電圧設定情報に代えて、外部装置3A〜3Dに供給すべき電流に関する情報である電流設定情報をデータとして保持してもよい。この場合、電流設定情報は、例えば、外部装置3A〜3Dの定格電流や最大電流値である。また、この場合、接続制御部31は、レジスタ33の保持している電流設定情報に基いて、システム電流Isが最小となるように、接続端子部7A〜7Dを定電圧電源61〜63のいずれに接続するかを決定する。
【0139】
また、本実施形態において、接続制御部31は、接続端子部7A〜7Dを定電圧電源61〜63のいずれに接続するかを決定せず、例えばCPUや外部制御装置が、接続端子部7A〜7Dを定電圧電源61〜63のいずれに接続するかを決定してもよい。
【0140】
また、本実施形態において、接続制御部31又は例えばCPUや外部制御装置が、全ての定電圧電源61〜63を安定動作させるのに必要最小限のシステム電流Isの電流値を求めるようになっていてもよい。そして、不図示の電源制御部が、システム電流Isの電流値を、接続制御部31又は例えばCPUや外部制御装置が求めた電流値に設定するようになっていてもよい。
【0141】
<第6の実施形態>
図6は、第6の実施形態による電源システムの構成を示す。本実施形態の電源システム1は、上記第3の実施形態の構成に加え、接続端子部7A〜7Dに流れる電流の電流値を検出する電流検出部41をさらに備えている。また、本実施形態の電源システム1は、接続制御部31の構成が上記第3の実施形態と異なっている。本実施形態における他の構成については、上記第3の実施形態と同様である。
【0142】
電源システム1は、電流検出部41として、12個の電流検出部41−1A、41−1B、41−1C、41−1D、41−2A、41−2B、41−2C、41−2D、41−3A、41−3B、41−3C、41−3Dを備えている。
【0143】
電流検出部41−1Aは、定電圧電源61から接続端子部7Aに流れる電流を検出する。また、電流検出部41−1Bは、定電圧電源61から接続端子部7Bに流れる電流を検出する。また、電流検出部41−1Cは、定電圧電源61から接続端子部7Cに流れる電流を検出する。また、電流検出部41−1Dは、定電圧電源61から接続端子部7Dに流れる電流を検出する。
【0144】
電流検出部41−2Aは、定電圧電源62から接続端子部7Aに流れる電流を検出する。また、電流検出部41−2Bは、定電圧電源62から接続端子部7Bに流れる電流を検出する。また、電流検出部41−2Cは、定電圧電源62から接続端子部7Cに流れる電流を検出する。また、電流検出部41−2Dは、定電圧電源62から接続端子部7Dに流れる電流を検出する。
【0145】
電流検出部41−3Aは、定電圧電源63から接続端子部7Aに流れる電流を検出する。また、電流検出部41−3Bは、定電圧電源63から接続端子部7Bに流れる電流を検出する。また、電流検出部41−3Cは、定電圧電源63から接続端子部7Cに流れる電流を検出する。また、電流検出部41−3Dは、定電圧電源63から接続端子部7Dに流れる電流を検出する。
【0146】
接続端子部7Aに流れる電流は、接続端子部7Aに接続される外部装置3Aに流れる負荷電流IAである。また、接続端子部7Bに流れる電流は、接続端子部7Bに接続される外部装置3Bに流れる負荷電流IBである。また、接続端子部7Cに流れる電流は、接続端子部7Cに接続される外部装置3Cに流れる負荷電流ICである。また、接続端子部7Dに流れる電流は、接続端子部7Dに接続される外部装置3Dに流れる負荷電流IDである。
【0147】
定電圧電源61の出力電流IL1は、外部装置3A〜3Dのうちの定電圧電源61に接続されている外部装置に流れる負荷電流の和である。また、定電圧電源62の出力電流IL2は、外部装置3A〜3Dのうちの定電圧電源62に接続されている外部装置に流れる負荷電流の和である。また、定電圧電源63の出力電流IL3は、外部装置3A〜3Dのうちの定電圧電源63に接続されている外部装置に流れる負荷電流の和である。
【0148】
接続制御部31は、各電流検出部41により検出された電流値に基いて、接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63との接続形態(接続端子部7A〜7Dを定電圧電源61〜63のいずれに接続するか)を決定する。このとき、接続制御部31は、定電圧電源61〜63の出力電流IL1〜IL3の電流値の大小差が最小となるように、接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63との接続形態を決定する。
【0149】
出力電流IL1〜IL3の電流値の大小差が最小となる場合とは、全ての定電圧電源61〜63を安定動作させるのに必要なシステム電流Isの電流値を最小にできる場合である。すなわち、接続制御部31は、各電流検出部41により検出された電流値に基いて、システム電流Isの電流値を最小にすることができるように、接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63との接続形態を決定する。
【0150】
そして、接続制御部31は、その決定したように(その決定した接続形態で)接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63とを接続するように、電源接続部8における接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63との接続を制御する。すなわち、接続制御部31は、その決定したように接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63とを接続するように、接続スイッチ9−1A〜9−1D、9−2A〜9−2D、9−3A〜9−3Dを制御する。
【0151】
接続制御部31は、上記の接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63との接続形態の決定、及び接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63との接続の制御を、例えば、電源システム1の起動時や新たに外部装置3が接続されたときに行う。また、定期的に行ってもよく、常時、行ってもよい。
【0152】
接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63との接続形態の決定は、以下のようにして行われる。すなわち、接続制御部31は、接続端子部7A〜7Dを1つずつ定電圧電源61〜63に順番に接続していき、各接続したときに接続端子部7A〜7Dに流れる電流の電流値を各電流検出部41から取得する。そして、接続制御部31は、それらの電流値を比較することにより、接続端子部7A〜7Dを定電圧電源61〜63にどのように接続すれば、定電圧電源61〜63の出力電流IL1〜IL3の電流値の大小差が最小となるのかを判定する。接続制御部31は、このようにして、定電圧電源61〜63の出力電流IL1〜IL3の電流値の大小差が最小となるように、接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63との接続形態を決定する。
【0153】
本実施形態の電源システム1によれば、各電流検出部41により接続端子部7A〜7Dに流れる電流の電流値を検出して、自動的に、外部装置3A〜3Dを定電圧電源61〜63に接続することができる。しかも、全ての定電圧電源61〜63を安定動作させるのに必要なシステム電流Isを最も少なくすることができるように、外部装置3A〜3Dを定電圧電源61〜63に接続することができる。
【0154】
なお、本実施形態において、接続制御部31又は例えばCPUや外部制御装置が、全ての定電圧電源61〜63を安定動作させるのに必要最小限のシステム電流Isの電流値を求めるようになっていてもよい。そして、不図示の電源制御部が、システム電流Isの電流値を、接続制御部31又は例えばCPUや外部制御装置が求めた電流値に設定するようになっていてもよい。
【0155】
<第7の実施形態>
図7は、第7の実施形態による電源システムの構成を示す。本実施形態の電源システム1は、上記第3の実施形態の構成に加え、定電圧電源61〜63の出力電流IL1〜IL3の電流値を検出する電流検出部42をさらに備えている。また、本実施形態の電源システム1は、接続制御部31の構成が上記第3の実施形態と異なっている。本実施形態における他の構成については、上記第3の実施形態と同様である。
【0156】
電源システム1は、電流検出部42として、3個の電流検出部42−1、42−2、42−3を備えている。電流検出部42−1は、定電圧電源61の出力電流IL1を検出する。また、電流検出部42−2は、定電圧電源62の出力電流IL2を検出する。また、電流検出部42−3は、定電圧電源63の出力電流IL3を検出する。
【0157】
接続制御部31は、各電流検出部42−1〜42−3により検出された電流値に基いて、接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63との接続形態(接続端子部7A〜7Dを定電圧電源61〜63のいずれに接続するか)を決定する。このとき、接続制御部31は、定電圧電源61〜63の出力電流IL1〜IL3の電流値の大小差が最小となるように、接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63との接続形態を決定する。
【0158】
出力電流IL1〜IL3の電流値の大小差が最小となる場合とは、全ての定電圧電源61〜63を安定動作させるのに必要なシステム電流Isの電流値を最小にできる場合である。すなわち、接続制御部31は、各電流検出部42−1〜42−3により検出された電流値に基いて、システム電流Isの電流値を最小にすることができるように、接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63との接続形態を決定する。
【0159】
そして、接続制御部31は、その決定したように(その決定した接続形態で)接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63とを接続するように、電源接続部8における接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63との接続を制御する。すなわち、接続制御部31は、その決定したように接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63とを接続するように、接続スイッチ9−1A〜9−1D、9−2A〜9−2D、9−3A〜9−3Dを制御する。
【0160】
接続制御部31は、上記の接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63との接続形態の決定、及び接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63との接続の制御を、例えば、電源システム1の起動時や新たに外部装置3が接続されたときに行う。また、定期的に行ってもよく、常時、行ってもよい。
【0161】
接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63との接続形態の決定は、以下のようにして行われる。すなわち、接続制御部31は、接続端子部7A〜7Dを1つずつ定電圧電源61〜63に順番に接続していき、各接続したときの定電圧電源61〜63の出力電流IL1〜IL3の電流値を各電流検出部42から取得する。そして、接続制御部31は、それらの電流値を比較することにより、接続端子部7A〜7Dを定電圧電源61〜63にどのように接続すれば、定電圧電源61〜63の出力電流IL1〜IL3の電流値の大小差が最小となるのかを判定する。接続制御部31は、このようにして、定電圧電源61〜63の出力電流IL1〜IL3の電流値の大小差が最小となるように、接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63との接続形態を決定する。
【0162】
本実施形態の電源システム1によれば、各電流検出部42により定電圧電源61〜63の出力電流IL1〜IL3の電流値を検出して、自動的に、外部装置3A〜3Dを定電圧電源61〜63に接続することができる。しかも、全ての定電圧電源61〜63を安定動作させるのに必要なシステム電流Isを最も少なくすることができるように、外部装置3A〜3Dを定電圧電源61〜63に接続することができる。
【0163】
なお、本実施形態において、接続制御部31又は例えばCPUや外部制御装置が、全ての定電圧電源61〜63を安定動作させるのに必要最小限のシステム電流Isの電流値を求めるようになっていてもよい。そして、不図示の電源制御部が、システム電流Isの電流値を、接続制御部31又は例えばCPUや外部制御装置が求めた電流値に設定するようになっていてもよい。
【0164】
<第8の実施形態>
図8は、第8の実施形態による電源システムの構成を示す。本実施形態の電源システム1は、上記第3の実施形態の構成に加え、入力部4から定電圧電源6に流れるシステム電流Isの電流値を検出する電流検出部43をさらに備えている。また、本実施形態の電源システム1は、接続制御部31の構成が上記第3の実施形態と異なっている。本実施形態における他の構成については、上記第3の実施形態と同様である。
【0165】
電流検出部43は、定電圧電源63から入力部4の入力端子4bに流れる電流を検出する。定電圧電源61、62、63は、入力部4の入力端子4a、4b間に直列に接続されている。従って、定電圧電源63から入力部4の入力端子4bに流れる電流は、入力部4から定電圧電源61に流れる電流と等しく、システム電流Isである。つまり、電流検出部43は、入力部4から定電圧電源61に流れるシステム電流Isを検出する。
【0166】
接続制御部31は、電流検出部43により検出された電流値に基いて、接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63との接続形態(接続端子部7A〜7Dを定電圧電源61〜63のいずれに接続するか)を決定する。このとき、接続制御部31は、定電圧電源61〜63の出力電流IL1〜IL3の電流値の大小差が最小となるように、接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63との接続形態を決定する。
【0167】
出力電流IL1〜IL3の電流値の大小差が最小となる場合とは、全ての定電圧電源61〜63を安定動作させるのに必要なシステム電流Isの電流値を最小にできる場合である。すなわち、接続制御部31は、電流検出部43により検出された電流値に基いて、システム電流Isの電流値を最小にすることができるように、接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63との接続形態を決定する。
【0168】
そして、接続制御部31は、その決定したように(その決定した接続形態で)接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63とを接続するように、電源接続部8における接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63との接続を制御する。すなわち、接続制御部31は、その決定したように接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63とを接続するように、接続スイッチ9−1A〜9−1D、9−2A〜9−2D、9−3A〜9−3Dを制御する。
【0169】
接続制御部31は、上記の接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63との接続形態の決定、及び接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63との接続の制御を、例えば、電源システム1の起動時や新たに外部装置3が接続されたときに行う。また、定期的に行ってもよく、常時、行ってもよい。
【0170】
接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63との接続形態の決定は、以下のようにして行われる。すなわち、接続制御部31は、接続端子部7A〜7Dを1つずつ定電圧電源61〜63に順番に接続していき、各接続したときのシステム電流Isの電流値を電流検出部43から取得する。一方、接続制御部31は、各定電圧電源61〜63のシャント電流Ish1〜Ish3をモニターしている。システム電流Isは、Is=I1=Ic+Ish1+IL1であり、また、Is=I2=Ic+Ish2+IL2であり、また、Is=I3=Ic+Ish3+IL3である。接続制御部31は、これらの関係に基いて、電流検出部43から取得したシステム電流Isの電流値と、モニターして取得したシャント電流Ish1〜Ish3から、上記各接続したときの定電圧電源61〜63の出力電流IL1〜IL3を算出する。そして、接続制御部31は、それらの電流値を比較することにより、接続端子部7A〜7Dを定電圧電源61〜63にどのように接続すれば、定電圧電源61〜63の出力電流IL1〜IL3の電流値の大小差が最小となるのかを判定する。
【0171】
本実施形態の電源システム1によれば、電流検出部43によりシステム電流Isの電流値を検出して、自動的に、外部装置3A〜3Dを定電圧電源61〜63に接続することができる。しかも、全ての定電圧電源61〜63を安定動作させるのに必要なシステム電流Isを最も少なくすることができるように、外部装置3A〜3Dを定電圧電源61〜63に接続することができる。
【0172】
なお、本実施形態において、接続制御部31又は例えばCPUや外部制御装置が、全ての定電圧電源61〜63を安定動作させるのに必要最小限のシステム電流Isの電流値を求めるようになっていてもよい。そして、不図示の電源制御部が、システム電流Isの電流値を、接続制御部31又は例えばCPUや外部制御装置が求めた電流値に設定するようになっていてもよい。
【0173】
<第9の実施形態>
図9は、第9の実施形態による電源システムの構成を示す。本実施形態の電源システム1は、上記第3の実施形態の構成に加え、電源制御部50を備えている。本実施形態における他の構成については、上記第3の実施形態と同様である。
【0174】
電源制御部50は、システム電流制御部51と制御回路部52とを備えており、入力部4から定電圧電源6に流れるシステム電流Isを制御する。
【0175】
システム電流制御部51は、例えば可変定電流回路であり、入力部4の入力端子4aと定電圧電源61の入力ライン6aとの間に接続(すなわち定電圧電源61〜63と直列に接続)されている。すなわち、システム電流制御部51は、入力部4から定電圧電源61に至る経路に流すべき電流の電流値が設定されるようになっており、入力部4から定電圧電源61に至る経路に流すべき電流の電流値を、その設定電流値に保つように制御する。入力部4から定電圧電源61に至る経路に流れる電流は、システム電流Isである。つまり、システム電流制御部51は、システム電流Isの電流値を、設定電流値に保つように制御する。
【0176】
制御回路部52は、システム電流制御部51の設定電流値を設定するための設定信号(設定すべき電流値を示す信号)をシステム電流制御部51に与えることによって、システム電流制御部51の設定電流値を制御する。システム電流制御部51は、制御回路部52からの設定信号を受けて、設定電流値をその設定信号の示す電流値に設定し、システム電流Is(入力部4から定電圧電源61に至る経路に流れる電流)の電流値を、その設定電流値で一定に保つように制御する。システム電流制御部51の設定電流値が変わると、システム電流Isの電流値が変わる。従って、制御回路部52がシステム電流制御部51の設定電流値を制御することによって、システム電流Isの電流値が制御される。
【0177】
電源制御部50は、このようにして、システム電流Isの電流値を制御する。すなわち、電源制御部50は、制御回路部52によってシステム電流制御部51の設定電流値を制御して、入力部4から定電圧電源61に至る経路に流れる電流の電流値を制御することにより、システム電流Isの電流値を制御する。
【0178】
定電圧電源61〜63は、シャントレギュレータである。システム電流制御部51には、定電圧電源61〜63の出力電圧V1〜V3の合計電圧と、直流電源2の直流電圧Vinとの差電圧がかかることになる。
【0179】
例えば、直流電源2の直流電圧Vinが24Vであり、各定電圧電源61、62、63の出力電圧V1、V2、V3がV1=5V、V2=5V、V3=5Vであるとする。システム電流制御部51には、9Vの電圧がかかることになる。また、5V定格時において、各外部装置3A、3B、3C、3Dに流れる負荷電流IA、IB、IC、IDがIA=100mA、IB=70mA、IC=110mA、ID=50mAであるとする。また、各定電圧電源61〜63自身の消費電流IcがIc=1mAであるとする。また、外部装置3Aが定電圧電源61に接続され、外部装置3Bと外部装置3Dが定電圧電源62に接続され、外部装置3Cが定電圧電源63に接続されているとする。
【0180】
そうすると、定電圧電源61〜63の出力電流IL1〜IL3(負荷電流の和)は、IL1=100mA、IL2=120mA、IL3=110mAとなる。すなわち、定電圧電源61〜63の出力電流IL1〜IL3のうちの最大となる出力電流は、定電圧電源62の出力電流IL2となり、その電流値は、IL2=120mAとなる。つまり、全ての定電圧電源61〜63の安定動作に必要なシステム電流Isは、121mA以上あればよいことになる。
【0181】
従って、このような場合、電源制御部50は、システム電流Isの電流値を121mAとなるように制御する。すなわち、電源制御部50は、制御回路部52によって、システム電流制御部51の設定電流値を121mAに設定するように制御する。これにより、システム電流制御部51は、システム電流Isの電流値を121mAに保つように制御し、システム電流Isの電流値は、全ての定電圧電源61〜63の安定動作に必要最小限の電流値である121mAとなる。
【0182】
本実施形態の電源システム1によれば、システム電流の電流値Isをフレキシブルに設定できる。また、システム電流の電流値Isを、定電圧電源61〜63のうちの出力電流が最大である定電圧電源の安定動作に必要最小限の電流値に設定することができる。このように設定することにより、不必要な電流を流さなくて済み、電力消費を少なくすることができる。
【0183】
また、定電圧電源6がシャントレギュレータであるため、定電圧電源6が何段に直列接続されていても、入力部4と定電圧電源6の間にシステム電流制御部51を設けるだけで、システム電流制御部51によってシステム電流Isの電流値を制御できる。従って、構成が簡単になる。
【0184】
なお、本実施形態において、電源制御部50は、システム電流制御部51が可変抵抗器であり、制御回路部52がシステム電流制御部51の(可変抵抗器の)抵抗値を制御することにより、システム電流Isの電流値を制御するものであってもよい。
【0185】
また、本実施形態において、電源制御部50は、例えば電源システム1の設置者又は外部装置3A〜3Dの設置者による操作を受けて、システム電流Isの電流値を、所定の電流値となるように制御するようになっていてもよい。また、電源制御部50は、例えばパソコンなどの外部制御装置からの設定制御信号を受けて、システム電流Isの電流値を、所定の電流値となるように制御するようになっていてもよい。また、電源制御部50は、外部制御装置から、外部装置3に供給すべき電圧に関する情報である電圧設定情報が与えられ、その電圧設定情報に基いて、システム電流Isの電流値を、所定の電流値となるように制御するようになっていてもよい。また、電源制御部50は、全ての定電圧電源61〜63を安定動作させるのに必要最小限のシステム電流Isの電流値を求めて、システム電流Isの電流値を、その電流値となるように制御するようになっていてもよい。
【0186】
<第10の実施形態>
図10は、第10の実施形態による電源システムの構成を示す。本実施形態の電源システム1は、定電圧電源6及び電源制御部50の構成が上記第9の実施形態と異なっている。本実施形態における他の構成については、上記第9の実施形態と同様である。
【0187】
本実施形態では、定電圧電源61〜63は、シリーズレギュレータである。また、定電圧電源61〜63は、システム電流Isを制御するための構成を一部兼ね備えている。電源制御部50は、定電圧電源61〜63を制御することにより、システム電流Isを制御する。
【0188】
図11は、本実施形態の電源システム1における定電圧電源61の構成を示す。定電圧電源61は、シリーズレギュレータであり、入力ライン6a、6bと、出力ライン6c、6dと、動作回路部6eとを有している。動作回路部6eは、MOSFET6mと、抵抗6n、6oと、基準電源6pと、オペアンプ6qとを有している。
【0189】
MOSFET6mは、N型のMOSFETであり、ソースが入力ライン6aに接続されており、ドレインが抵抗6n、6oを介して入力ライン6bに接続されており、ゲートがオペアンプ6qの出力端子に接続されている。抵抗6nは、一端がMOSFET6mのドレインに接続されており、他端が抵抗6oの一端に接続されている。抵抗6oは、一端が抵抗6nの他端に接続されており、他端が入力ライン6bに接続されている。基準電源6pは、正極(+極)がオペアンプ6qの非反転入力端子に接続されており、負極(−極)が抵抗6oの他端に接続されている。オペアンプ6qは、非反転入力端子が基準電源6pの正極(+極)に接続されており、反転入力端子が抵抗6nと6oとの間に接続されており、出力端子がMOSFET6mのゲートに接続されている。出力ライン6cは、MOSFET6mのドレインと抵抗6nの一端との間に接続されており、出力ライン6dは、抵抗6oの他端に接続されている。
【0190】
また、この定電圧電源61は、定電圧電源61と並列に(動作回路部6eと並列に)可変シャント電流経路6sを有している。可変シャント電流経路6sは、一端が入力ライン6aに接続されており、他端が入力ライン6bに接続されている。可変シャント電流経路6sには、可変定電流回路6tが設けられている。すなわち、可変定電流回路6tは、入力ライン6a、6b間に接続されている。
【0191】
このような構成の定電圧電源61は、入力ライン6a、6b間に電力が供給されることにより、動作回路部6eが動作し、出力ライン6c、6d間に所定の出力電圧V1を出力する。そして、定電圧電源61は、MOSFET6mでの電圧の降圧を制御することによって、出力ライン6c、6d間の出力電圧V1を所定の電圧値に保つ。このとき、入力ライン6a、6bには、入力電流I1が流れ、抵抗6n、6oには、動作電流Ix1が流れ、出力ライン6c、6dには、出力電流IL1が流れる。また、可変シャント電流経路6sには、シャント電流Iz1が流れる。このシャント電流Iz1は、上記第9の実施形態における定電圧電源(シャントレギュレータ)のシャント電流Ish1、Ish2、Ish3とは異なるものである。入力電流I1は、動作電流Ix1と出力電流IL1とシャント電流Iz1の和である。シャント電流Iz1の電流値は、可変定電流回路6tの設定電流値が制御されることによって、制御される。可変定電流回路6tの設定電流値は、電源制御部50によって制御される。
【0192】
電源制御部50は、定電圧電源61の可変定電流回路6tの設定電流値を制御することにより、定電圧電源61の可変シャント電流経路6sに流れるシャント電流Iz1の電流値を制御する。入力電流I1は、動作電流Ix1と出力電流IL1とシャント電流Iz1の和であることから、シャント電流Iz1の電流値が変化(増減)すると、入力電流I1の電流値が変化(増減)する。そして、入力電流I1の電流値は、システム電流Isの電流値と等しい。従って、シャント電流Iz1の電流値が変化(増減)すると、システム電流Isの電流値が変化(増減)する。すなわち、電源制御部50は、定電圧電源61の可変定電流回路6tの電流値を制御して、定電圧電源61の可変シャント電流経路6sに流れるシャント電流Iz1の電流値を制御することにより、システム電流Isの電流値を制御する。
【0193】
また、定電圧電源62、63も定電圧電源61と同様の構成である。電源制御部50は、定電圧電源62の可変定電流回路6tの設定電流値を制御して、定電圧電源62の可変シャント電流経路6sに流れるシャント電流Iz2の電流値を制御することにより、システム電流Isの電流値を制御する。電源制御部50は、定電圧電源63の可変定電流回路6tの設定電流値を制御して、定電圧電源63の可変シャント電流経路6sに流れるシャント電流Iz3の電流値を制御することにより、システム電流Isの電流値を制御する。
【0194】
電源制御部50は、定電圧電源61〜63のシャント電流の電流値を個別に制御することにより、システム電流Isの電流値が、全ての定電圧電源61〜63の安定動作に必要な電流値となるようにする。逆の言い方をすれば、電源制御部50は、システム電流Isの電流値が、全ての定電圧電源61〜63の安定動作に必要な電流値となるように、定電圧電源61〜63のシャント電流を個別に制御する。すなわち、電源制御部50は、システム電流Isの電流値が、定電圧電源61〜63のうちの出力電流(負荷電流の和)が最大である定電圧電源の安定動作に必要な電流値となるように、定電圧電源61〜63のシャント電流を個別に制御する。このとき、電源制御部50は、定電圧電源61〜63のうちの出力電流が最大である定電圧電源を除いた各定電圧電源のシャント電流を個別に制御する。
【0195】
例えば、各外部装置3A、3B、3C、3Dに流れる負荷電流IA、IB、IC、IDがIA=100mA、IB=70mA、IC=110mA、ID=50mAであるとする。また、各定電圧電源61〜63自身の動作電流Ix1〜Ix3が各々1mAであるとする。また、外部装置3Aが定電圧電源61に接続され、外部装置3Bと外部装置3Dが定電圧電源62に接続され、外部装置3Cが定電圧電源63に接続されているとする。
【0196】
そうすると、定電圧電源61〜63の出力電流IL1〜IL3(負荷電流の和)は、IL1=100mA、IL2=120mA、IL3=110mAとなる。すなわち、定電圧電源61〜63の出力電流IL1〜IL3のうちの最大となる出力電流は、定電圧電源62の出力電流IL2となり、その電流値は、IL2=120mAとなる。つまり、全ての定電圧電源61〜63の安定動作に必要なシステム電流Isは、121mA以上あればよいことになる。
【0197】
従って、このような場合、電源制御部50は、定電圧電源61の可変シャント電流経路6sに流れるシャント電流Iz1の電流値が20mAとなるように、定電圧電源61の定電流回路6tの設定電流値を制御する。また、電源制御部50は、定電圧電源63の可変シャント電流経路6sに流れるシャント電流Iz1の電流値が10mAとなるように、定電圧電源63の定電流回路6tの設定電流値を制御する。これにより、システム電流Isの電流値は、全ての定電圧電源61〜63の安定動作に必要最小限の電流値である121mAとなる。
【0198】
本実施形態の電源システム1によれば、システム電流の電流値Isをフレキシブルに設定できる。また、システム電流の電流値Isを、定電圧電源61〜63のうちの出力電流が最大である定電圧電源の安定動作に必要最小限の電流値に設定することができる。このように設定することにより、不必要な電流を流さなくて済み、電力消費を少なくすることができる。
【0199】
また、定電圧電源6がシリーズレギュレータであるため、上記第9の実施形態におけるシステム電流制御部51を設けることなく、システム電流Isの電流値を制御することができる。従って、定電圧電源6の直列段数が少ない場合に、簡単に構成できる。
【0200】
なお、本実施形態において、定電流回路6tに代えて、可変抵抗器を設け、電源制御部50は、可変抵抗器の抵抗値を制御することによって、可変シャント電流経路6sに流れるシャント電流Iz1の電流値を制御するようにしてもよい。また、可変シャント電流経路6sは、電源制御部50内に設けられていてもよい。また、複数の定電圧電源6のうちのいずれか1つがシリーズレギュレータであればよく、複数の定電圧電源6のうちの幾つかのものは、シャントレギュレータであってもよい。
【0201】
また、本実施形態において、定電圧電源6は、図12に示すような構成のものであってもよい。図12に示す定電圧電源6は、シリーズレギュレータであり、上記図11に示した定電圧電源と同様に、入力ライン6a、6bと、出力ライン6c、6dと、動作回路部6eとを有している。但し、図12に示す定電圧電源6は、上記図11に示した定電圧電源とは異なり、定電圧電源6の出力ライン6c、6d間(出力端子間)に可変電流経路6uを有している。可変電流経路6uは、一端が出力ライン6cに接続されており、他端が出力ライン6dに接続されている。そして、可変電流経路6uには、可変抵抗器6wが設けられている。すなわち、可変抵抗器6wは、出力ライン6c、6d間に接続されている。可変抵抗器6wの抵抗値は、電源制御部50によって制御されるようになっている。電源制御部50は、可変抵抗器6wの抵抗値を制御して、可変電流経路6uに流れる電流Iz1の電流値を制御することにより、システム電流Isの電流値を制御する。定電圧電源6は、このような構成のものであってもよい。
【0202】
<第11の実施形態>
図13は、第11の実施形態による電源システムの構成を示す。本実施形態の電源システム1は、電源制御部50の構成が上記第9の実施形態と異なっている。また、本実施形態の電源システム1では、各定電圧電源61〜63は、出力電圧V1〜V3が所定の電圧値以下になると、警報信号を電源制御部50に送出するようになっている。本実施形態における他の構成については、上記第9の実施形態と同様である。
【0203】
本実施形態では、電源制御部50は、システム電流制御部53と、カウンタ54と、タイマ回路55と、制御回路部56とを備えており、入力部4から定電圧電源6に流れるシステム電流Isを制御する。
【0204】
システム電流制御部53は、例えば可変定電流回路であり、入力部4の入力端子4aと定電圧電源61の入力ライン6aとの間に直列に接続されている。つまり、システム電流制御部53は、システム電流Isの電流値を、設定電流値に保つように制御する。カウンタ54の値は、電流値を設定するための設定信号(設定すべき電流値を示す信号)としてシステム電流制御部53に与えられる。システム電流制御部53は、カウンタ54の値に基いて設定電流値を設定し、カウンタ54の値が大きいほど、設定電流値を大きく設定し、カウンタ54の値が小さいほど、設定電流値を小さく設定する。
【0205】
カウンタ54は、タイマ回路55からパルスを受けると、パルスを受ける毎に、カウント値を減らす。また、カウンタ54は、制御回路部56からカウント増加信号を受けると、カウント値を増やす。タイマ回路55は、常時、一定周期でパルスを出力する。タイマ回路55から出力されたパルスは、カウンタ54に与えられる。制御回路部56は、システム電流Isが不足していると判断した場合に、カウント増加信号を出力する。制御回路部56から出力されたカウント増加信号は、カウンタ54に与えられる。
【0206】
定電圧電源61は、出力電圧V1をモニターしている。そして、定電圧電源61は、出力電圧V1が所定の電圧値以下になると、入力電流I1が不足(出力電流IL1が不足)しているとして、警報信号を電源制御部50に送出する。定電圧電源62も、同様に、出力電圧V2をモニターしており、出力電圧V2が所定の電圧値以下になると、入力電流I2が不足(出力電流IL2が不足)しているとして、警報信号を電源制御部50に送出する。また、定電圧電源63も、同様に、出力電圧V3をモニターしており、出力電圧V3が所定の電圧値以下になると、入力電流I3が不足(出力電流IL3が不足)しているとして、警報信号を電源制御部50に送出する。
【0207】
制御回路部56は、定電圧電源61〜63のいずれからも警報信号を受け取っていないときは、定電圧電源61〜63の入力電流I1〜I3のいずれも不足しない(出力電圧V1〜V3のいずれも所定の電圧値以下でない)と判断する。そして、この場合、制御回路56は、カウント増加信号を出力しない。一方、制御回路部56は、定電圧電源61〜63のいずれかから警報信号を受け取ると、定電圧電源61〜63の入力電流I1〜I3のいずれかが不足している(出力電圧V1〜V3のいずれかが所定の電圧値以下である)と判断する。そして、この場合、制御回路部56は、カウント増加信号を出力する。なお、入力電流I1〜I3のいずれも不足していないということは、システム電流Isが不足していないということであり、入力電流I1〜I3のいずれかが不足しているということは、システム電流Isが不足しているということである。
【0208】
このような構成において、定電圧電源61〜63の出力電圧V1〜V3が所定の電圧値に保たれている場合(入力電流I1〜I3のいずれも不足しない場合)には、定電圧電源61〜63のいずれも、警報信号を送出しない。すなわち、定電圧電源61〜63の出力電圧V1〜V3が所定の電圧値に保たれている場合には、制御回路部56は、定電圧電源61〜63のいずれからも警報信号を受け取らず、カウント増加信号を出力しない。一方、タイマ回路55は、常時、一定周期でパルスを出力している。これにより、カウンタ54は、タイマ回路55からのパルスを受けて、カウント値を減らしていき、システム電流制御部53は、カウンタ54の値に応じて、システム電流Isの電流値を減少させていく。
【0209】
また、定電圧電源61の出力電圧V1が所定の電圧値以下であると(入力電流I1が不足していると)、定電圧電源61は、警報信号を送出する。同様に、定電圧電源62の出力電圧V2が所定の電圧値以下であると(入力電流I2が不足していると)、定電圧電源62は、警報信号を送出する。また同様に、定電圧電源63の出力電圧V3が所定の電圧値以下であると(入力電流I3が不足していると)、定電圧電源63は、警報信号を送出する。すなわち、定電圧電源61〜63の出力電圧V1〜V3のいずれかが所定の電圧値以下であると、制御回路部56は、定電圧電源61〜63のいずれかから警報信号を受け取って、カウント増加信号を出力する。これにより、カウンタ54は、制御回路部56からのカウント増加信号を受けて、カウント値を増やし、システム電流制御部53は、カウンタ54の値に応じて、システム電流Isを増加させる。
【0210】
すなわち、電源制御部50は、定電圧電源61〜63の出力電圧V1〜V3のいずれも所定の電圧値以下でない(入力電流I1〜I3のいずれも不足していなくて、システム電流Isが不足していない場合)には、システム電流Isを減少させる。また、電源制御部50は、出力電圧V1〜V3のいずれかが所定の電圧値以下になる(入力電流I1〜I3のいずれかが不足していて、システム電流Isが不足していると)、システム電流Isを増加させる。
【0211】
このようにシステム電流Isが制御されることにより、システム電流Isの電流値は、電流不足ぎりぎりの電流値(=定電圧電源61〜63の全ての安定動作に必要最小限の電流値)となる。すなわち、電源制御部50は、システム電流Isの電流値を、定電圧電源61〜63の全ての安定動作に必要最小限の電流値となるように制御する。
【0212】
本実施形態の電源システム1によれば、システム電流Isの電流値が、定電圧電源61〜63の全ての安定動作に必要最小限の電流値となるように制御されるので、不必要な電流を流さなくて済み、電力消費を少なくすることができる。
【0213】
また、外部装置3A〜3Dを接続端子部7A〜7Dのいずれに接続しても、利用者によるシステム電流Isの電流値の設定操作を必要とせずに、システム電流Isの電流値が、定電圧電源61〜63の全ての安定動作に必要最小限の電流値となるように制御される。すなわち、外部装置3A〜3Dを接続端子部7A〜7Dのいずれに接続しても、自動的に、システム電流Isの電流値が、定電圧電源61〜63の全ての安定動作に必要最小限の電流値となるように制御される。従って、利便性が向上する。また、外部装置3A〜3Dに流れる負荷電流IA〜IDに変動があっても、常に、最小電流での定電圧電源61〜63の全ての安定動作が可能である。
【0214】
なお、本実施形態において、各定電圧電源61〜63は、出力電圧V1〜V3に代えて、シャント電流Ish1〜Ish3をモニターし、シャント電流Ish1〜Ish3が所定の電流値以下になると、警報信号を送出するようにしてもよい。また、各定電圧電源61〜63は、警報信号として、出力電圧V1〜V3のモニター値、又は、シャント電流Ish1〜Ish3のモニター値を送出するようにしてもよい。この場合、出力電圧V1〜V3のモニター値、又は、シャント電流Ish1〜Ish3のモニター値は、通信によって送出してもよいし、アナログ電位を伝えることによって送出してもよい。
【0215】
また、本実施形態において、不図示の接続制御部が、各定電圧電源6の出力電流の電流値の大小差が小さくなるような接続端子部7と定電圧電源6との接続形態を求めて、そのように各接続端子部7と定電圧電源6とを接続するようになっていてもよい。
【0216】
<第12の実施形態>
図14は、第12の実施形態による電源システムの構成を示す。本実施形態の電源システム1は、電源制御部50の構成が上記第9の実施形態と異なっている。本実施形態における他の構成については、上記第9の実施形態と同様である。
【0217】
本実施形態では、電源制御部50は、MOSFET71と、抵抗72と、電圧制御部73とを備えており、入力部4から定電圧電源6に流れるシステム電流Isを制御する。電源制御部50は、システム電流Isの電流値を、定電圧電源63の出力電圧V3が所定の電圧値となるように負帰還制御するようになっている。
【0218】
MOSFET71は、P型のMOSFETであり、ソースが入力部4の入力端子4aに接続されており、ドレインが定電圧電源61の入力ライン6aに接続されており、ゲートが抵抗72と電圧制御部73との間に接続されている。抵抗72は、一端が入力部4の入力端子4aとMOSFET71のソースとの間に接続されており、他端がMOSFET71のゲートと電圧制御部73との間に接続されている。
【0219】
電圧制御部73は、抵抗74、75と、基準電源76と、オペアンプ77とを有している。抵抗74は、一端が定電圧電源63の入力ライン6aに接続されており、他端が抵抗75の一端に接続されている。抵抗75は、一端が抵抗74の他端に接続されており、他端が定電圧電源63の入力ライン6bに接続されている。基準電源76は、正極(+極)がオペアンプ77の反転入力端子に接続されており、負極(−極)が定電圧電源63の入力ライン6bに接続されている。オペアンプ77は、非反転入力端子が抵抗74と抵抗75との間に接続されており、反転入力端子が基準電源76の正極(+極)に接続されており、出力端子がMOSFET71のゲートと抵抗72の他端との間に接続されている。
【0220】
このような構成において、オペアンプ77は、定電圧電源63の出力電圧V3が所定値となるように(抵抗74と抵抗75の分圧が所定値となるように)、負帰還制御する。例えば、定電圧電源63の入力電流I3が不足(出力電流IL3が不足)して、定電圧電源63の出力電圧V3が低下したとする。すると、抵抗74、75の分圧(抵抗74/(抵抗74+抵抗75))が低下して、オペアンプ77の出力電圧が低下する。これにより、MOSFET71のゲート電圧が低下して、MOSFET71のソース、ドレイン間に流れる電流、すなわちシステム電流Isが増加して、定電圧電源63の入力電流I3が増加する。
【0221】
また、定電圧電源63の入力電流I3が過多になって、定電圧電源63の出力電圧V3が上昇したとする。すると、抵抗74、75の分圧(抵抗74/(抵抗74+抵抗75))が上昇して、オペアンプ77の出力電圧が上昇する。これにより、MOSFET71のゲート電圧が上昇して、MOSFET71のソース、ドレイン間に流れる電流、すなわちシステム電流Isが減少し、定電圧電源63の入力電流I3が減少する。
【0222】
このように定電圧電源63の入力電流I3が制御される(入力電流I3の不足、過多が解消される)ことにより、システム電流Isの電流値は、定電圧電源63の安定動作に必要最小限の電流値となる。すなわち、電源制御部50は、システム電流Isの電流値を、定電圧電源63の安定動作に必要最小限の電流値となるように制御する。
【0223】
ここで、例えば、外部装置3A〜3Dのうちの最大負荷を有する外部装置が接続端子部7Cに接続されているとする。すなわち、定電圧電源61〜63のうちの出力電流が最大である定電圧電源が、定電圧電源63であるとする。すると、定電圧電源63の安定動作に必要最小限の入力電流I3の電流値ICminは、定電圧電源61の安定動作に必要最小限の入力電流I1の電流値IAmin、及び定電圧電源62の安定動作に必要最小限の入力電流I2の電流値IBminよりも大きい。従って、最大負荷を有する外部装置が接続端子部7Cに接続されている状態では、システム電流Isの電流値は、定電圧電源63の安定動作に必要最小限の電流値になっていれば、定電圧電源61〜63の全ての安定動作に必要最小限の電流値にもなっている。
【0224】
電源制御部50は、上述のように、システム電流Isの電流値を、定電圧電源63の安定動作に必要最小限の電流値となるように制御する。従って、電源制御部50は、外部装置3A〜3Dのうちの最大負荷を有する外部装置が接続端子部7Cに接続されることにより、システム電流の電流値Isを、定電圧電源61〜63の全ての安定動作に必要最小限の電流値となるように制御する。
【0225】
最大負荷を有する外部装置が分かっている場合には、その外部装置を接続部3Cに接続することが望ましい。図示の例では、外部装置3A〜3Dのうちの最大負荷を有する外部装置は、外部装置3Cであり、外部装置3Cが接続端子部7Cに接続されている。
【0226】
本実施形態の電源システム1によれば、外部装置3A〜3Dのうちの最大負荷を有する外部装置を接続端子部7Cに接続することにより、システム電流Isの電流値が、定電圧電源61〜63の全ての安定動作に必要最小限の電流値となるように制御される。従って、外部装置3A〜3Dのうちの最大負荷を有する外部装置を接続端子部7Cに接続することにより、不必要な電流を流さなくて済み、電力消費を少なくすることができる。
【0227】
また、最大負荷を有する外部装置を接続端子部7Cに接続すれば、利用者によるシステム電流Isの電流値の設定操作を必要とせずに、システム電流Isの電流値が、定電圧電源61〜63の全ての安定動作に必要最小限の電流値となるように制御される。すなわち、最大負荷を有する外部装置を接続端子部7Cに接続するだけで、自動的に、システム電流Isの電流値が、定電圧電源61〜63の全ての安定動作に必要最小限の電流値となるように制御される。従って、利便性が向上する。また、最大負荷を有する外部装置を接続端子部7Cに接続することにより、外部装置3A〜3Dに流れる負荷電流IA〜IDに変動があっても、常に、最小電流での定電圧電源61〜63の全ての安定動作が可能である。
【0228】
なお、本実施形態において、電源制御部50は、システム電流Isの電流値を、定電圧電源63のシャント電流Ish3が所定の電流値となるように負帰還制御するものであってもよい。また、電源制御部50は、システム電流Isの電流値を、複数の定電圧電源6のうちの2つ以上のものの出力電圧が所定の電圧値となるように、負帰還制御するものであってもよい。また、電源制御部50は、システム電流Isの電流値を、複数の定電圧電源6のうちの2つ以上のもののシャント電流が所定の電流値となるように、負帰還制御するものであってもよい。
【0229】
また、本実施形態において、不図示の接続制御部が、各定電圧電源6の出力電流の電流値の大小差が小さくなるような接続端子部7と定電圧電源6との接続形態を求めて、そのように各接続端子部7と定電圧電源6とを接続するようになっていてもよい。
【0230】
<第13の実施形態>
図15は、第13の実施形態による電源システムの構成を示す。本実施形態の電源システム1は、電源制御部50の構成が上記第9の実施形態と異なっている。本実施形態における他の構1については、上記第9の実施形態と同様である。
【0231】
本実施形態では、電源制御部50は、MOSFET81と、抵抗82と、複数の電圧制御部83(83−1、83−2、81−3)とを備えており、入力部4から定電圧電源6に流れるシステム電流Isを制御する。電源制御部50は、システム電流Isの電流値を、定電圧電源61〜63の全ての安定動作に必要最小限の電流値となるように制御するようになっている。
【0232】
MOSFET81は、P型のMOSFETであり、ソースが入力部4の入力端子4aに接続されており、ドレインが定電圧電源61の入力ライン6aに接続されており、ゲートが抵抗82に接続されている。抵抗82は、一端が入力部4の入力端子4aとMOSFET81のソースとの間に接続されており、他端がMOSFET81のゲートに接続されている。
【0233】
電圧制御部83−1は、MOSFET84と、抵抗85、86と、基準電源87と、オペアンプ88とを有している。電圧制御部83−1は、定電圧電源61の出力電圧V1を制御するためのものである。
【0234】
MOSFET84は、N型のMOSFETであり、ソースがMOSFET81のゲートと抵抗82の他端との間に接続されており、ドレインが定電圧電源61の入力ライン6bに接続されており、ゲートがオペアンプ88の出力端子に接続されている。抵抗85は、一端が定電圧電源61の入力ライン6aに接続されており、他端が抵抗86の一端に接続されている。抵抗86は、一端が抵抗85の一端に接続されており、他端が定電圧電源61の入力ライン6bに接続されている。基準電源87は、正極(+極)がオペアンプ88の非反転入力端子に接続されており、負極(−極)が定電圧電源61の入力ライン6bに接続されている。オペアンプ88は、非反転入力端子が基準電源87の正極(+極)に接続されており、反転入力端子が抵抗85と抵抗86との間に接続されており、出力端子がMOSFET84のゲートに接続されている。
【0235】
電圧制御部83−2は、電圧制御部83−1と同様に、MOSFET84と、抵抗85、86と、基準電源87と、オペアンプ88とを有している。但し、電圧制御部83−2は、定電圧電源62の出力電圧V2を制御するためのものである。従って、電圧制御部83−2では、抵抗85は、一端が定電圧電源62の入力ライン6aに接続されており、抵抗86は、他端が定電圧電源62の入力ライン6bに接続されている。これ以外は、電圧制御部83−2は、電圧制御部83−1と同様である。
【0236】
電圧制御部83−3も、電圧制御部83−1と同様に、MOSFET84と、抵抗85、86と、基準電源87と、オペアンプ88とを有している。但し、電圧制御部83−3は、定電圧電源63の出力電圧V3を制御するためのものである。従って、電圧制御部83−3では、抵抗85は、一端が定電圧電源63の入力ライン6aに接続されており、抵抗86は、他端が定電圧電源63の入力ライン6bに接続されている。これ以外は、電圧制御部83−3は、電圧制御部83−1と同様である。
【0237】
このような構成において、例えば、定電圧電源61の入力電流I1が不足(出力電流IL1が不足)で、定電圧電源61の出力電圧V1が低下したとする。すると、電圧制御部83−1のオペアンプ88の出力電圧(=電圧制御部83−1のMOSFET84への印加電圧)が高くなり、電圧制御部83−1のMOSFET84のソース、ドレイン間に流れる電流が増加する。これにより、抵抗82の電圧降下が大きくなり、MOSFET81のゲート電圧が低下して、システム電流Isが増加し、定電圧電源61の入力電流I1が増加して、定電圧電源61の出力電流IL1の不足が解消する。このとき、システム電流Isの増加により、定電圧電源62、63でも入力電流I2、I3が増加することになるが、定電圧電源62、63のシャント電流Ish2、Ish3の増加によって、定電圧電源62、63の出力電流IL2、IL3は一定に保たれる。なお、一時的には、電圧制御部83−2のMOSFET84、及び電圧制御部83−3のMOSFET84が遮断状態になるかもしれないが、その分、電圧制御部83−1のMOSFET84が電流を流して、抵抗82の電圧降下を起すので、問題ない。
【0238】
定電圧電源61の入力電流I1が不足の場合(定電圧電源61の出力電圧V1が低下した場合)には、このような電圧制御部83−1、抵抗82、MOSFET81の働きによって、定電圧電源61の出力電流IL1の不足が解消される。
【0239】
また、定電圧電源62の入力電流I2が不足の場合(定電圧電源62の出力電圧V2が低下した場合)には、電圧制御部83−2、抵抗82、MOSFET81の働きによって、同様に、定電圧電源62の出力電流IL2の不足が解消される。また、定電圧電源63の入力電流I3が不足の場合(定電圧電源63の出力電圧V3が低下した場合)には、電圧制御部83−3、抵抗82、MOSFET81の働きによって、同様に、定電圧電源63の出力電流IL3の不足が解消される。
【0240】
逆に、定電圧電源61の入力電流I1が過多の場合には、電圧制御部83−1のMOSFET84のソース、ドレイン間に流れる電流が減少する。これにより、抵抗82の電圧降下が小さくなり、MOSFET81のゲート電圧が上昇して、システム電流Isが減少する。定電圧電源61の出力電流IL1が過多の場合には、このような電圧制御部83−1、抵抗82、MOSFET81の働きによって、定電圧電源61の入力電流I1の過多が解消される。
【0241】
また、定電圧電源62の入力電流I2が過多の場合には、電圧制御部83−2、抵抗82、MOSFET81の働きによって、同様に、定電圧電源62の入力電流I2の過多が解消される。また、定電圧電源63の入力電流I3が過多の場合には、電圧制御部83−3、抵抗82、MOSFET81の働きによって、同様に、定電圧電源63の入力電流I3の過多が解消される。
【0242】
電圧制御部83−1のMOSFET84、電圧制御部83−2のMOSFET84、及び電圧制御部83−3のMOSFET84は、ワイアードORで結合されている。従って、定電圧電源61〜63のいずれが入力電流不足又は入力電流過多になった場合でも、対処できる。
【0243】
このように各定電圧電源61〜63の入力電流I1〜I3が制御される(入力電流I1〜I3の不足、過多が解消される)ことにより、システム電流Isの電流値は、定電圧電源61〜63の全ての安定動作に必要最小限の電流値となる。すなわち、電源制御部50は、システム電流Isの電流値を、定電圧電源61〜63の全ての安定動作に必要最小限の電流値となるように制御する。
【0244】
本実施形態の電源システム1によれば、システム電流Isの電流値が、定電圧電源61〜63の全ての安定動作に必要最小限の電流値となるように制御されるので、不必要な電流を流さなくて済み、電力消費を少なくすることができる。
【0245】
また、外部装置3A〜3Dを接続端子部7A〜7Dのいずれに接続しても、利用者によるシステム電流Isの電流値の設定操作を必要とせずに、システム電流Isの電流値が、定電圧電源61〜63の全ての安定動作に必要最小限の電流値となるように制御される。すなわち、外部装置3A〜3Dを接続端子部7A〜7Dのいずれに接続しても、自動的に、システム電流Isの電流値が、定電圧電源61〜63の全ての安定動作に必要最小限の電流値となるように制御される。従って、利便性が向上する。また、外部装置3A〜3Dに流れる負荷電流IA〜IDに変動があっても、常に、最小電流での定電圧電源61〜63の全ての安定動作が可能である。
【0246】
また、本実施形態において、不図示の接続制御部が、各定電圧電源6の出力電流の電流値の大小差が小さくなるような接続端子部7と定電圧電源6との接続形態を求めて、そのように各接続端子部7と定電圧電源6とを接続するようになっていてもよい。
【0247】
<第14の実施形態>
図16は、第14の実施形態による電源システムの構成を示す。本実施形態の電源システム1は、上記第6の実施形態の構成に加え、定電圧電源61〜63をバイパスするバイパススイッチ91をさらに備えている。バイパススイッチ91によって、バイパス手段が構成されている。また、接続スイッチ9によって、電力供給遮断制限手段が構成されている。また、接続制御部31の構成が上記第6の実施形態と異なっている。電流検出部41及び接続制御部31によって、回路監視手段が構成されている。また、電源制御部50を備えている。本実施形態における他の構成については、上記第6の実施形態と同様である。
【0248】
電源システム1は、バイパススイッチ91として、3個のバイパススイッチ91−1E、91−2E、91−3Eを備えている。
【0249】
バイパススイッチ91−1Eは、オフ状態のときに、定電圧電源61の出力ライン6c、6d間を短絡しておらず、オン状態のときに、定電圧電源61の出力ライン6c、6d間を短絡(定電圧電源61をバイパス)する。バイパススイッチ91−2Eは、オフ状態のときに、定電圧電源62の出力ライン6c、6d間を短絡しておらず、オン状態のときに、定電圧電源62の出力ライン6c、6d間を短絡(定電圧電源62をバイパス)する。バイパススイッチ91−3Eは、オフ状態のときに、定電圧電源63の出力ライン6c、6d間を短絡しておらず、オン状態のときに、定電圧電源63の出力ライン6c、6d間を短絡(定電圧電源63をバイパス)する。
【0250】
従って、バイパススイッチ91−1Eがオフ状態のときに、接続スイッチ9−1Aがオン状態であると、定電圧電源61から接続端子部7Aに接続される外部装置に電力が供給される。また、バイパススイッチ91−1Eがオフ状態のときに、接続スイッチ9−1Bがオン状態であると、定電圧電源61から接続端子部7Bに接続される外部装置に電力が供給される。また、バイパススイッチ91−1Eがオフ状態のときに、接続スイッチ9−1Cがオン状態であると、定電圧電源61から接続端子部7Cに接続される外部装置に電力が供給される。また、バイパススイッチ91−1Eがオフ状態のときに、接続スイッチ9−1Dがオン状態であると、定電圧電源61から接続端子部7Dに接続される外部装置に電力が供給される。そして、バイパススイッチ91−1Eがオン状態のときには、接続スイッチ9−1A〜9−1Dがオン状態であっても、定電圧電源61から接続端子部7A〜7Dに接続される外部装置には、電力が供給されない。
【0251】
同様に、バイパススイッチ91−2Eがオフ状態のときに、接続スイッチ9−2A〜9−2Dがオン状態であると、定電圧電源62から接続端子部7A〜7Dに接続される外部装置に電力が供給される。そして、バイパススイッチ91−2Eがオン状態のときには、接続スイッチ9−2A〜9−2Dがオン状態であっても、定電圧電源62から接続端子部7A〜7Dに接続される外部装置には、電力が供給されない。
【0252】
また同様に、バイパススイッチ91−3Eがオフ状態のときに、接続スイッチ9−3A〜9−3Dがオン状態であると、定電圧電源63から接続端子部7A〜7Dに接続される外部装置に電力が供給される。そして、バイパススイッチ91−3Eがオン状態のときには、接続スイッチ9−3A〜9−3Dがオン状態であっても、定電圧電源63から接続端子部7A〜7Dに接続される外部装置には、電力が供給されない。
【0253】
各バイパススイッチ91−1E、91−2E、91−3Eは、例えば、トランジスタなどの電子スイッチであり、接続制御部31によって、オン状態とオフ状態とに切換えられる。各バイパススイッチ91−1E、91−2E、91−3Eは、接続部5の電源接続部8の一部として設けられている。
【0254】
各電流検出部41は、上記第6の実施形態と同様に、各接続端子部7A〜7Dに流れる電流の電流値を検出する。接続制御部31は、接続スイッチ9−1A〜9−1D、9−2A〜9−2D、9−3A〜9−3Dを制御する。また、接続制御部31は、バイパススイッチ91−1E〜91−3Eを制御する。また、接続制御部31は、各電流検出部41により検出された電流値(各接続端子部7A〜7Dに流れる電流の電流値)に基いて、各接続端子部7A〜7Dに流れる電流を監視する。そして、接続制御部31は、各接続端子部7A〜7Dに流れる電流を監視することにより過負荷(負荷短絡を含む)を検出する。電源制御部50は、システム電流Isを、設定された電流値で一定に保つように制御する。
【0255】
接続制御部31は、上記第3の実施形態又は上記第6の実施形態と同様に、所定の接続形態で接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63とを接続するように、接続スイッチ9−1A〜9−1D、9−2A〜9−2D、9−3A〜9−3Dを制御する。
【0256】
図示の例では、接続スイッチ9−1A、9−2A、9−3Aのうちの接続スイッチ9−1Aがオン状態にされている。また、接続スイッチ9−1B、9−2B、9−3Bのうちの接続スイッチ9−2Bがオン状態にされている。また、接続スイッチ9−1C、9−2C、9−3Cのうちの接続スイッチ9−3Cがオン状態にされている。また、接続スイッチ9−1D、9−2D、9−3Dのうちの接続スイッチ9−2Dがオン状態にされている。これら以外は、オフ状態にされている。すなわち、図示の例では、接続端子部7Aが定電圧電源61に接続され、接続端子部7Bが定電圧電源62に接続され、接続端子部7Cが定電圧電源63に接続され、接続端子部7Dが定電圧電源62に接続されるように、各接続スイッチ9が制御されている。
【0257】
また、接続制御部31は、常時、各電流検出部41により検出された電流値に基いて、各接続端子部7A〜7Dに流れる電流を監視しており、各接続端子部7A〜7Dに流れる電流を監視することにより過負荷を検出する。
【0258】
接続制御部31は、過負荷を検出していないときには、上述のように、所定の接続形態で接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63とを接続するように、各接続スイッチ9を制御している。また、接続制御部31は、過負荷を検出していないときには、バイパススイッチ91−1E〜91−3Eをオフ状態にしている。従って、接続制御部31が過負荷を検出していないときには、定電圧電源61〜63から、定電圧電源61〜63と接続されている接続端子部7A〜7Dに接続されている外部装置に、電力が供給される。
【0259】
図示の例では、外部装置3Aが接続端子部7Aに接続され、外部装置3Bが接続端子部7Bに接続され、外部装置3Cが接続端子部7Cに接続され、外部装置3Dが接続端子部7Dに接続されている。つまり、外部装置3Aが定電圧電源61に接続され、外部装置3Bと外部装置3Dが定電圧電源62に接続され、外部装置3Cが定電圧電源63に接続されている。従って、図示の例では、定電圧電源61から外部装置3Aに電力が供給され、定電圧電源62から外部装置3Bと外部装置3Dに電力が供給され、定電圧電源63から外部装置3Cに電力が供給される。
【0260】
そして、接続制御部31は、過負荷を検出したときに、過負荷の原因となっている外部装置への電力供給を遮断するように、接続スイッチ9−1A〜9−1D、9−2A〜9−2D、9−3A〜9−3Dを制御する。又は、過負荷の原因となっている外部装置が接続されている接続端子部に接続されている定電圧電源をバイパスするように、バイパススイッチ91−1E〜91−3Eを制御する。
【0261】
つまり、外部装置3Aが過負荷の原因となっている外部装置である場合には、外部装置3Aが接続されている定電圧電源(図示の例では、定電圧電源61)と外部装置3Aとを接続しているスイッチ(図示の例では、接続スイッチ9−1A)をオフにする。これにより、外部装置3Aと、外部装置3Aが接続されている定電圧電源との接続が断たれて、過負荷の原因となっている外部装置3Aへの電力供給が遮断される。このとき、過負荷の原因となっていない(定電圧電源との接続が断たれていない)外部装置(図示の例では、外部装置3B、3C、3D)への電力供給は、正常に行われる。
【0262】
又は、外部装置3Aが過負荷の原因となっている外部装置である場合には、外部装置3Aが接続されている定電圧電源に対応するバイパススイッチ(図示の例では、バイパススイッチ91−1E)をオン状態にする。これにより、外部装置3Aが接続されている定電圧電源の出力が短絡されて(バイパスされて)、過負荷の原因となっている外部装置3Aへの電力供給が遮断される。このとき、外部装置3Aが接続されている定電圧電源に接続されている他の外部装置(図示の例では、存在していない)への電力供給も遮断される。また、過負荷の原因となっていない(外部装置3Aが接続されている定電圧電源以外の定電圧電源(図示の例では、定電圧電源62、63)に接続されている)外部装置(図示の例では、外部装置3B、3C、3D)への電力供給は正常に行われる。
【0263】
また、外部装置3Bが過負荷の原因となっている外部装置である場合には、外部装置3Bが接続されている定電圧電源(図示の例では、定電圧電源62)と外部装置3Bとを接続しているスイッチ(図示の例では、接続スイッチ9−2B)をオフにする。これにより、外部装置3Bと、外部装置3Bが接続されている定電圧電源との接続が断たれて、過負荷の原因となっている外部装置3Bへの電力供給が遮断される。このとき、過負荷の原因となっていない(定電圧電源との接続が断たれていない)外部装置(図示の例では、外部装置3A、3C、3D)への電力供給は、正常に行われる。
【0264】
又は、外部装置3Bが過負荷の原因となっている外部装置である場合には、外部装置3Bが接続されている定電圧電源に対応するバイパススイッチ(図示の例では、バイパススイッチ91−2E)をオン状態にする。これにより、外部装置3Bが接続されている定電圧電源の出力が短絡されて(バイパスされて)、過負荷の原因となっている外部装置3Bへの電力供給が遮断される。このとき、外部装置3Bが接続されている定電圧電源に接続されている他の外部装置(図示の例では、外部装置3D)への電力供給も遮断される。また、過負荷の原因となっていない(外部装置3Bが接続されている定電圧電源以外の定電圧電源(図示の例では、定電圧電源61、63)に接続されている)外部装置(図示の例では、外部装置3A、3C)への電力供給は正常に行われる。
【0265】
また、外部装置3Cが過負荷の原因となっている外部装置である場合には、外部装置3Cが接続されている定電圧電源(図示の例では、定電圧電源63)と外部装置3Cとを接続しているスイッチ(図示の例では、接続スイッチ9−3C)をオフにする。これにより、外部装置3Cと、外部装置3Cが接続されている定電圧電源との接続が断たれて、過負荷の原因となっている外部装置3Cへの電力供給が遮断される。このとき、過負荷の原因となっていない(定電圧電源との接続が断たれていない)外部装置(図示の例では、外部装置3A、3B、3D)への電力供給は、正常に行われる。
【0266】
又は、外部装置3Cが過負荷の原因となっている外部装置である場合には、外部装置3Cが接続されている定電圧電源に対応するバイパススイッチ(図示の例では、バイパススイッチ91−3E)をオン状態にする。これにより、外部装置3Cが接続されている定電圧電源の出力が短絡されて(バイパスされて)、過負荷の原因となっている外部装置3Cへの電力供給が遮断される。このとき、外部装置3Cが接続されている定電圧電源に接続されている他の外部装置(図示の例では、存在していない)への電力供給も遮断される。また、過負荷の原因となっていない(外部装置3Cが接続されている定電圧電源以外の定電圧電源(図示の例では、定電圧電源61、62)に接続されている)外部装置(図示の例では、外部装置3A、3B、3D)への電力供給は正常に行われる。
【0267】
また、外部装置3Dが過負荷の原因となっている外部装置である場合には、外部装置3Dが接続されている定電圧電源(図示の例では、定電圧電源62)と外部装置3Dとを接続しているスイッチ(図示の例では、接続スイッチ9−2D)をオフにする。これにより、外部装置3Dと、外部装置3Dが接続されている定電圧電源との接続が断たれて、過負荷の原因となっている外部装置3Dへの電力供給が遮断される。このとき、過負荷の原因となっていない(定電圧電源との接続が断たれていない)外部装置(図示の例では、外部装置3A、3B、3C)への電力供給は、正常に行われる。
【0268】
又は、外部装置3Dが過負荷の原因となっている外部装置である場合には、外部装置3Dが接続されている定電圧電源に対応するバイパススイッチ(図示の例では、バイパススイッチ91−2E)をオン状態にする。これにより、外部装置3Dが接続されている定電圧電源の出力が短絡されて(バイパスされて)、過負荷の原因となっている外部装置3Dへの電力供給が遮断される。このとき、外部装置3Dが接続されている定電圧電源に接続されている他の外部装置(図示の例では、外部装置3B)への電力供給も遮断される。また、過負荷の原因となっていない(外部装置3Dが接続されている定電圧電源以外の定電圧電源(図示の例では、定電圧電源61、63)に接続されている)外部装置(図示の例では、外部装置3A、3C)への電力供給は正常に行われる。
【0269】
本実施形態の電源システム1によれば、外部装置3A〜3Dのいずれかに過負荷が発生した場合、過負荷の原因となっている外部装置への電力供給が遮断されることにより、安全を確保できる。また、外部装置3A〜3Dのいずれかに過負荷が発生しても、過負荷の原因となっていない外部装置は、正常に動作し得る。
【0270】
なお、本実施形態において、接続制御部31は、過負荷を検出したときに、全ての外部装置3A〜3Dへの電力供給を遮断するように、接続スイッチ9−1A〜9−1D、9−2A〜9−2D、9−3A〜9−3Dを制御するようにしてもよい。また、接続制御部31は、過負荷を検出したときに、全ての外部装置3A〜3Dへの電力供給を遮断するように、バイパススイッチ91−1E〜91−3Eを制御するようにしてもよい。
【0271】
また、本実施形態において、電流検出部41に代えて、各接続端子部7の接続端子間電圧を検出する手段を設け、接続制御部31は、各接続端子部7の接続端子間電圧を監視することにより過負荷を検出するようにしてもよい。
【0272】
また、本実施形態において、接続スイッチ9−1A〜9−1D、9−2A〜9−2D、9−3A〜9−3D、及びバイパススイッチ91−1E〜91−3Eは、手動によって、オン状態とオフ状態とに切換えられるものであってもよい。この場合、接続制御部31は、過負荷を検出したときに、液晶パネルやLEDランプなどの報知手段によって、過負荷であることを報知すればよい。そして、利用者が、過負荷の原因となっている外部装置への電力供給を遮断するように、接続スイッチ9−1A〜9−1D、9−2A〜9−2D、9−3A〜9−3Dを手動によってオフ状態にすればよい。又は、利用者が、過負荷の原因となっている外部装置が接続されている定電圧電源をバイパスするように、バイパススイッチ91−1E〜91−3Eを手動によってオン状態にすればよい。また、接続スイッチ9−1A〜9−1D、9−2A〜9−2D、9−3A〜9−3Dは、定電圧電源61〜63に接続される外部装置3A〜3Dへの電力供給を制限するものであってもよい。
【0273】
また、本実施形態において、接続制御部31は、例えばパソコンなどの外部制御装置からの制御信号を受けて、バイパススイッチ91−1E〜91−3Eを制御するようにしてもよい。このような構成によれば、直流電源2の直流電圧Vinの電圧値が小さくて、定電圧電源6を3段直列にしたのでは、電圧不足になる場合に、定電圧電源6の直列段数を下げて、最適な電流配分を実現させることができる。例えば、直流電源2の直流電圧Vinが12Vで、各定電圧電源61〜63の出力電圧V1〜V3が5Vである場合に、定電圧電源6の直列段数を2段にして、最適な電流配分を実現させることができる。また、外部装置の数が接続部の数より少なくて、設定する出力電圧が高い場合などに、定電圧電源の直列段数を下げることができる。また、特定の外部装置への電力供給をタイマ動作によって制御(特定の外部装置への電力供給を時間によって遮断)することができる。
【0274】
<第15の実施形態>
図17は、第15の実施形態による電源システムの構成を示す。本実施形態の電源システム1は、上記第14の実施形態における電流検出部41を備えていない。そして、上記第14の実施形態の構成に加え、監視部92を備えている。また、接続制御部31の構成が上記第14の実施形態と異なっている。監視部92及び接続制御部31によって、システム監視手段が構成されている。本実施形態における他の構成については、上記第14の実施形態と同様である。また、図示の各接続スイッチ9のオン/オフ状態(接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63との接続)例、及び外部装置3A〜3Dの接続端子部7A〜7Dへの接続例も、上記第14の実施形態と同様である。
【0275】
監視部92は、定電圧電源63から入力部4の入力端子4bに流れる電流、すなわち、システム電流Isの電流値を検出する。接続制御部31は、接続スイッチ9−1A〜9−1D、9−2A〜9−2D、9−3A〜9−3D、及びバイパススイッチ91−1E〜91−3Eを制御する。また、接続制御部31は、監視部92により検出された電流値(システム電流Isの電流値)に基いて、システム電流Isを監視する。そして、接続制御部31は、システム電流Isを監視することにより過負荷(負荷短絡を含む)を検出する。過負荷であるか否かは、システム電流Isの電流値が所定の値より大きいか否かで判断する。
【0276】
接続制御部31は、上記第14の実施形態と同様に、所定の接続形態で接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63とを接続するように、接続スイッチ9−1A〜9−1D、9−2A〜9−2D、9−3A〜9−3Dを制御する。
【0277】
また、接続制御部31は、常時、監視部92により検出された電流値に基いて、システム電流Isを監視しており、システム電流Isを監視することにより過負荷を検出する。
【0278】
接続制御部31は、過負荷を検出していないときには、上述のように、所定の接続形態で接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63とを接続するように、各接続スイッチ9を制御している。また、接続制御部31は、過負荷を検出していないときには、バイパススイッチ91−1E〜91−3Eをオフ状態にしている。従って、接続制御部31が過負荷を検出していないときには、定電圧電源61〜63から、定電圧電源61〜63と接続されている接続端子部7A〜7Dに接続されている外部装置に、電力が供給される。
【0279】
そして、接続制御部31は、過負荷を検出したときに、過負荷の原因となっている外部装置への電力供給を遮断するように、接続スイッチ9−1A〜9−1D、9−2A〜9−2D、9−3A〜9−3Dを制御する。又は、過負荷の原因となっている外部装置が接続されている接続端子部に接続されている定電圧電源をバイパスするように、バイパススイッチ91−1E〜91−3Eを制御する。
【0280】
すなわち、接続制御部31は、過負荷を検出したときに、所定のルーチンに基いて、過負荷の原因となっている外部装置を割り出す。そして、接続制御部31は、その割り出した外部装置への電力供給を遮断するように、接続スイッチ9−1A〜9−1D、9−2A〜9−2D、9−3A〜9−3Dを制御する。又は、その割り出した外部装置が接続されている接続端子部に接続されている定電圧電源をバイパスするように、バイパススイッチ91−1E〜91−3Eを制御する。
【0281】
図18は、接続制御部31における、過負荷の原因となっている外部装置を割り出すルーチンのフローチャートを示す。なお、このフローチャートは、過負荷の原因となっている外部装置(割り出した外部装置)への電力供給を回避すると共に、過負荷の原因となっていない外部装置への電力供給を維持するためのフローチャートにもなっている。
【0282】
また、このフローチャートは、外部装置3A〜3Dと定電圧電源61〜63との接続形態が図17に示す例の場合についてのものである。すなわち、このフローチャートは、外部装置3Aが定電圧電源61に接続され、外部装置3Bと外部装置3Dが定電圧電源62に接続され、外部装置3Cが定電圧電源63に接続されている場合についてのものである。つまり、このフローチャートは、接続スイッチ9−1A、9−2B、9−3C、9−2Dがオン状態にされている場合についてのものである。また、外部装置3Aが接続端子部7Aに接続され、外部装置3Bが接続端子部7Bに接続され、外部装置3Cが接続端子部7Cに接続され、外部装置3Dが接続端子部7Dに接続されている場合についてのものである。
【0283】
接続制御部31は、過負荷を検出すると、まず、全ての接続スイッチ9−1A〜9−1D、9−2A〜9−2D、9−3A〜9−3Dをオフ状態にする(#1)。そして、接続制御部31は、接続スイッチ9−1Aをオン状態にして(#2)、過負荷であるか否かを判定する(#3)。
【0284】
ここで、過負荷であれば(#3でYES)、接続制御部31は、外部装置3Aが、過負荷の原因となっている外部装置であると判定して、バイパススイッチ91−1Eをオン状態にする(#4)。これにより、外部装置3Aが接続されている定電圧電源61の出力が短絡されて(定電圧電源61がバイパスされて)、過負荷の原因となっている外部装置3Aへの電力供給が遮断される。その後、接続制御部31は、接続スイッチ9−2B、9−3C、9−2Dをオン状態にする。これにより、過負荷の原因となっていない(外部装置3Aが接続されている定電圧電源61以外の定電圧電源62、63に接続されている)外部装置3B、3C、3Dへの電力供給は、正常に行われる。
【0285】
なお、#4において、バイパススイッチ91−1Eをオン状態にすることに代えて、接続スイッチ9−1Aをオフ状態にしてもよい。これにより、外部装置3Aと、外部装置3Aが接続されている定電圧電源61との接続が断たれて、過負荷の原因となっている外部装置3Aへの電力供給が遮断される。この場合にも、その後、接続制御部31は、接続スイッチ9−2B、9−3C、9−2Dをオン状態にする。これにより、過負荷の原因となっていない(定電圧電源との接続が断たれていない)外部装置3B、3C、3Dへの電力供給は、正常に行われる。
【0286】
また、上記#3において過負荷でなければ(#3でNO)、接続制御部31は、接続スイッチ9−2Bをオン状態にして(#5)、過負荷であるか否かを判定する(#6)。
【0287】
ここで、過負荷であれば(#6でYES)、接続制御部31は、外部装置3Bが、過負荷の原因となっている外部装置であると判定して、バイパススイッチ91−2Eをオン状態にする(#7)。これにより、外部装置3Bが接続されている定電圧電源62の出力が短絡されて(定電圧電源62がバイパスされて)、過負荷の原因となっている外部装置3Bへの電力供給が遮断(外部装置3Dへの電力供給も遮断)される。その後、接続制御部31は、接続スイッチ9−3Cをオン状態にする(接続スイッチ9−1Aは、#2においてオン状態にされている)。これにより、過負荷の原因となっていない(外部装置3Bが接続されている定電圧電源62以外の定電圧電源61、63に接続されている)外部装置3A、3Cへの電力供給は、正常に行われる。
【0288】
なお、#7において、バイパススイッチ91−2Eをオン状態にすることに代えて、接続スイッチ9−2Bをオフ状態にしてもよい。これにより、外部装置3Bと、外部装置3Bが接続されている定電圧電源62との接続が断たれて、過負荷の原因となっている外部装置3Bへの電力供給が遮断される。この場合には、その後、接続制御部31は、接続スイッチ9−3C、9−2Dをオン状態にする(接続スイッチ9−1Aは、#2においてオン状態にされている)。これにより、過負荷の原因となっていない(定電圧電源との接続が断たれていない)外部装置3A、3C、3Dへの電力供給は、正常に行われる。
【0289】
また、上記#6において過負荷でなければ(#6でNO)、接続制御部31は、接続スイッチ9−3Cをオン状態にして(#8)、過負荷であるか否かを判定する(#9)。
【0290】
ここで、過負荷であれば(#9でYES)、接続制御部31は、外部装置3Cが、過負荷の原因となっている外部装置であると判定して、バイパススイッチ91−3Eをオン状態にする(#10)。これにより、外部装置3Cが接続されている定電圧電源63の出力が短絡されて(定電圧電源63がバイパスされて)、過負荷の原因となっている外部装置3Cへの電力供給が遮断される。その後、接続制御部31は、接続スイッチ9−3Dをオン状態にする(接続スイッチ9−1Aは、#2においてオン状態にされ、接続スイッチ9−2Bは、#5においてオン状態にされている)。これにより、過負荷の原因となっていない(外部装置3Cが接続されている定電圧電源63以外の定電圧電源61、62に接続されている)外部装置3A、3B、3Dへの電力供給は、正常に行われる。
【0291】
なお、#10において、バイパススイッチ91−3Eをオン状態にすることに代えて、接続スイッチ9−3Cをオフ状態にしてもよい。これにより、外部装置3Cと、外部装置3Cが接続されている定電圧電源63との接続が断たれて、過負荷の原因となっている外部装置3Cへの電力供給が遮断される。この場合には、その後、接続制御部31は、接続スイッチ9−2Dをオン状態にする(接続スイッチ9−1Aは、#2においてオン状態にされ、接続スイッチ9−2Bは、#5においてオン状態にされている)。これにより、過負荷の原因となっていない(定電圧電源との接続が断たれていない)外部装置3A、3B、3Dへの電力供給は、正常に行われる。
【0292】
また、上記#9において過負荷でなければ(#9でNO)、接続制御部31は、接続スイッチ9−2Dをオン状態にして(#11)、過負荷であるか否かを判定する(#12)。
【0293】
ここで、過負荷であれば(#12でYES)、接続制御部31は、外部装置3Dが、過負荷の原因となっている外部装置であると判定して、バイパススイッチ91−2Eをオン状態にする(#13)。これにより、外部装置3Dが接続されている定電圧電源62の出力が短絡されて(定電圧電源62がバイパスされて)、過負荷の原因となっている外部装置3Dへの電力供給が遮断(外部装置3Bへの電力供給も遮断)される。このとき、接続スイッチ9−1Aは、#2においてオン状態にされ、接続スイッチ9−3Cは、#8においてオン状態にされている。これにより、過負荷の原因となっていない(外部装置3Dが接続されている定電圧電源62以外の定電圧電源61、63に接続されている)外部装置3A、3Cへの電力供給は、正常に行われる。
【0294】
なお、#13において、バイパススイッチ91−3Eをオン状態にすることに代えて、接続スイッチ9−2Dをオフ状態にしてもよい。これにより、外部装置3Dと、外部装置3Dが接続されている定電圧電源62との接続が断たれて、過負荷の原因となっている外部装置3Dへの電力供給が遮断される。このとき、接続スイッチ9−1Aは、#2においてオン状態にされ、接続スイッチ9−2Bは、#5においてオン状態にされ、接続スイッチ9−3Cは、#8においてオン状態にされている。これにより、過負荷の原因となっていない(定電圧電源との接続が断たれていない)外部装置3A、3B、3Cへの電力供給は、正常に行われる。
【0295】
接続制御部31は、このようにして、過負荷の原因となっている外部装置を割り出して、その外部装置への電力供給を遮断する。なお、外部装置3A〜3Dと定電圧電源61〜63との接続形態が他の場合でも、接続制御部31は、同様にして、過負荷の原因となっている外部装置を割り出して、その外部装置への電力供給を遮断する。
【0296】
本実施形態の電源システム1によれば、外部装置3A〜3Dのいずれかに過負荷が発生した場合、過負荷の原因となっている外部装置への電力供給が遮断されることにより、安全を確保できる。また、外部装置3A〜3Dのいずれかに過負荷が発生しても、過負荷の原因となっていない外部装置は、正常に動作し得る。
【0297】
なお、本実施形態において、接続制御部31は、過負荷を検出したときに、全ての外部装置3A〜3Dへの電力供給を遮断するように、接続スイッチ9−1A〜9−1D、9−2A〜9−2D、9−3A〜9−3Dを制御するようにしてもよい。また、接続制御部31は、過負荷を検出したときに、全ての外部装置3A〜3Dへの電力供給を遮断するように、バイパススイッチ91−1E〜91−3Eを制御するようにしてもよい。
【0298】
また、監視部92に代えて、定電圧電源61〜63の出力電圧V1〜V3の合計電圧を検出する手段を設け、接続制御部31は、定電圧電源61〜63の出力電圧V1〜V3の合計電圧を監視することにより過負荷を検出するようにしてもよい。
【0299】
<第16の実施形態>
図19は、第16の実施形態による電源システムの構成を示す。本実施形態の電源システム1は、監視部92及び接続制御部31の構成が上記第15の実施形態と異なっている。監視部92及び接続制御部31によって、電位監視手段が構成されている。本実施形態における他の構成については、上記第15の実施形態と同様である。また、図示の各接続スイッチ9のオン/オフ状態(接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63との接続)例、及び外部装置3A〜3Dの接続端子部7A〜7Dへの接続例も、上記第15の実施形態と同様である。
【0300】
本実施形態では、監視部92は、電源制御部50と定電圧電源61との接続点における電源システム1の最低電位(=GND)を基準とした電位VS1を検出するようになっている。また、監視部92は、定電圧電源61と定電圧電源62との接続点における電源システム1の最低電位を基準とした電位VS2を検出するようになっている。また、監視部92は、定電圧電源62と定電圧電源63との接続点における電源システム1の最低電位を基準とした電位VS3を検出するようになっている。
【0301】
接続制御部31は、定電圧電源61の出力電圧V1の設定電圧値Vo1、定電圧電源62の出力電圧V2の設定電圧値Vo2、定電圧電源63の出力電圧V3の設定電圧値Vo3を記憶している。これら設定電圧値Vo1〜Vo3は、パソコンなどの外部制御装置から、出力電圧設定情報として与えられる。すなわち、接続制御部31には、パソコンなどの外部制御装置から、設定電圧値Vo1〜Vo3を示す出力電圧設定情報が与えられ、接続制御部31は、外部制御装置から与えられた出力電圧設定情報の示す設定電圧値Vo1〜Vo3を記憶している。
【0302】
接続制御部31は、接続スイッチ9−1A〜9−1D、9−2A〜9−2D、9−3A〜9−3D、及びバイパススイッチ91−1E〜91−3Eを制御する。また、接続制御部31は、監視部92により検出された電位VS1を監視する。そして、接続制御部31は、この電位VS1を監視することにより、この電位VS1と、定電圧電源61〜63の出力電圧V1〜V3の設定電圧値Vo1〜Vo3とに基いて、電位不整合状態を検出する。すなわち、接続制御部31は、電位VS1が、定電圧電源61〜63の出力電圧V1〜V3の設定電圧値Vo1〜Vo3の和に対して所定値ε以上の差がある場合に、電位不整合状態であると判断する。言い換えると、電位VS1と、設定電圧値Vo1〜Vo3の和との差が、所定値ε未満でない場合に、電位不整合状態であると判断する。つまり、監視部92は、|Vo1+Vo2+Vo3−VS1|<εでない場合に、電位不整合状態であると判断する。
【0303】
接続制御部31は、上記第15の実施形態と同様に、所定の接続形態で接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63とを接続するように、接続スイッチ9−1A〜9−1D、9−2A〜9−2D、9−3A〜9−3Dを制御する。
【0304】
また、接続制御部31は、常時、監視部92により検出された電位VS1を監視しており、電位VS1を監視することにより電位不整合状態を検出する。
【0305】
接続制御部31は、電位不整合状態を検出していないときには、上述のように、所定の接続形態で接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63とを接続するように、各接続スイッチ9を制御している。また、接続制御部31は、電位不整合状態を検出していないときには、バイパススイッチ91−1E〜91−3Eをオフ状態にしている。従って、接続制御部31が電位不整合状態を検出していないときには、定電圧電源61〜63から、定電圧電源61〜63と接続されている接続端子部7A〜7Dに接続されている外部装置に、電力が供給される。
【0306】
そして、接続制御部31は、電位不整合状態を検出したときに、電位不整合状態の原因となっている外部装置への電力供給を遮断するように、接続スイッチ9−1A〜9−1D、9−2A〜9−2D、9−3A〜9−3Dを制御する。又は、電位不整合状態の原因となっている外部装置が接続されている接続端子部に接続されている定電圧電源をバイパスするように、バイパススイッチ91−1E〜91−3Eを制御する。
【0307】
すなわち、接続制御部31は、電位不整合状態を検出したときに、所定のルーチンに基いて、電位不整合状態の原因となっている外部装置を割り出す。そして、接続制御部31は、その割り出した外部装置への電力供給を遮断するように、接続スイッチ9−1A〜9−1D、9−2A〜9−2D、9−3A〜9−3Dを制御する。又は、その割り出した外部装置が接続されている接続端子部に接続されている定電圧電源をバイパスするように、バイパススイッチ91−1E〜91−3Eを制御する。
【0308】
図20は、接続制御部31における、定電圧電源61〜63の中から、電位不整合状態の原因となっている外部装置を割り出すルーチンのフローチャートを示す。なお、このフローチャートは、電位不整合状態の原因となっている外部装置(割り出した外部装置)への電力供給を回避すると共に、電位不整合状態の原因となっていない外部装置への電力供給を維持するためのフローチャートにもなっている。また、このフローチャートは、地絡(外部装置のGNDへの短絡)によって電位不整合状態が生じると想定した場合のフローチャートである。
【0309】
また、このフローチャートは、外部装置3A〜3Dと定電圧電源61〜63との接続形態が図19に示す例の場合についてのものである。すなわち、このフローチャートは、外部装置3Aが定電圧電源61に接続され、外部装置3Bと外部装置3Dが定電圧電源62に接続され、外部装置3Cが定電圧電源63に接続されている場合についてのものである。つまり、このフローチャートは、接続スイッチ9−1A、9−2B、9−3C、9−2Dがオン状態にされている場合についてのものである。また、外部装置3Aが接続端子部7Aに接続され、外部装置3Bが接続端子部7Bに接続され、外部装置3Cが接続端子部7Cに接続され、外部装置3Dが接続端子部7Dに接続されている場合についてのものである。
【0310】
接続制御部31は、常時、|V1o+V2o+V3o−VS1|<ε(電位VS1と、設定電圧値Vo1〜Vo3の和との差の絶対値が、所定値ε未満)であるか否かを判定している(#21)。
【0311】
|V1o+V2o+V3o−VS1|<εでなければ(#21でNO)、接続制御部31は、電位不整合状態であると判断し、まず、バイパススイッチ91−1Eをオン状態にする(#22)。そして、接続制御部31は、|Vo2+Vo3−VS2|<ε(電位VS2と、設定電圧値Vo2、Vo3の和との差の絶対値が、所定値ε未満)であるか否かを判定する(#23)。
【0312】
ここで、|V2o+V3o−VS2|<εであれば(#23でYES)、接続制御部31は、定電圧電源61に接続されている外部装置3Aが、電位不整合状態の原因となっている外部装置であると判定して、この状態を維持する。これにより、外部装置3Aが接続されている定電圧電源61の出力が短絡されて(定電圧電源61がバイパスされて)、電位不整合状態の原因となっている外部装置3Aへの電力供給が遮断される。また、電位不整合状態の原因となっていない(外部装置3Aが接続されている定電圧電源61以外の定電圧電源62、63に接続されている)外部装置3B、3C、3Dへの電力供給は、正常に行われる。
【0313】
なお、#22において、接続スイッチ9−1Aをオフ状態にしてもよい。この場合には、#23でYESであれば、同様に、定電圧電源61に接続されている外部装置3Aが、電位不整合状態の原因となっている外部装置であると判定して、この状態を維持する。これにより、外部装置3Aと、外部装置3Aが接続されている定電圧電源61との接続が断たれて、電位不整合状態の原因となっている外部装置3Aへの電力供給が遮断される。また、電位不整合状態の原因となっていない(定電圧電源との接続が断たれていない)外部装置3A、3C、3Dへの電力供給は、正常に行われる。
【0314】
また、上記#23において|Vo2+Vo3−VS2|<εでなければ(#23でNO)、接続制御部31は、バイパススイッチ91−1Eをオフ状態にすると共に(#24)、接続スイッチ9−2Bをオフ状態にする(#25)。そして、接続制御部31は、|Vo2+Vo3−VS2|<εであるか否かを判定する(#26)。
【0315】
ここで、|V2o+V3o−VS2|<εであれば(#26でYES)、接続制御部31は、定電圧電源62に接続されている外部装置3Bが、電位不整合状態の原因となっている外部装置であると判定して、この状態を維持する。これにより、外部装置3Bと、外部装置3Bが接続されている定電圧電源62との接続が断たれて、電位不整合状態の原因となっている外部装置3Bへの電力供給が遮断される。また、電位不整合状態の原因となっていない(定電圧電源との接続が断たれていない)外部装置3A、3C、3Dへの電力供給は、正常に行われる。
【0316】
なお、#25において、バイパススイッチ9−2Eをオン状態にしてもよい。この場合には、#26でYESであれば、定電圧電源62に接続されている外部装置3Bと外部装置3Dのいずれかが、電位不整合状態の原因となっている外部装置であると判定して、この状態を維持する。これにより、外部装置3B、3Dが接続されている定電圧電源62の出力が短絡されて(定電圧電源62がバイパスされて)、電位不整合状態の原因となっている可能性のある外部装置3B、3Dへの電力供給が遮断される。また、電位不整合状態の原因となっていない(外部装置3B、3Dが接続されている定電圧電源62以外の定電圧電源61、63に接続されている)外部装置3A、3Cへの電力供給は、正常に行われる。
【0317】
また、上記#26において|Vo2+Vo3−VS2|<εでなければ(#26でNO)、接続制御部31は、接続スイッチ9−2Dをオフ状態にすると共に(#27)、接続スイッチ9−2Bをオン状態にする(#28)。そして、接続制御部31は、|Vo3−VS3|<ε(電位VS3と、設定電圧値Vo3との差の絶対値が、所定値ε未満)であるか否かを判定する(#29)。
【0318】
ここで、|V3o−VS3|<εであれば(#29でYES)、接続制御部31は、定電圧電源62に接続されている外部装置3Dが、電位不整合状態の原因となっている外部装置であると判定して、この状態を維持する。これにより、外部装置3Dと、外部装置3Dが接続されている定電圧電源62との接続が断たれて、電位不整合状態の原因となっている外部装置3Dへの電力供給が遮断される。また、電位不整合状態の原因となっていない(定電圧電源との接続が断たれていない)外部装置3A、3B、3Cへの電力供給は、正常に行われる。
【0319】
なお、#27又は#28において、バイパススイッチ9−2Eをオン状態にしてもよい。この場合には、#29でYESであれば、定電圧電源62に接続されている外部装置3Bと外部装置3Dのいずれかが、電位不整合状態の原因となっている外部装置であると判定して、この状態を維持する。これにより、外部装置3B、3Dが接続されている定電圧電源62の出力が短絡されて(定電圧電源62がバイパスされて)、電位不整合状態の原因となっている可能性のある外部装置3B、3Dへの電力供給が遮断される。また、電位不整合状態の原因となっていない(外部装置3B、3Dが接続されている定電圧電源62以外の定電圧電源61、63に接続されている)外部装置3A、3Cへの電力供給は、正常に行われる。
【0320】
また、上記#29において|Vo3−VS3|<εでなければ(#29でNO)、接続制御部31は、定電圧電源63に接続されている外部装置3Cが、電位不整合状態の原因となっている外部装置であると判定する。そして、接続制御部31は、バイパススイッチ91−3Eをオンにして(#30)、この状態を維持する。これにより、外部装置3Cが接続されている定電圧電源63の出力が短絡されて(定電圧電源63がバイパスされて)、電位不整合状態の原因となっている外部装置3Cへの電力供給が遮断される。また、電位不整合状態の原因となっていない(外部装置3Cが接続されている定電圧電源63以外の定電圧電源61、62に接続されている)外部装置3A、3B、3Dへの電力供給は、正常に行われる。
【0321】
なお、#30において、接続スイッチ9−3Cをオフ状態にしてもよい。これにより、外部装置3Cと、外部装置3Cが接続されている定電圧電源63との接続が断たれて、電位不整合状態の原因となっている外部装置3Cへの電力供給が遮断される。また、電位不整合状態の原因となっていない(定電圧電源との接続が断たれていない)外部装置3A、3B、3Dへの電力供給は、正常に行われる。
【0322】
接続制御部31は、このようにして、電位不整合状態の原因となっている定電圧電源を割り出して、その定電圧電源に接続されている外部装置への電力供給を遮断する。なお、外部装置3A〜3Dと定電圧電源61〜63との接続形態が他の場合でも、接続制御部31は、同様にして、電位不整合状態の原因となっている定電圧電源を割り出して、その定電圧電源に接続されている外部装置への電力供給を遮断する。
【0323】
本実施形態の電源システム1によれば、電位不整合状態が発生した場合、電位不整合状態の原因となっている外部装置への電力供給が遮断されることにより、安全を確保できる。また、電位不整合状態が発生しても、電位不整合状態の原因となっていない外部装置は、正常に動作し得る。
【0324】
なお、本実施形態において、接続制御部31は、電位不整合状態を検出したときに、全ての外部装置3A〜3Dへの電力供給を遮断するように、接続スイッチ9−1A〜9−1D、9−2A〜9−2D、9−3A〜9−3Dを制御するようにしてもよい。また、接続制御部31は、電位不整合状態を検出したときに、全ての外部装置3A〜3Dへの電力供給を遮断するように、バイパススイッチ91−1E〜91−3Eを制御するようにしてもよい。
【0325】
<第17の実施形態>
図21は、第17の実施形態による電源システムの構成を示す。本実施形態の電源システム1は、上記第14の実施形態における電流検出部41を備えていない。そして、上記第14の実施形態の構成に加え、通信部95を備えている。また、接続制御部31の構成が上記第14の実施形態と異なっている。通信部95及び接続制御部31によって、異常監視手段が構成されている。また、本実施形態の電源システム1では、各接続端子部7は、接続端子7a、7bに加えて、信号用(通信用)端子7cをさらに備えている。また、本実施形態の電源システム1では、接続される対象としている外部装置3の構成が、上記第14の実施形態と異なっている。本実施形態における他の構成については、上記第14の実施形態と同様である。
【0326】
各外部装置3は、電力を消費する負荷に加えて、外部側通信部を備えている。電源システム1は、外部装置3として、このような構成のものを対象としている。各外部装置3は、負荷が接続端子7a、7b間に接続されることに加えて、外部側通信部が信号用端子7cに接続されるように、接続端子部7に接続される。
【0327】
通信部95は、接続端子部7A〜7Dに接続される(定電圧電源61〜63に接続される)外部装置3A〜3Dとの間で双方向通信を行うようになっている。すなわち、通信部95は、接続端子部7Aの信号用端子7cを介して、接続端子部7Aに接続される外部装置3Aとの間で双方向通信を行う。また、通信部95は、接続端子部7Bの信号用端子7cを介して、接続端子部7Bに接続される外部装置3Bとの間で双方向通信を行う。また、通信部95は、接続端子部7Cの信号用端子7cを介して、接続端子部7Cに接続される外部装置3Cとの間で双方向通信を行う。また、通信部95は、接続端子部7Dの信号用端子7cを介して、接続端子部7Dに接続される外部装置3Cとの間で双方向通信を行う。
【0328】
各外部装置3A〜3Dは、異常診断機能を有しており、異常診断結果を示す異常診断情報を、各外部装置3A〜3Dの外部側通信部から信号用端子7cを介して電源システム1の通信部95に送信する。
【0329】
接続制御部31は、接続スイッチ9−1A〜9−1D、9−2A〜9−2D、9−3A〜9−3D、及びバイパススイッチ91−1E〜91−3Eを制御する。また、接続制御部31は、通信部95により外部装置3A〜3Dから受信した異常診断情報に基いて、外部装置3A〜3Dの異常を検出する。
【0330】
接続制御部31は、上記第14の実施形態と同様に、所定の接続形態で接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63とを接続するように、接続スイッチ9−1A〜9−1D、9−2A〜9−2D、9−3A〜9−3Dを制御する。
【0331】
また、接続制御部31は、常時、通信部95により外部装置3A〜3Dから受信した異常診断情報に基いて、外部装置3A〜3Dの異常を検出する。
【0332】
接続制御部31は、外部装置3A〜3Dの異常を検出していないときには、上述のように、所定の接続形態で接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63とを接続するように、各接続スイッチ9を制御している。また、接続制御部31は、外部装置3A〜3Dの異常を検出していないときには、バイパススイッチ91−1E〜91−3Eをオフ状態にしている。従って、接続制御部31が外部装置3A〜3Dの異常を検出していないときには、定電圧電源61〜63から、定電圧電源61〜63と接続されている接続端子部7A〜7Dに接続されている外部装置に、電力が供給される。
【0333】
そして、接続制御部31は、外部装置3A〜3Dの異常を検出したときに、異常のある外部装置への電力供給を遮断するように、接続スイッチ9−1A〜9−1D、9−2A〜9−2D、9−3A〜9−3Dを制御する。又は、異常のある外部装置が接続されている接続端子部に接続されている定電圧電源をバイパスするように、バイパススイッチ91−1E〜91−3Eを制御する。
【0334】
すなわち、接続制御部31は、外部装置3A〜3Dの異常を検出したときに、異常診断情報に基いて、異常のある外部装置を割り出す。そして、接続制御部31は、その割り出した外部装置への電力供給を遮断するように、接続スイッチ9−1A〜9−1D、9−2A〜9−2D、9−3A〜9−3Dを制御する。又は、その割り出した外部装置が接続されている接続端子部に接続されている定電圧電源をバイパスするように、バイパススイッチ91−1E〜91−3Eを制御する。
【0335】
つまり、接続制御部31は、割り出した外部装置が接続されている定電圧電源と、割り出した外部装置とを接続しているスイッチをオフにする。これにより、割り出した外部装置と、割り出した外部装置が接続されている定電圧電源との接続が断たれて、異常のある外部装置への電力供給が遮断される。このとき、異常のない(定電圧電源との接続が断たれていない)外部装置への電力供給は、正常に行われる。
【0336】
又は、接続制御部31は、割り出した外部装置が接続されている定電圧電源に対応するバイパススイッチをオン状態にする。これにより、割り出した外部装置が接続されている定電圧電源の出力が短絡されて(バイパスされて)、異常のある外部装置への電力供給が遮断される。このとき、異常のある外部装置が接続されている定電圧電源に接続されている他の外部装置への電力供給も遮断される。また、異常のない(異常のある外部装置が接続されている定電圧電源以外の定電圧電源に接続されている)外部装置への電力供給は、正常に行われる。
【0337】
本実施形態の電源システム1によれば、外部装置3A〜3Dのいずれかに異常が発生した場合、異常の発生した外部装置への電力供給が遮断されることにより、安全を確保できる。また、外部装置3A〜3Dのいずれかに異常が発生しても、異常の発生していない外部装置は、正常に動作し得る。
【0338】
また、電源システム1と外部装置3との間で双方向通信を行うことによって、外部装置3の異常診断機能自身や異常診断情報を伝達する手段を含めて、各種の異常の有無を確認することができる。また、電源システム1内の過電流検出機能では検出し得ない外部装置3に特有の問題に対しても、安全対策がとれる。
【0339】
なお、本実施形態において、接続制御部31は、異常を検出したときに、全ての外部装置3A〜3Dへの電力供給を遮断するように、接続スイッチ9−1A〜9−1D、9−2A〜9−2D、9−3A〜9−3Dを制御するようにしてもよい。また、接続制御部31は、異常を検出したときに、全ての外部装置3A〜3Dへの電力供給を遮断するように、バイパススイッチ91−1E〜91−3Eを制御するようにしてもよい。
【0340】
また、本実施形態において、外部装置3から、異常診断情報の他に、各種データを送信するようにして、接続制御部31は、外部装置3から送信される各種データに基いて、システム電流Isの電流値の制御やその他の各種制御を行うようにしてもよい。接続制御部31は、外部装置3の各種設定情報を双方向通信によって取り込んで、その取り込んだ外部装置3の各種設定情報を利用するようにしてもよい。また、双方向通信は、光や無線などでもよい。
【符号の説明】
【0341】
1 電源システム
2 直流電源
3、3A、3B、3C、3D 外部装置
3o コネクタ
4 入力部
4a、4b 入力端子
5 接続部
6、61、62、63 定電圧電源
6a、6b 入力ライン
6c、6d 出力ライン
6s 可変シャント電流経路
6t 可変定電流回路
6u 可変電流経路
6w 可変抵抗器
7、7A、7B、7C、7D、7E、7F、
7G、7H、7I、7J、7K、7L 接続端子部
7a、7b 接続端子
7c 信号用端子
8 電源接続部
9−1A、9−1B、9−1C、9−1D、
9−2A、9−2B、9−2C、9−2D、
9−3A、9−3B、9−3C、9−3D 接続スイッチ
10 筐体
10a 筐体の側面
20 表示部
21、22、23 インジケータ
25 ランプ
31 接続制御部
32、32A、32B、32C、32D スライド抵抗
33 レジスタ
41、41−1A、41−1B、41−1C、41−1D、
41−2A、41−2B、41−2C、41−2D、
41−3A、41−3B、41−3C、41−3D 電流検出部
42、42−1、42−2、42−3 電流検出部
43 電流検出部
50 電源制御部
51 システム電流制御部
52 制御回路部
53 システム電流制御部
54 カウンタ
55 タイマ回路
56 制御回路部
71 MOSFET
72 抵抗
73 電圧制御部
81 MOSFET
82 抵抗
83、83−1、83−2、81−3 電圧制御部
91、91−1E、91−2E、91−3E バイパススイッチ
92 監視部
95 通信部
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力を供給する電源システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、電力を供給する電源システムにおいて、図22に示す構成のものがある。この電源システム100は、複数の定電圧電源101、102、103、104が直流電源105に並列に接続されている。定電圧電源101には、外部装置106Aが接続され、定電圧電源102には、外部装置106Bが接続され、定電圧電源103には、外部装置106Cが接続され、定電圧電源104には、外部装置106Dが接続されている。
【0003】
定電圧電源101、102、103、104は、各々、直流電源105からの電力供給を受けて、外部装置106A、106B、106C、106Dに電力を供給する。定電圧電源101、102、103、104は、直流電源105に並列に接続されているため、定電圧電源101、102、103、104には、各々、直流電源105の直流電圧Vinが入力されることになる。定電圧電源101、102、103、104は、各々、シリーズレギュレータであり、直流電源105から入力される入力電圧(直流電源105の直流電圧)Vinを降圧して所定の出力電圧V1、V2、V3、V4を出力する。そして、定電圧電源101、102、103、104は、各々、その出力電圧V1、V2、V3、V4を外部装置106A、106B、106C、106Dに印加する。
【0004】
このような構成の電源システム100において、例えば、直流電源105の直流電圧(すなわち、各定電圧電源101、102、103、104に入力される入力電圧)Vinが24Vであるとする。また、各定電圧電源101、102、103、104の出力電圧V1、V2、V3、V4がV1=5V、V2=5V、V3=5V、V4=5Vであるとする。また、5V定格時において、各外部装置106A、106B、106C、106Dに流れる負荷電流IA、IB、IC、IDがIA=100mA、IB=70mA、IC=110mA、ID=50mAであるとする。また、各定電圧電源101、102、103、104自身の消費電流IcがIc=1mAであるとする。
【0005】
そうすると、電源システム100に流れるシステム電流Isは、直流電源105に定電圧電源101〜104が直流電源105に並列に接続されていることから、直流電源105から各定電圧電源101〜104に流れる入力電流I1〜I4の和となる。つまり、システム電流Isは、外部装置106A〜106Dに流れる負荷電流IA〜IDと、定電圧電源101〜104自身の消費電流Icの総和となる。すなわち、システム電流Isは、Is=(100mA+1mA)+(70mA+1mA)+(110mA+1mA)+(50mA+1mA)=334mAとなる。従って、電源システム100と外部装置106A〜106Dを含めた全体の消費電力Psは、Ps=Vin×Is=24V×334mA=8016mWとなる。
【0006】
一方、外部装置106A〜106Dの消費電力PLは、PL=(V1×IA)+(V2×IB)+(V3×IC)+(V4×ID)=(5V×100mA)+(5V×70mA)+(5V×110mA)+(5V×50mA)=1650mWとなる。すなわち、全体の消費電力Ps=8016mWのうち、外部装置106A〜106Dの消費電力PL=1650mW以外の6366mWの電力は、無駄に消費されており、損失されている。
【0007】
この電力損失の大部分は、定電圧電源101〜104が、入力電圧Vinを出力電圧V1〜V4に降圧するために電力を消費することによるものであり、定電圧電源101〜104で発生する。この定電圧電源101〜104での電力損失は、入力電圧Vinと出力電圧V1〜V4との電圧差が大きいほど(入力電圧Vinに対して、出力電圧V1〜V4が低電圧であるほど)、大きくなる。
【0008】
一方、蓄電池に定電流回路と定電圧回路を直列に接続した電源回路を有するエネルギー蓄積装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2010−124597号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、従来の電源システム100においては、定電圧電源101〜104が直流電源105に並列に接続されているため、各定電圧電源101〜104には、同じ入力電圧Vinが入力される。このため、各定電圧電源101〜104の出力電圧V1〜V4が異なる(外部装置106A〜106Dの定格電圧が異なる)と、各定電圧電源101〜104の入力電圧Vinと出力電圧V1〜V4との電圧差が異なることになる。その結果、定電圧電源101〜104の入力電圧Vinと出力電圧V1〜V4との電圧差が必要以上に大きくなることが生じ得る。入力電圧Vinと出力電圧V1〜V4との電圧差が大きくなると、定電圧電源101〜104での電力損失が大きくなり、消費電力が多くなる。
【0011】
そこで、従来の電源システム100において、入力電圧Vinから出力電圧V1〜V4を得るために、定電圧電源101〜104として、DC/DCコンバータを用いることが考えられる。DC/DCコンバータを用いれば、シリーズレギュレータを用いる場合と比較して、エネルギー効率が改善し、電力損失を抑えることができる。しかしながら、外部装置106A〜106Dの定格電圧は全て同じとは限らず、共通のDC/DCコンバータを持てない場合がある。
【0012】
一方、現在及び今後の一般的な動向として、太陽光発電、電気自動車用バッテリ、直流配電等の直流電源(これらの直流電源の電源電圧は、変動しがちである)が増えることが予測される。また、半導体プロセスの微細化、高速化により、外部装置の定格電圧は、多様化すると共に、低電圧化が進展することが予測される。従って、これら今後の予測される状況において、従来の電源システム100を使用したのでは、定電圧電源101〜104での電力損失がますます大きくなる。
【0013】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、電力損失を抑えて、消費電力を少なくすることができる電源システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために本発明の電源システムは、所定の電圧の直流電源が接続される入力部と、複数の外部装置が接続される接続部と、複数の外部装置に電力を供給するための少なくとも2つ以上の定電圧電源と、を備え、少なくとも2つ以上の定電圧電源は、入力部の入力端子間に直列に接続されており、接続部は、複数の外部装置の各外部装置を少なくとも2つ以上の定電圧電源のいずれの定電圧電源に接続するかを選択可能に構成されているものが好ましい。
【0015】
本発明の電源システムにおいて、少なくとも2つ以上の定電圧電源の出力電流の電流値の大小関係を表示する表示手段をさらに備えるものが好ましい。
【0016】
また、本発明の電源システムにおいて、接続部は、外部装置が接続される複数の接続端子部と、接続端子部と定電圧電源とを接続する電源接続部とを有し、電源接続部は、複数の接続端子部の各接続端子部を少なくとも2つ以上の定電圧電源のいずれの定電圧電源に接続するかを選択可能に構成されており、電源接続部における接続端子部と定電圧電源との接続を制御する接続制御部をさらに備えるものが好ましい。
【0017】
また、本発明の電源システムにおいて、接続制御部は、外部装置に供給すべき電圧又は電流に関する情報である設定情報に基いて、複数の接続端子部の各接続端子部を少なくとも2つ以上の定電圧電源のいずれの定電圧電源に接続するかを決定して、該決定したように接続端子部と定電圧電源とを接続するように、電源接続部における接続端子部と定電圧電源との接続を制御するものが好ましい。
【0018】
また、本発明の電源システムにおいて、設定情報の少なくとも一部がプログラマブルとなっているものが好ましい。
【0019】
また、本発明の電源システムにおいて、設定情報は、外部装置から伝えられるものが好ましい。
【0020】
また、本発明の電源システムにおいて、接続制御部は、設定情報として、外部装置に供給すべき電圧に関する情報である電圧設定情報に基いて、複数の接続端子部の各接続端子部を少なくとも2つ以上の定電圧電源のいずれの定電圧電源に接続するかを決定して、該決定したように接続端子部と定電圧電源とを接続するように、電源接続部における接続端子部と定電圧電源との接続を制御するものが好ましい。
【0021】
また、本発明の電源システムにおいて、接続制御部は、設定情報として、外部装置に供給すべき電流に関する情報である電流設定情報に基いて、複数の接続端子部の各接続端子部を少なくとも2つ以上の定電圧電源のいずれの定電圧電源に接続するかを決定して、該決定したように接続端子部と定電圧電源とを接続するように、電源接続部における接続端子部と定電圧電源との接続を制御するものが好ましい。
【0022】
また、本発明の電源システムにおいて、接続端子部に流れる電流の電流値を検出する電流検出部をさらに備え、接続制御部は、電流検出部により検出された電流値に基いて、複数の接続端子部の各接続端子部を少なくとも2つ以上の定電圧電源のいずれの定電圧電源に接続するかを決定して、該決定したように接続端子部と定電圧電源とを接続するように、電源接続部における接続端子部と定電圧電源との接続を制御するものが好ましい。
【0023】
また、本発明の電源システムにおいて、定電圧電源の出力電流の電流値を検出する電流検出部をさらに備え、接続制御部は、電流検出部により検出された電流値に基いて、複数の接続端子部の各接続端子部を少なくとも2つ以上の定電圧電源のいずれの定電圧電源に接続するかを決定して、該決定したように接続端子部と定電圧電源とを接続するように、電源接続部における接続端子部と定電圧電源との接続を制御するものが好ましい。
【0024】
また、本発明の電源システムにおいて、入力部から定電圧電源に流れるシステム電流の電流値を検出する電流検出部をさらに備え、接続制御部は、電流検出部により検出された電流値に基いて、複数の接続端子部の各接続端子部を少なくとも2つ以上の定電圧電源のいずれの定電圧電源に接続するかを決定して、該決定したように接続端子部と定電圧電源とを接続するように、電源接続部における接続端子部と定電圧電源との接続を制御するものが好ましい。
【0025】
また、本発明の電源システムにおいて、接続制御部は、入力部から定電圧電源に流れるシステム電流の電流値を最小にすることができるように、複数の接続端子部の各接続端子部を少なくとも2つ以上の定電圧電源のいずれの定電圧電源に接続するかを決定して、該決定したように接続端子部と定電圧電源とを接続するように、電源接続部における接続端子部と定電圧電源との接続を制御するものが好ましい。
【0026】
また、本発明の電源システムにおいて、定電圧電源の出力電圧又は入力部から定電圧電源に流れるシステム電流を制御する電源制御部をさらに備えるものが好ましい。
【0027】
また、本発明の電源システムにおいて、電源制御部は、システム電流の電流値を、少なくとも2つ以上の定電圧電源のうちの少なくとも1つの定電圧電源の安定動作に必要最小限の電流値となるように制御するものが好ましい。
【0028】
また、本発明の電源システムにおいて、電源制御部は、定電圧電源と直列に接続される、システム電流を制御するシステム電流制御部を有し、定電圧電源は、シャントレギュレータであるものが好ましい。
【0029】
また、本発明の電源システムにおいて、定電圧電源は、シリーズレギュレータであり、定電圧電源と並列に可変シャント電流経路を有し、電源制御部は、可変シャント電流経路に流れるシャント電流の電流値を制御するものが好ましい。
【0030】
また、本発明の電源システムにおいて、定電圧電源は、シリーズレギュレータであり、定電圧電源の出力端子間に可変電流経路を有し、電源制御部は、可変電流経路に流れる電流の電流値を制御するものが好ましい。
【0031】
また、本発明の電源システムにおいて、電源制御部は、定電圧電源の出力電圧が所定の電圧値以下になるか、又は、定電圧電源の出力電流が所定の電流値以下になると、システム電流を増加させるように制御するものが好ましい。
【0032】
また、本発明の電源システムにおいて、電源制御部は、定電圧電源の出力電圧が所定の電圧値以下でない場合、又は、定電圧電源の出力電流が所定の電流値以下でない場合には、システム電流を減少させるように制御するものが好ましい。
【0033】
また、本発明の電源システムにおいて、電源制御部は、システム電流の電流値を、少なくとも2つ以上の定電圧電源のうちの少なくとも1つの定電圧電源の出力電圧が所定の電圧値となるように、又は、少なくとも2つ以上の定電圧電源のうちの少なくとも1つの定電圧電源のシャント電流が所定の電流値となるように負帰還制御するものが好ましい。
【0034】
また、本発明の電源システムにおいて、電源制御部は、システム電流の電流値を、少なくとも2つ以上の定電圧電源の全ての定電圧電源の安定動作に必要最小限の電流値となるように制御するものが好ましい。
【0035】
また、本発明の電源システムにおいて、電源制御部は、外部装置に供給すべき電圧に関する情報である電圧設定情報に基いて、定電圧電源の出力電圧又は出力電流を制御するものが好ましい。
【0036】
また、本発明の電源システムにおいて、接続端子部に接続されている外部装置への電力の供給を遮断又は制限する電力供給遮断制限手段をさらに備えるものが好ましい。
【0037】
また、本発明の電源システムにおいて、定電圧電源をバイパスするバイパス手段をさらに備えるものが好ましい。
【0038】
また、本発明の電源システムにおいて、接続端子部の接続端子間電圧、又は接続端子部に流れる電流を監視することにより過負荷を検出する回路監視手段をさらに備え、回路監視手段は、過負荷を検出したときに、過負荷の原因となっている外部装置への電力供給を遮断又は制限するように、電力供給遮断制限手段を制御し、又は、過負荷の原因となっている外部装置が接続されている接続端子部に接続されている定電圧電源をバイパスするように、バイパス手段を制御するものが好ましい。
【0039】
また、本発明の電源システムにおいて、少なくとも2つ以上の定電圧電源の全ての定電圧電源の出力電圧の合計電圧又はシステム電流を監視することにより過負荷を検出するシステム監視手段をさらに備え、システム監視手段は、過負荷を検出したときに、全ての外部装置への電力供給を遮断又は制限するように、電力供給遮断制限手段を制御し、又は、全ての定電圧電源をバイパスするように、バイパス手段を制御するものが好ましい。
【0040】
また、本発明の電源システムにおいて、少なくとも2つ以上の定電圧電源の全ての定電圧電源の出力電圧の合計電圧又はシステム電流を監視することにより過負荷を検出するシステム監視手段をさらに備え、システム監視手段は、過負荷を検出したときに、所定のルーチンに基いて、過負荷の原因となっている外部装置を割り出し、割り出した外部装置への電力供給を遮断又は制限するように、電力供給遮断制限手段を制御し、又は、割り出した外部装置が接続されている接続端子部に接続されている定電圧電源をバイパスするように、バイパス手段を制御するものが好ましい。
【0041】
また、本発明の電源システムにおいて、少なくとも2つ以上の定電圧電源のうちの任意の1つの定電圧電源について、その定電圧電源の接続点における本電源システムの最低電位を基準とした電位の値が、その定電圧電源を含んでそれより電位の低い側に接続されている各定電圧電源の出力電圧設定情報の示す設定電圧値の和に対して、所定値以上の差がある電位不整合状態か否かを検出する電位監視手段をさらに備え、電位監視手段は、電位不整合状態を検出したときに、電位不整合状態の原因となっている外部装置への電力供給を遮断又は制限するように、電力供給遮断制限手段を制御し、又は、電位不整合状態の原因となっている外部装置が接続されている接続端子部に接続されている定電圧電源をバイパスするように、バイパス手段を制御するものが好ましい。
【0042】
また、本発明の電源システムにおいて、電位監視手段は、所定のルーチンに基いて、電位不整合状態の原因となっている外部装置を割り出し、割り出した外部装置への電力供給を遮断又は制限するように、電力供給遮断制限手段を制御し、又は、割り出した外部装置が接続されている接続端子部に接続されている定電圧電源をバイパスするように、バイパス手段を制御するものが好ましい。
【0043】
また、本発明の電源システムにおいて、接続端子部に接続される外部装置からの異常診断情報に基いて、定電圧電源、又は接続端子部に接続される外部装置の異常を検出する異常監視手段をさらに備え、異常監視手段は、異常を検出したときに、異常診断情報に基いて、異常のある外部装置を割り出し、割り出した外部装置への電力供給を遮断又は制限するように、電力供給遮断制限手段を制御し、又は、割り出した外部装置が接続されている接続端子部に接続されている定電圧電源をバイパスするように、バイパス手段を制御するものが好ましい。
【0044】
また、本発明の電源システムにおいて、接続端子部に接続される外部装置との間で双方向通信を行う通信部をさらに備えるものが好ましい。
【0045】
また、本発明の電源システムにおいて、定電圧電源は、シャントレギュレータであり、該シャントレギュレータとして、ツェナーダイオードが使用されているものが好ましい。
【発明の効果】
【0046】
本発明によれば、少なくとも2つ以上の定電圧電源が直列に接続されているので、電流が再利用され、これにより、電力損失を抑えて、消費電力を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る電源システムの電気的ブロック構成図。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る電源システムの筐体の側面図。
【図3】本発明の第3の実施形態に係る電源システムの電気的ブロック構成図。
【図4】本発明の第4の実施形態に係る電源システムの電気的ブロック構成図。
【図5】本発明の第5の実施形態に係る電源システムの電気的ブロック構成図。
【図6】本発明の第6の実施形態に係る電源システムの電気的ブロック構成図。
【図7】本発明の第7の実施形態に係る電源システムの電気的ブロック構成図。
【図8】本発明の第8の実施形態に係る電源システムの電気的ブロック構成図。
【図9】本発明の第9の実施形態に係る電源システムの電気的ブロック構成図。
【図10】本発明の第10の実施形態に係る電源システムの電気的ブロック構成図。
【図11】同電源システムの定電圧電源の回路図。
【図12】同電源システムの定電圧電源の別の構成を示す回路図。
【図13】本発明の第11の実施形態に係る電源システムの筐体の側面図。
【図14】本発明の第12の実施形態に係る電源システムの電気的ブロック構成図。
【図15】本発明の第13の実施形態に係る電源システムの電気的ブロック構成図。
【図16】本発明の第14の実施形態に係る電源システムの電気的ブロック構成図。
【図17】本発明の第15の実施形態に係る電源システムの電気的ブロック構成図。
【図18】同電源システムの過負荷の原因となっている外部装置を割り出すルーチンを示すフローチャート。
【図19】本発明の第16の実施形態に係る電源システムの電気的ブロック構成図。
【図20】同電源システムの電位不整合状態の原因となっている外部装置を割り出すルーチンを示すフローチャート。
【図21】本発明の第17の実施形態に係る電源システムの電気的ブロック構成図。
【図22】従来の電源システムの電気的ブロック構成図。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下、本発明を具体化した実施形態による電源システムについて図面を参照して説明する。
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態による電源システムの構成を示す。電源システム1は、直流電源2及び外部装置3が接続され、外部装置3に電力を供給するものである。電源システム1は、直流電源2が接続される入力部4と、複数の外部装置3が接続される接続部5と、複数の外部装置3に電力を供給するための複数の定電圧電源6とを備える。
【0049】
入力部4は、入力端子4a、4bを有しており、入力端子4a、4bに直流電源2が接続される。直流電源2は、所定の直流電圧Vinを出力する電源である。直流電源2は、+極(正極)が入力端子4aに接続され、−極(負極)が入力端子4bに接続されるように、入力部4に接続される。
【0050】
接続部5は、外部装置3を定電圧電源6に接続するものである。接続部5は、外部装置3が接続される複数の接続端子部7と、接続端子部7と定電圧電源6とを接続する(すなわち、接続端子部7に接続された外部装置3を定電圧電源6に接続する)電源接続部8とを有する。
【0051】
複数の接続端子部7は、各々、接続端子7a、7bを有しており、接続端子7a、7bに外部装置3が接続される。本実施形態では、接続部5は、4つの接続端子部7(7A、7B、7C、7D)を備えている。すなわち、本実施形態では、外部装置3として、4つのものを接続できるようになっている。
【0052】
外部装置3は、電力を消費する負荷を備えており、その負荷が接続端子7a、7b間に接続されるように、接続端子部7に接続される。外部装置3の負荷は、例えば、単純な抵抗などでもよいし、シリーズレギュレータ(例えば3.3V出力)及びシリーズレギュレータの出力を受ける抵抗を有する回路などでもよい。図示の例では、4つの外部装置3(3A、3B、3C、3D)が接続されている。すなわち、外部装置3Aは、接続端子部7Aに接続されており、外部装置3Bは、接続端子部7Bに接続されており、外部装置3Cは、接続端子部7Cに接続されており、外部装置3Dは、接続端子部7Dに接続されている。
【0053】
電源接続部8は、各接続端子部7A〜7Dを定電圧電源61〜63のいずれに接続するかを選択可能に構成されている。すなわち、電源接続部8は、例えば、スイッチ、コネクタ、リレーなどの接続用デバイスの集合体によって構成されている。そして、電源接続部8は、不図示のセレクタスイッチが操作されることによって、その操作に応じて接続用デバイスを動作させて、各接続端子部7A〜7Dを定電圧電源61〜63のいずれかに接続し、又は、その接続を切り換えるようになっている。従って、接続端子部7A〜7Dに接続された外部装置3A〜3Dは、不図示のセレクタスイッチが操作されることによって、電源接続部8を介して、定電圧電源61〜63のいずれかに選択的に接続され、又は、その接続が切り換えられる。
【0054】
接続部5は、このような構成により、各外部装置3を定電圧電源61〜63のいずれに接続するかを選択可能に構成されている。すなわち、接続部5は、不図示のセレクタスイッチが操作されることによって、各外部装置3を定電圧電源61〜63のいずれに接続するのかが任意に選択され、その選択されたように、外部装置3を定電圧電源61〜63に接続するようになっている。
【0055】
複数の定電圧電源6は、外部装置3に電力を供給するためのものである。複数の定電圧電源6は、各々、入力ライン6a、6b間に電力が供給されることにより、定電圧電源6内の動作回路部が動作して、出力ライン6c、6d間に所定の出力電圧を出力する回路である。本実施形態では、電源システム1は、3つの定電圧電源6(61、62、63)を備えている。
【0056】
複数の定電圧電源6は、入力部4の入力端子4a、4b間に直列接続されている。すなわち、定電圧電源61の入力ライン6aは、入力部4の入力端子4aに接続され、定電圧電源62の入力ライン6aは、定電圧電源61の入力ライン6bに接続され、定電圧電源63の入力ライン6aは、定電圧電源62の入力ライン6bに接続されている。そして、定電圧電源63の入力ライン6bは、入力部4の入力端子4bに接続されている。従って、複数の定電圧電源61、62、63は、入力部4に接続された直流電源2に直列に接続された状態となる。
【0057】
上記接続部5の電源接続部8における各接続端子部7と各定電圧電源6との接続において、接続端子部7の接続端子7aは、定電圧電源6の出力ライン6cに接続され、接続端子部7の接続端子7bは、定電圧電源6の出力ライン6dに接続される。従って、接続端子部7に接続された(接続部5に接続された)外部装置3は、その負荷が、接続端子部7の接続端子7a、7b及び電源接続部8を介して、定電圧電源6の出力ライン6c、6d間に接続された状態になる。
【0058】
図示の例では、接続端子部7Aが定電圧電源61に接続され、接続端子部7Bが定電圧電源62に接続され、接続端子部7Cが定電圧電源63に接続され、接続端子部7Dが定電圧電源62に接続されている。なお、図において、各接続端子部7と各定電圧電源6を結ぶ実線は、各接続端子部7を各定電圧電源6に接続していることを示し、各接続端子部7と各定電圧電源6を結ぶ点線は、各接続端子部7を各定電圧電源6に接続し得ることを示している。
【0059】
ここで、上記定電圧電源61、62、63について説明する。定電圧電源61は、シャントレギュレータである。すなわち、定電圧電源61の入力ライン6a、6bには、入力電流I1が流れ、定電圧電源61内の動作回路部には、シャント電流Ish1及び消費電流Icが流れ、定電圧電源61の出力ライン6c、6dには、出力電流IL1が流れる。入力電流I1は、消費電流Icとシャント電流Ish1と出力電流IL1の和である。そして、定電圧電源61は、動作回路部においてシャント電流Ish1の大きさを制御することにより、出力電流IL1の大きさを制御して、出力ライン6c、6d間の出力電圧V1を所定の電圧値に保つ。
【0060】
定電圧電源62の構成は、定電圧電源61と同様の構成である。すなわち、定電圧電源62の入力ライン6a、6bには、入力電流I2が流れ、定電圧電源62内の動作回路部には、シャント電流Ish2及び消費電流Icが流れ、定電圧電源62の出力ライン6c、6dには、出力電流IL2が流れる。入力電流I2は、消費電流Icとシャント電流Ish2と出力電流IL2の和である。そして、定電圧電源62は、動作回路部においてシャント電流Ish2の大きさを制御することにより、出力電流IL2の大きさを制御して、出力ライン6c、6d間の出力電圧V2を所定の電圧値に保つ。
【0061】
また、定電圧電源63の構成も、定電圧電源61と同様の構成である。すなわち、定電圧電源63の入力ライン6a、6bには、入力電流I3が流れ、定電圧電源63内の動作回路部には、シャント電流Ish3及び消費電流Icが流れ、定電圧電源63の出力ライン6c、6dには、出力電流IL3が流れる。入力電流I3は、消費電流Icとシャント電流Ish3と出力電流IL3の和である。そして、定電圧電源63は、動作回路部においてシャント電流Ish3の大きさを制御することにより、出力電流IL3の大きさを制御して、出力ライン6c、6d間の出力電圧V3を所定の電圧値に保つ。定電圧電源61、62、63の仕様や特性は同一である。
【0062】
このような構成の電源システム1において、電源システム1には、システム電流Isが流れる。このシステム電流Isは、電源システム1全体に流れる電流であって、直流電源2から入力部4に(電源システム1に)入力される電流である。
【0063】
ここで、定電圧電源61、62、63は、入力部4の入力端子4a、4b間に直列に接続されている。従って、システム電流Isは、定電圧電源61の入力電流I1として定電圧電源61に流れ、さらに、定電圧電源62の入力電流I2として定電圧電源62に流れ、さらに、定電圧電源63の入力電流I3として定電圧電源63に流れる。つまり、定電圧電源61の入力電流I1は、システム電流Isと等しく、また、定電圧電源62の入力電流I2も、システム電流Isと等しく、また、定電圧電源63の入力電流I3も、システム電流Isと等しい。
【0064】
また、各定電圧電源61〜63は、出力電流IL1〜IL3を出力する。各定電圧電源61〜63の出力電流IL1〜IL3は、電源接続部8における各接続端子部7と各定電圧電源6との接続状態に応じて、外部装置3A〜3Dのいずれか1つに供給され、又は、外部装置3A〜3Dの幾つかに分配して供給される。つまり、定電圧電源61の出力電流IL1は、定電圧電源61に接続されている外部装置に流れる負荷電流の和(但し、定電圧電源61に接続されている外部装置が1つである場合には、その外部装置の負荷電流)に等しい。また、定電圧電源62の出力電流IL2は、定電圧電源62に接続されている外部装置の負荷電流の和に等しく、定電圧電源63の出力電流IL3は、定電圧電源63に接続されている外部装置の負荷電流の和に等しい。
【0065】
図示の例では、接続端子部7Aが定電圧電源61に接続され、接続端子部7Bと接続端子部7Dが定電圧電源62に接続され、接続端子部7Cが定電圧電源63に接続されている。従って、図示の例では、定電圧電源61の出力電流IL1は、外部装置3Aに流れる負荷電流IAと等しい。また、定電圧電源62の出力電流IL2は、外部装置3Bに流れる負荷電流IBと外部装置3Dに流れる負荷電流IDの和に等しい。また、定電圧電源63の出力電流IL3は、外部装置3Cに流れる負荷電流ICと等しい。
【0066】
すなわち、システム電流Isとして、定電圧電源61〜63のうちの出力電流(負荷電流の和)が最大である定電圧電源の安定動作に必要な電流を流せば、その電流が各定電圧電源61〜63の入力電流I1〜I3として、各定電圧電源に流れることになる。つまり、システム電流Isとして、定電圧電源61〜63のうちの出力電流が最大である定電圧電源の安定動作に必要な電流を流せば、全ての定電圧電源61〜63を安定動作させることができる。
【0067】
従って、システム電流Isとして、出力電流(負荷電流の和)が最大である定電圧電源の安定動作に必要最小限の電流を流せばよい。このようにシステム電流Isを流せば、少ないシステム電流Isで、全ての定電圧電源61〜63を安定動作させることができる。つまり、このようにシステム電流Isを流せば、システム電流Isとして、不必要な電流を流さなくて済み、無駄な電力消費を抑えることができる。
【0068】
一方、接続端子部7A〜7Dの個数は、定電圧電源61〜63の個数よりも多い。従って、複数の接続端子部7A〜7Dのうちの幾つかは、複数の定電圧電源61〜63のうちの少なくともいずれか1つに共通に接続されることになる。つまり、定電圧電源61〜63の出力電流IL1〜IL3のうちの少なくともいずれか1つの出力電流は、外部装置3A〜3Dの幾つかに分配して供給されることになる。
【0069】
本実施形態では、接続端子部7A〜7Dの個数が4つであり、定電圧電源61〜63の個数が3つである。従って、接続端子部7A〜7Dのいずれか2つが、定電圧電源61〜63のいずれか1つに共通に接続されることになる。つまり、本実施形態では、定電圧電源61〜63の出力電流IL1〜IL3のいずれか1つの出力電流が、外部装置3A〜3Dのいずれか2つに分配して供給されることになる。
【0070】
図示の例では、2つ接続端子部7B、7Dが、定電圧電源62に共通に接続されており、定電圧電源62の出力電流IL2が、2つの外部装置3B、3Dに分配して供給される状態となっている。
【0071】
なお、接続端子部7の個数、及び定電圧電源6の個数によっては、多様な接続端子部7と定電圧電源6との接続形態が存在し、多様な出力電流の供給形態(分配形態)が存在する。例えば、接続端子部7の個数が定電圧電源6の個数よりも3つ以上多い場合には、ある2つ以上の接続端子部7を、ある1つ定電圧電源6に接続すると共に、前者とは別の3つ以上の接続端子部7を、前者とは別の1つ定電圧電源6に接続し得る。この場合には、ある1つの定電圧電源6の出力電流が、ある2つ以上の外部装置3に分配して供給されると共に、前者とは別のある1つの定電圧電源6の出力電流が、前者とは別のある3つ以上の外部装置3に分配して供給されることになる。
【0072】
すなわち、各接続端子部7と各定電圧電源6との接続形態に応じて、出力電流の供給形態(分配形態)が異なって、各定電圧電源61〜63の出力電流IL1〜IL3の電流値が異なることになる。つまり、各接続端子部7と各定電圧電源6との接続形態を変えると、定電圧電源61〜63の出力電流IL1〜IL3(負荷電流の和)のうちの最大となる出力電流の電流値が変わり得る。また、定電圧電源61〜63のうちの出力電流が最大となる定電圧電源も変わり得る。
【0073】
従って、各接続端子部7と各定電圧電源6との接続形態として、定電圧電源61〜63の出力電流IL1〜IL3のうちの最大となる出力電流の電流値が最も小さくなるように接続形態を選択すればよい。このように接続形態を選択すれば、定電圧電源61〜63のうちの出力電流が最大である定電圧電源の安定動作に必要最小限のシステム電流Is、すなわち、全ての定電圧電源61〜63の安定動作に必要最小限のシステム電流Isを、より少なくできる。つまり、このように接続形態を選択したうえで、システム電流Isとして、定電圧電源61〜63のうちの出力電流が最大である定電圧電源の安定動作に必要最小限の電流を流せばよい。このようにすれば、システム電流Isとして、不必要な電流を流さなくて済み、無駄な電力消費を抑えることができる。なお、定電圧電源61〜63の出力電流IL1〜IL3のうちの最大となる出力電流の電流値が最も小さくなるように接続形態を選択するには、出力電流IL1〜IL3の電流値の大小差ができるだけ小さくなるように接続形態を選択すればよい。
【0074】
例えば、直流電源2の直流電圧Vin、各定電圧電源61、62、63の出力電圧V1、V2、V3、各外部装置3A、3B、3C、3Dに流れる負荷電流IA、IB、IC、IDが図22に示される従来例と同様であるとする。すなわち、直流電源2の直流電圧Vinが24Vであるとする。また、各定電圧電源61、62、63の出力電圧V1、V2、V3がV1=5V、V2=5V、V3=5Vであるとする。また、5V定格時において、各外部装置3A、3B、3C、3Dに流れる負荷電流IA、IB、IC、IDがIA=100mA、IB=70mA、IC=110mA、ID=50mAであるとする。また、各定電圧電源61、62、63自身の消費電流IcがIc=1mAであるとする。
【0075】
そうすると、外部装置3Aを定電圧電源61に接続し、外部装置3Bと外部装置3Dを定電圧電源62に接続し、外部装置3Cを定電圧電源63に接続すれば、出力電流IL1〜IL3の電流値の大小差が最も小さくなる。そして、このように外部装置3A〜3Dを定電圧電源61〜63に接続すれば、出力電流IL1〜IL3のうちの最大となる出力電流の電流値が最も小さくなる。
【0076】
このとき、定電圧電源61〜63の出力電流IL1〜IL3は、IL1=100mA、IL2=120mA、IL3=110mAとなる。すなわち、定電圧電源61〜63の出力電流IL1〜IL3のうちの最大となる出力電流は、定電圧電源62の出力電流IL2となり、その電流値(出力電流IL1〜IL3のうちの最大となる出力電流の電流値)は、IL2=120mAとなる。そして、この120mAという電流値は、外部装置3A〜3Dと定電圧電源61〜63との全ての接続形態における出力電流IL1〜IL3のうちの最大となる出力電流の電流値の中で、最も小さい電流値となる。
【0077】
そして、定電圧電源61の安定動作に(定電圧電源61に接続されている外部装置を正常に動作にさせるのに)必要最小限の入力電流I1の電流値I1minは、I1min=Ic+Ish1+IL1=1mA+0mA+100mA=101mAとなる。また、定電圧電源62の安定動作に(定電圧電源62に接続されている外部装置を正常に動作させるのに)必要最小限の入力電流I2の電流値I2minは、I2min=Ic+Ish2+IL2=1mA+120mA=121mAとなる。また、定電圧電源63の安定動作に(定電圧電源63に接続されている外部装置を正常に動作させるのに)必要最小限の入力電流I3の電流値I3minは、I3min=Ic+Ish3+IL3=1mA+0mA+110mA=111mAとなる。すなわち、定電圧電源61〜63のうちの出力電流(負荷電流の和)が最大である定電圧電源は、定電圧電源62となり、出力電流(負荷電流の和)が最大である定電圧電源の安定動作に必要最小限の電流は、I2min=121mAとなる。
【0078】
従って、上記の場合、外部装置3Aを定電圧電源61に接続し、外部装置3Bと外部装置3Dを定電圧電源62に接続し、外部装置3Cを定電圧電源63に接続すると共に、システム電流Isとして、Is=121mAの電流を流せばよい。このようにすれば、少ないシステム電流Isで、全ての定電圧電源61〜63を安定動作させる(全ての外部装置3A〜3Dを正常に動作させる)ことができる。すなわち、システム電流Isとして、不必要な電流を流さなくて済み、無駄な電力消費を抑えることができる。
【0079】
システム電流Isとして、121mAの電流を流した場合、電源システム1と外部装置8A〜8Dを含めた全体の消費電力Psは、Ps=Vin×Is=24V×121mA=2904mWとなる。一方、外部装置3A〜3Dの消費電力PLは、従来と同様に、PL=(V1×IA)+(V2×IB)+(V3×IC)+(V4×ID)=(5V×100mA)+(5V×70mA)+(5V×110mA)+(5V×50mA)=1650mWとなる。従って、全体の消費電力Ps=2904mWのうち、外部装置3A〜3Dの消費電力PL=1650mW以外の1254mWの電力が、電力損失となっている。
【0080】
これらを従来の電源システムと比較すると、図22に示される従来の電源システムでは、電力損失が6366mWであるのに対して、本発明の電源システム1では、電力損失が1254mWである。そして、従来の電源システムでは、全体の消費電力Psが8016mWであるのに対して、本発明の電源システム1では、全体の消費電力Psが2904mWである。すなわち、本発明の電源システム1では、従来と比較して、電力損失が大きく抑えられており、全体の消費電力Psが従来の約36%に低減されている。本発明の電源システム1における直流電源2の直流電圧Vin、各定電圧電源61〜63の出力電圧V1〜V3、各外部装置3A〜3Dに流れる負荷電流IA〜IDは、従来と同じである。すなわち、本発明の電源システム1では、従来と同じ直流電圧、同じ外部装置(同じ負荷)において、電力損失が抑えられて、消費電力が低減されている。
【0081】
本発明の電源システム1において、このように電力損失が抑えられて、消費電力が低減されるのは、定電圧電源61〜63が、入力部4の入力端子4a、4b間に直列に接続されているためである。すなわち、システム電流Isが、定電圧電源61の入力電流I1として定電圧電源61に流れ、さらに、定電圧電源62の入力電流I2として定電圧電源62に流れ、さらに、定電圧電源63の入力電流I3として定電圧電源63に流れるためである。つまり、定電圧電源61で利用された電流が、定電圧電源62で再利用され、また、定電圧電源62で利用された電流が、定電圧電源63で再利用されるために、全ての定電圧電源61〜63を安定動作させるのに、少ないシステム電流Isで済むからである。
【0082】
システム電流Isの電流値は、不図示の電源制御部(例えば、入力部4と定電圧電源6との間に設けられた可変抵抗器や可変定電流回路)によって設定される。システム電流Isの電流値は、定電圧電源61〜63のうちの出力電流(負荷電流の和)が最大である定電圧電源の安定動作に必要最小限の電流値となるように設定される。このシステム電流Isの電流値の設定は、例えば、電源システム1の設置者又は外部装置3A〜3Dの設置者により、直流電源2の直流電圧Vinや外部装置3A〜3Dの定格電圧、定格電流等に基いて行われる。
【0083】
本発明の電源システム1によれば、定電圧電源61〜63は、入力部4の入力端子4a、4b間に直列に接続されている。このため、入力部4からのシステム電流Isは、定電圧電源61の入力電流I1として定電圧電源61に流れて、定電圧電源61で利用される。そして、定電圧電源61で利用された入力電流I1は、定電圧電源62の入力電流I2として定電圧電源62に流れて、定電圧電源62で利用される。さらに、定電圧電源62で利用された入力電流I2は、定電圧電源63の入力電流I3として定電圧電源63に流れて、定電圧電源63で利用される。つまり、定電圧電源61で利用された電流は、定電圧電源62で再利用され、また、定電圧電源62で利用された電流は、定電圧電源63で再利用される。従って、少ないシステム電流Isで、全ての定電圧電源61〜63を安定動作させることができる。これにより、電力損失を抑えて、消費電力を少なくすることができる。
【0084】
また、接続部5は、各外部装置3A〜3Dを定電圧電源61〜63のいずれに接続するかを選択可能に構成されている。このため、定電圧電源61〜63の出力電流IL1〜IL3のうちの最大となる出力電流の電流値が最も小さくなるように、外部装置3A〜3Dを定電圧電源61〜63に接続することができる。このように接続することにより、全ての定電圧電源61〜63を安定動作させるのに必要最小限のシステム電流Isを、最も少なくすることができる。従って、このように接続したうえで、システム電流Isとして、定電圧電源61〜63のうちの出力電流が最大である定電圧電源の安定動作に必要最小限の電流を流すことにより、より一層、電力損失を抑えて、消費電力を少なくすることができる。
【0085】
なお、本実施形態において、電源システム1は、直流電源2が接続される構成に限られず、直流電源2を一体的に備えた構成であってもよい。また、直流電源2は、直流電圧を出力するものであればよく、例えば、交流を整流して直流電圧を作り出して、その作り出した直流電圧を出力するものであってもよい。
【0086】
また、本実施形態において、複数の定電圧電源6は、3つに限られず、少なくとも2つ以上のものが直列接続されていればよい。また、複数の定電圧電源6の仕様や特性は同一でなくてもよい。また、複数の定電圧電源6のうちの幾つかのもの、又は、複数の定電圧電源6の全てのものは、ツェナーダイオードを用いたシャントレギュレータであってもよい。また、複数の定電圧電源6のうちの幾つかのもの、又は、複数の定電圧電源6の全てのものは、シャントレギュレータに限られず、例えばシリーズレギュレータであってもよい。
【0087】
また、本実施形態において、接続端子部7は、4つに限られず、5つ以上あってもよい。すなわち、接続部5は、5つ以上の外部装置3を複数の定電圧電源6に接続可能になっていてもよい。また、接続部5は、例えば、パソコンなどの外部制御装置から接続信号を与えられることによって、各外部装置3を複数の定電圧電源6のいずれに接続するのかが選択されるように構成されていてもよい。また、接続部5は、各外部装置3が複数の接続端子部7のいずれに接続されるかによって、各外部装置3を複数の定電圧電源6のいずれに接続するのかが選択されるように構成されていてもよい。
【0088】
また、本実施形態において、各定電圧電源6の出力電流の電流値の大小関係を表示する表示部を備えていてもよい。このような構成によれば、その表示部の表示を見て、外部装置3の接続先(外部装置3A〜3Dを定電圧電源61〜63のいずれに接続するか)の決定の参考とすることができる。また、その表示部の表示を見て、各定電圧電源6の出力電流の電流値の大小差を小さくするように、外部装置3の接続先を決定することができる。
【0089】
また、本実施形態において、不図示の電源制御部が、全ての定電圧電源61〜63を安定動作させるのに必要最小限のシステム電流Isの電流値を求めて、システム電流Isの電流値を、その電流値に設定するようになっていてもよい。また、不図示の接続制御部が、各定電圧電源6の出力電流の電流値の大小差が小さくなるような接続端子部7と定電圧電源6との接続形態を求めて、そのように各接続端子部7と定電圧電源6とを接続するようになっていてもよい。
【0090】
<第2の実施形態>
図2は、第2の実施形態による電源システムの構成を示す。本実施形態の電源システム1は、接続部5の構成が上記第1の実施形態と異なっている。また、本実施形態の電源システム1は、上記第1の実施形態の構成に加え、定電圧電源61〜63の出力電流IL1〜IL3の電流値の大小関係を表示する表示部20をさらに備えている。表示部20によって、表示手段が構成されている。本実施形態における他の構成については、上記第1の実施形態と同様である。
【0091】
本実施形態では、接続部5は、12個の接続端子部7(7A、7B、・・・、7K、7L)を備えている。これら12個の接続端子部7は、電源システム1の筐体10の側面10aに配置されている。
【0092】
各接続端子部7は、コネクタプラグであり、外部装置3のコネクタ3oが自由に接続できるようになっている。すなわち、各接続端子部7は、外部装置3のコネクタ3oを介して、外部装置3が自由に接続できるようになっている。各接続端子部7は、1対の接続端子7a、7bを筐体10の側面10aに露出させた構成になっており、プラグの内側が+極(正極)側の接続端子7aであり、プラグの外側が−極(負極)側の接続端子7bである。
【0093】
そして、本実施形態では、接続部5は、上記第1の実施形態における電源接続部8を備えておらず、接続端子部7が直接に定電圧電源6に接続されている。すなわち、接続端子部7A〜7Dは、定電圧電源61に並列に接続されており、接続端子部7E〜7Hは、定電圧電源62に並列に接続されており、接続端子部7I〜7Lは、定電圧電源63に並列に接続されている。つまり、接続端子部7A〜7Dの各接続端子7aは、定電圧電源61の出力ライン6cに接続されており、接続端子部7A〜7Dの接続端子7bは、定電圧電源61の出力ライン6dに接続されている。また、接続端子部7E〜7Hの各接続端子7aは、定電圧電源62の出力ライン6cに接続されており、接続端子部7E〜7Hの接続端子7bは、定電圧電源62の出力ライン6dに接続されている。また、接続端子部7I〜7Lの各接続端子7aは、定電圧電源63の出力ライン6cに接続されており、接続端子部7I〜7Lの接続端子7bは、定電圧電源63の出力ライン6dに接続されている。
【0094】
本実施形態では、接続部5は、このような構成により、各外部装置3を定電圧電源61〜63のいずれに接続するかを選択可能に構成されている。すなわち、接続部5は、外部装置3のコネクタ3oが接続端子部7A〜7Lに抜き差しされることによって、各外部装置3を定電圧電源61〜63のいずれに接続するのかが任意に選択されるようになっている。そして、接続部5は、その選択されたように、外部装置3を定電圧電源61〜63に接続するようになっている。
【0095】
接続端子部7A〜7Lは、定電圧電源61〜63との対応が分かるように配置されている。すなわち、接続端子部7A、7B、7C、7Dは、定電圧電源61に対応しており、定電圧電源61に対応していることが分かるように、筐体10の側面10aの上段に配置されている。また、接続端子部7E、7F、7G、7Hは、定電圧電源62に対応しており、定電圧電源62に対応していることが分かるように、筐体10の側面10aの中段に配置されている。また、接続端子部7I、7J、7K、7Lは、定電圧電源63に対応しており、定電圧電源63に対応していることが分かるように、筐体10の側面10aの下段に配置されている。
【0096】
接続端子部7A〜7Dに接続された各外部装置3は、定電圧電源61の出力ライン6c、6d間に並列に接続され、定電圧電源61の出力電流IL1は、接続端子部7A〜7Dに接続された各外部装置3に分配して供給される。また、接続端子部7E〜7Hに接続された各外部装置3は、定電圧電源62の出力ライン6c、6d間に並列に接続され、定電圧電源62の出力電流IL2は、接続端子部7E〜7Hに接続された各外部装置3に分配して供給される。また、接続端子部7I〜7Lに接続された各外部装置3は、定電圧電源63の出力ライン6c、6d間に並列に接続され、定電圧電源63の出力電流IL3は、接続端子部7I〜7Lに接続された各外部装置3に分配して供給される。
【0097】
図示の例では、接続端子部7A、7F、7G、7Kに、各々、外部装置3が接続されている。すなわち、定電圧電源61の出力ライン6c、6d間に、1つの外部装置3が接続され、定電圧電源62の出力ライン6c、6d間に、2つの外部装置3が並列に接続され、定電圧電源63の出力ライン6c、6d間に、1つの外部装置3が接続されている。
【0098】
表示部20は、定電圧電源61〜63の出力電流IL1〜IL3の大きさを表示するためのインジケータ21、22、23を備えている。各インジケータ21〜23は、複数のランプ25が1列に配列された構成になっている。
【0099】
インジケータ21は、定電圧電源61の出力電流IL1の大きさ(接続端子部7A〜7Dに接続されている外部装置3に流れる合計電流の大きさ)を表示するものであり、筐体10の側面10aの上段に配置されている。インジケータ22は、定電圧電源62の出力電流IL2の大きさ(接続端子部7E〜7Hに接続されている外部装置3に流れる合計電流の大きさ)を表示するものであり、筐体10の側面10aの中段に配置されている。インジケータ23は、定電圧電源63の出力電流IL3の大きさ(接続端子部7I〜7Lに接続されている外部装置3に流れる合計電流の大きさ)を表示するものであり、筐体10の側面10aの下段に配置されている。
【0100】
インジケータ21は、定電圧電源61の出力電流IL1の大きさに応じて、出力電流IL1の大きさに対応する個数だけランプ25を点灯することによって、定電圧電源61の出力電流IL1の大きさをレベル表示する。すなわち、インジケータ21は、定電圧電源61の出力電流IL1の電流値が小さいほど、ランプ25の点灯個数を少なく(電流値が0のときには、全てのランプ25を消灯)する。また、インジケータ21は、定電圧電源61の出力電流IL1の電流値が大きいほど、ランプ25の点灯個数を多くする。
【0101】
また、インジケータ22は、定電圧電源62の出力電流IL2の大きさに応じて、出力電流IL2の大きさに対応する個数だけランプ25を点灯することによって、定電圧電源62の出力電流IL2の大きさをレベル表示する。すなわち、インジケータ22は、定電圧電源62の出力電流IL2の電流値が小さいほど、ランプ25の点灯個数を少なく(電流値が0のときには、全てのランプ25を消灯)する。また、インジケータ22は、定電圧電源62の出力電流IL2の電流値が大きいほど、ランプ25の点灯個数を多くする。
【0102】
また、インジケータ23は、定電圧電源62の出力電流IL3の大きさに応じて、出力電流IL3の大きさに対応する個数だけランプ25を点灯することによって、定電圧電源63の出力電流IL3の大きさをレベル表示する。すなわち、インジケータ23は、定電圧電源63の出力電流IL3の電流値が小さいほど、ランプ25の点灯個数を少なく(電流値が0のときには、全てのランプ25を消灯)する。また、インジケータ23は、定電圧電源63の出力電流IL3の電流値が大きいほど、ランプ25の点灯個数を多くする。
【0103】
このような構成の表示部20は、インジケータ21〜23のランプ25の点灯個数によって、定電圧電源61〜63の出力電流IL1〜IL3の電流値の大小関係をレベル表示する。
【0104】
図示の例では、インジケータ22のランプ25の点灯個数が最も多く、定電圧電源62の出力電流IL2の電流値が最も大きい(定電圧電源61の出力電流IL1の電流値、及び定電圧電源63の出力電流IL3の電流値よりも大きい)ことが表示されている。また、インジケータ21のランプ25の点灯個数とインジケータ23のランプ25の点灯個数とが同じであり、定電圧電源61の出力電流IL1の電流値と定電圧電源63の出力電流IL3の電流値とがほぼ同じであることが表示されている。
【0105】
本実施形態の電源システム1によれば、利用者が、外部装置3のコネクタ3oを接続端子部7A〜7Lに抜き差しして、表示部20の表示を見ることにより、外部装置3の接続先の決定の参考とすることができる。また、表示部20の各インジケータ21〜23のレベル(ランプ25の点灯個数)ができるだけ揃うように、外部装置3を接続端子部7A〜7Lに差し込むことにより、最適な接続を実現できる。すなわち、このように外部装置3を接続端子部7A〜7Lに差し込むことにより、定電圧電源61〜63の出力電流IL1〜IL3の電流値の大小差を最も小さくでき、出力電流IL1〜IL3のうちの最大となる出力電流の電流値を最も小さくできる。つまり、このように外部装置3を接続端子部7A〜7Lに差し込むことにより、全ての定電圧電源61〜63を安定動作させるのに必要最小限のシステム電流Isを、最も少なくすることができる。
【0106】
なお、本実施形態において、表示部20は、定電圧電源61〜63の出力電流IL1〜IL3の電流値をデジタル表示(数値表示)するものであってもよい。また、表示部20は、最小の出力電流になっている定電圧電源や最大の出力電流になっている定電圧電源を、LEDランプの点等、消灯等によって示す表示をするものであってもよい。
【0107】
<第3の実施形態>
図3は、第3の実施形態による電源システムの構成を示す。本実施形態の電源システム1は、接続部5の電源接続部8の構成が上記第1の実施形態と異なっている。また、本実施形態の電源システム1は、上記第1の実施形態の構成に加え、電源接続部8における接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63との接続を制御する接続制御部31をさらに備えている。本実施形態における他の構成については、上記第1の実施形態と同様である。
【0108】
本実施形態では、接続部5の電源接続部8は、複数の接続スイッチ9−1A、9−1B、9−1C、9−1D、9−2A、9−2B、9−2C、9−2D、9−3A、9−3B、9−3C、9−3Dを有している。
【0109】
接続スイッチ9−1Aは、オン状態のときに、定電圧電源61と接続端子部7Aとを接続し、オフ状態のときに、定電圧電源61と接続端子部7Aとを切断する。また、接続スイッチ9−1Bは、オン状態のときに、定電圧電源61と接続端子部7Bとを接続し、オフ状態のときに、定電圧電源61と接続端子部7Bとを切断する。また、接続スイッチ9−1Cは、オン状態のときに、定電圧電源61と接続端子部7Cとを接続し、オフ状態のときに、定電圧電源61と接続端子部7Cとを切断する。また、接続スイッチ9−1Dは、オン状態のときに、定電圧電源61と接続端子部7Dとを接続し、オフ状態のときに、定電圧電源61と接続端子部7Dとを切断する。
【0110】
同様に、接続スイッチ9−2A〜9−2Dは、オン状態のときに、定電圧電源62と接続端子部7A〜7Dとを接続し、オフ状態のときに、定電圧電源62と接続端子部7A〜7Dとを切断する。また同様に、接続スイッチ9−3A〜9−3Dは、オン状態のときに、定電圧電源63と接続端子部7A〜7Dとを接続し、オフ状態のときに、定電圧電源63と接続端子部7A〜7Dとを切断する。
【0111】
なお、上記における定電圧電源61と接続端子部7Aとの接続、切断は、定電圧電源61の出力ライン6c、6dと接続端子部7Aの接続端子7a、7bとの接続、切断である。また、定電圧電源61と接続端子部7Bとの接続、切断は、定電圧電源61の出力ライン6c、6dと接続端子部7Bの接続端子7a、7bとの接続、切断である。また、定電圧電源61と接続端子部7Cとの接続、切断は、定電圧電源61の出力ライン6c、6dと接続端子部7Cの接続端子7a、7bとの接続、切断である。また、定電圧電源61と接続端子部7Dとの接続、切断は、定電圧電源61の出力ライン6c、6dと接続端子部7Dの接続端子7a、7bとの接続、切断である。
【0112】
同様に、定電圧電源62と接続端子部7A〜7Dとの接続、切断は、定電圧電源62の出力ライン6c、6dと接続端子部7A〜7Dの接続端子7a、7bとの接続、切断である。また同様に、定電圧電源63と接続端子部7A〜7Dとの接続、切断は、定電圧電源63の出力ライン6c、6dと接続端子部7A〜7Dの接続端子7a、7bとの接続、切断である。
【0113】
従って、接続スイッチ9−1Aがオン状態であると、定電圧電源61から接続端子部7Aに接続される外部装置に電力が供給される。また、接続スイッチ9−1Bがオン状態であると、定電圧電源61から接続端子部7Bに接続される外部装置に電力が供給される。また、接続スイッチ9−1Cがオン状態であると、定電圧電源61から接続端子部7Cに接続される外部装置に電力が供給される。また、接続スイッチ9−1Dがオン状態であると、定電圧電源61から接続端子部7Dに接続される外部装置に電力が供給される。
【0114】
同様に、接続スイッチ9−2A〜9−2Dがオン状態であると、定電圧電源62から接続端子部7A〜7Dに接続される外部装置に電力が供給される。また同様に、接続スイッチ9−3A〜9−3Dがオン状態であると、定電圧電源63から接続端子部7A〜7Dに接続される外部装置に電力が供給される。
【0115】
各接続スイッチ9−1A〜9−1D、9−2A〜9−2D、9−3A〜9−3Dは、例えば、トランジスタなどの電子スイッチであり、接続制御部31によって、オン状態とオフ状態とに切換えられる。すなわち、電源接続部8は、接続制御部31による制御のもと、各接続端子部7A〜7Dを定電圧電源61〜63のいずれかに接続し、又は、その接続を切り換えるようになっている。
【0116】
接続制御部31は、接続スイッチ9−1A〜9−1D、9−2A〜9−2D、9−3A〜9−3Dを制御する。このとき、接続制御部31は、接続スイッチ9−1A、9−2A、9−3Aのうちの、いずれか1つをオン状態にし、それ以外をオフ状態にする。また、接続制御部31は、接続スイッチ9−1B、9−2B、9−3Bのうちの、いずれか1つをオン状態にし、それ以外をオフ状態にする。また、接続制御部31は、接続スイッチ9−1C、9−2C、9−3Cのうちの、いずれか1つをオン状態にし、それ以外をオフ状態にする。また、接続制御部31は、接続スイッチ9−1D、9−2D、9−3Dのうちの、いずれか1つをオン状態にし、それ以外をオフ状態にする。
【0117】
すなわち、電源接続部8は、接続制御部31による制御のもと、接続端子部7A(接続端子部7Aに接続される外部装置3A)を定電圧電源61〜63のいずれか1つに接続する。また、電源接続部8は、接続端子部7B(接続端子部7Bに接続される外部装置3B)を定電圧電源61〜63のいずれか1つに接続する。また、電源接続部8は、接続端子部7C(接続端子部7Cに接続される外部装置3C)を定電圧電源61〜63のいずれか1つに接続する。また、電源接続部8は、接続端子部7D(接続端子部7Dに接続される外部装置3D)を定電圧電源61〜63のいずれか1つに接続する。
【0118】
図示の例では、接続スイッチ9−1A、9−2A、9−3Aのうちの接続スイッチ9−1Aがオン状態にされている。また、接続スイッチ9−1B、9−2B、9−3Bのうちの接続スイッチ9−2Bがオン状態にされている。また、接続スイッチ9−1C、9−2C、9−3Cのうちの接続スイッチ9−3Cがオン状態にされている。また、接続スイッチ9−1D、9−2D、9−3Dのうちの接続スイッチ9−2Dがオン状態にされている。これら以外は、オフ状態にされている。従って、図示の例では、接続端子部7Aが定電圧電源61に接続され、接続端子部7Bが定電圧電源62に接続され、接続端子部7Cが定電圧電源63に接続され、接続端子部7Dが定電圧電源62に接続されている。
【0119】
接続制御部31は、例えばパソコンなどの外部制御装置からの接続制御信号を受けて、接続スイッチ9−1A〜9−1D、9−2A〜9−2D、9−3A〜9−3Dを制御する。すなわち、接続制御部31は、例えばパソコンなどの外部制御装置からの接続制御信号を受けて、接続端子部7A〜7D(外部装置3A〜3D)と定電圧電源61〜63との接続を制御する。つまり、接続制御部31は、外部制御装置からの接続制御信号の示す接続形態で接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63とを接続するように、接続スイッチ9−1A〜9−1D、9−2A〜9−2D、9−3A〜9−3Dを制御する。
【0120】
本実施形態の電源システム1によれば、外部制御装置から接続制御信号を与えることによって、外部装置3A〜3Dの接続先(外部装置3A〜3Dを定電圧電源61〜63のいずれに接続するか)を選択することができる。従って、利用者がスイッチ等を操作したり、外部装置3A〜3Dのコネクタを抜き差しすることなく、遠隔制御などによって、外部装置3A〜3Dの接続先を選択することができる。
【0121】
なお、本実施形態において、各定電圧電源6の出力電流の電流値の大小関係を表示する表示部を備えていてもよい。このような構成によれば、その表示部の表示を見て、外部装置3の接続先の決定の参考とすることができる。また、その表示部の表示を見て、各定電圧電源6の出力電流の電流値の大小差を小さくするように、外部装置3の接続先を決定することができる。
【0122】
<第4の実施形態>
図4は、第4の実施形態による電源システムの構成を示す。本実施形態の電源システム1は、上記第3の実施形態の構成に加え、接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63との接続を制御するのに用いる情報を設定するためのスライド抵抗32(32A、32B、32C、32D)をさらに備えている。また、本実施形態の電源システム1は、接続制御部31の構成が上記第3の実施形態と異なっている。本実施形態における他の構成については、上記第3の実施形態と同様である。
【0123】
スライド抵抗32A〜32Dによって、接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63との接続を制御するのに用いる情報として、接続端子部7A〜7Dに接続される外部装置3A〜3Dに供給すべき電流に関する情報である電流設定情報が設定される。すなわち、利用者が、スライド抵抗32A〜32Dによって、接続端子部7A〜7Dに接続される外部装置3A〜3Dに供給すべき電流に関する情報である電流設定情報を設定する。電流設定情報は、例えば、外部装置3A〜3Dの定格電流である。つまり、利用者は、スライド抵抗32Aによって、接続端子部7Aに接続される外部装置3Aに供給すべき電流に関する情報である電流設定情報を設定する。また、利用者は、スライド抵抗32Bによって、接続端子部7Bに接続される外部装置3Bに供給すべき電流に関する情報である電流設定情報を設定する。また、利用者は、スライド抵抗32Cによって、接続端子部7Cに接続される外部装置3Cに供給すべき電流に関する情報である電流設定情報を設定する。また、利用者は、スライド抵抗32Dによって、接続端子部7Dに接続される外部装置3Dに供給すべき電流に関する情報である電流設定情報を設定する。電流設定情報は、プログラマブルとなっており、利用者が、スライド抵抗32A〜32Dによって、任意に設定できるようになっている。
【0124】
接続制御部31は、スライド抵抗32A〜32Dにより設定された電流設定情報に基いて、接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63との接続形態(接続端子部7A〜7Dを定電圧電源61〜63のいずれに接続するか)を決定する。このとき、接続制御部31は、定電圧電源61〜63の出力電流IL1〜IL3の電流値の大小差が最小となるように、接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63との接続形態を決定する。
【0125】
出力電流IL1〜IL3の電流値の大小差が最小となる場合は、出力電流IL1〜IL3のうちの最大となる出力電流の電流値が最も小さくなる場合である。出力電流IL1〜IL3のうちの最大となる出力電流の電流値が最も小さいということは、全ての定電圧電源61〜63を安定動作させるのに必要なシステム電流Isの電流値が最も小さいということである。出力電流IL1〜IL3の電流値の大小差を最小にすれば、出力電流IL1〜IL3のうちの最大となる出力電流の電流値を最も小さくでき、全ての定電圧電源61〜63を安定動作させるのに必要なシステム電流Isの電流値を最小にすることができる。従って、出力電流IL1〜IL3の電流値の大小差が最小となる場合とは、全ての定電圧電源61〜63を安定動作させるのに必要なシステム電流Isの電流値を最小にできる場合である。すなわち、接続制御部31は、スライド抵抗32A〜32Dにより設定された電流設定情報に基いて、システム電流Isの電流値を最小にすることができるように、接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63との接続形態を決定する。
【0126】
そして、接続制御部31は、その決定したように(その決定した接続形態で)接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63とを接続するように、電源接続部8における接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63との接続を制御する。すなわち、接続制御部31は、その決定したように接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63とを接続するように、接続スイッチ9−1A〜9−1D、9−2A〜9−2D、9−3A〜9−3Dを制御する。
【0127】
本実施形態の電源システム1によれば、利用者が、スライド抵抗32A〜32Dによって定電圧電源61〜63の出力電流(外部装置の定格電流)を設定するだけで、外部装置3A〜3Dを定電圧電源61〜63に接続することができる。しかも、全ての定電圧電源61〜63を安定動作させるのに必要なシステム電流Isを最も少なくすることができるように、外部装置3A〜3Dを定電圧電源61〜63に接続することができる。また、定電圧電源61〜63の出力電圧V1〜V3が同じである場合に、ある定電圧電源の出力電流(ある定電圧電源に接続される外部装置の負荷電流の和)が所定の値を超えないように、外部装置3A〜3Dを定電圧電源61〜63に接続することができる。
【0128】
なお、本実施形態において、スライド抵抗32A〜32Dにより設定される電流設定情報は、外部装置3A〜3Dの定格電流に限られず、最大電流値であってもよい。また、スライド抵抗32A〜32Dは、電流設定情報に代えて、外部装置3A〜3Dに供給すべき電圧に関する情報である電圧設定情報を設定するためのものであってもよい。この場合、電圧設定情報は、例えば、外部装置3A〜3Dの定格電圧である。また、この場合、接続制御部31は、スライド抵抗32A〜32Dにより設定された電圧設定情報に基いて、システム電流Isが最小となるように、接続端子部7A〜7Dを定電圧電源61〜63のいずれに接続するかを決定する。
【0129】
また、本実施形態において、接続制御部31は、接続端子部7A〜7Dを定電圧電源61〜63のいずれに接続するかを決定せず、例えばCPUや外部制御装置が、接続端子部7A〜7Dを定電圧電源61〜63のいずれに接続するかを決定してもよい。
【0130】
また、本実施形態において、接続制御部31又は例えばCPUや外部制御装置が、全ての定電圧電源61〜63を安定動作させるのに必要最小限のシステム電流Isの電流値を求めるようになっていてもよい。そして、不図示の電源制御部が、システム電流Isの電流値を、接続制御部31又は例えばCPUや外部制御装置が求めた電流値に設定するようになっていてもよい。
【0131】
<第5の実施形態>
図5は、第5の実施形態による電源システムの構成を示す。本実施形態の電源システム1は、上記第3の実施形態の構成に加え、接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63との接続を制御するのに用いる情報をデータとして保持するレジスタ33をさらに備えている。また、本実施形態の電源システム1は、接続制御部31の構成が上記第3の実施形態と異なっている。本実施形態における他の構成については、上記第3の実施形態と同様である。
【0132】
レジスタ33は、接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63との接続を制御するのに用いる情報として、外部装置3A〜3Dに供給すべき電圧に関する情報である電圧設定情報をデータとして保持する。電圧設定情報は、例えば、外部装置3A〜3Dの定格電圧である。レジスタ33のデータ(電圧設定情報)は、プログラマブルとなっており、外部装置3A〜3D又は不図示のパソコンなどの外部制御装置から通信によってレジスタ33に伝えられて、書込まれる(書換えられる)ようになっている。
【0133】
接続制御部31は、レジスタ33の保持しているデータに基いて、接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63との接続形態(接続端子部7A〜7Dを定電圧電源61〜63のいずれに接続するか)を決定する。このとき、接続制御部31は、定電圧電源61〜63の出力電流IL1〜IL3の電流値の大小差が最小となるように、接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63との接続形態を決定する。
【0134】
出力電流IL1〜IL3の電流値の大小差が最小となる場合とは、全ての定電圧電源61〜63を安定動作させるのに必要なシステム電流Isの電流値を最小にできる場合である。すなわち、接続制御部31は、レジスタ33の保持しているデータに基いて、システム電流Isの電流値を最小にすることができるように、接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63との接続形態を決定する。
【0135】
そして、接続制御部31は、その決定したように(その決定した接続形態で)接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63とを接続するように、電源接続部8における接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63との接続を制御する。すなわち、接続制御部31は、その決定したように接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63とを接続するように、接続スイッチ9−1A〜9−1D、9−2A〜9−2D、9−3A〜9−3Dを制御する。
【0136】
本実施形態の電源システム1によれば、利用者が、レジスタ33に定電圧電源61〜63の出力電圧(外部装置の定格電圧)を書込むだけで、外部装置3A〜3Dを定電圧電源61〜63に接続することができる。しかも、全ての定電圧電源61〜63を安定動作させるのに必要なシステム電流Isを最も少なくすることができるように、外部装置3A〜3Dを定電圧電源61〜63に接続することができる。また、外部装置3A〜3Dは、誤った電圧を供給される虞がない。
【0137】
なお、本実施形態において、レジスタ33のデータを、例えば外部装置3A〜3D又は外部制御装置からの通信によって、自動的に、書込むようにしてもよい。このようにすれば、利用者が電圧設定情報を書込む手間が不要となり、また、人的エラーによる諸問題の発生を防ぐことができる。また、レジスタ33のデータを通信によって書込むようにした場合、通信は、電線によるものであってもよいし、無線や光結合によるものであってもよい。
【0138】
また、本実施形態において、レジスタ33は、電圧設定情報に代えて、外部装置3A〜3Dに供給すべき電流に関する情報である電流設定情報をデータとして保持してもよい。この場合、電流設定情報は、例えば、外部装置3A〜3Dの定格電流や最大電流値である。また、この場合、接続制御部31は、レジスタ33の保持している電流設定情報に基いて、システム電流Isが最小となるように、接続端子部7A〜7Dを定電圧電源61〜63のいずれに接続するかを決定する。
【0139】
また、本実施形態において、接続制御部31は、接続端子部7A〜7Dを定電圧電源61〜63のいずれに接続するかを決定せず、例えばCPUや外部制御装置が、接続端子部7A〜7Dを定電圧電源61〜63のいずれに接続するかを決定してもよい。
【0140】
また、本実施形態において、接続制御部31又は例えばCPUや外部制御装置が、全ての定電圧電源61〜63を安定動作させるのに必要最小限のシステム電流Isの電流値を求めるようになっていてもよい。そして、不図示の電源制御部が、システム電流Isの電流値を、接続制御部31又は例えばCPUや外部制御装置が求めた電流値に設定するようになっていてもよい。
【0141】
<第6の実施形態>
図6は、第6の実施形態による電源システムの構成を示す。本実施形態の電源システム1は、上記第3の実施形態の構成に加え、接続端子部7A〜7Dに流れる電流の電流値を検出する電流検出部41をさらに備えている。また、本実施形態の電源システム1は、接続制御部31の構成が上記第3の実施形態と異なっている。本実施形態における他の構成については、上記第3の実施形態と同様である。
【0142】
電源システム1は、電流検出部41として、12個の電流検出部41−1A、41−1B、41−1C、41−1D、41−2A、41−2B、41−2C、41−2D、41−3A、41−3B、41−3C、41−3Dを備えている。
【0143】
電流検出部41−1Aは、定電圧電源61から接続端子部7Aに流れる電流を検出する。また、電流検出部41−1Bは、定電圧電源61から接続端子部7Bに流れる電流を検出する。また、電流検出部41−1Cは、定電圧電源61から接続端子部7Cに流れる電流を検出する。また、電流検出部41−1Dは、定電圧電源61から接続端子部7Dに流れる電流を検出する。
【0144】
電流検出部41−2Aは、定電圧電源62から接続端子部7Aに流れる電流を検出する。また、電流検出部41−2Bは、定電圧電源62から接続端子部7Bに流れる電流を検出する。また、電流検出部41−2Cは、定電圧電源62から接続端子部7Cに流れる電流を検出する。また、電流検出部41−2Dは、定電圧電源62から接続端子部7Dに流れる電流を検出する。
【0145】
電流検出部41−3Aは、定電圧電源63から接続端子部7Aに流れる電流を検出する。また、電流検出部41−3Bは、定電圧電源63から接続端子部7Bに流れる電流を検出する。また、電流検出部41−3Cは、定電圧電源63から接続端子部7Cに流れる電流を検出する。また、電流検出部41−3Dは、定電圧電源63から接続端子部7Dに流れる電流を検出する。
【0146】
接続端子部7Aに流れる電流は、接続端子部7Aに接続される外部装置3Aに流れる負荷電流IAである。また、接続端子部7Bに流れる電流は、接続端子部7Bに接続される外部装置3Bに流れる負荷電流IBである。また、接続端子部7Cに流れる電流は、接続端子部7Cに接続される外部装置3Cに流れる負荷電流ICである。また、接続端子部7Dに流れる電流は、接続端子部7Dに接続される外部装置3Dに流れる負荷電流IDである。
【0147】
定電圧電源61の出力電流IL1は、外部装置3A〜3Dのうちの定電圧電源61に接続されている外部装置に流れる負荷電流の和である。また、定電圧電源62の出力電流IL2は、外部装置3A〜3Dのうちの定電圧電源62に接続されている外部装置に流れる負荷電流の和である。また、定電圧電源63の出力電流IL3は、外部装置3A〜3Dのうちの定電圧電源63に接続されている外部装置に流れる負荷電流の和である。
【0148】
接続制御部31は、各電流検出部41により検出された電流値に基いて、接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63との接続形態(接続端子部7A〜7Dを定電圧電源61〜63のいずれに接続するか)を決定する。このとき、接続制御部31は、定電圧電源61〜63の出力電流IL1〜IL3の電流値の大小差が最小となるように、接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63との接続形態を決定する。
【0149】
出力電流IL1〜IL3の電流値の大小差が最小となる場合とは、全ての定電圧電源61〜63を安定動作させるのに必要なシステム電流Isの電流値を最小にできる場合である。すなわち、接続制御部31は、各電流検出部41により検出された電流値に基いて、システム電流Isの電流値を最小にすることができるように、接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63との接続形態を決定する。
【0150】
そして、接続制御部31は、その決定したように(その決定した接続形態で)接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63とを接続するように、電源接続部8における接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63との接続を制御する。すなわち、接続制御部31は、その決定したように接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63とを接続するように、接続スイッチ9−1A〜9−1D、9−2A〜9−2D、9−3A〜9−3Dを制御する。
【0151】
接続制御部31は、上記の接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63との接続形態の決定、及び接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63との接続の制御を、例えば、電源システム1の起動時や新たに外部装置3が接続されたときに行う。また、定期的に行ってもよく、常時、行ってもよい。
【0152】
接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63との接続形態の決定は、以下のようにして行われる。すなわち、接続制御部31は、接続端子部7A〜7Dを1つずつ定電圧電源61〜63に順番に接続していき、各接続したときに接続端子部7A〜7Dに流れる電流の電流値を各電流検出部41から取得する。そして、接続制御部31は、それらの電流値を比較することにより、接続端子部7A〜7Dを定電圧電源61〜63にどのように接続すれば、定電圧電源61〜63の出力電流IL1〜IL3の電流値の大小差が最小となるのかを判定する。接続制御部31は、このようにして、定電圧電源61〜63の出力電流IL1〜IL3の電流値の大小差が最小となるように、接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63との接続形態を決定する。
【0153】
本実施形態の電源システム1によれば、各電流検出部41により接続端子部7A〜7Dに流れる電流の電流値を検出して、自動的に、外部装置3A〜3Dを定電圧電源61〜63に接続することができる。しかも、全ての定電圧電源61〜63を安定動作させるのに必要なシステム電流Isを最も少なくすることができるように、外部装置3A〜3Dを定電圧電源61〜63に接続することができる。
【0154】
なお、本実施形態において、接続制御部31又は例えばCPUや外部制御装置が、全ての定電圧電源61〜63を安定動作させるのに必要最小限のシステム電流Isの電流値を求めるようになっていてもよい。そして、不図示の電源制御部が、システム電流Isの電流値を、接続制御部31又は例えばCPUや外部制御装置が求めた電流値に設定するようになっていてもよい。
【0155】
<第7の実施形態>
図7は、第7の実施形態による電源システムの構成を示す。本実施形態の電源システム1は、上記第3の実施形態の構成に加え、定電圧電源61〜63の出力電流IL1〜IL3の電流値を検出する電流検出部42をさらに備えている。また、本実施形態の電源システム1は、接続制御部31の構成が上記第3の実施形態と異なっている。本実施形態における他の構成については、上記第3の実施形態と同様である。
【0156】
電源システム1は、電流検出部42として、3個の電流検出部42−1、42−2、42−3を備えている。電流検出部42−1は、定電圧電源61の出力電流IL1を検出する。また、電流検出部42−2は、定電圧電源62の出力電流IL2を検出する。また、電流検出部42−3は、定電圧電源63の出力電流IL3を検出する。
【0157】
接続制御部31は、各電流検出部42−1〜42−3により検出された電流値に基いて、接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63との接続形態(接続端子部7A〜7Dを定電圧電源61〜63のいずれに接続するか)を決定する。このとき、接続制御部31は、定電圧電源61〜63の出力電流IL1〜IL3の電流値の大小差が最小となるように、接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63との接続形態を決定する。
【0158】
出力電流IL1〜IL3の電流値の大小差が最小となる場合とは、全ての定電圧電源61〜63を安定動作させるのに必要なシステム電流Isの電流値を最小にできる場合である。すなわち、接続制御部31は、各電流検出部42−1〜42−3により検出された電流値に基いて、システム電流Isの電流値を最小にすることができるように、接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63との接続形態を決定する。
【0159】
そして、接続制御部31は、その決定したように(その決定した接続形態で)接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63とを接続するように、電源接続部8における接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63との接続を制御する。すなわち、接続制御部31は、その決定したように接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63とを接続するように、接続スイッチ9−1A〜9−1D、9−2A〜9−2D、9−3A〜9−3Dを制御する。
【0160】
接続制御部31は、上記の接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63との接続形態の決定、及び接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63との接続の制御を、例えば、電源システム1の起動時や新たに外部装置3が接続されたときに行う。また、定期的に行ってもよく、常時、行ってもよい。
【0161】
接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63との接続形態の決定は、以下のようにして行われる。すなわち、接続制御部31は、接続端子部7A〜7Dを1つずつ定電圧電源61〜63に順番に接続していき、各接続したときの定電圧電源61〜63の出力電流IL1〜IL3の電流値を各電流検出部42から取得する。そして、接続制御部31は、それらの電流値を比較することにより、接続端子部7A〜7Dを定電圧電源61〜63にどのように接続すれば、定電圧電源61〜63の出力電流IL1〜IL3の電流値の大小差が最小となるのかを判定する。接続制御部31は、このようにして、定電圧電源61〜63の出力電流IL1〜IL3の電流値の大小差が最小となるように、接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63との接続形態を決定する。
【0162】
本実施形態の電源システム1によれば、各電流検出部42により定電圧電源61〜63の出力電流IL1〜IL3の電流値を検出して、自動的に、外部装置3A〜3Dを定電圧電源61〜63に接続することができる。しかも、全ての定電圧電源61〜63を安定動作させるのに必要なシステム電流Isを最も少なくすることができるように、外部装置3A〜3Dを定電圧電源61〜63に接続することができる。
【0163】
なお、本実施形態において、接続制御部31又は例えばCPUや外部制御装置が、全ての定電圧電源61〜63を安定動作させるのに必要最小限のシステム電流Isの電流値を求めるようになっていてもよい。そして、不図示の電源制御部が、システム電流Isの電流値を、接続制御部31又は例えばCPUや外部制御装置が求めた電流値に設定するようになっていてもよい。
【0164】
<第8の実施形態>
図8は、第8の実施形態による電源システムの構成を示す。本実施形態の電源システム1は、上記第3の実施形態の構成に加え、入力部4から定電圧電源6に流れるシステム電流Isの電流値を検出する電流検出部43をさらに備えている。また、本実施形態の電源システム1は、接続制御部31の構成が上記第3の実施形態と異なっている。本実施形態における他の構成については、上記第3の実施形態と同様である。
【0165】
電流検出部43は、定電圧電源63から入力部4の入力端子4bに流れる電流を検出する。定電圧電源61、62、63は、入力部4の入力端子4a、4b間に直列に接続されている。従って、定電圧電源63から入力部4の入力端子4bに流れる電流は、入力部4から定電圧電源61に流れる電流と等しく、システム電流Isである。つまり、電流検出部43は、入力部4から定電圧電源61に流れるシステム電流Isを検出する。
【0166】
接続制御部31は、電流検出部43により検出された電流値に基いて、接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63との接続形態(接続端子部7A〜7Dを定電圧電源61〜63のいずれに接続するか)を決定する。このとき、接続制御部31は、定電圧電源61〜63の出力電流IL1〜IL3の電流値の大小差が最小となるように、接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63との接続形態を決定する。
【0167】
出力電流IL1〜IL3の電流値の大小差が最小となる場合とは、全ての定電圧電源61〜63を安定動作させるのに必要なシステム電流Isの電流値を最小にできる場合である。すなわち、接続制御部31は、電流検出部43により検出された電流値に基いて、システム電流Isの電流値を最小にすることができるように、接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63との接続形態を決定する。
【0168】
そして、接続制御部31は、その決定したように(その決定した接続形態で)接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63とを接続するように、電源接続部8における接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63との接続を制御する。すなわち、接続制御部31は、その決定したように接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63とを接続するように、接続スイッチ9−1A〜9−1D、9−2A〜9−2D、9−3A〜9−3Dを制御する。
【0169】
接続制御部31は、上記の接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63との接続形態の決定、及び接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63との接続の制御を、例えば、電源システム1の起動時や新たに外部装置3が接続されたときに行う。また、定期的に行ってもよく、常時、行ってもよい。
【0170】
接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63との接続形態の決定は、以下のようにして行われる。すなわち、接続制御部31は、接続端子部7A〜7Dを1つずつ定電圧電源61〜63に順番に接続していき、各接続したときのシステム電流Isの電流値を電流検出部43から取得する。一方、接続制御部31は、各定電圧電源61〜63のシャント電流Ish1〜Ish3をモニターしている。システム電流Isは、Is=I1=Ic+Ish1+IL1であり、また、Is=I2=Ic+Ish2+IL2であり、また、Is=I3=Ic+Ish3+IL3である。接続制御部31は、これらの関係に基いて、電流検出部43から取得したシステム電流Isの電流値と、モニターして取得したシャント電流Ish1〜Ish3から、上記各接続したときの定電圧電源61〜63の出力電流IL1〜IL3を算出する。そして、接続制御部31は、それらの電流値を比較することにより、接続端子部7A〜7Dを定電圧電源61〜63にどのように接続すれば、定電圧電源61〜63の出力電流IL1〜IL3の電流値の大小差が最小となるのかを判定する。
【0171】
本実施形態の電源システム1によれば、電流検出部43によりシステム電流Isの電流値を検出して、自動的に、外部装置3A〜3Dを定電圧電源61〜63に接続することができる。しかも、全ての定電圧電源61〜63を安定動作させるのに必要なシステム電流Isを最も少なくすることができるように、外部装置3A〜3Dを定電圧電源61〜63に接続することができる。
【0172】
なお、本実施形態において、接続制御部31又は例えばCPUや外部制御装置が、全ての定電圧電源61〜63を安定動作させるのに必要最小限のシステム電流Isの電流値を求めるようになっていてもよい。そして、不図示の電源制御部が、システム電流Isの電流値を、接続制御部31又は例えばCPUや外部制御装置が求めた電流値に設定するようになっていてもよい。
【0173】
<第9の実施形態>
図9は、第9の実施形態による電源システムの構成を示す。本実施形態の電源システム1は、上記第3の実施形態の構成に加え、電源制御部50を備えている。本実施形態における他の構成については、上記第3の実施形態と同様である。
【0174】
電源制御部50は、システム電流制御部51と制御回路部52とを備えており、入力部4から定電圧電源6に流れるシステム電流Isを制御する。
【0175】
システム電流制御部51は、例えば可変定電流回路であり、入力部4の入力端子4aと定電圧電源61の入力ライン6aとの間に接続(すなわち定電圧電源61〜63と直列に接続)されている。すなわち、システム電流制御部51は、入力部4から定電圧電源61に至る経路に流すべき電流の電流値が設定されるようになっており、入力部4から定電圧電源61に至る経路に流すべき電流の電流値を、その設定電流値に保つように制御する。入力部4から定電圧電源61に至る経路に流れる電流は、システム電流Isである。つまり、システム電流制御部51は、システム電流Isの電流値を、設定電流値に保つように制御する。
【0176】
制御回路部52は、システム電流制御部51の設定電流値を設定するための設定信号(設定すべき電流値を示す信号)をシステム電流制御部51に与えることによって、システム電流制御部51の設定電流値を制御する。システム電流制御部51は、制御回路部52からの設定信号を受けて、設定電流値をその設定信号の示す電流値に設定し、システム電流Is(入力部4から定電圧電源61に至る経路に流れる電流)の電流値を、その設定電流値で一定に保つように制御する。システム電流制御部51の設定電流値が変わると、システム電流Isの電流値が変わる。従って、制御回路部52がシステム電流制御部51の設定電流値を制御することによって、システム電流Isの電流値が制御される。
【0177】
電源制御部50は、このようにして、システム電流Isの電流値を制御する。すなわち、電源制御部50は、制御回路部52によってシステム電流制御部51の設定電流値を制御して、入力部4から定電圧電源61に至る経路に流れる電流の電流値を制御することにより、システム電流Isの電流値を制御する。
【0178】
定電圧電源61〜63は、シャントレギュレータである。システム電流制御部51には、定電圧電源61〜63の出力電圧V1〜V3の合計電圧と、直流電源2の直流電圧Vinとの差電圧がかかることになる。
【0179】
例えば、直流電源2の直流電圧Vinが24Vであり、各定電圧電源61、62、63の出力電圧V1、V2、V3がV1=5V、V2=5V、V3=5Vであるとする。システム電流制御部51には、9Vの電圧がかかることになる。また、5V定格時において、各外部装置3A、3B、3C、3Dに流れる負荷電流IA、IB、IC、IDがIA=100mA、IB=70mA、IC=110mA、ID=50mAであるとする。また、各定電圧電源61〜63自身の消費電流IcがIc=1mAであるとする。また、外部装置3Aが定電圧電源61に接続され、外部装置3Bと外部装置3Dが定電圧電源62に接続され、外部装置3Cが定電圧電源63に接続されているとする。
【0180】
そうすると、定電圧電源61〜63の出力電流IL1〜IL3(負荷電流の和)は、IL1=100mA、IL2=120mA、IL3=110mAとなる。すなわち、定電圧電源61〜63の出力電流IL1〜IL3のうちの最大となる出力電流は、定電圧電源62の出力電流IL2となり、その電流値は、IL2=120mAとなる。つまり、全ての定電圧電源61〜63の安定動作に必要なシステム電流Isは、121mA以上あればよいことになる。
【0181】
従って、このような場合、電源制御部50は、システム電流Isの電流値を121mAとなるように制御する。すなわち、電源制御部50は、制御回路部52によって、システム電流制御部51の設定電流値を121mAに設定するように制御する。これにより、システム電流制御部51は、システム電流Isの電流値を121mAに保つように制御し、システム電流Isの電流値は、全ての定電圧電源61〜63の安定動作に必要最小限の電流値である121mAとなる。
【0182】
本実施形態の電源システム1によれば、システム電流の電流値Isをフレキシブルに設定できる。また、システム電流の電流値Isを、定電圧電源61〜63のうちの出力電流が最大である定電圧電源の安定動作に必要最小限の電流値に設定することができる。このように設定することにより、不必要な電流を流さなくて済み、電力消費を少なくすることができる。
【0183】
また、定電圧電源6がシャントレギュレータであるため、定電圧電源6が何段に直列接続されていても、入力部4と定電圧電源6の間にシステム電流制御部51を設けるだけで、システム電流制御部51によってシステム電流Isの電流値を制御できる。従って、構成が簡単になる。
【0184】
なお、本実施形態において、電源制御部50は、システム電流制御部51が可変抵抗器であり、制御回路部52がシステム電流制御部51の(可変抵抗器の)抵抗値を制御することにより、システム電流Isの電流値を制御するものであってもよい。
【0185】
また、本実施形態において、電源制御部50は、例えば電源システム1の設置者又は外部装置3A〜3Dの設置者による操作を受けて、システム電流Isの電流値を、所定の電流値となるように制御するようになっていてもよい。また、電源制御部50は、例えばパソコンなどの外部制御装置からの設定制御信号を受けて、システム電流Isの電流値を、所定の電流値となるように制御するようになっていてもよい。また、電源制御部50は、外部制御装置から、外部装置3に供給すべき電圧に関する情報である電圧設定情報が与えられ、その電圧設定情報に基いて、システム電流Isの電流値を、所定の電流値となるように制御するようになっていてもよい。また、電源制御部50は、全ての定電圧電源61〜63を安定動作させるのに必要最小限のシステム電流Isの電流値を求めて、システム電流Isの電流値を、その電流値となるように制御するようになっていてもよい。
【0186】
<第10の実施形態>
図10は、第10の実施形態による電源システムの構成を示す。本実施形態の電源システム1は、定電圧電源6及び電源制御部50の構成が上記第9の実施形態と異なっている。本実施形態における他の構成については、上記第9の実施形態と同様である。
【0187】
本実施形態では、定電圧電源61〜63は、シリーズレギュレータである。また、定電圧電源61〜63は、システム電流Isを制御するための構成を一部兼ね備えている。電源制御部50は、定電圧電源61〜63を制御することにより、システム電流Isを制御する。
【0188】
図11は、本実施形態の電源システム1における定電圧電源61の構成を示す。定電圧電源61は、シリーズレギュレータであり、入力ライン6a、6bと、出力ライン6c、6dと、動作回路部6eとを有している。動作回路部6eは、MOSFET6mと、抵抗6n、6oと、基準電源6pと、オペアンプ6qとを有している。
【0189】
MOSFET6mは、N型のMOSFETであり、ソースが入力ライン6aに接続されており、ドレインが抵抗6n、6oを介して入力ライン6bに接続されており、ゲートがオペアンプ6qの出力端子に接続されている。抵抗6nは、一端がMOSFET6mのドレインに接続されており、他端が抵抗6oの一端に接続されている。抵抗6oは、一端が抵抗6nの他端に接続されており、他端が入力ライン6bに接続されている。基準電源6pは、正極(+極)がオペアンプ6qの非反転入力端子に接続されており、負極(−極)が抵抗6oの他端に接続されている。オペアンプ6qは、非反転入力端子が基準電源6pの正極(+極)に接続されており、反転入力端子が抵抗6nと6oとの間に接続されており、出力端子がMOSFET6mのゲートに接続されている。出力ライン6cは、MOSFET6mのドレインと抵抗6nの一端との間に接続されており、出力ライン6dは、抵抗6oの他端に接続されている。
【0190】
また、この定電圧電源61は、定電圧電源61と並列に(動作回路部6eと並列に)可変シャント電流経路6sを有している。可変シャント電流経路6sは、一端が入力ライン6aに接続されており、他端が入力ライン6bに接続されている。可変シャント電流経路6sには、可変定電流回路6tが設けられている。すなわち、可変定電流回路6tは、入力ライン6a、6b間に接続されている。
【0191】
このような構成の定電圧電源61は、入力ライン6a、6b間に電力が供給されることにより、動作回路部6eが動作し、出力ライン6c、6d間に所定の出力電圧V1を出力する。そして、定電圧電源61は、MOSFET6mでの電圧の降圧を制御することによって、出力ライン6c、6d間の出力電圧V1を所定の電圧値に保つ。このとき、入力ライン6a、6bには、入力電流I1が流れ、抵抗6n、6oには、動作電流Ix1が流れ、出力ライン6c、6dには、出力電流IL1が流れる。また、可変シャント電流経路6sには、シャント電流Iz1が流れる。このシャント電流Iz1は、上記第9の実施形態における定電圧電源(シャントレギュレータ)のシャント電流Ish1、Ish2、Ish3とは異なるものである。入力電流I1は、動作電流Ix1と出力電流IL1とシャント電流Iz1の和である。シャント電流Iz1の電流値は、可変定電流回路6tの設定電流値が制御されることによって、制御される。可変定電流回路6tの設定電流値は、電源制御部50によって制御される。
【0192】
電源制御部50は、定電圧電源61の可変定電流回路6tの設定電流値を制御することにより、定電圧電源61の可変シャント電流経路6sに流れるシャント電流Iz1の電流値を制御する。入力電流I1は、動作電流Ix1と出力電流IL1とシャント電流Iz1の和であることから、シャント電流Iz1の電流値が変化(増減)すると、入力電流I1の電流値が変化(増減)する。そして、入力電流I1の電流値は、システム電流Isの電流値と等しい。従って、シャント電流Iz1の電流値が変化(増減)すると、システム電流Isの電流値が変化(増減)する。すなわち、電源制御部50は、定電圧電源61の可変定電流回路6tの電流値を制御して、定電圧電源61の可変シャント電流経路6sに流れるシャント電流Iz1の電流値を制御することにより、システム電流Isの電流値を制御する。
【0193】
また、定電圧電源62、63も定電圧電源61と同様の構成である。電源制御部50は、定電圧電源62の可変定電流回路6tの設定電流値を制御して、定電圧電源62の可変シャント電流経路6sに流れるシャント電流Iz2の電流値を制御することにより、システム電流Isの電流値を制御する。電源制御部50は、定電圧電源63の可変定電流回路6tの設定電流値を制御して、定電圧電源63の可変シャント電流経路6sに流れるシャント電流Iz3の電流値を制御することにより、システム電流Isの電流値を制御する。
【0194】
電源制御部50は、定電圧電源61〜63のシャント電流の電流値を個別に制御することにより、システム電流Isの電流値が、全ての定電圧電源61〜63の安定動作に必要な電流値となるようにする。逆の言い方をすれば、電源制御部50は、システム電流Isの電流値が、全ての定電圧電源61〜63の安定動作に必要な電流値となるように、定電圧電源61〜63のシャント電流を個別に制御する。すなわち、電源制御部50は、システム電流Isの電流値が、定電圧電源61〜63のうちの出力電流(負荷電流の和)が最大である定電圧電源の安定動作に必要な電流値となるように、定電圧電源61〜63のシャント電流を個別に制御する。このとき、電源制御部50は、定電圧電源61〜63のうちの出力電流が最大である定電圧電源を除いた各定電圧電源のシャント電流を個別に制御する。
【0195】
例えば、各外部装置3A、3B、3C、3Dに流れる負荷電流IA、IB、IC、IDがIA=100mA、IB=70mA、IC=110mA、ID=50mAであるとする。また、各定電圧電源61〜63自身の動作電流Ix1〜Ix3が各々1mAであるとする。また、外部装置3Aが定電圧電源61に接続され、外部装置3Bと外部装置3Dが定電圧電源62に接続され、外部装置3Cが定電圧電源63に接続されているとする。
【0196】
そうすると、定電圧電源61〜63の出力電流IL1〜IL3(負荷電流の和)は、IL1=100mA、IL2=120mA、IL3=110mAとなる。すなわち、定電圧電源61〜63の出力電流IL1〜IL3のうちの最大となる出力電流は、定電圧電源62の出力電流IL2となり、その電流値は、IL2=120mAとなる。つまり、全ての定電圧電源61〜63の安定動作に必要なシステム電流Isは、121mA以上あればよいことになる。
【0197】
従って、このような場合、電源制御部50は、定電圧電源61の可変シャント電流経路6sに流れるシャント電流Iz1の電流値が20mAとなるように、定電圧電源61の定電流回路6tの設定電流値を制御する。また、電源制御部50は、定電圧電源63の可変シャント電流経路6sに流れるシャント電流Iz1の電流値が10mAとなるように、定電圧電源63の定電流回路6tの設定電流値を制御する。これにより、システム電流Isの電流値は、全ての定電圧電源61〜63の安定動作に必要最小限の電流値である121mAとなる。
【0198】
本実施形態の電源システム1によれば、システム電流の電流値Isをフレキシブルに設定できる。また、システム電流の電流値Isを、定電圧電源61〜63のうちの出力電流が最大である定電圧電源の安定動作に必要最小限の電流値に設定することができる。このように設定することにより、不必要な電流を流さなくて済み、電力消費を少なくすることができる。
【0199】
また、定電圧電源6がシリーズレギュレータであるため、上記第9の実施形態におけるシステム電流制御部51を設けることなく、システム電流Isの電流値を制御することができる。従って、定電圧電源6の直列段数が少ない場合に、簡単に構成できる。
【0200】
なお、本実施形態において、定電流回路6tに代えて、可変抵抗器を設け、電源制御部50は、可変抵抗器の抵抗値を制御することによって、可変シャント電流経路6sに流れるシャント電流Iz1の電流値を制御するようにしてもよい。また、可変シャント電流経路6sは、電源制御部50内に設けられていてもよい。また、複数の定電圧電源6のうちのいずれか1つがシリーズレギュレータであればよく、複数の定電圧電源6のうちの幾つかのものは、シャントレギュレータであってもよい。
【0201】
また、本実施形態において、定電圧電源6は、図12に示すような構成のものであってもよい。図12に示す定電圧電源6は、シリーズレギュレータであり、上記図11に示した定電圧電源と同様に、入力ライン6a、6bと、出力ライン6c、6dと、動作回路部6eとを有している。但し、図12に示す定電圧電源6は、上記図11に示した定電圧電源とは異なり、定電圧電源6の出力ライン6c、6d間(出力端子間)に可変電流経路6uを有している。可変電流経路6uは、一端が出力ライン6cに接続されており、他端が出力ライン6dに接続されている。そして、可変電流経路6uには、可変抵抗器6wが設けられている。すなわち、可変抵抗器6wは、出力ライン6c、6d間に接続されている。可変抵抗器6wの抵抗値は、電源制御部50によって制御されるようになっている。電源制御部50は、可変抵抗器6wの抵抗値を制御して、可変電流経路6uに流れる電流Iz1の電流値を制御することにより、システム電流Isの電流値を制御する。定電圧電源6は、このような構成のものであってもよい。
【0202】
<第11の実施形態>
図13は、第11の実施形態による電源システムの構成を示す。本実施形態の電源システム1は、電源制御部50の構成が上記第9の実施形態と異なっている。また、本実施形態の電源システム1では、各定電圧電源61〜63は、出力電圧V1〜V3が所定の電圧値以下になると、警報信号を電源制御部50に送出するようになっている。本実施形態における他の構成については、上記第9の実施形態と同様である。
【0203】
本実施形態では、電源制御部50は、システム電流制御部53と、カウンタ54と、タイマ回路55と、制御回路部56とを備えており、入力部4から定電圧電源6に流れるシステム電流Isを制御する。
【0204】
システム電流制御部53は、例えば可変定電流回路であり、入力部4の入力端子4aと定電圧電源61の入力ライン6aとの間に直列に接続されている。つまり、システム電流制御部53は、システム電流Isの電流値を、設定電流値に保つように制御する。カウンタ54の値は、電流値を設定するための設定信号(設定すべき電流値を示す信号)としてシステム電流制御部53に与えられる。システム電流制御部53は、カウンタ54の値に基いて設定電流値を設定し、カウンタ54の値が大きいほど、設定電流値を大きく設定し、カウンタ54の値が小さいほど、設定電流値を小さく設定する。
【0205】
カウンタ54は、タイマ回路55からパルスを受けると、パルスを受ける毎に、カウント値を減らす。また、カウンタ54は、制御回路部56からカウント増加信号を受けると、カウント値を増やす。タイマ回路55は、常時、一定周期でパルスを出力する。タイマ回路55から出力されたパルスは、カウンタ54に与えられる。制御回路部56は、システム電流Isが不足していると判断した場合に、カウント増加信号を出力する。制御回路部56から出力されたカウント増加信号は、カウンタ54に与えられる。
【0206】
定電圧電源61は、出力電圧V1をモニターしている。そして、定電圧電源61は、出力電圧V1が所定の電圧値以下になると、入力電流I1が不足(出力電流IL1が不足)しているとして、警報信号を電源制御部50に送出する。定電圧電源62も、同様に、出力電圧V2をモニターしており、出力電圧V2が所定の電圧値以下になると、入力電流I2が不足(出力電流IL2が不足)しているとして、警報信号を電源制御部50に送出する。また、定電圧電源63も、同様に、出力電圧V3をモニターしており、出力電圧V3が所定の電圧値以下になると、入力電流I3が不足(出力電流IL3が不足)しているとして、警報信号を電源制御部50に送出する。
【0207】
制御回路部56は、定電圧電源61〜63のいずれからも警報信号を受け取っていないときは、定電圧電源61〜63の入力電流I1〜I3のいずれも不足しない(出力電圧V1〜V3のいずれも所定の電圧値以下でない)と判断する。そして、この場合、制御回路56は、カウント増加信号を出力しない。一方、制御回路部56は、定電圧電源61〜63のいずれかから警報信号を受け取ると、定電圧電源61〜63の入力電流I1〜I3のいずれかが不足している(出力電圧V1〜V3のいずれかが所定の電圧値以下である)と判断する。そして、この場合、制御回路部56は、カウント増加信号を出力する。なお、入力電流I1〜I3のいずれも不足していないということは、システム電流Isが不足していないということであり、入力電流I1〜I3のいずれかが不足しているということは、システム電流Isが不足しているということである。
【0208】
このような構成において、定電圧電源61〜63の出力電圧V1〜V3が所定の電圧値に保たれている場合(入力電流I1〜I3のいずれも不足しない場合)には、定電圧電源61〜63のいずれも、警報信号を送出しない。すなわち、定電圧電源61〜63の出力電圧V1〜V3が所定の電圧値に保たれている場合には、制御回路部56は、定電圧電源61〜63のいずれからも警報信号を受け取らず、カウント増加信号を出力しない。一方、タイマ回路55は、常時、一定周期でパルスを出力している。これにより、カウンタ54は、タイマ回路55からのパルスを受けて、カウント値を減らしていき、システム電流制御部53は、カウンタ54の値に応じて、システム電流Isの電流値を減少させていく。
【0209】
また、定電圧電源61の出力電圧V1が所定の電圧値以下であると(入力電流I1が不足していると)、定電圧電源61は、警報信号を送出する。同様に、定電圧電源62の出力電圧V2が所定の電圧値以下であると(入力電流I2が不足していると)、定電圧電源62は、警報信号を送出する。また同様に、定電圧電源63の出力電圧V3が所定の電圧値以下であると(入力電流I3が不足していると)、定電圧電源63は、警報信号を送出する。すなわち、定電圧電源61〜63の出力電圧V1〜V3のいずれかが所定の電圧値以下であると、制御回路部56は、定電圧電源61〜63のいずれかから警報信号を受け取って、カウント増加信号を出力する。これにより、カウンタ54は、制御回路部56からのカウント増加信号を受けて、カウント値を増やし、システム電流制御部53は、カウンタ54の値に応じて、システム電流Isを増加させる。
【0210】
すなわち、電源制御部50は、定電圧電源61〜63の出力電圧V1〜V3のいずれも所定の電圧値以下でない(入力電流I1〜I3のいずれも不足していなくて、システム電流Isが不足していない場合)には、システム電流Isを減少させる。また、電源制御部50は、出力電圧V1〜V3のいずれかが所定の電圧値以下になる(入力電流I1〜I3のいずれかが不足していて、システム電流Isが不足していると)、システム電流Isを増加させる。
【0211】
このようにシステム電流Isが制御されることにより、システム電流Isの電流値は、電流不足ぎりぎりの電流値(=定電圧電源61〜63の全ての安定動作に必要最小限の電流値)となる。すなわち、電源制御部50は、システム電流Isの電流値を、定電圧電源61〜63の全ての安定動作に必要最小限の電流値となるように制御する。
【0212】
本実施形態の電源システム1によれば、システム電流Isの電流値が、定電圧電源61〜63の全ての安定動作に必要最小限の電流値となるように制御されるので、不必要な電流を流さなくて済み、電力消費を少なくすることができる。
【0213】
また、外部装置3A〜3Dを接続端子部7A〜7Dのいずれに接続しても、利用者によるシステム電流Isの電流値の設定操作を必要とせずに、システム電流Isの電流値が、定電圧電源61〜63の全ての安定動作に必要最小限の電流値となるように制御される。すなわち、外部装置3A〜3Dを接続端子部7A〜7Dのいずれに接続しても、自動的に、システム電流Isの電流値が、定電圧電源61〜63の全ての安定動作に必要最小限の電流値となるように制御される。従って、利便性が向上する。また、外部装置3A〜3Dに流れる負荷電流IA〜IDに変動があっても、常に、最小電流での定電圧電源61〜63の全ての安定動作が可能である。
【0214】
なお、本実施形態において、各定電圧電源61〜63は、出力電圧V1〜V3に代えて、シャント電流Ish1〜Ish3をモニターし、シャント電流Ish1〜Ish3が所定の電流値以下になると、警報信号を送出するようにしてもよい。また、各定電圧電源61〜63は、警報信号として、出力電圧V1〜V3のモニター値、又は、シャント電流Ish1〜Ish3のモニター値を送出するようにしてもよい。この場合、出力電圧V1〜V3のモニター値、又は、シャント電流Ish1〜Ish3のモニター値は、通信によって送出してもよいし、アナログ電位を伝えることによって送出してもよい。
【0215】
また、本実施形態において、不図示の接続制御部が、各定電圧電源6の出力電流の電流値の大小差が小さくなるような接続端子部7と定電圧電源6との接続形態を求めて、そのように各接続端子部7と定電圧電源6とを接続するようになっていてもよい。
【0216】
<第12の実施形態>
図14は、第12の実施形態による電源システムの構成を示す。本実施形態の電源システム1は、電源制御部50の構成が上記第9の実施形態と異なっている。本実施形態における他の構成については、上記第9の実施形態と同様である。
【0217】
本実施形態では、電源制御部50は、MOSFET71と、抵抗72と、電圧制御部73とを備えており、入力部4から定電圧電源6に流れるシステム電流Isを制御する。電源制御部50は、システム電流Isの電流値を、定電圧電源63の出力電圧V3が所定の電圧値となるように負帰還制御するようになっている。
【0218】
MOSFET71は、P型のMOSFETであり、ソースが入力部4の入力端子4aに接続されており、ドレインが定電圧電源61の入力ライン6aに接続されており、ゲートが抵抗72と電圧制御部73との間に接続されている。抵抗72は、一端が入力部4の入力端子4aとMOSFET71のソースとの間に接続されており、他端がMOSFET71のゲートと電圧制御部73との間に接続されている。
【0219】
電圧制御部73は、抵抗74、75と、基準電源76と、オペアンプ77とを有している。抵抗74は、一端が定電圧電源63の入力ライン6aに接続されており、他端が抵抗75の一端に接続されている。抵抗75は、一端が抵抗74の他端に接続されており、他端が定電圧電源63の入力ライン6bに接続されている。基準電源76は、正極(+極)がオペアンプ77の反転入力端子に接続されており、負極(−極)が定電圧電源63の入力ライン6bに接続されている。オペアンプ77は、非反転入力端子が抵抗74と抵抗75との間に接続されており、反転入力端子が基準電源76の正極(+極)に接続されており、出力端子がMOSFET71のゲートと抵抗72の他端との間に接続されている。
【0220】
このような構成において、オペアンプ77は、定電圧電源63の出力電圧V3が所定値となるように(抵抗74と抵抗75の分圧が所定値となるように)、負帰還制御する。例えば、定電圧電源63の入力電流I3が不足(出力電流IL3が不足)して、定電圧電源63の出力電圧V3が低下したとする。すると、抵抗74、75の分圧(抵抗74/(抵抗74+抵抗75))が低下して、オペアンプ77の出力電圧が低下する。これにより、MOSFET71のゲート電圧が低下して、MOSFET71のソース、ドレイン間に流れる電流、すなわちシステム電流Isが増加して、定電圧電源63の入力電流I3が増加する。
【0221】
また、定電圧電源63の入力電流I3が過多になって、定電圧電源63の出力電圧V3が上昇したとする。すると、抵抗74、75の分圧(抵抗74/(抵抗74+抵抗75))が上昇して、オペアンプ77の出力電圧が上昇する。これにより、MOSFET71のゲート電圧が上昇して、MOSFET71のソース、ドレイン間に流れる電流、すなわちシステム電流Isが減少し、定電圧電源63の入力電流I3が減少する。
【0222】
このように定電圧電源63の入力電流I3が制御される(入力電流I3の不足、過多が解消される)ことにより、システム電流Isの電流値は、定電圧電源63の安定動作に必要最小限の電流値となる。すなわち、電源制御部50は、システム電流Isの電流値を、定電圧電源63の安定動作に必要最小限の電流値となるように制御する。
【0223】
ここで、例えば、外部装置3A〜3Dのうちの最大負荷を有する外部装置が接続端子部7Cに接続されているとする。すなわち、定電圧電源61〜63のうちの出力電流が最大である定電圧電源が、定電圧電源63であるとする。すると、定電圧電源63の安定動作に必要最小限の入力電流I3の電流値ICminは、定電圧電源61の安定動作に必要最小限の入力電流I1の電流値IAmin、及び定電圧電源62の安定動作に必要最小限の入力電流I2の電流値IBminよりも大きい。従って、最大負荷を有する外部装置が接続端子部7Cに接続されている状態では、システム電流Isの電流値は、定電圧電源63の安定動作に必要最小限の電流値になっていれば、定電圧電源61〜63の全ての安定動作に必要最小限の電流値にもなっている。
【0224】
電源制御部50は、上述のように、システム電流Isの電流値を、定電圧電源63の安定動作に必要最小限の電流値となるように制御する。従って、電源制御部50は、外部装置3A〜3Dのうちの最大負荷を有する外部装置が接続端子部7Cに接続されることにより、システム電流の電流値Isを、定電圧電源61〜63の全ての安定動作に必要最小限の電流値となるように制御する。
【0225】
最大負荷を有する外部装置が分かっている場合には、その外部装置を接続部3Cに接続することが望ましい。図示の例では、外部装置3A〜3Dのうちの最大負荷を有する外部装置は、外部装置3Cであり、外部装置3Cが接続端子部7Cに接続されている。
【0226】
本実施形態の電源システム1によれば、外部装置3A〜3Dのうちの最大負荷を有する外部装置を接続端子部7Cに接続することにより、システム電流Isの電流値が、定電圧電源61〜63の全ての安定動作に必要最小限の電流値となるように制御される。従って、外部装置3A〜3Dのうちの最大負荷を有する外部装置を接続端子部7Cに接続することにより、不必要な電流を流さなくて済み、電力消費を少なくすることができる。
【0227】
また、最大負荷を有する外部装置を接続端子部7Cに接続すれば、利用者によるシステム電流Isの電流値の設定操作を必要とせずに、システム電流Isの電流値が、定電圧電源61〜63の全ての安定動作に必要最小限の電流値となるように制御される。すなわち、最大負荷を有する外部装置を接続端子部7Cに接続するだけで、自動的に、システム電流Isの電流値が、定電圧電源61〜63の全ての安定動作に必要最小限の電流値となるように制御される。従って、利便性が向上する。また、最大負荷を有する外部装置を接続端子部7Cに接続することにより、外部装置3A〜3Dに流れる負荷電流IA〜IDに変動があっても、常に、最小電流での定電圧電源61〜63の全ての安定動作が可能である。
【0228】
なお、本実施形態において、電源制御部50は、システム電流Isの電流値を、定電圧電源63のシャント電流Ish3が所定の電流値となるように負帰還制御するものであってもよい。また、電源制御部50は、システム電流Isの電流値を、複数の定電圧電源6のうちの2つ以上のものの出力電圧が所定の電圧値となるように、負帰還制御するものであってもよい。また、電源制御部50は、システム電流Isの電流値を、複数の定電圧電源6のうちの2つ以上のもののシャント電流が所定の電流値となるように、負帰還制御するものであってもよい。
【0229】
また、本実施形態において、不図示の接続制御部が、各定電圧電源6の出力電流の電流値の大小差が小さくなるような接続端子部7と定電圧電源6との接続形態を求めて、そのように各接続端子部7と定電圧電源6とを接続するようになっていてもよい。
【0230】
<第13の実施形態>
図15は、第13の実施形態による電源システムの構成を示す。本実施形態の電源システム1は、電源制御部50の構成が上記第9の実施形態と異なっている。本実施形態における他の構1については、上記第9の実施形態と同様である。
【0231】
本実施形態では、電源制御部50は、MOSFET81と、抵抗82と、複数の電圧制御部83(83−1、83−2、81−3)とを備えており、入力部4から定電圧電源6に流れるシステム電流Isを制御する。電源制御部50は、システム電流Isの電流値を、定電圧電源61〜63の全ての安定動作に必要最小限の電流値となるように制御するようになっている。
【0232】
MOSFET81は、P型のMOSFETであり、ソースが入力部4の入力端子4aに接続されており、ドレインが定電圧電源61の入力ライン6aに接続されており、ゲートが抵抗82に接続されている。抵抗82は、一端が入力部4の入力端子4aとMOSFET81のソースとの間に接続されており、他端がMOSFET81のゲートに接続されている。
【0233】
電圧制御部83−1は、MOSFET84と、抵抗85、86と、基準電源87と、オペアンプ88とを有している。電圧制御部83−1は、定電圧電源61の出力電圧V1を制御するためのものである。
【0234】
MOSFET84は、N型のMOSFETであり、ソースがMOSFET81のゲートと抵抗82の他端との間に接続されており、ドレインが定電圧電源61の入力ライン6bに接続されており、ゲートがオペアンプ88の出力端子に接続されている。抵抗85は、一端が定電圧電源61の入力ライン6aに接続されており、他端が抵抗86の一端に接続されている。抵抗86は、一端が抵抗85の一端に接続されており、他端が定電圧電源61の入力ライン6bに接続されている。基準電源87は、正極(+極)がオペアンプ88の非反転入力端子に接続されており、負極(−極)が定電圧電源61の入力ライン6bに接続されている。オペアンプ88は、非反転入力端子が基準電源87の正極(+極)に接続されており、反転入力端子が抵抗85と抵抗86との間に接続されており、出力端子がMOSFET84のゲートに接続されている。
【0235】
電圧制御部83−2は、電圧制御部83−1と同様に、MOSFET84と、抵抗85、86と、基準電源87と、オペアンプ88とを有している。但し、電圧制御部83−2は、定電圧電源62の出力電圧V2を制御するためのものである。従って、電圧制御部83−2では、抵抗85は、一端が定電圧電源62の入力ライン6aに接続されており、抵抗86は、他端が定電圧電源62の入力ライン6bに接続されている。これ以外は、電圧制御部83−2は、電圧制御部83−1と同様である。
【0236】
電圧制御部83−3も、電圧制御部83−1と同様に、MOSFET84と、抵抗85、86と、基準電源87と、オペアンプ88とを有している。但し、電圧制御部83−3は、定電圧電源63の出力電圧V3を制御するためのものである。従って、電圧制御部83−3では、抵抗85は、一端が定電圧電源63の入力ライン6aに接続されており、抵抗86は、他端が定電圧電源63の入力ライン6bに接続されている。これ以外は、電圧制御部83−3は、電圧制御部83−1と同様である。
【0237】
このような構成において、例えば、定電圧電源61の入力電流I1が不足(出力電流IL1が不足)で、定電圧電源61の出力電圧V1が低下したとする。すると、電圧制御部83−1のオペアンプ88の出力電圧(=電圧制御部83−1のMOSFET84への印加電圧)が高くなり、電圧制御部83−1のMOSFET84のソース、ドレイン間に流れる電流が増加する。これにより、抵抗82の電圧降下が大きくなり、MOSFET81のゲート電圧が低下して、システム電流Isが増加し、定電圧電源61の入力電流I1が増加して、定電圧電源61の出力電流IL1の不足が解消する。このとき、システム電流Isの増加により、定電圧電源62、63でも入力電流I2、I3が増加することになるが、定電圧電源62、63のシャント電流Ish2、Ish3の増加によって、定電圧電源62、63の出力電流IL2、IL3は一定に保たれる。なお、一時的には、電圧制御部83−2のMOSFET84、及び電圧制御部83−3のMOSFET84が遮断状態になるかもしれないが、その分、電圧制御部83−1のMOSFET84が電流を流して、抵抗82の電圧降下を起すので、問題ない。
【0238】
定電圧電源61の入力電流I1が不足の場合(定電圧電源61の出力電圧V1が低下した場合)には、このような電圧制御部83−1、抵抗82、MOSFET81の働きによって、定電圧電源61の出力電流IL1の不足が解消される。
【0239】
また、定電圧電源62の入力電流I2が不足の場合(定電圧電源62の出力電圧V2が低下した場合)には、電圧制御部83−2、抵抗82、MOSFET81の働きによって、同様に、定電圧電源62の出力電流IL2の不足が解消される。また、定電圧電源63の入力電流I3が不足の場合(定電圧電源63の出力電圧V3が低下した場合)には、電圧制御部83−3、抵抗82、MOSFET81の働きによって、同様に、定電圧電源63の出力電流IL3の不足が解消される。
【0240】
逆に、定電圧電源61の入力電流I1が過多の場合には、電圧制御部83−1のMOSFET84のソース、ドレイン間に流れる電流が減少する。これにより、抵抗82の電圧降下が小さくなり、MOSFET81のゲート電圧が上昇して、システム電流Isが減少する。定電圧電源61の出力電流IL1が過多の場合には、このような電圧制御部83−1、抵抗82、MOSFET81の働きによって、定電圧電源61の入力電流I1の過多が解消される。
【0241】
また、定電圧電源62の入力電流I2が過多の場合には、電圧制御部83−2、抵抗82、MOSFET81の働きによって、同様に、定電圧電源62の入力電流I2の過多が解消される。また、定電圧電源63の入力電流I3が過多の場合には、電圧制御部83−3、抵抗82、MOSFET81の働きによって、同様に、定電圧電源63の入力電流I3の過多が解消される。
【0242】
電圧制御部83−1のMOSFET84、電圧制御部83−2のMOSFET84、及び電圧制御部83−3のMOSFET84は、ワイアードORで結合されている。従って、定電圧電源61〜63のいずれが入力電流不足又は入力電流過多になった場合でも、対処できる。
【0243】
このように各定電圧電源61〜63の入力電流I1〜I3が制御される(入力電流I1〜I3の不足、過多が解消される)ことにより、システム電流Isの電流値は、定電圧電源61〜63の全ての安定動作に必要最小限の電流値となる。すなわち、電源制御部50は、システム電流Isの電流値を、定電圧電源61〜63の全ての安定動作に必要最小限の電流値となるように制御する。
【0244】
本実施形態の電源システム1によれば、システム電流Isの電流値が、定電圧電源61〜63の全ての安定動作に必要最小限の電流値となるように制御されるので、不必要な電流を流さなくて済み、電力消費を少なくすることができる。
【0245】
また、外部装置3A〜3Dを接続端子部7A〜7Dのいずれに接続しても、利用者によるシステム電流Isの電流値の設定操作を必要とせずに、システム電流Isの電流値が、定電圧電源61〜63の全ての安定動作に必要最小限の電流値となるように制御される。すなわち、外部装置3A〜3Dを接続端子部7A〜7Dのいずれに接続しても、自動的に、システム電流Isの電流値が、定電圧電源61〜63の全ての安定動作に必要最小限の電流値となるように制御される。従って、利便性が向上する。また、外部装置3A〜3Dに流れる負荷電流IA〜IDに変動があっても、常に、最小電流での定電圧電源61〜63の全ての安定動作が可能である。
【0246】
また、本実施形態において、不図示の接続制御部が、各定電圧電源6の出力電流の電流値の大小差が小さくなるような接続端子部7と定電圧電源6との接続形態を求めて、そのように各接続端子部7と定電圧電源6とを接続するようになっていてもよい。
【0247】
<第14の実施形態>
図16は、第14の実施形態による電源システムの構成を示す。本実施形態の電源システム1は、上記第6の実施形態の構成に加え、定電圧電源61〜63をバイパスするバイパススイッチ91をさらに備えている。バイパススイッチ91によって、バイパス手段が構成されている。また、接続スイッチ9によって、電力供給遮断制限手段が構成されている。また、接続制御部31の構成が上記第6の実施形態と異なっている。電流検出部41及び接続制御部31によって、回路監視手段が構成されている。また、電源制御部50を備えている。本実施形態における他の構成については、上記第6の実施形態と同様である。
【0248】
電源システム1は、バイパススイッチ91として、3個のバイパススイッチ91−1E、91−2E、91−3Eを備えている。
【0249】
バイパススイッチ91−1Eは、オフ状態のときに、定電圧電源61の出力ライン6c、6d間を短絡しておらず、オン状態のときに、定電圧電源61の出力ライン6c、6d間を短絡(定電圧電源61をバイパス)する。バイパススイッチ91−2Eは、オフ状態のときに、定電圧電源62の出力ライン6c、6d間を短絡しておらず、オン状態のときに、定電圧電源62の出力ライン6c、6d間を短絡(定電圧電源62をバイパス)する。バイパススイッチ91−3Eは、オフ状態のときに、定電圧電源63の出力ライン6c、6d間を短絡しておらず、オン状態のときに、定電圧電源63の出力ライン6c、6d間を短絡(定電圧電源63をバイパス)する。
【0250】
従って、バイパススイッチ91−1Eがオフ状態のときに、接続スイッチ9−1Aがオン状態であると、定電圧電源61から接続端子部7Aに接続される外部装置に電力が供給される。また、バイパススイッチ91−1Eがオフ状態のときに、接続スイッチ9−1Bがオン状態であると、定電圧電源61から接続端子部7Bに接続される外部装置に電力が供給される。また、バイパススイッチ91−1Eがオフ状態のときに、接続スイッチ9−1Cがオン状態であると、定電圧電源61から接続端子部7Cに接続される外部装置に電力が供給される。また、バイパススイッチ91−1Eがオフ状態のときに、接続スイッチ9−1Dがオン状態であると、定電圧電源61から接続端子部7Dに接続される外部装置に電力が供給される。そして、バイパススイッチ91−1Eがオン状態のときには、接続スイッチ9−1A〜9−1Dがオン状態であっても、定電圧電源61から接続端子部7A〜7Dに接続される外部装置には、電力が供給されない。
【0251】
同様に、バイパススイッチ91−2Eがオフ状態のときに、接続スイッチ9−2A〜9−2Dがオン状態であると、定電圧電源62から接続端子部7A〜7Dに接続される外部装置に電力が供給される。そして、バイパススイッチ91−2Eがオン状態のときには、接続スイッチ9−2A〜9−2Dがオン状態であっても、定電圧電源62から接続端子部7A〜7Dに接続される外部装置には、電力が供給されない。
【0252】
また同様に、バイパススイッチ91−3Eがオフ状態のときに、接続スイッチ9−3A〜9−3Dがオン状態であると、定電圧電源63から接続端子部7A〜7Dに接続される外部装置に電力が供給される。そして、バイパススイッチ91−3Eがオン状態のときには、接続スイッチ9−3A〜9−3Dがオン状態であっても、定電圧電源63から接続端子部7A〜7Dに接続される外部装置には、電力が供給されない。
【0253】
各バイパススイッチ91−1E、91−2E、91−3Eは、例えば、トランジスタなどの電子スイッチであり、接続制御部31によって、オン状態とオフ状態とに切換えられる。各バイパススイッチ91−1E、91−2E、91−3Eは、接続部5の電源接続部8の一部として設けられている。
【0254】
各電流検出部41は、上記第6の実施形態と同様に、各接続端子部7A〜7Dに流れる電流の電流値を検出する。接続制御部31は、接続スイッチ9−1A〜9−1D、9−2A〜9−2D、9−3A〜9−3Dを制御する。また、接続制御部31は、バイパススイッチ91−1E〜91−3Eを制御する。また、接続制御部31は、各電流検出部41により検出された電流値(各接続端子部7A〜7Dに流れる電流の電流値)に基いて、各接続端子部7A〜7Dに流れる電流を監視する。そして、接続制御部31は、各接続端子部7A〜7Dに流れる電流を監視することにより過負荷(負荷短絡を含む)を検出する。電源制御部50は、システム電流Isを、設定された電流値で一定に保つように制御する。
【0255】
接続制御部31は、上記第3の実施形態又は上記第6の実施形態と同様に、所定の接続形態で接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63とを接続するように、接続スイッチ9−1A〜9−1D、9−2A〜9−2D、9−3A〜9−3Dを制御する。
【0256】
図示の例では、接続スイッチ9−1A、9−2A、9−3Aのうちの接続スイッチ9−1Aがオン状態にされている。また、接続スイッチ9−1B、9−2B、9−3Bのうちの接続スイッチ9−2Bがオン状態にされている。また、接続スイッチ9−1C、9−2C、9−3Cのうちの接続スイッチ9−3Cがオン状態にされている。また、接続スイッチ9−1D、9−2D、9−3Dのうちの接続スイッチ9−2Dがオン状態にされている。これら以外は、オフ状態にされている。すなわち、図示の例では、接続端子部7Aが定電圧電源61に接続され、接続端子部7Bが定電圧電源62に接続され、接続端子部7Cが定電圧電源63に接続され、接続端子部7Dが定電圧電源62に接続されるように、各接続スイッチ9が制御されている。
【0257】
また、接続制御部31は、常時、各電流検出部41により検出された電流値に基いて、各接続端子部7A〜7Dに流れる電流を監視しており、各接続端子部7A〜7Dに流れる電流を監視することにより過負荷を検出する。
【0258】
接続制御部31は、過負荷を検出していないときには、上述のように、所定の接続形態で接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63とを接続するように、各接続スイッチ9を制御している。また、接続制御部31は、過負荷を検出していないときには、バイパススイッチ91−1E〜91−3Eをオフ状態にしている。従って、接続制御部31が過負荷を検出していないときには、定電圧電源61〜63から、定電圧電源61〜63と接続されている接続端子部7A〜7Dに接続されている外部装置に、電力が供給される。
【0259】
図示の例では、外部装置3Aが接続端子部7Aに接続され、外部装置3Bが接続端子部7Bに接続され、外部装置3Cが接続端子部7Cに接続され、外部装置3Dが接続端子部7Dに接続されている。つまり、外部装置3Aが定電圧電源61に接続され、外部装置3Bと外部装置3Dが定電圧電源62に接続され、外部装置3Cが定電圧電源63に接続されている。従って、図示の例では、定電圧電源61から外部装置3Aに電力が供給され、定電圧電源62から外部装置3Bと外部装置3Dに電力が供給され、定電圧電源63から外部装置3Cに電力が供給される。
【0260】
そして、接続制御部31は、過負荷を検出したときに、過負荷の原因となっている外部装置への電力供給を遮断するように、接続スイッチ9−1A〜9−1D、9−2A〜9−2D、9−3A〜9−3Dを制御する。又は、過負荷の原因となっている外部装置が接続されている接続端子部に接続されている定電圧電源をバイパスするように、バイパススイッチ91−1E〜91−3Eを制御する。
【0261】
つまり、外部装置3Aが過負荷の原因となっている外部装置である場合には、外部装置3Aが接続されている定電圧電源(図示の例では、定電圧電源61)と外部装置3Aとを接続しているスイッチ(図示の例では、接続スイッチ9−1A)をオフにする。これにより、外部装置3Aと、外部装置3Aが接続されている定電圧電源との接続が断たれて、過負荷の原因となっている外部装置3Aへの電力供給が遮断される。このとき、過負荷の原因となっていない(定電圧電源との接続が断たれていない)外部装置(図示の例では、外部装置3B、3C、3D)への電力供給は、正常に行われる。
【0262】
又は、外部装置3Aが過負荷の原因となっている外部装置である場合には、外部装置3Aが接続されている定電圧電源に対応するバイパススイッチ(図示の例では、バイパススイッチ91−1E)をオン状態にする。これにより、外部装置3Aが接続されている定電圧電源の出力が短絡されて(バイパスされて)、過負荷の原因となっている外部装置3Aへの電力供給が遮断される。このとき、外部装置3Aが接続されている定電圧電源に接続されている他の外部装置(図示の例では、存在していない)への電力供給も遮断される。また、過負荷の原因となっていない(外部装置3Aが接続されている定電圧電源以外の定電圧電源(図示の例では、定電圧電源62、63)に接続されている)外部装置(図示の例では、外部装置3B、3C、3D)への電力供給は正常に行われる。
【0263】
また、外部装置3Bが過負荷の原因となっている外部装置である場合には、外部装置3Bが接続されている定電圧電源(図示の例では、定電圧電源62)と外部装置3Bとを接続しているスイッチ(図示の例では、接続スイッチ9−2B)をオフにする。これにより、外部装置3Bと、外部装置3Bが接続されている定電圧電源との接続が断たれて、過負荷の原因となっている外部装置3Bへの電力供給が遮断される。このとき、過負荷の原因となっていない(定電圧電源との接続が断たれていない)外部装置(図示の例では、外部装置3A、3C、3D)への電力供給は、正常に行われる。
【0264】
又は、外部装置3Bが過負荷の原因となっている外部装置である場合には、外部装置3Bが接続されている定電圧電源に対応するバイパススイッチ(図示の例では、バイパススイッチ91−2E)をオン状態にする。これにより、外部装置3Bが接続されている定電圧電源の出力が短絡されて(バイパスされて)、過負荷の原因となっている外部装置3Bへの電力供給が遮断される。このとき、外部装置3Bが接続されている定電圧電源に接続されている他の外部装置(図示の例では、外部装置3D)への電力供給も遮断される。また、過負荷の原因となっていない(外部装置3Bが接続されている定電圧電源以外の定電圧電源(図示の例では、定電圧電源61、63)に接続されている)外部装置(図示の例では、外部装置3A、3C)への電力供給は正常に行われる。
【0265】
また、外部装置3Cが過負荷の原因となっている外部装置である場合には、外部装置3Cが接続されている定電圧電源(図示の例では、定電圧電源63)と外部装置3Cとを接続しているスイッチ(図示の例では、接続スイッチ9−3C)をオフにする。これにより、外部装置3Cと、外部装置3Cが接続されている定電圧電源との接続が断たれて、過負荷の原因となっている外部装置3Cへの電力供給が遮断される。このとき、過負荷の原因となっていない(定電圧電源との接続が断たれていない)外部装置(図示の例では、外部装置3A、3B、3D)への電力供給は、正常に行われる。
【0266】
又は、外部装置3Cが過負荷の原因となっている外部装置である場合には、外部装置3Cが接続されている定電圧電源に対応するバイパススイッチ(図示の例では、バイパススイッチ91−3E)をオン状態にする。これにより、外部装置3Cが接続されている定電圧電源の出力が短絡されて(バイパスされて)、過負荷の原因となっている外部装置3Cへの電力供給が遮断される。このとき、外部装置3Cが接続されている定電圧電源に接続されている他の外部装置(図示の例では、存在していない)への電力供給も遮断される。また、過負荷の原因となっていない(外部装置3Cが接続されている定電圧電源以外の定電圧電源(図示の例では、定電圧電源61、62)に接続されている)外部装置(図示の例では、外部装置3A、3B、3D)への電力供給は正常に行われる。
【0267】
また、外部装置3Dが過負荷の原因となっている外部装置である場合には、外部装置3Dが接続されている定電圧電源(図示の例では、定電圧電源62)と外部装置3Dとを接続しているスイッチ(図示の例では、接続スイッチ9−2D)をオフにする。これにより、外部装置3Dと、外部装置3Dが接続されている定電圧電源との接続が断たれて、過負荷の原因となっている外部装置3Dへの電力供給が遮断される。このとき、過負荷の原因となっていない(定電圧電源との接続が断たれていない)外部装置(図示の例では、外部装置3A、3B、3C)への電力供給は、正常に行われる。
【0268】
又は、外部装置3Dが過負荷の原因となっている外部装置である場合には、外部装置3Dが接続されている定電圧電源に対応するバイパススイッチ(図示の例では、バイパススイッチ91−2E)をオン状態にする。これにより、外部装置3Dが接続されている定電圧電源の出力が短絡されて(バイパスされて)、過負荷の原因となっている外部装置3Dへの電力供給が遮断される。このとき、外部装置3Dが接続されている定電圧電源に接続されている他の外部装置(図示の例では、外部装置3B)への電力供給も遮断される。また、過負荷の原因となっていない(外部装置3Dが接続されている定電圧電源以外の定電圧電源(図示の例では、定電圧電源61、63)に接続されている)外部装置(図示の例では、外部装置3A、3C)への電力供給は正常に行われる。
【0269】
本実施形態の電源システム1によれば、外部装置3A〜3Dのいずれかに過負荷が発生した場合、過負荷の原因となっている外部装置への電力供給が遮断されることにより、安全を確保できる。また、外部装置3A〜3Dのいずれかに過負荷が発生しても、過負荷の原因となっていない外部装置は、正常に動作し得る。
【0270】
なお、本実施形態において、接続制御部31は、過負荷を検出したときに、全ての外部装置3A〜3Dへの電力供給を遮断するように、接続スイッチ9−1A〜9−1D、9−2A〜9−2D、9−3A〜9−3Dを制御するようにしてもよい。また、接続制御部31は、過負荷を検出したときに、全ての外部装置3A〜3Dへの電力供給を遮断するように、バイパススイッチ91−1E〜91−3Eを制御するようにしてもよい。
【0271】
また、本実施形態において、電流検出部41に代えて、各接続端子部7の接続端子間電圧を検出する手段を設け、接続制御部31は、各接続端子部7の接続端子間電圧を監視することにより過負荷を検出するようにしてもよい。
【0272】
また、本実施形態において、接続スイッチ9−1A〜9−1D、9−2A〜9−2D、9−3A〜9−3D、及びバイパススイッチ91−1E〜91−3Eは、手動によって、オン状態とオフ状態とに切換えられるものであってもよい。この場合、接続制御部31は、過負荷を検出したときに、液晶パネルやLEDランプなどの報知手段によって、過負荷であることを報知すればよい。そして、利用者が、過負荷の原因となっている外部装置への電力供給を遮断するように、接続スイッチ9−1A〜9−1D、9−2A〜9−2D、9−3A〜9−3Dを手動によってオフ状態にすればよい。又は、利用者が、過負荷の原因となっている外部装置が接続されている定電圧電源をバイパスするように、バイパススイッチ91−1E〜91−3Eを手動によってオン状態にすればよい。また、接続スイッチ9−1A〜9−1D、9−2A〜9−2D、9−3A〜9−3Dは、定電圧電源61〜63に接続される外部装置3A〜3Dへの電力供給を制限するものであってもよい。
【0273】
また、本実施形態において、接続制御部31は、例えばパソコンなどの外部制御装置からの制御信号を受けて、バイパススイッチ91−1E〜91−3Eを制御するようにしてもよい。このような構成によれば、直流電源2の直流電圧Vinの電圧値が小さくて、定電圧電源6を3段直列にしたのでは、電圧不足になる場合に、定電圧電源6の直列段数を下げて、最適な電流配分を実現させることができる。例えば、直流電源2の直流電圧Vinが12Vで、各定電圧電源61〜63の出力電圧V1〜V3が5Vである場合に、定電圧電源6の直列段数を2段にして、最適な電流配分を実現させることができる。また、外部装置の数が接続部の数より少なくて、設定する出力電圧が高い場合などに、定電圧電源の直列段数を下げることができる。また、特定の外部装置への電力供給をタイマ動作によって制御(特定の外部装置への電力供給を時間によって遮断)することができる。
【0274】
<第15の実施形態>
図17は、第15の実施形態による電源システムの構成を示す。本実施形態の電源システム1は、上記第14の実施形態における電流検出部41を備えていない。そして、上記第14の実施形態の構成に加え、監視部92を備えている。また、接続制御部31の構成が上記第14の実施形態と異なっている。監視部92及び接続制御部31によって、システム監視手段が構成されている。本実施形態における他の構成については、上記第14の実施形態と同様である。また、図示の各接続スイッチ9のオン/オフ状態(接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63との接続)例、及び外部装置3A〜3Dの接続端子部7A〜7Dへの接続例も、上記第14の実施形態と同様である。
【0275】
監視部92は、定電圧電源63から入力部4の入力端子4bに流れる電流、すなわち、システム電流Isの電流値を検出する。接続制御部31は、接続スイッチ9−1A〜9−1D、9−2A〜9−2D、9−3A〜9−3D、及びバイパススイッチ91−1E〜91−3Eを制御する。また、接続制御部31は、監視部92により検出された電流値(システム電流Isの電流値)に基いて、システム電流Isを監視する。そして、接続制御部31は、システム電流Isを監視することにより過負荷(負荷短絡を含む)を検出する。過負荷であるか否かは、システム電流Isの電流値が所定の値より大きいか否かで判断する。
【0276】
接続制御部31は、上記第14の実施形態と同様に、所定の接続形態で接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63とを接続するように、接続スイッチ9−1A〜9−1D、9−2A〜9−2D、9−3A〜9−3Dを制御する。
【0277】
また、接続制御部31は、常時、監視部92により検出された電流値に基いて、システム電流Isを監視しており、システム電流Isを監視することにより過負荷を検出する。
【0278】
接続制御部31は、過負荷を検出していないときには、上述のように、所定の接続形態で接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63とを接続するように、各接続スイッチ9を制御している。また、接続制御部31は、過負荷を検出していないときには、バイパススイッチ91−1E〜91−3Eをオフ状態にしている。従って、接続制御部31が過負荷を検出していないときには、定電圧電源61〜63から、定電圧電源61〜63と接続されている接続端子部7A〜7Dに接続されている外部装置に、電力が供給される。
【0279】
そして、接続制御部31は、過負荷を検出したときに、過負荷の原因となっている外部装置への電力供給を遮断するように、接続スイッチ9−1A〜9−1D、9−2A〜9−2D、9−3A〜9−3Dを制御する。又は、過負荷の原因となっている外部装置が接続されている接続端子部に接続されている定電圧電源をバイパスするように、バイパススイッチ91−1E〜91−3Eを制御する。
【0280】
すなわち、接続制御部31は、過負荷を検出したときに、所定のルーチンに基いて、過負荷の原因となっている外部装置を割り出す。そして、接続制御部31は、その割り出した外部装置への電力供給を遮断するように、接続スイッチ9−1A〜9−1D、9−2A〜9−2D、9−3A〜9−3Dを制御する。又は、その割り出した外部装置が接続されている接続端子部に接続されている定電圧電源をバイパスするように、バイパススイッチ91−1E〜91−3Eを制御する。
【0281】
図18は、接続制御部31における、過負荷の原因となっている外部装置を割り出すルーチンのフローチャートを示す。なお、このフローチャートは、過負荷の原因となっている外部装置(割り出した外部装置)への電力供給を回避すると共に、過負荷の原因となっていない外部装置への電力供給を維持するためのフローチャートにもなっている。
【0282】
また、このフローチャートは、外部装置3A〜3Dと定電圧電源61〜63との接続形態が図17に示す例の場合についてのものである。すなわち、このフローチャートは、外部装置3Aが定電圧電源61に接続され、外部装置3Bと外部装置3Dが定電圧電源62に接続され、外部装置3Cが定電圧電源63に接続されている場合についてのものである。つまり、このフローチャートは、接続スイッチ9−1A、9−2B、9−3C、9−2Dがオン状態にされている場合についてのものである。また、外部装置3Aが接続端子部7Aに接続され、外部装置3Bが接続端子部7Bに接続され、外部装置3Cが接続端子部7Cに接続され、外部装置3Dが接続端子部7Dに接続されている場合についてのものである。
【0283】
接続制御部31は、過負荷を検出すると、まず、全ての接続スイッチ9−1A〜9−1D、9−2A〜9−2D、9−3A〜9−3Dをオフ状態にする(#1)。そして、接続制御部31は、接続スイッチ9−1Aをオン状態にして(#2)、過負荷であるか否かを判定する(#3)。
【0284】
ここで、過負荷であれば(#3でYES)、接続制御部31は、外部装置3Aが、過負荷の原因となっている外部装置であると判定して、バイパススイッチ91−1Eをオン状態にする(#4)。これにより、外部装置3Aが接続されている定電圧電源61の出力が短絡されて(定電圧電源61がバイパスされて)、過負荷の原因となっている外部装置3Aへの電力供給が遮断される。その後、接続制御部31は、接続スイッチ9−2B、9−3C、9−2Dをオン状態にする。これにより、過負荷の原因となっていない(外部装置3Aが接続されている定電圧電源61以外の定電圧電源62、63に接続されている)外部装置3B、3C、3Dへの電力供給は、正常に行われる。
【0285】
なお、#4において、バイパススイッチ91−1Eをオン状態にすることに代えて、接続スイッチ9−1Aをオフ状態にしてもよい。これにより、外部装置3Aと、外部装置3Aが接続されている定電圧電源61との接続が断たれて、過負荷の原因となっている外部装置3Aへの電力供給が遮断される。この場合にも、その後、接続制御部31は、接続スイッチ9−2B、9−3C、9−2Dをオン状態にする。これにより、過負荷の原因となっていない(定電圧電源との接続が断たれていない)外部装置3B、3C、3Dへの電力供給は、正常に行われる。
【0286】
また、上記#3において過負荷でなければ(#3でNO)、接続制御部31は、接続スイッチ9−2Bをオン状態にして(#5)、過負荷であるか否かを判定する(#6)。
【0287】
ここで、過負荷であれば(#6でYES)、接続制御部31は、外部装置3Bが、過負荷の原因となっている外部装置であると判定して、バイパススイッチ91−2Eをオン状態にする(#7)。これにより、外部装置3Bが接続されている定電圧電源62の出力が短絡されて(定電圧電源62がバイパスされて)、過負荷の原因となっている外部装置3Bへの電力供給が遮断(外部装置3Dへの電力供給も遮断)される。その後、接続制御部31は、接続スイッチ9−3Cをオン状態にする(接続スイッチ9−1Aは、#2においてオン状態にされている)。これにより、過負荷の原因となっていない(外部装置3Bが接続されている定電圧電源62以外の定電圧電源61、63に接続されている)外部装置3A、3Cへの電力供給は、正常に行われる。
【0288】
なお、#7において、バイパススイッチ91−2Eをオン状態にすることに代えて、接続スイッチ9−2Bをオフ状態にしてもよい。これにより、外部装置3Bと、外部装置3Bが接続されている定電圧電源62との接続が断たれて、過負荷の原因となっている外部装置3Bへの電力供給が遮断される。この場合には、その後、接続制御部31は、接続スイッチ9−3C、9−2Dをオン状態にする(接続スイッチ9−1Aは、#2においてオン状態にされている)。これにより、過負荷の原因となっていない(定電圧電源との接続が断たれていない)外部装置3A、3C、3Dへの電力供給は、正常に行われる。
【0289】
また、上記#6において過負荷でなければ(#6でNO)、接続制御部31は、接続スイッチ9−3Cをオン状態にして(#8)、過負荷であるか否かを判定する(#9)。
【0290】
ここで、過負荷であれば(#9でYES)、接続制御部31は、外部装置3Cが、過負荷の原因となっている外部装置であると判定して、バイパススイッチ91−3Eをオン状態にする(#10)。これにより、外部装置3Cが接続されている定電圧電源63の出力が短絡されて(定電圧電源63がバイパスされて)、過負荷の原因となっている外部装置3Cへの電力供給が遮断される。その後、接続制御部31は、接続スイッチ9−3Dをオン状態にする(接続スイッチ9−1Aは、#2においてオン状態にされ、接続スイッチ9−2Bは、#5においてオン状態にされている)。これにより、過負荷の原因となっていない(外部装置3Cが接続されている定電圧電源63以外の定電圧電源61、62に接続されている)外部装置3A、3B、3Dへの電力供給は、正常に行われる。
【0291】
なお、#10において、バイパススイッチ91−3Eをオン状態にすることに代えて、接続スイッチ9−3Cをオフ状態にしてもよい。これにより、外部装置3Cと、外部装置3Cが接続されている定電圧電源63との接続が断たれて、過負荷の原因となっている外部装置3Cへの電力供給が遮断される。この場合には、その後、接続制御部31は、接続スイッチ9−2Dをオン状態にする(接続スイッチ9−1Aは、#2においてオン状態にされ、接続スイッチ9−2Bは、#5においてオン状態にされている)。これにより、過負荷の原因となっていない(定電圧電源との接続が断たれていない)外部装置3A、3B、3Dへの電力供給は、正常に行われる。
【0292】
また、上記#9において過負荷でなければ(#9でNO)、接続制御部31は、接続スイッチ9−2Dをオン状態にして(#11)、過負荷であるか否かを判定する(#12)。
【0293】
ここで、過負荷であれば(#12でYES)、接続制御部31は、外部装置3Dが、過負荷の原因となっている外部装置であると判定して、バイパススイッチ91−2Eをオン状態にする(#13)。これにより、外部装置3Dが接続されている定電圧電源62の出力が短絡されて(定電圧電源62がバイパスされて)、過負荷の原因となっている外部装置3Dへの電力供給が遮断(外部装置3Bへの電力供給も遮断)される。このとき、接続スイッチ9−1Aは、#2においてオン状態にされ、接続スイッチ9−3Cは、#8においてオン状態にされている。これにより、過負荷の原因となっていない(外部装置3Dが接続されている定電圧電源62以外の定電圧電源61、63に接続されている)外部装置3A、3Cへの電力供給は、正常に行われる。
【0294】
なお、#13において、バイパススイッチ91−3Eをオン状態にすることに代えて、接続スイッチ9−2Dをオフ状態にしてもよい。これにより、外部装置3Dと、外部装置3Dが接続されている定電圧電源62との接続が断たれて、過負荷の原因となっている外部装置3Dへの電力供給が遮断される。このとき、接続スイッチ9−1Aは、#2においてオン状態にされ、接続スイッチ9−2Bは、#5においてオン状態にされ、接続スイッチ9−3Cは、#8においてオン状態にされている。これにより、過負荷の原因となっていない(定電圧電源との接続が断たれていない)外部装置3A、3B、3Cへの電力供給は、正常に行われる。
【0295】
接続制御部31は、このようにして、過負荷の原因となっている外部装置を割り出して、その外部装置への電力供給を遮断する。なお、外部装置3A〜3Dと定電圧電源61〜63との接続形態が他の場合でも、接続制御部31は、同様にして、過負荷の原因となっている外部装置を割り出して、その外部装置への電力供給を遮断する。
【0296】
本実施形態の電源システム1によれば、外部装置3A〜3Dのいずれかに過負荷が発生した場合、過負荷の原因となっている外部装置への電力供給が遮断されることにより、安全を確保できる。また、外部装置3A〜3Dのいずれかに過負荷が発生しても、過負荷の原因となっていない外部装置は、正常に動作し得る。
【0297】
なお、本実施形態において、接続制御部31は、過負荷を検出したときに、全ての外部装置3A〜3Dへの電力供給を遮断するように、接続スイッチ9−1A〜9−1D、9−2A〜9−2D、9−3A〜9−3Dを制御するようにしてもよい。また、接続制御部31は、過負荷を検出したときに、全ての外部装置3A〜3Dへの電力供給を遮断するように、バイパススイッチ91−1E〜91−3Eを制御するようにしてもよい。
【0298】
また、監視部92に代えて、定電圧電源61〜63の出力電圧V1〜V3の合計電圧を検出する手段を設け、接続制御部31は、定電圧電源61〜63の出力電圧V1〜V3の合計電圧を監視することにより過負荷を検出するようにしてもよい。
【0299】
<第16の実施形態>
図19は、第16の実施形態による電源システムの構成を示す。本実施形態の電源システム1は、監視部92及び接続制御部31の構成が上記第15の実施形態と異なっている。監視部92及び接続制御部31によって、電位監視手段が構成されている。本実施形態における他の構成については、上記第15の実施形態と同様である。また、図示の各接続スイッチ9のオン/オフ状態(接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63との接続)例、及び外部装置3A〜3Dの接続端子部7A〜7Dへの接続例も、上記第15の実施形態と同様である。
【0300】
本実施形態では、監視部92は、電源制御部50と定電圧電源61との接続点における電源システム1の最低電位(=GND)を基準とした電位VS1を検出するようになっている。また、監視部92は、定電圧電源61と定電圧電源62との接続点における電源システム1の最低電位を基準とした電位VS2を検出するようになっている。また、監視部92は、定電圧電源62と定電圧電源63との接続点における電源システム1の最低電位を基準とした電位VS3を検出するようになっている。
【0301】
接続制御部31は、定電圧電源61の出力電圧V1の設定電圧値Vo1、定電圧電源62の出力電圧V2の設定電圧値Vo2、定電圧電源63の出力電圧V3の設定電圧値Vo3を記憶している。これら設定電圧値Vo1〜Vo3は、パソコンなどの外部制御装置から、出力電圧設定情報として与えられる。すなわち、接続制御部31には、パソコンなどの外部制御装置から、設定電圧値Vo1〜Vo3を示す出力電圧設定情報が与えられ、接続制御部31は、外部制御装置から与えられた出力電圧設定情報の示す設定電圧値Vo1〜Vo3を記憶している。
【0302】
接続制御部31は、接続スイッチ9−1A〜9−1D、9−2A〜9−2D、9−3A〜9−3D、及びバイパススイッチ91−1E〜91−3Eを制御する。また、接続制御部31は、監視部92により検出された電位VS1を監視する。そして、接続制御部31は、この電位VS1を監視することにより、この電位VS1と、定電圧電源61〜63の出力電圧V1〜V3の設定電圧値Vo1〜Vo3とに基いて、電位不整合状態を検出する。すなわち、接続制御部31は、電位VS1が、定電圧電源61〜63の出力電圧V1〜V3の設定電圧値Vo1〜Vo3の和に対して所定値ε以上の差がある場合に、電位不整合状態であると判断する。言い換えると、電位VS1と、設定電圧値Vo1〜Vo3の和との差が、所定値ε未満でない場合に、電位不整合状態であると判断する。つまり、監視部92は、|Vo1+Vo2+Vo3−VS1|<εでない場合に、電位不整合状態であると判断する。
【0303】
接続制御部31は、上記第15の実施形態と同様に、所定の接続形態で接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63とを接続するように、接続スイッチ9−1A〜9−1D、9−2A〜9−2D、9−3A〜9−3Dを制御する。
【0304】
また、接続制御部31は、常時、監視部92により検出された電位VS1を監視しており、電位VS1を監視することにより電位不整合状態を検出する。
【0305】
接続制御部31は、電位不整合状態を検出していないときには、上述のように、所定の接続形態で接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63とを接続するように、各接続スイッチ9を制御している。また、接続制御部31は、電位不整合状態を検出していないときには、バイパススイッチ91−1E〜91−3Eをオフ状態にしている。従って、接続制御部31が電位不整合状態を検出していないときには、定電圧電源61〜63から、定電圧電源61〜63と接続されている接続端子部7A〜7Dに接続されている外部装置に、電力が供給される。
【0306】
そして、接続制御部31は、電位不整合状態を検出したときに、電位不整合状態の原因となっている外部装置への電力供給を遮断するように、接続スイッチ9−1A〜9−1D、9−2A〜9−2D、9−3A〜9−3Dを制御する。又は、電位不整合状態の原因となっている外部装置が接続されている接続端子部に接続されている定電圧電源をバイパスするように、バイパススイッチ91−1E〜91−3Eを制御する。
【0307】
すなわち、接続制御部31は、電位不整合状態を検出したときに、所定のルーチンに基いて、電位不整合状態の原因となっている外部装置を割り出す。そして、接続制御部31は、その割り出した外部装置への電力供給を遮断するように、接続スイッチ9−1A〜9−1D、9−2A〜9−2D、9−3A〜9−3Dを制御する。又は、その割り出した外部装置が接続されている接続端子部に接続されている定電圧電源をバイパスするように、バイパススイッチ91−1E〜91−3Eを制御する。
【0308】
図20は、接続制御部31における、定電圧電源61〜63の中から、電位不整合状態の原因となっている外部装置を割り出すルーチンのフローチャートを示す。なお、このフローチャートは、電位不整合状態の原因となっている外部装置(割り出した外部装置)への電力供給を回避すると共に、電位不整合状態の原因となっていない外部装置への電力供給を維持するためのフローチャートにもなっている。また、このフローチャートは、地絡(外部装置のGNDへの短絡)によって電位不整合状態が生じると想定した場合のフローチャートである。
【0309】
また、このフローチャートは、外部装置3A〜3Dと定電圧電源61〜63との接続形態が図19に示す例の場合についてのものである。すなわち、このフローチャートは、外部装置3Aが定電圧電源61に接続され、外部装置3Bと外部装置3Dが定電圧電源62に接続され、外部装置3Cが定電圧電源63に接続されている場合についてのものである。つまり、このフローチャートは、接続スイッチ9−1A、9−2B、9−3C、9−2Dがオン状態にされている場合についてのものである。また、外部装置3Aが接続端子部7Aに接続され、外部装置3Bが接続端子部7Bに接続され、外部装置3Cが接続端子部7Cに接続され、外部装置3Dが接続端子部7Dに接続されている場合についてのものである。
【0310】
接続制御部31は、常時、|V1o+V2o+V3o−VS1|<ε(電位VS1と、設定電圧値Vo1〜Vo3の和との差の絶対値が、所定値ε未満)であるか否かを判定している(#21)。
【0311】
|V1o+V2o+V3o−VS1|<εでなければ(#21でNO)、接続制御部31は、電位不整合状態であると判断し、まず、バイパススイッチ91−1Eをオン状態にする(#22)。そして、接続制御部31は、|Vo2+Vo3−VS2|<ε(電位VS2と、設定電圧値Vo2、Vo3の和との差の絶対値が、所定値ε未満)であるか否かを判定する(#23)。
【0312】
ここで、|V2o+V3o−VS2|<εであれば(#23でYES)、接続制御部31は、定電圧電源61に接続されている外部装置3Aが、電位不整合状態の原因となっている外部装置であると判定して、この状態を維持する。これにより、外部装置3Aが接続されている定電圧電源61の出力が短絡されて(定電圧電源61がバイパスされて)、電位不整合状態の原因となっている外部装置3Aへの電力供給が遮断される。また、電位不整合状態の原因となっていない(外部装置3Aが接続されている定電圧電源61以外の定電圧電源62、63に接続されている)外部装置3B、3C、3Dへの電力供給は、正常に行われる。
【0313】
なお、#22において、接続スイッチ9−1Aをオフ状態にしてもよい。この場合には、#23でYESであれば、同様に、定電圧電源61に接続されている外部装置3Aが、電位不整合状態の原因となっている外部装置であると判定して、この状態を維持する。これにより、外部装置3Aと、外部装置3Aが接続されている定電圧電源61との接続が断たれて、電位不整合状態の原因となっている外部装置3Aへの電力供給が遮断される。また、電位不整合状態の原因となっていない(定電圧電源との接続が断たれていない)外部装置3A、3C、3Dへの電力供給は、正常に行われる。
【0314】
また、上記#23において|Vo2+Vo3−VS2|<εでなければ(#23でNO)、接続制御部31は、バイパススイッチ91−1Eをオフ状態にすると共に(#24)、接続スイッチ9−2Bをオフ状態にする(#25)。そして、接続制御部31は、|Vo2+Vo3−VS2|<εであるか否かを判定する(#26)。
【0315】
ここで、|V2o+V3o−VS2|<εであれば(#26でYES)、接続制御部31は、定電圧電源62に接続されている外部装置3Bが、電位不整合状態の原因となっている外部装置であると判定して、この状態を維持する。これにより、外部装置3Bと、外部装置3Bが接続されている定電圧電源62との接続が断たれて、電位不整合状態の原因となっている外部装置3Bへの電力供給が遮断される。また、電位不整合状態の原因となっていない(定電圧電源との接続が断たれていない)外部装置3A、3C、3Dへの電力供給は、正常に行われる。
【0316】
なお、#25において、バイパススイッチ9−2Eをオン状態にしてもよい。この場合には、#26でYESであれば、定電圧電源62に接続されている外部装置3Bと外部装置3Dのいずれかが、電位不整合状態の原因となっている外部装置であると判定して、この状態を維持する。これにより、外部装置3B、3Dが接続されている定電圧電源62の出力が短絡されて(定電圧電源62がバイパスされて)、電位不整合状態の原因となっている可能性のある外部装置3B、3Dへの電力供給が遮断される。また、電位不整合状態の原因となっていない(外部装置3B、3Dが接続されている定電圧電源62以外の定電圧電源61、63に接続されている)外部装置3A、3Cへの電力供給は、正常に行われる。
【0317】
また、上記#26において|Vo2+Vo3−VS2|<εでなければ(#26でNO)、接続制御部31は、接続スイッチ9−2Dをオフ状態にすると共に(#27)、接続スイッチ9−2Bをオン状態にする(#28)。そして、接続制御部31は、|Vo3−VS3|<ε(電位VS3と、設定電圧値Vo3との差の絶対値が、所定値ε未満)であるか否かを判定する(#29)。
【0318】
ここで、|V3o−VS3|<εであれば(#29でYES)、接続制御部31は、定電圧電源62に接続されている外部装置3Dが、電位不整合状態の原因となっている外部装置であると判定して、この状態を維持する。これにより、外部装置3Dと、外部装置3Dが接続されている定電圧電源62との接続が断たれて、電位不整合状態の原因となっている外部装置3Dへの電力供給が遮断される。また、電位不整合状態の原因となっていない(定電圧電源との接続が断たれていない)外部装置3A、3B、3Cへの電力供給は、正常に行われる。
【0319】
なお、#27又は#28において、バイパススイッチ9−2Eをオン状態にしてもよい。この場合には、#29でYESであれば、定電圧電源62に接続されている外部装置3Bと外部装置3Dのいずれかが、電位不整合状態の原因となっている外部装置であると判定して、この状態を維持する。これにより、外部装置3B、3Dが接続されている定電圧電源62の出力が短絡されて(定電圧電源62がバイパスされて)、電位不整合状態の原因となっている可能性のある外部装置3B、3Dへの電力供給が遮断される。また、電位不整合状態の原因となっていない(外部装置3B、3Dが接続されている定電圧電源62以外の定電圧電源61、63に接続されている)外部装置3A、3Cへの電力供給は、正常に行われる。
【0320】
また、上記#29において|Vo3−VS3|<εでなければ(#29でNO)、接続制御部31は、定電圧電源63に接続されている外部装置3Cが、電位不整合状態の原因となっている外部装置であると判定する。そして、接続制御部31は、バイパススイッチ91−3Eをオンにして(#30)、この状態を維持する。これにより、外部装置3Cが接続されている定電圧電源63の出力が短絡されて(定電圧電源63がバイパスされて)、電位不整合状態の原因となっている外部装置3Cへの電力供給が遮断される。また、電位不整合状態の原因となっていない(外部装置3Cが接続されている定電圧電源63以外の定電圧電源61、62に接続されている)外部装置3A、3B、3Dへの電力供給は、正常に行われる。
【0321】
なお、#30において、接続スイッチ9−3Cをオフ状態にしてもよい。これにより、外部装置3Cと、外部装置3Cが接続されている定電圧電源63との接続が断たれて、電位不整合状態の原因となっている外部装置3Cへの電力供給が遮断される。また、電位不整合状態の原因となっていない(定電圧電源との接続が断たれていない)外部装置3A、3B、3Dへの電力供給は、正常に行われる。
【0322】
接続制御部31は、このようにして、電位不整合状態の原因となっている定電圧電源を割り出して、その定電圧電源に接続されている外部装置への電力供給を遮断する。なお、外部装置3A〜3Dと定電圧電源61〜63との接続形態が他の場合でも、接続制御部31は、同様にして、電位不整合状態の原因となっている定電圧電源を割り出して、その定電圧電源に接続されている外部装置への電力供給を遮断する。
【0323】
本実施形態の電源システム1によれば、電位不整合状態が発生した場合、電位不整合状態の原因となっている外部装置への電力供給が遮断されることにより、安全を確保できる。また、電位不整合状態が発生しても、電位不整合状態の原因となっていない外部装置は、正常に動作し得る。
【0324】
なお、本実施形態において、接続制御部31は、電位不整合状態を検出したときに、全ての外部装置3A〜3Dへの電力供給を遮断するように、接続スイッチ9−1A〜9−1D、9−2A〜9−2D、9−3A〜9−3Dを制御するようにしてもよい。また、接続制御部31は、電位不整合状態を検出したときに、全ての外部装置3A〜3Dへの電力供給を遮断するように、バイパススイッチ91−1E〜91−3Eを制御するようにしてもよい。
【0325】
<第17の実施形態>
図21は、第17の実施形態による電源システムの構成を示す。本実施形態の電源システム1は、上記第14の実施形態における電流検出部41を備えていない。そして、上記第14の実施形態の構成に加え、通信部95を備えている。また、接続制御部31の構成が上記第14の実施形態と異なっている。通信部95及び接続制御部31によって、異常監視手段が構成されている。また、本実施形態の電源システム1では、各接続端子部7は、接続端子7a、7bに加えて、信号用(通信用)端子7cをさらに備えている。また、本実施形態の電源システム1では、接続される対象としている外部装置3の構成が、上記第14の実施形態と異なっている。本実施形態における他の構成については、上記第14の実施形態と同様である。
【0326】
各外部装置3は、電力を消費する負荷に加えて、外部側通信部を備えている。電源システム1は、外部装置3として、このような構成のものを対象としている。各外部装置3は、負荷が接続端子7a、7b間に接続されることに加えて、外部側通信部が信号用端子7cに接続されるように、接続端子部7に接続される。
【0327】
通信部95は、接続端子部7A〜7Dに接続される(定電圧電源61〜63に接続される)外部装置3A〜3Dとの間で双方向通信を行うようになっている。すなわち、通信部95は、接続端子部7Aの信号用端子7cを介して、接続端子部7Aに接続される外部装置3Aとの間で双方向通信を行う。また、通信部95は、接続端子部7Bの信号用端子7cを介して、接続端子部7Bに接続される外部装置3Bとの間で双方向通信を行う。また、通信部95は、接続端子部7Cの信号用端子7cを介して、接続端子部7Cに接続される外部装置3Cとの間で双方向通信を行う。また、通信部95は、接続端子部7Dの信号用端子7cを介して、接続端子部7Dに接続される外部装置3Cとの間で双方向通信を行う。
【0328】
各外部装置3A〜3Dは、異常診断機能を有しており、異常診断結果を示す異常診断情報を、各外部装置3A〜3Dの外部側通信部から信号用端子7cを介して電源システム1の通信部95に送信する。
【0329】
接続制御部31は、接続スイッチ9−1A〜9−1D、9−2A〜9−2D、9−3A〜9−3D、及びバイパススイッチ91−1E〜91−3Eを制御する。また、接続制御部31は、通信部95により外部装置3A〜3Dから受信した異常診断情報に基いて、外部装置3A〜3Dの異常を検出する。
【0330】
接続制御部31は、上記第14の実施形態と同様に、所定の接続形態で接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63とを接続するように、接続スイッチ9−1A〜9−1D、9−2A〜9−2D、9−3A〜9−3Dを制御する。
【0331】
また、接続制御部31は、常時、通信部95により外部装置3A〜3Dから受信した異常診断情報に基いて、外部装置3A〜3Dの異常を検出する。
【0332】
接続制御部31は、外部装置3A〜3Dの異常を検出していないときには、上述のように、所定の接続形態で接続端子部7A〜7Dと定電圧電源61〜63とを接続するように、各接続スイッチ9を制御している。また、接続制御部31は、外部装置3A〜3Dの異常を検出していないときには、バイパススイッチ91−1E〜91−3Eをオフ状態にしている。従って、接続制御部31が外部装置3A〜3Dの異常を検出していないときには、定電圧電源61〜63から、定電圧電源61〜63と接続されている接続端子部7A〜7Dに接続されている外部装置に、電力が供給される。
【0333】
そして、接続制御部31は、外部装置3A〜3Dの異常を検出したときに、異常のある外部装置への電力供給を遮断するように、接続スイッチ9−1A〜9−1D、9−2A〜9−2D、9−3A〜9−3Dを制御する。又は、異常のある外部装置が接続されている接続端子部に接続されている定電圧電源をバイパスするように、バイパススイッチ91−1E〜91−3Eを制御する。
【0334】
すなわち、接続制御部31は、外部装置3A〜3Dの異常を検出したときに、異常診断情報に基いて、異常のある外部装置を割り出す。そして、接続制御部31は、その割り出した外部装置への電力供給を遮断するように、接続スイッチ9−1A〜9−1D、9−2A〜9−2D、9−3A〜9−3Dを制御する。又は、その割り出した外部装置が接続されている接続端子部に接続されている定電圧電源をバイパスするように、バイパススイッチ91−1E〜91−3Eを制御する。
【0335】
つまり、接続制御部31は、割り出した外部装置が接続されている定電圧電源と、割り出した外部装置とを接続しているスイッチをオフにする。これにより、割り出した外部装置と、割り出した外部装置が接続されている定電圧電源との接続が断たれて、異常のある外部装置への電力供給が遮断される。このとき、異常のない(定電圧電源との接続が断たれていない)外部装置への電力供給は、正常に行われる。
【0336】
又は、接続制御部31は、割り出した外部装置が接続されている定電圧電源に対応するバイパススイッチをオン状態にする。これにより、割り出した外部装置が接続されている定電圧電源の出力が短絡されて(バイパスされて)、異常のある外部装置への電力供給が遮断される。このとき、異常のある外部装置が接続されている定電圧電源に接続されている他の外部装置への電力供給も遮断される。また、異常のない(異常のある外部装置が接続されている定電圧電源以外の定電圧電源に接続されている)外部装置への電力供給は、正常に行われる。
【0337】
本実施形態の電源システム1によれば、外部装置3A〜3Dのいずれかに異常が発生した場合、異常の発生した外部装置への電力供給が遮断されることにより、安全を確保できる。また、外部装置3A〜3Dのいずれかに異常が発生しても、異常の発生していない外部装置は、正常に動作し得る。
【0338】
また、電源システム1と外部装置3との間で双方向通信を行うことによって、外部装置3の異常診断機能自身や異常診断情報を伝達する手段を含めて、各種の異常の有無を確認することができる。また、電源システム1内の過電流検出機能では検出し得ない外部装置3に特有の問題に対しても、安全対策がとれる。
【0339】
なお、本実施形態において、接続制御部31は、異常を検出したときに、全ての外部装置3A〜3Dへの電力供給を遮断するように、接続スイッチ9−1A〜9−1D、9−2A〜9−2D、9−3A〜9−3Dを制御するようにしてもよい。また、接続制御部31は、異常を検出したときに、全ての外部装置3A〜3Dへの電力供給を遮断するように、バイパススイッチ91−1E〜91−3Eを制御するようにしてもよい。
【0340】
また、本実施形態において、外部装置3から、異常診断情報の他に、各種データを送信するようにして、接続制御部31は、外部装置3から送信される各種データに基いて、システム電流Isの電流値の制御やその他の各種制御を行うようにしてもよい。接続制御部31は、外部装置3の各種設定情報を双方向通信によって取り込んで、その取り込んだ外部装置3の各種設定情報を利用するようにしてもよい。また、双方向通信は、光や無線などでもよい。
【符号の説明】
【0341】
1 電源システム
2 直流電源
3、3A、3B、3C、3D 外部装置
3o コネクタ
4 入力部
4a、4b 入力端子
5 接続部
6、61、62、63 定電圧電源
6a、6b 入力ライン
6c、6d 出力ライン
6s 可変シャント電流経路
6t 可変定電流回路
6u 可変電流経路
6w 可変抵抗器
7、7A、7B、7C、7D、7E、7F、
7G、7H、7I、7J、7K、7L 接続端子部
7a、7b 接続端子
7c 信号用端子
8 電源接続部
9−1A、9−1B、9−1C、9−1D、
9−2A、9−2B、9−2C、9−2D、
9−3A、9−3B、9−3C、9−3D 接続スイッチ
10 筐体
10a 筐体の側面
20 表示部
21、22、23 インジケータ
25 ランプ
31 接続制御部
32、32A、32B、32C、32D スライド抵抗
33 レジスタ
41、41−1A、41−1B、41−1C、41−1D、
41−2A、41−2B、41−2C、41−2D、
41−3A、41−3B、41−3C、41−3D 電流検出部
42、42−1、42−2、42−3 電流検出部
43 電流検出部
50 電源制御部
51 システム電流制御部
52 制御回路部
53 システム電流制御部
54 カウンタ
55 タイマ回路
56 制御回路部
71 MOSFET
72 抵抗
73 電圧制御部
81 MOSFET
82 抵抗
83、83−1、83−2、81−3 電圧制御部
91、91−1E、91−2E、91−3E バイパススイッチ
92 監視部
95 通信部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の電圧の直流電源が接続される入力部と、
複数の外部装置が接続される接続部と、
前記複数の外部装置に電力を供給するための少なくとも2つ以上の定電圧電源と、を備え、
前記少なくとも2つ以上の定電圧電源は、前記入力部の入力端子間に直列に接続されており、
前記接続部は、前記複数の外部装置の各外部装置を前記少なくとも2つ以上の定電圧電源のいずれの定電圧電源に接続するかを選択可能に構成されている、
ことを特徴とする電源システム。
【請求項2】
前記少なくとも2つ以上の定電圧電源の出力電流の電流値の大小関係を表示する表示手段をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の電源システム。
【請求項3】
前記接続部は、前記外部装置が接続される複数の接続端子部と、前記接続端子部と前記定電圧電源とを接続する電源接続部とを有し、
前記電源接続部は、前記複数の接続端子部の各接続端子部を前記少なくとも2つ以上の定電圧電源のいずれの定電圧電源に接続するかを選択可能に構成されており、
前記電源接続部における前記接続端子部と前記定電圧電源との接続を制御する接続制御部をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電源システム。
【請求項4】
前記接続制御部は、前記外部装置に供給すべき電圧又は電流に関する情報である設定情報に基いて、前記複数の接続端子部の各接続端子部を前記少なくとも2つ以上の定電圧電源のいずれの定電圧電源に接続するかを決定して、該決定したように前記接続端子部と前記定電圧電源とを接続するように、前記電源接続部における前記接続端子部と前記定電圧電源との接続を制御する、
ことを特徴とする請求項3に記載の電源システム。
【請求項5】
前記設定情報の少なくとも一部がプログラマブルとなっている、
ことを特徴とする請求項4に記載の電源システム。
【請求項6】
前記設定情報は、前記外部装置から伝えられる、
ことを特徴とする請求項4に記載の電源システム。
【請求項7】
前記接続制御部は、前記設定情報として、前記外部装置に供給すべき電圧に関する情報である電圧設定情報に基いて、前記複数の接続端子部の各接続端子部を前記少なくとも2つ以上の定電圧電源のいずれの定電圧電源に接続するかを決定して、該決定したように前記接続端子部と前記定電圧電源とを接続するように、前記電源接続部における前記接続端子部と前記定電圧電源との接続を制御する、
ことを特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれか一項に記載の電源システム。
【請求項8】
前記接続制御部は、前記設定情報として、前記外部装置に供給すべき電流に関する情報である電流設定情報に基いて、前記複数の接続端子部の各接続端子部を前記少なくとも2つ以上の定電圧電源のいずれの定電圧電源に接続するかを決定して、該決定したように前記接続端子部と前記定電圧電源とを接続するように、前記電源接続部における前記接続端子部と前記定電圧電源との接続を制御する、
ことを特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれか一項に記載の電源システム。
【請求項9】
前記接続端子部に流れる電流の電流値を検出する電流検出部をさらに備え、
前記接続制御部は、前記電流検出部により検出された電流値に基いて、前記複数の接続端子部の各接続端子部を前記少なくとも2つ以上の定電圧電源のいずれの定電圧電源に接続するかを決定して、該決定したように前記接続端子部と前記定電圧電源とを接続するように、前記電源接続部における前記接続端子部と前記定電圧電源との接続を制御する、
ことを特徴とする請求項3に記載の電源システム。
【請求項10】
前記定電圧電源の出力電流の電流値を検出する電流検出部をさらに備え、
前記接続制御部は、前記電流検出部により検出された電流値に基いて、前記複数の接続端子部の各接続端子部を前記少なくとも2つ以上の定電圧電源のいずれの定電圧電源に接続するかを決定して、該決定したように前記接続端子部と前記定電圧電源とを接続するように、前記電源接続部における前記接続端子部と前記定電圧電源との接続を制御する、
ことを特徴とする請求項3に記載の電源システム。
【請求項11】
前記入力部から前記定電圧電源に流れるシステム電流の電流値を検出する電流検出部をさらに備え、
前記接続制御部は、前記電流検出部により検出された電流値に基いて、前記複数の接続端子部の各接続端子部を前記少なくとも2つ以上の定電圧電源のいずれの定電圧電源に接続するかを決定して、該決定したように前記接続端子部と前記定電圧電源とを接続するように、前記電源接続部における前記接続端子部と前記定電圧電源との接続を制御する、
ことを特徴とする請求項3に記載の電源システム。
【請求項12】
前記接続制御部は、前記入力部から前記定電圧電源に流れるシステム電流の電流値を最小にすることができるように、前記複数の接続端子部の各接続端子部を前記少なくとも2つ以上の定電圧電源のいずれの定電圧電源に接続するかを決定して、該決定したように前記接続端子部と前記定電圧電源とを接続するように、前記電源接続部における前記接続端子部と前記定電圧電源との接続を制御する、
ことを特徴とする請求項4乃至請求項11のいずれか一項に記載の電源システム。
【請求項13】
前記定電圧電源の出力電圧又は前記入力部から前記定電圧電源に流れるシステム電流を制御する電源制御部をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれか一項に記載の電源システム。
【請求項14】
前記電源制御部は、前記入力部から前記定電圧電源に流れるシステム電流の電流値を、前記少なくとも2つ以上の定電圧電源のうちの少なくとも1つの定電圧電源の安定動作に必要最小限の電流値となるように制御する、
ことを特徴とする請求項13に記載の電源システム。
【請求項15】
前記電源制御部は、前記定電圧電源と直列に接続される、前記システム電流を制御するシステム電流制御部を有し、
前記定電圧電源は、シャントレギュレータである、
ことを特徴とする請求項14に記載の電源システム。
【請求項16】
前記定電圧電源は、シリーズレギュレータであり、
前記定電圧電源と並列に可変シャント電流経路を有し、
前記電源制御部は、前記可変シャント電流経路に流れるシャント電流の電流値を制御する、
ことを特徴とする請求項14に記載の電源システム。
【請求項17】
前記定電圧電源は、シリーズレギュレータであり、
前記定電圧電源の出力端子間に可変電流経路を有し、
前記電源制御部は、前記可変電流経路に流れる電流の電流値を制御する、
ことを特徴とする請求項14に記載の電源システム。
【請求項18】
前記電源制御部は、前記定電圧電源の出力電圧が所定の電圧値以下になるか、又は、前記定電圧電源の出力電流が所定の電流値以下になると、前記システム電流を増加させるように制御する、
ことを特徴とする請求項13乃至請求項17のいずれか一項に記載の電源システム。
【請求項19】
前記電源制御部は、前記定電圧電源の出力電圧が所定の電圧値以下でない場合、又は、前記定電圧電源の出力電流が所定の電流値以下でない場合には、前記システム電流を減少させるように制御する、
ことを特徴とする請求項18に記載の電源システム。
【請求項20】
前記電源制御部は、前記システム電流の電流値を、前記少なくとも2つ以上の定電圧電源のうちの少なくとも1つの定電圧電源の出力電圧が所定の電圧値となるように、又は、前記少なくとも2つ以上の定電圧電源のうちの少なくとも1つの定電圧電源のシャント電流が所定の電流値となるように負帰還制御する、
ことを特徴とする請求項13乃至請求項17のいずれか一項に記載の電源システム。
【請求項21】
前記電源制御部は、前記システム電流の電流値を、前記少なくとも2つ以上の定電圧電源の全ての定電圧電源の安定動作に必要最小限の電流値となるように制御する、
ことを特徴とする請求項13乃至請求項17のいずれか一項に記載の電源システム。
【請求項22】
前記電源制御部は、前記外部装置に供給すべき電圧に関する情報である電圧設定情報に基いて、前記定電圧電源の出力電圧又は出力電流を制御する、
ことを特徴とする請求項13に記載の電源システム。
【請求項23】
前記接続端子部に接続されている外部装置への電力の供給を遮断又は制限する電力供給遮断制限手段をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項22のいずれか一項に記載の電源システム。
【請求項24】
前記定電圧電源をバイパスするバイパス手段をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項22のいずれか一項に記載の電源システム。
【請求項25】
前記接続端子部の接続端子間電圧、又は前記接続端子部に流れる電流を監視することにより過負荷を検出する回路監視手段をさらに備え、
前記回路監視手段は、過負荷を検出したときに、
過負荷の原因となっている外部装置への電力供給を遮断又は制限するように、前記電力供給遮断制限手段を制御し、
又は、過負荷の原因となっている外部装置が接続されている接続端子部に接続されている定電圧電源をバイパスするように、前記バイパス手段を制御する、
ことを特徴とする請求項23又は請求項24に記載の電源システム。
【請求項26】
前記少なくとも2つ以上の定電圧電源の全ての定電圧電源の出力電圧の合計電圧又は前記システム電流を監視することにより過負荷を検出するシステム監視手段をさらに備え、
前記システム監視手段は、過負荷を検出したときに、
全ての外部装置への電力供給を遮断又は制限するように、前記電力供給遮断制限手段を制御し、
又は、全ての定電圧電源をバイパスするように、前記バイパス手段を制御する、
ことを特徴とする請求項23又は請求項24に記載の電源システム。
【請求項27】
前記少なくとも2つ以上の定電圧電源の全ての定電圧電源の出力電圧の合計電圧又は前記システム電流を監視することにより過負荷を検出するシステム監視手段をさらに備え、
前記システム監視手段は、過負荷を検出したときに、
所定のルーチンに基いて、過負荷の原因となっている外部装置を割り出し、
前記割り出した外部装置への電力供給を遮断又は制限するように、前記電力供給遮断制限手段を制御し、
又は、前記割り出した外部装置が接続されている接続端子部に接続されている定電圧電源をバイパスするように、前記バイパス手段を制御する、
ことを特徴とする請求項23又は請求項24に記載の電源システム。
【請求項28】
前記少なくとも2つ以上の定電圧電源のうちの任意の1つの定電圧電源について、その定電圧電源の接続点における本電源システムの最低電位を基準とした電位の値が、その定電圧電源を含んでそれより電位の低い側に接続されている各定電圧電源の出力電圧設定情報の示す設定電圧値の和に対して、所定値以上の差がある電位不整合状態か否かを検出する電位監視手段をさらに備え、
前記電位監視手段は、電位不整合状態を検出したときに、
電位不整合状態の原因となっている外部装置への電力供給を遮断又は制限するように、前記電力供給遮断制限手段を制御し、
又は、電位不整合状態の原因となっている外部装置が接続されている接続端子部に接続されている定電圧電源をバイパスするように、前記バイパス手段を制御する、
ことを特徴とする請求項23又は請求項24に記載の電源システム。
【請求項29】
前記電位監視手段は、
所定のルーチンに基いて、前記電位不整合状態の原因となっている外部装置を割り出し、
前記割り出した外部装置への電力供給を遮断又は制限するように、前記電力供給遮断制限手段を制御し、
又は、前記割り出した外部装置が接続されている接続端子部に接続されている定電圧電源をバイパスするように、前記バイパス手段を制御する、
ことを特徴とする請求項28に記載の電源システム。
【請求項30】
前記接続端子部に接続される外部装置からの異常診断情報に基いて、前記定電圧電源、又は前記接続端子部に接続される外部装置の異常を検出する異常監視手段をさらに備え、
前記異常監視手段は、異常を検出したときに、
前記異常診断情報に基いて、異常のある外部装置を割り出し、
前記割り出した外部装置への電力供給を遮断又は制限するように、前記電力供給遮断制限手段を制御し、
又は、前記割り出した外部装置が接続されている接続端子部に接続されている定電圧電源をバイパスするように、前記バイパス手段を制御する、
ことを特徴とする請求項23又は請求項24に記載の電源システム。
【請求項31】
前記接続端子部に接続される外部装置との間で双方向通信を行う通信部をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項30のいずれか一項に記載の電源システム。
【請求項32】
前記定電圧電源は、シャントレギュレータであり、該シャントレギュレータとして、ツェナーダイオードが使用されている、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項31のいずれか一項に記載の電源システム。
【請求項1】
所定の電圧の直流電源が接続される入力部と、
複数の外部装置が接続される接続部と、
前記複数の外部装置に電力を供給するための少なくとも2つ以上の定電圧電源と、を備え、
前記少なくとも2つ以上の定電圧電源は、前記入力部の入力端子間に直列に接続されており、
前記接続部は、前記複数の外部装置の各外部装置を前記少なくとも2つ以上の定電圧電源のいずれの定電圧電源に接続するかを選択可能に構成されている、
ことを特徴とする電源システム。
【請求項2】
前記少なくとも2つ以上の定電圧電源の出力電流の電流値の大小関係を表示する表示手段をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の電源システム。
【請求項3】
前記接続部は、前記外部装置が接続される複数の接続端子部と、前記接続端子部と前記定電圧電源とを接続する電源接続部とを有し、
前記電源接続部は、前記複数の接続端子部の各接続端子部を前記少なくとも2つ以上の定電圧電源のいずれの定電圧電源に接続するかを選択可能に構成されており、
前記電源接続部における前記接続端子部と前記定電圧電源との接続を制御する接続制御部をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電源システム。
【請求項4】
前記接続制御部は、前記外部装置に供給すべき電圧又は電流に関する情報である設定情報に基いて、前記複数の接続端子部の各接続端子部を前記少なくとも2つ以上の定電圧電源のいずれの定電圧電源に接続するかを決定して、該決定したように前記接続端子部と前記定電圧電源とを接続するように、前記電源接続部における前記接続端子部と前記定電圧電源との接続を制御する、
ことを特徴とする請求項3に記載の電源システム。
【請求項5】
前記設定情報の少なくとも一部がプログラマブルとなっている、
ことを特徴とする請求項4に記載の電源システム。
【請求項6】
前記設定情報は、前記外部装置から伝えられる、
ことを特徴とする請求項4に記載の電源システム。
【請求項7】
前記接続制御部は、前記設定情報として、前記外部装置に供給すべき電圧に関する情報である電圧設定情報に基いて、前記複数の接続端子部の各接続端子部を前記少なくとも2つ以上の定電圧電源のいずれの定電圧電源に接続するかを決定して、該決定したように前記接続端子部と前記定電圧電源とを接続するように、前記電源接続部における前記接続端子部と前記定電圧電源との接続を制御する、
ことを特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれか一項に記載の電源システム。
【請求項8】
前記接続制御部は、前記設定情報として、前記外部装置に供給すべき電流に関する情報である電流設定情報に基いて、前記複数の接続端子部の各接続端子部を前記少なくとも2つ以上の定電圧電源のいずれの定電圧電源に接続するかを決定して、該決定したように前記接続端子部と前記定電圧電源とを接続するように、前記電源接続部における前記接続端子部と前記定電圧電源との接続を制御する、
ことを特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれか一項に記載の電源システム。
【請求項9】
前記接続端子部に流れる電流の電流値を検出する電流検出部をさらに備え、
前記接続制御部は、前記電流検出部により検出された電流値に基いて、前記複数の接続端子部の各接続端子部を前記少なくとも2つ以上の定電圧電源のいずれの定電圧電源に接続するかを決定して、該決定したように前記接続端子部と前記定電圧電源とを接続するように、前記電源接続部における前記接続端子部と前記定電圧電源との接続を制御する、
ことを特徴とする請求項3に記載の電源システム。
【請求項10】
前記定電圧電源の出力電流の電流値を検出する電流検出部をさらに備え、
前記接続制御部は、前記電流検出部により検出された電流値に基いて、前記複数の接続端子部の各接続端子部を前記少なくとも2つ以上の定電圧電源のいずれの定電圧電源に接続するかを決定して、該決定したように前記接続端子部と前記定電圧電源とを接続するように、前記電源接続部における前記接続端子部と前記定電圧電源との接続を制御する、
ことを特徴とする請求項3に記載の電源システム。
【請求項11】
前記入力部から前記定電圧電源に流れるシステム電流の電流値を検出する電流検出部をさらに備え、
前記接続制御部は、前記電流検出部により検出された電流値に基いて、前記複数の接続端子部の各接続端子部を前記少なくとも2つ以上の定電圧電源のいずれの定電圧電源に接続するかを決定して、該決定したように前記接続端子部と前記定電圧電源とを接続するように、前記電源接続部における前記接続端子部と前記定電圧電源との接続を制御する、
ことを特徴とする請求項3に記載の電源システム。
【請求項12】
前記接続制御部は、前記入力部から前記定電圧電源に流れるシステム電流の電流値を最小にすることができるように、前記複数の接続端子部の各接続端子部を前記少なくとも2つ以上の定電圧電源のいずれの定電圧電源に接続するかを決定して、該決定したように前記接続端子部と前記定電圧電源とを接続するように、前記電源接続部における前記接続端子部と前記定電圧電源との接続を制御する、
ことを特徴とする請求項4乃至請求項11のいずれか一項に記載の電源システム。
【請求項13】
前記定電圧電源の出力電圧又は前記入力部から前記定電圧電源に流れるシステム電流を制御する電源制御部をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれか一項に記載の電源システム。
【請求項14】
前記電源制御部は、前記入力部から前記定電圧電源に流れるシステム電流の電流値を、前記少なくとも2つ以上の定電圧電源のうちの少なくとも1つの定電圧電源の安定動作に必要最小限の電流値となるように制御する、
ことを特徴とする請求項13に記載の電源システム。
【請求項15】
前記電源制御部は、前記定電圧電源と直列に接続される、前記システム電流を制御するシステム電流制御部を有し、
前記定電圧電源は、シャントレギュレータである、
ことを特徴とする請求項14に記載の電源システム。
【請求項16】
前記定電圧電源は、シリーズレギュレータであり、
前記定電圧電源と並列に可変シャント電流経路を有し、
前記電源制御部は、前記可変シャント電流経路に流れるシャント電流の電流値を制御する、
ことを特徴とする請求項14に記載の電源システム。
【請求項17】
前記定電圧電源は、シリーズレギュレータであり、
前記定電圧電源の出力端子間に可変電流経路を有し、
前記電源制御部は、前記可変電流経路に流れる電流の電流値を制御する、
ことを特徴とする請求項14に記載の電源システム。
【請求項18】
前記電源制御部は、前記定電圧電源の出力電圧が所定の電圧値以下になるか、又は、前記定電圧電源の出力電流が所定の電流値以下になると、前記システム電流を増加させるように制御する、
ことを特徴とする請求項13乃至請求項17のいずれか一項に記載の電源システム。
【請求項19】
前記電源制御部は、前記定電圧電源の出力電圧が所定の電圧値以下でない場合、又は、前記定電圧電源の出力電流が所定の電流値以下でない場合には、前記システム電流を減少させるように制御する、
ことを特徴とする請求項18に記載の電源システム。
【請求項20】
前記電源制御部は、前記システム電流の電流値を、前記少なくとも2つ以上の定電圧電源のうちの少なくとも1つの定電圧電源の出力電圧が所定の電圧値となるように、又は、前記少なくとも2つ以上の定電圧電源のうちの少なくとも1つの定電圧電源のシャント電流が所定の電流値となるように負帰還制御する、
ことを特徴とする請求項13乃至請求項17のいずれか一項に記載の電源システム。
【請求項21】
前記電源制御部は、前記システム電流の電流値を、前記少なくとも2つ以上の定電圧電源の全ての定電圧電源の安定動作に必要最小限の電流値となるように制御する、
ことを特徴とする請求項13乃至請求項17のいずれか一項に記載の電源システム。
【請求項22】
前記電源制御部は、前記外部装置に供給すべき電圧に関する情報である電圧設定情報に基いて、前記定電圧電源の出力電圧又は出力電流を制御する、
ことを特徴とする請求項13に記載の電源システム。
【請求項23】
前記接続端子部に接続されている外部装置への電力の供給を遮断又は制限する電力供給遮断制限手段をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項22のいずれか一項に記載の電源システム。
【請求項24】
前記定電圧電源をバイパスするバイパス手段をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項22のいずれか一項に記載の電源システム。
【請求項25】
前記接続端子部の接続端子間電圧、又は前記接続端子部に流れる電流を監視することにより過負荷を検出する回路監視手段をさらに備え、
前記回路監視手段は、過負荷を検出したときに、
過負荷の原因となっている外部装置への電力供給を遮断又は制限するように、前記電力供給遮断制限手段を制御し、
又は、過負荷の原因となっている外部装置が接続されている接続端子部に接続されている定電圧電源をバイパスするように、前記バイパス手段を制御する、
ことを特徴とする請求項23又は請求項24に記載の電源システム。
【請求項26】
前記少なくとも2つ以上の定電圧電源の全ての定電圧電源の出力電圧の合計電圧又は前記システム電流を監視することにより過負荷を検出するシステム監視手段をさらに備え、
前記システム監視手段は、過負荷を検出したときに、
全ての外部装置への電力供給を遮断又は制限するように、前記電力供給遮断制限手段を制御し、
又は、全ての定電圧電源をバイパスするように、前記バイパス手段を制御する、
ことを特徴とする請求項23又は請求項24に記載の電源システム。
【請求項27】
前記少なくとも2つ以上の定電圧電源の全ての定電圧電源の出力電圧の合計電圧又は前記システム電流を監視することにより過負荷を検出するシステム監視手段をさらに備え、
前記システム監視手段は、過負荷を検出したときに、
所定のルーチンに基いて、過負荷の原因となっている外部装置を割り出し、
前記割り出した外部装置への電力供給を遮断又は制限するように、前記電力供給遮断制限手段を制御し、
又は、前記割り出した外部装置が接続されている接続端子部に接続されている定電圧電源をバイパスするように、前記バイパス手段を制御する、
ことを特徴とする請求項23又は請求項24に記載の電源システム。
【請求項28】
前記少なくとも2つ以上の定電圧電源のうちの任意の1つの定電圧電源について、その定電圧電源の接続点における本電源システムの最低電位を基準とした電位の値が、その定電圧電源を含んでそれより電位の低い側に接続されている各定電圧電源の出力電圧設定情報の示す設定電圧値の和に対して、所定値以上の差がある電位不整合状態か否かを検出する電位監視手段をさらに備え、
前記電位監視手段は、電位不整合状態を検出したときに、
電位不整合状態の原因となっている外部装置への電力供給を遮断又は制限するように、前記電力供給遮断制限手段を制御し、
又は、電位不整合状態の原因となっている外部装置が接続されている接続端子部に接続されている定電圧電源をバイパスするように、前記バイパス手段を制御する、
ことを特徴とする請求項23又は請求項24に記載の電源システム。
【請求項29】
前記電位監視手段は、
所定のルーチンに基いて、前記電位不整合状態の原因となっている外部装置を割り出し、
前記割り出した外部装置への電力供給を遮断又は制限するように、前記電力供給遮断制限手段を制御し、
又は、前記割り出した外部装置が接続されている接続端子部に接続されている定電圧電源をバイパスするように、前記バイパス手段を制御する、
ことを特徴とする請求項28に記載の電源システム。
【請求項30】
前記接続端子部に接続される外部装置からの異常診断情報に基いて、前記定電圧電源、又は前記接続端子部に接続される外部装置の異常を検出する異常監視手段をさらに備え、
前記異常監視手段は、異常を検出したときに、
前記異常診断情報に基いて、異常のある外部装置を割り出し、
前記割り出した外部装置への電力供給を遮断又は制限するように、前記電力供給遮断制限手段を制御し、
又は、前記割り出した外部装置が接続されている接続端子部に接続されている定電圧電源をバイパスするように、前記バイパス手段を制御する、
ことを特徴とする請求項23又は請求項24に記載の電源システム。
【請求項31】
前記接続端子部に接続される外部装置との間で双方向通信を行う通信部をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項30のいずれか一項に記載の電源システム。
【請求項32】
前記定電圧電源は、シャントレギュレータであり、該シャントレギュレータとして、ツェナーダイオードが使用されている、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項31のいずれか一項に記載の電源システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
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【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2012−60693(P2012−60693A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−198301(P2010−198301)
【出願日】平成22年9月3日(2010.9.3)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月3日(2010.9.3)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
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