説明

電源制御装置および方法、プログラム、並びに記録再生装置

【課題】 より安全かつ確実に、装置をリパワーさせることができるようにする。
【解決手段】 CPU32は、リパワーのコマンドが受信された場合、リパワー信号をAND回路54に出力する。CPU32は、ドライブ41で撮像データの記録または再生中ではないか、かつ、バージョンアップなどのための新しいプログラムの更新中(インストール中)ではないかを判定し、撮像装置1の電源をオフしてもよい状態である場合には、電源オフ可能信号をAND回路54に出力する。電源供給部31では、AND回路54によって、リパワー信号と電源オフ可能信号がともに供給された場合のみ電源の供給がオフされる。本発明は、例えば、更新プログラムを有効にするためにリパワーが必要なデバイスを有する情報処理装置に適用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源制御装置および方法、プログラム、並びに記録再生装置に関し、特に、より安全かつ確実に、装置をリパワーさせることができる電源制御装置および方法、プログラム、並びに記録再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プログラムに従って所定の処理を実行させるデバイスがある。そのようなデバイスの一例は、CPU(Central Processing Unit)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Alley)などである。
【0003】
また、フラッシュメモリ上のプログラム(ファームウエア)を確実に書き換えるための技術が、例えば、特許文献1などで提案されている。
【0004】
デバイスが実行するプログラムが更新された場合、更新後のプログラムを反映するためには、装置の電源がオンされた状態のまま再起動(リブート)するだけで良いものもあれば、装置の電源を一旦オフし、オンさせる(リパワーさせる)必要があるものもある。
【0005】
【特許文献1】特開平11−338690号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、装置の電源をオフするためには、装置の電源をオフしてもよい状況かどうかを装置の傍にいるユーザが確認する必要があった。
【0007】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、より安全かつ確実に、装置をリパワーさせることができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一側面の電源制御装置は、装置の電源を所定時間だけオフさせ、その後オンさせるリパワー信号と、前記装置の電源をオフしてもよい状態であることを表すオフ可能信号とを出力する第1の信号出力手段と、前記リパワー信号と、前記オフ可能信号がともに供給された場合に、電源のオフを実行させる電源オフ実行信号を電源供給部に出力する第2の信号出力手段と、前記電源オフ実行信号を前記所定時間だけ保持する保持手段とを備える。
【0009】
前記第1の信号出力手段には、前記装置に記憶されているプログラムの更新中には前記オフ可能信号を出力しないようにさせることができる。
【0010】
前記装置は、データを記録または再生する記録再生装置であり、前記第1の信号出力手段には、前記データの記録または再生中には前記オフ可能信号を出力しないようにさせることができる。
【0011】
前記第1の信号出力手段には、ユーザによって、前記装置の電源を所定時間だけオフさせ、その後オンさせるリパワーの操作が行われた場合に、前記リパワー信号を出力させることができる。
【0012】
前記第1の信号出力手段には、前記装置の電源を所定時間だけオフさせ、その後オンさせるリパワーのコマンドを、ネットワークを介して受信した場合に、前記リパワー信号を出力させることができる。
【0013】
前記装置には、電源がオフオンされることによってのみ、プログラムの更新が反映されるデバイスが含まれるようにすることができる。
【0014】
本発明の一側面の電源制御方法は、装置の電源を所定時間だけオフさせ、その後オンさせるリパワー信号と、前記装置の電源をオフしてもよい状態であることを表すオフ可能信号とを出力し、前記リパワー信号と、前記オフ可能信号がともに受信された場合に、電源のオフを実行させる電源オフ実行信号を電源供給部に出力し、前記電源オフ実行信号を前記所定時間だけ保持するステップを含む。
【0015】
本発明の一側面のプログラムは、装置の電源を所定時間だけオフさせ、その後オンさせるリパワー信号と、前記装置の電源をオフしてもよい状態であることを表すオフ可能信号とを出力し、前記リパワー信号と、前記オフ可能信号がともに受信された場合に、電源のオフを実行させる電源オフ実行信号を電源供給部に出力し、前記電源オフ実行信号を前記所定時間だけ保持するステップを含む処理をコンピュータに実行させる。
【0016】
本発明の一側面の記録再生装置は、前記記録再生装置の電源を所定時間だけオフさせ、その後オンさせるリパワー信号と、前記記録再生装置の電源をオフしてもよい状態であることを表すオフ可能信号とを出力する第1の信号出力手段と、前記リパワー信号と、前記オフ可能信号がともに供給された場合に、電源のオフを実行させる電源オフ実行信号を電源供給部に出力する第2の信号出力手段と、前記電源オフ実行信号を前記所定時間だけ保持する保持手段とを有する電源制御装置を備える。
【0017】
本発明の一側面においては、装置の電源を所定時間だけオフさせ、その後オンさせるリパワー信号と、前記装置の電源をオフしてもよい状態であることを表すオフ可能信号とが出力され、前記リパワー信号と、前記オフ可能信号がともに受信された場合に、電源のオフを実行させる電源オフ実行信号が電源供給部に出力され、前記電源オフ実行信号が前記所定時間だけ保持される。
【0018】
ネットワークとは、少なくとも2つの装置が接続され、ある装置から、他の装置に対して、情報の伝達をできるようにした仕組みをいう。ネットワークを介して通信する装置は、独立した装置どうしであっても良いし、1つの装置を構成している内部ブロックどうしであっても良い。
【発明の効果】
【0019】
本発明の一側面によれば、より安全かつ確実に、装置をリパワーさせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に本発明の実施の形態を説明するが、本発明の構成要件と、明細書又は図面に記載の実施の形態との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、本発明をサポートする実施の形態が、明細書又は図面に記載されていることを確認するためのものである。従って、明細書又は図面中には記載されているが、本発明の構成要件に対応する実施の形態として、ここには記載されていない実施の形態があったとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、実施の形態が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
【0021】
本発明の一側面の電源制御装置(例えば、図2の撮像装置1)は、
装置の電源を所定時間だけオフさせ、その後オンさせるリパワー信号と、前記装置の電源をオフしてもよい状態であることを表すオフ可能信号とを出力する第1の信号出力手段(例えば、図2のCPU32)と、
前記リパワー信号と、前記オフ可能信号がともに供給された場合に、電源のオフを実行させる電源オフ実行信号を電源供給部に出力する第2の信号出力手段(例えば、図2のAND回路54)と、
前記電源オフ実行信号を前記所定時間だけ保持する保持手段(例えば、図2のタイマ回路53)と
を備える。
【0022】
本発明の一側面の電源制御方法またはプログラムは、
装置の電源を所定時間だけオフさせ、その後オンさせるリパワー信号と、前記装置の電源をオフしてもよい状態であることを表すオフ可能信号とを出力し(例えば、図4のステップS12およびS15)、
前記リパワー信号と、前記オフ可能信号がともに受信された場合に、電源のオフを実行させる電源オフ実行信号を電源供給部に出力し(例えば、図4のステップS16)、
前記電源オフ実行信号を前記所定時間だけ保持する(例えば、図4のステップS17)
ステップを含む。
【0023】
以下、図を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0024】
図1は、本発明を適用した記録システムの一実施の形態の構成例を示している。
【0025】
図1の記録システムにおいては、撮像装置1がネットワーク2を介してパーソナルコンピュータ3と接続されている。
【0026】
撮像装置1は、被写体を撮像し、その結果得られる撮像データ(音声信号および画像信号)を、装置内に装着された光ディスク11に記録する。
【0027】
撮像装置1では、被写体を撮像(撮影)する撮像処理や、撮像データを光ディスク11に記録する記録処理などの各種の処理を実行させるプログラムを、遠方にあるパーソナルコンピュータ3からネットワーク2を介して取得し、インストールすることで、バージョンアップ(更新)することができる。
【0028】
パーソナルコンピュータ3は、撮像装置1から遠方に設置されており、撮像装置1のシステムメンテナンス要員、または、撮像装置1のアフターサービス業者のスタッフなどのユーザによって操作されるコンピュータである。パーソナルコンピュータ3は、そこで生成されたプログラム(更新プログラム)を、ネットワーク2を介して撮像装置1に送信する。
【0029】
なお、図1の例では、撮像装置1が撮像データを記録する記録媒体として光ディスクを採用しているが、半導体メモリなどのその他の記録媒体でもよい。
【0030】
図2は、撮像装置1の詳細な構成例を示すブロック図である。
【0031】
撮像装置1は、電源供給部31、CPU(Central Processing Unit)32、CPLD(Complex Programmable Logic Device)33、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)34、RAM(Random Access Memory)35、マイクロホン36、撮像部37、出力部38、操作部39、通信部40、ドライブ41、およびバス42により構成されている。また、電源供給部31は、AC/DCコンバータ51、変圧回路52、タイマ回路53、およびAND回路54を有している。
【0032】
電源供給部31は、外部から供給される交流電源を所定の電圧の直流電源に変換して、CPU32、CPLD33などの撮像装置1内の各ブロックに供給する。
【0033】
即ち、AC/DCコンバータ51は、供給される交流電源を直流電源に変換して、変圧回路52に供給する。なお、AC/DCコンバータ51は、タイマ回路53から、電源のオフを実行させる指令である電源オフ実行信号が供給されている間は、変圧回路52に直流電源を供給しないようになっている。変圧回路52は、供給される直流電源を所定の電圧Vccに変圧し、CPU32、CPLD33などの撮像装置1内の各ブロックに供給する。なお、図1では、電源供給部31から、CPU32とCPLD33を除く各ブロックへの電源の供給を表す線の図示が省略されている。
【0034】
タイマ回路53は、AND回路54から電源オフ実行信号が供給された場合、AC/DCコンバータ51に電源オフ実行信号を出力する。また、タイマ回路53は、電源オフ実行信号の出力を所定時間だけラッチ(保持)する。AND回路54は、撮像装置1の電源を所定時間だけオフさせ、その後オンさせる命令であるリパワー信号と、撮像装置1の電源をオフしてもよい状態であることを表す電源オフ可能信号が、ともにCPU32から供給された場合に、電源オフ実行信号をタイマ回路53に出力する。
【0035】
CPU32は、EEPROM34に記憶されているプログラムに従って各種の処理を実行する。即ち、CPU32は、EEPROM34に記憶されているプログラムに従いバス42を介して撮像部37、通信部40、ドライブ41などに制御信号を供給し、撮像装置1内の各ブロックを制御することにより、撮像処理、符号化処理、記録処理、または再生処理などの各種の処理を実行する。
【0036】
また、CPU32は、操作部39または通信部40から、リパワーのコマンドが供給された場合に、リパワー信号をAND回路54に出力する。さらに、CPU32は、ドライブ41で撮像データの記録または再生中ではないか、バージョンアップなどのために新しいプログラムの更新中(インストール中)ではないか、などを監視し、撮像装置1の電源をオフしてもよい状態である場合には、電源オフ可能信号をAND回路54に出力する。
【0037】
CPLD33は、供給されたプログラム(回路情報)に基づいてロジック回路を構築し、所定の処理を実行する。ここで、CPLD33は、新たに供給されたプログラムを反映させるためには、供給される電源のオフオン(リパワー)が必要なデバイスである。RAM35は、CPU32が実行するのに必要なプログラムやデータなどを適宜記憶する。
【0038】
マイクロホン36は、集音して得られる音声信号を、バス42を介してCPU32等に供給する。撮像部37は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Mental Oxide Semiconductor)等の撮像素子により構成され、被写体を撮像し、その結果得られる画像信号を、バス42を介してCPU32等に供給する。
【0039】
出力部38は、LCD(Liquid Crystal display)などよりなるディスプレイ、スピーカなどで構成され、CPU32またはCPLD33からの指令により、所定の画像をディスプレイに表示したり、音声を出力する。
【0040】
操作部39は、操作ボタンやスイッチなどで構成され、ユーザの操作を受け付け、その操作に対応する操作信号をCPU32に供給する。
【0041】
通信部40は、インターネットやローカルエリアネットワークなどのネットワーク2を介して、外部の装置(例えば、図1のパーソナルコンピュータ3)と通信する。
【0042】
ドライブ41は、装着されている光ディスク11を駆動し、そこに記録されているプログラムやデータを読み出し(再生し)、CPU32などに供給する。また、ドライブ41は、CPU32から供給される撮像データ(マイクロホン36により得られた音声信号および撮像部37により得られた画像信号)を光ディスク11に記録する。
【0043】
以上のように構成される撮像装置1では、ロードされたプログラムを実行するCPU32と、回路情報に基づく所定のロジック回路が構築されているCPLD33により、撮像装置1の動作が制御されている。
【0044】
ユーザがCPLD33のロジック回路を更新(バージョンアップ)したい場合、ユーザは、パーソナルコンピュータ3からネットワーク2を介して更新プログラム(回路情報)を撮像装置1に送信する。CPU32は、通信部40を介して更新プログラムを受信し、CPLD33に供給する。
【0045】
ここで、CPLD33にインストールした更新プログラムを有効にする(反映させる)ために、CPU32は、撮像装置1の電源を一旦オフし、所定時間(例えば、数百msec)経過後にオンさせる(リパワーさせる)。
【0046】
そこで、更新プログラムのインストールと撮像装置1をリパワーさせる処理について、図3および図4のフローチャートを参照して説明する。
【0047】
図3は、パーソナルコンピュータ3から、ネットワーク2を介して撮像装置1のCPLD33で動作させるプログラムを更新するプログラム更新処理のフローチャートを示している。
【0048】
ユーザが、パーソナルコンピュータ3において、CPLD33で動作させるプログラムを撮像装置1に送信する操作を行うと、ステップS1において、パーソナルコンピュータ3は、撮像装置1にアクセスする(認証処理など予め決められた処理を実行し、撮像装置1と接続する)。
【0049】
ステップS2において、パーソナルコンピュータ3は、CPLD33にインストールするプログラム(更新プログラム)を撮像装置1に送信する。また、ステップS2において、撮像装置1のCPU32は、送信されてきたプログラムを、通信部40を介して受信し、CPLD33に供給して、プログラムを更新する。
【0050】
ユーザは、送信した更新プログラムを有効にするため、撮像装置1をリパワーさせる操作をパーソナルコンピュータ3で行う。そして、ステップS3において、パーソナルコンピュータ3が、ユーザの操作に基づいて、リパワーのコマンドを撮像装置1に送信し、プログラム更新処理を終了する。
【0051】
次に、図4のフローチャートを参照して、撮像装置1のリパワー制御処理について説明する。
【0052】
初めに、ステップS11において、CPU32は、リパワーのコマンドを受信したか否かを判定し、リパワーのコマンドを受信したと判定されるまで待機する。
【0053】
そして、ステップS11で、リパワーのコマンドを受信したと判定された場合、ステップS12に進み、CPU32は、リパワー信号をAND回路54に出力して、ステップS13に進む。
【0054】
ステップS13において、CPU32は、ドライブ41で撮像データを記録または再生中ではないかどうかを判定する。ドライブ41で撮像データの記録または再生中であると判定された場合、CPU32は、撮像データの記録または再生(処理)が終了するまで待機する。
【0055】
そして、ステップS13で、ドライブ41で撮像データの記録または再生中ではないと判定された場合、ステップS14に進み、CPU32は、プログラムの更新中ではないかどうかを判定する。ステップS14で、プログラムの更新中であると判定された場合、ステップS13に処理が戻され、ドライブ41で撮像データを記録または再生中ではないかどうかが再度判定される。
【0056】
ステップS14で、プログラムの更新中ではないと判定された場合、即ち、ドライブ41で撮像データを記録または再生中ではなく、かつ、プログラムの更新中でもない場合、ステップS15に進み、CPU32は、電源オフ可能信号をAND回路54に出力して、ステップS16に進む。
【0057】
ステップS16において、AND回路54は、リパワー信号と電源オフ可能信号がともに供給されたので、電源オフ実行信号をタイマ回路53に出力して、ステップS17に進む。
【0058】
ステップS17において、タイマ回路53は、電源オフ実行信号をAC/DCコンバータ51に出力し、その出力を所定時間だけ保持する。これにより、タイマ回路53から電源オフ実行信号が供給されている所定時間だけ、電源供給部31は、CPU32やCPLD33への電源の供給をオフする。その後、電源の供給が再開され、ステップS11の処理に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
【0059】
なお、上述したフローチャートでは、リパワーのコマンドが受信されたかを判定し、リパワーのコマンドが受信された場合にリパワー信号を出力する、ステップS11およびS12の処理と、ドライブ41で撮像データの記録または再生中ではないか、かつ、バージョンアップなどのための新しいプログラムの更新中(インストール中)ではないかを判定し、撮像装置1の電源をオフしてもよい状態である場合には、電源オフ可能信号をAND回路54に出力する、ステップS13乃至S15の処理を順番に行うようにしたが、ステップS13乃至S15の処理を、ステップS11およびS12の処理より先に行うようにしてもよいし、ステップS11およびS12の処理とステップS13乃至S15の処理を並行に行うこともできる。
【0060】
以上のように、電源供給部31では、AND回路54によって、リパワー信号と電源オフ可能信号がともに供給された場合のみ電源の供給がオフされる。換言すれば、電源供給部31には、撮像装置1が電源をオフしてはいけない状態のときには電源をオフできないように保護(ガード)機能が備わっている。
【0061】
これにより、ユーザは、撮像装置1から離れた位置にあるパーソナルコンピュータ3からでも撮像装置1の動作状態を気にすることなく、装置をリパワーさせることができる。即ち、安全かつ確実に、撮像装置1をリパワーさせることができる。さらに、撮像装置1のリパワーが安全かつ確実に実行できることで、装置のリパワー(電源のオフオン)が必要なプログラムのバージョンアップを、撮像装置1の遠隔地からでも容易に行うことができる。
【0062】
なお、上述した例では、パーソナルコンピュータ3からリモートで(リパワーのコマンドを送信することにより)撮像装置1をリパワーさせる例について説明したが、撮像装置1の傍にいる操作者が操作ボタン等を操作して撮像装置1をリパワーする場合であっても保護機能が有効に機能する。
【0063】
即ち、ユーザは、更新プログラム(回路情報)が記録された光ディスク11をドライブ41に装着し、そこから更新プログラムを読み出させ、CPLD33にインストールする。
【0064】
そして、ユーザは、更新プログラムを有効にするため、撮像装置1の操作ボタンを操作して、撮像装置1をリパワーさせる。これにより、操作部39が、リパワーのコマンドをCPU32に出力する。
【0065】
CPU32は、操作部39からのリパワーのコマンドを受信し、AND回路54にリパワー信号を出力する。また、CPU32は、ドライブ41で撮像データの記録または再生中ではないか、かつ、バージョンアップなどのための新しいプログラムの更新中(インストール中)ではないかを監視し、撮像装置1の電源をオフしてもよい状態である場合にのみ、電源オフ可能信号をAND回路54に出力しているので、撮像装置1の電源をオフしてもよい状態となってから、撮像装置1がリパワーされる。
【0066】
従って、撮像装置1の傍にいる操作者は、安全に装置のリパワーが実行できる上、撮像装置1をリパワーする場合に、撮像装置1が電源をオフしてよい状態にあるかどうか確認する必要がないので、操作者の負担を軽減させることができる。
【0067】
上述した例では、撮像して得られる撮像データを記録または再生する撮像装置の例について説明したが、本発明は、撮像(撮影)機能を有しない、外部入力されたデータなどを記録または再生する記録再生装置、記録または再生だけを行う装置などにも適用することができる。
【0068】
本発明は、CPLD以外の、更新プログラムを有効にするためにリパワーが必要なデバイスを有する装置に適用することができるのは勿論、FPGAなどのCPUからの再起動(リブート)処理により更新プログラムを反映させることができるデバイスを有する装置に適用しても良い。
【0069】
なお、本明細書において、フローチャートに記述されたステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0070】
また、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
【0071】
なお、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明を適用した記録システムの一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【図2】撮像装置1の詳細な構成例を示すブロック図である。
【図3】プログラム更新処理について説明するフローチャートである。
【図4】リパワー制御処理について説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0073】
1 撮像装置, 31 電源供給部, 32 CPU, 33 CPLD, 40 通信部, 41 ドライブ, 51 AC/DCコンバータ, 52 変圧回路, 53 タイマ回路, 54 AND回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置の電源を所定時間だけオフさせ、その後オンさせるリパワー信号と、前記装置の電源をオフしてもよい状態であることを表すオフ可能信号とを出力する第1の信号出力手段と、
前記リパワー信号と、前記オフ可能信号がともに供給された場合に、電源のオフを実行させる電源オフ実行信号を電源供給部に出力する第2の信号出力手段と、
前記電源オフ実行信号を前記所定時間だけ保持する保持手段と
を備える電源制御装置。
【請求項2】
前記第1の信号出力手段は、前記装置に記憶されているプログラムの更新中には前記オフ可能信号を出力しない
請求項1に記載の電源制御装置。
【請求項3】
前記装置は、データを記録または再生する記録再生装置であり、
前記第1の信号出力手段は、前記データの記録または再生中には前記オフ可能信号を出力しない
請求項1に記載の電源制御装置。
【請求項4】
前記第1の信号出力手段は、ユーザによって、前記装置の電源を所定時間だけオフさせ、その後オンさせるリパワーの操作が行われた場合に、前記リパワー信号を出力する
請求項1に記載の電源制御装置。
【請求項5】
前記第1の信号出力手段は、前記装置の電源を所定時間だけオフさせ、その後オンさせるリパワーのコマンドを、ネットワークを介して受信した場合に、前記リパワー信号を出力する
請求項1に記載の電源制御装置。
【請求項6】
前記装置には、電源がオフオンされることによってのみ、プログラムの更新が反映されるデバイスが含まれる
請求項1に記載の電源制御装置。
【請求項7】
装置の電源を所定時間だけオフさせ、その後オンさせるリパワー信号と、前記装置の電源をオフしてもよい状態であることを表すオフ可能信号とを出力し、
前記リパワー信号と、前記オフ可能信号がともに受信された場合に、電源のオフを実行させる電源オフ実行信号を電源供給部に出力し、
前記電源オフ実行信号を前記所定時間だけ保持する
ステップを含む電源制御方法。
【請求項8】
装置の電源を所定時間だけオフさせ、その後オンさせるリパワー信号と、前記装置の電源をオフしてもよい状態であることを表すオフ可能信号とを出力し、
前記リパワー信号と、前記オフ可能信号がともに受信された場合に、電源のオフを実行させる電源オフ実行信号を電源供給部に出力し、
前記電源オフ実行信号を前記所定時間だけ保持する
ステップを含む処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項9】
請求項1に記載の電源制御装置
を備える記録再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−72863(P2007−72863A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−260675(P2005−260675)
【出願日】平成17年9月8日(2005.9.8)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】