説明

電源情報送信システム及び電源情報送信装置

【課題】電源情報送信装置及び複数の電子装置の間の通信線を削減することができ、車輌に配されるケーブルの削減を実現できる電源情報送信システム、及びこのシステムを構成する電源情報送信装置を提供する。
【解決手段】車輌の電源に電力線を介して接続された電源情報送信装置10が、電源からの電力を複数の電子装置30へ電力線5bを介して供給すると共に、イグニッションスイッチに係る情報、アクセサリスイッチに係る情報及び電源のバッテリの電圧又は残容量等の情報を取得し、取得した情報を送信回路13が電力線5bに重畳して電子装置30へ送信する。送信回路は送信する情報をASK変調した送信信号を生成して電力線5bに重畳する。また、電源情報送信装置10は、電力線5bに接続された電子装置30の数を検出し、検出結果に応じて送信回路13が送信する信号の振幅調整及び電力線5bのインピーダンス調整を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車輌に搭載されたバッテリ及びオルタネータ等の電源から電子装置への電力供給を行うと共に、バッテリの電圧又は残容量、及び、オルタネータの動作/停止を規定するイグニッションスイッチ又はアクセサリスイッチの状態等の電源に係る情報を電子装置へ送信することができる電源情報送信システム及び電源情報送信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車輌には多数の電子装置が搭載されており、車輌の走行時にはエンジンの回転により発電を行うオルタネータから電子装置へ電力供給が行われ、車輌のエンジン停止時にはバッテリに蓄積された電力が電子装置へ供給される。また近年では、車輌の安全性、利便性及び快適性等を向上させるため、車輌に搭載される電子装置の数は増加している。バッテリ及びオルタネータ等の電源から電子装置への電力供給は車輌に敷設された電力線を介して行われる。
【0003】
また、車輌に搭載された多数の電子装置は、車輌のイグニッションスイッチがオンされてエンジンが稼働している場合にのみ動作するもの、エンジンが停止していてもアクセサリスイッチがオンの場合には動作するもの、アクセサリスイッチがオフの場合であっても動作するもの、バッテリの残容量が低下した場合に動作を停止するものなど、多種多様である。このため、各電子装置にはイグニッションスイッチの状態、アクセサリスイッチの状態、バッテリの電圧又は残容量等の電源に関する情報を与える必要があり、従来はこれらの情報を取得した装置が専用の通信線又は車内LAN(Local Area Network)の通信線等を介して多数の電子装置へ情報を送信していた。
【0004】
特許文献1においては、複数の電装品ユニットに電源ライン及び通信ラインで接続された統合制御ユニットが、バッテリ及びイグニッションキーの状態と、電装品ユニットにあらかじめ設定された電源オン/オフ情報とに応じて、ID(IDentifier)を含む電源オン/オフ信号を通信ラインに出力すると共に、電装品ユニットの通信IC(Integrated Circuit)が、自身のIDを含む電源オン/オフ信号に応じて電装品ユニットの電源オン/オフを行う構成とすることにより、電源ラインのボリュームダウンを図りつつ、電装品ユニットの追加が容易な車載用電源管理装置が提案されている。
【特許文献1】特開2004−280294号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
車輌に搭載される電子装置の増加により、電源と電子装置とを接続する電力線が増加し、電源に関する情報を送信するための通信線が増加している。しかし、車輌中に電力線及び通信線等のケーブルを敷設することができるスペースは限られているため、近年ではこれらのケーブルを削減することが望まれている。特許文献1に記載の車載用電源管理装置は、複数の電装品ユニットと統合制御ユニットとを電源ライン及び通信ラインで接続するものであり、ケーブルの削減を実現することは容易でない。
【0006】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、電源情報送信装置がバッテリ及びオルタネータ等の電源から電子装置への電力供給を行うと共に、電源に関する情報を取得して通信線を介することなく電子装置へ送信する構成とすることによって、通信線を削減し、車輌に搭載されるケーブルの削減を実現することができる電源情報送信システム、及びこのシステムを構成する電源情報送信装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る電源情報送信システムは、車輌に搭載された電源に電力線を介して接続され、前記電源からの電力を他の装置へ電力線を介して供給する電力供給手段、前記電源に係る情報を取得する電源情報取得手段、及び該電源情報取得手段が取得した情報を他の装置へ電力供給する電力線に重畳して送信する送信手段を有する電源情報送信装置と、該電源情報送信装置に電力線を介して接続され、前記電源情報送信装置の送信手段が送信した情報を前記電力線から抽出して受信する受信手段を有し、前記電力供給手段から供給される電力により動作すると共に、前記受信手段が受信した情報に応じて動作する一又は複数の電子装置とを備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る電源情報送信システムは、前記送信手段が、前記情報を振幅偏移変調した信号を電力線に重畳して送信するようにしてあり、前記電源情報送信装置は、電力線を介して接続された電子装置の数を検出する検出手段と、該検出手段が検出した電子装置の数に応じて、前記送信手段が電力線に重畳する信号の振幅を調整する振幅調整手段及び前記送信手段が信号を重畳する電力線のインピーダンスを調整するインピーダンス調整手段とを更に有することを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る電源情報送信システムは、前記送信手段から前記電子装置への送信経路中に配された一の抵抗と、該一の抵抗に並列に接続/切断できる一又は複数の他の抵抗とを有し、前記振幅調整手段は、前記検出手段が検出した電子装置の数に応じて、前記他の抵抗の接続/切断を行うようにしてあることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る電源情報送信システムは、前記電力供給手段から前記電子装置への電力供給経路中に配された一のコイルと、該一のコイルに並列に接続/切断できる一又は複数の他のコイルとを有し、前記インピーダンス調整手段は、前記検出手段が検出した電子装置の数に応じて、前記他のコイルの接続/切断を行うようにしてあることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る電源情報送信システムは、車輌に搭載された電源に電力線を介して接続され、前記電源からの電力を他の装置へ電力線を介して供給する電力供給手段、前記電源に係る情報を取得する電源情報取得手段、及び該電源情報取得手段が取得した情報を無線により送信する送信手段を有する電源情報送信装置と、該電源情報送信装置に電力線を介して接続され、前記電源情報送信装置の送信手段が無線により送信した情報を受信する受信手段を有し、前記電力供給手段から供給される電力により動作すると共に、前記受信手段が受信した情報に応じて動作する一又は複数の電子装置とを備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る電源情報送信システムは、前記電源情報送信装置が、複数の電力線を接続する端子部を有して電力線の分岐を行う電気接続箱に搭載してあることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る電源情報送信システムは、前記電源情報取得手段が取得する情報が、車輌に搭載されたバッテリの電圧若しくは残容量、車輌のイグニッションスイッチの状態、及び/又は、車輌のアクセサリスイッチの状態に係る情報を含むことを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る電源情報送信装置は、車輌に搭載された電源に電力線を介して接続され、前記電源からの電力を他の装置へ電力線を介して供給する電力供給手段と、前記電源に係る情報を取得する電源情報取得手段と、該電源情報取得手段が取得した情報を他の装置へ電力供給する電力線に重畳して送信する送信手段とを備えることを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る電源情報送信装置は、車輌に搭載された電源に電力線を介して接続され、前記電源からの電力を他の装置へ電力線を介して供給する電力供給手段と、前記電源に係る情報を取得する電源情報取得手段と、該電源情報取得手段が取得した情報を無線により送信する送信手段とを備えることを特徴とする。
【0016】
本発明においては、車輌に搭載された電源に電力線を介して接続された電源情報送信装置が、電源からの電力を車輌の電子装置へ電力線を介して供給すると共に、電源に関する情報を取得し、取得した情報を電力線に重畳して電子装置へ送信する。電子装置は、電力線を介して電源情報送信装置からの電力供給を受けると共に、電力線に重畳された情報を抽出することによって電源に関する情報を受信する。これにより、電源に関する情報の送受信のための信号線を電源情報送信装置及び電子装置の間に設ける必要がない。
【0017】
また、本発明においては、電源に関する情報を振幅偏移変調(以下、ASK(Amplitude-Shift Keying)変調という)した信号を電源情報送信装置が生成し、この信号を電力線に重畳して電子装置へ送信する構成とする。このとき、電力線に接続される受信側の電子装置の数が増減した場合、電力線通信の通信経路(即ち、電力線)のインピーダンスが増減し、ASK変調による信号の振幅が増減する虞がある。
そこで電源情報送信装置は、電力線に接続された電子装置の数を検出し、検出した数に応じて電力線に重畳する信号の振幅を調整すると共に、電力線のインピーダンスを調整する。電子装置の数の検出は、例えば電源情報送信装置が電力線に接続されたすべての電子装置に対してブロードキャストを行い、各電子装置からの応答を取得することで行うことができる。また電子装置の数の検出は、車輌の工場出荷時などに行ってもよく、車輌のエンジンが始動される都度などの所定のタイミングで行ってもよい。
電力線に接続された電子装置の数に応じて振幅調整及びインピーダンス調整を行うことによって、ASK変調した信号の電力線を介した送受信を精度よく行うことができるため、電力線通信の信頼性を高め、通信に応じた電子装置の動作の信頼性を高めることができる。
【0018】
また、本発明においては、電源情報送信装置の送信手段から電子装置への送信経路中に抵抗を配し、更にこの抵抗と並列に接続/切断できる一又は複数の抵抗を配する。即ち、電源情報送信装置は、並列接続する抵抗の数を調整することによって、ASK変調した信号の送信経路の抵抗値を調整することができる。これにより電源情報送信装置は、電子装置の数に応じて抵抗値を調整し、送信信号の振幅を調整することができる。
【0019】
また、本発明においては、電源情報送信装置の電力供給手段から電子装置への電力供給経路中にコイルを配し、更にこのコイルと並列に接続/切断できる一又は複数のコイルを配する。これにより電源情報送信装置は、並列接続するコイルの数を調整することによって、電力供給経路のインピーダンスを調整することができるため、電子装置の数に応じたインピーダンスの調整を行うことができる。
【0020】
また、本発明においては、車輌に搭載された電源に電力線を介して接続された電源情報送信装置が、電源からの電力を車輌の電子装置へ電力線を介して供給すると共に、電源に関する情報を取得し、取得した情報を無線にて電子装置へ送信する。電子装置は、電力線を介して電源情報送信装置からの電力供給を受けると共に、無線送信された情報を受信することによって電源に関する情報を取得する。これにより、電源に関する情報の送受信のための信号線を電源情報送信装置及び電子装置の間に設ける必要がない。
【0021】
また、本発明においては、電力線を分岐させるための電気接続箱(所謂ジャンクションボックス)に電源情報送信装置を搭載する。電気接続箱は、電力線を接続するための端子部が複数設けてあり、例えば一の端子部にバッテリ及びオルタネータ等の電源からの電力線を接続し、他の複数の端子部に電子装置への電力線をそれぞれ接続することによって、電源からの電力を電子装置へ分配するものである。電源情報送信装置を電気接続箱に搭載することによって、電源情報送信装置は電気接続箱に接続された電子装置への電力供給を容易に管理することができ、バッテリの電圧又は残容量等の電源に関する情報を容易に取得することができる。
【0022】
また、本発明においては、電源情報送信装置が取得して電子装置へ送信する情報には、車輌に搭載されたバッテリの電圧、バッテリの残容量、車輌のイグニッションスイッチのオン/オフの状態、及び/又は、車輌のアクセサリスイッチのオン/オフの状態等の情報を含む。これらの情報は車輌の電源に関する情報であり、電源情報送信装置がこれらの情報を電子装置へ送信することによって、電子装置は電源の状態に適した動作を行うことができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明による場合は、電源情報送信装置がバッテリ及びオルタネータ等の電源から電子装置への電力供給を行うと共に、電源に関する情報を取得し、取得した情報を電力線通信又は無線通信により電子装置へ送信する構成とすることにより、通信線を介することなく電源情報送信装置から電子装置への情報送信を行うことができるため、電源情報送信装置及び電子装置の間に通信線を配する必要がなく、車輌に搭載されるケーブルの削減を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
(実施の形態1)
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。図1は、本発明に係る電源情報送信システムの構成を示すブロック図である。なお本図及び以降の図においては、電力の供給経路を実線で示し、信号の伝達経路を破線で示してある。図において1は図示しない車輌に搭載されたオルタネータであり、また、図において2は車輌に搭載されたバッテリである。オルタネータ1は、車輌のエンジンの動作により生じる運動エネルギーを電気エネルギーに変換する発電機、及びこの発電機が出力する交流の電圧を直流の電圧に変換する整流回路を有しており、電力線5aを介して接続された装置へ電力を供給する。バッテリ2は、電力線5aを介してオルタネータ1に接続されており、オルタネータ1から供給された電力を蓄積すると共に、車輌のエンジンが停止してオルタネータ1による発電が停止して場合には、蓄積した電力を電力線5aに接続された装置へ供給する。オルタネータ1及びバッテリ2は、車輌に搭載された他の装置に電力を供給する電源である。
【0025】
オルタネータ1及びバッテリ2が供給する電力は、ジャンクションボックス3を介して車輌に搭載された複数の電子装置30へ供給される。詳しくは、オルタネータ1及びバッテリ2は電力線5aにてジャンクションボックス3の端子4aに接続され、複数の電子装置30は電力線5bにてジャンクションボックス3の複数の端子4bにそれぞれ接続されている。ジャンクションボックス3は、電力線又は通信線等のケーブルを分岐させるための装置であり、入力側の端子4aに入力された電力又は信号等を出力側の複数の端子4bへ分配する。
【0026】
また、本システムのジャンクションボックス3は、オルタネータ1及びバッテリ2の電源から複数の電子装置30への電力供給のオン/オフを切り替える制御を行うと共に、電子装置30との間で情報の送受信を行う電源情報送信装置10を備えている。電源情報送信装置10は、ジャンクションボックス3の入力側の端子4aに接続され、且つ、出力側の複数の端子4bに全て接続されており、入力側と出力側との接続/遮断を制御することによって電力供給のオン/オフを切り替える。
【0027】
また電源情報送信装置10は、車輌のイグニッションスイッチ7のオン/オフに係る情報(以下、IG情報という)と、アクセサリスイッチ8のオン/オフに係る情報(以下、ACC情報という)が与えられている。これらのIG情報及びACC情報は、ジャンクションボックス3に専用の通信線を接続して送受信する構成であってもよく、車内LANなどのネットワークを介して送受信する構成であってもよい。電源情報送信装置10は、与えられたIG情報及びACC情報と、電源の電圧及びバッテリ2の残容量等の情報とを、ジャンクションボックス3に電力線5bを介して接続された複数の電子装置30へ電力線通信により送信する機能を有している。
【0028】
図2は、本発明の実施の形態1に係る電源情報送信装置10の構成を示すブロック図である。電源情報送信装置10は、電力I/F(インタフェース)部11、CPU(Central Processing Unit)12、送信回路13、受信回路14、LPF(Low Pass Filter)15、BPF(Band Pass Filter)16、及び調整回路18等を備えて構成されている。
【0029】
電力I/F部11は、電源からの電力線5aが接続され、電子装置30への電力線5bがLPF15を介して接続されている。電力I/F部11は、電力線5aを介して電源から供給された電力を、電源情報送信装置10のCPU12及びその他の回路へ与える。また電力I/F部11は、電力線5a及び電力線5bを接続/遮断するスイッチ11aを有しており、電源から電子装置30への電力供給を制御することができる。
【0030】
また、図示は省略するが、電力I/F部11は、電源から供給される電力の電圧検知を行うセンサを有しており、これによりバッテリ2の電圧又は残容量を取得することができ、CPU12へバッテリ2に関する情報を通知する。電力I/F11には信号線が接続され、IG情報及びACC情報等の情報受信を行うことができ、受信した情報をCPU12へ通知する。即ち、電力I/F部11は、IG情報、ACC情報、バッテリ2の電圧又は残容量等の電源に関する情報(以下、電源情報という)をCPU12へ与える。
【0031】
CPU12は、電力I/F部11からIG情報、ACC情報、バッテリ2の電圧又は残容量等の電源情報が与えられると共に、電力線通信により電子装置30から送信されて受信回路14にて受信された情報が与えられている。CPU12は、電力I/F部11からの電源情報と、受信回路14からの受信情報とに基づいて、電力I/F部11が有するスイッチ11aのオン/オフを制御する。例えば、バッテリ2の残容量が所定量以下となった場合に、CPU12はスイッチ11aをオフして電子装置30への電力供給を停止することができる。またCPU12は、電力I/F部11から与えられた電源情報を送信回路13へ与えることにより、電力線通信によって電子装置30へ送信することができる。
【0032】
送信回路13は、CPU12から与えられた送信情報をASK変調して送信信号を生成する回路であり、生成した送信信号を電力線5bに重畳することで電子装置30へ情報送信を行う。また受信回路14は、電力線5bに重畳された電子装置30からの送信信号を抽出することで受信し、受信信号を復調して受信情報に変換する回路であり、受信情報をCPU12へ与える。送信回路13は調整回路18及びBPF16を介して電力線5bに接続され、受信回路14はBPF16を介して電力線5bに接続されている。なお、詳細は後述するが、調整回路18は、送信回路13が出力する送信信号の振幅を調整するための回路である。
【0033】
LPF15は、電力I/F部11から電子装置30への電力供給経路に配されている。LPF15は、高周波成分を除去して低周波数成分のみを通過させるフィルタであり、電力線5bを利用した電力線通信の妨げとなることがないように、電力I/F部11などで発生した高周波雑音を除去する。なお、詳細は後述するが、本発明に係る電源情報送信装置10が有するLPF15は、電力線5bのインピーダンスを調整する機能を有している。
【0034】
BPF16は、予め定められた特定の周波数範囲(通過帯域)の信号のみを通過させ、範囲外の周波数の信号を除去するフィルタである。BPF16の通過帯域は、電源情報送信装置10及び電子装置30の間で送受信される電力線通信の信号の周波数に応じて定められており、電力線通信のための信号を通過させ、雑音などの他の周波数の信号を遮断することにより通信精度を高めている。
【0035】
図3は、本発明の実施の形態1に係る電源情報送信システムの電子装置30の構成を示すブロック図である。なお、電源情報送信システムは複数の電子装置30を備えているが、これらは略同じ構成であるため、1つの電子装置30のみ詳細を図示し、他の電子装置30の詳細は図示を省略する。電子装置30は、電源回路31、スイッチ32、IC(Integrated Circuit)33、CPU34、LPF35、BPF36、送信回路37及び受信回路38等を備えて構成されている。
【0036】
電源回路31は、LPF35を介して電力線5bに接続されており、電源情報送信装置10から供給された電力を電子装置30のCPU34及びその他のIC33等へ与える。なお、電源回路31はCPU34へ直接に電力を与えるが、その他のIC33へはスイッチ32を介して電力を与える構成であり、スイッチ32の接続/遮断はCPU34により制御されている。
【0037】
CPU34は、電力線5bを介して電源情報送信装置10から送信された電源情報を受信回路38から与えられており、与えられた電源情報に基づいてスイッチ32の接続/遮断の制御を行う。またCPU34は、電源情報送信装置10又は他の電子装置30へ送信する情報を送信回路37へ与えることにより、電力線通信による情報送信を行うことができる。CPU34は、例えば受信した電源情報のACC情報に基づいて、アクセサリスイッチ8がオンの場合にスイッチ32を接続し、アクセサリスイッチ8がオフの場合にスイッチ32を遮断する制御を行うことによって、アクセサリスイッチ8がオフ時の電力消費量を低減することができる。また例えば、CPU34は、受信したIG情報に基づいて、イグニッションスイッチ7がオンの場合にスイッチ32を接続し、イグニッションスイッチ7がオフの場合にスイッチ32を遮断する構成としてもよく、受信したバッテリ2の残容量に基づいて、残容量が所定容量以下に低下した場合にスイッチ32を遮断する構成としてもよい。
【0038】
送信回路37は、電源情報送信装置10の送信回路13と同様の回路であり、CPU34から与えられた情報をASK変調して電力線5bに重畳することで送信を行う回路である。受信回路38は、電源情報送信装置10の受信回路14と同様の回路であり、電力線5bに重畳された信号を抽出することで受信し、受信信号を復調してCPU34へ与える回路である。送信回路37及び受信回路38は、BPF36を介して電力線5bに接続されている。
【0039】
LPF35は、電源情報送信装置10から電子装置30の電源回路31への電力供給経路に配されており、高周波成分を除去して低周波数成分のみを通過させるフィルタである。BPF36は、電源情報送信装置10のBPF16と同様の回路であり、予め定められた特定の通過帯域の周波数の信号のみを通過させ、通過帯域外の周波数の信号を遮断するフィルタである。
【0040】
また、本発明に係る電源情報送信システムにおいて、電源情報送信装置10は、電力線5bを介した電力線通信を利用することにより、電力線5bに接続された電子装置30の数を検出し、検出した数に応じて電力線5bのインピーダンス調整及び送信回路13が送信する送信信号の振幅調整を行う機能を有している。以下、電源情報送信装置10によるインピーダンス調整及び振幅調整について説明する。
【0041】
図4は、本発明の実施の形態1に係る電源情報送信装置10が行うインピーダンス調整及び振幅調整を説明するための模式図であり、(a)に電源情報送信装置10のLPF15の回路構成を示し、(b)に電源情報送信装置10の調整回路18の回路構成を示してある。LPF15は、電力I/F部11から電子装置30への電力供給経路に配されたコイルL0と、このコイルL0の電子装置30側の一端及び接地電位の間に配されたコンデンサCとを有して構成されたLC回路によるフィルタである。
【0042】
またコイルL0には、直列接続されたコイルL1及びスイッチSW1、コイルL2及びスイッチSW2、並びにコイルL3及びスイッチSW3がそれぞれ並列に接続されている。スイッチSW1〜SW3は、電源情報送信装置10のCPU12により接続/遮断が制御されており、接続するスイッチSW1〜SW3の数をCPU12が制御することによってコイルL0に並列接続される他のコイルL1〜L3の数を調整することができる。即ち、電源情報送信装置10は、接続するコイルL1〜L3の数を調整することによって、電力線5bのインピーダンスを調整することができる。
【0043】
また調整回路18は、送信回路13からBPF16の間の通信経路に配された抵抗R0を有している。抵抗R0には、直列接続された抵抗R1及びスイッチSW4、抵抗R2及びスイッチSW5、並びに抵抗R3及びスイッチSW6がそれぞれ並列に接続されている。スイッチSW4〜SW6は、電源情報送信装置10のCPU12により接続/遮断が制御されており、接続するスイッチSW4〜SW6の数をCPU12が制御することによって、抵抗R0に並列接続される他の抵抗R1〜R3の数を調整することができる。即ち、電源情報送信装置10は、接続する抵抗R1〜R3の数を調整することによって通信経路の抵抗値を調整することができ、抵抗値を変化させることによって送信回路13が出力する送信信号の振幅を調整することができる。
【0044】
図5は、本発明の実施の形態1に係る電源情報送信装置10が行うインピーダンス調整及び振幅調整を説明するための模式図であり、電力線5bに接続された電子装置30の数(接続数)と、LPF15にて並列に接続されるコイルL0〜L3の数と、調整回路18にて並列に接続される抵抗R0〜R3の数との対応関係を表として示してある。電源情報送信装置10は、電力線5bに接続された電子装置30の数が多い場合、送信回路13に係る電力線5b上の負荷が大きいため、LPF15のコイルL0〜L3の接続数を低減すると共に、調整回路18の抵抗R0〜R3の接続数を増加して抵抗値を低減する。
【0045】
また、電源情報送信装置10は、電力線5bに接続された電子装置30の数が少ない場合、送信回路13についての電力線5b上の負荷が小さいため、LPF15のコイルL0〜L3の接続数を増加すると共に、調整回路18の抵抗R0〜R3の接続数を低減して抵抗値を増加する。これらにより、電力線5bに接続された電子装置30による負荷の大小に応じて、電源情報送信装置10が電力線5bに負荷を追加/削除することができ、電子装置30の接続数の増減に対して送信回路13が出力する送信信号の振幅が変動することを防止できる。
【0046】
図6は、本発明の実施の形態1に係る電源情報送信装置10が電力線通信開始前に行う処理の手順を示すフローチャートであり、電源情報送信装置10のCPU12が各部の動作を制御して行う処理である。本処理は例えば車輌のイグニッションスイッチ7がオンされた場合に開始される。まず、電源情報送信装置10は、電力線5bに接続された電子装置30の数を検出する(ステップS1)。電子装置30の接続数の検出は、例えば電源情報送信装置10の送信回路13から全ての電子装置30に対して電力線通信によりブロードキャストによるメッセージ送信を行い、このメッセージに対する応答を受信回路14にて受信し、受信した応答の数を調べることによって行うことができる。
【0047】
電源情報送信装置10は、図5に示すような電子装置30の接続数とコイルL0〜L1及び抵抗R0〜R3の数との対応をあらかじめ記憶している。電子装置30の接続数を検出した後、電源情報送信装置10のCPU12は、検出した接続数に応じてLPF15のスイッチSW1〜SW3の接続/遮断を切り替え、コイルL0〜L3の接続数を調整することにより、電力線5bのインピーダンス調整を行う(ステップS2)。次いでCPU12は、検出した接続数に応じて調整回路18のスイッチSW4〜SW6の接続/遮断を切り替え、抵抗R0〜R3の接続数を調整することにより、送信回路13が出力する送信信号の振幅調整を行う(ステップS3)。
【0048】
インピーダンス調整及び振幅調整を終えた後、電源情報送信装置10のCPU12は、送信回路13による電力線5bを介した電子装置30への電源情報の送信、及び受信回路14による電子装置30からの情報の受信等の通信処理を開始し(ステップS4)、電力通信開始前の処理を終了する。
【0049】
以上の構成の電源情報送信システムにおいては、車輌のオルタネータ1及びバッテリ2等の電源に電力線5aを介して接続された電源情報送信装置10が、電源からの電力を複数の電子装置30へ電力線5bを介して供給すると共に、IG情報、ACC情報、バッテリ2の電圧又は残容量等の電源情報を取得し、取得した情報を送信回路13が電力線5bに重畳して電子装置30へ送信する構成とすることにより、電源に関する情報を電源情報送信装置10及び電子装置30の間で送受信する場合に専用の通信線を用いる必要がないため、電源情報送信装置10及び電子装置30の間に配するケーブルの数を低減することができる。
【0050】
また、電源情報送信装置10の送信回路13は送信する情報をASK変調した送信信号を生成して電力線5bに重畳する構成とすると共に、電力線5bに接続された電子装置30の数を検出して、検出した接続数に応じて送信回路13が送信する信号の振幅調整及び電力線5bのインピーダンス調整を行う構成とすることにより、電子装置30の接続数の増減により送信信号の振幅が変化することを防止でき、ASK変調による電力線通信の信頼性を高めることができる。
【0051】
また、電源情報送信装置10の電力I/F部11から電子装置30への電力供給経路中にコイルL0を配し、このコイルL0に並列に接続/遮断できる複数のコイルL1〜L3を配して、検出した電子装置30の接続数に応じて電源情報送信装置10のCPU12がコイルL0〜L3の数を調整する構成とすることにより、電源情報送信装置10は電力線5bのインピーダンスの調整を容易に行うことができる。
【0052】
同様に、電源情報送信装置10の送信回路13から電子装置30への送信経路中に抵抗R0を配し、この抵抗R0に並列に接続/遮断できる複数の抵抗R1〜R3を配して、検出した電子装置30の接続数に応じて電源情報送信装置10のCPU12が抵抗R0〜R3の数を調整する構成とすることにより、電源情報送信装置10は送信経路の抵抗値を調整して送信回路13が出力する送信信号の振幅調整を容易に行うことができる。
【0053】
また、車輌に配される電力線を分岐させるためのジャンクションボックス3に電源情報送信装置10を搭載する構成とすることにより、ジャンクションボックス3に電力線5bを介して接続された複数の電子装置30に対する電力供給を容易に管理することができ、バッテリ2の電圧又は残容量等の電源に関する情報を容易に取得することができる。
【0054】
また、電源情報送信装置10がイグニッションスイッチ7のオン/オフ状態(IG情報)、アクセサリスイッチ8のオン/オフ状態(ACC情報)、バッテリ2の電圧又は残容量等の情報を取得して、送信回路13にて電子装置30へ送信する構成とすることにより、電子装置30はこれらの電源に関する情報に基づいて動作の開始、停止及び省電力モードへの移行等の電源状態に応じた動作を行うことができる。
【0055】
なお、本実施の形態においては、電源情報送信装置10を車輌のジャンクションボックス3に搭載する構成としたが、これに限るものではなく、電源情報送信装置10をその他の装置に搭載する構成としてもよく、単独の装置として電源情報送信装置10を車輌に搭載してもよい。また、図1〜図3において電源情報送信装置10と電力線5bを介して4つの電子装置30が接続された構成を示したが、これに限るものではなく、3つ以下又は5つ以上の電子装置30を接続する構成としてもよい。また、LPF15が4つのコイルL0〜L3を有する構成としたが、これに限るものではなく、3つ以下又は5つ以上のコイルを有する構成としてもよい。同様に、調整回路18が4つの抵抗R0〜R3を有する構成としたが、これに限るものではなく、3つ以下又は5つ以上の抵抗を有する構成としてもよい。また、電源情報送信装置10から電子装置30へ電力線通信により送信する情報を、イグニッションスイッチ7のオン/オフ状態(IG情報)、アクセサリスイッチ8のオン/オフ状態(ACC情報)、バッテリ2の電圧又は残容量等の情報(電源情報)としたが、これに限るものではなく、その他の情報を送信する構成としてもよい。
【0056】
(変形例)
図7及び図8は、本発明の実施の形態1に係る電源情報送信装置10が行うインピーダンス調整及び振幅調整を説明するための模式図であり、図7(a)に電源情報送信装置10のLPF15aの回路構成を示し、図7(b)に電源情報送信装置10の調整回路18aの回路構成を示してある。また図8には、電力線5bに接続された電子装置30の数(接続数)と、LPF15aにて選択されるコイルと、調整回路18aにて選択される抵抗との対応関係を表として示してある。
【0057】
LPF15aは、4つのコイルL11〜L14、スイッチSW11及びコンデンサCを有している。スイッチSW11は、4接点のスイッチであり、4つのコイルL11〜L14のいずれか1つを選択的に電力線5bに接続することができる。4つのコイルL11〜L14は、一端がスイッチSW11の端子にそれぞれ接続され、他端が電力I/F部11への電力供給経路に接続されている。4つのコイルL11〜L14はインダクタンスの値がそれぞれ異なり、コイルL11〜L14のインダクタンスをそれぞれL11〜L14とすると、各コイルL11〜L14のインダクタンスの値は以下の(1)式の関係となるように設定されている。
L11=2×L12=3×L13=4×L14 …(1)
【0058】
調整回路18aは、4つの抵抗R11〜R14及びスイッチSW12を有している。スイッチSW12は、LPF15aのスイッチSW11と同様の構成をなす4接点のスイッチであり、4つの抵抗R11〜R14のいずれか1つを選択的にBPF16への通信経路へ接続することができる。4つの抵抗R11〜R14は、一端がスイッチSW12の端子にそれぞれ接続され、他端が送信回路13への通信経路にそれぞれ接続されている。4つの抵抗R11〜R14は抵抗値がそれぞれ異なり、抵抗R11〜R14の抵抗値をそれぞれR11〜R14とすると、各抵抗R11〜R14の抵抗値は以下の(2)式の関係となるように設定されている。
4×R11=3×R12=2×R13=R14 …(2)
【0059】
電源情報送信装置10は、電力線5bに接続された電子装置30の数が多い場合、送信回路13についての電力線5b上の負荷が大きいため、LPF15aのスイッチSW11を切り替えてインダクタンスの大きいコイルL1〜L4を接続すると共に、調整回路18aのスイッチSW12を切り替えて抵抗値の小さい抵抗R1〜R4を接続する。また、電源情報送信装置10は、電力線5bに接続された電子装置30の数が少ない場合、送信回路13についての電力線5b上の負荷が小さいため、LPF15aのスイッチSW11を切り替えてインダクタンスの小さいコイルL1〜L4を接続すると共に、調整回路18aのスイッチSW12を切り開けて抵抗値の大きい抵抗R11〜R14を接続する。
【0060】
これらにより、電力線5bに接続された電子装置30による負荷の大小に応じて、電源情報送信装置10が電力線5bに接続する負荷の量を増減でき、電子装置30の接続数の増減に対して送信回路13が出力する送信信号の振幅が変動することを防止できる。
【0061】
なお、4つのコイルL11〜L14のインダクタンスの値が上記(1)式の関係を満たすものとしたが、これは一例であって、少なくともL11>L12>L13>L14の関係を満たしていればよい。同様に、4つの抵抗R11〜R14の抵抗値が上記(2)式の関係を満たすものとしたが、これは一例であって、少なくともR11<R12<R13<R14の関係を満たしていればよい。
【0062】
(実施の形態2)
図9は、本発明の実施の形態2に係る電源情報送信装置210の構成を示すブロック図であり、図10は、本発明の実施の形態2に係る電源情報送信システムの電子装置230の構成を示すブロック図である。実施の形態1に係る電源情報送信システムは、電力線5bを介して電力供給を行うと共に、電源に関する情報を電力線通信により電力線5bを介して電源情報送信装置10から電子装置30へ送信する構成とした。これに対して実施の形態2に係る電源情報送信システムは、電力線5bを介した電力供給を行う点では実施の形態1に係る電源情報送信システムと同じであるが、電源に関する情報を無線通信により電源情報送信装置210から電子装置230へ送信する点で異なる。
【0063】
実施の形態2に係る電源情報送信装置210は、送信回路13及び受信回路14に接続されたアンテナ220を備えている。送信回路13は、CPU12から与えられた情報を無線送信に適した信号に変調し、アンテナ220へ出力することによって電子装置230への無線送信を行う。また受信回路14は、電子装置230から送信された無線信号をアンテナ220にて受信し、受信した信号を復調して得られる情報をCPU12へ与える。
【0064】
電子装置230は、送信回路37及び受信回路38に接続されたアンテナ239を備えている。受信回路38は、電源情報送信装置210から送信された無線信号をアンテナ239にて受信し、受信した信号を復調して得られる情報をCPU34へ与える。また送信回路37は、CPU34から与えられた情報を無線送信に適した信号に変調し、アンテナ239へ出力することによって電源情報送信装置210への無線送信を行う。
【0065】
これらにより、電源情報送信装置210は、電力I/F部11が取得したIG情報、ACC情報及び電源情報等の情報を無線送信により複数の電子装置230へ送信することができる。電子装置230は、無線により受信した情報に基づいてスイッチ32の接続/遮断を切り替えてIC33への電力供給を制御することができる。電力供給装置210と複数の電子装置230との間は電力線5bを介して接続するのみでよく、情報を送受信するための通信線を設ける必要はない。よって、実施の形態1に係る電源情報送信システムと同様に、実施の形態2に係る電源情報送信システムは電源情報送信装置210及び電子装置230の間に配するケーブルの数を低減することができる。
【0066】
なお、実施の形態2に係る電源情報送信システムのその他の構成は、実施の形態1に係る電源情報送信システムの構成と同様であるため、同様の箇所には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明に係る電源情報送信システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る電源情報送信装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る電源情報送信システムの電子装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る電源情報送信装置が行うインピーダンス調整及び振幅調整を説明するための模式図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る電源情報送信装置が行うインピーダンス調整及び振幅調整を説明するための模式図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係る電源情報送信装置が電力線通信開始前に行う処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態1に係る電源情報送信装置が行うインピーダンス調整及び振幅調整を説明するための模式図である。
【図8】本発明の実施の形態1に係る電源情報送信装置が行うインピーダンス調整及び振幅調整を説明するための模式図である。
【図9】本発明の実施の形態2に係る電源情報送信装置の構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の実施の形態2に係る電源情報送信システムの電子装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0068】
1 オルタネータ(電源)
2 バッテリ(電源)
3 ジャンクションボックス(電気接続箱)
4a、4b 端子
5a、5b 電力線
7 イグニッションスイッチ
8 アクセサリスイッチ
10 電源情報送信装置
11 電力I/F部(電源情報取得手段)
11a スイッチ(電力供給手段)
12 CPU(検出手段)
13 送信回路(送信手段)
14 受信回路
15、15a LPF(インピーダンス調整手段)
16 BPF(送信手段)
18、18a 調整回路(振幅調整手段)
30 電子装置
31 電源回路
32 スイッチ
33 IC
35 LPF
36 BPF(受信手段)
37 送信回路
38 受信回路(受信手段)
210 電源情報送信装置
220 アンテナ(送信手段)
230 電子装置
239 アンテナ(受信手段)
L0〜L3 コイル
L11〜L14 コイル
R0〜R3 抵抗
R11〜R14 抵抗
SW1〜SW6 スイッチ
SW11、SW12 スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車輌に搭載された電源に電力線を介して接続され、前記電源からの電力を他の装置へ電力線を介して供給する電力供給手段、前記電源に係る情報を取得する電源情報取得手段、及び該電源情報取得手段が取得した情報を他の装置へ電力供給する電力線に重畳して送信する送信手段を有する電源情報送信装置と、
該電源情報送信装置に電力線を介して接続され、前記電源情報送信装置の送信手段が送信した情報を前記電力線から抽出して受信する受信手段を有し、前記電力供給手段から供給される電力により動作すると共に、前記受信手段が受信した情報に応じて動作する一又は複数の電子装置と
を備えることを特徴とする電源情報送信システム。
【請求項2】
前記送信手段は、前記情報を振幅偏移変調した信号を電力線に重畳して送信するようにしてあり、
前記電源情報送信装置は、
電力線を介して接続された電子装置の数を検出する検出手段と、
該検出手段が検出した電子装置の数に応じて、前記送信手段が電力線に重畳する信号の振幅を調整する振幅調整手段及び前記送信手段が信号を重畳する電力線のインピーダンスを調整するインピーダンス調整手段と
を更に有すること
を特徴とする請求項1に記載の電源情報送信システム。
【請求項3】
前記送信手段から前記電子装置への送信経路中に配された一の抵抗と、該一の抵抗に並列に接続/切断できる一又は複数の他の抵抗とを有し、
前記振幅調整手段は、前記検出手段が検出した電子装置の数に応じて、前記他の抵抗の接続/切断を行うようにしてあること
を特徴とする請求項2に記載の電源情報送信システム。
【請求項4】
前記電力供給手段から前記電子装置への電力供給経路中に配された一のコイルと、該一のコイルに並列に接続/切断できる一又は複数の他のコイルとを有し、
前記インピーダンス調整手段は、前記検出手段が検出した電子装置の数に応じて、前記他のコイルの接続/切断を行うようにしてあること
を特徴とする請求項2又は請求項3に記載の電源情報送信システム。
【請求項5】
車輌に搭載された電源に電力線を介して接続され、前記電源からの電力を他の装置へ電力線を介して供給する電力供給手段、前記電源に係る情報を取得する電源情報取得手段、及び該電源情報取得手段が取得した情報を無線により送信する送信手段を有する電源情報送信装置と、
該電源情報送信装置に電力線を介して接続され、前記電源情報送信装置の送信手段が無線により送信した情報を受信する受信手段を有し、前記電力供給手段から供給される電力により動作すると共に、前記受信手段が受信した情報に応じて動作する一又は複数の電子装置と
を備えることを特徴とする電源情報送信システム。
【請求項6】
前記電源情報送信装置は、複数の電力線を接続する端子部を有して電力線の分岐を行う電気接続箱に搭載してあること
を特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1つに記載の電源情報送信システム。
【請求項7】
前記電源情報取得手段が取得する情報は、車輌に搭載されたバッテリの電圧若しくは残容量、車輌のイグニッションスイッチの状態、及び/又は、車輌のアクセサリスイッチの状態に係る情報を含むこと
を特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1つに記載の電源情報送信システム。
【請求項8】
車輌に搭載された電源に電力線を介して接続され、
前記電源からの電力を他の装置へ電力線を介して供給する電力供給手段と、
前記電源に係る情報を取得する電源情報取得手段と、
該電源情報取得手段が取得した情報を他の装置へ電力供給する電力線に重畳して送信する送信手段と
を備えることを特徴とする電源情報送信装置。
【請求項9】
車輌に搭載された電源に電力線を介して接続され、
前記電源からの電力を他の装置へ電力線を介して供給する電力供給手段と、
前記電源に係る情報を取得する電源情報取得手段と、
該電源情報取得手段が取得した情報を無線により送信する送信手段と
を備えることを特徴とする電源情報送信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−149609(P2010−149609A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−328281(P2008−328281)
【出願日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】