説明

電源装置、電源システム、制御方法及びプログラム

【課題】負荷装置の接続状態に応じて出力電流制限値を変更することが可能な電源装置を提供する。
【解決手段】電源装置(100)は、変更部(101)と、監視部(102)と、を有して構成する。変更部(101)は、負荷装置(200)に供給する電流を制限するための出力電流値を変更する。監視部(102)は、電源装置(100)と負荷装置(200)との接続状態を監視する。本実施形態の変更部(101)は、監視部(102)が監視した電源装置(100)と負荷装置(200)との接続状態に応じて出力電流制限値を変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源装置、電源システム、制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な電源システムのシステム構成例を図1に示す。図1に示す電源システムは、電源装置100'と、負荷装置200'と、を有して構成し、電源装置100'は、負荷装置200'に電流を供給する。
【0003】
電源装置100'は、過電流保護機能を搭載し、負荷装置200'に供給する電流の上限値(出力電流制限値)を設定し、その設定した出力電流制限値を基に、負荷装置200'に供給する電流を制限している。
【0004】
出力電流制限値は、負荷装置200'の定常運転時に必要とする電流値を基に設定したい。しかし、負荷装置200'の起動時等に必要とする電流値は、定常運転時に必要とする電流値よりも一時的に高くなる。このため、一時的に高くなる電流値(過電流値)を基に、出力電流制限値を設定しなければならない。
【0005】
しかし、一時的に高くなる過電流値に基に、出力電流制限値を一律に固定で設定してしまうと、その一時的に高くなる過電流値を満たすように電源装置100'の出力電流容量を変更しなければならない。その結果、電源装置100'自体が大型化すると共に、余計なコストをかけてしまうことになる。
【0006】
このようなことから、出力電流制限値を動的に変更し、一時的に高くなる過電流値を満たすように電源装置'100の出力電流容量を変更する必要のない仕組みの開発が必要視されることになる。
【0007】
なお、本発明より先に出願された技術文献として、電流供給開始時のラッシュ電流による誤検出を防止し、且つ通常動作時における適切な過電流検出を可能とする技術について開示された文献がある(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
上記特許文献1では、電流供給開始から所定時間t1は、大きな過電流検出閾値Vth1を設定し、それ以降の時間t2は、通常動作における適切な過電流検出閾値Vth2を設定し、上記の点を可能にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】実開平5−92824号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記特許文献1には、出力負荷の電流供給開始時に、電流供給開始時の出力電流制限値を設定し、一定時間が経過した場合に、通常動作時の出力電流制限値に下げる技術思想について開示されている。
【0011】
しかし、上記特許文献1には、電源装置が負荷装置の接続状態を監視し、負荷装置の接続状態に応じて出力電流制限値を変更する点については何ら記載もその必要性についても示唆されていない。
【0012】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、上述した課題である、負荷装置の接続状態に応じて出力電流制限値を変更することが可能な電源装置、電源システム、制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
かかる目的を達成するために、本発明は、以下の特徴を有することとする。
【0014】
<電源装置>
本発明にかかる電源装置は、
少なくとも1つの負荷装置に電流を供給する電源装置であって、
前記負荷装置に供給する電流を制限するための出力電流制限値を変更する変更手段と、
前記電源装置と前記負荷装置との接続状態を監視する監視手段と、を有し、
前記変更手段は、
前記負荷装置との接続状態に応じて前記出力電流制限値を変更する第1の変更手段を有することを特徴とする。
【0015】
<電源システム>
本発明にかかる電源システムは、
少なくとも1つの負荷装置と、前記負荷装置に電流を供給する電源装置と、を有して構成する電源システムであって、
前記電源装置は、
前記負荷装置に供給する電流を制限するための出力電流制限値を変更する変更手段と、
前記電源装置と前記負荷装置との接続状態を監視する監視手段と、を有し、
前記変更手段は、
前記負荷装置との接続状態に応じて前記出力電流制限値を変更する第1の変更手段を有することを特徴とする。
【0016】
<制御方法>
本発明にかかる制御方法は、
少なくとも1つの負荷装置に電流を供給する電源装置で行う制御方法であって、
前記負荷装置に供給する電流を制限するための出力電流制限値を変更する変更工程と、
前記電源装置と前記負荷装置との接続状態を監視する監視工程と、を有し、
前記変更工程は、
前記負荷装置との接続状態に応じて前記出力電流制限値を変更する第1の変更工程を有することを特徴とする。
【0017】
<プログラム>
本発明にかかるプログラムは、
少なくとも1つの負荷装置に電流を供給する電源装置のコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記負荷装置に供給する電流を制限するための出力電流制限値を変更する変更処理と、
前記電源装置と前記負荷装置との接続状態を監視する監視処理と、を前記コンピュータに実行させ、
前記変更処理は、
前記負荷装置との接続状態に応じて前記出力電流制限値を変更する第1の変更処理を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、負荷装置の接続状態に応じて出力電流制限値を変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明と関連する電源システムのシステム構成例を示す図である。
【図2】本実施形態の電源システムの概要を説明するための図である。
【図3】本実施形態の電源システムのシステム構成例を示す図である。
【図4】電流制御部2で管理する出力電流制限値の設定例を示す図である。
【図5】本実施形態の電源システムの処理動作例を説明するための図である。
【図6】負荷装置200が電源装置から抜去された状態を示す図である。
【図7】第2の実施形態の電源システムの処理動作例を説明するための図である。
【図8】第3の実施形態の電源システムのシステム構成例を示す図である。
【図9】電流制御部2で管理する出力電流制限値の設定例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
<電源システムの概要>
まず、図2を参照しながら、本実施形態の電源システムの概要について説明する。
【0021】
本実施形態の電源システムは、少なくとも1つの負荷装置200と、負荷装置200に電流を供給する電源装置100と、を有して構成する。
【0022】
本実施形態の電源装置100は、変更部101と、監視部102と、を有して構成する。変更部101は、負荷装置200に供給する電流を制限するための出力電流値を変更する。監視部102は、電源装置100と負荷装置200との接続状態を監視する。本実施形態の変更部101は、監視部102が監視した電源装置100と負荷装置200との接続状態に応じて出力電流制限値を変更する。
【0023】
これにより、電源装置100は、電源装置100と負荷装置200との接続情報に応じて出力電流制限値を変更することが可能となる。その結果、負荷装置200において一時的に高くなる過電流値を満たすように電源装置100の出力電流容量を変更する必要がなくなるため、電源装置100を大型化する必要もなく、余計なコストをかけずに済むことができる。以下、添付図面を参照しながら、本実施形態の電源システムについて詳細に説明する。
【0024】
(第1の実施形態)
<電源システムの構成例>
まず、図3を参照しながら、本実施形態の電源システムのシステム構成例について説明する。
【0025】
本実施形態の電源システムは、電源装置100と、負荷装置200と、を有して構成している。
【0026】
本実施形態の電源システムは、負荷装置200が電源装置100から着脱可能であり、電源装置100と負荷装置200とが接続した状態で、電源装置100が立ち上がり、電源装置100から負荷装置200に電流が供給される。
【0027】
電源装置100は、電源部1と、電流制御部2と、を有して構成する。
【0028】
電源部1は、負荷装置200に電流を供給するものである。
【0029】
電流制御部2は、過電流保護機能を行うものであり、負荷装置200に供給する電流の上限値(出力電流制限値)を設定し、その設定した出力電流制限値を基に、電源部1から負荷装置200に供給する電流を制限する。本実施形態の電流制御部2は、接続信号300を基に、電源装置100と負荷装置200との接続状態を監視し、負荷装置200の起動時及び負荷装置200の着脱時に出力電流制限値を変更することになる。
【0030】
例えば、負荷装置200が、モーター性負荷装置、又は、起動時に一時的に大電流を必要とする負荷装置の場合、負荷装置200の起動時に流れる起動電流値は、定常運転時の数倍になるため、負荷装置200の起動時の出力電流制限値を定常運転時の出力電流制限値の数倍にする必要がある。
【0031】
また、負荷装置200が着脱可能な構造の場合、負荷装置200の装着時に流れる電流値も、負荷装置200の起動時と同様に定常運転時の数倍になるため、負荷装置200の装着時の出力電流制限値を定常運転時の出力電流制限値の数倍にする必要がある。
【0032】
このため、電流制御部2は、負荷装置200の起動時の出力電流制限値と、負荷装置200の装着時の出力電流制限値と、を、定常運転時の出力電流制限値よりも高い値に変更するように制御する。なお、負荷装置200の起動時や、負荷装置200の装着時から任意の時間が経過すると、負荷装置200は定常運転になるため、電流制御部2は、負荷装置200の起動時や、負荷装置200の装着時から任意の時間が経過した場合に、出力電流制限値を、定常運転時の出力電流制限値に変更するように制御する。
【0033】
<電源システムの処理動作>
次に、図3〜図6を参照しながら、本実施形態の電源システムの処理動作について説明する。電流制御部2は、図4に示すように、負荷装置200の『起動時』に必要とする起動電流値に合わせた『出力電流制限値;A』と、負荷装置200の『定常運転時』に必要とする電流値に合わせた『出力電流制限値;B』と、を予め管理し、その管理した情報を基に、出力電流制限値を変更する。但し、出力電流制限値;Aは、出力電流制限値;Bよりも大きい値である(A>B)。
【0034】
図3に示すように、電源装置100と負荷装置200とが接続した状態で、電源装置100が起動した場合、電流制御部2は、図5に示すように、出力電流制限値を、負荷装置200の起動時に必要とする起動電流値に合わせた出力電流制限値;Aに設定する。また、電源部1は、負荷装置200の起動時に必要とする電流を負荷装置200に供給する。これにより、負荷装置200は、電源装置100から電流が供給され、負荷装置200が起動する。
【0035】
負荷装置200は、負荷装置200の起動時から任意の時間T1が経過した場合に、定常運転になる。負荷装置200の起動は、電源装置100の起動から若干のタイムロスが発生するが、負荷装置200の起動と電源装置100の起動はほぼ同じとみなし、電流制御部2は、図5に示すように、電源装置100の起動時から任意の時間T1が経過した場合に、出力電流制限値を、負荷装置200の定常運転時に必要とする電流値に合わせた出力電流制限値;Bに変更する。これにより、電流制御部2は、電源装置100が起動してから任意の時間T1が経過した場合に、出力電流制限値を電源装置100の起動時に設定した出力電流制限値;Aよりも低い出力電流制限値;Bに変更することになる。
【0036】
次に、図6に示すように、負荷装置200が電源装置100から抜去された後、再度、図3に示すように、負荷装置200が電源装置100に再装着された時には、負荷装置200に起動電流が発生する。このため、電流制御部2は、図5に示すように、接続信号300が未接続になったことを認識した段階で、出力電流制限値を、負荷装置200の起動時に必要とする起動電流値に合わせた出力電流制限値;Aに変更する。これにより、電流制御部2は、負荷装置200が抜去された場合に、出力電流制限値を電源装置100の起動時に設定した出力電流制限値;Aに変更することになる。
【0037】
抜去された負荷装置200が電源装置100に再装着され、負荷装置200の再装着時から任意の時間T1が経過すると、負荷装置200は、定常運転になる。このため、電流制御部2は、図5に示すように、接続信号300が接続になったことを認識した段階から任意の時間T1が経過した場合に、出力電流制限値を、負荷装置200の定常運転時に必要とする電流値に合わせた出力電流制限値;Bに変更する。これにより、電流制御部2は、負荷装置200が再装着してから任意の時間T1が経過した場合に、起動時と同様に、出力電流制限値を電源装置100の起動時に設定した出力電流制限値;Aよりも低い出力電流制限値;Bに変更することになる。
【0038】
<本実施形態の電源システムの作用・効果>
このように、本実施形態の電源システムは、電源装置100は、負荷装置200の接続状態を監視し、負荷装置200の接続状態に応じて、出力電流制限値を変更する。これにより、負荷装置200の接続状態に応じて出力電流制限値を変更することができる。その結果、負荷装置200において一時的に高くなる過電流値を満たすように電源装置100の出力電流容量を変更する必要がなくなるため、電源装置100を大型化する必要もなく、余計なコストをかけずに済むことができる。
【0039】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。
【0040】
第1の実施形態では、図5に示すように、電流制御部2は、接続信号300が未接続になったことを認識した段階で、出力電流制限値を出力電流制限値;Aに変更することにした。
【0041】
第2の実施形態では、図7に示すように、電流制御部2は、接続信号300が未接続になったことを認識した段階から所定の時間;αが経過した場合に、出力電流制限値を出力電流制限値;Aに変更する。本実施形態の電源システムは、負荷装置200が電源装置100に再装着された場合に、負荷装置200に起動電流が発生するため、電源制御部2は、負荷装置200が電源装置100から抜去されてから電源装置100に再装着されるまでに出力電流制限値;Aに変更すれば良い。負荷装置200が電源装置100から抜去されてから電源装置100に再装着されるまでには、ある程度の期間を要することになる。このため、電流制御部2は、接続信号300が未接続になったことを認識した段階から所定の時間;αが経過した場合に、出力電流制限値;Aに変更することでも、負荷装置200が電源装置100に再装着されるまでに出力電流制限値;Aに変更することができる。なお、電流制御部2は、負荷装置200が電源装置100から抜去されてから電源装置100に再装着されるまでに出力電流制限値;Aに変更することが可能であれば、あらゆる手法が適用可能である。
【0042】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。
【0043】
第1の実施形態は、図3に示すように、電源装置100に1つの負荷装置200が接続した構成を例に説明した。
【0044】
第3の実施形態は、図8に示すように、電源装置100に複数の負荷装置200-1〜200-n(nは、2以上の任意の整数)が接続した構成を例に説明する。この場合、電源装置100は、図9に示すように、各負荷装置200-1〜200-nの『起動時』に必要とする起動電流値を合算した値に合わせた『出力電流制限値;A(起動電流値200-1+起動電流値200-2+・・・+起動電流値200-n)』と、各負荷装置200-1〜200-nの『定常運転時』に必要とする電流値を合算した値に合わせた『出力電流制限値;B(電流値200-1+電流値200-2+・・・+電流値200-n)』と、を予め管理し、その管理した情報を基に、出力電流制限値を変更する。但し、出力電流制限値;Aは、出力電流制限値;Bよりも大きい値である(A>B)。このように、本実施形態の電源システムは、電源装置100に複数の負荷装置200-1〜200-nが接続可能な構成の場合には、電源装置100に接続される負荷装置200-1〜200-nに応じて出力電流制限値を動的に変更することが可能となる。以下、図8、図9を参照しながら、本実施形態の電源システムについて詳細に説明する。
【0045】
本実施形態の電源システムは、1つの電源装置100と、複数の負荷装置200-1〜200-n(nは、2以上の任意の整数)と、を有して構成している。
【0046】
本実施形態の電源システムは、各負荷装置200-1〜200-nが電源装置100から着脱可能であり、電源装置100と各負荷装置200-1〜200-nとが接続した状態で、電源装置100が立ち上がり、電源装置100から各負荷装置200-1〜200-nに電流が供給される。
【0047】
電源装置100は、電源部1と、電流制御部2と、を有して構成する。
【0048】
電源部1は、各負荷装置200-1〜200-nに電流を供給するものである。
【0049】
電流制御部2は、過電流保護機能を行うものであり、各負荷装置200-1〜200-nに供給する電流の上限値(出力電流制限値)を設定し、その設定した出力電流制限値を基に、電源部1から各負荷装置200-1〜200-nに供給する電流を制限する。本実施形態の電源システムは、電源装置100に複数の負荷装置200-1〜200-nが接続されている。このため、電流制御部2は、図9に示すように、電源装置100に接続されている各負荷装置200-1〜200-nの『起動時』に必要とする起動電流値を合算した値に合わせた『出力電流制限値;A(起動電流値200-1+起動電流値200-2+・・・+起動電流値200-n)』と、各負荷装置200-1〜200-nの『定常運転時』に必要とする電流値を合算した値に合わせた『出力電流制限値;B(電流値200-1+電流値200-2+・・・+電流値200-n)』と、を予め管理し、その管理した情報を基に、出力電流制限値を変更する。但し、出力電流制限値;Aは、出力電流制限値;Bよりも大きい値である(A>B)。
【0050】
例えば、電源装置100と各負荷装置200-1〜200-nとが接続した状態で、電源装置100が起動した場合、電流制御部2は、出力電流制限値を、各負荷装置200-1〜200-nの起動時に必要な起動電流値を合算した値に合わせた出力電流制限値;Aに設定する。
【0051】
次に、電流制御部2は、電源装置100の起動時から任意の時間T1が経過した場合(定常運転時になった場合)に、出力電流制限値を、各負荷装置200-1〜200-nの定常運転時に必要な電流値を合算した値に合わせた出力電流制限値;Bに変更する。
【0052】
次に、電流制御部2は、接続信号300-1が未接続になったことを認識した段階で、出力電流制限値を、各負荷装置200-1〜200-nの起動時に必要な起動電流値を合算した値に合わせた出力電流制限値;Aに変更する。これにより、電流制御部2は、負荷装置200-1が抜去された場合に、出力電流制限値を出力電流制限値;Aに変更することになる。
【0053】
次に、電流制御部2は、接続信号300-1が接続になったことを認識した段階から任意の時間T1が経過した場合に、出力電流制限値を、各負荷装置200-1〜200-nの定常運転時に必要な電流値を合算した値に合わせた出力電流制限値;Bに変更する。これにより、電流制御部2は、負荷装置200-1が装着してから任意の時間T1が経過した場合に、起動時と同様に、出力電流制限値を出力電流制限値;Bに変更することになる。
【0054】
<本実施形態の電源システムの作用・効果>
このように、本実施形態の電源システムは、電源装置100に複数の負荷装置200-1〜200-n(nは、2以上の任意の整数)が接続可能な構成の場合には、電源装置100は、図9に示すように、各負荷装置200-1〜200-nの『起動時』に必要とする起動電流値を合算した値に合わせた『出力電流制限値;A(起動電流値200-1+起動電流値200-2+・・・+起動電流値200-n)』と、各負荷装置200-1〜200-nの『定常運転時』に必要とする電流値を合算した値に合わせた『出力電流制限値;B(電流値200-1+電流値200-2+・・・+電流値200-n)』と、を予め管理し、その管理した情報を基に、出力電流制限値を変更する。但し、出力電流制限値;Aは、出力電流制限値;Bよりも大きい値である(A>B)。これにより、電源装置100に複数の負荷装置200-1〜200-nが接続可能な構成であっても、電源装置100に接続される負荷装置200-1〜200-nに応じて出力電流制限値を動的に変更することが可能となる。
【0055】
なお、上述する実施形態は、本発明の好適な実施形態であり、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
【0056】
例えば、上述した本実施形態における電源装置100を構成する各装置における制御動作は、ハードウェア、または、ソフトウェア、あるいは、両者の複合構成を用いて実行することも可能である。
【0057】
なお、ソフトウェアを用いて処理を実行する場合には、処理シーケンスを記録したプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ内のメモリにインストールして実行させることが可能である。あるいは、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させることが可能である。
【0058】
例えば、プログラムは、記録媒体としてのハードディスクやROM(Read Only Memory)に予め記録しておくことが可能である。あるいは、プログラムは、リムーバブル記録媒体に、一時的、あるいは、永続的に格納(記録)しておくことが可能である。このようなリムーバブル記録媒体は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することが可能である。リムーバブル記録媒体としては、フロッピー(登録商標)ディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、MO(Magneto optical)ディスク、DVD(Digital Versatile Disc)、磁気ディスク、半導体メモリなどが挙げられる。
【0059】
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブル記録媒体からコンピュータにインストールすることになる。また、ダウンロードサイトから、コンピュータに無線転送することになる。また、ネットワークを介して、コンピュータに有線で転送することになる。
【0060】
また、本実施形態における電源装置100は、上記実施形態で説明した処理動作に従って時系列的に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力、あるいは、必要に応じて並列的にあるいは個別に実行するように構築することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、モーター性負荷装置、又は、起動時に一時的に大電流を必要とする負荷装置が接続される電源装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0062】
100 電源装置
200、200−1〜200−n 負荷装置
300、300−1〜300−n 制御信号
101 変更部
102 監視部
1 電源部
2 電流制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの負荷装置に電流を供給する電源装置であって、
前記負荷装置に供給する電流を制限するための出力電流制限値を変更する変更手段と、
前記電源装置と前記負荷装置との接続状態を監視する監視手段と、を有し、
前記変更手段は、
前記負荷装置との接続状態に応じて前記出力電流制限値を変更する第1の変更手段を有することを特徴とする電源装置。
【請求項2】
前記変更手段は、
前記電源装置が起動した場合に、前記出力電流制限値を、前記負荷装置の起動時に必要とする起動電流値に変更し、前記電源装置が起動してから所定の時間が経過した場合に、前記出力電流制限値を、前記負荷装置の定常運転時に必要とする電流値に変更する第2の変更手段を有し、
前記第1の変更手段は、
前記負荷装置が未接続状態になった場合には、前記負荷装置が接続状態になるまでの間に、前記出力電流制限値を、前記起動電流値に変更することを特徴とする請求項1記載の電源装置。
【請求項3】
前記第1の変更手段は、
前記負荷装置が未接続状態になった段階で、前記出力電流制限値を、前記起動電流値に変更することを特徴とする請求項2記載の電源装置。
【請求項4】
前記第1の変更手段は、
前記負荷装置が接続状態になった段階から所定の時間が経過した場合に、前記出力電流制限値を、前記起動電流値に変更することを特徴とする請求項2記載の電源装置。
【請求項5】
前記第1の変更手段は、
前記負荷装置が接続状態になった段階から所定の時間が経過した場合に、前記出力電流制限値を、前記負荷装置の定常運転時に必要とする電流値に変更することを特徴とする請求項2から請求項4の何れかの請求項に記載の電源装置。
【請求項6】
前記変更手段は、
前記電源装置に複数の負荷装置が接続可能な場合には、前記出力電流制限値を、前記複数の負荷装置が必要とする電流値を合算した値に変更することを特徴とする請求項1から請求項5の何れかの請求項に記載の電源装置。
【請求項7】
少なくとも1つの負荷装置と、前記負荷装置に電流を供給する電源装置と、を有して構成する電源システムであって、
前記電源装置は、
前記負荷装置に供給する電流を制限するための出力電流制限値を変更する変更手段と、
前記電源装置と前記負荷装置との接続状態を監視する監視手段と、を有し、
前記変更手段は、
前記負荷装置との接続状態に応じて前記出力電流制限値を変更する第1の変更手段を有することを特徴とする電源システム。
【請求項8】
少なくとも1つの負荷装置に電流を供給する電源装置で行う制御方法であって、
前記負荷装置に供給する電流を制限するための出力電流制限値を変更する変更工程と、
前記電源装置と前記負荷装置との接続状態を監視する監視工程と、を有し、
前記変更工程は、
前記負荷装置との接続状態に応じて前記出力電流制限値を変更する第1の変更工程を有することを特徴とする制御方法。
【請求項9】
少なくとも1つの負荷装置に電流を供給する電源装置のコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記負荷装置に供給する電流を制限するための出力電流制限値を変更する変更処理と、
前記電源装置と前記負荷装置との接続状態を監視する監視処理と、を前記コンピュータに実行させ、
前記変更処理は、
前記負荷装置との接続状態に応じて前記出力電流制限値を変更する第1の変更処理を有することを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−200550(P2010−200550A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−44736(P2009−44736)
【出願日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【出願人】(000222060)東北日本電気株式会社 (16)
【Fターム(参考)】