説明

電源装置及び画像形成装置

【課題】複数のオプション機器の接続の有無や動作条件に依らず、エネルギー効率の高い省エネルギーの電源装置を提供する。
【解決手段】接続自在な複数のオプション機器の各々に対応して設けられたDC−DCコンバータと、前記オプション機器の接続状態に応じて前記DC−DCコンバータの動作オン/オフを制御する制御手段と、を具備することを特徴とする電源装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、下記特許文献1には、高出力(高負荷)モードにおいて高変換効率を有するDC−DCコンバータと、低出力(低負荷)モードにおいて高変換効率を有するDC−DCコンバータとを、モードに応じて選択的に使用することにより、待機状態時の省エネ化を図る技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−12868号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術を複数のオプション機器が接続される画像形成装置に適用する場合、各オプション機器の最大出力時の出力電力及び待機状態時の出力電力や、オプション機器が接続されていない状態での最小出力電力などの様々な条件下において最も効率が高くなるようにDC−DCコンバータを切り替える必要があり、そのためのDC−DCコンバータの切り替え制御が煩雑になるという問題があった。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、複数のオプション機器の接続の有無や動作条件に依らず、エネルギー効率の高い省エネルギーの電源装置及び当該電源装置を備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る電源装置は、接続自在な複数のオプション機器の各々に対応して設けられたDC−DCコンバータと、前記オプション機器の接続状態に応じて前記DC−DCコンバータの動作オン/オフを制御する制御手段とを具備することを特徴とする。
また、本発明に係る電源装置において、前記制御手段は、接続中のオプション機器に対応するDC−DCコンバータの動作をオンにすることを特徴とする。
また、本発明に係る電源装置は、各DC−DCコンバータに直流電圧を供給すると共に、各オプション機器に必要な駆動系電源電圧を各オプション機器に供給する1次電源を備え、前記DC−DCコンバータの各々は、前記1次電源から供給される直流電圧を各々に対応するオプション機器に必要な制御系電源電圧に変換して各々に対応するオプション機器に供給することを特徴とする。
また、本発明に係る電源装置は、前記DC−DCコンバータの各々に対応して設けられ、前記制御系電源電圧がオプション機器に供給された後に前記駆動系電源電圧がオプション機器に供給されるように電源シーケンスの制御を行う電源シーケンス制御手段を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る電源装置において、前記DC−DCコンバータの少なくとも1つは、前記制御手段を動作させるために常時オン状態であり、前記制御手段は、前記常時オン状態のDC−DCコンバータに対応するオプション機器以外のオプション機器の接続状態に応じて、前記常時オン状態のDC−DCコンバータ以外のDC−DCコンバータの動作オン/オフを制御することを特徴とする。
さらに、本発明に係る画像形成装置は、複数のオプション機器用の電源装置として、上述した特徴を有する電源装置を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、複数のオプション機器の各々に対応して設けられたDC−DCコンバータを、各オプション機器の接続状態に応じてオン/オフ制御することにより、オプション機器が接続されていない場合には不要な電力消費を抑えることができると共に、オプション機器が接続されている場合にはそのオプション機器の電源仕様に対して最適化されたDC−DCコンバータを用いることにより、他のオプション機器の電力消費量に関係無く、最も効率の良い電源供給を行うことができる。
すなわち、本発明によれば、複数のオプション機器の接続の有無や動作条件に依らず、エネルギー効率の高い省エネルギーの電源装置及び当該電源装置を備えた画像形成装置を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態における電源装置1のブロック構成図である。
【図2】本発明の一実施形態における画像形成装置100の構成概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
〔電源装置〕
図1は、本実施形態に係る電源装置1のブロック構成図である。この図1に示すように、本実施形態に係る電源装置1は、1次電源2及び電源回路基板3から構成されている。なお、電源装置1は、後述するオプションポートを介して3つのオプション機器(第1のオプション機器OP1、第2のオプション機器OP2、第3のオプション機器OP3)と接続可能となっており、各オプション機器に直流電源を供給するものである。
【0010】
1次電源2は、商用電源電圧(AC100Vなど)を例えば12Vまたは24Vなどの直流電圧に変換して電源回路基板3に供給するものであり、例えばトランスや整流回路、平滑回路などから構成されている。なお、この1次電源2は、上記のように生成した直流電圧を電源回路基板3における第1のDC−DCコンバータ3a、第2のDC−DCコンバータ3b及び第3のDC−DCコンバータ3cに供給すると共に、この直流電圧を駆動系電源電圧Vd(モータ等の駆動系に必要な電源)として電源回路基板3における第1のスイッチング素子3d、第2のスイッチング素子3e及び第3のスイッチング素子3fに供給する。
【0011】
電源回路基板3は、第1のDC−DCコンバータ3a、第2のDC−DCコンバータ3b、第3のDC−DCコンバータ3c、第1のスイッチング素子3d、第2のスイッチング素子3e、第3のスイッチング素子3f、第1のオプションポート3g、第2のオプションポート3h、第3のオプションポート3i、第1の接続検出回路3j、第2の接続検出回路3k及び動作制御回路3mを備えている。
なお、上記の第1のスイッチング素子3d、第2のスイッチング素子3e及び第3のスイッチング素子3fは、本発明における電源シーケンス制御手段に相当し、第1の接続検出回路3j、第2の接続検出回路3k及び動作制御回路3mは、本発明における制御手段に相当する構成要素である。
【0012】
第1のDC−DCコンバータ3aは、第1のオプションポート3gを介して接続される第1のオプション機器OP1に対応して設けられたDC−DCコンバータであり、1次電源2から供給される直流電圧を第1のオプション機器OP1に必要な制御系電源電圧Vc1(例えば、ICや回路素子などの制御系に必要な電源:3.3Vまたは5Vなど)に変換して第1のスイッチング素子3d、第1のオプションポート3g、第1の接続検出回路3j、第2の接続検出回路3k及び動作制御回路3mに出力する。
【0013】
なお、この第1のDC−DCコンバータ3aは、第1のオプション機器OP1の電源仕様に対して最適化(変換効率が最大となるように設定)されたものである。また、この第1のDC−DCコンバータ3aは、後述する第1の接続検出回路3j、第2の接続検出回路3k及び動作制御回路3mを動作させるために常時オン状態である。つまり、第1のDC−DCコンバータ3aによって生成される制御系電源電圧Vc1は、常時、第1のスイッチング素子3d、第1のオプションポート3g、第1の接続検出回路3j、第2の接続検出回路3k及び動作制御回路3mに出力される。
【0014】
第2のDC−DCコンバータ3bは、第2のオプションポート3hを介して接続される第2のオプション機器OP2に対応して設けられたDC−DCコンバータであり、1次電源2から供給される直流電圧を第2のオプション機器OP2に必要な制御系電源電圧Vc2(例えば3.3Vまたは5Vなど)に変換して第2のスイッチング素子3e及び第2のオプションポート3hに出力する。
【0015】
なお、この第2のDC−DCコンバータ3bは、第2のオプション機器OP2の電源仕様に対して最適化されたものである。また、この第2のDC−DCコンバータ3bは、動作制御回路3mから入力される動作制御信号ct1に応じて電圧変換動作のオン/オフを切り替える機能を有している。具体的には、この第2のDC−DCコンバータ3bは、動作制御信号ct1がハイレベルの場合に電圧変換動作をオンに切り替え、また、動作制御信号ct1がローレベルの場合に電圧変換動作をオフに切り替える。
【0016】
第3のDC−DCコンバータ3cは、第3のオプションポート3iを介して接続される第3のオプション機器OP3に対応して設けられたDC−DCコンバータであり、1次電源2から供給される直流電圧を第3のオプション機器OP3に必要な制御系電源電圧Vc3(例えば3.3Vまたは5Vなど)に変換して第3のスイッチング素子3f及び第3のオプションポート3iに出力する。
【0017】
なお、この第3のDC−DCコンバータ3cは、第3のオプション機器OP3の電源仕様に対して最適化されたものである。また、この第3のDC−DCコンバータ3cは、動作制御回路3mから入力される動作制御信号ct2に応じて電圧変換動作のオン/オフを切り替える機能を有している。具体的には、この第3のDC−DCコンバータ3cは、動作制御信号ct2がハイレベルの場合に電圧変換動作をオンに切り替え、また、動作制御信号ct2がローレベルの場合に電圧変換動作をオフに切り替える。
【0018】
第1のスイッチング素子3dは、例えばFET(電界効果トランジスタ)等のトランジスタであり、第1のDC−DCコンバータ3aから入力される制御系電源電圧Vc1に応じてオン/オフし、駆動系電源電圧Vdを第1のオプションポート3gに出力するか否かを切り替える。具体的には、第1のスイッチング素子3dは、制御系電源電圧Vc1が所定の閾値を越えた場合にオン状態となり、駆動系電源電圧Vdを第1のオプションポート3gに出力する。
【0019】
第2のスイッチング素子3eは、例えばFET(電界効果トランジスタ)等のトランジスタであり、第2のDC−DCコンバータ3bから入力される制御系電源電圧Vc2に応じてオン/オフし、駆動系電源電圧Vdを第2のオプションポート3hに出力するか否かを切り替える。具体的には、第2のスイッチング素子3eは、制御系電源電圧Vc2が所定の閾値を越えた場合にオン状態となり、駆動系電源電圧Vdを第2のオプションポート3hに出力する。
【0020】
第3のスイッチング素子3fは、例えばFET(電界効果トランジスタ)等のトランジスタであり、第3のDC−DCコンバータ3cから入力される制御系電源電圧Vc3に応じてオン/オフし、駆動系電源電圧Vdを第3のオプションポート3iに出力するか否かを切り替える。具体的には、第3のスイッチング素子3fは、制御系電源電圧Vc3が所定の閾値を越えた場合にオン状態となり、駆動系電源電圧Vdを第3のオプションポート3iに出力する。
【0021】
第1のオプションポート3gは、第1のオプション機器OP1と電源回路基板3とを電気的及び機械的に接続するためのコネクタ等によって構成されており、第1のDC−DCコンバータ3aから入力される制御系電源電圧Vc1と、第1のスイッチング素子3dを介して入力される駆動系電源電圧Vdとを第1のオプション機器OP1に供給する。
【0022】
第2のオプションポート3hは、第2のオプション機器OP2と電源回路基板3とを電気的及び機械的に接続するためのコネクタ等によって構成されており、第2のDC−DCコンバータ3bから入力される制御系電源電圧Vc2と、第2のスイッチング素子3eを介して入力される駆動系電源電圧Vdとを第2のオプション機器OP2に供給する。
【0023】
第3のオプションポート3iは、第3のオプション機器OP3と電源回路基板3とを電気的及び機械的に接続するためのコネクタ等によって構成されており、第3のDC−DCコンバータ3cから入力される制御系電源電圧Vc3と、第3のスイッチング素子3fを介して入力される駆動系電源電圧Vdとを第3のオプション機器OP3に供給する。
【0024】
第1の接続検出回路3jは、第1のDC−DCコンバータ3aから入力される制御系電源電圧Vc1を電源として動作する回路であり、第2のオプションポート3hに対する第2のオプション機器OP2の接続状態を検出し、その検出結果を示す信号(オプション検出信号S1)を動作制御回路3mに出力する。具体的には、この第1の接続検出回路3jは、第2のオプション機器OP2が第2のオプションポート3hに接続されている場合にハイレベルのオプション検出信号S1を動作制御回路3mに出力する。
【0025】
第2の接続検出回路3kは、第1のDC−DCコンバータ3aから入力される制御系電源電圧Vc1を電源として動作する回路であり、第3のオプションポート3iに対する第3のオプション機器OP3の接続状態を検出し、その検出結果を示す信号(オプション検出信号S2)を動作制御回路3mに出力する。具体的には、この第2の接続検出回路3kは、第3のオプション機器OP3が第3のオプションポート3iに接続されている場合にハイレベルのオプション検出信号S2を動作制御回路3mに出力する。
【0026】
なお、第1の接続検出回路3jにおいて、第2のオプション機器OP2の接続状態を検出する手法としては、光センサなどを用いて第2のオプション機器OP2の接続状態を検出する手法や、第2のオプション機器OP2の機械的な接続を検知するスイッチを第2のオプションポート3hの近傍に設け、そのスイッチの出力をオプション検出信号S1として取り出す手法などを採用することができる。第2の接続検出回路3kについても同様である。
【0027】
動作制御回路3mは、第1のDC−DCコンバータ3aから入力される制御系電源電圧Vc1を電源として動作する回路であり、第1の接続検出回路3jから入力されるオプション検出信号S1と、第2の接続検出回路3kから入力されるオプション検出信号S2とに基づいて、第2のDC−DCコンバータ3b及び第3のDC−DCコンバータ3cの動作オン/オフを制御する。具体的には、この動作制御回路3mは、オプション検出信号S1がハイレベルの場合に、ハイレベルの動作制御信号ct1を第2のDC−DCコンバータ3bに出力し、また、オプション検出信号S2がハイレベルの場合に、ハイレベルの動作制御信号ct2を第3のDC−DCコンバータ3cに出力する。
【0028】
次に、上記のように構成された本実施形態に係る電源装置1の動作について詳細に説明する。
まず、第1のオプション機器OP1及び第2のオプション機器OP2が接続されている場合に着目して説明する。この場合、不図示の主電源スイッチが投入されて、1次電源2から直流電圧(駆動系電源電圧Vd)が電源回路基板3に供給されると、第1のDC−DCコンバータ3aによって生成された制御系電源電圧Vc1(3.3Vまたは5V)は、第1のオプションポート3gを介して第1のオプション機器OP1に供給されると共に、第1のスイッチング素子3d、第1の接続検出回路3j、第2の接続検出回路3k及び動作制御回路3mに出力される。
【0029】
ここで、第1のスイッチング素子3dはオン状態となり、駆動系電源電圧Vdも第1のオプションポート3gを介して第1のオプション機器OP1に供給される。つまり、第1のスイッチング素子3dによって、制御系電源電圧Vc1が第1のオプション機器OP1に供給された後に駆動系電源電圧Vdが第1のオプション機器OP1に供給されるように電源シーケンスの制御が行われ、第1のオプション機器OP1の誤動作を防ぐことができる。
【0030】
一方、第1の接続検出回路3jからハイレベルのオプション検出信号S1が動作制御回路3mに出力され、第2の接続検出回路3kからローレベルのオプション検出信号S2が動作制御回路3mに出力される。これにより、動作制御回路3mは、ハイレベルの動作制御信号ct1を第2のDC−DCコンバータ3bに出力し、また、ローレベルの動作制御信号ct2を第3のDC−DCコンバータ3cに出力する。
【0031】
これにより、第2のDC−DCコンバータ3bの動作はオンに切り替わり、第2のDC−DCコンバータ3bによって生成された制御系電源電圧Vc2は、第2のオプションポート3hを介して第2のオプション機器OP2に供給されると共に、第2のスイッチング素子3eに出力される。また、第3のDC−DCコンバータ3cの動作はオフのままであるため、制御系電源電圧Vc3は生成されない。
【0032】
ここで、第2のスイッチング素子3eはオン状態となり、駆動系電源電圧Vdも第2のオプションポート3hを介して第2のオプション機器OP2に供給される。つまり、第2のスイッチング素子3eによって、制御系電源電圧Vc2が第2のオプション機器OP2に供給された後に駆動系電源電圧Vdが第2のオプション機器OP2に供給されるように電源シーケンスの制御が行われ、第2のオプション機器OP2の誤動作を防ぐことができる。なお、この時、第3のスイッチング素子3fはオフ状態のままである。
【0033】
以上、第1のオプション機器OP1及び第2のオプション機器OP2が接続されている場合に着目して説明したが、第3のオプション機器OP3が接続された場合も同様である。つまり、この場合、第2の接続検出回路3kからハイレベルのオプション検出信号S2が動作制御回路3mに出力され、動作制御回路3mからハイレベルの動作制御信号ct2が第3のDC−DCコンバータ3cに出力される。
【0034】
これにより、第3のDC−DCコンバータ3cの動作はオンに切り替わり、第3のDC−DCコンバータ3cによって生成された制御系電源電圧Vc3は、第3のオプションポート3iを介して第3のオプション機器OP3に供給されると共に、第3のスイッチング素子3fに出力され、制御系電源電圧Vc3が第3のオプション機器OP3に供給された後に駆動系電源電圧Vdが第3のオプション機器OP3に供給されることになる。
【0035】
以上のように、本実施形態に係る電源装置1では、複数のオプション機器の各々に対応して設けられたDC−DCコンバータを、各オプション機器の接続状態に応じてオン/オフ制御することにより、オプション機器が接続されていない場合には不要な電力消費を抑えることができると共に、オプション機器が接続されている場合にはそのオプション機器の電源仕様に対して最適化されたDC−DCコンバータを用いることにより、他のオプションポートの電力消費量に関係無く、最も効率の良い電源供給を行うことができる。すなわち、本実施形態によれば、複数のオプション機器の接続の有無や動作条件に依らず、エネルギー効率の高い省エネルギーの電源装置1を提供することが可能である。
【0036】
なお、本発明は上記実施形態に限らず、以下のような変形例が考えられる。
(1)上記実施形態では、3つのオプション機器を接続可能な電源装置1を想定し、3つのDC−DCコンバータを設けた構成を例示したが、2つ、または4つ以上のオプション機器を接続可能な電源装置であれば、そのオプション機器の接続可能な数に応じてDC−DCコンバータを設けても良い。
【0037】
(2)また、上記実施形態では、制御手段(第1の接続検出回路3j、第2の接続検出回路3k及び動作制御回路3m)に電源を供給するために、3つの内、1つのDC−DCコンバータを常時オン状態としたが、制御手段の電源を1次電源2側から得ることができる場合にはその必要はなく、他のDC−DCコンバータと同様に、オプション機器の接続状態に応じてオン/オフ制御可能な構成にしても良い。
【0038】
(3)また、上記実施形態では、DC−DCコンバータによって生成される制御系電源電圧に応じてオン/オフするスイッチング素子を用いたが、電源シーケンスさえ守ることができれば、他の回路から制御信号を出力してスイッチング素子をオン/オフするような構成としても良い。
【0039】
〔画像形成装置〕
続いて、上述した電源装置1を備える画像形成装置について説明する。なお、以下では、本発明に係る画像形成装置として、コピー機、プリンタ等の機能を1台に集約した複合機(MFP:Multi Function Peripherals)を例示して説明する。図2は本実施形態における画像形成装置100の構成概略図である。この図2に示すように、画像形成装置100は、原稿を読み取るための原稿読取装置1Aと、原稿読取装置1Aによって読み取った原稿の画像データ、または通信回線を介して外部から送信された画像データに基づいて用紙(記録媒体)に画像を形成するMFP本体2Aとから概略構成されている。
【0040】
原稿読取装置1Aは、スキャナ部10及びADF(Auto Document Feeder:自動原稿給紙装置)20から構成されている。スキャナ部10は、プラテンガラス11上にセットされた原稿、またはADF20によって自動給紙される原稿の読み取りを行うものであり、プラテンガラス11、白色基準板12、フルレートキャリッジ13、ハーフレートキャリッジ14、集光レンズ15及びCCD(Charge Coupled Devices)センサ16等を備えている。
【0041】
プラテンガラス11は、読み取り対象の原稿を1枚ずつセットするためのガラス板である。白色基準板12は、シェーディング補正用の白色基準データを取得するための白色板である。フルレートキャリッジ13は、プラテンガラス11の下方において、不図示のキャリッジ搬送機構によりプラテンガラス11に沿って左右方向(走査方向)に往復移動可能に設けられており、照明光を斜め上方に向けて出射するランプ13aと、照明光の反射光を後述するハーフレートキャリッジ14に向けて反射するミラー13bを内蔵している。
【0042】
ハーフレートキャリッジ14は、フルレートキャリッジ13と同様に、不図示のキャリッジ搬送機構によりプラテンガラス11に沿って左右方向に往復移動可能に設けられており、フルレートキャリッジ13のミラー13bからの入射光を下方に向けて反射するミラー14aと、ミラー14aからの入射光を後述する集光レンズ15に向けて反射するミラー14bを内蔵している。なお、キャリッジ搬送機構により、フルレートキャリッジ13の移動量とハーフレートキャリッジ14の移動量との比率は1:0.5となるように制御されている。これにより、集光レンズ15に達するまでの照明光の光路長が一定となるように制御される。
【0043】
プラテンガラス11上にセットされた原稿を読み取る場合は、フルレートキャリッジ13及びハーフレートキャリッジ14を走査方向に移動させることで原稿をスキャンするが、後述するADF20によって原稿を自動給紙する場合には、フルレートキャリッジ13及びハーフレートキャリッジ14を所定の原稿読取位置にて待機させ、原稿側を移動(搬送)させることで原稿をスキャンする。
【0044】
集光レンズ15は、ハーフレートキャリッジ14のミラー14bからの入射光を集光してCCDセンサ16の受光面に結像させる。CCDセンサ16は、不図示のCCD駆動部から供給されるタイミング信号に同期して作動し、受光面にて受光した光を光電変換することにより、読み取った原稿の画像に応じたアナログ電圧信号を生成してAFE(アナログフロントエンド:図示省略)に出力する。なお、AFEは、上記のアナログ電圧信号を所定のゲイン設定値にて増幅した後、デジタル変換して読み取った原稿の画像データを生成するものである。
【0045】
ADF20は、原稿載置トレイ22にセットされた複数枚の原稿を1枚ずつ順次自動給紙するものであり、プラテンカバー21、原稿載置トレイ22、ピックアップローラ23、レジストローラ24、プラテンローラ25及び排紙ローラ26等から構成されている。プラテンカバー21は、スキャナ部10の上面に対して開閉可能に設けられており、プラテンガラス11上に原稿をセットして読み取りを行う場合における原稿押さえカバーとしての役割と、ピックアップローラ23、レジストローラ24、プラテンローラ25及び排紙ローラ26等の自動給紙機構に使用される部材の収納用筐体としての役割を担っている。なお、図2では、プラテンカバー21が閉じられた状態を示している。
【0046】
原稿載置トレイ22は、読み取り対象の原稿をセットするためのトレイである。ピックアップローラ23は、原稿載置トレイ22にセットされた原稿を1枚ずつピックアップしてレジストローラ24に搬出するためのローラである。レジストローラ24は、所定のタイミングで原稿をプラテンローラ25に搬送するためのローラである。プラテンローラ25は、原稿を所定の原稿読取位置を経由して排紙ローラ26に搬送するためのローラである。排紙ローラ26は、読み取り完了後の原稿を外部に排出するためのローラである。
【0047】
MFP本体2Aは、原稿読取装置1Aにて読み取った原稿の画像データ、または通信回線を介して外部から送信された画像データに基づいて、電子写真方式によってトナー画像を形成し、そのトナー画像を記録媒体である用紙に転写するトナー画像形成部3Aと、トナー画像形成部3Aによって用紙に転写されたトナー画像を定着させる定着部4と、トナー画像形成部3A及び定着部4を経由して用紙を外部に搬送するための用紙搬送機構5と、各種サイズの用紙を収容するための給紙カセット6、7、8とを備えている。さらに、MFP本体2Aには、手前側に開閉自在な手差しトレイ9が設けられており、手差しトレイ9に載置された用紙を用紙搬送機構5によって搬送可能な構成となっている。
【0048】
トナー画像形成部3Aは、中間転写ベルト31と、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(BK)の各色にそれぞれ対応したトナー画像形成ユニットF(FY、FM、FC、FB)と、駆動ローラ32と、テンションローラ33と、二次転写ローラ34と、クリーナー35とから構成されている。
【0049】
中間転写ベルト31は、各トナー画像形成ユニットF(FY、FM、FC、FB)によって形成される各色のトナー画像を1次転写するための中間転写体であり、駆動ローラ32及びテンションローラ33に張架されて、図2において時計回りに回走する構成となっている。
【0050】
トナー画像形成ユニットF(FY、FM、FC、FB)は、それぞれ感光体ドラムFaと、帯電部Fbと、露光部Fcと、現像部Fdと、一次転写ローラFeとを備え、さらに不図示のクリーニング装置及び除電装置等とを備える。感光体ドラムFaは、円柱に形状設定され、その周面に静電潜像及び当該静電潜像に基づくトナー画像が形成されるものである。帯電部Fbは、感光体ドラムFaに対して対向配置され、感光体ドラムFaの周面を帯電状態とするものである。露光部Fcは、画像データに基づいてレーザ光を帯電状態の感光体ドラムFaの周面において走査して静電潜像を形成するものである。現像部Fdは、感光体ドラムFaの周面に対してトナーを付着させることによって感光体ドラムFaの周面上に静電潜像に基づくトナー画像を形成(現像)するものである。
【0051】
一次転写ローラFeは、中間転写ベルト31を挟んで感光体ドラムFaと対向配置され、感光体ドラムFaに現像されたトナー画像を中間転写ベルト31に一次転写するものである。二次転写ローラ34は、中間転写ベルト31を挟んで駆動ローラ32と対向配置されており、給紙カセット6、7、8のいずれかから用紙搬送機構5によって搬送される用紙に、中間転写ベルト31表面に転写されているトナー画像を2次転写するものである。クリーナー35は、クリーニングローラやクリーニングブレード等を備え、中間転写ベルト31の残留トナーを除去するものである。
【0052】
定着部4は、用紙上に二次転写されたトナー画像を定着させるものであり、加圧・加熱することによりトナーを定着させる加熱ローラ41を備えている。用紙搬送機構5は、給紙カセット6、7、8から用紙を1枚ずつ搬出するためのピックアップローラ51、52、53と、ピックアップした用紙をトナー画像形成部3A(駆動ローラ32と2次転写ローラ34との間)に搬送するための給紙ローラ54、55、56と、定着後の用紙を外部に排紙するための排紙ローラ57等から構成されている。給紙カセット6、7、8は、MFP本体2Aに対して引き出し自在に取り付けられており、各種サイズの用紙を収容するものである。
【0053】
このような画像形成装置100は、オプション機器として、例えば図2に示すような大容量ペーパーフィーダー200や、フィニッシャー300、または不図示の課金装置(コンビニエンスストア等の不特定多数のユーザが利用する施設において、ユーザが画像形成装置100を使用して所定のジョブを実施した際に、そのジョブの内容に応じてユーザから使用料金の回収(課金)を行うための装置)などを接続することが可能であり、これらのオプション機器へ電源供給を行うための電源装置として、上述した電源装置1を備えている(図2では図示省略)。
【0054】
なお、上記実施形態では、画像形成装置100としてMFPを例示して説明したが、本発明はこれに限定されず、コピー機や、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置にも適用することができる。また、上記実施形態では、タンデム方式の画像形成装置100を例示したが、その他の方式の画像形成装置でも本発明を適用可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0055】
1…電源装置、2…1次電源、3…電源回路基板、3a…第1のDC−DCコンバータ、3b…第2のDC−DCコンバータ、3c…第3のDC−DCコンバータ、3d…第1のスイッチング素子、3e…第2のスイッチング素子、3f…第3のスイッチング素子、3g…第1のオプションポート、3h…第2のオプションポート、3i…第3のオプションポート、3j…第1の接続検出回路、3k…第2の接続検出回路、3m…動作制御回路、100…画像形成装置、200大容量ペーパーフィーダー、300フィニッシャー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続自在な複数のオプション機器の各々に対応して設けられたDC−DCコンバータと、
前記オプション機器の接続状態に応じて前記DC−DCコンバータの動作オン/オフを制御する制御手段と、
を具備することを特徴とする電源装置。
【請求項2】
前記制御手段は、接続中のオプション機器に対応するDC−DCコンバータの動作をオンにすることを特徴とする請求項1記載の電源装置。
【請求項3】
各DC−DCコンバータに直流電圧を供給すると共に、各オプション機器に必要な駆動系電源電圧を各オプション機器に供給する1次電源を備え、
前記DC−DCコンバータの各々は、前記1次電源から供給される直流電圧を各々に対応するオプション機器に必要な制御系電源電圧に変換して各々に対応するオプション機器に供給することを特徴とする請求項1または2に記載の電源装置。
【請求項4】
前記DC−DCコンバータの各々に対応して設けられ、前記制御系電源電圧がオプション機器に供給された後に前記駆動系電源電圧がオプション機器に供給されるように電源シーケンスの制御を行う電源シーケンス制御手段を備えることを特徴とする請求項3記載の電源装置。
【請求項5】
前記DC−DCコンバータの少なくとも1つは、前記制御手段を動作させるために常時オン状態であり、
前記制御手段は、前記常時オン状態のDC−DCコンバータに対応するオプション機器以外のオプション機器の接続状態に応じて、前記常時オン状態のDC−DCコンバータ以外のDC−DCコンバータの動作オン/オフを制御することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の電源装置。
【請求項6】
複数のオプション機器用の電源装置として、請求項1〜5のいずれか一項に記載の電源装置を備えることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−207039(P2010−207039A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−52561(P2009−52561)
【出願日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】