説明

電源装置

【課題】カメラからのシンクロ信号が使えない場合においても、照明装置の発光後に主コンデンサへの充電を開始することができる電源装置を提供する。
【解決手段】本発明に係わる電源装置は、電源(10)を備え、該電源から得られる電力を、照明光を発光する照明装置(2)に対して供給する電源装置(1)であって、前記電源の電源電圧を昇圧することにより、前記照明装置に対して供給する充電電圧を出力する昇圧回路(13)と、前記照明装置から発せられた照明光を検知すると検知信号を発する光検知部から、前記検知信号が発せられると、前記昇圧回路へ前記電源電圧を供給して前記昇圧の動作を開始させる昇圧制御回路(16)と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置に電力を供給する電源装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
カメラの写真撮影に用いられる照明装置は、照明光を発光して被写体に照射するものである。このような照明装置による発光を多用すると、照明装置内に装填された電池だけでは主コンデンサの充電に時間がかかるようになる。このため、照明装置による発光を多用する写真撮影では、照明装置に外付けの電源装置を接続して、発光可能間隔をより短くするようにしている。従来の電源装置は、電源がオンすると、照明装置における発光の有無にかかわらず昇圧動作を繰り返し行っている。従って、発光間隔が長い場合には、電池が無駄に消耗することになる。このような電源装置に対する従来技術の一つとして、カメラ側から送信されるシンクロ信号を用い、照明装置が発光したタイミングで電源装置の昇圧動作を開始するようにしたものが知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平3−237441号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術では、カメラからのシンクロ信号を電源装置での昇圧動作の開始に用いているため、電源装置にシンクロ端子やカメラと電源装置との間を接続するケーブルが必要となる。また、カメラからのシンクロ信号を使えない場合、例えば、ワイヤレスの多灯撮影において、リモートの照明装置を充電する場合や、シンクロ信号出力の無い発光に対して、その発光後に照明装置を受電する場合などには、シンクロ端子やケーブルを備えていても対応することは困難であった。
【0005】
本発明の課題は、カメラからのシンクロ信号が使えない場合においても、照明装置の発光後に主コンデンサへの充電を開始することができる電源装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下のような解決手段により前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
請求項1に記載の発明は、電源(10)を備え、該電源から得られる電力を、照明光を発光する照明装置(2)に対して供給する電源装置(1)であって、前記電源の電源電圧を昇圧することにより、前記照明装置に対して供給する充電電圧を出力する昇圧回路(13)と、前記照明装置から発せられた照明光を検知すると検知信号を発する光検知部から、前記検知信号が発せられると、前記昇圧回路へ前記電源電圧を供給して前記昇圧の動作を開始させる昇圧制御回路(16)と、を備えることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電源装置(1)であって、前記昇圧回路(13)から出力された充電電圧の電圧レベルを検出する充電電圧検出回路(17)を備え、前記昇圧制御回路(16)は、前記充電電圧検出回路で充電電圧が所定電圧レベルに達したことが検出されると、前記昇圧回路(13)への前記電源電圧の供給を停止することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の電源装置であって、前記光検知部は、所定レベル以上の発光量を検知したときに前記検知信号を発することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の電源装置(1)であって、前記昇圧制御回路(16)は発振回路(16a)を含み、且つ前記光検知部から前記検知信号が出力されないときには、前記発振回路での発振動作を停止することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項2に記載の電源装置(1)であって、前記光検知部で前記検知信号が発せられたときから所定時間内に前記充電電圧検出回路(17)において前記充電電圧が前記所定電圧レベルに達したことが検出されない場合は、前記電源(10)から前記昇圧制御回路(16)への前記電源電圧の供給を停止させるワンショット回路を、更に備えることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の電源装置(1)であって、前記光検知部(18)を具備することを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の電源装置(1A)であって、前記光検知部(18)は前記照明装置(2)に設けられており、前記検知信号を受信する受信部(19)を具備することを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項6又は7に記載の電源装置(1,1A)であって、前記光検知部は、外部からの入射光を遮光する遮光手段(7,7A)を備えることを特徴とする。
なお、符号を付して説明した構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、カメラからのシンクロ信号が使えない場合においても、照明装置の発光後に主コンデンサへの充電を開始することができる電源装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1実施形態における電源装置の回路構成図である。
【図2】第1実施形態における照明装置の回路構成図である。
【図3】光検知回路の回路構成図である。
【図4】第1実施形態における電源装置の外観図である。
【図5】第1実施形態の照明装置におけるコネクタの取り付け位置を示す外観図である。
【図6】第2実施形態における電源装置の回路構成図である。
【図7】第2実施形態における電源装置の外観図である。
【図8】第2実施形態の照明装置におけるコネクタの取り付け状態を示す外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明に係わる電源装置の実施形態について説明する。なお、以下の説明において、信号の状態がHigh(又は1)レベルであることを“Hレベル”といい、Low(又は0)レベルであることを“Lレベル”という。
(第1実施形態)
【0010】
図1は、第1実施形態における電源装置1の回路構成図である。図1に示すように、電源装置1は、電源部10、定電圧回路11、ワンショット回路12、昇圧回路13、整流回路14、起動回路15、昇圧制御回路16、充電電圧検出回路17、光検知回路18、ゲート素子G1、G2、及びスイッチング素子SW1、SW2を備える。
【0011】
電源部10は、電源装置1の電源となる電池が装填される電池室である。電源部10からは、所定電圧の電源電圧Vccが出力される。
【0012】
定電圧回路11は、電源部10から出力された電源電圧Vccに基づいて、昇圧動作電圧Vsを出力する回路である。定電圧回路11から出力される昇圧動作電圧Vsは、ワンショット回路12、起動回路15、及びスイッチング素子SW1のソース(S)に供給される。また、昇圧動作電圧Vsは、昇圧が開始されると、スイッチング素子SW1を介して昇圧制御回路16に供給される。
【0013】
ワンショット回路12は、後述の照明装置2における充電状態に応じて、昇圧回路13への電源電圧Vccの供給を停止する回路である。ワンショット回路12は、入力側が起動回路15と接続され、出力側がゲート素子G1、G2と接続されている。
【0014】
ゲート素子G1の入力端子Aは、ワンショット回路12の出力側と接続されている。また、ゲート素子G1の入力端子Bは、起動回路15の出力側と接続されている。ゲート素子G1の出力端子Xは、スイッチング素子SW1のゲート(G)と接続されている。スイッチング素子SW1は、上述のように、ソース(S)が定電圧回路11と接続され、ドレイン(D)が後述の昇圧制御回路16と接続されている。定電圧回路11から出力された昇圧動作電圧Vsは、スイッチング素子SW1がオンすると、ドレイン(D)から昇圧動作電圧Voutとして昇圧制御回路16へ出力される。
【0015】
ゲート素子G2の反転入力端子/Aは、ワンショット回路12の出力側と接続されている。ゲート素子G2の入力端子Bは、起動回路15の出力側と接続されている。ゲート素子G2の出力端子Xは、ランプL2と接続されている。ランプL2は、ユーザに昇圧動作の強制的な停止を知らせる表示手段である。ランプL2は、ゲート素子G2の出力端子XがLレベルのときに消灯し、Hレベルのときに点灯する。ランプL2は、充電中はゲート素子G2の出力端子XがLレベルとなるため消灯している。また、後述するように、昇圧動作が強制的に停止したときは、ゲート素子G2の出力端子XがHレベルとなるため点灯する。なお、ランプL2及び後述するランプL1は、発光ダイオード(LED)により構成されている。
【0016】
ワンショット回路12は、後述する起動回路15の出力端子Q(ラッチ回路15a)がHレベルになると、ゲート素子G1の入力端子A、及びゲート素子G2の反転入力端子/Aの入力をHレベルとする。これにより、ゲート素子G1は、入力端子A、BがHレベルとなるため、出力端子XはLレベルとなる。ゲート素子G1の出力端子XがLレベルになると、スイッチング素子SW1のゲート(G)はLレベルとなる。この結果、スイッチング素子SW1がオンし、昇圧動作電圧Vsは、ドレイン(D)から昇圧動作電圧Voutとして昇圧制御回路16へ出力される。一方、ゲート素子G2では、反転入力端子/AがLレベル、入力端子BがHレベルとなるため、出力端子XはLレベルとなる。従って、ランプL2は消灯する。
【0017】
また、ワンショット回路12は、起動回路15の出力端子QがHレベルになったときから、不図示のタイマを起動して所定時間の計時を開始する。そして、所定時間内に、起動回路15の出力端子QがLレベルにならない場合は、定電圧回路11から昇圧制御回路16への昇圧動作電圧Vsの供給を停止する制御を行っている。昇圧制御回路16は、昇圧動作電圧Vsの供給が停止すると、発振回路16aにおける発振動作が停止する。これにより、昇圧制御回路16から所定レベルのゲート電圧がスイッチング素子SW2のゲート(G)に出力されなくなり、ソース(S)とドレイン(D)との間が非導通となって、トランスTの一次巻線Tfには、電源電圧Vccが供給されなくなる。
【0018】
すなわち、ワンショット回路12は、後述の光検知回路18で所定レベル以上の発光量を検知したときから所定時間内に、後述の充電電圧検出回路17において充電電圧が所定電圧レベルに達したことが検知されない場合は、昇圧回路13への電源電圧Vccの供給を停止する機能を備える。なお、所定時間とは、昇圧回路13が昇圧動作を開始してから、充電電圧に達するまでに要する平均的な充電時間である。従って、所定時間内に充電が完了しなければ、電源部10の電池容量が低下していることが考えられる。
【0019】
上述のように、起動回路15の出力端子QがHレベルとなったときから所定時間内に、出力端子QがLレベルとならない場合、ワンショット回路12は、ゲート素子G1の入力端子A、及びゲート素子G2の反転入力端子/Aの入力をLレベルとする。これにより、ゲート素子G1では、入力端子AがLレベル、入力端子BがHレベルとなるため、出力端子XはHレベルとなる。すると、スイッチング素子SW1がオフして、ドレイン(D)から昇圧制御回路16への昇圧動作電圧Voutの出力が停止する。すなわち、昇圧動作電圧Vsは定電圧回路11からトランスTの一次側に供給されない状態となる。また、ゲート素子G2では、反転入力端子/AがHレベル、入力端子BはHレベルとなるため、出力端子XはHレベルとなる。これにより、ランプL2はHレベルとなり、ユーザに昇圧動作の強制的な停止を知らせるランプL2が点灯する。
【0020】
昇圧回路13は、トランスTを備える。トランスTの一次巻線Tfには、電源部10から電源電圧Vccが供給される。この電源電圧Vccは、後述の昇圧制御回路16及びスイッチング素子SW2により変調された交番電圧である。トランスTの一次巻線Tfへ供給された電源電圧Vccは、トランスTで昇圧され、二次巻線Tsから交流の高電圧が出力される。
【0021】
整流回路14は、昇圧回路13から出力された交流の高電圧を直流の高電圧に変換して出力する回路である。整流回路14で変換された直流の高電圧は、充電電圧として、電力用配線w1、w2を介して高電圧出力端子T1、T2に出力される。高電圧出力端子T1、T2は、後述する照明装置2の高電圧入力端子T3、T4と接続される端子である。
【0022】
起動回路15は、ラッチ回路15aを備える。ラッチ回路15aは、セット入力端子SETと、反転リセット入力端子/RESETとを備える。セット入力端子SETは、後述の光検知回路18と接続されている。ラッチ回路15aのセット入力端子SETには、光検知回路18から光検知信号s1が入力される。光検知信号s1は、光検知回路18が所定レベル以上の発光量を検知しないときはLレベルとなり、所定レベル以上の発光量を検知したときはHレベルとなるパルス信号である。光検知信号s1は、検知信号用配線w5を通じて送信される。検知信号用配線w5は、光検知回路18と起動回路15との間を接続する配線である。
【0023】
ラッチ回路15aは、反転リセット入力端子/RESETの入力がLレベルのときに、セット入力端子SETの入力がHレベルになると、出力端子QをHレベルとする。この後、セット入力端子SETの入力はLレベルに戻るが、出力端子QはHレベルが保持される。
【0024】
ラッチ回路15aの反転リセット入力端子/RESETは、後述の充電電圧検出回路17と接続されている。反転リセット入力端子/RESETには、充電電圧検出回路17から充電電圧検出信号s2が入力される。なお、反転リセット入力端子/RESETは、反転入力となる。すなわち、充電電圧検出信号s2がHレベルのとき、反転リセット入力端子/RESETの入力はLレベルとなる。また、充電電圧検出信号s2がLレベルのとき、反転リセット入力端子/RESETの入力はHレベルとなる。
【0025】
ラッチ回路15aは、セット入力端子SETの入力がLレベルであり、反転リセット入力端子/RESETの入力がLレベルのときは、出力端子QはHレベルのままで、スイッチング素子SW1のゲート(G)もHレベルのままとなる。なお、後述する充電電圧検出回路17は、充電電圧が所定電圧レベルに達していないときは、充電電圧検出信号s2をHレベルとする。充電電圧検出信号s2がHレベルであれば、上記のように反転リセット入力端子/RESETの入力はLレベルとなるため、出力端子QのHレベルは変化しない。従って、スイッチング素子SW1のゲート(G)はLレベルのままとなる。このように、スイッチング素子SW1のゲート(G)がLレベルであれば、スイッチング素子SW1のドレイン(D)から昇圧制御回路16へ昇圧動作電圧Voutが出力され、昇圧回路13における昇圧動作が継続することになる。
【0026】
ラッチ回路15aは、セット入力端子SETの入力がLレベルのときに、反転リセット入力端子/RESETの入力がHレベルになると、出力端子QをLレベルとする。後述する充電電圧検出回路17は、充電電圧が所定電圧レベルに達すると、充電電圧検出信号s2をLレベルとする。充電電圧検出信号s2がLレベルになると、上記のように反転リセット入力端子/RESETの入力はHレベルとなる。従って、ラッチ回路15aの出力端子QはLレベルとなる。
【0027】
ラッチ回路15aの出力端子QがLレベルになると、ゲート素子G1では、入力端子AがHレベル、入力端子BがLレベルとなるため、出力端子XはHレベルとなる。すると、スイッチング素子SW1がオフして、ドレイン(D)から昇圧制御回路16への昇圧動作電圧Voutの出力が停止する。これにより、電源部10の電池電圧はトランスTの一次巻線Tfに供給されなくなる。従って、昇圧回路13における昇圧動作が停止する。
【0028】
一方、ラッチ回路15aの出力端子QがLレベルになると、ゲート素子G2では、反転入力端子/AがHレベル、入力端子BがLレベルとなるため、ランプL2にLレベルが出力される。このように、充電電圧が所定時間内に所定電圧レベル以上となった場合、すなわち、後述する主コンデンサC1の充電が通常の時間内に完了した場合は、昇圧動作の強制的な停止ではないので、ランプL2は消灯したままとなる。
【0029】
昇圧制御回路16は、後述の光検知回路18からの光検知信号s1(Hレベル又はLレベル)に応じて、昇圧回路13における昇圧動作の開始又は停止を制御する回路である。昇圧制御回路16は、発振回路16a、制御回路16b、及びランプL1を備える。発振回路16aは、昇圧動作電圧Voutの入力により、所定周波数の交流信号を発生する回路である。制御回路16bは、発振回路16aで発生した交流信号に基づいて、スイッチング素子SW2のゲート(G)に対して所定レベルのゲート電圧を交流電圧として出力する回路である。所定レベルのゲート電圧とは、スイッチング素子SW2のゲート(G)をオンさせる電圧である。ランプL1は、ユーザに充電中であることを知らせる表示手段である。ランプL1は、充電中は点灯し、充電停止で消灯する。
【0030】
昇圧制御回路16は、定電圧回路11から昇圧動作電圧Voutが入力されると、所定レベルのゲート電圧を交流電圧としてスイッチング素子SW2のゲート(G)に印加する。スイッチング素子SW2は、ゲート(G)に所定レベルのゲート電圧が印加されると、ソース(S)とドレイン(D)との間が導通する。ゲート電圧は交流電圧であるため、ソース(S)とドレイン(D)との間が周期的に導通すると、トランスTの一次巻線Tfには、電源電圧Vccが交番電圧として供給される。昇圧回路13は、トランスTの一次巻線Tfに電源電圧Vccが交番電圧として供給されると、昇圧動作を開始する。昇圧動作が開始されると、トランスTの二次巻線Tsには、交流の高電圧が出力される。
【0031】
このように、昇圧制御回路16は、後述の光検知回路18で所定レベル以上の発光量が検知されると、昇圧回路13への電源電圧Vccの供給を開始して、昇圧回路13に昇圧動作を実行させる機能を備える。
【0032】
また、昇圧制御回路16は、定電圧回路11から昇圧動作電圧Voutが入力されなくなると、発振回路16aにおける発振動作を停止する。これにより、所定レベルのゲート電圧がスイッチング素子SW2のゲート(G)に出力されなくなり、ソース(S)とドレイン(D)との間が非導通となる。このため、トランスTの一次巻線Tfには、電源電圧Vccが供給されなくなる。また、発振回路16aにおける発振動作が停止すると、ランプL1も消灯する。
【0033】
上述したように、起動回路15のラッチ回路15aは、セット入力端子SETの入力がLレベルのときに、反転リセット入力端子/RESETの入力がHレベルになると、出力端子Qにおけるラッチ信号をLレベルとする。この結果、ゲート素子G1によりスイッチング素子SW1がオフして、ドレイン(D)から昇圧制御回路16への昇圧動作電圧Voutの出力が停止する。
【0034】
このように、昇圧制御回路16は、後述の充電電圧検出回路17において充電電圧の電圧レベルが所定電圧レベルに達したことが検出されると、昇圧回路13への電源電圧Vccの供給を停止する機能を備える。
【0035】
充電電圧検出回路17は、高電圧出力端子T1、T2に出力された充電電圧の電圧レベルを監視する回路である。充電電圧検出回路17は、高電圧出力端子T1、T2の間に直列に接続された抵抗R1、R2と、一定の基準電圧を発生する基準電圧部17aと、電圧比較回路17bとを備える。抵抗R1、R2は、分圧回路を構成する。この分圧回路で分圧された分圧電圧は、電圧比較回路17bの−(マイナス)側の入力端子に入力される。基準電圧部17aからの基準電圧は、電圧比較回路17bの+(プラス)側の入力端子に入力される。電圧比較回路17bは、分圧電圧と基準電圧とを比較して、分圧電圧が基準電圧よりも高い場合には、充電電圧検出信号s2をLレベルとし、低い場合は充電電圧検出信号s2をHレベルとする。
【0036】
充電電圧検出回路17は、充電電圧が所定電圧レベルに達していないとき(昇圧回路13の昇圧動作中)は、分圧電圧が基準電圧よりも低いため、充電電圧検出信号s2をHレベルとする。一方、充電電圧が所定電圧レベルに達すると、分圧電圧が基準電圧よりも高くなるため、充電電圧検出信号s2をLレベルとする。なお、抵抗R1、R2の抵抗値、及び基準電圧部17aの基準電圧は、充電電圧(例えば、330V)に応じて設定される。
【0037】
光検知回路18は、照明装置2から発せられた光を検知して、光検知信号s1を出力する回路である。本実施形態の光検知回路18は、所定レベル以上の発光量を検知したときに、光検知信号s1をHレベルとする。光検知回路18については後に詳述する。
【0038】
次に、照明装置2の構成について説明する。図2は、第1実施形態における照明装置2の回路構成図である。図1に示すように、照明装置2は、電源部20、定電圧回路21、昇圧回路22、充電電圧検出回路23、主コンデンサC1、発光制御部24、キセノン発光管25、トリガ回路26、及び制御回路27などを備える。
【0039】
電源部20は、照明装置2の電源となる電池が装填される電池室である。電源部20からは、所定電圧の電源電圧Vccが出力される。
【0040】
定電圧回路21は、電源部20から出力された電源電圧Vccに基づいて、昇圧回路22に昇圧動作電圧Vsを出力する回路である。定電圧回路21は、昇圧動作電圧Vsを制御回路27にも出力する。
【0041】
昇圧回路22は、不図示のDC−DCコンバータを備える。昇圧回路22は、制御回路27から出力される昇圧制御信号aがLレベルからHレベルとなるのに応答して、定電圧回路21から供給される昇圧動作電圧Vsを、直流の高電圧に変換し、充電電圧として出力する。
【0042】
主コンデンサC1は、後述のキセノン発光管25に高電圧を供給する回路素子であり、ダイオードD1、D2の出力側とGNDとの間に接続されている。昇圧回路22から出力された充電電圧は、ダイオードD1を介して主コンデンサC1に充電される。また、上述した電源装置1から出力され、高電圧入力端子T3、T4から電力用配線w3、w4を介して入力された充電電圧は、ダイオードD2を介して主コンデンサC1に充電される。主コンデンサC1は、外部の電源装置1から充電電圧の供給を受けない場合は、定電圧回路21の昇圧動作電圧Vsを昇圧した充電電圧により充電される。また、電源装置1から充電電圧の供給を受けた場合は、定電圧回路21の昇圧動作電圧Vsを昇圧した充電電圧に加えて、電源装置1からの充電電圧により充電される。
【0043】
充電電圧検出回路23は、主コンデンサC1の両端の電圧を監視して、主コンデンサC1の充電電圧が所定電圧レベルに達したかどうかを検出する回路である。充電電圧検出回路23は、主コンデンサC1の充電電圧が所定電圧レベルに達したことを検出すると、制御回路27に出力する電圧検出信号bをLレベルからHレベルに変移させる。また、充電電圧検出回路23は、主コンデンサC1の充電電圧が所定電圧レベルに達していないことを検出すると、制御回路27に出力する電圧検出信号bをHレベルからLレベルに変移させる。
【0044】
発光制御部24は、制御回路27から供給される発光許可信号cがLレベルからHレベルに変移するのに応答して、駆動素子IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)がオンする電圧を駆動素子IGBTのゲート(G)に印加する回路である。駆動素子IGBTのゲート(G)がオンすると、駆動素子IGBTのコレクタ(C)とエミッタ(E)との間が導通して、キセノン発光管25の発光用電極25a及び25bに、主コンデンサC1に蓄えられた充電電圧が印加されるとともに、キセノン発光管25の不図示のトリガ電極にトリガ電圧が印加される。これにより、キセノン発光管25が発光する。また、発光制御部24は、制御回路27から供給される発光許可信号cがHレベルからLレベルに変移するのに応答して、駆動素子IGBTがオフする電圧を駆動素子IGBTのゲート(G)に印加する。これにより、キセノン発光管25の発光が停止する。
【0045】
キセノン発光管25は、内部にキセノンガスが充填された放電管である。キセノン発光管25の発光用電極25aは、主コンデンサC1の+側と接続され、発光用電極25bは、駆動素子IGBTを介して主コンデンサC1の−側と接続されている。また、キセノン発光管25の発光用電極25a、25b及び不図示のトリガ電極は、後述のトリガ回路26と接続されている。キセノン発光管25は、発光用電極25a、25bの間に高電圧が印加された状態で、トリガ電極にトリガ電圧が印加されることにより放電が始まる。これにより、内部に充填されたキセノンガスが励起して、発光用電極25aと25bとの間を発光電流が流れ、発光が生じる。
【0046】
トリガ回路26は、キセノン発光管25のトリガ電極に数kVのトリガ電圧を印加する回路であり、トランス26a、抵抗R、コンデンサC2を備える。トリガ回路26は、駆動素子IGBTのゲート(G)がオンすると、トランス26aの一次巻線及びコンデンサC2のLC発振により、二次巻線に高電圧のトリガ電圧が発生させる。このトリガ電圧がキセノン発光管25の不図示のトリガ電極に印加されると、上述したように、キセノン発光管25の内部に充填されたキセノンガスが励起して、キセノン発光管25が発光する。
【0047】
制御回路27は、照明装置2の動作を統括的に制御する回路である。制御回路27は、図示しないカメラからの発光開始要求に応答して、発光許可信号cをLレベルからHレベルに変移させる。この結果、駆動素子IGBTのゲート(G)がオンして、キセノン発光管25が発光する。また、制御回路27は、カメラからの発光停止要求に応答して、発光許可信号cをHレベルからLレベルに変移させる。この結果、駆動素子IGBTのゲート(G)がオフして、キセノン発光管25の発光が停止する。
【0048】
また、制御回路27は、照明装置2の電源がオンしたとき、又は充電電圧検出回路23から出力される電圧検出信号bがLレベルのときに、昇圧制御信号aをLレベルからHレベルに変移させて、主コンデンサC1を充電させる。そして、充電電圧検出回路23から出力される電圧検出信号bがLレベルからHレベルに変移すると、主コンデンサC1の充電電圧が所定電圧レベルに達したと判断して、昇圧制御信号aをHレベルからLレベルに変移させ、主コンデンサC1への充電を停止させる。
【0049】
更に、制御回路27は、定電圧回路21から出力される昇圧動作電圧Vsを監視する。制御回路27は、昇圧動作電圧Vsが所定電圧レベル以下となった場合に、不図示の表示パネルに電池容量不足画面を表示するなどして、ユーザに電源部20の電池容量が少ないことを通知する。また、制御回路27は、上述した内部回路と接続するGND(接地)端子を備える。
【0050】
次に、光検知回路18とその配置について説明する。図3は、光検知回路18の回路構成図である。光検知回路18は、受光センサPD、抵抗R11〜R13、コンデンサC11、C12、ショットキーダイオードD11、トランジスタTr、及び増幅回路18aを備える。
【0051】
図3に示すように、トランジスタTrのベース(B)−エミッタ(E)間には、コンデンサC11が接続されている。また、トランジスタTrのベース(B)と電源Vddとの間には、抵抗R11、R12が直列に接続されている。この2つの抵抗の接続点とトランジスタTrのコレクタ(C)との間には、ショットキーダイオードD11が接続されている。トランジスタTr、コンデンサC11、抵抗R11、R12、及びショットキーダイオードD11などによりAGC(オート・ゲイン・コントロール)回路が構成されている。受光センサPDは、トランジスタTrのコレクタ(C)と電源Vdd間に接続されている。受光センサPDのアノード側には、コンデンサC12及び抵抗R13からなるCR回路が接続されている。更に、後段に増幅回路18aが接続されている。
【0052】
上記構成によると、照明装置2が発光しなければ、受光センサPDで受光する定常光の発光量は所定レベル未満となるため、受光センサPDで光電流は発生しない。このため、2つの抵抗R11、R12を通じてトランジスタTrのベース(B)−エミッタ(E)間に供給されるバイアス電流は、トランジスタTrを動作する電流量にならない。この場合、コレクタ(C)−エミッタ(E)間に電流は流れないので、後段の増幅回路18aに電流は出力されない。このときの増幅回路18aからの信号出力は、Lレベルの光検知信号s1となる。一方、照明装置2が発光すると、その発光量は所定レベル以上となるため、受光センサPDは光電流を発生する。これにより、トランジスタTrのベース(B)−エミッタ(E)間には、トランジスタTrを動作させるのに十分な電流量のバイアス電流が供給される。このため、コレクタ(C)−エミッタ(E)間に電流が流れ、上記CR回路を経て、後段の増幅回路18aに電流が出力される。このときの増幅回路18aからの信号出力は、Hレベルの光検知信号s1となる。
【0053】
図4は、第1実施形態における電源装置1の外観図である。上述したように、電源装置1は、電源コード3を介してコネクタ4と接続されている。電源コード3は、電源装置1と高電圧出力端子T1、T2との間を接続する不図示の電力用配線w1、w2を内蔵する。
【0054】
電源装置1は、受光センサ窓6と、遮光カバー7とを備える。受光センサ窓6は、電源装置1の一側面に設けられた矩形の開口部であり、表面に不図示の透明カバーが取り付けられている。光検知回路18は、受光センサ窓6の内側に配置されている。光検知回路18の受光センサPD(図3参照)は、受光センサ窓6において受光面が外部に露出するように配置されている。遮光カバー7は、受光センサ窓6の近傍に設けられている。遮光カバー7は、図4に示す矢印方向に沿って、電源装置1の側面を移動可能に構成されている。図4に示すように、遮光カバー7を受光センサ窓6と反対側にスライドさせると、受光センサ窓6に外部からの入射光が入射する状態となる。また、遮光カバー7を受光センサ窓6側にスライドさせると、遮光カバー7により受光センサ窓6が覆われる。このため、受光センサ窓6に外部からの入射光が入射しない状態となる。すなわち、遮光カバー7は、外部からの入射光を遮断する遮光手段として機能する。
【0055】
本実施形態では、図4に示すように、光検知回路18が電源装置1内に設けられている。このため、電源装置1は、照明装置2の近傍に配置されることが望ましい。例えば、不図示のカメラと照明装置2とを、不図示の専用ブラケットにより横並びに装着した場合は、このブラケットの下部などに取り付けられる。
【0056】
図5は、第1実施形態の照明装置2におけるコネクタ4の取り付け位置を示す外観図である。照明装置2は、キセノン発光管25が配置された発光部2aの下方に、コネクタ接続部5を備える。コネクタ接続部5は、断面略凸形状の高電圧入力端子T3、T4を備える。図4に示すコネクタ4をコネクタ接続部5に装着すると、コネクタ4の高電圧出力端子T1、T2と、コネクタ接続部5の高電圧入力端子T3、T4とが嵌合して、電気的に導通する。
【0057】
次に、上記のように構成された電源装置1及び照明装置2の動作について説明する。図2に示す照明装置2の制御回路27は、主コンデンサC1の充電電圧が所定電圧レベルに達している状態で、図示しないカメラからの発光開始要求を受信すると、発光許可信号cをLレベルからHレベルに変移させる。これによって、駆動素子IGBTのゲート(G)がオンして、主コンデンサC1に蓄えられていた充電電圧がキセノン発光管25に印加されるとともに、キセノン発光管25の不図示のトリガ電極にトリガ回路26からトリガ電圧が印加される。この結果、キセノン発光管25の内部に充填されたキセノンガスが励起して、キセノン発光管25が発光する。
【0058】
上記のように、キセノン発光管25が発光すると、照明装置2の発光部2aから照明光が照射される。この照明光の一部は、電源装置1に設けられた光検知回路18の受光センサPDで受光される。光検知回路18は、所定レベル以上の発光量を検知すると、光検知信号s1をLレベルからHレベルに変移させる。Hレベルの光検知信号s1は、検知信号用配線w5を介して電源装置1の起動回路15に送信され、ラッチ回路15aのセット入力端子SETに入力される。
【0059】
起動回路15のラッチ回路15aは、反転リセット入力端子/RESETの入力がLレベルのときに、セット入力端子SETにHレベルの光検知信号s1が入力すると、出力端子QはHレベルとなる。出力端子QがHレベルになると、ゲート素子G1、G2のそれぞれの入力端子BはHレベルとなる。また、ワンショット回路12は、ゲート素子G1の入力端子A、及びゲート素子G2の反転入力端子/AをHレベルとする。これにより、ゲート素子G1では、入力端子A、BがHレベルとなるため、出力端子XはLレベルとなる。すると、スイッチング素子SW1がオンして、ドレイン(D)から昇圧動作電圧Voutが昇圧制御回路16へ出力される。また、ゲート素子G2では、反転入力端子/AがLレベル、入力端子BがHレベルとなるため、ランプL2はLレベルとなり、ランプL2は消灯する。
【0060】
昇圧制御回路16は、スイッチング素子SW1がオンして、定電圧回路11から昇圧動作電圧Voutが入力されると、所定レベルのゲート電圧を交流電圧としてスイッチング素子SW2のゲート(G)に印加する。これにより、スイッチング素子SW2のソース(S)とドレイン(D)との間が周期的に導通して、トランスTの一次巻線Tfに、電源部10の電源電圧Vccが交番電圧として供給される。トランスTの一次巻線Tfに電源電圧Vccが交番電圧として供給されると、昇圧回路13の昇圧動作が開始される。
【0061】
昇圧回路13で昇圧された電源電圧Vccは、昇圧回路13の二次巻線Tsから交流の高電圧として出力される。昇圧回路13から出力された交流の高電圧は、整流回路14で直流の高電圧に変換され、充電電圧として高電圧出力端子T1、T2に出力される。この充電電圧は、図4に示すように、コネクタ4を介して照明装置2へ供給される。すなわち、充電電圧は、コネクタ4の高電圧出力端子T1、T2から、コネクタ接続部5の高電圧入力端子T3、T4へ供給される。この後、充電電圧は、照明装置2の主コンデンサC1に充電される。
【0062】
一方、充電電圧検出回路17は、高電圧出力端子T1、T2から出力された充電電圧の電圧レベルが所定電圧レベルに達すると、充電電圧検出信号s2をLレベルとする。起動回路15は、充電電圧検出信号s2がLレベルとなり、反転リセット入力端子/RESETの入力がHレベルになると、出力端子QをLレベルとする(このとき、セット入力端子SETの入力はLレベル)。これにより、ゲート素子G1では、入力端子AがHレベルのままで、入力端子BがLレベルとなるため、スイッチング素子SW1のゲート(G)はHレベルとなる。この結果、スイッチング素子SW1がオフして、ドレイン(D)から昇圧制御回路16への昇圧動作電圧Voutの出力が停止する。これにより、電源部10の電源電圧Vccは、トランスTの一次巻線Tfに供給されなくなり、昇圧回路13における昇圧動作が停止する。
【0063】
上述した第1実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)電源装置1の昇圧制御回路16は、照明装置2の発光を検知するとHレベルの光検知信号s1を発する光検知回路18から、当該光検知信号s1が発せられると、昇圧回路13へ電源電圧Vccを供給して昇圧動作を実行させる。このため、図示しないカメラからのシンクロ信号が使えない場合においても、照明装置2が発光した場合には、光検知回路18から発せられた光検知信号s1により、主コンデンサC1の充電を開始することができる。また、電源装置1に、シンクロ端子やカメラと電源装置1との間を接続するケーブルが不要となる。
(2)電源装置1は、照明装置2が発光しない場合には主コンデンサC1の充電を開始せず、照明装置2が発光した場合のみ充電を開始する。このため、発光の有無にかかわらず昇圧動作を繰り返し行う従来の電源装置に比べて、電池の消耗を最小限に抑えることができる。この場合、電源スイッチをオンしたままでも電池の消耗が抑えられるため、ユーザは使用頻度に応じて電源スイッチをオンオフする必要がない。また、電源装置1の電源スイッチを省いた構成とすることもできる。
(3)昇圧制御回路16は、充電電圧検出回路17において充電電圧が所定電圧レベルに達したことが検出されると、昇圧回路13への電源電圧Vccの供給を停止する。このため、主コンデンサC1の充電後における電池の余計な消耗を抑えることができる。
(4)光検知回路18は、所定レベル以上の発光量を検知したときだけHレベルの光検知信号s1を出力する。このため、例えば、モニタ発光や赤目軽減発光などの所定レベル未満の小光量の発光では昇圧動作は行われない。なお、モニタ発光とは、照明装置2が本発光前に被写体反射率を測定するために発光させる小光量の発光である。また、赤目軽減発光とは、被写体となる人物の瞳が赤目状態で撮影されるのを軽減するために本発光前に複数回行う小光量の発光である。本実施形態では、本発光よりも発光量が少ないこれらの発光に対しては、照明装置2の内部で昇圧した充電電圧により主コンデンサC1が充電される。このように、電源装置1では、本来の本発光が行われたときの発光に対してのみ昇圧動作を行うので、本発光でない発光が行われたときの昇圧動作により電池が消耗するのを防止することができる。
(5)昇圧制御回路16は、光検知回路18で所定レベル以上の発光量を検知しないときは、発振回路16aの発振動作を停止する。このため、昇圧制御回路16における電力消費を抑えることができる。また、発振回路16aとともに制御回路16bの動作も停止するようにした場合は、昇圧制御回路16における電力消費をほぼゼロとすることができる。
(6)ワンショット回路12は、光検知回路18で所定レベル以上の発光量を検知したときから所定時間内に、充電電圧検出回路17において充電電圧が所定電圧レベルに達したことが検知されない場合は、昇圧回路13への電源電圧Vccの供給を停止する。このため、容量の少なくなった電池の無駄な消費を抑えるとともに、電池の過放電を防ぐことができる。また、上記のように昇圧回路13への電源電圧Vccの供給を停止した場合は、ランプL2が点灯するので、ユーザは電池消耗による昇圧動作の強制的な停止を知ることができる。従って、ユーザは電池交換することで速やかに撮影を継続することが可能となる。
(7)光検知回路18は、電源装置1に設けられている。このため、光検知回路18の受光センサPDが、不図示のカメラのレンズと同じ被写体側に向くように電源装置1を配置することにより、光検知回路18において、被写体からの反射光を確実に検知することができる。
(8)光検知回路18は、外部からの入射光を遮光する遮光カバー7を備えている。このため、照明装置2を非発光とするときは、遮光カバー7により光検知回路18の受光センサPDを遮光することにより、不要な昇圧動作が行われないようにすることができる。また、照明装置2を発光させるときには、遮光カバー7を開いて受光センサPDを外部に露出させることにより、速やかに昇圧動作を行わせることができる。
(第2実施形態)
【0064】
次に、第2実施形態について説明する。この第2実施形態における照明装置2は、第1実施形態と同じであるため、説明を省略する。以下、第1実施形態と同じく「照明装置2」と標記する。
【0065】
図6は、第2実施形態における電源装置1Aの回路構成図である。本実施形態の電源装置1Aは、検知信号受信部19を備える。その他の構成は第1実施形態の電源装置1と同じである。検知信号受信部19は、照明装置2に設けられた光検知回路18から送信される光検知信号s1を受信するための受信部である。検知信号受信部19は、検知信号用配線w5により起動回路15と接続されている。光検知回路18から送信された光検知信号s1は、検知信号用配線w6を介して検知信号受信部19へ送信される。検知信号用配線w6は、光検知回路18と検知信号受信部19との間を接続する配線である。検知信号受信部19で受信された光検知信号s1は、検知信号用配線w5を介して起動回路15に送信される。
【0066】
次に、光検知回路18の配置について説明する。図7は、第2実施形態における電源装置1Aの外観図である。図7に示すように、電源装置1Aは、電源コード3を介してコネクタ4Aと接続されている。コネクタ4Aは、断面略凹形状の高電圧出力端子T1、T2と、光検知回路18と、受光センサ窓6A、遮光カバー7Aと、を備える。
【0067】
受光センサ窓6Aは、コネクタ4Aの上面に設けられた矩形の開口部である。この開口部の表面には、不図示の透明カバーが取り付けられている。光検知回路18は、受光センサ窓6Aの内側に設けられている。光検知回路18の不図示の受光センサPDは、受光センサ窓6Aにおいて、不図示の受光面が外部に露出するように配置されている。光検知回路18は、後述するように、コネクタ4Aが照明装置2のコネクタ接続部5に対して正しい向きで装着されたときに、受光面が照明装置2の発光部2a側に位置するように配置される。
【0068】
遮光カバー7Aは、受光センサ窓6Aの近傍に設けられている。遮光カバー7Aは、図7に示す矢印方向に沿って、コネクタ4Aの上面を移動可能に構成されている。遮光カバー7Aを受光センサ窓6Aと反対側にスライドさせると、受光センサ窓6Aに外部からの入射光が入射する状態となる。また、遮光カバー7Aを受光センサ窓6A側にスライドさせると、遮光カバー7Aにより受光センサ窓6Aが覆われる。このため、受光センサ窓6Aに外部からの入射光が入射しない状態となる。すなわち、遮光カバー7Aは、外部からの入射光を遮断する遮光手段として機能する。
【0069】
電源コード3は、電源装置1と高電圧出力端子T1、T2との間を接続する不図示の電力用配線w1、w2と、検知信号用配線w6と、を内蔵する。上述したように、光検知回路18から送信された光検知信号s1は、検知信号用配線w6を介して検知信号受信部19へ送信される。そして、検知信号受信部19で受信された光検知信号s1は、検知信号用配線w5を介して起動回路15に送信され、ラッチ回路15aのセット入力端子SETに入力される。光検知信号s1のレベル変化に対する起動回路15の動作は、第1実施形態と同じであるため説明を省略する。
【0070】
図8は、第2実施形態の照明装置2におけるコネクタ4Aの取り付け状態を示す外観図である。照明装置2は、キセノン発光管25が配置された発光部2aの下方に、コネクタ接続部5を備える。このコネクタ接続部5は、第1実施形態と同じく断面略凸形状の高電圧入力端子T3、T4を備える(端子の図示を省略)。コネクタ4Aを、コネクタ接続部5に対して正しい向きで装着すると、コネクタ4Aの高電圧出力端子T1、T2と、コネクタ接続部5の高電圧入力端子T3、T4とが嵌合して、電気的に導通する(端子の図示を省略)。照明装置2と接続された電源装置1Aの動作は第1実施形態と同じであるため説明を省略する。
【0071】
また、コネクタ4Aを、コネクタ接続部5に対して正しい向きに装着すると、図8に示すように、コネクタ4Aに設けられた光検知回路18の不図示の受光面は、照明装置2の発光部2a側を向くことになる(図8では、遮光カバー7Aを省略)。これにより、光検知回路18の受光センサPDは、照明装置2が発光したときに、発光部2aから照射される照明光の一部を上記受光面により受光することができる。すなわち、照明装置2が発光すると、発光部2aから照射される照明光の一部が上記受光面により受光される。
【0072】
上述した第2実施形態によれば、第1実施形態の(1)〜(5)及び(7)と同等の効果を奏するとともに、以下の効果を奏する。
本実施形態では、光検知回路18が照明装置2に設けられている。このため、光検知回路18の受光センサPDは、被写体に対して電源装置1Aがどのような位置にあっても、被写体からの反射光を検知することができる。これによれば、ユーザは、電源装置1Aを被写体に向けて保持する必要がないので、撮影状況に応じて所望の位置に電源装置1Aを保持することができる。また、光検知回路18は、照明装置2の発光部2aの近傍に設けられるため、照明装置2から照射された照明光を確実に検知することができる。
【0073】
(変形形態)
以上説明した実施形態に限定されることなく、本発明は以下に示すような種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の範囲内である。
(1)上記実施形態では、所定レベル以上の発光量を検知したときだけ昇圧動作を行う例について示したが、モニタ発光や赤目軽減発光などの所定レベル未満の発光量を検知したときにも昇圧動作を行うようにしてもよい。また、光検知回路18のAGC回路において、ゲイン調整が可能となるように構成して、光検知回路18がHレベルの光検知信号s1を発する際の判定レベルを切り替え可能としてもよい。これによれば、ユーザは、撮影状況に応じて、本発光のときのみ昇圧動作を行う、又は、モニタ発光や赤目軽減発光などの小光量の発光でも昇圧動作を行う、という切り替えを行うことができる。
(2)光検知回路18の受光センサPDは、上記実施形態に示すフォトダイオードに限らず、光が当たると電気的な特性が変化する素子全般を用いることができる。例えば、光が当たると抵抗値が低くなるCds素子を用いることができる。
(3)第2実施形態では、光検知回路18を照明装置2に設けた例について示したが、光検知回路18は、照明装置2から発せられる照明光を受光することができれば、どこに設けてもよい。また、光検知回路18において、受光センサPDのみが照明装置2に配置され、それ以外の増幅回路18aなどは電源装置1Aに配置されていてもよい。
【0074】
また、上記実施形態及び変形形態は適宜に組み合わせて用いることができるが、各実施形態の構成は図示と説明により明らかであるため、詳細な説明を省略する。さらに、本発明は以上説明した実施形態によって限定されることはない。
【符号の説明】
【0075】
1,1A:電源装置、2:照明装置、3:電源コード、4,4A:コネクタ、5:コネクタ接続部、6,6A:受光センサ窓、7,7A:遮光カバー、10,20:電源部、11,21:定電圧回路、12:ワンショット回路、13,22:昇圧回路、14:整流回路、15:起動回路、15a:ラッチ回路、15b:検知信号制御回路、16:昇圧制御回路、17:充電電圧検出回路、18:光検知回路、19:検知信号受信部、23:充電電圧検出回路、24:発光制御部、25:キセノン発光管、26:トリガ回路、27:制御回路、C1:主コンデンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源を備え、該電源から得られる電力を、照明光を発光する照明装置に対して供給する電源装置であって、
前記電源の電源電圧を昇圧することにより、前記照明装置に対して供給する充電電圧を出力する昇圧回路と、
前記照明装置から発せられた照明光を検知すると検知信号を発する光検知部から、前記検知信号が発せられると、前記昇圧回路へ前記電源電圧を供給して前記昇圧の動作を開始させる昇圧制御回路と、
を備えることを特徴とする電源装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電源装置であって、
前記昇圧回路から出力された充電電圧の電圧レベルを検出する充電電圧検出回路を備え、
前記昇圧制御回路は、前記充電電圧検出回路で充電電圧が所定電圧レベルに達したことが検出されると、前記昇圧回路への前記電源電圧の供給を停止することを特徴とする電源装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の電源装置であって、
前記光検知部は、所定レベル以上の発光量を検知したときに前記検知信号を発することを特徴とする電源装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の電源装置であって、
前記昇圧制御回路は発振回路を含み、且つ前記光検知部から前記検知信号が出力されないときには、前記発振回路での発振動作を停止することを特徴とする電源装置。
【請求項5】
請求項2に記載の電源装置であって、
前記光検知部で前記検知信号が発せられたときから所定時間内に前記充電電圧検出回路において前記充電電圧が前記所定電圧レベルに達したことが検出されない場合は、前記電源から前記昇圧制御回路への前記電源電圧の供給を停止させるワンショット回路、を更に備えることを特徴とする電源装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の電源装置であって、
前記光検知部を具備することを特徴とする電源装置。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の電源装置であって、
前記光検知部は前記照明装置に設けられており、
前記検知信号を受信する受信部を具備することを特徴とする電源装置。
【請求項8】
請求項6又は7に記載の電源装置であって、
前記光検知部は、外部からの入射光を遮光する遮光手段を備えることを特徴とする電源装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−262064(P2010−262064A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−111221(P2009−111221)
【出願日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】