説明

電界放射ディスプレイ

本発明は電界放射ディスプレイの製造方法に関し、排気された室中に電子放射体を構成し、電子放射体付近に波長変換材料を配置し、排気された室中に電子放射源を設けるステップを含んでおり、電子放射源は電子を電子放射体へ放射し、電子放射源は、基板を有し、複数のZnOナノ構造を基板上に形成して形成され、ZnOナノ構造は第1の端部と第2の端部を有し、第1の端部は前記基板に接続され、ZnOナノ構造を相互に電気的に絶縁するために電気絶縁体を設け、導電部材をZnOナノ構造の第2の端部に接続し、支持構造を導電部材上に設け、基板を除去してZnOナノ構造の第1の端部を露出して形成される。本発明の利点は高さが整列されていないナノ構造の小さいセクションの存在による電界放射ディスプレイの寿命の増加を含んでいる。さらに高価な従来技術のエッチング、研磨等のステップを使用して、ナノ構造の「高さを整列」する必要をなくすことにより廉価な最終製品を実現できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電界放射ディスプレイの製造方法に関し、さらに対応する電界放射ディスプレイに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、種々の電子装置と共に使用されるための新しいタイプのフラットパネルディスプレイの開発が活発になっている。現在では主として液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、有機発光ダイオードディスプレイ(OLEDディスプレイ)に焦点が置かれている。しかしながら別の有望な方法はディスプレイのために電界放射技術を使用する電界放射ディスプレイ(FED)の使用である。
【0003】
電界放射ディスプレイは、通常の陰極線管(CRT)で使用される技術に類似した技術を使用し、即ち電界放射電極により放射される電子によって衝撃を受ける発光媒体として蛍光層で被覆されたディスプレイパネルを使用する。しかしながら、FEDとCRTとの違いはFEDが僅か数ミリメートルの厚さであり、単一の電子銃を使用する代わりに電界放射ディスプレイは、電界放射として知られるプロセスによって電子を放射するために、多くは各点状蛍光体の後に位置されている微細な金属片または炭素のナノチューブの大きなアレイを使用する。LCDと比較したFEDの利点はエミッタの20%が故障しても、FEDはLCDのような故障している画素を表示しないことである。さらに電界放射ディスプレイはエネルギが効率的であり、既存のLCD及びプラズマディスプレイ技術よりも少ない電力消費を特徴とするフラットパネル技術を提供でき、さらにこれらの全体の部品数が少ないために製造が廉価であることである。
【0004】
電界放射ディスプレイの1例および電界放射ディスプレイの製造方法は、米国特許出願第2006/0226763号明細書に開示されており、ここでの電界放射装置は基板と、その基板上に形成された陰極と、電気的にその陰極に接続された電子エミッタとを具備している。開示された電界放射ディスプレイによれば、発光電極用の電極は例えば複数の炭素管、炭素球、またはその類似物の形態の炭素粒子を具備している。
【0005】
しかしながら、電極を形成するための開示された方法の使用は、炭素管が相互に独立して成長することを可能であり、したがって炭素管が異なる高さを有する結果になるので電極を構成する炭素管の高さの正確な整列を行わない。独立している炭素管の高さが異なることによって、均質で安定な電子放射を得ることおよび高い電流密度を得る問題がある。複数の炭素管の高さを整列するための付加的な処理ステップを含めることによってこのような処理ステップが最終的な製品を高価にするので望ましくない。
【0006】
それ故、少なくとも従来技術の問題を軽減する改良された電界放射ディスプレイ、特に電界放射電極に関する高さの整列についての従来技術の問題が最小にされるように適合されている電界放射ディスプレイの必要性が存在する。
【発明の概要】
【0007】
本発明の1特徴によれば、前述の目的は本発明の電界放射ディスプレイの製造方法により満たされ、この方法は排気された室中に電子放射リセプタを配置し、電子放射リセプタ付近に波長変換材料を配置し、排気された室中に電子放射源を配置するステップを含んでおり、電子放射源は電子を電子放射リセプタへ向けて放射するように構成され、電子放射源は基板を設け、複数のZnOナノ構造を基板上に形成し、ZnOナノ構造はそれぞれ第1の端部と第2の端部を有し、第1の端部は基板に接続され、ZnOナノ構造を相互に電気的に絶縁するために電気的絶縁体を形成し、導電部材をZnOナノ構造の第2の端部に接続し、支持構造を導電部材上に形成し、基板を除去し、それによってZnOナノ構造の第1の端部を露出することにより形成される。
【0008】
この明細書の文脈では、用語ナノ構造は100ナノメートル(nm)以下の1以上の寸法を有する粒子を意味する。用語ナノ構造はナノチューブ、ナノ粒子、ナノロッド、ナノ繊維、ナノワイヤを含んでおり、ここでナノ構造はナノネットワークの一部であってもよい。さらに用語ナノ球状粒子は多くても3:1の縦横比を有するナノ構造を意味し、用語ナノロッドは多くて200nmの最長の寸法を有し3:1乃至20:1の縦横比を有するナノ構造を意味し、用語ナノ繊維は200nmを超える最長の寸法を有し20:1を超える縦横比を有するナノ構造を意味し、用語ナノワイヤは1,000nmを超える最長の寸法を有するナノ繊維を意味する。
【0009】
ナノ構造に関するさらに別の定義は用語縦横比を含んでおり、これは対象物の最短軸と対象物の最長軸との比を意味し、ここで軸は必ずしも直交ではない。用語断面の幅は断面の最長寸法であり、断面の高さは幅に垂直な空間である。用語ナノネットワークは相互接続されている複数の個々のナノ構造を意味している。さらに排気された室の壁は少なくとも部分的に例えば波長変換材料により被覆されている電子放射リセプタと電子放射リセプタからなる。さらに、排気された室は、電子源から電子リセプタへの電子の放射を促進するため室内部で低い真空であるように排気されるべきである。
【0010】
波長変換材料は好ましくは蛍光体、シンチレータ、蛍光とシンチレータの組合せのうちの少なくとも1つを含んでいる。蛍光とシンチレータの両者は波長変換材料により受光される光の帯域幅を「延ばす」ために使用される材料である。蛍光体は(光または電子のような活性化された粒子へ露出された後に発光を続ける)燐光の現象を与える物質である。同様にシンチレータは高エネルギ(イオン化)電磁または荷電粒子放射を吸収し、その後それに応答して(長く)特徴ストロークシフトされた波長で光子を発し、先に吸収されたエネルギを解放する物質である。本発明は異なる蛍光体および/またはシンチレータの組合せを可能にする。さらに、波長変換材料は蛍光材料、有機蛍光材料、無機蛍光材料、含浸燐光、燐光粒子、燐光材料、YAG:Ce蛍光又は電磁放射を照射および/または可視光へ変換できる他の材料を含むことができる。
【0011】
従来技術の電極では、複数のナノ構造のそれぞれの第1の端部は通常、高さが整列されておらず、したがって電界放射ディスプレイで電極を使用するとき均質で安定な電子放射を得ることおよび/または高い電流密度を実現することに関して問題を生じる。しかしながら本発明によれば、予め規定された表面形状を有する基板上に複数のナノ構造を形成し、その後電極のアクチブ放射端部として最初に基板に接続されているナノ構造の端部を使用する(その後基板が除去される)ことによって、均質で安定な電子放射を得ることができる。これは大部分のナノ構造の第1の端部が基板の予め定められた表面構造から生じる予め定められたラインに沿って高さが整列される事実によるものである。
【0012】
ナノ構造の高さの整列特徴により、高さが整列されていないナノ構造が少なくなるので、本発明による電界放射電極が配置されている電界放射構造の寿命を増加させることが可能である。従来技術の電界放射電極において整列されていない高さが存在することは、電界放射電極により放射された電子を受けるように適合されている電子リセプタに対して「より近くに延在」しているセクションにナノ構造の電子放射が集中することになる。さらに、高価な従来技術のエッチング、研磨または類似の方法ステップを使用して、ナノ構造の「高さを整列」する必要をなくすことによって、より廉価な最終製品を実現することができる。
【0013】
さらに、ZnOの室温の陰極線発光スペクトルが約380nmで強い強度ピークを有し、±20nm内で80%の光内容を有するので、ZnOの使用は有効であることが示されている。別の特徴として、ZnOの使用は比較的低温でZnOのナノ構造を成長する可能性があるために電界放射ディスプレイの陰極として使用するときに優秀な結果を示す。欧州特許出願第06116370号明細書はこのような方法の1例を与えている。
【0014】
好ましくは、複数のナノ構造を形成するステップは基板上に複数の金属または金属酸化物のナノ粒子を配置し、複数の金属または金属酸化物のナノ粒子がナノ構造を形成するために成長することを可能にする。金属または金属酸化物のナノ粒子は技術で知られている種々の異なる方法を使用して形成/構成されることができる。これらの方法は例えば化学蒸着(CVD)、またはプラズマ助長化学蒸着(PECVD)のようなその変形の1つを含んでいる。しかしながら異なる方法が現在及び将来考慮される可能性があり、本発明の技術的範囲内に含まれる。同じことがナノ粒子の成長において考慮される。技術では、例えば気相−液相−固相(VLS)合成又は低温成長方法を含む異なる方法が知られている。例示的な低温成長方法が欧州特許出願第06116370号明細書に開示されている。
【0015】
本発明の好ましい実施形態では、基板は基本的に平坦である。しかしながら平坦な表面は直線的である必要はない。代わりに、電界放射電極は構成される電界放射構造のタイプに応じて電界放射電極用に設定された特定の要求にしたがって形成されることができる。
【0016】
好ましくは、電気的絶縁は絶縁体、半絶縁体、または貧弱な絶縁特性の絶縁体を含むグループから選択される。例えば異なるフレキシブル性および/または弾性を有するポリマー、樹脂、ゴムまたはシリコーンのような異なるタイプの絶縁化合物が使用されることができる。しかしながら他の化合物が本発明の技術的範囲内で使用可能である。低温の成長方法によって、成長中の熱が大きな問題ではない絶縁体材料に拡張することが可能である。絶縁化合物はしたがって電界放射電極の所望の特徴にしたがうことを可能にされることができる。
【0017】
本発明の別の実施形態では、方法はさらにナノ構造の露出された第1の端部をエッチングするステップを含んでいる。ナノ構造の露出された第1の端部をエッチングすることにより、さらに電子の放射を強化する尖ったチップを実現することが可能である。
【0018】
別の好ましい実施形態では、電気的な接続部材を与えるステップは、それぞれナノ構造の異なるものに接続されている複数の電気的接続部材を提供し、それによって電極の異なるセクションを個々にアドレス可能にするステップを含んでいる。電極の異なるセクションを個々にアドレス可能にすることによって、各異なるセクションは、画素に対応するディスプレイスクリーンと、または異なるセクションの個々の制御がただ1つのみの光源を使用して異なる色彩の光の混合を可能にできる電界放射光源とにおける電界放射電極を使用することができる。このような電界放射光源は例えば広い波長スペクトルを有する白色光を放射するために与えられる。
【0019】
本発明のさらに別の特徴によれば、電子放射リセプタと、その電子放射リセプタの近くに配置されている波長変換材料と、電子放射源とを具備する電界放射ディスプレイが提供され、電子放射源は第1の端部と第2の端部とを有する複数のZnOナノ構造と、ZnOナノ構造を相互に電気的に絶縁するための電気的絶縁構造と、ZnOナノ構造の第2の端部に接続された導電部材と、導電部材上へ形成された支持構造とを具備しており、ZnOナノ構造の第1の端部はZnOナノ構造が良好に規定された表面から成長することを可能にされている端部であり、ZnOナノ構造の第1の端部は露出される。
【0020】
本発明のこの特徴は前述の電界放射ディスプレイの製造方法によるものと類似の利点を与え、例えば高さが整列されないナノ構造が少ないことによる電界放射ディスプレイの寿命の増加を含んでいる、さらに、高価なエッチング、研磨または類似の方法ステップを使用して、ナノ構造の高さを整列する必要をなくすことによって、より廉価な最終産物を提供することができる。電界放射ディスプレイは好ましくは本発明による方法を使用して製造される。
【0021】
本発明による電界放射ディスプレイで使用される電極もまたナノ発生器のようなピエゾ電気装置中のアクチブコンポーネントとして使用可能である。適切なナノ発生器は例えば“Direct-Current Nanogenerators Driven by Ultrasonic Waves”、Science 316、102(207); DOI: 10.1126/science. 1139266、Hudong Wang等に開示されている。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明による電界放射ディスプレイで使用可能な電界放射電極の製造のための基本ステップを示すフローチャートである。
【図2a】図1の方法により製造される電界放射電極を示すブロック図である。
【図2b】図1の方法により製造される電界放射電極を示すブロック図である。
【図2c】図1の方法により製造される電界放射電極を示すブロック図である。
【図2d】図1の方法により製造される電界放射電極を示すブロック図である。
【図2e】図1の方法により製造される電界放射電極を示すブロック図である。
【図2f】図1の方法により製造される電界放射電極を示すブロック図である。
【図2g】図1の方法により製造される電界放射電極を示すブロック図である。
【図3】本発明による電界放射ディスプレイの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明のこれら及び他の特徴を本発明の好ましい実施形態を示している添付図面を参照して、より詳細に説明する。
本発明をその好ましい実施形態が示されている添付図面を参照してさらに十分に以下説明する。しかしながら、本発明は多くの異なる形態で実施されることができ、ここで説明されている実施形態に限定されると解釈されてはならず、むしろこれらの実施形態は完全性のために与えられており、十分に本発明の技術的範囲を当業者に伝えている。同じ参照符合は全体を通して同様の素子を示している。
【0024】
図面、特に図1を特に参照すると、本発明による電界放射ディスプレイで使用可能な電界放射電極100の製造のための方法ステップを示すフローチャートが示されている。図1と並行して、図2a−2gは図1に示されている対応する製造ステップ期間中の電界放射電極100の状態を視覚化している。したがって図1と図2a-2gとを並行して参照する。
【0025】
最初にステップS1(図2a)で、複数のZnOナノ粒子104がランダムにまたは予め定められた順序にしたがって配置される基板102が設けられる。基板102上に複数のZnOナノ粒子104を配置する方法は例えば、化学蒸着(CVD)、またはプラズマ助長化学蒸着(PECVD)のようなその変形の1つを含んでいる。また他の異なる金属または金属酸化物ナノ粒子がZnOナノ粒子104の代わりに又はそれと共に基板102上に配置されることも可能であり、本発明の技術的範囲内に含まれる。基板102の表面は好ましくは本質的に平坦であり、即ち非常に低い粗さを有する。示されている実施形態では、基板102は直線であるが、本発明によれば基板102は例えば予め規定された形状により湾曲されるような任意の予め規定された形態を有することができる。
【0026】
ステップS2(図2b)では、複数のZnOナノ粒子104がこれらがZnOナノ構造106を形成するように成長される環境に構成される。異なる成長方法は技術で知られており、好ましくは低温成長方法が使用されている。他の成長方法は例えば気相−液相−固相(VLS)合成を含んでいる。ZnOナノ構造106は好ましくはナノチューブ、ナノロッドまたはナノワイヤである。しかしながら本発明に含まれる他の可能なタイプのナノ構造は例えばナノ球およびナノ繊維を含んでいる。
【0027】
ステップS3(図2c)では、通常はZnOナノ構造106の形成の終了後、相互からZnOナノ構造106を基本的に電気的に絶縁するために構成されている絶縁材料108が与えられる。電気的な絶縁体108は好ましくは絶縁体、半絶縁体又は貧弱な絶縁体で構成されるグループから選択される。さらに絶縁体108は剛性またはフレキシブルな絶縁体のうちの1つであるように選択され、それによって最終製品に異なる特徴を与える。異なる樹脂、ポリマー、又はゴム材料は電気的絶縁体108として有用である。好ましくはナノ構造106の小部分が絶縁体108上で「表面になる」ことを可能にされ、即ち絶縁体108はナノ構造104の間およびその周辺に配置されるが、基板102と反対側の端部(第2の端部として前述した)を十分にはカバーしない。
【0028】
ステップS4(図2d)では、少なくとも1つの導電部材110が絶縁体の上部に構成され基板102と反対側の選り抜きのナノ構造106の端部と接触する。示されている実施形態では、電界放射電極100は3つの導電部材110を具備するが、任意の数の導電部材110が可能であり本発明の技術的範囲内である。示されている実施形態では、3つの各導電部材110は複数のナノ構造104の異なる部分に接続される。例えば発光モジュールで電界放射電極100を使用するならば、通常は光を放射するために完全な発光モジュールを構成することが望ましいので、導電部材110を1つだけ使用することが適切である。しかしながら、電界放射ディスプレイで電界放射電極100を使用するならば、電界放射電極100の異なるセクションを個別にアドレスできることが望ましい。
【0029】
ステップS5(図2e)では、支持構造112が導電部材110上へ、即ち導電部材110の上部に配置される。支持構造は絶縁体108と類似して剛性又はフレキシブルであるように選択される。即ちフレキシブルな電界放射電極100を有することが所望であり、したがって通常はフレキシブルな絶縁体108とフレキシブルな支持構造112の両者を有することが必要である。しかしながら本発明の技術的範囲内で本発明による電極が使用される構成にしたがって、絶縁体108と支持構造112の異なる組合せが可能である。
【0030】
ステップS6(図2f)で、基板102が取り除かれ、したがって以前に基板102に接続されていたナノ構造104の端部が露出される。基板を取り除くための種々の方法は技術で知られており、例えば基板がプラスティックから作られるソフトな基板である場合には、ソフトな基板を適切な溶剤を使用して溶解することが可能である。基板は基本的に平坦であるので、ナノ構造104は基本的に高さが整列され、この場合高さの整列は基板102の平坦度の関数である。
【0031】
最後に、随意選択的及び付加的なステップS7(図2g)では、ZnOナノ構造104上の露出された端部/チップは尖ったチップを与えるためにエッチングされる。尖ったチップの存在は電界放射ディスプレイまたは電界放射発光システムのような電界放射構造で電界放射電極100を使用するときに望ましい。したがって従来技術で使用されている破壊的な高さの整列ステップを含める必要なく、基本的に高さが整列されたZnOナノ構造を有する電界放射電極100が提供される。(第1の端部として前述した)ZnOナノ構造の露出されたチップの高さの整列は高い電流密度を可能にし、均質で安定な電子放射を得る可能性を与える。これは大部分のナノ構造の第1の端部が基板102の予め規定された表面構造から生じる予め規定されたラインに沿って高さを整列されることによるものである。
【0032】
図3を参照すると、3つの電界放射電極100を具備し、本発明による優れた方法にしたがって製造された電界放射ディスプレイ300の断面図が示されている。他の可能な電界放射構造は電界放射発光モジュールを含んでいる。電界放射ディスプレイ300はさらに陽極302、陽極302の近くに構成されている蛍光層304(例えば透明なインジウム錫酸化物、ITO、層等)、電界放射電極100を制御し電界放射ディスプレイ300の通常の制御のための制御論理装置(図示せず)を含んでいる。制御論理装置は通常電力を電界放射ディスプレイ300へ与えるための電源を含んでいる。電界放射構造300はさらに例えばガラス、プラスティック又は水晶のような透明なカバー306も具備し、これは密封された電界放射ディスプレイ300に対する蓋を構成し、それによって電界放射ディスプレイ200が動作するのに必要な真空環境を提供することを可能にする。
【0033】
電界放射電極100はそれぞれにゲート電極として有用な電気コネクタ312が設けられている突出構造310を有する後部構造308に構成されている。動作期間中、ゲート電極312は電界放射電極100から放射された電子314がより容易に電界放射電極100から放射されることを可能にする。即ち電界放射電極100と陽極302との間に電位差が生じるとき、蛍光層304は電界放射電極100からの電子314により衝突され、光316を放射させられ、この光は好ましくは可視波長内、例えば白色光である。しかしながら、電子314を受取り、異なる色を放射するように構成される異なる蛍光材料を具備する異なるセクションを具備するように蛍光層をセグメント化することも可能である。
【0034】
さらに、当業者は本発明が前述の好ましい実施形態に限定されないことを認識するであろう。対照的に多くの変形及び変更が請求項の範囲内で可能である。例えば前述したように、電極は電界放射ディスプレイ又は電界放射光源のような電界放射構成で有用であるだけでなく、代わりにピエゾ電気構造中のアクチブコンポーネントとして使用されることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電界放射ディスプレイの製造方法において、
排気された室中に電子放射リセプタを配置し、
前記電子放射リセプタ付近に波長変換材料を配置し、
前記排気された室中に電子放射源を配置するステップを含んでおり、前記電子放射源は電子を前記電子放射リセプタ方向へ放射するように構成され、前記電子放射源は、
基板を提供し、
複数のZnOナノ構造を前記基板上に形成し、前記ZnOナノ構造はそれぞれ第1の端部と第2の端部を有し、前記第1の端部は前記基板に接続され、
前記ZnOナノ構造を相互に電気的に絶縁するために電気的絶縁を配置し、
導電部材を前記ZnOナノ構造の選択された前記第2の端部に接続し、
支持構造を前記導電部材上に形成し、
前記基板を除去して前記ZnOナノ構造の前記第1の端部を露出する製造方法。
【請求項2】
前記複数のナノ構造を形成するステップは、前記基板上に複数の金属または金属酸化物の粒子を配置し、前記複数の金属または金属酸化物の粒子が前記ナノ構造を形成するために成長することを可能にするステップを含んでいる請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記電気的な接続部材を与えるステップは、それぞれ前記ナノ構造の異なる選択物に接続されている複数の電気的接続部材を提供するステップを含んでいる請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
前記複数の電気的な接続部材は個別にアドレス可能である請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記基板は基本的に平坦である請求項1乃至4のいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
前記電気的絶縁体は絶縁体、半絶縁体、または貧弱な絶縁特性の絶縁体を具備するグループから選択される請求項1乃至5のいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
方法はさらに前記ナノ構造の前記露出された第1の端部をエッチングするステップを含んでいる請求項1乃至6のいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
電子放射リセプタと、
前記電子放射リセプタの近くに配置されている波長変換材料と、
前記電子放射源とを具備し、前記電子放射源は、
第1の端部と第2の端部とを有する複数のZnOナノ構造と、
前記ZnOナノ構造を相互に電気的に絶縁するように設けられた電気的絶縁構造と、
前記ZnOナノ構造の前記第2の端部に接続された導電部材と、
前記導電部材上へ形成された支持構造とを具備しており、前記ZnOナノ構造の前記第1の端部は前記ZnOナノ構造が良好に規定された表面から成長することを可能にされている端部であり、前記ZnOナノ構造の前記第1の端部は露出される電界放射ディスプレイ。
【請求項9】
それぞれ異なる選び抜きのナノ構造に接続されている複数の電気的な接続部材を具備している請求項8記載の電界放射ディスプレイ。
【請求項10】
前記複数の電気的な接続部材は個々にアドレス可能である請求項9記載の電界放射ディスプレイ。
【請求項11】
さらに、電界放射電極の異なるセクションを制御するための制御論理装置を具備している請求項10記載の電界放射ディスプレイ。
【請求項12】
ナノ発生器のようなピエゾ電気構造に構成されている請求項8乃至11のいずれか1項記載の電子放射源。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図2d】
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【図2e】
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【図2f】
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【図2g】
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【図3】
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【公表番号】特表2011−509510(P2011−509510A)
【公表日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−541710(P2010−541710)
【出願日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際出願番号】PCT/EP2008/010831
【国際公開番号】WO2009/086895
【国際公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【出願人】(510191872)ライトラブ・スウェーデン・エービー (2)
【氏名又は名称原語表記】LightLab Sweden AB
【住所又は居所原語表記】Vikingavagen 17E, SE−133 33 SALTSJOBADEN, Sweden
【Fターム(参考)】