説明

電界発光用新規材料

本発明は、架橋カルバゾール構造単位および三重項状態から発光する構造単位を含む、混合物および共役ポリマーに関する。本発明の混合物は改善された効率および低減された動作電圧を示し、それゆえに有機発光ダイオードでの使用に対してこれらの単位を含まない比較例の材料に比べてより適している。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
過去約12年に亘り、高分子(有機)発光ダイオード(PLED)に基づくディスプレイおよび照明素子の商業化に向けて、幅広い基礎研究が進められている。この開発はEP 423 283に開示されている基礎的な開発から端を発せられた。最近、比較的小型のディスプレイ(PHILIPS N. V. からの電気剃刀での)の形で最初の商品が市場から入手可能となってきている。しかし、現在の市場を牽引する液晶ディスプレイ(LCD)に対する真の競争力を与えるためには、著しい改良がこれらのディスプレイには依然として必要である。特に、これに関連させて、市場の要求(最も重要なものを挙げると、効率、動作寿命、動作電圧)を満たす全ての発光色(赤、緑、青)用のポリマーを提供する必要がある。
【0002】
様々な種類の材料がフルカラーディスプレイ素子用のポリマーとして提案または開発されている。1種のこのような材料は、例えばEP 0842208、WO 99/54385、WO 00/22027、WO 00/22026およびWO 00/46321に開示されている、ポリフルオレン誘導体である。さらに、EP 0707020、EP 0894107およびWO 03/020790に開示されているポリスピロビフルオレン誘導体も考えられる。WO 02/077060に開示されているように、記載した最初の2つの構造要素の組み合わせを含むポリマーも既に提案されている。一般的に、ポリパラフェニレン(PPP)を構造要素として含むポリマーもこのような使用が可能である。既に上記した種類に加えて、ここでも有用である他の種類の例はラダーPPP(LPPP、例えばWO 92/18552に記載)として知られているもの、ポリテトラヒドロピレン(例えばEP 699699に記載)、さらにアンサ(ansa)構造を含むPPP(例えば、EP 690086に記載)である。
【0003】
さらに、ある種のアリールアミノ成分の導入が特性の改善をもたらすということが報告されている:WO 99/54385およびDE 19846767はポリフルオレンを記載しており、その効率および使用電圧はトリフェニルアミン単位、テトラフェニル-p-ジアミノベンゼン単位、テトラフェニル-4,4’-ジアミノビフェニル単位または置換されたジアリールアミノ単位の誘導体を、対応するポリマーの主鎖に共重合させることで改良できる。WO 01/66618は、アリール単位の他に、さらにある特定のトリアリールアミノ-またはテトラアリール-p-ジアミノアリーレン単位を主鎖に含むコポリマーを記載している。
【0004】
特に「小分子」ディスプレイの分野において、過去数年で明らかになってきた進展は、三重項状態から発光でき、それにより蛍光ではなく燐光を示す材料の使用である(M. A. Baldo et al., Appl. Phys. Lett. 1999, 75, 4-6)。これらの化合物を以下「三重項発光体」と称する。スピン確率に関する理論的理由により、三重項発光体を使用して、4倍に至るエネルギー効率および電力効率が可能である。
【0005】
この新しい進展が確立するか否かは、これらの利点(一重項発光=蛍光と比較しての三重項発光=燐光)をOLEDでも利用できる、対応するデバイス構成を見つけることができるか否かに強く依存する。ここで実際に使用する際に必須となる条件は、特に三重項発光体への効率的なエネルギー移動(およびそれに関連する効率的な発光)、長い動作寿命、ならびにモバイル応用を可能にするための、低い使用電圧および動作電圧である。
【0006】
最近、ポリマー塗布のためにも、蒸着によって塗布できる三重項発光体の利点を利用する試みが増加してきている。例えば、ハイブリッドデバイス構造が考えられる。これは「小分子」OLEDの利点をポリマーOLED(=PLED)の利点と組み合わせるものであり、三重項発光体をポリマーに加えることで作られる。他方で、三重項発光体はポリマーと共有結合することもできる。両方の方法とも、化合物を溶液から加工することができ、低分子量の化合物系のデバイスに対してのような、高価で複雑な蒸着方法を必要としないという利点を有する。溶液からの塗布(例えば高解像度印刷方法)は長期的に見ると現在の通例の真空蒸着方法を上まわる、特にスケーラビリティ(scalability)、ストラクチャラビリティ(structurability)、被覆効率および経済面に関して著しい利点を有する。可溶性三重項発光体が、例えばWO 04/026886に開示されている。しかし、これらに対しても、三重項発光体への効率的なエネルギー移動を可能にする適切なマトリックス材料が必要となる。
【0007】
非共役ポリマー、例えばPVK(ポリビニルカルバゾール)の有機金属三重項発光体とのブレンド(混合物)は金属錯体の効率的な電界発光をもたらすことも知られている(例えば、Chenら., Appl. Phys. Lett. 2002, 80, 2308)。しかし、これらの系の動作電圧は非常に高く、非常に低い電力効率をもたらし、それによりこれらの系の商業的な応用は全くできない。
【0008】
このような金属錯体の共役ポリマーとのブレンドも同様に文献に記載されている。Guoら(Organic Electronics 2000, 1, 15)およびO’Brienら(Synth. Met. 2001, 116, 379)は、白金−ポルフィリン錯体のポリフルオレンとのブレンドによる良好な量子収率を記載しているが、どちらの場合でも収率は蒸着によって塗布された低分子量化合物から構成されている類似のデバイスよりも明らかに低い。Zhuら(Appl. Phys. Lett. 2002, 80, 2045)は、可溶なイリジウム-フェニルピリジン錯体のポリ-パラ-フェニレンとのブレンドを記載している。ここでは、より良好であるが依然として比較的低い量子収率が測定された。特に、非常に高い電圧がここでは必要となり、産業使用の障害となる。
【0009】
上記記載の文献および出願書類に挙げられた進歩にも関わらず、このような材料を改良するための重要な必要性が、とりわけ以下の分野で依然として存在する:
(1)発光の効率はより一層増加しなくてはならない。この目的のために、三重項発光体へのより効率的なエネルギー移動が必要であり、そのためにより適切なマトリックス材料が必要である。より高い効率が原理的に可能であることが蒸着によって塗布された低分子量の三重項発光体を用いた結果により示されている。
【0010】
(2)電流−電圧特性直線は、高輝度を低電圧で達成させ、それによって電力効率を向上させるように、さらに急勾配になる必要がある。第1に、低いエネルギー消費量でも同じ輝度が達成できるため、これは非常に意義深い。これは特にモバイル用途(携帯電話、ページャー、PDAなどのディスプレイ)において非常に重要である。第2に、高輝度を同じエネルギー消費量で得ることができ、これは例えば照明用途にとって興味深いものであり得る。従来技術に相当する化合物においては、動作電圧は依然として非常に高すぎ、これは相対的に低い電力効率をもたらす。
【発明の開示】
【0011】
驚くべきことに、我々は、今まで知られていない共役ポリマーと、ある種の架橋したカルバゾール単位を含む混合物が、特に上述の2つの分野、すなわち発光効率と動作電圧において、従来技術によるポリマーのブレンドと比べて著しい進歩をもたらすことに見出した。そこでこれらの材料を本出願によって提供する。
【0012】
本発明は
(A)少なくとも1種の共役ポリマー、
(B)少なくとも1種の架橋カルバゾール単位、および
(C)少なくとも1種の三重項発光体
を含む混合物を提供する。
【0013】
本発明の文脈においては、三重項発光体は電界発光において三重項状態から光を放出する、すなわち蛍光ではなく燐光を示す化合物であり、好ましくは、有機または有機金属の三重項発光体(低分子量、オリゴマー、デンドリマーもしくはポリマーでもよい)であることを意味すると理解される。特定の理論に拘束されることを望まないが、遷移金属またはランタノイドを含む全ての発光金属錯体は本発明の文脈において三重項発光体と称される。
【0014】
本発明の混合物は好ましくは、少なくとも0.5重量%の少なくとも1種の共役ポリマー、少なくとも1重量%の少なくとも1種の架橋カルバゾール単位、および少なくとも0.5重量%の少なくとも1種の三重項発光体を含む。
【0015】
本発明による混合物の好ましい実施形態は、架橋カルバゾール単位として、化学式(I)および/または化学式(II)の化合物を少なくとも1種含む。
【化9】

【0016】
ここで記号および添字は以下のように定義される:
Rは、各例で同一または異なり、1個から40個の炭素原子を有しR-置換でも非置換でもよい、直鎖、分枝鎖もしくは環式のアルキレン鎖(1個またはそれ以上の非隣接炭素原子が-NR-、-O-、-S-、-CO-、-CO-O-、-CO-NR-、-O-CO-O-で置き換わっていてもよい)、または2個から40個の炭素原子を有しR-置換でも非置換でもよい、2価の芳香族環構造もしくは芳香族複素環構造、R-置換もしくは非置換のビニレン単位、アセチレン単位、またはこれらの系の2種から5種の組み合わせであり;芳香族単位はより大きな縮合系の一部でもよく;考えられる置換基Rは状況に応じて任意の自由な位置にあってもよい;
は、各例で同一または異なり、1個から22個の炭素原子を有する直鎖、分枝鎖もしくは環式の、アルキル鎖もしくはアルコキシ鎖(1個またはそれ以上の非隣接炭素原子が-NR-、-O-、-S-、-CO-O-、-O-CO-O-で置き換わっていてもよく、1個またはそれ以上の水素原子がフッ素で置き換わっていてもよい)、または5個から40個の炭素原子を有するアリール基もしくはアリールオキシ基(1個またはそれ以上の炭素原子がO、S、またはNで置き換わっていてもよく、1つまたはそれ以上の非芳香族のR基によって置換されていてもよい)、ビニル基もしくはアセチレン基、またはF、Cl、Br、I、NO、CN、N(R、B(R、Si(Rであり、2つまたはそれ以上のR基が合わさって、脂肪族もしくは芳香族の、単環式もしくは多環式の環構造を形成していてもよい;
は、各例で同一または異なり、H、または1個から22個の炭素原子を有する直鎖、分枝鎖もしくは環式のアルキル鎖(1個またはそれ以上の非隣接炭素原子が-O-、-S-、-CO-O-、-O-CO-O-で置き換わっていてもよく、1個またはそれ以上の水素原子がフッ素と置き換わっていてもよい)、または5個から40個の炭素原子を有するアリール基(1個またはそれ以上の炭素原子がO、SまたはNで置き換わっていてもよく、1つまたはそれ以上の非芳香族のR基で置換されていてもよい)であり;2つまたはそれ以上のR基が合わさって環構造を形成していてもよい;
nは、各例で同一または異なり、0,1、2、3、または4であるが、ただし、このフェニル単位にポリマー鎖への1つの結合(すなわちX)がある場合にはnは4でなければならず、このフェニル単位にポリマー鎖への両方の結合(すなわちX)がある場合にはnは3または4でなければならない;
Xは共役ポリマーへの単位の結合を示す、
【化10】

【0017】
ここで記号R、R、Rおよび添字nは、各々、化学式(I)のもとで定義したとおりである。
【0018】
本発明の1つの実施形態は混合物BLEND1であり、
(A)5−99.5重量%の少なくとも1種の共役ポリマーPOLY1(1−100mol%、好ましくは10−100mol%、より好ましくは20−100mol%の、1つまたはそれ以上の化学式(I)の単位を含む);
および
(B)0.1−95重量%、好ましくは0.5−80重量%、より好ましくは1−50重量%、特に2−25重量%の、1種またはそれ以上の三重項発光体(COMP1)
を含む。
【化11】

【0019】
ここで記号および添字は、各々、上述したように定義される
実施形態BLEND1では、三重項発光体(COMP1)が非共有結合的にポリマーPOLY1と混合している。
【0020】
好ましい実施形態は、化学式(I)の単位をカルバゾール単位の3,6-位もしくは2,7-位を介してポリマーに組み込むことであり(X=結合)、その結果、2つのカルバゾール単位の一方がポリマーの側鎖に組み込まれ、他方がポリマーの側鎖を構成する。
【0021】
さらに好ましい実施形態は、Rが芳香族単位もしくは芳香族複素単位、ビニレン単位もしくはアセチレン単位またはこれら単位の組み合わせを表す場合に、化学式(I)の単位を2つのカルバゾール単位の2,2’-位、3,3’-位または2,3’-位を介してポリマーに組み込むことである(X=結合)。この場合、両方のカルバゾール単位がポリマーの主鎖に組み込まれる。
【0022】
さらに好ましい実施形態は、芳香族単位もしくは芳香複素単位を含む場合に、共役ポリマーを形成するように、化学式(I)の単位を、R自身を介して、またはRを介して、ポリマーに組み込むことである(X=結合)。この場合、両方のカルバゾールがポリマーの側鎖を形成する。結合はカルバゾール単位のフェニル環を介して、例えば1位と4位、または1位と2位を介していてもよい。明確にするために、カルバゾールの番号付けを以下の構造に示す;本文においてプライム記号で示される位置は、各ケースにおいて他のカルバゾール単位上のそれぞれ対応する原子を表す。
【化12】

【0023】
本発明の他の実施形態は混合物BLEND2であり、
(A)0.5−99重量%の少なくとも1種の共役ポリマーPOLY2(共有結合した形で、0.1−100mol%、好ましくは0.5から80mol%の1種またはそれ以上の三重項発光体(COMP2)を含む)、
および
(B)1−99.5重量%の化学式(II)の構造単位の化合物
を含む。
【化13】

【0024】
ここで記号および添字は、各々、上述したように定義される。
【0025】
好ましい実施形態BLEND2は、ポリマーPOLY2の主鎖および/または側鎖に組み込まれている三重項発光体にある。
【0026】
本発明の別の態様は混合物BLEND3であり、
(A)0.5−98.5重量%の任意の共役ポリマーPOLY3;
および
(B)1−99重量%、好ましくは10−90重量%の、化学式(II)の少なくとも1つの構造単位
および
(C)0.1−95重量%、好ましくは0.5−80重量%、より好ましくは1−50重量%、特に2−25重量%の、1種またはそれ以上の三重項発光体(COMP1)
を含む。
【化14】

【0027】
ここで記号および添字は、各々、上で定義したとおりである;
本発明の他の態様は混合物BLEND4であり、
(A)0.5−98.5重量%の任意の共役ポリマーPOLY3またはその複数
および
(B)1.5−99.5重量%の化合物COMP3(化学式(II)の少なくとも1つの構造単位と共有結合した1種またはそれ以上の三重項発光体を含む)
を含む。
【化15】

【0028】
ここで記号および添字は、各々、上で定義したとおりであり、三重項発光体および化学式(II)の構造単位との間の結合は三重項発光体および化学式(II)の構造単位の任意の位置にあってもよい。
【0029】
有用な三重項発光体(COMP1またはCOMP3)は、上述したように、デンドリマーでもある。この文脈において、デンドリマーは、分枝モノマーが規則的な構造で結合して樹木のような構造を形成する多官能の中心(コア)で構成される、高度の枝分かれした化合物を意味すると理解すべきである。その中心とそのモノマーとの両方が、純粋な有機単位、有機金属化合物または配位化合物からなる分枝構造を呈し得る。デンドリマーとはここでは、例えばM. Fischer, F. Voegtle, Angew. Chem. Int. Ed. 1999, 38, 885-905に記載されるような一般的な意味であると理解されるべきである。
【0030】
本発明の文脈では、共役ポリマーは主にsp-混成(または部分的にsp-混成)の炭素原子(対応するヘテロ原子で置換されていてもよい)を含むポリマーである。最も単純な場合には、これは主鎖に二重結合と単結合が交互に存在することを意味する。「主に」は、自然に(それ以上処置を施すことなく)生じて共役の中断をもたらす欠陥が、「共役ポリマー」という用語を無効にすることはない、ということを意味する。さらに、アリールアミン単位、例えば化学式(I)のカルバゾールダイマーまたは他のこのような単位、および/またはある種の複素環(すなわちN、OまたはS原子を介しての共役)、および/または有機金属錯体、例えばCOMP2の単位(すなわち金属原子を介しての共役)が主鎖に存在する場合、同様にこの出願の本文では、ポリマーが共役していると言う。対照的に、例えば、単純な(チオ)エーテル架橋、アルキレン鎖、エステル結合、アミド結合またはイミド結合のような単位は、明らかに非共役セグメントと定義されるであろう。
【0031】
化学式(I)の構造単位(POLY1中の)および三重項発光体COMP2(POLY2中の)以外に、ポリマーPOLY1、POLY2およびPOLY3は様々な他の構造要素を含んでいてもよい。これらは上述の特許出願で既に開示されているものを含む。特にWO 02/077060での関連する比較的に包括的なリストもここで参照すべきである。これは参照により本発明の構成であるとみなされる。これらの構造単位は、例えば以下に記載する種類から由来していてもよい:
1. ポリマー骨格を形成できる構造単位:
まずここで、フェニレンおよびそれから得られる構造について述べる。これらは、例えば、(各々のケースで置換または非置換の)オルト-、メタ-もしくはパラ-フェニレン、1,4-ナフチレン、9,10-アントラセニレン、2,7-フェナントレニレン(phenanthrenylene)、1,6-もしくは2,7-もしくは4,9-ピレン、または2,7-テトラヒドロピレンである。対応する複素環式のポリアリーレン形成構造、例えば2,5-チオフェニレン、2,5-ピロリレン、2,5-フラニレン、2,5-ピリジレン、2,5-ピリミジニレンまたは5,8-キノリニレンも有用である。
【0032】
さらに、より複雑な単位、例えば上述したフルオレン、スピロ-9,9’-ビフルオレン、複合架橋単位(例えば上述したL−PPPポリマーのサブセグメント)、さらに“ダブルフルオレン”単位(インデノフルオレン)もある。これらも置換されていても非置換でもよい。例えば、個々の環の炭素原子がヘテロ原子、例えば硫黄または窒素で置換されている、対応する複素環式構造もここでは有用である。
【0033】
2. 電荷注入および電荷輸送の特性に影響する構造単位:
これは電子の注入または輸送の特性(例えば、オキサジアゾール単位)、およびホールの注入または輸送の特性(例えば、トリアリールアミン単位)の両方に関わり得る。上記した出願書類WO 02/077060におけるこのような構造単位の包括的リストを再度ここで参照する。この出願の優先日の時点ではまだ公開されていない出願書類DE 10249723.0に記載されているナフチルアリールアミン、またはこの出願の優先日の時点ではまだ公開されていない出願書類DE 10304819.7に記載されているカルバゾールはこの目的に対して同様に有用である。
【0034】
ポリマーPOLY1、POLY2およびPOLY3はホモポリマーまたはコポリマーである。コポリマーはランダムな構造または部分的にランダムな構造、交互構造(alternating structure)またはブロック類似構造を有していてもよいし、または複数のこれらの構造を交互に有していてもよい。同様に、これは線状構造、枝分かれ構造またはデンドリマー構造を有していてもよい。複数の様々な構造要素を使用することで溶解性、固相形態などの特性を調節することができる。
【0035】
ポリマーPOLY1、POLY2およびPOLY3は通常10から10000、好ましくは50から5000、より好ましくは50から2000の繰り返し単位を有する。多分散性PDは好ましくは10以下、より好ましくは5以下である。
【0036】
ポリマーの必要な溶解性は、特に、対応するポリマー中の様々なモノマー単位上の置換基Rによって達成される。
【0037】
ポリマーPOLY1、POLY2およびPOLY3は1種またはそれ以上のモノマーの重合によって一般的に調製される。
【0038】
原理的に多くの適切な重合反応が存在する。しかし、特にいくつかのタイプが有用であるということがわかっている。これらはC−C結合形成(SUZUKIカップリング、YAMAMOTOカップリング、STILLEカップリング)またはC−N結合形成(HARTWIG−BUCHWALDカップリング)をもたらす。これらの方法により重合をどのように実行できるか、およびそれからどのようにしてポリマーを反応媒質から取り出し精製できるかが、例えばDE 10249723.0に詳細に記載されている。
【0039】
対応するポリマーPOLY1、POLY2およびPOLY3の調製ができるためには、説明したように、対応するモノマーが必要となる。
【0040】
考えられるコモノマーの合成は既に上で言及した出願書類および特許に詳細に記載されている。その適切な概要は出願書類WO 02/077060により示されている。
【0041】
化学式(I)の構造単位はPOLY1の一部である。化学式(I)の構造単位の含有量が10−99mol%の範囲にあることがここで良好な結果を達成させるということがわかっている。従って、POLY1およびBLEND1にとって、化学式(I)の構造単位の含有量が10−99mol%にあることが好ましい。化学式(I)の構造単位の含有量が20−99mol%にあることが特に好ましい。
【0042】
化学式(II)の構造単位はBLEND2およびBLEND3の一部である。化学式(II)の構造単位の含有量が5−99重量%の範囲にあることがここで良好な結果を達成させることがわかっている。従って、BLEND2およびBLEND3にとって、化学式(II)の構造単位の含有量が5−99重量%にあることが好ましい。化学式(II)の構造単位の含有量が10−99重量%にあることが特に好ましく、含有量が20−99重量%にあることが極めて特に好ましい。
【0043】
さらに好ましい実施形態は、化学式(II)の構造単位をBLEND1に混合することであり、その結果、架橋カルバゾール単位が共有結合した形態および混合した状態の両方の状態でここに存在する。化学式(I)または化学式(II)の構造単位の合計含有量が10−99mol%にあることが、これらの単位が共役ポリマーに共有結合しているかまたは混合しているかに関わらず、良好な結果をもたらすということがわかっている。従って、ここで化学式(I)および化学式(II)の構造単位の合計含有量が10−99mol%にあることが好ましい。化学式(I)および化学式(II)の構造単位の合計含有量が20−99mol%にあることが特に好ましい。
【0044】
さらに好ましい実施形態は、化学式(II)の構造単位をBLEND4に混合することであり、その結果、カルバゾールダイマー単位が共有結合した形態およびそれと混合した状態の両方の状態でここに存在する。ここでも、化学式(II)の構造単位の合計含有量が10−99mol%にあることが、これらの単位が三重項発光体と共有結合しているか混合しているかに関わらず、良好な結果をもたらすことがわかっている。従って、化学式(II)の構造単位の合計含有量が10−99mol%にあることがここでは好ましい。化学式(II)の構造単位の合計含有量が20−99mol%にあることが特に好ましい。
【0045】
化学式(I)の好ましい構造について:
Rは、各例で同一または異なり、2から20個の炭素原子を有しR置換でも非置換でもよい、直鎖、分枝鎖もしくは環式のアルキレン鎖(1個またはそれ以上の非隣接炭素原子が-NR-、-O-、-S-、-CO-、-CO-O-、-CO-NR-、-O-CO-O-で置き換わっていてもよい)、チオフェン、ベンゾチオフェン、ベンゼン、ビフェニル、ピリジン、キノキサリン、フルオレン、スピロビフルオレン、ナフタレン、アントラセン、ピレン、フェナントレン、ジヒドロフェナントレンから選択され、0から4種の置換基Rを自由な位置に有する、2価の芳香環構造もしくは複素芳香環構造、0から4種の置換基Rを自由な位置に有するスチルベニレンまたはトラニレン(tolanylene)系、または2種から5種のこれらの系の組み合わせである;
、R、nは上の記載に類似したものである;
POLY1における結合は、Rがアリール単位もしくはヘテロアリール単位、またはスチルベニル単位もしくはトラニル(tolanyl)単位である場合には3,6-位もしくは2,7-位、2,2’-位もしくは3,3’-位を介してなされることが好ましく、またはRもしくはRが芳香族単位もしくは複素芳香族単位、またはスチルベニル単位もしくはトラニル単位である場合にはRもしくはR基を介してなされることが好ましく、その結果、結合点の間に偶数の芳香族原子が存在する。
【0046】
化学式(I)の特に好ましい構造について:
Rは、各例で同一または異なり、2から15個の炭素原子を有しR置換でも非置換でもよい、直鎖、分枝鎖、または環式のアルキレン鎖(1個またはそれ以上の非隣接炭素原子が-NR-、-O-または-S-で置き換わっていてもよい)、チオフェン、ベンゾチオフェン、ベンゼン、ビフェニル、ナフタレン、アントラセン、ピレンまたはフェナントレンから選択され、非置換でも1つまたは2つの置換基Rで置換されていてもよい2価の芳香環構造もしくは複素芳香環構造、非置換でも、4つまでの置換基Rによって置換されていてもよい9,9’-置換フルオレン、スピロビフルオレン、9,10-置換もしくは9,9,10,10-置換ジヒドロフェナントレン、0から2つの置換基Rを自由な位置に有するスチルベニル系もしくはトラニル系、または2種から4種のこれらの系の組み合わせである;
、Rは上の記載に類似したものである;
nは各例で同一または異なり、0、1または2である;
POLY1との結合は、Rがアリール系、ヘテロアリール系、スチルベニル系またはトラニル系である場合には、3,6-位または2,7-位、3,3’-位を介して、またはRもしくはRが芳香族単位もしくは複素芳香族単位、またはスチルベニル単位もしくはトラニル単位である場合には、RもしくはR基を介してなされることが好ましく、その結果、結合点の間の芳香族炭素原子の数が4の倍数となる。
【0047】
化学式(I)の特に好ましい構造単位は、表示した化学式(III)から化学式(XXXVIII)の置換構造または非置換構造であり、単結合はポリマーへの結合を示す。ここではメチル基を表すことは意図されない。より良い比較のために、潜在的な置換基は示していない。
【化16】

【化17】

【化18】

【0048】
化学式(I)の極めて特に好ましい構造について:
Rは、各例で同一または異なり、3個から10個の炭素原子を有し非置換でもR置換でもよい、直鎖もしくは分枝鎖のアルキレン鎖(1個またはそれ以上の非隣接炭素原子が-NR-、-O-または-S-で置き換わっていてもよい)、チオフェン、ベンゼン、ビフェニル、ナフタレン、アントラセンまたはフェナントレンから選択される2価の芳香環構造もしくは複素芳香環構造(その各々は非置換であるか、1つまたは2つの置換基Rで置換されている)、9,9’-置換フルオレン、0から4つまでの置換基Rによって置換されているスピロビフルオレン、9,10-置換もしくは9,9,10,10-置換ジヒドロフェナントレン、0から2つの置換基Rを自由な位置に有するスチルベニル系もしくはトラニル系、または2種または3種のこれらの系の組み合わせである;
、R、nは上の記載に類似したものである;
POLY1における結合は上の記述に類似したものである。
【0049】
化学式(II)の好ましい構造について:
Rは、各例で同一または異なり、2から20個の炭素原子を有しR置換でも非置換でもよい、直鎖、分枝鎖、もしくは環式のアルキレン鎖(1個またはそれ以上の非隣接炭素原子が-NR-、-O-、-S-、-CO-、-CO-O-、-CO-NR-、または-O-CO-O-で置き換わっていてもよい)、チオフェン、ベンゾチオフェン、ベンゼン、ビフェニル、ピリジン、キノキサリン、フルオレン、スピロビフルオレン、ナフタレン、アントラセン、ピレン、フェナントレン、ジヒドロフェナントレンから選択され、自由な位置に0から4つの置換基Rを有する2価の芳香環構造もしくは複素芳香環構造、0から4つの置換基Rを自由な位置に有するスチルベニル系もしくはトラニル系、または2種から5種のこれらの系の組み合わせである;
、R、nは上の記載に類似したものである。
【0050】
化学式(II)の特に好ましい構造について:
Rは、各例で同一または異なり、2から15個の炭素原子を有しR置換でも非置換でもよい、直鎖もしくは分枝鎖のアルキレン鎖(1個またはそれ以上の非隣接炭素原子が-NR-、-O-または-S-で置き換わっていてもよい)、チオフェン、ベンゾチオフェン、ベンゼン、ビフェニル、ピリジン、ナフタレン、アントラセン、ピレンまたはフェナントレンから選択され、非置換でも、1つまたは2つの置換基Rで置換されていてもよい2価の芳香環構造もしくは複素芳香環構造、9,9’-置換フルオレン、4つまでの置換基Rで置換されているスピロビフルオレン、9,10-置換もしくは9,9,10,10-置換ジヒドロフェナントレン、0から2つの置換基Rを自由な位置に有するスチルベニル系もしくはトラニル系、または2種から4種のこれらの系の組み合わせである;
、Rは上の記載に類似したものである;
nは各例で同一または異なり、0、1または2である。
【0051】
化学式(II)の特に好ましい構造要素は表示した化学式(XXXIX)から化学式(LVIII)の非置換構造または置換構造である。より良い比較のために、潜在的な置換基は一般的に示していない。
【化19】

【化20】

【0052】
化学式(II)の極めて特に好ましい構造について:
Rは、各例で同一または異なり、3個から10個の炭素原子を有し非置換でもR置換でもよい、直鎖もしくは分枝鎖のアルキレン鎖(1個またはそれ以上の非隣接炭素原子が-NR-、-O-または-S-で置き換わっていてもよい)、チオフェン、ベンゼン、ビフェニル、ナフタレン、アントラセンまたはフェナントレンから選択される2価の芳香環構造もしくは複素芳香環構造(その各々は非置換であるか、1つまたは2つの置換基Rで置換されている、9,9’-置換フルオレン、0から4つの置換基Rによって置換されているスピロビフルオレン、9,10-置換もしくは9,9,10,10-置換ジヒドロフェナントレン、0から2つの置換基Rを自由な位置に有するスチルベニル系もしくはトラニル系、または2種または3種のこれらの系の組み合わせである;
、R、nは上の記載に類似したものである。
【0053】
これは記載から明確ではあるが、化学式(I)および化学式(II)の両方の構造単位および化学式(III)から化学式(LVIII)までの構造単位は非対称置換型でもよい、すなわち異なる置換基が1つの単位に存在していてもよいし、それらが異なる位置に結合していてもよい、ということをここで再度明白に示す。
【0054】
BLEND2およびBLEND4で使用する化学式(II)の構造単位を例えば以下に示すように得てもよい:
カルバゾールのN-アルキル化またはN-ベンジル化は文献で知られている。この方法で、2つのカルバゾール単位を置換されたもしくは非置換のアルキレン鎖、ベンジル鎖、アルキルアリーレン鎖もしくはシクロアルキレン鎖によって架橋できる。合成は、例えばM.E. Wrightら., J. Org. Chem. 1989, 54, 965に記載されているように、塩基性条件下でカルバゾールをアルキル化試薬と反応させることでなされる。
【0055】
カルバゾールをHARTWIG-BUCHWALDに従ってN-アリール化することができ、カルバゾールについてのその方法はM. Watanabe et al., Tetrahedron Lett. 2000, 41, 481に記載されている。この方法により2つのカルバゾール単位を適切なアリーレン基、ヘテロアリーレン基、スチルベニレン基またはトラニル基によって同様に架橋できる。
【0056】
カルバゾールの親構造にアルキル置換基を有するカルバゾールの合成は文献によって知られている:P. Bhattacharyyaら., J. Chem. Soc., Chem. Commun. 1984, 1668。
【0057】
カルバゾールの親構造上の別の置換基を、以下に記載するハロゲン化合物から得ることができる。このことは、例えばパラジウム触媒クロスカップリング反応により、他の有機基を導入することを可能にする。BLEND4に必要とされるような、カルバゾールダイマーおよび三重項発光体(COMP3)からなる化合物を、適切な置換三重項発光体を用いる同様の反応で得ることができる。
【0058】
POLY1の合成のために、ポリマー中の化学式(I)の構造単位を導く適切なモノマーを、例えば以下に記載したように得てもよい:
3,6-ジブロモカルバゾールは、文献:Smithら., Tetrahedron 1992, 48, 7479に記載されているように、カルバゾールを臭素化することで合成する。
【0059】
2,7-ジブロモカルバゾールは、文献:Tidwellら., Eur. J. Med. Chem. 1997, 32, 781に記載されているように、カルバゾールの親構造を構成することで合成する。
【0060】
モノマーとしての使用を可能にする官能性付与(すなわち、例えばハロゲン末端基の導入)は、原理的に、前駆体に実施するか、または既に完全に構成された親構造に最後の段階として実施することができる。
【0061】
官能基は、非常に損傷を受ける方法でしか反応しない場合には事前にすでに存在するであろうが、仮にそうであるとしても次の反応工程に存在するであろう。これは、例えば、単純な置換反応の場合、または異なる反応性(例えば臭素に対してヨウ素、または塩素に対して臭素)を利用できる場合であろう。
【0062】
第2に、(例えば置換が起きる、または置換基を導く場合)最初に架橋カルバゾールの親構造を構成し、最後の段階でハロゲン官能基を導入することも有利であろう。したがって、例えば、第2のカルバゾール単位が置換基によってブロックされている場合、臭素をカルバゾール単位の3-位または6-位に臭素を導入すること(例えば、穏やかなNBS臭素化(例えばCreasonら., J. Org. Chem. 1972, 37, 4440)によって)ができる。上で概要を述べたように、(i)対応するブロックされた置換基、(ii)適切な導電性置換基または(iii)活性もしくは不活性の複素環の存在下で、この方法を化学式(I)の他の構造に対して使用してもよい。3,3’-位がすでに他の置換基でブロックされている場合には、6,6’-位での官能性付与も同様に可能である。
【0063】
ハロゲン誘導体から、標準的な方法によって対応するビスホウ酸(bisboronic acid)誘導体またはビススタナン(bisstannane)誘導体を調製することができる(タイプAおよびCの上述の重合処理用)。これらの方法は一般的に、存在するハロゲンを金属(例えばMg、Li)と交換し、それをホウ酸エステルまたはトリアルキル錫ハロゲン化合物と反応させることにある。ホウ酸誘導体の調製のために、例えばハロゲン化物をボランまたはジボランとパラジウム触媒下で直接反応させる触媒処理も知られている。
【0064】
本発明はさらに、化学式(LIX)の2官能性のモノマー化合物を提供する。
【化21】

【0065】
これは、2つの官能基Yが同一または異なり、C-C結合またはC-N結合の形成の条件下で共重合し;他の記号および添字は、各々、化学式(I)で定義したとおりであり;Yの結合は化学式(I)のXと同一の位置であることを特徴とする。
【0066】
Yは好ましくはCl、Br、I、O-トシレート、O-トリフレート、OSO、B(OH)、B(OR、Sn(RおよびNHRからなる群より選択され、ここでRは上で記載したように定義される。
【0067】
C-CおよびC-N結合生成は好ましくはSUZUKIカップリング、YAMAMOTOカップリング、STILLEカップリングおよびHARTWIG-BUCHWALDカップリングからなる群より選択される。
【0068】
ここで特に好ましいのは、ポリマー中で化学式(III)から化学式(XXXVIII)の構造単位をもたらす化学式(LIX)のモノマー化合物である。
【0069】
BLEND1およびBLEND3へ混合される構造単位COMP1、POLY2(=BLEND2)へ重合される構造単位COMP2、およびBLEND4混合されるCOMP3を、一重項励起子から三重項励起子への遷移を可能にし、さらに室温で三重項状態から発光できる、任意の有機または有機金属材料種から選択してもよい;まず、これらは特に、重原子、すなわち周期表で36以上の原子番号を有する元素の原子を含む化合物である。この目的に対して特に適切なものは、上述の条件を満たすdおよびf遷移金属を含む化合物である。ここで、極めて特に好ましいものは、8族から10族(Ru、Os、Rh、Ir、Pd、Pt)の元素を含む対応する構造単位である。このような化合物は全ての発光色(青、緑、赤)に対して知られている。
【0070】
COMP1またはCOMP3は低分子量、オリゴマー、デンドリマー、もしくはポリマーの化合物でもよい。COMP1またはCOMP3をブレンド(BLEND1、BLEND3、BLEND4)として処理しなくてはいけないので、適切な溶媒(例えば、トルエン、キシレン、アニソール、THF、メチルアニソール、メチルナフタレンまたはこれら溶媒の混合物)に対して十分な溶解性を有し、これらの溶媒中で溶液からの処理が可能なことが必要である。ここで、有用な低分子量の構造単位は、例えばWO 02/068435、WO 02/081488、EP 1239526およびWO 04/026886に記載されているような、例えば様々な錯体である。この目的のために有用なデンドリマー構造は、例えばWO 99/21935、WO 01/059030およびWO 02/066552に記載されているような錯体である。
【0071】
COMP2はPOLY2(=BLEND2)のポリマー鎖に共有結合的に組み込まれる。ポリマーの主鎖もしくは側鎖のどちらかに組み込まれることが好ましい。POLY2へのCOMP2の組み込みを可能とするために、官能性の重合可能な基がCOMP2に存在しなくてはならない。重合反応でモノマーとして使用できる対応する臭素化錯体の例は、WO 02/068435に記載されている。
【0072】
本発明の混合物BLEND1はCOMP1単位をポリマーPOLY1に加えることで得られる。本発明の混合物BLEND2は化学式(II)の構造単位をポリマーPOLY2に加えることで得られる。本発明の混合物BLEND3は化学式(II)の構造単位とCOMP1単位をポリマーPOLY3に加えることで得られる。本発明の混合物BLEND4はCOMP3単位をポリマーPOLY3に加えることで得られる。
【0073】
また、他の共役、部分共役もしくは非共役の、ポリマー、オリゴマー、デンドリマー、もしくは低分子量の化合物をBLEND1からBLEND4にさらに混合することも好ましい場合がある。例えば、電子的に活性な材料の添加は、対応するブレンドでの、ホールもしくは電子の注入、ホールもしくは電子の輸送、または電荷平衡を調節することを可能にする。また、添加成分は一重項−三重項遷移を改善することがある。しかし、電子的に不活性な化合物の添加も、例えば溶液の粘度またはフィルムの形態を制御する上で有用な場合がある。
【0074】
従って、このようにして得られたブレンドも発明の主題の一部を形成する。
【0075】
本発明はさらに共役ポリマーPOLY4を提供する。これは
(A)1−99.9mol%、好ましくは10−99mol%、より好ましくは20−99mol%の1つまたはそれ以上の化学式(I)の単位
および
(B)0.1−95mol%、好ましくは0.5−80mol%、より好ましくは1−50mol%、特に2−25mol%の、好ましくは1種またはそれ以上の有機金属構造単位COMP2の形態にある、1種またはそれ以上の三重項発光体
を含む。
【化22】

【0076】
ここで記号X、R、R、Rおよび添字nは、各々、上で記載したように定義される。
【0077】
これらのポリマーにおいて、化学式(I)の構造単位はポリマーPOLY1について記載したように組み込まれる。構造単位COMP2は、既にPOLY2について記載したように、POLY4の主鎖および/または側鎖に組み込まれる。
【0078】
POLY4は、POLY1からPOLY3までについて記載したように、別の構造要素(例えばポリマー骨格単位、電荷注入単位または電荷輸送単位)を含んでいてもよい。同様にランダムな構造、部分的にランダムな構造、交互構造またはブロックのような構造を有していてもよいし、直線状、分枝鎖状もしくはデンドリマー状でもよい。POLY4においても、ポリマーの溶解性は、特にポリマー単位上の置換基RおよびRによって決定される。POLY4はPOLY1およびPOLY3について記載したように合成される。化学式(I)の特に好ましい構造単位は上で表示した化学式(III)から化学式(XXXVIII)の構造である。
【0079】
さらに、他の共役、部分共役、もしくは非共役の、ポリマー、オリゴマー、デンドリマーもしくは低分子量の化合物をPOLY4に混合して、ブレンドをここで形成することも好ましい。化学式(II)の構造単位をここで混合させ、化学式(I)と化学式(II)の構造の合計の含有量を増加させることも好ましい。構造単位COMP1を混合することも同様に好ましい。しかし、その他の成分の添加もいくつかの用途に対して実行できることが分かるであろう。例えば、電子的に活性な材料の添加により、このようにして形成したブレンドの、ホールもしくは電子の注入、ホールもしくは電子の輸送、または電荷平衡を調節することが可能になる。添加成分はさらに一重項−三重項遷移を改善できる場合もある。しかし、電子的に不活性な成分の添加も、例えば溶液の粘度またはフィルムの形態を制御する上で有用である場合がある。従って、このようにしてPOLY4から得られたブレンドも発明の主題の一部を形成する。
【0080】
BLEND1からBLEND4(または任意にPOLY4と他の成分とのブレンド)を以下のように調製する:ブレンドの各成分を適切な混合比で混ぜ合わせ、適切な溶媒に溶解させる。適切な溶媒としては、例えばトルエン、アニソール、キシレン、メチルアニソール、メチルナフタレン、クロロベンゼン、環式エーテル(例えばジオキサン、THF、メチルジオキサン)、アミド(例えばNMP、DMF)およびこれらの溶媒の混合物である。あるいは、ブレンドの成分を別々に溶解してもよい。この場合、ブレンドの溶液は各溶液を適切な混合比で混ぜ合わせることで得られる。溶解操作は好ましくは不活性雰囲気で行う。ブレンドを典型的には、(再び析出することによって)固体として分離するのではなく、むしろ溶液からさらに直接処理する。
【0081】
個々の成分の適切な比率は、成分がポリマーと共有結合しているか、または混合しているかに関わらず、合計で1−99.5mol%、好ましくは10−99mol%、より好ましくは20−99mol%の化学式(I)および化学式(II)の単位、および0.1−95mol%、好ましくは0.5−80mol%、より好ましくは1−50mol%、特に2−25mol%のCOMP1、COMP2およびCOMP3を含む混合物である。
【0082】
本発明の混合物BLEND1からBLEND4およびポリマーPOLY4は、とりわけ上述の従来技術を上まわる、以下の驚くべき長所を有する:
化学式(I)または化学式(II)の単位を全く含まない比較例のポリマーおよびブレンドでのものと比べ、本発明のポリマーPOLY1またはブレンドBLEND1からBLEND4での三重項発光体の発光は驚くほど著しくより効率的である(表1のデータを参照のこと)。
【0083】
比較例のポリマーまたは類似のブレンドをPLEDにおいて使用する場合の所定の電圧における電流、すなわち電流−電圧特性曲線は、共役ポリマーと化学式(I)または化学式(II)の構造単位の両方が存在する場合(純粋な共役ポリマーであるか混合物であるかに関わらず)に、より急勾配である。上で既に詳細に説明したように、これは応用にとっての著しい長所をもたらす。というのは、それゆえ低いエネルギー消費で効率的なフルカラーディスプレイを得るという目的が可能になるためである。
【0084】
有機溶媒に対する溶解性は良好である。すなわち、トルエン、キシレン、アニソール、メチルアニソールまたはメチルナフタレンのような溶媒に、例えば混合物BLEND1からBLEND4およびポリマーPOLY4は少なくとも1から30g/lの範囲(使用する三重項発光体とポリマーの分子量に依存する)の濃度で可溶である。
【0085】
混合物BLEND1からBLEND4およびポリマーPOLY4をPLEDで使用してもよい。PLEDを構成するために、一般的な方法を普通に使用するが、個々のケースに適切に適応させなくてはならない。このような方法は例えばDE 10249723.0に詳細に説明されている。
【0086】
上で説明したように、本発明の混合物BLEND1からBLEND4および本発明のポリマーPOLY4は電界発光物質としてOLEDまたはこの方法で製造するディスプレイにおいて極めて特に適している。本発明の文脈では、電場発光物質はOLED中の活性層において電場を印加することで発光する材料であるとみなされる(発光層)。
【0087】
本発明はそれゆえに、OLEDで本発明の混合物BLEND1からBLEND4および本発明のポリマーPOLY4を電界発光物質として使用することも提供する。
【0088】
本発明は同様に1層またはそれ以上の活性層を有するOLEDを提供する。これらの層の少なくとも1層は1種またはそれ以上の本発明の混合物BLEND1からBLEND4または本発明のポリマーPOLY4を含む。
【0089】
本出願の本文において、およびさらに以下の例においても、目的は、OLEDとそれに対応するディスプレイに関連する、本発明の混合物BLEND1からBLEND4および本発明のポリマーPOLY4の使用である。記載の制限に関わらず、当業者は別段の発明力なしに、本発明のポリマーもしくはブレンドを他の電子デバイス、少数の用途のみを言及すると、例えば、有機太陽電池(O−SC)、非線形光学、有機光学検出器または他の有機レーザーダイオード(O−レーザー)での他の使用に利用できる。これらも同様に本発明の主題の一部を形成する。
【0090】
本発明を以下の例によって詳細に説明するが、それらに限定することをなんら意図していない。
【0091】
(例)
パートA:モノマーおよびブレンド成分の合成
例A1:POLY1用のモノマーの合成
モノマーM1からモノマーM23の合成はWO 02/077060およびそこで引用されている文献に既に詳細に説明されている。よりよい理解のために、モノマーを再度以下に示す。
【化23】

【化24】

【0092】
例A2:化学式(I)の本発明のモノマー
化学式(I)のモノマーを以下、“IM”(=本発明のモノマー)と呼ぶ。
【0093】
3,6-ジブロモカルバゾールを、Smithら, Tetrahedron 1992, 48, 7479.に従って合成した。3-メチルカルバゾールをP. Bhattacharyyaら., J. Chem. Soc., Chem. Commun. 1984, 1668に従って合成した。全ての生成物の構造的完全性をH NMR分光法を用いて明らかにした;生成物の純度はHPLCを用いて測定した。
【0094】
N-(ω-ブロモアルキル)カルバゾール:概要
【化25】

【0095】
保護ガス下で、44mmolの水素化ナトリウムを100mlの乾燥THFに溶解した40mmolのカルバゾールの懸濁液に添加する。水素の発生が完了した後、400mmolの適切なα,ω-ジブロモアルカンを隔膜を通して添加し、その混合物を水分を除去しながら室温で終夜攪拌した。形成した臭化ナトリウムを濾過して取除き、減圧下でTHFを除去し、過剰なブロモアルカンをオイルポンプ吸引で回収する。生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル/CHCl)で分離する。
【0096】
N-(3-ブロモプロピル)カルバゾール(n=3):6.68g(40mmol)のカルバゾール、80.8g(40.6ml、400mmol)の1,3-ジブロモプロパン、1.06g(44mmol)のNaH、100mlのTHF。
【0097】
収量:9.2g(56%)、HPLC純度99.4%。
【0098】
1H NMR (CDCl3, 500 MHz): 8.11 (d, J=8.7 Hz, 2H), 7.48 (m, 4H), 7.24 (m, 2H), 4.51 (t, J=6.35 Hz, 2H), 3.39 (t, J=6.35 Hz, 2H), 2.43 (m, 2H)。
【0099】
N-(4-ブロモブチル)カルバゾール(n=4):6.68g(40mmol)のカルバゾール、86.36g(47.2ml、400mmol)の1,4-ジブロモブタン、1.06g(44mmol)のNaH、100mlのTHF。
【0100】
収量:8.58g(71%)、HPLC純度99.5%。
【0101】
1H NMR (CDCl3, 500 MHz): 8.11 (d, J=8.7 Hz, 2H), 7.48 (m, 4H), 7.24 (m, 2H), 4.35 (t, J=6.35 Hz, 2H), 3.37 (t, J=6.35 Hz, 2H), 2.43-1.81 (m, 4H)。
【0102】
アルキルカルバゾールダイマーからのモノマー:概要
【化26】

【0103】
還流冷却器を備える500mlのフラスコの中で、990mg(41.2mmol)の水素化ナトリウムを保護ガス下で80mlの乾燥DMFに懸濁させる。80mlのDMFに溶解した30.8mmolの3,6-もしくは2,7-ジハロカルバゾール(X=Cl、Br、I)を室温で20分以内にこの反応混合物に滴下して添加する。続いて、50mlの乾燥DMFに溶解した30.8mmolのN-(ω-ブロモアルキル)カルバゾールの溶液を滴下して添加し、その混合物を60℃で8時間加熱する。室温まで冷却した後、300mlの水と200mlの酢酸エチルを注意深く添加する。相分離をし、有機相を50mlのHOで4回洗浄し、MgSOで乾燥し、溶媒を減圧下で除去する。n-ヘキサンからの再結晶を繰り返すことで純粋な生成物を得る。
【0104】
IM1:3,6-ジブロモ-N-(N-カルバゾリル)プロピルカルバゾール(X=Br、n=3):10.0g(30.8mmol)の3,6-ジブロモカルバゾール、8.9g(30.8mmol)のN-(3-ブロモプロピル)カルバゾール、0.99g(41.2mmol)のNaH、160mlのDMF。
【0105】
収量:13.8g(85%)、HPLC純度99.9%。
【0106】
1H NMR (CDCl3, 500 MHz): 8.12 (m, 4H), 7.45 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.44-7.39 (m, 2H), 7.28-7.20 (d, J = 8.7 Hz, 4H), 6.77 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 4.38 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 3.23 (t, J = 7.36 Hz, 2H), 2.43 (m, 2H)。
【0107】
IM2:3,6-ジブロモ-N-(N-カルバゾリル)ブチルカルバゾール(X=Br、n=4):10g(30.8mmol)の3,6-ジブロモカルバゾール、9.3g(30.8mmol)のN-(3-ブロモブチル)カルバゾール、0.99g(41.2mmol)のNaH、160mlのDMF。
【0108】
収量:14.6g(87%)、HPLC純度99.9%。
【0109】
1H NMR (CDCl3, 500 MHz): 8.11 (m, 4H), 7.44 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.43-7.39 (m, 2H), 7.28-7.20 (d, J = 8.7 Hz, 4H), 6.77 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 4.34 (t, J = 6.35 Hz, 2H), 3.36 (t, J = 6.35 Hz, 2H), 2.42-1.80 (m, 4H)。
【0110】
フルオレンカルバゾールダイマー
【化27】

【0111】
IM3:2,7-ジブロモ-9,9-ビス(3-(N-カルバゾリル)プロピル)フルオレン(X=Br、n=3):
保護ガス下で、9.0g(28mmol)の2,7-ジブロモフルオレン、16.4g(57mmol)のN-(3-ブロモプロピル)カルバゾールおよび0.5g(3mmol)のKIを、56mlのDMSO中で、室温で透明な溶液が形成されるまで攪拌した。続けて、6.6g(119mmol)のKOHを少しずつ添加した。一時間後、その混合物を200mlの水と混合し、CHClで抽出した。混合した有機層を水で洗浄し、MgSOで乾燥した。続けて、溶媒を減圧下で除去し、生成した油分をカラムクロマトグラフィーで精製した(シリカゲル、ヘキサン/EA 40:1)。
【0112】
収量:15.5g(76%)、HPLC純度:99.5%。
【0113】
1H NMR (CDCl3, 500 MHz): 8.10 (m, 4H), 7.88 (s, 2H), 7.61 (d, J = 7.9 Hz, 2H), 7.55 (d, J = 7.9 Hz, 2H), 7.44-7.38 (m, 4H), 7.28-7.17 (m, 8H), 4.30 (t, J = 7.02 Hz, 4H), 2.21 (t, J = 7.36 Hz, 4H), 1.91 (m, 4H)。
【0114】
IM4:2,7-ジブロモ-9,9-ビス(4-(N-カルバゾリル)ブチル)フルオレン(X=Br、n=4):
合成をEM3の合成と同様に行った。9.0g(28mmol)の2,7-ジブロモフルオレン、17.2g(57mmol)のN-(4-ブロモブチル)カルバゾールおよび0.5g(3mmol)のKI、6.6g(119mmol)のKOH、56mlのDMSO。
【0115】
収量:15.4g(73%)、HPLC純度99.5%。
【0116】
1H NMR (CDCl3, 500 MHz): 8.11 (m, 4H), 7.68 (s, 2H), 7.60 (d, J = 7.9 Hz, 2H), 7.43 (d, J = 7.9 Hz, 2H), 7.43-7.36 (m, 4H), 7.27-7.15 (m, 8H), 4.35 (t, J = 6.35 Hz, 4H), 2.23 (t, J = 6.35 Hz, 4H), 1.90-1.31 (m, 8H)。
【0117】
ビフェニルカルバゾール
4,4’-ビス(3-メチルカルバゾール-9-イル)ビフェニル
【化28】

【0118】
最初に、7.5g(25mmol)の4,4’-ジブロモビフェニルを95mlのp-キシレンに加えて、その溶液をアルゴンで30分間脱気する。それから、まず20.1g(150mmol)のリン酸カリウム、続けて0.27g(1.5mmol)のクロロジtertブチルホスフィン/0.29g(3mmol)のNaOtertBu/5mlのp-キシレンの溶液を添加し、10分後に0.11g(0.5mmol)の酢酸Pd(II)を添加した。18.1g(100mmol)の3-メチルカルバゾールを添加した後、その混合物を還流させながら125℃で3日間加熱した。その混合物を水120mlと混合し、数時間攪拌した。固体を吸引濾過により取り出し、キシレンと水で洗浄し、EtOHから再結晶した。
【0119】
収量:21g(95%)、HPLC純度99.3%。
【0120】
1H NMR (CDCl3, 500 MHz): 8.97 (d, J4 = 2.0 Hz, 2H), 8.35 (dd, J3 = 9.2 Hz, J4 = 2.0 Hz, 2H), 8.12 (d J3 = 7.8 Hz, 2H), 7.55 (t, J3 = 8.2 Hz, 2H), 7.49 (d, J3 = 8.2 Hz, 2H), 7.46 (d, J3 = 9.2 Hz, 2H), 7.40 (d, J3 = 8.3 Hz, 4H), 7.35 (d, J3 = 8.3 Hz, 4H), 7.34 (t, J3 = 7.8 Hz, 2H), 2.35 (s, 3H)。
【0121】
IM5:4,4’-ビス(3-ブロモ-6-メチルカルバゾール-9-イル)ビフェニル
【化29】

【0122】
10.25g(20mmol)の4,4’-ビス(3-メチルカルバゾール-9-イル)ビフェニルを30mlの乾燥アセトニトリルに溶解させた。保護ガス下で、N-ブロモスクシンイミドをゆっくりと添加し、その混合物を室温で21時間攪拌した。残渣を濾過し、少量のアセトニトリル、引き続いて温水にて洗浄した。生成物をジオキサンから再結晶することで精製した。
【0123】
収量:12g(90%)、HPLC純度99.3%。
【0124】
1H NMR (CDCl3, 500 MHz): 8.99 (d, J4 = 2.0 Hz, 2H), 8.40 (dd, J3 = 9.2 Hz, J4 = 2.0 Hz, 2H), 8.22 (d J3 = 7.8 Hz, 2H), 7.56 (t, J3 = 8.2 Hz, 2H), 7.52 (d, J3 = 8.2 Hz, 2H), 7.47 (d, J3 = 9.2 Hz, 2H), 7.43 (d, J3 = 8.3 Hz, 4H), 7.35 (t, J3 = 7.8 Hz, 2H), 2.36 (s, 6H)。
【0125】
例A3:化学式(II)のブレンド成分
化学式(II)のブレンド成分を以下、CARBと呼ぶ。
【0126】
CARB1:N-(N-カルバゾリル)プロピルカルバゾ−ル(n=3)
【化30】

【0127】
保護ガス下で、0.99g(41.2mmol)の水素化ナトリウムを160mlの乾燥THFに溶解した5.15g(30.8mmol)のカルバゾールの懸濁液に添加した。水素の発生が終了した後、3.11g(15.4mmol)の1,3-ジブロモプロパンを隔膜を通して添加し、その混合物を室温で、水分を除去しながら、終夜攪拌した。形成された臭化ナトリウムを濾過して取除き、THFを減圧下で除去し、かつ過剰なジブロモプロパンをオイルポンプ吸引で回収した。生成物をカラムクロマトグラフィーで精製した(シリカゲル/CHCl)。
【0128】
収量:5.4g(94%)、HPLC純度99.9%。
【0129】
1H NMR (CDCl3, 500 MHz): 8.11 (m, 4H), 7.44-7.38 (m, 4H), 7.28-7.17 (m, 8H), 4.49 (t, J = 7.02 Hz, 4H), 2.22 (m, 2H)。
【0130】
例A4:ブレンドで使用するための構造単位COMP1
例としてここで使用する化合物COMP1はトリス(フェニルピリジル)イリジウム(III)の誘導体である。これらの化合物の合成は既に出願書類WO 02/081488およびWO 04/026886で説明されている。明確にするために、ここで使用するイリジウム錯体を再度以下に示す:
【化31】

【0131】
例A5:三重項コモノマーCOMP2
ここで使用するコモノマーCOMP2はトリス(フェニルピリジル)イリジウム(III)の誘導体である。これらの化合物の合成は、例えば、本願の優先日にはまだ公開されていない出願DE 10350606.3で説明されている。ここで使用するイリジウムコモノマーIr4およびIr5を、明確にするために、再度以下に示す:
【化32】

【0132】
パートB:ポリマーの調製
化学式(I)の単位も化合物COMP2も全く含まない、共役ポリマーPOLY3は既に出願書類WO 02/077060およびWO 03/020790で説明されている。これらは、参照により、本出願の一部である。
【0133】
化学式(I)のモノマーを含むPOLY1タイプの2つのポリマーの合成を以下の例を用いて説明する。
【0134】
例B1:ポリマーP1の合成
3.1706g(4mmol)のモノマーM2、1.9650g(2.4mmol)のモノマーM1、0.6069g(0.8mmol)のモノマーM9、0.4258g(0.8mmol)のIM1、および4.05gの水和したリン酸カリウムを、25mlのジオキサン、25mlのトルエン、7mlのHO(全て酸素を含まない溶媒である)に溶解させた。反応溶液をアルゴンを用いて40℃で30分脱気した。それから、0.45mgのPd(OAc)、3.65mgのP(o-トリル)を触媒として添加し、その溶液をアルゴン雰囲気下で還流しながら4時間加熱した。エンドキャッピングを、24mgの3,4-ビスペントキシベンゼンホウ酸を用い20mlのトルエン中で行い、その混合物を還流しながら一時間加熱した。それから、10mlのトルエンに溶解した40mgの臭化3,4-ビスペントキシベンジルを添加し、その混合物を還流しながら3時間加熱した。さらに50mlのトルエンを添加した後、ポリマー溶液を100mlの0.01%NaCN水溶液と共に60℃で3時間攪拌した。相を分離し、有機相を100mlのHOで4回洗浄した。ポリマーを300mlのメタノールに滴下添加することで析出させて、濾過した。300mlのTHFに60℃でアルゴン雰囲気下で溶解させ、セライトを通して濾過し、600mlのメタノールを添加することで再析出させることによって、さらに精製を行った。ポリマーを濾過し、減圧下で乾燥させた。4.73g(理論値の93%)のポリマーを分離した;M=352000g/mol、M=93000g/mol、多分散性=3.8(THF中のGPC、PS基準で)。
【0135】
例B2:ポリマーP2の合成
3.1760g(4mmol)のモノマーM2、1.0825g(1.6mmol)のモノマーM7、1.7726g(2.4mmol)のIM3、および4.05gの水和したリン酸カリウムを、37.5mlのジオキサン、12.5mlのトルエン、7mlのHO(全て酸素を含まない溶媒である)に溶解させた。その反応溶液をアルゴンを用いて40℃で30分間脱気した。それから、0.45mgのPd(OAc)、3.65mgのP(o-トリル)を触媒として添加し、その溶液をアルゴン雰囲気下で還流しながら3時間加熱した。高粘性ポリマー溶液を50mlのトルエンで希釈した。それからエンドキャッピングを20mlのトルエンに溶解した24mgの3,4-ビスペントキシベンゼンホウ酸を用いて行い、その混合物を還流しながら一時間加熱し、それから、30mlのトルエンに溶解した40mgの臭化3,4-ビスペントキシベンジルを添加し、その混合物を還流しながら1時間加熱した。ポリマー溶液を再度50mlのトルエンで希釈し、100mlの0.01%NaCN水溶液と共に60℃で3時間攪拌した。相を分離し、有機相を100mlのHOで4回洗浄した。ポリマーを400mlのメタノールに滴下添加することで析出させて、濾過した。350mlのTHFに60℃でアルゴン雰囲気下で溶解させ、セライトを通して濾過し、700mlのメタノールを添加することで再析出させることによって、さらに精製を行った。ポリマーを濾過し、減圧下で乾燥させた。4.69g(理論値の90%)のポリマーを分離した;M=681000g/mol、M=202000g/mol、多分散性=3.4(THF中のGPC、PS基準で)。
【0136】
他のポリマーをP1およびP2についての記載と同様に調製した。
【0137】
パートC:ブレンドの調製
ブレンドを、所望の比率および所望の濃度でブレンド成分を適切な溶媒に溶解させることで、調製した。ここで使用した溶媒はトルエンであった。溶解操作は60℃で不活性雰囲気下で行った。溶液を、ブレンドの分離(固体部分の繰り返し析出)なしに、直接処理した。
【0138】
パートD:LEDの製造と特性評価
こうして得られた全てのブレンドBLEND1からBLEND4までおよびポリマー4をさらにOLEDの使用について検討した。これらのブレンドを用いて得られた結果(色、効率、動作電圧)を表1にまとめる(例D1からD6)。比較用のポリマーおよびブレンドであって、化学式(I)および化学式(II)の単位を全く含まないものを用いて得られた結果も同様にまとめる(例V1からV4)。ポリマーPOLY4を用いて得られた結果を表2にまとめる(例D7からD8)。PLEDの製造はDE 10249723.0およびそこで引用されている文献に詳細に説明されている。
【表1】

【0139】
a ポリマー中の様々なモノマーの含有量、単位 mol%
b 混合物の全体の組成物中のブレンド成分CARBおよびCOMP1および他のブレンド成分のタイプおよび含有量、単位 重量%
c CPB=2,2’,7,7’-テトラ(N-カルバゾリル)-9,9’-スピロビフルオレン、PVK=ポリ(ビニルカルバゾール)。
【0140】
d CIE座標:Commission Internationale de l’Eclairageの色度座標
【表2】

【0141】
a ポリマー中の様々なモノマーの含有量、単位 mol%
b CIE座標:Commission Internationale de l’Eclairageの色度座標

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)少なくとも1種の共役ポリマー、
(B)少なくとも1種の架橋カルバゾール単位、および
(C)少なくとも1種の三重項発光体
を含む混合物(ブレンド)。
【請求項2】
少なくとも0.5重量%の少なくとも1種の共役ポリマー、少なくとも1重量%の少なくとも1種の架橋カルバゾール単位、および少なくとも0.1重量%の少なくとも1種の三重項発光体を含むことを特徴とする請求項1記載の混合物。
【請求項3】
前記混合物は、前記カルバゾール単位として、化学式(I)および/または化学式(II)の少なくとも1種の化合物を含むことを特徴とする請求項1および/または2記載の混合物。
【化1】

ここで記号および添字は以下のように定義される:
Rは、各例で同一または異なり、1個から40個の炭素原子を有しR-置換でも非置換でもよい、直鎖、分枝鎖もしくは環式のアルキレン鎖(1個またはそれ以上の非隣接炭素原子が-NR-、-O-、-S-、-CO-、-CO-O-、-CO-NR-、-O-CO-O-で置き換わっていてもよい)、または2個から40個の炭素原子を有しR-置換でも非置換でもよい、2価の芳香環構造もしくは複素芳香環構造、R-置換もしくは非置換のビニレン単位、アセチレン単位、またはこれらの系の2種から5種の組み合わせであり;前記芳香族単位はより大きな縮合系の一部でもよく;考えられる前記置換基Rは状況に応じて任意の自由な位置にあってもよい;
は、各例で同一または異なり、1個から22個の炭素原子を有する直鎖、分枝鎖もしくは環式の、アルキル鎖もしくはアルコキシ鎖(1個またはそれ以上の非隣接炭素原子が-NR-、-O-、-S-、-CO-O-、-O-CO-O-で置き換わっていてもよく、1個またはそれ以上の水素原子がフッ素で置き換わっていてもよい)、または5個から40個の炭素原子を有するアリール基もしくはアリールオキシ基(1個またはそれ以上の炭素原子がO、S、またはNで置き換わっていてもよく、1つまたはそれ以上の非芳香族のR基によって置換されていてもよい)、ビニル基もしくはアセチレン基、またはF、Cl、Br、I、NO、CN、N(R、B(R、Si(Rであり、2つまたはそれ以上のR基が合わさって、脂肪族もしくは芳香族の、単環式もしくは多環式の環構造を形成していてもよい;
は、各例で同一または異なり、H、または1個から22個の炭素原子を有する直鎖、分枝鎖もしくは環式のアルキル鎖(1個またはそれ以上の非隣接炭素原子がO、S、-CO-O-、O-CO-Oと置き換わっていてもよく、1個またはそれ以上の水素原子がフッ素と置き換わっていてもよい)、または5個から40個の炭素原子を有するアリール基(1個またはそれ以上の炭素原子がO、SまたはNで置き換わっていてもよく、1つまたはそれ以上の非芳香族のR基で置換されていてもよい)であり;2つまたはそれ以上のR基が合わさって環構造を形成していてもよい;
nは、各例で同一または異なり、0,1、2、3、または4であるが、ただし、このフェニル単位にポリマー鎖への1つの結合(すなわちX)がある場合にはnは4でなければならず、このフェニル単位にポリマー鎖への両方の結合(すなわちX)がある場合にはnは3または4でなければならない;
Xは前記共役ポリマーへの前記単位の結合を示す。
【化2】

ここで記号R、R、Rおよび添字nは、各々、化学式(I)のもとで定義したとおりである。
【請求項4】
(A)5−99.5重量%の少なくとも1種の共役ポリマーPOLY1(1−100mol%の1つまたはそれ以上の化学式(I)の単位を含む);
および
(B)0.1−95重量%の1種またはそれ以上の三重項発光体(COMP1)
を含む請求項1から3のいずれか1項またはそれ以上の項記載の混合物BLEND1。
【化3】

ここで記号および添字は、各々、請求項3のもとで説明したように定義される。
【請求項5】
(A)0.5−99重量%の少なくとも1種の共役ポリマーPOLY2(共有結合した形で、0.1−100mol%の1種またはそれ以上の三重項発光体(COMP2)を含む)
および
(B)1−99.5重量%の化学式(II)の構造単位
含む請求項1から3のいずれか1項またはそれ以上の項記載の混合物BLEND2。
【化4】

ここで記号および添字は、各々、請求項3で定義したとおりである。
【請求項6】
(A)0.5−98.5重量%の任意の共役ポリマーPOLY3;
および
(B)1−99重量%の化学式(II)の構造単位
および
(C)0.1−95重量%の1種またはそれ以上の三重項発光体(COMP1)
を含む請求項1から3のいずれか1項またはそれ以上の項記載の混合物BLEND3。
【化5】

ここで記号および添字は、各々、請求項3で定義したとおりである。
【請求項7】
(A)0.5−98.5重量%の任意の共役ポリマーPOLY3またはその複数
および
(B)1.5−99.5重量%の化合物COMP3(化学式(II)の少なくとも1つの構造単位と共有結合した1種またはそれ以上の三重項発光体を含む)
を含む請求項1から3のいずれか1項またはそれ以上の項記載の混合物BLEND4。
【化6】

ここで記号および添字は、各々、請求項3で定義したとおりであり、前記三重項発光体と前記化学式(II)の構造単位との間の結合は前記三重項発光体および前記化学式(II)の構造単位における任意の位置にあってもよい。
【請求項8】
前記化学式(I)の構造単位がカルバゾールの3,6-位または2,7-位を介してPOLY1に組み込まれていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項またはそれ以上の項記載の混合物。
【請求項9】
Rがアリール単位、ヘテロアリール単位、ビニル単位またはアセチレン単位またはこれら系の組み合わせを表す場合に、前記化学式(I)の構造単位が2つのカルバゾール単位の3,3’-位または2,2’-位を介してポリマーPOLY1に組み込まれていることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項またはそれ以上の項記載の混合物。
【請求項10】
RおよびRがアリール単位、ヘテロアリール単位、スチルベニル単位またはトラニル単位、あるいはこれらの系の組み合わせである場合、前記化学式(I)の構造単位が前記架橋Rを介して、または1つまたは2つの置換基Rを介してPOLY1に組み込まれていることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項またはそれ以上の項記載の混合物。
【請求項11】
前記ポリマーPOLY1からPOLY3の他の構造要素は、オルト-、メタ-もしくはパラ-フェニレン、1,4-ナフチレン、9,10-アントラセニレン、2,7-フェナントレニレン(phenanthrenylene)、1,6-もしくは2,7-もしくは4,9-ピレン、または2,7-テトラヒドロピレン、オキサジアゾリレン、2,5-チオフェニレン、2,5-ピロリレン、2,5-フラニレン、2,5-ピリジレン、2,5-ピリミジニレン、5,8-キノリニレン、フルオレン、スピロ-9,9’-ビフルオレン、インデノフルオレン、またはヘテロインデノフルオレンからなる群より選択されることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項またはそれ以上の項記載の混合物。
【請求項12】
電荷輸送および/または電荷注入および/または電荷平衡を改善する他の構造要素が前記ポリマーPOLY1からPOLY3に存在することを特徴とする請求項1から11のいずれか1項またはそれ以上の項記載の混合物。
【請求項13】
前記他の構造要素はトリアリールアミンまたはオキサジアゾリレンからなる群より選択されることを特徴とする請求項12記載の混合物。
【請求項14】
化学式(I)の記号および添字は:
Rは、各例で同一または異なり、3から10個の炭素原子を有し非置換でもR置換でもよい、直鎖もしくは分枝鎖のアルキル鎖(1個またはそれ以上の非隣接炭素原子がN-R、OまたはSで置き換わっていてもよい)、チオフェン、ベンゼン、ビフェニル、ナフタレン、アントラセンまたはフェナントレンから選択される2価の芳香環構造もしくは複素芳香環構造(その各々は非置換であるか、1つまたは2つの置換基Rで置換されている)、9,9’-置換フルオレン、0から4つまでの置換基Rによって置換されているスピロビフルオレン、9,10-置換もしくは9,9,10,10-置換ジヒドロフェナントレン、0から2つの置換基Rを自由な位置に有するスチルベニル系もしくはトラニル系、または2種または3種のこれらの系の組み合わせである;
、Rは、各々、請求項3で説明したとおりである;
nは各例で同一または異なり、0、1または2である;
前記ポリマー鎖への結合は、Rがアリール系、ヘテロアリール系、スチルベニル系またはトラニル系である場合には3,6-位もしくは2,7-位を介してまたは3,3’-位を介して、またはRもしくはRがアリール系またはヘテロアリール系またはスチルベニル系またはトラニル系である場合にはR自身またはR上の2つの位置を介し、その結果、結合点の間の芳香族炭素原子の数が4の倍数となり、
化学式(II)の記号および添字は:
Rは、各例で同一または異なり、3から10個の炭素原子を有し非置換でもR置換でもよい、直鎖もしくは分枝鎖のアルキル鎖(1個またはそれ以上の炭素原子が-NR-、-O-または-S-で置き換わっていてもよい)、チオフェン、ベンゼン、ビフェニル、ナフタレン、アントラセンまたはフェナントレンから選択される2価の芳香族環構造もしくは複素芳香環構造(その各々は非置換であるか、1つまたは2つの置換基Rで置換されている)、9,9’-置換フルオレン、0から4つまでの置換基Rによって置換されているスピロビフルオレン、9,10-置換もしくは9,9,10,10-置換ジヒドロフェナントレン、0から2つの置換基Rを自由な位置に有するスチルベニル系もしくはトラニル系、または2種から3種のこれらの系の組み合わせである;
、Rは、各々、請求項3で説明したとおりである;
nは各例で同一または異なり、0、1または2である
ことを特徴とする請求項1から13のいずれか1項またはそれ以上の項記載の混合物。
【請求項15】
前記化学式(I)の構造要素は、置換されていても非置換でもよい、化学式(III)から化学式(XXXVIII)から選択されることを特徴とする請求項1から14のいずれか1項またはそれ以上の項記載の混合物。
【請求項16】
化学式(II)の前記構造要素は、置換されていても非置換でもよい、化学式(XXXIX)から化学式(LVIII)から選択されることを特徴とする請求項1から15のいずれか1項またはそれ以上の項記載の混合物。
【請求項17】
前記三重項発光体は重原子、すなわち周期表で36以上の原子番号を有する元素の原子を含むことを特徴とする請求項1から16のいずれか1項またはそれ以上の項記載の混合物。
【請求項18】
前記三重項発光体はdおよび/またはfの遷移金属を含むことを特徴とする請求項17記載の混合物。
【請求項19】
前記三重項発光体は8族から10族の金属、特にRu、Os、Rh、Ir、Pdおよび/またはPtを含むことを特徴とする請求項18記載の混合物。
【請求項20】
前記三重項発光体(COMP2)は前記ポリマー(POLY2)の主鎖に組み込まれていることを特徴とする請求項1から19のいずれか1項またはそれ以上の項記載の混合物。
【請求項21】
前記三重項発光体(COMP2)は前記ポリマー(POLY2)の側鎖に組み込まれていることを特徴とする請求項1から19のいずれか1項またはそれ以上の項記載の混合物。
【請求項22】
任意の他の分子(低分子量、オリゴマー、デンドリマーまたはポリマーであり得る)が、請求項4(BLEND1)、請求項5(BLEND2)、請求項6(BLEND3)または請求項7(BLEND4)記載の混合物に添加されていてもよいことを特徴とする請求項1から21のいずれか1項またはそれ以上の項記載の混合物。
【請求項23】
化学式(II)の構造単位がさらに請求項4(BLEND1)または請求項7(BLEND4)記載の混合物に添加されていることを特徴とする請求項1から22のいずれか1項またはそれ以上の項記載の混合物。
【請求項24】
化学式(I)および化学式(II)の構造単位の合計含有量は20−99mol%であることを特徴とする請求項23記載の混合物。
【請求項25】
(A)1−99.9mol%の化学式(I)の単位
および
(B)0.1−95mol%の1種またはそれ以上の三重項発光体
含む共役ポリマー(POLY4)。
【化7】

ここで、記号および添字は、各々、請求項3で定義したとおりである
【請求項26】
他の分子(低分子量、オリゴマー、デンドリマーまたはポリマーであり得る)が前記ポリマー(POLY4)に添加されていてもよいことを特徴とする請求項25記載の少なくとも1種のポリマーの混合物。
【請求項27】
2つの官能基Yは同一または異なり、C-C結合またはC-N結合形成の条件下で共重合し、他の記号および添字は、各々、請求項3で定義したとおりであることを特徴とする化学式(LIX)の化合物。
【化8】

【請求項28】
YはCl、Br、I、O-トシレート、O-トリフレート、OSO、B(OH)、B(OR、Sn(RおよびNHRからなる群より選択される(ここでRは請求項3で定義したとおりである)ことを特徴とする請求項27記載の化合物。
【請求項29】
前記C-C結合またはC-N結合生成は、SUZUKIカップリング、YAMAMOTOカップリング、STILLEカップリングおよびHARTWIG-BUCHWALDカップリングからなる群より選択される請求項27および/または28記載の化合物。
【請求項30】
前記化学式(LIX)のモノマー化合物がポリマー中で化学式(III)から化学式(XXXVIII)の構造単位をもたらすことを特徴とする請求項27から29のいずれか1項またはそれ以上の項記載の化合物。
【請求項31】
有機発光ダイオード(OLED)、有機太陽電池(O−SC)、有機レーザーダイオード(O−レーザー)、有機光学検出器における、または非線形光学における、請求項1から26のいずれか1項またはそれ以上の項記載の混合物またはポリマーの使用方法。
【請求項32】
1層またはそれ以上の活性層を含み、これらの層の少なくとも1層は請求項1から26のいずれか1項またはそれ以上の項記載の1種またはそれ以上の混合物またはポリマーを含む電子部品。
【請求項33】
有機発光ダイオード、有機太陽電池、有機レーザーダイオード、有機光学検出器、または非線形光学用のデバイスであることを特徴とする請求項32記載の電子部品。

【公表番号】特表2009−513723(P2009−513723A)
【公表日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−516042(P2006−516042)
【出願日】平成16年6月24日(2004.6.24)
【国際出願番号】PCT/EP2004/006832
【国際公開番号】WO2004/113468
【国際公開日】平成16年12月29日(2004.12.29)
【出願人】(597035528)メルク パテント ゲーエムベーハー (209)
【Fターム(参考)】