電磁気で誘引又は忌避するデバイス及びそのデバイス用のハウジングを有する、害虫防除装置及びシステム
【課題】アンテナの劣化と損傷を防止できる害虫防除ステーションで使用される伝達デバイスを得ること。
【解決手段】アンテナと、アンテナを内部にシールして格納するハウジングとを有する、害虫防除ステーションで使用される伝達デバイス。
【解決手段】アンテナと、アンテナを内部にシールして格納するハウジングとを有する、害虫防除ステーションで使用される伝達デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、本明細書に全体が援用される2009年4月14日出願の米国仮出願第61/169,163号の利益を主張するものである。
【0002】
本発明の分野は、概して、害虫防除装置及びシステムに関し、より詳細には、電磁気で誘引及び/又は忌避する伝達デバイスと、その伝達デバイスを内部にシールして格納するハウジングとを有する、害虫防除装置及びシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
シロアリは、栄養補給のためにセルロースを摂取するので、世界の大部分の地域にわたって、木又は他のセルロース含有成分を含む、構造物又は他の物体に対する重大な脅威である。隠れたシロアリは、一般的には地中に住んでおり、しばしば大きい群れを形成している。群れのメンバは、食料を探し、したがって、巣から外部への道又は通路を地中に掘る。採食するシロアリに見つけられた食料の一部は、巣に戻される。シロアリは、群れ内の他のシロアリに食料源の位置を連絡する手段を有することも知られている。
【0004】
多くのシロアリ防除デバイスが知られており、様々な構成でシロアリを監視及び根絶するように形成されている。普及しているシロアリ防除デバイスのタイプの一つは、デバイスから摂食し始めるようにシロアリを促すべく、シロアリを誘引する媒体から作った監視食料源を利用するものである。次いで、シロアリ防除デバイスの摂食点に配置された毒物を含有する餌を供給することによってシロアリを排除する。おそらく最も重要なことに、シロアリに餌を与えることにより、毒物を含有する餌が巣に戻るシロアリと共に巣に運ばれるので、ステーションの場所に到達する群れのメンバだけでなく、シロアリの群れ全体が排除又は抑制される。効果的なものにするためには、シロアリの餌はシロアリによって消費されなければならないので、餌が群れに対する意図した毒作用を有するように、餌が十分長い期間にわたって固定された位置でシロアリの群れのメンバが消費するのに安定して且つ繰り返して得られるような技法を開発しなければならない。
【0005】
一般的には、シロアリの群れとの接触が確立された後にのみシロアリ用の毒餌が利用され、シロアリがステーションから摂食する。その理由として、使用する餌の量を最小限に抑えること、予期されるシロアリの攻撃を見越して餌を長期間定位置に置いておく場合にその餌が変質する可能性があること、餌に対する子供及びペットの意図しない曝露の可能性を最小限に抑えることなどがある。したがって、まず、無毒の媒体を有する餌ホルダを用いて、その場所を監視する間にシロアリを検出することが好ましい。シロアリを検出した後で、餌ホルダに毒餌を用いる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、従来の多くのシロアリ監視及び根絶システムは、シロアリからの保護が必要な構造物において又はそのすぐ近くでシロアリを検出した後にのみ毒餌を使ってシロアリを防除するという点で、事後対応型である。その結果、シロアリは、場合によっては、検出前に、検出後であっても毒餌が群れを完全に根絶する前に、構造物に損傷を与える可能性がある。
【0007】
上記で言及したように、シロアリを監視及び根絶するために使用されるステーションには、シロアリをステーション中に引き寄せるために餌が付けられていることが多い。ステーションは一般的には保護する構造物のすぐ近くに設置されるので、シロアリは、実際は、その構造物のすぐ近くに引き寄せられる。
【0008】
周波数の特定の範囲内で動作する電磁気伝達デバイスを使用して、所望の構造物からシロアリを誘引又は忌避できることが分かっている。その結果、シロアリをその構造物から忌避するか、又はそれらの伝達デバイスを使用してその構造物から離れた位置にシロアリを誘引することができる。しかし、既知の伝達デバイスは、一般的には、露出したアンテナを具備しており、そのアンテナは劣化し易い。それらのアンテナは、多くの場合に金属製のロッドであり、酸化するか、短絡するか、カビの発生を受けるか、又は虫若しくは他の害虫によって損傷を受ける可能性があり、そのため、アンテナが故障するか又は不適切に動作するおそれがある。しかし、それらのアンテナを封入すると、伝達デバイスによって放射される電磁場の範囲を妨害するか又はその範囲に深刻な悪影響を及ぼすことがある。
【0009】
伝達デバイスは、そのアンテナに動作可能に接続された送信機も具備する。その送信機は、環境に露出されるようにアンテナに隣接して又はそのすぐ近くに配置されると、天候及び他の環境要因(すなわち、湿気、カビ、虫など)によって、やはり望ましくないことに劣化をする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一態様では、害虫防除ステーションで使用される伝達デバイスが、概して、アンテナと、そのアンテナを内部にシールして格納するハウジングとを具備する。
【0011】
他の一態様では、害虫防除システムが、概して、送信機及び伝達デバイスを具備する。その伝達デバイスは、アンテナと、そのアンテナを内部にシールして格納するハウジングとを有する。
【0012】
更に他の態様では、害虫防除システムが、概して、選択した周波数で電磁場を放射し電磁場が放射される作用範囲を画定するように適合された伝達デバイスを有する害虫防除装置を具備する。伝達デバイスは、アンテナと、そのアンテナをシールするハウジングとを含む。そのハウジングは、作用範囲を50%未満縮小する材料から作製されている。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】虫を忌避及び/又は誘引するための電磁場を放射するように適合された害虫防除システムの一実施形態の概略図である。
【図2】害虫防除システムの伝達デバイスの一実施形態の垂直断面図であり、そのデバイスは、アンテナと、アンテナを封入するハウジングとを有する。
【図3】害虫防除システムの伝達デバイスの別の実施形態の側面図であり、そのデバイスは、アンテナと、アンテナをシールして格納するハウジングとを有する。
【図4】アンテナへのアクセスを与えるためにハウジングのキャップが取り除かれた、図3の伝達デバイスの側面図である。
【図5】虫監視及び防除ステーションの一実施形態の斜視図である。
【図6】図5の虫監視及び防除ステーションの分解斜視図である。
【図7】図5の虫監視及び防除ステーションと共に使用する凝集ベースの斜視図である。
【図8】図5の虫監視及び防除ステーションと共に使用する伝達デバイスの分解斜視図である。
【図9】図5の虫監視及び防除ステーションと共に使用する餌容器の分解斜視図である。
【図10】容器の蓋が閉位置にある虫監視及び防除ステーションの他の実施形態の斜視図である。
【図11】内部に設置した虫監視及び防除ステーションのカートリッジを露出するために容器の蓋が開位置にある、図10と同様の斜視図である。
【図12】容器の蓋がその開位置にあり、カートリッジが容器から取り除かれている、虫監視及び防除ステーションの容器の上面図である。
【図13】容器の蓋がその開位置にあり、アクセスタブが容器から取り除かれている、虫監視及び防除ステーションの側面図である。
【図14】他のアクセスタブが容器から取り除かれている、虫監視及び防除ステーションの正面図である。
【図15】蓋がその開位置にある、虫監視及び防除ステーションの容器の上面斜視図である。
【図16】蓋がその開位置にある、虫監視及び防除ステーションの容器の底面斜視図である。
【図17】容器から取り外された虫監視及び防除ステーションのカートリッジの正面図である。
【図18】図17のカートリッジの分解斜視図である。
【図19】カートリッジが部分的にのみ分解された、図18と同様の斜視図である。
【図20】カートリッジのホルダの上面図である。
【図21】害虫防除システムの伝達デバイスの別の実施形態の斜視図であり、そのデバイスは、送信機、アンテナ、及びそのアンテナを封入するハウジングを有し、ハウジングの一部がアンテナを示すために切り取られている。
【図22】図21の伝達デバイスの分解斜視図である。
【図23】電源に動作可能に接続された図21の伝達デバイスを例示する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
対応する参照符号は、図面のうちの複数の図を通して対応する部分を指す。
【0015】
図1に、全体を20で示す害虫防除装置を複数有する、全体を10で示す害虫防除システムの一実施形態を例示する。ある構成では、害虫防除装置20は忌避ステーション30を複数具備し、その忌避ステーション30は虫(例えば、アリ、シロアリ)を電磁的に忌避するように適合されている。害虫防除システム10を、本明細書では虫を防除することに関連して例示及び説明するが、害虫防除システムを使用して、本発明の範囲から逸脱することなしに、他の虫及び節足動物など、他の無脊椎害虫、並びにげっ歯類などの脊椎害虫を防除できることが理解されよう。例示の実施形態では、住宅からシロアリを忌避するために、住宅32の周囲に四つの忌避ステーション30が配置されている。忌避ステーション30を使用して、住宅32にすでに存在するシロアリを住宅から追い出すか、又は初めの段階でシロアリが住居に入るのを防止することができる。住宅32の周りにそれよりも多い忌避ステーション30を配置することも、少ない忌避ステーション30を配置することもでき、それらの忌避ステーションのうちの一つ又は複数を住宅の中に配置できることが理解されよう。忌避ステーション30を使用して、住宅に加えて他の構造物又は対象領域から虫を忌避できることも理解されよう。
【0016】
別の構成では、害虫防除装置20は誘引ステーション40を複数具備し、その誘引ステーション40は、それに虫を電磁的に誘引するように適合されている。例示の実施形態では、シロアリを住宅から離れる方に誘引するために、住宅32から離れた位置に誘引ステーション40が四つ配置されている。誘引ステーション40を使用して、住宅32中若しくはその近くにすでに存在するシロアリを住宅から離れる方に引き寄せるか、又はシロアリが住居に近づくのを防止することができる。それよりも多い誘引ステーション40を使用することも、少ない誘引ステーション40を使用することもできると理解されよう。誘引ステーション40を使用して、住宅に加えて他の構造物又は対象領域から離れる方に虫を誘引できることも理解されよう。
【0017】
害虫防除システム10の例示の構成は、複数の忌避ステーション30及び複数の誘引ステーション40を具備するが、虫防除システムが忌避ステーション30のみ、又は誘引ステーション40のみを具備できることが企図される。すなわち、誘引ステーション40なしで忌避ステーション30を使用することができ、忌避ステーションなしで誘引ステーションを使用することができる。
【0018】
周波数が約4000Hz未満の電磁場をある位置から放射することによって、シロアリをその位置に誘引でき、周波数が約4000Hzと6000Hzとの間の電磁場をある位置から放射することによって、その位置から忌避できることが分かっている。例えば、米国特許出願公開第2007/0137096号「TERMITE CONTROL SYSTEM, METHOD AND APPARATUS」、米国特許出願公開第2007/0068067号「TERMITE CONTROL METHODS AND APPARATUS」、及び米国特許第6,837,001号「POSITIVE DIRECTED MOVEMENT OF TERMITES BY RADIO WAVES AS A BASIS FOR CONTROL PROCEDURES」参照。それらの文献は、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0019】
したがって、例示の虫防除システム10の各忌避ステーション30を、周波数が約4000Hz未満の電磁場を放射するように適合することができ、各誘引ステーション40を、周波数が約4000Hzと6000Hzの間の電磁場を放射するように適合することができる。それらの忌避ステーション30(又は誘引ステーション40)は、他の各ステーションと周波数が同じ電磁場を放射するように適合されてもよく、一つ又は複数のステーションは、異なる周波数で電磁場を放射してもよい。単一の忌避ステーション30(又は誘引ステーション40)を、2以上の周波数で電磁場を放射するように適合できることも企図される。
【0020】
各忌避ステーション30及び各誘引ステーション40から放射される電磁場は、電磁場が放射される作用範囲46を有する。電磁場の強度を変更すると、忌避ステーション30及び誘引ステーション40のそれぞれに関して電磁場の作用範囲46のサイズを変えることができる。サイズが異なる三つの作用範囲46を図1に例示する。
【0021】
害虫防除システム10はさらに、送信機42及び配線44を具備する。その配線44は、送信機を各忌避ステーション30及び各誘引ステーション40に電気的に接続する(図1)。送信機42は任意の適切な既知の送信機でよい。一実施形態では、配線44は絶縁線を具備する。配線44は、導管中を通って走っていてもよく、そうでなくてもよい。配線44も虫を忌避/誘引できることが分かっている。配線44が虫を忌避又はそれに誘引するのを防止することが望ましい場合は、適切な導管中に配線44を走らせることができる。その適切な導管は、配線を絶縁し、その配線が虫を配線に誘引又はそこから忌避するのを防止することになる。適切な導管を、例えば、プラスチック又は鋼材から作ることができる。別の実施形態では、配線44は、もしも虫をそれに忌避又は誘引させることが望ましい場合には、露出させる(すなわち、導管中を通って走らせない)ことができる。
【0022】
害虫防除システム10が送信機42を二つ以上具備できることが企図される。例えば、一方の送信機42は、各忌避ステーション30に信号を送信するように設けられてよく、もう一方の送信機は、各誘引ステーション40に信号を送信するように設けられてよい。別の例では、一方の送信機42は、所与の領域内の忌避ステーション30及び誘引ステーション40(例えば、図1で見られるように、住宅32の右側の二つの忌避ステーション30及び二つの誘引ステーション40)のそれぞれに信号を送信するように設けられてよく、もう一方の送信機は、異なる領域内の忌避ステーション及び誘引ステーション(例えば、図1で見られるように、住宅の左側の二つの忌避ステーション及び二つの誘引ステーション)のそれぞれに信号を送信するように設けられてよい。
【0023】
さらに別の例では、忌避ステーション30及び誘引ステーション40それぞれに一つずつ送信機42を提供することができる。この例では、各送信機42に、電気エネルギーを供給するために、適切な電源(すなわち、太陽電池パネル、充電池、使い捨て電池)を設けることができる。さらに、送信機42及び電源を、関連する忌避ステーション30若しくは誘引ステーション40内に、又はそれに隣接して配置することができる。
【0024】
各忌避ステーション30及び各誘引ステーション40は、図2に全体を50で示す伝達デバイスを含むことができ、その伝達デバイス50は、送信機42から配線44を経由して電気信号を受信し、それに応答して電磁場を放射する。図2に例示するように、各伝達デバイス50は、アンテナ52と、そのアンテナを気密シールするためのハウジング54を含む。ハウジング54は、環境によって劣化し易いアンテナ52を保護する。例えば、ハウジング54は、虫、天候、及びカビからアンテナ52を保護するように適合されている。指定の電源及び送信機が忌避ステーション30及び誘引ステーション40のうちの一つ又は複数に設けられる場合は、電源及び/又は送信機42を保護するように、ハウジング54を適合させることもできる。
【0025】
アンテナ52は、ハウジング54内で気密シールされている。図2に例示する一実施形態では、アンテナ52は、完全に常時ハウジング54内に収容されている。言い換えると、アンテナ52及びハウジング54は、アンテナ52の耐用年数を通して分離できない単一のユニットのままであることが意図されている。この実施形態では、伝達デバイス50は、任意の既知のオーバーモールド技法を用いてハウジング54をアンテナ52上にオーバーモールドすることによって作製することができる。ハウジング54はアンテナ52とは別々に形成でき、アンテナをハウジング中に配置しハウジング内にシールできることが理解されよう。ハウジング54のサイズは、アンテナをハウジング中にゆるく配置できるように、アンテナ54に対して大きくできることも理解されよう。
【0026】
アンテナ52を配線44に電気的に結合するためのリード線56が、ハウジング54を通って延びており、これは絶縁されていても絶縁されていなくてもよい。それらのリード線56を、任意の適切な電気式ファスナ(図示せず)を使用して配線44に結合することができる。適切な一実施形態では、伝達デバイス50(及び図2の実施形態のハウジング54)の交換を容易にするために、それらの電気式ファスナにより、リード線を配線44に解放可能に結合することが可能になる。伝達デバイス50を簡単に取替えできることは、故障した伝達デバイスを新しいデバイスに交換するか、又は現行の伝達デバイスを取り外して動作周波数が異なるデバイスに交換する際に有利である。電源、送信機42、及び伝達デバイス52が組立体としてハウジング54内に収容される実施形態では、リード線56を省くことができる。
【0027】
図3及び図4に例示する別の実施形態では、伝達デバイス50のアンテナ52は、ハウジング54'内に選択的にシールして格納することができ、そのハウジング54'は、本体58と、その本体に着脱可能に取り付けられた閉鎖具60とを有する。図3に、閉鎖具60が本体58に取り付けられているところを例示し、図4に、閉鎖具が本体58から取り外されたところを例示する。閉鎖具60を、適切に(例えば、ねじによる連結、スナップ嵌めによって)本体58に着脱可能に取り付けることができる。閉鎖具を本体から完全に取り外すことなくアンテナ52にアクセスできるように、閉鎖具60を本体58にヒンジで留めることができることも企図される。この実施形態では、閉鎖具60は、アンテナ52がハウジング54'によってシールして格納された閉位置と、アンテナが少なくとも部分的に露出した開位置との間を、本体54に対して枢動することができる。
【0028】
前述の実施形態(図2に見られる)のように、アンテナ52を配線44に電気的に結合するためのリード線56は、ハウジング54'を通って延びる。それらのリード線56を、任意の適切な電気式ファスナ(図示せず)を使用して配線44に結合することができる。適切な一実施形態では、アンテナ52の交換を容易にするために、それらの電気式ファスナにより、リード線を配線44に解放可能に結合することが可能になる。アンテナ52を簡単に取替えできることは、故障したアンテナを新しいアンテナに交換するか、又は現行のアンテナを取り外して動作周波数が異なるアンテナに交換する際に有利である。適切な一実施形態では、本体58及び/又は閉鎖具60は溝又は通路を含み、その溝又は通路は、リード線56を受け入れ、それにより、リード線がハウジング54'中を通って延びることが可能になる。
【0029】
ハウジング54、54'が作製される材料は、アンテナ52から放射されハウジング材料を通る電磁場に対して材料が有する影響を抑制するか又は最小限の影響に抑えるように適切に選択される。すなわち、ハウジング54、54'は、各忌避ステーション30及び各誘引ステーション40から電磁場の作用領域40に影響しないか、又は最小限にしか影響しない材料から作製される。適切な一例では、作用領域40は、ハウジング54、54'の材料によって50%未満縮小される。特に適切な実施形態では、作用領域40は、ハウジング54、54'の材料によって25%未満縮小される。ハウジング54、54'を作製できる適切な材料の例には、(限定されるものではないが)ポリエチレン、プロピレン、イソプレン、及びブチレン(すなわち、ポリオレフィン)が含まれる。
【0030】
図5及び図6に、図1の忌避ステーション30又は誘引ステーション40として使用するのに適切な、全体を参照番号100で示す虫監視及び防除ステーションを例示する。例示のステーションの実施形態はシロアリを監視及び防除するのに特に適切であるが、そのステーションをアリなど、他の虫を監視及び防除するのに使用できることが企図される。図6の分解図に最良に例示するように、ステーション100は事実上中空のハウジング112を含み、そのハウジング112は、内部体積120を画定する環状の側壁114、上面116、及び底面118を有する。ハウジング112の上面116の一部分は、内部体積120を露出するように開口している。ステーション100は、内部体積120中に一つ又は複数の伝達デバイス50を受け入れるように適合されている(図6には、伝達デバイスを一つ例示する)。ステーション100の内部体積120中には、伝達デバイス50と一緒に、又は伝達デバイスの代わりに、ステーション100の他の構成要素を配置することができる。これらの構成要素には、例えば、凝集ベース122、監視容器、及び/又は餌容器125が含まれる(以下で図9を参照しながら説明する)。
【0031】
図5及び図6に見られるように、キャップ128は、ハウジング112を閉じるように上面116で着脱可能に取り付けられる。一実施形態では、そのキャップ128は1対のタブ130を有し、それらのタブ130は、ハウジング112の上面116にあるスロット132中に延びる(図5)。そのときに、キャップ128を反時計回り又は時計回りに回転させると、キャップ128が係合される。タブ130はそれぞれ、タブの前縁136に沿う面取り部134を含む。キャップ128が定位置に向かって回転するときに、面取り部134はタブ130をそれぞれのスロット132内の定位置に案内するのを助ける。キャップ128を上面116に固定するために任意の適切な手段を使用することができる。
【0032】
ステーション100は開口部137を複数含み、その開口部137は、シロアリがステーションの内部体積120の内外に出入りできるように、側壁114を貫通している。適切な一実施形態では、側壁114は、その中に、事実上側壁の全長にわたって延びる垂直の細長い開口部137を複数有する。本明細書で用いるように、垂直とは、上面116が上方向を向いた、ステーション100の好ましい向きを基準として使用される。しかし、開口部に関して他の形状及び向きを使用できることが企図される。例えば、開口部は、ランダムに配置されているか又は繰り返しのパターンに形成されている、水平の細長い開口部でもよく、円形の開口部でもよい。さらに、内部体積120に至る開口部137が底面118にあってよい。別の構成では、ハウジング112の上面116の近くの側壁114の上側部分139が孔を有しないように、開口部137をハウジング112の側壁114の下側部分138にのみ形成することができる。適切な一実施形態では、ハウジング112は、耐久性がある耐食材料、例えば、アクリル性又は高強度のプラスチックから形成される。ハウジング112は、図では概して円筒形であるが、矩形など、他の任意の適切な形状でよい。
【0033】
使用の際には、ステーション100は、依然としてユーザによって地面の上からアクセス可能でありながら、シロアリにアクセス可能な凹所内に少なくとも部分的に受け入れられる。凹所は、地中の凹所でもよく、建物又は他の地上構造物の壁又は他の構造内にある凹所でもよい。凹所は、土中に形成されてもよく、舗装材の下に土がある状態でコンクリート又はアスファルトなどの舗装材に形成されてもよい。適切な一実施形態では、ステーション100は、上面116及びキャップ128のみが地面の上からアクセス可能であるように、凹所内で事実上全体が受け入れられる。しかし、状況によっては、ステーション100は、凹所が非常に浅くなるように、地表の上にほぼ全体があってよい。
【0034】
一実施形態では、図6に示すように、凝集ベース122は、細長い開口部137が凝集ベース122を地中の凹所に露出させることができるように、側壁114の下側部分138に近接して配置されて、ハウジング112の内部体積120内に受け入れられる。そのときに、伝達デバイス50は、凝集ベース122に近接して受け入れられるようにハウジングの内部体積120内に受け入れられる。
【0035】
図7に、凝集ベース122の適切な実施形態を例示する。例示の実施形態では、凝集ベース122は、動作中に配置されているときは凝集ベースの外面140がステーション100又は凹所の側壁114の内側に面するように、概して円筒形に形成されている。他の種類の凝集ベースは、ベースがその中に受け入れられる凹所に応じて使用するのに適切な、異なる幾何形状を有することができる。例示の凝集ベース122は空所142を有し、その空所142は、凝集ベース122内で事実上中心に配置されており、これはシロアリの凝集箇所に適切である。凝集ベース122は溝144を含み、その溝144は、外面140から内方に空所142に至るまで凝集ベース122を貫通している。使用中は、溝144は、凝集ベース122の外面140から空所142中の凝集箇所にシロアリを案内する。適切な一構成では、凝集ベース122は、木材など、シロアリを誘引するセルロース系材料から作製される。
【0036】
次に図6及び図8を参照すると、伝達デバイス50は、ハウジング154と、ハウジング中に受け入れられるアンテナ52とを具備している。ハウジング154は、カップ150及び付随の蓋152を含む。例示のように、カップ150は底面155を有し、その底面155は、ハウジングの構成を補完するために、ハウジング154が内部チャンバ153を画定する閉鎖した円筒として構成されるように蓋152の反対側に設けられている。底面155は、伝達デバイス50がステーション100に動作可能に配置されるときに凝集ベース122に近接して配置される面として描かれており、便宜上、蓋152は反対側の面を構成している。しかし、凝集ベース122なしで又は凝集ベースが伝達デバイスの上部にある状態で、伝達デバイス50をステーション100中に挿入できることも企図される。カップ150の外側の幅は、ハウジング112の内側の幅よりもわずかに小さく、そのため、ハウジング内にカップを着脱可能に受け入れることができる。
【0037】
図8に見られるように、伝達デバイス50のアンテナ52は、ハウジング154のカップ150の内部チャンバ153内に受け入れられる。蓋152は、任意の適切な手段でカップ150に着脱可能に固定される。図8を参照すると、例示の実施形態では、カップ150は、その上部のリム158の近くにくぼみ159を複数有する。蓋152は対応するフランジ160を含み、それらのフランジ160は、蓋152をカップ150に固定するために、くぼみ159に受け入れられるように適合されている。適切な一実施形態では、適切な電源及び送信機54をステーション100の内部体積120内に配置できることも企図される。特に適切な一実施形態では、電源、送信機54、及び伝達デバイス50は、組み立てられて保持され、ハウジング154内にシールして格納されている。
【0038】
動作の際には、ステーション100を内部に配置するのに望ましい位置に、適切なサイズの凹所を地中に作ることができる。一実施形態では、凝集ベース122及び伝達デバイス50は、ステーションのハウジング112の内側に配置され、ステーション100は、ステーションのハウジング112の上面116が地表の近くに配置されるまで凹所中に挿入されるか又は押し込まれる。別の実施形態では、伝達デバイス50は、凹所中に配置され、ステーション100とは別個に埋められる。凝集ベース122を内部に有する一つ又は複数のステーション100を、伝達デバイス50の比較的近くに位置するそれぞれ別々の凹所に挿入することができる。
【0039】
伝達デバイス50のリード線56は、適切な電気ファスナを用いて虫防除システム10の配線44に電気的に接続されている。虫防除システム10の送信機42は、配線44を経由してステーション100に信号を送信するように作動する。ステーション100がシロアリを忌避する(すなわち、図1の忌避ステーション20として動作する)ように構成される場合は、シロアリはステーション又はステーションの周りの作用領域46に近づかない。さらに、作用領域46内のどのシロアリも追い払われる。
【0040】
ステーションがシロアリを誘引する(すなわち、図1の誘引ステーション40として動作する)ように構成される場合は、シロアリはステーション100及びステーションの周りの作用領域46に引き寄せられる。シロアリは、伝達デバイス50のアンテナ52から放射される電磁場によってステーション100に引き寄せられるときに、開口部137を通ってハウジング112の内部体積120に入り、食料源となりそうな凝集ベース122を見つける。シロアリが開口部137を通って入り、凝集ベース122の上方にある伝達デバイス50のハウジング154に接触する場合に、そのハウジングの無孔の側壁は、シロアリを下に、細長い開口部137に沿って凝集ベース122まで誘導する。溝144は、シロアリを凝集ベース122に入り込ませ、シロアリが凝集箇所としてベースによって作り出された内部の空所142を使用し始めるように促す。空所142は、中心に凝集のための滞在領域を作り出す。
【0041】
ステーション100は、侵入の痕跡に関して凝集ベース122を含むハウジング112の内部体積120を視覚的に調べることによって、シロアリの侵入の証拠を定期的に検査することができる。ステーション100の検査を、毎週、隔週、毎月など必要又は所望に応じて実行することができる。凝集ベース122などのセルロース系材料に対するシロアリの攻撃の性質により、こうした攻撃の目に見える痕跡又は証拠はモニタ上に必ず残される。こうした証拠には、例えば、シロアリの侵入の明らかな痕跡が材料の表面上に残されるようにして材料を消費するときにシロアリが構築する探査用のトンネル、及び/又はステーションのハウジング112の内面上にその全体にわたって構築される泥の管が含まれ得る。こうした侵入の痕跡は、シロアリによる損傷を検出する当業者には明白である。監視容器(図示せず)を、伝達デバイス50及び凝集ベース122と一緒にハウジング112の内部体積120中に配置できることも企図される。監視容器を、凝集ベース122の代わりにハウジング112の内部体積120中に配置できることも企図される。
【0042】
シロアリによる攻撃が発見された場合に、適切な毒物を含有する餌157を内部に有する餌容器125(図9参照)を用いてステーション100に餌を付けることができる。毒物を含有する餌157は、精製セルロースの毒物送達タブレットの形態でよい。適切なシロアリの餌の組成の一つが、本発明の譲受人に譲渡された米国特許第6,416,752号「TERMITE BAIT COMPOSITION AND METHOD」に記載されており、その文献の開示は全体が参照により本明細書に援用される。伝達デバイス50及び凝集ベース122と一緒に、又は伝達デバイス50若しくは凝集ベース122の代わりに餌容器125を使うことによって、餌容器125をハウジング112の内部体積120中に配置することができる。シロアリによる攻撃が発見されない場合は、キャップ128を再配置し、適切な間隔をあけてステーション100を再検査する。
【0043】
図10に、図1の忌避ステーション30又は誘引ステーション40として使用するのに適切な、全体を参照番号210で示す別の虫監視及び防除ステーションを例示する。例示のステーション210の実施形態はシロアリを監視及び防除するのに特に適切であるが、ステーションをアリなど、他の虫を監視及び防除するのに使用できることが企図される。このステーション210は、例えば適切な地上の取付け面上に固定することによって地面で又はその上方で使用することが意図されている点で、地上シロアリステーションの形態である。その適切な地上の取付け面には、限定されるものではないが、地表面上、(住宅又は建物の内壁又は外壁、樹木、柵の支柱又は棒杭など)概して水平の面、傾斜した面、又は垂直の取付け面が含まれる。
【0044】
ステーション210は、概して、全体を223で示す矩形の箱形容器を具備し、その箱形容器223は、容器の内部空間233(図11)を一緒に画定する、ベースパネル225(すなわち、本明細書では広く言うと容器のベースと称される、図10に示す向きの底面のパネル)と、長手方向に対向する端部パネル227と、横方向に対向する側部パネル229と、蓋231とを有する。例示の実施形態の端部パネル227及び側部パネル229は一緒に、広く言うと本明細書で容器223の側面と称されるものを画定する。したがって、ベースパネル225、側面、及び蓋231が一緒に容器の内部空間233を画定するように構成及び配置される限り、容器223は、(概して環状の側面を有することになる)円筒形又は別の適切な形状など、矩形の箱形状以外の形状でよいことが理解されよう。
【0045】
ベースパネル225は、適切には、シロアリステーションがその上に取り付けられる取付け面に面する外面235(図13)と、容器の内側に面し部分的に容器の内部空間233を画定する内面237(図12)とを有する。例示のベースパネル225は、適切には、矩形であり、概して平坦又は平面であり、そのため、ベースパネルの外面235全体が、事実上、シロアリステーション210を取り付ける際に取付け面と対向し且つそれに当接する。例示の端部パネル227及び側部パネル229も平坦又は平面であり、それらはベースパネル225に対して概して垂直に向いている。
【0046】
適切な一実施形態では、容器223を、例えば、アクリル性又は高強度のプラスチックなど、シロアリによって優先的に摂取されることのない耐久性がある材料から構築することができる。別の適切な実施形態では、容器223を、例えば、有機材料由来の生体高分子など、シロアリによって優先的に摂取されることのない生物分解性材料から構築することができる。特に適切な実施形態では、容器223は事実上不透明であるが、そうではなく容器が概して半透明、さらには透明でもよいことが理解されよう。
【0047】
特に図12、図15、及び図16参照すると、ベースパネル225は、適切には、ベースパネル自体(したがって、シロアリステーション容器223)を所望の取付け面に取り付けることができるように構成されている。例えば、例示の実施形態では、少なくとも一つの、より適切には複数の開口部239が、ベースパネル225において、そのベースパネルの外周の縁部241(図12)から間隔をあけて、すなわちその内側に形成される(ベースパネルの「外周の縁部」は、ベースパネルが側面と交わる部分、例えば、端部パネル227と側部パネル229が交わる部分と定義される)。
【0048】
図16に最も良く見られるように、例示の開口部239はそれぞれ、概してプラス記号又は十字の形状である(すなわち、互いに交差した細長いスロットから構成される)。しかし、それらの開口部239が本発明の範囲から逸脱することのない任意の形状のものでよいことが企図される。開口部239が全て同一の形状である必要がないことも企図される。例示の実施形態のベースパネル225にこうした開口部239が十一個形成されており、それらの開口部のうちの一つが(長手方向にも横方向にも)ベースパネルの中心に配置されている。十一個全ての開口部239の間の間隔が一様でないが、そうではなく開口部間の間隔が一様でもよいことが理解されよう。さらに、ベースパネル225には、十一個よりも多い開口部239を形成してもよく、単一の開口部を含む、十一個よりも少ない開口部239を形成してもよいことが理解されよう。さらに、ベースパネル225に開口部239が複数存在する場合は、例示の実施形態のように、開口部のパターン又は配置は図16に例示するもの以外のパターン又は配置でよい。
【0049】
これらのベースパネル開口部239を使用して、部分的に開口部を通って取付け面まで延びる適切なファスナ(例えば、ねじファスナ)を用いてベースパネル225(したがって、容器223)を取付け面に取り付ける。図16に例示するように、開口部239はそれぞれ、ファスナが開口部を通って比較的大きいファスナ位置決め範囲に沿って延在できるように、平面の寸法(例えば、長さ及び幅、又は開口部が円形の場合は直径)が適切にサイズ設定されている。用語「ファスナ位置決め範囲」とは、本明細書では、ファスナを開口部239内で特定の方向にそれに沿って配置できる開口空間の長さを意味するものである。
【0050】
ベースパネル225にこうした開口部239を複数設けることにより、ベースパネル(したがって、シロアリステーション221)を取付け面上の所望の位置に配置することが可能になる。例えば、開口部のうちの一つ又は複数は、ファスナがベースパネルを通って取付け面にそれを通って延在できる十分な追加の開口部を、取付け面のより安定している(例えば、損傷が少ない)か又はより強いセグメントに設けながら、シロアリが取付け面に形成した開口(図示せず)を覆うように配置される。したがって、こうした実施形態では、開口部239の数は、ベースパネルを取付け面上に接続するために使用されるファスナの数を少なくとも一つ超える。
【0051】
開口部239により、ファスナが、容器223の複数の構成要素ではなく、容器223の単一の構造部材、すなわち、ベースパネル225を貫通することによって、シロアリステーション210を取付け面に固定することも可能になる。その結果、容器223の蓋231には、蓋を貫通するようにファスナを取り付ける必要がないので、従来の設計の場合のように別の方法で使用できる開口部がない。この配置により、シロアリステーション210、具体的にはベースパネル225を取付け面上の所望の位置に目で見ながら配置することが簡単になり、さらに、シロアリステーションを取付け面に取り付けたままで、具体的には取付けファスナを緩める必要も取り外す必要もなしに、蓋231を開閉することが可能になる。
【0052】
ベースパネル225の開口部239はまた、シロアリがベースパネル225を通って容器231の内部空間233に入りそこから出るための複数の入口点も提供している。そのために、ベースパネルでは、開口部239は、図15に例示するように、ベースパネルの外面235から内面237に、概して面取りされているか、又は外側に先細りしており(例えば、平面の寸法が拡大しており)、そのため、先細り部分が容器223の内部空間233への入口の傾斜部として働き、それにより、容器に入るシロアリが遭遇する不連続性が低減されるか又は最小限に抑えられる。一例として、一実施形態では、先細りした開口部239は、ベースパネル225の外面235から内面237への傾斜角度を約15から約60度の範囲で、より適切には約45度に画定している。
【0053】
外周の(すなわち、側面の入口)開口部247が、例示の容器223の端部パネル227及び側部パネル229(すなわち、広く言うと側面)に、容器の外周で互いに間隔をあけて形成されている。より適切には、これらの外周開口部247は、それぞれの端部パネル227及び側部パネル229からベースパネル225に(すなわち、端部パネル及び側部パネルがベースパネルと出合う角に)延在しており、シロアリは、容器223の内部空間233にその側面から、例えば、ベースパネルの後ろではなく(すなわち、ベースパネルに形成された開口部239を通るのではなく)取付け面に沿って形成されたシロアリのトンネルに沿って、入ることができる。
【0054】
特に適切な実施形態では、端部パネル227及び側部パネル229に形成された外周開口部247はベースパネル225に続いており、そのため、外周開口部を通るシロアリは、さらに、容器と(すなわち、ベースパネルと)接触する前に、容器223の内部空間233内に配置させられる。しかし、本発明の範囲に包含されているように、外周の開口部247がベースパネル225に延在する必要はない。例えばベースパネルに形成された先細りした開口部239と同様にして、外周開口部247がベースパネルに接する位置でベースパネル225を面取りするか又は先細りさせることもできると企図される。
【0055】
図16に最も良く見られるように、一方の端部パネル227に形成された外周開口部247は、反対側の端部パネルの対応する外周開口部と位置合わせされており、一方の側部パネル229の外周開口部は、反対側の側部パネルの対応する外周開口部に位置合わせされている。外周開口部247が容器223の側面(例えば、端部パネル227及び側部パネル229)に形成されることで、例えば、シロアリのトンネルを壊し、外周開口部のうちの一つ又は複数と位置合わせした、そのトンネルの壊した部分の中にある取付け面に接するように、ベースパネル225を配置することによって、シロアリステーション210を取付け面上にシロアリのトンネルに沿って取り付けることが可能になる。容器223に設けられる外周開口部247の数は、一つだけの外周開口部を含めて、例示の容器223の外周開口部よりも多くても少なくてもよいことが理解されよう。
【0056】
例示の実施形態では、外周開口部247は、それぞれのアクセス閉鎖具250によって少なくとも部分的に閉鎖されており、そのアクセス閉鎖具250は、外周開口部を通したアクセスを与えるために容器から取り外すことができる。それにより、シロアリのトンネルと位置合わせされた外周開口部247を除いて、容器をその外周に沿って概してシールすることができる。アクセス閉鎖具250は、外周開口部247において容器223に着脱可能に連結されており、より適切には、破砕可能に又は破裂可能に連結されており、そのため、容器の内部空間にアクセスするために、閉鎖具を(例えば、手で、又は適切な打抜き工具、プライヤ、ねじ回し、又は他の適切な工具を用いて)容器から取り外すことができる。特に適切な実施形態では、アクセス閉鎖具250は、容器223と一体に形成(例えば、その一部分としてモールド成型)される。しかし、本発明の範囲から逸脱することなしに、例えば熱溶着、接着、又は他の適切な連結技法によって、外周開口部247において容器から分離しそれに着脱可能に連結される、アクセス閉鎖具250を形成できることが企図される。いくつかの実施形態では、アクセス閉鎖具250を(例えば、接着剤、面ファスナ、又は他の適切な機械式のファスナなどによって)容器223に再接続可能に連結でき、そのため、シロアリステーション210は、本発明の範囲内に包含される、異なるシロアリのトンネル又は他の侵入路を扱う際に再構成及び再使用できることも理解されよう。別の適切な実施形態(図示せず)では、アクセス閉鎖具250は容器223から省かれる。
【0057】
一つ又は複数の隆起したスペーシング要素249(例えば、図12〜図14に例示するようなナブ、リブ、バンプ、又は他の適切な位置決め要素)が、ベースパネルの平面から外に、容器223の内部空間233中に延在するように、ベースパネル225の内面237上に設けられている。具体的には、スペーシング要素249は、容器223のベースパネル225と一体に形成(例えば、例示の実施形態ではモールド成型)される。しかし、その代わりに、これらのスペーシング要素249は、本発明の範囲から逸脱することなしに、ベースパネル225とは別個に形成し、例えば、接着、溶着、又は他の適切な固定技法によって、その内面237に固定することができる。これらのスペーシング要素249を省略できることが企図される。
【0058】
図10に戻ると、蓋231(広く言うと、容器223のための閉鎖具)は、閉位置(図10)と、容器223の内部空間233がアクセス可能な開位置(図11)との間に適切に配置可能である。より具体的には、例示の蓋231は、容器の外周の側壁に対して、より適切にはベースパネル225に対して、蓋の閉位置と開位置との間でヒンジ式の動きをするように、容器の外周の側壁に(例えば、例示の実施形態の場合には容器の側部パネル229のうちの一つに、又は端部パネル227のうちの一つに)ヒンジで留められている。例えば、図13に見られるように、蓋231は、側部パネルに対して蓋がヒンジ式に動くことが可能になるように十分に可撓性がある薄い又は刻み目入りの連結ウェブ253に沿って、蓋が側部パネルと一体に形成(例えば、モールド成型)された「リビングヒンジ」のようにして、側部パネル229にヒンジで留められてよい。しかし、本発明の範囲から逸脱することなしに、端部パネル227及び側部パネル229とは別個に、適切なヒンジ機構(図示せず)によってそれにヒンジで機械式に留められる蓋231を形成できることが理解されよう。図11を参照すると、閉位置の蓋を解放可能に固定するための従来のラッチ及びキャッチ機構が設けられる(例えば、一つ又は複数のラッチ部材255が例示の実施形態のように蓋231上に設けられ、それに対応する一つ又は複数のキャッチ257が容器223の側部パネル229及び/又は端部パネル227上に設けられるか、或いはその逆である)。
【0059】
全体を251で示すカートリッジが、容器の蓋231が閉位置のときに、容器223内に少なくとも部分的に、より適切には容器の内部空間233内に全体に配置されるように、適切にサイズ設定及び構成される。特に図18を参照すると、カートリッジ251は、シロアリステーション221の一つ又は複数の内部構成要素を、例示の実施形態では、全ての内部構成要素を具備する。例えば、例示の実施形態では、カートリッジ251は、凝集部材(全体を261で示す)と、少なくとも一つの伝達デバイス(全体を50で示す)と、少なくとも一つの餌マトリックス(全体を263で示す)と、ホルダ(全体を265で示す)とを具備する。そのホルダは、単一ユニットとして容器223に挿入し且つ/又はそれから取り外すように組み立てて伝達デバイス、凝集部材、及び餌マトリックスを保持するようになっている。
【0060】
一実施形態の凝集部材261は、誘引物質を具備し、特に適切な一実施形態では、高温で、例えば少なくとも約150℃(302°F)、より適切には約150℃と215℃(420°F)との間の温度で熱処理した中実の木質ブロック267を具備する。しかし、或いは、凝集部材261がそれから作製される熱処理した木材が、マルチの形態、粉の形態、又は他の適切な形態でよいことが理解されよう。凝集部材261はまた、適切には毒物がない。例えば、上記で説明した熱処理した木材は、添加又は天然の毒物を有しない。
【0061】
他の実施形態では、その代わりに、凝集部材261が、無毒の物質的な誘引物質、すなわち、シロアリが接触するとシロアリによる採食がさらに促進される誘引物質を具備できることが企図される。こうした物理的な誘引物質の適切な例には、限定されるものではないが、紙、厚紙、木材(例えば、上記で説明したように熱処理した木材以外の木材)、及び他のセルロース材料が含まれる。さらに、寒天マトリックスを単体で又は寒天マトリックスを糖(すなわち、キシロース、マンノース、ガラクトース)及び/若しくは精製したセルロース材料と組み合わせて、凝集部材261として使用して、その水分含有量及び/又は摂食誘引物質によってシロアリを誘引することができる。
【0062】
餌マトリックス263は、適切には、無毒の誘引物質を具備し、シロアリの侵入を無くすか又は抑制する毒物を担持してもしなくてもよい。一例として、例示の餌マトリックス261は、一つ又は複数のタブレット269に押し込んだ精製セルロース粉末を具備する。毒物を餌マトリックス261に添加することなしに、餌マトリックスを適切に使用して、シロアリステーション221の領域のシロアリの存在を監視することができる。毒物は、餌マトリックス261に添加される場合は、適切には、遅延作用タイプの毒物、又は虫成長調整物質、病原体、若しくは代謝阻害剤のうちの一つ又は複数である。こうした毒餌マトリックス261の一つが、米国特許第6,416,752号「TERMITE BAIT COMPOSITION AND METHOD」に開示されており、その開示の全体が参照により本明細書に援用される。他の適切な既知の監視並びに/又は毒餌マトリックス材料及び/若しくは混合物を本発明の範囲から逸脱することなしに使用できることが理解されよう。例示の実施形態では、毒餌マトリックスタブレット269が二つ、カートリッジ251中で使用されている。しかし、本発明の範囲から逸脱することなしに、単一の餌マトリックスを含む、任意の数の餌マトリックスを使用できることが企図される。毒餌マトリックスタブレット269をステーション210から省略できることも企図される。
【0063】
例示のカートリッジホルダ265はカップ部271を具備し、そのカップ部271は、概して、カップ部がポケット281を画定するように、重なったセグメントを有する1対の円筒形カップ273(例えば、カップ273はそれぞれ、閉鎖した端部275、開放した端部277、及びそれらの間を延びる側壁279を有する)として構成される。ポケット281は、適切には、伝達デバイス50及びその中の例示の円形餌タブレット269のうちの一つ又は複数を、少なくとも受容するように、より適切には、受容及び保持するように、サイズ設定及び構成される。例えば、図18のポケット281は、適切なことに、ポケットを画定する概して円筒形のカップ273のうちの一方には伝達デバイス50を、もう一方のカップには積み重ねた対の餌タブレット269を、内部に受容及び保持することができる。しかし、本発明の範囲から逸脱することなしに、ポケット281を本明細書に例示したもの以外の形状にし、そのポケットに配置されたタブレット269又は他の餌マトリックスを円形の以外の形状にできることが理解されよう。さらに、カートリッジホルダ265が、図18に例示する単一のポケット281ではなく二以上の別々のポケットを具備できることが企図される。
【0064】
複数の突起部、例えば例示の実施形態ではリブ283の形態の突起部が、概して円筒形のカップ273によって形成されたポケット281の横方向内側に延在するように、各カップ側壁279の内面に沿って長さ方向に配置される。例えば、リブ283は、長さ方向にカップ273の閉鎖した端部275からその開放した端部277まで延在し、ポケット281内の伝達デバイス50又は餌マトリックスタブレット269と締まり嵌め又は摩擦嵌めするようにカップ側壁279の内面から十分内側に突出して、伝達デバイス又はタブレットがポケット中にしっかりと保持される。複数のナブ285(図20)の形態の隆起要素が、それぞれのポケット281中に延在するように、各カップ273の閉鎖した端部275においてカップ部271の内面に設けられている。隆起要素285により、シロアリがポケット281内で閉鎖した端部275と伝達デバイス50又はタブレット269との間を移動できるように、カップ273の閉鎖した端部275から間隔をあけて伝達デバイス50又はタブレット269が配置される。特に適切な実施形態では、隆起要素285は、各カップ273の閉鎖した端部275の外面に、対応するソケット287を形成することによって設けられる。これらのソケット287は、容器の蓋を閉鎖でき、カートリッジがシロアリステーション221の収納構成において十分に容器223中に着座できるように、ベースパネル225の内面237から延出するスペーシング要素249を受容可能に構成及び配置される。
【0065】
次に図18及び図19を参照すると、カートリッジホルダ265は、概して矩形のトレイ部分291も有し、そのトレイ部分291は、カートリッジホルダ中に凝集部材261を受容するように、より適切には、受容及び保持するように、カートリッジホルダのカップ部271と一体に形成され、その周りに延びる。例示の(トレイ部分の深さを画定する外周の側壁295も含む)トレイ部分291の支持パネル293(例えば、底部)は、適切には、概して円筒形のカップ273の開放した端部277から長さ方向に間隔をあけて配置されており、そのため、トレイ部分に保持される凝集部材261が、伝達デバイス50及び餌マトリックス263がその中に配置されたカップを少なくとも部分的に取り囲む。しかし、トレイ部分291の支持パネル293を、カップ273の閉鎖した端部275と開放した端部277との間の事実上どの位置に配置してもよいことが企図される。
【0066】
特に適切な一実施形態では、凝集部材261及びホルダ265のトレイ部分291は、トレイ部分の凝集部材を締まり嵌め又は摩擦嵌めさせるように、互いに関してサイズ設定されており、それにより、凝集部材がホルダ中に保持される。図19を見れば最も良く分かるように、例示の実施形態の凝集部材261を画定する、熱処理した木質ブロック267は、概して矩形であり、中心では伝達デバイス50及び餌マトリックスタブレット269を露出させたままで、ホルダ265のトレイ部分291に着座したときに、木質ブロックが、カップ部271のカップ273のうちのカップの開放した端部277の近傍の部分を取り囲むように、中心の開口部297を有する。
【0067】
適切なスペーシング構造が、シロアリが凝集部材とベースパネルとの間を簡単に移動できるように、凝集部材261の少なくとも一部分をベースパネル225から間隔をあけて配置するように設けられている。例えば、図18及び図19の例示の実施形態では、スペーシング構造は、隆起要素299を四つ具備し、それらの隆起要素299は、熱処理した木質ブロック267に固定されており、より具体的には、それと一体に形成されている。四つよりも多い例示の隆起要素299を設けてもよく、少ない例示の隆起要素299を設けてもよいことが理解されよう。或いは、木質ブロック267の外面に形成した溝、スロット、又は他の空所などのスペーシング構造を、凝集部材261に形成することができ、そのため、シロアリステーション210の動作構成では、木質ブロックの外面全体よりも小さい面積(例えば、溝などが位置する部分)がベースパネル225に接して横たわる。企図した他の実施形態では、適切なスペーシング構造が、ベースパネル225の内面237と一体に形成されてもよく、それとは別個に形成されそれに取り付けられてもよい。
【0068】
図17〜図19に見られるように、カートリッジ251は、任意選択で、カバー301を具備することができ、そのカバー301は、空気及び他の環境状況への露出を低減するために、凝集部材、伝達デバイス50、及び餌マトリックス263がその中に配置されるカートリッジの内部空間を画定するように、凝集部材261及び/又はカートリッジホルダ265に、より適切には、カートリッジホルダのトレイ部分291の外周の側壁295に解放可能に固定されるように適合されている。カバー301をカートリッジ251から省略できることが理解されよう。
【0069】
再度図10を参照すると、シロアリステーション221の収納構成では、カートリッジ251は、容器223の内部空間233に配置され、カートリッジホルダカップ273の閉鎖した端部275の外面がベースパネル225の内面237に面し、カートリッジのカップ部のポケット281がベースパネルのスペーシング要素249を受容して、カートリッジが容器内に配置される。したがって、カートリッジ251のカバー301は、蓋がその閉位置にあるこのような構成では、容器223の蓋231に面している。
【0070】
シロアリステーション210を所望の取付け面に取り付けるには、容器の蓋231をその開位置に移動させて(図11)、容器223の内部空間233へのアクセスを与え、カートリッジ251を容器から取り外す(図12)。蓋231を開きカートリッジ251を取り出した状態で、ベースパネル225の外面235を取付け面に接するように配置し、適切なファスナを使用して(すなわち、ベースパネルの開口部239を貫通して)、ベースパネル(したがって、容器223)を取付け面上に固定する。
【0071】
シロアリを忌避、誘引、監視、及び/又は防除するシロアリステーション210を使用するためには、蓋231を開き、カートリッジ251を容器223から取り出す。カートリッジのカバー301(が存在する場合はそれ)をカートリッジ251から取り外して、凝集部材261、伝達デバイス50、及び餌マトリックスタブレット269を露出させる。カートリッジ251を、開放した端部から容器223中に再度挿入し、したがって、今は凝集部材261がベースパネル225に面しており、他の点では隆起要素299(広く言うと、スペーシング構造)によってベースパネルから間隔をあけて配置し、伝達デバイス50及び餌マトリックスタブレット269をスペーシング要素249によってベースパネルから間隔をあけて配置する。
【0072】
次いで、カートリッジ251を容器223中に完全に格納するように蓋231をその閉位置に固定して、それにより、シロアリステーション221の動作構成が定められる。凝集部材261(例えば、例示の実施形態では熱処理した木質ブロック267)、餌マトリックス263(例えば、餌マトリックスタブレット269)、及びカートリッジホルダ265は、シロアリステーションの動作構成において凝集部材が餌マトリックスよりもベースパネル225の近くにあり、さらに、餌マトリックスよりも、横方向にも長手方向にも端部パネル227及び側部パネル229に形成された外周開口部247の近くにあるように互いに対してサイズ設定及び構成されている。
【0073】
伝達デバイス50のリード線56は、ハウジング54から外側に延在しており、適切な電気ファスナを用いて虫防除システム10の配線44に電気的に接続されている。動作の際には、虫防除システム10の送信機42が作動して、配線44を経由してステーション210に信号が送られる。ステーション210がシロアリを無効にする(すなわち、図1の忌避ステーション20として動作する)ように構成されている場合は、シロアリは、ステーション又はそのステーションの周りの作用領域46に近づかなくなる。さらに、作用領域46内のどのシロアリもステーションから追い払われる。凝集部材261及び餌マトリックス263をこの構成から省略できることが企図される。容器223中に二つ以上の伝達デバイス50を配置できることも企図される。
【0074】
ステーション210がシロアリを誘引する(すなわち、図1の誘引ステーション40として動作する)ように構成されている場合は、シロアリは、ステーション及びそのステーションの周りの作用領域46に引き寄せられるようになる。シロアリは、伝達デバイス50のアンテナ52によって放射される電磁場によってステーション210に引き寄せられるときに、ベースパネルに形成された開口部239を通るか、又は対応するアクセスパネルが取り外された端部パネル227及び/若しくは側部パネル229に形成された外周開口部247を通って容器223に入ることができる。餌マトリックス263に対する凝集部材261の配置及び構成により(すなわち、餌マトリックスよりもベースパネル225、端部パネル227、及び側部パネル229に近いことにより)、シロアリは、容器223の内部空間233に入った後で、まず凝集部材に遭遇する。凝集部材261が、上記で説明した、熱処理した木質ブロック267などの非物理的な誘引物質である場合は、シロアリをさらに凝集部材によってシロアリステーション221中におびき寄せるか又は引き寄せることができる。凝集部材261によってさらに容器223内に採食のために誘導されたシロアリは、最終的に、餌マトリックス263を発見し、それを消費するように誘導される。
【0075】
餌マトリックス263に毒物がなく、それを監視のために使用する場合は、シロアリは、シロアリが餌の材料を消費するときに構築する探査用のトンネルなど、餌マトリックスを攻撃した視覚的証拠を残し、そのため、材料の表面上に、又は材料の表面にわたって若しくはカートリッジホルダのカップ部中に構築された泥の管にシロアリの侵入の痕跡が残される。餌マトリックス263に毒物を添加することによって、採食中のシロアリが、毒物を含有する餌を摂取し餌の一部を既存の通路のネットワークを通って巣に持ち帰るので、これにより、侵入に対して効果的な対処がされる。
【0076】
時が経つにつれて、例えば、長期間侵入がなく、環境条件にさらされた後で、又は餌マトリックス263(例えば、例示の実施形態のタブレット269)の相当な量が消費される長期にわたる侵入の後で、カートリッジ251の交換が必要になることが予期される。カートリッジ251は、蓋231を開け、古いカートリッジを(例えば、単一のユニットとして)取り出し、新しい凝集部材261、新しい伝達デバイス50、及び新しいタブレット269を含む新しいカートリッジを挿入することによって交換することができる。或いは、新しい伝達デバイス50が必要ない場合は、古いカートリッジ251中の餌マトリックス263(例えば、タブレット269)及び/又は凝集部材261だけを交換し、古いカートリッジを再度挿入して容器223に戻すことができる。凝集部材261、伝達デバイス50、餌マトリックス263、及びホルダ265は、単一のユニットとしてアセンブリ中に保持されるので、シロアリステーション210に達する必要なしにカートリッジ251全体を簡単に交換することができ、すなわち、カートリッジを容器223から取り出すためにはホルダ265のカップ部271しか把持し外に引っ張る必要がない。
【0077】
図21〜図23に、適切な伝達デバイス350の別の実施形態を例示する。伝達デバイス350はアンテナ352を含み、そのアンテナ352は、ロッド351と、そのロッドの周りに巻き付いたコイル状ワイヤ353とを具備する。アンテナ352は、ハウジング354内にシールして格納されており、そのハウジング354は、管状の本体358と、その本体に着脱可能に取り付けられた閉鎖具360とを有する。図21に、閉鎖具360が本体358に取り付けられた状態を例示し、図22に、閉鎖具が本体から取り外された状態を例示する。閉鎖具360を本体358に、適切に(例えば、ねじによる連結、スナップ嵌めによって)着脱可能に取り付けることができる。本体から閉鎖具を完全に取り外すことなくアンテナ352にアクセスできるように、閉鎖具360を本体358にヒンジによって留めることができることも企図される。その実施形態では、閉鎖具360は、アンテナ352がハウジング354によってシールして格納された閉位置と、アンテナが少なくとも部分的に露出した開位置との間を、本体354に対して枢動することができる。
【0078】
図21に見られるように、送信機342もハウジング354内にシールされている。例示の実施形態では、送信機342は、ハウジング354の閉鎖具360内にシールされているが、送信機を本体358内にシールできることが理解されよう。本体358とハウジング354の閉鎖具360との間には、アンテナ352を送信機に電気的に結合するように1対のリード線356が延在している。図23を参照すると、電源363(すなわち、太陽電池パネル、充電池、使い捨て電池、標準的な差込口、発電機)が、配線344を経由して伝達デバイス350及び送信機342に動作可能に接続されている。電源(例えば、使い捨て電池)をアンテナ352及び送信機342と一緒にハウジング内にシールできることが企図される。
【0079】
ハウジング354が作製される材料は、アンテナ352から放射されハウジング材料を通過する電磁場に対して材料が有する影響を抑制するか又は最小限の影響に抑えるよう適切に選択される。すなわち、ハウジング354は、電磁場の作用領域に影響を及ぼさないか、又は最小限にしか影響しない材料から作製される。適切な一例では、作用領域は、ハウジング354の材料によって50%未満縮小される。特に適切な実施形態では、作用領域は、ハウジング354の材料によって25%未満縮小される。適切には、ハウジング354を作製するのに適切なそれらの材料は、水、湿度、腐食、又は苛性条件、及び漂遊電圧に対する抵抗性がある。ハウジング354をそれから作製できる適切な材料の例には、(限定されるものではないが)ポリエチレン、プロピレン、イソプレン、及びブチレン(すなわち、ポリオレフィン)が含まれる。
【0080】
本発明の要素、又は本発明の(一つ又は複数の)好ましい実施形態の要素を紹介するときに、冠詞「a」、「an」、「the」、及び「said」は、一つ又は複数の要素があることを意味するものである。用語「comprising(具備する、備える)」、「including(含む)」、及び「having(有する)」は、包括的なものであり、列挙した要素以外に追加の要素が存在することを意味するものである。
【0081】
本発明の範囲から逸脱することなく上記に様々な変更を行うときは、上記の説明に含まれ添付の図面に示される全ての事項を、例示的であり限定的な意味ではないと解釈されるものである。
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、本明細書に全体が援用される2009年4月14日出願の米国仮出願第61/169,163号の利益を主張するものである。
【0002】
本発明の分野は、概して、害虫防除装置及びシステムに関し、より詳細には、電磁気で誘引及び/又は忌避する伝達デバイスと、その伝達デバイスを内部にシールして格納するハウジングとを有する、害虫防除装置及びシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
シロアリは、栄養補給のためにセルロースを摂取するので、世界の大部分の地域にわたって、木又は他のセルロース含有成分を含む、構造物又は他の物体に対する重大な脅威である。隠れたシロアリは、一般的には地中に住んでおり、しばしば大きい群れを形成している。群れのメンバは、食料を探し、したがって、巣から外部への道又は通路を地中に掘る。採食するシロアリに見つけられた食料の一部は、巣に戻される。シロアリは、群れ内の他のシロアリに食料源の位置を連絡する手段を有することも知られている。
【0004】
多くのシロアリ防除デバイスが知られており、様々な構成でシロアリを監視及び根絶するように形成されている。普及しているシロアリ防除デバイスのタイプの一つは、デバイスから摂食し始めるようにシロアリを促すべく、シロアリを誘引する媒体から作った監視食料源を利用するものである。次いで、シロアリ防除デバイスの摂食点に配置された毒物を含有する餌を供給することによってシロアリを排除する。おそらく最も重要なことに、シロアリに餌を与えることにより、毒物を含有する餌が巣に戻るシロアリと共に巣に運ばれるので、ステーションの場所に到達する群れのメンバだけでなく、シロアリの群れ全体が排除又は抑制される。効果的なものにするためには、シロアリの餌はシロアリによって消費されなければならないので、餌が群れに対する意図した毒作用を有するように、餌が十分長い期間にわたって固定された位置でシロアリの群れのメンバが消費するのに安定して且つ繰り返して得られるような技法を開発しなければならない。
【0005】
一般的には、シロアリの群れとの接触が確立された後にのみシロアリ用の毒餌が利用され、シロアリがステーションから摂食する。その理由として、使用する餌の量を最小限に抑えること、予期されるシロアリの攻撃を見越して餌を長期間定位置に置いておく場合にその餌が変質する可能性があること、餌に対する子供及びペットの意図しない曝露の可能性を最小限に抑えることなどがある。したがって、まず、無毒の媒体を有する餌ホルダを用いて、その場所を監視する間にシロアリを検出することが好ましい。シロアリを検出した後で、餌ホルダに毒餌を用いる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、従来の多くのシロアリ監視及び根絶システムは、シロアリからの保護が必要な構造物において又はそのすぐ近くでシロアリを検出した後にのみ毒餌を使ってシロアリを防除するという点で、事後対応型である。その結果、シロアリは、場合によっては、検出前に、検出後であっても毒餌が群れを完全に根絶する前に、構造物に損傷を与える可能性がある。
【0007】
上記で言及したように、シロアリを監視及び根絶するために使用されるステーションには、シロアリをステーション中に引き寄せるために餌が付けられていることが多い。ステーションは一般的には保護する構造物のすぐ近くに設置されるので、シロアリは、実際は、その構造物のすぐ近くに引き寄せられる。
【0008】
周波数の特定の範囲内で動作する電磁気伝達デバイスを使用して、所望の構造物からシロアリを誘引又は忌避できることが分かっている。その結果、シロアリをその構造物から忌避するか、又はそれらの伝達デバイスを使用してその構造物から離れた位置にシロアリを誘引することができる。しかし、既知の伝達デバイスは、一般的には、露出したアンテナを具備しており、そのアンテナは劣化し易い。それらのアンテナは、多くの場合に金属製のロッドであり、酸化するか、短絡するか、カビの発生を受けるか、又は虫若しくは他の害虫によって損傷を受ける可能性があり、そのため、アンテナが故障するか又は不適切に動作するおそれがある。しかし、それらのアンテナを封入すると、伝達デバイスによって放射される電磁場の範囲を妨害するか又はその範囲に深刻な悪影響を及ぼすことがある。
【0009】
伝達デバイスは、そのアンテナに動作可能に接続された送信機も具備する。その送信機は、環境に露出されるようにアンテナに隣接して又はそのすぐ近くに配置されると、天候及び他の環境要因(すなわち、湿気、カビ、虫など)によって、やはり望ましくないことに劣化をする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一態様では、害虫防除ステーションで使用される伝達デバイスが、概して、アンテナと、そのアンテナを内部にシールして格納するハウジングとを具備する。
【0011】
他の一態様では、害虫防除システムが、概して、送信機及び伝達デバイスを具備する。その伝達デバイスは、アンテナと、そのアンテナを内部にシールして格納するハウジングとを有する。
【0012】
更に他の態様では、害虫防除システムが、概して、選択した周波数で電磁場を放射し電磁場が放射される作用範囲を画定するように適合された伝達デバイスを有する害虫防除装置を具備する。伝達デバイスは、アンテナと、そのアンテナをシールするハウジングとを含む。そのハウジングは、作用範囲を50%未満縮小する材料から作製されている。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】虫を忌避及び/又は誘引するための電磁場を放射するように適合された害虫防除システムの一実施形態の概略図である。
【図2】害虫防除システムの伝達デバイスの一実施形態の垂直断面図であり、そのデバイスは、アンテナと、アンテナを封入するハウジングとを有する。
【図3】害虫防除システムの伝達デバイスの別の実施形態の側面図であり、そのデバイスは、アンテナと、アンテナをシールして格納するハウジングとを有する。
【図4】アンテナへのアクセスを与えるためにハウジングのキャップが取り除かれた、図3の伝達デバイスの側面図である。
【図5】虫監視及び防除ステーションの一実施形態の斜視図である。
【図6】図5の虫監視及び防除ステーションの分解斜視図である。
【図7】図5の虫監視及び防除ステーションと共に使用する凝集ベースの斜視図である。
【図8】図5の虫監視及び防除ステーションと共に使用する伝達デバイスの分解斜視図である。
【図9】図5の虫監視及び防除ステーションと共に使用する餌容器の分解斜視図である。
【図10】容器の蓋が閉位置にある虫監視及び防除ステーションの他の実施形態の斜視図である。
【図11】内部に設置した虫監視及び防除ステーションのカートリッジを露出するために容器の蓋が開位置にある、図10と同様の斜視図である。
【図12】容器の蓋がその開位置にあり、カートリッジが容器から取り除かれている、虫監視及び防除ステーションの容器の上面図である。
【図13】容器の蓋がその開位置にあり、アクセスタブが容器から取り除かれている、虫監視及び防除ステーションの側面図である。
【図14】他のアクセスタブが容器から取り除かれている、虫監視及び防除ステーションの正面図である。
【図15】蓋がその開位置にある、虫監視及び防除ステーションの容器の上面斜視図である。
【図16】蓋がその開位置にある、虫監視及び防除ステーションの容器の底面斜視図である。
【図17】容器から取り外された虫監視及び防除ステーションのカートリッジの正面図である。
【図18】図17のカートリッジの分解斜視図である。
【図19】カートリッジが部分的にのみ分解された、図18と同様の斜視図である。
【図20】カートリッジのホルダの上面図である。
【図21】害虫防除システムの伝達デバイスの別の実施形態の斜視図であり、そのデバイスは、送信機、アンテナ、及びそのアンテナを封入するハウジングを有し、ハウジングの一部がアンテナを示すために切り取られている。
【図22】図21の伝達デバイスの分解斜視図である。
【図23】電源に動作可能に接続された図21の伝達デバイスを例示する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
対応する参照符号は、図面のうちの複数の図を通して対応する部分を指す。
【0015】
図1に、全体を20で示す害虫防除装置を複数有する、全体を10で示す害虫防除システムの一実施形態を例示する。ある構成では、害虫防除装置20は忌避ステーション30を複数具備し、その忌避ステーション30は虫(例えば、アリ、シロアリ)を電磁的に忌避するように適合されている。害虫防除システム10を、本明細書では虫を防除することに関連して例示及び説明するが、害虫防除システムを使用して、本発明の範囲から逸脱することなしに、他の虫及び節足動物など、他の無脊椎害虫、並びにげっ歯類などの脊椎害虫を防除できることが理解されよう。例示の実施形態では、住宅からシロアリを忌避するために、住宅32の周囲に四つの忌避ステーション30が配置されている。忌避ステーション30を使用して、住宅32にすでに存在するシロアリを住宅から追い出すか、又は初めの段階でシロアリが住居に入るのを防止することができる。住宅32の周りにそれよりも多い忌避ステーション30を配置することも、少ない忌避ステーション30を配置することもでき、それらの忌避ステーションのうちの一つ又は複数を住宅の中に配置できることが理解されよう。忌避ステーション30を使用して、住宅に加えて他の構造物又は対象領域から虫を忌避できることも理解されよう。
【0016】
別の構成では、害虫防除装置20は誘引ステーション40を複数具備し、その誘引ステーション40は、それに虫を電磁的に誘引するように適合されている。例示の実施形態では、シロアリを住宅から離れる方に誘引するために、住宅32から離れた位置に誘引ステーション40が四つ配置されている。誘引ステーション40を使用して、住宅32中若しくはその近くにすでに存在するシロアリを住宅から離れる方に引き寄せるか、又はシロアリが住居に近づくのを防止することができる。それよりも多い誘引ステーション40を使用することも、少ない誘引ステーション40を使用することもできると理解されよう。誘引ステーション40を使用して、住宅に加えて他の構造物又は対象領域から離れる方に虫を誘引できることも理解されよう。
【0017】
害虫防除システム10の例示の構成は、複数の忌避ステーション30及び複数の誘引ステーション40を具備するが、虫防除システムが忌避ステーション30のみ、又は誘引ステーション40のみを具備できることが企図される。すなわち、誘引ステーション40なしで忌避ステーション30を使用することができ、忌避ステーションなしで誘引ステーションを使用することができる。
【0018】
周波数が約4000Hz未満の電磁場をある位置から放射することによって、シロアリをその位置に誘引でき、周波数が約4000Hzと6000Hzとの間の電磁場をある位置から放射することによって、その位置から忌避できることが分かっている。例えば、米国特許出願公開第2007/0137096号「TERMITE CONTROL SYSTEM, METHOD AND APPARATUS」、米国特許出願公開第2007/0068067号「TERMITE CONTROL METHODS AND APPARATUS」、及び米国特許第6,837,001号「POSITIVE DIRECTED MOVEMENT OF TERMITES BY RADIO WAVES AS A BASIS FOR CONTROL PROCEDURES」参照。それらの文献は、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0019】
したがって、例示の虫防除システム10の各忌避ステーション30を、周波数が約4000Hz未満の電磁場を放射するように適合することができ、各誘引ステーション40を、周波数が約4000Hzと6000Hzの間の電磁場を放射するように適合することができる。それらの忌避ステーション30(又は誘引ステーション40)は、他の各ステーションと周波数が同じ電磁場を放射するように適合されてもよく、一つ又は複数のステーションは、異なる周波数で電磁場を放射してもよい。単一の忌避ステーション30(又は誘引ステーション40)を、2以上の周波数で電磁場を放射するように適合できることも企図される。
【0020】
各忌避ステーション30及び各誘引ステーション40から放射される電磁場は、電磁場が放射される作用範囲46を有する。電磁場の強度を変更すると、忌避ステーション30及び誘引ステーション40のそれぞれに関して電磁場の作用範囲46のサイズを変えることができる。サイズが異なる三つの作用範囲46を図1に例示する。
【0021】
害虫防除システム10はさらに、送信機42及び配線44を具備する。その配線44は、送信機を各忌避ステーション30及び各誘引ステーション40に電気的に接続する(図1)。送信機42は任意の適切な既知の送信機でよい。一実施形態では、配線44は絶縁線を具備する。配線44は、導管中を通って走っていてもよく、そうでなくてもよい。配線44も虫を忌避/誘引できることが分かっている。配線44が虫を忌避又はそれに誘引するのを防止することが望ましい場合は、適切な導管中に配線44を走らせることができる。その適切な導管は、配線を絶縁し、その配線が虫を配線に誘引又はそこから忌避するのを防止することになる。適切な導管を、例えば、プラスチック又は鋼材から作ることができる。別の実施形態では、配線44は、もしも虫をそれに忌避又は誘引させることが望ましい場合には、露出させる(すなわち、導管中を通って走らせない)ことができる。
【0022】
害虫防除システム10が送信機42を二つ以上具備できることが企図される。例えば、一方の送信機42は、各忌避ステーション30に信号を送信するように設けられてよく、もう一方の送信機は、各誘引ステーション40に信号を送信するように設けられてよい。別の例では、一方の送信機42は、所与の領域内の忌避ステーション30及び誘引ステーション40(例えば、図1で見られるように、住宅32の右側の二つの忌避ステーション30及び二つの誘引ステーション40)のそれぞれに信号を送信するように設けられてよく、もう一方の送信機は、異なる領域内の忌避ステーション及び誘引ステーション(例えば、図1で見られるように、住宅の左側の二つの忌避ステーション及び二つの誘引ステーション)のそれぞれに信号を送信するように設けられてよい。
【0023】
さらに別の例では、忌避ステーション30及び誘引ステーション40それぞれに一つずつ送信機42を提供することができる。この例では、各送信機42に、電気エネルギーを供給するために、適切な電源(すなわち、太陽電池パネル、充電池、使い捨て電池)を設けることができる。さらに、送信機42及び電源を、関連する忌避ステーション30若しくは誘引ステーション40内に、又はそれに隣接して配置することができる。
【0024】
各忌避ステーション30及び各誘引ステーション40は、図2に全体を50で示す伝達デバイスを含むことができ、その伝達デバイス50は、送信機42から配線44を経由して電気信号を受信し、それに応答して電磁場を放射する。図2に例示するように、各伝達デバイス50は、アンテナ52と、そのアンテナを気密シールするためのハウジング54を含む。ハウジング54は、環境によって劣化し易いアンテナ52を保護する。例えば、ハウジング54は、虫、天候、及びカビからアンテナ52を保護するように適合されている。指定の電源及び送信機が忌避ステーション30及び誘引ステーション40のうちの一つ又は複数に設けられる場合は、電源及び/又は送信機42を保護するように、ハウジング54を適合させることもできる。
【0025】
アンテナ52は、ハウジング54内で気密シールされている。図2に例示する一実施形態では、アンテナ52は、完全に常時ハウジング54内に収容されている。言い換えると、アンテナ52及びハウジング54は、アンテナ52の耐用年数を通して分離できない単一のユニットのままであることが意図されている。この実施形態では、伝達デバイス50は、任意の既知のオーバーモールド技法を用いてハウジング54をアンテナ52上にオーバーモールドすることによって作製することができる。ハウジング54はアンテナ52とは別々に形成でき、アンテナをハウジング中に配置しハウジング内にシールできることが理解されよう。ハウジング54のサイズは、アンテナをハウジング中にゆるく配置できるように、アンテナ54に対して大きくできることも理解されよう。
【0026】
アンテナ52を配線44に電気的に結合するためのリード線56が、ハウジング54を通って延びており、これは絶縁されていても絶縁されていなくてもよい。それらのリード線56を、任意の適切な電気式ファスナ(図示せず)を使用して配線44に結合することができる。適切な一実施形態では、伝達デバイス50(及び図2の実施形態のハウジング54)の交換を容易にするために、それらの電気式ファスナにより、リード線を配線44に解放可能に結合することが可能になる。伝達デバイス50を簡単に取替えできることは、故障した伝達デバイスを新しいデバイスに交換するか、又は現行の伝達デバイスを取り外して動作周波数が異なるデバイスに交換する際に有利である。電源、送信機42、及び伝達デバイス52が組立体としてハウジング54内に収容される実施形態では、リード線56を省くことができる。
【0027】
図3及び図4に例示する別の実施形態では、伝達デバイス50のアンテナ52は、ハウジング54'内に選択的にシールして格納することができ、そのハウジング54'は、本体58と、その本体に着脱可能に取り付けられた閉鎖具60とを有する。図3に、閉鎖具60が本体58に取り付けられているところを例示し、図4に、閉鎖具が本体58から取り外されたところを例示する。閉鎖具60を、適切に(例えば、ねじによる連結、スナップ嵌めによって)本体58に着脱可能に取り付けることができる。閉鎖具を本体から完全に取り外すことなくアンテナ52にアクセスできるように、閉鎖具60を本体58にヒンジで留めることができることも企図される。この実施形態では、閉鎖具60は、アンテナ52がハウジング54'によってシールして格納された閉位置と、アンテナが少なくとも部分的に露出した開位置との間を、本体54に対して枢動することができる。
【0028】
前述の実施形態(図2に見られる)のように、アンテナ52を配線44に電気的に結合するためのリード線56は、ハウジング54'を通って延びる。それらのリード線56を、任意の適切な電気式ファスナ(図示せず)を使用して配線44に結合することができる。適切な一実施形態では、アンテナ52の交換を容易にするために、それらの電気式ファスナにより、リード線を配線44に解放可能に結合することが可能になる。アンテナ52を簡単に取替えできることは、故障したアンテナを新しいアンテナに交換するか、又は現行のアンテナを取り外して動作周波数が異なるアンテナに交換する際に有利である。適切な一実施形態では、本体58及び/又は閉鎖具60は溝又は通路を含み、その溝又は通路は、リード線56を受け入れ、それにより、リード線がハウジング54'中を通って延びることが可能になる。
【0029】
ハウジング54、54'が作製される材料は、アンテナ52から放射されハウジング材料を通る電磁場に対して材料が有する影響を抑制するか又は最小限の影響に抑えるように適切に選択される。すなわち、ハウジング54、54'は、各忌避ステーション30及び各誘引ステーション40から電磁場の作用領域40に影響しないか、又は最小限にしか影響しない材料から作製される。適切な一例では、作用領域40は、ハウジング54、54'の材料によって50%未満縮小される。特に適切な実施形態では、作用領域40は、ハウジング54、54'の材料によって25%未満縮小される。ハウジング54、54'を作製できる適切な材料の例には、(限定されるものではないが)ポリエチレン、プロピレン、イソプレン、及びブチレン(すなわち、ポリオレフィン)が含まれる。
【0030】
図5及び図6に、図1の忌避ステーション30又は誘引ステーション40として使用するのに適切な、全体を参照番号100で示す虫監視及び防除ステーションを例示する。例示のステーションの実施形態はシロアリを監視及び防除するのに特に適切であるが、そのステーションをアリなど、他の虫を監視及び防除するのに使用できることが企図される。図6の分解図に最良に例示するように、ステーション100は事実上中空のハウジング112を含み、そのハウジング112は、内部体積120を画定する環状の側壁114、上面116、及び底面118を有する。ハウジング112の上面116の一部分は、内部体積120を露出するように開口している。ステーション100は、内部体積120中に一つ又は複数の伝達デバイス50を受け入れるように適合されている(図6には、伝達デバイスを一つ例示する)。ステーション100の内部体積120中には、伝達デバイス50と一緒に、又は伝達デバイスの代わりに、ステーション100の他の構成要素を配置することができる。これらの構成要素には、例えば、凝集ベース122、監視容器、及び/又は餌容器125が含まれる(以下で図9を参照しながら説明する)。
【0031】
図5及び図6に見られるように、キャップ128は、ハウジング112を閉じるように上面116で着脱可能に取り付けられる。一実施形態では、そのキャップ128は1対のタブ130を有し、それらのタブ130は、ハウジング112の上面116にあるスロット132中に延びる(図5)。そのときに、キャップ128を反時計回り又は時計回りに回転させると、キャップ128が係合される。タブ130はそれぞれ、タブの前縁136に沿う面取り部134を含む。キャップ128が定位置に向かって回転するときに、面取り部134はタブ130をそれぞれのスロット132内の定位置に案内するのを助ける。キャップ128を上面116に固定するために任意の適切な手段を使用することができる。
【0032】
ステーション100は開口部137を複数含み、その開口部137は、シロアリがステーションの内部体積120の内外に出入りできるように、側壁114を貫通している。適切な一実施形態では、側壁114は、その中に、事実上側壁の全長にわたって延びる垂直の細長い開口部137を複数有する。本明細書で用いるように、垂直とは、上面116が上方向を向いた、ステーション100の好ましい向きを基準として使用される。しかし、開口部に関して他の形状及び向きを使用できることが企図される。例えば、開口部は、ランダムに配置されているか又は繰り返しのパターンに形成されている、水平の細長い開口部でもよく、円形の開口部でもよい。さらに、内部体積120に至る開口部137が底面118にあってよい。別の構成では、ハウジング112の上面116の近くの側壁114の上側部分139が孔を有しないように、開口部137をハウジング112の側壁114の下側部分138にのみ形成することができる。適切な一実施形態では、ハウジング112は、耐久性がある耐食材料、例えば、アクリル性又は高強度のプラスチックから形成される。ハウジング112は、図では概して円筒形であるが、矩形など、他の任意の適切な形状でよい。
【0033】
使用の際には、ステーション100は、依然としてユーザによって地面の上からアクセス可能でありながら、シロアリにアクセス可能な凹所内に少なくとも部分的に受け入れられる。凹所は、地中の凹所でもよく、建物又は他の地上構造物の壁又は他の構造内にある凹所でもよい。凹所は、土中に形成されてもよく、舗装材の下に土がある状態でコンクリート又はアスファルトなどの舗装材に形成されてもよい。適切な一実施形態では、ステーション100は、上面116及びキャップ128のみが地面の上からアクセス可能であるように、凹所内で事実上全体が受け入れられる。しかし、状況によっては、ステーション100は、凹所が非常に浅くなるように、地表の上にほぼ全体があってよい。
【0034】
一実施形態では、図6に示すように、凝集ベース122は、細長い開口部137が凝集ベース122を地中の凹所に露出させることができるように、側壁114の下側部分138に近接して配置されて、ハウジング112の内部体積120内に受け入れられる。そのときに、伝達デバイス50は、凝集ベース122に近接して受け入れられるようにハウジングの内部体積120内に受け入れられる。
【0035】
図7に、凝集ベース122の適切な実施形態を例示する。例示の実施形態では、凝集ベース122は、動作中に配置されているときは凝集ベースの外面140がステーション100又は凹所の側壁114の内側に面するように、概して円筒形に形成されている。他の種類の凝集ベースは、ベースがその中に受け入れられる凹所に応じて使用するのに適切な、異なる幾何形状を有することができる。例示の凝集ベース122は空所142を有し、その空所142は、凝集ベース122内で事実上中心に配置されており、これはシロアリの凝集箇所に適切である。凝集ベース122は溝144を含み、その溝144は、外面140から内方に空所142に至るまで凝集ベース122を貫通している。使用中は、溝144は、凝集ベース122の外面140から空所142中の凝集箇所にシロアリを案内する。適切な一構成では、凝集ベース122は、木材など、シロアリを誘引するセルロース系材料から作製される。
【0036】
次に図6及び図8を参照すると、伝達デバイス50は、ハウジング154と、ハウジング中に受け入れられるアンテナ52とを具備している。ハウジング154は、カップ150及び付随の蓋152を含む。例示のように、カップ150は底面155を有し、その底面155は、ハウジングの構成を補完するために、ハウジング154が内部チャンバ153を画定する閉鎖した円筒として構成されるように蓋152の反対側に設けられている。底面155は、伝達デバイス50がステーション100に動作可能に配置されるときに凝集ベース122に近接して配置される面として描かれており、便宜上、蓋152は反対側の面を構成している。しかし、凝集ベース122なしで又は凝集ベースが伝達デバイスの上部にある状態で、伝達デバイス50をステーション100中に挿入できることも企図される。カップ150の外側の幅は、ハウジング112の内側の幅よりもわずかに小さく、そのため、ハウジング内にカップを着脱可能に受け入れることができる。
【0037】
図8に見られるように、伝達デバイス50のアンテナ52は、ハウジング154のカップ150の内部チャンバ153内に受け入れられる。蓋152は、任意の適切な手段でカップ150に着脱可能に固定される。図8を参照すると、例示の実施形態では、カップ150は、その上部のリム158の近くにくぼみ159を複数有する。蓋152は対応するフランジ160を含み、それらのフランジ160は、蓋152をカップ150に固定するために、くぼみ159に受け入れられるように適合されている。適切な一実施形態では、適切な電源及び送信機54をステーション100の内部体積120内に配置できることも企図される。特に適切な一実施形態では、電源、送信機54、及び伝達デバイス50は、組み立てられて保持され、ハウジング154内にシールして格納されている。
【0038】
動作の際には、ステーション100を内部に配置するのに望ましい位置に、適切なサイズの凹所を地中に作ることができる。一実施形態では、凝集ベース122及び伝達デバイス50は、ステーションのハウジング112の内側に配置され、ステーション100は、ステーションのハウジング112の上面116が地表の近くに配置されるまで凹所中に挿入されるか又は押し込まれる。別の実施形態では、伝達デバイス50は、凹所中に配置され、ステーション100とは別個に埋められる。凝集ベース122を内部に有する一つ又は複数のステーション100を、伝達デバイス50の比較的近くに位置するそれぞれ別々の凹所に挿入することができる。
【0039】
伝達デバイス50のリード線56は、適切な電気ファスナを用いて虫防除システム10の配線44に電気的に接続されている。虫防除システム10の送信機42は、配線44を経由してステーション100に信号を送信するように作動する。ステーション100がシロアリを忌避する(すなわち、図1の忌避ステーション20として動作する)ように構成される場合は、シロアリはステーション又はステーションの周りの作用領域46に近づかない。さらに、作用領域46内のどのシロアリも追い払われる。
【0040】
ステーションがシロアリを誘引する(すなわち、図1の誘引ステーション40として動作する)ように構成される場合は、シロアリはステーション100及びステーションの周りの作用領域46に引き寄せられる。シロアリは、伝達デバイス50のアンテナ52から放射される電磁場によってステーション100に引き寄せられるときに、開口部137を通ってハウジング112の内部体積120に入り、食料源となりそうな凝集ベース122を見つける。シロアリが開口部137を通って入り、凝集ベース122の上方にある伝達デバイス50のハウジング154に接触する場合に、そのハウジングの無孔の側壁は、シロアリを下に、細長い開口部137に沿って凝集ベース122まで誘導する。溝144は、シロアリを凝集ベース122に入り込ませ、シロアリが凝集箇所としてベースによって作り出された内部の空所142を使用し始めるように促す。空所142は、中心に凝集のための滞在領域を作り出す。
【0041】
ステーション100は、侵入の痕跡に関して凝集ベース122を含むハウジング112の内部体積120を視覚的に調べることによって、シロアリの侵入の証拠を定期的に検査することができる。ステーション100の検査を、毎週、隔週、毎月など必要又は所望に応じて実行することができる。凝集ベース122などのセルロース系材料に対するシロアリの攻撃の性質により、こうした攻撃の目に見える痕跡又は証拠はモニタ上に必ず残される。こうした証拠には、例えば、シロアリの侵入の明らかな痕跡が材料の表面上に残されるようにして材料を消費するときにシロアリが構築する探査用のトンネル、及び/又はステーションのハウジング112の内面上にその全体にわたって構築される泥の管が含まれ得る。こうした侵入の痕跡は、シロアリによる損傷を検出する当業者には明白である。監視容器(図示せず)を、伝達デバイス50及び凝集ベース122と一緒にハウジング112の内部体積120中に配置できることも企図される。監視容器を、凝集ベース122の代わりにハウジング112の内部体積120中に配置できることも企図される。
【0042】
シロアリによる攻撃が発見された場合に、適切な毒物を含有する餌157を内部に有する餌容器125(図9参照)を用いてステーション100に餌を付けることができる。毒物を含有する餌157は、精製セルロースの毒物送達タブレットの形態でよい。適切なシロアリの餌の組成の一つが、本発明の譲受人に譲渡された米国特許第6,416,752号「TERMITE BAIT COMPOSITION AND METHOD」に記載されており、その文献の開示は全体が参照により本明細書に援用される。伝達デバイス50及び凝集ベース122と一緒に、又は伝達デバイス50若しくは凝集ベース122の代わりに餌容器125を使うことによって、餌容器125をハウジング112の内部体積120中に配置することができる。シロアリによる攻撃が発見されない場合は、キャップ128を再配置し、適切な間隔をあけてステーション100を再検査する。
【0043】
図10に、図1の忌避ステーション30又は誘引ステーション40として使用するのに適切な、全体を参照番号210で示す別の虫監視及び防除ステーションを例示する。例示のステーション210の実施形態はシロアリを監視及び防除するのに特に適切であるが、ステーションをアリなど、他の虫を監視及び防除するのに使用できることが企図される。このステーション210は、例えば適切な地上の取付け面上に固定することによって地面で又はその上方で使用することが意図されている点で、地上シロアリステーションの形態である。その適切な地上の取付け面には、限定されるものではないが、地表面上、(住宅又は建物の内壁又は外壁、樹木、柵の支柱又は棒杭など)概して水平の面、傾斜した面、又は垂直の取付け面が含まれる。
【0044】
ステーション210は、概して、全体を223で示す矩形の箱形容器を具備し、その箱形容器223は、容器の内部空間233(図11)を一緒に画定する、ベースパネル225(すなわち、本明細書では広く言うと容器のベースと称される、図10に示す向きの底面のパネル)と、長手方向に対向する端部パネル227と、横方向に対向する側部パネル229と、蓋231とを有する。例示の実施形態の端部パネル227及び側部パネル229は一緒に、広く言うと本明細書で容器223の側面と称されるものを画定する。したがって、ベースパネル225、側面、及び蓋231が一緒に容器の内部空間233を画定するように構成及び配置される限り、容器223は、(概して環状の側面を有することになる)円筒形又は別の適切な形状など、矩形の箱形状以外の形状でよいことが理解されよう。
【0045】
ベースパネル225は、適切には、シロアリステーションがその上に取り付けられる取付け面に面する外面235(図13)と、容器の内側に面し部分的に容器の内部空間233を画定する内面237(図12)とを有する。例示のベースパネル225は、適切には、矩形であり、概して平坦又は平面であり、そのため、ベースパネルの外面235全体が、事実上、シロアリステーション210を取り付ける際に取付け面と対向し且つそれに当接する。例示の端部パネル227及び側部パネル229も平坦又は平面であり、それらはベースパネル225に対して概して垂直に向いている。
【0046】
適切な一実施形態では、容器223を、例えば、アクリル性又は高強度のプラスチックなど、シロアリによって優先的に摂取されることのない耐久性がある材料から構築することができる。別の適切な実施形態では、容器223を、例えば、有機材料由来の生体高分子など、シロアリによって優先的に摂取されることのない生物分解性材料から構築することができる。特に適切な実施形態では、容器223は事実上不透明であるが、そうではなく容器が概して半透明、さらには透明でもよいことが理解されよう。
【0047】
特に図12、図15、及び図16参照すると、ベースパネル225は、適切には、ベースパネル自体(したがって、シロアリステーション容器223)を所望の取付け面に取り付けることができるように構成されている。例えば、例示の実施形態では、少なくとも一つの、より適切には複数の開口部239が、ベースパネル225において、そのベースパネルの外周の縁部241(図12)から間隔をあけて、すなわちその内側に形成される(ベースパネルの「外周の縁部」は、ベースパネルが側面と交わる部分、例えば、端部パネル227と側部パネル229が交わる部分と定義される)。
【0048】
図16に最も良く見られるように、例示の開口部239はそれぞれ、概してプラス記号又は十字の形状である(すなわち、互いに交差した細長いスロットから構成される)。しかし、それらの開口部239が本発明の範囲から逸脱することのない任意の形状のものでよいことが企図される。開口部239が全て同一の形状である必要がないことも企図される。例示の実施形態のベースパネル225にこうした開口部239が十一個形成されており、それらの開口部のうちの一つが(長手方向にも横方向にも)ベースパネルの中心に配置されている。十一個全ての開口部239の間の間隔が一様でないが、そうではなく開口部間の間隔が一様でもよいことが理解されよう。さらに、ベースパネル225には、十一個よりも多い開口部239を形成してもよく、単一の開口部を含む、十一個よりも少ない開口部239を形成してもよいことが理解されよう。さらに、ベースパネル225に開口部239が複数存在する場合は、例示の実施形態のように、開口部のパターン又は配置は図16に例示するもの以外のパターン又は配置でよい。
【0049】
これらのベースパネル開口部239を使用して、部分的に開口部を通って取付け面まで延びる適切なファスナ(例えば、ねじファスナ)を用いてベースパネル225(したがって、容器223)を取付け面に取り付ける。図16に例示するように、開口部239はそれぞれ、ファスナが開口部を通って比較的大きいファスナ位置決め範囲に沿って延在できるように、平面の寸法(例えば、長さ及び幅、又は開口部が円形の場合は直径)が適切にサイズ設定されている。用語「ファスナ位置決め範囲」とは、本明細書では、ファスナを開口部239内で特定の方向にそれに沿って配置できる開口空間の長さを意味するものである。
【0050】
ベースパネル225にこうした開口部239を複数設けることにより、ベースパネル(したがって、シロアリステーション221)を取付け面上の所望の位置に配置することが可能になる。例えば、開口部のうちの一つ又は複数は、ファスナがベースパネルを通って取付け面にそれを通って延在できる十分な追加の開口部を、取付け面のより安定している(例えば、損傷が少ない)か又はより強いセグメントに設けながら、シロアリが取付け面に形成した開口(図示せず)を覆うように配置される。したがって、こうした実施形態では、開口部239の数は、ベースパネルを取付け面上に接続するために使用されるファスナの数を少なくとも一つ超える。
【0051】
開口部239により、ファスナが、容器223の複数の構成要素ではなく、容器223の単一の構造部材、すなわち、ベースパネル225を貫通することによって、シロアリステーション210を取付け面に固定することも可能になる。その結果、容器223の蓋231には、蓋を貫通するようにファスナを取り付ける必要がないので、従来の設計の場合のように別の方法で使用できる開口部がない。この配置により、シロアリステーション210、具体的にはベースパネル225を取付け面上の所望の位置に目で見ながら配置することが簡単になり、さらに、シロアリステーションを取付け面に取り付けたままで、具体的には取付けファスナを緩める必要も取り外す必要もなしに、蓋231を開閉することが可能になる。
【0052】
ベースパネル225の開口部239はまた、シロアリがベースパネル225を通って容器231の内部空間233に入りそこから出るための複数の入口点も提供している。そのために、ベースパネルでは、開口部239は、図15に例示するように、ベースパネルの外面235から内面237に、概して面取りされているか、又は外側に先細りしており(例えば、平面の寸法が拡大しており)、そのため、先細り部分が容器223の内部空間233への入口の傾斜部として働き、それにより、容器に入るシロアリが遭遇する不連続性が低減されるか又は最小限に抑えられる。一例として、一実施形態では、先細りした開口部239は、ベースパネル225の外面235から内面237への傾斜角度を約15から約60度の範囲で、より適切には約45度に画定している。
【0053】
外周の(すなわち、側面の入口)開口部247が、例示の容器223の端部パネル227及び側部パネル229(すなわち、広く言うと側面)に、容器の外周で互いに間隔をあけて形成されている。より適切には、これらの外周開口部247は、それぞれの端部パネル227及び側部パネル229からベースパネル225に(すなわち、端部パネル及び側部パネルがベースパネルと出合う角に)延在しており、シロアリは、容器223の内部空間233にその側面から、例えば、ベースパネルの後ろではなく(すなわち、ベースパネルに形成された開口部239を通るのではなく)取付け面に沿って形成されたシロアリのトンネルに沿って、入ることができる。
【0054】
特に適切な実施形態では、端部パネル227及び側部パネル229に形成された外周開口部247はベースパネル225に続いており、そのため、外周開口部を通るシロアリは、さらに、容器と(すなわち、ベースパネルと)接触する前に、容器223の内部空間233内に配置させられる。しかし、本発明の範囲に包含されているように、外周の開口部247がベースパネル225に延在する必要はない。例えばベースパネルに形成された先細りした開口部239と同様にして、外周開口部247がベースパネルに接する位置でベースパネル225を面取りするか又は先細りさせることもできると企図される。
【0055】
図16に最も良く見られるように、一方の端部パネル227に形成された外周開口部247は、反対側の端部パネルの対応する外周開口部と位置合わせされており、一方の側部パネル229の外周開口部は、反対側の側部パネルの対応する外周開口部に位置合わせされている。外周開口部247が容器223の側面(例えば、端部パネル227及び側部パネル229)に形成されることで、例えば、シロアリのトンネルを壊し、外周開口部のうちの一つ又は複数と位置合わせした、そのトンネルの壊した部分の中にある取付け面に接するように、ベースパネル225を配置することによって、シロアリステーション210を取付け面上にシロアリのトンネルに沿って取り付けることが可能になる。容器223に設けられる外周開口部247の数は、一つだけの外周開口部を含めて、例示の容器223の外周開口部よりも多くても少なくてもよいことが理解されよう。
【0056】
例示の実施形態では、外周開口部247は、それぞれのアクセス閉鎖具250によって少なくとも部分的に閉鎖されており、そのアクセス閉鎖具250は、外周開口部を通したアクセスを与えるために容器から取り外すことができる。それにより、シロアリのトンネルと位置合わせされた外周開口部247を除いて、容器をその外周に沿って概してシールすることができる。アクセス閉鎖具250は、外周開口部247において容器223に着脱可能に連結されており、より適切には、破砕可能に又は破裂可能に連結されており、そのため、容器の内部空間にアクセスするために、閉鎖具を(例えば、手で、又は適切な打抜き工具、プライヤ、ねじ回し、又は他の適切な工具を用いて)容器から取り外すことができる。特に適切な実施形態では、アクセス閉鎖具250は、容器223と一体に形成(例えば、その一部分としてモールド成型)される。しかし、本発明の範囲から逸脱することなしに、例えば熱溶着、接着、又は他の適切な連結技法によって、外周開口部247において容器から分離しそれに着脱可能に連結される、アクセス閉鎖具250を形成できることが企図される。いくつかの実施形態では、アクセス閉鎖具250を(例えば、接着剤、面ファスナ、又は他の適切な機械式のファスナなどによって)容器223に再接続可能に連結でき、そのため、シロアリステーション210は、本発明の範囲内に包含される、異なるシロアリのトンネル又は他の侵入路を扱う際に再構成及び再使用できることも理解されよう。別の適切な実施形態(図示せず)では、アクセス閉鎖具250は容器223から省かれる。
【0057】
一つ又は複数の隆起したスペーシング要素249(例えば、図12〜図14に例示するようなナブ、リブ、バンプ、又は他の適切な位置決め要素)が、ベースパネルの平面から外に、容器223の内部空間233中に延在するように、ベースパネル225の内面237上に設けられている。具体的には、スペーシング要素249は、容器223のベースパネル225と一体に形成(例えば、例示の実施形態ではモールド成型)される。しかし、その代わりに、これらのスペーシング要素249は、本発明の範囲から逸脱することなしに、ベースパネル225とは別個に形成し、例えば、接着、溶着、又は他の適切な固定技法によって、その内面237に固定することができる。これらのスペーシング要素249を省略できることが企図される。
【0058】
図10に戻ると、蓋231(広く言うと、容器223のための閉鎖具)は、閉位置(図10)と、容器223の内部空間233がアクセス可能な開位置(図11)との間に適切に配置可能である。より具体的には、例示の蓋231は、容器の外周の側壁に対して、より適切にはベースパネル225に対して、蓋の閉位置と開位置との間でヒンジ式の動きをするように、容器の外周の側壁に(例えば、例示の実施形態の場合には容器の側部パネル229のうちの一つに、又は端部パネル227のうちの一つに)ヒンジで留められている。例えば、図13に見られるように、蓋231は、側部パネルに対して蓋がヒンジ式に動くことが可能になるように十分に可撓性がある薄い又は刻み目入りの連結ウェブ253に沿って、蓋が側部パネルと一体に形成(例えば、モールド成型)された「リビングヒンジ」のようにして、側部パネル229にヒンジで留められてよい。しかし、本発明の範囲から逸脱することなしに、端部パネル227及び側部パネル229とは別個に、適切なヒンジ機構(図示せず)によってそれにヒンジで機械式に留められる蓋231を形成できることが理解されよう。図11を参照すると、閉位置の蓋を解放可能に固定するための従来のラッチ及びキャッチ機構が設けられる(例えば、一つ又は複数のラッチ部材255が例示の実施形態のように蓋231上に設けられ、それに対応する一つ又は複数のキャッチ257が容器223の側部パネル229及び/又は端部パネル227上に設けられるか、或いはその逆である)。
【0059】
全体を251で示すカートリッジが、容器の蓋231が閉位置のときに、容器223内に少なくとも部分的に、より適切には容器の内部空間233内に全体に配置されるように、適切にサイズ設定及び構成される。特に図18を参照すると、カートリッジ251は、シロアリステーション221の一つ又は複数の内部構成要素を、例示の実施形態では、全ての内部構成要素を具備する。例えば、例示の実施形態では、カートリッジ251は、凝集部材(全体を261で示す)と、少なくとも一つの伝達デバイス(全体を50で示す)と、少なくとも一つの餌マトリックス(全体を263で示す)と、ホルダ(全体を265で示す)とを具備する。そのホルダは、単一ユニットとして容器223に挿入し且つ/又はそれから取り外すように組み立てて伝達デバイス、凝集部材、及び餌マトリックスを保持するようになっている。
【0060】
一実施形態の凝集部材261は、誘引物質を具備し、特に適切な一実施形態では、高温で、例えば少なくとも約150℃(302°F)、より適切には約150℃と215℃(420°F)との間の温度で熱処理した中実の木質ブロック267を具備する。しかし、或いは、凝集部材261がそれから作製される熱処理した木材が、マルチの形態、粉の形態、又は他の適切な形態でよいことが理解されよう。凝集部材261はまた、適切には毒物がない。例えば、上記で説明した熱処理した木材は、添加又は天然の毒物を有しない。
【0061】
他の実施形態では、その代わりに、凝集部材261が、無毒の物質的な誘引物質、すなわち、シロアリが接触するとシロアリによる採食がさらに促進される誘引物質を具備できることが企図される。こうした物理的な誘引物質の適切な例には、限定されるものではないが、紙、厚紙、木材(例えば、上記で説明したように熱処理した木材以外の木材)、及び他のセルロース材料が含まれる。さらに、寒天マトリックスを単体で又は寒天マトリックスを糖(すなわち、キシロース、マンノース、ガラクトース)及び/若しくは精製したセルロース材料と組み合わせて、凝集部材261として使用して、その水分含有量及び/又は摂食誘引物質によってシロアリを誘引することができる。
【0062】
餌マトリックス263は、適切には、無毒の誘引物質を具備し、シロアリの侵入を無くすか又は抑制する毒物を担持してもしなくてもよい。一例として、例示の餌マトリックス261は、一つ又は複数のタブレット269に押し込んだ精製セルロース粉末を具備する。毒物を餌マトリックス261に添加することなしに、餌マトリックスを適切に使用して、シロアリステーション221の領域のシロアリの存在を監視することができる。毒物は、餌マトリックス261に添加される場合は、適切には、遅延作用タイプの毒物、又は虫成長調整物質、病原体、若しくは代謝阻害剤のうちの一つ又は複数である。こうした毒餌マトリックス261の一つが、米国特許第6,416,752号「TERMITE BAIT COMPOSITION AND METHOD」に開示されており、その開示の全体が参照により本明細書に援用される。他の適切な既知の監視並びに/又は毒餌マトリックス材料及び/若しくは混合物を本発明の範囲から逸脱することなしに使用できることが理解されよう。例示の実施形態では、毒餌マトリックスタブレット269が二つ、カートリッジ251中で使用されている。しかし、本発明の範囲から逸脱することなしに、単一の餌マトリックスを含む、任意の数の餌マトリックスを使用できることが企図される。毒餌マトリックスタブレット269をステーション210から省略できることも企図される。
【0063】
例示のカートリッジホルダ265はカップ部271を具備し、そのカップ部271は、概して、カップ部がポケット281を画定するように、重なったセグメントを有する1対の円筒形カップ273(例えば、カップ273はそれぞれ、閉鎖した端部275、開放した端部277、及びそれらの間を延びる側壁279を有する)として構成される。ポケット281は、適切には、伝達デバイス50及びその中の例示の円形餌タブレット269のうちの一つ又は複数を、少なくとも受容するように、より適切には、受容及び保持するように、サイズ設定及び構成される。例えば、図18のポケット281は、適切なことに、ポケットを画定する概して円筒形のカップ273のうちの一方には伝達デバイス50を、もう一方のカップには積み重ねた対の餌タブレット269を、内部に受容及び保持することができる。しかし、本発明の範囲から逸脱することなしに、ポケット281を本明細書に例示したもの以外の形状にし、そのポケットに配置されたタブレット269又は他の餌マトリックスを円形の以外の形状にできることが理解されよう。さらに、カートリッジホルダ265が、図18に例示する単一のポケット281ではなく二以上の別々のポケットを具備できることが企図される。
【0064】
複数の突起部、例えば例示の実施形態ではリブ283の形態の突起部が、概して円筒形のカップ273によって形成されたポケット281の横方向内側に延在するように、各カップ側壁279の内面に沿って長さ方向に配置される。例えば、リブ283は、長さ方向にカップ273の閉鎖した端部275からその開放した端部277まで延在し、ポケット281内の伝達デバイス50又は餌マトリックスタブレット269と締まり嵌め又は摩擦嵌めするようにカップ側壁279の内面から十分内側に突出して、伝達デバイス又はタブレットがポケット中にしっかりと保持される。複数のナブ285(図20)の形態の隆起要素が、それぞれのポケット281中に延在するように、各カップ273の閉鎖した端部275においてカップ部271の内面に設けられている。隆起要素285により、シロアリがポケット281内で閉鎖した端部275と伝達デバイス50又はタブレット269との間を移動できるように、カップ273の閉鎖した端部275から間隔をあけて伝達デバイス50又はタブレット269が配置される。特に適切な実施形態では、隆起要素285は、各カップ273の閉鎖した端部275の外面に、対応するソケット287を形成することによって設けられる。これらのソケット287は、容器の蓋を閉鎖でき、カートリッジがシロアリステーション221の収納構成において十分に容器223中に着座できるように、ベースパネル225の内面237から延出するスペーシング要素249を受容可能に構成及び配置される。
【0065】
次に図18及び図19を参照すると、カートリッジホルダ265は、概して矩形のトレイ部分291も有し、そのトレイ部分291は、カートリッジホルダ中に凝集部材261を受容するように、より適切には、受容及び保持するように、カートリッジホルダのカップ部271と一体に形成され、その周りに延びる。例示の(トレイ部分の深さを画定する外周の側壁295も含む)トレイ部分291の支持パネル293(例えば、底部)は、適切には、概して円筒形のカップ273の開放した端部277から長さ方向に間隔をあけて配置されており、そのため、トレイ部分に保持される凝集部材261が、伝達デバイス50及び餌マトリックス263がその中に配置されたカップを少なくとも部分的に取り囲む。しかし、トレイ部分291の支持パネル293を、カップ273の閉鎖した端部275と開放した端部277との間の事実上どの位置に配置してもよいことが企図される。
【0066】
特に適切な一実施形態では、凝集部材261及びホルダ265のトレイ部分291は、トレイ部分の凝集部材を締まり嵌め又は摩擦嵌めさせるように、互いに関してサイズ設定されており、それにより、凝集部材がホルダ中に保持される。図19を見れば最も良く分かるように、例示の実施形態の凝集部材261を画定する、熱処理した木質ブロック267は、概して矩形であり、中心では伝達デバイス50及び餌マトリックスタブレット269を露出させたままで、ホルダ265のトレイ部分291に着座したときに、木質ブロックが、カップ部271のカップ273のうちのカップの開放した端部277の近傍の部分を取り囲むように、中心の開口部297を有する。
【0067】
適切なスペーシング構造が、シロアリが凝集部材とベースパネルとの間を簡単に移動できるように、凝集部材261の少なくとも一部分をベースパネル225から間隔をあけて配置するように設けられている。例えば、図18及び図19の例示の実施形態では、スペーシング構造は、隆起要素299を四つ具備し、それらの隆起要素299は、熱処理した木質ブロック267に固定されており、より具体的には、それと一体に形成されている。四つよりも多い例示の隆起要素299を設けてもよく、少ない例示の隆起要素299を設けてもよいことが理解されよう。或いは、木質ブロック267の外面に形成した溝、スロット、又は他の空所などのスペーシング構造を、凝集部材261に形成することができ、そのため、シロアリステーション210の動作構成では、木質ブロックの外面全体よりも小さい面積(例えば、溝などが位置する部分)がベースパネル225に接して横たわる。企図した他の実施形態では、適切なスペーシング構造が、ベースパネル225の内面237と一体に形成されてもよく、それとは別個に形成されそれに取り付けられてもよい。
【0068】
図17〜図19に見られるように、カートリッジ251は、任意選択で、カバー301を具備することができ、そのカバー301は、空気及び他の環境状況への露出を低減するために、凝集部材、伝達デバイス50、及び餌マトリックス263がその中に配置されるカートリッジの内部空間を画定するように、凝集部材261及び/又はカートリッジホルダ265に、より適切には、カートリッジホルダのトレイ部分291の外周の側壁295に解放可能に固定されるように適合されている。カバー301をカートリッジ251から省略できることが理解されよう。
【0069】
再度図10を参照すると、シロアリステーション221の収納構成では、カートリッジ251は、容器223の内部空間233に配置され、カートリッジホルダカップ273の閉鎖した端部275の外面がベースパネル225の内面237に面し、カートリッジのカップ部のポケット281がベースパネルのスペーシング要素249を受容して、カートリッジが容器内に配置される。したがって、カートリッジ251のカバー301は、蓋がその閉位置にあるこのような構成では、容器223の蓋231に面している。
【0070】
シロアリステーション210を所望の取付け面に取り付けるには、容器の蓋231をその開位置に移動させて(図11)、容器223の内部空間233へのアクセスを与え、カートリッジ251を容器から取り外す(図12)。蓋231を開きカートリッジ251を取り出した状態で、ベースパネル225の外面235を取付け面に接するように配置し、適切なファスナを使用して(すなわち、ベースパネルの開口部239を貫通して)、ベースパネル(したがって、容器223)を取付け面上に固定する。
【0071】
シロアリを忌避、誘引、監視、及び/又は防除するシロアリステーション210を使用するためには、蓋231を開き、カートリッジ251を容器223から取り出す。カートリッジのカバー301(が存在する場合はそれ)をカートリッジ251から取り外して、凝集部材261、伝達デバイス50、及び餌マトリックスタブレット269を露出させる。カートリッジ251を、開放した端部から容器223中に再度挿入し、したがって、今は凝集部材261がベースパネル225に面しており、他の点では隆起要素299(広く言うと、スペーシング構造)によってベースパネルから間隔をあけて配置し、伝達デバイス50及び餌マトリックスタブレット269をスペーシング要素249によってベースパネルから間隔をあけて配置する。
【0072】
次いで、カートリッジ251を容器223中に完全に格納するように蓋231をその閉位置に固定して、それにより、シロアリステーション221の動作構成が定められる。凝集部材261(例えば、例示の実施形態では熱処理した木質ブロック267)、餌マトリックス263(例えば、餌マトリックスタブレット269)、及びカートリッジホルダ265は、シロアリステーションの動作構成において凝集部材が餌マトリックスよりもベースパネル225の近くにあり、さらに、餌マトリックスよりも、横方向にも長手方向にも端部パネル227及び側部パネル229に形成された外周開口部247の近くにあるように互いに対してサイズ設定及び構成されている。
【0073】
伝達デバイス50のリード線56は、ハウジング54から外側に延在しており、適切な電気ファスナを用いて虫防除システム10の配線44に電気的に接続されている。動作の際には、虫防除システム10の送信機42が作動して、配線44を経由してステーション210に信号が送られる。ステーション210がシロアリを無効にする(すなわち、図1の忌避ステーション20として動作する)ように構成されている場合は、シロアリは、ステーション又はそのステーションの周りの作用領域46に近づかなくなる。さらに、作用領域46内のどのシロアリもステーションから追い払われる。凝集部材261及び餌マトリックス263をこの構成から省略できることが企図される。容器223中に二つ以上の伝達デバイス50を配置できることも企図される。
【0074】
ステーション210がシロアリを誘引する(すなわち、図1の誘引ステーション40として動作する)ように構成されている場合は、シロアリは、ステーション及びそのステーションの周りの作用領域46に引き寄せられるようになる。シロアリは、伝達デバイス50のアンテナ52によって放射される電磁場によってステーション210に引き寄せられるときに、ベースパネルに形成された開口部239を通るか、又は対応するアクセスパネルが取り外された端部パネル227及び/若しくは側部パネル229に形成された外周開口部247を通って容器223に入ることができる。餌マトリックス263に対する凝集部材261の配置及び構成により(すなわち、餌マトリックスよりもベースパネル225、端部パネル227、及び側部パネル229に近いことにより)、シロアリは、容器223の内部空間233に入った後で、まず凝集部材に遭遇する。凝集部材261が、上記で説明した、熱処理した木質ブロック267などの非物理的な誘引物質である場合は、シロアリをさらに凝集部材によってシロアリステーション221中におびき寄せるか又は引き寄せることができる。凝集部材261によってさらに容器223内に採食のために誘導されたシロアリは、最終的に、餌マトリックス263を発見し、それを消費するように誘導される。
【0075】
餌マトリックス263に毒物がなく、それを監視のために使用する場合は、シロアリは、シロアリが餌の材料を消費するときに構築する探査用のトンネルなど、餌マトリックスを攻撃した視覚的証拠を残し、そのため、材料の表面上に、又は材料の表面にわたって若しくはカートリッジホルダのカップ部中に構築された泥の管にシロアリの侵入の痕跡が残される。餌マトリックス263に毒物を添加することによって、採食中のシロアリが、毒物を含有する餌を摂取し餌の一部を既存の通路のネットワークを通って巣に持ち帰るので、これにより、侵入に対して効果的な対処がされる。
【0076】
時が経つにつれて、例えば、長期間侵入がなく、環境条件にさらされた後で、又は餌マトリックス263(例えば、例示の実施形態のタブレット269)の相当な量が消費される長期にわたる侵入の後で、カートリッジ251の交換が必要になることが予期される。カートリッジ251は、蓋231を開け、古いカートリッジを(例えば、単一のユニットとして)取り出し、新しい凝集部材261、新しい伝達デバイス50、及び新しいタブレット269を含む新しいカートリッジを挿入することによって交換することができる。或いは、新しい伝達デバイス50が必要ない場合は、古いカートリッジ251中の餌マトリックス263(例えば、タブレット269)及び/又は凝集部材261だけを交換し、古いカートリッジを再度挿入して容器223に戻すことができる。凝集部材261、伝達デバイス50、餌マトリックス263、及びホルダ265は、単一のユニットとしてアセンブリ中に保持されるので、シロアリステーション210に達する必要なしにカートリッジ251全体を簡単に交換することができ、すなわち、カートリッジを容器223から取り出すためにはホルダ265のカップ部271しか把持し外に引っ張る必要がない。
【0077】
図21〜図23に、適切な伝達デバイス350の別の実施形態を例示する。伝達デバイス350はアンテナ352を含み、そのアンテナ352は、ロッド351と、そのロッドの周りに巻き付いたコイル状ワイヤ353とを具備する。アンテナ352は、ハウジング354内にシールして格納されており、そのハウジング354は、管状の本体358と、その本体に着脱可能に取り付けられた閉鎖具360とを有する。図21に、閉鎖具360が本体358に取り付けられた状態を例示し、図22に、閉鎖具が本体から取り外された状態を例示する。閉鎖具360を本体358に、適切に(例えば、ねじによる連結、スナップ嵌めによって)着脱可能に取り付けることができる。本体から閉鎖具を完全に取り外すことなくアンテナ352にアクセスできるように、閉鎖具360を本体358にヒンジによって留めることができることも企図される。その実施形態では、閉鎖具360は、アンテナ352がハウジング354によってシールして格納された閉位置と、アンテナが少なくとも部分的に露出した開位置との間を、本体354に対して枢動することができる。
【0078】
図21に見られるように、送信機342もハウジング354内にシールされている。例示の実施形態では、送信機342は、ハウジング354の閉鎖具360内にシールされているが、送信機を本体358内にシールできることが理解されよう。本体358とハウジング354の閉鎖具360との間には、アンテナ352を送信機に電気的に結合するように1対のリード線356が延在している。図23を参照すると、電源363(すなわち、太陽電池パネル、充電池、使い捨て電池、標準的な差込口、発電機)が、配線344を経由して伝達デバイス350及び送信機342に動作可能に接続されている。電源(例えば、使い捨て電池)をアンテナ352及び送信機342と一緒にハウジング内にシールできることが企図される。
【0079】
ハウジング354が作製される材料は、アンテナ352から放射されハウジング材料を通過する電磁場に対して材料が有する影響を抑制するか又は最小限の影響に抑えるよう適切に選択される。すなわち、ハウジング354は、電磁場の作用領域に影響を及ぼさないか、又は最小限にしか影響しない材料から作製される。適切な一例では、作用領域は、ハウジング354の材料によって50%未満縮小される。特に適切な実施形態では、作用領域は、ハウジング354の材料によって25%未満縮小される。適切には、ハウジング354を作製するのに適切なそれらの材料は、水、湿度、腐食、又は苛性条件、及び漂遊電圧に対する抵抗性がある。ハウジング354をそれから作製できる適切な材料の例には、(限定されるものではないが)ポリエチレン、プロピレン、イソプレン、及びブチレン(すなわち、ポリオレフィン)が含まれる。
【0080】
本発明の要素、又は本発明の(一つ又は複数の)好ましい実施形態の要素を紹介するときに、冠詞「a」、「an」、「the」、及び「said」は、一つ又は複数の要素があることを意味するものである。用語「comprising(具備する、備える)」、「including(含む)」、及び「having(有する)」は、包括的なものであり、列挙した要素以外に追加の要素が存在することを意味するものである。
【0081】
本発明の範囲から逸脱することなく上記に様々な変更を行うときは、上記の説明に含まれ添付の図面に示される全ての事項を、例示的であり限定的な意味ではないと解釈されるものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナと、前記アンテナを内部にシールして格納するハウジングとを具備する、害虫防除ステーションで使用される伝達デバイス。
【請求項2】
前記ハウジングが前記アンテナ上にオーバーモールドされている、請求項1に記載の伝達デバイス。
【請求項3】
前記アンテナに動作可能に接続され、前記ハウジングを通って延びる少なくとも一つのリード線をさらに具備する、請求項2に記載の伝達デバイス。
【請求項4】
前記ハウジングが、本体と、前記本体に着脱可能に取り付けることができる閉鎖具とを具備する、請求項1に記載の伝達デバイス。
【請求項5】
前記ハウジングが、環境により引き起こされる、内部に収容した前記アンテナの老朽化を抑制する材料を備える、請求項1に記載の伝達デバイス。
【請求項6】
送信機、電源、及び請求項1の伝達デバイスを具備する、害虫防除ステーションで使用される電磁装置。
【請求項7】
前記ハウジングが、前記送信機及び電源をシールして格納する、請求項6に記載の電磁装置。
【請求項8】
前記ハウジングが、前記伝達デバイス、前記送信機、及び前記電源上にオーバーモールドされている、請求項7に記載の電磁装置。
【請求項9】
前記ハウジングが、前記虫ステーションの内部チャンバ中に挿入されるように適合されている、請求項6に記載の電磁装置。
【請求項10】
前記電源が、前記伝達デバイスを収容する前記ハウジングから間隔をあけて配置されている、請求項6に記載の電磁装置。
【請求項11】
送信機及び伝達デバイスを具備し、前記伝達デバイスが、アンテナと、前記アンテナを内部にシールして格納するハウジングとを有する、害虫防除システム。
【請求項12】
前記伝達デバイスと前記送信機とを電気的に結合する配線をさらに具備する、請求項11に記載の害虫防除システム。
【請求項13】
前記アンテナを前記配線に動作可能に接続する、前記ハウジングを通って延びる少なくとも一つのリード線をさらに具備する、請求項12に記載の害虫防除システム。
【請求項14】
誘引ステーション及び忌避ステーションのうちの少なくとも一つをさらに具備する、請求項11に記載の害虫防除システム。
【請求項15】
少なくとも一つの誘引ステーション及び少なくとも一つの忌避ステーションをさらに具備する、請求項11に記載の害虫防除システム。
【請求項16】
伝達デバイスを有する害虫防除装置を具備し、前記伝達デバイスが、選択した周波数で電磁場を放射し、前記電磁場が放射される作用範囲を画定するように適合されており、前記伝達デバイスが、アンテナと、前記アンテナをシールするハウジングとを含み、前記ハウジングが、前記作用範囲を50%未満縮小させる材料から作製される、害虫防除システム。
【請求項17】
前記ハウジングが、前記作用範囲を25%未満縮小させる材料から作製される、請求項16に記載の害虫防除システム。
【請求項18】
前記ハウジング材料が、ポリエチレン、プロピレン、イソプレン、及びポリオレフィンからなる群から選択される、請求項17に記載の害虫防除システム。
【請求項19】
前記害虫防除装置が忌避ステーションであり、前記伝達デバイスが、周波数が約4000Hz未満の電磁場を放射して前記忌避ステーションから離れるように虫を電磁的に忌避するように適合されている、請求項16に記載の害虫防除システム。
【請求項20】
前記害虫防除装置が誘引ステーションであり、前記伝達デバイスが、周波数が約4000Hzと6000Hzとの間である電磁場を放射して虫を前記誘引ステーションに電磁的に誘引するように適合されている、請求項16に記載の害虫防除システム。
【請求項21】
少なくとも一つの害虫防除装置を対象領域内に配置するステップであって、前記害虫防除装置がそれぞれ、アンテナと、前記アンテナを内部にシールして格納するハウジングとを具備する伝達デバイスを有する、配置ステップと、
電磁場が放射される作用範囲を画定するために電磁場を放射するように前記伝達デバイスの前記アンテナを作動させるステップであって、前記伝達デバイスの前記ハウジングが、前記アンテナの前記作用範囲を50%未満縮小する材料から作製される、作動ステップと
を含む、害虫を防除する方法。
【請求項22】
電磁場を放射するように前記伝達デバイスの前記アンテナを作動させるステップが、虫を前記害虫防除装置から離れるように電磁的に忌避するように適合された電磁場を放射するように前記アンテナを作動させるステップを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
少なくとも一つの害虫防除装置を対象領域内に配置するステップが、虫を住宅から離れるように忌避するために住宅の周囲に複数の害虫防除装置を配置するステップを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
電磁場を放射するように前記伝達デバイスの前記アンテナを作動させるステップが、虫を前記害虫防除装置に電磁的に誘引するように適合された電磁場を放射するように前記アンテナを作動させるステップを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
虫の存在について前記害虫防除装置を監視するステップをさらに含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記害虫防除装置に毒物を含有する餌を付けるステップをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項1】
アンテナと、前記アンテナを内部にシールして格納するハウジングとを具備する、害虫防除ステーションで使用される伝達デバイス。
【請求項2】
前記ハウジングが前記アンテナ上にオーバーモールドされている、請求項1に記載の伝達デバイス。
【請求項3】
前記アンテナに動作可能に接続され、前記ハウジングを通って延びる少なくとも一つのリード線をさらに具備する、請求項2に記載の伝達デバイス。
【請求項4】
前記ハウジングが、本体と、前記本体に着脱可能に取り付けることができる閉鎖具とを具備する、請求項1に記載の伝達デバイス。
【請求項5】
前記ハウジングが、環境により引き起こされる、内部に収容した前記アンテナの老朽化を抑制する材料を備える、請求項1に記載の伝達デバイス。
【請求項6】
送信機、電源、及び請求項1の伝達デバイスを具備する、害虫防除ステーションで使用される電磁装置。
【請求項7】
前記ハウジングが、前記送信機及び電源をシールして格納する、請求項6に記載の電磁装置。
【請求項8】
前記ハウジングが、前記伝達デバイス、前記送信機、及び前記電源上にオーバーモールドされている、請求項7に記載の電磁装置。
【請求項9】
前記ハウジングが、前記虫ステーションの内部チャンバ中に挿入されるように適合されている、請求項6に記載の電磁装置。
【請求項10】
前記電源が、前記伝達デバイスを収容する前記ハウジングから間隔をあけて配置されている、請求項6に記載の電磁装置。
【請求項11】
送信機及び伝達デバイスを具備し、前記伝達デバイスが、アンテナと、前記アンテナを内部にシールして格納するハウジングとを有する、害虫防除システム。
【請求項12】
前記伝達デバイスと前記送信機とを電気的に結合する配線をさらに具備する、請求項11に記載の害虫防除システム。
【請求項13】
前記アンテナを前記配線に動作可能に接続する、前記ハウジングを通って延びる少なくとも一つのリード線をさらに具備する、請求項12に記載の害虫防除システム。
【請求項14】
誘引ステーション及び忌避ステーションのうちの少なくとも一つをさらに具備する、請求項11に記載の害虫防除システム。
【請求項15】
少なくとも一つの誘引ステーション及び少なくとも一つの忌避ステーションをさらに具備する、請求項11に記載の害虫防除システム。
【請求項16】
伝達デバイスを有する害虫防除装置を具備し、前記伝達デバイスが、選択した周波数で電磁場を放射し、前記電磁場が放射される作用範囲を画定するように適合されており、前記伝達デバイスが、アンテナと、前記アンテナをシールするハウジングとを含み、前記ハウジングが、前記作用範囲を50%未満縮小させる材料から作製される、害虫防除システム。
【請求項17】
前記ハウジングが、前記作用範囲を25%未満縮小させる材料から作製される、請求項16に記載の害虫防除システム。
【請求項18】
前記ハウジング材料が、ポリエチレン、プロピレン、イソプレン、及びポリオレフィンからなる群から選択される、請求項17に記載の害虫防除システム。
【請求項19】
前記害虫防除装置が忌避ステーションであり、前記伝達デバイスが、周波数が約4000Hz未満の電磁場を放射して前記忌避ステーションから離れるように虫を電磁的に忌避するように適合されている、請求項16に記載の害虫防除システム。
【請求項20】
前記害虫防除装置が誘引ステーションであり、前記伝達デバイスが、周波数が約4000Hzと6000Hzとの間である電磁場を放射して虫を前記誘引ステーションに電磁的に誘引するように適合されている、請求項16に記載の害虫防除システム。
【請求項21】
少なくとも一つの害虫防除装置を対象領域内に配置するステップであって、前記害虫防除装置がそれぞれ、アンテナと、前記アンテナを内部にシールして格納するハウジングとを具備する伝達デバイスを有する、配置ステップと、
電磁場が放射される作用範囲を画定するために電磁場を放射するように前記伝達デバイスの前記アンテナを作動させるステップであって、前記伝達デバイスの前記ハウジングが、前記アンテナの前記作用範囲を50%未満縮小する材料から作製される、作動ステップと
を含む、害虫を防除する方法。
【請求項22】
電磁場を放射するように前記伝達デバイスの前記アンテナを作動させるステップが、虫を前記害虫防除装置から離れるように電磁的に忌避するように適合された電磁場を放射するように前記アンテナを作動させるステップを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
少なくとも一つの害虫防除装置を対象領域内に配置するステップが、虫を住宅から離れるように忌避するために住宅の周囲に複数の害虫防除装置を配置するステップを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
電磁場を放射するように前記伝達デバイスの前記アンテナを作動させるステップが、虫を前記害虫防除装置に電磁的に誘引するように適合された電磁場を放射するように前記アンテナを作動させるステップを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
虫の存在について前記害虫防除装置を監視するステップをさらに含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記害虫防除装置に毒物を含有する餌を付けるステップをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公表番号】特表2012−524470(P2012−524470A)
【公表日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−506121(P2012−506121)
【出願日】平成22年4月13日(2010.4.13)
【国際出願番号】PCT/US2010/030845
【国際公開番号】WO2010/120743
【国際公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【出願人】(505470786)ビー・エイ・エス・エフ、コーポレーション (81)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月13日(2010.4.13)
【国際出願番号】PCT/US2010/030845
【国際公開番号】WO2010/120743
【国際公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【出願人】(505470786)ビー・エイ・エス・エフ、コーポレーション (81)
【Fターム(参考)】
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