電線保護管
【課題】可撓性を有し、かつ、強度の強い電線保護管を提供する。
【解決手段】内部に電線70が挿通される筒状プロテクタ20と、筒状プロテクタ20とは異なる位置にて複数の単位チューブ31が連結され、その内部に電線70が挿通される連結単位チューブ30と、を有する電線保護管10であって、各単位チューブ31は、電線70が挿通される電線挿通孔21を有した筒部33と、筒部33に連なり、曲面状の外周面を有する曲面部35と、曲面部35とは反対側にて筒部33に連なり、隣接する単位チューブ31の曲面部35と嵌り合ってその曲面部35の外周面に対して摺動する凹状面部37と、を備える。
【解決手段】内部に電線70が挿通される筒状プロテクタ20と、筒状プロテクタ20とは異なる位置にて複数の単位チューブ31が連結され、その内部に電線70が挿通される連結単位チューブ30と、を有する電線保護管10であって、各単位チューブ31は、電線70が挿通される電線挿通孔21を有した筒部33と、筒部33に連なり、曲面状の外周面を有する曲面部35と、曲面部35とは反対側にて筒部33に連なり、隣接する単位チューブ31の曲面部35と嵌り合ってその曲面部35の外周面に対して摺動する凹状面部37と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電線保護管に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、筒状のプロテクタが知られている。このプロテクタに電線が挿通されることで、外部の衝撃等から電線を保護するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−186131号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記したプロテクタは、外部の衝撃等から電線を保護することができるものの可撓性を有していないため、配置する場所に応じて湾曲させることができず、使用する場所が限られてしまうという問題があった。
【0005】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、可撓性を有し、かつ、強度の強い電線保護管を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、内部に電線が挿通される筒状プロテクタと、前記筒状プロテクタとは異なる位置にて複数の単位チューブが連結され、その内部に電線が挿通される連結単位チューブと、を有する電線保護管であって、前記各単位チューブは、前記電線が挿通される電線挿通孔を有した筒部と、前記筒部に連なり、曲面状の外周面を有する曲面部と、前記曲面部とは反対側にて前記筒部に連なり、隣接する単位チューブの前記曲面部と嵌り合ってその曲面部の前記外周面に対して摺動する凹状面部と、を備えるところに特徴を有する(手段1)。
手段1の構成によれば、電線保護管に電線が挿通されることにより、電線を外部からの強い衝撃等から保護できる。また、連結単位チューブは、単位チューブの曲面部とこれと隣接する単位チューブの凹状面部とが嵌り合ってその曲面部の前記外周面に対して摺動するから、連結単位チューブを有する電線保護管は、連結単位チューブの位置で曲げることができる。即ち、可撓性を有し、かつ、強度の強い電線保護管とすることができる。
なお、可撓性を有しつつ電線を保護するという点では、電線保護管の全ての部分を連結単位チューブで構成することも可能であるが、連結単位チューブの部分については、可撓性を有するための構成により、筒状プロテクタよりも体積が大きくなりやすく、その分重量が重くなりやすい。一方、手段1の構成によれば、可撓性を有する必要のある部分については、連結単位チューブとし、可撓性を有する必要のない部分については、筒状プロテクタにより電線を保護するから、全てを連結単位チューブとする場合よりも電線保護管を軽量化することができる。
【0007】
手段1の構成に加えて、前記連結単位チューブと前記筒状プロテクタとを連結する連結部材を有し、前記連結部材の一端側には、前記単位チューブの前記曲面部と嵌り合ってその曲面部の前記外周面に対して摺動する連結用凹状面部又は前記単位チューブの前記凹状面部と嵌り合ってその凹状面部の前記内周面に対して摺動する連結用曲面部が設けられるとともに、前記連結部材の他端側には、前記筒状プロテクタに係止する連結係止部が設けられるようにしてもよい(手段2)。
手段2の構成によれば、連結部材により連結単位チューブと筒状プロテクタとが連結されるから、連結単位チューブと筒状プロテクタとが離れて内部の電線が露出することを防止することができる。
また、連結単位チューブ及び筒状プロテクタの連結のための構成を連結部材に設けることにより、連結のために構成の異なる単位チューブや筒状プロテクタを別途用意する必要がないから、単位チューブ間や筒状プロテクタ間の構成を共通化することが可能になる。
【0008】
手段1又は手段2の構成に加えて、前記連結係止部は、係止凹部であり、前記筒状プロテクタには、係止凸部が形成され、前記係止凸部が前記係止凹部に係止されることにより前記筒状プロテクタと前記連結部材とが連結されるようにしてもよい(手段3)。
手段3の構成によれば、簡易な構成で、比較的強固に筒状プロテクタと連結部材とを連結することができる。
【0009】
手段1ないし手段3のいずれか一項の構成に加えて、前記各単位チューブにおける前記筒部は、前記電線の外周が密着した状態で挿通されるとともに、前記曲面部は、前記筒部の電線挿通孔に連なり端部側の径が大きくなる撓み許容孔を有するようにしてもよい(手段4)。
例えば、コルゲートチューブを用いて電線を保護する場合には、通電時に電線から発生する熱は、電線からコルゲートチューブへと伝達されて、コルゲートチューブから外部に放散される。しかしながら電線とコルゲートチューブとの間には、空気層が存在する。この空気層は熱伝導率が比較的低いので、コルゲートチューブの内部に熱がこもって、電線が高温になってしまう。特に、自動車のインバータやモータなどの機器間に配される電線をコルゲートチューブで保護する場合には、電線から発生する熱が大きいため、電線が高温になることが懸念される。
一方、手段4の構成によれば、各単位チューブの筒部に電線の外周が密着した状態で挿通することにより、熱伝導性の悪い空気層を介さず、電線から生じた熱を筒部を介して外部に放散することができる。
また、筒部について電線を密着させた場合に、曲面部についても筒部と同様に電線を密着させることにすると、電線の遊びがなくなり、単位チューブの連結部分を屈曲させることが困難になるばかりでなく、無理に屈曲させると、電線が傷つくおそれがある。
一方、手段4の構成のように、電線挿通孔に連なり、端部側ほど径が大きくなる撓み許容孔を有するようにすれば、屈曲させる際の電線の遊びができ、連結部分の屈曲が容易になるだけでなく、屈曲の際に内部の電線を傷つけずに済む。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、可撓性を有し、かつ、強度の強い電線保護管を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る実施形態の電線保護管に電線が挿入された状態を表す図
【図2】単位チューブを表す斜視図
【図3】分割単位チューブを表す側面図
【図4】分割単位チューブを表す斜視図
【図5】凹状面部付連結部材を表す斜視図
【図6】凹状面部付連結部材を構成する分割連結部材に分割プロテクタが連結される前の状態を表す斜視図
【図7】図6の分割連結部材と分割プロテクタとが連結された状態を表す斜視図
【図8】凹状面部付連結部材と筒状プロテクタとが連結された状態を表す図
【図9】曲面部付連結部材を表す斜視図
【図10】曲面部付連結部材を構成する分割連結部材に分割プロテクタが連結される前の状態を表す斜視図
【図11】図10の分割連結部材と分割プロテクタとが連結された状態を表す斜視図
【図12】曲面部付連結部材と筒状プロテクタとが連結された状態を表す図
【図13】組み付け治具の基台に電線が載置された状態を表す図
【図14】電線挟持部が電線を挟持した状態を表す図
【図15】電線に分割プロテクタが取り付けられた状態を表す図
【図16】組み付け治具を取り外した状態を表す図
【図17】図16に曲面部付連結部材を取り付けた状態を表す図
【図18】電線が挿通された状態の電線保護管を表す図
【図19】電線保護管を湾曲させた状態を表す図
【発明を実施するための形態】
【0012】
<実施形態>
以下、本発明の実施形態を図1〜図19を参照して説明する。
本実施形態における電線保護管10は、図1に示すように、筒状プロテクタ20と、複数の単位チューブ31が連結されてなる連結単位チューブ30と、筒状プロテクタ20と連結単位チューブ30とを連結する連結部材40と、から構成されている。電線70が挿通された電線保護管10は、例えば、電気自動車において走行用の動力源を構成するバッテリ、インバータ、モータなどの装置(図示せず)の間に配索される。以下では、図1の左方に延びる方向を前方、上方に延びる方向を後方として説明する。
【0013】
筒状プロテクタ20は、合成樹脂製で、内部に電線70を挿通可能な電線挿通孔21を有する筒形をなす(図19参照)。この電線挿通孔21の径は、挿通される電線70の径にほぼ等しく、電線70が挿通されると、電線70の外周が内面に密着する。
【0014】
また、筒状プロテクタ20は、図6に示すように、半筒形の一対の分割プロテクタ22,22(図6は片方の分割プロテクタ22のみ図示)を嵌め合わせて構成されている。
分割プロテクタ22,22は、共に同形であって、電線70が挿通される半筒形の分割プロテクタ本体部23と、分割プロテクタ本体部23の分割端面23Aから幅方向に張り出す張出部24と、からなる。
【0015】
分割プロテクタ本体部23には、電線通し溝部25が形成されている。分割プロテクタ22,22を嵌め合わせると、電線通し溝部25,25が電線挿通孔21となる。
【0016】
分割プロテクタ22,22の張出部24には、この張出部24を長方形状に切欠いた切欠部26が形成されている。
これにより、張出部24のうち、切欠部26の前方の部分が後述する連結部材40に係止される係止凸部27となり、切欠部26の後方の部分が分割プロテクタ22,22を嵌め合わせた後に、両分割プロテクタ22,22を溶着して一体化する被溶着部28となっている。
【0017】
次に、連結単位チューブ30について説明する。
連結単位チューブ30は、図1に示すように、筒状プロテクタ20,20の間(筒状プロテクタ20とは異なる位置)に配されて、複数の単位チューブ31を連結して構成されている。
【0018】
各単位チューブ31は、図2に示すように、軸方向(挿通される電線70の軸方向。後述する筒部33の軸方向と同じ)の中央部の電線保持部32と、電線保持部32に連なり電線保持部32よりも軸方向の前端側(一端側)の曲面部35と、電線保持部32に連なり電線保持部32よりも軸方向の後端側(曲面部35とは反対側)の凹状の内周面を有する凹状面部37と、からなる。
【0019】
電線保持部32は、円筒形状の筒部33と、筒部33の外周に設けれる放熱リブ34と、を有する。
筒部33は、図4に示すように、円形状の内周面を形成する電線挿通孔41を有する。電線挿通孔41は、挿通される電線70の外形とほぼ同一であって、電線70が挿通された際には、電線70の外周が電線挿通孔41(筒部33)の内周面にほぼ密着する。
【0020】
なお、本実施形態では、電線70には、内側から芯線71、内皮72(絶縁被覆)、編組線73(シールド層)の順に形成(積層)されたいわゆるシールド電線が用いられている。よって、編組線73が筒部33の内周面にほぼ密着する。なお、電線には、シールド電線であって、編組線73(シールド層)の周囲に、更に外皮(絶縁被覆)が形成されているものを用いてもよい。また、シールド電線以外も用いることができ、芯線71(単芯線71やより線)のみの裸線や、芯線71を絶縁被覆で覆う被覆電線も可能である。
【0021】
放熱リブ34は、筒部33の軸方向に所定の間隔を挟んで三個(複数個)並んで設けられている。各放熱リブ34は、一定の高さで筒部33の全周に亘って環状に形成されており、各放熱リブ34の厚みは、筒部33の厚みとほぼ同じである。各放熱リブ34の高さは、放熱リブ34の外径(環状の放熱リブ34の中心からの径)が凹状面部37のうち(最大となる)端部側の部分の外径にほぼ等しくなっている。
【0022】
曲面部35は、筒部33の外周に連なる球形の外周面を有する。曲面部35の内部には、筒部33の電線挿通孔41に連なる撓み許容孔36が形成されている。
【0023】
撓み許容孔36は、電線70の撓み変形を可能にするための円形状の電線挿通孔である。
具体的には、この撓み許容孔36は、筒部33側の端部が電線挿通孔41と同じ大きさの円形状であって電線挿通孔41に連なっており、そこから他端側(単位チューブ31の前端部側)に向かうほど広がる(撓み許容孔36の径が全方位に大きくなる)形状となっている。
【0024】
凹状面部37は、フード状であって、曲面部35とは反対側にて筒部33に連なり、その凹状の内面が隣接する他の単位チューブ31の曲面部35と嵌り合ってその曲面部35の外周面に対して摺動する(曲面部35を軸受する)摺接面とされている。なお、凹状面部37の厚みは、筒部33の厚みとほぼ同じである。
【0025】
凹状面部37の外周面には、図2に示すように、ロック部38と、ロック部38に係合するロック受け部39と、が形成されている。
これらロック部38及びロック受け部39は、図4に示すように、凹状面部37の後端部のうち、分割端面の近傍に形成されており、このうち、ロック部38が凹状面部37の一方の側(図4では上部)に形成されており、ロック受け部39が凹状面部37の他方の側(図4では下部)に形成されている。
【0026】
ロック部38は、棒状の連結ピン部38Aと、連結部の先端部にて外方に凸となるように形成される係止爪部38Bと、を有する。
係止爪部38Bは、先細となっており、先細となる外方側の面がテーパ面とされる。
【0027】
ロック受け部39は、長方形の枠形をなし、内部に長方形状のロック孔39Aが貫通形成されている。ロック孔39Aの上下方向の寸法は、係止爪部38Bの上下方向の寸法(係止爪部38Bの厚み)よりもわずかに小さくなっている。
【0028】
各係止爪部38Bが各ロック孔39Aに挿入されると、ロック部38の係止爪部38Bが、枠形のロック受け部39をわずかに撓ませつつロック孔39Aに進入していく。そして、係止爪部38Bの全体がロック孔39Aを抜けると、図2に示すように、係止爪部38Bの後縁がロック受け部39に係止して単位チューブ31の分割チューブ31A,31Aへの分離が規制される。
【0029】
上記したように単位チューブ31は、軸方向に沿った面で分割された二個の分割チューブ31A,31Aからなり、これら対になる分割チューブ31A,31Aは、同一形状となっている。
ここで、単位チューブ31(分割チューブ31A,31A)の材質は、合成樹脂であって、例えば、PP(ポリプロピレン),PBT(ポリブチレンテレフタレート),PE(ポリエチレン),PET(ポリエチレンテレフタレート)等の熱可塑性樹脂を用いることができる。なお、熱硬化性樹脂等の他の合成樹脂を用いることも可能である。
そして、これら分割チューブ31A,31Aは、それぞれ射出成形により各分割チューブ31A,31Aごとに一体に成形される。
【0030】
次に、連結部材40について説明する。
連結部材40は、図1に示すように、連結単位チューブ30の前端側(一端側)に接続される凹状面部付連結部材41と、連結単位チューブ30の後端側(他端側)に接続される曲面部付連結部材48と、からなる。
凹状面部付連結部材41は、連結単位チューブ30のうち、その長さ方向の端部が曲面部35である前端側に連結されるものであり、図5に示すように、概ね円筒形状をなす。また、凹状面部付連結部材41は、図6に示すように、軸方向に沿った面で分割(半割)した一対の分割連結部材41A,41Aからなり、軸方向の前部にて、筒状プロテクタ20に連結されるプロテクタ接続部43と、軸方向の後部にて、曲面部35に摺動可能に連結される連結用凹状面部42と、を有する。
【0031】
プロテクタ接続部43は、分割プロテクタ本体部23が収容される収容部44と、筒状プロテクタ20の係止凸部27が係止される係止凹部45と、を有する。
収容部44は、分割プロテクタ本体部23の外形と同じ半円形状をなす。
係止凹部45は、分割連結部材41Aの分割端面41Bのうち、収容部44の奥端部の部分を係止凸部27の厚み分だけ切欠いて設けられている。
【0032】
プロテクタ接続部43の円形の外周には、環状の凸部46が形成されている。この凸部46は、例えば、電線保護管10の組み付け装置に連結部材41,48をセットする際の位置決めに用いることができる。なお、本実施形態では、前記組み付け装置ではなく、後述する組み付け治具80を用いて組み付ける例を説明する。
連結用凹状面部42は、凹状面部37と同一形状である。
【0033】
分割連結部材41Aのうち、連結用凹状面部37とプロテクタ接続部43との間には仕切り壁47が設けられており、この仕切り壁47の上部には半円形の電線挿通孔51が形成されている。電線挿通孔51の径(半円の半径)は、電線70の径にほぼ等しいため、電線70を挿通して分割連結部材41A,41Aを嵌め合わせると電線70の外周が電線挿通孔51に密着する。
【0034】
曲面部付連結部材48は、連結単位チューブ30のうち、その長さ方向の端部が凹状面部37である後端側に連結されるものであり、図9に示すように、概ね円筒形状をなす。また、曲面部付連結部材48は、図10に示すように、軸方向に沿った面で分割(半割)した一対の分割連結部材48A,48Aからなり、軸方向の中間部にて電線70を保持する電線保持部52と、電線保持部52の前方側にて電線保持部52と連続し凹状面部37に摺動可能に連結される連結用曲面部49と、電線保持部52の後方側にて電線保持部52と連続し筒状プロテクタ20に連結されるプロテクタ接続部53と、を有する。
【0035】
連結用曲面部49は、単位チューブ31の曲面部35と同一形状であり、電線保持部52は、単位チューブ31の電線保持部32と同一形状である。
【0036】
プロテクタ接続部53は、分割プロテクタ本体部23が収容される収容部54と、筒状プロテクタ20の係止凸部27が係止される係止凹部55と、を有する。
収容部54は、分割プロテクタ本体部23の外形と同じ半円形状をなす。
係止凹部55は、分割連結部材48Aの分割端面48Bのうち、収容部44の奥端部の部分を係止凸部27の厚み分だけ切欠いて設けられている。
【0037】
プロテクタ接続部53の円形の外周には、環状の凸部56が形成されている。この凸部56は、例えば、電線保護管10の組み付け装置に連結部材41,48をセットする際の位置決めに用いることができる。
【0038】
分割連結部材48Aのうち、電線保持部52とプロテクタ接続部43との間には仕切り壁57が設けられており、この仕切り壁57には半円形の電線挿通孔61が形成されている。電線挿通孔61の径(半円の半径)は、電線70の径にほぼ等しいため、電線70を挿通して分割連結部材48A,48Aを嵌め合わせると電線70の外周が電線挿通孔61に密着する。
【0039】
次に、電線保護管10の組み付け治具80について説明する。
組み付け治具80は、図13に示すように、金属板材からなる基台部81と、電線70を挟み込んで位置決めする電線挟持部85と、を有し、これらが奥端部にてヒンジ機構89で接続されることにより、電線挟持部85が奥端部を軸として回動可能に構成されている。
【0040】
基台部81は、上面が長方形状であって、作業者側からみた前後方向(図13の左右方向)の中間部には、電線70が載置される載置凹部82がこの基台部81の全幅(電線70の長さ方向の全長)に亘って形成されている。
基台部81の幅は、複数の連結単位チューブ30及び連結部材40を連結した長さとされる。
基台部81の前部には、作業者が掴むための棒状の把持部83が設けられている。
【0041】
電線挟持部85は、基台部81の幅方向の中心に基台部81の幅に対して短い幅で設けられており、その側面が長方形状をなし、電線70を挟み込むための半円形状の挟持凹部86を有する。この電線挟持部85により、組み付け時に電線70が位置ずれしないように基台部81側に電線70を押し付けて挟持することができる。
電線挟持部85の前部には、作業者が掴むための棒状の把持部87が設けられている。
【0042】
次に、組み付け治具80を使用した組み付け方法について説明する。
作業者は、図14に示すように、組み付け治具80の基台部81の載置凹部82に電線70を載置し、可撓性を持たせたい部分の中心部を電線挟持部85を押し下げて、基台部81と電線挟持部85との間に挟み込む。これにより、保護される電線70の中心部が挟持される。
【0043】
次に、図15に示すように、筒状プロテクタ20の分割プロテクタ22をその端部が基台部81の幅方向の一方の端面81Aに突き当たるように取り付けるとともに、これと対になる分割プロテクタ22を前記一方の端面81Aに突き当たる位置で被せて筒状プロテクタ20とする。
【0044】
同様に、反対側についても、筒状プロテクタ20の分割プロテクタ22をその端部が基台部81の幅方向の他方の端面81Bに突き当たるように取り付けるとともに、これと対になる分割プロテクタ22を前記他方の端面81Bに突き当たる位置で被せて筒状プロテクタ20とする。
【0045】
そして、筒状プロテクタ20の重ね合わされた張出部24(被溶着部28)の部分を挟み込んで溶着する。これにより、筒状プロテクタ20の筒部33の内周面(電線挿通孔21)に電線70が密着した状態となり、筒状プロテクタ20は軸方向にずれることなく電線70に固着された状態となる。
【0046】
次に、図16に示すように、組み付け治具80について電線挟持部85を上げて電線挟持部85による挟持を解除するとともに、組み付け治具80を取り外す。
【0047】
そして、図17に示すように、分割連結部材48A,48Aを嵌め合わせて曲面部付連結部材48を取り付けてから、隣接する各単位チューブ31について、順番にロック部38とロック受け部39とをロックさせて分割チューブ31A,31Aを嵌め合わせいく。最後に、分割連結部材41A,41Aを嵌め合わせて凹状面部付連結部材41が取り付けられると、図18に示すように、電線70の挿通された電線保護管10が完成する。なお、単位チューブ31や連結部材40の取り付けに先立って、電線70の外周にグリースや樹脂(例えば、シリコン系の樹脂)を塗布し、隙間(空気層)をなくして放熱性を更に向上させるようにしてもよい。
そして、このようにして組み付けられた電線保護管10は、図19に示すように、連結単位チューブ30の部分により、車内等の配索する場所の形状に応じて曲げることができる。
【0048】
本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)内部に電線70が挿通される筒状プロテクタ20と、筒状プロテクタ20とは異なる位置にて複数の単位チューブ31が連結され、その内部に電線70が挿通される連結単位チューブ30と、を有する電線保護管10は、各単位チューブ31は、電線70が挿通される電線挿通孔21を有した筒部33と、筒部33に連なり、曲面状の外周面を有する曲面部35と、曲面部35とは反対側にて筒部33に連なり、隣接する単位チューブ31の曲面部35と嵌り合ってその曲面部35の外周面に対して摺動する凹状面部37と、を備える。
このような電線保護管10に電線70が挿通されることにより、電線70を外部からの強い衝撃等から保護できる。また、連結単位チューブ30は、単位チューブ31の曲面部35とこれと隣接する単位チューブ31の凹状面部37とが嵌り合ってその曲面部35の外周面に対して摺動するから、連結単位チューブ30を有する電線保護管10は、連結単位チューブ30の位置で曲げることができる。即ち、可撓性を有し、かつ、強度の強い電線保護管10とすることができる。
【0049】
なお、可撓性を有しつつ電線70を保護するという点では、電線保護管10の全ての部分を連結単位チューブ30で構成することも可能であるが、連結単位チューブ30の部分については、可撓性を有するための構成により、筒状プロテクタ20よりも体積が大きくなりやすく、その分重量が重くなりやすい。一方、本実施形態の構成によれば、可撓性を有する必要のある部分については、連結単位チューブ30とし、可撓性を有する必要のない部分については、筒状プロテクタ20により電線70を保護するから、全てを連結単位チューブ30とする場合よりも電線保護管10を軽量化することができる。
【0050】
(2)連結単位チューブ30と筒状プロテクタ20とを連結する連結部材40を有し、連結部材40の一端側には、単位チューブ31の曲面部35と嵌り合ってその曲面部35の外周面に対して摺動する連結用凹状面部42又は単位チューブ31の凹状面部37と嵌り合ってその凹状面部37の内周面に対して摺動する連結用曲面部49が設けられるとともに、連結部材40の他端側には、筒状プロテクタ20に係止する係止凹部45,55(連結係止部)が設けられる。
このようにすれば、連結部材40により連結単位チューブ30と筒状プロテクタ20とが連結されるから、連結単位チューブ30と筒状プロテクタ20とが離れて内部の電線70が露出することを防止することができる。
【0051】
また、連結単位チューブ30及び筒状プロテクタ20の連結のための構成を連結部材40に設けることにより、連結のために構成の異なる単位チューブ31や筒状プロテクタ20を別途用意する必要がないから、単位チューブ31間や筒状プロテクタ20間の構成を共通化することが可能になる。
【0052】
(3)筒状プロテクタ20には、係止凸部27が形成され、係止凸部27が係止凹部45,55に係止されることにより筒状プロテクタ20と連結部材40とが連結されるから、簡易な構成で、比較的強固に筒状プロテクタ20と連結部材40とを連結することができる。
【0053】
(4)各単位チューブ31における筒部33は、電線70の外周が密着した状態で挿通されるとともに、曲面部35は、筒部33の電線挿通孔21に連なり端部側の径が大きくなる撓み許容孔36を有する。
【0054】
例えば、コルゲートチューブを用いて電線70を保護する場合には、通電時に電線70から発生する熱は、電線70からコルゲートチューブへと伝達されて、コルゲートチューブから外部に放散される。しかしながら電線70とコルゲートチューブとの間には、空気層が存在する。この空気層は熱伝導率が比較的低いので、コルゲートチューブの内部に熱がこもって、電線70が高温になってしまう。特に、自動車のインバータやモータなどの機器間に配される電線70をコルゲートチューブで保護する場合には、電線70から発生する熱が大きいため、電線70が高温になることが懸念される。
【0055】
一方、本実施形態の構成によれば、各単位チューブ31の筒部33に電線70の外周が密着した状態で挿通することにより、熱伝導性の悪い空気層を介さず、電線70から生じた熱を筒部33を介して外部に放散することができる。
【0056】
また、筒部33について電線70を密着させた場合に、曲面部35についても筒部33と同様に電線70を密着させることにすると、電線70の遊びがなくなり、単位チューブ31の連結部分を屈曲させることが困難になるばかりでなく、無理に屈曲させると、電線70が傷つくおそれがある。
【0057】
一方、本実施形態の構成のように、電線挿通孔21に連なり、端部側ほど径が大きくなる撓み許容孔36を有するようにすれば、屈曲させる際の電線70の遊びができ、連結部分の屈曲が容易になるだけでなく、屈曲の際に内部の電線70を傷つけずに済む。
【0058】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、筒状プロテクタ20と連結単位チューブ30とを連結部材40により接続する構成としたが、連結部材40を有さない電線保護管10でもよい。この場合、粘着材等を用いて連結してもよいが、筒状プロテクタ20と連結単位チューブ30とが連結されていないものでもよい。例えば、上記実施形態のように電線挿通孔21に電線70が密着するように挿通することで、筒状プロテクタ20や連結単位チューブ30の位置がずれないようにしてもよい。
【0059】
(2)組み付け治具80の基台部81の幅は、連結単位チューブ30及び連結部材40の長さとしたが、連結部材40を有さない電線保護管10とする場合には、基台部81の幅を、連結単位チューブ30の幅とした組み付け治具を用いることができる。
【符号の説明】
【0060】
10…電線保護管
20…筒状プロテクタ
27…係止凸部
30…連結単位チューブ
31…単位チューブ
33…筒部
35…曲面部
36…撓み許容孔
37…凹状面部
40…連結部材
41…凹状面部付連結部材
42…連結用凹状面部
45…係止凹部(連結係止部)
48…曲面部付連結部材
49…連結用曲面部
70…電線
【技術分野】
【0001】
本発明は、電線保護管に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、筒状のプロテクタが知られている。このプロテクタに電線が挿通されることで、外部の衝撃等から電線を保護するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−186131号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記したプロテクタは、外部の衝撃等から電線を保護することができるものの可撓性を有していないため、配置する場所に応じて湾曲させることができず、使用する場所が限られてしまうという問題があった。
【0005】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、可撓性を有し、かつ、強度の強い電線保護管を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、内部に電線が挿通される筒状プロテクタと、前記筒状プロテクタとは異なる位置にて複数の単位チューブが連結され、その内部に電線が挿通される連結単位チューブと、を有する電線保護管であって、前記各単位チューブは、前記電線が挿通される電線挿通孔を有した筒部と、前記筒部に連なり、曲面状の外周面を有する曲面部と、前記曲面部とは反対側にて前記筒部に連なり、隣接する単位チューブの前記曲面部と嵌り合ってその曲面部の前記外周面に対して摺動する凹状面部と、を備えるところに特徴を有する(手段1)。
手段1の構成によれば、電線保護管に電線が挿通されることにより、電線を外部からの強い衝撃等から保護できる。また、連結単位チューブは、単位チューブの曲面部とこれと隣接する単位チューブの凹状面部とが嵌り合ってその曲面部の前記外周面に対して摺動するから、連結単位チューブを有する電線保護管は、連結単位チューブの位置で曲げることができる。即ち、可撓性を有し、かつ、強度の強い電線保護管とすることができる。
なお、可撓性を有しつつ電線を保護するという点では、電線保護管の全ての部分を連結単位チューブで構成することも可能であるが、連結単位チューブの部分については、可撓性を有するための構成により、筒状プロテクタよりも体積が大きくなりやすく、その分重量が重くなりやすい。一方、手段1の構成によれば、可撓性を有する必要のある部分については、連結単位チューブとし、可撓性を有する必要のない部分については、筒状プロテクタにより電線を保護するから、全てを連結単位チューブとする場合よりも電線保護管を軽量化することができる。
【0007】
手段1の構成に加えて、前記連結単位チューブと前記筒状プロテクタとを連結する連結部材を有し、前記連結部材の一端側には、前記単位チューブの前記曲面部と嵌り合ってその曲面部の前記外周面に対して摺動する連結用凹状面部又は前記単位チューブの前記凹状面部と嵌り合ってその凹状面部の前記内周面に対して摺動する連結用曲面部が設けられるとともに、前記連結部材の他端側には、前記筒状プロテクタに係止する連結係止部が設けられるようにしてもよい(手段2)。
手段2の構成によれば、連結部材により連結単位チューブと筒状プロテクタとが連結されるから、連結単位チューブと筒状プロテクタとが離れて内部の電線が露出することを防止することができる。
また、連結単位チューブ及び筒状プロテクタの連結のための構成を連結部材に設けることにより、連結のために構成の異なる単位チューブや筒状プロテクタを別途用意する必要がないから、単位チューブ間や筒状プロテクタ間の構成を共通化することが可能になる。
【0008】
手段1又は手段2の構成に加えて、前記連結係止部は、係止凹部であり、前記筒状プロテクタには、係止凸部が形成され、前記係止凸部が前記係止凹部に係止されることにより前記筒状プロテクタと前記連結部材とが連結されるようにしてもよい(手段3)。
手段3の構成によれば、簡易な構成で、比較的強固に筒状プロテクタと連結部材とを連結することができる。
【0009】
手段1ないし手段3のいずれか一項の構成に加えて、前記各単位チューブにおける前記筒部は、前記電線の外周が密着した状態で挿通されるとともに、前記曲面部は、前記筒部の電線挿通孔に連なり端部側の径が大きくなる撓み許容孔を有するようにしてもよい(手段4)。
例えば、コルゲートチューブを用いて電線を保護する場合には、通電時に電線から発生する熱は、電線からコルゲートチューブへと伝達されて、コルゲートチューブから外部に放散される。しかしながら電線とコルゲートチューブとの間には、空気層が存在する。この空気層は熱伝導率が比較的低いので、コルゲートチューブの内部に熱がこもって、電線が高温になってしまう。特に、自動車のインバータやモータなどの機器間に配される電線をコルゲートチューブで保護する場合には、電線から発生する熱が大きいため、電線が高温になることが懸念される。
一方、手段4の構成によれば、各単位チューブの筒部に電線の外周が密着した状態で挿通することにより、熱伝導性の悪い空気層を介さず、電線から生じた熱を筒部を介して外部に放散することができる。
また、筒部について電線を密着させた場合に、曲面部についても筒部と同様に電線を密着させることにすると、電線の遊びがなくなり、単位チューブの連結部分を屈曲させることが困難になるばかりでなく、無理に屈曲させると、電線が傷つくおそれがある。
一方、手段4の構成のように、電線挿通孔に連なり、端部側ほど径が大きくなる撓み許容孔を有するようにすれば、屈曲させる際の電線の遊びができ、連結部分の屈曲が容易になるだけでなく、屈曲の際に内部の電線を傷つけずに済む。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、可撓性を有し、かつ、強度の強い電線保護管を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る実施形態の電線保護管に電線が挿入された状態を表す図
【図2】単位チューブを表す斜視図
【図3】分割単位チューブを表す側面図
【図4】分割単位チューブを表す斜視図
【図5】凹状面部付連結部材を表す斜視図
【図6】凹状面部付連結部材を構成する分割連結部材に分割プロテクタが連結される前の状態を表す斜視図
【図7】図6の分割連結部材と分割プロテクタとが連結された状態を表す斜視図
【図8】凹状面部付連結部材と筒状プロテクタとが連結された状態を表す図
【図9】曲面部付連結部材を表す斜視図
【図10】曲面部付連結部材を構成する分割連結部材に分割プロテクタが連結される前の状態を表す斜視図
【図11】図10の分割連結部材と分割プロテクタとが連結された状態を表す斜視図
【図12】曲面部付連結部材と筒状プロテクタとが連結された状態を表す図
【図13】組み付け治具の基台に電線が載置された状態を表す図
【図14】電線挟持部が電線を挟持した状態を表す図
【図15】電線に分割プロテクタが取り付けられた状態を表す図
【図16】組み付け治具を取り外した状態を表す図
【図17】図16に曲面部付連結部材を取り付けた状態を表す図
【図18】電線が挿通された状態の電線保護管を表す図
【図19】電線保護管を湾曲させた状態を表す図
【発明を実施するための形態】
【0012】
<実施形態>
以下、本発明の実施形態を図1〜図19を参照して説明する。
本実施形態における電線保護管10は、図1に示すように、筒状プロテクタ20と、複数の単位チューブ31が連結されてなる連結単位チューブ30と、筒状プロテクタ20と連結単位チューブ30とを連結する連結部材40と、から構成されている。電線70が挿通された電線保護管10は、例えば、電気自動車において走行用の動力源を構成するバッテリ、インバータ、モータなどの装置(図示せず)の間に配索される。以下では、図1の左方に延びる方向を前方、上方に延びる方向を後方として説明する。
【0013】
筒状プロテクタ20は、合成樹脂製で、内部に電線70を挿通可能な電線挿通孔21を有する筒形をなす(図19参照)。この電線挿通孔21の径は、挿通される電線70の径にほぼ等しく、電線70が挿通されると、電線70の外周が内面に密着する。
【0014】
また、筒状プロテクタ20は、図6に示すように、半筒形の一対の分割プロテクタ22,22(図6は片方の分割プロテクタ22のみ図示)を嵌め合わせて構成されている。
分割プロテクタ22,22は、共に同形であって、電線70が挿通される半筒形の分割プロテクタ本体部23と、分割プロテクタ本体部23の分割端面23Aから幅方向に張り出す張出部24と、からなる。
【0015】
分割プロテクタ本体部23には、電線通し溝部25が形成されている。分割プロテクタ22,22を嵌め合わせると、電線通し溝部25,25が電線挿通孔21となる。
【0016】
分割プロテクタ22,22の張出部24には、この張出部24を長方形状に切欠いた切欠部26が形成されている。
これにより、張出部24のうち、切欠部26の前方の部分が後述する連結部材40に係止される係止凸部27となり、切欠部26の後方の部分が分割プロテクタ22,22を嵌め合わせた後に、両分割プロテクタ22,22を溶着して一体化する被溶着部28となっている。
【0017】
次に、連結単位チューブ30について説明する。
連結単位チューブ30は、図1に示すように、筒状プロテクタ20,20の間(筒状プロテクタ20とは異なる位置)に配されて、複数の単位チューブ31を連結して構成されている。
【0018】
各単位チューブ31は、図2に示すように、軸方向(挿通される電線70の軸方向。後述する筒部33の軸方向と同じ)の中央部の電線保持部32と、電線保持部32に連なり電線保持部32よりも軸方向の前端側(一端側)の曲面部35と、電線保持部32に連なり電線保持部32よりも軸方向の後端側(曲面部35とは反対側)の凹状の内周面を有する凹状面部37と、からなる。
【0019】
電線保持部32は、円筒形状の筒部33と、筒部33の外周に設けれる放熱リブ34と、を有する。
筒部33は、図4に示すように、円形状の内周面を形成する電線挿通孔41を有する。電線挿通孔41は、挿通される電線70の外形とほぼ同一であって、電線70が挿通された際には、電線70の外周が電線挿通孔41(筒部33)の内周面にほぼ密着する。
【0020】
なお、本実施形態では、電線70には、内側から芯線71、内皮72(絶縁被覆)、編組線73(シールド層)の順に形成(積層)されたいわゆるシールド電線が用いられている。よって、編組線73が筒部33の内周面にほぼ密着する。なお、電線には、シールド電線であって、編組線73(シールド層)の周囲に、更に外皮(絶縁被覆)が形成されているものを用いてもよい。また、シールド電線以外も用いることができ、芯線71(単芯線71やより線)のみの裸線や、芯線71を絶縁被覆で覆う被覆電線も可能である。
【0021】
放熱リブ34は、筒部33の軸方向に所定の間隔を挟んで三個(複数個)並んで設けられている。各放熱リブ34は、一定の高さで筒部33の全周に亘って環状に形成されており、各放熱リブ34の厚みは、筒部33の厚みとほぼ同じである。各放熱リブ34の高さは、放熱リブ34の外径(環状の放熱リブ34の中心からの径)が凹状面部37のうち(最大となる)端部側の部分の外径にほぼ等しくなっている。
【0022】
曲面部35は、筒部33の外周に連なる球形の外周面を有する。曲面部35の内部には、筒部33の電線挿通孔41に連なる撓み許容孔36が形成されている。
【0023】
撓み許容孔36は、電線70の撓み変形を可能にするための円形状の電線挿通孔である。
具体的には、この撓み許容孔36は、筒部33側の端部が電線挿通孔41と同じ大きさの円形状であって電線挿通孔41に連なっており、そこから他端側(単位チューブ31の前端部側)に向かうほど広がる(撓み許容孔36の径が全方位に大きくなる)形状となっている。
【0024】
凹状面部37は、フード状であって、曲面部35とは反対側にて筒部33に連なり、その凹状の内面が隣接する他の単位チューブ31の曲面部35と嵌り合ってその曲面部35の外周面に対して摺動する(曲面部35を軸受する)摺接面とされている。なお、凹状面部37の厚みは、筒部33の厚みとほぼ同じである。
【0025】
凹状面部37の外周面には、図2に示すように、ロック部38と、ロック部38に係合するロック受け部39と、が形成されている。
これらロック部38及びロック受け部39は、図4に示すように、凹状面部37の後端部のうち、分割端面の近傍に形成されており、このうち、ロック部38が凹状面部37の一方の側(図4では上部)に形成されており、ロック受け部39が凹状面部37の他方の側(図4では下部)に形成されている。
【0026】
ロック部38は、棒状の連結ピン部38Aと、連結部の先端部にて外方に凸となるように形成される係止爪部38Bと、を有する。
係止爪部38Bは、先細となっており、先細となる外方側の面がテーパ面とされる。
【0027】
ロック受け部39は、長方形の枠形をなし、内部に長方形状のロック孔39Aが貫通形成されている。ロック孔39Aの上下方向の寸法は、係止爪部38Bの上下方向の寸法(係止爪部38Bの厚み)よりもわずかに小さくなっている。
【0028】
各係止爪部38Bが各ロック孔39Aに挿入されると、ロック部38の係止爪部38Bが、枠形のロック受け部39をわずかに撓ませつつロック孔39Aに進入していく。そして、係止爪部38Bの全体がロック孔39Aを抜けると、図2に示すように、係止爪部38Bの後縁がロック受け部39に係止して単位チューブ31の分割チューブ31A,31Aへの分離が規制される。
【0029】
上記したように単位チューブ31は、軸方向に沿った面で分割された二個の分割チューブ31A,31Aからなり、これら対になる分割チューブ31A,31Aは、同一形状となっている。
ここで、単位チューブ31(分割チューブ31A,31A)の材質は、合成樹脂であって、例えば、PP(ポリプロピレン),PBT(ポリブチレンテレフタレート),PE(ポリエチレン),PET(ポリエチレンテレフタレート)等の熱可塑性樹脂を用いることができる。なお、熱硬化性樹脂等の他の合成樹脂を用いることも可能である。
そして、これら分割チューブ31A,31Aは、それぞれ射出成形により各分割チューブ31A,31Aごとに一体に成形される。
【0030】
次に、連結部材40について説明する。
連結部材40は、図1に示すように、連結単位チューブ30の前端側(一端側)に接続される凹状面部付連結部材41と、連結単位チューブ30の後端側(他端側)に接続される曲面部付連結部材48と、からなる。
凹状面部付連結部材41は、連結単位チューブ30のうち、その長さ方向の端部が曲面部35である前端側に連結されるものであり、図5に示すように、概ね円筒形状をなす。また、凹状面部付連結部材41は、図6に示すように、軸方向に沿った面で分割(半割)した一対の分割連結部材41A,41Aからなり、軸方向の前部にて、筒状プロテクタ20に連結されるプロテクタ接続部43と、軸方向の後部にて、曲面部35に摺動可能に連結される連結用凹状面部42と、を有する。
【0031】
プロテクタ接続部43は、分割プロテクタ本体部23が収容される収容部44と、筒状プロテクタ20の係止凸部27が係止される係止凹部45と、を有する。
収容部44は、分割プロテクタ本体部23の外形と同じ半円形状をなす。
係止凹部45は、分割連結部材41Aの分割端面41Bのうち、収容部44の奥端部の部分を係止凸部27の厚み分だけ切欠いて設けられている。
【0032】
プロテクタ接続部43の円形の外周には、環状の凸部46が形成されている。この凸部46は、例えば、電線保護管10の組み付け装置に連結部材41,48をセットする際の位置決めに用いることができる。なお、本実施形態では、前記組み付け装置ではなく、後述する組み付け治具80を用いて組み付ける例を説明する。
連結用凹状面部42は、凹状面部37と同一形状である。
【0033】
分割連結部材41Aのうち、連結用凹状面部37とプロテクタ接続部43との間には仕切り壁47が設けられており、この仕切り壁47の上部には半円形の電線挿通孔51が形成されている。電線挿通孔51の径(半円の半径)は、電線70の径にほぼ等しいため、電線70を挿通して分割連結部材41A,41Aを嵌め合わせると電線70の外周が電線挿通孔51に密着する。
【0034】
曲面部付連結部材48は、連結単位チューブ30のうち、その長さ方向の端部が凹状面部37である後端側に連結されるものであり、図9に示すように、概ね円筒形状をなす。また、曲面部付連結部材48は、図10に示すように、軸方向に沿った面で分割(半割)した一対の分割連結部材48A,48Aからなり、軸方向の中間部にて電線70を保持する電線保持部52と、電線保持部52の前方側にて電線保持部52と連続し凹状面部37に摺動可能に連結される連結用曲面部49と、電線保持部52の後方側にて電線保持部52と連続し筒状プロテクタ20に連結されるプロテクタ接続部53と、を有する。
【0035】
連結用曲面部49は、単位チューブ31の曲面部35と同一形状であり、電線保持部52は、単位チューブ31の電線保持部32と同一形状である。
【0036】
プロテクタ接続部53は、分割プロテクタ本体部23が収容される収容部54と、筒状プロテクタ20の係止凸部27が係止される係止凹部55と、を有する。
収容部54は、分割プロテクタ本体部23の外形と同じ半円形状をなす。
係止凹部55は、分割連結部材48Aの分割端面48Bのうち、収容部44の奥端部の部分を係止凸部27の厚み分だけ切欠いて設けられている。
【0037】
プロテクタ接続部53の円形の外周には、環状の凸部56が形成されている。この凸部56は、例えば、電線保護管10の組み付け装置に連結部材41,48をセットする際の位置決めに用いることができる。
【0038】
分割連結部材48Aのうち、電線保持部52とプロテクタ接続部43との間には仕切り壁57が設けられており、この仕切り壁57には半円形の電線挿通孔61が形成されている。電線挿通孔61の径(半円の半径)は、電線70の径にほぼ等しいため、電線70を挿通して分割連結部材48A,48Aを嵌め合わせると電線70の外周が電線挿通孔61に密着する。
【0039】
次に、電線保護管10の組み付け治具80について説明する。
組み付け治具80は、図13に示すように、金属板材からなる基台部81と、電線70を挟み込んで位置決めする電線挟持部85と、を有し、これらが奥端部にてヒンジ機構89で接続されることにより、電線挟持部85が奥端部を軸として回動可能に構成されている。
【0040】
基台部81は、上面が長方形状であって、作業者側からみた前後方向(図13の左右方向)の中間部には、電線70が載置される載置凹部82がこの基台部81の全幅(電線70の長さ方向の全長)に亘って形成されている。
基台部81の幅は、複数の連結単位チューブ30及び連結部材40を連結した長さとされる。
基台部81の前部には、作業者が掴むための棒状の把持部83が設けられている。
【0041】
電線挟持部85は、基台部81の幅方向の中心に基台部81の幅に対して短い幅で設けられており、その側面が長方形状をなし、電線70を挟み込むための半円形状の挟持凹部86を有する。この電線挟持部85により、組み付け時に電線70が位置ずれしないように基台部81側に電線70を押し付けて挟持することができる。
電線挟持部85の前部には、作業者が掴むための棒状の把持部87が設けられている。
【0042】
次に、組み付け治具80を使用した組み付け方法について説明する。
作業者は、図14に示すように、組み付け治具80の基台部81の載置凹部82に電線70を載置し、可撓性を持たせたい部分の中心部を電線挟持部85を押し下げて、基台部81と電線挟持部85との間に挟み込む。これにより、保護される電線70の中心部が挟持される。
【0043】
次に、図15に示すように、筒状プロテクタ20の分割プロテクタ22をその端部が基台部81の幅方向の一方の端面81Aに突き当たるように取り付けるとともに、これと対になる分割プロテクタ22を前記一方の端面81Aに突き当たる位置で被せて筒状プロテクタ20とする。
【0044】
同様に、反対側についても、筒状プロテクタ20の分割プロテクタ22をその端部が基台部81の幅方向の他方の端面81Bに突き当たるように取り付けるとともに、これと対になる分割プロテクタ22を前記他方の端面81Bに突き当たる位置で被せて筒状プロテクタ20とする。
【0045】
そして、筒状プロテクタ20の重ね合わされた張出部24(被溶着部28)の部分を挟み込んで溶着する。これにより、筒状プロテクタ20の筒部33の内周面(電線挿通孔21)に電線70が密着した状態となり、筒状プロテクタ20は軸方向にずれることなく電線70に固着された状態となる。
【0046】
次に、図16に示すように、組み付け治具80について電線挟持部85を上げて電線挟持部85による挟持を解除するとともに、組み付け治具80を取り外す。
【0047】
そして、図17に示すように、分割連結部材48A,48Aを嵌め合わせて曲面部付連結部材48を取り付けてから、隣接する各単位チューブ31について、順番にロック部38とロック受け部39とをロックさせて分割チューブ31A,31Aを嵌め合わせいく。最後に、分割連結部材41A,41Aを嵌め合わせて凹状面部付連結部材41が取り付けられると、図18に示すように、電線70の挿通された電線保護管10が完成する。なお、単位チューブ31や連結部材40の取り付けに先立って、電線70の外周にグリースや樹脂(例えば、シリコン系の樹脂)を塗布し、隙間(空気層)をなくして放熱性を更に向上させるようにしてもよい。
そして、このようにして組み付けられた電線保護管10は、図19に示すように、連結単位チューブ30の部分により、車内等の配索する場所の形状に応じて曲げることができる。
【0048】
本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)内部に電線70が挿通される筒状プロテクタ20と、筒状プロテクタ20とは異なる位置にて複数の単位チューブ31が連結され、その内部に電線70が挿通される連結単位チューブ30と、を有する電線保護管10は、各単位チューブ31は、電線70が挿通される電線挿通孔21を有した筒部33と、筒部33に連なり、曲面状の外周面を有する曲面部35と、曲面部35とは反対側にて筒部33に連なり、隣接する単位チューブ31の曲面部35と嵌り合ってその曲面部35の外周面に対して摺動する凹状面部37と、を備える。
このような電線保護管10に電線70が挿通されることにより、電線70を外部からの強い衝撃等から保護できる。また、連結単位チューブ30は、単位チューブ31の曲面部35とこれと隣接する単位チューブ31の凹状面部37とが嵌り合ってその曲面部35の外周面に対して摺動するから、連結単位チューブ30を有する電線保護管10は、連結単位チューブ30の位置で曲げることができる。即ち、可撓性を有し、かつ、強度の強い電線保護管10とすることができる。
【0049】
なお、可撓性を有しつつ電線70を保護するという点では、電線保護管10の全ての部分を連結単位チューブ30で構成することも可能であるが、連結単位チューブ30の部分については、可撓性を有するための構成により、筒状プロテクタ20よりも体積が大きくなりやすく、その分重量が重くなりやすい。一方、本実施形態の構成によれば、可撓性を有する必要のある部分については、連結単位チューブ30とし、可撓性を有する必要のない部分については、筒状プロテクタ20により電線70を保護するから、全てを連結単位チューブ30とする場合よりも電線保護管10を軽量化することができる。
【0050】
(2)連結単位チューブ30と筒状プロテクタ20とを連結する連結部材40を有し、連結部材40の一端側には、単位チューブ31の曲面部35と嵌り合ってその曲面部35の外周面に対して摺動する連結用凹状面部42又は単位チューブ31の凹状面部37と嵌り合ってその凹状面部37の内周面に対して摺動する連結用曲面部49が設けられるとともに、連結部材40の他端側には、筒状プロテクタ20に係止する係止凹部45,55(連結係止部)が設けられる。
このようにすれば、連結部材40により連結単位チューブ30と筒状プロテクタ20とが連結されるから、連結単位チューブ30と筒状プロテクタ20とが離れて内部の電線70が露出することを防止することができる。
【0051】
また、連結単位チューブ30及び筒状プロテクタ20の連結のための構成を連結部材40に設けることにより、連結のために構成の異なる単位チューブ31や筒状プロテクタ20を別途用意する必要がないから、単位チューブ31間や筒状プロテクタ20間の構成を共通化することが可能になる。
【0052】
(3)筒状プロテクタ20には、係止凸部27が形成され、係止凸部27が係止凹部45,55に係止されることにより筒状プロテクタ20と連結部材40とが連結されるから、簡易な構成で、比較的強固に筒状プロテクタ20と連結部材40とを連結することができる。
【0053】
(4)各単位チューブ31における筒部33は、電線70の外周が密着した状態で挿通されるとともに、曲面部35は、筒部33の電線挿通孔21に連なり端部側の径が大きくなる撓み許容孔36を有する。
【0054】
例えば、コルゲートチューブを用いて電線70を保護する場合には、通電時に電線70から発生する熱は、電線70からコルゲートチューブへと伝達されて、コルゲートチューブから外部に放散される。しかしながら電線70とコルゲートチューブとの間には、空気層が存在する。この空気層は熱伝導率が比較的低いので、コルゲートチューブの内部に熱がこもって、電線70が高温になってしまう。特に、自動車のインバータやモータなどの機器間に配される電線70をコルゲートチューブで保護する場合には、電線70から発生する熱が大きいため、電線70が高温になることが懸念される。
【0055】
一方、本実施形態の構成によれば、各単位チューブ31の筒部33に電線70の外周が密着した状態で挿通することにより、熱伝導性の悪い空気層を介さず、電線70から生じた熱を筒部33を介して外部に放散することができる。
【0056】
また、筒部33について電線70を密着させた場合に、曲面部35についても筒部33と同様に電線70を密着させることにすると、電線70の遊びがなくなり、単位チューブ31の連結部分を屈曲させることが困難になるばかりでなく、無理に屈曲させると、電線70が傷つくおそれがある。
【0057】
一方、本実施形態の構成のように、電線挿通孔21に連なり、端部側ほど径が大きくなる撓み許容孔36を有するようにすれば、屈曲させる際の電線70の遊びができ、連結部分の屈曲が容易になるだけでなく、屈曲の際に内部の電線70を傷つけずに済む。
【0058】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、筒状プロテクタ20と連結単位チューブ30とを連結部材40により接続する構成としたが、連結部材40を有さない電線保護管10でもよい。この場合、粘着材等を用いて連結してもよいが、筒状プロテクタ20と連結単位チューブ30とが連結されていないものでもよい。例えば、上記実施形態のように電線挿通孔21に電線70が密着するように挿通することで、筒状プロテクタ20や連結単位チューブ30の位置がずれないようにしてもよい。
【0059】
(2)組み付け治具80の基台部81の幅は、連結単位チューブ30及び連結部材40の長さとしたが、連結部材40を有さない電線保護管10とする場合には、基台部81の幅を、連結単位チューブ30の幅とした組み付け治具を用いることができる。
【符号の説明】
【0060】
10…電線保護管
20…筒状プロテクタ
27…係止凸部
30…連結単位チューブ
31…単位チューブ
33…筒部
35…曲面部
36…撓み許容孔
37…凹状面部
40…連結部材
41…凹状面部付連結部材
42…連結用凹状面部
45…係止凹部(連結係止部)
48…曲面部付連結部材
49…連結用曲面部
70…電線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に電線が挿通される筒状プロテクタと、前記筒状プロテクタとは異なる位置にて複数の単位チューブが連結され、その内部に電線が挿通される連結単位チューブと、を有する電線保護管であって、
前記各単位チューブは、
前記電線が挿通される電線挿通孔を有した筒部と、
前記筒部に連なり、曲面状の外周面を有する曲面部と、
前記曲面部とは反対側にて前記筒部に連なり、隣接する単位チューブの前記曲面部と嵌り合ってその曲面部の前記外周面に対して摺動する凹状面部と、を備えることを特徴とする電線保護管。
【請求項2】
前記連結単位チューブと前記筒状プロテクタとを連結する連結部材を有し、前記連結部材の一端側には、前記単位チューブの前記曲面部と嵌り合ってその曲面部の前記外周面に対して摺動する連結用凹状面部又は前記単位チューブの前記凹状面部と嵌り合ってその凹状面部の前記内周面に対して摺動する連結用曲面部が設けられるとともに、前記連結部材の他端側には、前記筒状プロテクタに係止する連結係止部が設けられることを特徴とする請求項1記載の電線保護管。
【請求項3】
前記連結係止部は、係止凹部であり、前記筒状プロテクタには、係止凸部が形成され、前記係止凸部が前記係止凹部に係止されることにより前記筒状プロテクタと前記連結部材とが連結されることを特徴とする請求項2記載の電線保護管。
【請求項4】
前記各単位チューブにおける前記筒部は、
前記電線の外周が密着した状態で挿通されるとともに、
前記曲面部は、
前記筒部の電線挿通孔に連なり端部側の径が大きくなる撓み許容孔を有することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の電線保護管。
【請求項1】
内部に電線が挿通される筒状プロテクタと、前記筒状プロテクタとは異なる位置にて複数の単位チューブが連結され、その内部に電線が挿通される連結単位チューブと、を有する電線保護管であって、
前記各単位チューブは、
前記電線が挿通される電線挿通孔を有した筒部と、
前記筒部に連なり、曲面状の外周面を有する曲面部と、
前記曲面部とは反対側にて前記筒部に連なり、隣接する単位チューブの前記曲面部と嵌り合ってその曲面部の前記外周面に対して摺動する凹状面部と、を備えることを特徴とする電線保護管。
【請求項2】
前記連結単位チューブと前記筒状プロテクタとを連結する連結部材を有し、前記連結部材の一端側には、前記単位チューブの前記曲面部と嵌り合ってその曲面部の前記外周面に対して摺動する連結用凹状面部又は前記単位チューブの前記凹状面部と嵌り合ってその凹状面部の前記内周面に対して摺動する連結用曲面部が設けられるとともに、前記連結部材の他端側には、前記筒状プロテクタに係止する連結係止部が設けられることを特徴とする請求項1記載の電線保護管。
【請求項3】
前記連結係止部は、係止凹部であり、前記筒状プロテクタには、係止凸部が形成され、前記係止凸部が前記係止凹部に係止されることにより前記筒状プロテクタと前記連結部材とが連結されることを特徴とする請求項2記載の電線保護管。
【請求項4】
前記各単位チューブにおける前記筒部は、
前記電線の外周が密着した状態で挿通されるとともに、
前記曲面部は、
前記筒部の電線挿通孔に連なり端部側の径が大きくなる撓み許容孔を有することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の電線保護管。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2010−187474(P2010−187474A)
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−29826(P2009−29826)
【出願日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】
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