説明

電線接続用具

【課題】電線を簡単に接続することができ、作業性に優れた電線接続用具を提供する。
【解決手段】下記手順で電線を接続する電線接続用具10とする。
(1)両スライドリング44をスリーブ12の中央側にスライドさせた状態で、スリーブ内に両端開口から電線50の導体50aを挿入することにより、スリーブの第2板部34、第3板部36の中央側端部34a、36aと筒体14の内壁との間に導体を挟持する。
(2)両スライドリングをスリーブの開口側にスライドさせ、両スライドリングの小径部44bの内壁でスリーブの第1板部32、第4板部38の突出部分32c、38cを押圧することにより、折曲部32b、38bとスリーブの内壁との間に導体を挟持する。
(3)ストッパー46を、両スライドリングの小径部に装着する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電線を接続するための電線接続用具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電線を接続するための電線接続用具として、略円筒状の金属製圧着スリーブが使用されている(例えば、非特許文献1参照)。この圧着スリーブを用いて電線を接続する場合、電線の導体をスリーブ内に挿入し、次いで専用の圧着工具を用いてスリーブを変形させることにより、導体とスリーブとを圧着させた後、スリーブに絶縁テープを巻き付けることなどにより、スリーブの絶縁を行うものである。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】http://www.asahi-net.or.jp/~yl1h-nkmr/parts/atyaku.html
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、前述した圧着スリーブは、圧着工具によりスリーブを変形させてスリーブに導体を固定した後、スリーブに絶縁テープを巻き付けることなどによりスリーブの絶縁を行うものであるため、電線の接続作業が面倒で、作業性が悪いものであった。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、電線を簡単に接続することができ、作業性に優れた電線接続用具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前記目的を達成するため、
筒体の一端開口から他端開口にかけて、長さが等しく互いに平行な2本のスリットからなる第1スリット対、第2スリット対、第3スリット対および第4スリット対が軸方向に沿って所定間隔離間して形成され、かつ、前記第2スリット対および第3スリット対の2本のスリットの中央側端部間にそれぞれスリットが形成されていることにより、前記第1〜第4スリット対の2本のスリット間に、順次、開口側端部が自由端とされた第1板部、中央側端部が自由端とされた第2板部、中央側端部が自由端とされた第3板部および開口側端部が自由端とされた第4板部が設けられ、両端開口から筒体内に電線の導体が挿入される導電性スリーブであって、前記第1板部および第4板部は、開口側端部側に内方に折り曲げられた折曲部を有するとともに、前記折曲部の折曲箇所は筒体の外方に突出し、前記第2板部および第3板部は、中央側端部が筒体の内方に突出して、前記中央側端部と筒体の内壁との間に電線の導体を挟持できるようになっている導電性スリーブと、
筒状の大径部と前記大径部より外径および内径が小さい筒状の小径部とが連設され、大径部を筒体の開口側に配置した状態で前記導電性スリーブの外周面を覆い、導電性スリーブの軸方向にスライド可能な2個の絶縁スライドリングであって、両絶縁スライドリングをそれぞれ導電性スリーブの中央側にスライドさせたときには、前記大径部の内壁が第1板部および第4板部の突出部分を押圧せず、2個の絶縁スライドリングをそれぞれ導電性スリーブの開口側にスライドさせたときには、前記小径部の内壁が第1板部および第4板部の突出部分を押圧する2個の絶縁スライドリングと、
前記2個の絶縁スライドリングをそれぞれ導電性スリーブの開口側にスライドさせたときに、両絶縁スライドリングの小径部に装着される絶縁ストッパーとを具備し、
前記両絶縁スライドリングをそれぞれ前記導電性スリーブの中央側にスライドさせた状態で、前記導電性スリーブ内にその両端開口から電線の導体を挿入して、前記第2板部および第3板部の中央側端部と筒体の内壁との間に前記導体を挟持し、次いで前記両絶縁スライドリングをそれぞれ前記導電性スリーブの開口側にスライドさせ、前記両絶縁スライドリングの小径部の内壁で前記第1板部および第4板部の突出部分を押圧して前記折曲部を内方に押し込み、前記折曲部とスリーブの内壁との間に導体を挟持した後、前記絶縁ストッパーを、前記両絶縁スライドリングの大径部間において、前記両絶縁スライドリングの小径部に装着することを特徴とする電線接続用具を提供する。
【0007】
また、本発明は、筒体の一端開口近傍から他端開口近傍にかけて、長さが等しく互いに平行な2本のスリットからなる第1スリット対、第2スリット対、第3スリット対および第4スリット対が軸方向に沿って所定間隔離間して形成され、かつ、前記第1スリット対および第4スリット対の2本のスリットの開口側端部間ならびに前記第2スリット対および第3スリット対の2本のスリットの中央側端部間にそれぞれスリットが形成されていることにより、前記第1〜第4スリット対の2本のスリット間に、順次、開口側端部が自由端とされた第1板部、中央側端部が自由端とされた第2板部、中央側端部が自由端とされた第3板部および開口側端部が自由端とされた第4板部が設けられ、両端開口から筒体内に電線の導体が挿入される導電性スリーブであって、前記第1板部および第4板部は、開口側端部側に内方に折り曲げられた折曲部を有するとともに、前記折曲部の折曲箇所は筒体の外方に突出し、前記第2板部および第3板部は、中央側端部が筒体の内方に突出して、前記中央側端部と筒体の内壁との間に電線の導体を挟持できるようになっている導電性スリーブと、
筒状の大径部と前記大径部より外径および内径が小さい筒状の小径部とが連設され、大径部を筒体の開口側に配置した状態で前記導電性スリーブの外周面を覆い、導電性スリーブの軸方向にスライド可能な2個の絶縁スライドリングであって、両絶縁スライドリングをそれぞれ導電性スリーブの中央側にスライドさせたときには、前記大径部の内壁が第1板部および第4板部の突出部分を押圧せず、2個の絶縁スライドリングをそれぞれ導電性スリーブの開口側にスライドさせたときには、前記小径部の内壁が第1板部および第4板部の突出部分を押圧する2個の絶縁スライドリングと、
前記2個の絶縁スライドリングをそれぞれ導電性スリーブの開口側にスライドさせたときに、両絶縁スライドリングの小径部に装着される絶縁ストッパーとを具備し、
前記両絶縁スライドリングをそれぞれ前記導電性スリーブの中央側にスライドさせた状態で、前記導電性スリーブ内にその両端開口から電線の導体を挿入して、前記第2板部および第3板部の中央側端部と筒体の内壁との間に前記導体を挟持し、次いで前記両絶縁スライドリングをそれぞれ前記導電性スリーブの開口側にスライドさせ、前記両絶縁スライドリングの小径部の内壁で前記第1板部および第4板部の突出部分を押圧して前記折曲部を内方に押し込み、前記折曲部とスリーブの内壁との間に導体を挟持した後、前記絶縁ストッパーを、前記両絶縁スライドリングの大径部間において、前記両絶縁スライドリングの小径部に装着することを特徴とする電線接続用具を提供する。
【0008】
本発明の電線接続用具は、上述した構成としたことにより、スリーブ内に電線の導体を挿入し、次いで両スライドリングをスリーブの開口側にスライドさせることにより、電線の導体をスリーブに接続した後、ストッパーをスライドリングの小径部に装着するだけで、電線を簡単に接続することができ、そのため作業性に優れている。
【0009】
本発明では、前記導電性スリーブは、前記第2スリット対および第3スリット対の2本のスリットの中央側端部間にそれぞれ形成されたスリット間に、筒体の軸方向中央部に位置する中央板部が設けられ、前記中央板部の中央部に導体のストッパーとしての機能を有する凹部が設けられている構成とすることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の電線接続用具は、電線を簡単に接続することができ、作業性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態に係る電線接続用具を示すもので、上記電線接続用具に電線を仮止めする前の状態を示す斜視図である。
【図2】図1の電線接続用具に電線を仮止めした状態を示す斜視図である。
【図3】図1の電線接続用具の絶縁スライドリングに絶縁ストッパーを取り付ける前の状態を示す斜視図である。
【図4】図1の電線接続用具の絶縁スライドリングに絶縁ストッパーを取り付けて電線の接続が完了した状態を示す斜視図である。
【図5】図1の電線接続用具の導電性スリーブを示すもので、(a)は平面図、(b)は正面断面図、(c)は左側面図である。
【図6】図1の電線接続用具を用いた電線の接続手順を示す説明図であり、(a)は電線を仮止めした状態を示す図、(b)は電線の接続が完了した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明するが、本発明は下記例に限定されるものではない。図1〜図4は、本発明に係る電線接続用具の一実施形態を示すもので、図1は電線を仮止めする前の状態を示す斜視図(絶縁ストッパーを除く)、図2は電線を仮止めした後の状態を示す斜視図(絶縁ストッパーを除く)、図3は絶縁スライドリングに絶縁ストッパーを取り付ける前の状態を示す斜視図、図4は絶縁スライドリングに絶縁ストッパーを取り付けて電線の接続が完了した状態を示す斜視図である。また、図5は、図1の電線接続用具の導電性スリーブを示すもので、(a)は平面図、(b)は正面断面図、(c)は左側面図である。
【0013】
本例の電線接続用具10において、12は両端開口から内部に電線の導体が挿入される導電性スリーブである。スリーブ12は、銅、銅合金、鉄、鉄合金、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼等の金属や、導電性樹脂などの導電性物質(本例では、具体的にはコルソン合金(C7025)を使用。)により形成されている。
【0014】
本例のスリーブ12は、図5に示すように、略円筒状の筒体14の一端開口16から他端開口18にかけて、長さが等しく互いに平行な2本のスリット20a、20bからなる第1スリット対20、同様の2本のスリット22a、22bからなる第2スリット対22、同様の2本のスリット24a、24bからなる第3スリット対24、および、同様の2本のスリット26a、26bからなる第4スリット対26が、軸方向に沿って所定間隔離間して形成されている。また、第2スリット対22の2本のスリット22a、22bの中央側端部間、および、第3スリット対24の2本のスリット24a、24bの中央側端部間には、それぞれスリット28、30が形成されている。
【0015】
そして、第1〜第4スリット対20、22、24、26の2本のスリット間に、順次、開口側端部32aが自由端とされた第1板部32、中央側端部34aが自由端とされた第2板部34、中央側端部36aが自由端とされた第3板部36、および、開口側端部38aが自由端とされた第4板部38が設けられている。また、スリット28、30の間には、筒体14の軸方向中央部に位置する中央板部40が設けられている。
【0016】
第1板部32、第4板部38は、開口側端部側に内方に折り曲げられた折曲部32b、38bを有するとともに、これら折曲部32b、38bの折曲箇所32c、38cは筒体14の外方に突出している。第2板部34、第3板部36は、中央側端部34a、36aが筒体14の内方に突出して、上記中央側端部34a、36aと筒体14の内壁との間に電線の導体を挟持できるようになっている。また、中央板部40の中央部には、略逆円錐形状の凹部42が設けられ、筒体14内に電線の導体を挿入したときに、導体の先端が凹部42の底面に当たって止まるようになっている。すなわち、凹部42は、電線の導体のストッパーとしての機能を有する。
【0017】
本例の電線接続用具10において、44はスリーブ12の外周面を覆う2個の絶縁スライドリングである。スライドリング44は、絶縁性樹脂などの絶縁性物質(本例では、具体的にはポリカーボネート樹脂を使用。)により形成されている。
【0018】
本例のスライドリング44は、円筒状の大径部44aと、大径部44aよりも外径および内径が小さい円筒状の小径部44bとが連設されたもので、大径部44aを筒体14の開口側、小径部44bを筒体14の中央側に配置した状態で、スリーブ12の外周面を覆っている。
【0019】
スライドリング44は、スリーブ12の軸方向にスライド可能であって、両スライドリング44をそれぞれスリーブ12の中央側にスライドさせたときには、図6(a)に示すように、大径部44aの内壁が第1板部32、第4板部38の突出部分32c、38cを押圧せず、両スライドリング44をそれぞれスリーブ12の開口側にスライドさせたときには、図6(b)に示すように、小径部44bの内壁が第1板部32、第4板部38の突出部分32c、38cを押圧するようになっている。より具体的には、小径部44bの内径は、スリーブ12の筒体14の内径とほぼ等しく、大径部44aの内径は、スリーブ12の筒体14の内径と、第1板部32、第4板部38の径方向突出長さの2倍との和にほぼ等しい。
【0020】
本例の電線接続用具10において、46は絶縁ストッパーである。ストッパー46は、絶縁性樹脂などの絶縁性物質(本例では、具体的にはPOM(ポリオキシメチレン)樹脂を使用。)により形成された断面円弧状のもので、その断面円弧長は、半円の円弧長よりも若干大きく形成されている。
【0021】
ストッパー46は可撓性を有し、2個のスライドリング44をそれぞれスリーブ12の開口側にスライドさせたときに、両スライドリング44の大径部44a間において、両スライドリング44の小径部44bに装着されるもので、これにより両スライドリング44がスリーブ12の中央側にスライドすることが防止される。この場合、ストッパー46の外周面の開口部46aからストッパー46内にスライドリング44の小径部44bを押し込むと、上記開口部46aの幅が広がってストッパー46内に小径部44bが入り、その後上記開口部46aの幅が元の状態に復帰することにより、ストッパー46内に小径部44bが収納されるようになっている。
【0022】
本例の電線接続用具10を用いた電線の接続は、下記(1)〜(3)の手順で行う。なお、電線の種類に特に限定はない。
(1)図6(a)に示すように、両スライドリング44をそれぞれスリーブ12の中央側にスライドさせた状態で、スリーブ12内にその両端開口から被覆を取り除いた電線50の導体50aを挿入する。これにより、スリーブ12の第2板部34、第3板部36の中央側端部34a、36aと筒体14の内壁との間に導体50aが挟持され、電線接続用具10に電線50が仮止めされる(図1、図2参照)。なお、導体50aの先端は凹部42の底面に当たり、それ以上は進まない。
(2)図6(b)に示すように、両スライドリング44をそれぞれスリーブ12の開口側にスライドさせ、両スライドリング44の小径部44bの内壁で第1板部32、第4板部38の突出部分32c、38cを押圧して、折曲部32b、38bを内方に押し込み、折曲部32b、38bとスリーブ12の内壁との間に導体50aを挟持する(図3参照)。なお、両スライドリング44の小径部44bは電線50の絶縁体50bに当たり、それ以上は進まない。
(3)図6(b)に示すように、ストッパー46を、両スライドリング44の大径部44a間において、両スライドリング44の小径部44bに装着する(図4参照)。これにより、両スライドリング44がスリーブ12の中央側にスライドして、導体50aがスリーブ12から外れることが防止されるとともに、スリーブ12、導体50aが電気的に絶縁される。
【0023】
以上のように、本実施形態の電線接続用具は、スリーブ内に電線の導体を挿入し、次いで両スライドリングをスリーブの開口側にスライドさせた後、ストッパーをスライドリングの小径部に装着するだけで、電線を簡単に接続することができるため、作業性に優れている。
【0024】
なお、本発明の電線接続用具は、上記実施形態に限定されるものではなく、導電性スリーブ、絶縁スライドリング、絶縁リングストッパーの材質、形状、構造等は適宜設定することが可能である。例えば、上記実施形態では、導電性スリーブの第1、第4スリット対の両スリットを筒体の開口まで延ばしたが、両スリットを筒体の開口近傍まで形成し、両スリットの開口側端部間にスリットを形成することにより、第1、第4板部を設けてもよい。
【符号の説明】
【0025】
10 電線接続用具
12 導電性スリーブ
14 筒体
16 一端開口
18 他端開口
20 第1スリット対
20a、20b スリット
22 第2スリット対
22a、22b スリット
24 第3スリット対
24a、24b スリット
26 第4スリット対
26a、26b スリット
28、30 スリット
32 第1板部
32a 開口側端部
34 第2板部
34a 中央側端部
36 第3板部
36a 中央側端部
38 第4板部
38a 開口側端部
40 中央板部
42 凹部
44 絶縁スライドリング
44a 大径部
44b 小径部
46 絶縁ストッパー
50 電線
50a 導体
50b 絶縁体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒体の一端開口から他端開口にかけて、長さが等しく互いに平行な2本のスリットからなる第1スリット対、第2スリット対、第3スリット対および第4スリット対が軸方向に沿って所定間隔離間して形成され、かつ、前記第2スリット対および第3スリット対の2本のスリットの中央側端部間にそれぞれスリットが形成されていることにより、前記第1〜第4スリット対の2本のスリット間に、順次、開口側端部が自由端とされた第1板部、中央側端部が自由端とされた第2板部、中央側端部が自由端とされた第3板部および開口側端部が自由端とされた第4板部が設けられ、両端開口から筒体内に電線の導体が挿入される導電性スリーブであって、前記第1板部および第4板部は、開口側端部側に内方に折り曲げられた折曲部を有するとともに、前記折曲部の折曲箇所は筒体の外方に突出し、前記第2板部および第3板部は、中央側端部が筒体の内方に突出して、前記中央側端部と筒体の内壁との間に電線の導体を挟持できるようになっている導電性スリーブと、
筒状の大径部と前記大径部より外径および内径が小さい筒状の小径部とが連設され、大径部を筒体の開口側に配置した状態で前記導電性スリーブの外周面を覆い、導電性スリーブの軸方向にスライド可能な2個の絶縁スライドリングであって、両絶縁スライドリングをそれぞれ導電性スリーブの中央側にスライドさせたときには、前記大径部の内壁が第1板部および第4板部の突出部分を押圧せず、2個の絶縁スライドリングをそれぞれ導電性スリーブの開口側にスライドさせたときには、前記小径部の内壁が第1板部および第4板部の突出部分を押圧する2個の絶縁スライドリングと、
前記2個の絶縁スライドリングをそれぞれ導電性スリーブの開口側にスライドさせたときに、両絶縁スライドリングの小径部に装着される絶縁ストッパーとを具備し、
前記両絶縁スライドリングをそれぞれ前記導電性スリーブの中央側にスライドさせた状態で、前記導電性スリーブ内にその両端開口から電線の導体を挿入して、前記第2板部および第3板部の中央側端部と筒体の内壁との間に前記導体を挟持し、次いで前記両絶縁スライドリングをそれぞれ前記導電性スリーブの開口側にスライドさせ、前記両絶縁スライドリングの小径部の内壁で前記第1板部および第4板部の突出部分を押圧して前記折曲部を内方に押し込み、前記折曲部とスリーブの内壁との間に導体を挟持した後、前記絶縁ストッパーを、前記両絶縁スライドリングの大径部間において、前記両絶縁スライドリングの小径部に装着することを特徴とする電線接続用具。
【請求項2】
筒体の一端開口近傍から他端開口近傍にかけて、長さが等しく互いに平行な2本のスリットからなる第1スリット対、第2スリット対、第3スリット対および第4スリット対が軸方向に沿って所定間隔離間して形成され、かつ、前記第1スリット対および第4スリット対の2本のスリットの開口側端部間ならびに前記第2スリット対および第3スリット対の2本のスリットの中央側端部間にそれぞれスリットが形成されていることにより、前記第1〜第4スリット対の2本のスリット間に、順次、開口側端部が自由端とされた第1板部、中央側端部が自由端とされた第2板部、中央側端部が自由端とされた第3板部および開口側端部が自由端とされた第4板部が設けられ、両端開口から筒体内に電線の導体が挿入される導電性スリーブであって、前記第1板部および第4板部は、開口側端部側に内方に折り曲げられた折曲部を有するとともに、前記折曲部の折曲箇所は筒体の外方に突出し、前記第2板部および第3板部は、中央側端部が筒体の内方に突出して、前記中央側端部と筒体の内壁との間に電線の導体を挟持できるようになっている導電性スリーブと、
筒状の大径部と前記大径部より外径および内径が小さい筒状の小径部とが連設され、大径部を筒体の開口側に配置した状態で前記導電性スリーブの外周面を覆い、導電性スリーブの軸方向にスライド可能な2個の絶縁スライドリングであって、両絶縁スライドリングをそれぞれ導電性スリーブの中央側にスライドさせたときには、前記大径部の内壁が第1板部および第4板部の突出部分を押圧せず、2個の絶縁スライドリングをそれぞれ導電性スリーブの開口側にスライドさせたときには、前記小径部の内壁が第1板部および第4板部の突出部分を押圧する2個の絶縁スライドリングと、
前記2個の絶縁スライドリングをそれぞれ導電性スリーブの開口側にスライドさせたときに、両絶縁スライドリングの小径部に装着される絶縁ストッパーとを具備し、
前記両絶縁スライドリングをそれぞれ前記導電性スリーブの中央側にスライドさせた状態で、前記導電性スリーブ内にその両端開口から電線の導体を挿入して、前記第2板部および第3板部の中央側端部と筒体の内壁との間に前記導体を挟持し、次いで前記両絶縁スライドリングをそれぞれ前記導電性スリーブの開口側にスライドさせ、前記両絶縁スライドリングの小径部の内壁で前記第1板部および第4板部の突出部分を押圧して前記折曲部を内方に押し込み、前記折曲部とスリーブの内壁との間に導体を挟持した後、前記絶縁ストッパーを、前記両絶縁スライドリングの大径部間において、前記両絶縁スライドリングの小径部に装着することを特徴とする電線接続用具。
【請求項3】
前記導電性スリーブは、前記第2スリット対および第3スリット対の2本のスリットの中央側端部間にそれぞれ形成されたスリット間に、筒体の軸方向中央部に位置する中央板部が設けられ、前記中央板部の中央部に導体のストッパーとしての機能を有する凹部が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の電線接続用具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−71043(P2011−71043A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−222916(P2009−222916)
【出願日】平成21年9月28日(2009.9.28)
【出願人】(591086843)古河電工産業電線株式会社 (40)
【出願人】(000145183)株式会社七星科学研究所 (14)
【Fターム(参考)】