説明

電線皮剥き装置

【目的】 電線Wの長手方向中間部における絶縁被覆b部の除去を迅速且つ確実に行うことのできる電線皮剥き装置を提供すること。
【構成】電線Wの絶縁被覆bに対して円周方向の切込みを入れる上下一対の横切込みカッタ2,2と、前記絶縁被覆bに対して長手方向の接線上に切込みを入れる接線切込みカッタ31とを備えていること。前記上下一対の横切込みカッタ2,2が、皮剥ぎ長さに相当する間隔に2つが対向して設置されていること。上下方向に可動する前記接線切込みカッタ31の刃先部31aが、前記横切込みカッタ2に設けた平行刃部22の高さよりも僅かに高く形成されてなること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電線の長手方向中間部における絶縁被覆部の除去を迅速且つ確実に行うことのできる電線皮剥き装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の皮剥き装置には、種々の構成の物が存在するが、長手方向切込みカッタをどのように設けているかである。その第1は、皮剥き部の上又は下で1つに割りを入れるタイプと、第2は、皮剥き部を2つに割れるタイプと、第3は、皮剥き部を4つに割れるタイプとが存在している。その第1は、特許文献1(特開2007−166871)に示すように、直線刃121によって、芯線11の中心に向かって被覆部材12を切断するように構成されている。
【0003】
その第2は、特許文献2(特開2000−341819)に示すように、皮剥き部が長手方向切込みカッタ8,9によって、電線1の絶縁被覆1a´が、超音波ホーンにて加熱されつつ、両側下方から割溝的に切断されて、エア吹き出しチューブ29にて吹き飛ばされるようにした皮剥き装置が構成されている。また、その第3は、特許文献3(特開平11−299037号)に示すように、固定切り刃1´a,1´bにて、電線の被覆7が、4つに分割されるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−166871
【特許文献2】特開2000−341819
【特許文献3】特開平11−299037号
【0005】
特許文献1(特開2007−166871)に開示された電線皮剥きは、直線刃121によって、芯線11の中心に向かって被覆部材12を切断するように構成されているが、その1箇所のみ分割されているときは、その1箇所から人の手で剥き取ろうとしても簡単に取れないという重大な欠点がある。さらに、特許文献2(特開2000−341819)の場合には、装置が大型化しており、片手又は両手にて簡易且つ迅速に電線の適宜な箇所を皮剥きができなかった。また、特許文献3(特開平11−299037号)による電線皮剥きでは、電線の被覆7が、4つに分割され、両側の片b,b´は落下して、その他の片a,a´をエジェクタービン10にて突き出し除去しているが、構成が複雑であるのみならず、その皮剥きした箇所の両側の片b,b´が常に飛散してしまうという確実な処理ができない欠点があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記した問題又は不都合等を解消すべく、電線の中間部から絶縁被覆を、簡単且つ確実に切断することができ、その絶縁被覆が付いている状態で、極めて簡単に、その絶縁被覆を取り除く(皮剥きする)ことができ、皮剥きした片が飛散などせず、処理が良好にできる電線皮剥き装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、発明者は上記課題を解決すべく鋭意,研究を重ねた結果、請求項1の発明を、電線の絶縁被覆に対して円周方向の切込みを入れる上下一対の横切込みカッタと、前記絶縁被覆に対して長手方向の接線上に切込みを入れる接線切込みカッタとを備え、前記上下一対の横切込みカッタが、皮剥ぎ長さに相当する間隔に2つが対向して設置されると共に、上下方向に可動する前記接線切込みカッタの刃先部が、前記横切込みカッタに設けた平行刃部の高さよりも僅かに高く形成されてなることを特徴とする電線皮剥き装置としたことにより、前記課題を解決した。
【0008】
請求項2の発明を、請求項1において、前記横切込みカッタの半円状刃部の半径は、電線の芯線径と同等とすると共に、前記接線切込みカッタの先端刃面は前記電線の芯線外周の接線上に位置するように設けてなることを特徴とする電線皮剥き装置としたことにより、前記課題を解決した。請求項3の発明を、請求項1又は2において、左右側で上下一対の前記横切込みカッタの刃部の傾面は、左右側のそれぞれ外側に位置してなることを特徴とする電線皮剥き装置としたことにより、前記課題を解決した。
【0009】
請求項4の発明を、請求項1,2又は3において、下側で左右側の前記横切込みカッタの外側に、それぞれ前記電線をガイドする横ガイドを添設し、該横ガイドが上側の左右側の前記横切込みカッタの外側にも摺動可能にしてなることを特徴とする電線皮剥き装置としたことにより、前記課題を解決した。また、請求項5の発明を、請求項1,2,3又は4において、前記横切込みカッタは上下のホルダーの左右側に設けられると共に、前記接線切込みカッタは下側支え部を介して下側の前記ホルダーに設けられ、前記下側支え部に対向する上側押え部を上側の前記ホルダーに設けられてなることを特徴とする電線皮剥き装置としたことにより、前記課題を解決した。
【0010】
請求項6の発明を、請求項5において、前記ホルダーに対して、前記横切込みカッタに対して固着具にて固着すると共に、前記下側支え部及び上側押え部は蟻溝接合してなり、これらを上下の切断刃体としてなることを特徴とする電線皮剥き装置としたことにより、前記課題を解決した。請求項7の発明を、請求項6において、上下の前記切断刃体をハンド具の両先端に着脱自在に設けてなることを特徴とする電線皮剥き装置としたことにより、前記課題を解決した。請求項8の発明を、請求項6において、上下の前記切断刃体を固定型開閉装置の両開閉部材に着脱自在に設けてなることを特徴とする電線皮剥き装置としたことにより、前記課題を解決したものである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明においては、皮剥きが良好にできる。特に、切断直後において、絶縁被覆が巻きついていると共に、そこを剥くときに、絶縁被覆の端が反った端面であり、極めて剥き易いものにできる。つまり、切断直後において、絶縁被覆が巻きつつ、しかも極めて剥き易くできる利点がある。さらに、その絶縁被覆の端が反った端の根元が確実に分離状態になっているために、剥き易くできるというものである。これを、ハンド具に付けて実施すれば、工場のみならず、種々の現場にて、良好に対応できる効果がある。
【0012】
請求項2の発明においては、電線の線径に合致したものとすることによって、電線皮剥きを極めて整然且つ迅速で、さらに簡易にできる。請求項3の発明では、皮剥き箇所の寸法を正確にできる。請求項4の発明では、上下の横切込みカッタに狂いがなく、長期に亘って良好な皮剥き端面を保持できる。請求項5の発明では、部材をそれぞれ組み立て可能にして保守管理を良好にできる。さらに、請求項6では、請求項5と同様な効果を奏する。また、請求項7の発明では、ハンド具に付けることで、持ち運びが簡単で、種々の現場にて、良好に対応できる。請求項8の発明では、固定型開閉装置に付けることで、太径の電線でも良好に対応できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】(A)は本発明において上下切断刃体が開いている状態で、電線の皮剥きをせんとしている主要部材の側面図、(B)も(A)と同様な主要部材の側面図。
【図2】(A)は本発明において上下切断刃体が閉じた状態で、電線の皮剥きを完了した主要部材の側面図、(B)も(A)と同様な主要部材の側面図である。
【図3】(A)は本発明をハンド具に設けた側面図、(B)は(A)の閉じた状態の一部側面図、(C)は下側の切断刃体の斜視図、(D)は(C)の(ア)部拡大斜視図、(E)は(D)の側面からの断面図である。
【図4】(A)は上側の切断刃体の分離した斜視図、(B)は上側の切断刃体の斜視図である。
【図5】(A)は下側の切断刃体の斜視図、(B)は横切込みカッタの要部斜視図、(C)は下側の切断刃体の分離した斜視図である。
【図6】(A)は本発明において上下切断刃体が開いているとき、電線の皮剥きをせんとしている主要部材の作業業態図、(B)は本発明において上下切断刃体が閉じて電線の皮剥きを完了した主要部材の作業業態図である。
【図7】(A)は本発明において上下切断刃体が閉じる途中で、電線の皮剥き状態の簡易状態図、(B)は(A)の(イ)部拡大状態図、(C)は本発明において上下切断刃体が閉じたとき、電線の皮剥きを完了した状態の図6(B)のY1−Y1矢視断面図である。
【図8】(A)は上側の切断刃体の側面図、(B)は(A)のY2−Y2矢視断面図、(C)は上側の切断刃体の内部要部断面図である。
【図9】(A)は下側の切断刃体の側面図、(B)は横ガイドを外した下側の切断刃体の一部側面図、(C)は下側の切断刃体の内部要部断面図、(D)は下側の切断刃体の平面図である。
【図10】(A)は上下の切断刃体(横切込みカッタ付き)が分離している状態の側面図、(B)は上下の切断刃体(横切込みカッタ付き)が不揃いで閉じている状態の側面図、(C)は(B)の(オ)部拡大側面図、(D)は上下の切断刃体(横切込みカッタ付き)が整然として閉じている状態の側面図、(E)は(D)の(エ)部拡大側面である。
【図11】(A)は上下の切断刃体(接線切込みカッタ付き)が分離している状態の側面図、(B)は上下の切断刃体(接線切込みカッタ付き)が不揃いで閉じている状態の側面図、(C)は(B)の(ウ)部拡大側面図、(D)は上下の切断刃体(接線切込みカッタ付き)が整然として閉じている状態の側面図、(E)は(D)の(カ)部拡大側面である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明すると、図1乃至図2に示すように、上下一対のホルダー1,1と、上下一対の横切込みカッタ2,2と、接線切込みカッタ31を備えた下側支え部3、上側押え部4と、横ガイド5とから切断刃主要部が構成されている。前記ホルダー1は、平面的に見てT字形をなしており、ヘッド部11と胴部12と端部突起13とからなっている。
【0015】
前記ヘッド部11の両端には、前記横切込みカッタ2,2及び横ガイド5,5を装着する溝部11a,11aが形成され、上面には、前記上側押え部4が装着される蟻溝11bが形成されている。前記横切込みカッタ2は、電線Wの絶縁被覆bに周方向の切り込みを入れるためのもので、ニッパーなどの刃に似ている。該横切込みカッタ2の上方側に、半円状刃部21とその両側の平行刃部22,22とから構成されている。該平行刃部22,22の先端は僅かな平坦面が形成されている。さらに両端に短柱状ストッパ23,23が設けられている。そして、下側には、U字状取付用切欠き24が設けられている。
【0016】
前記下側支え部3は、電線Wの絶縁被覆bの外周部を支えると共に、該絶縁被覆bの長手方向接線上に切り込みを入れる接線切込みカッタ31が形成されている。つまり、前記絶縁被覆bの長手方向の適宜の間隔cにおいて、その長さ分だけ、芯線aに対する円周の接線上に、絶縁被覆bに対して切り込みを入れて、芯線aのみとして裸にするためである。前記接線切込みカッタ31にて切断されると切込み端は、外側に僅かに反るような形状となり、この状態を保持し、その操作完了後に、絶縁被覆bの切込み端を摘んで芯線aとして裸状態にできる。図5に示すように、前記接線切込みカッタ31を除いた部分は、平面と弧状とが連続した断面J字状の支え部32と、電線の絶縁被覆bの外周部をガイドする前記縦ガイド33と、下面側の蟻部34とが一体化している。
【0017】
図5(B)に示すように、前記ホルダー1の溝部11a,11aに横切込みカッタ2,2が取付けられると、前記短柱状ストッパ23,23の上面と、前記ホルダー1の端部突起13の上面とが、上下で全て一致するように構成されている。また、下側となる前記ホルダー1の蟻溝11bに、前記下側支え部3の蟻部34が係合されている。図4に示すように、前記上側押え部4は、断面弧状の押え面41と、この後側に電線の絶縁被覆bの厚みを押えている被覆押え面42とが形成され、さらに、その前側に、前記下側支え部3の縦ガイド33面を摺動する摺動面43が設けられ、上面側に蟻部44とが一体化している。前記上側押え部4は、上側となる前記ホルダー1の蟻溝11bに前記上側押え部4の蟻部44が係合されている。
【0018】
前記横ガイド5は、板状をなし、この上側に対して、電線の絶縁被覆bの外周面が入るU字状溝51と、下側には、U字状取付用切欠き52とが設けられている。さらに下側となる前記ホルダー1の横切込みカッタ2の外面にのみ添えるようにして設けられ、上側となる前記ホルダー1の横切込みカッタ2が下降した際に、上下の横切込みカッタ2,2が同一平面上に存在するような役割をなす。具体的には、下側となる前記ホルダー1の溝部11a,11aに横切込みカッタ2,2及び横ガイド5,5がビスなどの固着具6aにて取付けられる。また、上側となる前記ホルダー1の溝部11a,11aに横切込みカッタ2,2のみが固着具6aにて取付けられる。
【0019】
本発明の最大の特徴は、組立終了後には、図1(B)に示すように、前記下側支え部3の接線切込みカッタ31の刃先部31aが、前記横切込みカッタ2の平行刃部22の高さよりも僅な高さΔHだけ高くなるように形成されている。つまり、図6に示すように、前記横切込みカッタ2の半円状刃部21及び平行刃部22は、上下揃うことで、電線の円形の芯線aの周囲の絶縁被覆bを正確に上下半分ずつ切断するように形成されている。このとき、前記下側支え部3の接線切込みカッタ31の刃先部31aのみが、前記平行刃部22の高さよりも僅な高さΔHだけ高く形成されていることで、電線皮剥き時において、アーチ状に曲がった場合に適切なる皮剥きができるようにしたものである。
【0020】
このように、上下のホルダー1に組立てた切断刃体は、適宜なハンド用具8の先端部8a,8aに取付けられたり、図示しないが、固定型開閉装置において上下方向に移動する台座などに取付ける場合もある。実施例では、ハンド用具8の取付けについて説明する。該ハンド用具8の一方の先端部8aに対して、上側となる切断刃体A(上側押え部4付き)の胴部12が、横からの固着具6aと前記ホルダープレート15などとを介して固着されている。さらに、下側となる切断刃体A(下側支え部3及び横ガイド5付き)の胴部12も、横からの固着具6aとホルダープレート15などとを介して固着されている。
【0021】
また、本発明では、ホルダー1,横切込みカッタ2,下側支え部3、上側押え部4及び横ガイド5の大きさは、電線Wの外周径(絶縁被覆b径)と、中の芯線aの直径とが連動していることが必要である。実際には、電線Wの直径が1mm乃至約15mm程度の場合である。さらに、重要なことは、ハンド用具8の両腕を閉じたときに、上側の切断刃体A(上側押え部4付き)の両短柱状ストッパ23,23の頂面と、端部突起13の頂面の3箇所が、下側の切断刃体A(下側支え部3及び横ガイド5付き)の両短柱状ストッパ23,23の頂面と、端部突起13の頂面の3箇所が、同時に略均一の加圧状態で当接するように構成され、正確な皮剥きができる。
【0022】
次に、電線Wの皮剥きの作用について説明する。まず、図3(A)に示すように、電線Wを下側の切断刃体Aの両側の横ガイド5,5のU字状溝51に挿入する。これが、予め架設されている電線Wの場合には、そのハンド用具8の下側の切断刃体Aの両側の横ガイド5,5の両U字状溝51を電線Wに挿入する。そして、図3(A)鎖線部に示すように、ハンドルを閉じるように作用させると、上下の切断刃体A,Aで、電線Wを所望位置の絶縁被覆b(皮剥き)の両端を、両横切り個所を横切込みカッタ2,2にて、徐々に切断する。
【0023】
そして、切断する作業が最終段階となると、図6(B)に示すように、前記接線切込みカッタ31が下側にのみ存在することから、該接線切込みカッタ31の刃先部31aにて僅かではあるが、山形弧状(アーチ形)に湾曲する。このようになったとき、左右側の前記接線切込みカッタ31,31の切断箇所では、ニッパー切断と同様に切断される[図2(A)参照]が、図6(B)に示すように、その真ん中部分及びその近くの箇所は、ΔHだけ芯線aがずれた状態となる作用をなす。
【0024】
この点を詳述すると、図7(A)及び(B)に示すように、前記絶縁被覆bの僅かな部分b´が、未切断状態となっている。しかるに、本発明では、前記下側支え部3の接線切込みカッタ31の刃先部31aのみが、前記平行刃部22の高さよりも僅な高さΔHだけ高く形成されていることで、ΔHだけ芯線aがずれた状態となる真ん中部分及びその近くの箇所までも確実に切断される。これによって、図7(C)に示すように、絶縁被覆bの一部が傾斜面を有して皮剥き開始状態となっている。このような状態で、保持されているので、人手が入らない限り、その皮剥き部が作業現場に飛散などせず、しかも極めて皮剥きし易い状態にできる利点がある。
【0025】
本発明では、上下側の切断刃体A,Aを、ハンド用具8の先端部に取り付けたり、或いは、取付部が上下開閉可能な固定型開閉装置(図示しない)に取り付けるものであるが、高精度に皮剥きできると共に、熟練者でなくとも正確に取り付けるような構成を有している。水平方向において、横切込みカッタ2の位置と端部突起13との位置は正確な位置に設けられており、上下の該端部突起13,13相互を一致させることで、上下の横切込みカッタ2,2が整然とセットされるようになっている。また、図10(A)に示すように、上下側の切断刃体A,A(横切込みカッタ2付き)が分離している状態では、前後の短柱状ストッパ23の頂面と、端部突起13の頂面との3面が水平線G上に一致するように構成されている。
【0026】
そして、上下側の切断刃体A,Aを閉じた(合致させた)状態において、上下の端部突起13,13の頂面相互が前後〔図10(B)において左右側〕に、僅かな距離Δずれが発生している場合には〔図10(B)及び(C)参照〕、直ぐに、図10(D)及び(E)に示すように、そのずれを修正する。すると、上下側の切断刃体A,Aの横切込みカッタ2,2を整然として合致するようにできる。また、上下側の切断刃体1,1の接線切込みカッタ31,31においても、横切込みカッタ2,2のセット〔図10(A)乃至(E)参照〕と同様にできる。
【符号の説明】
【0027】
A…切断刃体、1…ホルダー、2…横切込みカッタ、22…平行刃部、下側支え部3、接線切込みカッタ31、4…上側押え部、5…横ガイド、W…電線、a…芯線、
b…絶縁被覆。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電線の絶縁被覆に対して円周方向の切込みを入れる上下一対の横切込みカッタと、前記絶縁被覆に対して長手方向の接線上に切込みを入れる接線切込みカッタとを備え、前記上下一対の横切込みカッタが、皮剥ぎ長さに相当する間隔に2つが対向して設置されると共に、上下方向に可動する前記接線切込みカッタの刃先部が、前記横切込みカッタに設けた平行刃部の高さよりも僅かに高く形成されてなることを特徴とする電線皮剥き装置。
【請求項2】
請求項1において、前記横切込みカッタの半円状刃部の半径は、電線の芯線径と同等とすると共に、前記接線切込みカッタの先端刃面は前記電線の芯線外周の接線上に位置するように設けてなることを特徴とする電線皮剥き装置。
【請求項3】
請求項1又は2において、左右側で上下一対の前記横切込みカッタの刃部の傾面は、左右側のそれぞれ外側に位置してなることを特徴とする電線皮剥き装置。
【請求項4】
請求項1,2又は3において、下側で左右側の前記横切込みカッタの外側に、それぞれ前記電線をガイドする横ガイドを添設し、該横ガイドが上側の左右側の前記横切込みカッタの外側にも摺動可能にしてなることを特徴とする電線皮剥き装置。
【請求項5】
請求項1,2,3又は4において、前記横切込みカッタは上下のホルダーの左右側に設けられると共に、前記接線切込みカッタは下側支え部を介して下側の前記ホルダーに設けられ、前記下側支え部に対向する上側押え部を上側の前記ホルダーに設けられてなることを特徴とする電線皮剥き装置。
【請求項6】
請求項5において、前記ホルダーに対して、前記横切込みカッタに対して固着具にて固着すると共に、前記下側支え部及び上側押え部は蟻溝接合してなり、これらを上下の切断刃体としてなることを特徴とする電線皮剥き装置。
【請求項7】
請求項6において、上下の前記切断刃体をハンド具の両先端に着脱自在に設けてなることを特徴とする電線皮剥き装置。
【請求項8】
請求項6において、上下の前記切断刃体を固定型開閉装置の両開閉部材に着脱自在に設けてなることを特徴とする電線皮剥き装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−10531(P2011−10531A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−154406(P2009−154406)
【出願日】平成21年6月29日(2009.6.29)
【特許番号】特許第4375628号(P4375628)
【特許公報発行日】平成21年12月2日(2009.12.2)
【出願人】(598000518)大川三基株式会社 (3)
【Fターム(参考)】