説明

電話回線等で利用できる、音声帯域のFSK変復調器を内蔵したビット単位可変長フレーム方式のリモートコントローラ

【課題】現在全国に配備済みの電話回線網を利用して、現場サイドに立った簡便性のある遠隔制御用の電話機利用型コントロール機器を提供する。使い勝手は電話機を利用する感覚で、運用経費も通常電話と同等である、簡素で、低廉で、経済的なリモートコントロール機器を提供する。
【解決手段】既存の電話回線、電話機を利用し、電話機のハンドセット接続モジュラーコネクタにリモートコントローラを接続し、送信側リモートコントローラにテーブル操作BOX1を、受信側コントローラにテーブル駆動装置11を接続する。電話機を利用して相手方にダイヤルアップ接続後、リモートコントローラ内の切換えスイッチを切換え、FSK変調方式、ビット単位可変長フレーム方式を用いて遠隔操作、制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】

【技術分野】
【0001】
本発明は、医療分野等で遠隔地間の病院を結んで顕微鏡の病理画像を同時に見ながら診断を下すような場合に、遠隔で顕微鏡を操る手段として遠隔地から制御できるリモートコントローラが必要となる。その場合接続の為の煩雑な技術知識が必要なようでは現場が混乱する結果になる。そのような現場で電話機を操るような手軽さで使用可能なリモートコントローラに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の病院間で実施されている遠隔地間の病理診断は、顕微鏡の静止画を病理医のいる遠隔地に送り、画像を見ながらパソコン等により顕微鏡のコントロールを実施している。しかし乍、パソコンを使用しての作業は、病理医の先生方に負担になり、使い勝手の面で可也の負担を掛けているのが現状である。静止画で顕微鏡画像を診断用に使っている為、次の移動位置に移動終了後、再度静止画を送って判断する事の連続となる。またリモートコントロールシステムの価格も高く普及していないのが実情である。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そこで通信手段としては、既に全国に張り巡らされている一般の電話回線網から都市部で順次提供が成されている光高速回線に至る、あらゆる通信回線が利用でき、音声を送る事のできる回線であれば利用可能な安価なリモートコントロールシステムで、既存のプロトコルに影響を受けない音声帯域を利用した一般的なリモートコントローラが存在していない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前述のような難点等を解消し、一般電話機を利用する事は全国どこでも使用可能となる。又電話機を利用する事で相手先に接続する場合でも至極簡単で、確実である。最近の多機能電話機の場合、本体部分とハンドセット部分が交換可能なようモジュラーコネクタで接続されている。そこで請求項1記載の送信側と受信側の本コントローラは、電話器等6のハンドセット接続モジュラーコネクタに簡単に接続でき、電話回線網7との接続は既存の電話機6、8を利用する事で確実にダイアルアップ接続できる。ハンドセットの接続モジュラーコネクタは電話機共通で殆どの市販されている電話機に接続可能となる。またISDN回線利用の電話機、最近台頭してきたIP電話機に関しても同様に応用可能である。電話機に接続されているハンドセットは、送信側リモートコントローラ4、受信側であるリモートコントローラ10に同様のハンドセット用モジュラーコネクタを設けそれぞれのハンドセット5、9が接続できるようになっている。またダイアル接続終了後及びリモートコントロール操作前は、お互い話をする事も可能となる。通常は本コントローラを電話機に接続しておき普通の電話機としても使用可能である。本リモートコントローラは電話機のハンドセット用モジュラーコネクタに接続する事により簡単に相手先と接続でき、遠隔制御が可能となる手段を採用した。
【0005】
また、請求項2記載の音声帯域のFSK変調部19及び復調部26を採用し、ビット単位可変長フレームを用いたリモートコントローラにする事で、MODEMを利用した場合のような標準的プロトコルで接続する必要が無く、回線品質による転送速度の低下も無くなる。また音声帯域のFSK変復調方式は、標準的プロコルによるコマンドの変換、パケット毎のデータ数の制限等も無く、データ転送速度が格段に速くなる。FSK変復調は、ASK変復調に比べノイズに強く、回線品質の影響を受けにくい利点がある。
最近の高速回線では、パケット単位でデータを送受信している為、数ビットのデータを送る場合でも数百バイト送ってしまう。その為、標準的なプロトコルを採用すると一般アナログ回線のような低速回線では可也無駄になる。このように低速の回線を利用した場合でも充分ビットレートで見ると高速に通信ができ、数ビット単位で送受信可能な音声帯域でのFSK変復調部とビット単位での可変長フレーム通信手段を採用した。
【0006】
次に、請求項3記載のMODEM機能を持たずに電話機6、8に依存する事により取扱いが至極簡便にできる。先ず相手に接続する場合は、送受信側供に通常の電話機機能を利用して接続できる。接続後お互い話をしながら切換タイミングを見計らって自由にリモート操作に移る事が可能。またリモート操作を中止したい場合は、一方が切換を戻すか、電話を切れば済む。また受信側ではデータが正常に受信できている状態の時だけコントロールが可能になるような機能を搭載して信頼性を上げている。このようにMODEM機能を電話機側に依存する事で、使い勝手の面をアップしてリモートコントローラの価格を下げる事ができる構成を採用した。
【0007】
更に、請求項4に記載の送信側にはデータ圧縮の為のデータエンコーダ18を内蔵し、受信側にはデータを解凍する為のデータデコーダ25を内蔵して音声帯域でのデータ送信に対する高速性をアップしている。一般に存在する機械式エンコーダ型ジョイスティック若しくはアナログ式のジョイスティックは、遠隔制御に不可欠な方向とリアルタイムな速度変化を併せ持ったリモート用操作手段である。これらの操作手段である機械式エンコーダ型ジョイスティック若しくはアナログ式のジョイスティックは少なく見ても16ビット程度のデータ容量が必要となる。16ビットを2ビットに圧縮できれば単純に8倍の速度で制御が可能となる。16ビットを2ビットに圧縮して実現するエンコーダ18、デコーダ25を内蔵し低速回線を使用した場合に高速伝送が可能である手段を採用した。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明を図示例に基いて説明する。
図中4は、遠隔操作する側で使用する本発明の送信側リモートコントローラであり、図中10は、遠隔で操作される側で使用する本発明の受信側リモートコントローラである。図1は、本発明のリモートコントローラを使用した1例であり、電話回線網7を介して送信側電話機6と受信側電話機8が接続され、電話機を介してそれぞれのリモートコントローラが接続される。遠隔操作側のX、Y、Zテーブル操作BOXにより受信側に設置されているX、Y、Zテーブル駆動装置11を経由してX、Y、Z移動テーブル13を動かす事が可能となるよう構成されたシステムである。遠隔で動かす事のできる駆動部及び駆動用コントローラと操作用のジョイスティックが附属している制御システムであれば電話回線を利用した遠隔操作ができる。
【0009】
図中6の送信側電話機と送信側リモートコントローラ4は、電話機のハンドセット接続用モジュラーコネクタを利用して接続する。電話機から外した送信側ハンドセット5はリモートコントローラ4に接続され普通の電話機としての機能を利用できる。
【0010】
また送信側リモートコントローラ4に設けられた送信側切換スイッチ21により通常の電話機として利用でき、相手先にダイアル接続も当然できる。これは市販されている多機能電話機ではハンドセットのみ交換可能なようモジュラーコネクタで接続され差し替えは簡単にできる。また電話機は構内PBX等を利用した内線電話機でも使用可能となる。それに最近利用者が急増しているIP電話等でも同様利用可能である。
【0011】
遠隔操作用のX、Y、Zテーブル操作BOX1は、X軸である横方向、Y軸である縦方向及びZ軸である深さ方向に動くようなテーブルを操作するものである。操作BOXには、X、Yジョイスティック3及びZ方向操作用の2軸操作用ボタン2が設けられている。送信側リモートコントローラ4は、これらの操作BOXを接続できるコネクタが17の操作BOXインターフェース部に取り付けられている。また17は、操作BOXの操作スイッチ類に合せて拡張できる構造を持っている。
【0012】
図2は、送信側リモートコントローラ4の内部構成の概略図であるが、この図中の構成部を説明する。送信側切換部23は、22の送信側ハンドセットとデータ送信用のアナログ増幅部20が切換えられる機能を持っている。ハンドセット側に切換えるとハンドセットを電話機に接続、通常の電話機と同様に扱える。コントロール側に切換えると遠隔操作ができるようになる。本発明の送信側リモートコントローラ4は電話機に接続した状態で通常電話機及び遠隔操作を送信側切換えスイッチ21のみで切換えでき、操作性を向上させた。
【0013】
17は操作BOXインターフェース部で、遠隔操作用BOX1が接続されジョイスティックの信号が入力する事で方向、速度、X、Y、Z軸種の検出とデジタル化する機能を有している。操作BOXは、基本的に軸の数だけ操作用のスイッチが存在する為、軸数及びスイッチ数に応じたフレキシビリティのある回路数を構成できるようになっている。
【0014】
操作BOXインターフェース部17からのデジタル信号は、データエンコーダ部18に導かれ、データの圧縮及びビット列に変換される。前にも述べたようにジョイスティックからは方向、速度に比例した90°の位相差のある信号が発生している。この信号はそのままデジタル化すると4ビット4種の16ビットデータになる。これでは3軸のデータを送るには48ビットの容量となる。48ビットのデータを6ビットに圧縮する役割を担っているのがデータエンコーダ部18である。このようにデータ容量を少なくする事は低速の回線を使用した場合に効力を発揮できる。
【0015】
また、操作BOXは種類により軸数、スイッチ数が異なり圧縮されたデータもその軸数に応じて1フレームで送るデータ量が変化する。その為データに応じたビット単位での可変長フレーム方式の回路構成をとっている。その事により低速回線を利用しても充分ジョイスティックの操作間隔にあった遠隔制御ができる。
【0016】
圧縮され、可変長フレームで出力されたデータは、FSK変調部19に導かれ音声帯域で周波数変調される。FSK変調は本来無線機等でキャリア周波数の高いUHF帯などで用いられているが、本発明では音声帯域5KHZ以下の周波数帯で使用した。音声帯域でFSK変調を用いた結果、非常に安定度のあるデータ伝送が可能となった。
【0017】
FSK変調されたデータは、アナログ増幅器20に入力され、方形波はアナログサイン波に変換されて出力される。このアナログ信号は、ハンドセットと同様に電話機のモジュラーコネクタに接続され、マイクで音声を電話機に取り込むと同様な形式の信号になる。
【0018】
また、電話機と併用した本発明のリモートコントロールシステムは、一般の市販されているMODEMにあるようなダイヤル発振機能、電話回線接続回路、送受話分離回路は不要になると供に、電話機のそれらの機能を利用する事で簡便性を図っている。
【0019】
送信側電話機6は、電話回線網及びPBX等である7を経由して受信側電話機8に接続される。電話回線網は、デジタルからアナログまで多種多様で音声の送受話が可能であれば当然本システムは利用できる。また電話回線網に応じた電話機であれば図示例に限定される事なく適宜利用できる。
【0020】
受信側電話機8には、受信側リモートコントローラ10が接続され、受信された音声帯域のFSK変調波であるアナログ信号を電話機のモジュラーコネクタから受信側リモートコントローラに送出する。電話機に接続されているハンドセット9は、リモートコントローラ10のハンドセット接続コネクタに接続される。
【0021】
受信側リモートコントローラ10は、ハンドセット用モジュラーコネクタで電話機に接続され、通常は電話機の利用が可能である。また受信側のリモートコントローラにある受信側切換えスイッチ28により切換えた場合に、通常の電話機から遠隔操作用データの受信及び制御ができるようになる。
【0022】
また受信側リモートコントローラ10には、X、Y、Zテーブル駆動装置11及び受信側X、Y、Zテーブル操作BOXが接続できる。本来であれば駆動装置に操作BOXが直接接続され、テーブルの操作がその場で自由にできる。遠隔で操作するか、直接操作するか、切換えができる機能を受信側リモートコントローラ10には備えている。当然ながら遠隔制御には、遠隔制御前の準備があるはずである。準備段階では手元の操作BOXを利用し、遠隔に切換えた後は、相手の操作でテーブルが動作する事になる。また必要な場合には、手元で操作する事が操作切換えスイッチ33で可能となる。X、Y、Z移動テーブル13、X、Y、Zテーブル駆動装置11、及び受信側X、Y、Zテーブル操作BOX16は、図示例等に限定される事はなく適宜自由に利用できるものである。
【0023】
図3は、受信側リモートコントローラ10の内部構成を例示する概略図である。受信側切換え部30は、受信側電話機8のハンドセット用接続モジュラーコネクタに接続され、電話機用のハンドセット9は、受信側ハンドセット接続部29に接続される。受信側切換えスイッチ28により、リモートコントローラを接続した状態で通常の電話機として利用できる。送信側からの受信音が入り、ハンドセットを取り上げ、相手が目的の遠隔操作者であるか確認後、リモートコントロール操作に切換える事が可能となる。この作業手順は、MODEM機能では達成不可能で、先ず、お互い言葉で確認した上、判断できる点が運用性を上げる結果となる。
【0024】
遠隔操作用のアナログサイン波は、受信側切換え部30からアナログ受信部27に送られ、バンドパスフィルタ、AGG増幅器を経てデジタル化される。バンドパスフィルタは、S/N比向上の目的、AGC増幅器は電話回線の利得違いによる補正を目的で挿入されている。
【0025】
アナログ受信部27から出力されるデジタル信号は、FSK復調部26に入り周波数弁別される。その後データに変換され、1フレームが正しく受信できているか検証されX、Y、Z軸等のデータ部分だけを抽出し、データデコーダ部25に送られる。
【0026】
データデコーダ部25では、圧縮されていたデータを解凍して通常使用できる信号体系に戻す事を目的としている。遠隔側ではエンコードして1軸当たり16ビットのデータを2ビットに圧縮して送信している為、受信側では2ビットを16ビットに戻さなくてはならない。16ビットのデータには方向、速度、軸種が含まれている。またデータデコーダ部25は、図示例等に限定される事はなく適宜自由にデコード方式を変更できるものである。
【0027】
さらにデータデコーダ部25では、受信データが正しいかチェックして正しいデータであればデータ検出自動切換え部31に送り、受信データが正しい場合のみ遠隔操作に切換える事ができる。仮に受信データが不正の場合に遠隔側へ切換える事はX、Y、Z移動テーブルを暴走させる事にもなり兼ねない。安全性の面で重要な機能である。
【0028】
データ検出自動切換え部31では、受信側X、Y、Zテーブル操作BOX16側の操作、遠隔操作側の受信データによる操作、操作切換えスイッチ33の組み合わせを判断する機能を持っている。当然ながら受信データが不正の場合は、操作切換えスイッチ33をリモート側に切換えても、切り替えが出来ないような安全面の対策が成されている。
【0029】
X、Y、Zテーブル駆動装置インターフェース部24では、X、Y、Zテーブル駆動装置11の操作BOX接続コネクタの条件を満足できる様構成されている。X、Y、Zテーブル駆動装置インターフェース部24は、駆動テーブルの構成上、または機能上から、図示例等に限定される事はなく適宜自由にインタフェース方式を変更できるものである。
【実施例】
【0030】
仙台市内の病院Aと岩手県内の病院B間を高速回線で結び遠隔病理診断の実験が実施された。病院Aで電動顕微鏡に試料を搭載、顕微鏡画像は高速のブロードバンド回線で病院Aから病院Bへ、秒間30フレームに近い状態で病院Bのモニターに映し出され、病院Bから電話回線を利用して病院Aの電動顕微鏡を本発明のリモートコントローラを使用しマニュプレータ的に制御して観察行為を行った。病院Bから顕微鏡画像を見ながらリアルタイムで顕微鏡の試料を自由に観察できる事が証明された。病院Bの病理医の先生からは自分で顕微鏡を操っているような感覚で操作できた。遠隔病理診断の世界が飛躍的に発展する可能性が出て来たと評価が高かった。このように遠隔地の検査機器などを本発明のリモートコントローラを利用して、診断医のいない病院に対して、診断医のいる病院が、回線網を利用して、現場に行かないで診断できる様になれば、医療のコスト削減にも大いに役立つ事になる。
【発明の効果】
【0031】
現在の電話回線網は、高速化の一途を辿っており、画像等の伝送速度に関しては飛躍的に高くなった。しかし乍TCP/IP等のプロトコルに制限される事になり、今までの低速回線を利用して少ないデータ量をできるだけリアルタイムに伝送したいという要求に関しては不向きな傾向にある。全国津々浦々にまで高速回線が配備されるにはまだ数年は必要で、配備されたとしても当然ながら運用経費の増大と、それなりのシステムの予備知識等が必要となり運用面では必ずしも適正であるとは言い切れない。このような情報化社会にあって、一般の電話機6,8と、全国に張り巡らされている一般電話回線網等の7を利用して、本発明のリモートコントローラ4、10を使用して地方の診断医が存在しない病院等に対し、比較的廉価で導入が可能になれば、遠隔病理診断の発展に寄与できる事になる。またリモートコントローラ4、10は電話機に簡単に接続でき、普段は一般の電話機として利用でき、遠隔診断等で必要な時に21、28のスイッチを切換えて利用可能で、現場再度から見て使い勝手の良い機器として充分利用できる。
【0032】
また、リモートコントローラ4、10はパソコン等を利用しない為、簡便に取扱いができる上、予備知識等が無くても直ぐに利用できる。電話機6、8に関しては、構内用PBXを備えた内線からの電話機でも利用可能となっている。一般のMODEM等を利用すると内線からの電話機では利用できなくなり、外線を引き込む必要がある。これでは利用したい場合に何かと不便である。一般電話機を利用し、電話機の機能を最大限利用する事で、リモートコントローラ4、10は電話機を取り扱う感覚で使用できる機器となっている。
【0033】
さらに、リモートコントローラ4、10は、図示例にあるようなX、Y、Z移動テーブル13及び、X、Y、Zテーブル操作BOX1のリモートコントロールに固定される事は無く、操作BOXインターフェース17及びX、Y、Zテーブル駆動装置インターフェース部24は、軸数、機能スイッチ群の種類によって柔軟に対応できるインターフェースとして構成されている。
【0034】
また取扱い上の安全面を考慮して、正常にデータが受信できている場合には、操作切換スイッチ33が有効になる。これは回線等に障害が発生した場合は、捜査対象であるテーブル等の異常動作の防止に優れた機能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のリモートコントローラを採用したシステムを例示する概略図
【図2】 本発明の送信側リモートコントローラの内部構成を例示する概略図
【図3】 本発明の受信側リモートコントローラの内部構成を例示する概略図
【符号の説明】
1 X、Y、Zテーブル操作BOX 2 Z軸操作ボタン
3 X、Yジョイスティック 4 送信側リモートコントローラ
5 送信側ハンドセット(受話器) 6 送信側電話機
7 電話回線網 8 受信側電話機
9 受信側ハンドセット(受話器) 10 受信側リモートコントローラ
11 X、Y、Zテーブル駆動装置 12 X軸駆動モータ
13 X、Y、Z移動テーブル 14 Z軸駆動モータ
15 Y軸駆動モータ 16 受信側X、Y、Zテーブル操作BOX
17 操作BOXインターフェース部 18 データエンコーダ部
19 FSK変調部 20 アナログ増幅器
21 送信側切換スイッチ 22 送信側ハンドセット接続部
23 送信側切換部
24 X、Y、Zテーブル駆動装置インターフェース部
25 データデコーダ部 26 FSK復調部
27 アナログ受信部 28 受信側切換スイッチ
29 受信側ハンドセット接続部 30 受信側切換部
31 データ検出自動切換部 32 受信側X、Y、Zテーブル操作BOX接続部
33 操作切換えスイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電話回線網を利用して遠隔地にある駆動機構つきXYZテーブル等を、音声帯域のFSK変調方式を用いたリモートコントローラを使用して簡便に接続、制御ができることを目的としたリモートコントロールシステムで、送信側と受信側の本コントローラは、電話器等のハンドセット接続モジュラーコネクタに簡単に接続でき、電話回線との接続は既存の電話機を利用する事で、遠隔地との接続も一般電話のダイヤルアップ機能を利用できるリモートコントロールシステム。
【請求項2】
音声帯域のFSK変復調方式の採用と、ビット単位での可変長フレームを用いたリモートコントローラにする事でMODEMを利用した場合のような標準的プロトコルで接続する必要が無く、回線品質による転送速度の低下も無くなる。また音声帯域のFSK変調方式は、標準的プロコルによるコマンドの変換、パケット毎のデータ数の制限等も無く、データ転送速度が格段に速くなるリモートコントロールシステム。
【請求項3】
音声帯域のFSK変調方式を用いたリモートコントローラにする事によりMODEM機能を必要としなくなり、電話回線への接続は電話機本体を利用する事で、相手を呼び出す機能は必要なくなり安価に製造可能となる。また電話機のハンドセット用の接続モジュラーコネクタに接続する事で、音響カプラ等を利用する場合と異なり煩雑でなくなるリモートコントロールシステム。
【請求項4】
本リモートコントローラ内には、送信側にはデータ圧縮の為のエンコーダを内蔵し、受信側にはデータを解凍する為のデコーダを内蔵して音声帯域でのデータ送信に対する高速性をアップしている。例えば回転方向を検出可能な機械的エンコーダの信号を送信する場合は、方向を判別する為には4種の4ビットコードが必要となる。それを送信側で2ビットにエンコードして受信側のデコードにより4種の4ビットコードに戻している。またアナログ式のジョイスチックなども同様にエンコードする事により8ビットデータを2ビットに圧縮して送る事ができる。遠隔制御に不可欠な方向とリアルタイムな速度データの変化に追従でき、データビット数を圧縮して実現するエンコーダ、デコーダを内蔵したリモートコントロールシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−157842(P2006−157842A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−378040(P2004−378040)
【出願日】平成16年11月30日(2004.11.30)
【出願人】(505000480)フィンガルリンク株式会社 (2)
【Fターム(参考)】