説明

電話業務システム及び電話業務プログラム

【課題】 通話相手毎の通話保留時間の制限時間を設定し、オペレータに対して制限時間に注意を促すことができることで、通話保留状態におけるオペレータの対応により、通話相手からの苦情に発展することを抑制することができる電話業務システムを提供する。
【解決手段】 電話業務システムは、通話保留状態で経過する通話保留時間を計測する通話保留時間計測手段2と、通話相手に応じた通話保留時間における1又は複数の制限時間を算出する制限時間算出手段1と、通話保留時間及び制限時間を比較した結果に基づき、通話保留状態における1又は複数の制限時間に対する経過情報を報知する報知手段8と、を備えていることを特徴とする電話業務システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、お客様相談窓口としてのコールセンターの電話業務、商品の販売促進のためのセールス電話業務、料金の支払いなどを督促する督促電話業務などにおける電話業務を遂行するオペレータが使用する端末装置(以下、オペレータ端末装置)を備えた電話業務システムに関し、特に、オペレータによる電話業務における通話保留中の状態(以下、通話保留状態)を制御する電話業務システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従前、商品注文受付、顧客からの商品不具合の回答、営業、アンケート調査といった業務をコールセンターにてオペレータが電話を用いて行っていた。コンピュータシステムの発達に伴い、電話をコンピュータに統合する技術であるCTI(Computer Telephony Integration)技術が生まれ、オペレータ端末装置に接続するヘッドセット(マイクロフォンとヘッドフォンを組み合せたもの)をオペレータが装着し、オペレータ端末装置から直接発信して顧客と通話し、又は、顧客から直接オペレータ端末装置で着信して顧客と通話することが可能となった。このCTI技術を利用することで、オペレータ端末装置を介して顧客と通話しながら、同オペレータ端末装置をオペレータが操作し、または、発信番号又は着信番号により自動的に、顧客情報がオペレータ端末装置のディスプレイに表示され、オペレータは表示を見ながら、キーボード操作にてオペレータ端末装置に必要に応じて、依頼内容、質問事項、回答事項を入力することができ、オペレータの効率的な業務を実現すると共に、顧客満足の向上にも繋がっていった。なお、CTI技術を含めた統合型の顧客対応システムをCRM(Customer Relationship Management)と呼ぶ。
【0003】
特に、通話中の状態(以下、通話状態と称す)における顧客などの通話相手からの質問に対して、質問を受けたオペレータが即答できない場合に、オペレータがオペレータ端末に備えられた保留ボタンを押し、一旦、通話保留状態にして質問内容について調査したうえで、通話保留状態を解除して通話相手に回答する。この通話保留状態においては、通話相手の端末装置(以下、ユーザ端末装置と称す)に対して、保留音としての「お待たせメロディー」などの固定メロディーや「広告メッセージ」などの固定メッセージを流して、通話保留状態の待ち時間における通話相手の苛々した感情を少しでも緩和するような仕組みが用いられている。
【0004】
例えば、従来のコンピュータテレホニーシステムは、待順位判定手段が、通話先端末から所定の通話端末に回線を接続するまでの待ち順位を判定する。そして、再生データ決定手段は、判定された待ち順位と、再生データと待ち順位を関連付けた関連付け情報とから再生すべき再生データを決定する。次に、再生手段は、回線接続までの間、通話先端末に対して決定された再生データを再生して送信する(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−320573号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のコンピュータテレホニーシステムは、通話相手であるユーザに与える待ち時間のストレスを抑えることが目的であり、オペレータに対してユーザの感情の変化に注意を促すことを目的とするものではない。特に、通話保留状態で経過する通話保留時間の長さを感じる程度もユーザ毎に個人差があり、通話保留時間の長さによっては、ユーザからの苦情に発展する場合も少なくはないという問題点があった。
【0006】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、通話相手毎の通話保留時間の制限時間を設定することができ、オペレータに対して通話相手の感情の変化に注意を促すことができる電話業務システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この電話業務システムは、通話保留状態で経過する通話保留時間を計測する通話保留時間計測手段と、前記通話相手に応じた通話保留時間における1又は複数の制限時間を算出する制限時間算出手段と、前記通話保留時間及び制限時間を比較した結果に基づき、前記通話保留状態における1又は複数の制限時間に対する経過情報を報知する報知手段と、を備えているものである。
【発明の効果】
【0008】
この電話業務システムは、通話相手毎の通話保留時間の制限時間を設定し、オペレータに対して制限時間に注意を促すことができることで、通話保留状態におけるオペレータの対応により、通話相手からの苦情に発展することを抑制することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
ここで、本発明は多くの異なる形態で実施可能である。したがって、下記の各実施形態の記載内容のみで解釈すべきではない。また、各実施形態の全体を通して同じ要素には同じ符号を付けている。
【0010】
各実施形態では、主にシステムについて説明するが、所謂当業者であれば明らかな通り、本発明はコンピュータで使用可能なプログラム、方法としても実施できる。また、本発明は、ハードウェア、ソフトウェア、又は、ソフトウェア及びハードウェアの実施形態で実施可能である。プログラムは、ハードディスク、CD−ROM、DVD−ROM、光記憶装置又は磁気記憶装置などの任意のコンピュータ可読媒体に記録できる。さらに、プログラムはネットワークを介した他のコンピュータに記録することができる。
【0011】
(本発明の第1の実施形態)
図1は本実施形態に係る電話業務システムを説明するための全体システム構成図、図2は本実施形態に係るオペレータ端末装置のハードウェア構成図、図3は図1に示す電話業務システムのシステム構成を示すブロック図、図4は図3に示す制限時間算出手段で演算されるデータを説明するための説明図、図5は図3に示す表示データテーブルに格納する表示データをディスプレイに表示した場合の一例を説明するための説明図、図6は図3に示す電話業務システムによる通話保留状態における処理手順を示すフローチャート、図7は図6に示すフローチャートの続きを示すフローチャート、図8は図6に示すフローチャートの続きを示すフローチャート、図9は通話保留状態における音圧測定を説明するための説明図である。
【0012】
図1に示すように、本実施形態に係る電話業務システム上には、オペレータ端末装置10、データベースサーバ20、構内交換機30、CTIサーバ40及びユーザ端末装置100を備える。構内交換機30とユーザ端末装置100が一般加入者回線又はIP網などの通信網200に接続している。オペレータ端末装置10、データベースサーバ20、構内交換機30及びCTIサーバ40は、構内通信網300(LAN:Local Area Network)により接続し相互に通信が可能となっている。ネットワークの構成は当業者であれば適宜設計可能である。例えば、広域通信網(WAN:Wide Area Network)を介したネットワーク構成を構築することもできる。また、HUB、ルータなどのネットワーク機器を適宜配置する。
【0013】
図2に示すように、オペレータ端末装置10は汎用的なコンピュータであり、ハードウェアの構成としてはCPU(Central Processing Unit)10a、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などのメインメモリ10b、外部記憶装置であるHD(Hard Disk)10c、表示装置であるディスプレイ10d、入力装置であるキーボード10e及びマウス10f、ネットワークに接続するための拡張カードであるLANカード10g、CD−ROMドライブなどのリムーバブルドライブ10hなどからなる。
【0014】
また、データベースサーバ20、CTIサーバ40も、オペレータ端末装置10と同様なハードウェアの構成となる。ここで、汎用的なコンピュータだとしても、データベースサーバ20、CTIサーバ40にはパーソナルコンピュータよりも高スペックの大型汎用コンピュータを使用するこのが望ましい。具体的な大型汎用コンピュータの構成としては、サーバラックに、複数CPUを配置したラックマウント型サーバ、ハードディスクキャビネット、バックアップキャビネット、UPS(Uninterruptible Power Supply)、マウンド台付ディスプレイ及びキーボードを配設した構成である。
【0015】
なお、オペレータ端末10には図示しないサウンドカードが配設され、音声データを出力するヘッドフォンと音声データを入力するマイクロフォンが一体となったヘッドセットがかかるサウンドカードの端子に接続している。
【0016】
以下、本実施形態に係る電話業務システムの特徴的な動作部分である通話保留状態において機能する構成要素のみを、図3を用いて説明するが、通話保留状態を除く状態におけるインバウンド業務又はアウトバウンド業務において機能する構成要素については、既存のコンピュータテレホニーシステムと同様の構成及び動作であるので、図示及び説明を省略する。
【0017】
データベースサーバ20は、後述する、照会項目別制限時間データテーブル21と、料金負担元係数データテーブル22と、感受割合係数データテーブル23と、転送係数データテーブル24と、音声波形データテーブル25と、表示データテーブル26とからなるデータベースが構築されている。なお、当業者であればデータベースの構成を適宜変更することもでき、また、リレーショナルデータベース以外のデータモデルでデータベースを構築することもできる。
【0018】
照会項目別制限時間データテーブル21は、図4(a)に示すように、通話相手からの問い合わせ内容を分類した照会項目、その照会項目に対する調査に費やせる時間(通話保留時間の制限時間)、その制限時間を延長することが許可された場合の加算する延長時間からなる、基礎制限時間データ及び延長時間データを格納する。なお、照会項目としては、例えば、銀行の業務であれば、大分類として、預金の受入、資金の貸付、手形の割引、為替の取引に関する照会であり、小分類として、残高照会などが挙げられる。また、図4(a)に示す基礎制限時間及び延長時間の設定値は、一例であり、本発明に係る電話業務システムを導入する会社などの業務に応じて適宜設定する。特に、照会項目毎に、店舗の窓口における顧客の待ち時間の平均値や過去の通話保留時間の平均値などを算出して、基礎制限時間及び延長時間を照会項目毎の平均値以下に設定することが好ましい。また、本実施形態においては、各照会項目における最長の基礎制限時間を算出しているが、最長の基礎制限時間に対して、50%の基礎制限時間や10%の基礎制限時間などのように、多段階的に基礎制限時間を算出してもよい。
【0019】
料金負担元係数データテーブル22は、図4(b)に示すように、通話料金の負担元(電話の受信者側、発信者側)、その負担元に対応付けた係数である料金負担元係数データを格納する。なお、図4(b)に示す係数の設定値は、一例であり、本発明に係る電話業務システムを導入する会社などの業務に応じて適宜設定する。なお、通話料金が通話条件によって異なる、通話距離、通話時間帯又は固定電話若しくは携帯電話などの通話媒体に対応付けた係数としてもよい。
【0020】
感受割合係数データテーブル23は、図4(c)に示すように、通話保留状態における通話相手の立場(電話の発信者、受信者)、各立場における待ち時間に受ける感じ方を百分率で割り当て対応付けた係数である感受割合係数データを格納する。なお、図4(c)に示す係数の設定値は、一例であり、本発明に係る電話業務システムを導入する会社などの業務に応じて適宜設定する。
【0021】
転送係数データテーブル24は、構内交換機30によって複数のオペレータ端末装置10間を転送した転送回数を、CTIサーバ40の転送回数計測手段41で計測して、図4(d)に示すように、計測した転送回数に対応付けた係数である転送係数データを格納する。なお、図4(d)に示す係数の設定値は、一例であり、本発明に係る電話業務システムを導入する会社などの業務に応じて適宜設定する。
【0022】
音声波形データテーブル25は、平常心を失った心理状態の音声波形データを格納する。すなわち、性別、年齢、体格又は性格などが異なる様々な被験者の音声波形を蓄積してデータベースにしたものである。なお、本実施形態においては、音声波形データテーブル25に、平常心を失った心理状態の音声波形データを格納しているが、喜怒哀楽などの様々な心理状態における音声波形データを格納して、後述する第2の比較手段6によって通話相手の音圧と比較することで、通話保留状態における通話相手の平常心を失った心理状態以外の心理状態を判定してもよい。
【0023】
表示データテーブル26は、通話保留状態における1又は複数の制限時間に対する経過情報又は通話相手の心理状態情報をオペレータに報知するための表示データを格納する。なお、表示による経過情報としては、例えば、後述する制限時間算出手段1によって、通話保留時間の制限時間が6分と算出された場合に、制限時間の残り時間が制限時間の50%以上である、すなわち、通話保留時間の開始から3分以内の場合には、図5(a)に示すように、顔色が青色で笑った表情のアイコンをオペレータ端末装置10のディスプレイ10dに表示して、オペレータに報知する情報が考えられる。また、制限時間の残り時間が制限時間の50%未満であり10%以上である、すなわち、通話保留時間の開始から3分を超えて5分24秒以内である場合には、図5(b)に示すように、顔色が黄色で不快な表情のアイコンをオペレータ端末装置10のディスプレイ10dに表示して、オペレータに報知する情報が考えられる。また、制限時間の残り時間が制限時間の10%未満である、すなわち、通話保留時間の開始から5分24秒を超えた場合には、図5(c)に示すように、顔色が赤色で怒った表情のアイコンをオペレータ端末装置10のディスプレイ10dに表示して、オペレータに報知する情報が考えられる。さらに、表示による通話相手の心理状態情報としては、例えば、通話保留状態において通話相手が溜息や文句を発し始めた場合に、図5(c)に示すように、顔色が赤色で怒った表情のアイコンをオペレータ端末装置10のディスプレイ10dに表示することが考えられる。すなわち、文字、図形又は記号を用いて、オペレータ端末装置10のディスプレイ10dに表示して、オペレータに報知する情報が考えられる。
【0024】
制限時間算出手段1は、照会項目別制限時間データテーブル21の基礎制限時間データに対して、料金負担元係数データテーブル22の料金負担元係数データ、感受割合係数データテーブル23の感受割合係数データ及び/又は転送係数データテーブル24の転送係数データを乗算して、通話保留時間の制限時間を算出し、算出した制限時間データ及び対応する延長時間データを制限時間データテーブル1aに格納する。
【0025】
なお、本実施形態においては、基礎制限時間データに対して、料金負担元係数データと感受割合係数データとを乗算し、転送係数データは場合によって乗算して、制限時間データを算出しているが、基礎制限時間データに対して、料金負担元係数データ、感受割合係数データ及び転送係数データのいずれも乗算せずに、制限時間データを算出してもよい。また、基礎制限時間データに対して、料金負担元係数データ、感受割合係数データ及び転送係数データのいずれか1つの係数又は複数の係数を適宜組み合わせて乗算し、制限時間データを算出してもよい。
【0026】
しかしながら、電話料金の負担元によって、通話保留時間の待ち時間の感じ方に違いがある(負担元の方が同じ待ち時間でも長く感じる傾向がある)ために、料金負担元係数データを乗算することが、的確な制限時間を算出することができるために好ましい。
【0027】
また、通話保留状態における立場(電話の発信者、受信者)によって、通話保留時間の待ち時間の感じ方に違いがある(受信者の方が同じ待ち時間でも長く感じる傾向がある)ために、感受割合係数データを乗算することが、的確な制限時間を算出できるために好ましい。
【0028】
さらに、電話を転送されることによって、通話保留時間の待ち時間の感じ方に違いがある(転送(たらいまわし)される方が同じ待ち時間でも長く感じる傾向がある)ために、転送係数データを乗算することが、的確な制限時間を算出できるために好ましい。特に、転送された電話に対して引き継いで対応する後任のオペレータにとっては、前任のオペレータによる通話保留時間を把握していないために、的確な転送係数データを乗算することで、的確な制限時間を算出することができる。
通話保留時間計測手段2は、通話保留状態で経過する通話保留時間を計測し、計測した通話保留時間データを通話保留時間データテーブル2aに格納する。
【0029】
第1の比較手段3は、制限時間データテーブル1aに格納された制限時間データと、通話保留時間データテーブル2aに格納された計測開始から現時点までの累積時間である通話保留時間データとを比較して、比較した結果データを第1の比較結果データテーブル3aに格納する。
【0030】
録音手段4(録音手段は別途構成可能)は、通話内容を録音して、録音データテーブル4aに録音データを格納する。
音圧測定手段5は、録音データテーブル4aに格納された録音データに基づき、通話保留状態における通話相手が発する音声の音圧を測定し、測定した音圧データを音圧データテーブル5aに格納する。
【0031】
第2の比較手段6は、音圧データテーブル5aに格納された音圧データの時間的推移からなる音声波形データと、音声波形データテーブル25に格納された音圧波形データとを比較して、比較した結果データを第2の比較結果データテーブル6aに格納する。
【0032】
判定手段7は、第1の比較結果データテーブル3aに格納された比較結果データと、第2の比較結果データテーブル6aに格納された比較結果データとに基づき、通話保留状態における制限時間に対する経過状況及び通話相手の心理状態を判定して、判定した結果データを判定結果データテーブル7aに格納する。
【0033】
報知手段8は、判定結果データに対応する、表示データテーブル26に格納された表示データを、オペレータ端末装置10のディスプレイ10dを用いてオペレータに報知する。なお、本実施形態においては、報知手段8として、オペレータ端末装置10のディスプレイ10dに表示して、オペレータに報知しているが、オペレータ端末装置10に接続されたヘッドセットのヘッドフォンやスピーカを用いて音声によってオペレータに報知してもよい。
【0034】
この場合には、データベースサーバ20は、図示しない音声データテーブルを、表示データテーブル26の替わりに配設又は表示データテーブル26と並設してデータベースが構築される。
【0035】
なお、音声データテーブルは、通話保留状態における1又は複数の制限時間に対する経過情報又は通話相手の心理状態情報をオペレータに報知するための音声データを格納する。また、音声による経過情報としては、例えば、制限時間算出手段1によって、通話保留時間の制限時間が6分と算出された場合に、制限時間の残り時間が制限時間の50%となる、すなわち、通話保留時間の開始から3分に到達すると同時に、残り時間が3分であることを音声によってオペレータに報知する情報が考えられる。また、制限時間の残り時間が10%未満となる、すなわち、通話保留時間の開始から5分24秒が経過すると、制限時間の終了まで、音声によるカウントダウンによりオペレータに報知する情報が考えられる。さらに、音声による通話相手の心理状態情報としては、例えば、通話保留状態において通話相手が溜息や文句を発し始めた場合に、警告音を鳴らしてオペレータに報知する情報が考えられる。
【0036】
通話保留状態解除手段9は、判定結果データテーブル7aに格納された判定結果データが、通話保留時間が制限時間を超えた経過状況であると判定された結果データや通話相手が平常心を失った心理状態であると判定された結果データであれば、通話保留状態を通話状態に強制的に切り替える。
【0037】
延長時間加算手段11は、制限時間を延長することが許可された場合に、制限時間データテーブル1aに格納された制限時間データ及び延長時間データに基づき、制限時間データに延長時間データを加算し、基礎制限時間データとして、基礎制限時間データテーブル11aに格納する。なお、前述した制限時間算出手段1は、基礎制限時間データテーブル11aの基礎制限時間データに対して、料金負担元係数データテーブル22の料金負担元係数データ、感受割合係数データテーブル23の感受割合係数データ及び/又は転送係数データテーブル24の転送係数データを乗算して、新たな通話保留時間の制限時間を算出し、算出した制限時間データを制限時間データテーブル1aに格納する。また、前述した第1の比較手段3は、制限時間データテーブル1aに格納された新たな制限時間データと、通話保留時間データテーブル2aに格納された計測開始から現時点までの累積時間である通話保留時間データとを比較する。
【0038】
つぎに、本実施形態に係る電話業務システムによる通話保留状態における処理手順を図6乃至図8を用いて説明する。
まず、オペレータは、オペレータ端末装置10の保留ボタンを押下して、通話状態から通話保留状態に切り替え、通話保留状態が開始する。
【0039】
ここで、通話状態においては、従来の電話機と同様に、図9(a)に示すように、通話相手が発する音声は、ユーザ端末装置100の送話器によって電気信号に変換して伝送され、オペレータ端末装置10の受話器によって、音声に変換してオペレータに聞こえる。同様に、オペレータが発する音声は、オペレータ端末装置10の送話器によって電気信号に変換して伝送され、ユーザ端末装置100の受話器によって、音声に変換して通話相手に聞こえる。
【0040】
また、通話保留状態においては、図9(b)に示すように、通話相手が発する音声は、ユーザ端末装置100の送話器によって電気信号に変換して伝送され、オペレータ端末装置10の受話器によって、音声に変換してオペレータに聞こえると共に、オペレータ端末装置10の録音手段4を介して音圧測定手段5によって、音圧が測定される。また、オペレータが発する音声は、遮音され、通話相手には聞こえずに、保留音のみが通話相手に聞こえる。なお、通話保留状態において、音圧を測定しているのであれば、通話相手が発する音声は、オペレータに聞こえない構成としてもよい。
【0041】
そして、オペレータ端末装置10の通話保留時間計測手段2によって、通話保留時間の計測を開始する。また、オペレータ端末装置10の音圧測定手段5によって、通話相手から発せられる音声の録音データから音圧の測定を開始する(ステップS1)。なお、音圧の測定にあたっては、録音手段4によって、予め、通話相手から発せられる音声を録音し、録音データテーブル4aに格納された録音データに基づいて、測定する。また、本実施形態においては、通話保留時間の計測と音圧の測定を同時に開始するようにしているが、通話保留時間の計測の開始時と音声の録音の開始時とを前後させてもよい。また、通話相手から発せられる音声の録音は、通話状態から録音を開始してもよいし、通話保留状態から録音を開始してもよい。さらに、計測される通話保留時間は、累積時間として通話保留時間データテーブル2aに格納される。また、測定される音圧データは、音圧データテーブル5aに格納される。
【0042】
制限時間算出手段1は、CTIサーバ40によって特定された電話の発信者及び受信者に関する情報(電話料金の負担元、電話の立場(発信者側、受信者側)、転送回数)及び保留ボタンの押下時にオペレータによって特定された照会項目に関する情報を取得する(ステップS2)。
【0043】
制限時間算出手段1は、電話の発信者及び受信者に関する情報(電話の立場)に基づき、オペレータが電話の発信者(オペレータ端末装置10が発信元)であるか否かを判断する(ステップS3)。
【0044】
ステップS3において、オペレータが電話の発信者であると判断した場合には、制限時間算出手段1は、照会項目に関する情報に基づき、照会項目別制限時間データテーブル21から基礎制限時間データ及び延長時間データを取得する。また、制限時間算出手段1は、電話の発信者及び受信者に関する情報(電話料金の負担元)に基づき、料金負担元係数データテーブル22から料金負担元係数データを取得する。また、制限時間算出手段1は、電話の発信者及び受信者に関する情報(電話の立場(発信者側))に基づき、感受割合係数データテーブル23から感受割合係数データを取得する(ステップS4)。
【0045】
そして、制限時間算出手段1は、基礎制限時間データに対して、料金負担元係数データと感受割合係数データとを乗算して、制限時間を算出する(ステップS5)。なお、算出した制限時間データ及びそれに対応する延長時間データは、制限時間データテーブル1aに格納される。
【0046】
第1の比較手段3は、制限時間データテーブル1aに格納された制限時間データと、通話保留時間データテーブル2aに格納された通話保留時間データとを比較する(ステップS6)。なお、本実施形態においては、制限時間に対する残り時間の割合を算出する。また、比較した結果データは、第1の比較結果データテーブル3aに格納される。
判定手段7は、第1の比較結果データテーブル3aに格納された比較結果データに基づき、通話保留時間が制限時間を超えているか否かを判断する(ステップS7)。
【0047】
ステップS7において、通話保留時間が制限時間を超えていないと判断した場合には、判定手段7は、測定した音圧データに対する比較結果を取得する。すなわち、第2の比較手段6は、音圧データテーブル5aに格納された音圧データ(時間的推移からなる音声波形データ)と、音声波形データテーブル25に格納された平常心を失った心理状態の音声波形データとを比較する(ステップS8)。なお、本実施形態においては、音声波形データの一致の有無をみる。なお、比較した結果データは、第2の比較結果データテーブル6aに格納される。
判定手段7は、第2の比較結果データテーブル6aに格納された比較結果データに基づき、通話相手が平常心を失っているか否かを判断する(ステップS9)。
【0048】
ステップS9において、通話相手が平常心を失っていないと判断した場合には、判定手段7は、第1の比較結果データテーブル3aから読出した制限時間に対する残り時間の割合から経過状況を判定する(ステップS10)。なお、判定した結果データは、判定結果データテーブル7aに格納される。
【0049】
報知手段8は、判定結果データテーブル7aに格納された判定結果データに基づき、判定結果データに対応する、表示データを表示データテーブル26から読出し、オペレータ端末装置10のディスプレイ10dに表示する(ステップS11)。例えば、制限時間に対する残り時間の割合が50%以上であれば、図5(a)のアイコンをオペレータ端末装置10のディスプレイ10dに表示する。
【0050】
そして、ステップS6に戻り、以下同様に、制限時間に対する経過状況及び通話相手の心理状態を判定して、制限時間に対する経過状況及び通話相手の心理状態に対応するアイコンをオペレータ端末装置10のディスプレイ10dに表示する。
【0051】
また、ステップS7において、通話保留時間が制限時間を超えていると判断した場合、又は、ステップS9において、通話相手が平常心を失っていると判断した場合には、判定手段7は通話保留状態を保留状態に切り替えることを判定する(ステップS12)。なお、判定結果データを判定結果データテーブル7aに格納する。
【0052】
報知手段8は、判定結果データテーブル7aに格納された判定結果データに基づき、判定結果データに対応する、表示データを表示データテーブル26から読出し、オペレータ端末装置10のディスプレイ10dに表示する(ステップS13)。例えば、図5(c)のアイコンをオペレータ端末装置10のディスプレイ10dに表示する。
【0053】
また、通話保留状態解除手段9は、判定結果データテーブル7aに格納された判定結果データに基づき、通話保留状態を解除して、強制的に通話保留状態から通話状態に切り替える(ステップS14)。
【0054】
ここで、オペレータは、通話相手に対して対応の不備を陳謝して通話相手の不快感を緩和させたうえで、さらに通話保留状態にできるか(延長時間を追加することができるか)を判断する(ステップS15)。
【0055】
ステップS15において、延長時間を追加することができないと判断した場合には、オペレータは、調査したうえで電話する旨を通話相手に伝えて、通話相手に対する対応を終了する。
【0056】
ステップS15において、延長時間を追加することができると判断した場合には、オペレータは、オペレータ端末装置10の保留ボタンを押下して、通話状態から通話保留状態に切り替える(ステップS16)。
【0057】
延長時間加算手段11は、制限時間データテーブル1aに格納された制限時間データと延長時間データを読出し、制限時間データに対して延長時間データを加算して、基礎制限時間データとする(ステップS17)。なお、基礎制限時間データは、基礎制限時間データテーブル11aに格納される。
【0058】
そして、ステップS4に戻り、制限時間算出手段1は、基礎制限時間データテーブル11aに格納された基礎制限時間データを取得すると共に、料金負担元係数データ、感受割合係数データを取得して、以下同様の処理を行なう。
【0059】
また、ステップS3において、オペレータが電話の発信者でないと判断した場合には、制限時間算出手段1は、照会項目に関する情報に基づき、照会項目別制限時間データテーブル21から基礎制限時間データ及び延長時間データを取得する。また、制限時間算出手段1は、電話の発信者及び受信者に関する情報(電話料金の負担元)に基づき、料金負担元係数データテーブル22から料金負担元係数データを取得する。また、制限時間算出手段1は、電話の発信者及び受信者に関する情報(電話の立場(発信者側))に基づき、感受割合係数データテーブル23から感受割合係数データを取得する。また、制限時間算出手段1は、電話の発信者及び受信者に関する情報(転送回数)に基づき、転送係数データテーブル24から転送係数データを取得する(ステップS104)。
【0060】
すなわち、ステップS3における分岐により、オペレータが電話の発信者でないと判断した場合には、制限時間算出手段1は、電話の発信者及び受信者に関する情報(転送回数)に基づき、転送係数データテーブル24から転送係数データを取得し、基礎制限時間データに対して、転送係数データをさらに乗算して制限時間を算出するところのみが、オペレータが電話の発信者であると判断した場合と異なる処理であり、ステップS104以降の処理については説明を省略する。なお、オペレータが電話の発信者でないと判断した場合における、図8に示すステップS104〜S117は、オペレータが電話の発信者であると判断した場合における、図7に示すステップS4〜ステップS17にそれぞれ対応する。
【0061】
以上のように、本発明に係る電話業務システムは、各通話相手に対して通話保留時間の的確な制限時間を設定することができ、オペレータに対して通話相手の感情の変化に注意を促すことができる。特に、照会項目、電話料金の負担元、通話保留状態における立場(電話の発信者、受信者)及び電話の転送回数を考慮した、通話保留時間の制限時間を設定することができ、通話保留状態によるオペレータの対応により、通話相手からの苦情に発展することを抑制できる。
【0062】
(本発明の第2の実施形態)
図10は第2の実施形態における電話業務システムのシステム構成を示すブロック図、図11は図10に示す制限時間算出手段で演算される顧客別係数データを説明するための説明図である。図10において、図3と同じ符号は、同一または相当部分を示し、その説明を省略する。
【0063】
顧客別係数データテーブル27は、通話相手が本発明に係る電話業務システムを導入する会社などによる電話業務を過去に利用したことがある顧客である場合に、図11に示すように、顧客ID(例えば、電話番号など)、オペレータによるその顧客に対する対応履歴又はその顧客によるオペレータに対する対応履歴(以下、総称して、顧客の対応履歴情報と称す)や顧客情報に基づき顧客別に重み付けをして対応付けた顧客別係数データを格納する。なお、顧客の対応履歴情報に基づく顧客別係数としては、例えば、通話保留状態の間に顧客が一方的に電話を切断した場合における切断するまでの通話保留時間に基づき、この顧客に対する制限時間を通常よりも短くなるような係数の設定値とすることや、その顧客から電話を受けた回数や前回の対応における通話保留時間の長さや電話を受けた直近の日時などに基づき、この顧客に対する制限時間を可変する係数の設定値とすることが考えられる。また、顧客情報に基づく顧客別係数としては、例えば、顧客の購買履歴に基づき購買量や購買金額の多い顧客に対して優先度を上げて制限時間が短くなるような係数の設定値とすることや、性別、主婦層などの購買層、年代又はライフスタイルなどに応じて、制限時間を可変する係数の設定値とすることが考えられる。また、図11に示す係数の設定値は、一例であり、顧客の対応履歴情報や顧客情報に応じて適宜設定する。
【0064】
制限時間算出手段1は、照会項目別制限時間データテーブル21の基礎制限時間データに対して、料金負担元係数データテーブル22の料金負担元係数データ、感受割合係数データテーブル23の感受割合係数データ、転送係数データテーブル24の転送係数データ及び顧客別係数データテーブル27の顧客別係数データを乗算して、通話保留時間の制限時間を算出して、制限時間データテーブル1aに算出した制限時間データ及び対応する延長時間データを格納する。
【0065】
なお、この第2の実施形態における電話業務システムにおいては、データベースサーバ20に顧客別係数データベースを備え、通話保留時間の制限時間の算出に顧客別係数データを使用するところのみが第1の実施形態と異なるところであり、後述する顧客別係数データによる作用効果以外は、第1の実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0066】
この第2の実施形態においては、通話相手の顧客情報や過去の顧客の対応履歴情報に基づき、顧客の個性に応じた通話保留時間の制限時間を算出することができる。特に、随時、各顧客に対する対応履歴を顧客別係数データテーブル27に更新してデータベースを構築することで、その顧客に対する次回の電話業務において、通話保留時間の制限時間に対して精度の高い算出結果を得ることができ、通話保留状態における適切な対応を行なうことができる。
【0067】
以上の実施例1〜8を含む実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1) 電話業務を遂行するオペレータが使用するオペレータ端末装置と、当該オペレータの通話相手が使用するユーザ端末装置及び複数のオペレータ端末装置のうち一のオペレータ端末装置間の接続を振り分ける構内交換機とを構内通信網により接続し相互の通信を可能とする電話業務システムにおいて、通話保留状態で経過する通話保留時間を計測する通話保留時間計測手段と、前記通話相手に応じた通話保留時間における1又は複数の制限時間を算出する制限時間算出手段と、前記通話保留時間及び制限時間を比較した結果に基づき、前記通話保留状態における1又は複数の制限時間に対する経過情報を報知する報知手段と、を備えていることを特徴とする電話業務システム。
【0068】
(付記2) 前記通話保留状態における通話相手が発する音声の音圧を測定する音圧測定手段と、予め登録した音声波形データを格納した音声波形データテーブルと、を備え、前記報知手段が、前記音圧及び音声波形データを比較した結果に基づき、前記通話保留状態における通話相手の心理状態情報を報知することを特徴とする電話業務システム。
【0069】
(付記3) 前記通話相手の照会項目に対応付けた通話保留時間における1又は複数の制限時間からなる基礎制限時間データを格納した照会項目別制限時間データテーブルを備え、前記制限時間算出手段が、前記基礎制限時間データを読み出すと共に、前記基礎制限時間データに基づき前記制限時間を算出することを特徴とする電話業務システム。
【0070】
(付記4) 通話料金の負担元に対応付けた係数である料金負担元係数データを格納した料金負担元係数データテーブルを備え、前記制限時間算出手段が、前記料金負担元係数データを読み出すと共に、前記基礎制限時間データに対して前記料金負担元係数データを乗算し、前記制限時間を算出することを特徴とする電話業務システム。
【0071】
(付記5) 通話保留状態における電話の発信者又は受信者の待ち時間に受ける感じ方を百分率で割り当て、当該発信者又は受信者に対応付けた係数である感受割合係数データを格納した感受割合係数データテーブルを備え、前記制限時間算出手段が、前記感受割合係数データを読み出すと共に、前記基礎制限時間データに対して感受割合係数データを乗算し、前記制限時間を算出することを特徴とする電話業務システム。
【0072】
(付記6) 前記一のオペレータ端末装置から他のオペレータ端末装置に転送した転送回数を計測し、前記構内交換機を制御するためのCTIサーバと、前記計測した転送回数に対応付けた係数である転送係数データを格納した転送係数データテーブルとを備え、前記制限時間算出手段が、電話の発信元がユーザ端末装置の場合に、前記転送係数データを読み出すと共に、前記基礎制限時間データに対して転送係数データを乗算し、前記制限時間を算出することを特徴とする電話業務システム。
【0073】
(付記7) 顧客の対応履歴情報及び/又は顧客情報に基づき顧客別に重み付けをして対応付けた係数である顧客別係数データを格納した顧客別係数データテーブルを備え、前記制限時間算出手段が、前記顧客別係数データを読み出すと共に、前記基礎制限時間データに対して顧客別係数データを乗算し、前記制限時間を算出することを特徴とする電話業務システム。
【0074】
(付記8) コンピュータを、通話保留状態で経過する通話保留時間を計測する通話保留時間計測手段と、前記通話相手に応じた通話保留時間における1又は複数の制限時間を算出する制限時間算出手段と、前記通話保留時間及び制限時間を比較した結果に基づき前記通話保留状態における1又は複数の制限時間に対する経過情報を報知する報知手段として機能させることを特徴とする電話業務プログラム。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本実施形態に係る電話業務システムを説明するための全体システム構成図である。
【図2】本実施形態に係るオペレータ端末装置のハードウェア構成図である。
【図3】図1に示す電話業務システムのシステム構成を示すブロック図である。
【図4】図3に示す制限時間算出手段で演算されるデータを説明するための説明図である。
【図5】図3に示す表示データテーブルに格納する表示データをディスプレイに表示した場合の一例を説明するための説明図である。
【図6】図3に示す電話業務システムによる通話保留状態における処理手順を示すフローチャートである。
【図7】図6に示すフローチャートの続きを示すフローチャートである。
【図8】図6に示すフローチャートの続きを示すフローチャートである。
【図9】通話保留状態における音圧測定を説明するための説明図である。
【図10】第2の実施形態における電話業務システムのシステム構成を示すブロック図である。
【図11】図10に示す制限時間算出手段で演算される顧客別係数データを説明するための説明図である。
【符号の説明】
【0076】
1 制限時間算出手段
1a 制限時間データテーブル
2 通話保留時間計測手段
2a 通話保留時間データテーブル
3 第1の比較手段
3a 第1の比較結果データテーブル
4 録音手段
4a 録音データテーブル
5 音圧測定手段
5a 音圧データテーブル
6 第2の比較手段
6a 第2の比較結果データテーブル
7 判定手段
7a 判定結果データテーブル
8 報知手段
9 通話保留状態解除手段
10 オペレータ端末装置
10a CPU
10b メインメモリ
10c HD
10d ディスプレイ
10e キーボード
10f マウス
10g LANカード
10h リムーバブルドライブ
11 延長時間加算手段
11a 基礎制限時間データテーブル
20 データベースサーバ
21 照会項目別制限時間データテーブル
22 料金負担元係数データテーブル
23 感受割合係数データテーブル
25 音声波形データテーブル
26 表示データテーブル
27 顧客別係数データテーブル
30 構内交換機
40 CTIサーバ
41 転送回数計測手段
100 ユーザ端末装置
200 通信網
300 構内通信網

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電話業務を遂行するオペレータが使用するオペレータ端末装置と、当該オペレータの通話相手が使用するユーザ端末装置及び複数のオペレータ端末装置のうち一のオペレータ端末装置間の接続を振り分ける構内交換機とを構内通信網により接続し相互の通信を可能とする電話業務システムにおいて、
通話保留状態で経過する通話保留時間を計測する通話保留時間計測手段と、
前記通話相手に応じた通話保留時間における1又は複数の制限時間を算出する制限時間算出手段と、
前記通話保留時間及び制限時間を比較した結果に基づき、前記通話保留状態における1又は複数の制限時間に対する経過情報を報知する報知手段と、
を備えていることを特徴とする電話業務システム。
【請求項2】
前記請求項1に記載の電話業務システムにおいて、
前記通話保留状態における通話相手が発する音声の音圧を測定する音圧測定手段と、
予め登録した音声波形データを格納した音声波形データテーブルと、
を備え、
前記報知手段が、前記音圧及び音声波形データを比較した結果に基づき、前記通話保留状態における通話相手の心理状態情報を報知することを特徴とする電話業務システム。
【請求項3】
前記請求項1又は2に記載の電話業務システムにおいて、
前記通話相手の照会項目に対応付けた通話保留時間における1又は複数の制限時間からなる基礎制限時間データを格納した照会項目別制限時間データテーブルを備え、
前記制限時間算出手段が、前記基礎制限時間データを読み出すと共に、前記基礎制限時間データに基づき前記制限時間を算出することを特徴とする電話業務システム。
【請求項4】
前記請求項3に記載の電話業務システムにおいて、
通話料金の負担元に対応付けた係数である料金負担元係数データを格納した料金負担元係数データテーブルを備え、
前記制限時間算出手段が、前記料金負担元係数データを読み出すと共に、前記基礎制限時間データに対して前記料金負担元係数データを乗算し、前記制限時間を算出することを特徴とする電話業務システム。
【請求項5】
前記請求項3又は4に電話業務システムにおいて、
通話保留状態における電話の発信者又は受信者の待ち時間に受ける感じ方を百分率で割り当て、当該発信者又は受信者に対応付けた係数である感受割合係数データを格納した感受割合係数データテーブルを備え、
前記制限時間算出手段が、前記感受割合係数データを読み出すと共に、前記基礎制限時間データに対して感受割合係数データを乗算し、前記制限時間を算出することを特徴とする電話業務システム。
【請求項6】
前記請求項3乃至5のいずれかに記載の電話業務システムにおいて、
前記一のオペレータ端末装置から他のオペレータ端末装置に転送した転送回数を計測し、前記構内交換機を制御するためのCTIサーバと、前記計測した転送回数に対応付けた係数である転送係数データを格納した転送係数データテーブルとを備え、
前記制限時間算出手段が、電話の発信元がユーザ端末装置の場合に、前記転送係数データを読み出すと共に、前記基礎制限時間データに対して転送係数データを乗算し、前記制限時間を算出することを特徴とする電話業務システム。
【請求項7】
前記請求項3乃至6のいずれかに記載の電話業務システムにおいて、
顧客の対応履歴情報及び/又は顧客情報に基づき顧客別に重み付けをして対応付けた係数である顧客別係数データを格納した顧客別係数データテーブルを備え、
前記制限時間算出手段が、前記顧客別係数データを読み出すと共に、前記基礎制限時間データに対して顧客別係数データを乗算し、前記制限時間を算出することを特徴とする電話業務システム。
【請求項8】
コンピュータを、通話保留状態で経過する通話保留時間を計測する通話保留時間計測手段と、前記通話相手に応じた通話保留時間における1又は複数の制限時間を算出する制限時間算出手段と、前記通話保留時間及び制限時間を比較した結果に基づき前記通話保留状態における1又は複数の制限時間に対する経過情報を報知する報知手段として機能させることを特徴とする電話業務プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−111829(P2009−111829A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−283280(P2007−283280)
【出願日】平成19年10月31日(2007.10.31)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】