説明

電話装置

【課題】 着信拒否したい相手先が公衆電話や非通知で発呼をかけてきた場合でもユーザが不快に思うことを回避する。
【解決手段】 着信があり着信に応答してから通話中に、ユーザが通話中の相手先を着信拒否相手先として登録する操作を行うと、通話中の相手先を着信拒否相手先として登録する。通話が終了した直後にタイマカウントを開始し(S12ステップ)、タイマが予め設定した時間をカウントするまでは、公衆電話又は非通知からの着信を拒否し(S14ステップのYES、S15ステップ)、タイマがカウントアップすると(S16ステップのYES)、公衆電話又は非通知からの着信拒否設定を解除する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話装置等の電話装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在市販されている携帯電話装置は、着信時に発呼側の電話番号を表示できる。例えば携帯電話からの着信があると、着信音を鳴動させると共に表示部には発呼側の携帯電話の番号が表示される。しかし、発呼側の携帯電話が電話番号の先頭に「184」を入力してダイヤル発信した場合には、着呼側の携帯電話には発呼側の電話番号が表示されず、例えば、「非通知着信」と表示される。又、発呼側が公衆電話から電話をかける場合には、着呼側の携帯電話には例えば、「公衆電話」と表示される。
【0003】
又、現在市販されている携帯電話は、予め登録した電話番号からの着信を拒否する機能も有している。更には、この着信拒否の機能に関する特許も数多く提案されている。例えば特許文献1には、着信時に受信した電話番号が着信拒否番号に一致し、且つ、着信時の現在時刻が着信拒否時間である場合には、その電話番号からの着信を拒否する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−165000号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、引用文献1に記載の技術では、着信拒否として登録した相手先からの着信を拒否できるが、着信拒否した後に相手先が電話番号を通知せずに或いは公衆電話からかけてきた場合に対する対処方法に関しては考慮されていない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明は、着信拒否した相手先からの着信があった後に、所定時間の間は非通知着信
や公衆電話からの着信は全て拒否する構成としている。この為、セールスや勧誘、いたずら目的等で発呼してきた相手先が、あらためて電話番号を非通知とした場合や公衆電話からかけてきた場合等に、ユーザが着信音を聞いて不快に思うことを回避することが可能である。
【0007】
また、請求項1に記載の発明は、相手先の電話番号を着信拒否相手先として登録可能な電話装置であり、着信拒否の相手先の電話番号を登録完了した後から所定時間の間は、公衆電話からの着信及び/又は電話番号が非通知である着信を拒否することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、相手先の電話番号を着信拒否相手先として登録可能な電話装置であり、通話中に着信拒否の相手先の電話番号を登録完了し、当該登録完了の時点から所定時間の間は、公衆電話からの着信及び/又は電話番号が非通知である着信を拒否することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、相手先の電話番号を着信拒否相手先として登録可能な電話装置であり、通話中に着信拒否の相手先の電話番号を登録完了し、当該通話が終了した時点から所定時間の間は、公衆電話からの着信及び/又は電話番号が非通知である着信を拒否することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3に記載の電話装置であり、公衆電話からの着信及び/又は電話番号が非通知である着信を拒否する動作として、着信があり所定回数の着信音を鳴動した後に自動的に回線を接続し、回線へ音声メッセージを送信すると共に回線からの音声信号を自動的に録音する動作を行うことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、相手先の電話番号を着信拒否相手先として登録可能な電話装置であり、着信拒否の相手先の電話番号を登録完了した後から所定時間の間は、公衆電話からの着信及び/又は電話番号が非通知である着信を拒否し、且つ、前記着信拒否の相手先の電話番号を登録完了してから前記着信拒否の相手先の電話番号の登録解除を完了するまで、前記着信拒否の相手先の電話番号からの着信を拒否することを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、相手先の電話番号を着信拒否相手先として登録可能な電話装置であり、通話中に着信拒否の相手先の電話番号を登録完了し、当該登録完了の時点から所定時間の間は、公衆電話からの着信及び/又は電話番号が非通知である着信を拒否し、且つ、前記着信拒否の相手先の電話番号を登録完了してから前記着信拒否の相手先の電話番号の登録解除を完了するまで、前記着信拒否の相手先の電話番号からの着信を拒否することを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、相手先の電話番号を着信拒否相手先として登録可能な電話装置であり、通話中に着信拒否の相手先の電話番号を登録完了し、当該通話が終了した時点から所定時間の間は、公衆電話からの着信及び/又は電話番号が非通知である着信を拒否し、且つ、前記着信拒否の相手先の電話番号を登録完了してから前記着信拒否の相手先の電話番号の登録解除を完了するまで、前記着信拒否の相手先の電話番号からの着信を拒否することを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項5〜7に記載の電話装置であり、公衆電話からの着信及び/又は電話番号が非通知である着信を拒否する動作として、着信があり所定回数の着信音を鳴動した後に自動的に回線を接続し、回線へ音声メッセージを送信すると共に回線からの音声信号を自動的に録音する動作を行うことを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、相手先の電話番号を着信拒否相手先として登録可能な電話装置であり、予め所定時間を設定可能であり、前記所定時間の設定が行われた状態では、着信拒否の相手先の電話番号を登録完了した後から前記所定時間の間は、公衆電話からの着信及び/又は電話番号が非通知である着信を拒否し、一方、前記所定時間の設定が行われていない状態では、着信拒否の相手先の電話番号を登録完了した後から前記所定時間の間に、公衆電話からの着信及び/又は電話番号が非通知である着信を拒否する動作を行わないことを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、相手先の電話番号を着信拒否相手先として登録可能な電話装置であり、予め所定時間を設定可能であり、前記所定時間の設定が行われた状態では、着信があり通話中に着信拒否の相手先の電話番号を登録完了した後から所定時間の間は、公衆電話からの着信及び/又は電話番号が非通知である着信を拒否し、一方、前記所定時間の設定が行われていない状態では、着信拒否の相手先の電話番号を登録完了した後から前記所定時間の間に、公衆電話からの着信及び/又は電話番号が非通知である着信を拒否する動作を行わないことを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、相手先の電話番号を着信拒否相手先として登録可能な電話装置であり、予め所定時間を設定可能であり、前記所定時間の設定が行われた状態では、着信があり通話中に着信拒否の相手先の電話番号を登録完了し、通話終了後から所定時間の間は、公衆電話からの着信及び/又は電話番号が非通知である着信を拒否し、一方、前記所定時間の設定が行われていない状態では、着信拒否の相手先の電話番号を登録完了し、通話終了後から前記所定時間の間に、公衆電話からの着信及び/又は電話番号が非通知である着信を拒否する動作を行わないことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、セールスや勧誘、いたずら目的等で発呼してきた相手先が、電話番号を非通知とした場合や公衆電話からかけてきた場合等に対しても自動的に着信拒否を行うことができる。
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、着信拒否の相手先の電話番号を登録完了した後から所定時間の間は、公衆電話からの着信及び/又は電話番号が非通知である着信を拒否するため、着信拒否相手先を登録してから所定時間の間は、セールスや勧誘、いたずら目的等で発呼してきた相手先が、電話番号を非通知とした場合や公衆電話からかけてきた場合等に対しても自動的に着信拒否を行うことができる。
請求項2に記載の発明によれば、通話中に着信拒否の相手先の電話番号を登録完了し、登録完了の時点から所定時間の間は、公衆電話からの着信及び/又は電話番号が非通知である着信を拒否するため、通話中に着信拒否相手先を登録してから所定時間の間は、セールスや勧誘、いたずら目的等で発呼してきた相手先が、電話番号を非通知とした場合や公衆電話からかけてきた場合等に対しても自動的に着信拒否を行うことができる。
請求項3に記載の発明によれば、通話中に着信拒否の相手先の電話番号を登録完了し、通話が終了した時点から所定時間の間は、公衆電話からの着信及び/又は電話番号が非通知である着信を拒否するため、着信拒否相手先からの着信後所定時間の間は、セールスや勧誘、いたずら目的等で発呼してきた相手先が、電話番号を非通知とした場合や公衆電話からかけてきた場合等に対しても自動的に着信拒否を行うことができる。
請求項4に記載の発明によれば、公衆電話からの着信及び/又は電話番号が非通知である着信を拒否する動作として、着信があり所定回数の着信音を鳴動した後に自動的に回線を接続し、回線へ音声メッセージを送信すると共に回線からの音声信号を自動的に録音する動作を行うため、セールスやいたずら目的で発呼してきた相手先の音声を証拠として残すことが可能である。
請求項5に記載の発明は、着信拒否の相手先の電話番号を登録完了した後から所定時間の間は、公衆電話からの着信及び/又は電話番号が非通知である着信を拒否し、且つ、着信拒否の相手先の電話番号を登録完了してから着信拒否の相手先の電話番号の登録解除を完了するまで、着信拒否の相手先の電話番号からの着信を拒否するため、所定時間が経過した後も、着信拒否したい電話番号からの着信を拒否できる。
請求項6に記載の発明によれば、通話中に着信拒否の相手先の電話番号を登録完了し、登録完了の時点から所定時間の間は、公衆電話からの着信及び/又は電話番号が非通知である着信を拒否し、且つ、着信拒否の相手先の電話番号を登録完了してから着信拒否の相手先の電話番号の登録解除を完了するまで、着信拒否の相手先の電話番号からの着信を拒否するため、所定時間が経過した後も、着信拒否したい電話番号からの着信を拒否できる。
請求項7に記載の発明によれば、通話中に着信拒否の相手先の電話番号を登録完了し、当該通話が終了した時点から所定時間の間は、公衆電話からの着信及び/又は電話番号が非通知である着信を拒否し、且つ、着信拒否の相手先の電話番号を登録完了してから着信拒否の相手先の電話番号の登録解除を完了するまで、着信拒否の相手先の電話番号からの着信を拒否するため、所定時間が経過した後も、着信拒否したい電話番号からの着信を拒否できる。
請求項8に記載の発明によれば、公衆電話からの着信及び/又は電話番号が非通知である着信を拒否する動作として、着信があり所定回数の着信音を鳴動した後に自動的に回線を接続し、回線へ音声メッセージを送信すると共に回線からの音声信号を自動的に録音するため、セールスやいたずら目的で発呼してきた相手先の音声を証拠として残すことが可能である。
請求項9に記載の発明によれば、所定時間の設定が行われていない状態では、着信拒否の相手先の電話番号を登録完了した後から所定時間の間に、公衆電話からの着信及び/又は電話番号が非通知である着信を拒否する動作を行わないため、着信拒否相手先を登録してから所定時間の間は公衆電話や非通知の着信を拒否するか否かをユーザが選択可能である。
請求項10に記載の発明によれば、所定時間の設定が行われていない状態では、着信拒否の相手先の電話番号を登録完了した後から所定時間の間に、公衆電話からの着信及び/又は電話番号が非通知である着信を拒否する動作を行わないため、着信拒否相手先を登録してから所定時間の間は公衆電話や非通知の着信を拒否するか否かをユーザが選択可能である
請求項11に記載の発明によれば、所定時間の設定が行われていない状態では、拒否の相手先の電話番号を登録完了し、通話終了後から所定時間の間に、公衆電話からの着信及び/又は電話番号が非通知である着信を拒否する動作を行わないため、着信拒否相手先を登録してから所定時間の間は公衆電話や非通知の着信を拒否するか否かをユーザが選択可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態に係る電話装置のブロック図である。
【図2】本実施例装置の動作を示すフロー図である。
【図3】本実施例装置の動作を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に本実施例装置について説明する。本実施例装置として携帯電話装置を一例に実施しているが、本発明は、携帯電話装置だけでなく、日本電信電話株式会社が提供するナンバーディスプレイサービスに対応したコードレス電話装置、留守番電話装置、電話機能を有するファクシミリ装置等にも同様に適用可能である。
【実施例】
【0012】
次に、本発明の一実施形態に係る電話装置(携帯電話装置)について、図面を参照して説明する。図1は本実施例装置の機能ブロック図である。
図1に示すように、携帯電話装置10は、アンテナ16と接続された通信部12を備えている。この通信部12は、後述のベースバンド部14からの信号をアンテナ16を介して基地局へ発信し、あるいはアンテナ16を介して基地局からの電波を受信する。
【0013】
また、通信部12は、ベースバンド部14と接続されている。ベースバンド部14は、CDMA処理回路18と、音声コーデック20と、を有している。ここで、CDMA処理回路18は、符号分割多元接続、スクランブル、誤り制御、タイミング検出を行う。また、音声コーデック20は、音声を圧縮(符号化)、伸張(復号化)したり、アナログとデジタルの変換を行ったり、内部の増幅回路(図示省略)により受話音量やマイクロホンの感度を変更する。
【0014】
また、ベースバンド部14には、切替回路22が接続されている。この切替回路22には、増幅回路24を介して第1スピーカ26が接続されている。この第1スピーカ26は、増幅回路24で増幅されたベースバンド部14の電気信号を音声に変換する。この第1スピーカ26は、ユーザの耳にあてて通話に使用される。
【0015】
また、切替回路22には、増幅回路28を介してマイクロホン30が接続されている。このマイクロホン30は、通話に使用され、音声を電気信号に変換する。マイクロホン30により出力された電気信号は、増幅回路28で増幅されてベースバンド部14に出力される。
【0016】
また、切替回路22には、増幅回路32を介して第2スピーカ34が接続されている。この第2スピーカ34は、増幅回路32で増幅されたベースバンド部14の電気信号を音声に変換する。この第2スピーカ34は、受話音を周囲の人にも聞かせるための拡声用のスピーカである。また、第2スピーカ34は、着信報知の鳴動も行う。なお、これらの3つの増幅回路24、28、32は、ゲインを固定しており、第1スピーカ26及び第2スピーカ34の音量やマイクロホン30の感度を変更することはできないようになっている。
【0017】
この切替回路22は、ベースバンド部14との接続を、第1スピーカ26用の増幅回路24とマイクロホン30用の増幅回路28側にするか、あるいは拡声用の第2スピーカ34用の増幅回路32とマイクロホン30用の増幅回路28側にするかを切り替える。
【0018】
また、通信部12、ベースバンド部14、切替回路22には、制御回路(制御部)36がそれぞれ接続されている。この制御回路36の制御により上述した切替回路22による切り替えが行われる。また、制御回路36によりベースバンド部14の音声コーデック20が制御され、音声コーデック20により第1スピーカ26及び第2スピーカ34の音量やマイクロホン30の感度が変更される。制御回路36には、ROM38が接続されており、ROM38に格納されているシステムプログラムに基づき各部を制御する。
【0019】
また、制御回路36には、入力部44が接続されている。この入力部44は、図示していないが、テンキー、通話キー、切キー、カーソル移動等に用いられる十字キー、決定キー、クリアキー等を有している。
【0020】
RAM40には、拒否相手先の電話番号と、拒否相手先の電話番号を登録した後の時間の情報とが格納される。尚、この時間の情報とは、拒否相手先の電話番号を登録した後に、その拒否相手先が公衆電話や非通知で電話をかけてきた際に、その着信を拒否するための時間であり、この時間の間に公衆電話や非通知からの着信があると着信を拒否する。
【0021】
次に本実施例装置の動作について、図2及び図3のフロー図に基づき以下に説明する。まず、図2及び図3の動作に入る前に、着信拒否相手先からの着信があってからの所定時間(例えば、30分)がユーザのキー操作によりRAM40に格納される。この所定時間は、後ほど詳細に説明するが、フロー図のS10ステップで着信拒否相手先の電話番号が登録される際に、この着信拒否相手先の電話番号と対応付けてRAM40に格納される。
図2のS01ステップにおいて、制御回路36は、ベースバンド部14から着信があることを示す信号を検出すると、S02ステップへ処理を進める。
【0022】
S02ステップでは、制御回路36は、ベースバンド部14が検出した電話番号を制御回路36の内部に装備されているバッファメモリ(図示せず)に一時的に格納する。
【0023】
続くS03ステップでは、スピーカ34から着信音を鳴動させる。続くS04ステップでは、ベースバンド部14から着信信号の受信が終了したことを示す信号を検出すると、S05ステップへ処理を進め、そうでなければ、S06ステップへ処理を進める。
【0024】
S05ステップでは、制御回路36は、スピーカ34からの着信音の送出を停止させると共に、制御回路36内部のバッファメモリ(図示せず)に一時的に格納した電話番号を消去し、S01ステップへ処理を戻す。
【0025】
S06ステップでは、制御回路36は、ユーザが着信に応答したか(オフフックしたか)否かを検出する。具体的には、制御回路36は、入力部44から通話キー(図示せず)の押下信号を検出したと判定するとS07ステップへ処理を進め、そうでなければS04ステップへ処理を戻す。
【0026】
S07ステップでは、制御回路36は、ベースバンド部14と切回路22を制御することにより、通話相手先とスピーカ26及びマイク30との間で通話路を形成し、通話動作を開始する。
【0027】
S08ステップでは、制御回路36は、入力部44から着信拒否相手先の登録指示操作があると判定すると、S10ステップへ処理を進め、そうでなければS09ステップへ処理を進める。
【0028】
S09ステップでは、制御回路36は、通話が終了したか否かを検出する。具体的には、入力部44から切キーの操作があると判定するか、ベースバンド部14から発呼側との無線通信が終了したことを示す信号を検出すると、通話が終了したと判定し、S01ステップへ処理を戻し、そうでなければS08ステップへ処理を戻す。
【0029】
S10ステップでは、制御回路36は、制御回路36のバッファメモリ(図示せず)に一時的に格納した電話番号、即ち、S02ステップで検出した電話番号を着信拒否相手先として登録する。この着信拒否相手先の電話番号は、予めRAM40に格納されている所定時間に対応付けられて、RAM40に格納(登録)される。又、RAM40には非通知或いは公衆電話からの着信を拒否するか否かのフラグが格納されており、このフラグをオフからオンへ変更する。尚、図2及び図3の動作を実行する前に予め所定時間をRAM40に格納しなかった場合には、このフラグはオフを維持したままとなる。
【0030】
S11ステップでは、制御回路36は、入力部44から切キーの操作があると判定するか、ベースバンド部14から発呼側との無線通信が終了したことを示す信号を検出すると、通話が終了したと判定し、図3のS12ステップへ処理を進める。
【0031】
S12ステップでは、制御回路36は、制御回路36内部に搭載されているタイマ(図示せず)による、予めRAM40に格納された所定時間(例えば、30分)の計時を開始する。
【0032】
続いてS13ステップでは、制御回路36は、ベースバンド部14から着信があることを示す信号を検出すると、S14ステップへ処理を進め、そうでなければS22ステップへ処理を進める。
【0033】
S14ステップでは、制御回路36は、ベースバンド部14から、発呼側が非通知で発呼を行っているか或いは、公衆電話から発呼を行っていることを示す信号を検出すると、公衆電話又は非通知による着信であると判定し、S15ステップへ処理を進め、そうでなければS18ステップへ処理を進める。
【0034】
続くS15ステップでは、S13ステップにおける着信相手先に対して着信拒否動作を行う。具体的には、例えば、所定回数(回数0以上)の着信音鳴動後に自動的に回線を接続し、RAM40に予め格納されている音声メッセージ(例えば、「非通知または公衆電話からの着信には応答しません」)を発呼側に送出し自動的に回線を切断するか、或いは、所定回数(回数0以上)の着信音鳴動後に自動的に回線を切断するようにすると良い。尚、所定回数が0というのは着信音を鳴動せずに直ちに回線を接続して音声メッセージを回線に送出することを示しており、この場合着信音が鳴動されないためにユーザが着信音を聞いて不快に思うことがない。
【0035】
S16ステップでは、制御回路36は、前記S12ステップで計時開始した所定時間(例えば30分)が経過したと判定すると、S17ステップへ処理を進め、そうでなければS13ステップへ処理を戻す。
【0036】
S17ステップでは、制御回路36は、公衆電話又は非通知からの着信を拒否する設定を解除し、処理を終了する。具体的には、制御回路36は、RAM40に格納されているフラグをオンからオフに変更する。以降の着信においては、公衆電話又は非通知からの着信を許可するようになる。このように所定時間が経過してから公衆電話又は非通知からの着信を許可したのは、セールス等の目的で着信があってから所定時間経過した後は、相手側がセールス目的の電話をかけることをあきらめる可能性があり、又、セールス等を目的とせずに発呼する相手先からの着信をとることができないといった事態を回避する為である。
【0037】
尚、S17ステップにおいて、RAM40に格納されているフラグをオフすると共に、RAM40に格納されている着信拒否相手先の電話番号と対応する所定時間を消去する構成としても良い。
【0038】
S18ステップでは、制御回路36は、RAM40に格納されている着信拒否相手先からの着信であると判定すると、S15ステップへ処理を進め、そうでなければS19ステップへ処理を進める。
【0039】
S19ステップでは、制御回路36は、入力部44から通話キーの押下操作があると判定するとS21ステップへ処理を進め、そうでなければS20ステップへ処理を進める。
【0040】
S20ステップでは、制御回路36は、ベースバンド部14から着信信号の受信が終了したことを示す信号を検出すると、S23ステップへ処理を進め、そうでなければ、S19ステップへ処理を戻す。
【0041】
S21ステップでは、制御回路36は、ベースバンド部14と切回路22を制御することにより、通話相手先とスピーカ26及びマイク30との間で通話路を形成し、通話動作を開始する。
【0042】
S22ステップでは、制御回路36は、制御回路36は、入力部44から切キーの操作があると判定するか、ベースバンド部14から発呼側との無線通信が終了したことを示す信号を検出すると、通話が終了したと判定し、S23ステップへ処理を進める。
【0043】
S23ステップでは、制御回路36は、前記S12ステップで計時開始した所定時間(例えば30分)が経過したと判定すると、S17ステップへ処理を進め、そうでなければS13ステップへ処理を戻す。
【0044】
以上説明したように、本実施例装置では、ユーザが着信に応答した後に、着信拒否相手先としてその発呼してきた相手先の電話番号を登録すると、通話終了後所定時間の間は非通知着信や公衆電話からの着信を拒否することが可能である。この為、セールスや勧誘、いたずら目的等で発呼をしてきた相手先が、電話番号を通知した発呼では相手が応答しないので、公衆電話や非通知による発呼を行い、再度発呼を行っても、着呼側が着信拒否動作を行うため、度重なるセールス等の着信でユーザが不快に思うことを回避することが可能である。
【0045】
尚、本実施例では、S08ステップ及びS10ステップで着信拒否相手先を登録し通話が終了した時点(S11ステップのYES)で、S12ステップでタイマのカウントを開始したが、S08ステップとS10ステップの着信拒否相手先を登録した時点でタイマのカウントを開始しても良い。
又、本実施例装置では、着信拒否相手先を1件登録した場合について実施したが、着信拒否相手先を複数件登録可能としても良い。この場合、着信拒否相手先1件1件につき、公衆電話や非通知からの着信を拒否する期間である所定の期間を夫々設定可能としても良く、このような構成とした場合、最も新しく着信拒否した時刻から所定時間の間に、公衆電話や非通知からの着信を拒否する構成となる。
【0046】
更に、本実施例では、着信拒否相手先又は公衆電話や非通知からの着信を拒否する動作として、所定回数の着信音を鳴動後に自動的に回線を接続し、音声メッセージを回線へ出力する構成としたが、音声メッセージを回線へ出力すると共に回線からの音声メッセージをRAM40に格納する構成としても良い。
【0047】
また、本実施例装置では、予め所定時間の設定を行った状態で着信拒否相手先の設定を行うと、所定時間の間公衆電話等からの着信を拒否する構成としたが、所定時間は予め工場出荷時からディフォルト値として設定し、ユーザが所定時間を設定しなくとも自動的に着信拒否相手先の登録を行うと、所定時間の間公衆電話等からの着信を拒否する構成としても良い。
【符号の説明】
【0048】
10 電話装置
36 制御回路
38 ROM
40 RAM
42 ディスプレイ
44 入力部
56 電話回線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相手先の電話番号を着信拒否相手先として登録可能な電話装置であり、
着信拒否の相手先の電話番号を登録完了した後から所定時間の間は、公衆電話からの着信及び/又は電話番号が非通知である着信を拒否することを特徴とする電話装置。
【請求項2】
相手先の電話番号を着信拒否相手先として登録可能な電話装置であり、
通話中に着信拒否の相手先の電話番号を登録完了し、当該登録完了の時点から所定時間の間は、公衆電話からの着信及び/又は電話番号が非通知である着信を拒否することを特徴とする電話装置。
【請求項3】
相手先の電話番号を着信拒否相手先として登録可能な電話装置であり、
通話中に着信拒否の相手先の電話番号を登録完了し、当該通話が終了した時点から所定時間の間は、公衆電話からの着信及び/又は電話番号が非通知である着信を拒否することを特徴とする電話装置。
【請求項4】
請求項1〜3に記載の電話装置であり、公衆電話からの着信及び/又は電話番号が非通知である着信を拒否する動作として、着信があり所定回数の着信音を鳴動した後に自動的に回線を接続し、回線へ音声メッセージを送信すると共に回線からの音声信号を自動的に録音する動作を行うことを特徴とする電話装置。
【請求項5】
相手先の電話番号を着信拒否相手先として登録可能な電話装置であり、
着信拒否の相手先の電話番号を登録完了した後から所定時間の間は、公衆電話からの着信及び/又は電話番号が非通知である着信を拒否し、且つ、前記着信拒否の相手先の電話番号を登録完了してから前記着信拒否の相手先の電話番号の登録解除を完了するまで、前記着信拒否の相手先の電話番号からの着信を拒否することを特徴とする電話装置。
【請求項6】
相手先の電話番号を着信拒否相手先として登録可能な電話装置であり、
通話中に着信拒否の相手先の電話番号を登録完了し、当該登録完了の時点から所定時間の間は、公衆電話からの着信及び/又は電話番号が非通知である着信を拒否し、且つ、前記着信拒否の相手先の電話番号を登録完了してから前記着信拒否の相手先の電話番号の登録解除を完了するまで、前記着信拒否の相手先の電話番号からの着信を拒否することを特徴とする電話装置。
【請求項7】
相手先の電話番号を着信拒否相手先として登録可能な電話装置であり、
通話中に着信拒否の相手先の電話番号を登録完了し、当該通話が終了した時点から所定時間の間は、公衆電話からの着信及び/又は電話番号が非通知である着信を拒否し、
且つ、前記着信拒否の相手先の電話番号を登録完了してから前記着信拒否の相手先の電話番号の登録解除を完了するまで、前記着信拒否の相手先の電話番号からの着信を拒否することを特徴とする電話装置。
【請求項8】
請求項5〜7に記載の電話装置であり、公衆電話からの着信及び/又は電話番号が非通知である着信を拒否する動作として、着信があり所定回数の着信音を鳴動した後に自動的に回線を接続し、回線へ音声メッセージを送信すると共に回線からの音声信号を自動的に録音する動作を行うことを特徴とする電話装置。
【請求項9】
相手先の電話番号を着信拒否相手先として登録可能な電話装置であり、
予め所定時間を設定可能であり、前記所定時間の設定が行われた状態では、着信拒否の相手先の電話番号を登録完了した後から前記所定時間の間は、公衆電話からの着信及び/又は電話番号が非通知である着信を拒否し、
一方、前記所定時間の設定が行われていない状態では、着信拒否の相手先の電話番号を登録完了した後から前記所定時間の間に、公衆電話からの着信及び/又は電話番号が非通知である着信を拒否する動作を行わないことを特徴とする電話装置。
【請求項10】
相手先の電話番号を着信拒否相手先として登録可能な電話装置であり、
9予め所定時間を設定可能であり、前記所定時間の設定が行われた状態では、着信があり通話中に着信拒否の相手先の電話番号を登録完了した後から所定時間の間は、公衆電話からの着信及び/又は電話番号が非通知である着信を拒否し、
一方、前記所定時間の設定が行われていない状態では、着信拒否の相手先の電話番号を登録完了した後から前記所定時間の間に、公衆電話からの着信及び/又は電話番号が非通知である着信を拒否する動作を行わないことを特徴とする電話装置。
【請求項11】
相手先の電話番号を着信拒否相手先として登録可能な電話装置であり、
予め所定時間を設定可能であり、前記所定時間の設定が行われた状態では、着信があり通話中に着信拒否の相手先の電話番号を登録完了し、通話終了後から所定時間の間は、公衆電話からの着信及び/又は電話番号が非通知である着信を拒否し、
一方、前記所定時間の設定が行われていない状態では、着信拒否の相手先の電話番号を登録完了し、通話終了後から前記所定時間の間に、公衆電話からの着信及び/又は電話番号が非通知である着信を拒否する動作を行わないことを特徴とする電話装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−171782(P2010−171782A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−12944(P2009−12944)
【出願日】平成21年1月23日(2009.1.23)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】