説明

露光ヘッド及びそれを用いた画像形成装置

【課題】透明基板上に有機EL発光素子等の発光部をアレイ状に配置してなる露光ヘッドにおいて、光量検出手段を透明基板の両面の何れかに設置し、透明基板内で全反射されるべき光線をその光量検出手段へ導くようにして、発光素子の光量を効率良く検出して光量検出精度を高める。
【解決手段】発光部63からの光線は透明基板62を透過して像担持体側へ射出される露光ヘッドであって、透明基板62は発光部63が形成される面と光線が射出する面が略平行な略平面で構成され、透明基板62の発光部63が形成される面上に、発光部63から発光される光線の光量を検出する光量検出手段100が貼り付けられており、透明基板62内で全反射されるべき光線bが光量検出手段100へ入る位置に光量検出手段100が設けられている露光ヘッド。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、露光ヘッド及びそれを用いた画像形成装置に関し、例えば、透明基板上に有機EL発光素子からなる発光部をアレイ状に配置してなる露光ヘッドとそれを用いて小型化した画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真法を用いる複写機、プリンター、ファックス等の画像形成装置においては、光書き込み手段(露光手段)としてレーザ走査光学系を用いるのが一般的にであった。
【0003】
このような中、有機EL発光素子を単一チップ上に集積させて、発光特性のバラツキを解消して低コスト化を図るものが特許文献1において提案されている。
【0004】
また、特許文献2においては、同一基板上に有機EL発光素子とその発光量を測定する光量センサとをアレイ状に配置して露光ヘッドを構成し、発光量低下による濃度ムラを防止したものが提案されている。
【特許文献1】特開平11−138899号公報
【特許文献2】特開2000−238333号公報
【特許文献3】特開平10−12377号公報
【特許文献4】特開2000−323276公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これらの従来例に示されているように、有機EL発光素子の発光部から発光した光線は、透明基板へ入射し、その発光部を設けた面とは反対側の透明基板面から射出する。このとき、図18に示すように、発光部63から透明基板62を通って光線が射出するとき、発光部63からの発光光線は、透明基板62の射出側の面102からの射出光aと、その面102での反射光に分かれる。さらに、その射出側の面102での反射光は、臨界角θC 以上で射出側の面102に入射して全反射する光線bと、臨界角θC 以下で反射する光線cに分けられる。全反射での反射率は100%なのに対して、臨界角θC 以下での反射率は通常10%以下であるため、光線cの強度は、光線bに比べて非常に小さい。光線bは、射出側の面102で反射後、反対側の発光部63を設けた面101に入射するが、その反対側の面101が射出側の面102と平行であれば、反対側の面101に対しても臨界角θC 以上で入射し、再び全反射する。光線bは、このようにして透明基板62の両側の面101、102で全反射を繰り返し、最終的にはそのほとんどが透明基板62の端面103から外へ射出する。
【0006】
従来の特許文献2の場合、発光部からの発光量を測定する光量センサを発光部と同一面上に配置しているため、検出可能な光線は上記の光線cのみとなり、検出光量が不足し高精度な検出ができず、濃度ムラ等を高精度で防止することができないという問題点がある。
【0007】
本発明は従来技術のこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、透明基板上に有機EL発光素子等の発光部をアレイ状に配置してなる露光ヘッドにおいて、光量検出手段を透明基板の両面の何れかに設置し、透明基板内で全反射されるべき光線をその光量検出手段へ導くようにして、発光素子の光量を効率良く検出して光量検出精度を高めることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成する本発明の露光ヘッドは、透明基板上に発光部がアレイ状に形成され、前記発光部からの変調光線を像担持体上に投射して像担持体に所定のパターンを形成する露光ヘッドであって、前記発光部からの光線は、前記透明基板を透過して前記像担持体側へ射出される露光ヘッドにおいて、
前記透明基板は前記発光部が形成される面と光線が射出する面が略平行な略平面で構成され、前記透明基板の前記発光部が形成される面上に、前記発光部から発光される光線の光量を検出する光量検出手段が貼り付けられており、
前記透明基板の厚さをt、前記透明基板の臨界角をθC 、前記光量検出手段に最も近い前記発光部の中心から前記光量検出手段の中心までの距離をLとするとき、
L≧2t・tanθC ・・・(1)
の関係を満たすように、前記光量検出手段が配置されていることを特徴とするものである。
【0009】
本発明のもう1つの露光ヘッドは、透明基板上に発光部がアレイ状に形成され、前記発光部からの変調光線を像担持体上に投射して像担持体に所定のパターンを形成する露光ヘッドであって、前記発光部からの光線は、前記透明基板を透過して前記像担持体側へ射出される露光ヘッドにおいて、
前記透明基板は前記発光部が形成される面と光線が射出する面が略平行な略平面で構成され、前記透明基板の前記光線が射出する面上に、前記発光部から発光される光線の光量を検出する光量検出手段が貼り付けられており、
前記透明基板の厚さをt、前記透明基板の臨界角をθC 、前記光量検出手段に最も近い前記発光部の中心から前記光量検出手段の中心までの距離をLとするとき、
L≧t・tanθC ・・・(2)
の関係を満たすように、前記光量検出手段が配置されていることを特徴とするものである。
【0010】
これらの場合、特に発光部が有機EL発光素子の発光部であると、有効である。
【0011】
また、透明基板の発光部が形成される面上又は光線が射出する面上の複数位置に光量検出手段が設けることもできる。
【0012】
また、単数の光量検出手段で検出された光量検出信号、又は、複数の光量検出手段で検出された光量検出信号を合計した光量検出信号に基づいて、発光部の光量補正を行うことが望ましい。
【0013】
また、発光部の発光光量を補正する補正係数を記憶する記憶手段を有することが望ましい。
【0014】
本発明は、像担持体の周囲に帯電手段、以上の何れかの露光ヘッド、トナー現像手段、転写手段を配した画像形成ステーションを少なくとも2つ以上設け、転写媒体が各ステーションを通過することにより、カラー画像形成を行うタンデム方式のカラー画像形成装置を含むものである。
【0015】
この場合に、転写媒体から記録媒体上に転写されたトナー像を加熱定着する加熱定着手段を備えている場合に、本発明の露光ヘッドを適用すると、有効なものである。
【0016】
なお、露光ヘッドの発光部の発光光量を補正する補正係数を記憶する記憶手段を、露光ヘッド側でなく、画像形成装置本体側に設けてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明においては、透明基板は発光部が形成される面と光線が射出する面が略平行な略平面で構成され、その透明基板の発光部が形成される面上に、発光部から発光される光線の光量を検出する光量検出手段が貼り付けられており、式(1)の関係を満たすように光量検出手段が配置されているか、あるいは、その透明基板の光線が射出する面上に、発光部から発光される光線の光量を検出する光量検出手段が貼り付けられており、式(2)の関係を満たすように光量検出手段が配置されているので、光量検出手段の位置で透明基板内を全反射してガイドされるべき光を検出することが可能となり、検出光量が増加して高精度な光量測定が可能となる。その結果、各発光部の発光特性にバラツキがあっても、また、各発光部が劣化しても、均一な発光量分布を得るように制御することが可能になる。また、各発光部に対応して配置されていた光量検出手段の数を格段に減らすことが可能となり、露光ヘッドの構成が簡素化されると共に低価格化が図れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の画像形成装置とそれに用いる露光ヘッドの1実施例を図面を参照しつつ説明する。
【0019】
図1は、本発明の露光ヘッド(像書込手段)を用いた画像形成装置の1実施例の全体構成を示す模式的断面図である。本実施例は、転写ベルトとして中間転写ベルトを用いる例である。
【0020】
図1において、本実施例の画像形成装置1は、ハウジング本体2と、ハウジング本体2の前面に開閉自在に装着された第1の開閉部材3と、ハウジング本体2の上面に開閉自在に装着された第2の開閉部材(排紙トレイを兼用している)4とを有し、さらに、第1の開閉部材3には、ハウジング本体2の前面に開閉自在に装着された開閉蓋3’を備え、開閉蓋3’は第1の開閉部材3と連動して、または独立して開閉可能にされている。
【0021】
ハウジング本体2内には、電源回路基板及び制御回路基板を内蔵する電装品ボックス5、画像形成ユニット6、送風ファン7、転写ベルトユニット9、給紙ユニット10が配設され、第1の開閉部材3内には、二次転写ユニット11、定着ユニット12、記録媒体搬送手段13が配設されている。画像形成ユニット6及び給紙ユニット10内の消耗品は、本体に対して着脱可能な構成であり、その場合には、転写ベルトユニット9を含めて取り外して修理又は交換を行うことが可能な構成になっている。
【0022】
ハウジング本体2の前面下部の両側には、回動軸3bを介して第1の開閉部材3がハウジング本体2に開閉自在に装着されている。
【0023】
本実施例においては、後述するように、装置の前面のみからのアクセスで各ユニットの着脱を可能とし、装置を室内にコンパクトに設置することができるようにしている。
【0024】
図1において、転写ベルトユニット9は、ハウジング本体2の下方に配設され図示しない駆動源により回転駆動される駆動ローラ14と、駆動ローラ14の斜め上方に配設される従動ローラ15と、この2本のローラ14、15間に張架されて図示矢印方向へ循環駆動される中間転写ベルト16と、中間転写ベルト16の表面に離当接されるクリーニング手段17とを備え、従動ローラ15及び中間転写ベルト16が駆動ローラ14に対して図で左側に傾斜する方向に配設されている。これにより、中間転写ベルト16駆動時のベルト搬送方向が下向きになるベルト面16aが下方に位置するようにされている。本実施例においては、前記ベルト面16aはベルト駆動時のベルト張り面(駆動ローラ14により引っ張られる面)である。
【0025】
上記駆動ローラ14及び従動ローラ15は、支持フレーム9aに回転自在に支持され、支持フレーム9aの下端には回動部9bが形成され、この回動部9bはハウジング本体2に設けられた回動軸(回動支点)2bに嵌合され、これにより、支持フレーム9aはハウジング本体2に対して回動自在に装着されている。また、支持フレーム9aの上端にはロックレバー9cが回動自在に設けられ、ロックレバー9cはハウジング本体2に設けられた係止軸2cに係止可能にされている。
【0026】
駆動ローラ14は、二次転写ユニット11を構成する二次転写ローラ19のバックアップローラを兼ねている。また、従動ローラ15をクリーニング手段17のバックアップローラとして兼用させている。また、クリーニング手段17は、搬送方向下向きのベルト面16a側に設けられている。
【0027】
また、中間転写ベルト16の搬送方向下向きのベルト面16a裏面には、後述する各画像形成ステーションY、M、C、Kの像担持体20に対向して板バネ電極からなる一次転写部材21がその弾性力で当接され、一次転写部材21には転写バイアスが印加されている。
【0028】
転写ベルトユニット9の支持フレーム9aには、駆動ローラ14に近接してテストパターンセンサ18が設置されている。このテストパターンセンサ18は、中間転写ベルト16上の各色トナー像の位置決めを行うとともに、各色トナー像の濃度を検出し、各色画像の色ずれや画像濃度を補正するためのセンサである。
【0029】
画像形成ユニット6は、複数(本実施例では4つ)の異なる色の画像を形成する画像形成ステーションY(イェロー用)、M(マゼンタ用)、C(シアン用)、K(ブラック用)を備え、各画像形成ステーションY、M、C、Kにはそれぞれ、感光ドラムからなる像担持体20と、像担持体20の周囲に配設された、帯電手段22、像書込手段23及び現像手段24を有している。なお、帯電手段22、像書込手段23及び現像手段24は、画像形成ステーションYのみに図番を付けて、他の画像形成ステーションについては構成が同一のため、図番を省略する。また、各画像形成ステーションY、M、C、Kの配置順序は任意である。
【0030】
そして、各画像形成ステーションY、M、C、Kの像担持体20が中間転写ベルト16の搬送方向下向きのベルト面16aに当接されるようにされ、その結果、各画像形成ステーションY、M、C、Kも駆動ローラ14に対して図で左側に傾斜する方向に配設されることになる。像担持体20は、図示矢印に示すように、中間転写ベルト16の搬送方向に回転駆動される。
【0031】
帯電手段22は、高電圧発生源に接続された導電性ブラシローラで構成され、ブラシ外周が感光体である像担持体20に対して逆方向で、かつ、2〜3倍の周速度で当接回転して像担持体20の表面を一様に帯電させる。また、本実施例のように、クリーナレス構成の画像形成装置にこのような導電性ブラシローラを用いる場合には、非画像形成時にブラシローラへトナーの帯電極性と同極性のバイアスを印加することで、ブラシローラに付着した転写残りトナーを像担持体20に放出させ、一次転写部で中間転写ベルト16上に転写して、中間転写ベルト16のクリーニング手段17で回収する構成とすることができる。
【0032】
このような帯電手段22を用いることで、極めて少ない電流によって像担持体表面を帯電させることができるので、コロナ帯電方式のように装置内外を多量のオゾンによって汚染することがない。また、像担持体20との当接がソフトであるので、ローラ帯電方式を
用いたときに発生する転写残りトナーの帯電ローラへの固着も発生し難く、安定した画質と装置の信頼性を確保することができる。
【0033】
像書込手段23は、後述するように、有機EL発光素子を像担持体20の軸方向に列状に配列した有機ELアレイ露光ヘッドを用いている。有機ELアレイ露光ヘッドは、レーザー走査光学系よりも光路長が短くてコンパクトであり、像担持体20に対して近接配置が可能であり、装置全体を小型化できるという利点を有する。本実施例においては、各画像形成ステーションY、M、C、Kの像担持体20、帯電手段22及び像書込手段23を1つの像担持体ユニット25としてユニット化し、転写ベルトユニット9と共に支持フレーム9aに交換可能にすることにより、有機ELアレイ露光ヘッドの像担持体20に対する位置決めを保持する構成とし、像担持体ユニット25の交換時には有機ELアレイ露光ヘッドを含めて交換する構成としている。
【0034】
次に、現像手段24の詳細について、画像形成ステーションKを代表して説明する。本実施例においては、各画像ステーションY、M、C、Kが斜め方向に配設され、かつ、像担持体20が中間転写ベルト16の搬送方向下向きのベルト面16aに当接される関係上、トナー貯留容器26を斜め下方に傾斜して配置している。そのため、現像手段24として特別の構成を採用している。
【0035】
すなわち、現像手段24は、トナー(図のハッチング部)を貯留するトナー貯留容器26と、このトナー貯留容器26内に形成されたトナー貯留部27と、トナー貯留部27内に配設されたトナー撹拌部材29と、トナー貯留部27の上部に区画形成された仕切部材30と、仕切部材30の上方に配設されたトナー供給ローラ31と、仕切部材30に設けられトナー供給ローラ31に当接されるブレード32と、トナー供給ローラ31及び像担持体20に当接するように配設される現像ローラ33と、現像ローラ33に当接される規制ブレード34とから構成されている。
【0036】
像担持体20は中間転写ベルト16の搬送方向に回転され、現像ローラ33及び供給ローラ31は、図示矢印に示すように、像担持体20の回転方向とは逆方向に回転駆動され、一方、撹拌部材29は供給ローラ31の回転方向とは逆方向に回転駆動される。トナー貯留部27において撹拌部材29により撹拌、運び上げられたトナーは、仕切部材30の上面に沿ってトナー供給ローラ31に供給され、供給されたトナーはブレード32と摺擦して供給ローラ31の表面凹凸部への機械的付着力と摩擦帯電力による付着力によって、現像ローラ33の表面に供給される。現像ローラ33に供給されたトナーは規制ブレード34により所定厚さの層厚に規制され、薄層化したトナー層は、像担持体20へと搬送されて現像ローラ33と像担持体20が接触して構成するニップ部及びこの近傍で像担持体20の潜像部を現像する。
【0037】
本実施例においては、像担持体20と対向する側の現像ローラ33、トナー供給ローラ31及び現像ローラ33と規制ブレード34の当接部がトナー貯留部27内のトナーに埋没しない構成としている。この構成によって、貯留トナーの減少によって現像ローラ33に対する規制ブレード34の当接圧力の変動を防ぐことができると共に、規制ブレード34によって現像ローラ33から掻き落とされた余剰トナーがトナー貯留部27へ落下するので、現像ローラ33のフィルミングを防ぐことができる。
【0038】
また、供給ローラ31と現像ローラ33の当接位置下方に現像ローラ33と規制ブレード34の当接部を位置させ、供給ローラ31によって現像ローラ33へ供給されて現像ローラ33に移行しなかった余剰トナーと、規制ブレード34によって現像ローラ33から規制除去された余剰トナーを現像手段下部のトナー貯留部27へ戻す経路を設け、トナー貯留部27へ戻ったトナーは撹拌部材29によってトナー貯留部27内のトナーと撹拌さ
れ、撹拌部材29によって再度、供給ローラ31近傍のトナー導入部へ供給される。したがって、余剰トナーを供給ローラ31と現像ローラ33の摺擦部や現像ローラ33と規制ブレード34の当接部に渋滞させずに下部へ落下させてトナー貯留部27のトナーと撹拌を行うので、現像手段内のトナーの劣化が徐々に進行し、現像手段の交換直後に急激な画質変化が発生することを防ぐことができる。
【0039】
また、給紙ユニット10は、記録媒体Pが積層保持されている給紙カセット35と、給紙カセット35から記録媒体Pを一枚ずつ給送するピックアップローラ36とからなる給紙部を備えている。
【0040】
第1の開閉部材3内には、二次転写部への記録媒体Pの給紙タイミングを規定するレジストローラ対37と、駆動ローラ14及び中間転写ベルト16に圧接される二次転写手段としての二次転写ユニット11と、定着ユニット12と、記録媒体搬送手段13と、排紙ローラ対39と、両面プリント用搬送路40を備えている。
【0041】
定着ユニット12は、ハロゲンヒータ等の発熱体を内蔵して回転自在な加熱ローラ45と、この加熱ローラ45を押圧付勢する加圧ローラ46と、加圧ローラ46に揺動可能に配設されたベルト張架部材47と、加圧ローラ45とベルト張架部材47間に張架された耐熱ベルト49を有し、記録媒体に二次転写されたカラー画像は、加熱ローラ45と耐熱ベルト49で形成するニップ部で所定の温度で記録媒体に定着される。本実施例においては、中間転写ベルト16の斜め上方に形成される空間、換言すれば、中間転写ベルト16に対して画像形成ユニット6と反対側の空間に定着ユニット12を配設することが可能になり、電装品ボックス5、画像形成ユニット6及び中間転写ベルト16への熱伝達を低減することができ、各色の色ずれ補正動作を行う頻度を少なくすることができる。
【0042】
以上のような本実施例の画像形成装置全体の作動の概要は次の通りである。
(1)図示しないホストコンピュータ等(パーソナルコンピュータ等)からの印字指令信号(画像形成信号)が電装品ボックス5内の制御回路に入力されると、各画像形成ステーションY、M、C、Kの像担持体20、現像手段24の各ローラ、及び中間転写ベルト16が回転駆動される。
(2)像担持体20の表面が帯電手段22によって一様に帯電される。
(3)各画像形成ステーションY、M、C、Kにおいて一様に帯電した像担持体20の表面に、像書込手段23によって各色の画像情報に応じた選択的な露光がなされ、各色用の静電潜像が形成される。
(4)それぞれの像担持体20に形成された静電潜像が現像手段24によりトナー像が現像される。
(5)中間転写ベルト16の一次転写部材21には、トナーの帯電極性と逆極性の一次転写電圧が印加され、像担持体20上に形成されたトナー像が一次転写部において中間転写ベルト16の移動に伴って順次、中間転写ベルト16上に重ねて転写される。
(7)この一次画像を一次転写した中間転写ベルト16の移動に同期して、給紙カセット35に収納された記録媒体Pが、レジストローラ対37を経て二次転写ローラ19に給送される。
(8)一次転写画像は、二次転写部位で記録媒体と同期合流し、押圧機構によって中間転写ベルト16の駆動ローラ14に向かって押圧された二次転写ローラ19で、一次転写画像とは逆極性のバイアスが印加され、中間転写ベルト16上に形成された一次転写画像は、同期給送された記録媒体に二次転写される。
(9)二次転写における転写残りのトナーは、従動ローラ15方向へと搬送されて、このローラ15に対向して配置したクリーニング手段17によって掻き取られ、そして、中間転写ベルト16はリフレッシュされて再び上記サイクルの繰り返しを可能にされる。
(10)記録媒体が定着手段12を通過することによって記録媒体上のトナー像が定着し
、その後、記録媒体が所定の位置に向け(両面印刷でない場合には排紙トレイ4に向け、両面印刷の場合には両面プリント用搬送路40に向け)搬送される。
【0043】
次に、図2、図3を参照にして、消耗品の交換やジャム処理について説明する。図2は、第1の開閉部材3を開閉蓋3’と共に回動軸3bを支点として下方に回動し、定着ユニット12及び二次転写ユニット11を露出させ、また、転写ベルトユニット9のフレーム9aの上部に設けたロックレバー9cを回動して係止軸2cとの係合を外し、フレーム9aを回動軸2bを支点として右方に回動させ、フレーム9aに支持されている転写ベルトユニット9及び像担持体ユニット25を露出させ、ハウジング本体2側に支持されている現像手段24もこのような操作で露出させた状態を示しており、この状態で、図3に示すように、フレーム9aから像担持体ユニット25と転写ベルトユニット9を取り外して交換可能にすることができ、また、現像手段24も独立して選択的に交換可能にすることができる。さらには、搬送路中に詰まった用紙のジャム処理もできる。
【0044】
次に、各画像形成ステーションY、M、C、Kの像担持体20、帯電手段22及び像書込手段23を一体化してなる像担持体ユニット(像担持体カートリッジ)25について、図4〜図8を参照にして説明する。図4に像担持体ユニット25を現像手段24側から見た斜視図を、図5にその断面図を示す。像担持体ユニット25は、中間転写ベルト16に接する側が開口した不透明な金属板等からなるケース50中に、相互に離間して平行に画像形成ステーションY、M、C、Kの4本の像担持体(感光体ドラム)20が回転可能に支持されており、その各像担持体20の所定位置で当接回転するように帯電手段22の導電性ブラシローラが支持されており、帯電手段22の下流側に各々有機ELアレイ露光ヘッドからなる像書込手段23が各像担持体20に位置決めしてそれに平行に支持されている。そして、その像書込手段23の下流側のケース50の壁面には、各像担持体20に対応して現像手段24の現像ローラ33を当接させる開口51が設けられている。各開口51と像書込手段23の間には、ケース50の遮蔽部分52が残されており、また、帯電手段22と像書込手段23の間にケース50の遮蔽部分53が残されている。後で説明するように、この遮蔽部分52、53、特に、開口51と像書込手段23の間の遮蔽部分52が像書込手段23中の有機EL材料からなる発光部へ外から紫外線が達するのを防いでいる。
【0045】
図6に、像書込手段23の断面図を示す。像書込手段23は、像担持体20に面して内外に通じるように中央部に屈折率分布型ロッドレンズ65’(図8)を俵積みしてなる屈折率分布型ロッドレンズアレイ65を取り付けている不透明なハウジング60と、そのハウジング60中の屈折率分布型ロッドレンズアレイ65の後面に面して取り付けられた有機EL発光素子アレイ61と、ハウジング60の背面からその中の有機EL発光素子アレイ61を遮蔽する不透明なカバー66とからなり、固定板バネ67によりハウジング60背面に対してカバー66を押圧してハウジング60内を光密に密閉するようになっている。
【0046】
図7は、図6の像書込手段23の有機EL発光素子アレイ61の発光部63近傍の1例の断面図を示しており、有機EL発光素子アレイ61は、例えば0.5mm厚のガラス基板62上に、各発光部63の発光を制御する厚さ50nmのポリシリコンからなるTFT(薄膜トランジスタ)71が例えば千鳥配置の2列の発光部63各々に対応して欄外に設けられており、ガラス基板62上にはそのTFT71上のコンタクトホールを除いて厚さ100nm程度のSiO2 からなる絶縁膜72が成膜され、コンタクトホールを介してTFT71に接続するように発光部63位置に厚さ150nmのITOからなる陽極73が形成されている。次いで、発光部63以外の位置に対応する部分には厚さ120nm程度のSiO2 からなる別の絶縁膜74が成膜され、その上に発光部63に対応する穴76を形成した厚さ2μmのポリイミドからなるバンク75が設けられ、そのバンク75の穴7
6内に、陽極73側から順に、厚さ50nmの正孔注入層77、厚さ50nmの発光層78が成膜され、その発光層78の上面と穴76の内面及びバンク75の外面を覆うように厚さ100nmのCaからなる陰極第1層79aと厚さ200nmのAlからなる陰極第2層79bとが順に成膜されて、その上に窒素ガス等の不活性ガス80を介して厚さ1mm程度のカバーガラス64でカバーされて有機EL発光素子アレイ61の発光部63が構成されている。発光部63からの発光はガラス基板62側に行われる。
【0047】
なお、発光層78に用いる材料、正孔注入層77に用いる材料については、例えば、特許文献3、特許文献4等で公知の種々のものが利用でき、詳細は省く。
【0048】
図8には、像担持体ユニット25に取り付けられた各像担持体(感光体ドラム)20に対して像書込手段23を正確に位置決めするための機構の1例を示す。像担持体20は、その軸で像担持体ユニット25のケース50に回転可能に取り付けられており、一方、有機EL発光素子アレイ61は、図6に示すように長尺のハウジング60中に保持されている。長尺のハウジング60の両端に設けた位置決めピン69をケース50の対向する位置決め穴に嵌入させると共に、長尺のハウジング60の両端に設けたねじ挿入孔68を通して固定ねじをケース50のねじ穴にねじ込んで固定することにより、各像書込手段23が所定位置に固定される。
【0049】
以上のような構成からなるので、例えば図2や図3のように、消耗品の交換やジャム処理のために、像担持体ユニット25から現像手段24を外して像担持体ユニット25を外光に露出させると、像担持体ユニット25の開口51から蛍光灯や太陽からの紫外線がケース50内に入るが、開口51と像書込手段23の間にケース50の遮蔽部分52が残されているので、その紫外線が直接露光位置に入射してその位置の像担持体20で反射され、屈折率分布型ロッドレンズアレイ65を介して像書込手段23中の有機EL発光素子アレイ61の発光部63へ達することが防止される。また、ケース50の中間転写ベルト16に接する側の開口から入射する紫外線も帯電手段22と、帯電手段22と像書込手段23の間のケース50の遮蔽部分53とによって遮蔽されるので、同様に発光部63へその紫外線が達することが防止される。なお、ケース50の内面が紫外線を吸収する黒色に塗ってあると、以上の紫外線遮蔽作用はより確実なものとなる。
【0050】
一方、像書込手段23のハウジング60は不透明であり、その背面には不透明なカバー66により覆われているので、有機EL発光素子アレイ61の背面に入射する蛍光灯や太陽からの紫外線も有機EL発光素子アレイ61の発光部63へ達することは防止される。
【0051】
したがって、消耗品の交換やジャム処理のために像担持体ユニット25が紫外線に曝されても、それと一体の像書込手段23中の有機EL発光素子アレイ61の発光部63にはその紫外線は達せず、有機EL発光素子が紫外線により劣化することは防止される。
【0052】
さて、以上の像書込手段23において、各有機EL発光素子の発光部63から発光される光量を検出する光量検出手段について説明する。図9は、像書込手段23の有機EL発光素子アレイ61のガラス基板62の副走査方向の断面図であり、有機EL発光素子アレイ61についてはその1個の発光部63のみを示してある。ここで、副走査方向とは像担持体20の回転軸に直交する方向を意味し、後記する主走査方向とは像担持体20の回転軸に平行な方向を意味する。また、図10にその平面図を示す。
【0053】
図18を用いて説明したように、発光部63から透明基板62を通って光線が射出するとき、発光部63からの発光光線は、主として、透明基板62の射出側の面102からの射出光aと、臨界角θC 以上で射出側の面102に入射して全反射する光bとに分けられる。この中、射出光aの中心部が屈折率分布型ロッドレンズアレイ65(図6、図8)を
介して像担持体20への露光に用いられる。一方、光bは透明基板62の両側の面101、102で全反射を繰り返し、無駄な光となる。ここでは、有機EL発光素子アレイ61のガラス基板62の発光部63が配置された側の面101の副走査方向の所定箇所(図10では略中央部)に、フォトダイオード等の受光素子からなる光量センサ100を光学接着剤を用いて界面反射が少なくなるように接着して、ガラス基板62の射出側の面102で全反射されて発光部63が配置された側の面101に達する発光部63から光bが光量センサ100に入射するようにして、発光部63からの発光光の相対光量を検出できるようにする。
【0054】
ここで、ガラス基板62の厚さをt、ガラス基板62の臨界角をθC 、光量センサ100に最も近い発光部63の中心から光量センサ100の中心までの距離をLとするとき、
L≧2t・tanθC ・・・(1)
の関係を満たすようにすると、有機EL発光素子アレイ61の全ての発光部63からの光bがガラス基板62の射出側の面102で1回以上全反射されてこの光量センサ100に達して検出されることが可能になる。例えば、ガラス基板62の厚さt=0.5mm、その屈折率nが1.52のとき、ガラス基板62の臨界角θC =41.4°であり、(1)式より、L≧0.87mmの位置に光量センサ100を配置すればよい。
【0055】
図11には、上記の場合の図6と同様の像書込手段23の断面図を、図12には、図11の像書込手段23の有機EL発光素子アレイ61の発光部63近傍から光量センサ100に至る部分の断面図を示す。
【0056】
次に、このような光量センサ100で検出した光量データに基づいて、有機EL発光素子アレイ61の各発光部63の発光量を一定量に安定的に制御して、発光部63毎の濃度ムラを防止する方法の1例を説明する。
【0057】
まず、像担持体ユニット25出荷時に、各像書込手段23の有機EL発光素子アレイ61から屈折率分布型ロッドレンズアレイ65を経て像担持体20位置に露光される光量を各発光部63毎に測定する。そのためには、像書込手段23を検査ジグに取り付ける。その検査ジグには、有機EL発光素子アレイ61の各発光素子の発光部63から発光した光量を像担持体20の対応する像面位置で検出する光量検出器が配置されている。この光量検出器としては、1個の検出器を有機EL発光素子アレイ61に沿って移動させながら、各発光部63の発光光量を順次検出するものでも、発光部63に対応して同じ数の検出器が配置されているものでもよい。そして、各発光部63を順に発光させ、像書込手段23の光量センサ100で検出した値Phn (nはn番目の発光部63を表す。)と、検査ジグの光量検出器で検出した値Pgn を得る。そして、各発光部63に対して補正係数Pgn /Phn を算出する。
【0058】
上記の光量の測定と補正係数の算出を全ての発光素子の発光部63について行い、全ての発光素子に対する補正係数Pgn /Phn を求める。
【0059】
このようにして求めた補正係数Pgn /Phn を、図13にブロック図を示すように、像書込手段23中に配置してあるメモリー124中に記憶させておく。このメモリー124中に記憶されている補正係数Pgn /Phn を用いて各発光部63の発光光量補正を、図1の画像形成装置1中で行う。その方法の1例を説明する。
【0060】
各像書込手段23の有機EL発光素子アレイ61の個々の発光部63を、メモリー124中に記憶させてある初期値のデータに基づいて、制御回路122と駆動回路123を経て発光させ、そのときの測定値を光量センサ100で計測する。その測定値へ、メモリー124中に記憶させてある補正係数Pgn /Phn を乗じることによって、個々の発光部
63の像面位置での光量が算出される。
【0061】
この算出された光量と、本体の電装品ボックス5内に配置された本体コントローラ121が与える目標の光量と比較して、算出された光量が目標の光量となるように、その差に基づいて有機EL発光素子アレイ61の個々の発光素子に流す電流等を制御して、各発光部63の発光光量を目標の光量となるように調整する。このような調整作業を全ての発光素子について繰り返し行い、全ての発光素子の光量を目標値に調整する。
【0062】
この光量補正動作は、画像形成装置1の起動直後、印字開始前、紙間等の何れかの時点で本体コントローラ121の指令に基づいて行うことができる。
【0063】
なお、像担持体ユニット25出荷時に、上記のような補正係数Pgn /Phn を求めてメモリー124に記憶させる代わりに、各発光素子の発光部63から発光した光量が像担持体20の対応する像面位置で目標光量となるように各発光部63を発光させて、すなわち、Pgn が所定の値になるように発光させて、そのときの光量センサ100で検出した値Phn を記憶させるようにしてもよい。この場合は、個々の発光部63をメモリー124中に記憶させてある初期値のデータに基づいて発光させ、光量センサ100でそのときの測定値を得る。その測定値とメモリー124中に記憶させてあるPhn を比較して、その差がなくなるように有機EL発光素子アレイ61の個々の発光素子に流す電流等を制御して、各発光部63の発光光量を目標の光量となるように調整する。
【0064】
以上では、各発光部63の補正係数Pgn /Phn あるいは目標光量で発光しているときの光量センサ100で検出した値Phn を記憶させるメモリー124を像書込手段23に設けるものとしたが、本体の電装品ボックス5内の本体コントローラ121に接続させて本体側に配置するようにしてもよい。
【0065】
このように、像書込手段23又は装置本体側に、発光部63毎の補正係数Pgn /Phn あるいは目標光量で発光しているときの値Phn を記憶させることにより、各発光部63の発光特性にバラツキがあっても、また、外光の紫外線、定着ユニット12の熱源等からの加熱によって有機EL発光素子が劣化しても、均一な発光量分布を得るように制御することができる。
【0066】
以上の実施例は、光量センサ100として1個の光量センサ100を有機EL発光素子アレイ61のガラス基板62の発光部63が配置された側の面101の副走査方向の所定位置に配置する例であったが、光量センサ100は複数異なる位置に配置してもよい。図14の例では、4個の光量センサ1001 〜1004 をガラス基板62の発光部63が配置された側の面101の発光部63を間に挟んで副走査方向両側にそれぞれ2個ずつ配置している。
【0067】
図10、図14のように、光量センサ100、1001 〜1004 を発光部63が配置された側の面101の発光部63に対して副走査方向の所定位置に配置する場合は、光量センサ100、1001 〜1004 が発光部63からより近い位置に配置できるため、検出光量を上げることができるメリットがある。なお、複数の光量センサ1001 〜1004 を用いる場合、前記の検出値Phn としては、各光量センサ1001 〜1004 の検出値を足し合わせた値をPhn として用いるとか、最も近い光量センサ1001 〜1004 の検出値をPhn として用いる等の種々の変形が可能である。
【0068】
また、光量センサ100は、有機EL発光素子アレイ61のガラス基板62の発光部63が配置された側の面101の発光部63に対して主走査方向の端部に配置してもよい。図15の例では、有機EL発光素子アレイ61のガラス基板62の発光部63が配置され
た側の面101の主走査方向の両端部に2つの光量センサ1001 、1002 を配置している。このような配置をとり、2つの光量センサ1001 、1002 の検出値を足し合わせた値をPhn として用いると、全ての位置の発光部63に対して略均一な検出光量での検出が可能となる。この場合も、最も近い光量センサ1001 、1002 の検出値をPhn として用いる等の変形が可能である。もちろん、主走査方向の片方の端部の光量センサ1001 又は1002 のみを配置するようにしてもよい。
【0069】
このように、光量センサ1001 、1002 をガラス基板62の発光部63が配置された側の面101の発光部63に対して主走査方向の端部に配置する場合は、ライン状の像書込手段23の副走査方向の大きさを小さくすることができ、小型なラインヘッド(露光ヘッド)23を構成することができる。
【0070】
光量センサ100は、有機EL発光素子アレイ61のガラス基板62の発光部63が配置された側の面101と反対側の射出側の面102に設けて、ガラス基板62内で全反射されるべき光bを検出するようにしてもよい。その場合の、図9と図12と同様の図をそれぞれ図16、図17に示す。この例では、有機EL発光素子アレイ61のガラス基板62の射出側の面102の副走査方向の所定箇所に、フォトダイオード等の受光素子からなる光量センサ100を光学接着剤を用いて界面反射が少なくなるように接着して、ガラス基板62の射出側の面102に直接達する発光部63から光bが光量センサ100に入射するようにして、発光部63からの発光光の相対光量を検出できるようにする。
【0071】
ここで、ガラス基板62の厚さをt、ガラス基板62の臨界角をθC 、光量センサ100に最も近い発光部63の中心から光量センサ100の中心までの距離をLとするとき、
L≧t・tanθC ・・・(2)
の関係を満たすようにすると、有機EL発光素子アレイ61の全ての発光部63からの光bが直接あるいは多重反射をした後この光量センサ100に達して検出されることが可能になる。
【0072】
なお、複数の光量センサを用いる場合に、その一部を有機EL発光素子アレイ61のガラス基板62の発光部63が配置された側の面101上に配置し、残りをガラス基板62の発光部63が配置された側の面101とは反対側の射出側の面102に配置し、発光部63が配置された側の面101上の光量センサの位置は式(1)を満足するように、射出側の面102上の光量センサの位置は式(2)を満足するように配置するようにしてももちろんよい。
【0073】
以上、本発明の露光ヘッドとそれを用いた画像形成装置をいくつかの実施例に基づいて説明したが、本発明はこれら実施例に限定されず種々の変形が可能である。
【0074】
以上の説明から明らかなように、本発明の露光ヘッドとそれを用いた画像形成装置によると、透明基板は発光部が形成される面と光線が射出する面が略平行な略平面で構成され、その透明基板の発光部が形成される面上に、発光部から発光される光線の光量を検出する光量検出手段が貼り付けられており、式(1)の関係を満たすように光量検出手段が配置されているか、あるいは、その透明基板の光線が射出する面上に、発光部から発光される光線の光量を検出する光量検出手段が貼り付けられており、式(2)の関係を満たすように光量検出手段が配置されているので、光量検出手段の位置で透明基板内を全反射してガイドされるべき光を検出することが可能となり、検出光量が増加して高精度な光量測定が可能となる。その結果、各発光部の発光特性にバラツキがあっても、また、各発光部が劣化しても、均一な発光量分布を得るように制御することが可能になる。また、各発光部に対応して配置されていた光量検出手段の数を格段に減らすことが可能となり、露光ヘッドの構成が簡素化されると共に低価格化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の露光ヘッド(像書込手段)を用いた画像形成装置の1実施例の全体構成を示す模式的断面図である。
【図2】図1の装置において定着ユニット、二次転写ユニット、転写ベルトユニット、像担持体ユニット、現像手段を露出させた状態を示す図である。
【図3】図2の状態で像担持体ユニットと転写ベルトユニットを取り外して交換可能にした状態を示す図である。
【図4】図1の装置に用いる像担持体ユニットを現像手段側から見た斜視図である。
【図5】図4の像担持体ユニットの断面図である。
【図6】図4の像担持体ユニットに用いる像書込手段の断面図である。
【図7】図6の像書込手段の有機EL発光素子アレイの発光部近傍の1例の断面図である。
【図8】像担持体ユニットに取り付けられた各像担持体に対して像書込手段を正確に位置決めするための機構の1例を示す斜視図である。
【図9】有機EL発光素子アレイのガラス基板の副走査方向の断面図である。
【図10】図9の平面図である。
【図11】図9、図10の場合の像書込手段の断面図である。
【図12】図11の像書込手段の有機EL発光素子アレイの発光部近傍から光量センサに至る部分の断面図である。
【図13】各発光部の発光光量補正を行う制御部のブロック図である。
【図14】光量センサの配置位置、配置数の変形例を示す斜視図である。
【図15】光量センサの配置位置、配置数の別の変形例を示す斜視図である。
【図16】光量センサの配置に関する別の実施例の図9と同様の図である。
【図17】図16の場合の図12と同様の図である。
【図18】有機EL発光素子の発光部から発光した光線の振る舞いを説明するための図である。
【符号の説明】
【0076】
P…記録媒体、1…画像形成装置、2…ハウジング本体、2b…回動軸(回動支点)、2c…係止軸、3…第1の開閉部材、3’…開閉蓋、3b…回動軸、4…第2の開閉部材、5…電装品ボックス、6…画像形成ユニット、7…送風ファン、9…転写ベルトユニット、9a…支持フレーム、9b…回動部、9c…ロックレバー、10…給紙ユニット、11…二次転写ユニット、12…定着ユニット、13…記録媒体搬送手段、14…駆動ローラ、15…従動ローラ、16…中間転写ベルト、16a…中間転写ベルト駆動時のベルト搬送方向が下向きになるベルト面、17…クリーニング手段、18…テストパターンセンサ、19…二次転写ローラ、20…像担持体、21…一次転写部材、22…帯電手段、23…像書込手段、24…現像手段、25…像担持体ユニット(像担持体カートリッジ)、26…トナー貯留容器、27…トナー貯留部、29…トナー撹拌部材、30…仕切部材、31…トナー供給ローラ、32…ブレード、33…現像ローラ、34…規制ブレード、35…給紙カセット、36…ピックアップローラ、37…レジストローラ対、39…排紙ローラ対、40…両面プリント用搬送路、45…加熱ローラ、46…加圧ローラ、47…ベルト張架部材、49…耐熱ベルト、50…ケース、51…開口、52…遮蔽部分、53…遮蔽部分、60…ハウジング、61…有機EL発光素子アレイ、62…ガラス基板、63…発光部、64…カバーガラス、65…屈折率分布型ロッドレンズアレイ、65’…屈折率分布型ロッドレンズ、66…カバー、67…固定板バネ、68…ねじ挿入孔、69…位置決めピン、71…TFT(薄膜トランジスタ)、72…絶縁膜、73…陽極、74…絶縁膜、75…バンク、76…バンクの穴、77…正孔注入層、78…発光層、79a…陰極第1層、79b…陰極第2層、80…不活性ガス、91…光反射層、100、1001 、1002 、1003 、1004 …光量センサ、101…透明基板の発光部を設けた側の面
、102…透明基板の射出側の面、121…本体コントローラ、122…制御回路、123…駆動回路、124…メモリー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明基板上に発光部がアレイ状に形成され、前記発光部からの変調光線を像担持体上に投射して像担持体に所定のパターンを形成する露光ヘッドであって、前記発光部からの光線は、前記透明基板を透過して前記像担持体側へ射出される露光ヘッドにおいて、
前記透明基板は前記発光部が形成される面と光線が射出する面が略平行な略平面で構成され、前記透明基板の前記発光部が形成される面上に、前記発光部から発光される光線の光量を検出する光量検出手段が貼り付けられており、
前記透明基板の厚さをt、前記透明基板の臨界角をθC 、前記光量検出手段に最も近い前記発光部の中心から前記光量検出手段の中心までの距離をLとするとき、
L≧2t・tanθC ・・・(1)
の関係を満たすように、前記光量検出手段が配置されていることを特徴とする露光ヘッド。
【請求項2】
透明基板上に発光部がアレイ状に形成され、前記発光部からの変調光線を像担持体上に投射して像担持体に所定のパターンを形成する露光ヘッドであって、前記発光部からの光線は、前記透明基板を透過して前記像担持体側へ射出される露光ヘッドにおいて、
前記透明基板は前記発光部が形成される面と光線が射出する面が略平行な略平面で構成され、前記透明基板の前記光線が射出する面上に、前記発光部から発光される光線の光量を検出する光量検出手段が貼り付けられており、
前記透明基板の厚さをt、前記透明基板の臨界角をθC 、前記光量検出手段に最も近い前記発光部の中心から前記光量検出手段の中心までの距離をLとするとき、
L≧t・tanθC ・・・(2)
の関係を満たすように、前記光量検出手段が配置されていることを特徴とする露光ヘッド。
【請求項3】
前記発光部が有機EL発光素子の発光部であることを特徴とする請求項1又は2記載の露光ヘッド。
【請求項4】
前記透明基板の前記発光部が形成される面上又は前記光線が射出する面上の複数位置に前記光量検出手段が設けられていることを特徴とする請求項1から3の何れか1項記載の露光ヘッド。
【請求項5】
単数の前記光量検出手段で検出された光量検出信号、又は、複数の前記光量検出手段で検出された光量検出信号を合計した光量検出信号に基づいて、前記発光部の光量補正を行うことを特徴とする請求項1から4の何れか1項記載の露光ヘッド。
【請求項6】
前記発光部の発光光量を補正する補正係数を記憶する記憶手段を有することを特徴とする請求項1から5の何れか1項記載の露光ヘッド。
【請求項7】
像担持体の周囲に帯電手段、請求項1から6の何れか1項記載の露光ヘッド、トナー現像手段、転写手段を配した画像形成ステーションを少なくとも2つ以上設け、転写媒体が各ステーションを通過することにより、カラー画像形成を行うことを特徴とするタンデム方式のカラー画像形成装置。
【請求項8】
前記転写媒体から記録媒体上に転写されたトナー像を加熱定着する加熱定着手段を備えていることを特徴とする請求項7記載のカラー画像形成装置。
【請求項9】
前記露光ヘッドの前記発光部の発光光量を補正する補正係数を記憶する記憶手段を有することを特徴とする請求項7又は8記載のカラー画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2009−1024(P2009−1024A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−247637(P2008−247637)
【出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【分割の表示】特願2002−242213(P2002−242213)の分割
【原出願日】平成14年8月22日(2002.8.22)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】