説明

露光装置及びデバイスの製造方法

【課題】レチクルのパターンを基板に投影するときの基板の光軸に沿った方向の位置決定技術を提供する。
【解決手段】レチクル30のパターンを基板60に投影する投影光学系を備える露光装置であって、前記基板を駆動するステージ70と、前記投影光学系の光軸に直交する第1の方向に長手方向を有する第1のパターン、及び、前記第1の方向と平行ではなく且つ、前記投影光学系の光軸に直交する第2の方向に長手方向を有する第2のパターンのそれぞれを前記投影光学系の物体面に配置したときに、前記第1のパターンの結像する第1の結像位置、及び、前記第2のパターンの結像する第2の結像位置のそれぞれを取得する取得部100と、前記レチクルのパターンを前記基板に投影するときの前記基板の前記光軸に沿った方向の位置を決定し、決定した位置に前記基板が位置決めされるように前記ステージによる前記基板の駆動を制御する制御部110と、を有する露光装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、露光装置及びデバイスの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フォトリソグラフィー技術を用いて半導体メモリや論理回路などの半導体デバイスを製造する際に、露光装置が使用されている。露光装置は、レチクル(マスク)に形成されたパターンを投影光学系によってウエハ等の基板に投影してパターンを転写する。
【0003】
露光装置においては、露光が開始されると、投影光学系が露光光の一部を吸収して温度が変化することによって、投影光学系の光学特性が変化する。また、レチクルのパターンは、一般的に、縦方向に長手方向を有するパターン(Vパターン)と、横方向に長手方向を有するパターン(Hパターン)とを含んでいる。従って、VパターンのピッチとHパターンのピッチとが異なると、Hパターンからの光の光路とVパターンからの光の光路とで、露光光による投影光学系の温度変化が異なることになる。その結果、Hパターンからの光の光路における温度変化とVパターンからの光の光路における温度変化との差に起因して、投影光学系のレンズやミラーの形状や内部屈折率分布が変化し、非点収差が発生してしまう。
【0004】
非点収差による影響を低減させるための技術については、例えば、特許文献1に開示されている。図8を参照して、特許文献1に開示された技術を説明する。図8は、積算露光時間(横軸)と、Hパターンからの光及びVパターンからの光のそれぞれのフォーカス位置(縦軸)との関係を示す図である。図8に示すように、積算露光時間が増加すると、露光光による投影光学系の温度変化に起因して、Hパターンからの光のフォーカス位置Meas_H及びVパターンからの光のフォーカス位置Meas_Vが変化する。そこで、特許文献1では、Hパターンからの光のフォーカス位置Meas_HとVパターンからの光のフォーカス位置Meas_Vとの平均位置を露光時のフォーカス位置として決定することで、非点収差によるデフォーカスを低減させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−145054号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、Hパターンからの光のフォーカス位置とVパターンからの光のフォーカス位置との平均位置を露光時のフォーカス位置とした場合、かかる平均位置がそれぞれのパターンの焦点深度から外れてしまうという問題が生じる。例えば、レチクルにおけるHパターンの占有面積がVパターンの占有面積よりも大きい場合には、Hパターンからの光の光路における温度上昇がVパターンからの光の光路における温度上昇よりも大きくなる。このような場合、Hパターンからの光のフォーカス位置の変化量とVパターンからの光のフォーカス位置の変化量に差が生じることになるため、特に、上述した問題が顕著となる。また、一般的に、実際に基板に転写するパターンにおいては、パターンの方向によって焦点深度が異なる。従って、Hパターンからの光のフォーカス位置とVパターンからの光のフォーカス位置との平均位置(露光時のフォーカス位置)と露光に最適なフォーカス位置との間にずれが生じてしまう。
【0007】
そこで、本発明は、このような従来技術の課題に鑑みてなされ、レチクルのパターンを基板に投影するときの基板の光軸に沿った方向の位置の決定に有利な技術を提供することを例示的目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の一側面としての露光装置は、レチクルのパターンを基板に投影する投影光学系を備える露光装置であって、前記基板を駆動するステージと、前記投影光学系の光軸に直交する第1の方向に長手方向を有する第1のパターン、及び、前記第1の方向と平行ではなく、且つ、前記投影光学系の光軸に直交する第2の方向に長手方向を有する第2のパターンのそれぞれを前記投影光学系の物体面に配置したときに、前記第1のパターンからの光が前記投影光学系を介して結像する第1の結像位置、及び、前記第2のパターンからの光が前記投影光学系を介して結像する第2の結像位置のそれぞれを取得する取得部と、前記レチクルのパターンを前記基板に投影するときの前記基板の前記光軸に沿った方向の位置を決定し、決定した位置に前記基板が位置決めされるように前記ステージによる前記基板の駆動を制御する制御部と、を有し、前記制御部は、前記レチクルのパターンとして前記第1の方向に長手方向を有するパターンと前記第2の方向に長手方向を有するパターンとが混在する混在パターンを前記基板に投影する場合には、前記取得部で取得された前記第1の結像位置における焦点深度の下端点と上端点のうち前記第2の結像位置における焦点深度に含まれる端点と、前記取得部で取得された前記第2の結像位置における焦点深度の下端点と上端点のうち前記第1の結像位置における焦点深度に含まれる端点との中点に相当する位置を前記基板の前記光軸に沿った方向の位置として決定することを特徴とする。
【0009】
本発明の更なる目的又はその他の側面は、以下、添付図面を参照して説明される好ましい実施形態によって明らかにされるであろう。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、例えば、レチクルのパターンを基板に投影するときの基板の光軸に沿った方向の位置の決定に有利な技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一側面としての露光装置1の構成を示す図である。
【図2】露光非点収差が生じる原理を説明するための図である。
【図3】露光レシピとフォーカス位置との関係を示す図である。
【図4】レチクルのパターンをウエハに投影するときのウエハの投影光学系の光軸に沿った方向の位置を概念的に示す図である。
【図5】HパターンとVパターンとが混在する混在パターンをウエハに投影するときのウエハの投影光学系の光軸に沿った方向の位置の決定を説明するための図である。
【図6】レチクルのパターンとして、HパターンとVパターンとが混在する混在パターンの一例を示す図である。
【図7】混在パターンをウエハに投影するジョブを開始してからの積算時間と、Hパターン及びVパターンのそれぞれからの光のフォーカス位置との関係を示す図である。
【図8】従来技術を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施の形態について説明する。なお、各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
【0013】
図1は、本発明の一側面としての露光装置1の構成を示す図である。露光装置1は、ステップ・アンド・スキャン方式やステップ・アンド・リピート方式でレチクルのパターンをウエハに転写する投影露光装置である。
【0014】
露光装置1は、図1(a)に示すように、光源10から射出される光でレチクル30(の所定領域)を照明する照明光学系20と、レチクル30を保持すると共にレチクル30を駆動するレチクルステージ40とを有する。また、露光装置1は、レチクル30のパターンをウエハ(基板)60に投影する投影光学系50と、ウエハ60を保持すると共にウエハ60を駆動するウエハステージ70とを有する。また、露光装置1は、計測用パターン80及び90と、検出部100と、制御部110とを有する。
【0015】
計測用パターン80は、フォーカス位置(即ち、結像位置)を計測する際に、投影光学系50の物体面に配置され、本実施形態では、レチクル30に形成されている。但し、計測用パターン80は、レチクル30と同じ高さになるようにレチクルステージ40に配置されたレチクル基準プレートの上に形成されてもよい。計測用パターン80は、図1(b)に示すように、ライン・アンド・スペースの構造を有するHパターン及びVパターンを含む。Hパターン及びVパターンは、例えば、ガラス基板の上にクロム(Cr)などで遮光部分を形成することによって形成される。なお、Hパターンは、投影光学系50の光軸に直交する第1の方向に長手方向を有する第1のパターンであり、Vパターンは、第1の方向と平行ではなく、且つ、投影光学系50の光軸に直交する第2の方向に長手方向を有する第2のパターンである。
【0016】
計測用パターン90は、フォーカス位置を計測する際に、投影光学系50の像面に配置され、本実施形態では、ウエハ60と同じ高さになるようにウエハステージ70に配置されたウエハ基準プレート75の上に形成されている。計測用パターン90は、計測用パターン80を構成するHパターン及びVパターンのそれぞれに相当するHパターン及びVパターンを含む。
【0017】
検出部100は、計測用パターン80、投影光学系50及び計測用パターン90を通過した光の光量を検出する。なお、計測用パターン80及び90は、計測用パターン80を構成するHパターン(又はVパターン)からの光が投影光学系50を介して計測用パターン90を構成するHパターン(又はVパターン)を通過するように配置される。
【0018】
投影光学系50の物体面に配置された計測用パターン80を配置したときに、計測用パターン80を構成するHパターンからの光のフォーカス位置(即ち、投影光学系50を介して結像する第1の結像位置)を計測する場合について説明する。まず、光源10からの光を用いて照明光学系20の照明領域に配置された計測用パターン80を構成するHパターンを照明する。この際、投影光学系50の像面には、計測用パターン90(を構成するHパターン)が配置されている。次いで、計測用パターン80を構成するHパターンを投影光学系50の光軸に沿った方向に駆動しながら、計測用パターン80を構成するHパターン、投影光学系50及び計測用パターン90を構成するHパターンを通過した光の光量を検出部100で検出する。そして、検出部100で検出される光量が最大となる計測用パターン90(を構成するHパターン)の位置を、計測用パターン80を構成するHパターンからの光のフォーカス位置として取得する。なお、計測用パターン80を構成するVパターンからの光のフォーカス位置(投影光学系50を介して結像する第2の結像位置)は、計測用パターン80を構成するVパターン及び計測用パターン90を構成するVパターンを用いて同様に計測することができる。
【0019】
制御部110は、CPUやメモリなどを含み、露光装置1の全体(動作)を制御する。制御部110は、本実施形態では、レチクル30のパターンをウエハ60に投影するときのウエハ60の投影光学系50の光軸に沿った方向の位置を決定し、決定した位置にウエハ60が位置決めされるようにウエハステージ70によるウエハ60の駆動を制御する。
【0020】
ここで、露光中において、Hパターンからの光のフォーカス位置の変化量とVパターンからの光のフォーカス位置の変化量に差(露光非点収差)が生じる原理について説明する。計測用パターン80において、パターンのピッチがHパターンとVパターンとで異なる場合、回折角もHパターンとVパターンとで異なるため、投影光学系50におけるHパターンからの光が通過する位置とVパターンからの光が通過する位置とが異なる。図2は、計測用パターン80を照明σ0.5で照明した場合に、投影光学系50の瞳面において、Hパターンからの光が通過する位置とVパターンからの光が通過する位置とを示す図である。具体的には、投影光学系50の瞳面において、ピッチが大きいVパターンで回折された光が通過する位置を図2(a)に、ピッチが小さいVパターンで回折された光が通過する位置を図2(b)に示している。また、投影光学系50の瞳面において、ピッチが大きいHパターンで回折された光が通過する位置を図2(c)に、ピッチが小さいHパターンで回折された光が通過する位置を図2(d)に示している。また、図2(a)乃至図2(d)において、斜線部は、投影光学系50の瞳面において、Hパターン又はVパターンからの光が通過する位置を示しており、中央の円が0次光であり、左右の円又は上下の円が±1次光である。
【0021】
図2(a)乃至図2(d)を参照するに、ピッチが大きいとパターンでの回折角は小さくなり、投影光学系50の瞳面において、0次光が通過する位置と±1次光が通過する位置とが近づいている。また、Hパターンでは光はy方向に、Vパターンでは光はx方向に回折され、パターンの長手方向によって回折方向が変わっている。
【0022】
投影光学系における光が通過する領域では、光(露光光)の吸収による温度上昇が発生する。但し、上述したように、パターンのピッチや長手方向によって光の通過する領域が異なるため、投影光学系において温度分布が生じる。このような温度分布に応じて、投影光学系を構成するレンズやミラーの形状や内部屈折率分布が変化するため、非点収差が発生してしまう。
【0023】
そこで、制御部110は、図3に示すように、露光レシピに応じて、レチクル30のパターンをウエハ60に投影するときのウエハ60の投影光学系50の光軸に沿った方向の位置を決定する。例えば、レチクル30のパターンとして、Hパターンの長手方向と同じ長手方向を有するパターンのみを有するパターン(即ち、Hパターン)をウエハ60に転写する場合(露光レシピA)を考える。露光レシピAの場合、フォーカス位置の計測はHパターンのみに対して行い、計測されたフォーカス位置(Hパターンからの光のフォーカス位置)を、ウエハ60の投影光学系50の光軸に沿った方向の位置として決定する。また、レチクル30のパターンとして、Vパターンの長手方向と同じ長手方向を有するパターンのみを有するパターン(即ち、Vパターン)をウエハ60に転写する場合(露光レシピB)を考える。露光レシピBの場合、フォーカス位置の計測はVパターンのみに対して行い、計測されたフォーカス位置(Vパターンからの光のフォーカス位置)を、ウエハ60の投影光学系50の光軸に沿った方向の位置として決定する。
【0024】
図4は、露光レシピを露光レシピAから露光レシピBから変更して露光を行う場合に、レチクル30のパターンをウエハ60に投影するときのウエハ60の投影光学系50の光軸に沿った方向の位置を概念的に示す図である。図4では、レチクル30のパターンをウエハ60に投影するジョブを開始してからの積算時間を横軸に、フォーカス位置(ウエハ60の投影光学系50の光軸方向に沿った位置)を縦軸に採用している。一点鎖線で示す曲線は、Vパターンからの光のフォーカス位置Meas_Vを示し、二点鎖線で示す曲線は、Hパターンからの光のフォーカス位置Meas_Hを示している。なお、Vパターンからの光のフォーカス位置Meas_VやHパターンからの光のフォーカス位置Meas_Hは、上述したように、計測用パターン80、計測用パターン90及び検出部100によって計測することができる。
【0025】
図4を参照するに、制御部110は、露光レシピAでは、Hパターンからの光のフォーカス位置Meas_Hを、ウエハ60の投影光学系50の光軸に沿った方向の位置として決定し、ウエハステージ70を介して、決定した位置にウエハ60を位置決めする。実際には、ウエハ60に投影するレチクル30のパターンとしてのHパターンの線幅は、計測用パターン80を構成するHパターンの線幅と異なる。従って、ウエハ60に投影するHパターンからの光のフォーカス位置Expoと計測用パターン80を構成するHパターンからの光のフォーカス位置Meas_Hとの間に誤差が生じる場合がある。このような場合には、互いに異なる線幅を有する複数のHパターンで計測用パターン80を構成し、かかる複数のHパターンのうちウエハ60に投影するHパターンの線幅に近い線幅を有するHパターンを選択してフォーカス位置を計測すれよい。これにより、ウエハ60に投影するHパターンからの光のフォーカス位置Expoと計測用パターン80を構成するHパターンからの光のフォーカス位置Meas_Hとの間に生じる誤差を低減させることができる。
【0026】
露光レシピAを露光レシピBに変更すると、制御部110は、Vパターンからの光のフォーカス位置Meas_Vを、ウエハ60の投影光学系50の光軸に沿った方向の位置として決定し、ウエハステージ70を介して、決定した位置にウエハ60を位置決めする。この際、露光レシピBを行う前に露光レシピAが行われているため、露光光により投影光学系50の温度が上昇している。従って、図4に示すように、露光レシピBを開始する際に決定されるウエハ60の投影光学系50の光軸に沿った方向の位置は、最初の露光レシピとして露光レシピBを開始する際に決定されるウエハ60の投影光学系50の光軸に沿った方向の位置と異なる。
【0027】
ここで、従来技術のように、Hパターンからの光のフォーカス位置とVパターンからの光のフォーカス位置との平均位置(Meas_H+Meas_V)/2を、ウエハ60の投影光学系50の光軸に沿った方向の位置として決定する場合について考える。この場合、露光レシピBでは、図4に示すように、実際にウエハ60に投影するVパターンからの光のフォーカス位置Expoとの差δが大きくなってしまうことがある。一方、本実施形態では、Vパターンからの光のフォーカス位置Meas_Vをウエハ60の投影光学系50の光軸に沿った方向の位置として決定しているため、ウエハ60に投影するVパターンからの光のフォーカス位置Expoとの差δ’を低減することができる。
【0028】
なお、露光レシピAや露光レシピBのように、Hパターン又はVパターンのみをウエハ60に投影する場合には、上述したように、Hパターンからの光のフォーカス位置又はVパターンからの光のフォーカス位置のみを計測すればよい。従って、従来技術と比較して、フォーカス位置の計測に要する時間を短縮することができる。また、Hパターンからの光又はVパターンからの光のフォーカス位置を計測するタイミングは、露光レシピが変更されたときだけに限らず、ウエハごと、ロットごと、或いは、ウエハ上のショットごとであってもよい。
【0029】
図3に戻って、レチクル30のパターンとして、HパターンとVパターンとが混在する混在パターンをウエハ60に転写する場合(露光レシピC、D及びE)を考える。図5は、HパターンとVパターンとが混在する混在パターンをウエハ60に転写する場合において、混在パターンをウエハ60に投影するときのウエハ60の投影光学系50の光軸に沿った方向の位置の決定を説明するための図である。図5では、混在パターンをウエハ60に投影するジョブを開始してからの積算時間を横軸に、フォーカス位置(ウエハ60の投影光学系50の光軸方向に沿った位置)を縦軸に採用している。鎖線で示す曲線は、Hパターンからの光のフォーカス位置H_Cを示し、一点鎖線で示す曲線は、Vパターンからの光のフォーカス位置V_Cを示している。また、Hパターンからの光のフォーカス位置H_Cにおける焦点深度の下端点及び上端点のそれぞれをH_L及びH_Uとし、Vパターンからの光のフォーカス位置V_Cにおける焦点深度の下端点及び上端点のそれぞれをV_L及びV_Uとする。
【0030】
従来技術では、上述したように、Hパターンからの光のフォーカス位置H_CとVパターンからの光のフォーカス位置V_Cとの平均位置(H_C+V_C)/2を、ウエハ60の投影光学系50の光軸に沿った方向の位置として決定していた。この場合、積算時間が増加してくると、平均位置(H_C+V_C)/2は、Hパターンからの光のフォーカス位置H_Cにおける焦点深度領域(下端点H_Lと上端点H_Uとの間)から外れ、露光不良となってしまう。
【0031】
そこで、制御部110は、Hパターンからの光のフォーカス位置H_Cにおける焦点深度、及び、Vパターンからの光のフォーカス位置V_Cにおける焦点深度からウエハ60の投影光学系50の光軸に沿った方向の位置を決定する。具体的には、まず、Hパターンからの光のフォーカス位置H_Cにおける焦点深度の下端点H_L及び上端点H_Uのうち、Vパターンからの光のフォーカス位置V_Cにおける焦点深度に含まれる端点(本実施形態では、上端点H_U)を特定する。次いで、Vパターンからの光のフォーカス位置V_Cにおける焦点深度の下端点V_L及び上端点V_Uのうち、Hパターンからの光のフォーカス位置H_Cにおける焦点深度に含まれる端点(本実施形態では、下端点V_L)を特定する。そして、このようにして特定した2つの端点の中点(本実施形態では、(H_U+V_L)/2)に相当する位置を、ウエハ60の投影光学系50の光軸に沿った方向の位置として決定する。このように、Hパターン及びVパターンのそれぞれからの光のフォーカス位置における焦点深度を考慮して、ウエハ60の投影光学系50の光軸に沿った方向の位置を決定することで、一方のパターンがデフォーカスするという問題を回避することができる。なお、Hパターン及びVパターンのそれぞれからの光のフォーカス位置における焦点深度は、例えば、実際にHパターン及びVパターンをウエハに転写し、ウエハに転写されたHパターン及びVパターンを測定することで求めることができる。
【0032】
Hパターン及びVパターンのそれぞれからの光のフォーカス位置における焦点深度を求めることが困難である場合には、Hパターンの線幅と、Vパターンの線幅と、焦点深度との関係を予め求めておけばよい。例えば、Hパターンからの光のフォーカス位置H_Cにおける焦点深度の端点のうち、Vパターンからの光のフォーカス位置V_Cにおける焦点深度に含まれる上端点H_UをVパターンの線幅LW_Hの関数f(LW_H)として規定する。同様に、Vパターンからの光のフォーカス位置V_Cにおける焦点深度の端点のうち、Hパターンからの光のフォーカス位置H_Cにおける焦点深度に含まれる下端点V_LをHパターンの線幅LW_Vの関数f(LW_V)として規定する。この場合、上端点H_UはH_C+f(LW_H)、下端点V_LはV_C−f(LW_V)と表され、ウエハ60の投影光学系50の光軸に沿った方向の位置は、{H_C+f(LW_H)+V_C−f(LW_V)}/2に相当する位置に決定される。
【0033】
また、Hパターン及びVパターンのそれぞれからの光のフォーカス位置における焦点深度を考慮して、Hパターンからの光のフォーカス位置及びVパターンからの光のフォーカス位置のそれぞれに乗じる比率Hratio及びVratioを予め定めてもよい。この場合、ウエハ60の投影光学系50の光軸に沿った方向の位置は、H_C×Hratio+V_C×Vratioに相当する位置に決定される。但し、Hratio+Vratio=100%とする。
【0034】
ここで、図6を参照して、図3に示す露光レシピC、D及びEについて説明する。図6は、レチクル30のパターンとして、HパターンとVパターンとが混在する混在パターンの一例を示す図である。図6(a)に示す混在パターンは、露光レシピCに相当するパターンである。図6(a)に示す混在パターンは、HパターンとVパターンとの占有面積比(Hパターンの露光領域とVパターンの露光領域との比)が1:1で同じであるが、Vパターンの線幅がHパターンの線幅よりも小さい。その結果、Vパターンからの光のフォーカス位置における焦点深度がHパターンからの光のフォーカス位置における焦点深度よりも小さくなる。従って、ウエハ60の投影光学系50の光軸に沿った方向の位置は、上述したように焦点深度を考慮すると、Vパターンからの光のフォーカス位置に重みをおいて決定される。図6(b)に示す混在パターンは、露光レシピDに相当するパターンである。図6(b)に示す混在パターンは、Hパターンの線幅とVパターンの線幅とは同じであるが、Hパターンの露光領域がVパターンの露光領域よりも大きい。従って、ウエハ60の投影光学系50の光軸に沿った方向の位置は、上述したように焦点深度を考慮すると、Hパターンからの光のフォーカス位置に重みをおいて決定される。なお、露光レシピEに相当する混在パターンは、HパターンとVパターンとの占有面積比が1:1で同じであり、且つ、Hパターンの線幅とVパターンの線幅とが同じである。従って、ウエハ60の投影光学系50の光軸に沿った方向の位置は、上述したように焦点深度を考慮すると、Hパターンからの光のフォーカス位置とVパターンからの光のフォーカス位置との平均位置に決定される。なお、混在パターンであっても、Hパターンからの光のフォーカス位置又はVパターンからの光のフォーカス位置における焦点深度が十分に大きい場合も考えられる。このような場合には、焦点深度が小さい方のパターンからの光のフォーカス位置を、ウエハ60の投影光学系50の光軸に沿った方向の位置として決定してもよい。
【0035】
また、HパターンとVパターンとが混在する混在パターンをウエハ60に転写する場合、露光(ジョブ)を開始してからの積算時間に応じて、ウエハ60の投影光学系50の光軸に沿った方向の位置を決定する方法を変更することもできる。本実施形態では、図7に示すように、露光(ジョブ)を行う期間を時間順に第1の時間領域、第2の時間領域及び第3の時間領域とする。図7では、混在パターンをウエハ60に投影するジョブを開始してからの積算時間を横軸に、フォーカス位置(ウエハ60の投影光学系50の光軸方向に沿った位置)を縦軸に採用している。
【0036】
第1の時間領域は、Hパターンからの光のフォーカス位置における焦点深度の下端点と上端点との間の焦点深度領域の全てがVパターンからの光のフォーカス位置における焦点深度の下端点と上端点との間の焦点深度領域に重なる領域である。第1の時間領域では、制御部110は、Hパターンからの光のフォーカス位置を、ウエハ60の投影光学系50の光軸に沿った方向の位置として決定する。
【0037】
第2の時間領域は、Hパターンからの光のフォーカス位置における焦点深度領域の一部がVパターンからの光のフォーカス位置における焦点深度領域に重なる領域である。第2の時間領域では、制御部110は、上述したように、Hパターンからの光のフォーカス位置における焦点深度、及び、Vパターンからの光のフォーカス位置における焦点深度を考慮して、ウエハ60の投影光学系50の光軸に沿った方向の位置を決定する。
【0038】
第2の時間領域では、具体的には、まず、Hパターンからの光のフォーカス位置H_Cにおける焦点深度の下端点H_L及び上端点H_Uのうち、Vパターンからの光のフォーカス位置V_Cにおける焦点深度に含まれる端点を特定する。次いで、Vパターンからの光のフォーカス位置V_Cにおける焦点深度の下端点V_L及び上端点V_Uのうち、Hパターンからの光のフォーカス位置H_Cにおける焦点深度に含まれる端点を特定する。そして、このようにして特定した2つの端点の中点に相当する位置を、ウエハ60の投影光学系50の光軸に沿った方向の位置として決定する。
【0039】
第3の時間領域は、Hパターンからの光のフォーカス位置における焦点深度領域とVパターンからの光のフォーカス位置における焦点深度領域とが重ならない領域である。第3の時間領域では、Hパターン又はVパターンがデフォーカスしてしまうため、制御部110は、レチクル30のパターンのウエハ60への投影(即ち、ジョブ)を中断する。そして、Hパターンからの光のフォーカス位置における焦点深度領域の一部がVパターンからの光のフォーカス位置における焦点深度領域に重なったら、レチクル30のパターンのウエハ60への投影を再開する。
【0040】
このように、露光(ジョブ)を開始してからの積算時間に応じて、ウエハ60の投影光学系50の光軸に沿った方向の位置を決定する方法を変更することで、露光時におけるフォーカスマージンを最大にすることができる。なお、本実施形態では、露光(ジョブ)を開始してからの積算時間に応じて、ウエハ60の投影光学系50の光軸に沿った方向の位置を決定する方法を変更している。但し、Hパターンからの光のフォーカス位置における焦点深度領域とVパターンからの光のフォーカス位置における焦点深度領域との重なり関係に応じて、ウエハ60の投影光学系50の光軸に沿った方向の位置を決定する方法を変更してもよい。
【0041】
なお、簡略化のため、第1の時間領域と第2の時間領域の2つの領域において、焦点深度を考慮してHパターンからの光のフォーカス位置及びVパターンからの光のフォーカス位置のそれぞれに乗じる比率Hratio及びVratioを予め定めてもよい。この場合、ウエハ60の投影光学系50の光軸に沿った方向の位置は、H_C×Hratio+V_C×Vratioに相当する位置に決定される。但し、Hratio+Vratio=100%とする。
【0042】
また、本実施形態では、Hパターンからの光のフォーカス位置の変化がVパターンのフォーカス位置の変化よりも大きい場合を例に説明した。但し、Vパターンからの光のフォーカス位置の変化がHパターンのフォーカス位置の変化よりも大きい場合であっても、同様に、焦点深度を考慮して、ウエハ60の投影光学系50の光軸に沿った方向の位置を決定することができる。
【0043】
また、本実施形態では、Hパターンからの光のフォーカス位置及びVパターンからの光のフォーカス位置のそれぞれを取得する取得部として、計測用パターン80、計測用パターン90及び検出部100を例に説明した。但し、Hパターンからの光のフォーカス位置及びVパターンからの光のフォーカス位置のそれぞれを実際に計測するのではなく、シミュレーションや過去の実績から取得することも可能である。
【0044】
例えば、シミュレーションの場合には、Hパターンの線幅及びピッチ、Vパターンの線幅及びピッチ、照明条件(σなど)、投影光学系に関する情報(NAなど)に基づいて、Hパターン及びVパターンのそれぞれから投影光学系の像面までの光線追跡を行う。これにより、Hパターンからの光のフォーカス位置及びVパターンからの光のフォーカス位置を求めることができる。
【0045】
また、過去の実績からHパターンからの光のフォーカス位置及びVパターンからの光のフォーカス位置を求める場合には、過去の実績値に対して、照度と露光を開始してからの積算時間及び露光を中断している時間を考慮する必要がある。過去の実績と比較して照度が大きい場合には、投影光学系の温度変化が大きくなり、フォーカス位置の変化も大きくなる。従って、例えば、照度に比例させて過去に得られたフォーカス位置を変化させる。また、露光を中断することによって投影光学系の温度が低下するため、フォーカス位置が変化する。過去の実績から、露光の中断時間と露光再開時のフォーカス位置を求めることで、中断時間とフォーカス位置の変化との関係が求められる。
【0046】
このように、露光装置1では、Hパターン及びVパターンのそれぞれからの光のフォーカス位置における焦点深度を考慮して、ウエハ60の投影光学系50の光軸に沿った方向の位置を決定しているため、デフォーカスを低減させることができる。従って、露光装置1は、高いスループットで経済性よく高品位なデバイス(半導体素子、LCD素子、撮像素子(CCDなど)、薄膜磁気ヘッドなど)を提供することができる。かかるデバイスは、露光装置1を用いてフォトレジスト(感光剤)が塗布された基板(ウエハ、ガラスプレート等)を露光する工程と、露光された基板を現像する工程と、その他の周知の工程と、を経ることによって製造される。
【0047】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されないことはいうまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レチクルのパターンを基板に投影する投影光学系を備える露光装置であって、
前記基板を駆動するステージと、
前記投影光学系の光軸に直交する第1の方向に長手方向を有する第1のパターン、及び、前記第1の方向と平行ではなく、且つ、前記投影光学系の光軸に直交する第2の方向に長手方向を有する第2のパターンのそれぞれを前記投影光学系の物体面に配置したときに、前記第1のパターンからの光が前記投影光学系を介して結像する第1の結像位置、及び、前記第2のパターンからの光が前記投影光学系を介して結像する第2の結像位置のそれぞれを取得する取得部と、
前記レチクルのパターンを前記基板に投影するときの前記基板の前記光軸に沿った方向の位置を決定し、決定した位置に前記基板が位置決めされるように前記ステージによる前記基板の駆動を制御する制御部と、
を有し、
前記制御部は、前記レチクルのパターンとして前記第1の方向に長手方向を有するパターンと前記第2の方向に長手方向を有するパターンとが混在する混在パターンを前記基板に投影する場合には、前記取得部で取得された前記第1の結像位置における焦点深度の下端点と上端点のうち前記第2の結像位置における焦点深度に含まれる端点と、前記取得部で取得された前記第2の結像位置における焦点深度の下端点と上端点のうち前記第1の結像位置における焦点深度に含まれる端点との中点に相当する位置を前記基板の前記光軸に沿った方向の位置として決定することを特徴とする露光装置。
【請求項2】
前記第1の結像位置における焦点深度の下端点又は上端点のうち前記第2の結像位置における焦点深度に含まれる端点を前記第1のパターンの線幅の関数f(LW_H)として、前記第2の結像位置における焦点深度の下端点又は上端点のうち前記第1の結像位置における焦点深度に含まれる端点を前記第2のパターンの線幅の関数f(LW_V)として規定し、
前記第1の結像位置をH_C、前記第2の結像位置をV_Cとすると、
前記制御部は、前記混在パターンを前記基板に投影する場合には、{H_C+f(LW_H)+V_C−f(LW_V)}/2に相当する位置を前記基板の前記光軸に沿った方向の位置として決定することを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
【請求項3】
レチクルのパターンを基板に投影する投影光学系を備える露光装置であって、
前記基板を駆動するステージと、
前記投影光学系の光軸に直交する第1の方向に長手方向を有する第1のパターン、及び、前記第1の方向と平行ではなく、且つ、前記投影光学系の光軸に直交する第2の方向に長手方向を有する第2のパターンのそれぞれを前記投影光学系の物体面に配置したときに、前記第1のパターンからの光が前記投影光学系を介して結像する第1の結像位置、及び、前記第2のパターンからの光が前記投影光学系を介して結像する第2の結像位置のそれぞれを取得する取得部と、
前記レチクルのパターンを前記基板に投影するときの前記基板の前記光軸に沿った方向の位置を決定し、決定した位置に前記基板が位置決めされるように前記ステージによる前記基板の駆動を制御する制御部と、
を有し、
前記第1の結像位置をH_C、前記第2の結像位置をV_Cとすると、
前記制御部は、前記レチクルのパターンとして前記第1の方向に長手方向を有するパターンと前記第2の方向に長手方向を有するパターンとが混在する混在パターンを前記基板に投影する場合には、前記第1の結像位置及び前記第2の結像位置のそれぞれに予め定められた比率Hratio及びVratio(Hratio+Vratio=100%)を乗じたH_C×Hratio+V_C×Vratioに相当する位置を前記基板の前記光軸に沿った方向の位置として決定することを特徴とする露光装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記レチクルのパターンとして前記第1の方向に長手方向を有するパターンのみを有するパターンを前記基板に投影する場合には、前記取得部で取得された前記第1の結像位置を前記基板の前記光軸に沿った方向の位置として決定し、
前記レチクルのパターンとして前記第2の方向に長手方向を有するパターンのみを有するパターンを前記基板に投影する場合には、前記取得部で取得された前記第2の結像位置を前記基板の前記光軸に沿った方向の位置として決定することを特徴とする請求項3に記載の露光装置。
【請求項5】
レチクルのパターンを基板に投影する投影光学系を備える露光装置であって、
前記基板を駆動するステージと、
前記投影光学系の光軸に直交する第1の方向に長手方向を有する第1のパターン、及び、前記第1の方向と平行ではなく、且つ、前記投影光学系の光軸に直交する第2の方向に長手方向を有する第2のパターンのそれぞれを前記投影光学系の物体面に配置したときに、前記第1のパターンからの光が前記投影光学系を介して結像する第1の結像位置、及び、前記第2のパターンからの光が前記投影光学系を介して結像する第2の結像位置のそれぞれを取得する取得部と、
前記レチクルのパターンを前記基板に投影するときの前記基板の前記光軸に沿った方向の位置を決定し、決定した位置に前記基板が位置決めされるように前記ステージによる前記基板の駆動を制御する制御部と、
を有し、
前記レチクルのパターンを前記基板に投影するジョブを開始してからの積算時間に応じて、前記ジョブを行う期間を時間順に第1の時間領域、第2の時間領域及び第3の時間領域とすると、
前記第1の時間領域では、前記第1の結像位置における焦点深度の下端点と上端点との間の焦点深度領域の全てが前記第2の結像位置における焦点深度の下端点と上端点との間の焦点深度領域に重なり、
前記第2の時間領域では、前記第1の結像位置における焦点深度領域の一部が前記第2の結像位置における焦点深度領域に重なり、
前記第3の時間領域では、前記第1の結像位置における焦点深度領域と前記前記第2の結像位置における焦点深度領域とが重ならず、
前記制御部は、前記レチクルのパターンとして前記第1の方向に長手方向を有するパターンと前記第2の方向に長手方向を有するパターンとが混在する混在パターンを前記基板に投影する場合に、前記第1の時間領域及び前記第2の時間領域では、前記第1の結像位置及び前記第2の結像位置に基づいて前記基板の前記光軸に沿った方向の位置を決定し、前記第3の時間領域では、前記レチクルのパターンの前記基板への投影を中断することを特徴とする露光装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記第1の時間領域では、前記第1の結像位置を前記基板の前記光軸に沿った方向の位置として決定し、
前記第2の時間領域では、前記第1の結像位置における焦点深度の下端点と上端点のうち前記第2の結像位置における焦点深度に含まれる端点と、前記第2の結像位置における焦点深度の下端点と上端点のうち前記第1の結像位置における焦点深度に含まれる端点との間に含まれる位置を前記基板の前記光軸に沿った方向の位置として決定することを特徴とする請求項5に記載の露光装置。
【請求項7】
前記第1の結像位置をH_C、前記第2の結像位置をV_Cとすると、
前記制御部は、前記混在パターンを前記基板に投影する場合に、前記第1の時間領域と前記第2の時間領域では、前記第1の結像位置及び前記第2の結像位置のそれぞれに予め定められた比率Hratio及びVratio(Hratio+Vratio=100%)を乗じたH_C×Hratio+V_C×Vratioに相当する位置を前記基板の前記光軸に沿った方向の位置として決定することを特徴とする請求項5に記載の露光装置。
【請求項8】
前記取得部は、
前記投影光学系の像面に配置され、前記第1のパターン及び前記第2のパターンのそれぞれに相当するパターンが形成された基準プレートと、
前記基準プレートに形成されたパターンを通過した光の光量を検出する検出部と、
を含み、
前記基準プレートを前記光軸に沿った方向に駆動したときに前記検出部で検出される前記第1のパターンからの光の光量が最大となる前記基準プレートの前記光軸に沿った位置を前記第1の結像位置として、前記第2のパターンからの光の光量が最大となる前記基準プレートの前記光軸に沿った位置を前記第2の結像位置として取得することを特徴とする請求項1乃至7のうちいずれか1項に記載の露光装置。
【請求項9】
前記取得部は、前記第1のパターンの線幅及びピッチ、前記第2のパターンの線幅及びピッチ、前記第1のパターン及び前記第2のパターンのそれぞれを照明するときの照明条件、及び、前記投影光学系に関する情報に基づいて、前記第1のパターン及び前記第2のパターンのそれぞれから前記投影光学系の像面までの光線追跡によって、前記第1の結像位置及び前記第2の結像位置を取得することを特徴とする請求項1乃至7のうちいずれか1項に記載の露光装置。
【請求項10】
請求項1乃至9のうちいずれか1項に記載の露光装置を用いて基板を露光するステップと、
露光された前記基板を現像するステップと、
を有することを特徴とするデバイスの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−19110(P2012−19110A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−156185(P2010−156185)
【出願日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】