説明

露光装置及び画像形成装置

【課題】レンズ集合体と筐体との間を封止する封止材の不良を抑制することができる露光装置及び画像形成装置を得る。
【解決手段】レンズアレイ56の長手方向両端部には、封止材70を塗布する際に用いられるノズル72の先端部が挿入可能な挿入孔74が、筐体58を切り欠いて設けられている。これにより、最初にノズル72から吐出される吐出方向及び吐出量の不安定な封止材70が挿入孔74に捨てられてからレンズアレイ56の長手方向側部と筐体58との接触部78に封止材70を塗布する。このため、封止材70がレンズアレイ56に形成されたロッドレンズ54に付着してしまう等の封止材70の不良が抑制される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、露光装置、及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、レンズアレイ(レンズ集合体)とハウジング(筐体)との間を封止材で封止した露光装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−53158号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、レンズ集合体と筐体との間を封止材により封止する際に発生する封止不良を抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に係る露光装置は、複数の発光素子を設けた配線基板と、前記発光素子から出射された光が透過する複数のレンズを備えたレンズ集合体と、前記発光素子と前記レンズとが対向するように前記レンズ集合体を固定した筐体と、前記レンズ集合体と前記筐体との間を封止した封止材と、を備え、前記筐体には、前記レンズ集合体の周囲の少なくとも一部に、前記封止材を塗布する際に用いられるノズルの先端部が挿入可能な挿入孔が設けられたことを特徴とする。
【0006】
本発明の請求項2に係る露光装置は、請求項1に記載の露光装置において、前記レンズ集合体は、前記レンズの光の透過方向とは垂直な方向に延びる長尺形状とされ、前記挿入孔は、前記レンズ集合体の長手方向の端部近傍に設けられたことを特徴とする。
【0007】
本発明の請求項3に係る露光装置は、請求項2に記載の露光装置において、前記レンズの光の透過方向から見て、前記挿入孔の幅寸法は、前記レンズ集合体の幅寸法と同一とされ、前記レンズ集合体の長手方向における前記挿入孔の長手寸法は、前記幅寸法以上であることを特徴とする。
【0008】
本発明の請求項4に係る露光装置は、複数の発光素子を設けた配線基板と、前記発光素子から出射された光が透過する複数のレンズを備えると共に、前記レンズの光の透過方向とは垂直な方向に延びる長尺形状とされたレンズ集合体と、前記発光素子と前記レンズとが対向するように前記レンズ集合体を固定した筐体と、前記レンズ集合体と前記筐体との間を封止した封止材と、前記筐体において前記レンズ集合体の長手方向の端部近傍に設けられると共に、幅寸法は、前記レンズ集合体の幅寸法に対して同一とされ、前記レンズ集合体の長手方向における長手寸法は、前記幅寸法以上とされた凹状の挿入孔と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項5に係る画像形成装置は、請求項1〜4の何れか1項に記載の露光装置と、前記露光装置から出射される光によって、表面に静電潜像が形成される像保持体と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の請求項1の露光装置によれば、筐体にレンズ集合体の周囲に封止材を塗布する際に用いられるノズルの先端部が挿入可能な挿入孔が設けられない場合と比して、レンズ集合体と筐体との間を封止材により封止する際に発生する封止不良を抑制することができる。
【0011】
本発明の請求項2の露光装置によれば、筐体におけるレンズ集合体の長手方向の側面近傍に挿入孔が設けられない場合と比して、封止不良を抑制した上で、効率良くレンズ集合体と筐体との間を封止材で封止することができる。
【0012】
本発明の請求項3の露光装置によれば、挿入孔の幅寸法がレンズ集合体の幅寸法に対して同一とされ、挿入孔の長手寸法がレンズ集合体の幅寸法より短い場合と比して、筐体の幅方向の大きさを抑制した上で必要な挿入孔の大きさを確保することができる。
【0013】
本発明の請求項4の露光装置によれば、挿入孔の幅寸法がレンズ集合体の幅寸法に対して同一とされ、挿入孔の長手寸法がレンズ集合体の幅寸法より短い場合と比して、レンズ集合体と筐体との間を封止する封止不良を抑制することができる。
【0014】
本発明の請求項5の画像形成装置によれば、請求項1〜4の何れか1項に記載の露光装置が用いられていない場合と比して、出力画像の品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係るプリントヘッドを示した拡大斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係るプリントヘッドを示した断面図である。
【図3】本発明の実施形態に係るプリントヘッドを示した断面図である。
【図4】(A)(B)本発明の実施形態に係るプリントヘッドを示した平面図である。
【図5】本発明の実施形態に係るプリントヘッドを示した平面図である。
【図6】本発明の実施形態に係るプリントヘッドを示した分解斜視図である。
【図7】本発明の実施形態に係る画像形成装置を示した概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態に係る露光装置の一例としてのプリントヘッド及び画像形成装置の一例について図1〜図7に従って説明する。なお、図中に示す矢印UPは鉛直方向上方を示す。
【0017】
(画像形成装置)
図7に示されるように、画像形成装置10の装置本体10Aには、複数のローラ12に張架され、モータ(図示省略)の駆動により矢印A方向に搬送される中間転写体としての無端ベルト状の中間転写体ベルト14が設けられている。
【0018】
この画像形成装置10は、カラー画像の形成に対応しており、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色に対応するトナー画像を形成する画像形成ユニット28Y、28M、28C、28Kが、中間転写体ベルト14の長手方向に沿って配置され、装置本体10Aに脱着可能に支持されている。
【0019】
なお、各色毎に設けられた部材については、符号の末尾に各々の色を示すアルファベット(Y/M/C/K)を付与して示すが、特に色を区別せずに説明する場合は、この末尾のアルファベットを省略して説明する。
【0020】
画像形成ユニット28は、図示しないモータ及びギアからなる駆動手段によって時計方向へ回転する像保持体の一例としての感光体ドラム16を備えている。
【0021】
さらに、感光体ドラム16の周面には、感光体ドラム16の表面を所定の電位に一様に帯電させるための帯電ローラ18が配置されている。詳細には、帯電ローラ18は、導電性のローラであり、その周面が感光体ドラム16の周面に接触しており、帯電ローラ18の軸線方向と感光体ドラム16の軸線方向とが平行となるように配置されている。
【0022】
また、感光体ドラム16の回転方向において帯電ローラ18よりも下流側の周面には、感光体ドラム16上に光を照射して潜像を形成するプリントヘッドの一例としてのLEDプリントヘッド20が感光体ドラム16の軸方向に延びている。このLEDプリントヘッド20は、画像データに応じて光ビームを感光体ドラム16に照射することにより、感光体ドラム16上に潜像を形成するようになっている。なお、LEDプリントヘッド20については詳細を後述する。
【0023】
さらに、各感光体ドラム16の回転方向においてLEDプリントヘッド20よりも下流側の周面には、感光体ドラム16上に形成された潜像を所定色(イエロー/マゼンタ/シアン/ブラック)のトナーによって現像してトナー画像を形成させる現像器22が配置されている。
【0024】
現像器22は、感光体ドラム16に近接して配置され、回転可能に設けられた円筒状の現像ローラ24を有している。現像ローラ24には、現像バイアスが印加され、現像器22内に装填されたトナーが現像ローラ24に付着されるようになっている。さらに、現像ローラ24の回転により、現像ローラ24に付着されたトナーが感光体ドラム16の表面に搬送され、感光体ドラム16上に形成された潜像がドナー画像として現像されるようになっている。
【0025】
また、各感光体ドラム16の回転方向において現像器22よりも下流側の周面には、各感光体ドラム16上のトナー画像を中間転写体ベルト14に転写する転写部材としての転写ローラ30が設けられている。転写ローラ30は、所定の電位に帯電されて反時計方向に回転して中間転写体ベルト14を所定の速度で搬送し、中間転写体ベルト14を感光体ドラム16に押し付ける。これにより、転写ローラ30が、感光体ドラム16上のトナー画像を中間転写体ベルト14上に転写させるようになっている。
【0026】
また、感光体ドラム16の回転方向において転写ローラ30よりも下流側の周面には、感光体ドラム16上の残留トナーを回収するクリーニングブレード26が配置されている。クリーニングブレード26は、一辺が感光体ドラム16と接触するように配設されており、中間転写体ベルト14に転写されずに感光体ドラム16上に残留したトナーや、転写時に感光体ドラム16上に付着してしまった他の色のトナー等を削ぎとって回収するようになっている。
【0027】
ここで、各画像形成ユニット28により形成された互いに異なる色のトナー画像は、中間転写体ベルト14のベルト面上に、互いに重なり合うように転写される。これにより、中間転写体ベルト14上にカラーのトナー画像が形成される。なお、本実施形態では、このようにして4色のトナー画像が重ねて転写されたトナー画像を最終トナー画像と称する。
【0028】
一方、中間転写体ベルト14の搬送方向において各色の感光体ドラム16よりも下流側には、対向する2つのローラ34A、34Bを含んで構成される転写装置34が配設されている。そして、画像形成装置10の底部に設けられた用紙トレイ36から取り出されて、このローラ34A、34Bの間に搬送されてきたシート部材Pに、中間転写体ベルト14上に形成された最終トナー画像が転写されるようになっている。
【0029】
また、最終トナー画像が転写されたシート部材Pの搬送経路には、加熱ローラ40Aと加圧ローラ40Bとを含んで構成される定着装置40が配設されている。定着装置40に搬送されたシート部材Pは、加熱ローラ40Aと加圧ローラ40Bとによって挟持搬送されることにより、シート部材P上のトナーが溶融すると共にシート部材Pに圧着されてシート部材Pに定着されるようになっている。
【0030】
一方、中間転写体ベルト14の搬送方向において転写装置34よりも下流側には、転写装置34によってシート部材Pに転写されずに中間転写体ベルト14上に残留したトナーを回収するクリーナ42が配設されている。クリーナ42には、中間転写体ベルト14に接するようにブレード44が備えられており、残留したトナーを擦り取ることによって回収する。
【0031】
上記構成による画像形成装置10では、次のようにして画像が形成される。
【0032】
まず、帯電ローラ18が、感光体ドラム16の表面を予定の帯電部電位で一様にマイナス帯電する。さらに、帯電された感光体ドラム16上の画像部分が予定の露光部電位になるようにLEDプリントヘッド20で露光を行ない感光体ドラム16上に潜像が形成される。
【0033】
そして、回転する感光体ドラム16上の潜像が現像器22に備えられた現像ローラ24を通過すると、現像剤Gのトナーが潜像へ付着し、潜像はトナー画像として可視化される。
【0034】
可視化された各色のトナー画像は、転写ローラ30の静電気力で中間転写体ベルト14へ順次転写され、中間転写体ベルト14上にカラーの最終トナー画像が形成される。
【0035】
転写装置34に設けられたローラ34A、34Bの間に送り込まれ、用紙トレイ36から取り出されて、同じくローラ34A、34Bの間に搬送されてきたシート部材Pにこの最終トナー画像が転写される。
【0036】
さらに、シート部材Pへ転写されたトナー画像は定着装置40でシー部材Pに定着され、シート部材Pは装置外へ排出される。
【0037】
(LEDプリントヘッド)
次に、LEDプリントヘッド20について説明する。
【0038】
図3および図6に示されるように、LEDプリントヘッド20は、感光体ドラム16(図7参照)の回転軸方向に延びるように設けられ、発光素子の一例としての発光ダイオードアレイ(LEDアレイ)62を備えたプリント配線基板52と、この発光ダイオードアレイ62の発光点(LED)が発光した光が透過する円柱状のレンズの一例としてのロッドレンズ54が設けられたレンズ集合体の一例としてのレンズアレイ56と、プリント配線基板52及びレンズアレイ56を固定する筐体58とを備えている。
【0039】
詳細には、プリント配線基板52の一方の面には、複数(例えば、128個)の発光ダイオード(LED)が直線状に設けられた発光ダイオードアレイ62が複数千鳥状に実装され、プリント配線基板52の他方の面には、発光ダイオードアレイ62を制御する電子部品64が実装されている。
【0040】
また、レンズアレイ56は、ロッドレンズ54の光の透過方向に対して垂直な方向に延びるように設けられ、このレンズアレイ56には、夫々の発光ダイオードアレイ62の発光点から出射された光が夫々透過するように、複数個のロッドレンズ54が千鳥状に設けられている。また、このレンズアレイ56の幅寸法(図4(A)に示すE寸法)は本実施形態では2.75mmとされている。そして、このレンズアレイ56が、プリント配線基板52の一方の面に設けられた発光ダイオードアレイ62と対向するように、筐体58にプリント配線基板52及びレンズアレイ56が固定されている。
【0041】
さらに、図1および図3に示されるように、レンズアレイ56と筐体58との間には、レンズアレイ56と筐体58との間(後述する接触部78A、78B)から埃等がLEDプリントヘッド20の内部に浸入するのを防止する封止材70が設けられている。
【0042】
また、図1、図4および図5に示されるように、筐体58におけるレンズアレイ56の長手方向両端部の近傍には、封止材70を塗布する際に用いられるノズル72の先端部(本実施形態では、先端径1.26mm)が挿入可能な挿入孔74が、筐体58を切り欠いて設けられている。言い換えれば、筐体58には、レンズアレイ56が嵌る開口(貫通口)58Aが設けられている。そして、この開口58Aの両端に、レンズアレイ56の長手方向の長さよりも長く、ノズル72の先端部が挿入可能な凹溝(非貫通口)である挿入孔74が設けられている。
【0043】
図4(A)に示されるように、ロッドレンズ54の光の透過方向から見て、挿入孔74は矩形状とされ、挿入孔74の幅寸法(図4(A)に示すF寸法)は、レンズアレイ56の幅寸法Eと同一(2.75mm)とされている。さらに、レンズアレイ56の長手方向における挿入孔74の長手寸法は(図4(A)に示すG寸法)は、幅寸法E以上の7mmとされている。また、図2に示されるように、挿入孔74の深さ寸法(図2に示すH寸法)は、本実施形態では4.47mmとされている。
【0044】
(封止材の塗布方法)
次に、封止材70の塗布方法について説明する。
【0045】
先ず、図2に示されるように、封止材70が吐出されるノズル72の先端を一方の挿入孔74Aに挿入する。一方の挿入孔74Aにノズル72の先端を挿入した後、ノズル72から封止材70を吐出させる。
【0046】
ここで、ノズル72の先端部には、前回の吐出時に残留した封止材70が固化したもの(完全に固化しておらず、固化が進行しているものを含む)が堆積されている場合が一般的である。このような場合には、堆積した封止材70が押し出されて封止材が挿入孔74Aの内壁の一部に付着するまで、つまり、吐出直後には、封止材70の吐出方向が安定しない。つまり、堆積した封止材が押し出されても、ノズル72における封止材が流れる穴の内壁には固化し堆積した封止材の一部が付着しているので、その付着状態によっては、ノズル72の先端から吐出される封止材70が真下、前後左右のどの向きに流れ出るか不明である。
【0047】
このため、先ず、挿入孔74Aにノズル72の先端を挿入した状態でノズル72から封止材70を吐出させ、封止材を挿入孔74Aの内壁の一部に付着させて封止材70の吐出方向を安定させる。すなわち、封止材が一旦、挿入孔74Aの内壁の一部に付着すると、その後は、ノズル72の動作に従って封止材を塗布することができるので、安定した封止材の塗布を実現できる。以上により、一方の挿入孔74Aに初期吐出の封止材70が捨てられる。これにより、レンズアレイ56の長手方向端部と筐体58との間に封止材70が塗布される。
【0048】
封止材70の吐出方向が安定した後、すなわち、封止材を挿入孔74Aの内壁の一部に付着させた後、図3および図5に示されるように、封止材を吐出したままのノズル72を一方の挿入孔74Aから引き出し、レンズアレイ56の長手方向側部と筐体58との接触部78Aにノズル72の先端部を対向させる。そして、ノズル72から封止材70を吐出させた状態で、レンズアレイ56の長手方向に沿って他方の挿入孔72Bに向ってノズル72を移動させる(図5に示す矢印参照)。これにより、接触部78Aに封止材70を安定して(余分なはみ出し等が無く)塗布することができる。
【0049】
そして、他方の挿入孔74Bにノズル72が到達すると、前記した挿入孔74Aの場合と同様に、ノズル72の先端部を他方の挿入孔74Bに挿入する。他方の挿入孔74Bにノズル72の先端を挿入して、ノズル72から封止材70を他方の挿入孔74Bに吐出させる。これにより、レンズアレイ56の長手方向端部と筐体58との間に封止材70が塗布される。
【0050】
そして、封止材70の吐出方向が安定した後、ノズル72を他方の挿入孔74Bから引き出し、レンズアレイ56の長手方向側部と筐体58との接触部78Bにノズル72の先端部を対向させる。そして、ノズル72から封止材70を吐出させた状態で、レンズアレイ56の長手方向に沿って一方の挿入孔72に向ってノズル72を移動させる(図5に示す矢印参照)。これにより、接触部78Bに封止材70を塗布する。
【0051】
このように、最初にノズル72から吐出される吐出方向及び吐出量の不安定な封止材70が挿入孔74に捨てられてからレンズアレイ56の長手方向側部と筐体58との接触部78に封止材70を塗布する。このため、封止材70がレンズアレイ56のロッドレンズ54のレンズ面に付着してしまう等の封止材70の塗布不良(封止不良)が抑制される。
【0052】
また、ノズル72の先端部が挿入される挿入孔74の幅寸法をレンズアレイ56の幅寸法(本実施形態では2.75mm)に対して同一とし、挿入孔74の長手寸法をレンズ集合体の幅寸法以上(本実施形態では7mm)とすることで、挿入孔74の長手寸法をレンズ集合体の幅寸法以下とする場合と比して、筐体58の幅方向の大きさを抑制した上で必要な挿入孔74の大きさを確保することができる。
【0053】
また、封止材70がレンズアレイ56のロッドレンズ54のレンズ面に付着してしまう等の封止不良が抑制されることで、感光体ドラム16上に形成される潜像の品質が向上するため、画像形成装置10から出力される出力画像の品質が向上される。
【0054】
また、挿入孔74を筐体58におけるレンズアレイ56の長手方向の端部近傍に設けることで、レンズアレイ56の長手方向側部に設けられる場合と比して、筐体58がレンズアレイ56の幅方向に大きくなるのが抑制される。
【0055】
また、挿入孔74を筐体58におけるレンズアレイ56に対して長手方向の端部近傍に設けることで、レンズアレイ56の長手方向側部に設けられる場合と比して、ノズル72の移動制御が容易になる。
【0056】
なお、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記実施形態では、挿入孔74を筐体58におけるレンズアレイ56の長手方向の両端部近傍に設けたが、特にこれに限定されることなく、筐体58におけるレンズアレイの長手方向の一方の端部であってもよいし、筐体58におけるレンズアレイの長手方向の側部(レンズアレイの短手方向の端部の一部分近傍)に設けてもよい。
【0057】
また、上記実施形態では、レンズアレイ56が挿入される開口(貫通口)58Aと挿入孔(非貫通口)74との間には、壁等が設けられていない場合につい説明したが、特にこれに限定されることはなく、レンズアレイ56が挿入される開口58Aと挿入孔74との間に壁等が設けられていてもよい。
【0058】
また、上記実施形態では、プリント配線基板52が筐体58に取り付けられたLEDプリントヘッドを例にとって説明したが、本発明は、特にこれに限定されることはなく、特許第4530230号の図15、特許第4341832号の図1に示されたプリントヘッドのように、レンズアレイは筐体に固定され、プリント配線基板はベースプレートに固定され、筐体はベースプレートに固定されたプリントヘッドに適用しても良い。
【符号の説明】
【0059】
10 画像形成装置
16 感光体ドラム(像保持体の一例)
20 LEDプリントヘッド(露光装置の一例)
52 プリント配線基板(配線基板の一例)
54 ロッドレンズ(レンズの一例)
56 レンズアレイ(レンズ集合体の一例)
58 筐体
62 発光ダイオード(発光素子の一例)
70 封止材
72 ノズル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の発光素子を設けた配線基板と、
前記発光素子から出射された光が透過する複数のレンズを備えたレンズ集合体と、
前記発光素子と前記レンズとが対向するように前記レンズ集合体を固定した筐体と、
前記レンズ集合体と前記筐体との間を封止した封止材と、を備え、
前記筐体には、前記レンズ集合体の周囲の少なくとも一部に、前記封止材を塗布する際に用いられるノズルの先端部が挿入可能な挿入孔が設けられた露光装置。
【請求項2】
前記レンズ集合体は、前記レンズの光の透過方向とは垂直な方向に延びる長尺形状とされ、
前記レンズ集合体の周囲を取り囲む前記筐体に前記レンズ集合体が固定され、
前記挿入孔は、前記レンズ集合体の長手方向の端部近傍に設けられた請求項1に記載の露光装置。
【請求項3】
前記レンズの光の透過方向から見て、
前記挿入孔の幅寸法は、前記レンズ集合体の幅寸法と同一とされ、
前記レンズ集合体の長手方向における前記挿入孔の長手寸法は、前記幅寸法以上である請求項2に記載の露光装置。
【請求項4】
複数の発光素子を設けた配線基板と、
前記発光素子から出射された光が透過する複数のレンズを備えると共に、前記レンズの光の透過方向とは垂直な方向に延びる長尺形状とされたレンズ集合体と、
前記発光素子と前記レンズとが対向するように前記レンズ集合体を固定した筐体と、
前記レンズ集合体と前記筐体との間を封止した封止材と、
前記筐体において前記レンズ集合体の長手方向の端部近傍に設けられると共に、幅寸法は、前記レンズ集合体の幅寸法に対して同一とされ、前記レンズ集合体の長手方向における長手寸法は、前記幅寸法以上とされた凹状の挿入孔と、
を備えた露光装置。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか1項に記載の露光装置と、
前記露光装置から出射される光によって、表面に静電潜像が形成される像保持体と、
を備えた画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−51250(P2012−51250A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−195955(P2010−195955)
【出願日】平成22年9月1日(2010.9.1)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】