説明

静圧軸受ユニット

【課題】静圧軸受パッドの隙間調整を容易に行なうことが可能な静圧軸受ユニットを提供する。
【解決手段】直動案内装置は、圧縮空気を供給するための複数の給気管21〜24と、それぞれ給気管21〜24を流れる圧縮空気の圧力および流量を制御する複数組の圧力制御部25〜26および流量計29〜32と、それぞれ給気管21〜24を介して供給された圧縮空気をレール2,3に向けて噴出し、可動テーブル4を非接触で支持する複数の静圧軸受パッド6〜9とを備える。したがって、圧縮空気の圧力および流量を各静圧軸受パッド毎に個別に制御できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は静圧軸受ユニットに関し、特に、各々が圧縮気体を噴射して可動部を非接触で支持する複数の静圧軸受パッドを備えた静圧軸受ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、大型移動ステージを案内したり、大型の回転体を支持するために転がり案内部や転がり軸受が用いられてきたが、近年、それらの代わりに静圧軸受パッドを使用する例が増えている。この静圧軸受パッドによれば、可動部を非接触で支持できるので、高精度な直進性、高精度位置決め、低振動、低騒音、長寿命、高速高精度回転などを実現することができる。
【0003】
図5(a)(b)は、そのような静圧軸受パッドを用いた大型移動ステージの構成を示す図である。図5(a)(b)において、ベース51上には2本のレール52,53が所定の間隔を開けて平行に設けられ、レール52,53にはそれぞれ移動体54,55が設けられている。
【0004】
レール52と移動体54との間には、静圧軸受パッド56が設けられている。静圧軸受パッド56は、レール52に対して移動体54を水平方向に非接触の状態で支持し、X軸方向にガイドしている。また、移動体54にはベース51に対して静圧軸受パッド57が設けられている。これにより、移動体54は、ベース51によってZ軸方向にガイドされ、レール52に沿ってY軸方向に移動する。同様に、移動体55にも静圧軸受パッド56,57が設けられており、移動体55はレール53に沿ってY軸方向に移動可能となっている。
【0005】
移動体54と55の間にはビーム58が設けられている。ビーム58の一方端は移動体54に固定され、ビーム58の他方端は移動体55に板バネ構造によって連結されている。ビーム58には、移動体59が設けられている。移動体59はビーム58をガイドとして、X軸方向に移動する。移動体59にはベース51に対して静圧軸受パッド60〜62が設けられており、移動体59は静圧軸受パッド60〜62によってベース51に対してZ軸方向にガイドされつつX軸方向に移動する。また、ビーム58の中央部の下端には、ベース51に対して静圧軸受パッド63が設けられており、ビーム58は静圧軸受パッド63によってベース51に対してZ軸方向にガイドされつつY軸方向に移動する(たとえば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−356693号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来の大型移動ステージでは、静圧軸受パッド56,57,60〜63の組み付けが容易でなかった。すなわち、パッドの組み付け時においては、可動部を垂直方向に支持する静圧軸受パッド57,60〜63については、各パッドがベース51に対して均一に接触するように各パッドの位置を調整する。また、レール52,53に対して移動体54,55を水平方向に支持する静圧軸受パッド56については、静圧軸受パッド56とレール52または53の間に軸受隙間に相当する厚さのスペーサを挿入し、パッド56がスペーサに均一に接触するよう位置調整し、その後スペーサを除去し、静圧軸受パッド56,57,60〜63に給気して可動部を浮上させる。
【0007】
ところが、このような大型移動ステージにおいては、静圧軸受パッド56,57,60〜63を保持する可動部の寸法が大きくて弾性変形を生じ易く、かつ静圧軸受パッド56,57,60〜63を背後より保持している部分も含め、静圧軸受パッド保持部の各部分の剛性が同一にはなっていない。また、従来、給気源に繋がる1つの圧力制御部から給気経路を分岐させ、複数の静圧軸受パッド56,57,60〜63に対して同一圧力の圧縮空気を供給していた。
【0008】
このため、静圧軸受パッド56,57,60〜63に給気しても、静圧軸受パッド56,57,60〜63で均一な軸受隙間が得られるとは限らず、隙間調整が必要であった。静圧軸受パッドの軸受隙間は、各パッド近傍の狭いスペースに変位計を取り付け、給気のオン/オフを行なった時の測定箇所の位置変化から求める。測定の結果、所望の軸受隙間が得られていない静圧軸受パッドに対しては、浮上量を測定しつつ、パッド背後からの押力を弱めたり強めたりする試行錯誤を繰り返して調整する。この軸受隙間の調整にはミクロンオーダの微調整が必要とされるため、軸受隙間の測定および微調整は容易でなく、各軸受パッドにおける最適隙間の調整には大変手間を要していた。このような調整における手間は、上記大型移動ステージのみならず複数の静圧軸受パッドによって可動部を支持する大型回転装置においても同様である。
【0009】
それゆえに、この発明の主たる目的は、静圧軸受パッドの隙間調整を容易に行なうことが可能な静圧軸受ユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明に係る静圧軸受ユニットは、圧縮気体を供給するための複数の給気路と、それぞれ複数の給気路に対応して設けられ、各々が対応する給気路を流れる圧縮気体の圧力および流量のうちの少なくともいずれか一方を制御する複数の制御部と、それぞれ複数の給気路に対応して設けられ、各々が対応する給気路を介して供給された圧縮気体を固定部に向けて噴出し、可動部を非接触で支持する複数の静圧軸受パッドとを備えたものである。
【0011】
好ましくは、さらに、各給気路に対応して設けられ、対応する給気路を流れる圧縮気体の流量を検出する流量計を備え、各制御部は、対応する流量計の検出結果に基づいて、圧縮気体の圧力を制御する。
【0012】
また好ましくは、各制御部は、対応する流量計の検出結果に基づいて、対応する静圧軸受パッドと固定部との間の軸受隙間が所定の値になるように、圧縮気体の圧力を制御する。
【0013】
また好ましくは、各制御部は、対応する静圧軸受パッドと固定部との間の軸受隙間が所定の値になるように、圧縮気体の流量を制御する。
【0014】
また好ましくは、さらに、各静圧軸受パッドに対応して設けられ、それぞれ対応する静圧軸受パッドの軸受面の一方端部および他方端部における圧縮気体の圧力を検出する第1および第2の圧力センサを備え、各制御部は、対応する第1および第2の圧力センサの検出値の平均値が予め定められた第1の値になるように、対応する給気路を流れる圧縮気体の圧力を制御する。
【0015】
また好ましくは、さらに、第1および第2の圧力センサの検出値の差が予め定められた第2の値を超えた場合に異常信号を出力する信号発生部を備える。
【発明の効果】
【0016】
この発明に係る静圧軸受ユニットでは、各静圧軸受パッド毎に給気路および制御部を設けたので、各静圧軸受パッドに供給する圧縮空気の圧力または流量を個別に制御することができる。したがって、各静圧軸受パッドの軸受隙間を容易に所定の値に微調整することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1による直動案内装置の機構部の構成を示すための、可動テーブル長手方向の手前側における断面図である。図1において、この直動案内装置は、ベース1と、ベース1上に所定の間隔を開けて平行に設けられた2本のレール2,3とを備える。レール2,3の各々は、四角形の断面形状を有する。レール2,3を覆うようにして可動テーブル4が設けられ、可動テーブル4上にはワーク5が搭載される。可動テーブル4は、コの字形の断面形状を有する。
【0018】
可動テーブル4の下面とレール2,3の上面との間にそれぞれ静圧軸受パッド6,7が設けられ、可動テーブル4の両側面とレール2,3の側面との間にそれぞれ静圧軸受パッド8,9が設けられている。静圧軸受パッド6〜9の軸受面はレール2または3に対向して配置される。静圧軸受パッド6〜9の背面(軸受面と反対側の面)の中央の穴(図示せず)にはそれぞれボールスタッド10〜13先端の球体部が挿入され、ボールスタッド10〜13の各々の基端は可動テーブル4の対応する面のネジ孔(図示せず)に螺合されている。
【0019】
なお、図1は可動テーブル長手方向の手前側の断面図であるが、可動テーブル長手方向の奥側の断面図も図1と同じである。すなち、本装置には、手前側に4個の静圧軸受パッド6〜9が配置されるとともに、奥側にも4個の静圧軸受パッド6〜9が配置され、合計8個の静圧軸受パッドが配置されている。これらの8個の静圧軸受パッドにより、可動部のヨーイング方向およびピッチング方向の角度剛性を高めている。
【0020】
図2は、静圧軸受パッド6の構成を示す断面図である。図2では、静圧軸受パッド6がレール2の上面から浮上している状態が示されている。静圧軸受パッド6は、支持板16および噴射板17を含む。支持板16の上面の中央には半球形の穴16aが形成されており、その穴16aにはボールスタッド10先端の球頭部が挿入されている。また、支持板16の下面の中央領域には浅い凹部16bが形成され、支持板16の上面から凹部16bに貫通する給気孔16cが形成されている。噴射板17は、たとえばカーボンなどの潤滑性を有する中実の材料で形成されており、支持板16の下面に固定されている。噴射板17には多数の貫通孔17aが形成されている。噴射板17の下面が静圧軸受パッド6の軸受面となる。なお、多数の貫通孔17aが形成された噴射板17の代わりに、多孔質材料で形成された噴射板を用いてもよい。
【0021】
静圧軸受パッド6は、ボールスタッド10により、レール2の上面に沿った角度に自由に傾くことができ、かつレール2の上面の方向に押し付けられた状態で支持されており、軸受面から不要なモーメント荷重を受けないようになっている。給気孔16cに圧縮空気を供給すると、圧縮空気は多数の貫通孔17aを介してレール2の上面に噴射され、圧縮空気の圧力によって静圧軸受パッド6がレール2の上面から浮上する。他の静圧軸受パッド7〜9も、静圧軸受パッド6と同じ構成である。したがって、手前側と奥側の静圧軸受パッド6〜9に圧縮空気を供給すると、ワーク5を搭載した可動テーブル4は、レール2,3およびベース1から浮上する。
【0022】
図1に戻って、レール2,3の間の領域には、リニアモータ14およびエンコーダ15が設けられている。可動部長手方向の手前側断面図(図1)と奥側断面図は同じであり、レール2,3、リニアモータ14、およびエンコーダ15は手前側から奥側に延在している。リニアモータ14の固定子14aはレール2に隣接してベース1に固定され、可動子14bは可動テーブル4の下面に固定されている。リニアモータ14は、可動テーブル4を長さ方向に移動させる。エンコーダ15のスケール15aはレール3の側面に設けられ、センサ15bはスケール15aに対向して可動テーブル4の下面に固定されている。エンコーダ15は、可動テーブル4の基準点の位置を検出する。コントローラ(図示せず)は、エンコーダ15の検出結果に基づいてリニアモータ14を制御し、可動テーブル4をレール2,3の長さ方向の任意の位置に移動させる。
【0023】
図3は、静圧軸受パッド6〜9に圧縮空気を供給する給気部の構成を示すブロック図である。図3において、給気部は、給気源20、給気管21〜24、圧力制御部25〜28、および流量計29〜32を備える。なお、静圧軸受パッド6〜9は手前側と奥側に1組ずつ合計2組設けられているので、給気管21〜24、圧力制御部25〜28、および流量計29〜32も2組設けられている。手前側と奥側は同じ構成であるので、以下、1組の静圧軸受パッド6〜9に対応する部分について説明する。給気源20は、所定の圧力の圧縮空気を供給する。給気管21〜24の一方端は給気源20の給気口に接続され、それらの他方端はそれぞれ静圧軸受パッド6〜9の給気孔に接続される。
【0024】
圧力制御部25〜28は、それぞれ給気管21〜24の所定の位置に介挿される。流量計29〜32は、それぞれ給気管21〜24の圧力制御部25〜28の下流側の所定の位置に介挿される。流量計29〜32は、それぞれ給気管21〜24に流れる圧縮空気の流量を測定し、測定した流量を示す信号を出力する。圧力制御部25〜28は、それぞれ流量計29〜30の出力信号に基づいて、それぞれ給気管21〜24に予め定められた流量の圧縮空気が流れるように、圧縮空気の圧力を制御する。したがって、静圧軸受パッド6〜9の圧縮空気の流量は、個別に制御可能になっている。
【0025】
この直動案内装置の組み立て時には、静圧軸受パッド6,7の軸受面がそれぞれレール2,3の上面に全面均一に接するように、ボールスタッド10,11の各々の突出量を調整する。また、静圧軸受パッド8の軸受面とレール2の側面との間に所定の軸受隙間に相当するスペーサを挿入するとともに、静圧軸受パッド9の軸受面とレール3の側面との間に所定の軸受隙間に相当するスペーサを挿入し、静圧軸受パッド8,9の軸受面がスペーサに全面均一に接するように、ボールスタッド12,13の各々の突出量を調整する。
【0026】
次に、静圧軸受パッド8,9の軸受面とレール2,3の側面との間のスペーサを除去し、静圧軸受パッド6〜9の各々に圧縮空気を供給する。静圧軸受パッド6〜9の軸受隙間と流量計29〜32の測定値との間には相関があるので、流量計29〜32の測定値から静圧軸受パッド6〜9の軸受隙間を容易に求めることができる。したがって、静圧軸受パッド6〜9の固定部の剛性が異なっていても、静圧軸受パッド6〜9への給気圧を個別に変えることによって各軸受隙間が所定量になるように容易に制御することができる。
【0027】
軸受隙間の所定量からのずれ量が大きい場合には、圧縮空気の流量を見ながら静圧軸受パッド6〜9を背後から押しているボールスタッド10〜13の締め付け力を再調整して概略所定の隙間に調整し、さらに上記個別の圧力制御によって微調整することもできる。
【0028】
このように、各静圧軸受パッド毎の浮上量測定のための新たな変位計の設置作業や測定作業も不要であり、個々の静圧軸受パッドにおける軸受隙間調整を容易に能率よく行なうことが可能である。
【0029】
なお、本機構は、浮上中における静圧軸受パッド6〜9への急激な負荷変動などには対応し難いが、急激な負荷変動が無い上記用途において、組付け給気時の初期軸受隙間の調整や、可動テーブル4の中心からずれた偏荷重が搭載または付加された場合などにおける可動テーブル4の傾き防止などにも有効である。
【0030】
また、流量計29〜32は給気管21〜24に設ければよいので、静圧軸受パッド6〜9の取り付け部のスペースに関係なく、簡単に取り付けることができる。
【0031】
また、この実施の形態1では、流量計29〜32の出力信号を圧力制御部25〜28にフィードバックしたが、流量計29〜32の出力信号を圧力制御部25〜28にフィードバックさせずに、流量計29〜32の測定値を見ながら手動で圧力調整を行なってもよい。
【0032】
また、圧力制御部25〜28および流量計29〜32の代わりに、流量コントローラによって各静圧軸受パッドの圧縮空気の流量を一定に制御してもよい。
【0033】
[実施の形態2]
図4は、この発明の実施の形態2による直動案内装置の要部を示すブロック図である。この直動案内装置の機構部の概略構成は、図1で示したものと略同じであり、2組の静圧軸受パッド6〜9を備える。
【0034】
図4において、静圧軸受パッド6の長手方向の両端部には、支持板16の上面から噴射板17の下面まで貫通する孔35,36が形成されている。他の静圧軸受パッド7〜9の各々においても、同様に、貫通孔35,36が形成されている。2組の静圧軸受パッド6〜9の各々に対応して、チューブ37,38、圧力センサ39,40、演算部41、給気管43および圧力制御部44が設けられ、2組の静圧軸受パッド6〜9に共通の給気源42が設けられる。
【0035】
貫通孔35,36の支持板16の上面側の開口部は、それぞれチューブ37,38を介して圧力センサ39,40に接続される。これにより、噴射板17の下面の一方端および他方端とレール2の上面との間の軸受圧(空気圧)Pa,Pbが、貫通孔35,36およびチューブ37,38を介して圧力センサ39,40に伝達される。圧力センサ39,40は、それぞれ軸受圧Pa,Pbを測定し、測定値を示す信号を出力する。
【0036】
演算部41は、圧力センサ39,40の出力信号に基づいて、2つの軸受圧Pa,Pbの平均値(Pa+Pb)/2と差(Pa−Pb)を求める。噴射板17の貫通孔17aの詰まりや、支持板16とボールスタッド10の接触の不具合などに起因して、静圧軸受パッド6が大きく傾いていると、軸受圧Pa,Pbが不均一になり、噴射板17のエッジとレール2の上面とが接触し易くなる。これを防止するため、軸受圧の差(Pa−Pb)が所定の値を超えたとき、演算部41は異常信号を出力する。異常信号に応答して、たとえば、軸受異常の表示やシステムの運転停止が実施される。
【0037】
給気源42は、所定の圧力の圧縮空気を供給する。給気管43の一方端は給気源42の給気口に接続され、その他方端は静圧軸受パッド6の給気孔16cに接続される。圧力制御部44は、給気管43の所定の位置に介挿され、軸受圧の平均値(Pa+Pb)/2が所定の値になるように、圧縮空気の圧力を制御する。なお、このときの圧力調整も、軸受圧の平均値(Pa+Pb)/2を見て手動で行ってもよい。
【0038】
この実施の形態2でも、実施の形態1と同じ効果が得られる。
なお、上記説明においては、複数の静圧軸受パッドを用いた静圧軸受ユニットの具体例として直動案内装置について説明したが、本発明は、回転型の大型空気軸受ユニットにおける静圧軸受パッドへの給気システムにも同様に適用し得る。
【0039】
また、大型空気軸受ユニットは、移動ステージとしては各種検査装置や測定装置などに使用され、回転装置としてはウエハ検査装置や形状測定器などに使用され、稼動時に静圧軸受パッドに急激に大きな負荷変動が加わることの無い用途に多数使用されている。本発明は、特に、急激な変動荷重の加わらない用途に使用される大型空気軸受ユニットに適用される。
【0040】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】この発明の実施の形態1による直動案内装置の機構部の構成を示す断面図である。
【図2】図1に示した静圧軸受パッドの構成を示す断面図である。
【図3】図1に示した複数の静圧軸受パッドに圧縮空気を供給する給気部の構成を示すブロック図である。
【図4】この発明の実施の形態2による直動案内装置の要部を示すブロック図である。
【図5】従来の大型移動ステージの構成を示す図である。
【符号の説明】
【0042】
1,51 ベース、2,3,52,53 レール、4 可動テーブル、5 ワーク、6〜9,56,57,60〜63 静圧軸受パッド、10〜13 ボールスタッド、14 リニアモータ、14a 固定子、14b 可動子、15 エンコーダ、15a スケール、15b センサ、16 支持板、16a 穴、16b 凹部、16c 給気孔、17 噴射板、17a 貫通孔、20,42 給気源、21〜24,43 給気管、25〜28,44 圧力制御部、29〜32 流量計、35,36 貫通孔、37,38 チューブ、39,40 圧力センサ、41 演算部、54,55,59 移動体、58 ビーム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮気体を供給するための複数の給気路と、
それぞれ前記複数の給気路に対応して設けられ、各々が対応する給気路を流れる前記圧縮気体の圧力および流量のうちの少なくともいずれか一方を制御する複数の制御部と、
それぞれ前記複数の給気路に対応して設けられ、各々が対応する給気路を介して供給された前記圧縮気体を固定部に向けて噴出し、可動部を非接触で支持する複数の静圧軸受パッドとを備えた、静圧軸受ユニット。
【請求項2】
さらに、各給気路に対応して設けられ、対応する給気路を流れる前記圧縮気体の流量を検出する流量計を備え、
各制御部は、対応する流量計の検出結果に基づいて、前記圧縮気体の圧力を制御する、請求項1に記載の静圧軸受ユニット。
【請求項3】
各制御部は、対応する流量計の検出結果に基づいて、対応する静圧軸受パッドと前記固定部との間の軸受隙間が所定の値になるように、前記圧縮気体の圧力を制御する、請求項2に記載の静圧軸受ユニット。
【請求項4】
各制御部は、対応する静圧軸受パッドと前記固定部との間の軸受隙間が所定の値になるように、前記圧縮気体の流量を制御する、請求項1に記載の静圧軸受ユニット。
【請求項5】
さらに、各静圧軸受パッドに対応して設けられ、それぞれ対応する静圧軸受パッドの軸受面の一方端部および他方端部における前記圧縮気体の圧力を検出する第1および第2の圧力センサを備え、
各制御部は、対応する第1および第2の圧力センサの検出値の平均値が予め定められた第1の値になるように、対応する給気路を流れる前記圧縮気体の圧力を制御する、請求項1に記載の静圧軸受ユニット。
【請求項6】
さらに、前記第1および第2の圧力センサの検出値の差が予め定められた第2の値を超えた場合に異常信号を出力する信号発生部を備える、請求項5に記載の静圧軸受ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−106927(P2010−106927A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−278483(P2008−278483)
【出願日】平成20年10月29日(2008.10.29)
【出願人】(000102692)NTN株式会社 (9,006)
【Fターム(参考)】