説明

静電印刷装置

【課題】粉体の無駄が少なく、極めてコンパクトかつ安価な構成で連続的に被印刷物に鮮明で濃淡の安定した印刷を行うことができる静電印刷装置を提供する。
【解決手段】静電印刷装置は、上面に粉体を保持する回転テーブル20と、回転テーブル20を回転させるテーブルモータ24と、回転テーブル20に装填された複数のスクリーン26aと、スクリーン26a上の粉体をスクリーン26aに擦り込むスクリーンブラシ40とを備えている。静電印刷装置は、スクリーン26aの下方の位置と回転テーブル20の径方向外側の位置との間で移動可能な複数のパレット70と、カム溝82が形成された固定テーブル80と、スクリーン26aに高電圧を印加する高圧電源とを備えている。パレット70には、固定テーブル80のカム溝82に係合するカムフォロア74が取り付けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電印刷装置に係り、特に静電力を利用してインキなどの粉体を被印刷物の表面に付着させ、文字や図形などの印刷パターンを被印刷物の表面に印刷する静電印刷装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、静電力を利用してインキなどの粉体を被印刷物の表面に付着させ、文字や図形などの印刷パターンを被印刷物の表面に印刷する静電印刷装置が知られている。最近では、複数のパレット上に載置された被印刷物を複数のスクリーンを使って連続的に印刷する静電印刷装置も開発されている。
【0003】
しかしながら、このような従来の連続静電印刷装置では、ベルトコンベアなどの搬送装置を用いて複数のパレットを移動させているため、その設置面積が非常に大きくなるとともに製造コストが高くなってしまうという問題があった。また、粉体が各スクリーンに個別に供給されていたために粉体の無駄が多いという問題があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、粉体の無駄が少なく、極めてコンパクトかつ安価な構成で連続的に被印刷物に鮮明で濃淡の安定した印刷を行うことができる静電印刷装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明の一態様によれば、粉体の無駄が少なく、極めてコンパクトかつ安価な構成で連続的に被印刷物に鮮明で濃淡の安定した印刷を行うことができる静電印刷装置が提供される。この静電印刷装置は、上面に粉体を保持する回転テーブルと、上記回転テーブルを回転させるテーブルモータと、上記回転テーブルに装填された複数のスクリーンと、上記スクリーン上の粉体を該スクリーンに擦り込むスクリーンブラシとを備えている。また、静電印刷装置は、対応する上記スクリーンの下方に配置される複数の対電極と、上記対電極の位置と上記回転テーブルの径方向外側の位置との間で移動可能な複数のパレットと、上記回転テーブルの回転に伴って上記パレットを径方向に移動させるパレット移動機構と、上記スクリーンブラシの下方に位置するスクリーンと上記対電極との間に高電圧を印加して上記パレット上に載置された被印刷物に上記粉体を印刷する高圧電源とを備えている。
【0006】
このような構成により、回転テーブルが1回転する間に、それぞれのパレット上に載置された被印刷物に粉体を印刷することができるので、複数の被印刷物を連続的に印刷することが可能となる。また、複数のスクリーンが設けられているので、それぞれのスクリーンを異なる図柄で構成すれば、1台の静電印刷装置により複数の図柄の印刷を行うこともできる。
【0007】
また、被印刷物が載置されるパレットは、スクリーンの下方に配置された対電極の位置と回転テーブルの径方向外側の位置との間で移動されるだけなので、パレットが移動される空間を極めて小さくすることができる。したがって、静電印刷装置を極めてコンパクトかつ安価な構成にすることができる。また、スクリーンが装填された回転テーブルとともにパレットが回転されるので、スクリーンに対する被印刷物の位置決めを正確に行うことができ、綺麗かつ正確な印刷を実現することができる。
【0008】
また、印刷後に粉体がスクリーン周囲の回転テーブルの上面に残ったとしても、そのまま回転テーブルの上面に保持しておいて、この残った粉体を次の被印刷物の印刷に用いることができる。したがって、粉体を有効に利用することができ、粉体の無駄を最小限に抑えることができる。なお、粉体が回転テーブルの上面に保持されやすいように、上記回転テーブルを円筒容器状に形成することが好ましい。
【0009】
上記パレット移動機構は、カム溝が形成された固定テーブルと、上記パレットに取り付けられ、上記カム溝に係合するカムフォロアとを含んでいてもよい。あるいは、上記パレット移動機構は、カム溝が形成された固定テーブルと、上記カム溝に係合するカムフォロアと、上記カムフォロアと上記パレットとを接続し、上記カムフォロアの動きを上記パレットに伝達するリンク機構とを含んでいてもよい。
【0010】
上記パレットには、上記被印刷物が載置される位置に孔が形成されていることが好ましい。さらに、静電印刷装置が、上記パレットに形成された孔の寸法よりも小さな寸法を有するリフタステージをさらに備えていることが好ましい。また、静電印刷装置が、上記リフタステージに取り付けられたロッドと、上記ロッドを下方に付勢するばねと、上記ロッドを上記ばねの力に抗して押し上げて上記リフタステージを上記パレットに形成された孔を通過させて上昇させる押上機構とをさらに備えていることが好ましい。例えば、上記ロッドの下端が接触する傾斜面を有するブロックにより上記押上機構を構成してもよい。
【0011】
従来の静電印刷装置では、移動しているパレットをリフタにより上昇させていたため、リフタおよびスクリーンとパレット上の被印刷物との間の位置決めを正確にすることが困難であったが、上記のような構成によれば、パレットをリフタステージおよびスクリーンに対して静止させた状態で被印刷物を上昇させることができるので、正確かつ安定的に被印刷物を持ち上げることが可能となる。
【0012】
上記高圧電源は、上記リフタステージに高電圧を印加してもよく、あるいは、上記回転テーブルの外周面に設けられた外周接点を介して上記スクリーンに高電圧を印加してもよい。
【0013】
また、上記複数のスクリーンを、上記回転テーブルの周方向に所定の間隔で配置することが好ましい。
【0014】
また、上記スクリーンブラシは円錐形状または円錐台形状を有することが好ましい。このような円錐形状または円錐台形状のスクリーンブラシを用いることで、スクリーンブラシとスクリーンとの相対速度をすべての半径方向位置において適切に設定することが可能となる。
【0015】
また、静電印刷装置は、上記スクリーンブラシを水平方向に往復動させるスクリーンブラシ往復動機構、上記スクリーンブラシを上下方向に移動させるスクリーンブラシ上下動機構、あるいは上記スクリーンに上記粉体を供給するホッパをさらに備えていることが好ましい。この場合において、静電印刷装置が、上記パレット上に被印刷物が載置されているか否かを検出するセンサと、上記センサの出力に基づいて上記スクリーンブラシ上下動機構や上記ホッパを制御する制御部とを含んでいることが好ましい。この制御部は、上記スクリーンブラシ往復動機構を制御してもよい。
【0016】
また、静電印刷装置は、上記スクリーンの上面に固着したインキを削るクリーニングブラシや上記スクリーンの下面に残った粉体を拭い取るクリーニングブラシ、上記スクリーンの下面に残った粉体を吸引するクリーナをさらに備えていることが好ましい。
【0017】
また、上記パレットは、上記回転テーブルの径方向外側の位置で下方に折れ曲がる折曲部を含んでいてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、粉体の無駄を少なくすることができ、極めてコンパクトかつ安価な構成で連続的に被印刷物に鮮明で濃淡の安定した印刷を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明に係る静電印刷装置の実施形態について図1から図14を参照して詳細に説明する。なお、図1から図14において、同一または相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0020】
図1は本発明の第1の実施形態における静電印刷装置1を示す平面図、図2および図3は図1に示す静電印刷装置1の縦断面図である。図1から図3に示すように、静電印刷装置1は、フレーム10と、底の浅い円筒容器状の回転テーブル20と、回転テーブル20の中心に取り付けられたテーブルシャフト22と、テーブルシャフト22に連結されたテーブルモータ24とを備えている。テーブルモータ24が駆動されると、回転テーブル20がテーブルシャフト22を中心として図1の矢印A方向に回転するようになっている。なお、フレーム10の下部には、移動用のキャスター12と、高さを調整可能な脚14とが取り付けられている。
【0021】
図1に示すように、回転テーブル20には周方向に沿って90°ごとに4つのスクリーンユニット26が装填されている。それぞれのスクリーンユニット26は、2つのスクリーン26aと、スクリーン26aを保持するスクリーン枠26bと、スクリーン枠26bの周囲に配置された絶縁枠26cとを含んでいる。スクリーンユニット26のスクリーン26aは、回転テーブル20の外周面に取り付けられた外周接点27に電気的に接続されており、フレーム10に設けられた給電接点28を介してフレーム10内に設置された高圧電源(図示せず)に接続されるようになっている。
【0022】
なお、本実施形態では、4つのスクリーンユニット26を用いているが、スクリーンユニット26の数は図示のものに限定されず、2つ以上であればいくつであってもよい。また、1つのスクリーンユニット26に含まれるスクリーンの数も図示のものに限定されない。
【0023】
また、回転テーブル20の上方には、回転テーブル20のスクリーンユニット26に粉体インキを供給するホッパ30を有するホッパユニット130と、スクリーンユニット26上の粉体インキをスクリーン26aに擦り込むスクリーンブラシ40を有するスクリーンブラシユニット140と、印刷工程後のスクリーン26aの上面に固着した粉体インキを削るとともに下面に残った粉体インキを除去するクリーニングユニット150とが配置されている。本実施形態では、回転テーブル20の回転方向の上流側から順番に、ホッパユニット130、スクリーンブラシユニット140、およびクリーニングユニット150が配置されている。
【0024】
図3に示すように、ホッパユニット130は、内部に粉体インキを収容し、底面に形成されたスリット(図示せず)からスクリーン26aの表面に粉体インキを供給するホッパ30と、ホッパ30の底面近傍に設けられたホッパブラシ32と、ホッパブラシ32を回転させるホッパブラシモータ34とを含んでいる。ホッパブラシモータ34が駆動されると、ホッパブラシ32が回転し、ホッパ30内の粉体インキがスクリーン26aの表面に供給されるようになっている。このように、スクリーンブラシ40の上流側で粉体インキをスクリーン26aの表面に供給することにより、スクリーン26aへの粉体インキの供給を効率的に行うことができる。
【0025】
図4は、スクリーンブラシユニット140を示す拡大断面図である。図4に示すように、スクリーンブラシユニット140は、例えばウレタンスポンジからなる円錐台状のスクリーンブラシ40と、スクリーンブラシ40に取り付けられたスクリーンブラシシャフト41と、スクリーンブラシシャフト41に連結されたスクリーンブラシモータ42と、水平方向に滑動可能なスライドベース43と、スライドベース43を水平方向に往復動させるスライドベースモータ44と、スライドベース43に支軸45を中心として旋回可能に取り付けられたL字型アーム46と、アーム46の一端46aを上下動させるエアシリンダ47とを含んでいる。スクリーンブラシシャフト41およびスクリーンブラシモータ42はアーム46に取り付けられている。
【0026】
このような構成において、エアシリンダ47が駆動されアーム46の端部46aが上方に押されると、スクリーンブラシ40およびスクリーンブラシモータ42が支軸45を中心として、図4の矢印Bに示すように上下方向に旋回(移動)し、スクリーンブラシ40が回転テーブル20(スクリーン26a)に接触するようになっている。このように、本実施形態では、エアシリンダ47およびアーム46により、スクリーンブラシ40を上下方向に旋回移動させるスクリーンブラシ上下動機構が構成されている。
【0027】
また、スライドベースモータ44が駆動されると、スライドベースモータ44の回転が、スプロケット48を介して水平方向の動きとしてスライドベース43に伝達され、スクリーンブラシ40がスライドベース43とともに、図4の矢印Cに示すように水平方向に移動するようになっている。本実施形態では、スライドベースモータ44の回転方向を交互に切り替えることによってスライドベース43を往復移動させるようになっている。この場合におけるスライドベース43の往復動の距離は例えば40mmである。このように、本実施形態では、スライドベース43およびスライドベースモータ44により、スクリーンブラシ40を往復動させるスクリーンブラシ往復動機構が構成されている。
【0028】
図4に示すように、本実施形態においては、スクリーンブラシとして円錐台状のスクリーンブラシ40が用いられている。このスクリーンブラシ40は、スクリーン26a上の粉体インキを擦り込むものであるが、回転テーブル20が回転しているため、スクリーン26a上の各点における速度は回転テーブル20の径方向位置によって異なる。すなわち、回転テーブル20の径方向外側の位置の方が内側の位置よりも速度が大きい。一方、スクリーンブラシ40は、スライドベースモータ44により回転されるが、スクリーンブラシ40を円錐台状にすると、円錐台の上底40a側の回転速度が下底40b側の回転速度よりも小さくなる。
【0029】
したがって、回転速度の低い径方向内側のスクリーン部分は、回転速度の低い上底40a側のスクリーンブラシ40で擦り込まれ、回転速度の高い径方向外側のスクリーン部分は回転速度の高い下底40b側のスクリーンブラシ40で擦り込まれる。このように、スクリーンブラシ40を円錐台とすることにより、スクリーンブラシ40とスクリーン26aとの相対速度をすべての半径方向位置において適切に設定することが可能となる。なお、本実施形態では、円錐台上のスクリーンブラシ40を用いているが、円錐状のスクリーンブラシを用いても同様の効果を得ることができる。
【0030】
図3に示すように、クリーニングユニット150は、スクリーンの上面に固着した粉体インキを削る上クリーニングブラシ50と、スクリーンの下面に残った粉体インキを拭い取る下クリーニングブラシ51と、スクリーンの下面に残った粉体インキを吸引するクリーナ52とを含んでいる。例えば、上クリーニングブラシ50および下クリーニングブラシ51はウレタンスポンジからなり、上クリーニングブラシ50として硬質のウレタンスポンジを用いることが好ましい。なお、本実施形態では、スプロケット53,54,55,56,57およびこれらの間に架け渡されたチェーン(図示せず)を介して、テーブルシャフト22の回転が上クリーニングブラシ50および下クリーニングブラシ51にそれぞれ伝達されるようになっている。
【0031】
図2および図3に示すように、回転テーブル20のスクリーンユニット26が装填された部分の下面には、回転テーブル20の径方向外側に開口部を有するパレットサポート60が取り付けられている。このパレットサポート60の内部空間には、例えば菓子やパンなどの被印刷物が載置されるパレット70が回転テーブル20の径方向に移動可能な状態で収容されている。
【0032】
図5はパレット70およびパレットサポート60を示す平面図、図6は図5の正面図である。図5に示すように、パレット70は、回転テーブル20の径方向外側に位置する台形部70aと、回転テーブル20の径方向内側に位置する矩形部70bとを有する板状の部材から形成されている。例えば、パレット70は超高分子ポリエチレンにより形成される。また、パレット70には2つの孔72が形成されており、印刷時には、これらの孔72を塞ぐように被印刷物がパレット70上に載置される。
【0033】
図5および図6に示すように、パレットサポート60の内側の側面には、側面に沿って水平方向に延びるパレットガイド62が設けられている。これら上下のパレットガイド62の間にパレット70の側部がガイドされるようになっている。これにより、パレット70の側部がパレットガイド62にガイドされた状態で、パレット70が水平方向(すなわち回転テーブル20の径方向)に移動可能となっている。
【0034】
図6に示すように、パレット70の外周縁部近傍の下面には、下方に突出するカムフォロア74が設けられている。このカムフォロア74に対応して、パレットサポート60にはカムフォロア74を通過させるための溝64が形成されている。したがって、パレット70が径方向内側に移動するときには、パレット70のカムフォロア74がパレットサポート60の溝64の内部を移動する。
【0035】
図2に示すように、パレットサポート60の下方には、中央に開口80aを有する固定テーブル80が配置されている。図3においては、固定テーブル80の図示を省略している。図7は、固定テーブル80の平面図である。図7に示すように、固定テーブル80の上面には、固定テーブル80を1周するカム溝82が形成されている。このカム溝82には、図2に示すように、パレット70のカムフォロア74が係合するようになっている。図7に示すように、カム溝82と回転テーブル20の中心Oとの距離は、点Pから点Pまでは最大値Rで一定であり、点Pから点Pまでは最大値Rから最小値Rに減少し、点Pから点Pまでは最小値Rで一定であり、点Pから点Pまでは最小値Rから最大値Rに増加している。
【0036】
パレット70が回転テーブル20とともに回転すると、パレット70は固定テーブル80に対して回転移動するが、このときパレット70のカムフォロア74が固定テーブル80のカム溝82に係合しているため、回転テーブル20の回転に伴ってパレット70がパレットサポート60に対して水平方向に移動することとなる。
【0037】
すなわち、図8に示すように、点Pから点Pまではパレット70が回転テーブル20の径方向外側に最も出た状態となる(状態I)。このとき、パレット70が回転テーブル20から径方向外側に露出しているため、被印刷物を容易にパレット70に載置することができるようになっている。そして、回転テーブル20の回転に伴って、点Pから点Pまでの間にパレット70が次第に回転テーブル20の下方に入っていき(状態II)、点Pから点Pまではパレット70が回転テーブル20の径方向内側に最も入り込んだ状態となる(状態III)。このとき、パレット70上の被印刷物がスクリーンユニット26の直下に位置するようになっている。このように、スクリーンブラシ40の下方の印刷位置で、パレット70上の被印刷物がスクリーンユニット26の直下に位置するようになっており、この状態で印刷が行われる。
【0038】
印刷後は、回転テーブル20の回転に伴って、点Pから点Pまでの間にパレット70が次第に回転テーブル20の径方向外側に移動され(状態IV)、点Pでパレット70が回転テーブル20の径方向外側に最も出た状態となる。このとき、印刷がなされた被印刷物を容易にパレット70上から取ることができる。
【0039】
このように、本実施形態では、パレット70に設けられたカムフォロア74とカム溝82が形成された固定テーブル80とにより、回転テーブル20の回転に伴って、スクリーンの下方の位置と回転テーブル20の径方向外側の位置との間でパレット70を径方向に移動させるパレット移動機構が構成されている。
【0040】
固定テーブル80の点Pの近傍のパレット70の孔72が通過する位置には、パレット70上に被印刷物が載置されているか否かを検出するセンサ84(図1参照)が設置されている。例えば、このセンサ84としては光学センサなどを用いることができる。この場合には、パレット70の下方からパレット70の孔72に向けて光を照射し、パレット70の孔72が塞がれていれば被印刷物が載置されていると判断し、パレット70の孔72が塞がれていなければ被印刷物が載置されていないと判断することができる。このセンサ84からの出力はフレーム10内の制御部16に送られ、制御部16は、このセンサ84からの信号に基づいて、上述したホッパブラシモータ34およびエアシリンダ47などの駆動と停止のタイミングを適切に制御する。なお、テーブルモータ24やスライドベースモータ44も制御部16により制御してもよい。
【0041】
図9は、パレットサポート60近傍の拡大断面図である。図5および図9に示すように、パレットサポート60の径方向略中央の位置には、パレット70の孔72に対応して2つの孔66が形成されている。これらの孔66には、上下に延びるロッド90が挿通されており、このロッド90は、パレットサポート60の下面に取り付けられたロッドサポート92に支持されている。また、ロッド90の上端には円板状のリフタステージ94が取り付けられている。このようにして、スクリーン26aの下方に対電極としてのリフタステージ94が配置される。リフタステージ94の径は、パレットサポート60の孔66の径よりも大きく、パレット70の孔72の径よりも小さくなっている。なお、本実施形態では、対電極としてのリフタステージ94の電位は接地電位とされる。
【0042】
ロッド90の下部にはストッパ96が設けられており、このストッパ96とロッドサポート92との間には、ロッド90を下方向に付勢するばね98が介装されている。これにより、外部から力が働いていない状態では、図9に示すようにリフタステージ94がパレットサポート60の底面に位置するようになっている。なお、ロッド90の下端は丸められている。
【0043】
図3に示すように、印刷位置、すなわちスクリーンブラシ40の下方には、台形状のリフタブロック100が配置されている。回転テーブル20の回転により、ロッド90がリフタブロック100にさしかかると、ロッド90の下端がリフタブロック100の傾斜面100aに接触する。さらに回転テーブル20が回転すると、このリフタブロック100の傾斜面100aによりロッド90が上方に押されてリフタステージ94が上昇する。
【0044】
ここで、リフタブロック100の上方の位置では、リフタステージ94とパレット70の孔72の位置とが鉛直方向に一直線に揃うようになっている。リフタステージ94の径はパレット70の孔72の径よりも小さくなっているので、リフタステージ94はパレット70の孔72を通って上昇する(図2参照)。
【0045】
このように、本実施形態では、リフタブロック100が、ロッド90をばね98の力に抗して押し上げてリフタステージ94を上昇させる押上機構を構成しており、リフタステージ94の上昇によりパレット70の孔72の上に載置された被印刷物が上方に持ち上げられるようになっている。スクリーンブラシ40の下方の印刷位置において、リフタブロック100の高さ分だけリフタステージ94を上昇させ、被印刷物を上方に持ち上げることにより、印刷時の被印刷物とスクリーンとの距離を小さくすることができ、高精度で綺麗な印刷が実現される。なお、フレーム10の外部から上記リフタブロック100の高さを調整可能なハンドル(図示せず)を設けてもよい。
【0046】
なお、上述の実施形態では、パレット70に形成された孔72とリフタステージ94が円形である例について説明したが、リフタステージ94がパレット70の孔72を通過できれば、パレット70の孔72の形状およびリフタステージ94の形状はどのようなものであってもよい。
【0047】
上述した構成の静電印刷装置1の動作について説明する。まず、点Pから点Pまでの間でパレット70が径方向外側に最も出ている状態で、菓子やパンなどの被印刷物Xをパレット70の孔72の上に置く。テーブルモータ24の駆動によりパレット70が回転テーブル20とともに回転され、センサ84の上を通過すると、センサ84が被印刷物Xがパレット70に載置されていることを検出し、この信号を制御部16に送る。
【0048】
センサ84からの信号を受けた制御部16は、被印刷物Xが載置されたパレット70がホッパ30の下方に移動されるタイミングを算出し、このパレット70がホッパ30の下方に移動されたときに、ホッパブラシモータ34を所定の時間だけ駆動する。これにより、ホッパ30内の粉体インキがスクリーンユニット26の上面に散布される。さらに、スクリーンユニット26がスクリーンブラシ40の近傍に移動されると、スクリーン26aに接続された回転テーブル20の外周接点27が給電接点28に接触し始め、高圧電源によってスクリーン26aに直流高電圧、例えば5000〜6000Vの高電圧が印加される。
【0049】
制御部16は、被印刷物Xが載置されたパレット70がスクリーンブラシ40の下方に移動されるタイミングを算出し、このパレット70がスクリーンブラシ40の下方に移動されたときにスクリーンブラシモータ42およびエアシリンダ47を所定の時間だけ駆動する。これにより、スクリーンブラシ40は、回転運動および回転テーブル20の径方向に往復動を行いつつ、スクリーン26aの上面に接触する。これにより、スクリーン26a上の粉体インキがスクリーン26aに擦り込まれる。スクリーン26aを通過し荷電された粉体インキは、高圧電源による高電圧によってパレット70上の被印刷物Xに向けて加速され、この被印刷物Xに付着する。このようにして、被印刷物Xに粉体インキの印刷が行われる。なお、本実施形態では、スライドベースモータ44を連続駆動しているが、スライドベースモータ44も制御部16により制御してもよい。
【0050】
印刷工程後のスクリーンユニット26はクリーニングユニット150を通過し、ここで上クリーニングブラシ50によってスクリーン26aの上面に固着した粉体インキが削られて次の印刷に利用される。また、下クリーニングブラシ51およびクリーナ52によってスクリーン26aの下面に残った粉体インキが除去される。なお、本実施形態では、上クリーニングブラシ50および下クリーニングブラシ51は、テーブルモータ24の動力により連続的に運転されているが、制御部16により上クリーニングブラシ50、下クリーニングブラシ51、およびクリーナ52の駆動のタイミングを制御してもよい。
【0051】
クリーニングユニット150を通過したパレット70は、上述したように、回転テーブル20の径方向外側に出てくるので、このときに印刷が終了した被印刷物Xをパレット70上から取る。このように、回転テーブル20が1回転する間に、それぞれのパレット70上に載置された被印刷物に粉体インキを印刷することができるので、複数の被印刷物を連続的に印刷することが可能となる。また、複数のスクリーン26aが設けられているので、それぞれのスクリーン26aを異なる図柄とすれば、1台の静電印刷装置により複数の図柄の印刷を行うこともできる。
【0052】
また、被印刷物Xが載置されるパレット70は、スクリーンユニット26の下方の位置と回転テーブル20の径方向外側の位置との間で移動されるだけなので、パレット70が移動される空間を極めて小さくすることができる。したがって、静電印刷装置1を極めてコンパクトかつ安価な構成にすることができる。また、スクリーン26aが装填された回転テーブル20とともにパレット70およびリフタステージ94が回転されるので、スクリーン26aに対する被印刷物の位置決めをより正確に行うことができ、綺麗かつ正確な印刷を実現することができる。
【0053】
また、印刷後に粉体インキがスクリーン26aの周囲の回転テーブル20上面に残ったとしても、そのまま回転テーブル20の上面に保持しておいて、この残った粉体インキを次の被印刷物の印刷に用いることができる。したがって、粉体インキを有効に利用することができ、粉体インキの無駄を最小限に抑えることができる。
【0054】
図10は、本発明の第2の実施形態における静電印刷装置の静電印刷装置のパレットサポート260近傍を示す拡大断面図である。図10に示すように、回転テーブル20のスクリーンユニット26が装填された部分の下面には、回転テーブル20の径方向外側に開口部を有するパレットサポート260が取り付けられている。このパレットサポート260の内部空間には、例えば菓子やパンなどの被印刷物が載置されるパレット270が回転テーブル20の径方向に移動可能な状態で収容されている。
【0055】
図11はパレット270を示す平面図である。図10および図11に示すように、パレット270は、回転テーブル20の径方向外側に位置する折曲部270aと、回転テーブル20の径方向内側に位置する基部270bとを有する板状の部材から形成されている。例えば、パレット270は超高分子ポリエチレンにより形成される。また、パレット270には2つの孔272が形成されており、印刷時には、これらの孔272を塞ぐように被印刷物がパレット270上に載置される。
【0056】
図10に示すように、パレットサポート260の内側の側面には、側面に沿って水平方向に延びるパレットガイド262が設けられている。これら上下のパレットガイド262の間にパレット270の基部270bがガイドされるようになっている。これにより、パレット270の基部270bがパレットガイド62にガイドされた状態で、パレット270が水平方向(すなわち回転テーブル20の径方向)に移動可能となっている。
【0057】
図11に示すように、折曲部270aと基部270bとの間には、回転テーブル20の接線方向に延びる軸を有する蝶番270cが設けられている。これにより、折曲部270aは蝶番270cを中心として回転し、基部270bに対して下方に折れ曲がるようになっている。したがって、パレット270が回転テーブル20の径方向外側に出たときに、パレット270の折曲部270aが下方に折れ曲がるようになっている。この場合において、印刷後のパレット270が回転テーブル20の径方向外側に出てくる位置に、滑り台状の排出ポート300を設けてもよい。このような構成により、パレット270が下方に折れ曲がることによってパレット270上の被印刷物をパレット270から排出ポート300に沿って滑り落とすことができ、印刷の終わった被印刷物を連続的に次工程に送ることができる。
【0058】
ここで、図10および図11に示すように、パレット270の折曲部270aには、回転テーブル20の径方向外側の端部に接続される凹部270dが形成されており、折曲部270aが下方に折れ曲がったときに被印刷物がパレット270から滑りやすいようになっている。また、被印刷物をパレット270に載置する位置には、折曲部270aを下方から支持して水平にするサポート部302が設けられている。
【0059】
なお、パレット270の基部270bと蝶番270cの上部には固定部270eが配置されており、この固定部270eをパレット270から取り外すと、折曲部270aを基部270bから簡単に取り外せるようになっている。このため、折曲部270aの洗浄や清掃が極めて容易である。
【0060】
図10に示すように、パレットサポート260の径方向略中央の位置には、パレット270の孔272に対応して2つの孔266が形成されている。これらの孔266には、上下に延びるロッド290が挿通されており、このロッド290は、パレットサポート260の下面に取り付けられたロッドサポート292に支持されている。また、ロッド290の上端には円筒状のリフタステージ294が取り付けられている。このようにして、スクリーンの下方にリフタステージ294が配置される。リフタステージ294の径は、パレットサポート260の孔266およびパレット270の孔272の径よりも小さくなっている。
【0061】
ロッド290の下部にはストッパ296が設けられており、このストッパ296とロッドサポート292との間には、ロッド290を下方向に付勢するばね298が介装されている。これにより、外部から力が働いていない状態では、図10に示すようにリフタステージ294がロッドサポート292の底部に位置するようになっている。なお、ロッド290の下端は丸められている。
【0062】
ここで、ロッド290、ばね298、およびリフタステージ294は導電性の材料で形成されており、ロッドサポート292は絶縁性の材料で形成されている。スクリーンブラシの下方には、弾性を有する金属ワイヤ304が配置されており、この金属ワイヤ304は、スクリーンブラシの下方に移動してきたロッド290に接触するようになっている。金属ワイヤ304は、高圧電源(図示せず)に接続されており、これにより印刷時にリフタステージ294とスクリーンとの間に高電圧が印加されるようになっている。このように、本実施形態では、リフタステージ294に高電圧を印加し、スクリーンの電位を接地電位とすることができるので、第1の実施形態のようにスクリーンユニット26に絶縁枠26c(図1参照)を設ける必要がなくなるとともに、作業者の安全性も高まる。
【0063】
図10に示すように、本実施形態においては、第1の実施形態における固定テーブル80よりも小さな固定テーブル280を用いている。このように、小型の固定テーブル280を用いることで装置全体をコンパクトにすることができる。図12はパレット270、パレットサポート260、および固定テーブル280の関係を示す平面図、図13は図12の縦断面図である。図12および図13に示すように、固定テーブル280の上面には、固定テーブル280を1周するカム溝282が形成されている。
【0064】
図13に示すように、パレット270の基部270bの下面には下方に延びるロッド310が設けられている。このロッド310に対応して、パレットサポート260にはロッド310を通過させるための溝264が形成されている。したがって、パレット270が径方向内側に移動するときには、パレット270のロッド310がパレットサポート260の溝264の内部を移動するようになっている。
【0065】
また、ロッド310には、第1のアーム312の一端がロッド310を中心として回転可能に接続されている。この第1のアーム312の他端は、第2のアーム314の一端に回転可能な状態で接続されている。この第2のアーム314の他端は、パレットサポート260に設けられた支軸316を中心として回転可能に接続されている。第2のアーム314の中間部には支軸318が設けられており、この支軸318には、第3のアーム320の一端が支軸318を中心として回転可能に接続されている。この第3のアーム320の他端は、第4のアーム322の一端に回転可能な状態で接続されている。
【0066】
第4のアーム322の他端には、下方に突出するカムフォロア274が設けられており、このカムフォロア274は、固定テーブル280のカム溝282に係合するようになっている。また、第4のアーム322の中間部には支軸324が設けられており、この支軸324はパレットサポート260に対して固定されている。これらのアーム312,314,320,322および支軸316,318,324により、カムフォロア274の動きをパレット270に伝達するリンク機構326が構成されている。このリンク機構326は、カムフォロア274の小さな動きによりパレット270を出し入れできるように構成されており、これにより固定テーブル280の寸法を小さくすることができ、装置全体をコンパクトにすることができる。
【0067】
図12に示すように、カム溝282と回転テーブル20の中心Oとの距離は、点P11から点P12までは最小値R11で一定であり、点P12から点P13までは最小値R11から最大値R12に増加し、点P13から点P14までは最大値R12で一定であり、点P14から点P11までは最大値R12から最小値R11に減少している。
【0068】
パレット270が回転テーブル20とともに回転すると、パレット270は固定テーブル280に対して回転移動するが、このときカムフォロア274が固定テーブル280のカム溝282に係合しているため、回転テーブル20の回転に伴ってリンク機構326を介してパレット270がパレットサポート260に対して水平方向に移動することとなる。
【0069】
すなわち、図12に示すように、点P11から点P12まではパレット270が回転テーブル20の径方向外側に最も出た状態となる。このとき、パレット270が回転テーブル20から径方向外側に露出しているため、サポート部302に支持されたパレット270に被印刷物を容易に載置することができるようになっている。そして、回転テーブル20の回転に伴って、点P12から点P13までの間にパレット270が次第に回転テーブル20の下方に入っていき、図14に示すように、点P13から点P14まではパレット270が回転テーブル20の径方向内側に最も入り込んだ状態となる。このとき、パレット270上の被印刷物がスクリーンユニット26の直下に位置するようになっている。このように、スクリーンブラシの下方の印刷位置で、パレット270上の被印刷物がスクリーンユニット26の直下に位置するようになっており、この状態で印刷が行われる。
【0070】
印刷後は、回転テーブル20の回転に伴って、点P14から点P11までの間にパレット270が次第に回転テーブル20の径方向外側に移動され、点P11でパレット270が回転テーブル20の径方向外側に最も出た状態となる。このとき、パレット270の折曲部270aが下方に折れ曲がり、パレット270上の被印刷物がパレット270から排出ポート300に沿って滑り落ちる。このようにして、印刷の終わった被印刷物を連続的に次工程に送ることができる。
【0071】
このように、本実施形態では、カムフォロア274と、カムフォロア274とパレット270とを接続するリンク機構326と、カム溝282が形成された固定テーブル80とにより、回転テーブル20の回転に伴って、スクリーンの下方の位置と回転テーブル20の径方向外側の位置との間でパレット270を径方向に移動させるパレット移動機構が構成されている。
【0072】
なお、上述した実施形態においては、パレット上の1つの被印刷物に対して1回だけ印刷される例を説明したが、スクリーンブラシをさらに追加して、回転テーブル20が1回転する間に、パレット上の1つの被印刷物に対して複数回の印刷を行うように構成することもできる。この場合において、回転テーブル20を複数の区画に区切り、各区画で異なる種類の粉体インキを使用すれば、複数種類の粉体インキの印刷、例えば多色連続印刷が可能となる。
【0073】
また、パレット上に載置された被印刷物の高さを検知するセンサをスクリーンブラシの上流側に設け、このセンサにより検出された高さに応じてリフタブロック100(図3参照)を昇降させ、印刷時の被印刷物の高さを最適な位置に調整してもよい。
【0074】
上述した実施形態においては、被印刷物に印刷する粉体として粉体インキを用いた例を説明したが、これに限られるものではない。例えば、天然色素または合成色素を含んだ可食性ココア粉、小麦粉、抹茶粉、シュガー粉、化粧品用の粉体、あるいは工業用の粉体インキなど、用途に応じて種々の粉体を被印刷物に印刷することができる。
【0075】
これまで本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の第1の実施形態における静電印刷装置を示す平面図である。
【図2】図1の静電印刷装置の縦断面図である。
【図3】図1の静電印刷装置の縦断面図である。
【図4】図1の静電印刷装置におけるスクリーンブラシユニット近傍の拡大断面図である。
【図5】図1の静電印刷装置におけるパレットおよびパレットサポートを示す平面図である。
【図6】図5の正面図である。
【図7】図1の静電印刷装置における固定テーブルを示す平面図である。
【図8】図1の静電印刷装置におけるパレットと固定テーブルおよび回転テーブルとの関係を示す平面図である。
【図9】図1の静電印刷装置におけるパレットサポート近傍の拡大断面図である。
【図10】本発明の第2の実施形態における静電印刷装置のパレットサポート近傍を示す拡大断面図である。
【図11】図10の静電印刷装置におけるパレットを示す平面図である。
【図12】図10の静電印刷装置におけるパレット、パレットサポート、および固定テーブルの関係を示す平面図である。
【図13】図12の縦断面図である。
【図14】図12に示すパレットの動作を示す平面図である。
【符号の説明】
【0077】
1 静電印刷装置
10 フレーム
16 制御部
20 回転テーブル
22 テーブルシャフト
24 テーブルモータ
26 スクリーンユニット
26a スクリーン
27 外周接点
28 給電接点
30 ホッパ
32 ホッパブラシ
34 ホッパブラシモータ
40 スクリーンブラシ
42 スクリーンブラシモータ
43 スライドベース
44 スライドベースモータ
46 アーム
47 エアシリンダ
50 上クリーニングブラシ
51 下クリーニングブラシ
52 クリーナ
60,260 パレットサポート
62,262 パレットガイド
70,270 パレット
72,272 孔
74,274 カムフォロア
80,280 固定テーブル
82,282 カム溝
84 センサ
90,290 ロッド
94,294 リフタステージ
98,298 ばね
100 リフタブロック
100a 傾斜面
130 ホッパユニット
140 スクリーンブラシユニット
150 クリーニングユニット
270a 折曲部
270b 基部
270c 蝶番
312,314,320,322 アーム
326 リンク機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に粉体を保持する回転テーブルと、
前記回転テーブルを回転させるテーブルモータと、
前記回転テーブルに装填された複数のスクリーンと、
前記スクリーン上の粉体を該スクリーンに擦り込むスクリーンブラシと、
対応する前記スクリーンの下方に配置される複数の対電極と、
前記対電極の位置と前記回転テーブルの径方向外側の位置との間で移動可能な複数のパレットと、
前記回転テーブルの回転に伴って前記パレットを径方向に移動させるパレット移動機構と、
前記スクリーンブラシの下方に位置するスクリーンと前記対電極との間に高電圧を印加して前記パレット上に載置された被印刷物に前記粉体を印刷する高圧電源と、
を備えたことを特徴とする静電印刷装置。
【請求項2】
前記パレット移動機構は、
カム溝が形成された固定テーブルと、
前記パレットに取り付けられ、前記カム溝に係合するカムフォロアと、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の静電印刷装置。
【請求項3】
前記パレット移動機構は、
カム溝が形成された固定テーブルと、
前記カム溝に係合するカムフォロアと、
前記カムフォロアと前記パレットとを接続し、前記カムフォロアの動きを前記パレットに伝達するリンク機構と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の静電印刷装置。
【請求項4】
前記パレットには、前記被印刷物が載置される位置に孔が形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の静電印刷装置。
【請求項5】
前記パレットに形成された孔の寸法よりも小さな寸法を有する前記対電極としてのリフタステージをさらに備えたことを特徴とする請求項4に記載の静電印刷装置。
【請求項6】
前記リフタステージに取り付けられたロッドと、
前記ロッドを下方に付勢するばねと、
前記ロッドを前記ばねの力に抗して押し上げて前記リフタステージを前記パレットに形成された孔を通過させて上昇させる押上機構と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項5に記載の静電印刷装置。
【請求項7】
前記押上機構は、前記ロッドの下端が接触する傾斜面を有するブロックを含むことを特徴とする請求項6に記載の静電印刷装置。
【請求項8】
前記高圧電源は、前記リフタステージに高電圧を印加することを特徴とする請求項5から7のいずれか一項に記載の静電印刷装置。
【請求項9】
前記高圧電源は、前記回転テーブルの外周面に設けられた外周接点を介して前記スクリーンに高電圧を印加することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の静電印刷装置。
【請求項10】
前記複数のスクリーンは、前記回転テーブルの周方向に所定の間隔で配置されたことを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の静電印刷装置。
【請求項11】
前記スクリーンブラシは円錐形状または円錐台形状を有することを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の静電印刷装置。
【請求項12】
前記回転テーブルは円筒容器状に形成されていることを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の静電印刷装置。
【請求項13】
前記スクリーンブラシを水平方向に往復動させるスクリーンブラシ往復動機構をさらに備えたことを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の静電印刷装置。
【請求項14】
前記スクリーンブラシを上下方向に移動させるスクリーンブラシ上下動機構をさらに備えたことを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載の静電印刷装置。
【請求項15】
前記パレット上に被印刷物が載置されているか否かを検出するセンサと、
前記センサの出力に基づいて前記スクリーンブラシ上下動機構を制御する制御部と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項14に記載の静電印刷装置。
【請求項16】
前記スクリーンに前記粉体を供給するホッパをさらに備えたことを特徴とする請求項1から15のいずれか一項に記載の静電印刷装置。
【請求項17】
前記パレット上に被印刷物が載置されているか否かを検出するセンサと、
前記センサの出力に基づいて前記ホッパからの粉体の供給を制御する制御部と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項16に記載の静電印刷装置。
【請求項18】
前記スクリーンの上面に固着した粉体を削るクリーニングブラシをさらに備えたことを特徴とする請求項1から17のいずれか一項に記載の静電印刷装置。
【請求項19】
前記スクリーンの下面に残った粉体を拭い取るクリーニングブラシをさらに備えたことを特徴とする請求項1から18のいずれか一項に記載の静電印刷装置。
【請求項20】
前記スクリーンの下面に残った粉体を吸引するクリーナをさらに備えたことを特徴とする請求項1から19のいずれか一項に記載の静電印刷装置。
【請求項21】
前記パレットは、前記回転テーブルの径方向外側の位置で下方に折れ曲がる折曲部を含むことを特徴とする請求項1から20のいずれか一項に記載の静電印刷装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−152752(P2007−152752A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−351367(P2005−351367)
【出願日】平成17年12月5日(2005.12.5)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第3項適用申請有り 平成17年6月7日から6月10日 社団法人日本食品機械工業会主催の「2005国際食品工業展」に出品
【出願人】(596159153)ベルク工業有限会社 (6)
【Fターム(参考)】