静電容量センサのハウジングとダイヤフラムとの間にシールを形成する方法
本発明はスペーサ素子および封止ビーズを利用して、静電容量圧力変換器の筐体とダイヤフラムとの間に置かれるシールを形成する。封止ビーズはスペーサ素子の融解温度より低い融解温度を有する。封止ビーズは融解され、非融解スペーサ素子の回りを流れ、取り囲む。これにより、凝固すると、封止ビーズとスペーサ素子とがシールを形成する。シールの厚みは、スペーサ素子の高さを調整することにより正確に均一に生成できる。正確で均一な厚みを有するシールを利用することによって、静電容量圧力変換器の対向する導体は、製造プロセスの間において、相互に正確に位置合わせおよび方向付けすることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容量型圧力変換器に関する。より詳細には、本発明は、容量型圧力変換器の筐体とダイヤフラムとの間にシールを形成するための、改良された方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図1Aは、組み立て後の従来の容量型圧力変換器アセンブリ10の断面図を示す。図1Bは、図1Aの上部筐体40とダイヤフラム56と下部筐体60の分解組立図である。簡単に言えば、容量型圧力変換器アセンブリ10は、内部空洞を形成する本体を含んでいる。比較的薄く、柔軟性のあるセラミックダイヤフラム56によって、内部空洞が第1封止内部チャンバ52と第2封止内部チャンバ54とに分割されている。以下に詳細に述べるとおり、ダイヤフラム56は、チャンバ52、54の圧力差に応じて、ダイヤフラム56が湾曲、移動または変形するように取り付けられている。変換器アセンブリ10は、ダイヤフラムの湾曲度を表すパラメータを提供し、したがってこのパラメータは、チャンバ52、54間の圧力差を間接的に表す。圧力差を表す、変換器アセンブリ10によって提供されるパラメータは、ダイヤフラム56と、上部筐体40に配置された1つまたは複数の導体との間の静電容量である。
【0003】
容量型圧力変換器アセンブリ10は、セラミックの上部筐体40、セラミックダイヤフラム56およびセラミックの下部筐体60とを含んでいる。上部筐体40は、一般に、上から見ると円筒形をしており、上面41と、中心下面47と、下面42aを有する環状肩部42と、中心下面47と環状肩部42との間に位置する環状チャネル43とを形成している。環状肩部42の下面42aは、中心下面47と実質的に同一平面上にある。上部筐体はさらに、上部側から下部側に筐体40を通過して延びる中心開口48(または通路)を形成する圧力チューブ44を含む。金属導体46は下部面47の中心部分上に配置される。
【0004】
ダイヤフラム56は、一般に、上面57と、反対側の下面59とを有する円形の薄いダイヤフラムである。金属導体58が、ダイヤフラム56の上面57の中央部に配置されている。ダイヤフラム56と上部筐体40とは、上部筐体40の導体46がダイヤフラム56の導体58と対向して置かれるように配置されている。ダイヤフラム56は、詳細に下記される気密シール(またはジョイント)70によって上部筐体40に結合されている。シール70は、上部筐体40の環状肩部42の下面42aと、ダイヤフラム56の面57の対応する環状部分との間に位置している。封止されると、上部筐体40、シール70およびダイヤフラム56によって、基準チャンバ52が形成される。圧力チューブ44の開口48が、基準チャンバ52への入口または入口路を提供する。
【0005】
一般には円形形状の下部筐体60は、中心開口64と、上面62aを有する上向きに突出した環状肩部62とを形成している。下部筐体60の肩部62の上面62aは、気密シール(またはジョイント)76によってダイヤフラム56の下面59の対応する部分と結合されている。シール76は、シール70と同様の方法で置かれ、組み込むことができる。封止されると、下部筐体60とシール76とダイヤフラム56の面59によって、プロセスチャンバ54が形成される。
【0006】
入口通路68を有する圧力管66は、入口通路68が下部筐体60の開口64と位置合わせされるように、下部筐体60に結合される。したがって、プロセスチャンバ54は、開口64と入口通路68とを介して、外部環境と流体連通される。作動中、容量型圧力変換器アセンブリ10は、この外部環境の圧力を測定する。
【0007】
容量型圧力変換器アセンブリ10の導体46、58は、可変コンデンサCの平行板を形成する。周知のように、C=Aεrε0/dであって、Cは2枚の平行板の間の静電容量であり、Aは平行板間の共通面積であり、ε0は真空の誘電率であり、εrは平行板を分離する材料の比誘電率であり(例えば、真空の場合εr=1)、dは平行板間の軸方向の距離(すなわち、平行板の法線に沿って測定された平行板間の距離)である。したがって、コンデンサCによって与えられる静電容量は、導体46と導体58との間の軸方向の距離の関数である。チャンバ52、54間の圧力差の変化に応じて、ダイヤフラム56が上下に移動または湾曲するため、コンデンサCによって与えられる静電容量も変化する。いずれの時点であっても、コンデンサCによって与えられる静電容量は、チャンバ52、54間の瞬時圧力差を表している。公知の電気回路(例えば、コンデンサCによって与えられる静電容量の関数である共振周波数によって特徴付けられる「タンク」回路)を用いて、コンデンサCによって与えられる静電容量を測定し、圧力差を表す電気信号を生成することができる。導体46、58は、例えば金または銅などの広範囲の導体材料から構成することができ、公知の薄膜もしくは厚膜プロセスまたは他の公知の製造方法によって製造することができる。薄膜プロセスが利用される場合、導体46、48の厚みは、例えば約1μmであってもよい。
【0008】
ダイヤフラム56は合酸化アルミニウムから作製されることが多い。しかし、ガラスセラミックの単結晶酸化物材料など他のセラミック材料を用いてもよい。セラミック構成部品を有する静電容量センサが、米国特許第5,920,015号および第6,122,976号で開示されている。
【0009】
作動中、静電容量圧力変換器アセンブリ10が一般に、絶対圧力変換器として使用される。この形態では、基準チャンバ52が一般に、圧力チューブ44に真空ポンプ(図示なし)を接続することにより、最初に排気される。基準チャンバ52が排気された後、次に、チューブ44が封止されて、基準チャンバ52内の真空を維持する。さらに「ゲッター」をチューブ44に結合して、長期間にわたり基準チャンバ内の真空を維持できる。これにより、チャンバ52内に「基準」圧力を生成する。真空は好都合な基準圧力であるが、他の基準圧力を用いることもできる。基準圧力がチャンバ52内に生成された後、次に、圧力チューブ66を流体源(図示せず)に接続して、この流体の圧力を測定することができる。このように圧力チューブ66を結合することにより、圧力が測定される流体をプロセスチャンバ54(およびダイヤフラム56の下面59)に送る。ダイヤフラム56の中心が、チャンバ52、54間の圧力差に応じて上下に移動または湾曲し、これによってキャパシタCの静電容量が変化する。キャパシタCの瞬時静電容量はダイヤフラム56の位置を表すため、変換器アセンブリ10は、チャンバ52内に生成された基準圧力を基準にしたチャンバ54内の圧力を測定することができる。
【0010】
言うまでもなく、変換器アセンブリ10は差圧変換器としても使用できる。この形態では、圧力チューブ44は第1の流体源(図示なし)に接続され、圧力チューブ66は第2の流体源(図示なし)に接続される。その後、変換器アセンブリ10は2つの流体圧力間の差圧を測定可能になる。あるいは、基準チャンバ52を大気圧に維持して、「ゲージ型」変換器を実現できる。
【0011】
上述のとおり、チャンバ52、54間の圧力差の変化によって、ダイヤフラム56は湾曲し、それによって導体46と導体58との間の間隙が変化する。間隙の変化を測定することによって、圧力差を測定することができる。しかし、間隙は、圧力とは無関係な要因によって影響を受けることもある。例えば、間隙は、温度変化によって影響を受ける可能性がある。変換器アセンブリ10の構成部品は、それぞれが特有の熱膨張係数を有する多種多様な材料から作製することができるため、周囲環境における温度変化によって、ダイヤフラム56は導体46に接近または離れる方向に移動する可能性がある。好都合な点は、温度変化による間隙の変化は、圧力差の変化による間隙の変化とは異なる特性を有する。周囲環境温度の変化によって生じる間隙の変化を補償するために、上部筐体40の下面47上に、導体46と隣接して配置された第2の導体(図示せず)を含むことが知られている。このような実施形態では、導体46、58は可変コンデンサC1の平行板を形成し、導体58と第2導体は可変コンデンサC2の平行板を形成する。2つのコンデンサC1、C2を公知の方法で使用して、温度変化に対する変換器の感度を低減することができる。
【0012】
上部筐体40は、下面47とこの上に置かれたいずれかの導体とが、チャンバ52、54内の圧力が等しいときに導体58(すなわち、ダイヤフラム56)によって形成された面と平行な面に置かれるように位置合わせされている。上述のとおり、導体46、58によって形成される静電容量は、これらの対向する導体間に存在する間隙(すなわち、軸方向の距離)に依存している。比較的小さい(例えば、0.0004インチ(10〜12μm)程度)間隙は、一部は、シール70の厚さと、上部筐体40の形状および構成(例えば、下面42aが平面から外れる量、すなわち、もしあるとすれば、下面47に対するずれ)に左右される。
【0013】
シール70および76を形成する方法は、米国特許第6,122,976号で開示されている。この方法では、2つの面間に固体ガラスビーズを置き、その後に封止ビーズを融解することによって、シールが形成される。融解すると、融解したビーズは2つの面間の空間内に流れ込む。冷却すると、流れた封止ビーズ材料は2つの面間にシールを形成する。
【0014】
図2は図1Aおよび1Bの上部筐体40の底面図を示す。米国特許第6,122,976号の教示によれば、ガラス粒子が接着剤および溶剤と混合され、ペースト材料が形成される。次に、ペースト材料はシールが形成される面上に、例えば上部筐体40の肩部42の下部面42aおよび下部筐体60の肩部62の上部面62a上に、封止ビーズ72のパターンとして置かれる。封止ビーズ72のパターンは、適切なスクリーン印刷またはパッド/ブラシ印刷堆積プロセスを利用して、表面上に配置および形成することができる。以下に詳細に説明されるとおり、封止ビーズ72は、封止ビーズ72間に開放チャネル78が存在するように置かれる。封止ビーズ(ペースト)72のパターンが面上に置かれた後、封止ビーズ72は乾燥プロセス、「バーンオフ」プロセス、およびその後の前融解/焼結プロセスを受ける。各後続ステップでは、封止ビーズ72は段階的に上昇する高温度に曝される。例えば、封止ビーズ72は乾燥プロセスの間に、100〜150℃に加熱され、融解プロセスの間に325〜375℃に加熱され、前融解/焼結プロセスの間に490〜500℃に加熱される。堆積された封止ビーズ(ペースト)72は乾燥プロセスにおいて硬化され、加工に耐えることができる。バーンオフ・プロセスの間に、溶剤および接着剤の一部がペーストからバーンアウトされる。バーンオフ・プロセスが正しく実行されない場合、シールは不浸透性にはならず、また構造的に不完全になる。封止ビーズ72が十分に脱ガス(バーンオフ)されたとき、温度をさらに上げて前融解/焼結プロセスが実行される。前融解/焼結プロセスの間、ビーズ72内に存在するガラス粒子は共に融解する。しかし、前融解/焼結ステップの間に、ビーズ72は開放チャネル78内に流れ込まない。前融解/焼結ステップの後、封止ビーズ72は冷却される。冷却後、封止ビーズ72は所望の高さを有するように、機械的加工、例えば研磨することができる。用途によっては、(非融解)封止ビーズ72の所望の高さは、例えば約20〜24μmに形成できる。
【0015】
ビーズ72の置かれるパターン(図2に示される)は、シール70(またはシール76)が形成される間における、完全に脱ガスするビーズ72の能力に影響を与える。封止ビーズ72の脱ガスを促進するために、封止ビーズ72間にチャネル78を有するように封止ビーズ72を置くことが有利である。封止ビーズ72とビーズ間に置かれるチャネル78との断面寸法は、所望の脱ガス効果を達成できるように選択される。例示的な一実施形態では、封止ビーズ72は0.1〜0.5mmの直径を有し、チャネル78はほぼ同一寸法の幅を有する。
【0016】
封止ビーズ72が、上述のようにして下部面42aと上部面62aとの上に置かれ、調製された後、ダイヤフラム56は、下部面42a上に置かれた封止ビーズ72がダイヤフラム56の上部面57の封止領域と接触するように上部筐体40に位置合わせされ、また、下部筐体60は、上部面62a上に置かれた封止ビーズ72がダイヤフラム56の下部面59の封止領域と接触するようにダイヤフラム56に位置合わせされる。次に、圧縮力が、上部筐体40、ダイヤフラム56および下部筐体60に対して、ダイヤフラム56の向きにほぼ垂直に加えられる。次に、高温度(すなわち、前融解/焼結ステップの間に加えられた温度より高い)を加えて、封止ビーズ72を融解する。融解すると、封止ビーズ72が流れて、上部筐体40の肩部42とダイヤフラム56の上部封止領域との間、ならびに下部筐体60の肩部62とダイヤフラム56の下部封止領域との間に存在する空隙(すなわち、チャネル)を満たす。冷却すると、このようにして、封止ビーズ72は、ダイヤフラム56と上部筐体40および下部筐体60との間にそれぞれ位置する気密シール70、76を形成する。所望の高さ(すなわち厚み)および面積を有するシール70(およびシール76)を形成するために、非融解封止ビーズ72の断面積および高さは、封止ビーズ72材料の全容積が所望のシール70を形成するのに十分である(すなわち、封止ビーズ72の全容積が所望のシール70の容積にほぼ等しい)ように設定される。
【0017】
容積型圧力変換器の導体を相互に正確に位置合わせおよび方向付けできない場合、容積型圧力変換器の性能特性に悪影響を与える。例えば、対向導体46、58の間の間隙が厳格な寸法許容差で制御して形成されていない場合、容積型圧力変換器は許容できない性能特性を有することになる。さらに、間隙が一定に制御されていない場合、全部が同一性能特性を有する多数の変換器の製造が困難になる。
【0018】
上述の封止方法は、形成されたシール70が正確で一定の厚みを有することを必ずしも保証しない。例えば、過剰または不十分な量の封止ビーズ72材料を使用してシール70を形成する場合、シール70は厚過ぎるかまたは薄過ぎる可能性がある。また、融解および冷却ステップの間における上部筐体40とダイヤフラム56との間に加えられる圧縮力が均一でない場合、シール70の厚みは一定にならない可能性がある。
【0019】
したがって、容積型圧力変換器の筐体とダイヤフラムとの間のシールを高精度に形成する方法の必要性が存在する。
【特許文献1】米国特許第5,920,015号
【特許文献2】米国特許第6,122,976号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
静電容量圧力変換器の筐体とダイヤフラムとの間のシールを高精度で形成する方法およびシステムに関する。特定の静電容量圧力変換器では、静電容量圧力変換器の対向する導体間の軸方向距離は、部分的には、筐体とダイヤフラムとの間に配置されるシールの厚みに依存する。本明細書に記載されるとおり、高温および低温封止ビーズを利用して、正確で一定の厚みを有するシールを形成する。正確で一定の厚みを有するシールを利用することによって、静電容量圧力変換器の対向する導体は、製造プロセスの間において、相互に正確に位置合わせおよび方向付けすることができる。
【課題を解決するための手段】
【0021】
1つの方法では、高温封止ビーズの高さは既知の高さに設定される。次に、低温封止ビーズは高温封止ビーズの間で、ビーズの回りに置かれる。次に、低温封止ビーズおよび高温封止ビーズは、低温封止ビーズを融解するには十分であるが、高温封止ビーズを融解するには不十分は温度に曝される。融解された低温封止ビーズは非融解高温封止ビーズ回りを流れる。凝固すると、低温封止ビーズおよび高温封止ビーズは合わさってシールを形成する。シール製造プロセスの間に高温封止ビーズは融解しないため、シール厚みは、非融解高温封止ビーズの高さを制御することにより設定できる。完成したシールでは、シールの製造の間に融解して流れる低温封止ビーズは、高温封止ビーズ回りに共形的に配置される低温材料に変化している。「共形的に配置される」とは、低温材料が高温封止ビーズ回りに流れることにより、低温材料中の空隙が高温封止ビーズ材料によって全体に範囲を限定され、満たされることを意味する。しかし、いくつかの満たされない空隙が低温材料内に存在することもある(例えば、高温封止ビーズと低温材料との境界面)。このような空隙の形成を避けることは望ましいが、空隙が十分に小さく、空隙の数も十分に少ない限り、空隙の存在はシールの完全性を損なわず、また低温材料が高温封止ビーズ回りに共形的に配置されないことを意味しない。
【0022】
本発明のさまざまな目的、特徴および利点は、以下の図面と合わせて考慮する場合、本発明の以下の詳細な説明を参照して、十分に理解することができる。図面では、同様の参照符号は同様の構成要素を特定している。以下の図面は、単に例示を目的とするだけであって、本発明を限定するものではない。本発明の権利範囲は、以下の特許請求の範囲で記載されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
静電容量圧力変換器の筐体とダイヤフラムとの間のシールを高精度で形成する方法およびシステムに関する。本発明は高温および低温封止ビーズを利用して、正確で均一な、一定の厚みを有する流体気密シールを形成する方法を提供する。制御された厚みを有するシールを形成することによって、対向する導体間の軸方向距離を正確に制御できる。
【0024】
図3は、本発明によって構成される例示的な静電容量圧力変換器アセンブリ100の断面図を示す。従来の静電容量圧力変換器アセンブリ10と同様に、アセンブリ100は上部筐体40、ダイヤフラム56、および下部筐体60を含む。図3Bは、図3Aに示されるアセンブリ100の上部筐体40、ダイヤフラム56、および下部筐体60の分解組立図である。従来の変換器アセンブリ10と異なり、アセンブリ100はダイヤフラム56と上部筐体40との間に置かれる改良されたシール170を含む。封止されると、上部筐体40、シール70、およびダイヤフラム56は基準チャンバ152を形成する。
【0025】
同様に、改良されたシール176はダイヤフラム56と下部筐体60との間に置くことができる。封止されると、下部筐体60、シール176、およびダイヤフラム56はプロセスチャンバ154を形成する。
【0026】
シール170は、高温および低温封止ビーズを用いて形成される。高温封止ビーズは低温封止ビーズより高い融解温度を有する。低温封止ビーズより高い融解温度を有する高温封止ビーズを実現するために、高温封止ビーズおよび低温封止ビーズは異なる材料から構成するか、または異なる量の共通材料を有することができる。
【0027】
形成されたシール170は正確な一定の厚みを有する。正確な一定の厚みを有するシールを利用することにより、静電容量圧力変換器の対向する導体は、製造プロセスの間において、相互に正確に位置合わせおよび方向付けすることができる。
【0028】
図4は、上部筐体40の肩部42の下部面42a上に配置された複数の高温封止ビーズ172を示す。図に示すとおり、高温封止ビーズ172は肩部42の下部面42a上に均一に分布する。高温封止ビーズ172はガラス材料から構成され、封止ビーズ72が配置されたのと同様にして(図2に関連して上に述べたとおり)配置され、処理される。例えば、高温封止ビーズ172は当分野で公知の印刷プロセスによって配置され、次に、熱を加えて乾燥される。その後、高温封止ビーズ172に含有される溶剤および接着剤の大部分は、高温封止ビーズ172を高温度に曝すことによりバーンオフされ、高温封止ビーズ172はさらに高温度に曝すことによって前融解/焼結される。前融解/焼結のステップ後、高温封止ビーズ172は冷却され、高温封止ビーズ172が凝固する。高温封止ビーズ172は、高温ペーストをビーズ172として配置し、ビーズ172を125℃に達するまで40℃/分の温度増加に曝し、約15分間125℃を維持し、さらに、ビーズ172を720℃に達するまで40℃/分の温度増加に曝し、約10分間720℃を維持し、その後、40℃/分の速度で温度を低下することによって形成できる。形成された高温封止ビーズ172は約725℃の融解温度を有する。
【0029】
高温封止ビーズ172はシール170の形成の間は融解しない(すなわち、液体状態で流れない)。むしろ、高温封止ビーズ172はシール170の厚みを決定するスペーサとして作用する。言い換えると、一体に封止される2つの面の間に延びるペデスタルとして作用することにより、高温封止ビーズ172はシール170の厚みを設定する。意図する厚み(おとび一定厚み)を有するシール170を実現するために、高温封止ビーズ172は意図する厚みに等しいビーズ高さを有することが重要である。シール170が所望の厚みを有することを保証する1つの簡単な方法は、シール170の所望の厚みより厚い高温封止ビーズ172を用いて開始することである。ビーズ172が肩部42上に配置された後、ビーズ172は、厚み(すなわち、高さ)がシール170の所望の厚みに一致するまで研磨される。シール170の所望の厚みは、例えば、10〜12μmであってもよい。
【0030】
ラッピング/研磨技法に加えて、高温封止ビーズ172の高さは、当分野で公知の、例えばエッチング、反応イオンエッチング(ドライエッチング)またはレーザ切断技法によっても生成できる。高温封止ビーズ172の高さは、当分野で公知の、例えばドロップインジケータ(drop indicator)測定、レーザ測定またはターゲット−静電容量測定技法を用いて測定できる。
【0031】
次に図5を参照すると、高温封止ビーズ172は肩部42の下部面42a上に配置され、形成される、これらのビーズ高さが生成される。次に、低温封止ビーズ174が下部面42a上の高温封止ビーズ172の間および回りに配置される。低温封止ビーズ174は高温封止ビーズ172より低い融点を有する。有利には、低温封止ビーズ174はビーズが配置される表面上に均等に分布する。図4および図5における高温封止ビーズ172および低温封止ビーズ174は、上部筐体40の肩部42の下部面42a上に配置され、形成されて図示されているが、代わりに、高温封止ビーズ172および低温封止ビーズ174は、ダイヤフラム56の上部面57の封止領域上に配置し、形成することができる。好ましくは、低温封止ビーズ174はガラス材料から構成され、上述のとおり、高温封止ビーズ172と同一方法(異なる処理温度を用いる)で配置され、処理される。
【0032】
低温封止ビーズ174は、低温封止ビーズ174と高温封止ビーズ172との間に開放チャネル178を残すようにして、高温封止ビーズ172の間および回りに配置される。開放チャネル178の存在によって、低温封止ビーズ174は、最終封止(融解および冷却)ステップの間に適正に脱ガスされる。低温封止ビーズ174が配置された後(例えば、上述の乾燥、バーンオフおよび前融解/焼結ステップ後)、上部筐体40およびダイヤフラム56を相互に圧縮し、十分に加熱して、高温封止ビーズ172を融解することなく低温封止ビーズ174を融解することにより、シール170が形成される。
【0033】
低温封止ビーズ174が融解すると、低温材料を形成し、この材料の一部が開放チャネル178内に流れ込み、チャネルを満たす。このように、低温封止ビーズ174は非融解高温封止ビーズ172と共に、一体としてシール170を形成する。適正な量(すなわち、容積)の低温封止ビーズ174が上部筐体40の肩部42上に配置され――同時に、開放チャネルを生成する――これにより、融解すると、低温封止ビーズ174材料(高温封止ビーズ172の容積と共に)はシール170が占有する空間を適正に満たす。したがって、低温封止ビーズ174を融解する前に、低温封止ビーズ174も特定のビーズ高さを有することを保証するのが望ましい。
【0034】
このように、低温封止ビーズ174が冷却した後(すなわち、乾燥、バーンオフおよび前融解/焼結ステップ後)、各低温封止ビーズ174のビーズ高さが測定され、目標の低温封止ビーズ高さと比較される。低温封止ビーズ174の測定されたビーズ高さが目標の低温封止ビーズ高さを超える場合、低温封止ビーズ174を研磨して、高さが目標の低温封止ビーズ高さに等しくなるようにする。目標の低温封止ビーズ高さより低いビーズ高さを有する低温封止ビーズ174を得ることを避けるために、有利には、低温封止ビーズ174を、表面上に目標の低温封止ビーズ高さを超えるビーズ高さで配置する。低温封止ビーズ174が融解して開放チャネル178を満たすため、目標の低温封止ビーズ高さは一般に、目標の高温封止ビーズ高さより高くなる。目標の低温封止ビーズ高さは、例えば、目標の高温封止ビーズ高さの2倍にできる。
【0035】
次に図6および7を参照する。高温封止ビーズ172および低温封止ビーズ174が上部筐体40の下部面42a上に配置され、形成されると、次に、ダイヤフラム56は、低温封止ビーズ174が上部筐体40の肩部42からダイヤフラム56の封止領域に延びるように、上部筐体40に位置合わせされる。上部筐体40をダイヤフラムに対して適正な関係に維持するために、圧縮力Fが、上部筐体40とダイヤフラム56との間に、ダイヤフラム56の方向にほぼ垂直の方向に加えられる。圧縮力Fは十分な質量(すなわち、重量体)を上部筐体40の上面に置くか、または上部筐体40とダイヤフラム56との間に、例えばプレスを使用して圧縮力を加えることにより、生成できる。圧縮力Fを加えることにより、低温封止ビーズ174が融解したときに、低温封止ビーズ174が開放チャネル178に流れ込み、チャネルを満たすことを保証し、また高温封止ビーズ172がダイヤフラム56の上部面57に接触することを保証する。
【0036】
ダイヤフラム56が上部筐体40に位置合わせされた後(図6)、低温封止ビーズ174は、低温封止ビーズ175の融点より高いが、高温封止ビーズ172の融点より低い温度に曝される。融解すると、低温封止ビーズ174は開放チャネル178に流れ込み、チャネルを満たす。冷却すると、先に融解された低温封止ビーズ174と高温封止ビーズ172とが一体となってシール170を形成する(図7)。温度が高温封止ビーズ172の融点以下に維持されていたため、非融解高温封止ビーズ172のビーズ高さhはシール170の厚みを生成する。このように、非融解高温封止ビーズ172のビーズ高さhのそれぞれを一定高さに設定することにより、シール170は正確に均一な厚みに形成できる。さらに、圧縮力Fが封止領域全体にわたり不均一に加えられると、シール170の厚みは悪影響を受ける。
【0037】
図8は、静電容量圧力変換器アセンブリ100の導体46と58との間に存在する間隙g(すなわち、軸方向距離)がどのように、部分的に、シール170の厚みに依存するかを示す。上述のとおり、上部筐体40の下部面42aおよび面47は実質的に同一平面である。上部筐体40は、チャンバ152、154内の圧力が等しいときに、上部筐体40の面47がダイヤフラム56の面57と平行になるように位置合わせされる。チャンバ152、154内の圧力が等しいときは、ダイヤフラム56に作用する差圧はゼロであり、したがって、ダイヤフラム56は圧力で生じるたわみを一切受けない。図8で明らかなとおり、チャンバ152、154内の圧力が等しいとき、導体46、58の間に存在する間隙gは、シール170の厚み(高温封止ビーズ172のビーズ高さh)から導体46、58の厚みを差し引いた値になる。
【0038】
しかし、ダイヤフラム56に差圧が加えられると、ダイヤフラム56の一部が差圧に応じてたわむ。したがって、間隙gは差圧の大きさと方向に応じて増加または減少する。例えば、プロセスチャンバ154内の圧力が基準チャンバ152内の圧力より高くなると、ダイヤフラム56の一部が上部筐体40の面47方向にたわみ、導体46、58間の間隙gが減少する。逆に、プロセスチャンバ154内の圧力が基準チャンバ152内の圧力より低くなると、ダイヤフラム56の一部が上部筐体40の面47から離れる方向にたわみ、導体46、58間の間隙gが増加する。
【0039】
シール170の厚みおよび導体46、58の厚みに依存する間隙gを設ける代わりに、有利には、シール170の厚みにほぼ等しい間隙gを有する静電容量圧力変換器アセンブリを実現する。図9〜11は、シール170の厚みにほぼ等しい間隙gを有する静電容量圧力変換器アセンブリ200の部分断面図を示す。アセンブリ200は、層246が肩部42の下部面42a上に配置されており、層258がダイヤフラム56の上部面57上に配置されている点を除いて、アセンブリ100と同様である。図9で明らかなとおり、層246、258は下部面42aと上部面57のそれぞれ上の、シール170が形成される領域に配置される。封止されると、上部筐体40、シール170、層246、258、およびダイヤフラム56は基準チャンバ252を形成する。層246は導体46の厚みにほぼ等しい厚みを有し、一方、層258は導体58の厚みにほぼ等しい厚みを有する。層246は、導体46が下部面47上に形成されるのと同時に下部面42a上に形成でき、また、導体46と同一材料から構成できる。同様に、層258は、導体58が上部面57上に形成されるのと同時に上部面57上に形成でき、また、導体58と同一材料から構成できる。層246が肩部42の下部面42a上に配置された後、高温封止ビーズ172(ビーズ高さhを有する)および低温封止ビーズ174は、上述の技法によって層264上に配置し、形成することができる。
【0040】
ダイヤフラム56は上部筐体40に位置合わせされた後(図9)、圧縮力Fが加えられ、次に、低温封止ビーズ174が融解される。冷却すると、先に融解された低温封止ビーズ174と高温封止ビーズ172とが一体となって、層246、258の間に位置するシール170を形成する(図10)。図11で明らかなとおり、層246、258の厚みは、チャンバ252、154内に圧力が等しいときは、それぞれ導体46、58の厚みにほぼ等しいため、導体46、58間に存在する間隙gはシール170の厚みにほぼ等しい。生成されたシール170の厚みは高温封止ビーズ172のビーズ高さhにより設定され、したがって、アセンブリ200の間隙gはビーズ高さhにほぼ等しくなり、そしてビーズ高さhにより制御される。
【0041】
層246、258は導電材料または非導電材料から構成できる。導電材料が使用される場合、層246、258は導体46および58に対する静電容量ガードとして作用する。
【0042】
製造される上部筐体40およびダイヤフラム56の製造許容差は、これらのセンサ構成部品の製造の間において、本発明を利用してこのような構成部品間にシールを形成することにより、公知の方法で制御できるため、対向電極間の軸方向距離は正確に均一および一定に確立できる。正確で均一および一定の厚みを有するシール170を提供することにより、本発明を利用して、安定した高信頼性能特性を有する変換器アセンブリを実現できる。
【0043】
アセンブリ100、200の上部筐体40は、下部面42aとほぼ同一平面である中心下部面47を有する。他の静電容量圧力変換器アセンブリでは、上部筐体40の中心下部面47は肩部42の下部面42aから若干の距離だけずれている。したがって、ダイヤフラムの両側におけるチャンバ内の圧力が等しい場合、導体46、58の間に存在する空隙gはシール170の厚みと、面47が下部面42aからずれる量とに依存する。しかし、同一平面は一般に、同一平面でない面(例えば、平行であるが相互にずれている面)に比べて小さい許容差で製造できるため、下部面42aとほぼ同一平面である中心下部面47を有する上部筐体40を利用するのが有利である。
【0044】
図4および図5の低温封止ビーズ174および高温封止ビーズ172は、円形断面を有して示されているが、低温封止ビーズ174および高温封止ビーズ172の断面は正方形、長方形、菱形またはparallel−epipedic形状(例えば、相互に近接して配置される先端を有する)、六角形であってもよく、あるいは、さまざまな他の許容できる形状を有してもよい。低温封止ビーズ174および高温封止ビーズ172の断面は同一でなくてもよい。
【0045】
本発明は、これまで、上部筐体40、ダイヤフラム56、および下部筐体60がすべてセラミック材料(例えば、酸化アルミニウム)から作られる、セラミック圧力変換器アセンブリに関連して述べてきた。しかし、本発明から逸脱することなく、他の材料を使用することもできる。
【0046】
本明細書においては、本発明の教示を組み入れたさまざまな実施形態を図示し、説明してきたが、当業者であれば、これら教示を組み入れた多くの他のさまざまな実施形態を容易に考案することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1A】従来の静電容量センサの断面図である。
【図1B】図1Aの従来の静電容量センサの部分拡大断面図である。
【図2】封止ビーズを静電容量センサの筐体上に置き、筐体とダイヤフラムとの間にシールを形成できる方法を示す。
【図3A】本発明によって構成される静電容量センザの一実施形態の断面図である。
【図3B】図3Aの静電容量センサの部分拡大断面図である。
【図4】静電容量センサの筐体上に高温封止ビーズを置く例示的な方法を示す図である。
【図5】静電容量センサの筐体上に低温封止ビーズを置く例示的な方法を示す図である。
【図6】静電容量センサの筐体とダイヤフラムとの間にシールを形成する例示的な方法における1つのステップを示す図である。
【図7】静電容量センサの筐体とダイヤフラムとの間にシールを形成する例示的な方法における別のステップを示す図である。
【図8】本発明によって静電容量センサの筐体とダイヤフラムとの間に形成される例示的なシールの拡大図である。
【図9】静電容量センサの筐体とダイヤフラムとの間にシールを形成する例示的な方法における1つのステップを示す図である。
【図10】静電容量センサの筐体とダイヤフラムとの間にシールを形成する例示的な方法における別のステップを示す図である。
【図11】本発明によって静電容量センサの筐体とダイヤフラムとの間に形成される例示的なシールの拡大図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、容量型圧力変換器に関する。より詳細には、本発明は、容量型圧力変換器の筐体とダイヤフラムとの間にシールを形成するための、改良された方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図1Aは、組み立て後の従来の容量型圧力変換器アセンブリ10の断面図を示す。図1Bは、図1Aの上部筐体40とダイヤフラム56と下部筐体60の分解組立図である。簡単に言えば、容量型圧力変換器アセンブリ10は、内部空洞を形成する本体を含んでいる。比較的薄く、柔軟性のあるセラミックダイヤフラム56によって、内部空洞が第1封止内部チャンバ52と第2封止内部チャンバ54とに分割されている。以下に詳細に述べるとおり、ダイヤフラム56は、チャンバ52、54の圧力差に応じて、ダイヤフラム56が湾曲、移動または変形するように取り付けられている。変換器アセンブリ10は、ダイヤフラムの湾曲度を表すパラメータを提供し、したがってこのパラメータは、チャンバ52、54間の圧力差を間接的に表す。圧力差を表す、変換器アセンブリ10によって提供されるパラメータは、ダイヤフラム56と、上部筐体40に配置された1つまたは複数の導体との間の静電容量である。
【0003】
容量型圧力変換器アセンブリ10は、セラミックの上部筐体40、セラミックダイヤフラム56およびセラミックの下部筐体60とを含んでいる。上部筐体40は、一般に、上から見ると円筒形をしており、上面41と、中心下面47と、下面42aを有する環状肩部42と、中心下面47と環状肩部42との間に位置する環状チャネル43とを形成している。環状肩部42の下面42aは、中心下面47と実質的に同一平面上にある。上部筐体はさらに、上部側から下部側に筐体40を通過して延びる中心開口48(または通路)を形成する圧力チューブ44を含む。金属導体46は下部面47の中心部分上に配置される。
【0004】
ダイヤフラム56は、一般に、上面57と、反対側の下面59とを有する円形の薄いダイヤフラムである。金属導体58が、ダイヤフラム56の上面57の中央部に配置されている。ダイヤフラム56と上部筐体40とは、上部筐体40の導体46がダイヤフラム56の導体58と対向して置かれるように配置されている。ダイヤフラム56は、詳細に下記される気密シール(またはジョイント)70によって上部筐体40に結合されている。シール70は、上部筐体40の環状肩部42の下面42aと、ダイヤフラム56の面57の対応する環状部分との間に位置している。封止されると、上部筐体40、シール70およびダイヤフラム56によって、基準チャンバ52が形成される。圧力チューブ44の開口48が、基準チャンバ52への入口または入口路を提供する。
【0005】
一般には円形形状の下部筐体60は、中心開口64と、上面62aを有する上向きに突出した環状肩部62とを形成している。下部筐体60の肩部62の上面62aは、気密シール(またはジョイント)76によってダイヤフラム56の下面59の対応する部分と結合されている。シール76は、シール70と同様の方法で置かれ、組み込むことができる。封止されると、下部筐体60とシール76とダイヤフラム56の面59によって、プロセスチャンバ54が形成される。
【0006】
入口通路68を有する圧力管66は、入口通路68が下部筐体60の開口64と位置合わせされるように、下部筐体60に結合される。したがって、プロセスチャンバ54は、開口64と入口通路68とを介して、外部環境と流体連通される。作動中、容量型圧力変換器アセンブリ10は、この外部環境の圧力を測定する。
【0007】
容量型圧力変換器アセンブリ10の導体46、58は、可変コンデンサCの平行板を形成する。周知のように、C=Aεrε0/dであって、Cは2枚の平行板の間の静電容量であり、Aは平行板間の共通面積であり、ε0は真空の誘電率であり、εrは平行板を分離する材料の比誘電率であり(例えば、真空の場合εr=1)、dは平行板間の軸方向の距離(すなわち、平行板の法線に沿って測定された平行板間の距離)である。したがって、コンデンサCによって与えられる静電容量は、導体46と導体58との間の軸方向の距離の関数である。チャンバ52、54間の圧力差の変化に応じて、ダイヤフラム56が上下に移動または湾曲するため、コンデンサCによって与えられる静電容量も変化する。いずれの時点であっても、コンデンサCによって与えられる静電容量は、チャンバ52、54間の瞬時圧力差を表している。公知の電気回路(例えば、コンデンサCによって与えられる静電容量の関数である共振周波数によって特徴付けられる「タンク」回路)を用いて、コンデンサCによって与えられる静電容量を測定し、圧力差を表す電気信号を生成することができる。導体46、58は、例えば金または銅などの広範囲の導体材料から構成することができ、公知の薄膜もしくは厚膜プロセスまたは他の公知の製造方法によって製造することができる。薄膜プロセスが利用される場合、導体46、48の厚みは、例えば約1μmであってもよい。
【0008】
ダイヤフラム56は合酸化アルミニウムから作製されることが多い。しかし、ガラスセラミックの単結晶酸化物材料など他のセラミック材料を用いてもよい。セラミック構成部品を有する静電容量センサが、米国特許第5,920,015号および第6,122,976号で開示されている。
【0009】
作動中、静電容量圧力変換器アセンブリ10が一般に、絶対圧力変換器として使用される。この形態では、基準チャンバ52が一般に、圧力チューブ44に真空ポンプ(図示なし)を接続することにより、最初に排気される。基準チャンバ52が排気された後、次に、チューブ44が封止されて、基準チャンバ52内の真空を維持する。さらに「ゲッター」をチューブ44に結合して、長期間にわたり基準チャンバ内の真空を維持できる。これにより、チャンバ52内に「基準」圧力を生成する。真空は好都合な基準圧力であるが、他の基準圧力を用いることもできる。基準圧力がチャンバ52内に生成された後、次に、圧力チューブ66を流体源(図示せず)に接続して、この流体の圧力を測定することができる。このように圧力チューブ66を結合することにより、圧力が測定される流体をプロセスチャンバ54(およびダイヤフラム56の下面59)に送る。ダイヤフラム56の中心が、チャンバ52、54間の圧力差に応じて上下に移動または湾曲し、これによってキャパシタCの静電容量が変化する。キャパシタCの瞬時静電容量はダイヤフラム56の位置を表すため、変換器アセンブリ10は、チャンバ52内に生成された基準圧力を基準にしたチャンバ54内の圧力を測定することができる。
【0010】
言うまでもなく、変換器アセンブリ10は差圧変換器としても使用できる。この形態では、圧力チューブ44は第1の流体源(図示なし)に接続され、圧力チューブ66は第2の流体源(図示なし)に接続される。その後、変換器アセンブリ10は2つの流体圧力間の差圧を測定可能になる。あるいは、基準チャンバ52を大気圧に維持して、「ゲージ型」変換器を実現できる。
【0011】
上述のとおり、チャンバ52、54間の圧力差の変化によって、ダイヤフラム56は湾曲し、それによって導体46と導体58との間の間隙が変化する。間隙の変化を測定することによって、圧力差を測定することができる。しかし、間隙は、圧力とは無関係な要因によって影響を受けることもある。例えば、間隙は、温度変化によって影響を受ける可能性がある。変換器アセンブリ10の構成部品は、それぞれが特有の熱膨張係数を有する多種多様な材料から作製することができるため、周囲環境における温度変化によって、ダイヤフラム56は導体46に接近または離れる方向に移動する可能性がある。好都合な点は、温度変化による間隙の変化は、圧力差の変化による間隙の変化とは異なる特性を有する。周囲環境温度の変化によって生じる間隙の変化を補償するために、上部筐体40の下面47上に、導体46と隣接して配置された第2の導体(図示せず)を含むことが知られている。このような実施形態では、導体46、58は可変コンデンサC1の平行板を形成し、導体58と第2導体は可変コンデンサC2の平行板を形成する。2つのコンデンサC1、C2を公知の方法で使用して、温度変化に対する変換器の感度を低減することができる。
【0012】
上部筐体40は、下面47とこの上に置かれたいずれかの導体とが、チャンバ52、54内の圧力が等しいときに導体58(すなわち、ダイヤフラム56)によって形成された面と平行な面に置かれるように位置合わせされている。上述のとおり、導体46、58によって形成される静電容量は、これらの対向する導体間に存在する間隙(すなわち、軸方向の距離)に依存している。比較的小さい(例えば、0.0004インチ(10〜12μm)程度)間隙は、一部は、シール70の厚さと、上部筐体40の形状および構成(例えば、下面42aが平面から外れる量、すなわち、もしあるとすれば、下面47に対するずれ)に左右される。
【0013】
シール70および76を形成する方法は、米国特許第6,122,976号で開示されている。この方法では、2つの面間に固体ガラスビーズを置き、その後に封止ビーズを融解することによって、シールが形成される。融解すると、融解したビーズは2つの面間の空間内に流れ込む。冷却すると、流れた封止ビーズ材料は2つの面間にシールを形成する。
【0014】
図2は図1Aおよび1Bの上部筐体40の底面図を示す。米国特許第6,122,976号の教示によれば、ガラス粒子が接着剤および溶剤と混合され、ペースト材料が形成される。次に、ペースト材料はシールが形成される面上に、例えば上部筐体40の肩部42の下部面42aおよび下部筐体60の肩部62の上部面62a上に、封止ビーズ72のパターンとして置かれる。封止ビーズ72のパターンは、適切なスクリーン印刷またはパッド/ブラシ印刷堆積プロセスを利用して、表面上に配置および形成することができる。以下に詳細に説明されるとおり、封止ビーズ72は、封止ビーズ72間に開放チャネル78が存在するように置かれる。封止ビーズ(ペースト)72のパターンが面上に置かれた後、封止ビーズ72は乾燥プロセス、「バーンオフ」プロセス、およびその後の前融解/焼結プロセスを受ける。各後続ステップでは、封止ビーズ72は段階的に上昇する高温度に曝される。例えば、封止ビーズ72は乾燥プロセスの間に、100〜150℃に加熱され、融解プロセスの間に325〜375℃に加熱され、前融解/焼結プロセスの間に490〜500℃に加熱される。堆積された封止ビーズ(ペースト)72は乾燥プロセスにおいて硬化され、加工に耐えることができる。バーンオフ・プロセスの間に、溶剤および接着剤の一部がペーストからバーンアウトされる。バーンオフ・プロセスが正しく実行されない場合、シールは不浸透性にはならず、また構造的に不完全になる。封止ビーズ72が十分に脱ガス(バーンオフ)されたとき、温度をさらに上げて前融解/焼結プロセスが実行される。前融解/焼結プロセスの間、ビーズ72内に存在するガラス粒子は共に融解する。しかし、前融解/焼結ステップの間に、ビーズ72は開放チャネル78内に流れ込まない。前融解/焼結ステップの後、封止ビーズ72は冷却される。冷却後、封止ビーズ72は所望の高さを有するように、機械的加工、例えば研磨することができる。用途によっては、(非融解)封止ビーズ72の所望の高さは、例えば約20〜24μmに形成できる。
【0015】
ビーズ72の置かれるパターン(図2に示される)は、シール70(またはシール76)が形成される間における、完全に脱ガスするビーズ72の能力に影響を与える。封止ビーズ72の脱ガスを促進するために、封止ビーズ72間にチャネル78を有するように封止ビーズ72を置くことが有利である。封止ビーズ72とビーズ間に置かれるチャネル78との断面寸法は、所望の脱ガス効果を達成できるように選択される。例示的な一実施形態では、封止ビーズ72は0.1〜0.5mmの直径を有し、チャネル78はほぼ同一寸法の幅を有する。
【0016】
封止ビーズ72が、上述のようにして下部面42aと上部面62aとの上に置かれ、調製された後、ダイヤフラム56は、下部面42a上に置かれた封止ビーズ72がダイヤフラム56の上部面57の封止領域と接触するように上部筐体40に位置合わせされ、また、下部筐体60は、上部面62a上に置かれた封止ビーズ72がダイヤフラム56の下部面59の封止領域と接触するようにダイヤフラム56に位置合わせされる。次に、圧縮力が、上部筐体40、ダイヤフラム56および下部筐体60に対して、ダイヤフラム56の向きにほぼ垂直に加えられる。次に、高温度(すなわち、前融解/焼結ステップの間に加えられた温度より高い)を加えて、封止ビーズ72を融解する。融解すると、封止ビーズ72が流れて、上部筐体40の肩部42とダイヤフラム56の上部封止領域との間、ならびに下部筐体60の肩部62とダイヤフラム56の下部封止領域との間に存在する空隙(すなわち、チャネル)を満たす。冷却すると、このようにして、封止ビーズ72は、ダイヤフラム56と上部筐体40および下部筐体60との間にそれぞれ位置する気密シール70、76を形成する。所望の高さ(すなわち厚み)および面積を有するシール70(およびシール76)を形成するために、非融解封止ビーズ72の断面積および高さは、封止ビーズ72材料の全容積が所望のシール70を形成するのに十分である(すなわち、封止ビーズ72の全容積が所望のシール70の容積にほぼ等しい)ように設定される。
【0017】
容積型圧力変換器の導体を相互に正確に位置合わせおよび方向付けできない場合、容積型圧力変換器の性能特性に悪影響を与える。例えば、対向導体46、58の間の間隙が厳格な寸法許容差で制御して形成されていない場合、容積型圧力変換器は許容できない性能特性を有することになる。さらに、間隙が一定に制御されていない場合、全部が同一性能特性を有する多数の変換器の製造が困難になる。
【0018】
上述の封止方法は、形成されたシール70が正確で一定の厚みを有することを必ずしも保証しない。例えば、過剰または不十分な量の封止ビーズ72材料を使用してシール70を形成する場合、シール70は厚過ぎるかまたは薄過ぎる可能性がある。また、融解および冷却ステップの間における上部筐体40とダイヤフラム56との間に加えられる圧縮力が均一でない場合、シール70の厚みは一定にならない可能性がある。
【0019】
したがって、容積型圧力変換器の筐体とダイヤフラムとの間のシールを高精度に形成する方法の必要性が存在する。
【特許文献1】米国特許第5,920,015号
【特許文献2】米国特許第6,122,976号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
静電容量圧力変換器の筐体とダイヤフラムとの間のシールを高精度で形成する方法およびシステムに関する。特定の静電容量圧力変換器では、静電容量圧力変換器の対向する導体間の軸方向距離は、部分的には、筐体とダイヤフラムとの間に配置されるシールの厚みに依存する。本明細書に記載されるとおり、高温および低温封止ビーズを利用して、正確で一定の厚みを有するシールを形成する。正確で一定の厚みを有するシールを利用することによって、静電容量圧力変換器の対向する導体は、製造プロセスの間において、相互に正確に位置合わせおよび方向付けすることができる。
【課題を解決するための手段】
【0021】
1つの方法では、高温封止ビーズの高さは既知の高さに設定される。次に、低温封止ビーズは高温封止ビーズの間で、ビーズの回りに置かれる。次に、低温封止ビーズおよび高温封止ビーズは、低温封止ビーズを融解するには十分であるが、高温封止ビーズを融解するには不十分は温度に曝される。融解された低温封止ビーズは非融解高温封止ビーズ回りを流れる。凝固すると、低温封止ビーズおよび高温封止ビーズは合わさってシールを形成する。シール製造プロセスの間に高温封止ビーズは融解しないため、シール厚みは、非融解高温封止ビーズの高さを制御することにより設定できる。完成したシールでは、シールの製造の間に融解して流れる低温封止ビーズは、高温封止ビーズ回りに共形的に配置される低温材料に変化している。「共形的に配置される」とは、低温材料が高温封止ビーズ回りに流れることにより、低温材料中の空隙が高温封止ビーズ材料によって全体に範囲を限定され、満たされることを意味する。しかし、いくつかの満たされない空隙が低温材料内に存在することもある(例えば、高温封止ビーズと低温材料との境界面)。このような空隙の形成を避けることは望ましいが、空隙が十分に小さく、空隙の数も十分に少ない限り、空隙の存在はシールの完全性を損なわず、また低温材料が高温封止ビーズ回りに共形的に配置されないことを意味しない。
【0022】
本発明のさまざまな目的、特徴および利点は、以下の図面と合わせて考慮する場合、本発明の以下の詳細な説明を参照して、十分に理解することができる。図面では、同様の参照符号は同様の構成要素を特定している。以下の図面は、単に例示を目的とするだけであって、本発明を限定するものではない。本発明の権利範囲は、以下の特許請求の範囲で記載されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
静電容量圧力変換器の筐体とダイヤフラムとの間のシールを高精度で形成する方法およびシステムに関する。本発明は高温および低温封止ビーズを利用して、正確で均一な、一定の厚みを有する流体気密シールを形成する方法を提供する。制御された厚みを有するシールを形成することによって、対向する導体間の軸方向距離を正確に制御できる。
【0024】
図3は、本発明によって構成される例示的な静電容量圧力変換器アセンブリ100の断面図を示す。従来の静電容量圧力変換器アセンブリ10と同様に、アセンブリ100は上部筐体40、ダイヤフラム56、および下部筐体60を含む。図3Bは、図3Aに示されるアセンブリ100の上部筐体40、ダイヤフラム56、および下部筐体60の分解組立図である。従来の変換器アセンブリ10と異なり、アセンブリ100はダイヤフラム56と上部筐体40との間に置かれる改良されたシール170を含む。封止されると、上部筐体40、シール70、およびダイヤフラム56は基準チャンバ152を形成する。
【0025】
同様に、改良されたシール176はダイヤフラム56と下部筐体60との間に置くことができる。封止されると、下部筐体60、シール176、およびダイヤフラム56はプロセスチャンバ154を形成する。
【0026】
シール170は、高温および低温封止ビーズを用いて形成される。高温封止ビーズは低温封止ビーズより高い融解温度を有する。低温封止ビーズより高い融解温度を有する高温封止ビーズを実現するために、高温封止ビーズおよび低温封止ビーズは異なる材料から構成するか、または異なる量の共通材料を有することができる。
【0027】
形成されたシール170は正確な一定の厚みを有する。正確な一定の厚みを有するシールを利用することにより、静電容量圧力変換器の対向する導体は、製造プロセスの間において、相互に正確に位置合わせおよび方向付けすることができる。
【0028】
図4は、上部筐体40の肩部42の下部面42a上に配置された複数の高温封止ビーズ172を示す。図に示すとおり、高温封止ビーズ172は肩部42の下部面42a上に均一に分布する。高温封止ビーズ172はガラス材料から構成され、封止ビーズ72が配置されたのと同様にして(図2に関連して上に述べたとおり)配置され、処理される。例えば、高温封止ビーズ172は当分野で公知の印刷プロセスによって配置され、次に、熱を加えて乾燥される。その後、高温封止ビーズ172に含有される溶剤および接着剤の大部分は、高温封止ビーズ172を高温度に曝すことによりバーンオフされ、高温封止ビーズ172はさらに高温度に曝すことによって前融解/焼結される。前融解/焼結のステップ後、高温封止ビーズ172は冷却され、高温封止ビーズ172が凝固する。高温封止ビーズ172は、高温ペーストをビーズ172として配置し、ビーズ172を125℃に達するまで40℃/分の温度増加に曝し、約15分間125℃を維持し、さらに、ビーズ172を720℃に達するまで40℃/分の温度増加に曝し、約10分間720℃を維持し、その後、40℃/分の速度で温度を低下することによって形成できる。形成された高温封止ビーズ172は約725℃の融解温度を有する。
【0029】
高温封止ビーズ172はシール170の形成の間は融解しない(すなわち、液体状態で流れない)。むしろ、高温封止ビーズ172はシール170の厚みを決定するスペーサとして作用する。言い換えると、一体に封止される2つの面の間に延びるペデスタルとして作用することにより、高温封止ビーズ172はシール170の厚みを設定する。意図する厚み(おとび一定厚み)を有するシール170を実現するために、高温封止ビーズ172は意図する厚みに等しいビーズ高さを有することが重要である。シール170が所望の厚みを有することを保証する1つの簡単な方法は、シール170の所望の厚みより厚い高温封止ビーズ172を用いて開始することである。ビーズ172が肩部42上に配置された後、ビーズ172は、厚み(すなわち、高さ)がシール170の所望の厚みに一致するまで研磨される。シール170の所望の厚みは、例えば、10〜12μmであってもよい。
【0030】
ラッピング/研磨技法に加えて、高温封止ビーズ172の高さは、当分野で公知の、例えばエッチング、反応イオンエッチング(ドライエッチング)またはレーザ切断技法によっても生成できる。高温封止ビーズ172の高さは、当分野で公知の、例えばドロップインジケータ(drop indicator)測定、レーザ測定またはターゲット−静電容量測定技法を用いて測定できる。
【0031】
次に図5を参照すると、高温封止ビーズ172は肩部42の下部面42a上に配置され、形成される、これらのビーズ高さが生成される。次に、低温封止ビーズ174が下部面42a上の高温封止ビーズ172の間および回りに配置される。低温封止ビーズ174は高温封止ビーズ172より低い融点を有する。有利には、低温封止ビーズ174はビーズが配置される表面上に均等に分布する。図4および図5における高温封止ビーズ172および低温封止ビーズ174は、上部筐体40の肩部42の下部面42a上に配置され、形成されて図示されているが、代わりに、高温封止ビーズ172および低温封止ビーズ174は、ダイヤフラム56の上部面57の封止領域上に配置し、形成することができる。好ましくは、低温封止ビーズ174はガラス材料から構成され、上述のとおり、高温封止ビーズ172と同一方法(異なる処理温度を用いる)で配置され、処理される。
【0032】
低温封止ビーズ174は、低温封止ビーズ174と高温封止ビーズ172との間に開放チャネル178を残すようにして、高温封止ビーズ172の間および回りに配置される。開放チャネル178の存在によって、低温封止ビーズ174は、最終封止(融解および冷却)ステップの間に適正に脱ガスされる。低温封止ビーズ174が配置された後(例えば、上述の乾燥、バーンオフおよび前融解/焼結ステップ後)、上部筐体40およびダイヤフラム56を相互に圧縮し、十分に加熱して、高温封止ビーズ172を融解することなく低温封止ビーズ174を融解することにより、シール170が形成される。
【0033】
低温封止ビーズ174が融解すると、低温材料を形成し、この材料の一部が開放チャネル178内に流れ込み、チャネルを満たす。このように、低温封止ビーズ174は非融解高温封止ビーズ172と共に、一体としてシール170を形成する。適正な量(すなわち、容積)の低温封止ビーズ174が上部筐体40の肩部42上に配置され――同時に、開放チャネルを生成する――これにより、融解すると、低温封止ビーズ174材料(高温封止ビーズ172の容積と共に)はシール170が占有する空間を適正に満たす。したがって、低温封止ビーズ174を融解する前に、低温封止ビーズ174も特定のビーズ高さを有することを保証するのが望ましい。
【0034】
このように、低温封止ビーズ174が冷却した後(すなわち、乾燥、バーンオフおよび前融解/焼結ステップ後)、各低温封止ビーズ174のビーズ高さが測定され、目標の低温封止ビーズ高さと比較される。低温封止ビーズ174の測定されたビーズ高さが目標の低温封止ビーズ高さを超える場合、低温封止ビーズ174を研磨して、高さが目標の低温封止ビーズ高さに等しくなるようにする。目標の低温封止ビーズ高さより低いビーズ高さを有する低温封止ビーズ174を得ることを避けるために、有利には、低温封止ビーズ174を、表面上に目標の低温封止ビーズ高さを超えるビーズ高さで配置する。低温封止ビーズ174が融解して開放チャネル178を満たすため、目標の低温封止ビーズ高さは一般に、目標の高温封止ビーズ高さより高くなる。目標の低温封止ビーズ高さは、例えば、目標の高温封止ビーズ高さの2倍にできる。
【0035】
次に図6および7を参照する。高温封止ビーズ172および低温封止ビーズ174が上部筐体40の下部面42a上に配置され、形成されると、次に、ダイヤフラム56は、低温封止ビーズ174が上部筐体40の肩部42からダイヤフラム56の封止領域に延びるように、上部筐体40に位置合わせされる。上部筐体40をダイヤフラムに対して適正な関係に維持するために、圧縮力Fが、上部筐体40とダイヤフラム56との間に、ダイヤフラム56の方向にほぼ垂直の方向に加えられる。圧縮力Fは十分な質量(すなわち、重量体)を上部筐体40の上面に置くか、または上部筐体40とダイヤフラム56との間に、例えばプレスを使用して圧縮力を加えることにより、生成できる。圧縮力Fを加えることにより、低温封止ビーズ174が融解したときに、低温封止ビーズ174が開放チャネル178に流れ込み、チャネルを満たすことを保証し、また高温封止ビーズ172がダイヤフラム56の上部面57に接触することを保証する。
【0036】
ダイヤフラム56が上部筐体40に位置合わせされた後(図6)、低温封止ビーズ174は、低温封止ビーズ175の融点より高いが、高温封止ビーズ172の融点より低い温度に曝される。融解すると、低温封止ビーズ174は開放チャネル178に流れ込み、チャネルを満たす。冷却すると、先に融解された低温封止ビーズ174と高温封止ビーズ172とが一体となってシール170を形成する(図7)。温度が高温封止ビーズ172の融点以下に維持されていたため、非融解高温封止ビーズ172のビーズ高さhはシール170の厚みを生成する。このように、非融解高温封止ビーズ172のビーズ高さhのそれぞれを一定高さに設定することにより、シール170は正確に均一な厚みに形成できる。さらに、圧縮力Fが封止領域全体にわたり不均一に加えられると、シール170の厚みは悪影響を受ける。
【0037】
図8は、静電容量圧力変換器アセンブリ100の導体46と58との間に存在する間隙g(すなわち、軸方向距離)がどのように、部分的に、シール170の厚みに依存するかを示す。上述のとおり、上部筐体40の下部面42aおよび面47は実質的に同一平面である。上部筐体40は、チャンバ152、154内の圧力が等しいときに、上部筐体40の面47がダイヤフラム56の面57と平行になるように位置合わせされる。チャンバ152、154内の圧力が等しいときは、ダイヤフラム56に作用する差圧はゼロであり、したがって、ダイヤフラム56は圧力で生じるたわみを一切受けない。図8で明らかなとおり、チャンバ152、154内の圧力が等しいとき、導体46、58の間に存在する間隙gは、シール170の厚み(高温封止ビーズ172のビーズ高さh)から導体46、58の厚みを差し引いた値になる。
【0038】
しかし、ダイヤフラム56に差圧が加えられると、ダイヤフラム56の一部が差圧に応じてたわむ。したがって、間隙gは差圧の大きさと方向に応じて増加または減少する。例えば、プロセスチャンバ154内の圧力が基準チャンバ152内の圧力より高くなると、ダイヤフラム56の一部が上部筐体40の面47方向にたわみ、導体46、58間の間隙gが減少する。逆に、プロセスチャンバ154内の圧力が基準チャンバ152内の圧力より低くなると、ダイヤフラム56の一部が上部筐体40の面47から離れる方向にたわみ、導体46、58間の間隙gが増加する。
【0039】
シール170の厚みおよび導体46、58の厚みに依存する間隙gを設ける代わりに、有利には、シール170の厚みにほぼ等しい間隙gを有する静電容量圧力変換器アセンブリを実現する。図9〜11は、シール170の厚みにほぼ等しい間隙gを有する静電容量圧力変換器アセンブリ200の部分断面図を示す。アセンブリ200は、層246が肩部42の下部面42a上に配置されており、層258がダイヤフラム56の上部面57上に配置されている点を除いて、アセンブリ100と同様である。図9で明らかなとおり、層246、258は下部面42aと上部面57のそれぞれ上の、シール170が形成される領域に配置される。封止されると、上部筐体40、シール170、層246、258、およびダイヤフラム56は基準チャンバ252を形成する。層246は導体46の厚みにほぼ等しい厚みを有し、一方、層258は導体58の厚みにほぼ等しい厚みを有する。層246は、導体46が下部面47上に形成されるのと同時に下部面42a上に形成でき、また、導体46と同一材料から構成できる。同様に、層258は、導体58が上部面57上に形成されるのと同時に上部面57上に形成でき、また、導体58と同一材料から構成できる。層246が肩部42の下部面42a上に配置された後、高温封止ビーズ172(ビーズ高さhを有する)および低温封止ビーズ174は、上述の技法によって層264上に配置し、形成することができる。
【0040】
ダイヤフラム56は上部筐体40に位置合わせされた後(図9)、圧縮力Fが加えられ、次に、低温封止ビーズ174が融解される。冷却すると、先に融解された低温封止ビーズ174と高温封止ビーズ172とが一体となって、層246、258の間に位置するシール170を形成する(図10)。図11で明らかなとおり、層246、258の厚みは、チャンバ252、154内に圧力が等しいときは、それぞれ導体46、58の厚みにほぼ等しいため、導体46、58間に存在する間隙gはシール170の厚みにほぼ等しい。生成されたシール170の厚みは高温封止ビーズ172のビーズ高さhにより設定され、したがって、アセンブリ200の間隙gはビーズ高さhにほぼ等しくなり、そしてビーズ高さhにより制御される。
【0041】
層246、258は導電材料または非導電材料から構成できる。導電材料が使用される場合、層246、258は導体46および58に対する静電容量ガードとして作用する。
【0042】
製造される上部筐体40およびダイヤフラム56の製造許容差は、これらのセンサ構成部品の製造の間において、本発明を利用してこのような構成部品間にシールを形成することにより、公知の方法で制御できるため、対向電極間の軸方向距離は正確に均一および一定に確立できる。正確で均一および一定の厚みを有するシール170を提供することにより、本発明を利用して、安定した高信頼性能特性を有する変換器アセンブリを実現できる。
【0043】
アセンブリ100、200の上部筐体40は、下部面42aとほぼ同一平面である中心下部面47を有する。他の静電容量圧力変換器アセンブリでは、上部筐体40の中心下部面47は肩部42の下部面42aから若干の距離だけずれている。したがって、ダイヤフラムの両側におけるチャンバ内の圧力が等しい場合、導体46、58の間に存在する空隙gはシール170の厚みと、面47が下部面42aからずれる量とに依存する。しかし、同一平面は一般に、同一平面でない面(例えば、平行であるが相互にずれている面)に比べて小さい許容差で製造できるため、下部面42aとほぼ同一平面である中心下部面47を有する上部筐体40を利用するのが有利である。
【0044】
図4および図5の低温封止ビーズ174および高温封止ビーズ172は、円形断面を有して示されているが、低温封止ビーズ174および高温封止ビーズ172の断面は正方形、長方形、菱形またはparallel−epipedic形状(例えば、相互に近接して配置される先端を有する)、六角形であってもよく、あるいは、さまざまな他の許容できる形状を有してもよい。低温封止ビーズ174および高温封止ビーズ172の断面は同一でなくてもよい。
【0045】
本発明は、これまで、上部筐体40、ダイヤフラム56、および下部筐体60がすべてセラミック材料(例えば、酸化アルミニウム)から作られる、セラミック圧力変換器アセンブリに関連して述べてきた。しかし、本発明から逸脱することなく、他の材料を使用することもできる。
【0046】
本明細書においては、本発明の教示を組み入れたさまざまな実施形態を図示し、説明してきたが、当業者であれば、これら教示を組み入れた多くの他のさまざまな実施形態を容易に考案することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1A】従来の静電容量センサの断面図である。
【図1B】図1Aの従来の静電容量センサの部分拡大断面図である。
【図2】封止ビーズを静電容量センサの筐体上に置き、筐体とダイヤフラムとの間にシールを形成できる方法を示す。
【図3A】本発明によって構成される静電容量センザの一実施形態の断面図である。
【図3B】図3Aの静電容量センサの部分拡大断面図である。
【図4】静電容量センサの筐体上に高温封止ビーズを置く例示的な方法を示す図である。
【図5】静電容量センサの筐体上に低温封止ビーズを置く例示的な方法を示す図である。
【図6】静電容量センサの筐体とダイヤフラムとの間にシールを形成する例示的な方法における1つのステップを示す図である。
【図7】静電容量センサの筐体とダイヤフラムとの間にシールを形成する例示的な方法における別のステップを示す図である。
【図8】本発明によって静電容量センサの筐体とダイヤフラムとの間に形成される例示的なシールの拡大図である。
【図9】静電容量センサの筐体とダイヤフラムとの間にシールを形成する例示的な方法における1つのステップを示す図である。
【図10】静電容量センサの筐体とダイヤフラムとの間にシールを形成する例示的な方法における別のステップを示す図である。
【図11】本発明によって静電容量センサの筐体とダイヤフラムとの間に形成される例示的なシールの拡大図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電容量圧力変換器アセンブリの筐体とダイヤフラムとの間にシールを形成する方法であって、
封止領域上に第1セットのビーズを配置することであって、前記封止領域は筐体の一部または前記ダイヤフラムの一部のいずれかであり、前記第1セットのビーズは第1融解温度特性を有することと、
封止領域上に第2セットのビーズを配置することであって、前記第2セットのビーズは第2融解温度特性を有し、前記第2融解温度は前記第1融解温度より低いことと、
前記筐体と前記ダイヤフラムとを相互に付勢して、前記第2セットのビーズの少なくとも一部は前記筐体および前記ダイヤフラムと接触するようにすることと、
前記ダイヤフラムおよび筐体を、前記第1および第2融解温度間の温度に加熱し、これにより、前記第2セットのビーズの少なくとも一部分を融解することと、
前記ダイヤフラムおよび筐体を前記第2融解温度より低い温度にまで冷却することと、
を備える方法。
【請求項2】
前記ダイヤフラムは、セラミック材料から構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記セラミック材料は、酸化アルミニウムから構成される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記筐体は、セラミック材料から構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1および第2セットのビーズは、ガラス材料から構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ダイヤフラムおよび前記筐体は、酸化アルミニウムを含むセラミック材料から成り、前記第1および第2セットのビーズはガラス材料から構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1セットの各ビーズは、ほぼ同一のビーズ高さを有することを確立することをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1セットの各ビーズはほぼ同一のビーズ高さを有することを確立することは、
前記第1セットの各ビーズのビーズ高さを測定することと、
前記測定されたビーズ高さを目標のビーズ高さと比較することと、
前記測定されたビーズ高さが前記目標のビーズ高さを超える場合、ビーズを研磨して、前記目標のビーズ高さを得ることと、
を備える、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記付勢は、前記静電容量圧力変換器上に追加の重量体を置くことにより生じる、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記付勢は、前記筐体と前記ダイヤフラムとの間に加えられる外部力によって生じる、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記第1セットのビーズの少なくとも一部が前記筐体および前記ダイヤフラムに接触するまで、前記ダイヤフラムおよび筐体の前記力を加え続け、加熱することをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記第1および第2セットのビーズは印刷プロセスによって配置される、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記第1および第2セットの各ビーズはガラス粒子から構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記配置された第1セットのビーズを乾燥することと、
前記配置された第1セットのビーズ内に存在する、いずれかの有機溶剤および接着剤の少なくとも一部を脱ガスすることと、
前記第1セットのビーズの各ビーズ内で、各ビーズに含有される前記グラス粒子の少なくとも一部を一緒に融解することと、
前記第1セットのビーズを冷却することにより、この第1セットのビーズを凝固することと、
前記第1セットのビーズの各ビーズのビーズ高さを測定することと、
前記第1セットのビーズの各ビーズの前記測定されたビーズ高さを目標のビーズ高さと比較することと、
前記測定されたビーズ高さが前記目標のビーズ高さを超える場合、前記第1セットのビーズ内のビーズを前記目標のビーズ高さにまで研磨することと、
をさらに備える、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第2セットの各ビーズはガラス粒子から構成される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記配置された第2セットのビーズを乾燥することと、
前記配置された第2セットのビーズ内に存在する、いずれかの有機溶剤および接着剤の少なくとも一部を脱ガスすることと、
前記第2セットのビーズの各ビーズ内で、各ビーズに含有される前記グラス粒子の少なくとも一部を一緒に融解することと、
前記第2セットのビーズを冷却することにより、この第2セットのビーズを凝固することと、
前記第2セットのビーズの各ビーズのビーズ高さを測定することと、
前記第2セットのビーズの各ビーズの前記測定されたビーズ高さを第2の目標のビーズ高さと比較することと、
前記ビーズの前記測定されたビーズ高さが第2の前記目標のビーズ高さを超える場合、前記第2セットのビーズ内のビーズを第2の前記目標のビーズ高さにまで研磨することと、
をさらに備える、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1および第2セットのビーズは、チャネルが近接のビーズ間に存在するようにして前記封止面上に配置される、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
静電容量圧力変換器であって、
筐体と、
前記筐体の面上に配置されている第1導体と、
ダイヤフラムであって、このダイヤフラムの一部がダイヤフラム上に作用する差圧に応答して移動する、ダイヤフラムと、
前記ダイヤフラム上に配置されている第2導体であって、前記第1および第2導体は静電容量を生成し、この静電容量は前記ダイヤフラムの一部と前記第1導体との間に存在する空隙を表す、第2導体と、
前記筐体の一部と前記ダイヤフラムの一部との間に配置されているシールと、
を備え、
前記シールはセットのスペーサ素子を少なくとも部分的に囲む第1素子を含み、
前記第1素子および前記スペーサはガラス材料から構成され、
前記シールは前記スペーサ素子の高さにほぼ等しい厚みを有し、
前記第1素子は第1融解温度特性を有し、
前記スペーサ素子は第2融解温度特性を有し、前記第1融解温度は前記第2融解温度より低い、静電容量圧力変換器。
【請求項19】
前記ダイヤフラムは、セラミック材料から構成されている、請求項18に記載の変換器。
【請求項20】
前記セラミック材料は、酸化アルミニウムから構成されている、請求項19に記載の変換器。
【請求項21】
前記筐体は、セラミック材料から構成されている、請求項18に記載の変換器。
【請求項22】
前記ダイヤフラムおよび前記筐体は、酸化アルミニウムを含むセラミック材料から成り、前記第1素子および前記セットのスペーサ素子はガラス材料から構成されている、請求項18に記載の変換器。
【請求項23】
前記ダイヤフラムの前記一部と前記第1導体との間に存在する前記間隙は、前記シールの厚みに依存する、請求項18に記載の変換器。
【請求項24】
前記間隙は、前記シールの厚みにほぼ等しい、請求項23に記載の変換器。
【請求項25】
前記第1導体は、第1厚みを有し、前記第2導体は第2厚みを有し、
前記間隙は前記シールの厚みから前記第1および第2厚みを差し引いた値にほぼ等しい、請求項23に記載の変換器。
【請求項26】
前記変換器は、絶対圧力を測定できる、請求項18に記載の変換器。
【請求項27】
前記変換器は、ゲージ圧力を測定できる、請求項18に記載の変換器。
【請求項28】
前記変換器は、差圧を測定できる、請求項18に記載の変換器。
【請求項29】
静電容量圧力変換器アセンブリであって、
内部空洞を形成する本体と、
前記本体内に配置されているダイヤフラムであって、このダイヤフラムは前記内部空洞を第1チャンバと第2チャンバに分割し、前記ダイヤフラムの一部が、前記第2チャンバ内の圧力より高い第1チャンバ内の圧力に応答して第1方向に移動し、前記ダイヤフラムの前記一部は、前記第1チャンバ内の圧力より高い第2チャンバ内の圧力に応答して第1方向と反対の第2方向に移動する、ダイヤフラムと、
前記本体上に配置されている第1導体と、
前記ダイヤフラム上に配置されている第2導体であって、前記第1および第2導体は静電容量を生成し、この静電容量は前記ダイヤフラムの一部と前記第1導体との間に存在する空隙を表す、第2導体と、
前記本体の一部と前記ダイヤフラムの一部との間に配置されているシールと、
を備え、
前記シールはセットのスペーサ素子を少なくとも部分的に囲む第1素子を含み、
前記シールは前記スペーサ素子の高さにほぼ等しい厚みを有し、
前記第1素子は第1融解温度特性を有し、
前記スペーサ素子は第2融解温度特性を有し、前記第1融解温度は前記第2融解温度より低い、静電容量圧力変換器アセンブリ。
【請求項30】
前記ダイヤフラムは導電性であり、前記第2導体として作用する、請求項29に記載のアセンブリ。
【請求項31】
前記ダイヤフラムは非導電性であり、前記第2導体は前記ダイヤフラム上に配置されている、請求項29に記載のアセンブリ。
【請求項32】
前記ダイヤフラムは、セラミック材料から構成されている、請求項31に記載のアセンブリ。
【請求項33】
前記本体は上部筐体と下部筐体とを備え、前記上部筐体および前記ダイヤフラムは前記第1チャンバを形成している、請求項29に記載のアセンブリ。
【請求項34】
前記上部筐体は、セラミック材料から構成されている、請求項33に記載のアセンブリ。
【請求項35】
前記ダイヤフラムおよび前記上部筐体は、酸化アルミニウムを含むセラミック材料から成り、前記第1素子および前記セットのスペーサ素子は、ガラス材料から構成されている、請求項33に記載のアセンブリ。
【請求項36】
前記第1素子および前記セットのスペーサ素子は、ガラス材料から構成されている、請求項29に記載のアセンブリ。
【請求項37】
前記変換器アセンブリは、絶対圧力を測定できる、請求項29に記載のアセンブリ。
【請求項38】
前記変換器アセンブリは、ゲージ圧力を測定できる、請求項29に記載のアセンブリ。
【請求項39】
前記変換器アセンブリは、差圧を測定できる、請求項29に記載のアセンブリ。
【請求項40】
前記ダイヤフラムの前記一部と前記第1導体との間に存在する前記間隙は、前記シールの厚みに依存する、請求項29に記載のアセンブリ。
【請求項41】
前記間隙は前記シールの厚みにほぼ等しい、請求項40に記載のアセンブリ。
【請求項42】
前記第1導体は第1厚みを有し、前記第2導体は第2厚みを有し、
前記間隙は前記シールの厚みから前記第1および第2厚みを差し引いた値にほぼ等しい、請求項40に記載のアセンブリ。
【請求項1】
静電容量圧力変換器アセンブリの筐体とダイヤフラムとの間にシールを形成する方法であって、
封止領域上に第1セットのビーズを配置することであって、前記封止領域は筐体の一部または前記ダイヤフラムの一部のいずれかであり、前記第1セットのビーズは第1融解温度特性を有することと、
封止領域上に第2セットのビーズを配置することであって、前記第2セットのビーズは第2融解温度特性を有し、前記第2融解温度は前記第1融解温度より低いことと、
前記筐体と前記ダイヤフラムとを相互に付勢して、前記第2セットのビーズの少なくとも一部は前記筐体および前記ダイヤフラムと接触するようにすることと、
前記ダイヤフラムおよび筐体を、前記第1および第2融解温度間の温度に加熱し、これにより、前記第2セットのビーズの少なくとも一部分を融解することと、
前記ダイヤフラムおよび筐体を前記第2融解温度より低い温度にまで冷却することと、
を備える方法。
【請求項2】
前記ダイヤフラムは、セラミック材料から構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記セラミック材料は、酸化アルミニウムから構成される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記筐体は、セラミック材料から構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1および第2セットのビーズは、ガラス材料から構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ダイヤフラムおよび前記筐体は、酸化アルミニウムを含むセラミック材料から成り、前記第1および第2セットのビーズはガラス材料から構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1セットの各ビーズは、ほぼ同一のビーズ高さを有することを確立することをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1セットの各ビーズはほぼ同一のビーズ高さを有することを確立することは、
前記第1セットの各ビーズのビーズ高さを測定することと、
前記測定されたビーズ高さを目標のビーズ高さと比較することと、
前記測定されたビーズ高さが前記目標のビーズ高さを超える場合、ビーズを研磨して、前記目標のビーズ高さを得ることと、
を備える、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記付勢は、前記静電容量圧力変換器上に追加の重量体を置くことにより生じる、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記付勢は、前記筐体と前記ダイヤフラムとの間に加えられる外部力によって生じる、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記第1セットのビーズの少なくとも一部が前記筐体および前記ダイヤフラムに接触するまで、前記ダイヤフラムおよび筐体の前記力を加え続け、加熱することをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記第1および第2セットのビーズは印刷プロセスによって配置される、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記第1および第2セットの各ビーズはガラス粒子から構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記配置された第1セットのビーズを乾燥することと、
前記配置された第1セットのビーズ内に存在する、いずれかの有機溶剤および接着剤の少なくとも一部を脱ガスすることと、
前記第1セットのビーズの各ビーズ内で、各ビーズに含有される前記グラス粒子の少なくとも一部を一緒に融解することと、
前記第1セットのビーズを冷却することにより、この第1セットのビーズを凝固することと、
前記第1セットのビーズの各ビーズのビーズ高さを測定することと、
前記第1セットのビーズの各ビーズの前記測定されたビーズ高さを目標のビーズ高さと比較することと、
前記測定されたビーズ高さが前記目標のビーズ高さを超える場合、前記第1セットのビーズ内のビーズを前記目標のビーズ高さにまで研磨することと、
をさらに備える、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第2セットの各ビーズはガラス粒子から構成される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記配置された第2セットのビーズを乾燥することと、
前記配置された第2セットのビーズ内に存在する、いずれかの有機溶剤および接着剤の少なくとも一部を脱ガスすることと、
前記第2セットのビーズの各ビーズ内で、各ビーズに含有される前記グラス粒子の少なくとも一部を一緒に融解することと、
前記第2セットのビーズを冷却することにより、この第2セットのビーズを凝固することと、
前記第2セットのビーズの各ビーズのビーズ高さを測定することと、
前記第2セットのビーズの各ビーズの前記測定されたビーズ高さを第2の目標のビーズ高さと比較することと、
前記ビーズの前記測定されたビーズ高さが第2の前記目標のビーズ高さを超える場合、前記第2セットのビーズ内のビーズを第2の前記目標のビーズ高さにまで研磨することと、
をさらに備える、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1および第2セットのビーズは、チャネルが近接のビーズ間に存在するようにして前記封止面上に配置される、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
静電容量圧力変換器であって、
筐体と、
前記筐体の面上に配置されている第1導体と、
ダイヤフラムであって、このダイヤフラムの一部がダイヤフラム上に作用する差圧に応答して移動する、ダイヤフラムと、
前記ダイヤフラム上に配置されている第2導体であって、前記第1および第2導体は静電容量を生成し、この静電容量は前記ダイヤフラムの一部と前記第1導体との間に存在する空隙を表す、第2導体と、
前記筐体の一部と前記ダイヤフラムの一部との間に配置されているシールと、
を備え、
前記シールはセットのスペーサ素子を少なくとも部分的に囲む第1素子を含み、
前記第1素子および前記スペーサはガラス材料から構成され、
前記シールは前記スペーサ素子の高さにほぼ等しい厚みを有し、
前記第1素子は第1融解温度特性を有し、
前記スペーサ素子は第2融解温度特性を有し、前記第1融解温度は前記第2融解温度より低い、静電容量圧力変換器。
【請求項19】
前記ダイヤフラムは、セラミック材料から構成されている、請求項18に記載の変換器。
【請求項20】
前記セラミック材料は、酸化アルミニウムから構成されている、請求項19に記載の変換器。
【請求項21】
前記筐体は、セラミック材料から構成されている、請求項18に記載の変換器。
【請求項22】
前記ダイヤフラムおよび前記筐体は、酸化アルミニウムを含むセラミック材料から成り、前記第1素子および前記セットのスペーサ素子はガラス材料から構成されている、請求項18に記載の変換器。
【請求項23】
前記ダイヤフラムの前記一部と前記第1導体との間に存在する前記間隙は、前記シールの厚みに依存する、請求項18に記載の変換器。
【請求項24】
前記間隙は、前記シールの厚みにほぼ等しい、請求項23に記載の変換器。
【請求項25】
前記第1導体は、第1厚みを有し、前記第2導体は第2厚みを有し、
前記間隙は前記シールの厚みから前記第1および第2厚みを差し引いた値にほぼ等しい、請求項23に記載の変換器。
【請求項26】
前記変換器は、絶対圧力を測定できる、請求項18に記載の変換器。
【請求項27】
前記変換器は、ゲージ圧力を測定できる、請求項18に記載の変換器。
【請求項28】
前記変換器は、差圧を測定できる、請求項18に記載の変換器。
【請求項29】
静電容量圧力変換器アセンブリであって、
内部空洞を形成する本体と、
前記本体内に配置されているダイヤフラムであって、このダイヤフラムは前記内部空洞を第1チャンバと第2チャンバに分割し、前記ダイヤフラムの一部が、前記第2チャンバ内の圧力より高い第1チャンバ内の圧力に応答して第1方向に移動し、前記ダイヤフラムの前記一部は、前記第1チャンバ内の圧力より高い第2チャンバ内の圧力に応答して第1方向と反対の第2方向に移動する、ダイヤフラムと、
前記本体上に配置されている第1導体と、
前記ダイヤフラム上に配置されている第2導体であって、前記第1および第2導体は静電容量を生成し、この静電容量は前記ダイヤフラムの一部と前記第1導体との間に存在する空隙を表す、第2導体と、
前記本体の一部と前記ダイヤフラムの一部との間に配置されているシールと、
を備え、
前記シールはセットのスペーサ素子を少なくとも部分的に囲む第1素子を含み、
前記シールは前記スペーサ素子の高さにほぼ等しい厚みを有し、
前記第1素子は第1融解温度特性を有し、
前記スペーサ素子は第2融解温度特性を有し、前記第1融解温度は前記第2融解温度より低い、静電容量圧力変換器アセンブリ。
【請求項30】
前記ダイヤフラムは導電性であり、前記第2導体として作用する、請求項29に記載のアセンブリ。
【請求項31】
前記ダイヤフラムは非導電性であり、前記第2導体は前記ダイヤフラム上に配置されている、請求項29に記載のアセンブリ。
【請求項32】
前記ダイヤフラムは、セラミック材料から構成されている、請求項31に記載のアセンブリ。
【請求項33】
前記本体は上部筐体と下部筐体とを備え、前記上部筐体および前記ダイヤフラムは前記第1チャンバを形成している、請求項29に記載のアセンブリ。
【請求項34】
前記上部筐体は、セラミック材料から構成されている、請求項33に記載のアセンブリ。
【請求項35】
前記ダイヤフラムおよび前記上部筐体は、酸化アルミニウムを含むセラミック材料から成り、前記第1素子および前記セットのスペーサ素子は、ガラス材料から構成されている、請求項33に記載のアセンブリ。
【請求項36】
前記第1素子および前記セットのスペーサ素子は、ガラス材料から構成されている、請求項29に記載のアセンブリ。
【請求項37】
前記変換器アセンブリは、絶対圧力を測定できる、請求項29に記載のアセンブリ。
【請求項38】
前記変換器アセンブリは、ゲージ圧力を測定できる、請求項29に記載のアセンブリ。
【請求項39】
前記変換器アセンブリは、差圧を測定できる、請求項29に記載のアセンブリ。
【請求項40】
前記ダイヤフラムの前記一部と前記第1導体との間に存在する前記間隙は、前記シールの厚みに依存する、請求項29に記載のアセンブリ。
【請求項41】
前記間隙は前記シールの厚みにほぼ等しい、請求項40に記載のアセンブリ。
【請求項42】
前記第1導体は第1厚みを有し、前記第2導体は第2厚みを有し、
前記間隙は前記シールの厚みから前記第1および第2厚みを差し引いた値にほぼ等しい、請求項40に記載のアセンブリ。
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図1B】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2008−516230(P2008−516230A)
【公表日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−535716(P2007−535716)
【出願日】平成17年10月3日(2005.10.3)
【国際出願番号】PCT/US2005/035167
【国際公開番号】WO2006/041719
【国際公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【出願人】(592053963)エム ケー エス インストルメンツ インコーポレーテッド (114)
【氏名又は名称原語表記】MKS INSTRUMENTS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年10月3日(2005.10.3)
【国際出願番号】PCT/US2005/035167
【国際公開番号】WO2006/041719
【国際公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【出願人】(592053963)エム ケー エス インストルメンツ インコーポレーテッド (114)
【氏名又は名称原語表記】MKS INSTRUMENTS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】
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