静電容量結合方式のタッチパネル
【課題】特性低下の抑制及び低コスト化を図る。
【解決手段】基板と、前記基板の前記観察者側の面上に形成される面状のシールド用の第1導電膜と、前記シールド用の第1導電膜上に形成される絶縁膜と、前記絶縁膜上に形成され、第1の方向に延在し前記第1の方向と交差する第2の方向に並設される複数の第1電極と、前記絶縁膜上に形成され、前記第2の方向に延在し前記第2方向と交差する前記第1の方向に並設される複数の第2電極とを有し、前記シールド用の第1導電膜は、所定の信号が入力され、前記複数の第1電極は、前記基板の前記観察者側の面上に形成される第1部分と、前記絶縁膜上で前記第2電極とは分離して形成される第2部分とを有し、前記第1部分は、前記絶縁膜に形成されたコンタクトホールを介して前記第2部分に接続され、前記シールド用の第1導電膜は、前記第1部分が形成される領域に開口部を有し、前記第1部分は、前記シールド用の第1導電膜に形成された前記開口部内に形成される。
【解決手段】基板と、前記基板の前記観察者側の面上に形成される面状のシールド用の第1導電膜と、前記シールド用の第1導電膜上に形成される絶縁膜と、前記絶縁膜上に形成され、第1の方向に延在し前記第1の方向と交差する第2の方向に並設される複数の第1電極と、前記絶縁膜上に形成され、前記第2の方向に延在し前記第2方向と交差する前記第1の方向に並設される複数の第2電極とを有し、前記シールド用の第1導電膜は、所定の信号が入力され、前記複数の第1電極は、前記基板の前記観察者側の面上に形成される第1部分と、前記絶縁膜上で前記第2電極とは分離して形成される第2部分とを有し、前記第1部分は、前記絶縁膜に形成されたコンタクトホールを介して前記第2部分に接続され、前記シールド用の第1導電膜は、前記第1部分が形成される領域に開口部を有し、前記第1部分は、前記シールド用の第1導電膜に形成された前記開口部内に形成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電容量結合方式のタッチパネルに係り、特に、静電容量結合方式のタッチパネルを備えたタッチパネル付き表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
タッチパネルの主な方式として、光の変化を検出する方式と、電気的な特性の変化を検出する方式とが知られている。また、電気的な特性の変化を検出する方式として、静電容量結合方式が知られている。(下記、特許文献1、特許文献2参照)
図13乃至図15は従来の静電容量結合方式のタッチパネルに係る図であり、図13は電極パターンを示す平面図、図14は図13のF−F’線に沿った断面構造を示す断面図、図15は図13のG−G’線に沿った断面構造を示す断面図である。
従来の静電容量結合方式のタッチパネルは、図13乃至図15に示すように、第1の方向(例えばX方向)に延在し、前記第1の方向と交差する第2の方向(例えばY方向)に併設される複数の電極1Xと、この電極1Xと交差して前記第2の方向に延在し、前記第1の方向に併設される複数の電極2Yとを有している。複数の電極1Xは、基板11上に配置され、その上層に形成された絶縁膜12で覆われている。複数の電極2Yは、絶縁膜12上に配置され、その上層に形成された保護膜13で覆われている。電極1X及び2Yは、例えばITO(Indium Tin Oxide)等の透明性導電材料で形成されている。
また、従来の静電容量結合方式のタッチパネルは、図14及び図15に示すように、基板11の観察者側とは反対側の面に面状のシールド用の導電膜15を有している。このシールド用の導電膜15は、所定の信号が入力され、表示パネルからタッチパネルへのノイズを低減している。シールド用の導電膜15は、例えばITO等の透明性導電膜で形成されている。
【0003】
なお、本願発明に関連する先行技術文献としては以下のものがある。
【特許文献1】特開2008−65748号公報
【特許文献2】特願2007−175050号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の静電容量結合方式のタッチパネルでは、図13乃至図15に示すように、複数の電極1Xと複数の電極2Yとが絶縁膜12を介してそれぞれ異なる導電層(下層と上層)に形成されている。このような電極構造の場合、絶縁膜12及び上層の電極1X上に形成される保護膜13は、上層の電極1Xにより膜に歪みが生じるため、加えて、反射光に対しては、下層と上層とで光路長が異なるため、下層の電極1Xと上層の電極2Yに色差が生じ、電極1X及び電極2Yの電極パターンが顕在化する。このような電極パターンの顕在化は、光学特性の悪化を招き、タッチパネルを組み込んだ表示装置の特性低下を引き起こす要因となるため、対策が必要である。
【0005】
また、従来の静電容量結合方式のタッチパネルでは、図14及び図15に示すように、基板11の観察者側の面(主面)とは反対側の面(裏面)にシールド用の導電膜15を設けている。このような構造の場合、透明性導電材料層として、電極1Xを形成するための透明導電性材料層層と電極2Yを形成するための透明性導電材料層に、シールド用の導電膜15を形成するための透明性導電材料層を加えた3つの透明性導電材料層が必要であり、低コスト化を阻害する要因となる。
そこで、本発明者は、電極1X、電極2Y、シールド用の導電膜15の3つの透明性導電材料層に着目し、本発明をなした。
本発明の目的は、静電容量結合方式のタッチパネルにおいて、特性低下の抑制及び低コスト化を図ることが可能な技術を提供することにある。
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
(1)表示パネルと、前記表示パネルの観察者側の面上に配置される静電容量結合方式のタッチパネルとを備え、前記タッチパネルは、基板と、前記基板の前記観察者側の面上に形成される面状のシールド用の第1導電膜と、前記シールド用の第1導電膜上に形成される絶縁膜と、前記絶縁膜上に形成され、第1の方向に延在し前記第1の方向と交差する第2の方向に並設される複数の第1電極と、前記絶縁膜上に形成され、前記第2の方向に延在し前記第2方向と交差する前記第1の方向に並設される複数の第2電極とを有するタッチパネル付き表示装置であって、前記シールド用の第1導電膜は、所定の信号が入力され、前記複数の第1電極の各々は、前記基板の前記観察者側の面上に形成される第1部分と、前記絶縁膜上で前記第2電極とは分離して形成される第2部分とを有し、前記第1部分は、前記絶縁膜に形成されたコンタクトホールを介して前記第2部分に接続され、前記シールド用の第1導電膜は、前記第1部分が形成される領域に開口部を有し、前記第1部分は、前記シールド用の第1導電膜に形成された前記開口部内に形成される。
(2)上記(1)において、前記複数の第1電極と前記複数の第2電極とが形成される領域の周囲に形成され、前記複数の第1電極、或いは前記複数の第2電極の各々に電気的に接続される複数の配線を有し、前記複数の配線は、前記基板の前記観察者側の面上に形成され、前記絶縁膜上で前記複数の配線を覆うように形成され、所定の信号が入力されるシールド用の第2導電膜を有する。
(3)上記(1)又は(2)において、前記タッチパネルは、前記複数の第1電極と前記複数の第2電極上に形成される保護膜を有する。
(4)上記(3)において、前記タッチパネルは、前記保護膜上に形成されるフロントパネルを有する。
【0007】
(5)表示パネルと、前記表示パネルの観察者側の面上に配置される静電容量結合方式のタッチパネルとを備え、前記タッチパネルは、基板と、前記基板の前記表示パネル側の面上に形成され、第1の方向に延在し前記第1の方向と交差する第2の方向に並設される複数の第1電極と、
前記基板の前記表示パネル側の面上に形成され、前記第2の方向に延在し前記第2の方向と交差する前記第1の方向に並設される複数の第2電極と、前記複数の第1電極および前記複数の第2電極上に形成される絶縁膜と、前記絶縁膜上に形成される面状のシールド用の導電膜とを有するタッチパネル付き表示装置であって、
前記シールド用の導電膜は、所定の信号が入力され、前記複数の第1電極の各々は、前記絶縁膜上に形成される第1部分と、前記基板の前記表示パネル側の面上で前記第2電極とは分離して形成される第2部分とを有し、前記第1部分は、前記絶縁膜に形成されたコンタクトホールを介して前記第2部分に接続され、前記シールド用の導電膜は、前記第1部分が形成される領域に開口部を有し、前記第1部分は、前記シールド用の導電膜に形成された前記開口部内に形成される。
(6)上記(5)において、前記複数の第1電極と前記複数の第2電極とが形成される領域の周囲に形成され、前記複数の第1電極、或いは前記複数の第2電極の各々に電気的に接続される複数の配線を有し、前記複数の配線は、前記基板の前記表示パネルの面上に形成され、シールド用の導電膜は、前記複数の配線を覆うように形成されている。
(7)上記(5)又は(6)において、前記タッチパネルは、前記複数の第1電極と前記複数の第2電極上に形成される保護膜を有する。
(8)上記(1)乃至(7)において、前記複数の第1電極および前記複数の第2電極は、透明導電膜で構成されている。
【発明の効果】
【0008】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
本発明によれば、静電容量結合方式のタッチパネルにおいて、特性低下の抑制及び低コスト化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施例1のタッチパネル付き表示装置に組み込まれるタッチパネルの電極パターンを示す平面図である。
【図2】図1の一部を拡大した平面図である。
【図3】図1のタッチパネルの断面構造を示す図((a)は図1のA−A’線に沿った断面図、(b)は(a)の一部を拡大した断面図)である。
【図4】図1のタッチパネルの断面構造を示す図((a)は図1のB−B’線に沿った断面図、(b)は(a)の一部を拡大した断面図)である。
【図5】図1のタッチパネルのシールド用の導電膜パターンを示す平面図である。
【図6】本発明の実施例1のタッチパネル付き表示装置の概略構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の実施例1の変形例であるタッチパネルの断面構造を示す断面図である。
【図8】本発明の実施例2のタッチパネル付き表示装置に組み込まれるタッチパネルの電極パターンを示す平面図である。
【図9】図8の一部を拡大した平面図である。
【図10】図8のタッチパネルの断面構造を示す図((a)は図8のD−D’線に沿った断面図、(b)は(a)の一部を拡大した断面図)である。
【図11】図8のタッチパネルの断面構造を示す図((a)は図8のE−E’線に沿った断面図、(b)は(a)の一部を拡大した断面図)である。
【図12】本発明の実施例2のタッチパネル付き表示装置の概略構成を示すブロック図である。
【図13】従来の静電容量結合方式のタッチパネルの電極パターンを示す平面図である。
【図14】図13のF−F’線に沿った断面構造を示す断面図である。
【図15】図13のG−G’線に沿った断面構造を示す断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。なお、発明の実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
【実施例1】
【0011】
本実施例1では、表示パネルの一例として例えば液晶表示パネル上にタッチパネルを備えたタッチパネル付き表示装置に本発明を適用した例について説明する。
図1乃至図6は本発明の実施例1のタッチパネル付き表示装置に係る図であり、
図1は、タッチパネル付き表示装置に組み込まれるタッチパネルの電極パターンを示す平面図、
図2は、図1の一部を拡大した平面図、
図3は、図1のタッチパネルの断面構造を示す図((a)は図1のA−A’線に沿った断面図、(b)は(a)の一部を拡大した断面図)、
図4は、図1のタッチパネルの断面構造を示す図((a)は図1のB−B’線に沿った断面図、(b)は(a)の一部を拡大した断面図)、
図5は、図1のタッチパネルのシールド用の導電膜パターンを示す平面図、
図6は、タッチパネル付き表示装置の概略構成を示すブロック図である。
なお、図6において、タッチパネル20は、図1のC−C’線に沿った断面構造を示している。
【0012】
本実施例1のタッチパネル付き表示装置は、図6に示すように、液晶表示パネル30と、液晶液示パネル30の観察者側の面上に配置された静電容量結合方式のタッチパネル20と、液晶表示パネル30の観察者側とは反対側の面下に配置されたバックライト40とを備えている。液晶表示パネル30としては、例えばIPS方式、TN方式、VA方式等の液晶表示パネルが用いられている。液晶表示パネル30は、複数の画素がマトリクス状に配置された表示領域と、この表示領域の周囲に配置された非表示領域とを有している。複数の画素の各々は、画素電極及び対向電極を有している。非表示領域には、ブラックマトリクスなどの遮光膜が設けられている。
タッチパネル20は、図1乃至図4に示すように、基板11の観察者側の面上において、第1の方向(例えばX方向)に延在し、前記第1の方向と交差する第2の方向(例えばY方向)に所定の配列ピッチで並設される複数の電極1Xと、この複数の電極1Xと交差して前記第2の方向に延在し、前記第1の方向に所定の配列ピッチで並設される複数の電極2Yとを有している。
複数の電極2Yの各々は、第1部分2aと、この第1部分2aの幅よりも広い幅の第2部分2bとが前記第2の方向に交互に複数配置された電極パターンで形成されている。複数の電極2Yの各々は、基板11の観察者側の面上に絶縁膜12を介して配置され、その上層に形成された保護膜13で覆われている。基板11としては、例えばガラス等の透明な絶縁性基板が用いられている。
【0013】
複数の電極1Xの各々は、第1部分1aと、この第1部分1aの幅よりも広い幅の第2部分1bとが前記第1の方向に交互に複数配置された電極パターンで形成されている。複数の電極1Xの各々の第1の部分1aは、電極2Yとは異なる導電層に形成され、電極2Yの第1部分2aと平面的に交差している。複数の電極1Xの各々の第2部分1bは、電極2Yと同層の導電層に電極2Yとは分離して形成されている。本実施例1において、電極1Xの第1部分1aは、基板11側から見て電極2Yよりも下層に形成されている。
複数の電極1Xの各々の第2部分1bは、電極2Yと同様に、基板11の観察者側の面上に絶縁膜12を介して配置され、その上層に形成された保護膜13で覆われている。複数の電極1Xの各々の第1部分1aは、基板11の観察者側の面上に配置され、その上層に形成された絶縁膜12で覆われている。
電極1Xの第1部分1aは、電極2Yの第1部分2aと平面的に交差し、この第1部分2aを挟んで隣り合う2つの第2部分1bに、電極1Xの第1部分1aと電極2Yとの間の層間絶縁膜である絶縁膜12に形成されたコンタクトホール12aを介してそれぞれ電気的にかつ機械的に接続されている。
即ち、複数の電極1Xの各々は、電極2Yとは異なる導電層に形成され、電極2Yと交差する第1部分1aと、電極2Yとは分離して電極2Yと同層の導電層に形成される第2部分1bとを有し、電極1Xの第1部分1aは、この第1部分1aと電極2Yとの間の絶縁膜12に形成されたコンタクトホール12aを介して電極1Xの第2部分1bと電気的に接続されている。
【0014】
電極2Yの第2部分2bは、隣り合う2つの電極1Xにおいて、平面的に見たとき、各々の第1部分1aの間に配置されている。電極1Xの第2部分1bは、隣り合う2つの電極2Yにおいて、平面的に見たとき、各々の第1部分2aの間に配置されている。
即ち、電極2Yは、電極1X間に電極1Xと交差する部分の幅よりも広い幅の部分を有し、電極1Xは、電極2Y間に電極2Yと交差する部分の幅よりも広い幅の部分を有している。
タッチパネル20は、複数の電極2Y及び1Xが配置された中央領域と、この中央領域の周囲に配置された周辺領域とを有している。タッチパネル20の周辺領域には、図1に示すように、複数の電極2Yの各々と電気的に接続された複数の配線5、及び、複数の電極1Xの各々と電気的に接続された複数の配線5が配置されている。これら複数の配線5の各々は、複数の電極2Y、複数の電極1Xの各々とタッチ位置制御回路とを電気的に接続する配線である。
【0015】
タッチパネル20の中央領域は、液晶表示パネル30の表示領域に対応して配置され、タッチパネル20の周辺領域は、液晶表示パネル30の非表示領域に対応して配置されている。即ち、タッチパネル20の複数の電極1X及び2Yは、液晶表示パネル30の表示領域と対向する領域に配置され、複数の配線5は、液晶表示パネル30の非表示領域と対向する領域に配置されている。
図3及び図4に示すように、複数の配線5の各々は、基板11の観察者側の面(主面)上に配置され、その上層に形成された絶縁膜12で覆われている。複数の配線5の各々は、各電極(電極1X,電極2Y)の終端において、図3及び図4に示すように、絶縁膜12に形成されたコンタクトホール12bを介して、対応する電極(電極1X,電極2Y)と電気的に接続されている。
複数の電極1X及び複数の電極2Yの各々は、高い透過性を有する材料、例えばITO(Indium Tin Oxide)等の透明性導電材料で形成されている。複数の配線5の各々は、例えば導電性材料が異なる2層構造で構成されており、例えば電極1Xの第1部分1aと同層の透明性導電膜(例えばITO)と、この透明性導電膜上に形成され、この透明性導電膜よりも抵抗値が低い導電性金属膜との2層構造になっている。
【0016】
タッチパネル20は、図1乃至図5に示すように、面状のシールド用の導電膜3を有している。このシールド用の導電膜3は、基板11の観察者側の面(主面)上に配置され、その上層に形成された絶縁膜12で覆われている。
シールド用の導電膜3は、電極1Xの第1部分1aと同層に形成され、高い透過性を有する材料、例えばITO(Indium Tin Oxide)等の透明性導電材料で形成されている。複数の電極1Xの第1部分1aとシールド用の導電膜3は、同一の導電膜をパターンニングすることによって形成される。
シールド用の導電膜3は、平面的に見たとき、複数の電極(電極1X,電極2Y)を覆うようにしてタッチパネル20の中央領域に配置されている。シールド用の導電膜3は、図3乃至図5に示すように、電極1Xの第1部分2aが形成される領域に開口部4を有し、電極1Xの第1部分2aは、シールド用の導電膜3に形成された開口部4内に形成されている。即ち、本実施例1のシールド用の導電膜3は、電極1Xの第1部分1aとは分離して電極1Xの第1部分1aと同層の導電層で形成されている。
本実施例1のタッチパネル20は、基板11の観察者側の面と反対側の面が液晶表示パネル30の観察者側の面と向かい合うようにして液晶表示パネル30上に配置されており、シールド用の導電膜3は、液晶表示パネル30とタッチパネル20の複数の電極(電極1X,電極2Y)が配置された中央領域との間に配置されている。シールド用の導電膜3は、所定の信号が入力され、液晶表示パネル30からタッチパネル20へのノイズを低減している。本実施例1のシールド用の導電膜3は、タッチパネル付き表示装置において使用される電源電位のうち、例えば基準電位(例えば0V)に電位固定される配線と電気的に接続されている。
【0017】
タッチパネル20は、図1乃至図4に示すように、シールド用の導電膜6を有している。このシールド用の導電膜6は、絶縁膜12上に配置され、その上層に形成された保護膜13で覆われている。
シールド用の導電膜6は、電極1Xの第2部分1b及び電極2Yと同層に形成され、高い透過性を有する材料、例えばITO(Indium Tin Oxide)等の透明性導電材料で形成されている。複数の電極1Xの第2部分1b、複数の電極2Y、及びシールド用の導電膜6は、同一の導電膜をパターンニングすることによって形成される。
シールド用の導電膜6は、平面的に見たとき、複数の配線5を覆うようにしてタッチパネル20の周辺領域に配置されている。シールド用の導電膜6は、電極1Xの第2部分1b及び電極2Yとは分離してこれらと同層の導電層で形成されている。
シールド用導電膜6は、所定の信号が入力され、観察者側からタッチパネル20へのノイズを低減している。本実施例1のシールド用の導電膜6は、タッチパネル付き表示装置において使用される電源電位のうち、例えば基準電位(例えば0V)に電位固定される配線と電気的に接続されている。
なお、図6では、観察者の指50と電極1Xとの間にC1,C3の容量が、観察者の指50と電極2Yとの間にC2の容量が形成されていることを模式的に示している。本実施例のタッチパネル20は、電極1Xと電極2Yとの結合容量の容量差を検出して、観察者の指50がタッチした、タッチパネル20のタッチ面内におけるタッチ位置座標を検出する。
【0018】
次に、本実施例1のタッチパネル20の製造方法について、図1乃至図5を参照して説明する。
まず、基板11の観察者側の面上に、透明性導電材料(例えばITO)からなる第1の透明性導電膜を形成する。
次に、例えばポジ型レジストを用いて前記第1の透明性導電膜上に、電極パターン、シールド用の導電膜パターン、及び配線パターンを有する第1のマスクを形成し、その後、前記第1のマスクをエッチングマスクとして使用し、前記第1の透明性導電膜をエッチングすることにより、基板11上に、電極1Xの第1部分1a、平面状のシールド用の導電膜3、及び配線下層パターンを形成する。シールド用の導電膜3は、電極1Xの第1部分1aが形成される領域に開口部4を有する面状で形成され、電極1Xの第1部分1aは、シールド用の導電膜3の開口部4内に形成される。
次に、前記第1のマスクを除去し、その後、前記配線下層パターン上に、例えば導電性金属材料からなる配線上層パターンを選択的に形成する。これにより、前記配線下層パターン及び前記配線上層パターンからなる2層構造の配線5が形成される。
次に、シールド用の導電膜3上、電極1Xの第1部分1a上、及び配線5上を含む基板11上に、例えばネガ型レジストからなる絶縁膜12を形成する。この工程において、シールド用の導電膜3、電極1Xの第1部分1a、及び配線5は絶縁膜12で覆われる。
次に、絶縁膜12の必要な部分にコンタクトホール12a及びコンタクトホール12bを形成し、その後、コンタクトホール12a内及びコンタクトホール12b内を含む絶縁膜12上に、透明性導電材料(例えばITO)からなる第2の透明性導電膜を形成する。
【0019】
次に、例えばポジ型レジストを用いて前記第2の透明性導電膜上に、電極パターン及びシールド用の導電膜パターンを有する第2のマスクを形成し、その後、前記第2のマスクをエッチングマスクとして使用し、前記第2の導電膜をエッチングすることにより、絶縁膜12上に、電極1Xの第2部分1b、電極2Y、及びシールド用の導電膜6を形成する。この工程において、上層の第2部分1bは、コンタクトホール12aを介して下層の第1部分1aと電気的にかつ機械的に接続される。また、下層の第1部分1aは、上層の電極2Y第1部分1aと交差する。また、電極1X及び電極2Yは、各々の終端が、コンタクトホール12bを介して、対応する下層の配線5と電気的にかつ機械的に接続される。
次に、前記第2のマスクを除去し、その後、電極1Xの第2部分1b、電極2Y、及びシールド用の導電膜6上を含む絶縁膜12上に、例えばネガ型レジストからなる保護膜13を形成することにより、図1乃至図5に示す構造となる。この工程において、電極1Xの第2部分1b、電極2Y、及びシールド用の導電膜6は保護膜13で覆われる。
【0020】
ところで、従来の静電容量結合方式のタッチパネルでは、図13乃至図15に示すように、複数の電極1Xと複数の電極2Yとが絶縁膜12を介してそれぞれ異なる導電層(下層と上層)に形成されている。このような電極構造の場合、絶縁膜12及び上層の電極1X上に形成される保護膜13は、上層の電極1Xにより膜に歪みが生じるため、加えて、反射光に対しては、下層と上層とで光路長が異なるため、下層の電極2Yと上層の電極1Xに色差が生じ、電極1X及び電極2Yの電極パターンが顕在化する。
これに対し、本実施例の静電容量結合方式のタッチパネル20では、図1乃至図4に示すように、電極1Xは、電極2Yとは異なる層に電極2Yと交差するようにして形成される第1部分1aと、電極2Yと同層に電極2Yとは分離して形成される第2部分1bとを有し、第1部分1aは、第1部分1aと電極2Yとの間の絶縁膜12に形成されたコンタクトホール12aを介して第2部分1bに接続されている。
このような電極構造の場合、保護膜13に対して均一な成膜面を持たせることができるため、保護膜13に生じる歪みを抑制でき、保護膜13の歪みによる色差から生じる電極パターンの顕在化を抑えることができる。この結果、電極パターンの顕在化による光学特性の悪化を抑制できるため、タッチパネル20を組み込んだ表示装置の特性低下を抑制することができる。
また、色差の生じる部分を最小、即ち電極1Xの第1部分1aのみとすることができるため、光路差による色差から生じる電極パターンの顕在化も抑えることができる。この結果、電極パターンの顕在化による光学特性の悪化を抑制できるため、タッチパネル20を組み込んだ表示装置の特性低下を抑制することができる。
【0021】
また、従来の静電容量結合方式のタッチパネルでは、図14及び図15に示すように、基板11の観察者側の面とは反対側の面にシールド用の導電膜15を設けている。このような構造の場合、透明性導電材料層として、電極1Xを形成するための透明導電性材料層層と電極2Yを形成するための透明性導電材料層に、シールド用の導電膜15を形成するための透明性導電材料層を加えた3つの透明性導電材料層が必要であり、低コスト化を阻害する要因となる。
これに対し、本実施例の静電容量結合方式のタッチパネル20では、図1乃至図5に示すように、シールド用の導電膜3は、電極1Xの第1部分1aと同層の透明性導電膜で形成されている。また、シールド用の導電膜3は、電極1Xの第1部分1aが形成される領域に開口部4を有し、電極1Xの第1部分1aは、シールド用の導電膜3に形成された開口部4内に形成されている。
このような電極構造とすることにより、電極1Xと、電極2Yと、液晶表示パネル30からタッチパネル20へのノイズを低減するシールド用の導電膜3とを2つの層の透明性導電材料層で構成することができ、従来のタッチパネルと比較して透明導電材料層に係る材料及びプロセスを省くことができるため、より安価にタッチパネルを製造することができる。これにより、タッチパネルを組み込むタッチパネル付き表示装置の低コスト化を図ることができる。
【0022】
また、本実施例1のタッチパネル20では、図1乃至図4に示すように、絶縁膜12上で複数の配線5を覆うように形成され、所定の信号が入力されるシールド用の導電膜6を有している。本実施例ではシールド用の導電膜に0Vを入力している。シールドに使用する導電膜に入力する信号の種別は本発明の趣旨を規制するものではなく、他の信号でもよい。このシールド用の導電膜6は、電極1Xの第1部分1a、及び電極2Yと同層の透明性導電層に形成されている。このような構造とすることにより、観察者側からタッチパネルへのノイズをシールド用の導電膜6により低減できると共に、電極1Xと、電極2Yと、観察者側からタッチパネル20へのノイズを低減するシールド用の導電膜6とを2つの層の透明性導電材料層で構成することができるため、安価にタッチパネルを製造することができる。
【0023】
図7は、本発明の実施例1の変形例であるタッチパネルの断面構造を示す断面図である。
本変形例のタッチパネル20は、基本的に前述の実施例1と同様の構成になっており、以下の構成が異なっている。
即ち、図7に示すように、本変形例のタッチパネル20は、保護膜13上に形成されるフロントパネル14を有している。このようなタッチパネル20においても、前述の実施例1と同様の効果が得られる。
【実施例2】
【0024】
図8乃至図12は、本発明の実施例2のタッチパネル付き表示装置に係る図であり、
図8は、タッチパネル付き表示装置に組み込まれるタッチパネルの電極パターンを示す平面図、
図9は、図8の一部を拡大した平面図、
図10は、図8のタッチパネルの断面構造を示す図((a)は図8のD−D’線に沿った断面図、(b)は(a)の一部を拡大した断面図)、
図11は、図8のタッチパネルの断面構造を示す図((a)は図8のE−E’線に沿った断面図、(b)は(a)の一部を拡大した断面図)、
図12は、タッチパネル付き表示装置の概略構成を示すブロック図である。
【0025】
本実施例2のタッチパネル付き表示装置は、基本的に前述の実施例1と同様の構成になっており、以下の構成が異なっている。
即ち、前述の実施例1では、図1乃至図4に示すように、下層の導電層に、電極1Xの第1部分1a、及びシールド用の導電膜3が形成され、これよりも上層の導電層に、電極1Xの第2部分1b、電極2Y、及びシールド用の導電膜6が形成された例について説明したが、本実施例2では、図8乃至図11に示すように、下層の導電層に、電極1Xの第2部分1b、及び電極2Y(2a,2b)が形成され、これよりも上層の導電層に、電極1Xの第1部分1a、及びシールド用の導電膜3が形成されている。
複数の電極1Xの各々の第2部分1b、複数の電極2Y、及び複数の配線5は、基板11の主面上に形成され、これらの上層に形成された絶縁膜12で覆われている。複数の電極1Xの各々の第1部分1a、及びシールド用の導電膜3は、絶縁膜12上に形成され、これらの上層に形成された保護膜13で覆われている。
電極1Xの第1部分1a(本実施例では上層)は、電極2Yの第1部分2aと平面的に交差し、この第1部分2aを挟んで隣り合う2つの第2部分1b(本実施例では下層)に、電極1Xの第1部分1aと電極2Yとの間の層間絶縁膜である絶縁膜12に形成されたコンタクトホール12aを介してそれぞれ電気的にかつ機械的に接続されている。
シールド用の導電膜3は、複数の電極1Xの各々の第2部分1b、複数の電極2Y、及び複数の配線5を覆うようにして、タッチパネル20の中央領域及び周辺領域に形成されている。
【0026】
本実施例2のタッチパネル20は、図12に示すように、基板11の保護膜13側の面が液晶表示パネル30の観察者側の面と向かい合うようにして液晶表示パネル30上に配置されており、シールド用の導電膜3は、液晶表示パネル30とタッチパネル20の中尾領域及び周辺領域との間に配置されている。シールド用の導電膜3は、所定の信号が入力され、液晶表示パネル30からタッチパネル20へのノイズを低減している。
本実施例2においても、保護膜13の歪みによる色差から生じる電極パターンの顕在化、及び光路差による色差から生じる電極パターンの顕在化も抑えることができるため、電極パターンの顕在化による光学特性の悪化を抑制でき、タッチパネル20を組み込んだ表示装置の特性低下を抑制することができる。
また、電極1Xと、電極2Yと、液晶表示パネル30からタッチパネル20へのノイズを低減するシールド用の導電膜3とを2つの層の透明性導電材料層で構成することができ、従来のタッチパネルと比較して透明導電材料層に係る材料及びプロセスを省くことができるため、より安価にタッチパネルを製造することができる。これにより、タッチパネルを組み込むタッチパネル付き表示装置の低コスト化を図ることができる。
【0027】
なお、前述の実施例(1,2)及び変形例では、電極1Xの第1部分1a及び第2部分1bをそれぞれ異なる導電層で形成した例について説明したが、本発明は、電極2Yの第1部分2a及び第2部分2bをそれぞれ異なる導電層で構成した場合も含むことは言うなでもない。
また、前述の実施例(1,2)及び変形例では表示パネルの一例として液晶表示パネル上にタッチパネルを備えたタッチパネル付き表示装置について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、有機EL表示パネルや無機EL表示パネル等の他の表示パネル上にタッチパネルを備えたタッチパネル付き表示装置に適用することができる。
以上、本発明者によってなされた発明を、前記実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0028】
1X 電極
1a 第1部分
1b 第2部分
2Y 電極
2a 第1部分
2b 第2部分
3 シールド用の導電膜
4 開口部
5 配線
6シールド用の導電膜
11 基板
12 絶縁膜
12a,12b コンタクトホール
13 保護膜
14 フロントパネル
15 シールド用の導電膜
20 タッチパネル
30 液晶表示パネル
40 バックライト
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電容量結合方式のタッチパネルに係り、特に、静電容量結合方式のタッチパネルを備えたタッチパネル付き表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
タッチパネルの主な方式として、光の変化を検出する方式と、電気的な特性の変化を検出する方式とが知られている。また、電気的な特性の変化を検出する方式として、静電容量結合方式が知られている。(下記、特許文献1、特許文献2参照)
図13乃至図15は従来の静電容量結合方式のタッチパネルに係る図であり、図13は電極パターンを示す平面図、図14は図13のF−F’線に沿った断面構造を示す断面図、図15は図13のG−G’線に沿った断面構造を示す断面図である。
従来の静電容量結合方式のタッチパネルは、図13乃至図15に示すように、第1の方向(例えばX方向)に延在し、前記第1の方向と交差する第2の方向(例えばY方向)に併設される複数の電極1Xと、この電極1Xと交差して前記第2の方向に延在し、前記第1の方向に併設される複数の電極2Yとを有している。複数の電極1Xは、基板11上に配置され、その上層に形成された絶縁膜12で覆われている。複数の電極2Yは、絶縁膜12上に配置され、その上層に形成された保護膜13で覆われている。電極1X及び2Yは、例えばITO(Indium Tin Oxide)等の透明性導電材料で形成されている。
また、従来の静電容量結合方式のタッチパネルは、図14及び図15に示すように、基板11の観察者側とは反対側の面に面状のシールド用の導電膜15を有している。このシールド用の導電膜15は、所定の信号が入力され、表示パネルからタッチパネルへのノイズを低減している。シールド用の導電膜15は、例えばITO等の透明性導電膜で形成されている。
【0003】
なお、本願発明に関連する先行技術文献としては以下のものがある。
【特許文献1】特開2008−65748号公報
【特許文献2】特願2007−175050号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の静電容量結合方式のタッチパネルでは、図13乃至図15に示すように、複数の電極1Xと複数の電極2Yとが絶縁膜12を介してそれぞれ異なる導電層(下層と上層)に形成されている。このような電極構造の場合、絶縁膜12及び上層の電極1X上に形成される保護膜13は、上層の電極1Xにより膜に歪みが生じるため、加えて、反射光に対しては、下層と上層とで光路長が異なるため、下層の電極1Xと上層の電極2Yに色差が生じ、電極1X及び電極2Yの電極パターンが顕在化する。このような電極パターンの顕在化は、光学特性の悪化を招き、タッチパネルを組み込んだ表示装置の特性低下を引き起こす要因となるため、対策が必要である。
【0005】
また、従来の静電容量結合方式のタッチパネルでは、図14及び図15に示すように、基板11の観察者側の面(主面)とは反対側の面(裏面)にシールド用の導電膜15を設けている。このような構造の場合、透明性導電材料層として、電極1Xを形成するための透明導電性材料層層と電極2Yを形成するための透明性導電材料層に、シールド用の導電膜15を形成するための透明性導電材料層を加えた3つの透明性導電材料層が必要であり、低コスト化を阻害する要因となる。
そこで、本発明者は、電極1X、電極2Y、シールド用の導電膜15の3つの透明性導電材料層に着目し、本発明をなした。
本発明の目的は、静電容量結合方式のタッチパネルにおいて、特性低下の抑制及び低コスト化を図ることが可能な技術を提供することにある。
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
(1)表示パネルと、前記表示パネルの観察者側の面上に配置される静電容量結合方式のタッチパネルとを備え、前記タッチパネルは、基板と、前記基板の前記観察者側の面上に形成される面状のシールド用の第1導電膜と、前記シールド用の第1導電膜上に形成される絶縁膜と、前記絶縁膜上に形成され、第1の方向に延在し前記第1の方向と交差する第2の方向に並設される複数の第1電極と、前記絶縁膜上に形成され、前記第2の方向に延在し前記第2方向と交差する前記第1の方向に並設される複数の第2電極とを有するタッチパネル付き表示装置であって、前記シールド用の第1導電膜は、所定の信号が入力され、前記複数の第1電極の各々は、前記基板の前記観察者側の面上に形成される第1部分と、前記絶縁膜上で前記第2電極とは分離して形成される第2部分とを有し、前記第1部分は、前記絶縁膜に形成されたコンタクトホールを介して前記第2部分に接続され、前記シールド用の第1導電膜は、前記第1部分が形成される領域に開口部を有し、前記第1部分は、前記シールド用の第1導電膜に形成された前記開口部内に形成される。
(2)上記(1)において、前記複数の第1電極と前記複数の第2電極とが形成される領域の周囲に形成され、前記複数の第1電極、或いは前記複数の第2電極の各々に電気的に接続される複数の配線を有し、前記複数の配線は、前記基板の前記観察者側の面上に形成され、前記絶縁膜上で前記複数の配線を覆うように形成され、所定の信号が入力されるシールド用の第2導電膜を有する。
(3)上記(1)又は(2)において、前記タッチパネルは、前記複数の第1電極と前記複数の第2電極上に形成される保護膜を有する。
(4)上記(3)において、前記タッチパネルは、前記保護膜上に形成されるフロントパネルを有する。
【0007】
(5)表示パネルと、前記表示パネルの観察者側の面上に配置される静電容量結合方式のタッチパネルとを備え、前記タッチパネルは、基板と、前記基板の前記表示パネル側の面上に形成され、第1の方向に延在し前記第1の方向と交差する第2の方向に並設される複数の第1電極と、
前記基板の前記表示パネル側の面上に形成され、前記第2の方向に延在し前記第2の方向と交差する前記第1の方向に並設される複数の第2電極と、前記複数の第1電極および前記複数の第2電極上に形成される絶縁膜と、前記絶縁膜上に形成される面状のシールド用の導電膜とを有するタッチパネル付き表示装置であって、
前記シールド用の導電膜は、所定の信号が入力され、前記複数の第1電極の各々は、前記絶縁膜上に形成される第1部分と、前記基板の前記表示パネル側の面上で前記第2電極とは分離して形成される第2部分とを有し、前記第1部分は、前記絶縁膜に形成されたコンタクトホールを介して前記第2部分に接続され、前記シールド用の導電膜は、前記第1部分が形成される領域に開口部を有し、前記第1部分は、前記シールド用の導電膜に形成された前記開口部内に形成される。
(6)上記(5)において、前記複数の第1電極と前記複数の第2電極とが形成される領域の周囲に形成され、前記複数の第1電極、或いは前記複数の第2電極の各々に電気的に接続される複数の配線を有し、前記複数の配線は、前記基板の前記表示パネルの面上に形成され、シールド用の導電膜は、前記複数の配線を覆うように形成されている。
(7)上記(5)又は(6)において、前記タッチパネルは、前記複数の第1電極と前記複数の第2電極上に形成される保護膜を有する。
(8)上記(1)乃至(7)において、前記複数の第1電極および前記複数の第2電極は、透明導電膜で構成されている。
【発明の効果】
【0008】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
本発明によれば、静電容量結合方式のタッチパネルにおいて、特性低下の抑制及び低コスト化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施例1のタッチパネル付き表示装置に組み込まれるタッチパネルの電極パターンを示す平面図である。
【図2】図1の一部を拡大した平面図である。
【図3】図1のタッチパネルの断面構造を示す図((a)は図1のA−A’線に沿った断面図、(b)は(a)の一部を拡大した断面図)である。
【図4】図1のタッチパネルの断面構造を示す図((a)は図1のB−B’線に沿った断面図、(b)は(a)の一部を拡大した断面図)である。
【図5】図1のタッチパネルのシールド用の導電膜パターンを示す平面図である。
【図6】本発明の実施例1のタッチパネル付き表示装置の概略構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の実施例1の変形例であるタッチパネルの断面構造を示す断面図である。
【図8】本発明の実施例2のタッチパネル付き表示装置に組み込まれるタッチパネルの電極パターンを示す平面図である。
【図9】図8の一部を拡大した平面図である。
【図10】図8のタッチパネルの断面構造を示す図((a)は図8のD−D’線に沿った断面図、(b)は(a)の一部を拡大した断面図)である。
【図11】図8のタッチパネルの断面構造を示す図((a)は図8のE−E’線に沿った断面図、(b)は(a)の一部を拡大した断面図)である。
【図12】本発明の実施例2のタッチパネル付き表示装置の概略構成を示すブロック図である。
【図13】従来の静電容量結合方式のタッチパネルの電極パターンを示す平面図である。
【図14】図13のF−F’線に沿った断面構造を示す断面図である。
【図15】図13のG−G’線に沿った断面構造を示す断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。なお、発明の実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
【実施例1】
【0011】
本実施例1では、表示パネルの一例として例えば液晶表示パネル上にタッチパネルを備えたタッチパネル付き表示装置に本発明を適用した例について説明する。
図1乃至図6は本発明の実施例1のタッチパネル付き表示装置に係る図であり、
図1は、タッチパネル付き表示装置に組み込まれるタッチパネルの電極パターンを示す平面図、
図2は、図1の一部を拡大した平面図、
図3は、図1のタッチパネルの断面構造を示す図((a)は図1のA−A’線に沿った断面図、(b)は(a)の一部を拡大した断面図)、
図4は、図1のタッチパネルの断面構造を示す図((a)は図1のB−B’線に沿った断面図、(b)は(a)の一部を拡大した断面図)、
図5は、図1のタッチパネルのシールド用の導電膜パターンを示す平面図、
図6は、タッチパネル付き表示装置の概略構成を示すブロック図である。
なお、図6において、タッチパネル20は、図1のC−C’線に沿った断面構造を示している。
【0012】
本実施例1のタッチパネル付き表示装置は、図6に示すように、液晶表示パネル30と、液晶液示パネル30の観察者側の面上に配置された静電容量結合方式のタッチパネル20と、液晶表示パネル30の観察者側とは反対側の面下に配置されたバックライト40とを備えている。液晶表示パネル30としては、例えばIPS方式、TN方式、VA方式等の液晶表示パネルが用いられている。液晶表示パネル30は、複数の画素がマトリクス状に配置された表示領域と、この表示領域の周囲に配置された非表示領域とを有している。複数の画素の各々は、画素電極及び対向電極を有している。非表示領域には、ブラックマトリクスなどの遮光膜が設けられている。
タッチパネル20は、図1乃至図4に示すように、基板11の観察者側の面上において、第1の方向(例えばX方向)に延在し、前記第1の方向と交差する第2の方向(例えばY方向)に所定の配列ピッチで並設される複数の電極1Xと、この複数の電極1Xと交差して前記第2の方向に延在し、前記第1の方向に所定の配列ピッチで並設される複数の電極2Yとを有している。
複数の電極2Yの各々は、第1部分2aと、この第1部分2aの幅よりも広い幅の第2部分2bとが前記第2の方向に交互に複数配置された電極パターンで形成されている。複数の電極2Yの各々は、基板11の観察者側の面上に絶縁膜12を介して配置され、その上層に形成された保護膜13で覆われている。基板11としては、例えばガラス等の透明な絶縁性基板が用いられている。
【0013】
複数の電極1Xの各々は、第1部分1aと、この第1部分1aの幅よりも広い幅の第2部分1bとが前記第1の方向に交互に複数配置された電極パターンで形成されている。複数の電極1Xの各々の第1の部分1aは、電極2Yとは異なる導電層に形成され、電極2Yの第1部分2aと平面的に交差している。複数の電極1Xの各々の第2部分1bは、電極2Yと同層の導電層に電極2Yとは分離して形成されている。本実施例1において、電極1Xの第1部分1aは、基板11側から見て電極2Yよりも下層に形成されている。
複数の電極1Xの各々の第2部分1bは、電極2Yと同様に、基板11の観察者側の面上に絶縁膜12を介して配置され、その上層に形成された保護膜13で覆われている。複数の電極1Xの各々の第1部分1aは、基板11の観察者側の面上に配置され、その上層に形成された絶縁膜12で覆われている。
電極1Xの第1部分1aは、電極2Yの第1部分2aと平面的に交差し、この第1部分2aを挟んで隣り合う2つの第2部分1bに、電極1Xの第1部分1aと電極2Yとの間の層間絶縁膜である絶縁膜12に形成されたコンタクトホール12aを介してそれぞれ電気的にかつ機械的に接続されている。
即ち、複数の電極1Xの各々は、電極2Yとは異なる導電層に形成され、電極2Yと交差する第1部分1aと、電極2Yとは分離して電極2Yと同層の導電層に形成される第2部分1bとを有し、電極1Xの第1部分1aは、この第1部分1aと電極2Yとの間の絶縁膜12に形成されたコンタクトホール12aを介して電極1Xの第2部分1bと電気的に接続されている。
【0014】
電極2Yの第2部分2bは、隣り合う2つの電極1Xにおいて、平面的に見たとき、各々の第1部分1aの間に配置されている。電極1Xの第2部分1bは、隣り合う2つの電極2Yにおいて、平面的に見たとき、各々の第1部分2aの間に配置されている。
即ち、電極2Yは、電極1X間に電極1Xと交差する部分の幅よりも広い幅の部分を有し、電極1Xは、電極2Y間に電極2Yと交差する部分の幅よりも広い幅の部分を有している。
タッチパネル20は、複数の電極2Y及び1Xが配置された中央領域と、この中央領域の周囲に配置された周辺領域とを有している。タッチパネル20の周辺領域には、図1に示すように、複数の電極2Yの各々と電気的に接続された複数の配線5、及び、複数の電極1Xの各々と電気的に接続された複数の配線5が配置されている。これら複数の配線5の各々は、複数の電極2Y、複数の電極1Xの各々とタッチ位置制御回路とを電気的に接続する配線である。
【0015】
タッチパネル20の中央領域は、液晶表示パネル30の表示領域に対応して配置され、タッチパネル20の周辺領域は、液晶表示パネル30の非表示領域に対応して配置されている。即ち、タッチパネル20の複数の電極1X及び2Yは、液晶表示パネル30の表示領域と対向する領域に配置され、複数の配線5は、液晶表示パネル30の非表示領域と対向する領域に配置されている。
図3及び図4に示すように、複数の配線5の各々は、基板11の観察者側の面(主面)上に配置され、その上層に形成された絶縁膜12で覆われている。複数の配線5の各々は、各電極(電極1X,電極2Y)の終端において、図3及び図4に示すように、絶縁膜12に形成されたコンタクトホール12bを介して、対応する電極(電極1X,電極2Y)と電気的に接続されている。
複数の電極1X及び複数の電極2Yの各々は、高い透過性を有する材料、例えばITO(Indium Tin Oxide)等の透明性導電材料で形成されている。複数の配線5の各々は、例えば導電性材料が異なる2層構造で構成されており、例えば電極1Xの第1部分1aと同層の透明性導電膜(例えばITO)と、この透明性導電膜上に形成され、この透明性導電膜よりも抵抗値が低い導電性金属膜との2層構造になっている。
【0016】
タッチパネル20は、図1乃至図5に示すように、面状のシールド用の導電膜3を有している。このシールド用の導電膜3は、基板11の観察者側の面(主面)上に配置され、その上層に形成された絶縁膜12で覆われている。
シールド用の導電膜3は、電極1Xの第1部分1aと同層に形成され、高い透過性を有する材料、例えばITO(Indium Tin Oxide)等の透明性導電材料で形成されている。複数の電極1Xの第1部分1aとシールド用の導電膜3は、同一の導電膜をパターンニングすることによって形成される。
シールド用の導電膜3は、平面的に見たとき、複数の電極(電極1X,電極2Y)を覆うようにしてタッチパネル20の中央領域に配置されている。シールド用の導電膜3は、図3乃至図5に示すように、電極1Xの第1部分2aが形成される領域に開口部4を有し、電極1Xの第1部分2aは、シールド用の導電膜3に形成された開口部4内に形成されている。即ち、本実施例1のシールド用の導電膜3は、電極1Xの第1部分1aとは分離して電極1Xの第1部分1aと同層の導電層で形成されている。
本実施例1のタッチパネル20は、基板11の観察者側の面と反対側の面が液晶表示パネル30の観察者側の面と向かい合うようにして液晶表示パネル30上に配置されており、シールド用の導電膜3は、液晶表示パネル30とタッチパネル20の複数の電極(電極1X,電極2Y)が配置された中央領域との間に配置されている。シールド用の導電膜3は、所定の信号が入力され、液晶表示パネル30からタッチパネル20へのノイズを低減している。本実施例1のシールド用の導電膜3は、タッチパネル付き表示装置において使用される電源電位のうち、例えば基準電位(例えば0V)に電位固定される配線と電気的に接続されている。
【0017】
タッチパネル20は、図1乃至図4に示すように、シールド用の導電膜6を有している。このシールド用の導電膜6は、絶縁膜12上に配置され、その上層に形成された保護膜13で覆われている。
シールド用の導電膜6は、電極1Xの第2部分1b及び電極2Yと同層に形成され、高い透過性を有する材料、例えばITO(Indium Tin Oxide)等の透明性導電材料で形成されている。複数の電極1Xの第2部分1b、複数の電極2Y、及びシールド用の導電膜6は、同一の導電膜をパターンニングすることによって形成される。
シールド用の導電膜6は、平面的に見たとき、複数の配線5を覆うようにしてタッチパネル20の周辺領域に配置されている。シールド用の導電膜6は、電極1Xの第2部分1b及び電極2Yとは分離してこれらと同層の導電層で形成されている。
シールド用導電膜6は、所定の信号が入力され、観察者側からタッチパネル20へのノイズを低減している。本実施例1のシールド用の導電膜6は、タッチパネル付き表示装置において使用される電源電位のうち、例えば基準電位(例えば0V)に電位固定される配線と電気的に接続されている。
なお、図6では、観察者の指50と電極1Xとの間にC1,C3の容量が、観察者の指50と電極2Yとの間にC2の容量が形成されていることを模式的に示している。本実施例のタッチパネル20は、電極1Xと電極2Yとの結合容量の容量差を検出して、観察者の指50がタッチした、タッチパネル20のタッチ面内におけるタッチ位置座標を検出する。
【0018】
次に、本実施例1のタッチパネル20の製造方法について、図1乃至図5を参照して説明する。
まず、基板11の観察者側の面上に、透明性導電材料(例えばITO)からなる第1の透明性導電膜を形成する。
次に、例えばポジ型レジストを用いて前記第1の透明性導電膜上に、電極パターン、シールド用の導電膜パターン、及び配線パターンを有する第1のマスクを形成し、その後、前記第1のマスクをエッチングマスクとして使用し、前記第1の透明性導電膜をエッチングすることにより、基板11上に、電極1Xの第1部分1a、平面状のシールド用の導電膜3、及び配線下層パターンを形成する。シールド用の導電膜3は、電極1Xの第1部分1aが形成される領域に開口部4を有する面状で形成され、電極1Xの第1部分1aは、シールド用の導電膜3の開口部4内に形成される。
次に、前記第1のマスクを除去し、その後、前記配線下層パターン上に、例えば導電性金属材料からなる配線上層パターンを選択的に形成する。これにより、前記配線下層パターン及び前記配線上層パターンからなる2層構造の配線5が形成される。
次に、シールド用の導電膜3上、電極1Xの第1部分1a上、及び配線5上を含む基板11上に、例えばネガ型レジストからなる絶縁膜12を形成する。この工程において、シールド用の導電膜3、電極1Xの第1部分1a、及び配線5は絶縁膜12で覆われる。
次に、絶縁膜12の必要な部分にコンタクトホール12a及びコンタクトホール12bを形成し、その後、コンタクトホール12a内及びコンタクトホール12b内を含む絶縁膜12上に、透明性導電材料(例えばITO)からなる第2の透明性導電膜を形成する。
【0019】
次に、例えばポジ型レジストを用いて前記第2の透明性導電膜上に、電極パターン及びシールド用の導電膜パターンを有する第2のマスクを形成し、その後、前記第2のマスクをエッチングマスクとして使用し、前記第2の導電膜をエッチングすることにより、絶縁膜12上に、電極1Xの第2部分1b、電極2Y、及びシールド用の導電膜6を形成する。この工程において、上層の第2部分1bは、コンタクトホール12aを介して下層の第1部分1aと電気的にかつ機械的に接続される。また、下層の第1部分1aは、上層の電極2Y第1部分1aと交差する。また、電極1X及び電極2Yは、各々の終端が、コンタクトホール12bを介して、対応する下層の配線5と電気的にかつ機械的に接続される。
次に、前記第2のマスクを除去し、その後、電極1Xの第2部分1b、電極2Y、及びシールド用の導電膜6上を含む絶縁膜12上に、例えばネガ型レジストからなる保護膜13を形成することにより、図1乃至図5に示す構造となる。この工程において、電極1Xの第2部分1b、電極2Y、及びシールド用の導電膜6は保護膜13で覆われる。
【0020】
ところで、従来の静電容量結合方式のタッチパネルでは、図13乃至図15に示すように、複数の電極1Xと複数の電極2Yとが絶縁膜12を介してそれぞれ異なる導電層(下層と上層)に形成されている。このような電極構造の場合、絶縁膜12及び上層の電極1X上に形成される保護膜13は、上層の電極1Xにより膜に歪みが生じるため、加えて、反射光に対しては、下層と上層とで光路長が異なるため、下層の電極2Yと上層の電極1Xに色差が生じ、電極1X及び電極2Yの電極パターンが顕在化する。
これに対し、本実施例の静電容量結合方式のタッチパネル20では、図1乃至図4に示すように、電極1Xは、電極2Yとは異なる層に電極2Yと交差するようにして形成される第1部分1aと、電極2Yと同層に電極2Yとは分離して形成される第2部分1bとを有し、第1部分1aは、第1部分1aと電極2Yとの間の絶縁膜12に形成されたコンタクトホール12aを介して第2部分1bに接続されている。
このような電極構造の場合、保護膜13に対して均一な成膜面を持たせることができるため、保護膜13に生じる歪みを抑制でき、保護膜13の歪みによる色差から生じる電極パターンの顕在化を抑えることができる。この結果、電極パターンの顕在化による光学特性の悪化を抑制できるため、タッチパネル20を組み込んだ表示装置の特性低下を抑制することができる。
また、色差の生じる部分を最小、即ち電極1Xの第1部分1aのみとすることができるため、光路差による色差から生じる電極パターンの顕在化も抑えることができる。この結果、電極パターンの顕在化による光学特性の悪化を抑制できるため、タッチパネル20を組み込んだ表示装置の特性低下を抑制することができる。
【0021】
また、従来の静電容量結合方式のタッチパネルでは、図14及び図15に示すように、基板11の観察者側の面とは反対側の面にシールド用の導電膜15を設けている。このような構造の場合、透明性導電材料層として、電極1Xを形成するための透明導電性材料層層と電極2Yを形成するための透明性導電材料層に、シールド用の導電膜15を形成するための透明性導電材料層を加えた3つの透明性導電材料層が必要であり、低コスト化を阻害する要因となる。
これに対し、本実施例の静電容量結合方式のタッチパネル20では、図1乃至図5に示すように、シールド用の導電膜3は、電極1Xの第1部分1aと同層の透明性導電膜で形成されている。また、シールド用の導電膜3は、電極1Xの第1部分1aが形成される領域に開口部4を有し、電極1Xの第1部分1aは、シールド用の導電膜3に形成された開口部4内に形成されている。
このような電極構造とすることにより、電極1Xと、電極2Yと、液晶表示パネル30からタッチパネル20へのノイズを低減するシールド用の導電膜3とを2つの層の透明性導電材料層で構成することができ、従来のタッチパネルと比較して透明導電材料層に係る材料及びプロセスを省くことができるため、より安価にタッチパネルを製造することができる。これにより、タッチパネルを組み込むタッチパネル付き表示装置の低コスト化を図ることができる。
【0022】
また、本実施例1のタッチパネル20では、図1乃至図4に示すように、絶縁膜12上で複数の配線5を覆うように形成され、所定の信号が入力されるシールド用の導電膜6を有している。本実施例ではシールド用の導電膜に0Vを入力している。シールドに使用する導電膜に入力する信号の種別は本発明の趣旨を規制するものではなく、他の信号でもよい。このシールド用の導電膜6は、電極1Xの第1部分1a、及び電極2Yと同層の透明性導電層に形成されている。このような構造とすることにより、観察者側からタッチパネルへのノイズをシールド用の導電膜6により低減できると共に、電極1Xと、電極2Yと、観察者側からタッチパネル20へのノイズを低減するシールド用の導電膜6とを2つの層の透明性導電材料層で構成することができるため、安価にタッチパネルを製造することができる。
【0023】
図7は、本発明の実施例1の変形例であるタッチパネルの断面構造を示す断面図である。
本変形例のタッチパネル20は、基本的に前述の実施例1と同様の構成になっており、以下の構成が異なっている。
即ち、図7に示すように、本変形例のタッチパネル20は、保護膜13上に形成されるフロントパネル14を有している。このようなタッチパネル20においても、前述の実施例1と同様の効果が得られる。
【実施例2】
【0024】
図8乃至図12は、本発明の実施例2のタッチパネル付き表示装置に係る図であり、
図8は、タッチパネル付き表示装置に組み込まれるタッチパネルの電極パターンを示す平面図、
図9は、図8の一部を拡大した平面図、
図10は、図8のタッチパネルの断面構造を示す図((a)は図8のD−D’線に沿った断面図、(b)は(a)の一部を拡大した断面図)、
図11は、図8のタッチパネルの断面構造を示す図((a)は図8のE−E’線に沿った断面図、(b)は(a)の一部を拡大した断面図)、
図12は、タッチパネル付き表示装置の概略構成を示すブロック図である。
【0025】
本実施例2のタッチパネル付き表示装置は、基本的に前述の実施例1と同様の構成になっており、以下の構成が異なっている。
即ち、前述の実施例1では、図1乃至図4に示すように、下層の導電層に、電極1Xの第1部分1a、及びシールド用の導電膜3が形成され、これよりも上層の導電層に、電極1Xの第2部分1b、電極2Y、及びシールド用の導電膜6が形成された例について説明したが、本実施例2では、図8乃至図11に示すように、下層の導電層に、電極1Xの第2部分1b、及び電極2Y(2a,2b)が形成され、これよりも上層の導電層に、電極1Xの第1部分1a、及びシールド用の導電膜3が形成されている。
複数の電極1Xの各々の第2部分1b、複数の電極2Y、及び複数の配線5は、基板11の主面上に形成され、これらの上層に形成された絶縁膜12で覆われている。複数の電極1Xの各々の第1部分1a、及びシールド用の導電膜3は、絶縁膜12上に形成され、これらの上層に形成された保護膜13で覆われている。
電極1Xの第1部分1a(本実施例では上層)は、電極2Yの第1部分2aと平面的に交差し、この第1部分2aを挟んで隣り合う2つの第2部分1b(本実施例では下層)に、電極1Xの第1部分1aと電極2Yとの間の層間絶縁膜である絶縁膜12に形成されたコンタクトホール12aを介してそれぞれ電気的にかつ機械的に接続されている。
シールド用の導電膜3は、複数の電極1Xの各々の第2部分1b、複数の電極2Y、及び複数の配線5を覆うようにして、タッチパネル20の中央領域及び周辺領域に形成されている。
【0026】
本実施例2のタッチパネル20は、図12に示すように、基板11の保護膜13側の面が液晶表示パネル30の観察者側の面と向かい合うようにして液晶表示パネル30上に配置されており、シールド用の導電膜3は、液晶表示パネル30とタッチパネル20の中尾領域及び周辺領域との間に配置されている。シールド用の導電膜3は、所定の信号が入力され、液晶表示パネル30からタッチパネル20へのノイズを低減している。
本実施例2においても、保護膜13の歪みによる色差から生じる電極パターンの顕在化、及び光路差による色差から生じる電極パターンの顕在化も抑えることができるため、電極パターンの顕在化による光学特性の悪化を抑制でき、タッチパネル20を組み込んだ表示装置の特性低下を抑制することができる。
また、電極1Xと、電極2Yと、液晶表示パネル30からタッチパネル20へのノイズを低減するシールド用の導電膜3とを2つの層の透明性導電材料層で構成することができ、従来のタッチパネルと比較して透明導電材料層に係る材料及びプロセスを省くことができるため、より安価にタッチパネルを製造することができる。これにより、タッチパネルを組み込むタッチパネル付き表示装置の低コスト化を図ることができる。
【0027】
なお、前述の実施例(1,2)及び変形例では、電極1Xの第1部分1a及び第2部分1bをそれぞれ異なる導電層で形成した例について説明したが、本発明は、電極2Yの第1部分2a及び第2部分2bをそれぞれ異なる導電層で構成した場合も含むことは言うなでもない。
また、前述の実施例(1,2)及び変形例では表示パネルの一例として液晶表示パネル上にタッチパネルを備えたタッチパネル付き表示装置について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、有機EL表示パネルや無機EL表示パネル等の他の表示パネル上にタッチパネルを備えたタッチパネル付き表示装置に適用することができる。
以上、本発明者によってなされた発明を、前記実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0028】
1X 電極
1a 第1部分
1b 第2部分
2Y 電極
2a 第1部分
2b 第2部分
3 シールド用の導電膜
4 開口部
5 配線
6シールド用の導電膜
11 基板
12 絶縁膜
12a,12b コンタクトホール
13 保護膜
14 フロントパネル
15 シールド用の導電膜
20 タッチパネル
30 液晶表示パネル
40 バックライト
【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電容量結合方式のタッチパネルであって、
前記タッチパネルは、基板と、
前記基板の前記観察者側の面上に形成される面状のシールド用の第1導電膜と、
前記シールド用の第1導電膜上に形成される絶縁膜と、
前記絶縁膜上に形成され、第1の方向に延在し前記第1の方向と交差する第2の方向に並設される複数の第1電極と、
前記絶縁膜上に形成され、前記第2の方向に延在し前記第2方向と交差する前記第1の方向に並設される複数の第2電極とを有し、
前記シールド用の第1導電膜は、所定の信号が入力され、
前記複数の第1電極は、前記基板の前記観察者側の面上に形成される第1部分と、前記絶縁膜上で前記第2電極とは分離して形成される第2部分とを有し、
前記第1部分は、前記絶縁膜に形成されたコンタクトホールを介して前記第2部分に接続され、
前記シールド用の第1導電膜は、前記第1部分が形成される領域に開口部を有し、
前記第1部分は、前記シールド用の第1導電膜に形成された前記開口部内に形成されることを特徴とする静電容量結合方式のタッチパネル。
【請求項2】
前記複数の第1電極と前記複数の第2電極とが形成される領域の周囲に形成され、前記複数の第1電極、或いは前記複数の第2電極の各々に電気的に接続される複数の配線を有し、
前記複数の配線は、前記基板の前記観察者側の面上に形成され、
前記絶縁膜上で前記複数の配線を覆うように形成され、所定の信号を入力されるシールド用の第2導電膜を有することを特徴とする請求項1に記載の静電容量結合方式のタッチパネル。
【請求項3】
前記タッチパネルは、前記複数の第1電極と前記複数の第2電極上に形成される保護膜を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の静電容量結合方式のタッチパネル。
【請求項4】
前記タッチパネルは、前記保護膜上に形成されるフロントパネルを有することを特徴とする請求項3に記載の静電容量結合方式のタッチパネル。
【請求項5】
静電容量結合方式のタッチパネルであって、
前記タッチパネルは、基板と、
前記基板の前記表示パネル側の面上に形成され、第1の方向に延在し前記第1の方向と交差する第2の方向に並設される複数の第1電極と、
前記基板の前記表示パネル側の面上に形成され、前記第2の方向に延在し前記第2の方向と交差する前記第1の方向に並設される複数の第2電極と、
前記複数の第1電極および前記複数の第2電極上に形成される絶縁膜と、
前記絶縁膜上に形成される面状の導電膜とを有し、
前記複数の第1電極は、前記絶縁膜上に形成される第1部分と、前記基板の前記表示パネル側の面上で前記第2電極とは分離して形成される第2部分とを有し、
前記第1部分は、前記絶縁膜に形成されたコンタクトホールを介して前記第2部分に接続され、
前記面状の導電膜は、前記第1部分が形成される領域に開口部を有し、
前記第1部分は、前記面状の導電膜に形成された前記開口部内に形成されることを特徴とする静電容量結合方式のタッチパネル。
【請求項6】
前記複数の第1電極と前記複数の第2電極とが形成される領域の周囲に形成され、前記複数の第1電極、或いは前記複数の第2電極の各々に電気的に接続される複数の配線を有し、
前記導電膜は、前記複数の配線を覆うように形成されていることを特徴とする請求項5に記載の静電容量結合方式のタッチパネル。
【請求項7】
前記タッチパネルは、前記複数の第1電極と前記複数の第2電極上に形成される保護膜を有することを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の静電容量結合方式のタッチパネル。
【請求項8】
前記複数の第1電極および前記複数の第2電極は、透明導電膜で構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の静電容量結合方式のタッチパネル。
【請求項1】
静電容量結合方式のタッチパネルであって、
前記タッチパネルは、基板と、
前記基板の前記観察者側の面上に形成される面状のシールド用の第1導電膜と、
前記シールド用の第1導電膜上に形成される絶縁膜と、
前記絶縁膜上に形成され、第1の方向に延在し前記第1の方向と交差する第2の方向に並設される複数の第1電極と、
前記絶縁膜上に形成され、前記第2の方向に延在し前記第2方向と交差する前記第1の方向に並設される複数の第2電極とを有し、
前記シールド用の第1導電膜は、所定の信号が入力され、
前記複数の第1電極は、前記基板の前記観察者側の面上に形成される第1部分と、前記絶縁膜上で前記第2電極とは分離して形成される第2部分とを有し、
前記第1部分は、前記絶縁膜に形成されたコンタクトホールを介して前記第2部分に接続され、
前記シールド用の第1導電膜は、前記第1部分が形成される領域に開口部を有し、
前記第1部分は、前記シールド用の第1導電膜に形成された前記開口部内に形成されることを特徴とする静電容量結合方式のタッチパネル。
【請求項2】
前記複数の第1電極と前記複数の第2電極とが形成される領域の周囲に形成され、前記複数の第1電極、或いは前記複数の第2電極の各々に電気的に接続される複数の配線を有し、
前記複数の配線は、前記基板の前記観察者側の面上に形成され、
前記絶縁膜上で前記複数の配線を覆うように形成され、所定の信号を入力されるシールド用の第2導電膜を有することを特徴とする請求項1に記載の静電容量結合方式のタッチパネル。
【請求項3】
前記タッチパネルは、前記複数の第1電極と前記複数の第2電極上に形成される保護膜を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の静電容量結合方式のタッチパネル。
【請求項4】
前記タッチパネルは、前記保護膜上に形成されるフロントパネルを有することを特徴とする請求項3に記載の静電容量結合方式のタッチパネル。
【請求項5】
静電容量結合方式のタッチパネルであって、
前記タッチパネルは、基板と、
前記基板の前記表示パネル側の面上に形成され、第1の方向に延在し前記第1の方向と交差する第2の方向に並設される複数の第1電極と、
前記基板の前記表示パネル側の面上に形成され、前記第2の方向に延在し前記第2の方向と交差する前記第1の方向に並設される複数の第2電極と、
前記複数の第1電極および前記複数の第2電極上に形成される絶縁膜と、
前記絶縁膜上に形成される面状の導電膜とを有し、
前記複数の第1電極は、前記絶縁膜上に形成される第1部分と、前記基板の前記表示パネル側の面上で前記第2電極とは分離して形成される第2部分とを有し、
前記第1部分は、前記絶縁膜に形成されたコンタクトホールを介して前記第2部分に接続され、
前記面状の導電膜は、前記第1部分が形成される領域に開口部を有し、
前記第1部分は、前記面状の導電膜に形成された前記開口部内に形成されることを特徴とする静電容量結合方式のタッチパネル。
【請求項6】
前記複数の第1電極と前記複数の第2電極とが形成される領域の周囲に形成され、前記複数の第1電極、或いは前記複数の第2電極の各々に電気的に接続される複数の配線を有し、
前記導電膜は、前記複数の配線を覆うように形成されていることを特徴とする請求項5に記載の静電容量結合方式のタッチパネル。
【請求項7】
前記タッチパネルは、前記複数の第1電極と前記複数の第2電極上に形成される保護膜を有することを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の静電容量結合方式のタッチパネル。
【請求項8】
前記複数の第1電極および前記複数の第2電極は、透明導電膜で構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の静電容量結合方式のタッチパネル。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−123850(P2012−123850A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−77121(P2012−77121)
【出願日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【分割の表示】特願2008−206136(P2008−206136)の分割
【原出願日】平成20年8月8日(2008.8.8)
【出願人】(502356528)株式会社ジャパンディスプレイイースト (2,552)
【出願人】(506087819)パナソニック液晶ディスプレイ株式会社 (443)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【分割の表示】特願2008−206136(P2008−206136)の分割
【原出願日】平成20年8月8日(2008.8.8)
【出願人】(502356528)株式会社ジャパンディスプレイイースト (2,552)
【出願人】(506087819)パナソニック液晶ディスプレイ株式会社 (443)
【Fターム(参考)】
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