非か焼マンガン鉱石からマンガンペレットを製造する方法およびこの方法により得られた凝集物
非か焼マンガン鉱石からマンガンペレットを製造する方法であって、下記の工程、すなわち(a)粒子径による鉱石分級を通して鉱石サイズを調整し、1mm以下のサイズを得るために、1mm以下の粒子を鉱石粒子分画処理から保持すること、ならびにこれらの粒子を粉砕する工程、(b)フラックスを添加する工程、(c)凝集剤を添加する工程、(d)ペレット化し、粗製ペレットを得る工程、および(e)粗製ペレット乾燥、予熱および加熱により熱処理する工程を含んでなる、方法を開示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非か焼マンガン鉱石を基材とするマンガンペレット製造方法に関する。本発明により得た製品(マンガン鉱石ペレット)は、電気炉における鉄合金製造(Fe−Mn、Fe−Si−Mn)、溶鉱炉マンガン高級銑鉄および/または特殊鋼製造における合金元素として使用される。
【背景技術】
【0002】
マンガンは、製鋼で非常に重要である。世界におけるマンガン生産の約90%は、鉄合金として製鋼処理に使用される。
【0003】
ブラジルは、Para、Mato GrossoおよびMinas Gerais州にマンガン鉱石埋蔵区域を有し、これらの鉱石は、鉱石の地質学的組成が異なっている。
【0004】
鉱山およびマンガン処理場における鉱石抽出では、多くの微粉が発生する。そのような材料は、鉄合金製造電気炉または他の炉に直接使用できない。微粉は、環境問題に加えて、層浸透性(bed permeability)に有害であり、工場生産性を下げ、電力消費を増加させる。
【0005】
マンガン鉱石製造業者−特に多くの微粉を発生する製造業者−は、そのような鉱石の使用を増加するための代替方法を鋭意求めている。技術的な代替方法として、焼結、ペレット化および団鉱形成による微粉凝集が特に考慮されている。
【0006】
マンガン焼結ラインは、十分に確立している。焼結製品は、過度の取扱および長距離輸送を支えるための十分な機械的耐性が欠けているので、この鉱石は、焼結に適した挙動を示し、還元電気炉に使用するのに、特に地方における使用に適切な焼結製品を製造する。
【0007】
団鉱形成およびペレット化による冷間凝集で幾つかの研究が行われているが、そのような研究は、製造される凝集物の物理的および冶金学的品質に大きな問題があるために、成果を上げていない。
【0008】
以前に、高温のマンガンペレット製造が、幾つかの会社および研究所により研究されている。これらの研究は、焼成後のペレットが、高度の亀裂発生のために非常に脆いことを示している。これは、火炎により引き起こされる鉱石の損失が大きいこと、および酸化マンガン相の変態によるものと考えられる。これらの事実から、物理的品質が高いMnペレットの製造を可能にするための、製造ラインにおける鉱石の熱処理に準備段階を包含するようになった。
【0009】
最も一般的なマンガンペレット製造方法は、予めか焼したマンガン鉱石を、流動床還元雰囲気中で使用する。この方法では、ペレット化および原料ペレット焼成に続いて、マンガン鉱石熱処理を行う。この熱処理は、還元か焼とも呼ばれ、主としてマグネタイトを発生させること、および磁気的分離により鉄除去を行い易くし、鉱石濃縮を目的とする。この熱処理の副作用は、マンガン濃度が高い酸化物の分解であり、これが伝統的な製造方法(グレートキルンおよび可動型キルン)におけるマンガンペレット焼成を妨害する。従って、従来のマンガンペレット製造経路は、流動床炉雰囲気における予備か焼に加えて、摩砕、濾過、磁気的分離、ペレット化および可動火格子型炉における焼成工程を包含する。
【0010】
この技術の克服すべき大きな障害は、ペレットを非か焼鉱石から製造する場合、物理的に十分なマンガンペレットを得るのが困難なことである。非か焼鉱石から得たマンガン粗製ペレットを焼成する処理では、ペレット構造中に多くの欠陥、例えば亀裂および裂け目、が生じ、圧縮に対する耐性を大きく低下させる。極端な場合、これは、スポーリングとも呼ばれるペレット全体の構造的劣化を引き起こすことがある。そのような現象は、乾燥および予熱工程における、水蒸気およびマンガン濃度が高い酸化物の分解により引き起こされる過剰の蒸気発生によるものである。ペレットが十分な気孔率を有していない場合、発生した蒸気がペレット構造中に、ペレットを脆くするか、またはさらには破壊するのに十分な内部張力を造り出す。物理的に不十分なペレットは、取り扱い、輸送中、および/または炉内還元の際に過剰の微粉を発生することがある。この微粉発生は、炉の前に篩スクリーニングを行う場合、製品損失につながることがあるか、または層浸透性が失われるために、還元の際に材料性能が低下することがある。
【0011】
製鋼には重要であるが、マンガン鉱石ペレットの製造は、これまでほとんど研究されておらず、研究論文もほとんど発表されていない。
【0012】
JP001040426は、予備還元したマンガン鉱石からペレットを得る方法に関する。
【0013】
文書UA16847Uは、低品質マンガン鉱石からマンガン鉄を得る方法に関する。
【0014】
US4273575は、粒子径150ミクロン未満である鉄鉱石微粉またはマンガン微粉に凝集剤を加え、続いてペレット化し、300℃で熱処理することにより、最大サイズ6.0mmの球に変換する方法に関する。
【0015】
文書JP57085939は、鉄−マンガン製造用の原料を記載しており、そこではマンガン鉱石微粉に7.0%のポルトランド型セメント凝集剤を加え、7.0%〜10.0%の水を加えることができる。次いで、ペレットを3日〜1週間の時間間隔で硬化させる。
【0016】
ICOMI-Industria e Comercio de Minerios do Amapaは、自社の鉱山から得られるマンガン鉱石を使用するためのペレット化設備を構築し、操業している。この設備は、米国のBethlehem Steel Corporation (BSC)により開発された。
【0017】
この設備の月間生産能力は、20,000トンである。
【0018】
マンガンペレットの物理的特性は、鉄鉱石ペレットで得られる/既知の特性に匹敵する。
【0019】
設備の管理および操作は、ICOMIが行い、技術的支援はBSCにより与えられる。
【0020】
Serra do Navio Mine (SNV)から得た鉱石は、下記の組成を示す酸化マンガン鉱石(65重量%)であった。
【0021】
【表1】
図1は、ICOMIにより使用される還元か焼工程(Roaster)に供給するための鉱石処理に関する処理フローチャートを示す。
【0022】
ICOMIの処理設備から得られる製品は、下記の特徴を示す。
【0023】
【表2】
【0024】
ICOMIペレット製造の目的には、所望の粒子径で、その系が75t小および50t微粉、またはそれぞれ60%および40%、の混合物である。次いで、この混合物(8mm〜150メッシュ粒子径)を、還元雰囲気中におけるか焼に使用する流動床炉(Roaster)に供給する。この工程における主目的は、鉄鉱石内容物をヘマタイトからマグネタイトに変態させることである。マグネタイト除去は、磁気分離により可能になった。これによって、マンガン/鉄比が増加する、すなわち、マンガン鉱石濃度が高くなる。さらに、これには、鉱石をか焼する副効果があり、これによって確実に、ペレット焼成処理の際に濃度が高い酸化マンガンの分解は起こらない。
【0025】
濃縮し、か焼した−Mn鉱石をペレット化するために、ICOMIは、凝集剤としてベントナイトを使用し、鉱石1トンあたり20キログラム(2.0%)を加えている。製造されるペレットの圧縮に対する耐性は、ペレット1個あたり250kgのオーダーにある。
【0026】
図2は、ペレット化まで還元か焼する際の鉱石処理を示す。
【0027】
ペレット化ディスクは、ディスク中における材料の滞留時間を増加するための、段階型平面(levels)を備えている。これによって、粗製ペレットの効果的な形成および優れた仕上げが得られる。
【0028】
図3は、粗製ペレットの乾燥、ペレット化およびスクリーニングを図式的に示す図である。
【0029】
ICOMIでは、焼成工程で、可動火格子型炉を使用している(ペレット化焼成炉を示す図4参照)。図4の見出しを下記の表1に示す。
【0030】
【表3】
【0031】
下記の表2は、ICOMI製品の規格を示す。
【表4】
【0032】
まとめると、ICOMIのペレット化製法は、還元か焼に続いて、鉱石中のMn/Fe比を増加させるための代替手段として磁気分離を行い、ペレットの化学的処理によりもたらされる分解効果を下げることができる。この工程に続いて、鉱石を湿式摩砕にかけ、ハイドロサイクロンにより分級し、増粘、均質化、濾過および鉱石乾燥にかけてから、ペレット化工程を行う。
【発明の目的】
【0033】
本発明の目的は、マンガン鉱石微粉でペレットを製造し、先行する鉱石か焼を排除し、摩砕、増粘、均質化、濾過および乾燥の工程を、自然ローラープレス粉砕で置き換えることである。
【0034】
得られる製品は、積み込み−積み下ろし取扱、長距離輸送および製鋼炉における処理に耐えるように、予め規定された化学組成および物理的特徴、例えば圧縮および摩滅(摩耗)に対する高い耐性を有する。
【0035】
本発明は、ペレット劣化の破滅的な影響を、下記の事項により低減させる(downplay)。
・鉱石粒子径分布の適切な制御、
・変態機構工程知識により、鉱石が受ける温度を増加する(表3参照)、
・焼成工程を制御するための適切な熱サイクルの構築。
【0036】
【表5】
【発明の利点】
【0037】
予めか焼していない鉱石からマンガンペレットを得る新規な製法を開発した。この製法には、下記のような幾つかの利点がある。
−予め設定された/既知の化学組成を有し、物質収支精度がより高い製品を得ることができる。
−重質元素を、ガス処理装置による回収により、減少/排除することができる。
−長距離輸送、冶金学的反応器中で使用する際の取扱および分解に耐える十分な機械的耐性を示し、これらの段階の全てで発生する微粉が少ないマンガンペレットを得ることができる。
−従来の処理コストと比較して、操作コストが大幅に低下する。
−冶金学的反応器性能を改良することができる。より均質な粒子径およびより優れた負荷浸透性(load permeability)により、合金鉄炉の生産性が向上する。
−成分の化学組成、物理的および冶金学的品質に関して、より均質な製品を得ることができ、合金鉄、銑鉄または特殊鋼製造用の添加元素の製造を目的とする装填物の製造が可能になる。
−抽出、取扱/選鉱および輸送中に発生した微粉を再使用し、備蓄を最大限にすることが可能である。
−環境に対する責任を低減できる。
−ダム関連材料の回収−選鉱屑の再使用が可能になる。廃棄物と考えられる微粉鉱石が備蓄になる。
−残留物をその発生源で処理し、それによって、価値が下がるために、原料コストを下げ、置き換え比が低下するために、環境に対する責任ならびに製造コストを低減することができる。
−ヨーロッパにおけるより厳しい環境規制の場合に、解決策が期待される。
−低水分等級製品が得られ、金属濃度が高い製品により、輸送コストを低減できる。
−市場に新規な、総合的価値が高い製品を導入できる。
【発明の概要】
【0038】
改良された機械的強度を示すマンガン凝集物、ならびにそれらの、予めか焼していない粉砕されたマンガン鉱石凝集による、高温ペレット化を使用する製造方法であって、
(a)1mm以下の粒子が1mm以下のサイズを有するように鉱石粒子分画処理から維持される、粒子径との関係による鉱石分級、およびこれらの粒子の粉砕を経て、鉱石サイズを調整する工程、
(b)フラックスを添加する工程、
(c)凝集剤を添加する工程、
(d)ペレット化し、粗製ペレットを得る工程、および
(e)乾燥、予熱および粗製ペレット加熱を経て熱処理する工程
を含んでなる、方法を開発した。
【図面の簡単な説明】
【0039】
以下に本発明を、図面に示す実施例により詳細に説明する。
【図1】先行技術で使用する還元か焼工程原料(Roaster)に関して、鉱石処理方法のフローチャートを示す。
【図2】現状技術水準で公知の、ペレット化までの還元か焼工程を行う際の鉱石処理を示す。
【図3】現状技術水準で公知の、乾燥工程、ペレット化および粗製ペレットのスクリーニングを図式的に示すフローチャートである。
【図4】現状技術水準で公知の、直線型炉−等級硬化機械を示す。
【図5】本発明の目的である、ペレット化用化合物の混合物および鉱石処理経路を含むフローチャートである。
【図6】模擬可動火格子型処理で使用するポット−グレート焼成炉を図式的に示す図である。
【図7】模擬「鋼製ベルト」製法で使用する誘導炉を示す。図8は、図7による誘導炉における焼結試験の際に得た温度を含むグラフを示す。
【図8A】写真1Aは、本発明の目的である、本製法で使用する粉砕装置を示す。
【図8B】写真1Bは、本発明の目的である、本製法で使用する粉砕装置を示す。
【図9】写真2は、模擬「可動火格子」処理で使用するペレット化ディスクを示す。
【図10】写真3は、模擬「可動火格子」処理で使用する粗製ペレットを示す。
【図11】写真4は、模擬「可動火格子」処理で使用するポット−グレート焼成炉を示す。
【図12】写真5は、模擬「鋼製ベルト」処理のためのペレット化試験で使用する直径400mm実験室ディスクを示す。
【図13A】写真6Aは、模擬「鋼製ベルト」処理で使用する湿潤および乾燥ペレットを示す。
【図13B】写真6Bは、模擬「鋼製ベルト」処理で使用する湿潤および乾燥ペレットを示す。
【図14】写真7は、模擬「鋼製ベルト」処理から得た1300℃焼結させたペレットを示す。
【図15】写真8は、模擬「グレートキルン」処理における粗製ペレットの製造で使用するペレット化ディスクを示す。
【図16】写真9は、模擬「グレートキルン」処理で使用する焼成炉を示す。
【発明の詳細な説明】
【0040】
ペレット化は、鉱石の超微粒画分を、還元炉供給に好適な特徴を有する約8〜18mmサイズの球に変換する、機械的および熱的凝集処理である。
【0041】
本発明により、予めか焼していない、0.044mmメッシュを40〜60%が通過するサイズを有するマンガン鉱石(粗い材料)からペレットを製造することができる。
【0042】
本発明の方法によるマンガン鉱石ペレット製造は、下記の工程を含んでなる。
1)マンガン鉱石乾燥、
2)粉砕処理による鉱石サイズ調整、
3)マンガン鉱石にフラックス(カルサイトまたはドロマイト石灰石もしくは他のMgO供給源、例えばサーペンチナイト、オリビン、等)の添加、
4)マンガンとフラックス鉱石の混合物に凝集剤を添加、
5)前の工程から得た材料の混合、
6)マンガン鉱石粗製ペレットを製造するための最終的混合物のペレット化、
7)粗製ペレットスクリーニング、
8)マンガン鉱石ペレット焼成、
9)焼成ペレットスクリーニング、および
10)マンガン鉱石ペレットの貯蔵および出荷。
【0043】
本方法は、他の酸化物マンガン鉱石ならびに特定のサイズ分布、比表面積800〜2000cm2/gおよび0.44mm未満の百分率40〜60%を有する他の同じタイプの金属に由来する鉱石に適用される。鉱石は、超微粒材料の発生を阻止する様式で製造するべきである。
【0044】
鉱石調整処理に関する限り、選択する装置は、鉱石の初期サイズによって異なる。この工程中、材料の粒子径低下にボールミル加工は使用しない。粉砕処理に最も好適な装置は、クラッシャーおよびローラープレス、または再循環を伴うか、または伴わないローラープレスのみである。1画分の場合、0.5または1.0mmメッシュを超える粒子径は、このメッシュを100%通過する材料を得るために予め低下させ、次いで再循環を伴うか、または伴わないローラープレスにかける。0.5または1.0mm未満の画分を有する材料は、再循環を伴うか、または伴わないローラープレスで処理することができる。0.044mmメッシュを通過する材料では、800〜2000cm2/gの比表面積および/または40〜60%のサイズが得られるまで、十分にプレスする必要がある。より細かいサイズを有する鉱石、すなわち、これらの比表面積で、0.044mmを通過する百分率が40%以上である鉱石の場合、粉砕およびプレス工程を行わなくてよい。
【0045】
粉砕および/またはローラープレス工程は、スクリーンを含む閉鎖回路中で行い、そのような操作から所望の製品サイズを確保する。
【0046】
再循環を伴うか、または伴わないローラープレスの使用には、鉱石を予め乾燥させ、最終含水量9〜10%に対して初期含水量を約12〜15%にする必要がある。乾燥は、好ましくは、発電を目的とする固体または液体燃料を動力源とするロータリー乾燥機中で行う。
【0047】
ペレット化処理では、マンガン鉱石サイズ調整の後、粉砕した材料をフラックス、カルサイトまたはドロマイト石灰石もしくは他のMgO供給源、例えばサーペンチナイト、オリビン、等、と混合する。
【0048】
フラックス配合量は、ペレットに望ましい化学組成に応じて0.1〜2.0%でよい。次いで、混合物に凝集剤を添加するが、この凝集剤は、ベントナイト(0.5〜2.0%)、消石灰(2.0〜3.0%)またはCMC型合成凝集剤、カルボキシメチルセルロース(0.05〜0.10%)でよい。量は、炉までの輸送を支える、および乾燥、予備焼成および焼成工程中に受ける熱衝撃に対する十分な耐性を有する粗製ペレットの形成に好適な量である。湿潤および乾燥ペレットの両方の耐性は、最小レジリエンス値、すなわち、5滴で、少なくともそれぞれ1.0および2.0kg/ペレットである。
【0049】
水の添加は、ディスクまたはドラムによるペレット化工程中に行う。添加は、混合物の初期含水量に応じて、良好な物理的品質を有する粗製ペレットを形成するのに十分な量で行う。サイズおよび凝集剤添加に応じて含水量は14〜18%でよい。
【0050】
粗製ペレットは、主として所望の製造量に応じて、「可動火格子」、「グレートキルン」または鋼製ベルト型炉中で熱処理する。熱衝撃のため、ペレットの乾燥および予備焼成工程の両方で、特別な注意を払う。加熱速度は50〜150℃/分である。最高温度および合計焼成時間は、物理的耐性、主として圧縮耐性、に関して、最終製品の品質を確保するように選択する。最高温度は1280〜1340℃で、合計時間は34〜42分間でよい。ペレットの圧縮耐性は、少なくとも250daN/ペレットである。
【0051】
本発明をより分かり易く説明するために、ペレット化および焼成の例を以下に記載するが、これらの例は、本発明を制限するものではない。全ての例に対する、ペレット化用の混合物組成および鉱石調整経路を図5に示す。
【0052】
カルサイト石灰石を、スラグの形成および組成調節のためのフラックスおよびCaO供給源として、電気炉(FEA)中に加え、材料の70%が325メッシュを通過するように調整した。
【0053】
ベントナイトは、ペレット化工程のための凝集剤およびフラックスとして添加した。マンガンおよびSiO2は、化合物を形成し、その融点は1,274℃のオーダーにある。
【0054】
写真1Aおよび1Bは、本発明に使用する粉砕装置、すなわちミル(A)およびローラープレス、ベンチ/パイロット(B)を示す。
【0055】
例1 ペレット化およびパイロット規模のマンガン鉱石焼成−「可動火格子」処理
この研究に使用した原料は、Mina do Azul (Carajas/PA)から得たMF15と呼ばれるマンガン鉱石、Northenカルサイト石灰石およびインドから得たベントナイトである。表4は、使用した材料の化学分析を示す。
【0056】
【表6】
【0057】
粗製ペレット製造工程では、速度調節可能なベルト供給装置、直径1メートルのペレット化ディスク、角度45°、速度19rpm、および水スプレー式供給装置を使用した(写真2)。
【0058】
時折、ディスク角度を変え(45°〜43°)、滞留時間をより長くして、ペレット直径を10〜20mmに調節した。この作業の目的は、焼成工程に続いて、脱水による鉱石収縮のために、ペレットが8〜18mmに確実に維持されることにあり、これは、ベンチスケール試験で、焼成および粗製ペレットか焼工程の際に観察された。
【0059】
図3に示すように、粗製ペレットの特性を試験するために、湿潤および乾燥させたペレットを、分級(粗製ペレットスクリーニング)、輸送および焼成炉に移動させる際の取扱段階を模擬しながら、粗製ペレットの性能を評価するための検定である、圧縮耐性および滴数検定(レジリエンス)にかけた。結果を下記の表5に示す。
【0060】
【表7】
【0061】
粗製ペレットの製造に続いて、それらのペレットを8、10,12.5、16、18、および20mmメッシュでスクリーニングし、サイズ分布評価した。
【0062】
10mmメッシュを通過する材料および20mmメッシュ上に保持される材料を廃棄し、10〜20mm範囲の材料を混合し、ポット−グレート型パイロット炉中で熱処理する粗製ペレット装填物を形成した。
【0063】
図6はペレット焼成炉を図式的に示すが、そこでは数字が、それぞれ(3)最上部、(4)中央、(5)底部、(6)ライニング、および(1)ライニング層(10cm)および(2)側方層(2cm)を示し、写真4はペレット焼成炉の写真を示す。そのような装置に関連するデータを以下に示す。
【0064】
ポット−グレート焼成炉
内径 30cm
外径 40cm
高さ 50cm
耐火性ライニング シリカ−発光材料の板
ライニング層の高さ 10cm
空気圧 可変
空気流量 可変
温度範囲 0℃〜1,350℃
【0065】
ポット−グレートの組立構造には焼成した鉱石ペレットを、グレート/鋼製スクリーンにより保護されるライニング層として使用し、側方層には6mmの磁器製の球を使用した。
【0066】
粗製ペレットを供給した後、炉を密封し、熱電対を接続した。焼成は、炉に装填する際に予定をたて、粗製ペレットが、ペレットを劣化させる破損を起こさずに、上流乾燥、下流乾燥、予熱、加熱、後加熱および冷却を受けるように、実行すべき熱的プロファイルを規定した。
【0067】
冷却工程が完了した後、焼成ペレットを取り出し、磁器製球から分離し、均質化させ、4分割し、圧縮および摩耗耐性の物理的および化学的分析にかけた。
【0068】
次いで、焼成ペレットを、下記の表6に示す実験室化学分析にかけた。
【0069】
【表8】
【0070】
評価した焼成ペレットの物理的品質パラメータは、結果が269daN/ペレットである圧縮に対する耐性(RC)、および摩耗インデックス(AI)であり、1.4%が0.5mmメッシュを通過した。
【0071】
鉄鉱石に関する規格およびISO(国際標準化機構)方法論を使用し、マンガンペレット品質評価検定を行った。
【0072】
例2−ペレット化およびベンチスケールマンガン鉱石焼成−「鋼製ベルト」処理
マンガン鉱石微粉の化学分析を、主として薬品対含水量方法、FAAS(原子吸光)、ICP(プラズマ)、および硫黄−炭素Leco分析計を使用して行った。熱損失は、1100℃に対するN2雰囲気中で測定した。
【0073】
表7は化学分析を示す。
【表9】
【0074】
カルサイトを試験でフラックスとして使用し、その組成は、下記の通りである。
熱損失49.6%CaOおよび43.0%
【0075】
ペレット化試験は、400mm実験室ディスク(写真5)中で行った。ペレット化用の混合物は、マンガン鉱石微粉、カルサイト石灰石およびベントナイトを含んでなり、これを最初に手で、次いで実験室Vミキサーを使用して60分間混合した。混合した部分をディスク中に手で供給した。混合物がディスク中に供給される時、水を調整しながら噴霧し、ペレットを形成した。所望の平均ペレット直径は、12mmであった。ペレット化試験に続いて、湿潤および乾燥ペレットの直径および圧縮耐性を測定し、湿潤ペレットの水分を計算した。
【0076】
誘導炉(図7)を焼結試験に使用した。ペレットを110mlアルミナるつぼ中に入れ、それをより大きなグラファイトるつぼ中に入れ、全体を誘導炉中に配置した。グラファイトるつぼに予め蓋をし、系の温度を連続的に測定しながら、空気を試験るつぼ中に注入した次いで、ペレットを所望の温度プロファイルに従って、実験室規模で加熱した。圧縮耐性の目標は200kg/ペレット(12mmサイズに好適)である。図8は、これらの温度を示す。
【0077】
ペレット化試験の結果を表6に示し、湿潤および乾燥ペレットの写真を写真6Aおよび6Bに示す。
【0078】
【表10】
【0079】
焼結試験では、金属製コンベヤ中における実験室規模の焼結を目的とする規定された温度プロファイルに従って加熱した。実際の焼結条件は、準備段階で、パイロットベンチスケール試験により研究する。目標とする圧縮耐性200kg/ペレット(12mm直径ペレット)は、1300℃で得られた。圧縮耐性は、1350℃で300kg/ペレットに達した。写真7は、1300℃で焼結させたペレットを示す。
【0080】
例3−ベンチスケールのマンガン鉱石ペレット化および焼成−「グレートキルン」処理
この研究に使用したマンガン鉱石および材料の化学的組成を表9〜11に示す。
【表11】
【表12】
【表13】
【0081】
マンガン鉱石混合物、石灰石およびベントナイトならびに粗製ペレットの品質に関する様々なパラメータを使用してペレット化ディスク中で製造した粗製ペレット(写真8)を評価した。評価段階で観察された処理パラメータは下記の通りである。
−ペレット化条件、すなわち、ペレット化時間および圧縮、
−ベントナイト使用量、
−石灰石サイズ、
−石炭使用量。
【0082】
表12〜14は、これらの評価の結果を示す。
【表14】
【0083】
【表15】
【0084】
【表16】
【0085】
そのような結果に基づいて、下記のように結論付けることができる。
−最も好適なペレット化パラメータは、ベントナイト添加量1.4〜1.5%、水分14〜15%およびペレット化時間12分間のオーダーである。そのような条件下で、滴合計50、熱衝撃温度は400℃を超え、湿潤粗製ペレットの圧縮耐性は10N/ペレットを超えていた。
−塩基性度の増加および滴数の増加および湿潤性粗製ペレット圧縮耐性の増加。熱衝撃温度の急速な低下が観察された。他方、石炭添加量の増加は、湿潤性粗製ペレット圧縮耐性に大きな影響を及ぼした。
【0086】
粗製ペレットを垂直炉(写真9)で焼成し、この工程の際、下記のパラメータの、焼成ペレットの圧縮耐性に対する影響を評価した。
−予熱の時間および温度条件、
−加熱の時間および温度の条件、
−二元塩基性度、
−石炭添加量。
【0087】
表15〜18は、これらの評価の結果を示す。
【表17】
【0088】
【表18】
【0089】
【表19】
【0090】
【表20】
【0091】
【表21】
【0092】
そのような結果から、下記のように結論付けることができる。
(1)粗製ペレット予熱条件は、良品質の予熱されたペレットの製造に非常に重要である。粗製ペレットを0.044mm未満の鉱石60%、ベントナイト1.5%、圧縮のためのペレット化時間7分間および2分間、温度および予熱時間それぞれ1010℃および10分間で製造した場合、圧縮耐性が600Nの予熱されたペレットを製造することができる。
(2)焼成ペレットの圧縮耐性は、予熱中に600Nに、加熱中に2600Nに達し、その際、温度および処理時間は、予熱の際は1010℃および10分間であり、加熱の際は1337℃および15分間であった。
(3)焼成ペレットの圧縮耐性は、カルサイト石灰石の添加により大きく改良され、塩基性度は、2項で述べた加熱条件の際に0.3〜1.1で変化した。
(4)石炭の添加により、焼成ペレットの圧縮耐性は悪影響を受ける。
【技術分野】
【0001】
本発明は、非か焼マンガン鉱石を基材とするマンガンペレット製造方法に関する。本発明により得た製品(マンガン鉱石ペレット)は、電気炉における鉄合金製造(Fe−Mn、Fe−Si−Mn)、溶鉱炉マンガン高級銑鉄および/または特殊鋼製造における合金元素として使用される。
【背景技術】
【0002】
マンガンは、製鋼で非常に重要である。世界におけるマンガン生産の約90%は、鉄合金として製鋼処理に使用される。
【0003】
ブラジルは、Para、Mato GrossoおよびMinas Gerais州にマンガン鉱石埋蔵区域を有し、これらの鉱石は、鉱石の地質学的組成が異なっている。
【0004】
鉱山およびマンガン処理場における鉱石抽出では、多くの微粉が発生する。そのような材料は、鉄合金製造電気炉または他の炉に直接使用できない。微粉は、環境問題に加えて、層浸透性(bed permeability)に有害であり、工場生産性を下げ、電力消費を増加させる。
【0005】
マンガン鉱石製造業者−特に多くの微粉を発生する製造業者−は、そのような鉱石の使用を増加するための代替方法を鋭意求めている。技術的な代替方法として、焼結、ペレット化および団鉱形成による微粉凝集が特に考慮されている。
【0006】
マンガン焼結ラインは、十分に確立している。焼結製品は、過度の取扱および長距離輸送を支えるための十分な機械的耐性が欠けているので、この鉱石は、焼結に適した挙動を示し、還元電気炉に使用するのに、特に地方における使用に適切な焼結製品を製造する。
【0007】
団鉱形成およびペレット化による冷間凝集で幾つかの研究が行われているが、そのような研究は、製造される凝集物の物理的および冶金学的品質に大きな問題があるために、成果を上げていない。
【0008】
以前に、高温のマンガンペレット製造が、幾つかの会社および研究所により研究されている。これらの研究は、焼成後のペレットが、高度の亀裂発生のために非常に脆いことを示している。これは、火炎により引き起こされる鉱石の損失が大きいこと、および酸化マンガン相の変態によるものと考えられる。これらの事実から、物理的品質が高いMnペレットの製造を可能にするための、製造ラインにおける鉱石の熱処理に準備段階を包含するようになった。
【0009】
最も一般的なマンガンペレット製造方法は、予めか焼したマンガン鉱石を、流動床還元雰囲気中で使用する。この方法では、ペレット化および原料ペレット焼成に続いて、マンガン鉱石熱処理を行う。この熱処理は、還元か焼とも呼ばれ、主としてマグネタイトを発生させること、および磁気的分離により鉄除去を行い易くし、鉱石濃縮を目的とする。この熱処理の副作用は、マンガン濃度が高い酸化物の分解であり、これが伝統的な製造方法(グレートキルンおよび可動型キルン)におけるマンガンペレット焼成を妨害する。従って、従来のマンガンペレット製造経路は、流動床炉雰囲気における予備か焼に加えて、摩砕、濾過、磁気的分離、ペレット化および可動火格子型炉における焼成工程を包含する。
【0010】
この技術の克服すべき大きな障害は、ペレットを非か焼鉱石から製造する場合、物理的に十分なマンガンペレットを得るのが困難なことである。非か焼鉱石から得たマンガン粗製ペレットを焼成する処理では、ペレット構造中に多くの欠陥、例えば亀裂および裂け目、が生じ、圧縮に対する耐性を大きく低下させる。極端な場合、これは、スポーリングとも呼ばれるペレット全体の構造的劣化を引き起こすことがある。そのような現象は、乾燥および予熱工程における、水蒸気およびマンガン濃度が高い酸化物の分解により引き起こされる過剰の蒸気発生によるものである。ペレットが十分な気孔率を有していない場合、発生した蒸気がペレット構造中に、ペレットを脆くするか、またはさらには破壊するのに十分な内部張力を造り出す。物理的に不十分なペレットは、取り扱い、輸送中、および/または炉内還元の際に過剰の微粉を発生することがある。この微粉発生は、炉の前に篩スクリーニングを行う場合、製品損失につながることがあるか、または層浸透性が失われるために、還元の際に材料性能が低下することがある。
【0011】
製鋼には重要であるが、マンガン鉱石ペレットの製造は、これまでほとんど研究されておらず、研究論文もほとんど発表されていない。
【0012】
JP001040426は、予備還元したマンガン鉱石からペレットを得る方法に関する。
【0013】
文書UA16847Uは、低品質マンガン鉱石からマンガン鉄を得る方法に関する。
【0014】
US4273575は、粒子径150ミクロン未満である鉄鉱石微粉またはマンガン微粉に凝集剤を加え、続いてペレット化し、300℃で熱処理することにより、最大サイズ6.0mmの球に変換する方法に関する。
【0015】
文書JP57085939は、鉄−マンガン製造用の原料を記載しており、そこではマンガン鉱石微粉に7.0%のポルトランド型セメント凝集剤を加え、7.0%〜10.0%の水を加えることができる。次いで、ペレットを3日〜1週間の時間間隔で硬化させる。
【0016】
ICOMI-Industria e Comercio de Minerios do Amapaは、自社の鉱山から得られるマンガン鉱石を使用するためのペレット化設備を構築し、操業している。この設備は、米国のBethlehem Steel Corporation (BSC)により開発された。
【0017】
この設備の月間生産能力は、20,000トンである。
【0018】
マンガンペレットの物理的特性は、鉄鉱石ペレットで得られる/既知の特性に匹敵する。
【0019】
設備の管理および操作は、ICOMIが行い、技術的支援はBSCにより与えられる。
【0020】
Serra do Navio Mine (SNV)から得た鉱石は、下記の組成を示す酸化マンガン鉱石(65重量%)であった。
【0021】
【表1】
図1は、ICOMIにより使用される還元か焼工程(Roaster)に供給するための鉱石処理に関する処理フローチャートを示す。
【0022】
ICOMIの処理設備から得られる製品は、下記の特徴を示す。
【0023】
【表2】
【0024】
ICOMIペレット製造の目的には、所望の粒子径で、その系が75t小および50t微粉、またはそれぞれ60%および40%、の混合物である。次いで、この混合物(8mm〜150メッシュ粒子径)を、還元雰囲気中におけるか焼に使用する流動床炉(Roaster)に供給する。この工程における主目的は、鉄鉱石内容物をヘマタイトからマグネタイトに変態させることである。マグネタイト除去は、磁気分離により可能になった。これによって、マンガン/鉄比が増加する、すなわち、マンガン鉱石濃度が高くなる。さらに、これには、鉱石をか焼する副効果があり、これによって確実に、ペレット焼成処理の際に濃度が高い酸化マンガンの分解は起こらない。
【0025】
濃縮し、か焼した−Mn鉱石をペレット化するために、ICOMIは、凝集剤としてベントナイトを使用し、鉱石1トンあたり20キログラム(2.0%)を加えている。製造されるペレットの圧縮に対する耐性は、ペレット1個あたり250kgのオーダーにある。
【0026】
図2は、ペレット化まで還元か焼する際の鉱石処理を示す。
【0027】
ペレット化ディスクは、ディスク中における材料の滞留時間を増加するための、段階型平面(levels)を備えている。これによって、粗製ペレットの効果的な形成および優れた仕上げが得られる。
【0028】
図3は、粗製ペレットの乾燥、ペレット化およびスクリーニングを図式的に示す図である。
【0029】
ICOMIでは、焼成工程で、可動火格子型炉を使用している(ペレット化焼成炉を示す図4参照)。図4の見出しを下記の表1に示す。
【0030】
【表3】
【0031】
下記の表2は、ICOMI製品の規格を示す。
【表4】
【0032】
まとめると、ICOMIのペレット化製法は、還元か焼に続いて、鉱石中のMn/Fe比を増加させるための代替手段として磁気分離を行い、ペレットの化学的処理によりもたらされる分解効果を下げることができる。この工程に続いて、鉱石を湿式摩砕にかけ、ハイドロサイクロンにより分級し、増粘、均質化、濾過および鉱石乾燥にかけてから、ペレット化工程を行う。
【発明の目的】
【0033】
本発明の目的は、マンガン鉱石微粉でペレットを製造し、先行する鉱石か焼を排除し、摩砕、増粘、均質化、濾過および乾燥の工程を、自然ローラープレス粉砕で置き換えることである。
【0034】
得られる製品は、積み込み−積み下ろし取扱、長距離輸送および製鋼炉における処理に耐えるように、予め規定された化学組成および物理的特徴、例えば圧縮および摩滅(摩耗)に対する高い耐性を有する。
【0035】
本発明は、ペレット劣化の破滅的な影響を、下記の事項により低減させる(downplay)。
・鉱石粒子径分布の適切な制御、
・変態機構工程知識により、鉱石が受ける温度を増加する(表3参照)、
・焼成工程を制御するための適切な熱サイクルの構築。
【0036】
【表5】
【発明の利点】
【0037】
予めか焼していない鉱石からマンガンペレットを得る新規な製法を開発した。この製法には、下記のような幾つかの利点がある。
−予め設定された/既知の化学組成を有し、物質収支精度がより高い製品を得ることができる。
−重質元素を、ガス処理装置による回収により、減少/排除することができる。
−長距離輸送、冶金学的反応器中で使用する際の取扱および分解に耐える十分な機械的耐性を示し、これらの段階の全てで発生する微粉が少ないマンガンペレットを得ることができる。
−従来の処理コストと比較して、操作コストが大幅に低下する。
−冶金学的反応器性能を改良することができる。より均質な粒子径およびより優れた負荷浸透性(load permeability)により、合金鉄炉の生産性が向上する。
−成分の化学組成、物理的および冶金学的品質に関して、より均質な製品を得ることができ、合金鉄、銑鉄または特殊鋼製造用の添加元素の製造を目的とする装填物の製造が可能になる。
−抽出、取扱/選鉱および輸送中に発生した微粉を再使用し、備蓄を最大限にすることが可能である。
−環境に対する責任を低減できる。
−ダム関連材料の回収−選鉱屑の再使用が可能になる。廃棄物と考えられる微粉鉱石が備蓄になる。
−残留物をその発生源で処理し、それによって、価値が下がるために、原料コストを下げ、置き換え比が低下するために、環境に対する責任ならびに製造コストを低減することができる。
−ヨーロッパにおけるより厳しい環境規制の場合に、解決策が期待される。
−低水分等級製品が得られ、金属濃度が高い製品により、輸送コストを低減できる。
−市場に新規な、総合的価値が高い製品を導入できる。
【発明の概要】
【0038】
改良された機械的強度を示すマンガン凝集物、ならびにそれらの、予めか焼していない粉砕されたマンガン鉱石凝集による、高温ペレット化を使用する製造方法であって、
(a)1mm以下の粒子が1mm以下のサイズを有するように鉱石粒子分画処理から維持される、粒子径との関係による鉱石分級、およびこれらの粒子の粉砕を経て、鉱石サイズを調整する工程、
(b)フラックスを添加する工程、
(c)凝集剤を添加する工程、
(d)ペレット化し、粗製ペレットを得る工程、および
(e)乾燥、予熱および粗製ペレット加熱を経て熱処理する工程
を含んでなる、方法を開発した。
【図面の簡単な説明】
【0039】
以下に本発明を、図面に示す実施例により詳細に説明する。
【図1】先行技術で使用する還元か焼工程原料(Roaster)に関して、鉱石処理方法のフローチャートを示す。
【図2】現状技術水準で公知の、ペレット化までの還元か焼工程を行う際の鉱石処理を示す。
【図3】現状技術水準で公知の、乾燥工程、ペレット化および粗製ペレットのスクリーニングを図式的に示すフローチャートである。
【図4】現状技術水準で公知の、直線型炉−等級硬化機械を示す。
【図5】本発明の目的である、ペレット化用化合物の混合物および鉱石処理経路を含むフローチャートである。
【図6】模擬可動火格子型処理で使用するポット−グレート焼成炉を図式的に示す図である。
【図7】模擬「鋼製ベルト」製法で使用する誘導炉を示す。図8は、図7による誘導炉における焼結試験の際に得た温度を含むグラフを示す。
【図8A】写真1Aは、本発明の目的である、本製法で使用する粉砕装置を示す。
【図8B】写真1Bは、本発明の目的である、本製法で使用する粉砕装置を示す。
【図9】写真2は、模擬「可動火格子」処理で使用するペレット化ディスクを示す。
【図10】写真3は、模擬「可動火格子」処理で使用する粗製ペレットを示す。
【図11】写真4は、模擬「可動火格子」処理で使用するポット−グレート焼成炉を示す。
【図12】写真5は、模擬「鋼製ベルト」処理のためのペレット化試験で使用する直径400mm実験室ディスクを示す。
【図13A】写真6Aは、模擬「鋼製ベルト」処理で使用する湿潤および乾燥ペレットを示す。
【図13B】写真6Bは、模擬「鋼製ベルト」処理で使用する湿潤および乾燥ペレットを示す。
【図14】写真7は、模擬「鋼製ベルト」処理から得た1300℃焼結させたペレットを示す。
【図15】写真8は、模擬「グレートキルン」処理における粗製ペレットの製造で使用するペレット化ディスクを示す。
【図16】写真9は、模擬「グレートキルン」処理で使用する焼成炉を示す。
【発明の詳細な説明】
【0040】
ペレット化は、鉱石の超微粒画分を、還元炉供給に好適な特徴を有する約8〜18mmサイズの球に変換する、機械的および熱的凝集処理である。
【0041】
本発明により、予めか焼していない、0.044mmメッシュを40〜60%が通過するサイズを有するマンガン鉱石(粗い材料)からペレットを製造することができる。
【0042】
本発明の方法によるマンガン鉱石ペレット製造は、下記の工程を含んでなる。
1)マンガン鉱石乾燥、
2)粉砕処理による鉱石サイズ調整、
3)マンガン鉱石にフラックス(カルサイトまたはドロマイト石灰石もしくは他のMgO供給源、例えばサーペンチナイト、オリビン、等)の添加、
4)マンガンとフラックス鉱石の混合物に凝集剤を添加、
5)前の工程から得た材料の混合、
6)マンガン鉱石粗製ペレットを製造するための最終的混合物のペレット化、
7)粗製ペレットスクリーニング、
8)マンガン鉱石ペレット焼成、
9)焼成ペレットスクリーニング、および
10)マンガン鉱石ペレットの貯蔵および出荷。
【0043】
本方法は、他の酸化物マンガン鉱石ならびに特定のサイズ分布、比表面積800〜2000cm2/gおよび0.44mm未満の百分率40〜60%を有する他の同じタイプの金属に由来する鉱石に適用される。鉱石は、超微粒材料の発生を阻止する様式で製造するべきである。
【0044】
鉱石調整処理に関する限り、選択する装置は、鉱石の初期サイズによって異なる。この工程中、材料の粒子径低下にボールミル加工は使用しない。粉砕処理に最も好適な装置は、クラッシャーおよびローラープレス、または再循環を伴うか、または伴わないローラープレスのみである。1画分の場合、0.5または1.0mmメッシュを超える粒子径は、このメッシュを100%通過する材料を得るために予め低下させ、次いで再循環を伴うか、または伴わないローラープレスにかける。0.5または1.0mm未満の画分を有する材料は、再循環を伴うか、または伴わないローラープレスで処理することができる。0.044mmメッシュを通過する材料では、800〜2000cm2/gの比表面積および/または40〜60%のサイズが得られるまで、十分にプレスする必要がある。より細かいサイズを有する鉱石、すなわち、これらの比表面積で、0.044mmを通過する百分率が40%以上である鉱石の場合、粉砕およびプレス工程を行わなくてよい。
【0045】
粉砕および/またはローラープレス工程は、スクリーンを含む閉鎖回路中で行い、そのような操作から所望の製品サイズを確保する。
【0046】
再循環を伴うか、または伴わないローラープレスの使用には、鉱石を予め乾燥させ、最終含水量9〜10%に対して初期含水量を約12〜15%にする必要がある。乾燥は、好ましくは、発電を目的とする固体または液体燃料を動力源とするロータリー乾燥機中で行う。
【0047】
ペレット化処理では、マンガン鉱石サイズ調整の後、粉砕した材料をフラックス、カルサイトまたはドロマイト石灰石もしくは他のMgO供給源、例えばサーペンチナイト、オリビン、等、と混合する。
【0048】
フラックス配合量は、ペレットに望ましい化学組成に応じて0.1〜2.0%でよい。次いで、混合物に凝集剤を添加するが、この凝集剤は、ベントナイト(0.5〜2.0%)、消石灰(2.0〜3.0%)またはCMC型合成凝集剤、カルボキシメチルセルロース(0.05〜0.10%)でよい。量は、炉までの輸送を支える、および乾燥、予備焼成および焼成工程中に受ける熱衝撃に対する十分な耐性を有する粗製ペレットの形成に好適な量である。湿潤および乾燥ペレットの両方の耐性は、最小レジリエンス値、すなわち、5滴で、少なくともそれぞれ1.0および2.0kg/ペレットである。
【0049】
水の添加は、ディスクまたはドラムによるペレット化工程中に行う。添加は、混合物の初期含水量に応じて、良好な物理的品質を有する粗製ペレットを形成するのに十分な量で行う。サイズおよび凝集剤添加に応じて含水量は14〜18%でよい。
【0050】
粗製ペレットは、主として所望の製造量に応じて、「可動火格子」、「グレートキルン」または鋼製ベルト型炉中で熱処理する。熱衝撃のため、ペレットの乾燥および予備焼成工程の両方で、特別な注意を払う。加熱速度は50〜150℃/分である。最高温度および合計焼成時間は、物理的耐性、主として圧縮耐性、に関して、最終製品の品質を確保するように選択する。最高温度は1280〜1340℃で、合計時間は34〜42分間でよい。ペレットの圧縮耐性は、少なくとも250daN/ペレットである。
【0051】
本発明をより分かり易く説明するために、ペレット化および焼成の例を以下に記載するが、これらの例は、本発明を制限するものではない。全ての例に対する、ペレット化用の混合物組成および鉱石調整経路を図5に示す。
【0052】
カルサイト石灰石を、スラグの形成および組成調節のためのフラックスおよびCaO供給源として、電気炉(FEA)中に加え、材料の70%が325メッシュを通過するように調整した。
【0053】
ベントナイトは、ペレット化工程のための凝集剤およびフラックスとして添加した。マンガンおよびSiO2は、化合物を形成し、その融点は1,274℃のオーダーにある。
【0054】
写真1Aおよび1Bは、本発明に使用する粉砕装置、すなわちミル(A)およびローラープレス、ベンチ/パイロット(B)を示す。
【0055】
例1 ペレット化およびパイロット規模のマンガン鉱石焼成−「可動火格子」処理
この研究に使用した原料は、Mina do Azul (Carajas/PA)から得たMF15と呼ばれるマンガン鉱石、Northenカルサイト石灰石およびインドから得たベントナイトである。表4は、使用した材料の化学分析を示す。
【0056】
【表6】
【0057】
粗製ペレット製造工程では、速度調節可能なベルト供給装置、直径1メートルのペレット化ディスク、角度45°、速度19rpm、および水スプレー式供給装置を使用した(写真2)。
【0058】
時折、ディスク角度を変え(45°〜43°)、滞留時間をより長くして、ペレット直径を10〜20mmに調節した。この作業の目的は、焼成工程に続いて、脱水による鉱石収縮のために、ペレットが8〜18mmに確実に維持されることにあり、これは、ベンチスケール試験で、焼成および粗製ペレットか焼工程の際に観察された。
【0059】
図3に示すように、粗製ペレットの特性を試験するために、湿潤および乾燥させたペレットを、分級(粗製ペレットスクリーニング)、輸送および焼成炉に移動させる際の取扱段階を模擬しながら、粗製ペレットの性能を評価するための検定である、圧縮耐性および滴数検定(レジリエンス)にかけた。結果を下記の表5に示す。
【0060】
【表7】
【0061】
粗製ペレットの製造に続いて、それらのペレットを8、10,12.5、16、18、および20mmメッシュでスクリーニングし、サイズ分布評価した。
【0062】
10mmメッシュを通過する材料および20mmメッシュ上に保持される材料を廃棄し、10〜20mm範囲の材料を混合し、ポット−グレート型パイロット炉中で熱処理する粗製ペレット装填物を形成した。
【0063】
図6はペレット焼成炉を図式的に示すが、そこでは数字が、それぞれ(3)最上部、(4)中央、(5)底部、(6)ライニング、および(1)ライニング層(10cm)および(2)側方層(2cm)を示し、写真4はペレット焼成炉の写真を示す。そのような装置に関連するデータを以下に示す。
【0064】
ポット−グレート焼成炉
内径 30cm
外径 40cm
高さ 50cm
耐火性ライニング シリカ−発光材料の板
ライニング層の高さ 10cm
空気圧 可変
空気流量 可変
温度範囲 0℃〜1,350℃
【0065】
ポット−グレートの組立構造には焼成した鉱石ペレットを、グレート/鋼製スクリーンにより保護されるライニング層として使用し、側方層には6mmの磁器製の球を使用した。
【0066】
粗製ペレットを供給した後、炉を密封し、熱電対を接続した。焼成は、炉に装填する際に予定をたて、粗製ペレットが、ペレットを劣化させる破損を起こさずに、上流乾燥、下流乾燥、予熱、加熱、後加熱および冷却を受けるように、実行すべき熱的プロファイルを規定した。
【0067】
冷却工程が完了した後、焼成ペレットを取り出し、磁器製球から分離し、均質化させ、4分割し、圧縮および摩耗耐性の物理的および化学的分析にかけた。
【0068】
次いで、焼成ペレットを、下記の表6に示す実験室化学分析にかけた。
【0069】
【表8】
【0070】
評価した焼成ペレットの物理的品質パラメータは、結果が269daN/ペレットである圧縮に対する耐性(RC)、および摩耗インデックス(AI)であり、1.4%が0.5mmメッシュを通過した。
【0071】
鉄鉱石に関する規格およびISO(国際標準化機構)方法論を使用し、マンガンペレット品質評価検定を行った。
【0072】
例2−ペレット化およびベンチスケールマンガン鉱石焼成−「鋼製ベルト」処理
マンガン鉱石微粉の化学分析を、主として薬品対含水量方法、FAAS(原子吸光)、ICP(プラズマ)、および硫黄−炭素Leco分析計を使用して行った。熱損失は、1100℃に対するN2雰囲気中で測定した。
【0073】
表7は化学分析を示す。
【表9】
【0074】
カルサイトを試験でフラックスとして使用し、その組成は、下記の通りである。
熱損失49.6%CaOおよび43.0%
【0075】
ペレット化試験は、400mm実験室ディスク(写真5)中で行った。ペレット化用の混合物は、マンガン鉱石微粉、カルサイト石灰石およびベントナイトを含んでなり、これを最初に手で、次いで実験室Vミキサーを使用して60分間混合した。混合した部分をディスク中に手で供給した。混合物がディスク中に供給される時、水を調整しながら噴霧し、ペレットを形成した。所望の平均ペレット直径は、12mmであった。ペレット化試験に続いて、湿潤および乾燥ペレットの直径および圧縮耐性を測定し、湿潤ペレットの水分を計算した。
【0076】
誘導炉(図7)を焼結試験に使用した。ペレットを110mlアルミナるつぼ中に入れ、それをより大きなグラファイトるつぼ中に入れ、全体を誘導炉中に配置した。グラファイトるつぼに予め蓋をし、系の温度を連続的に測定しながら、空気を試験るつぼ中に注入した次いで、ペレットを所望の温度プロファイルに従って、実験室規模で加熱した。圧縮耐性の目標は200kg/ペレット(12mmサイズに好適)である。図8は、これらの温度を示す。
【0077】
ペレット化試験の結果を表6に示し、湿潤および乾燥ペレットの写真を写真6Aおよび6Bに示す。
【0078】
【表10】
【0079】
焼結試験では、金属製コンベヤ中における実験室規模の焼結を目的とする規定された温度プロファイルに従って加熱した。実際の焼結条件は、準備段階で、パイロットベンチスケール試験により研究する。目標とする圧縮耐性200kg/ペレット(12mm直径ペレット)は、1300℃で得られた。圧縮耐性は、1350℃で300kg/ペレットに達した。写真7は、1300℃で焼結させたペレットを示す。
【0080】
例3−ベンチスケールのマンガン鉱石ペレット化および焼成−「グレートキルン」処理
この研究に使用したマンガン鉱石および材料の化学的組成を表9〜11に示す。
【表11】
【表12】
【表13】
【0081】
マンガン鉱石混合物、石灰石およびベントナイトならびに粗製ペレットの品質に関する様々なパラメータを使用してペレット化ディスク中で製造した粗製ペレット(写真8)を評価した。評価段階で観察された処理パラメータは下記の通りである。
−ペレット化条件、すなわち、ペレット化時間および圧縮、
−ベントナイト使用量、
−石灰石サイズ、
−石炭使用量。
【0082】
表12〜14は、これらの評価の結果を示す。
【表14】
【0083】
【表15】
【0084】
【表16】
【0085】
そのような結果に基づいて、下記のように結論付けることができる。
−最も好適なペレット化パラメータは、ベントナイト添加量1.4〜1.5%、水分14〜15%およびペレット化時間12分間のオーダーである。そのような条件下で、滴合計50、熱衝撃温度は400℃を超え、湿潤粗製ペレットの圧縮耐性は10N/ペレットを超えていた。
−塩基性度の増加および滴数の増加および湿潤性粗製ペレット圧縮耐性の増加。熱衝撃温度の急速な低下が観察された。他方、石炭添加量の増加は、湿潤性粗製ペレット圧縮耐性に大きな影響を及ぼした。
【0086】
粗製ペレットを垂直炉(写真9)で焼成し、この工程の際、下記のパラメータの、焼成ペレットの圧縮耐性に対する影響を評価した。
−予熱の時間および温度条件、
−加熱の時間および温度の条件、
−二元塩基性度、
−石炭添加量。
【0087】
表15〜18は、これらの評価の結果を示す。
【表17】
【0088】
【表18】
【0089】
【表19】
【0090】
【表20】
【0091】
【表21】
【0092】
そのような結果から、下記のように結論付けることができる。
(1)粗製ペレット予熱条件は、良品質の予熱されたペレットの製造に非常に重要である。粗製ペレットを0.044mm未満の鉱石60%、ベントナイト1.5%、圧縮のためのペレット化時間7分間および2分間、温度および予熱時間それぞれ1010℃および10分間で製造した場合、圧縮耐性が600Nの予熱されたペレットを製造することができる。
(2)焼成ペレットの圧縮耐性は、予熱中に600Nに、加熱中に2600Nに達し、その際、温度および処理時間は、予熱の際は1010℃および10分間であり、加熱の際は1337℃および15分間であった。
(3)焼成ペレットの圧縮耐性は、カルサイト石灰石の添加により大きく改良され、塩基性度は、2項で述べた加熱条件の際に0.3〜1.1で変化した。
(4)石炭の添加により、焼成ペレットの圧縮耐性は悪影響を受ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非か焼マンガン鉱石からマンガンペレットを製造する方法であって、
(a)1mm以下の粒子が1mm以下のサイズを有するように鉱石粒子分画処理から維持される、粒子径との関係による鉱石分級、およびこれらの粒子の粉砕を経て、鉱石サイズを調整する工程、
(b)フラックスを添加する工程、
(c)凝集剤を添加する工程、
(d)ペレット化して粗製ペレットを得る工程、および
(e)前記粗製ペレットを乾燥、予熱および加熱を経て熱処理する工程
を含んでなる、方法。
【請求項2】
更なる酸化物マンガン鉱石および特定サイズ分布を有する同じタイプの他の金属に由来する鉱石に適用できる、請求項1に記載の非か焼マンガン鉱石からマンガンペレットを製造する方法。
【請求項3】
前記鉱石乾燥工程が、9%の最高水分を保証するように前記サイズ調整工程の前に行われ、請求項1に記載の非か焼マンガン鉱石からマンガンペレットを製造する方法。
【請求項4】
前記サイズ調整工程における粉砕処理の際、粉砕およびプレス操作の両方が、鉱石粒子径との関係で行われる、請求項1に記載の非か焼マンガン鉱石からマンガンペレットを製造する方法。
【請求項5】
前記鉱石サイズ調整工程において、マンガン鉱石の粒子径が1.0mm以上である画分が、ローラープレスで処理される、請求項4に記載の非か焼マンガン鉱石からマンガンペレットを製造する方法。
【請求項6】
前記調整工程の最後で、鉱石粒子が800〜2000cm2/gの比表面積を示す、請求項1に記載の非か焼マンガン鉱石からマンガンペレットを製造する方法。
【請求項7】
前記調整工程の最後で、鉱石粒子が、40〜60重量%が0.044mmメッシュを通過するサイズを示す、請求項1に記載の非か焼マンガン鉱石からマンガンペレットを製造する方法。
【請求項8】
前記フラックス添加工程の際に添加される前記フラックスが、カルサイトまたはドロマイト石灰石、またはそれらの混合物、または他のMgO供給源である、請求項1に記載の非か焼マンガン鉱石からマンガンペレットを製造する方法。
【請求項9】
前記凝集剤添加工程の際に添加される前記凝集剤が、ベントナイト、消石灰、カルボキシメチルセルロース(CMC)、またはそれらの混合物を含んでなる群から選択される、請求項1に記載の非か焼マンガン鉱石からマンガンペレットを製造する方法。
【請求項10】
総重量に対して0.5〜2.0重量%のベントナイトが使用される、請求項7に記載の非か焼マンガン鉱石からマンガンペレットを製造する方法。
【請求項11】
総重量に対して2〜3重量%の消石灰が使用される、請求項10に記載の非か焼マンガン鉱石からマンガンペレットを製造する方法。
【請求項12】
総重量に対して0.05〜0.10重量%のカルボキシメチルセルロースが使用される、請求項10に記載の非か焼マンガン鉱石からマンガンペレットを製造する方法。
【請求項13】
前記ペレット化工程の最後に、それぞれ1および2kg/ペレットの最小耐性を有する粗製ペレットが、少なくとも5滴のレジリエンスで形成される、請求項1に記載の非か焼マンガン鉱石からマンガンペレットを製造する方法。
【請求項14】
前記粗製ペレットの熱処理工程が、可動火格子、グレートキルンまたは鋼製ベルト型炉で行われる、請求項1に記載の非か焼マンガン鉱石からマンガンペレットを製造する方法。
【請求項15】
前記熱処理工程が、1280〜1340℃の最高温度を示す、請求項14に記載の非か焼マンガン鉱石からマンガンペレットを製造する方法。
【請求項16】
前記熱処理工程の合計時間が34〜42分間である、請求項14に記載の非か焼マンガン鉱石からマンガンペレットを製造する方法。
【請求項17】
請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法により得られる鉄−マンガン凝集物。
【請求項18】
8〜18mmの平均直径を有する、請求項17に記載の鉄−マンガン凝集物。
【請求項19】
250daN/ペレットの最小圧縮耐性を示す、請求項17に記載の鉄−マンガン凝集物。
【請求項1】
非か焼マンガン鉱石からマンガンペレットを製造する方法であって、
(a)1mm以下の粒子が1mm以下のサイズを有するように鉱石粒子分画処理から維持される、粒子径との関係による鉱石分級、およびこれらの粒子の粉砕を経て、鉱石サイズを調整する工程、
(b)フラックスを添加する工程、
(c)凝集剤を添加する工程、
(d)ペレット化して粗製ペレットを得る工程、および
(e)前記粗製ペレットを乾燥、予熱および加熱を経て熱処理する工程
を含んでなる、方法。
【請求項2】
更なる酸化物マンガン鉱石および特定サイズ分布を有する同じタイプの他の金属に由来する鉱石に適用できる、請求項1に記載の非か焼マンガン鉱石からマンガンペレットを製造する方法。
【請求項3】
前記鉱石乾燥工程が、9%の最高水分を保証するように前記サイズ調整工程の前に行われ、請求項1に記載の非か焼マンガン鉱石からマンガンペレットを製造する方法。
【請求項4】
前記サイズ調整工程における粉砕処理の際、粉砕およびプレス操作の両方が、鉱石粒子径との関係で行われる、請求項1に記載の非か焼マンガン鉱石からマンガンペレットを製造する方法。
【請求項5】
前記鉱石サイズ調整工程において、マンガン鉱石の粒子径が1.0mm以上である画分が、ローラープレスで処理される、請求項4に記載の非か焼マンガン鉱石からマンガンペレットを製造する方法。
【請求項6】
前記調整工程の最後で、鉱石粒子が800〜2000cm2/gの比表面積を示す、請求項1に記載の非か焼マンガン鉱石からマンガンペレットを製造する方法。
【請求項7】
前記調整工程の最後で、鉱石粒子が、40〜60重量%が0.044mmメッシュを通過するサイズを示す、請求項1に記載の非か焼マンガン鉱石からマンガンペレットを製造する方法。
【請求項8】
前記フラックス添加工程の際に添加される前記フラックスが、カルサイトまたはドロマイト石灰石、またはそれらの混合物、または他のMgO供給源である、請求項1に記載の非か焼マンガン鉱石からマンガンペレットを製造する方法。
【請求項9】
前記凝集剤添加工程の際に添加される前記凝集剤が、ベントナイト、消石灰、カルボキシメチルセルロース(CMC)、またはそれらの混合物を含んでなる群から選択される、請求項1に記載の非か焼マンガン鉱石からマンガンペレットを製造する方法。
【請求項10】
総重量に対して0.5〜2.0重量%のベントナイトが使用される、請求項7に記載の非か焼マンガン鉱石からマンガンペレットを製造する方法。
【請求項11】
総重量に対して2〜3重量%の消石灰が使用される、請求項10に記載の非か焼マンガン鉱石からマンガンペレットを製造する方法。
【請求項12】
総重量に対して0.05〜0.10重量%のカルボキシメチルセルロースが使用される、請求項10に記載の非か焼マンガン鉱石からマンガンペレットを製造する方法。
【請求項13】
前記ペレット化工程の最後に、それぞれ1および2kg/ペレットの最小耐性を有する粗製ペレットが、少なくとも5滴のレジリエンスで形成される、請求項1に記載の非か焼マンガン鉱石からマンガンペレットを製造する方法。
【請求項14】
前記粗製ペレットの熱処理工程が、可動火格子、グレートキルンまたは鋼製ベルト型炉で行われる、請求項1に記載の非か焼マンガン鉱石からマンガンペレットを製造する方法。
【請求項15】
前記熱処理工程が、1280〜1340℃の最高温度を示す、請求項14に記載の非か焼マンガン鉱石からマンガンペレットを製造する方法。
【請求項16】
前記熱処理工程の合計時間が34〜42分間である、請求項14に記載の非か焼マンガン鉱石からマンガンペレットを製造する方法。
【請求項17】
請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法により得られる鉄−マンガン凝集物。
【請求項18】
8〜18mmの平均直径を有する、請求項17に記載の鉄−マンガン凝集物。
【請求項19】
250daN/ペレットの最小圧縮耐性を示す、請求項17に記載の鉄−マンガン凝集物。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図15】
【図16】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図15】
【図16】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図14】
【公表番号】特表2011−529133(P2011−529133A)
【公表日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−518988(P2011−518988)
【出願日】平成21年7月27日(2009.7.27)
【国際出願番号】PCT/BR2009/000222
【国際公開番号】WO2010/009527
【国際公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【出願人】(510277338)
【氏名又は名称原語表記】VALE S.A.
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月27日(2009.7.27)
【国際出願番号】PCT/BR2009/000222
【国際公開番号】WO2010/009527
【国際公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【出願人】(510277338)
【氏名又は名称原語表記】VALE S.A.
【Fターム(参考)】
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