説明

非ステロイド性グルココルチコイド受容体モジュレーター

本発明は、一般式(I)を有する化合物またはその医薬上許容される塩に関する。この式において、RはHまたは(1−4C)アルキル;Rは−C(O)R15または−S(O)15;RはH、(1−4C)アルキルまたは−OR16;RはH、(1−4C)アルキルまたは−OR16;RはHまたは−C(H)NOR16;RはHまたはハロゲン、シアノ;(1−6C)アルキル、(2−6C)アルケニルまたは(2−6C)アルキニル(これら3つはすべて、OH、ハロゲンまたはNHで置換されていてもよい);−C(H)NOR16、−OR16、−C(O)R16または−C(O)OR16;RはH、シアノ、ハロゲン、ニトロ;(1−6C)アルキル、(2−6C)アルケニル、(2−6C)アルキニルまたは−O(1−6C)アルキル(これらはすべて、アミノ、ヒドロキシルまたはハロゲンで置換されていてもよい);シアノ、ハロゲン、(1−4C)アルキル、(1−4C)アルコキシ、(1−4C)アルコキシ(1−4C)アルキルで置換されていてもよい(ヘテロ)アリール;−C(O)R18、−C(O)OR19、−C(O)NHR17、−NHC(O)R20、−C(1−4C)アルキルNOR21;−C(H)NOR16または−NHS(O)21;RはH、ハロゲン、シアノまたはハロゲンで置換されていてもよい(1−4C)アルキル;R10はHまたは(1−4C)アルキル;R11はH;R12はH、シアノまたは(1−4C)アルキル;R13はH、(1−4C)アルキル、ハロゲンまたはホルミル;R14はH、ハロゲン、シアノ、(1−4C)アルキル、(2−6C)アルケニル、C(O)R21または(ヘテロ)アリール;R15はH;(1−6C)アルキル、(2−6C)アルケニル、(2−6C)アルキニル、−O(2−6C)アルキル、−O(2−6C)アルケニルまたは−O(2−6C)アルキニル(これらはすべて、1以上のOH、ハロゲン、シアノまたは(ヘテロ)アリールで置換されていてもよい)、(1−4C)アルキル、ハロゲン、シアノ、ニトロまたはアミノで置換されていてもよい(ヘテロ)アリール、NH、(ジ)(1−4C)アルキルアミノ、(1−4C)アルキル(1−4C)アルコキシアミン、(1−4C)アルキルチオ(1−4C)アルキルまたは(1−4C)アルコキシ(1−4C)アルキル;R16はH、(1−6C)アルキル、(2−6C)アルケニルまたは(2−6C)アルキニル;R17はH、ハロゲンで置換されていてもよい(1−6C)アルキル、(1−4C)アルコキシもしくは(ヘテロ)アリール[これは、ハロゲン、(1−4C)アルキルまたは(1−25 4C)アルコキシで置換されていてもよい];(3−6C)シクロアルキルまたはハロゲン、(1−4C)アルキルもしくは(1−4C)アルコキシで置換されていてもよい(ヘテロ)アリール;R18はH、NH、C(O)R21または(1−4C)アルキル[これは、OH、ハロゲン、シアノまたは−S(1−4C)アルキルで置換されていてもよい];R19はH、またはOHもしくはハロゲンで置換されていてもよい(1−6C)アルキル;R20はH、(1−6C)アルキルまたは(2−6C)アルケニル[共に、ハロゲンで置換されていてもよい]、O(1−6C)アルキル、(ヘテロ)アリール(これは、(1−4C)アルキルまたはハロゲンで置換されていてもよい);(3−6C)シクロアルキル;(1−6C)アルコキシ;(1−6C)アルケニルオキシ;または(1−4C)アルキルで置換されていてもよい(ヘテロ)アリール;NH、−NH(1−6C)アルキルもしくは−NH(ヘテロ)アリールであり;ならびにR21はHまたは(1−6C)アルキルである。本発明はまた、該化合物を含む医薬組成物、およびグルココルチコイド受容体活性を変調するための、これらの誘導体の使用に関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グルココルチコイド受容体を変調する化合物および療法におけるこれらの化合物の用途に関する。
【背景技術】
【0002】
細胞内受容体は、遺伝子タンパク質の調節に関与する構造的に関連したタンパク質の一群である。ステロイド受容体は、グルココルチコイド受容体(GR)、プロゲステロン受容体(PR)、アンドロゲン受容体(AR)、エストロゲン受容体(ER)およびミネラルコルチコイド受容体(MR)を含む、これらの受容体のサブセットである。そのような受容体または因子による遺伝子の調節は、該細胞内受容体、および遺伝子転写に影響を及ぼす様態で該受容体に選択的に結合する能力を有する対応リガンドを要する。
【0003】
プレドニソロンなどのような現在のステロイド性グルココルチコイド受容体モジュレーター(グルココルチコイド)は、リウマチ学、血液学、肺科学、皮膚科学、胃腸科学、内分泌学、神経病学および腎臓科学の分野における100を超える適応症において現在使用されている非常に有効な抗炎症剤である。治療される適応症には、慢性関節リウマチ(RA)、炎症性腸疾患(IBD)、ループス、アレルギー、喘息、乾癬およびその他多数が含まれる(J.D.Baxter,Advances in Internal Medicine 45;317−349;2000)。これらの化合物の抗炎症作用は、リガンド結合GRと転写因子との相互作用を含むメカニズムにより、接着分子、サイトカイン、ケモカインおよび酵素のような炎症性メディエーターの発現の抑制によりもたらされると考えられている。このメカニズムはトランス抑制と呼ばれる(M.Karin,Cell 93;487−490;1998)。
【0004】
現在のステロイド性グルココルチコイドの使用は代謝性および他の副作用(例えば、糖尿病、高血圧、骨粗鬆症、筋衰弱など)を伴う。これらの副作用の一部は、標的遺伝子のDNA上のグルココルチコイド応答性要素(GRE)に対するリガンド結合GRの直接的な相互作用およびそれに続く遺伝子発現の誘導により引き起こされると考えられている(J.D.Baxter,Advances in Internal Medicine 45;317−349;2000;M.Karin,Cell 93;487−490;1998)。これらの副作用のもう1つの部分はミネラルコルチコイド(MR)またはプロゲステロン受容体(PR)のような他のステロイド受容体との交差反応性によるものであろう。
【0005】
非ステロイド性グルココルチコイドはステロイドに対する分子構造類似性を有さない。したがって、物理化学的特性、薬物動態(PK)パラメーター、組織分布(例えば、CNS対末梢)における相違が予想されうるであろう。更に重要なことに、非ステロイド性グルココルチコイドは他のステロイド受容体に対する交差反応性を全く/それほど示さないことがあり、あるいは代謝性または他の副作用を全く/それほど示さないことがある。
【発明の開示】
【0006】
本発明は、グルココルチコイド受容体活性を変調する非ステロイド性化合物を提供する。より詳しくは、本発明は、グルココルチコイド受容体のアゴニスト、半アゴニストまたはアンタゴニストである高アフィニティ非ステロイド性化合物を提供する。本発明においては、一般式I
【0007】
【化2】

を有する化合物またはその医薬上許容される塩を提供する。
【0008】
この式において、R基は以下の意義を有する:
はHまたは(1−4C)アルキルであり、
は−C(O)R15または−S(O)15であり、
はH、(1−4C)アルキルまたは−OR16であり、
はH、(1−4C)アルキルまたは−OR16であり、
はHまたは−C(H)NOR16であり、
はHまたはハロゲン、シアノ;
(1−6C)アルキル、(2−6C)アルケニルまたは(2−6C)アルキニル(これら3つはすべて、OH、ハロゲンまたはNHで置換されていてもよい);
−C(H)NOR16、−OR16、−C(O)R16または−C(O)OR16であり、
はH、シアノ、ハロゲン、ニトロ;
(1−6C)アルキル、(2−6C)アルケニル、(2−6C)アルキニルまたは−O(1−6C)アルキル(これらはすべて、アミノ、ヒドロキシルまたはハロゲンで置換されていてもよい);
シアノ、ハロゲン、(1−4C)アルキル、(1−4C)アルコキシ、(1−4C)アルコキシ(1−4C)アルキルで置換されていてもよい(ヘテロ)アリール;
;−C(H)NOR16、−C(O)NHR17、−C(O)R18、−C(O)OR19、−NHC(O)R20、−NHS(O)21;または
−C(1−4C)アルキルNOR21であり、
はH、ハロゲン、シアノまたはハロゲンで置換されていてもよい(1−4C)アルキルであり、
10はHまたは(1−4C)アルキルであり、
11はHであり、
12はH、シアノまたは(1−4C)アルキルであり、
13はH、(1−4C)アルキル、ハロゲンまたはホルミルであり、
14はH、ハロゲン、シアノ、(1−4C)アルキル、(2−6C)アルケニル、C(O)R21または(ヘテロ)アリールであり、
15はH;
(1−6C)アルキル、(2−6C)アルケニル、(2−6C)アルキニル、−O(2−6C)アルキル、−O(2−6C)アルケニルまたは−O(2−6C)アルキニル(これらはすべて、1以上のOH、ハロゲン、シアノまたは(ヘテロ)アリールで置換されていてもよい)、
(1−4C)アルキル、ハロゲン、シアノ、ニトロまたはアミノで置換されていてもよい(ヘテロ)アリール、
NH、(ジ)(1−4C)アルキルアミノ、(1−4C)アルキル(1−4C)アルコキシアミン、(1−4C)アルキルチオ(1−4C)アルキルまたは(1−4C)アルコキシ(1−4C)アルキルであり、
16はH、(1−6C)アルキル、(2−6C)アルケニルまたは(2−6C)アルキニルであり、
17はH、
ハロゲンで置換されていてもよい(1−6C)アルキル、(1−4C)アルコキシもしくは(ヘテロ)アリール[これは、ハロゲン、(1−4C)アルキルまたは(1−4C)アルコキシで置換されていてもよい];
(3−6C)シクロアルキルまたは
ハロゲン、(1−4C)アルキルもしくは(1−4C)アルコキシで置換されていてもよい(ヘテロ)アリールであり、
18はH、NH、−C(O)R21または(1−4C)アルキル[これは、OH、ハロゲン、シアノまたは−S(1−4C)アルキルで置換されていてもよい]であり、
19はH、またはOHもしくはハロゲンで置換されていてもよい(1−6C)アルキルであり、
20はH、
(1−6C)アルキルまたは(2−6C)アルケニル[共に、ハロゲンで置換されていてもよい]、O(1−6C)アルキル、(ヘテロ)アリール(これは、(1−4C)アルキルまたはハロゲンで置換されていてもよい);
(3−6C)シクロアルキル;(1−6C)アルコキシ;(1−6C)アルケニルオキシ;または
(1−4C)アルキル、NH、−NH(1−6C)アルキルもしくは−NH(ヘテロ)アリールで置換されていてもよい(ヘテロ)アリールであり、ならびに
21はHまたは(1−6C)アルキルである。
【0009】
したがって、式Iの前記クラスの化合物またはその医薬上許容される塩はグルココルチコイド受容体変調活性を有することが本発明において見出された。
【0010】
本発明の定義において用いる(1−6C)アルキルなる語は、1〜6個の炭素原子を有する分枝または非分枝アルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチルおよびtert−ブチル、ペンチルならびにヘキシルを意味する。好ましいのは(1−4C)アルキルである。本発明の定義において用いる(1−4C)アルキルなる語は、1〜4個の炭素原子を有する分枝または非分枝アルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチルおよびtert−ブチルを意味する。好ましいのはメチルおよびエチルである。最も好ましいのはメチルである。
【0011】
(3−6C)シクロアルキルなる語は、3〜6個の炭素原子を有する環状アルキル基を意味する。
【0012】
ハロゲンなる語はフッ素、塩素、臭素またはヨウ素を意味する。
【0013】
(2−6C)アルケニルなる語は、2〜6個の炭素原子を有する分枝または非分枝アルケニル基、例えばエテニル、2−ブテニル、ペンテニルおよびヘキセニルを意味する。好ましいのは(2−4C)アルケニルである。
【0014】
(2−4C)アルケニルなる語は、2〜4個の炭素原子を有する分枝または非分枝アルケニル基、例えばエテニルおよび2−ブテニルを意味する。
【0015】
(2−6C)アルキニルなる語は、2〜6個の炭素原子を有する分枝または非分枝アルキニル基、例えばエチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニルおよびヘキシニルを意味する。好ましいのは(2〜4C)アルキニルである。
【0016】
(2〜4C)アルキニルなる語は、2〜4個の炭素原子を有する分枝または非分枝アルキニル基、例えばエチニルおよびプロピニルを意味する。
【0017】
−O(1−6C)アルキルなる語は、(1−6C)アルキルが前記と同意義を有する(1−6C)アルコキシを意味する。
【0018】
−O(2−6C)アルケニルなる語は、(2−6C)アルケニルが前記と同意義を有する(2−6C)アルケニルオキシを意味する。
【0019】
−O(2−6C)アルキニルなる語は、(2−6C)アルキニルが前記と同意義を有する(2−6C)アルキニルオキシを意味する。
【0020】
(1−4C)アルキルオキシなる語は、1〜4個の炭素原子を有するアルキルオキシ基を意味し、該アルキル部分は前記と同意義を有する。(1−2C)アルキルオキシ基が好ましい。
【0021】
(1−4C)アルコキシ(1−4C)アルキルなる語は、(1−4C)アルキル基に結合した(1−4C)アルコキシを意味し、どちらの基も前記と同意義を有する。
【0022】
(ジ)(1−4C)アルキルアミノなる語は、少なくとも1つ、場合によっては2つの水素が前記(1−4C)アルキル基で置換されたアミノ部分を意味する。
【0023】
−S(1−4C)アルキルなる語は(1−4C)アルキルチオ基を意味し、該(1−4C)アルキル基は前記と同意義を有する。
【0024】
(1−4C)アルキルチオ(1−4C)アルキルなる語は、(1−4C)アルキル基に結合した(1−4C)アルキルチオ基を意味し、どちらも前記と同意義を有する。
【0025】
アリールなる語は6員芳香環系を意味する。
【0026】
ヘテロアリールなる語は、5員環においてはN、OおよびSおよび6員環においてはNよりなる群から選ばれる少なくとも1つのヘテロ原子を含有する5または6員芳香環系、例えばピリジル、ピリミジル、テトラゾリルまたはチアジアゾリルを意味する。
【0027】
(ヘテロ)アリールなる語は、前記のアリールまたはヘテロアリールを意味する。
【0028】
医薬上許容される塩なる語は、医学的判断の範囲内で、不適切な毒性、刺激、アレルギー応答などを伴うことなくヒトおよび下等動物の組織に接触させる用途に適しており妥当な利益/リスク比に相応した塩を意味する。医薬上許容される塩は当技術分野でよく知られている。それらは、本発明の化合物の最終的な単離および精製中に、あるいは別途、遊離塩基性基を適当な無機酸(例えば、塩酸、リン酸または硫酸)または有機酸(例えば、アスコルビン酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、マレイン酸、マロン酸、フマル酸、グリコール酸、コハク酸、プロピオン酸、酢酸、メタンスルホン酸など)と反応させることにより得られうる。酸性基は、有機または無機塩基、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたは水酸化リチウムと反応させることが可能である。
【0029】
本発明の化合物は少なくとも2つのキラル炭素原子を有し、したがって、純粋なエナンチオマーとして、またはエナンチオマーの混合物として、またはジアステレオマーの混合物として得られうる。純粋なエナンチオマーを得るための方法は当技術分野で公知であり、例えば、光学活性な酸およびラセミ混合物から得られる塩の結晶化、またはキラルカラムを使用するクロマトグラフィーが挙げられる。ジアステレオマーの分離のためには、順相または逆相カラムが使用されうる。
【0030】
本発明はまた、RがH、ハロゲンまたは−OR16である式Iの化合物に関する。
【0031】
本発明はまた、RがC(O)R15である式Iの化合物に関する。
【0032】
さらにもう1つの態様においては、本発明は、RがHである式Iの化合物に関する。
【0033】
本発明は更に、式IにおけるR10がメチルである化合物に関する。
【0034】
本発明はまた、式IにおけるRがHまたは(1−4C)アルキルである化合物に関する。
【0035】
本発明のもう1つの態様は、R16がHまたは(1−6C)アルキルである式Iの化合物に関する。
【0036】
もう1つの態様においては、本発明は、R14が(1−4C)アルキルである化合物に関する。
【0037】
さらにもう1つの態様においては、本発明は、R15が、ハロゲン、シアノ、ニトロまたはアミノで置換されていてもよい(1−4C)アルキルである。
【0038】
さらにもう1つの態様においては、本発明は、R15が、ハロゲンで置換されていてもよい(1−4C)アルキルである化合物に関する。
【0039】
さらにもう1つの態様においては、本発明は、R15が、トリフルオロメチル、または(ヘテロ)アリール((1−4C)アルキルで置換されていてもよい)である式Iの化合物に関する。
【0040】
本発明はまた、R15が、(1−4C)アルキルで置換されていてもよい(ヘテロ)アリールである式Iの化合物に関する。
【0041】
もう1つの態様においては、式Iの化合物におけるR21は(1−4C)アルキルである。
【0042】
本発明はまた、RがH、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−C(O)R18、−NHC(O)R20または(ヘテロ)アリール[これは、シアノ、(1−4C)アルキル、(1−4C)アルコキシ、(1−4C)アルコキシ(1−4C)アルキルまたは(ヘテロ)アリール)で置換されていてもよい]である式Iの化合物に関する。
【0043】
本発明はまた、RがH、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−C(O)R18、−NHC(O)R20または(ヘテロ)アリール[これは、シアノ、(1−4C)アルキル、(1−4C)アルコキシまたは(1−4C)アルコキシ(1−4C)アルキルで置換されていてもよい]である式Iの化合物に関する。
【0044】
本発明は更に、RがH、シアノ、ピリジルまたはニトロであるそれらの化合物に関する。
【0045】
もう1つの態様においては、本発明は、Rがシアノ、ピリジルまたはニトロである化合物に関する。本発明はまた、Rがシアノである化合物に関する。
【0046】
さらにもう1つの態様においては、本発明は、R、R、R、R、R、R、R11、R12、R13およびR14がHである式Iの化合物に関する。
【0047】
本発明の更にもう1つの態様は、前記のとおりに定義される基R〜R21のすべての具体的な定義が式Iの化合物において組合された化合物に関する。
【0048】
本発明はまた、グルココルチコイド受容体に高度に特異的である式Iの化合物を含む。特異性は、グルココルチコイド受容体に関して更に詳しく記載されているとおりに該化合物を他のよく知られた受容体、例えばプロゲステロン受容体、アンドロゲン受容体、ミネラルコルチコイド受容体またはエストロゲン受容体で試験することにより測定されうる。
【0049】
合成
本発明の化合物を合成するための工程の順序をスキーム1に記載する。
【0050】
本発明の化合物は、まず、Xが前記ハロゲンと同意義を有する一般構造1の2−ハロニトロアリールを(N−アルキル)アニリン誘導体とカップリングさせることにより製造することが可能である。
【0051】
前記反応は、典型的には、炭酸カリウムの存在下、有機溶媒を使用して又は使用しないで、加温して行う。一般構造1の2−ハロニトロアリールは商業的に入手可能であるか、または文献に十分に記載されている合成経路により容易に入手可能である。この反応はG.W.Rewcastleら,J.Med.Chem.,30,1987,843の文献に報告されている。あるいは、これらの反応を炭酸セシウム、酢酸パラジウムおよびBINAPの存在下で行って類似生成物を得ることが可能である。
【0052】
【化3】

【0053】
ついで、一般構造2の化合物を還元して一般構造3の化合物を得ることが可能である。
【0054】
前記反応は、典型的には、塩化スズ(II)および有機溶媒の存在下、室温で行い、ついでヒドロキシドで処理する。
【0055】
ついで、一般構造3の化合物をNホルミル化して一般構造4の化合物を得ることが可能である。
【0056】
前記反応は、典型的には、還流ギ酸中、いずれの有機溶媒をも使用することなく行う。
【0057】
ついで、一般構造4の化合物を閉環して環Cを形成させ、一般構造5の三環性化合物を得ることが可能である。
【0058】
前記反応は、典型的には、有機溶媒を使用して、五塩化リンの存在下、室温で行う。あるいは、これらの反応を、いずれの有機溶媒をも使用することなく、ポリリン酸およびリン(V)トリクロリドオキシド(phosphorous(V) trichloride oxide)の存在下で行って、所望の生成物を得ることが可能である。
【0059】
ついで、一般構造5の化合物をヘテロ・ディールス・アルダー様態で反応させてピペリジン環を形成させ、四環性化合物を得ることが可能である。ついで、これらの化合物をイン・シトゥ(in−situ)で還元して一般構造6の四環性アルコールを得ることが可能であり、これは主としてトランス配置で得られる。
【0060】
該ディールス・アルダー反応は、典型的には、有機溶媒を使用して、トリメチル[(1−メチレン−2−プロペニル)オキシ]シラン、トリメチル[(1−メチレン−2−ブテニル)オキシ]シランまたは[(3−メトキシ−1−メチレン−2−プロペニル)オキシ]トリメチルシラン(ダニシェフスキー(Danishefsky’s)ジエン)およびイットリウムトリフルオロメタンスルホナートの存在下、低下させた温度で行う。ついで、これらの粗生成物を、有機溶媒を使用して、水素化ホウ素ナトリウムの存在下、室温で還元することが可能である。ついで、一般構造6の化合物を光延条件下で反応させて一般構造7のアジド化合物を得ることが可能である。
【0061】
前記反応は、典型的には、有機溶媒を使用して、トリフェニルホスフィン、ジイソプロピルアゾジカルボキシラートおよびジフェニルホスホリルアジドの存在下、室温で行う。
【0062】
ついで、一般構造7の化合物を還元して一般構造8の遊離アミン化合物を得ることが可能である。この反応は、典型的には、有機溶媒を使用して、トリフェニルホスフィンおよび水の存在下、室温で行う。ついで、これらの化合物を、一般的な方法により、カルボン酸誘導体(酸、酸クロリドまたはエステル)にカップリングさせてアミド生成物9を得ることが可能である。
【0063】
化合物6、8および9は、本明細書に開示されている全ての他の化合物の生成における鍵中間体化合物である。これらの鍵中間体の官能性は、適当な出発物質の選択により、あるいはハロゲン化、ニトロ化、ホルミル化などにより得ることが可能であり、ついで、本明細書に記載されている方法(例えば、ブッチワルト(Buchwald)、スズキ(Suzuki)、スティル(Stille)、芳香族置換など)により更に修飾して、所望のシス立体化学を有する所望の物質を得ることが可能である。
【0064】
本発明の化合物は、少なくとも2つの立体形成性炭素原子を有し、したがって、純粋なエナンチオマーとして、またはエナンチオマーの混合物として、またはジアステレオマーの混合物として得られうる。一般には、これらはエナンチオマーの混合物として単離される。ジアステレオマーは、順相または逆相クロマトグラフィーを用いて分離されうる。純粋なエナンチオマーを得るための方法は当技術分野で公知であり、例えば、キラルカラムを使用するクロマトグラフィーが挙げられる。
【0065】
生物活性:
受容体結合を測定するための方法ならびに該化合物の生物活性を測定するためのインビトロおよびインビボアッセイはよく知られている。一般には、発現された受容体を被検化合物で処理し、機能的応答の結合、刺激または抑制を測定する。
【0066】
結合を測定するためには、発現されたGRを含有する単離された細胞質ゾルを使用することが可能である。放射能または蛍光標識化合物を使用することも可能である。参照化合物として、該受容体に結合する天然ホルモンまたは他の化合物を使用することが可能である。代替法として、結合アッセイを行うことも可能である。これらの結合アッセイは各自で開発することが可能であり、あるいは、商業的に入手可能な結合アッセイ(キット)として購入することが可能であろう。結合アフィニティを測定するための実験方法は当技術分野でよく知られている。
【0067】
GRモジュレーターを選択するためには、化合物は該受容体に<10−5Mのアフィニティで結合すべきである。より好ましくは、結合アフィニティは<10−7Mであり、最も好ましくは、結合アフィニティは<10−8Mである。
【0068】
機能的応答を測定するためには、グルココルチコイド受容体遺伝子(好ましくは該ヒト受容体)をコードする単離されたDNAを適当な宿主細胞、例えばヒト骨芽性U2OS細胞において発現させる。
【0069】
組換えグルココルチコイド受容体発現細胞系を構築するための方法は当技術分野でよく知られている。受容体の発現は、所望のタンパク質をコードするDNAの発現により達成される。部位特異的突然変異誘発、追加的な配列の連結、PCRおよび適当な発現系の構築のための方法はすべて、現在までに当技術分野でよく知られている。所望のタンパク質をコードする部分DNAまたは全DNAは、好ましくは連結の促進のための制限部位を含有させるよう、標準的な固相技術を用いて合成的に構築されうる。含有されるコード配列の転写および翻訳のための適当な制御要素が該DNAコード配列に供与されうる。よく知られているとおり、細菌のような原核生物宿主ならびに酵母、植物細胞、昆虫細胞、哺乳類細胞、鳥類細胞などのような真核生物宿主を含む多種多様な宿主に対して和合性である発現系が現在利用可能である。
【0070】
インビトロにおいては、サイトカイン、ケモカインおよび他の炎症メディエーターを分泌するよう刺激されるヒトGR DNAで安定にトランスフェクトされたヒト細胞系において、炎症を模擬することが可能である。化合物の抗炎症効果は、その細胞系における炎症応答の抑制を測定することにより定量されうる。全用量応答曲線を調べることにより、化合物および参照化合物(例えば、プレドニソロン)の両方に関するEC50値が求められうる。EC50値を、同一細胞アッセイにおいてプレドニソロンに関して得られたEC50値と比較することが可能であろう。好ましくは、化合物は、プレドニソロンに関して得られたEC50の範囲内のEC50値を有する。より好ましくは、EC50値は、プレドニソロンに関して得られたものより小さい。
【0071】
望ましいEC50値は被検化合物によって異なる、と当業者は認識するであろう。例えば、10−5M未満のEC50を有する化合物は、一般には、薬物選択のための候補であるとみなされる。好ましくは、この値は10−7Mより低い。しかし、より高いEC50を有するが特定の受容体に選択的である化合物は、より一層良好な候補となりうる。
【0072】
インビボにおいては、リポ多糖(LPS)で処理されたマウスにおいて、抗炎症効果を試験することが可能である。化合物は、LPS処理の時点またはそれより前に全身投与されうる。抗炎症効果は、マウスの血清中のLPS誘導性TNFαまたは任意の他の炎症サイトカインもしくはケモカインの抑制として定量されうる(S.R.Hyde & R.E.McCallum,Infection and Immunity,60;976−982(1992))。関節炎を抑制する効力は、脚腫脹を抑制する能力としてマウスコラーゲンII型誘導性関節炎モデル(CIA)において(D.E.Trenthamら,J Exp Med 146;857−868(1977))または他の関節炎モデルにおいて試験されうるであろう。
【0073】
したがって、本発明はまた、一般式Iを有する化合物またはその塩を含む医薬組成物を含む。したがって、式Iの化合物は療法において使用されうる。
【0074】
式Iの化合物またはその医薬上許容される塩(本明細書においては有効成分とも称される)の適当な投与経路としては、筋肉内注射、皮下注射、静脈内注射または腹腔内注射、経口および鼻腔内投与が挙げられる。好ましくは、該化合物は経口投与されうる。有効成分またはその医薬組成物の投与の厳密な用量および計画は、必然的に、達成すべき治療効果(例えば、喘息、R.A,I.B.Dの治療)に左右されることとなり、個々の化合物、投与経路ならびに該医薬が投与される個々の対象の年齢および状態によって様々となりうる。一般には、治療上有効な1日量は、本発明の化合物当たり、1日当たり約0.001mg〜約15mg/kg体重であり、好ましくは、1日当たり約0.1mg〜約10mg/kg体重であり、最も好ましくは、1日当たり約0.1mg/kg〜約1.5mg/kg体重である。最適な用量レベルおよびパターンを決定するためには、ある程度の常套的な用量の最適化が必要かもしれない。
【0075】
本発明のもう1つの態様は、グルココルチコイド受容体が変調されることが必要な、すなわち、プレドニソロンのようなステロイド性グルココルチコイドで現在治療されているリウマチ学、血液学、肺科学、皮膚科学、胃腸科学、内分泌学、神経病学および腎臓科学の分野における全ての適応症に対する医薬の製造のための、式Iの化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物の使用を含む。最も好ましいのは、リウマチ学の分野、特に例えば慢性関節リウマチにおけるものである。
【0076】
したがって、本発明の化合物はグルココルチコイド受容体活性を変調し、それらは免疫疾患および炎症疾患の治療において使用されうる。特に、該化合物は、例えば慢性関節リウマチ、若年性関節炎および強直性脊椎炎のようなリウマチ疾患、乾癬および天疱瘡を含む皮膚科疾患、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎および接触皮膚炎を含むアレルギー障害、喘息および慢性閉塞性肺疾患を含む肺状態、ならびにクローン病、潰瘍性大腸炎、全身性エリテマトーデス、自己免疫慢性活動性肝炎、骨関節症、腱炎および滑液嚢炎を含む他の免疫および炎症疾患を治療するために使用されうる。また、該化合物は、臓器移植後の臓器の拒絶を妨げるのを補助するために使用されうる。
【0077】
さらに特に、該化合物は、慢性関節リウマチ、乾癬、喘息および慢性閉塞性肺疾患、クローン病または潰瘍性大腸炎を治療するために使用されることが可能であり、該化合物は、臓器移植後の臓器の拒絶を妨げるのを補助するために使用されうる。
【0078】
したがって、本発明の化合物は、これらの疾患、すなわち、患者がグルココルチコイド受容体の変調を必要としている全ての疾患の治療において使用されうる。
【0079】
実施例
実施例1
注)実施例における番号づけは、特に示さない限り、R、R、R、R−R=H、R10=Me、R11−R14=Hであるスキーム1に関するものである。
【実施例1】
【0080】
シス−2,2,2−トリフルオロ−N−(8−ホルミル−1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10−メチルジ−ベンゾ[b,f]ピリド[l,2−d][l,4]ジアゼピン−2−イル)アセトアミド (9:R=C(O)CF;R=CHO)
トルエン(2.5L)中の2−ブロモニトロベンゼン(1)(301g,1.5mol)およびN−メチルアニリン(176.5g,1.65mol)の攪拌溶液を、15分間窒素通気することにより脱気した。ついで炭酸セシウム(537g,1.65mol)、Pd(OAc)(973mg,4.3mmol)およびrac−BINAP(15.1g,24.3mmol)を、攪拌しながら加え、該反応を85℃に加熱し、20分間維持した。反応をHOでクエンチし、有機物を6M HCl、ついでHO、そして最後に飽和ブラインで洗浄し、ついで乾燥(NaSO)させた。有機層を減圧下で濃縮し、粗生成物をシリカ上のカラムクロマトグラフィーにより精製して(2)(341g,99%)を得た。データ:(m/z)=229(M+H)
【0081】
エタノール(1L)中の(2)(100g,0.5mol)の攪拌溶液にSnCl.2HO(451g,2.0mol)を加え、該混合物を室温で一晩攪拌した。該エタノール溶液を4分割し、それぞれをHO(1L)中の6M NaOH溶液中に注いだ。これを、該溶液が退色するまで攪拌し、ついで生成物をEtOAc中に抽出した。有機層を合わせ、飽和ブラインで洗浄し、ついで乾燥(NaSO)させた。有機層を減圧下で濃縮し、粗生成物をシリカ上のカラムクロマトグラフィーにより精製して(3)(78g,79%)を得た。データ:(m/z)=199(M+H)
【0082】
ギ酸(500ml)中の(3)(78g,0.39mol)の攪拌溶液を還流温度まで加熱し、20時間維持した。該ギ酸を減圧下で除去し、得られた油をEtOAcに溶解した。有機物をHO中のNaHCO溶液、ついでHO、そして最後に飽和ブラインで洗浄し、ついで乾燥(NaSO)させた。有機物を減圧下で濃縮し、粗生成物をシリカ上のカラムクロマトグラフィーにより精製して(4)(61g,69%)を得た。データ:(m/z)=227(M+H)
【0083】
DCM(500ml)中の(4)(61g,270mmol)の攪拌溶液に、PCl(56.3g,270mmol)を、分割して加えた。該反応混合物を室温で1時間攪拌し、ついでHO(1L)中のNaHCO溶液中に注いだ。該反応混合物のpHを、それがリトマス紙で塩基性になるまで、固体NaHCOを使用して調節した。有機層を分離し、減圧下で濃縮した。得られた油をEtOに溶解した。ついでHO中の6M HCl溶液を加え、該系を30分間攪拌した。水層を分離し、有機物をHO中の6M HCl溶液で2回洗浄した。該水性画分を合わせ、EtOで洗浄し、ついで中和した。生成物をEtOAcで抽出し、飽和ブラインで洗浄し、乾燥(NaSO)させ、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカ上のカラムクロマトグラフィーにより精製して(5)(30g,54%)を得た。データ:(m/z)=209(M+H)
【0084】
トルエン(350ml)中の(5)(30g,144mmol)の攪拌溶液を0℃に冷却し、ついでダニシェフスキー(Danishefsky’s)のジエン(24.8g,144mmol)およびYb(OTf)(4.47g,7.2mmol)を加えた。該溶液を室温に加温し、2時間攪拌した。該反応をHO中の0.1M HClでクエンチした。水を加え、生成物をトルエン中に抽出した。有機物を飽和ブラインで洗浄し、乾燥(NaSO)させ、減圧下で濃縮して10,14b−ジヒドロ−10−メチル−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−2(1H)オン(47g,粗製物)を得た。この化合物をエタノール(1L)に懸濁させ、ついでNaBH(21.8g,576mmol)を加え、該反応混合物を室温で8時間攪拌した。有機物を減圧下で部分的に蒸発させ、得られたスラリーをHO中の飽和NHCl溶液中に注ぎ、生成物をEtOAc中に抽出した。有機物を飽和ブラインで洗浄し、乾燥(NaSO)させ、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカ上のカラムクロマトグラフィーにより精製して(6)(23.4g,58%)を得た。データ:(m/z)=281(M+H)
【0085】
乾燥THF(150ml)中の(6)(10.0g,35.7mmol)およびトリフェニルホスフィン(12.2g,46.4mmol)の攪拌溶液を0℃に冷却し、ジイソプロピルアゾジカルボキシラート(9.2ml,46.4mmol)を滴下した。ジフェニルホスホリルアジド(10.0ml,46.4mmol)を滴下し、ついで冷却装置を除去した。該反応を室温に加温し、2時間攪拌した。該反応混合物を減圧下で濃縮し、粗生成物をシリカ上のカラムクロマトグラフィーにより精製して(7)(13.1g,100%)を得た。データ:(m/z)=306(M+H)
【0086】
THF(150ml)中の(7)(10.9g,35.7mmol)およびトリフェニルホスフィン(13.4g,51.1mmol)の攪拌溶液にHO(2ml)を加えた。該反応混合物を室温で24時間攪拌し、ついで減圧下で濃縮して(8)(35g,粗製物)を得た。データ:(m/z)=280(M+H)
【0087】
(8)の粗製物を、攪拌しながらMeOH(400ml)中に取り、ついでトリエチルアミン(19.4ml,140mmol)およびエチルトリフルオロアセタート(20.9ml,175mmol)を加え、該反応混合物を50℃に加熱し、3時間維持した。該反応混合物を減圧下で濃縮し、ついでシリカ上のカラムクロマトグラフィーにより精製してシス−2,2,2−トリフルオロ−N−(1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10−メチルジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル)アセトアミド(9:R=COCF)(5.7g,2工程で58%)を得た。データ:(m/z)=376(M+H)
【0088】
オキサリルクロリド(436μL,5mmol)を0℃でDMF(0.5ml)に、攪拌しながら注意深く滴下し、ついで25分間維持した。得られた懸濁液にDMF(2ml)中のシス−2,2,2−トリフルオロ−N−(1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10−メチルジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル)アセトアミド(9:R=COCF)(400mg,1.07mmol)の溶液を滴下し、該反応混合物を80℃に加熱し、1.5時間維持した。該反応を室温に冷却し、HO中のNaHCO溶液の滴下によりクエンチした。生成物をEtOAc中に抽出し、乾燥(NaSO)させ、減圧下で濃縮した。ついで粗生成物をシリカ上のカラムクロマトグラフィーにより精製してシス−2,2,2−トリフルオロ−N−(8−ホルミル−1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10−メチルジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル)アセトアミド(9:R=COCF;R=CHO)(130mg,30%)を得た。データ:(m/z)=404(M+H)。[カラムクロマトグラフィーはシス−2,2,2−トリフルオロ−N−(6−ホルミル−1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10−メチルジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル)アセトアミド(9:R=COCF;R=CHO)(45mg,10%)をも与えた。データ:(m/z)=404(M+H)]。
【実施例2】
【0089】
シス−2,2,2−トリフルオロ−N−(1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10−メチル−8−ニトロジベンゾ[b、f]ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル)アセトアミド(9:R=COCF;R=NO
DCM(5ml)中のTFAA(188μL,1.33mmol)およびTBAN(406mg,1.33mmol)の攪拌溶液を0℃に冷却し、20分間攪拌し、ついでDCM(5ml)中の(9:R=COCF)(250mg,0.67mmol)の溶液に滴下した。該反応混合物を0℃で1.5時間攪拌し、ついでHO中のNaHCO溶液でクエンチ(0℃)した。有機物を分離し、HO、ついで飽和ブラインで洗浄し、ついで乾燥(PE−フィルター)させ、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカ上のカラムクロマトグラフィーにより精製してシス−2,2,2−トリフルオロ−N−(l,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10−メチル−8−ニトロジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル)アセトアミド(9:R=COCF;R=NO)(110mg,42%)を得た。データ:(m/z)=421(M+H)
【実施例3】
【0090】
シス−N−(8−シアノ−1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10−メチルジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミド(9:R=COCF;R=CN)
アセトン(175ml)中の(6)(12.7g,45.4mmol)の攪拌溶液を0℃に冷却し、N−ブロモスクシンイミド(10.4g,58.4mmol)を、分割して加えた。該溶液を室温に加温し、3時間攪拌した。ついで該反応をHO中のNaHCO溶液でクエンチし、生成物をEtOAc中に抽出した。有機物を飽和ブラインで洗浄し、乾燥(NaSO)させ、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカ上のカラムクロマトグラフィーにより精製して(6:R=Br)(11.0g,67%)を得た。データ:(m/z)=360(M+H)
【0091】
(7:R=Br)。この化合物は実施例1(前記を参照されたい)と同様にして製造した。生成物は精製せずに、粗製物のまま次工程で使用した。データ:(m/z)=385(M+H)
【0092】
(9:R=COCF;R=Br)。この化合物は実施例1と同様にして製造した(3工程で35%)。データ:(m/z)=455(M+H)
【0093】
(9:R=COCF;R=Br)(2g,4.4mmol)およびCuCN(1g,11mmol)の溶液を0.5時間の窒素通気により脱気した。ついで該反応混合物を200℃に加熱し、攪拌しながら4時間維持した。ついで該反応をHO中のNaHCO溶液でクエンチし、濾過した。生成物をEtOAc中に抽出し、有機物をHOで洗浄し、乾燥(NaSO)させた。有機物を減圧下で濃縮し、粗生成物をシリカ上のカラムクロマトグラフィーにより精製してシス−N−(8−シアノ−1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10−メチルジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミド(9:R=COCF;R=CN)(1.1g,62%)を得た。データ:(m/z)=401(M+H)
【実施例4】
【0094】
シス−1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10−メチル−N−フェニル−2−(2,2,2−トリフルオロアセチルアミノ)ジベンゾ[b、f]ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−8−カルボキサミド(9:R=COCF;R=CNO)
EtOH(50ml)中のシス−N−(8−シアノ−1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10−メチルジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミド(9:R=COCF;R=−CN)(900mg,2.25mmol)の攪拌溶液に6N KOH(20ml)を加えた。該反応混合物を120℃に加熱し、マイクロ波(120W)を使用して1.5時間維持した。該反応混合物を室温に冷却し、HO中の2M HClで中和し、溶媒を凍結乾燥により除去した。粗生成物をMeOH(50ml)中に取り、ついでトリエチルアミン(1.5ml,10.8mmol)およびエチルトリフルオロアセタート(1.4ml,11.7mmol)を加えた。該反応混合物を50℃に加熱し、3時間維持し、ついで室温に冷却した。生成物を酸−塩基抽出により単離し、有機層をHO、ついで飽和ブラインで洗浄し、乾燥(NaSO)させ、減圧下で濃縮して粗製物(9:R=COCF;R=COH)(737mg,2工程で78%)を得た。データ:(m/z)=420(M+H)
【0095】
DMF(1ml)中の(9:R=COCF;R=COH)(30mg,0.72mmol)の攪拌溶液にTBTU(34.5mg,0.108mmol)およびDIPEA(68.3μL,0.360mmol)を加え、該混合物を10分間攪拌した。ついでアニリン(7.2μL,0.792mmol)を加え、該反応混合物を室温で70時間攪拌した。該反応混合物をHO中のNaCO溶液でクエンチし、生成物をDCM中に抽出した。有機層を乾燥(NaSO)させ、減圧下で濃縮し、ついで粗生成物カラムクロマトグラフィーにより精製してシス−1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10−メチル−N−フェニル−2−(2,2,2−トリフルオロアセチルアミノ)ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−8−カルボキサミド(9:R=COCF;R=CNO)(25mg,70%)を得た。データ:(m/z)=495(M+H)
【実施例5】
【0096】
シス−2,2−ジクロロ−N−(8−シアノ−1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10−メチルジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル)アセトアミド(9:R=COCCl;R=CN)
EtOH(50ml)中のシス−N−(8−シアノ−1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10−メチルジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミド(9:R=COCF;R=CN)(900mg,2.25mmol)の攪拌溶液に2N NaOH(12ml)を加えた。該反応混合物を室温で3時間攪拌し、ついで生成物を酸−塩基抽出により単離し、有機層をHO、ついで飽和ブラインで洗浄し、乾燥(NaSO)させ、減圧下で濃縮して粗製物(8:R=CN)(687mg,100%)を得た。データ:(m/z)=305(M+H)
【0097】
DCM(0.5ml)中の(8:R=CN)(20mg,0.066mmol)およびトリエチルアミンアミン(5.75μL,0.069mmol)の攪拌溶液を0℃に冷却し、ついでジクロロアセチルクロリド(6μL,0.069mmol)の溶液を滴下した。該反応を2時間攪拌し、ついでHO中のNaCO溶液でクエンチし、生成物をDCM中に抽出した。有機層を乾燥(NaSO)させ、減圧下で濃縮し、ついで粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製してシス−2,2−ジクロロ−N−(8−シアノ−1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10−メチルジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル)アセトアミド(9:R=COCCl;R=CN)(20mg,81%)を得た。データ:(m/z)=415(M+H)
【実施例6】
【0098】
シス−N−[1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10−メチル−N−(2,2,2−トリフルオロアセチル−アミノ)ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−8−イル]−2−メチルプロパンアミド(9:R=COCF;R=CNO)
DME(150ml)中の(9:R=COCF;R=Br)(5.16g,11.36mmol)、Pd(dba)(0.1g)、2−(ジ−t−ブチルホスフィノ)ビフェニル(0.2g)およびNaOBu(2.18g,22.7mmol)の攪拌溶液にベンジルアミン(2.48ml,22.7mmol)を加え、該反応混合物を75℃に加熱し、20分間維持した。該反応混合物を室温に冷却し、EtOAcおよびNaHCO水溶液の添加によりクエンチした。有機物を分離し、HO、ついで飽和ブラインで洗浄し、乾燥(NaSO)させ、減圧下で濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製して(9:R=COCF;R=CN)(4.51g,83%)を得た。データ:(m/z)=481(M+H)
【0099】
EtOH(35ml)中の(9:R=COCF;R=CN)(2.00g,4.16mmol)の攪拌溶液にジオキサン(1ml)中のHClおよび10% Pd/C(0.2ml,22.7mmol)を加え、該反応混合物を窒素で3回パージした。該反応混合物を水素(2バール)下で20時間攪拌した。該反応をEtOAcおよびNaHCO水溶液の添加によりクエンチし、濾過(セライト)した。有機物を分離し、HO、ついで飽和ブラインで洗浄し、乾燥(NaSO)させ、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカ上のカラムクロマトグラフィーにより精製して(9:R=COCF;R=NH)(1.39g,86%)を得た。データ:(m/z)=391(M+H)
【0100】
DCM(7.5ml)中の(9:R=COCF;R=NH)(250mg,0.643mmol)およびトリエチルアミン(95μL,0.675mmol)の攪拌溶液を0℃に冷却し、イソブチリルクロリド(70μL,0.675mmol)の溶液を滴下した。該反応を0℃で1時間攪拌し、EtOAcおよびNaHCO水溶液の添加によりクエンチした。有機物を分離し、HO、ついで飽和ブラインで洗浄し、乾燥(NaSO)させ、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカ上のカラムクロマトグラフィーにより精製してシス−N−[l,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10−メチル−N−(2,2,2−トリフルオロアセチルアミノ)ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−8−イル]−2−メチルプロパンアミド(9:R=COCF;R=CNO)(208mg,70%)を得た。データ:(m/z)=461(M+H)
【実施例7】
【0101】
シス−N−[l,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10−メチル−N−フェニル−2−(2,2,2−トリフルオロ−アセチルアミノ)ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−8−イル]−4−メチル−1,2,3−チアジアゾール−5−カルボキサミド(9:R=COCF;R=COS)
この化合物を、実施例6に記載されているのと同様にして(9:R=COCF;R=NH)から製造してシス−N−[l,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10−メチル−N−フェニル−2−(2,2,2−トリフルオロアセチルアミノ)ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−8−イル]−4−メチル−1,2,3−チアジアゾール−5−カルボキサミド(9:R=COCF;R=COS)(43%)を得た。データ:(m/z)=517(M+H)
【実施例8】
【0102】
エチル シス−1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10−メチル−2−(2,2,2−トリフルオロアセチル−アミノ)ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−8−カルボキシラート(9:R=COCF;R=C
乾燥THF(10ml)中の(9:R=COCF;R=Br)(500mg,1.10mmol)の攪拌溶液を−75℃に冷却し、n−BuLi(1.44ml,2.10mmol)を滴下した。5分後、エチルクロロホルマート(525μL,5.50mmol)を滴下し、該反応を−75℃で1.5時間攪拌した。該反応をHOの滴下によりクエンチし、生成物をEtOAc中に抽出した。有機層を乾燥(NaSO)させ、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカ上のカラムクロマトグラフィーにより精製してエチル シス−1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10−メチル−2−(2,2,2−トリフルオロアセチルアミノ)ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−8−カルボキシラート(9:R=COCF;R=C)(75mg,15%)を得た。データ:(m/z)=448(M+H)
【実施例9】
【0103】
シス−N−(7−クロロ−8−シアノ−1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10−メチル−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミド(9:R=COCF;R=Cl;R=CN)
この化合物を、実施例3に記載されているのと同様にして(8:R=Cl;R=Br)から製造してシス−N−(7−クロロ−8−シアノ−1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10−メチル−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミド(9:R=COCF;R=Cl;R=CN)(40%)を得た。データ:(m/z)=435(M+H)
【実施例10】
【0104】
シス−2,2,2−トリフルオロ−N−(1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10,14−ジメチル−8−ニトロ−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル)−アセトアミド(9:R=COCF;R=NO;R14=CH
この化合物を、実施例2に記載されているのと同様にして(9:R=COCF;R!4=CH)から製造してシス−2,2,2−トリフルオロ−N−(1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10,14−ジメチル−8−ニトロ−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル)−アセトアミド(9:R=COCF;R=NO;R14=CH)(59%)を得た。データ:(m/z)=435(M+H)
【実施例11】
【0105】
シス−N−(14−ブロモ−1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10−メチル−8−ニトロ−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミド(9:R=COCF;R=NO;R14=Br)
この化合物を、実施例2に記載されているのと同様にして(9:R=COCF;R14=Br)から製造してシス−N−(14−ブロモ−1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10−メチル−8−ニトロ−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミド(9:R=COCF;R=NO;R14=Br)(45%)を得た。データ:(m/z)=500(M+H)
【実施例12】
【0106】
シス−2,2,2−トリフルオロ−N−[1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10−メチル−8−ニトロ−14−(ピリジン−2−イル)−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル]アセトアミド(9:R=COCF;R=NO;R14=2−CN)
トルエン(3ml)中の(9:R=COCF;R=NO;R14=Br)(40mg,0.080mmol)攪拌溶液にPdCl(PPh(3.5mg,0.005mmol)、ヨウ化銅(8.0mg,0.005mmol)、フッ化セシウム(24mg,0.160mmol)および2−(トリブチルスタンニル)ピリジン(44mg,0.120mmol)を入れた。該反応混合物を120℃に加熱し、24時間維持した。該反応をHO中のNaHCO溶液でクエンチし、生成物をEtOAc中に抽出した。有機物をHO、ついで飽和ブラインで洗浄し、ついで乾燥(NaSO)させ、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカ上のカラムクロマトグラフィーにより精製してシス−2,2,2−トリフルオロ−N−[1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10−メチル−8−ニトロ−14−(ピリジン−2−イル)−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル]アセトアミド(9:R=COCF;R=NO;R14=2−CN)(8mg,20%)を得た。データ:(m/z)=498(M+H)
【実施例13】
【0107】
シス−N−(8,14−ジシアノ−1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10−メチルジベンゾ[b,f]−ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミド(9,R=COCF;R=CN;R14=CN)
この化合物を、実施例3に記載されているのと同様にして(9:R=COCF;R=Br;R14=Br)から製造してシス−N−(8,14−ジシアノ−1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10−メチルジベンゾ[b,f]−ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミド(9,R=COCF;R=CN;R14=CN)(74%)を得た。データ:(m/z)=426(M+H)
【実施例14】
【0108】
(2α,4α,14bα)−2,2,2−トリフルオロ−N−[1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−4,10−ジメチル−8−(ピリジン−4−イル)ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル]アセトアミド(9:R=CO−CF;R=CH;R=4−CN)
水:ジオキサン(3.5ml)の1:6混合物中の(9:R=COCF;R=CH;R=Br)(405mg,0.865mmol)、PdCl(PPh(18.2mg,0.026mmol)、KPO.7HO(342.6mg,0.101mmol)、AsPh(17.7mg,0.058mmol)および2,2−ジメチルプロパンジオール環状エステルピリジン−4−ホウ酸(boronic acid)(456mg,2.38mmol)の攪拌溶液をマイクロ波で30Wで150℃に15分間加熱した。該反応をHO中のNaHCO溶液でクエンチし、生成物をDCM中に抽出した。有機物を水で洗浄し、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカ上のカラムクロマトグラフィーにより精製して(2α,4α,14bα)−2,2,2−トリフルオロ−N−[1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−4,10−ジメチル−8−(ピリジン−4−イル)ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル]アセトアミド(9:R=COCF;R=CH;R=4−CN)(9:R=COCF;R=CH;R=4−CN)(342mg,85%)を得た。データ:(m/z)=467(M+H)
【実施例15】
【0109】
シス−N−(1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10−メチル−8−ニトロジベンゾ[b,f]ピリド−[1,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル)−2−チオフェネタンアミド(9:R=COCS;R=NO
この化合物を、実施例4に記載されているのと同様にして(8:R=NO)から製造してシス−N−(1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10−メチル−8−ニトロジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル)−2−チオフェネタンアミド(9:R=COCS;R=NO)(75%)を得た。データ:(m/z)=449(M+H)
【実施例16】
【0110】
シス−N−(7−クロロ−l,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−4,10−ジメチルジベンゾ[b,f]−ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル)−2,2−ジフルオロアセトアミド(9:R=COCHF;R=CH;R=Cl)
この化合物を、実施例4に記載されているのと同様にして(8,R=CH,R=Cl)から製造してシス−N−(7−クロロ−l,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−4,10−ジメチルジベンゾ[b,f]−ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル)−2,2−ジフルオロアセトアミド(9:R=COCHF;R=CH;R=Cl)(71%)を得た。データ:(m/z)=406(M+H)
【実施例17】
【0111】
シス−N−(1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10−メチル−8−ニトロ−ジベンゾ[b,f]−ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル)−N’,N’−ジメチル尿素(9:R=COCN;R=NO
この化合物を、実施例5に記載されているのと同様にして(8,R=NO)から製造してシス−N−(1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10−メチル−8−ニトロ−ジベンゾ[b,f]−ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル)−N’,N’−ジメチル尿素(9:R=COCN;R=NO)(54%)を得た。データ:(m/z)=396(M+H)
【実施例18】
【0112】
シス−2,2,2−トリフルオロ−N−[l,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−8−[(1−(ヒドロキシイミノ)−エチル]−10,14−ジメチルジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル]アセトアミド(9:R=COCF;R=2−CNO;R14=CH
THF(1ml)中の(9:R=COCF;R=CO;R14=CH,実施例21)(50mg,0.116mmol)、ヒドロキシルアミン.HCl(12mg,0.174mmol)およびトリエチルアミン(1滴)の溶液を50℃に加熱し、20時間維持した。HO中のNaHCO溶液を加え、生成物をEtOAc中に抽出した。有機物をHO、ついで飽和ブラインで洗浄し、乾燥(NaSO)させた。有機物を減圧下で濃縮し、粗生成物をシリカ上のカラムクロマトグラフィーにより精製してシス−2,2,2−トリフルオロ−N−[l,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−8−[(1−(ヒドロキシイミノ)エチル]−10,14−ジメチルジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル]アセトアミド(9:R=COCF;R=2−CNO;R14=CH)(49mg,94%)を得た。データ:(m/z)=447(M+H)
【実施例19】
【0113】
シス−N−(1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10−メチル−8−ニトロ−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d[1,4]ジアゼピン−2−イル)−フラン−3−カルボキサミド(9:R=COCO;R=NO
この化合物を、実施例5に記載されているのと同様にして(8,R=NO)から製造してシス−N−(1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10−メチル−8−ニトロ−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d[1,4]ジアゼピン−2−イル)−フラン−3−カルボキサミド(9:R=COCO;R=NO)(45%)を得た。データ:(m/z)=419(M+H)
【実施例20】
【0114】
シス−2,2,2−トリフルオロ−N−[1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10−メチル−8−(ピリジン−4−イル)ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル]アセトアミド(9:R=COCF;R=4−CN)
この化合物を、実施例5に記載されているのと同様にして(8:R=4−CN)から製造してシス−2,2,2−トリフルオロ−N−[1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10−メチル−8−(ピリジン−4−イル)ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル]アセトアミド(9:R=COCF;R=4−CN)(31%)を得た。データ:(m/z)=481(M+H)
【実施例21】
【0115】
シス−N−(8−アセチル−1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10,14−ジメチルジベンゾ[b,f]−ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミド(9:R=COCF;R=CO;R14=CH
この化合物を、実施例12に記載されているのと同様にして(9:R=COCF;R=CO;R14=CH)から製造してシス−N−(8−アセチル−1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10,14−ジメチルジベンゾ[b,f]−ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミド(9:R=COCF;R=CO;R14=CH)(22%)を得た。データ:(m/z)=432(M+H)
【実施例22】
【0116】
シス−N−(1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10−メチル−8−ニトロジベンゾ[b,f]ピリド−[l,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル)−2−(メチルチオ)アセトアミド(9:R=COCS;R=NO
この化合物を、実施例4に記載されているのと同様にして(8:R=NO)から製造してシス−N−(1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10−メチル−8−ニトロジベンゾ[b,f]ピリド−[l,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル)−2−(メチルチオ)アセトアミド(9:R=COCS;R=NO)(25%)を得た。データ:(m/z)=413(M+H)
【実施例23】
【0117】
シス−2,2,2−トリフルオロ−N−[1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10,14−ジメチル−8−(ピラミジン−2−イル)ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル]アセトアミド(9:R=COCF;R=C;R14=CH
この化合物を、実施例12に記載されているのと同様にして(9:R=COCF;R=Br;R14=CH)から製造してシス−2,2,2−トリフルオロ−N−[1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10,14−ジメチル−8−(ピラミジン−2−イル)ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル]アセトアミド(9:R=COCF;R=C;R14=CH)(14%)を得た。データ:(m/z)=468(M+H)
【実施例24】
【0118】
シス−N−(1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10−メチル−8−ニトロジベンゾ[b,f]ピリド−[1,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル)プロピオンアミド(9,R=COC;R=NO
この化合物を、実施例12に記載されているのと同様にして(8:R=NO)から製造してシス−N−(1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10−メチル−8−ニトロジベンゾ[b,f]ピリド−[1,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル)プロピオンアミド(9,R=COC;R=NO)(55%)を得た。データ:(m/z)=381(M+H)
【実施例25】
【0119】
(2α,4α,14bα)−2,2,2−トリフルオロ−N−(8−フルオロ−1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−4,10−ジメチルジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル)アセトアミド(9:R=COCF;R=CH;R=F)
この化合物を、実施例1に記載されているのと同様にして(8:R=CH;R=F)から製造して(2α,4α,14bα)−2,2,2−トリフルオロ−N−(8−フルオロ−1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−4,10−ジメチルジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル)アセトアミド(9:R=COCF;R=CH;R=F)(62%)を得た。データ:(m/z)=408(M+H)
【実施例26】
【0120】
シス−N−(1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10−メチル−8−ニトロジベンゾ[b,f]ピリド−[1,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル)−2−メトキシアセトアミド(9:R=COCO;R=NO
この化合物を、実施例5に記載されているのと同様にして(8:R=NO)から製造してシス−N−(1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10−メチル−8−ニトロジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル)−2−メトキシアセトアミド(9:R=COCO;R=NO)(46%)を得た。データ:(m/z)=397(M+H)
【実施例27】
【0121】
シス−2,2,2−トリフルオロ−N−(1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10−メチル−8−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル)アセトアミド(9:R=COCF;R=C
DMF(2.5ml)中の(9:R=COCF;R=CN,実施例3)(100mg,0.250mmol)の攪拌溶液にアジ化ナトリウム(195mg,3.00mmol)および塩化アンモニウム(160mg,3.00mmol)を入れた。該反応混合物をマイクロ波で20Wで150℃に加熱し、5分間維持した。酸−塩基抽出を行い、生成物をEtOAc中に抽出した。有機層を水で洗浄し、乾燥(NaSO)させ、減圧下で濃縮して固体(48mg,43%)を得た。粗生成物(39mg,0.088mmol)をDMF:アセトンの1:1混合物(5ml)に溶解し、ついで炭酸ナトリウム(11.1mg,0.132mmol)およびヨウ化メチル(54.7mg,0.880mmol)を加え、該反応混合物を室温で24時間攪拌した。ついでEtOAcを加え、該反応混合物を水で洗浄し、乾燥(NaSO)させ、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカ上のカラムクロマトグラフィーにより精製してシス−2,2,2−トリフルオロ−N−(1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10−メチル−8−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル)アセトアミド(9:R=COCF;R=C)(7mg,17%)を得た。データ:(m/z)=458(M+H)
【実施例28】
【0122】
シス−2,2,2−トリフルオロ−N−(l,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−8−[(ヒドロキシイミノ)−エチル]−10−メチルジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル)アセトアミド(9:R=COCF;R=CNO)
この化合物を、実施例18に記載されているのと同様にして(9:R=COCF;R=COCH)から製造してシス−2,2,2−トリフルオロ−N−(l,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−8−[(ヒドロキシイミノ)−エチル]−10−メチルジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル)アセトアミド(9:R=COCF;R=CNO)(55%)を得た。データ:(m/z)=433(M+H)
【実施例29】
【0123】
(2α,4α,14bα)−N−(7−クロロ−1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−4,10−ジメチル−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル)−3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−カルボキサミド(9:R=COCNO;R=CH;R=Cl)
この化合物を、実施例5に記載されているのと同様にして(8:R=CH;R=Cl)から製造して(2α,4α,14bα)−N−(7−クロロ−1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−4,10−ジメチル−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル)−3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−カルボキサミド(9:R=COCNO;R=CH;R=Cl)(15%)を得た。データ:(m/z)=451(M+H)
【実施例30】
【0124】
シス−N−(1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10−メチル−8−ニトロジベンゾ[b,f]ピリド−[1,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル)−5−メチルイソオキサゾール−4−カルボキサミド(9:R=COCNO;R=NO
この化合物を、実施例4に記載されているのと同様にして(8,R=NO)から製造してシス−N−(1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10−メチル−8−ニトロジベンゾ[b,f]ピリド−[1,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル)−5−メチルイソオキサゾール−4−カルボキサミド(9:R=COCNO;R=NO)(27%)を得た。データ:(m/z)=434(M+H)
【実施例31】
【0125】
シス−N−(1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10−メチル−8−ニトロジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル)−4−メチル−1,2,3−チアジアゾール−5−カルボキサミド(9:R=COCS;R=NO
この化合物を、実施例5に記載されているのと同様にして(8:R=NO)から製造してシス−N−(1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10−メチル−8−ニトロジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル)−4−メチル−1,2,3−チアジアゾール−5−カルボキサミド(9:R=COCS;R=NO)(72%)を得た。データ:(m/z)=451(M+H)
【実施例32】
【0126】
シス−N−(8−(6−シアノピリジン−2−イル)−1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10−メチル−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミド(9:R=COCF;R=C
この化合物を、実施例12に記載されているのと同様にして(9,R=COCF;R=Br)から製造してシス−N−(8−(6−シアノピリジン−2−イル)−1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10−メチル−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミド(9:R=COCF;R=C)(58%)を得た。データ:(m/z)=478(M+H)
【実施例33】
【0127】
シス−N−[8−(5−エチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10−メチルジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル]−2,2,2−トリフルオロアセトアミド(9:R=COCF;R=CO)
エタノール(5ml)中の(9:R=COCF;R=CN)(391mg,0.980mmol)およびトリエチルアミン(212μL,1.51mmol)の攪拌溶液にヒドロキルアミン塩酸塩(102mg,1.47mmol)を入れ、該反応混合物80℃に加熱し、24時間維持した。該反応混合物をロータリーエバポレーターによる蒸発により濃縮して油を得、これをDCMに溶解し、HOで洗浄した。ついで有機物を乾燥(NaSO)させ、減圧下で濃縮して油(420mg,100%)を得た。該粗生成物(31mg,0.072mmol)をトルエン(1ml)に溶解し、ついでピリジン(23μL,0.280mmol)およびプロピオニルクロリド(12.5μL,0.140mmol)を加え、該反応混合物を120℃で2時間加熱した。該反応混合物を水で洗浄し、乾燥(NaSO)させ、減圧下で濃縮した。粗生成物を逆相HPLCにより精製してシス−N−[8−(5−エチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10−メチルジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル]−2,2,2−トリフルオロアセトアミド(9:R=COCF;R=CO)(6mg,18%)を得た。データ:(m/z)=472(M+H)
【実施例34】
【0128】
シス−N−(1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10−メチル−8−ニトロジベンゾ[b,f]ピリド−[l,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル)−2−ヒドロキシプロパンアミド(9:R=COCO;R=NO
この化合物を、実施例5に記載されているのと同様にして(8:R=NO)から製造した。ついで、単離された化合物をEtOH中に取り、NaOHの8%溶液を加えた。該反応混合物を室温で2時間攪拌した。該EtOHのほとんどを減圧下で除去した。ついでHOを加え、生成物をDCM中に抽出した。ついで有機物を飽和ブラインで洗浄し、乾燥(NaSO)させた。有機物を減圧下で濃縮し、粗生成物をシリカ上のカラムクロマトグラフィーにより精製してシス−N−(1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10−メチル−8−ニトロジベンゾ[b,f]ピリド[l,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル)−2−ヒドロキシプロパンアミド(9:R=COCO;R=NO)(49%)を得た。データ:(m/z)=397(M+H)
【実施例35】
【0129】
シス−N−(9−クロロ−8−シアノ−1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10−メチルジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミド(9,R=COCF;R=CN;R=Cl)
この化合物を、実施例3に記載されているのと同様にして(9:R=COCF;R=Br;R=Cl)から製造してシス−N−(9−クロロ−8−シアノ−1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10−メチルジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミド(9,R=COCF;R=CN;R=Cl)(60%)を得た。データ:(m/z)=435(M+H)
【実施例36】
【0130】
シス−N−(5−メトキシピリジン−3−イル)−1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10−メチル−2−(2,2,2−トリフルオロアセチルアミノ)ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−8−カルボキサミド(9:R=COCF;R=C
DCM(0.5ml)およびDMF(2滴)中の(9:R=COCF;R=CHO,実施例4)(20mg,0.048mmol)の攪拌溶液にDCM(0.5ml)中のオキサリルクロリド(6.8μL,0.078mmol)の溶液を加えた。該反応混合物を室温で1時間攪拌した。ついで溶媒を減圧下で除去し、得られた油をTHF(0.5ml)に溶解した。ついでトリエチルアミン(7.3μL,0.052mmol)を加え、該反応混合物を0℃に冷却した。THF(0.5ml)中の5−アミノ−2−メトキシピリジン(6.5mg,0.052mmol)の溶液を加え、該反応混合物を室温で20分間攪拌した。該反応をHO中のNaHCO溶液の添加によりクエンチし、生成物をEtOAc中に抽出し、乾燥(NaSO)させ、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカ上のカラムクロマトグラフィーにより精製してシス−N−(5−メトキシピリジン−3−イル)−1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10−メチル−2−(2,2,2−トリフルオロアセチルアミノ)ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−8−カルボキサミド(9:R=COCF;R=C)(39%)を得た。データ:(m/z)=526(M+H)
【実施例37】
【0131】
シス−1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10,14−ジメチル−2−(2,2,2−トリフルオロアセチルアミノ)ジベンゾ[b,f]ピリド[l,2−d][1,4]ジアゼピン−8−カルボキサミド(9:R=COCF;R=CHNO;R14=CH
この化合物を、実施例1に記載されているのと同様にして(8:R=CH2NO;R14=CH)から製造してシス−1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10,14−ジメチル−2−(2,2,2−トリフルオロアセチルアミノ)ジベンゾ[b,f]ピリド[l,2−d][1,4]ジアゼピン−8−カルボキサミド(9:R=COCF;R=CHNO;R14=CH)(19%)を得た。データ:(m/z)=433(M+H)
【実施例38】
【0132】
シス−2,2,2−トリフルオロ−N−[l,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−8−(2−ヒドロキシアセチル)−10,14−ジメチルジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル]アセトアミド(9:R=CO−CF;R=C
ジオキサン(20ml)中の(9:2−CF;8−CO)(660mg,1.58mmol)の攪拌溶液にEtO(5ml)中の臭素(68.4μL,1.58mmol)の溶液を滴下した。該反応混合物を40℃に30分間加熱した。該反応をHO中のNaHCO溶液の添加によりクエンチし、生成物をEtOAc中に抽出し、乾燥(NaSO)させ、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカ上のカラムクロマトグラフィーにより精製して(9:R=COCF;R=CBrO)(350mg,45%)を得た。ついで該生成物(9:R=COCF;R=CBrO)(170mg,0.343mmol)をEtOH/HO(85:15)(20ml)に溶解し、ギ酸ナトリウム(140mg,2.058mmol)を、分割して加えた。該反応混合物を室温で20時間攪拌した。該反応をHO中のNaHCO溶液の添加によりクエンチし、生成物をEtOAc中に抽出し、乾燥(NaSO)させ、減圧下で濃縮した。粗生成物を逆相HPLCにより精製してシス−2,2,2−トリフルオロ−N−[l,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−8−(2−ヒドロキシアセチル)−10,14−ジメチルジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル]アセトアミド(9:R=CO−CF;R=C)(46mg,31%)を得た。データ:(m/z)=434(M+H)
【実施例39】
【0133】
シス−1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10−メチル−N−プロピル−2−(2,2,2−トリフルオロ−アセチルアミノ)ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−8−カルボキサミド(9:R=COCF;R=CNO)
この化合物を、実施例36に記載されているのと同様にして(9:R=COCF;R=CHO,実施例4)から製造してシス−1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10−メチル−N−プロピル−2−(2,2,2−トリフルオロ−アセチルアミノ)ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−8−カルボキサミド(9:R=COCF;R=CNO)(27%)を得た。データ:(m/z)=461(M+H)
【実施例40】
【0134】
シス−2,2,2−トリフルオロ−N−[1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10−メチル−8−(5−メトキシメチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル]アセトアミド(9:R=COCF;R=C
エタノール(5ml)中の(9:R=COCF;R=CN)(391mg,0.980mmol)およびトリエチルアミン(212μL,1.51mmol)の攪拌溶液にヒドロキシルアミン塩酸塩(102mg,1.47mmol)を入れ、該反応混合物を80℃に加熱し、24時間維持した。該反応混合物をロータリーエバポレーターによる蒸発により濃縮して油を得、これをDCMに溶解し、HOで洗浄した。ついで有機物を乾燥(NaSO)させ、減圧下で濃縮して油(420mg,100%)を得た。粗生成物(60mg,0.140mmol)をピリジン(1ml)に溶解し、メトキシアセチルクロリド(25.5μL,0.280mmol)を加え、ついで該反応混合物を還流温度で3時間加熱した。該反応混合物を水で洗浄し、乾燥(NaSO)させ、ついで減圧下で濃縮した。粗生成物を逆相HPLCにより精製してシス−2,2,2−トリフルオロ−N−[1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10−メチル−8−(5−メトキシメチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル]アセトアミド(9:R=COCF;R=C)(12mg,18%)を得た。データ:(m/z)=488(M+H)
【実施例41】
【0135】
シス−2,2,2−トリフルオロ−N−[l,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10−メチル−8−(3−メトキシ−ピリジン−5−イル)ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル]アセトアミド(9:R=COCF;R=CNO)
この化合物を、実施例12に記載されているのと同様にして(9:R=COCF;R=Br)から製造してシス−2,2,2−トリフルオロ−N−[l,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10−メチル−8−(3−メトキシ−ピリジン−5−イル)ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル]アセトアミド(9:R=COCF;R=CNO)(54%)を得た。データ:(m/z)=483(M+H)
【実施例42】
【0136】
シス−N−(12−シアノ−1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10−メチル−8−ニトロ−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミド(9:R=COCF;R=NO;R12=CN)
この化合物を、実施例2に記載されているのと同様にして(9:R=COCF;R12=CN)から製造してシス−N−(12−シアノ−1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10−メチル−8−ニトロ−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミド(9:R=COCF;R=NO;R12=CN)(10%)を得た。データ:(m/z)=446(M+H)
【実施例43】
【0137】
シス−N−(8,13−ジブロモ−1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10,14−ジメチルジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミド(9:R=COCF;R=Br;R13=Br;R14=CN)
この化合物を、実施例3に記載されているのと同様にして(9:R=COCF;R14=CN)から製造してシス−N−(8,13−ジブロモ−1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10,14−ジメチルジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミド(9:R=COCF;R=Br;R13=Br;R14=CN)(33%)を得た。データ:(m/z)=548(M+H)
【実施例44】
【0138】
シス−N−[1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10−メチル−8−(ピリジン−4−イル)−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル)−メタンスルホンアミド(9:R=S(O)CH;R=4−CN)
ジクロロメタン(10ml)中の(8;R=4−CN)(200mg,0.54mmol)の攪拌溶液にトリエチルアミン(81μL)およびメタンスルホニルクロリド(45μL)を加えた。この添加の経過中は温度を0℃に維持した。ついで該反応混合物を室温で2時間攪拌した。該反応混合物を水でクエンチし、飽和水性炭酸水素ナトリウム、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。該反応混合物を減圧下で濃縮し、粗生成物をシリカ上のカラムクロマトグラフィーにより精製してシス−N−[1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10−メチル−8−(ピリジン−4−イル)−ジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル)−メタンスルホンアミド(9:R=S(O)CH;R=4−CN)(160mg,66%)を得た。データ:(m/z)=449(M+H)
【実施例45】
【0139】
シス−N−(1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10−メチル−8−シアノジベンゾ[b,f]ピリド−[1,2−d][1,4]−ジアゼピン−2−イル)−N’メチル−N’メトキシ尿素(9:R=CON(Me)OMe,R=CN)
EtOH(72ml)中のシス−N−(8−シアノ−1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−10−メチルジベンゾ[b,f]ピリド[1,2−d][1,4]ジアゼピン−2−イル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミド(9:R=COCF;R=CN)(4.36g,10.9mmol)の攪拌溶液に2N NaOH(19.2ml)を加えた。該反応混合物を室温で一晩攪拌し、ついで該反応混合物を水中に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層をHO、ついで飽和ブラインで洗浄し、乾燥(NaSO)させ、減圧下で濃縮して粗製物(8:R=CN)(3.04g,92%)を得た。データ:(m/z)=305(M+H)
【0140】
EtOAc(8ml)中の(8:R=CN)(200mg,0.658mmol)の攪拌溶液に触媒量の活性炭およびトリクロロメチルクロロホルマート(94.8μl,0.197mmol)を加えた。該反応混合物を還流温度で2時間攪拌した。該反応混合物をデカライト(dicalite)で濾過し、減圧下で濃縮して粗製物(8:2位にイソシアナート(NCO),R=CN)(217mg,100%)を得た。データ:(m/z)=331(M+H)
【0141】
EtOAc(10ml)中の(8:(NHR2=NCO,R=CN)(54mg,0.164mmol)の攪拌溶液にEtOAc(5ml)中のN,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(80mg,0.197mmol)およびトリエチルアミン(23.7μl,0.197mmol)の溶液を加えた。該反応混合物を50℃で2日間攪拌し、ついで水中に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層をHOおよび飽和ブラインで洗浄し、ついで乾燥(NaSO)させ、減圧下で濃縮して、精製後に(9:R=CON(Me)OMe,R=CN)(5.9mg,9.2%)を得た。データ:(m/z)=392(M+H)
【実施例46】
【0142】
グルココルチドイド受容体結合活性
化合物のアフィニティを、Glucocorticoid Receptor Competitor Assayキット(Pan Vera(登録商標))を使用して試験した。該キットの成分を−80℃から氷(Fluormone GSl,組換えヒトGR(GR))上または室温(GRスクリーニングバッファー、安定化ペプチドおよびDTT)で解凍した。10mMの試験化合物を手動で20μMに希釈し、ついで、BioMek 2000(Beckman−Coulter)を使用して、黒色壁の384ウェルプレート(Matrix technologies)内に、10μMから0.1nMまでの最終濃度範囲に系列希釈した。以下の順序で、フルオルモン(fluormone)GS1(1nMの最終濃度)をバッファー対照ウェル以外の全ウェルに加え、GR(4nMの最終濃度)を最小およびバッファー対照ウェル以外の全ウェルに加え、コルチゾール(10μMの最終濃度)をフルオルモンGS1対照ウェルのみに加え、バッファーを40μlの最終容量で全ウェルに加える。該プレートを覆い、90分間、攪拌しながら室温でインキュベートする。Analyst(LJL)を蛍光偏光読取りモードで使用して読取りを行った。平行および垂直モードで得たcps読取り値からMilliP比を計算する。結合リガンドの効果率(%)を各濃度で計算し、EC50の計算を可能にする用量反応曲線をプロットする。これを既知標準体(11β,17β)−11−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)−17−ヒドロキシ−17−(1−プロピニル)エストラ−4,9−ジエン−3−オン(CAS No.189035−07−2),EC50=10−8M)と比較する。例示されている全ての化合物は2×10−8M未満の結合活性を有する。
【実施例47】
【0143】
インビトロでの機能的応答
インビトロで炎症性遺伝子発現を化合物が抑制する能力を定量するために、ヒト組換えGR DNAで安定にトランスフェクトされたヒト細胞系U2OSにおいて化合物の応答を評価した。U2OS細胞を、上清におけるMCP−1の分泌を引き起こすTNFαおよびINFγで刺激した。2つの抗ヒトMCP−1抗体(一方は、蛍光供与体であるユーロピウムで標識されており、もう一方は、蛍光受容体であるアロフィコシアニン(APC)で標識されている)を使用することにより、MCP−1の分泌を間接的に定量した。ユーロピウムが340nmで励起された場合にAPCの発光波長(665nm)を測定することにより、上清におけるMCP−1の分泌を定量する。MCP−1発現を化合物(プレドニソロンまたは式Iの化合物)が抑制する能力を定量し、EC50値を計算した。実施例1、2、10、11および14〜24は0.2〜2nMのEC50を示したが、プレドニソロンに関して見出された値は2nMであった。
【実施例48】
【0144】
インビボでの抗炎症活性
マウスがリポ多糖(LPS)で処理されたモデルにおいて、炎症を化合物が抑制する効力を定量した。LPS誘導性TNFαの抑制として、抗炎症効果を定量した(S.R.Hyde & R.E.McCallum,Infection & Immunity,60;976−982(1992))。マウスを0.5mg/kg LPSで腹腔内(i.p.)処理した。LPSでの誘導の1時間前に、化合物(プレドニソロンまたは式Iの化合物)を経口または皮下投与により全身投与した。LPS誘導の1時間半後、血清を集め、マウスを犠死させた。商業的に入手可能なElisaキットを供給業者の説明に従い使用して、血清中のTNFαレベルを定量した。プレドニソロンならびに実施例2〜7、9および31の化合物の両方が用量依存的にTNFαを抑制した(ED50:0.5〜20mg/kg;一方、プレドニソロンでは0.5)。
【実施例49】
【0145】
インビボでの抗関節炎活性
関節炎を化合物が抑制する能力をマウスにおけるコラーゲンII型誘発性関節炎モデル(D.E.Trenthamら,J Exp Med 146;857−868(1977))で試験した。このモデルにおいては、雄Dba/1マウスをコラーゲンで免疫し、追加抗原刺激(3週間後)した。関節炎を脚の腫脹として評価する。関節炎を発症したマウスをプレドニソロンまたは式Iの化合物で経口的または皮下に3週間処理する(治療モデル)。あるいは、経口的な又は皮下へのプレドニソロンまたは式Iの化合物での処理を、関節炎の発症前に開始する(半治療モデル)。治療モデルおよび半治療モデルのどちらにおいても、関節炎の更なる進行を、週3回、脚腫脹として評価する。3週間後、マウスを犠死させる。関節炎を化合物が抑制する効力を、脚腫脹を抑制する能力として定量する。プレドニソロンおよび試験した実施例化合物(実施例2〜5)(10〜20mg/kgの用量)は関節炎を有意に抑制しうる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式Iに対応する化合物またはその医薬上許容される塩。
【化1】

〔式中、
はHまたは(1−4C)アルキルであり、
は−C(O)R15または−S(O)15であり、
はH、(1−4C)アルキルまたは−OR16であり、
はH、(1−4C)アルキルまたは−OR16であり、
はH、−C(H)NOR16であり、
はH、ハロゲンもしくはシアノであり、
またはRは(1−6C)アルキル、(2−6C)アルケニルもしくは(2−6C)アルキニル(3つはすべて、OH、ハロゲンまたはNHで置換されていてもよい)であり、
またはRは−C(H)NOR16、−OR16、−C(O)OR16もしくは−C(O)R16であり、
はH、シアノ、ハロゲンもしくはニトロであり、
またはRは(1−6C)アルキル、(2−6C)アルケニル、(2−6C)アルキニルもしくは−O(1−6C)アルキル(すべて、アミノ、ヒドロキシルまたはハロゲンで置換されていてもよい)であり、
またはRは、シアノ、ハロゲン、(1−4C)アルキル、(1−4C)アルコキシもしくは(1−4C)アルコキシ(1−4C)アルキルで置換されていてもよい(ヘテロ)アリールであり、
またはRは−C(H)NOR16、−C(O)NHR17、−C(O)R18、−C(O)OR19、−NHC(O)R20、−NHS(O)21もしくは−C(1−4C)アルキルNOR21であり、
はH、ハロゲン、シアノまたはハロゲンで置換されていてもよい(1−4C)アルキルであり、
10はHまたは(1−4C)アルキルであり、
11はHであり、
12はH、シアノまたは(1−4C)アルキルであり、
13はH、(1−4C)アルキル、ハロゲンまたはホルミルであり、
14はH、ハロゲン、シアノ、(1−4C)アルキル、(2−6C)アルケニル、C(O)R21または(ヘテロ)アリールであり、
15はHであり、
またはR15は(1−6C)アルキル、(2−6C)アルケニル、(2−6C)アルキニル、−O(2−6C)アルキル、−O(2−6C)アルケニルまたは−O(2−6C)アルキニル(すべて、1以上のOH、ハロゲン、シアノまたは(ヘテロ)アリールで置換されていてもよい)であり、
またはR15は、(1−4C)アルキル、ハロゲン、シアノ、ニトロもしくはアミノで置換されていてもよい(ヘテロ)アリールであり、
またはR15はNH、(ジ)(1−4C)アルキルアミノ、(1−4C)アルキル(1−4C)アルコキシアミン、(1−4C)アルキルチオ(1−4C)アルキルまたは(1−4C)アルコキシ(1−4C)アルキルであり、
各R16は独立して、H、(1−6C)アルキル、(2−6C)アルケニルまたは(2−6C)アルキニルであり、
17はH、(1−4C)アルコキシもしくは(3−6C)シクロアルキルであり、
またはR17は、ハロゲンで置換されていてもよい(1−6C)アルキルであり、
またはR17は、ハロゲン、(1−4C)アルキルもしくは(1−4C)アルコキシで置換されていてもよい(ヘテロ)アリールであり、
18はH、NH、−C(O)R21またはS(1−4C)アルキルであり、
またはR18はOH、ハロゲン、シアノで置換されていてもよい1−4C)アルキルであり、
19はH、またはOHもしくはハロゲンで置換されていてもよい(1−6C)アルキルであり、および
20はH、(1−6C)アルキルまたは(2−6C)アルケニル[共に、ハロゲンで置換されていてもよい]、O(1−6C)アルキル、または(ヘテロ)アリール((1−4C)アルキルまたはハロゲンで置換されていてもよい)であり、
または、R20は、(3−6C)シクロアルキル(1−6C)アルコキシ;(1−6C)アルケニルオキシまたは、(ヘテロ)アリール((1−4C)アルキル)、NH、−NH(1−6C)アルキルもしくは−NH(ヘテロ)アリールで置換されていてもよい)であり、
各R21は独立に、Hまたは(1−6C)アルキルである〕
【請求項2】
がHまたはハロゲンまたはOR16である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
がHである、請求項1から2に記載の化合物。
【請求項4】
10がメチルである、請求項1から3に記載の化合物。
【請求項5】
各R16が、独立して、Hまたは(1−6C)アルキルである、請求項1から4に記載の化合物。
【請求項6】
がC(O)R15である、請求項1から5に記載の化合物。
【請求項7】
15が、ハロゲンで置換されていてもよい(1−4C)アルキルである、請求項1から6に記載の化合物。
【請求項8】
15がトリフルオロメチルである、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
各R21が、独立して、(1−4C)アルキルである、請求項1から8に記載の化合物。
【請求項10】
がH、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C(O)R18または−NHC(O)R20であるか、またはRが、シアノ、(1−4C)アルキル、(1−4C)アルコキシ、(1−4C)アルコキシ(1−4C)アルキルもしくは(ヘテロ)アリールで置換されていてもよい(ヘテロ)アリールである、請求項1から8に記載の化合物。
【請求項11】
がH、シアノ、ピリジルまたはニトロである、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
療法において使用するための、請求項1から10に記載の化合物。
【請求項13】
グルココルチコイド受容体を調節することを要する患者に対する医薬の製造のための、請求項1から10に記載の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物の使用。
【請求項14】
免疫疾患および炎症疾患を治療するための医薬の製造のための、請求項1から10の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物の使用。
【請求項15】
リウマチ学、血液学、肺科学(Pulmology)、皮膚科学、胃腸科学、内分泌学、神経病学または腎臓科学の分野における医薬の製造のための、請求項1から10の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物の使用。

【公表番号】特表2008−530056(P2008−530056A)
【公表日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−554580(P2007−554580)
【出願日】平成18年2月14日(2006.2.14)
【国際出願番号】PCT/EP2006/050906
【国際公開番号】WO2006/084917
【国際公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【出願人】(398057282)ナームローゼ・フエンノートチヤツプ・オルガノン (93)
【Fターム(参考)】