説明

非リン酸系食器洗浄剤

本発明は非リン酸塩含有食器洗浄用組成物を提供する。本発明はこの洗浄剤の製造方法及び使用方法も提供する。

【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
関連出願
本出願は2006年10月16日に出願された米国特許出願No.US60/852、042に対して優先権を主張する。該出願を参照により本明細書に援用する。
本発明は非リン酸塩含有食器洗浄用組成物を提供する。本発明はこの洗浄剤の製造方法及び使用方法も提供する。
【背景技術】
【0002】
食器洗い洗浄器用の洗剤は、食品の汚れを乳化及び除去するために作用し、特定の食品汚れにより引き起こされる泡を消し、食器の湿潤を促進して観察される汚れを最小化又は排除し、シミを除去し(例えば、コーヒー及び/又は紅茶)、皿類の変色を減らす又は排除し、食器上に汚れの薄層が重なるのを防ぎ、及び/又は食器のトリートメントを最大化するために作用する成分の混合物として製剤化される。
【0003】
食器洗浄用洗剤は通常、5つの主要な成分、即ち、アルカリ性のキャリア、錯化剤、漂白剤、バイオ成分(例えば、酵素)、及び湿潤剤を含む。これらの製剤は通常、水の中でカルシウム及びマグネシウムを隔離するために、ビルダーとして無機リン酸塩を含む。この隔離は食器に膜が形成すること最小化する。しかしながら、ビルダーとしてリン酸塩を使用すると、環境に対する問題が懸念されことから、従来の製剤はリン酸塩及び/又は塩素を含まないように開発されてきている。通常、非リン酸塩含有製剤はビルダーとして低分子量の無機酸(例えば、クエン酸ナトリウム)を含む。クエン酸はリン酸ほど、効果的ではないので、他の添加剤(例えば、アクリル酸ポリマー)を添加して、非リン酸塩含有洗浄製剤で生じる、シミ及び膜化を最小限にとどめる。
【0004】
即ち、食器用洗剤に用いられるリン酸塩の全て又は少なくとも一部分を、環境にやさしい化合物で置き換えようとする試みがなされている。しかしながら、期待できる結果を招くものはほとんどない。多くの化合物は所望の洗浄能力を欠いており、幾つかの化合物はリン酸塩のようなビルディング能力を欠いており、他の化合物はリン酸塩よりも環境に対して悪い影響を示し、並びに幾つかの化合物は製剤化するには高価である。
【0005】
従って、リン酸塩を含まないけれども、食器からの汚れ除去に対して、リン酸塩含有洗剤のように効果的である洗剤が必要とされている。更に、環境にやさしく、消費者にも使用しやすく、使用しやすく、及び費用対効果の食器洗浄組成物に対する必要性も存在している。
【発明の概要】
【0006】
本発明は非リン酸含有食器用洗剤組成物に関する。本発明はそのような洗剤の製造及び使用にも関係する。高い活性を有する酵素の使用はリン酸を含まない製剤において酵素を添加すると洗浄性能が劣ることを克服することができる。本発明はリン酸を含まない食器用洗剤組成物も提供する。本発明はそのような洗剤を製造する方法及び使用も提供する。いくつかの特に好適な態様において、本発明は通常洗剤に用いられている洗浄用酵素の濃度を約2乃至約3倍にした食器洗浄用組成物を提供する。
【0007】
本発明は少なくとも1つのプロテアーゼを含み、このプロテアーゼがPROPERASE(商標)プロテアーゼ酵素よりも2倍以上の特定の性能を有し、この洗浄組成物はpH約7乃至約10.5の間の洗浄溶液を提供する非リン酸含有食器用洗浄組成物も提供する。いくつかの好適な態様において、このプロテアーゼスブチリシンプロテアーゼである。いくつかの更なる態様において、このプロテアーゼは少なくとも約0.02%の洗剤を含む。いくつかの更に好適な態様において、この洗剤は更に漂白剤又は漂白活性剤を含む。更に好適な態様において、この洗剤は更にプロテアーゼ(EC3.4.21に分類されるプロテアーゼを含むがこれらに限定されない)、メタロプロテアーゼ(EC3.2.24に分類されるメタロプロテアーゼを含むがこれらに限定されない)、カルボキシラーゼ、酸化還元酵素、リパーゼ、ペクリナーゼ、マンナーゼ、アミラーゼ、ヘミセルラーゼ、エステラーゼ、トランスフェラーゼ、及びペルヒドロラーゼから選択される少なくとも1つの酵素を含む。
【0008】
幾つかの更に好適な態様において、本発明の洗剤は約0.13%乃至約0.39%の活性タンパク質(すなわち、洗浄酵素)を含む。しかしながら、本発明の非リン酸含有洗剤において所望の洗浄効果が得られる限り、任意の洗浄酵素も用いることができるので、本発明の活性酵素のパーセンテージを特定の値に限定することを意図しない。
【0009】
いくつかの特に好適な態様において、この洗浄酵素はPROPERASE(商標)プロテアーゼである。他の態様において、この洗浄酵素は野生型スブチリシン等の好適なスブチリシンタイプの酵素である。即ち、他の酵素も本発明に用いることができるので、本発明をPROPERASE(商標)に限定することを意図しない。
【0010】
本明細書で説明する任意の態様は好適な組合せで用いることができる。従って、本発明の範囲には本明細書で説明する態様の全ての利用可能な組合せが含まれる。
【発明の詳細な説明】
【0011】
本発明は非リン酸含有洗浄組成物を提供する。本発明はそのような洗剤の製造方法及び使用も提供する。
【0012】
他で定義しない限り、本発明の実施には、分子生物学、微生物学、タンパク質精製、タンパク質エンジニアリング、タンパク質及びDNA配列決定、組み換えDNAフィールド、及び工業的な酵素の使用及び開発において、当業者の知識の範囲内である技術を含む。前述の、及び以下で言及する、全ての特許、特許出願、文献、及び刊行物は参照により本明細書に援用される。
【0013】
更に、本明細書で提供されている表題は本発明の各種側面又は態様を限定するものではなく、本発明の範囲は明細書全体を参照することにより解釈されるべきである。すなわち、以下で定義する用語は本明細書全体を参照することにより更に詳細に説明される。しかしながら、本発明の理解を促進するために、多くの用語の定義を以下に提供する。
【0014】
他で定義しない限り、全ての技術的及び科学的用語は本発明が属する分野の当業者に理解されているのと同じ意味に用いられる。例えば、Singleton And Sainsbury、 Dictionary of Microbiology and Molecular Biology、 2d Ed.、 John Wiley and Sons、 NY (1994)及びHale and Margham、 THE Harper Collins Dictionary of Biology、 Harper Perennial、 NY (1991)は本発明に用いる多くの用語の一般的な辞書を当業者に提供する。本発明の実施に用いることができる任意の方法及び本明細書で説明するものに均等な物質を用いることができるけれども、本明細書において好適な方法及び物質が提供される。すなわち、以下で定義される用語は明細書全体を参照することにより、より詳細に説明される。本明細書において、1つのものを示す冠詞は、特に定義しない限り、複数のものをも包含することを意図する。特に定義しない限り、核酸配列は左から右に向かって、5’から3’に向かって表記する。アミノ酸配列は、左から右に向かって、アミノ末端からカルボキシ末端に向かって表記する。本発明は特定の方法、手順、及び試薬、に限定されることを意図しない。これらは、当業者の実施の仕方により変更させることができる。
【0015】
ある下限値がここに明確に書かれている場合、この明細書にわたって与えられたすべての最大の数の制限がすべての下の数の制限を含むことは意図されている。ある上限値がここに明確に書かれている場合、この明細書にわたって与えられたすべての最小の数の制限はすべてのより高い数の制限を含む。この明細書にわたって与えられたすべての数値範囲は、そのようなより狭い数の範囲がすべてここに明確に書かれるかのように、そのようなより広い数の範囲に入るすべてのより狭い数の範囲を含む。
【0016】
本明細書において、「適合する」の語は、通常使用する間に、プロテアーゼが効果的ではなくならない程度に、プロテアーゼ酵素の酵素活性を減らさない洗浄組成物の成分を意味する。特定の洗浄組成物に用いる物質は以下で説明する。
【0017】
本明細書において、「酵素の有効量」の語は本発明に必要とされる酵素活性を達成させるために必要な酵素の量を意味する。そのような酵素の有効量は当業者が容易に決定することができ、用いる酵素変異体、洗浄製品、洗浄組成物の特定の成分、及び液体又は乾燥(例えば、顆粒)の製剤が必要とされているかどうか等の数多くの因子に依存している。
【0018】
本明細書において、「洗剤安定性」の語は洗浄組成物の安定性を意味する。幾つかの態様において、この安定性は洗剤の使用の間に必要とされている安定性であり、他の態様において、この語は貯蔵の間の洗浄組成物の安定性を意味する。
【0019】
本明細書において、「精製された」及び「単離された」の語は、サンプルから汚染物質を除去することを意味する。例えば、所望の酵素は、この所望の酵素ではない、溶液中又は調製物中に存在する汚染物質タンパク質及び他の成分を除去することにより精製される。幾つかの態様において、所望の組み換え酵素をバクテリア又は糸状菌宿主細胞中で発現させ、これらの所望の組み換え酵素を他の宿主細胞の成分を除去することにより精製する。この所望の組み換え酵素ポリペプチドのパーゼンテージはそれゆえサンプル中で高くなる。
【0020】
本明細書において、「所望のタンパク質」の語は解析され、同定され、及び/又は修飾されるタンパク質(例えば、酵素又は「所望の酵素」)を意味する。自然発生タンパク質のほか、組み替え(例えば、変異体)タンパク質も本発明に用いることができる。
【0021】
本明細書において、「タンパク質」の語は、アミノ酸からなる任意の化合物を意味し、及び当業者にタンパク質であると認識される任意の化合物を意味する。「タンパク質」、「ペプチド」、及び「ポリペプチド」の語は本明細書において、互換的に使用される。ペプチドがタンパク質の一部分であることは、文脈上当業者は理解することができる。
【0022】
本明細書において、機能的及び/又は構造的に類似のタンパク質は「関連タンパク質」であると定義される。幾つかの態様において、これらのタンパク質は有機体の分類の違いを含む(例えば、バクテリアタンパク質及び糸状菌タンパク質)異なる属及び/又は種由来である。更なる態様において、関連タンパク質は同じ種から提供される。即ち、「関連タンパク質」の語は3次元的構造の類似性及び1次配列の相同性(例えば、本発明の酵素)を包含する。更なる態様において、この語は免疫学的に交差反応性のタンパク質も包含する。
【0023】
本明細書において、「洗浄組成物」及び「洗剤製剤」の語は汚れたものを洗浄するために、洗浄媒体中で用いることを意図する混合物を意味する。好適な態様において、この語は食器、カトラリー等を洗浄するために用いる洗剤(例えば、「食器用洗剤」又は「食器洗浄用洗剤」)を意味する。本発明を特定の洗剤製剤又は組成物に限定することを意図しない。即ち、本発明のタンパク質を少なくとも1つ含む洗剤に加えて、この語は、界面活性剤、トランスフェラーゼ、加水分解酵素、酸化還元酵素、ビルダー、漂白剤、漂白活性剤、青み剤、及び蛍光染料、ケーキ抑制剤、マスキング剤、酵素活性剤、抗酸化剤、及び溶解剤を含む洗剤を包含する。
【0024】
本明細書において、「食器洗浄組成物」の語は、カトラリーを含む食器を洗浄するための組成物の形態(液体及び顆粒形態を含むがこれらに限定されない)全てを意味する。本発明を特定のタイプの食器又は食器洗浄組成物に限定することを意図しない。即ち、本発明はセラミック、プラスチック、金属、陶磁器、ガラス、アクリル等を含むがこれらに限定されない任意の素材でできた食器(例えば、皿、カップ、グラス、ボウル等を含むがこれらに限定されない食器)及びカトラリー(例えば、スプーン、ナイフ、フォーク、サーブ用用具等を含むがこれらに限定されない調理用具)の洗浄に用いることができる。「食器」の語は前述の食器及びカトラリーの両方を意味する。
【0025】
本明細書において、「非リン酸含有食器用洗剤」の語は0.5%未満のリンを含む洗剤を意味する(即ち、リンが微量元素として存在する)。
【0026】
本明細書において、変異体プロテアーゼの「洗浄性能」の語は、変異体プロテアーゼを添加していない洗剤と比較したときの変異体プロテアーゼを添加した洗剤の洗浄能力に対する変異体プロテアーゼの貢献度を意味する。洗浄性能は関連する洗浄条件下で比較される。
【0027】
本明細書で用いる「関連する洗浄条件」の語は、特に洗浄温度、時間、洗浄機器、泡濃度(sud concentration)、洗剤のタイプ、及び水硬度のような食器用洗剤市場で、家庭で実際に用いられている条件を意味する。
【0028】
本明細書で用いる、「改善された洗浄能力」の語は、関連する洗浄条件下で、食器及び/又はカトラリーから汚れを除去することについて、より良い結果が得られること、あるいは、より少ない変異体プロテアーゼ、又は少ない重量で、対応する野生型酵素と同じ結果が得られることを意味する。
【0029】
「維持された洗浄能力」の語は、関連する洗浄条件下における対応する野生型プロテアーゼに対して、重量に基づいて、変異体プロテアーゼ酵素の洗浄が少なくとも80%であることを意味している。
【0030】
プロテアーゼの洗浄性能は、適切な試験条件下で、特定の汚れを除去する能力を測定することにより容易に評価できる。これらの試験システムにおいて、洗剤成分、泡濃度(sud concentration)、水硬度、洗浄機器、時間、pH、及び/又は温度等の他の関連する因子は、特定の市場区分における家庭用製品についての典型的条件をまねするようにすることで、調整することができる。本発明で述べる、実験室レベルでの試験システムは、DNA変異誘発により修飾されたタンパク質分解酵素の使用における、家庭用製品の典型例である。従って、本発明で提供される方法は、多くの異なる酵素のシメン及び特定のタイプの洗剤に特に適した酵素の選択を促進する。
【0031】
本明細書において、「プロテアーゼ」及び「タンパク質分解酵素」の語は、ペプチド又はペプチド結合を有する基質を加水分解する能力を有するタンパク質又はペプチドを意味する。加水分解活性を促進するための多くの良く知られた方法が存在する。例えば、幾つかの態様において、例えば、分解活性は市販の基質を加水分解する個々のプロテアーゼの能力を解析する比較アッセイにより評価することができる。プロテアーゼ又はタンパク質分解活性の解析に有用な典型的な基質は、ジメチルカゼイン、ウシコラーゲン、ウシエラスチン、及びウシケラチンを含むがこれらに限定されない。これらの基質を用いたカラリメトリック(Colorimetric)アッセイは当業者に知られている。(例えば、WO99/34011及び米国特許No.6、376、450を参照のこと。これらの文献を参照により本明細書に援用する。)pNAアッセイ(例えば、Del Mar et al.、 Anal. Biochem.、 99:316−320 [1979]参照)も勾配溶出(gradient elution)の間に収集された分画の活性酵素濃度を決定するために用いることができる。このアッセイは、酵素が可溶性合成基質である、スクシニル−アラニン−アラニン−プロリン−フェニルアラニン−p−ニトロアニリン(SAAPF−pNA)を加水分解することにより、放出されるp−ニトロアニリンの(放出)速度を測定する。加水分解反応により生成する黄色の生成速度を410nmの波長の分光光度計で測定し、活性酵素濃度を測定する。更に、280nmでの吸光度が例えば、の総濃度測定するために用いることができる。活性酵素/総タンパク質の割合が酵素の精製度となる。
【0032】
本明細書において、洗浄活性について用いる「比較可能な性質」の語は、OPTIMASE(商標)プロテアーゼ(ジェネンコー)、PURAFECT(商標)プロテアーゼ製品 (ジェネンコー)、 SAVINASE(商標)プロテアーゼ(ノボザイム(Novozymes))、BPN’変異体及びGG36変異体(例えば、米国特許No.Re、34、606参照)、RELASE(商標)、DURAZYME(商標)、EVERLASE(商標)、KANNASE(商標)プロテアーゼ(Novozymes)、MAXACAL(商標)、MAXAPEM(商標)、PROPERASE(商標)、及びPURAMAX(商標)プロテアーゼ (ジェネンコー; 米国特許No.Re34、606、米国特許Nos.5、700、676;5、801、038;5、955、340;5、972、682;6、218、165;6、287、841;6、312、936;6、465、235;6、482、628;6、586、221;6、815、193;7、129、076;EP 130 756;EP 328 229;EP 571 049;及びEP 723 590参照)、及びバチルスレンタス(B.lentus)変異体プロテアーゼ生成物 [例えば、WO92/21760、WO95/23221、及び/又はWO97/07770(Henkel)に記載のもの]]を含むがこれらに限定されない酵素が、比較可能なスブチリシンプロテアーゼの洗浄能力の少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、又は少なくとも95%の洗浄能力を有していること意味する。例示的なスブチリシンプロテアーゼ変異体は、BPN’(例えば、BPN’ナンバリングに従って、87N、101G、104Nにおける置換を有することが当業者に知られているCG36プロテアーゼ配列を含むPROPERASE(商標))の、76、87、101、103、104、118、120、129、130、159、167、170、194、195、217、232、235、236、245、248、及び/又は252に等しい位置での残基の置換又は欠失を含む変異体を含むがこれらに限定されない。幾つかの態様において、洗浄性能は本発明のプロテアーゼを、スブチリシンプロテアーゼを標準的な洗浄サイクル条件の後で、有用な分光光度方法又は解析プロトコルにより決定される、酵素反応性の汚れに関する各種洗浄アッセイにおいて比較することにより決定することができる。
【0033】
本明細書において、「特定の性能」の語は、酵素1単位当たりが洗浄することができる汚れを意味する。幾つかの態様において、特定のパフォーマンスは、卵黄、卵黄/ミルク、ひき肉、ポリッジ(porridge)等のシミを用いて決定される。幾つかの特に好適な態様において、本発明の非リン酸洗浄洗剤に用いるプロテアーゼは市販されているPROPERASE(商標)(ジェネンコー)プロテアーゼの特定の性能に対して少なくとも2培の性能を有する。
【0034】
本明細書において、「殺菌」の語は、アイテムの表面における微生物を抑制又は殺菌するだけでなく、表面から汚染物質を除去することも意味する。本発明の発明を汚れを除去する特定の表面、アイテム、又は汚染物質に限定することを意図しない。
【0035】
幾つかのバクテリアセリンプロテアーゼは「スブチリシン」と言われている。スブチリシンはバチルススブチリス(Bacillus subtilis)、バチルスアミロリリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)(「スブチリシンBPN’」)及びバチルスリケニフォルミス(Bacillus licheniformis)(「スブチリシンカールスバーグ(subtilisin Carlsberg)」)(例えば、Markland And Smith、 in Boyer (ed.)、 Enzymes、 THE (Boyer、 ed.) vol. 3、 pp.561−608、 Academic Press、 New York、 [1971]参照)のセリンプロテアーゼを含む。アルカリ性バチルス株のようなバチルス株は他のプロテアーゼを生産する。追加的なプロテアーゼはPROPERASE(商標)プロテアーゼを含むがこれらに限定されない。
【0036】
幾つかの態様において、本発明の洗浄洗剤は各種濃度の酵素を含む。
【実施例】
【0037】
異化の実施例は、特に好適な態様を示し、詳細にこれらを説明する目的で提供される。本発明をこれらに限定することは意図しない。
【0038】
以下の実施例において用いる略語を説明する。℃(摂氏温度);rpm(1分間当たりの回転数);HO(水);HCl(塩酸);aa(アミノ酸);bp(ベースペア);kb(キロベースペア);kD(キロダルトン);gm(グラム);μg及びug(マイクログラム);mg(ミリグラム);ng(ナノグラム);μl及びul(マイクロリットル);ml(ミリリットル);mm(ミリメートル);nm(ナノメートル);μm及びum(マイクロメートル);M(モル);mM(ミリモル);μM及びuM(マイクロモル);U(単位);V(ボルト);MW(分子量);sec(秒);min(s)(分);hr(s)(時間);a.p.又はap(活性タンパク質);MgCl(塩化マグネシウム);NaCl(塩化ナトリウム);OD280(280nmにおける光学密度);OD60O(600nmにおける光学密度);PAGE(ポリアミドゲル電気泳動);EtOH(エタノール);PBS(リン酸緩衝液生理食塩水[150 mM NaCl、10 mM リン酸ナトリウム緩衝液、pH7.2]);SDS(ドデシル硫酸ナトリウム);Tris(トリス(ヒドロキシメチル)アミノエタン);TAED(N、N、N’N’−テトラアセチルエチレンジアミン);w/v(重量対容量);v/v(容量対容量);MS(マススペクトロコピー);TIGR(ゲノム研究所(THE Institute for Genomic Research)、 Rockville、 MD);AATCC(米国繊維化学者・色彩技術者協会(American Association of Textile And Coloring Chemists));SR(汚れ又はシミ除去);STPP(トリポリリン酸塩);MGDA(メチルグリシンニ酢酸);TNC(クエン酸三ナトリウム);WFK(wfk Testgewebe GmbH、 Bruggen−Bracht、Germany);アマシャム(アマシャムライフサイエンス社(Amersham Life Science、Inc.)Arlington Heights、IL);ICN(ICN Pharmaceuticals、Inc.、Costa Mesa、CA);ピアス(ピアスバイオテクノロジー(Pierce Biotechnology)、Rockford、DL);アミコン(アミコン社(Amicon、Inc.)、Beverly、MA);ATCC(アメリカンタイプカルチャーコレクション(American Type Culture Collection)、Manassas、VA);アマシャム(アマシャムバイオシンセシス社(Amersham Biosciences Inc.)、Piscataway、NJ);ベクトンディッキンソン (ベクトンディッキンソンラボウェア(Becton Dickinson Labware)、Lincoln Park、NJ);バイオラド(バイオラド(BioRad)、Richmond、CA);クローンテック(クローンテックラボラトリーズ(CLONTECH Laboratories)、Palo Alto、CA);ディフコ(ディフコラボラトリーズ(Difco Laboratories)、Detroit、MI);ギブコBRL(GIBCO BRL 又は Gibco BRL (Life Technologies、Inc.、Gaithersburg、MD);ノバゲン(Novagen)(ノバゲン社(Novagen、Inc.)、Madison、WI);キアゲン(Qiagen)(キアゲン社(Qiagen、Inc.)、Valencia、CA);インビトロジェン(Invitrogen)(インビトロジェン社(Invitrogen Corp.)、Carlsbad、CA);フィンザイム (フィンザイムズ(Finnzymes)Oy、Espoo、Finland);マックレイ−ナゲル(マックレイ−ナゲル(Macherey−Nage)、Easton、PA);メリエックス(メリエックス社(Institut Merieux)、Codex、FR);ケルコ(シーピーケルコ(CP Kelco)、Atlanta、GA);ゲナイサンンス(ゲナイサンス製薬(Genaissance Pharmaceuticals、Inc.)、NewHaven、CT);DNA 2.0(DNA 2.0、Menlo Park、CA);MIDI(MIDI Labs、Newark、DE)インビボゲン(インビボゲン(InvivoGen)、San Diego、CA);シグマ(Sigma)(シグマケミカル社(Sigma Chemical Co.、St.Louis、MO);ソーバル(ソーバル社(Sorvall Instruments)、デュポン社の子会社、バイオテクノロジーシステム、Wilmington、DE);ストラタジェン(ストラタジェンクローニングシステムズ(Stratagene Cloning Systems)、La Jolla、CA);ロシュ(ホフマンラロシュ社(Hoffmann La Roche、Inc.)、Nutley、NJ);アギレント(アギレントテクノロジーズ(Agilent Technologies)、Palo Alto、CA);ミノルタ(コニカミノルタ(Konica Minolta)、Ramsey、NJ);ゼイス(カールゼイス社(Carl Zeiss、 Inc.)、Thornwood、NY);ヘンケル(ヘンケル(Henkel)、GmbH、Dusseldorf、Germany);コーニング(コーニンググループ(Cognis Corp)、USA、Cincinnati、OH);レキットベンキザー(Reckitt Benckiser)、Berks、United Kingdom);BASF(BASF Corp.、Florham Park、NJ);WFK(Testgewebe GmbH、Bruggen−Bracht、Germany)。
【0039】
以下の実施例においてPROPERASE(商標)(ジェネンコー)が試験に用いる酵素である。用いる「1X投与」の語は、0.13%活性タンパク質を示す。「3X投与」の語は0.39%活性タンパク質である。PROPERASE(商標)よりも良い性能を示す限り、より低い酵素パーゼンテージも本発明に用いることを意味する。例えば、幾つかの態様において、この酵素は洗剤製剤の約0.02%の量で存在する。しかしながら、本発明をプロテアーゼの特定のパーセンテージに限定することを意図しない。本発明で用いるように、「特定の性能」は活性タンパク質1単位当たりが除去する特定のシミを意味する。幾つかの態様において、特定のパフォーマンスは、黄身、黄身/ミルク、ひき肉、紅茶、ミルク、ポリッジ等を用いて決定される。

実施例1
リン酸含有洗剤及び非リン酸含有洗剤の比較
【0040】
この実施例において、リン酸含有洗剤及び非リン酸含有製剤を比較するために行う実験を説明する。
【0041】
これらの実験で用いる洗剤を以下で説明する。これらの洗剤は、これらの実験で試験される。前述のように、本実験で用いる酵素はPROPERASE(商標)プロテアーゼ(ジェネンコー)である。
【表1】

【表2】

ステンシルプレート上の卵黄汚れ
【0042】
これらの実験に用いるステンレスプレート(10x15cm;片面つや消し)を市販の高アルカリ性洗剤(例えば、ECOLAB(商標)洗剤;ヘンケル)を含む洗剤で、実験室で95℃で洗浄し、きれいで油のないシートを用意した。これらのシートを使用開始前にバリ取り(deburred)した。卵黄で汚れをつける前に、これらのシートを80℃で30分間乾燥させた。水あか又は毛羽立ちが表面にないものを試験に用いた。冷却したシートを汚れをつける前に重さを量った。
【0043】
約10乃至11個のタマゴの卵黄と卵白を分離して、試験用に用いる卵黄を調製した(約200gの卵黄)。この卵黄をフォークでガラスビーカー中で撹拌し、卵黄の懸濁液を調製した。この黄身をろ過(約0.5mmメッシュ)し、核粒子及びあらゆる卵殻を取り除いた。
【0044】
平刷毛(2.5”)を用いて、1.0±0.1gの卵黄の懸濁液を、1cmの卵黄を塗布しない縁を残すようにして(必要に応じて粘着テープを使用する)、ステンレススチールのツヤ消し面側の140cmのエリアに可能か限り均一に塗布した。汚れたスチールを、平置きにして(シートの縁に液滴を形成させないように)、室温で4時間(最大24時間まで)乾燥させた。
【0045】
変性のために、このシートを30秒間、沸騰している脱イオン水の中に浸した(必要に応じて保持用具を用いる)。その後、このシートを80℃で30分、再度乾燥させた。乾燥及び/又は冷却の後、このシートの重さを測定した。重量を測定した後、このシートを洗浄試験に供する前に、少なくとも4時間(20℃、40−60%の相対湿度)放置した。試験の必要性に見合わせるために、500±100mg/140cm(卵黄変性後)を試験に用いた。洗浄試験を行った後、このシートを80℃で30分間、熱キャビネット内で乾燥させ、冷却後重量を測定した。洗浄性能のパーセンテージを洗浄により除去された卵黄の重量(mg)をシートに適用し、変性させた卵黄の重量(mg)で割り、100を掛けて算出した。
磁器上のひき肉
【0046】
これらの試験において、EN50242、フォーム1495、No.0219、直径19cmのデザートプレート(Arzberg、白、施釉)を用いた。ポークの赤身及びビーフを1:1で含む合計重量が225gの肉を細かく切断し、冷却した。この混合物を肉挽き機に2度かけた。35℃以上の温度をさけた。その後、この225gのひき肉を75gの卵(卵黄及び卵白を含む)と混合した。この調製物を使用前に−18℃で3ヶ月まで凍結させた。もし、ポークを用いることができなければ、ビーフを代わりに用いてもよい。
【0047】
ひき肉と卵の混合物(300g)を室温に戻し、80ml滅菌水を混合した。この混合物を泡だて器を用いて2分間ブレンドした。その後、周囲に約2cmの汚れを塗布しない場所を残して、各白磁器プレートのそれぞれにひき肉/卵/水混合物の3mgをフォークを使って塗布した。適用量は、11.8±0.5mg/cmであった。このプレートを予備加熱したキャビネットにおいて、120℃で2週間乾燥させた。プレートを冷却した後すぐに、使用した。このプレートを各プレートの間にペーパータオルを挟んで積み上げた。
【0048】
洗浄の後、このプレートにニンヒドリン溶液(1%エタノール)をスプレーして、見ひき肉の残りをよりよく同定できるようにした。呈色反応を促進するために、このプレートを熱キャビネット中で10分間、80℃で加熱した。洗浄性能の評価はIKWフォトカタログ(IKW)を参照して、ひき肉の残りの呈色反応を目視で評価した。
ステンレススチール上の卵/ミルク汚れ
【0049】
ステンレスプレート(10x15cm;片面つや消し)を市販の高アルカリ性洗剤(例えば、ECOLAB(商標)洗剤;ヘンケル)を含む洗剤で、実験室で95℃で洗浄し、きれいで油のないシートを用意した。このシートはセルロースクロスで磨かれている。磨かれた表面は汚れを付けるまでさわらないでおいた。水あかも毛羽立ちもないものを用いた。汚れを付ける前に、このシートを80℃で30分間、熱キャビネット内に入れた。冷却したシートを汚れを付ける前に重量測定した。
【0050】
卵黄及び卵白(3乃至4個の卵[60g/卵])をボウルの中に入れ、泡だて器でかき混ぜた。その後、50mlのセミスキムUHT(1.5%脂肪、超高温殺菌、ホモジナイズ)ミルクをこの混合物に添加した。このミルク及び卵を泡をたてないように混合した。平刷毛を用いて、分布のバランスをチェックしながら、1.0±0.1gの卵/ミルク混合物をステンレススチールシートのつや消し面側に均一に塗布した。このシートの縁に1.0cmの塗布しない部分を残した。この汚れたシートを平置きし(シートの縁に液滴が形成しないように)、室温で4時間(最大24時間)乾燥させた。
【0051】
このプレートをその後30秒間、沸騰している脱イオン水の中に入れた(必要に応じて保持用具を用いる)。その後、このシートを80℃で30分間再度乾燥させた。乾燥及び冷却の後、このシートの重量を測定した。重量を測定した後、このシートを少なくとも24時間放置して(20℃、相対湿度40乃至60%)、洗浄試験に用いた。試験の精度のために、190±10mgの卵黄を含むシートのみを用いた。
【0052】
洗浄試験を行った後、このシートを80℃で30分間、熱キャビネット内で乾燥した。洗浄性能のパーセンテージを洗浄により除去された卵黄の重量(mg)をシートに適用し、変性させた卵黄の重量(mg)で割り、100を掛けて算出した。
紅茶カップの紅茶の汚れ
【0053】
紅茶のシミを調製するために、厚さが6乃至8mmの紅茶カップ(例えば、Bauscher、Art.No.6215/18)を用いた。カップの厚さが紅茶の冷却速度を決定するので、この厚さのカップを用いることが重要である。このカップをIEC洗剤をもちいて、65℃で家庭用の食器洗浄器で洗浄するか、又は市販の洗剤を用いて95℃で実験室の洗浄器で洗浄してから、紅茶で汚れを付けた。約20カップの紅茶を調製するために、2リットルの硬度を高くした水(即ち、3.00mmol(IEC734、方法Bni適合する、Ca及びMgが16.8d)に硬度を高くした合成水)を0.1mlの硫酸第二鉄溶液(以下参照)と混合し、沸騰させた。その後、オープンコンテナ内で沸騰している水を30gの紅茶(例えば、アッサムティー、リプトン)に注ぎ、5分間放置した。この紅茶をその後、茶漉しでろ過して、他の温度制御された反応管に入れた。アッサムティーの汚れは特に除去するのが難しいことが知られている。
【0054】
カップの中の紅茶温度が85℃になるように、清潔なカップを100mlの紅茶で満たした。注いだ紅茶の初期の温度は約93℃であった。5分ごとに、20mlの紅茶をピペットを用いて、カップが空になるまで、カップから除去した(5回)。この工程を新たに紅茶を入れたカップについても行った。洗浄の前に、汚れた紅茶カップを一定条件下(20℃、60%相対湿度)の部屋で少なくとも3日間放置した。
【0055】
Ca及びMgイオンで硬度を補っただけの合成水を用いた場合、紅茶カップは十分に汚れないことは知られている。この理由から、鉄イオンをこの合成水に添加して、黒い紅茶の汚れを生成する。この第二鉄貯蔵溶液は脱イオン水に5gのFe(SO及び1mlのHClを溶解して、1リットルにメスアップして調製した。その後、0.1mlのストック溶液を2リットルの紅茶に添加した。
【0056】
紅茶の洗浄性能の評価はIKWフォトグラフカタログ(IKW)を参照して、紅茶の残りからの呈色反応を目視で評価することにより行った。
レンジで加熱したミルク
【0057】
これらの汚れは、セミスキムUHT(1.5%脂肪、超高温殺菌、ホモジナイズミルク)を電子レンジで加熱して調製した。電子レンジは450Wのアウトプットに設定した。電子レンジを予備加熱するために、50mlの水を入れた6個の150mlの丈の短いガラスビーカーを、電子レンジ内のターンテーブルの縁に左右対称に配置した。このビーカーを10分間加熱した。その後、10mlの室温のミルクをそれぞれ6つのガラスビーカーに注ぎ、水を入れたビーカーで予備加熱したのと同様に、電子レンジ内に配置して過熱した。加熱は、450w、10分で行った。実際の電子レンジのアウトプットは設定値から逸脱するかもしれないので、電子レンジは3ヶ月ごとに点検したものを用いた。逸脱の程度により、過熱時間を独立タイムスイッチで、又は10分単位で加熱時間をセットすることができる電子レンジの場合には手動で、加熱時間を調節した。この加熱時間は、結果の再現性を確かにするために、正確に記録した。正確な加熱時間(秒単位)をその有効期限と一緒に記録した。加熱の後、ミルクのシミを、空気を循環させた熱キャビネット内で2時間、80℃で後処理した。
【0058】
洗浄性能の評価は、IKWフォトグラフカタログ(IKW)を参照して、ミルクの残りからの呈色反応を目視で評価することにより行った。
ポリッジ(オーツフレーク)
【0059】
これらの汚れは、23cmの直径を有する施釉白磁器(例えば、Arbergの欧州標準規格に対応する又は同様のもの)の上で調製した。オーツフレークを調製するために、ポリッジオーツ(50gポリッジオーツ;例えば、Peter Kolln、tender Kolln flakes)を750mlの冷却合成水及び250mlの滅菌した1.5%ミルクに入れて撹拌した。この混合物を撹拌しながら、均一に加熱し、10分間沸騰させた。ブラシを用いて、加熱したポリッジのスプレッド3gをプレートの縁をよごさないように気をつけながら、プレートの内部表面に塗布した。プレートの面積に基づいて、約10.6±0.5mg/cmを適用した。汚れたプレートを熱キャビネット内で2時間、80℃で加熱した。プレートを室温に冷却した後、洗浄試験に用いた。洗浄後、残ったポリッジをフォトグラフカタログを参照して、目視により評価した、残ったポリッジ汚れを同定するために、このプレートをDIN44990に従って調製されたヨウ素溶液に浸した。
洗浄器及び条件
【0060】
洗浄試験は、前述の汚れた食器及びステンレススチールを含む、自動食器洗浄器(ミーレ;G690SC)において行った。用いる洗剤の量は以下の表に記載する。試験の温度は45℃、55℃、及び65℃であった。水の硬度は9又は21GH(ドイツ硬度)(374ppmCa)であった。
【0061】
前述のように、洗浄後、ひき肉、紅茶、電子レンジで加熱したミルク、及びオーツフレークで汚したプレートを0乃至10に写真で格付けされたカタログを用いて目視評価した。「0」は完全に汚れているプレートを意味し、「10」はきれいなプレートを意味する。これらの値は酵素含有洗剤のシミ又は汚れ除去能力(SR)に対応する。
【0062】
卵黄及び/又はミルクで汚した後に洗浄されたステンレススチールプレートは、洗浄後に残っている汚れの量を重量法に基づいて評価した。PB92変異体プロテアーゼ及びPROPERASE(商標)プロテアーゼ及び他の変異体を、1洗浄当たり0乃至20.57mg/活性タンパク質のレベルで試験を行った。
【0063】
これらの試験に用いた洗剤は前述の通りである。これらの洗剤は、これらの試験で用いる酵素の能力を解析するために、酵素を含まないように洗剤に基づくものである。
【0064】
結果を以下の表に示す。
【表3】

【表4】

【表5】

【0065】
前記表が示すとおり、非リン酸含有洗剤は、特にpH10で、リン酸塩を含む洗剤と比較して、洗浄能力が劣る結果となった。これらの結果は漂白剤反応性の汚れのほか、酵素反応性の汚れについてもあてはまる。この結果は酵素(即ち、3x0.13%活性タンパク質)を非リン酸塩含有洗剤に添加すると、リン酸塩含有洗剤と同じレベルに洗浄能力が改善されることを示している。
【0066】
これらの結果は非リン酸塩含有洗剤の性能が2−3倍の酵素の添加により改善されることを示している。
【0067】
本明細書で言及する全ての特許文献及び刊行物は本発明の属する分野の当業者の技術常識を示すために用いる。各個体の刊行物が、参照によって含まれるために特に、個々に示されたかのように、すべてのパテントと刊行物はここに同じ範囲までの参照によって含まれている。
【0068】
本発明の発明の好適な態様を説明してきたが、当業者は開示されている発明を成すために各種変更を行うことができることは明らかである。そのような変更は本発明の範囲内である。
【0069】
本発明を行い、本発明の利益を得るために本発明が非常に適していることを当業者は理解している。本明細書で述べる組成物及び方法は好適な態様の代表例であり、例示であり、本発明を限定するものではない。本発明の範囲及び精神を逸脱しないで行う、各種置換及び/又は変更は当業者に明らかである。
【0070】
適切にここに説明的に説明された発明は、どのような要素またはここに特に明らかにされない要素、制限、または制限なしで行うことができる。本明細書で用いた用語及び表現は説明のためのものであり、限定を意図するものではない。そのような用語及び表現は従来技術において均等な技術的特徴を全て包含している。しかしながら、本発明の範囲内で各種変更も可能であることを理解されたい。従って、本発明は好適な実施例とオプションの特色によって特に明らかにされたけれども、ここに明らかにされた概念の一時変異と変異が技術の中で熟練しているそれらが行くかもしれず、付加された要求によって定義されるように、そのような一時変異と変異が、この発明の範囲の中にあると考えられることは理解されているべきである。
【0071】
発明はここに広く、包括的に説明されている。一般的な開示に包含されている下位の種と亜属のグループのそれぞれはまた本発明の一部となる。記載されていない原料が本明細書において特に除くことが言及されていない限り、どのような下位概念であっても本願発明に包含される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのプロテアーゼを含み、前記プロテアーゼがPROPERASE(商標)プロテアーゼ酵素よりも少なくとも2倍の性能を有し、約7乃至約10のpHの洗浄液を提供する、非リン酸塩含有食器用洗浄洗剤。
【請求項2】
前記プロテアーゼがスブチリシンプロテアーゼである、請求項1の洗浄洗剤。
【請求項3】
前記プロテアーゼが前記洗剤に少なくとも約0.2%含まれる、請求項1の洗浄洗剤。
【請求項4】
更に漂白剤又は漂白活性剤を含む、請求項1の洗浄洗剤。
【請求項5】
更に、プロテアーゼ、メタロプロテアーゼ、カルボヒドロラーゼ、酸化還元酵素、リパーゼ、ペクチナーゼ、マンナーゼ、アミラーゼ、ヘミセルラーゼ、エステラーゼ、トランスフェラーゼ、及びペルヒドロラーゼから選択される少なくとも1つの酵素を含む、請求項1の洗浄洗剤。


【公表番号】特表2010−507001(P2010−507001A)
【公表日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−533330(P2009−533330)
【出願日】平成19年10月12日(2007.10.12)
【国際出願番号】PCT/US2007/021977
【国際公開番号】WO2008/048537
【国際公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【出願人】(508377015)ダニスコ・ユーエス・インク、ジェネンコー・ディビジョン (31)
【Fターム(参考)】