説明

非互着性ペレットを用いた加硫スポンジゴム製品の製造方法、及びその製造方法から得られた加硫スポンジゴム製品

【課題】低温特性に優れる組成領域のエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合ゴムから得られる加硫スポンジゴム製品を経済的に製造する。
【解決手段】下記配合材を用いて混練する工程を含むことを特徴とするエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合ゴム加硫スポンジゴム製品の製造方法。
(A)エチレン含量が40〜60重量%、非共役ジエン含量が5〜20重量%、125℃にて測定されるML粘度(ML1+4,125℃)が40〜250であるエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合ゴムを熱可塑性樹脂で被覆した被覆体を切断することにより得られる非互着性ペレット
(B)補強材
(C)軟化材

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定のエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合ゴムから得られる加硫スポンジゴム製品の製造方法に関する。特に保管、輸送または加工装置への供給などの際の取扱いに優れた非粘着性ペレットと配合材とを混練する工程を含むエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合ゴムから得られる加硫スポンジゴム製品の製造方法に関する。さらにその製造方法により得られたエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合ゴムから得られる加硫スポンジゴム製品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合ゴムから得られる加硫スポンジゴム製品は、例えば、以下に示す通りに製造していた。
(1)バンバリーミキサーによる混練:
ベール状ゴムを所定大きさに切断したもの、カーボンブラック、プロセスオイル、ステアリン酸、亜鉛華、酸化カルシウム等の副資材を投入し、混練する
(2)オープンロールによる架橋剤、促進剤、発泡剤の混練:
バンバリーミキサーから取り出した混練ゴムを冷却されたロールに巻き付け、架橋剤、加硫促進剤及び発泡剤を添加し、混練する
(3)成形:
配合ゴムを熱入れロールで予備可塑化を行い、テープ状に切り出し、押出機へ連続的に供給し、成形される
(4)発泡、加硫:
熱風式連続加硫装置等を用いて連続で発泡、加硫を行う
【0003】
このように、配合ゴム調製のための混練作業は、バッチ式ないし手作業で行うため、工数が嵩み、結果的に製造工数が嵩んだ。
【0004】
よって、工数削減を目的に熱可塑性樹脂製品の様に連続的に混練するために、ペレット状エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合ゴムを用いる事も試みられた。
【0005】
例えば、特許文献1には、不活性粒状物質存在下に重合体生成物の軟化温度よりも上において気相で製造された粒状のさらさらした重合体を用いて、押出機により配合材と混練する工程を含む加硫ゴム製品の製造方法が知られている。
【0006】
しかしながら、ここに開示されている加硫ゴム製品の製造方法においては、さらさらした重合体に不活性粒状物質が相当量存在していること、気相でさらさらした重合体を得るため、エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合ゴムの組成としては硬い性状のものに限定されるためエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合ゴムから得られる加硫ゴム製品のバリエーションに制限があり、特に低温での柔軟性を要求されるスポンジ用途には適用され難かった。
【0007】
また、特許文献2には熱可塑性樹脂をゴムにブレンドして得られるペレット状ゴムが記載されている。該技術を利用すれば、バンバリー混練時のゴムの自動計量や押出機型混練機を用いた連続混練が可能である。しかしながら、ペレット性状を良好に保つためには多量の熱可塑性樹脂をゴムと混合することが必要であり、ゴムに要求される柔軟性や圧縮永久歪性に悪影響を与えていた。
【0008】
【特許文献1】特開平9−286050号公報
【特許文献2】特開2000−52335号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、低温特性に優れる組成領域のエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合ゴムから得られる加硫スポンジゴム製品を経済的に製造する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、特徴ある非互着性ペレットを用いて加硫スポンジゴム製品を製造する方法を見出し、本発明を完成させるに至った。
【0011】
すなわち、本発明は、下記工程により得られる加硫スポンジゴム製品の製造方法であって、工程(1)において、少なくとも下記配合材(A)〜(C)を用いることを特徴するエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合ゴムから得られる加硫スポンジゴム製品の製造方法に係るものである。
(1)主要配合材を混練する工程
(2)加硫剤、加硫促進剤、発泡剤を混練する工程
(3)得られた混合物を製品形状に成形する工程
(4)得られた成形品を加熱し、発泡、加硫する工程
(A)エチレン含量が40〜60重量%、非共役ジエン含量が5〜20重量%、125℃にて測定されるML粘度(ML1+4,125℃)が40〜250であるエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合ゴムを熱可塑性樹脂で被覆した被覆体を切断することにより得られる非互着性ペレット
(B)補強材
(C)軟化材
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、低温特性に優れる組成領域のエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合ゴムから得られる加硫スポンジゴム製品を経済的に製造することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明における非互着性ペレットについて説明する。
【0014】
非互着性ペレットに用いられるエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合ゴムのα−オレフィンとしては、たとえば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセンなどがあげられ、その一種を単独で使用してもよく、又は二種以上を併用してもよい。なお、なかでもプロピレン及び1−ブテンが好ましい。
【0015】
また、用いられる非共役ジエンとしては、例えばジシクロペンタジエン、エチリデンノルボルネンが例示されるが、これらに限定されるものではない。
【0016】
さらにエチレン含量は、加硫スポンジゴム製品に要求される特性レベルに左右されるが、通常低温での柔軟性を考慮すると40〜60重量%が好ましく、更に好ましくは48〜55重量%が好ましい。エチレン含量が、少ないとエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合ゴムの分子量が上がり難く、高すぎると低温での柔軟性を失う。非共役ジエン含量は、5〜20重量%が好ましく、更に好ましくは7〜15重量%である。該ジエン含量が少なすぎるとスポンジ製品に要求される圧縮永久歪特性が悪化し、高すぎると圧縮永久歪の改良効果が頭打ちになるばかりで高価なジエンが無駄になる。エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合ゴムのML粘度は、125℃にて測定されるML粘度(ML1+4,125℃)が40〜250であることが好ましい。ML粘度が低すぎるとスポンジ製品に要求される圧縮永久歪特性が悪化し、高すぎると押出成形時に波打ち現象が生じたり、型成形時に流動不良現象が生じたりする。
【0017】
これらエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合ゴムの製造方法としては、公知のオレフィン重合触媒を用いた公知の重合方法が用いられる。例えば、チーグラー・ナッタ系触媒、メタロセン系錯体や非メタロセン系錯体などの錯体系触媒を用いた、スラリー重合法、溶液重合法、塊状重合法、気相重合法が挙げられる。
【0018】
エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合ゴムとして、エチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネン共重合ゴムおよびエチレン−プロピレン−ジシクロペンタジエン共重合ゴム;ならびに、これらの組合せを例示することができる。エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合ゴムは、エチレン単位含有量、α−オレフィン単位含有量および非共役ジエン単位含有量の中の何れかが異なる、2以上のエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合ゴムの組合せであってもよい。
【0019】
このエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合ゴムは単独でも使用できるが、他のゴム類と混合して用いる場合もある。他のゴム類としては、例えば、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、SBSゴム、水添SBSゴム、液状重合スチレン−ブタジエンゴムなどのスチレン系ゴム、その他、ポリイソブチレンゴム、ブチルゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、アルフィンゴム、ニトリルゴム、フッ素ゴム、ビニルピリジンゴム、シリコーンゴム、ブタジエン−メチルメタクリレートゴム、アクリル系ゴム、ウレタン系ゴムなどが挙げられる。
【0020】
前記スチレン系ゴムとしては、例えば、スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー(SIS)、スチレン−ブチレン−スチレンブロックコポリマー(SBS)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロックコポリマー(SEBS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロックコポリマー(SEPS)などが挙げられる。
【0021】
また、必要に応じて酸化防止剤、結晶核剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、炭酸カルシウム、タルク、マイカ、カーボンブラック等の無機充填剤、防曇剤、石油樹脂類、ミネラルオイル、ガラス繊維、天然繊維、炭素繊維、難燃剤などを含ませることもできる。
【0022】
本発明で用いる熱可塑性樹脂としては、例えば結晶性プロピレン系ポリマーもしくは結晶性エチレン系ポリマー等の結晶性オレフィン系ポリマー、ポリスチレン系ポリマー、ナイロン系ポリマー、ポリエステル系ポリマー、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどが挙げられ、ペレットにしようとするエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合ゴムの組成や用途に応じて適宜選択できる。これらの中でも、原料価格、加工の容易さから結晶性オレフィン系ポリマーが好ましい。
【0023】
前記の結晶性オレフィン系ポリマーの結晶性としては、例えばプロピレン単独重合体、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンの他、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−4−メチルペンテン−1共重合体、エチレン−ヘキセン−1共重合体、エチレン−オクテン−1共重合体、エチレン−デセン−1共重合体などのエチレン−α−オレフィン共重合体や、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体のけん化物等のエチレン系共重合体などが挙げられる。このようななかでも、示差走査熱量測定(DSC)において結晶融解ピークが80℃以上に観察される結晶性オレフィン系ポリマーが好ましく、更には100℃以上の温度に観察される結晶性オレフィン系ポリマーが好ましく、より好ましくは長鎖分岐を有する低密度ポリエチレンが好ましい。これらの結晶性のオレフィン系ポリマーは、アクリル酸、メタクリル酸、α,β−不飽和カルボン酸、脂環族カルボン酸、無水マレイン酸またはこれらの誘導体で変性されたポリマーであってもよい。
【0024】
また、これらの結晶性オレフィン系ポリマーの製造方法としては、公知のオレフィン重合触媒を用いた公知の重合方法が用いられる。例えば、チーグラー・ナッタ系触媒、メタロセン系錯体や非メタロセン系錯体などの錯体系触媒を用いた、スラリー重合法、溶液重合法、塊状重合法、気相重合法等、また、ラジカル開始剤を用いた塊状重合法、溶液重合法等が挙げられる。
【0025】
本発明における熱可塑性樹脂には、必要に応じて酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、顔料、結晶核剤、防曇剤、難燃剤などを含ませることもできる。
【0026】
エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合ゴムに熱可塑性樹脂を被覆する方法としては、エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合ゴムシートの上下を前記の熱可塑性樹脂フィルムで被覆する方法、エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合ゴムを芯層とし、熱可塑性樹脂を表層として多層で押出成形とする方法等が挙げられる。
【0027】
上記の熱可塑性樹脂からフィルムを得る方法としては、これらに限定されるものではないが、例えばTダイ法またはインフレーション法など公知の方法が適用可能である。フィルムの厚みは、一般的に約1〜500μm、好ましくは約5〜300μm、特に好ましくは約10〜100μmである。
【0028】
上記フィルムは、延伸フィルムであってもよい。延伸フィルムは、テンター延伸法やチューブラー延伸法などの公知の方法によって得ることができ、一軸延伸フィルムまたは二軸延伸フィルムのいずれであってもよい。また、二軸延伸フィルムにおいては、逐次二軸延伸、同時二軸延伸のいずれであってもよい。
【0029】
さらに、上記フィルムは多層フィルムでもよい。多層フィルムは公知の共押出法またはラミネート法によって得ることができる。
【0030】
前記のエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合ゴムをシート状にする方法としても、これらに限定されるものではないが、例えば、エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合ゴムがベール状の塊であれば、一旦、冷凍粉砕機、もしくは水中で粉砕する湿式粉砕機で0.2〜1cm角程度に細かく粉砕しておき、次いで、押出機のホッパー投入口へこれを投入し、Tダイ押出機によりシート状に押出加工する方法が挙げられる。また、別の方法としてニーダー混練機等により、エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合ゴムを予め溶融状態にしておき、次いで、これをTダイ押出機のシリンダー内に投入してシート化する方法やカレンダーロールによりシート化する方法も挙げられる。
【0031】
シート状の被覆体についても、これらに限定されるものではないが、例えば、少なくとも2本の加熱ロールを用いて、エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合ゴムを連続的にシート状に成形しつつ、そのシート状エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合ゴムの両面に熱可塑性樹脂のフィルムを供給し、貼合して得られる。
【0032】
前記の加熱ロールのサイズは特に制限はなく、ロール面長およびロール直径は任意に選択することができる。加熱ロール表面は、鏡面仕上げ、粗面仕上げのいずれでもよい。近接した加熱ロール表面間の距離は、成形しようとするシート厚みによって適宜調整することができる。
【0033】
加熱ロールの加熱温度は、好ましくは約30℃〜150℃、より好ましくは約40℃〜120℃である。なお、単位時間当たりの成形量が多いと、加熱不足となる場合があるが、この場合は加熱ロールの直径を大きくとる、加熱ロール本数を3本以上に増やすなどの方法、あるいはエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合ゴムを供給段階で予備加熱するなどの方法を採用すればよい。
【0034】
前記シート状の被覆体の厚みは、フィルムを含めた総厚みで好ましくは約0.5mm〜10mm、より好ましくは約0.8mm〜5mmである。なお、通常はフィルムで覆われている面の形状が四角形となる。
【0035】
多層構造の被覆体は、表層を構成する熱可塑性樹脂と芯層を構成するエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合ゴムを溶融押出機に供給し、多層型複合押出ダイを介してシート状またはストランド状に押出すことによって得られる。
【0036】
多層構造の被覆体の断面形状は、角形、円形、楕円形等であり、特に限定されるものではない。
【0037】
多層構造を構成する熱可塑性樹脂層の厚みは、約200μm以下、好ましくは約100μm以下であり、被覆体の断面形状が円形、楕円系状の場合、断面の大きさは、円形に換算して約2〜10mmφ、好ましくは約3〜8mmφである。
【0038】
以下、上記のシート状の被覆体を切断して、ペレットを製造する方法について説明するが、多層構造の被覆体についても同様にして製造することができる。
【0039】
被覆体は、約30〜150℃の温度で、切断部を加圧変形後、切断することによってペレットを製造する。
【0040】
被覆体の温度は、例えば、被覆体の製造時の温度を保持して、加熱ローラを通して加熱して、上下に設置した加熱器で加熱して、および/または切断部を加熱することによって、約30〜150℃にされる。
【0041】
被覆体の加圧変形および切断を同一の刃で行う場合について説明する。
【0042】
まず、切断刃によって切断部を徐々に加圧して、切断刃の先端を被覆体に押込む。これによって、表面の熱可塑性樹脂フィルムは延伸し、切断部のエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合ゴムは周辺に押出され、上下の熱可塑性樹脂フィルムは接近する。次いで、更に加圧することによって、最終的に被覆体を切断する。被覆体の変形は、変形前の厚さの約10〜30%にするのが好ましい。
【0043】
得られるペレットの断面は、ほぼ熱可塑性樹脂フィルムで覆われ、エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合ゴムの露出は僅かである。
【0044】
被覆体に高い圧力をかけて一気に切断すると、被覆体が十分に変形する前に切断してしまい、切断面の熱可塑性樹脂フィルムによる被覆が不十分になる。また、最初にかける圧力が弱く、変形が十分でない状態で切断しても同様に切断面の被覆は不十分になる。従って、ある程度の圧力をかけて上下の熱可塑性樹脂フィルムが接近した状態にした後に切断を行う。
【0045】
被覆体にかける圧力は、連続して徐々に加えて十分に変形した後に切断されるように調整しても良いし、初めに変形する圧力をかけ、次に切断する圧力をかける2段階にしても良い。それぞれのかける圧力および速度は、被覆体の種類によって変わり、予めテストして決定される。
【0046】
図1にこれらの方法を実施する装置の概略図を示す。
【0047】
送出しロール9および支持ロール11によって被覆体1がアンビルロール5上に搬送される。被覆体を支持するアンビルロール5上には被覆ポリマー1を介してアンビルロール5と接する型押しロール6が配置されている。型押しロール6の表面には型押し刃が設けられており、これによって加圧して切断部を変形させる。被覆体の進行方向に対して型押しロール6の後方に切断ロール7が配置されている。切断ロール7の表面には切断刃が設けられており、これによって変形された切断部を切断する。成形されたペレットはコンベアからなるペレットキャッチャー8に落下し、集められる。
【0048】
断面形状が円形、楕円状の多層構造の被覆体についてもシート状の被覆体と同様にペレットを製造することができる。この場合は、溝付きの送出しロールを用い、多数のストラッドを同時に搬送し、変形、切断することにより、生産性よく製造することができる。
【0049】
ペレットの大きさについても特に制限されるものではないが、加工装置に定量供給することを考慮すると、フィルムで覆われている面の一辺が約2mm〜10mmであることが好ましい。
【0050】
非互着性を完全なものとするために、得られた非互着性ペレットに対し、その表面に、無機微粉体または有機微粉体が打粉されていてもよく、また、ゴムコンパウンドの保管等に用いられる液状の防着剤でもよい。粉体、または液状の防着剤を塗布すると、ペレットの熱可塑性樹脂で覆われていない部分に粉体、防着剤が付着し、非互着性を完全にする効果がある。
【0051】
粉体としては、例えば炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、タルク、ステアリン酸カルシウムまたはポリオレフィンパウダーが挙げられる。液状の防着剤としては精工化学社製ニューエイドDF−30等が挙げられる。
【0052】
以下、加硫スポンジ製品の製造に関する説明をする。
【0053】
まず、工程(1)において、非互着性ペレットとともに混合するために少なくとも必要とする配合材である補強材としては、炭酸カルシウム、タルク、マイカ、カーボンブラック等の無機充填材や、シリカ、ガラス繊維等の補強用短繊維等をあげることができる。これらは、単独でもかまわないが、混合して用いてもかまわない。
【0054】
カーボンブラックは補強効果が高いことから特に好ましい。カーボンブラックの種類としては、ゴムの分野で通常用いられる、SRF(N770)、GPF(N660)、FEF(N550)、HAF(N330)、ISAF(N220)、SAF(N110)、FT(N880)及びMT(N990)をあげることができる。好ましくは平均粒子径が50nm以上のカーボンブラックであり、該平均粒子径が50nm未満であると、カーボンブラックの分散不良を生じ易く、混練加工性及び押出加工性が悪影響を及ぼす場合がある。添加量は、非互着性ペレット100重量部あたり10phr以上200phr以下である。ただし、非互着性ペレット中に含まれる補強材の重量部数を勘案して減量される。含有量が10phr未満であると十分な補強効果が得られない。
【0055】
次に、工程(1)において非互着性ペレットとともに混合するために少なくとも必要とする配合材である軟化材としては、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリン、コールタールピッチ、ヒマシ油、アマニ油、サブ、密ロウ、リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛、アタクチックポリプロピレン、およびクマロンインデン樹脂、を例示することができる。中でも、プロセスオイルが特に好ましい。プロセスオイルとしては、パラフィン系オイル、ナフテン系オイル、アロマテック系オイル等をあげることができる。添加量は、非互着性ペレット100重量部当り1〜200重量部用いられる。ただし、非互着性ペレットに含まれる軟化材の含有量を勘案して減量される。
【0056】
加えてゴム業界で一般的な充填剤や加工助剤を混合することもできる。
【0057】
非互着性ペレットと補強材、軟化材とを混練する際に用いられる装置には、バンバリーミキサー等の密閉式混合機、一軸スクリュー、同方向、異方向の二軸スクリュー押出機、多段混合域を備えた二軸スクリュー押出機等がある。本発明の非互着性ペレットを用いることにより、密閉式混合機では原料の裁断不要となり、計量を簡素化することが可能性であり、各種押出機の場合においては、供給口やホッパー内における閉塞がなく、スムーズに押出機バレル内に原料を補給することが可能である。
【0058】
本発明は、工程(1)で得られた上記、非互着性ペレット、補強材と軟化材を含むゴム組成物を用い、以下の工程にて最終的に加硫スポンジゴム製品を得ることができる。
(2)加硫剤、加硫促進剤を混練する工程;加硫剤0.1〜10重量部と、加硫促進剤0.05〜20重量部と、発泡剤0.5〜20重量部を混練し、混練物を製造する。ただし、加硫剤、加硫促進剤の配合量は、非互着性ペレット100重量部当りの量である。
(3)得られた混合物を製品形状に成形する工程;該混練物を成形し、ゴム混練物成形体を製造する
(4)得られた成形品を加熱発泡、加硫する工程;該ゴム混練物成形体を加熱し、発泡、加硫する
【0059】
加硫剤として、イオウ;4,4’−ジチオジモルホリン、テトラメチルチウラムジスルフィド及び(モルフォリンジチオ)ベンゾチアゾールのようなサルファードナー型加硫剤;ならびに、有機過酸化物を例示することができる。有機過酸化物として、ジクミルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(第三ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(第三ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、ジ第三ブチルペルオキシド、ジ第三ブチルペルオキシド−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、および第三ブチルヒドロペルオキシドを例示することができる。中でも、ジクミルペルオキシド、ジ第三ブチルペルオキシド、またはジ第三ブチルペルオキシド−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンが特に好ましい。
【0060】
加硫剤は、非互着性ペレット100重量部当り、通常0.1〜10重量部、好ましくは0.2〜8重量部用いられる。
【0061】
加硫促進剤として、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムモノスルフィド、ジペンタメチレンチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、N,N’−ジメチル−N,N’−ジフェニルチウラムジスルフィド、N,N’−ジオクタデシル−N,N’−ジイソプロピルチウラムジスルフィド、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾール−スルフエンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾール−スルフエンアミド、N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフエンアミド、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−(2,4−ジニトロフエニル)メルカプトベンゾチアゾール、2−(2,6−ジエチル−4−モルホリノチオ)ベンゾチアゾール、ジベンゾチアジル−ジスルフイド、ジフエニルグアニジン、トリフエニルグアニジン、ジオルソトリルグアニジン、オルソトリル−バイ−グアナイド、ジフエニルグアニジン−フタレート、アセトアルデヒド−アニリン反応物、ブチルアルデヒド−アニリン縮合物、ヘキサメチレンテトラミン、アセトアルデヒドアンモニア、2−メルカプトイミダゾリン、チオカルバニリド、ジエチルチオユリア、ジブチルチオユリア、トリメチルチオユリア、ジオルソトリルチオユリア、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルチオカルバミン酸亜鉛、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸亜鉛、エチルフエニルジチオカルバミン酸亜鉛、ブチルフエニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、ジエチルジチオカルバミン酸テルル、ジブチルキサントゲン酸亜鉛、およびエチレンチオウレア;ならびに、これらの2以上の組合せを例示することができる。
【0062】
加硫促進剤は、非互着性ペレット100重量部当り、通常0.05〜20重量部、好ましくは0.1〜8重量部用いられる。
【0063】
発泡剤として、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、および亜硝酸アンモニウムのような無機発泡剤;N,N’−ジメチルN,N’−ジニトロソ−テレフタルアミド、N,N’−ジニトロソ−ペンタメチレン−テトラミン、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾシクロヘキシルニトリル、アゾジアミノベンゼン、バリウム−アゾジカルボキシレート、ベンゼン−スルホニル−ヒドラジド、トルエン−スルホニル−ヒドラジド、トルエン−スルホニル−ヒドラジド誘導体、P−トルエン−スルホニル−セミカルバジド、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、ジフエニルスルホン−3,3’−ジスルホニル−ヒドラジド、カルシウムアジド,4,4’−ジフエニル−ジスルホニルアジド−バラ−トルエン−マルホニルアジド、P−トルエンスルホニルアセトンヒドラゾーン、及びヒドラゾジカルボンアミドのような有機発泡剤;ならびに、これらの2以上の組合せを例示することができる。中でも、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)が、安定した発泡倍率を得る観点から、好ましい。
【0064】
発泡剤は、非互着性ペレット100重量部当り、通常0.5〜20重量部用いられる。
【0065】
工程(2)で用いられる好ましい装置として、オープンロールおよびニーダー、一軸スクリュー、同方向、異方向の二軸スクリュー押出機、多段混合域を備えた二軸スクリュー押出機を例示することができる。
【0066】
工程(3)及び(4)で用いられる好ましい装置として、工程(3)と工程(4)とを同時に行うプレス機、インジェクション成形機およびトランスファー成形機を;工程(3)のみに用いられる押出機およびカレンダー装置を;工程(4)のみに用いられる缶加硫装置のようなバッチ式加硫装置、ならびに熱風式、塩浴式、流動床式および高周波式加硫装置のような連続加硫装置を、それぞれ例示することができる。
【0067】
さらに、一軸スクリューや、同方向、異方向の二軸スクリュー押出機、多段混合域を備えた二軸スクリュー押出機等を用いて、非互着性ペレットと補強材、軟化材等を混練する工程(1)と加硫スポンジ製品を製造する工程(2)、(3)を連続して行うことは、工程の簡素化が図れることから、さらに好ましい装置、工程である。
【0068】
本発明における非互着性ペレット用いた特定のエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合ゴムから得られる加硫スポンジゴム製品の製造方法は、各種押し出し成型加硫スポンジゴム製品や型成型スポンジゴム製品に有用であり、特に自動車用ドアシールスポンジ等の自動車部品、発泡ロールなどの家電製品用用部品、各種スポンジマット等の成形体として、幅広い用途、分野でのエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合ゴムから得られる加硫スポンジゴム製品に適用できる。
【実施例】
【0069】
以下、実施例をもって本発明をさらに詳細に説明するが、これらに限定されるものではない。
【0070】
実際例、比較例における互着性評価は下記の方法で行った。
(1)ペレット100gを、500mLのテフロン(登録商標)製ビーカーに入れる;
(2)該ペレットの上に、該ペレットの全体を被うように、2kgの円柱状重りを載せる;
(3)その状態で、40℃下で24時間放置する;
(4)重りを外す;
(5)ビーカーを斜めにして取り出されたペレットが下記の状態応じ互着性を判定し、評価○(良)以上を合格とした。
◎(良好) :個々のペレットがバラバラと崩れて出てきた
○(良) :ペレットがバラバラと崩れて出てきたが、ペレットの小凝集体あり
△(やや不良):ペレットが塊状で、塊を軽く押すと崩れた
×(不良) :ペレットが塊状で、塊を強く押さないと崩れなかった
また、加硫スポンジ成形品の比重は、水中置換法にて、釣下げ治具として針金を用い、下記の手順にて測定した:
(1)チューブ状加硫スポンジゴム成形品を長さ50mmで切断した試験片の空気中の重量(m1)を測定する;
(2)釣下げ治具の先に先の試験片を取付け、水中での試験片の重量(M2)を測定する;
(3)下式から比重を求める;
比重=m1/M2
【0071】
さらに、加硫スポンジ成形品の圧縮永久歪はJIS K6262に準拠し、下記の手順にて測定した:
(1)長さ30mmのチューブ状加硫スポンジゴム成形品の外径(T0)を測定し、外径が50%圧縮されるように金属製スペーサを調節し(T1)、JIS K6262に定められた圧縮装置内へ金属製スペーサと一緒に装着する;
(2)圧縮装置を70℃温度のオーブンにて22時間、加熱を行う;
(3)成形体を圧縮装置内からすばやく取り出す;
(4)室温で30分間静置する;
(5)成形体の厚さT2(mm)を測定する;
(6)下式から圧縮永久歪を求める;
圧縮永久歪(%)=100×(T0−T2)/(T0−T1
【0072】
実施例1
(1)非互着性ペレットの製造
エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムとして表1に示す構造値を有するエスプレン7456を用いて150℃でプレス成形し、縦150mm、横150mm、厚さ3mmのシートを作製した。
該シートの両面を、タマポリ(株)製のグレード名がVシリーズSTFなる長鎖分岐タイプの低密度ポリエチレン(LDPE)の厚さ75μmのインフレーションフィルムで挟み、110℃でプレス成形し、貼合シートを得た。
得られた貼合シートを図2に示す打抜き機を用いて打抜き、この打抜いたシートを90°回転させて、さらに打抜くことによって10mm×10mm×3mmtサイズの直方体状のペレットを得た。
該ペレットを、精工化学社製の商品名がニューエイドDF−30なる液状の防着剤の7倍希釈液にディッピングし、該防着剤でコーティングされた非互着性ペレットを得た。防着剤でコーティングされたペレットの互着性は良好◎であった。
【0073】
(2)加硫スポンジ製品の製造
表2に示す通り、非互着性ペレットはペレット中に含まれる軟化材を考慮し、119重量部と、補強材として、旭カーボン社製の商品名がカーボンブラック旭50HGなるカーボンブラック100重量部と、軟化材として、出光興産社製の商品名がプロセスオイルPS430なるオイルを非互着性ペレット中のオイル量を考慮し、61重量部と、炭酸カルシウム30重量部と、酸化亜鉛7重量部と、ステアリン酸1重量部と、ストラクトール社製の商品名がストラクトールWB16なる加工助剤2重量部とを内容積1.7リットルのバンバリーミキサーで混練し、ゴム組成物を製造した。
上記のゴム組成物の全量と、表2に示す酸化カルシウム2重量部と、加硫剤として、硫黄0.7重量部と、バイエル社製の商品名がノックマスターR80Eなる4,4’−ジチオジモルホリン0.875重量部と、加硫促進剤としてバイエル社製の商品名がレノグランMBT80なる2−メルカプトベンゾチアゾール2.5重量部と、バイエル社製の商品名がレノグランTDEC75なるジエチルジチオカルバミン酸テルル0.4重量部と、バイエル社の商品名がレノグランZDBC80なるジ−n−ブチルジチオカルバミン酸亜鉛0.625重量部と、バイエル社製の商品名がレノグランZDMC80なるジメチルジチオカルバミン酸亜鉛1.875と、発泡剤として、永和化成工業社製の商品名がネオセルボンN1000Sなる4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)とを10インチオープンロールで混練し、混練物を製造した。
該混練物を、チューブ状ダイス(内径=10mm、肉厚=1.2mm)を装着した45mm押出機によって、ダイス温度80℃、シリンダー温度60℃の条件で押出し、チューブ状の中空形状の成形体を得た。さらに該成形体を、220℃の熱風加硫装置中で10分間加熱し、中空スポンジを得た。該加硫スポンジゴム成形品の比重は0.6であり、圧縮永久歪は25%であった。評価結果を表1に示す。
【0074】
実施例2
(1)エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムの合成
重合触媒として、チーグラー・ナッタ触媒の一種であるVOCl3−エチルアルミニウムセスキクロライド(EASC)の組合せによる触媒を適用し、α−オレフィンとして、プロピレン、非共役ジエンとして、エチリデンノルボルネンとジシクロペンタジエンを用いて、43〜47℃に制御した連続重合槽中で、溶媒にヘキサンを用いた溶液重合法にて合成を行った。得られたエチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネン−ジシクロペンタジエン共重合体ゴム(以下、ゴムAとする)の構造値を測定したところ、表1に示す通り、エチレン/プロピレン/非共役ジエン=50/41/9.0であった。
【0075】
(2)非互着性ペレットの作製、及び加硫スポンジゴム製品の製造
エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムとして、表1に示す構造値を有するゴムAを使用する以外、実施例1同様に非互着性ペレットを製造した。得られたペレットの互着性は良好◎であった。
非互着性ペレットを該ペレットに変更し、100重量部用い、軟化材を80重量部用いたこと以外は実施例1と同様にして加硫スポンジゴム成形品を製造した。評価結果を表1に示す。
【0076】
比較例1
エスプレン7456の75重量部と、住友化学(株)製のグレード名がG202なる長鎖分岐低密度ポリエチレンの25重量部とをバンバリーで混合し、混合物を製造した。
該混合物を、水中カット式ペレタイザーを備えた押出機にてペレットとし、該ペレットを実施例1と同様にして、防着剤でコーティングした。防着剤でコーティングされたペレットの互着性は良○であった。
非互着性ペレットを該ペレットに変更し、114.3重量部、軟化材を65.7重量部用いたこと以外は実施例1と同様に加硫スポンジゴム成形品を製造した。評価結果を表3に示す。
【0077】
比較例2
エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムとして、ゴムAを使用した以外、比較例1同様に非互着性ペレットを製造した。得られたペレットの互着性は良○であった。
非互着性ペレットを該ペレットに変更し、100重量部用い、軟化材を80重量部用いたこと以外は実施例1と同様にして加硫スポンジゴム成形品を製造した。評価結果を表1に示す。
【0078】
表1で明らかなとおり、実施例は、熱可塑性樹脂をブレンドすることにより得られたペレット、比較例1、2よりも低い熱可塑性樹脂含量にてペレットの互着性が良好であり、かつ該ペレットを用いて作製した加硫スポンジゴム製品の圧縮永久歪も比較例よりも良好である。
よって、本発明によれば、経済的に優位であるペレット状ゴムを用いてもゴム本来の特性を保持しつつ、加硫スポンジゴム製品化が可能であると考えられる。
【0079】
【表1】






【0080】
【表2】


X:ペレット中のオイル量(重量部/ペレット100重量部)
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明に用いるゴム組成物ペレットの製造装置例の概略図である。
【図2】本発明の実施例に用いたゴム組成物ペレットの製造装置の概略図である。
【符号の説明】
【0082】
[図1について]
1 積層シート
2 切断刃支持板
3 プレス
4 架台
5 アンビルロール
6 型押しロール
7 切断ロール
8 ペレットキャッチャー
9 送出しロール
10 ヒーター
11 支持ロール
[図2について]
1 エアシリンダー
2 カット刃
3 積層シート
4 打抜き台
5 スポンジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記工程により得られる加硫スポンジゴム製品の製造方法であって、工程(1)において、少なくとも下記配合材(A)〜(C)を用いることを特徴するエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合ゴムから得られる加硫スポンジゴム製品の製造方法。
(1)主要配合材を混練する工程
(2)加硫剤、加硫促進剤、発泡剤を混練する工程
(3)得られた混合物を製品形状に成形する工程
(4)得られた成形品を加熱し、発泡、加硫する工程
(A)エチレン含量が40〜60重量%、非共役ジエン含量が5〜20重量%、125℃にて測定されるML粘度(ML1+4,125℃)が40〜250であるエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合ゴムを熱可塑性樹脂で被覆した被覆体を切断することにより得られる非互着性ペレット
(B)補強材
(C)軟化材
【請求項2】
請求項1記載の工程(1)を押出機にて行うことを特徴とする加硫スポンジゴム製品の製造方法。
【請求項3】
請求項1記載の工程(1)、(2)、(3)を押出機にて連続的に製造することを特徴とする加硫スポンジゴム製品の製造方法。
【請求項4】
請求項1、2または3記載の製造方法により得られた加硫スポンジゴム製品。




【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−213912(P2006−213912A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−360096(P2005−360096)
【出願日】平成17年12月14日(2005.12.14)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】