説明

非侵襲生体計測装置

【課題】 構造を簡略化するとともに、短時間で血液成分の解析をすることができる非侵襲生体計測装置を提供する。
【解決手段】 生体を撮像して得られる生体画像中の血管を解析することにより、血液に含まれる成分を計測する非侵襲生体計測装置1。前記血管を含む生体を照明する光源部51と、照明された前記生体を撮像する撮像部52と、撮像して得られる生体画像中の血管像に基づいて血液に含まれる成分の濃度を算出し、前記生体画像中の血管周辺組織像に基づいて前記算出された成分濃度を補正する解析部53とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体を撮像して得られた生体画像中の血管を解析することにより、血液に含まれる成分を計測する非侵襲生体計測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
撮像手段を用いて生体を撮像し、生体画像中の血管を解析することにより、ヘモグロビン等の血液の成分を計測する非侵襲生体計測装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1記載の装置は、使用者の手首における血管(静脈)を照明する第1光源と、この第1光源によって照明された血管から光学情報を検出する第1受光部と、この光学情報に基づいて前記血管中を流れる血液成分を解析する解析部とを備えており、手首に装着するだけで使用者の血液成分を連続して計測することができる。
【0003】
かかる特許文献1記載の装置を用いて血液成分を計測するに際し、血管の撮像が容易になるように、手首よりも心臓に近い使用者の腕部に加圧帯(カフ)を装着し、当該使用者の腕を所定の圧力で加圧して、手首周辺の血流を阻害し、手首の血管(静脈)を膨張させている。
【0004】
ところで、カフにより生体を加圧すると、目的とする血管だけではなく当該血管の周辺組織における毛細血管もうっ血し、血液が溜まることから、計測値が実際の値よりも小さくなるという問題がある。すなわち、計測に際しては、血管を含む生体の撮像画像における血管部分の輝度と、その周辺部分の輝度との差に基づいて血液成分の量を求めているが、加圧により周辺組織がうっ血することで、前記輝度の差が小さくなってしまう。
そこで、特許文献1記載の装置では、前述した第1光源とは別に、血管周辺の周辺組織を照明する第2光源と、この第2光源によって照明された生体組織から光学情報を検出する第2受光部とを設け、生体組織からの光学情報に基づいて血液成分を補正している。
【0005】
【特許文献1】特開2004−242859号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1記載の装置では、本来の測定対象である血管からの光学情報を得るための機構以外に、当該血管周辺の生体組織からの光学情報を得るための専用の光源と受光部とが必要であり、装置の構成が複雑になっていた。また、前記光学情報を取得、解析している間は生体の撮像を行うことができないことから、血液成分の解析に時間がかかっていた。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、構造を簡略化するとともに、短時間で血液成分の解析をすることができる非侵襲生体計測装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の観点に係る非侵襲生体計測装置は、生体を撮像して得られる生体画像中の血管を解析することにより、血液に含まれる成分を計測する非侵襲生体計測装置であって、
前記血管を含む生体を照明する光源部と、
照明された前記生体を撮像する撮像部と、
撮像して得られる生体画像中の血管像に基づいて血液に含まれる成分の濃度を算出し、前記生体画像中の血管周辺組織像に基づいて前記算出された成分濃度を補正する解析部と
を備えたことを特徴としている。
【0009】
本発明の非侵襲生体計測装置では、血液成分の濃度を算出するために撮像する、血管を含む生体の画像中の血管周辺組織像に基づいて、血液成分濃度を補正しているので、前記血管周辺組織からの光学情報を得るための専用の光源及び受光部が不要となる。したがって、装置の構成を簡略化することができる。また、血管を含む生体の画像を用いて、血液成分の濃度を算出するとともに、算出された濃度の補正を行っていることから、装置の制御を簡素化することができ、これにより、血液成分の解析に要する時間を短縮することができる。
【0010】
前記解析部を、前記生体画像中の血管を横切って分布する第1輝度分布を抽出する第1抽出手段と、当該生体画像中の血管像に沿って分布する第2輝度分布を抽出する第2抽出手段と、前記第1輝度分布に基づいて前記成分濃度を算出する成分濃度算出手段と、前記第2輝度分布に基づいて当該成分濃度を補正する補正手段とから構成することができる。
また、前記第2抽出手段を、前記生体画像中の血管像から所定の距離にある当該生体画像中の血管周辺組織像に基づいて前記第2輝度分布を抽出するように構成することができる。
さらに、前記補正手段を、前記第2輝度分布に基づいて当該輝度の減衰率を算出し、この算出された減衰率に基づいて前記成分濃度を補正するように構成することができる。
【0011】
また、本発明の第2の観点に係る非侵襲生体計測装置は、生体を撮像して得られる生体画像中の血管を解析することにより、血液に含まれる成分を計測する非侵襲生体計測装置であって、
前記血管を含む生体を照明する光源部と、
照明された前記生体を撮像する撮像部と、
撮像して得られる生体画像中の血管像と、当該生体画像中の血管周辺組織像の輝度が減衰する減衰率とに基づいて血液に含まれる成分の濃度を算出する解析部と
を備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明の非侵襲生体計測装置によれば、構造を簡略化するとともに、短時間で血液成分の解析をすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の非侵襲生体計測装置の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る非侵襲生体計測装置1の概略構成を示す図である。この非侵襲生体計測装置1は、腕時計型の血液成分分析装置であり、装置本体3と保持具4とを備えている。装置本体3は、保持具4によって人間の手首に装着される。なお、装置本体3は保持具4によって手首の周方向に位置調整可能なように装着される。装置本体3の側面には、使用者が非侵襲生体計測装置1を操作するための電源/実行キー38とメニューキー39とが設けられている。また、手首よりも心臓に近い使用者の腕部には、加圧帯2(カフ)が装着される。加圧帯2は、使用者の腕を所定の圧力で加圧して、手首周辺の血流を阻害し、手首の血管(静脈)を膨張させる。このように加圧帯2で手首を加圧した状態で測定を行うことにより、血管の撮像が容易になる。
【0014】
図2は、非侵襲生体計測装置1の構成を示す断面説明図である。装置本体3は、外側ケース35と、外側ケース35の裏側に配置された裏蓋37と、裏蓋37の下部に取り付けられた係合部材41とを備えている。また、外側ケース35の中央には、後述する計測ユニット5を収容するために円筒状のユニット保持部35aが形成されている。一方、裏蓋37及び係合部材41の中央には、ユニット保持部35aを受け入れるための空間部が形成されている。このユニット保持部35aの外壁の中間部からは、一対の突出部35c、35dが水平方向に延びている。この突出部35cと裏蓋37との間及び突出部35dと裏蓋37との間は、それぞれ圧縮スプリング37a、37bによって接続されている。これら圧縮スプリング37a、37bにより、外側ケース35は、裏蓋37に向かって付勢される。また、係合部材41の側面には、凹状に窪んだ係合部41aが形成されており、後述する支持台42の内方突出部42aに係合可能になっている。
【0015】
前記保持具4は、支持台42とリストバンド43とで構成されている。支持台42は上面形状が長方形であり、その中央部には、装置本体3の係合部材41を嵌着するための円形の開口部が形成されている。この開口部の端縁には、係合部材41が軸AZの周りに回動可能に係合される係合部42aが設けられている。支持台42には、伸縮自在なゴム製のリストバンド43が取り付けられている。なお、外側ケース35および裏蓋37は、光を透過させない材料で作製されている。
【0016】
ユニット保持部35aには、測定ユニット5が支持されている。この測定ユニット5は、光源部51と、撮像部52と、制御部53と、表示部54とで構成されており、光源部51、撮像部52及び表示部54と制御部53とは、相互に電気信号のやり取りが可能なように配線コード、フラットケーブル(図示せず)等で接続されている。
【0017】
次に、光源部51について説明する。図3は、光源部51の構成を示す平面図である。光源部51は、円板状の保持板51aと、この保持板51aに保持された4つの発光ダイオードR1、R2、L1、L2とから構成されている。保持板51aの中央には、撮像部52へ入射する光を通過させる為の円形の開口部51bが設けられており、この開口部51bの周囲に沿って、前述した発光ダイオードが配置されている。
【0018】
図4は、保持板51aに設けられた4つの発光ダイオードの位置関係を示す図である。発光ダイオードR1、R2、L1、L2は、開口部51bの中心を通り互いに直交する第1軸AYと第2軸AXにそれぞれ対称に配置されている。非侵襲生体計測装置1が手首に装着された状態において、手首表面の撮像領域CRは、撮像部52により撮像され、表示部54に表示される領域である。発光ダイオードL1およびL2側の指標線62aと、発光ダイオードR1およびR2側の指標線62bとの間の領域62cが、撮像部52による撮像に適した領域、即ち撮像の際に血管を位置させる領域である。なお、指標線62aおよび62bは、制御部53により、表示部54に表示される。血液成分の分析を行う際には、手首の任意の血管が、前記領域62c内に位置するように装置本体3の装着位置を調整する。そして、血管は、発光ダイオードR1、R2、L1、L2によって、両側から近赤外光(中心波長=805nm)で照明される。
【0019】
次に、撮像部52の構成について説明する。図2に示されるように、撮像部52は、反射光の焦点を絞るためのレンズ52aと、レンズ52aを固定する鏡筒52bと、画像を撮像するCCDカメラ52cとで構成されており、撮像領域CRの画像を撮像することが可能である。レンズ52a及び鏡筒52bは、内部が黒色の円筒形の遮光筒52dに挿入されている。CCDカメラ52cは、結像した画像を撮像し画像信号として制御部53に送信する。
【0020】
次に、制御部53の構成について説明する。制御部53は、CCDカメラ52cの上部に設けられている。図5は、測定ユニット5の構成を示すブロック図である。制御部53は、CPU53aと、メインメモリ53bと、フラッシュメモリカードリーダ53cと、光源部入出力インタフェース53dと、フレームメモリ53eと、画像入力インタフェース53fと、入力インタフェース53gと、通信インタフェース53hと、画像出力インタフェース53iとを備えている。CPU53aと、メインメモリ53b、フラッシュメモリカードリーダ53c、光源部入出力インタフェース53d、フレームメモリ53e、画像入力インタフェース53f、入力インタフェース53g、通信インタフェース53h、及び画像出力インタフェース53iとは、相互にデータ伝送が可能であるようにデータ伝送線を介して接続されている。この構成により、CPU53aは、メインメモリ53b、フラッシュメモリカードリーダ53c、及びフレームメモリ53eに対するデータの読み出し、書込み、並びに、光源部入出力インタフェース53d、画像入力インタフェース53f、入力インタフェース53g、画像出力インタフェース53i、及び通信インタフェース53hに対するデータの送受信が可能となる。
【0021】
解析部であるCPU53aは、図示しないROM及びメインメモリ53bにロードされたコンピュータプログラムを実行することが可能である。そして、後述するようなコンピュータプログラムを当該CPU53aが実行することにより、本装置が非侵襲生体計測装置として機能する。
メインメモリ53bは、SRAM又はDRAM等によって構成されている。メインメモリ53bは、図示しないROM及びフラッシュメモリカード53jに記憶されているコンピュータプログラムの読み出しに用いられる。また、これらのコンピュータプログラムを実行するときに、CPU53aの作業領域として利用される。
【0022】
フラッシュメモリカードリーダ53cは、フラッシュメモリカード53jに記憶されたデータの読み出しに使用される。フラッシュメモリカード53jは、フラッシュメモリ(図示せず)を有しており、外部から電力を供給されなくても、データを保持することができるようになっている。また、フラッシュメモリカード53jには、CPU53aに実行されるコンピュータプログラム及びこれに用いるデータ等が記憶されている。
【0023】
また、フラッシュメモリカード53jには、例えばTRON仕様準拠のオペレーティングシステムがインストールされている。なお、オペレーティングシステムは、これに限定されるものではなく、例えば米マイクロソフト社が製造販売するWindows(登録商標)等のグラフィカルユーザインターフェース環境を提供するオペレーティングシステムであってもよい。以下の説明においては、本実施の形態に係るコンピュータプログラムは当該オペレーティングシステム上で動作するものとしている。
【0024】
光源部入出力インタフェース53dは、D/A変換器、A/D変換器等からなるアナログインタフェースから構成されている。光源部入出力インタフェース53dは、光源部51に設けられた4つの発光ダイオードR1、R2、L1、L2と夫々電気信号線によって電気的に接続されており、かかる発光ダイオードの動作制御を行うことが可能である。かかる光源部入出力インタフェース53dは、後述するようなコンピュータプログラムに基づいて、発光ダイオードR1、R2、L1、L2に与える電流を制御する。
【0025】
フレームメモリ53eは、SRAM又はDRAM等によって夫々構成されている。フレームメモリ53eは、後述する画像入力インタフェース53fが画像処理を実行するときに、データの格納用に利用される。
画像入力インタフェース53fは、A/D変換器を含むビデオデジタイズ回路(図示せず)を備えている。画像入力インタフェース53fは、CCDカメラ52cに電気信号線によって電気的に接続されており、当該CCDカメラ52cから、画像信号が入力されるようになっている。CCDカメラ52cから入力された画像信号は、画像入力インタフェース53fでA/D変換される。このようにデジタル変換された画像データは、フレームメモリ53eに格納されるようになっている。
【0026】
入力インタフェース53gは、A/D変換器からなるアナログインタフェースから構成されている。入力インタフェース53gには、電源/実行キー38とメニューキー39が電気的に接続されている。この構成により、使用者は、メニューキー39を使用することにより、装置の動作項目の選択を行い、電源/実行キー38を使用することにより、装置の電源のON/OFF及び選択を行った動作を装置に実行させることが可能である。
【0027】
通信インタフェース53hは、例えばUSB、IEEE1394、RS232C等のシリアルインタフェース、又は、SCSI等のパラレルインタフェースから構成されている。制御部53は、当該通信インタフェース53hにより、所定の通信プロトコルを使用して、モバイルコンピュータ・携帯電話等の外部接続機器との間でデータの送受信が可能である。これにより、制御部53は、かかる通信インタフェース53hを介して、測定結果データを当該外部接続機器へ送信する。
【0028】
画像出力インタフェース53iは、表示部54に電気的に接続されており、CPU53aから与えられた画像データに基づいた映像信号を表示部54に出力するようになっている。
【0029】
次に、表示部54について説明する。図2に示すように、表示部54は、測定ユニット5の上部に設けられており、外側ケース35に支持されている。この表示部54は、液晶ディスプレイで構成されており、画像出力インタフェース53iから入力された映像信号に従って画面表示を行う。この画面表示は、非侵襲生体計測装置1の状態に応じて切り替えられ、例えば、スタンバイ状態、血管位置合わせ時、測定終了状態に対応した画面が表示部54に表示される。
【0030】
図6は、非侵襲生体計測装置1がスタンバイ状態にある場合に表示される画面の一例を示す図である。非侵襲生体計測装置1がスタンバイ状態にある場合、表示部54の画面中央には、日付・時刻が表示される。また、表示部54の画面右下は、メニュー表示領域54aとなっており、電源/実行キー38を押した場合の非侵襲生体計測装置1の動作が表示され、スタンバイ状態にある場合には「測定」と表示される。
【0031】
図7は、血管位置合わせ時に表示される画面の一例を示す図である。本実施の形態に係る非侵襲生体計測装置1では、撮像部52による撮像に適した領域を示す指標が表示部54に表示されるとともに、血管画像が撮像に適した領域内に位置しているか否かを判定できるように構成されている。そして、血管の位置合わせを行う場合には、撮像画像とともに、後述するようにして形成される血管パターン61と、赤色で示される指標線62a、62bとが表示される。また、この指標線62a、62bの周囲には、方向を示すマーク63、64、65、66が表示される。各マークは点灯可能であり、血管パターン61が指標線62a及び指標線62bとの間の領域62c内に収まるように位置していない場合には、制御部53によって、各マークが点灯し、血管パターン61が領域62c内に位置するように装置本体3を移動させる方向を使用者に指示する。
【0032】
ここで、各マークの点灯による装置本体3の移動について簡単に説明する。図7において、マーク63とマーク64とが点灯すると、使用者は、装置本体3を図7において右方向に移動させる必要があり、マーク65とマーク66とが点灯すると、使用者は、装置本体3を図7において左方向に移動させる必要がある。また、マーク63とマーク65とが点灯すると、使用者は、装置本体3を時計回りに回動させる必要があり、マーク64とマーク66とが点灯すると、使用者は、装置本体3を反時計回りに回動させる必要がある。例えば、図7に示されるように血管パターン61が位置する場合、制御部53は、マーク63とマーク65を点灯させ、使用者に装置本体3を時計周りに回動させるように促す。このような構成にすることにより、血管を撮像するのに適した領域に撮像部52の位置調整を行う場合に、装置本体3をどちらに移動させればよいかを使用者が容易に把握できるので、撮像部52の位置調整の作業が容易となる。
【0033】
また、血管パターン61が領域62c(図4)内に位置していない場合には、指標線62a及び指標線62bを赤色で表示し、血管パターン61が領域62c内に位置する場合には、指標線62a及び指標線62bを青色で表示する。これにより、血管パターン61が領域62c内に位置するか否かを使用者が容易に把握することができる。
このような血管位置合わせ時には、メニュー表示領域54aには、「続行」と表示され、血管パターン61が領域62c内に位置した場合、指標線62a、62bとが青色で表示され、電源/実行キー38が有効となり、使用者がこれを押すと測定が続行される。
【0034】
図8は、非侵襲生体計測装置1による測定が終了した場合の画面の一例を示す図である。血液成分であるヘモグロビン濃度の測定結果は、「15.6g/dl」と、使用者に見易いようにデジタル表示で表示部54に表示される。このとき、メニュー表示領域54aには、「確認」と表示される。
【0035】
次に、非侵襲生体計測装置1の測定動作について説明する。図9は、非侵襲生体計測装置1による測定動作を示すフローチャートである。まず、図1に示されるように、使用者の腕部に加圧帯2、手首に非侵襲生体計測装置1が装着される。このとき、使用者の腕は、加圧帯2によって所定の圧力で加圧されて、手首周辺の血流が阻害され、手首の血管が膨張する。次に、使用者が、非侵襲生体計測装置1に設けられた電源/実行キー38を押して、非侵襲生体計測装置1の電源を入れると、ソフトウェアの初期化が行われるとともに各部の動作チェックがおこなわれ(ステップS1)、装置はスタンバイ状態となり、表示部54に図6に示されるスタンバイ状態のスタンバイ画面が表示される(ステップS2)。
【0036】
スタンバイ状態の画面が表示部54に表示されているときに、使用者によって電源/実行キー38が押されると(ステップS3でYes)、図7に示される位置決め画面が表示部54に表示される(ステップS4)。このとき、CPU53aは、光源部51に設けられた発光ダイオードR1、R2、L1、L2を夫々所定の光量で点灯させ、撮像領域CR(図4)を照明し、照明された撮像領域CRを撮像する(ステップS5)。
【0037】
図10は、撮像領域CRを含む長方形の領域を0≦x≦640、0≦y≦480の範囲でx、yの2次元の座標に座標分割した図である。CPU53aは、図10に示されるように、撮像領域CRの画像を含む長方形の領域Aの最も左上の画素の座標を(0、0)として、領域Aをx、yの2次元の座標に座標分割し、座標分割した点の中から(240、60)、(400、60)、(240、420)、(400、420)の4点を選択し、この4点で囲んだ領域Bの平均輝度を求める(ステップS6)。なお、この平均輝度を求める領域Bの点は、これに限定されることはなく、他の座標でもよいことは言うまでもない。また、領域Bは、四角形以外の多角形、または円であってもよい。
【0038】
次に、CPU53aは、領域Bの輝度が目標範囲内であるか否かを判定する(ステップS7)。領域Bの輝度が目標範囲外である場合は、光源部入出力インタフェース53dを用いて、発光ダイオードR1、R2、L1、L2に流れる電流量を調整し、これらの光量調整を行い(ステップS8)、処理をステップS1に戻す。領域Bの輝度が目標範囲内であった場合には(ステップS7でYes)、CPU53aは、後述する輝度プロファイルの算出対象のy座標値を初期値(40)に設定する(ステップS9)。そして設定されたy座標値(40)におけるx座標の端から端までの画素の輝度を求める。これにより、図11に示されるように、所定のy座標におけるx方向の画素の輝度プロファイル(輝度プロファイルPF)が求められる(ステップS10)。さらに、CPU53aは、設定したy座標値が終値(440)であるかを判定する(ステップS11)。y座標値が終値(440)でない場合(ステップS11でNo)、CPU53aは、y座標値を所定値(20)だけインクリメントし(ステップS12)、ステップS10に処理を戻す。y座標値が終値(440)である場合(ステップS11でYes)、CPU53aは、抽出された各輝度プロファイルの中で、最も輝度が低い点(以下、「輝度最下点」とする)を抽出し、フレームメモリ53eに記憶する(ステップS13)。
【0039】
図12は、血管の位置を求める方法を示す説明図である。すなわち、図12に示されるように、CPU53aは、撮像領域CRの画像の中心付近の輝度最下点 (a1,b1)と、この輝度最下点(a1,b1)の縦方向に隣り合った輝度最下点(a2,b2)及び(a3,b3)とをそれぞれ連結する。次に、CPU53aは、輝度最下点(a2,b2)と縦方向に隣り合った点とを連結し、また、輝度最下点(a3,b3)と縦方向に隣り合った点とを連結する。CPU53aは、この動作を画像の全領域において繰り返し、血管を線分列として抽出し、血管パターン61を形成する(ステップS14)。CPU53aは、図7に示されるように、撮像した撮像領域CRの画像を表示部54に表示し、さらに、ステップS5によって形成された血管パターン61と、フラッシュメモリカード53jに記憶された指標線62a及び指標線62b(図4)と、マーク63、64、65及び66とを表示する(ステップS15)。そして、CPU53aは、血管パターン61が領域62c(図4)に位置しているか否かを判定する(ステップS16)。血管パターン61が領域62c内に位置していない場合には(ステップS16でNo)、CPU53aは、マーク63、64、65、66を夫々点灯させることにより、使用者が装置本体3を動かすべき方向を指示し(ステップS17)、処理をステップS1に戻す。
【0040】
血管パターン61が領域62c内に位置する場合は(ステップS16でYes)、CPU53aは、電源/実行キー38を有効化して、測定を続行可能とする。このとき、CPU53aは、電源/実行キー38が有効化されたことを、音を鳴らして使用者に知らせる(ステップS18)。次に、CPU53aは、電源/実行キー38からの入力を待機する(ステップS19)。使用者により、電源/実行キー38が押され、測定続行が指示されると(ステップS19でYes)、CPU53aは、ヘモグロビンの濃度測定を行い(ステップS20)、測定結果を図8に示されるように表示部54に表示する(ステップS21)。
【0041】
図13は、図9に示されるフローチャートのステップS20で実行されるヘモグロビン濃度の計測処理の詳細を示すフローチャートである。まず、CPU53aは、光源部入出力インタフェース53dを制御し、発光ダイオードR1、R2、L1、L2によって撮像領域CR(図4)を照明し、これを撮像部52で撮像する(ステップS101)。次に、CPU53aは、ステップS3と同様に、図10に示される領域Bの平均輝度を求め、求めた領域Bの平均輝度が150を超えるか否かを判定する(ステップS102)。輝度が150を超えない場合は、光源部入出力インタフェース53dを用いて、発光ダイオードR1、R2、L1、L2に流れる電流量を調整し、これらの光量調整を行い(ステップS103)、処理をステップS101に戻す。
【0042】
なお、ここでいう輝度の値は、本実施の形態においては、使用されている画像入力インタフェース53fが有する8ビットのA/D変換器のデジタル変換値(0〜255まで変化する)のことである。これは、画像の輝度とCCDカメラ52cから入力された画像信号の大きさとは、比例関係にあるため、画像信号のA/D変換値(0〜255)を輝度の値としたためである。
【0043】
領域Bの平均輝度が150を超える場合は(ステップS102でYes)、CPU53aが、撮像領域CR(図4)中の軸AXに対する、第1輝度分布を示す輝度プロファイル(位置Xに対する輝度Bの分布)PF(図11)を作成し、高速フーリエ変換等の手法を用いてノイズ成分を減少させる。さらに、CPU53aは、この輝度プロファイルPFをベースラインBLで規格化する。当該ベースラインBLは、血管による吸収部分の輝度プロファイルの形状を基に求める。このようにすることにより、入射光量に依存しない濃度プロファイル(位置Xに対する濃度Dの分布)NPを得ることができる(ステップS104)。図14は、位置Xに対する濃度Dの分布を示す図であり、図に示されるような濃度プロファイルNPが形成される。次に、CPU53aは、形成された濃度プロファイルNPに基づいて、ピーク高さh及び半値幅wを算出する。ここで得たhは計測対象の血管(血液)により吸収された光強度と組織部分を通過してきた光強度の比を表し、wは血管径に相当する長さを表す。さらに、CPU53aは、次の算出式(1)により無修正ヘモグロビン濃度Dを算出し、結果をフレームメモリ53eに記憶する。(ステップS105)。
D=h/w……(1)
ただし、nは、散乱による半値幅の広がりの非線形を表す定数である。光散乱のない場合は、n=1、散乱のある場合はn>1である。
【0044】
次に、CPU53aは、光源部入出力インタフェース53dを制御し、発光ダイオードR1、R2によって、ステップS101で撮像した部位と同じ部位を適切な光量で照明し(ステップS106)、これを撮像部52で撮像する(ステップS107)。さらに、CPU53aは、領域Bの平均輝度が100を超えているか否かを判定し(ステップS108)、輝度が100を超えない場合は、光源部入出力インタフェース53dを用いて、発光ダイオードR1、R2に流れる電流量を調整し、これらの光量調整を行い(ステップS109)、処理をステップS107に戻す。
【0045】
領域Bの平均輝度が100を超える場合は(ステップS108でYes)、CPU53aは、ステップS107によって得られた画像についてステップS104と同様の処理を行い、後述する輝度プロファイルPF1及び入射光量に依存しない濃度プロファイルNP1を得る(ステップS110)。さらに、CPU53aは、光源部入出力インタフェース53dを制御し、発光ダイオードL1、L2によって、ステップS101で撮像した部位と同じ部位を適切な光量で照明し(ステップS111)、これを撮像部52で撮像する(ステップS112)。さらに、CPU53aは、領域Bの平均輝度が100を超えているか否かを判定し(ステップS113)、輝度が100を超えない場合は、光源部入出力インタフェース53dを用いて、発光ダイオードL1、L2に流れる電流量を増加させ、これらの光量調整を行い(ステップS114)、ステップS112に処理を戻す。
【0046】
領域Bの平均輝度が100を超える場合は(ステップS113でYes)、CPU53aはステップS112によって得られた画像についてステップS104と同様の処理を行い、輝度プロファイルPF2及び入射光量に依存しない濃度プロファイルNP2を得る(ステップS115)。
【0047】
図15は、位置Xに対する輝度Bの分布を示す図であり、ステップS110により輝度プロファイルPF1、ステップS115により輝度プロファイルPF2が形成される。図16は、位置Xに対する濃度Dの分布を示す図であり、ステップS110により濃度プロファイルNP1、ステップS115により濃度プロファイルNP2が形成される。
【0048】
CPU53aは、ステップS110により得られた濃度プロファイルNP1からピーク高さh1及び重心座標cg1と、ステップS115により得られた濃度プロファイルNP2からピーク高さh2及び重心座標gc2とをそれぞれ導出し、これらを用いて、次の算出式(2)により血管深さ指標Sを算出する。さらに、CPU53aは、この算出結果をフレームメモリ53eに記憶する(ステップS116)。
S=(cg2−cg1)/{(h1+h2)/2}……(2)
【0049】
次に、CPU53aは、ステップS101で得られた生体画像中の血管周辺組織像に基づいて、当該周辺組織中に含まれる血液量を表す組織血液量指標Mを算出する。具体的には、生体画像中の血管像から所定の距離(例えば、2.5mm)にある当該生体画像中の血管周辺組織像に基づいて、前記血管像に沿って分布する第2輝度分布を抽出する。生体画像には、目的とする血管だけでなく当該血管の周辺の組織も撮像されている。そして、組織中の血液量に比例して光が減衰することから、当該周辺組織の光の減衰率を算出することで、周辺組織中の血液量を推定することができる。
【0050】
血管は撮像画像において略中央部分を上下(図3〜4において上下)に縦断するように位置することから、前記減衰率の算出には、当該血管と平行であり、血管から所定距離だけ離れた直線(例えば、図4における指標線62a又は62b)上の、ないしは直線に沿った輝度分布(第2輝度分布)が用いられる。
血管の周辺組織は略均質であるとすると、光源からの光は指数関数に従って減衰するが、撮像領域CRの上下(図3〜4において上下)に光源である発光ダイオードが配置されていることから、前記第2輝度分布は、互いに逆向きの指数関数を重ね合わせた放物線状の形状となる。図17は、血管像に沿って分布する第2輝度分布の例を示す図である。図17において、縦軸は輝度、横軸は撮像領域における周辺組織の血管像に沿った位置を示している。例えば、指標線62b(図4参照)上の第2輝度分布が測定されるとすると、横軸におけるd1及びd2は、図4に示されるように、前記指標線62bが円形の撮像領域CRと交差する点d1、d2に略対応する。
【0051】
図17において、放物線状の曲線mは実際に測定された輝度を表しており、指数関数n及び指数関数oは、この曲線mを後述する方法により2つに分離した指数関数を表している。また、放物線状の曲線pは、前記指数関数n及び指数関数oを理論上重ね合わせたものであり、実際の測定値と一致していることを示している。
放物線状の曲線mを2つの指数関数n及び指数関数oに分離するには、まず、放物線状の曲線mのうち両端の飽和気味の部分を切り捨てて、実質的に放物線とみなすことができる部分だけを残す。残された部分の左端の輝度をy0、最も低い中央の輝度をy1とする。1ピクセル毎に、隣接するピクセルの輝度が(r×100)%になるとし、このrを減衰率と定義する。
【0052】
すると、前記残された部分の左端では、上部の発光ダイオードR1からの光は100%、下部の発光ダイオードR2からの光は減衰率rのw乗に減衰されて届くことから、上部発光ダイオードR1の初期値U0及び下部発光ダイオードR2の初期値D0は、それぞれ次の式(3)、(4)で表すことができる。
U0=y0/(r+r)……(3)
D0=y0/(r+r)……(4)
また、中央では、上下の発光ダイオードからの光が、いずれもrのw/2乗に減衰して届くことから、次の式(5)、(6)が成立する。
y1=2×U0×rw/2……(5)
y1=2×y0/(r+r)×rw/2……(6)
式(5)、(6)をrについて解けば、減衰率rを求めることができる。rw/2=Xとおくと、
y1×X−2y0×X+y1=0
となり、これより減衰率rは、
【0053】
【数1】

【0054】
となる。
【0055】
特許文献1に記載されているような従来の方法では、遠近2箇所の専用光源と、この光源からの光を検出するフォトセンサを用い、近位側光源からフォトセンサに入射した光の光量をv1とし、遠位側光源からフォトセンサに入射した光の光量をv2とすると、前記組織血液量指標Mを、M=log(v1/v2)により求めている。
ここで、減衰率rの定義は、1ピクセル毎に、隣接するピクセルの輝度が(r×100)%になるということであるので、前記従来法における、近位側光源からフォトセンサまでの距離(ピクセル単位)をLnとし、遠位側光源からフォトセンサまでの距離(ピクセル単位)をLfとすると、遠位側光源については輝度がrのLn乗に減衰し、遠位側光源については輝度がrのLf乗に減衰することになるので、
M=log(C×rLn)/(C×rLf
となり、前記v1、v2に代えて減衰率rを用いて組織血液量指標Mと同等の値が算出できることが分かる。なお、Cは前記近位側又は遠位側光源による初期光量値(組織による減衰のない光量値)である。
【0056】
CPU53aは、ステップS116で算出した血管深さ指標Sに基づいて補正計数fs、ステップS118で算出した組織血液量指標Mに基づいて補正係数fmを導出し、これらを用いて、次の算出式(7)からなる補正ヘモグロビン濃度Doを算出する(ステップS119)。
Do=D×fs×fm……(7)
CPU53aは、ステップS119での算出結果をフレームメモリ53eに記憶し(ステップS120)、主ルーチンに戻る。
【0057】
図18は、複数の被検者のヘモグロビン濃度について、血球計数装置などから得られた実測値と本発明の実施の形態にかかる非侵襲生体計測装置1による算出値とをプロットしたグラフである。図18に示されるように、実測値と非侵襲生体計測装置1からの算出値とが傾き1の直線に近傍に存在しており、実測値と算出値とが乖離していないので、非侵襲生体計測装置1がヘモグロビン濃度を高精度で計測できていることが分かる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の非侵襲生体計測装置の一実施の形態の概略構成を示す図である。
【図2】図1に示される非侵襲生体計測装置の断面説明図である。
【図3】光源部の構成を示す平面図である。
【図4】保持板に設けられた発光ダイオードの位置関係を示す図である。
【図5】測定ユニットの構成を示すブロック図である。
【図6】非侵襲生体計測装置がスタンバイ状態にある場合の画面の一例を示す図である。
【図7】非侵襲生体計測装置が血管位置合わせ時に表示される画面の一例を示す図である。
【図8】非侵襲生体計測装置による測定が終了した場合の画面の一例を示す図である。
【図9】非侵襲生体計測装置による測定動作を示すフローチャートである。
【図10】撮像領域CRを含む長方形の領域を0≦x≦640、0≦y≦480の範囲でx、yの2次元の座標に座標分割した図である。
【図11】所定のy座標におけるx方向の画素の輝度プロファイル(輝度プロファイルPF)の一例を示す図である。
【図12】血管の位置を求める方法を示す説明図である。
【図13】図9に示すフローチャートのステップS11で実行されるヘモグロビン濃度の計測処理の詳細を示すフローチャートである。
【図14】位置Xに対する濃度Dの分布を示す図である。
【図15】位置Xに対する輝度Bの分布を示す図である。
【図16】位置Xに対する濃度Dの分布を示す図である。
【図17】血管像に沿って分布する第2輝度分布の例を示す図である。
【図18】複数の被検者のヘモグロビン濃度について、血球計数装置などから得られた実測値と本発明の実施の形態にかかる非侵襲生体計測装置1による算出値とをプロットしたグラフである。
【符号の説明】
【0059】
1 非侵襲生体計測装置
2 加圧帯
3 装置本体
35 外側ケース
35a ユニット保持部
35c、
35d 突出部
37 裏蓋
37a、
37b 圧縮スプリング
37c 開口部
38 電源/実行キー
39 メニューキー
4 保持具
41 係合部材
41a 係合部
42 支持台
42a 内方突出部
43 リストバンド
5 測定ユニット
51 光源部
51a 保持板
51b 開口部
AZ 軸
AY 第1軸
AX 第2軸
52 撮像部
52a レンズ
52b 鏡筒
52c CCDカメラ
52d 遮光筒
53 制御部
53a CPU
53b メインメモリ
53c フラッシュメモリカードリーダ
53d 光源部入出力インタフェース
53e フレームメモリ
53f 画像入力インタフェース
53g 入力インタフェース
53h 通信インタフェース
53i 画像出力インタフェース
53j フラッシュメモリカード
54 表示部
54a メニュー表示領域
61 血管パターン
62a、
62b 指標線
63c 領域
63、64、
65、66 マーク
R1、R2、
L1、L2発光ダイオード
CR 撮像領域
A、B 領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体を撮像して得られる生体画像中の血管を解析することにより、血液に含まれる成分を計測する非侵襲生体計測装置であって、
前記血管を含む生体を照明する光源部と、
照明された前記生体を撮像する撮像部と、
撮像して得られる生体画像中の血管像に基づいて血液に含まれる成分の濃度を算出し、前記生体画像中の血管周辺組織像に基づいて前記算出された成分濃度を補正する解析部と、
を備えたことを特徴とする非侵襲生体計測装置。
【請求項2】
前記解析部が、前記生体画像中の血管像を横切って分布する第1輝度分布を抽出する第1抽出手段と、当該生体画像中の血管像に沿って分布する第2輝度分布を抽出する第2抽出手段と、前記第1輝度分布に基づいて前記成分濃度を算出する成分濃度算出手段と、前記第2輝度分布に基づいて当該成分濃度を補正する補正手段と、を備える請求項1に記載の非侵襲生体計測装置。
【請求項3】
前記第2抽出手段が、前記生体画像中の血管像から所定の距離にある当該生体画像中の血管周辺組織像に基づいて前記第2輝度分布を抽出するように構成されている請求項2に記載の非侵襲生体計測装置。
【請求項4】
前記補正手段が、前記第2輝度分布に基づいて当該輝度の減衰率を算出し、この算出された減衰率に基づいて前記成分濃度を補正するように構成されている請求項2又は3に記載の非侵襲生体計測装置。
【請求項5】
生体を撮像して得られる生体画像中の血管を解析することにより、血液に含まれる成分を計測する非侵襲生体計測装置であって、
前記血管を含む生体を照明する光源部と、
照明された前記生体を撮像する撮像部と、
撮像して得られる生体画像中の血管像と、当該生体画像中の血管周辺組織像の輝度が減衰する減衰率とに基づいて血液に含まれる成分の濃度を算出する解析部と
を備えたことを特徴とする非侵襲生体計測装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2008−86449(P2008−86449A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−268930(P2006−268930)
【出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【出願人】(390014960)シスメックス株式会社 (810)
【Fターム(参考)】