非平坦部を持つバックプレートを用いた微小電気機械システムを防護する為のシステム及び方法
【課題】MEMSデバイスの実装において、MEMS要素を外力による衝撃から守る様々な特性を盛り込むこと。
【解決手段】開示されているのは、インターフェロメトリックモジュレータ及びデバイスの実装を利用した電子デバイスである。実装されたデバイスは、基板101、該基板101に形成されたインターフェロメトリックモジュレータディスプレイアレイ111及びバックプレート130を、具備する。上記バックプレートは、ディスプレイアレイ111の上に、上記バックプレートと上記ディスプレイアレイとの間のギャップ124を挟んで配置される。上記ギャップの深さは、上記バックプレートの全体に渡って変化する。上記バックプレートは、湾曲され得るか、または上記ディスプレイアレイに対向するその内表面にリセスを有し得る。上記バックプレートの厚さは可変し得る。上記デバイスは、上記バックプレートと一体化された強化構造を含み得る。
【解決手段】開示されているのは、インターフェロメトリックモジュレータ及びデバイスの実装を利用した電子デバイスである。実装されたデバイスは、基板101、該基板101に形成されたインターフェロメトリックモジュレータディスプレイアレイ111及びバックプレート130を、具備する。上記バックプレートは、ディスプレイアレイ111の上に、上記バックプレートと上記ディスプレイアレイとの間のギャップ124を挟んで配置される。上記ギャップの深さは、上記バックプレートの全体に渡って変化する。上記バックプレートは、湾曲され得るか、または上記ディスプレイアレイに対向するその内表面にリセスを有し得る。上記バックプレートの厚さは可変し得る。上記デバイスは、上記バックプレートと一体化された強化構造を含み得る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微小電気機械システム(MEMS)に関し、特にMEMSデバイスの衝撃からの防護に関する。
【背景技術】
【0002】
微小電気機械システム(MEMS)は、微小機械要素、アクチュエータ、及び電子機器を含む。微小機械要素は、基板及び/又は蒸着させた材料層の一部をエッチングによって除去するか又は材料層を追加することによって電気デバイス及び電気機械デバイスを形成する、蒸着、エッチング、及び/又はその他のマイクロ加工プロセスを用いて製造することができる。MEMSデバイスの1つの型はインターフェロメトリックモジュレータと呼ばれている。インターフェロメトリックモジュレータは、一対の伝導性プレートを具備しており、これらのプレートの一方又は両方は、全体又は一部が透明及び/又は反射性であり、適切な電気信号を加えると相対運動をする。一方のプレートは、基板上に蒸着した静止層を具備しており、他方のプレートは、エアギャップによって該静止層から分離された金属膜を具備している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記デバイスは用途が非常に広範囲であり、当業者においては、これらの型のデバイスの特性を利用すること、及び/又は、既存製品の品質を向上させるに当たって及びまだ開発されていない新製品を製造するに当たってこれらの型のデバイスの特長を利用できるようにその特性を改修すること、が有益になる。このようなMEMS技術を利用した商品の設計においては、コスト、信頼性、及び生産性の要望から実装が発展されている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明のシステム、方法、及びデバイスは各々がいくつかの側面を有しており、いずれの単一の側面も、望ましい属性を確保する役割を単独で果たしているわけではない。以下では、本発明の適用範囲を限定することなしに、本発明のより顕著な特長について概説する。当業者は、該説明を検討後に、そして特に「発明を実施するための最良の形態」という題名の部分を読んだ後に、本発明の特長がその他のディスプレイデバイスよりもいかに優れているかを理解することになる。
【0005】
本発明の一側面は、電子デバイスを提供する。該電子デバイスは、表面を有する基板、微小電気機械デバイスのアレイ、及びバックプレートを具備する。上記アレイは、上記基板の上記表面に形成され且つ上記基板に対向しない裏表面を有する。上記バックプレートは、上記アレイの上に配置され且つ内側表面及び外側表面を有する。上記バックプレートの上記内側表面は、上記アレイの上記裏表面と、その間のギャップを挟んで対向している。上記外側表面は、上記基板と対向していない。上記電子デバイスは、更に、バックプレートと一体化した一又はそれ以上の個数の強化構造を具備する。上記強化構造は、バックプレートの剛性を増す。上記電子デバイスにおいては、上記バックプレートの上記内側表面と上記基板の上記表面との間の距離は、上記基板の上記表面に渡って異なる。
【0006】
本発明の他の側面は、電子デバイスを提供する。該電子デバイスは、表面を有する基板、微小電気機械アレイ、及びバックプレートを具備する。上記アレイは、基板表面に形成され且つ上記基板に対向しない裏表面を有する。上記バックプレートは、上記アレイの上に配置され且つ内側表面を有する。該内側表面は、上記アレイの上記裏表面と、その間のギャップを挟んで対向している。上記バックプレートは、そのエッジにより変っている厚さを有する。
【0007】
さらに、本発明の他の側面は、電子デバイスを提供する。該電子デバイスは、基板、インターフェロメトリックモジュレータアレイ、及びバックプレートを具備する。上記アレイは、上記基板に形成され且つ上記基板に対向しない裏表面を有する。上記バックプレートは、当該バックプレートの当該内表面と上記アレイの上記裏表面とのギャップを挟んで、上記アレイの上に形成され且つ上記アレイの上記裏表面に対向している内表面を有する。上記電子デバイスは、更に、上記バックプレートの上記内表面を直接的に上記アレイの上記裏表面に接触させない為の手段を具備する。
【0008】
本発明のその他の側面は、電子デバイスの製造方法を提供する。該方法は、中間体デバイスを供給するステップ、バックプレートを供給するステップ、上記バックプレートを上記中間体デバイス上に配置するステップ、及び上記バックプレートと基板とを結合させるステップを具備する。上記中間体デバイスは、基板、及び該基板上に形成された微小電気機械デバイスを具備する。上記バックプレートは、内表面及び外表面を有する。上記バックプレートは、上記内表面及び上記外表面のうち少なくとも何れか1つ以上に形成された1つまたはそれ以上の個数の補強構造と一体化されている。上記バックプレートの上記内表面が、上記アレイの上記裏表面とその間のギャップを挟んで対向するように、上記バックプレートは上記中間体デバイスアレイの上に配置されている。本発明のさらなる側面は、このような電子デバイスを製造する上述の方法により生産される電子デバイスをも提供する。
【0009】
さらなる本発明の他の側面は、電子デバイスを提供する。該デバイスは、基板、該基板上に形成された微小電気機械デバイスアレイ、及び上記アレイの上に配置されたバックプレートを具備する。上記バックプレートは、内表面及び外表面を有する。上記バックプレートの上記内表面は、上記アレイと、その間のギャップを挟んで対向している。上記外表面は、上記基板には対向していない。上記バックプレートの上記内表面と上記基板との間の距離は、上記基板の全面に渡って変化している。
【0010】
本発明のさらなる側面は、電子デバイスを提供する。該電子デバイスは、光を伝送する為の伝送手段、該伝送手段により伝送された光を変調する為の変調手段、該変調手段をカバーするカバーリング手段を具備し、ここで、上記カバーリング手段は内表面及び外表面を有し、上記内表面は上記伝送手段とその間のギャップを挟んで対向しており、上記外表面は上記伝送手段と対向していなく、そしてここで、上記カバーリング手段における内表面と上記伝送手段との間の距離は、上記伝送手段に渡って変化している。
【0011】
そして、本発明のさらなる側面は、電子デバイスの製造方法を提供する。該方法は、基板及び該基板に形成された微小電気機械デバイスアレイを有する中間体デバイスを供給するステップを具備する。上記方法は、更に、バックプレートと上記アレイとの間のギャップを挟むように、上記中間体デバイスの上記アレイの上に形成する当該バックプレートを形成するステップを具備する。上記バックプレートは、上記アレイに対向する表面を有し、そして、上記内表面と上記基板との間の距離は、上記基板の全面に渡って変化する。本発明のさらなる側面は、このような電子デバイスを製造する上述の方法により生産される電子デバイスをも提供する。
【発明の効果】
【0012】
MEMSデバイスにおける実装は、MEMS要素を外力による衝撃から守る様々な特性を盛り込むことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
様々な強化構造が、MEMSデバイスのバックプレートに形成される。これら強化構造は、上記バックプレートの剛性を増し、それゆえ上記バックプレートが上記MEMS要素や上記デバイスのアレイに対して、接触したり損傷させたりすることを防ぐ。上記強化構造は、上記バックプレートの何れか又は両方の表面において、上記バックプレートと一体化されている。上記バックプレートは、その剛性を改善させたり、当該バックプレートが外力に晒された時におけるMEMSアレイとの接触の可能性を低減させたりするような様々な構造にて形成され得る。上記構造は、曲線状のバックプレート、バックプレートにおける曲線状の表面、一かそれ以上の個数のリセスを有するバックプレート、厚さが可変のバックプレート、等を含む。上記強化構造及び上記の様々な構造は、更に、外力がMEMSデバイスのバックプレートに加えられた時におけるMEMSアレイの損傷をも防ぎ得る。
【0014】
以下に示した詳細な説明は、本発明のいくつかの具体的な実施形態を対象にしたものである。しかしながら、本発明は、数多くの異なった形で具体化することが可能である。本説明では図面を参照しており、同一のものについては図面全体に渡って同一の参照数字を付してある。以下の説明から明らかになるように、本発明は、動画(映像、等)又は静止画(静止画像、等)のいずれであるかにかかわらず、さらに、テキスト又は絵のいずれであるかにかかわらず、画像を表示するように構成されているあらゆる装置において実装することができる。さらに、これよりも重要なことであるが、本発明は、非常に様々な電子機器、例えば、移動電話、無線装置、パーソナルデータアシスタント(PDA)、携帯式コンピュータ、ポータブルコンピュータ、GPS受信装置/ナビゲーター、カメラ、MP3プレーヤー、カムコーダー、ゲームコンソール、腕時計、柱時計、計算器、テレビモニター、フラットパネルディスプレイ、コンピュータモニター、自動車の表示盤(オドメーターの表示盤、等)、コックピットの制御盤及び/又は表示盤、カメラのディスプレイ(車両内のリアビューカメラのディスプレイ、等)、電子写真、電子広告掲示板又は看板、プロジェクター、建築構造物、梱包、美的構造物(宝石上におけるイメージの表示、等)(但し、これらの電子機器に限定するものではない)の内部に又はこれらの電子機器と関連させて実装することができる。さらに、本出願明細書において説明しているMEMSデバイスと同様の構造を有するMEMSデバイスは、電子式開閉装置等の表示以外の用途においても使用することができる。
【0015】
干渉型MEMS表示素子を具備する1つのインターフェロメトリックモジュレータディスプレイの実施形態を図1に例示してある。これらのデバイスにおいて、画素は、明るい状態又は暗い状態のいずれかである。明るい(「オン」又は「開いた」)状態においては、該表示素子は、入射可視光の大部分をユーザーに対して反射させる。暗い(「オフ」又は「閉じた」)状態においては、表示素子は、ユーザーに対して入射可視光をほとんどまったく反射させない。該「オン」状態及び「オフ状態」の光反射特性は反転させることができ、実施形態に依存する。MEMS画素は、白黒に加えてカラーディスプレイを考慮して、主に選択された色において反射するように構成させることができる。
【0016】
図1は、ビジュアルディスプレイの一連の画素内の2個の隣接する画素を描いた等角投影図であり、各画素は、MEMSインターフェロメトリックモジュレータを具備している。いくつかの実施形態においては、インターフェロメトリックモジュレータディスプレイは、これらのインターフェロメトリックモジュレータのロー/コラムアレイを具備している。各インターフェロメトリックモジュレータは、一対の反射層を含んでいる。これらの一対の反射層は、可変でかつ制御可能な距離に互いに配置されており、少なくとも1つの可変寸法を有する共鳴光学空洞を形成している。1つの実施形態においては、該反射層のうちの1つは、2つの位置の間を移動させることができる。第1の位置(本出願明細書では解放状態と呼んでいる)においては、該移動可能な反射層は、固定された部分的反射層から相対的に遠く離れた距離に配置される。第2の位置においては、該移動可能な層は、上記部分的反射層のほうにより近づけて配置される。これらの2つの反射層から反射された入射光は、該移動可能な層の位置に依存して建設的に又は破壊的に干渉し、各画素に関して全体的な反射状態又は非反射状態を作り出す。
【0017】
図1において、画素配列のうちの描いた部分は、2つの隣接するインターフェロメトリックモジュレータ12a及び12bを含んでいる。左側のインターフェロメトリックモジュレータ12aにおいては、移動可能で反射能力が非常に高い層14aが、固定された部分的反射層16aから予め決められた距離にある位置において解放された状態になっている。右側のインターフェロメトリックモジュレータ12bにおいては、移動可能で反射能力が非常に高い層14bが、固定された部分的反射層16bに隣接した位置において作動された状態になっている。
【0018】
上記の固定層16a及び16bは、電導性で、部分的に透明でさらに部分的反射性であり、例えば、各々がクロム及びインジウム−スズ酸化物から成る1つ以上の層を透明な基板20上に蒸着することによって製作する。後述するように、これらの層は、平行なストリップから成るパターンが付けられており、ディスプレイデバイス内においてロー電極を形成している。移動可能層14a及び14bは、ポスト18の頂部に蒸着した(ロー電極16a及び16bと直交の)蒸着金属層の一連の平行ストリップとして及びポスト18間に蒸着した介在犠牲材料として形成することができる。該犠牲材料をエッチングによって取り除くと、変形可能な金属層が定められたエアギャップ19よって固定金属層から分離される。変形可能な層には伝導性が高い反射性材料(アルミニウム、等)を用いることができ、これらのストリップは、ディスプレイデバイス内においてコラム電極を形成する。
【0019】
図1において画素12aによって例示したように、電圧が印加されていない状態では、空洞19は層14a及び16aの間にとどまっており、変形可能層は、機械的に緩和された状態になっている。しかしながら、選択したロー及びコラムに電位差を印加すると、対応する画素におけるロー電極及びコラム電極の交差部において形成されているコンデンサが荷電され、静電力がこれらの電極を引き寄せる。図1内の右側の画素12bによって例示したように、電圧が十分に高い場合は、移動可能層が変形されて固定層に引き寄せられて押し付けられる(本図に示していない誘電材料を固定層に蒸着することによって短絡を防止すること及び分離距離を制御することができる)。この挙動は、印加した電位差の極性にかかわらず同じである。このように、反射性対非反射性画素状態を制御することができるロー/コラム作動は、従来のLCD及びその他の表示技術において用いられている作動と多くの点で類似している。
【0020】
図2乃至図5は、表示用途においてインターフェロメトリックモジュレータアレイを用いるための1つの典型的なプロセス及びシステムを例示した図である。図2は、本発明のいくつかの側面を組み入れることができる電子デバイスの1つの実施形態を例示したシステムブロック図である。この典型的実施形態においては、該電子デバイスはプロセッサ21を含んでおり、該プロセッサ21は、あらゆる汎用の単チップ又は多チップのマイクロプロセッサ(例えば、ARM、Pentium(登録商標)、PentiumII(登録商標)、PentiumIII(登録商標)、PentiumIV(登録商標)、Pentium Pro(登録商標)、8051、MIPS(登録商標)、PowerPC(登録商標)、ALPHA(登録商標)、等)、又は、あらゆる専用マイクロプロセッサ(例えば、デジタル信号プロセッサ、マイクロコントローラ、プログラマブルゲートアレイ、等)にすることができる。当業においては従来の方法であるが、プロセッサ21は、1つ以上のソフトウエアモジュールを実行するように構成することができる。プロセッサ21は、オペレーティングシステムを実行することに加えて、1つ以上のソフトウエアアプリケーション(例えば、ウェブブラウザー、電話に関するアプリケーション、電子メールプログラム、又はその他のあらゆるソフトウエアアプリケーション)を実行するように構成することができる。
【0021】
1つの実施形態においては、プロセッサ21は、アレイコントローラ22と通信するようにも構成されている。1つの実施形態においては、アレイコントローラ22は、画素配列30に信号を供給するロードライバー回路24及びコラムドライバー回路26を含む。図1に示した画素配列の横断面は、図2では線1−1によって示してある。MEMSインターフェロメトリックモジュレータにおいては、ロー/コラム作動プロトコルは、図3に示したこれらのデバイスのヒステリシス特性を利用することができる。例えば、移動可能層を解放状態から作動状態に変形させるためには10Vの電位差が必要である。しかしながら、同値から電圧を減じたときには、移動可能層は、電圧が低下して再び10Vよりも低くなったとしてもその状態を維持する。図3に示した典型的実施形態においては、移動可能層は、電圧が2Vよりも低くなるまで完全には解放されない。このため、図3に示した例においては、約3乃至7Vの電圧範囲が存在しており、デバイスが解放された状態又は作動された状態において安定している印加電圧のウインドーが存在している。本出願明細書では、このウインドーを「ヒステリシスウインドー」又は「安定ウインドー」と呼んでいる。図3に示したヒステリシス特性を有する表示配列の場合は、ローストローブ中に、ストローブされたロー内の作動対象画素が約10Vの電圧差にさらされ、さらに、解放対象画素が約ゼロVの電圧差にさらされることになるようにロー/コラム作動プロトコルを設計することができる。ストローブ後は、画素は、約5Vの定常状態電圧差にさらされ、このため、ローストローブによって置かれたあらゆる状態にとどまる。本例においては、各画素は、書かれた後には、3乃至7Vの「安定ウインドー」内において電位差にさらされる。この特長は、図1に示した画素設計を、先在する作動状態又は解放状態のいずれであるかにかかわらず同じ印加電圧状態の下で安定させることになる。インターフェロメトリックモジュレータの各画素は、作動状態又は解放状態のいずれであるかにかかわらず、本質的には、固定反射層および移動可能反射層によって形成されたコンデンサであるため、この安定状態は、電力散逸がほとんどゼロの状態でヒステレシスウインドー内のある1つの電圧において保持することができる。本質的に、印加電位が固定されている場合は、画素内には電流は流れ込まない。
【0022】
典型的な用途においては、第1のロー内の希望する作動画素の集合に従ってコラム電極の集合をアクティブな状態にすることによって表示フレームを作る。次に、ローパルスをロー1電極に加え、アクティブな状態にされたコラムラインに対応する画素を作動させる。次に、アクティブな状態にされたコラム電極の集合を変更し、第2ロー内の希望する作動画素の集合に対応させる。次に、ロー2電極にパルスを加え、アクティブな状態にされたコラム電極に従ってロー2内の該当画素を作動させる。この際、ロー1の画素は、ロー2のパルスによる影響を受けず、ロー1のパルス中に設定された状態にとどまる。このプロセスを一連のロー全体に関して逐次的に繰り返すことによって表示フレームを生成する。一般的には、これらの表示フレームは、1秒当たりの希望する何らかのフレーム数の時点において、該プロセスを連続的に繰り返すことによって一新されるか及び/又は新しい表示データによって更新される。画素配列のロー電極及びコラム電極を駆動して表示フレームを生成するためのプロトコルは非常に様々であることが良く知られており、これらのプロトコルを本発明と関連させて使用することができる。
【0023】
図4及び図5は、図2の3×3の配列上において表示フレームを作るための1つの可能な作動プロトコルを例示した図である。図4は、図3のヒステリシス曲線を示している画素に関して使用することができる一組のロー/コラム電圧レベルを示した図である。図4の実施形態において、画素を作動させることは、該当するコラムを−Vbiasに設定すること及び該当するローを+ΔVに設定することが関わっており、これらの電圧は、−5V及び+5Vにそれぞれ該当する。画素の解放は、該当するコラムを+Vbiasに設定してさらに該当するローを同じ+ΔVに設定し、該画素においてゼロボルトの電位差を作り出すことによって達成させる。ロー電圧がゼロボルトに保持されているローにおいては、画素は、コラムが+Vbias又は−Vbiasのいずれであるかにかかわらず、最初に置かれていた状態において安定している。
【0024】
図5Bは、図2の3×3の配列に加えた一連のロー信号及びコラム信号を示したタイミング図であり、結果的には、図5Aに示した表示配置になる(同図における作動画素は非反射性である)。図5Aに示したフレームを書く前においては、画素はあらゆる状態になることが可能であり、本例では、すべてのローが0V、すべてのコラムが+5Vである。これらの電圧を印加した状態では、すべての画素は、印加以前における作動状態又は解放状態で安定している。
【0025】
図5Aのフレームにおいては、画素(1、1)、(1、2)、(2、2)、(3、2)及び(3、3)を作動させる。該作動させるためには、ロー1に関する「ラインタイム」中に、コラム1及び2を−5Vに設定し、コラム3を+5Vに設定する。この場合、すべての画素が3V乃至7Vの安定ウインドー内にとどまっているためいずれの画素の状態も変化しない。次に、パルスを用いてロー1をストローブし、0から最高5Vまで上昇させて0に戻る。この動作は、画素(1、1)及び(1、2)を作動させ、画素(1、3)を解放する。画素配列内のその他の画素は影響を受けない。ロー2を希望どおりに設定するためには、コラム2を−5Vに設定し、コラム1及び3を+5Vに設定する。これで、ロー2に加えられた同じストローブが、画素(2、2)を作動させ、画素(2,1)及び(2、3)を解放する。この場合も、画素配列内のその他の画素は影響を受けない。同様に、コラム2及び3を−5Vに設定し、コラム1を+5Vに設定することによってロー3を設定する。ロー3のストローブは、ロー3の画素を図5Aに示したように設定する。表示フレームを書いた後は、ロー電位はゼロであり、コラム電位は、+5V又は−5Vのいずれかにとどまることができ、従って、図5Aに示した配置において表示が安定する。この手順は、何十ものローとコラムの配列さらには何百ものローとコラムの配列に関しても採用できるという点が高く評価されることになる。さらに、ロー及びコラムの作動を実施するために用いるタイミング、順序、及び電圧レベルは、上述した一般原理内において大きく変化させることが可能である点、及び、上例は典型的な例であるにすぎず、本発明の適用範囲内においてあらゆる作動電圧方法を用いることができる点、も高く評価されることになる。
【0026】
上記の原理に従って動作するインターフェロメトリックモジュレータの構造の細部は、大きく変更することができる。例えば、図6A乃至図6Cは、移動式鏡構造物の3つの異なった実施形態を示した図である。図6Aは、図1の実施形態の横断面であり、直交的に延びている支持物18の上に細長い金属材料14が蒸着されている。図6Bにおいては、移動可能な反射材料14が、支持物の角のみに取り付けられている(テザー32の上)。図6Cにおいては、移動可能な反射材料14は、変形可能な層34から吊り下げられている。この実施形態においては、反射材料14に関して用いられる構造設計および材料を光学的性質に関して最適化することができ、さらに、変形可能層34に関して用いられる構造設計および材料を希望する機械的性質に関して最適化することができるためいくつかの利点を有している。尚、様々な出版物(例えば、U.S.Published Application 2004/0051929、等)において様々な型の干渉型デバイスの生産に関する説明が行われている。さらに、材料蒸着、パターニング、及びエッチングの一連の手順が関わる上記の構造物は、非常に様々な良く知られた技術を用いて生成することができる。
【0027】
図7は、基板101に形成されたMEMSアレイ111の実施形態を示している。該MEMSアレイ111は、上記基板101上に配列された多数のMEMS要素を具備する。MEMS要素103,105,107はそれぞれ、インターフェロメトリックモジュレータ12aまたは12bに対応している。図示されている実施形態においては、上記MEMS要素は、実質的には規則正しく配列されている。点線は、上記MEMS要素の配列を表している。一実施形態においては、上記アレイ111中の全てのMEMS要素は、異なるサイズを採る。上記MEMSアレイ111の拡大部分に示されているように、例えば、上記要素107が近傍の6つのポスト18により囲まれている一方、上記要素103及び105は、近傍の4つのポスト18により囲まれている。図示されている実施形態においては、上記ポスト18は実質的に等間隔にて規則的に配列されているが、上記ポスト18の配置及び上記の近傍のポスト18間の間隔に関しては、その他のバリエーションも考えられ得る。
【0028】
上記MEMSアレイ111及びMEMS要素103,105,107は、頑強な構造を形成する。例えば、図1,図6A,図6B及び図6Cに細いコラムとして示されているが、上記ポスト18,18’、18”は、上記空洞19の奥行き(垂直距離)及び幅(水平距離)に比べて、図示されているよりも幅広く構成され得る。したがって、上記MEMS要素の部材14(図6A及び6B)及び部材34(図6C)に上方から加えられる力または圧力は、そのような力または圧力が、単一のMEMS要素またはその一部分に集中して加えられない限り、上記部材14及び部材36を容易に破壊することはできない。それにも関わらず、この頑強に構成されたMEMSアレイ111及び個々のMEMS要素は、いまだそこに加えられ得る幾分強い力には影響されやすい。そこで、MEMS要素のアレイを具備するMEMSデバイスの実装においては、上記MEMS要素及びMEMSアレイの上記構成及び完全性を防護する機能が与えられている。
【0029】
図8は、MEMSデバイス100の典型的な実装構造を示している。図7に示されているように、MEMSアレイ111は、上記基板101の上に形成されている。上記MEMSアレイ111の働きにより、上記基板101の底表面109にイメージまたはインフォメーションが表示され得る。バックプレート121は、上記MEMSアレイ111のトップ表面に直接触れることなく且つ上に配置され、その周辺付近にまで拡張されてシーリングまたはボンディングの材料123により支持されている。上記シーリングまたはボンディングの材料123は、上記バックプレート121と上記基板101とを結合する。
【0030】
上記シーリング123は、例えばエポキシをベースにした接着剤といったような材料からなる従来の非密封シールである。その他の実施形態においては、上記シーリング材料は、ポリイソブチレン(ブチルラバーやPIBと呼称されることもある)、オーリング、ポリウレタン、薄膜金属ウェルド、リキッドスピンオングラス、半田、ポリマー、またはプラスチック、水蒸気の透過性の範囲が一日当たり0.2−4.7g mm/m2kPa(0.2−4.7g mm/m2kPa day)程度であるその他のシールであり得る。さらに他の実施形態においては、上記シーリング123は、密封シールであり得る。
【0031】
いくつかの実施形態では、実装されたMEMSデバイス100は、空洞124内にて湿度を減少させるよう構成された乾燥剤(不図示)を含む。当業者は、密閉実装に乾燥剤が不要たり得ることを高く評価する一方、該実装中の湿度を制御することを望むだろう。一実施形態においては、上記乾燥剤は、上記MEMSアレイ111と上記バックプレート121との間に配置される。乾燥剤は、密閉実装または非密閉実装においても使用され得る。密封実装においては、該実装の内側の湿度をコントロールする為に、乾燥剤は通常使用される。非密封実装においては、周囲から侵入してくる湿気をコントロールする為に、乾燥剤は通常使用される。一般的に、インターフェロメトリックモジュレータアレイの光学的特性に干渉することなく湿気を捕捉するあらゆる物質が、乾燥剤として使用される。適切な乾燥剤材料は、以下のものに限られることはないが、ゼオライト、モレキュラーシーブ、表面吸着剤、バルク吸着剤、化学反応物質を含む。
【0032】
乾燥剤は、異なる形状、型材、サイズであり得る。乾燥剤は、固体形状に加えて、代替的には粉末形状もとり得る。このような粉末は、実装に直接入れられるか、接着材に添加され得る。代替実施形態においては、乾燥剤は、実装内に加えられる前に、例えばシリンダー状やシート状の異なる形状に形成され得る。
【0033】
当業者は、乾燥剤は様々な方法で利用され得るということを理解しているだろう。一つの実施形態においては、乾燥剤は、上記MEMSアレイ111の一部として配置される。他の実施形態において、乾燥剤は、噴霧や浸漬被覆として実装100内に加えられる。
【0034】
上記基板101は、その上にMEMSデバイスを形成できる薄膜を具備し得る半透明または透明な基板である。そのような透明な物質は、以下のものに限定されることはないが、ガラス、プラスチック、そして透明なポリマーを含む。上記MEMSアレイ111は、膜モジュレータまたは分離し得るタイプのモジュレータを具備し得る。高度な熟練工は、バックプレート121が例えばガラス、金属、フォイル、ポリマー、プラスチック、セラミック、または半導体材料(例えばシリコン)のような適切な材料から形成され得ることを高く評価するだろう。
【0035】
実装プロセスは、真空下、真空と大気圧の間、または大気圧よりも高い圧力下において遂行され得る。実装プロセスはシーリングプロセス中において可変制御された高圧または低圧の環境下においてもまた遂行され得る。完全に乾燥した環境下であれば、上記MEMSアレイ111の実装において利点はあり得るが、その必要はない。同様に、実装環境は周囲条件における不活性ガスからなり得る。デバイスの働きに影響を与えることなく周囲条件のもとで輸送され得ることから、周囲条件における実装は、低コストプロセス及び装置選択における汎用性の可能性拡大を可能にさせる。
【0036】
一般的に、実装構造への水蒸気の浸透を最小限に抑えること、上記MEMSデバイス100内の環境の制御をすること、及び該環境を一定に保つことを確かにする為にそれを密閉させることが望まれる。インターフェロメトリックモジュレータ10内の移動可能要素(不図示)の復元力よりも高くなる水分の表面張力を超えるレベルを、実装内の湿度が超過したとき、該移動可能要素はその表面に永久に張り付いてしまう。もし湿度が低すぎるレベルであったら、該要素がコーティング加工された表面と接触したとき、水分は移動可能要素と同じ極性まで充電する。
【0037】
上述したように、乾燥剤は、上記MEMSデバイス100内の湿度をコントロールする為に使用される。しかしながら、乾燥剤の必要性は、水分を雰囲気中から上記MEMSデバイス100の内部への侵入を防ぐ為の密閉シールの実施により低減または除去し得る。
【0038】
上記MEMS100内における乾燥剤を配置できるエリアは小さいので、続けられているディスプレイデバイスの小面積化は、上記MEMSデバイス100内の環境を管理する為の利用可能な方法を制限している。乾燥剤の必要性の除去は、上記MEMSデバイス100の薄型化をも可能とし、それはいくつかの実施形態において望まれていることでもある。一般的には、乾燥剤を含む実装においては、実装デバイスの期待できるライフタイムは、乾燥剤のライフタイムに依存し得る。乾燥剤が完全に消費されたとき、充分な湿気が実装構造に入って、インターフェロメトリックモジュレータアレイに損傷を与えるので、インターフェロメトリックモジュレータデバイスは機能しなくなる。
【0039】
図9は、バックプレート121がそのエッジ部に沿ったリップのような突起部125を有するMEMSデバイス100にて使用されている実装の他の実施形態を示している。該突起部125は、ボンディング材料123により基板101に接続されている。バックプレート121におけるこの突起部を利用することで、シーリングまたはボンディング材料123の必要な厚さを減少させることなく、望まれるスペースまたはバックプレート121と上記MEMSアレイ111との間のギャップ124を生み出す。図示された上記のリップ突起部125を有するバックプレート121は、モールディングまたはフォーミングにより生産され得る。あるいは、上記のリップ突起部125を形成する構造は、実質的にはそのエッジ部におけるフラットパネル(不図示)に付随し、その結果図9に示されている上記バックプレート121の構成を生みだす。さらなる代替案は、上記のリップ突起部125を有する上記バックプレート121が、フラットパネルの表面のリセスを作ることでも形成され得ることであり、ここで、その表面の中央エリアは切り出され、それにより、そのエッジ部における上記の突起部125を形成するフラットバックプレート121中で、複数のリセスを作ることができる。これは、後に詳述するように、リブを作ったりまたはバックプレート(図16乃至図24)の構造を強化したりという効果を有する。ここで、上記のリブ及び強化構造は、バックプレート121の本来の材料をいくつかの領域におき、他の場所にリセスを形成することで、形成され得る。
【0040】
上記バックプレート121は、上記MEMSアレイ111と上記バックプレート121との間のギャップ124を有する上記MEMSデバイス100に、組み入れられるのが好ましい。しかしながら、ギャップ無しの構造(不図示)も可能である。上記ギャップ124は、上記バックプレート121へ加えられる外力による上記MEMSアレイ111のダメージに対する防護を提供し得る。図10に示すように、上記バックプレート121は、上記MEMSアレイ111との接触は無いか、または取るに足らないわずかな接触だけで、例えば上記ギャップ124内のたわみによって印加されるような力を吸収する。それ故、外力は、上記MEMSアレイ111に転移し得ることは無いか、またはほんのわずかな力のみが、上記MEMSアレイ111に掛かる。上記ギャップ124が大きければ大きい程、上記MEMSアレイ111の防護はより良くなる。上記ギャップ124のサイズは、シーリングまたはボンディング材料123の厚さまたは高さを調整することでコントロールし得る。さらにまた、上記ギャップ124のサイズは、上記リップ突起部125の厚さ及び/または上述したリセスの深さを調節することでコントロールし得る。
【0041】
上述したように、上記ギャップ124は、上記MEMSデバイス100を防護するが、上記MEMSデバイス100の全体の厚さが増加する結果になるので、大きなギャップとなることが常に望まれるわけではない。さらには、大きなディスプレイエリアを有するMEMSディスプレイデバイスにおいては、上記MEMSアレイ111と上記バックプレート121との間のギャップ124を形成することは、上記MEMS111を損傷から効果的には防護しない。図11に示すように、バックプレート201の中央エリア126は、特に大きなディスプレイエリアを有するディスプレイにおいては、上記基板101と上記バックプレート201との間の距離を維持するシーリング/ボンディング材料123から隔たっており、それ故、上記ギャップ124のサイズが維持される。図8乃至図10に示す実装構造において、上記バックプレート121(図11)の上記中央エリア126内の上記ギャップ124のサイズを維持する為の構造上のサポートは無い。それ故、上記中央エリア126に加わる外力は、上記シーリング/ボンディング材料123に近いエリアよりは、上記MEMSアレイ111に転移する。
【0042】
図12は、湾曲したバックプレート121aを有するMEMSデバイス100のその他の実施形態を示す。図示された実施形態において、湾曲したバックプレート121aは、上記MEMSアレイ111に対して、カバーし且つ湾曲により距離を置く。それ故、上記湾曲したバックプレート121aは、上記MEMSアレイ111をカバーする一つの手段を提供する。詳しくは後述するように、上記湾曲の構造は、上記MEMSアレイ111と上記バックプレート121aとの間のより大きなギャップ124を、特に上記バックプレート121aの上記中央エリア126(図11)中に、提供する。さらには、上記湾曲の構造は、上記バックプレート121aの剛性を増す。この増した剛性は、同様の厚さのフラットプレートに比べて、所定の負荷に対してのたわみを減少させる結果となる。
【0043】
図12に示した実施形態によれば、上記ギャップ124の深さは、図8に示すギャップ124に示されたMEMSデバイスのそれよりも大きくなり得る。上記ギャップ124の深さという語は、上記MEMSアレイ111のトップ表面と上記バックプレート121aの内表面との距離を意味する。上記バックプレート121aにおける上記の湾曲構造は、上記バックプレート121aへの外力印加時に、あまりたわまない。より大きなギャップ深さ及び上記バックプレート12aの増した剛性によれば、この実施形態における上記MEMSアレイ111は、図8におけるフラットバックプレート実施形態の場合よりも、上記バックプレート121aに加えられた外力による、接触及び損傷の影響を受けにくい。それ故、上記の湾曲した構造は、バックプレートが直接上記MEMSアレイ111に接触するのを防ぐ一つの手段、またそのような接触の可能性を減少させるまたは最小限に抑える一つの手段を提供する。
【0044】
その上、上記バックプレート121aの湾曲した構造においては、上記ギャップ124の深さは、上記バックプレートにおけるどのエリアよりも上記中央エリアにおいて、より大きい。したがって、大きなディスプレイにおいてさえも、上記中央エリア126に加えられた外力は、その他のエリア130に加えられた力よりも、必ずしもより容易には上記MEMSアレイ111に転移しない。それ故、上記バックプレート121aの上記中央エリア126に対応する上記MEMSアレイ111のエリアは、図8におけるフラットバックプレート121の実施形態の場合よりも、外力や圧力による損傷からより良く防護される。
【0045】
図13Aには、上記湾曲したバックプレート121aの斜視図が示されている。図示されている実施形態において、上記バックプレート121aは、エッジ133に沿ってのみ弓なりになっているが、エッジ135に沿ってもまた弓なりであり得る。上記バックプレート121aが、上記エッジ133及び135の双方に沿って弓なりである実施形態において、上記エッジ133及び135の湾曲の半径は、同じ値であり得る。したがって、上記バックプレート121aは、本質的には、球形シェルのフラグメントである。他の実施形態においては、上記エッジ133及び135の湾曲の半径は、互いに異なる値であり得る。
【0046】
本発明の実施形態においては、上記バックプレート121aは、上記湾曲の半径(R)は、一定の値または上記バックプレート121aの湾曲により異なる。他の実施形態においては、上記湾曲したバックプレート121aは、平坦部を含み得る。上記湾曲の半径(R)は、変数であれ定数であれ、例えば50mm程度から5000mm程度である。上記湾曲の半径は、100mm程度から700mm程度の間で選択されるのが好ましい。上記バックプレート121aの厚さは、これらに限定されるわけではないが0.1mm程度から5.0mm程度である。上記厚さは、0.4mm程度から1.5mm程度であるのが好ましい。当業者は、上記バックプレート121aに使用される物質の特性を鑑みて、記載されている厚さのレンジ内で適当な厚さに調節し得る。
【0047】
上記湾曲したバックプレート121aは、様々な物質から構成され得る。例えば、上記バックプレート121aに使用する物質としては、ステンレス合金鋼を含む合金鋼、金属、合金、ガラス、ポリマー、金属酸化物や酸化物半導体材料、セラミックス等である。好ましくは、これらの物質は、上記MEMSアレイ111が形成されている上記基板101の熱膨張率と調和のとれる熱膨張率を有するかという観点から選ばれる。このような物質の例としては、主要なアロイ要素として、Ni及びCoを含む鉄合金であるKOVAR(登録商標)合金を含む。
【0048】
上記湾曲したバックプレート121aは、様々な方法で生産され得る。一つの実施形態においては、例えば、実質的に平坦なシートは、上記湾曲したバックプレート121aを生産する為に、反りやすいし、圧力を受けやすい。上記の実質的に平坦なシートは、形作りやすいし、延伸しやすい。図13B及び図13Cに図示されている他の実施形態においては、例えば二つの異なる材料から成る二つの層137及び139を有している、実質的に平坦なパネル136、は熱しやすい。上記の二つの層137及び139を構成する二つの材料は異なる熱反応、例えば異なる熱膨張率または熱収縮率を有する。フラットパネル136に熱を加えることは、上記の層137及び139の材料の異なる熱反応に起因して湾曲構造を生み出す。他の実施形態においては、上記フラットパネル136は、二つ以上の層を含み得る。
【0049】
いくつかの実施形態においては、上記バックプレート121aの形成は、上記MEMSデバイス100の組み立てプロセスにおいて生産され得る。一つの実施形態においては、基板101、フラットパネル136、及び周囲シーリング123に使用される熱硬化材料は、図8または図9に図示されているように構成される。これは、組み立てプロセスにおける装置100の中間体構成である。熱硬化材料を硬化させる為に、この中間生産物に熱が加えられたとき、上記フラットパネル136は、上記の層137及び139の材料の異なる熱反応に起因して湾曲構造を生み出す(図13B及び図13C)。このプロセスにおいて、湾曲は、当該構造がシール123が硬化させられたと同時に製造され、硬化させられたシール123により、上記バックプレート123及び基板101が堅固に一体化されている為、当該構造が常温にまで冷却させられた後でさえも湾曲は維持される。
【0050】
他の実施形態においては、上記バックプレート121aは、異なる熱膨張率である二つ以上の層を有する上記フラットパネル136に反して、単一の熱膨張率を有する実質的に平坦なパネルを使用することで弓なり構造に形成され得る。バックプレート材料の単一の熱膨張率は、上記基板101のそれとは異なる。バックプレート材料の熱膨張率は、上記基板101のそれよりも小さいことが好ましい。上述した実施形態のように、組み立てプロセスにおける中間体構造は、熱硬化材料であるシーリング123がまた硬化していない場合を除いて、図8または図9に図示されているとおりである。このデバイスは、熱硬化材料における硬化温度以下にて、徐々に温度が上げられていき、これにより、バックプレート121a及び基板101の材料が、シーリング材料に強固にボンディングされることなく膨張する。そして、周囲温度は、硬化温度まで上昇し、それ故シーリング材料は硬化し、上記基板101、シーリング材料123、及び上記バックプレート121aのフラットパネルは強固に一体化される。この一体化されたデバイスは、常温まで冷却される。熱膨張率の違いにより、上記バックプレート(フラットパネル)の材料は上記基板101よりも縮む。上記基板101及び上記フラットパネルは強固に一体化されている為、上記基板101における大きな縮みは、上記フラットパネルにおいてストレスを生み、このことは、図12に示すように、上記フラットパネルを湾曲構造へ変形させる。
【0051】
さらに他の実施形態においては、組み立てプロセスでの中間体デバイスは、図8及び図9に示すように構成され、同図においては、中間体デバイスにおける上記シーリング123は、実質的には該デバイスの周囲をシールするUV光硬化材料であるが、まだ完全には硬化されていない。該デバイスはチャンバー内に配置され、該チャンバー内は、上記中間体デバイスの内部の圧力よりもより低い圧力になりやすい。上記のUV光硬化材料は、実質的に上記デバイスの周囲をシールするものであるから、上記デバイスの外の圧力は、実質的には上記デバイスの中の圧力に影響を及ぼすものではない。上記デバイスにおける内部に比べてより低い外部の圧力は、上記フラットパネル(図8または図9)が弓なりになる、または湾曲することを表面に引き起こす。それ故、上記UV光硬化材料は、そこへのUV光の照射で完全に硬化され、上記バックプレートの湾曲が固定される。通常技術を有する当業者は、利用可能な上記バックプレート121aの適切な製造方法を評価するだろう。
【0052】
図14及び図15は、本発明に基づいた上記バックプレート121bの他の実施形態を示している。この実施形態において、上記バックプレート121bは、エッジ133に沿って厚さが変っている。可変厚さを有する上記バックプレート121bは、上記MEMSアレイ111をカバーリングする一つの手段を提供する。中間エリアにおける厚さは、上記エッジ133に沿った上記中間エリアの両サイドにおける厚さよりも厚みがある。図示された実施形態においては、上記MEMSアレイ111に対向している内側表面129は、反対に上記バックプレート121bの外部表面130が隆起している一方、実質的に平坦な構造に形成される。上記バックプレート121bの厚さは、上記エッジ133の一端から徐々に増していき、上記エッジ133の他端へ向かって徐々に減少していく。上記バックプレート121bの厚さは、0.1mm程度から5mm程度の範囲が好ましく、より好ましくは、0.4mm程度から1.5mm程度の範囲である。上記エッジ(最も薄い部分)に沿った上記バックプレート121bの二つの終端は、0.1mm程度から3.0mm程度の厚さであることが好ましく、より好ましくは、0.2mm程度から1.5mm程度である。上記バックプレート121bのセンター(最も厚い部分)は、0.4mm程度から5mm程度の厚さであることが好ましく、より好ましくは0.4mm程度から3mm程度である。上記バックプレート121bの厚さ及びそのエリアは、上述した範囲に限定されることはない。当業者は、上記バックプレート121bの適切な厚さ、及び上記バックプレート121bの材料の特性に鑑みてそのエリアを設計することができるだろう。
【0053】
図14及び図15に示すバックプレート121bは、様々な材料で製造されている。図12におけるバックプレート121aの製造に用いられる材料は、上記バックプレート121bの製造にも利用され得る。上記バックプレート121bは、様々な方法により製造され得る。一つの実施形態においては、例えば、図8に示されているような実質的に平坦なパネルは、図14及び図15に示すような構造を得る為に機械加工される。その他の実施形態においては、図14及び図15に示す上記バックプレート121bは、モールディングにより製造される。通常技術を有する当業者は、上記バックプレート121bに用いる材料の選択においてバックプレート121bを製造する適切な方法が利用できることを高く評価するだろう。
【0054】
図14及び図15の実施形態においては、ギャップ124の深さは、もし他の条件が全て同じであれば、図8の実施形態におけるそれと、およそ同じである。また、上記バックプレート121bの中央エリアにおける上記ギャップ124の深さは、上記バックプレート121bのその他のエリアにおけるそれと、およそ同じである。しかしながら、より厚い中央エリアの構造は、特に中央エリアにおける上記バックプレート121bの剛性を増す。エッジ133に沿った上記中央エリアの増加した剛性により、上記バックプレート121bは、特に上記の中央エリア126において、図8に示す実施形態よりも、外側から加えられる外力や圧力の影響を受けにくい。したがって、上記の可変厚さ構造は、上記バックプレートが上記MEMSアレイ111に直接接触することを防ぐ一つの手段を提供し、さらにまた、そのような接触の可能性の軽減または最小限にする一つの手段を提供する。いくつかの実施形態(不図示)においては、上記バックプレート121bの厚さは、直線的に、または段階的に変化し得る。他の実施形態(不図示)においては、上記バックプレートの厚さは、他のエッジ135に沿って変化し、そこでは厚さは徐々にまたは段階的に変化し得る。さらに他の実施形態(不図示)においては、外表面130が実質的に平坦を維持する一方、内表面129は上記MEMSアレイ111に向かって隆起する。また、その他の実施形態(不図示)では、上記内表面129及び外表面130の双方共、互いに離れるように湾曲させられる。そのような実施形態の一つでは、上記内表面と外表面との最大距離は、上記バックプレートの中央に存在する。さらに他の実施形態では、上記バックプレートの厚さが、上記エッジ133に沿って、または上記エッジ133及び135の双方に沿って変化する一方、上記内表面129及び外表面130の双方共が、図12の実施形態のように湾曲させられる。
【0055】
いくつかの実施形態において、図15に示す上記バックプレート121bは、内表面129(不図示)に形成された、一又はそれ以上のリセスを有する。一又はそれ以上のリセスを有する上記バックプレートは、上記MEMSアレイ111をカバーリングする手段を提供する。また、一又はそれ以上のリセスは、上記バックプレート111が直接上記MEMSアレイに接触するのを防ぐ手段や、そのような接触の可能性の減少または最小限化を行なう手段を提供する。例えば、一又はそれ以上のリセスは、上記バックプレート121bの中央エリアに形成され得る。そのような構造においては、上記中央エリア126における上記ギャップ124の深さは、その他のエリアにおけるそれよりも、より深い。一つの実施形態においては、一又はそれ以上のリセスは、乾燥を保持することを促進させる為に構成される。他の実施形態においては、複数のリセスは、図16乃至図26を参照して詳しく後述するように、複数のリセスの隔壁が構造やリブを強化する働きをし、それが上記バックプレートの剛性を増すように形成される。一又はそれ以上のリセスは、リセスを有しない上記バックプレート121bのいくつかの物質を除去することで形成され得る。
【0056】
図16乃至図26は、上記MEMSアレイ111の実装において、121c,121d,121e,121f,121g,121h,そして121iとして識別される上記バックプレートの更なる模範的な実施形態を示している。上記バックプレート121c,121d,121e,及び121f(図16乃至図23)は,図12の上記バックプレート121aの強化された形状である。上記バックプレート121aのバリエーションの全ては、図16乃至図23を参照して述べたのと同様の方法により、さらに強化されている。そして、上記バックプレート121b(図14及び図15)及びそのバリエーションもまた、同じような方法により強化され得る。さらに、その全ての特性及びバリエーションは、図9の実施形態を参照して述べた上記リップ突起部の特性と組み合わされ得る。強化構造を採るこれらバックプレートは、上記MEMSアレイ111をカバーリングする一つの手段を提供する。また、詳細は後述するが、強化構造は、バックプレートが上記MEMSアレイ111に接触するのを防ぐ一つの手段や、そのような接触の可能性の減少や最小限化する一つの手段を提供する。
【0057】
図16乃至図23に示すように、上記バックプレート121c,121d,121e,及び121fは、その内表面に形成された強化構造即ちリブ127a,127b及び/または127cを有する。図16及び図17の実施形態においては、強化構造やリブ127a及び127bは、それぞれ、上記バックプレート121cのエッジ133及び135に実質的に平行に伸びる。図17A及び図17Bに示すように、強化構造127a及び127bは、バックプレート121cの中央付近にて互いに交差する。図17Aに示すように、強化構造127a及び127bは、上記バックプレート121cの一部分内のみで延長する。代替的には、図17Bに示すように、強化構造127a及び127bは、上記バックプレート121cの一エッジから反対のエッジにまで延長し得る。リップ突起部125(図9参照)が存在する実施形態において、上記強化構造127a及び127bは、上記バックプレート121cの二つの相対するエッジに沿って配置された突起部125の所定部分に結合し得る。図17Cに示すように、複数の強化構造127a及び127bは、互いに交差し、グリッド構造を形成する。いくつかの強化構造は、上記バックプレート121cの一エッジから反対のエッジにまで延長し得り、一方、他の強化構造はそうし得ない。上記強化構造127a及び127bの個数及び密集度は、他の設計要素に依存し、変化し且つ調整し得る。
【0058】
図18及び図19の実施形態においては、強化構造即ちリブ127a及び127bもまた、上記バックプレート121dの中央付近にて互いに交差する。しかしながら、強化構造127a及び127bは、その平面図(図19)においては、実質的には上記バックプレート121dの対角線方向に延長する。図示はされていないが、バックプレート121dの対角線方向への強化構造は、例えばそのエッジへの延長及び図17B及び図17Cに示されるグリッド構造のようなバリエーションを持ち得る。類似のバリエーションは、上述したようなまたは後述するような強化構造の他の実施形態に適用し得る。
【0059】
上記バックプレート121c及び121d(図16乃至図19)において、上記MEMSアレイ111に対向する上記強化構造127a(または127a及び127bの双方共)は、実質的に平坦である。それ故、上記強化構造127a(または127a及び127bの双方共)の厚さは、上記バックプレート121c及び121dの内表面129が湾曲させられるにしたがって、変化する。特に、強化構造127a及び127bの厚さは、上記バックプレート121c及び121dの中央エリアにおいて、その周辺エリアよりも厚くなる。他の実施形態においては、上記強化構造127a及び/または127bの厚さは、バックプレートの内表面の湾曲に関わりなく変化し得る。その他の実施形態においては、上記厚さは、上記強化構造127a及び/または127bの全体に渡って実質的に一定である。
【0060】
図20及び図21に示すバックプレート121eにおいて、更なる強化構造127cが、上記バックプレート121d(図19)の構造に加えられている。この加えられた強化構造127cは、全体として他の強化構造127a及び127bと結合している同心円である。上記強化構造127cは、全体として上記バックプレート121eの中央エリアに形成される。他の構造127a及び127bと結合している上記強化構造127cは、同心円以外にも、ネットワーキングメッシュ構造(不図示)を含むあらゆる形状を採ることができる。上記の結合強化構造127cは、バックプレート121c及びバックプレート121d(図17及び18)の構造に加えられ得る。
【0061】
図22及び図23に示す上記バックプレート121fにおいては、突起部即ちスペーサ131が、バックプレート121c(図17)または121d(図18)の構成の強化構造127a及び127bに形成される。上記突起部即ちスペーサ131は、これらがなければ、上記MEMSアレイ111の小さなフォーカスエリアに加わり得る力を、複数の位置へ分散させ、それ故上記MEMSアレイ111へのそのような力の衝撃を軽減させ得る。図示された実施形態において、上記突起部即ちスペーサ131は、一般的且つ恒常的に、上記強化構造127a及び127bの表面の全体に渡って提供される。上記突起部即ちスペーサ131は、所定のエリアにて種々の密集度にて配置され得る。上記突起部即ちスペーサ131は、同じまたは種々の高さを持ち得る。類似の突起部またはスペーサ131は、上記バックプレート121c乃至121eの上記強化構造127a,127b及び/または127cの全部または一部に形成され得る。また、突起部またはスペーサ131は、上記バックプレート121a乃至121bの内表面129に形成され得る。
【0062】
他の実施形態において、上記突起部即ちスペーサ131は、外力が上記バックプレートに加えられたとき、それらが上記MEMSアレイ111の所定の部分にのみ接触するよう形成されまたは配置される。この実施形態において、外力は、実質的に上記MEMSアレイの所定の部分にのみしか転移しない。上記の所定の部分は、もし損傷を受けた場合であっても、上記MEMSデバイスの動作に影響を与えにくい上記MEMSアレイの部分であることが望ましい。更には又は代替的には、上記の所定の部分は、外力による損傷を受けにくい上記MEMSアレイの部分である。さらに他の実施形態においては、上記突起部即ちスペーサ131は、あるエリア、例えば上記バックプレート121fの中央エリア等にのみ形成され得る。上述したように、上記突起部即ちスペーサ131は、バックプレートが直接的に上記MEMSアレイ111に接触するのを防ぐ一つの手段を提供する。また、上記突起部即ちスペーサ131は、加えられた力をバックプレートに分散する一つの手段、及び/または上記MEMSアレイへの損傷を最小限化または防ぐ一つの手段を提供する。
【0063】
図24に示すように、上記バックプレート121gの形状は、上記バックプレート121及び121a乃至121fにおけるそれと、わずかに異なっている。上記バックプレート121gは、中央エリアの周辺エリア130においてよりも、中央エリアにおいて、より薄い。この形状は、上記強化構造127a,127b及び127cと結びついている。上記バックプレート121g自身は、上記周辺エリアにおいてよりも上記中央エリアにおいて、より影響を受けやすいが、上記強化構造127a及び127bは、上記バックプレート121gに剛性を加え、上記バックプレート121gが上記MEMSアレイ111に向かって容易に曲がることを防ぎ得る。強化構造のその他のどの形状も、上記バックプレート121gのこの構成において使用され得る。また、図22及び23に示す上記突起部またはスペーサ131は、この構成に加えられ得る。
【0064】
図25は、強化構造127a及び127bと一体化された、実質的に平面なバックプレート121h、を有するMEMSデバイスを示している。強化構造127a及び強化構造127bを有さない上記バックプレート121hは、全体に渡って実質的に同じ厚さである。この実施形態において、上記バックプレート121hの中央エリアにおけるギャップ124の深さは、強化構造127a及び127bの厚さにより、周辺エリアにおけるそれよりも小さい。しかしながら、上記強化構造127a及び127bは、バックプレート121gに剛性を加え、上記バックプレート121gが上記MEMSアレイ111と接触するのを防ぎ得る。上記バックプレート121hは、図9に示すように、リップ突起部125をも有し得る。強化構造のその他のどの形状も、上記バックプレート121hのこの構造に利用し得る。また、図22及び図23に示す上記突起部またはスペーサ131は、この構造に加えられ得る。
【0065】
上記バックプレート121c,121d,121e,121f,121g,または121hの強化構造及び/またはスペーサは、上記バックプレートの中間体構造に形成され得る。一実施形態においては、例えば、中間体構造は、そこに形成されるどのような強化構造をも有しないバックプレートを具備する。中間体バックプレート121aの表面に強化構造を加えることは、上記バックプレート121c,121d,121e,121f、または121gを生み出す。湾曲したバックプレート構造においては、強化構造は、当該バックプレートのベンディング前またはベンディング後に、実質的にフラットパネルまたはシートに設けられる。代替的には、強化構造及び/またはスペーサは、上記バックプレート121c,121d,121e,121f,121g、121hの製造プロセスの一部にて製造され得る。一実施形態においては、例えば、いくつかの部位のいくらかの材料を除去する機械加工にてブランクが作られ、該材料は他の場所へ放置され、それ故、強化構造及び/またはスペーサを有するバックプレートが製造される。さらに他の実施形態においては、例えば、強化構造及び/またはスペーサを有するバックプレートは、モールディングやフォーミングで製造される。当業者は、バックプレート、強化構造、及び/またはスペーサを製造するのに利用できる方法を高く評価するだろう。逆に、強化構造及びスペーサを製造する方法は、上記リップ突起部125を製造する方法において利用され得る。
【0066】
上述した強化構造に利用できる材料は、例えば、ポリマー、ガラス、セラミック、金属、金属酸化物または酸化物半導体材料、スピンオングラス、フリット、フォトパターナブルポリマー、乾燥剤を含むポリマー、等々である。強化構造はバックプレート121,121aまたは121bに用いられる同じ材料から作られ、そして上記バックプレート121aまたは121b上に強化構造が形成される。突起部の材料は、例えば、ポリマー、ガラス、セラミック、金属、金属酸化物または酸化物半導体、スピンオングラス、フリット、フォトパターナブルポリマー、乾燥剤を含むポリマー、等々である。強化構造は、突起部が形成される強化構造127a,127b及び/または121cに用いられるのと同じ材料から作られるのが望ましい。
【0067】
強化構造及び突起部は、一つかそれ以上の乾燥剤単独で、または例えばポリマーのような一つかそれ以上の構造材料と組み合わせて、形成され得る。乾燥剤を有する強化構造を形成することは、上記のMEMSメカニズムの適切な操作を保証する為に湿度調整の要請があるディスプレイの実装中における乾燥剤の為の余分なスペース及び/または容器の必要性を取り去る、または少なくとも軽減させる。上述したどのような乾燥剤も利用し得る。適用できる乾燥剤は、例えば、アルミニウム錯体、酸化カルシウム、ゼオライト、カーボンナノチューブを含むモレキュラーシーブが望ましい。通常技術を有する当業者は、強化構造及び/または突起部に使用される乾燥剤の選択時に、上記の構造材料の種類及び量を高く評価するだろう。
【0068】
図26は、強化構造127d及び127eと一体化された薄膜バックプレート121iを有するMEMSデバイスを示す。一つの実施形態において、上記薄膜バックプレート121iは、10μm程度から100μm程度の厚さである。図示された実施形態は、薄膜バックプレート121iの上記周辺部分141が、上記MEMSアレイ111が形成されていない上記基板101の表面に、直接的に蒸着される場合を除いて、図25に示した実施形態に類似して設計される。また、図示はしていないが、一かそれ以上の介在層が、上記薄膜バックプレート121iの上記周辺部分141と、上記基板101との間に差し込まれ得る。図示された実施形態において、上記周辺部分141は、上記バックプレート121iの中央部分と一体的に被着されるのが好ましい。上記強化構造127d及び127eは、様々な形状を採り得る。図示はしていないが、図22及び23に示された突起部131は、この構造に加えられ得る。
【0069】
図26の実施形態は、さらに図27の模範的なプロセスフローチャートを参照して描かれている。実施形態によると、追加ステップが加えられ及び/または既存のステップのいくつかが除去され得、残りのステップは不変である。ステップS2701においては、上記MEMSアレイ111が上記基板101に形成される。次のステップS2703においては、犠牲層(不図示)が、上記MEMSアレイ111上に形成される。犠牲層は、例えばモリブデン(Mo)、シリコン(Si)、タングステン(W)、またはチタニウム(Ti)などの材料で形成され得り、後に乖離させ得る。一実施形態においては、上記犠牲層は、例えばポリマー、スピンオングラス、または酸化物等の材料で形成される。当業者は、上記犠牲層が望みの厚さで成膜され得ることを高く評価するだろう。犠牲層の厚さは、上記薄膜バックプレート121i及び上記MEMSアレイ111を分離させるのに充分な厚さとするべきである。一実施形態においては、上記犠牲層は、1000オングストローム程度から10μm程度の範囲の厚さで成膜されるが、1000オングストローム程度から1μm程度の範囲の方が、より好ましい。
【0070】
ステップS2705に進むと、上記犠牲層は、フォトリソグラフィック技術を用いることで、パターニングされ、リセス(不図示)を形成する為に選択的にエッチングされる。上記犠牲層に形成された上記リセスは、そこに強化構造127d及び127eを作る為のネガとして利用される。上記リセスは、強化構造127d及び127eを製造するのに充分な深さ及び形状で形成される。そして、ステップS2707において、上記リセスは、強化構造127d及び127eを形成する材料で満たされる。上記強化構造127d及び127eは、以下に限られないが、半導体、金属、合金、ポリマーまたはプラスチック及び複合材料を含むあらゆるタイプの物質であり得る。引き続きステップS2709においては、薄膜バックプレート121iは、上記基板101、上記犠牲層、及び上記強化構造127d及び127eの材料で満たされた上記リセスを含む全体構造の上に蒸着される。いくつかの実施形態においては、上記薄膜バックプレート121iは、以下に限られないが、ニッケル、アルミニウム、及び金属及び箔のその他のタイプを含む不浸透性及び疎水性の物質であり得る。上記の薄膜もまた、以下に限られないが、シリコン、ダイオード、酸化アルミニウム、または窒化物を含む絶縁体で形成され得る。代替的には、薄膜は浸透性のある物質で形成され得る。適切な浸透性のある物質は、例えば、PMMA、エポキシ、及び有機または無機のスピンオングラス(SOG)型物質のようなポリマーを含む。いくつかの実施形態において、上記薄膜バックプレート121i及び上記強化構造127d及び127eは、同じ物質から形成され得る。
【0071】
次のステップS2711においては、上記薄膜バックプレート121iは、少なくとも一つの開口を上記バックプレート121iに形成するために、パターニングされ、エッチングされる。上記薄膜バックプレート121iはさらに、上記MEMSアレイ111及び当該デバイスの他の部分との電気的接続及び接触を可能とする為に、パターニング及び処理され得る。続くステップS2713では、上記MEMSアレイ111及び上記バックプレート121i及び/または上記強化構造127d及び127eとの間に位置する上記犠牲層が、選択的に除去される。上記のギャップ124は、上記犠牲層が除去される場所に形成される。エッチャントは、上記薄膜バックプレート121iに形成された上記開口を経由して供給される。上記エッチャントが、上記犠牲層の露出したエリアに触れ反応すると、上記犠牲層の物質は、選択的にエッチングされる。例えば、モリブデン(Mo)、シリコン(Si)、タングステン(W)、またはチタニウム(Ti)、二フッ化キセノンの犠牲層を除去することは、少なくとも一つの開口を通じて、上記MEMSデバイスの内側に導入される。上記犠牲層が除去され、ギャップ124が製造された後、上記薄膜バックプレート121iの上記開口は塞がれる。半導体プロセスまたはフォトリソグラフィー分野の当業者は、ここに記述された処理を高く評価し、上記強化構造127d及び127eを有する上記バックプレート121iを製造する適切なパラメータを決定するだろう。
【0072】
上述した実施形態、特に図16乃至図26の実施形態においては、上記強化構造及び上記バックプレートの上記内表面は、ポケットやリセスを形成する。上記ポケットやリセスのエリアは、上記バックプレートに形成された強化構造の壁面や表面にて定められる。いくつかの実施形態において、上記ポケットやリセスの一部または全部は、ディスプレイデバイスの中で水分子を吸収し得る一つかそれ以上の乾燥剤で満たされる。上記ポケットやリセスのエリアに収納されている上記乾燥剤は、上記バックプレートの構造的な強度及び剛性をさらに強化する。図12乃至図15は、上記バックプレート121a,121b(不図示)の上記内表面129に乾燥剤の層を形成することで乾燥剤も適用可能である。代替的には、乾燥剤を収納している収容器は、バックプレートの内表面に形成され得る。
【0073】
図28A及び図28Bは、ディスプレイデバイス2040の一実施形態を示すシステムブロックダイアグラムである。ディスプレイデバイス2040は、例えば、携帯電話や移動可能電話であり得る。しかしながら、ディスプレイデバイス2040と同じ構成要素や、それの僅かな変形例は、例えばテレビジョン及びポータブルメディアプレイヤーのようなディスプレイデバイスの様々なタイプの実例ともなる。
【0074】
上記ディスプレイデバイス2040は、ハウジング2041、ディスプレイ2030、アンテナ2043、スピーカ2045、入力デバイス2048、及びマイクロフォン2046を含む。上記ハウジング2041は、一般的に、射出成形及び真空成形を含む当業者の間でよく知られているような様々なあらゆる製造プロセスにて形成される。加えて、上記ハウジング2041は、プラスチック、金属、ガラス、ラバー、及びセラミック、またはそれらの組み合わせ、これらに限られないが、を含む様々なあらゆる材料から製造される。一実施形態においては、上記ハウジング2041は、異なる色、または異なるロゴ、絵、またはシンボルを含む他の除去可能な部分と置き換えることが出来得る除去可能な部分(不図示)を含む。
【0075】
模範的なディスプレイデバイス2040の上記ディスプレイ2030は、ここに述べたように、双安定ディスプレイを含む様々なあらゆるディスプレイであり得る。他の実施形態においては、上記ディスプレイ2030は、例えば上述したようにプラズマ、EL,OLED,STN LCD,またはTFT LCDフラットパネルディスプレイのようなフラットパネルディスプレイ、または例えばCRTまたは当業者によく知られている他のチューブデバイスのような非フラットパネルディスプレイ、を含む。しかしながら、この実施形態を説明するという目的に照らすと、上記ディスプレイ2030は、ここに述べたようにインターフェロメトリックモジュレータディスプレイを含む。
【0076】
模範的なディスプレイデバイス2040の一つの実施形態の構成要素が、図28Bに概略的に示されている。図示された模範的なディスプレイデバイス2040は、ハウジング2041を含み、少なくとも部分的にそこに封入される追加的な構成要素を含むこともできる。例えば、一実施形態においては、上記の模範的なディスプレイデバイス2040は、トランシーバー2047と組み合わされたアンテナ2043を含むネットワークインターフェイス2027を含む。上記トランシーバー2047は、コンディショニングハードウェア2052と接続されている上記プロセッサ2021と接続されている。上記コンディショニングハードウェア2052は、信号を調節する(例えば信号をフィルターする)ように構成されている。上記コンディショニングハードウェア2052は、スピーカ2045及びマイクロフォン2046に接続されている。上記プロセッサ2021もまた、入力デバイス2048及びドライバーコントローラ2029に接続されている。上記ドライバーコントローラ2029は、フレームバッファー2028及びアレイドライバー2022と連結されている。電源2050は、特に模範的なディスプレイデバイス2040の設計には要求されることであるが、全ての構成要素に電力を供給する。
【0077】
上記ネットワークインターフェイス2027は、上記の模範的なディスプレイデバイス2040が一又はそれ以上のデバイスとネットワークを通じて通信を行えるように、上記アンテナ2043及びトランシーバー2047を含む。一つの実施形態においては、上記ネットワークインターフェイス2027は、上記プロセッサ2021の必要要件を軽減させるいくつかの処理機能をも有する。上記アンテナ2043は、信号の送受信に用いられる、当業者にとってよく知られているあらゆるアンテナである。一実施形態において、上記アンテナは、IEEE802.11(a),(b),または(g)を含むIEEE802.11規格に従ってRF信号の送受信を行う。他の実施形態においては、上記アンテナは、BLUETOOTH規格に従ってRF信号の送受信を行う。携帯電話の場合には、上記アンテナは、ワイヤレスセルフォンネットワーク内で通信を行うのに利用されているCDMA,GSM,AMPSまたは他の知られた信号を受信できるよう設計されている。上記トランシーバー2047は、上記信号を上記プロセッサ2021が受信して更に操作し得るように、上記アンテナ2043で受信した上記信号の予備的処理を行う。上記トランシーバー2047もまた、上記信号が上記アンテナ2043を通して上記の模範的なディスプレイデバイス2040から伝送され得るように、上記プロセッサ2021で受信された信号を処理する。
【0078】
代替的な実施形態においては、上記トランシーバー2047は、受信機で置き替え得る。さらに他の代替的な実施形態においては、ネットワークインターフェイス2027は、上記プロセッサ2021に送られるイメージデータの記憶または生成し得るイメージソースで置き換え得る。例えば、上記イメージソースは、イメージデータを含むデジタルビデオディスク(DVD)またはハードディスクドライブ、またはイメージデータを生成するソフトウェアモジュールであり得る。
【0079】
プロセッサ2021は、一般的に、上記の模範的なディスプレイデバイス2040の全体の操作を制御する。上記プロセッサ2021は、例えば上記ネットワークインターフェイス2027またはイメージソースからの圧縮したイメージデータを受信し、該データを生データまたは生データへすぐに処理できるフォーマットへ処理する。そして、上記プロセッサ2021は、上記の処理が施されたデータを、上記ドライバーコントローラ2029またはフレームバッファー2028へ記憶させる為に送る。生データは、一般的には、イメージ内のそれぞれの位置におけるイメージ特性を特定する情報に関わる。例えば、そのようなイメージ特性は、色、彩度、及びグレイスケールレベルを含み得る。
【0080】
一実施形態において、上記プロセッサ2021は、上記の模範的なディスプレイデバイス2040の動作の制御を行う為に、マイクロコントローラ、CPU、または論理演算装置を含む。上記スピーカ2045へ信号を送信する為、及び上記マイクロフォン2046から信号を受信する為に、コンディショニングハードウェア2052は、一般的には、増幅器及びフィルターを含む。コンディショニングハードウェア2052は、上記模範的なディスプレイデバイス2040内では別個の構成要素でも、また上記プロセッサ2021や他の構成要素に組み込まれていても良い。
【0081】
上記ドライバーコントローラ2029は、上記プロセッサ2021から直接、または上記フレームバッファー2028からのどちらかからのデータにより上記プロセッサ2021で生成された生イメージデータを取得し、上記アレイドライバー2022へ高速で送信できるように、上記生イメージデータを適切にリフォーマットする。特に、上記ドライバーコントローラ2029は、上記生イメージデータを、例えば上記ディスプレイアレイ2030をスキャンするのに適したタイムオーダーを有するようなラスターライクフォーマットを有するデータフローにリフォーマットする。例えばLCDコントローラのようなドライバーコントローラ2029は、多くの場合、独立した集積回路(IC)として上記システムプロセッサ2021と結びつくが、そのようなコントローラはたくさんの方法で実行され得る。それらは、ハードウェアとして、ソフトウェアとして、またはハードウェアにおいて上記アレイドライバー2022と完全に一体化されて、上記プロセッサ2021に組み込まれる。
【0082】
一般的に、上記アレイドライバー2022は、上記ドライバーコントローラ2029からフォーマットされた情報を受信し、ビデオデータを、ディスプレイにおける画素のx−yマトリックスからくる数百及び時には数千ものリードに一秒間に多数回印加される並列な波形の組にリフォーマットする。
【0083】
一実施形態において、ドライバーコントローラ2029、アレイドライバー2022、及びディスプレイアレイ2030は、ここに述べられているどのタイプのディスプレイにとっても適切である。例えば、一実施形態において、ドライバーコントローラ2029は、従来のディスプレイコントローラまたは双安定ディスプレイコントローラ(例えばインターフェロメトリックモジュレータコントローラ)である。他の実施形態においては、アレイドライバー2022は、従来のドライバーまたは双安定ディスプレイドライバー(例えばインターフェロメトリックモジュレータディスプレイ)である。一実施形態においては、ドライバーコントローラ2029は、上記アレイドライバー2022と一体化されている。そのような実施形態は、例えば携帯電話、時計、及び他の小エリアディスプレイのような高度に統合化されたシステムにおいては共通である。さらに他の実施形態においては、ディスプレイアレイ2030は、典型的なディスプレイアレイまたは双安定ディスプレイアレイ(例えばインターフェロメトリックモジュレータのアレイを含むディスプレイ)である。
【0084】
上記入力デバイス2048は、ユーザーが上記の模範的なディスプレイデバイス2040の動作の制御をすることを可能とする。一実施形態において、入力デバイス2048は、例えばQWERTYキーボードまたはテレフォンキーパッド、ボタン、スイッチ、接触感知スクリーン、圧力感知または熱感知膜のようなキーパッドを含む。一実施形態において、上記マイクロフォン2046は、上記の模範的なディスプレイデバイス2040への入力デバイスである。上記マイクロフォン2046が上記デバイスへのデータ入力に用いられるとき、ボイスコマンドは、上記の模範的なディスプレイデバイス2040の動作を制御する為にユーザーにより供給される。
【0085】
上記電源2050は、当業者でよく知られている種々のエネルギーストレージを含み得る。例えば、一実施形態において、電源2050は、例えばニッケル−カドミウムバッテリーまたはリチウムイオンバッテリーのような再充電可能なバッテリーである。他の実施形態においては、電源2050は、再生し得るエネルギー源、コンデンサー、またはプラスチック太陽電池及び太陽電池塗装を含む太陽電池である。他の実施形態においては、電源2050は、壁コンセントから電力を受けとるよう構成されている。
【0086】
いくつかの実施においては、電子ディスプレイシステムのいくつかの場所に配置され得るドライバーコントローラには、上述したようにプログラム制御能力が備わっている。いくつかのケースにおいては、プログラム制御能力は、上記アレイドライバー2022に備わっている。当業者は、上述した最適化はあらゆるハードウェア及び/またはソフトウェア構成要素及び様々な構成において、実施され得ると理解するだろう。
【0087】
当業者は、本発明の有利な効果を達成する為に、ここに述べた本発明を若干変えるだろうと思われる。したがって、上記の記述は、幅広く理解されるように当業者に開示情報を教えるものであり、また本発明に限られるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】インターフェロメトリックモジュレータディスプレイの1つの実施形態の一部分を描いた等角投影図であり、第1のインターフェロメトリックモジュレータの移動可能な反射層が解放位置にあり、第2のインターフェロメトリックモジュレータの移動可能な反射層が作動位置にある。
【図2】3×3インターフェロメトリックモジュレータディスプレイを組み込んだ電子デバイスの1つの実施形態を例示したシステムブロック図である。
【図3】図1に示したインターフェロメトリックモジュレータの1つの典型的な実施形態に関する移動可能な鏡の位置及び印加電圧の関係を示した図である。
【図4】インターフェロメトリックモジュレータディスプレイを駆動するために使用する一組のロー電圧及びコラム電圧を示した図である。
【図5A】図2に示した3×3インターフェロメトリックモジュレータディスプレイに表示データフレームを書くために使用するロー信号及びコラム信号に関する1つの典型的なタイミング図である(その1)。
【図5B】図2に示した3×3インターフェロメトリックモジュレータディスプレイに表示データフレームを書くために使用するロー信号及びコラム信号に関する1つの典型的なタイミング図である(その2)。
【図6A】図1に示した電子デバイスの横断面を示した図である。
【図6B】インターフェロメトリックモジュレータの1つの代替実施形態の横断面を示した図である。
【図6C】インターフェロメトリックモジュレータのもう1つの代替実施形態の横断面を示した図である。
【図7】MEMSアレイを示した平面図である。
【図8】実装されたMEMSディスプレイデバイスの横断面を示した側面図である。
【図9】実装されたMEMSディスプレイデバイスの横断面を示した側面図である。
【図10】実装されたMEMSディスプレイデバイスのバックプレートの湾曲を示した側面図である。
【図11】図10のバックプレートの平面図である。
【図12】バックプレートの様々な構造により実装されたMEMSディスプレイデバイスの横断面を示した側面図である。
【図13A】図12で使用されているバックプレートの形状を示す斜視図である。
【図13B】図12及び図13Aに示されているバックプレートの生産物を図示したバックプレートの側面図である。
【図13C】図12及び図13Aに示されているバックプレートの生産物を図示したバックプレートの側面図である。
【図14】バックプレートの様々な構造により実装されたMEMSディスプレイデバイスの横断面を示した側面図である。
【図15】図14で使用されているバックプレートの形状を示す斜視図である。
【図16】バックプレートの様々な構造により実装されたMEMSディスプレイデバイスの横断面を示した側面図である。
【図17A】図16で使用されているバックプレートの強化構造を図示した底面図である。
【図17B】図16で使用されているバックプレートの強化構造を図示した底面図である。
【図17C】図16で使用されているバックプレートの強化構造を図示した底面図である。
【図18】バックプレートの様々な構造により実装されたMEMSディスプレイデバイスの横断面を示した側面図である。
【図19】図18で使用されているバックプレートの強化構造を図示した底面図である。
【図20】バックプレートの様々な構造により実装されたMEMSディスプレイデバイスの横断面を示した側面図である。
【図21】図20で使用されているバックプレートの強化構造を図示した底面図である。
【図22】バックプレートの様々な構造により実装されたMEMSディスプレイデバイスの横断面を示した側面図である。
【図23】図22で使用されているバックプレートの強化構造を図示した底面図である。
【図24】バックプレートの様々な構造により実装されたMEMSディスプレイデバイスの横断面を示した側面図である。
【図25】バックプレートの様々な構造により実装されたMEMSディスプレイデバイスの横断面を示した側面図である。
【図26】バックプレートの様々な構造により実装されたMEMSディスプレイデバイスの横断面を示した側面図である。
【図27】図26に示す実施形態を製造する模範的な工程を示したフローチャートである。
【図28A】複数のインターフェロメトリックモジュレータを具備するビジュアルディスプレイデバイスの実施形態を示したシステムブロック図である(その1)。
【図28B】複数のインターフェロメトリックモジュレータを具備するビジュアルディスプレイデバイスの実施形態を示したシステムブロック図である(その2)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、微小電気機械システム(MEMS)に関し、特にMEMSデバイスの衝撃からの防護に関する。
【背景技術】
【0002】
微小電気機械システム(MEMS)は、微小機械要素、アクチュエータ、及び電子機器を含む。微小機械要素は、基板及び/又は蒸着させた材料層の一部をエッチングによって除去するか又は材料層を追加することによって電気デバイス及び電気機械デバイスを形成する、蒸着、エッチング、及び/又はその他のマイクロ加工プロセスを用いて製造することができる。MEMSデバイスの1つの型はインターフェロメトリックモジュレータと呼ばれている。インターフェロメトリックモジュレータは、一対の伝導性プレートを具備しており、これらのプレートの一方又は両方は、全体又は一部が透明及び/又は反射性であり、適切な電気信号を加えると相対運動をする。一方のプレートは、基板上に蒸着した静止層を具備しており、他方のプレートは、エアギャップによって該静止層から分離された金属膜を具備している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記デバイスは用途が非常に広範囲であり、当業者においては、これらの型のデバイスの特性を利用すること、及び/又は、既存製品の品質を向上させるに当たって及びまだ開発されていない新製品を製造するに当たってこれらの型のデバイスの特長を利用できるようにその特性を改修すること、が有益になる。このようなMEMS技術を利用した商品の設計においては、コスト、信頼性、及び生産性の要望から実装が発展されている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明のシステム、方法、及びデバイスは各々がいくつかの側面を有しており、いずれの単一の側面も、望ましい属性を確保する役割を単独で果たしているわけではない。以下では、本発明の適用範囲を限定することなしに、本発明のより顕著な特長について概説する。当業者は、該説明を検討後に、そして特に「発明を実施するための最良の形態」という題名の部分を読んだ後に、本発明の特長がその他のディスプレイデバイスよりもいかに優れているかを理解することになる。
【0005】
本発明の一側面は、電子デバイスを提供する。該電子デバイスは、表面を有する基板、微小電気機械デバイスのアレイ、及びバックプレートを具備する。上記アレイは、上記基板の上記表面に形成され且つ上記基板に対向しない裏表面を有する。上記バックプレートは、上記アレイの上に配置され且つ内側表面及び外側表面を有する。上記バックプレートの上記内側表面は、上記アレイの上記裏表面と、その間のギャップを挟んで対向している。上記外側表面は、上記基板と対向していない。上記電子デバイスは、更に、バックプレートと一体化した一又はそれ以上の個数の強化構造を具備する。上記強化構造は、バックプレートの剛性を増す。上記電子デバイスにおいては、上記バックプレートの上記内側表面と上記基板の上記表面との間の距離は、上記基板の上記表面に渡って異なる。
【0006】
本発明の他の側面は、電子デバイスを提供する。該電子デバイスは、表面を有する基板、微小電気機械アレイ、及びバックプレートを具備する。上記アレイは、基板表面に形成され且つ上記基板に対向しない裏表面を有する。上記バックプレートは、上記アレイの上に配置され且つ内側表面を有する。該内側表面は、上記アレイの上記裏表面と、その間のギャップを挟んで対向している。上記バックプレートは、そのエッジにより変っている厚さを有する。
【0007】
さらに、本発明の他の側面は、電子デバイスを提供する。該電子デバイスは、基板、インターフェロメトリックモジュレータアレイ、及びバックプレートを具備する。上記アレイは、上記基板に形成され且つ上記基板に対向しない裏表面を有する。上記バックプレートは、当該バックプレートの当該内表面と上記アレイの上記裏表面とのギャップを挟んで、上記アレイの上に形成され且つ上記アレイの上記裏表面に対向している内表面を有する。上記電子デバイスは、更に、上記バックプレートの上記内表面を直接的に上記アレイの上記裏表面に接触させない為の手段を具備する。
【0008】
本発明のその他の側面は、電子デバイスの製造方法を提供する。該方法は、中間体デバイスを供給するステップ、バックプレートを供給するステップ、上記バックプレートを上記中間体デバイス上に配置するステップ、及び上記バックプレートと基板とを結合させるステップを具備する。上記中間体デバイスは、基板、及び該基板上に形成された微小電気機械デバイスを具備する。上記バックプレートは、内表面及び外表面を有する。上記バックプレートは、上記内表面及び上記外表面のうち少なくとも何れか1つ以上に形成された1つまたはそれ以上の個数の補強構造と一体化されている。上記バックプレートの上記内表面が、上記アレイの上記裏表面とその間のギャップを挟んで対向するように、上記バックプレートは上記中間体デバイスアレイの上に配置されている。本発明のさらなる側面は、このような電子デバイスを製造する上述の方法により生産される電子デバイスをも提供する。
【0009】
さらなる本発明の他の側面は、電子デバイスを提供する。該デバイスは、基板、該基板上に形成された微小電気機械デバイスアレイ、及び上記アレイの上に配置されたバックプレートを具備する。上記バックプレートは、内表面及び外表面を有する。上記バックプレートの上記内表面は、上記アレイと、その間のギャップを挟んで対向している。上記外表面は、上記基板には対向していない。上記バックプレートの上記内表面と上記基板との間の距離は、上記基板の全面に渡って変化している。
【0010】
本発明のさらなる側面は、電子デバイスを提供する。該電子デバイスは、光を伝送する為の伝送手段、該伝送手段により伝送された光を変調する為の変調手段、該変調手段をカバーするカバーリング手段を具備し、ここで、上記カバーリング手段は内表面及び外表面を有し、上記内表面は上記伝送手段とその間のギャップを挟んで対向しており、上記外表面は上記伝送手段と対向していなく、そしてここで、上記カバーリング手段における内表面と上記伝送手段との間の距離は、上記伝送手段に渡って変化している。
【0011】
そして、本発明のさらなる側面は、電子デバイスの製造方法を提供する。該方法は、基板及び該基板に形成された微小電気機械デバイスアレイを有する中間体デバイスを供給するステップを具備する。上記方法は、更に、バックプレートと上記アレイとの間のギャップを挟むように、上記中間体デバイスの上記アレイの上に形成する当該バックプレートを形成するステップを具備する。上記バックプレートは、上記アレイに対向する表面を有し、そして、上記内表面と上記基板との間の距離は、上記基板の全面に渡って変化する。本発明のさらなる側面は、このような電子デバイスを製造する上述の方法により生産される電子デバイスをも提供する。
【発明の効果】
【0012】
MEMSデバイスにおける実装は、MEMS要素を外力による衝撃から守る様々な特性を盛り込むことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
様々な強化構造が、MEMSデバイスのバックプレートに形成される。これら強化構造は、上記バックプレートの剛性を増し、それゆえ上記バックプレートが上記MEMS要素や上記デバイスのアレイに対して、接触したり損傷させたりすることを防ぐ。上記強化構造は、上記バックプレートの何れか又は両方の表面において、上記バックプレートと一体化されている。上記バックプレートは、その剛性を改善させたり、当該バックプレートが外力に晒された時におけるMEMSアレイとの接触の可能性を低減させたりするような様々な構造にて形成され得る。上記構造は、曲線状のバックプレート、バックプレートにおける曲線状の表面、一かそれ以上の個数のリセスを有するバックプレート、厚さが可変のバックプレート、等を含む。上記強化構造及び上記の様々な構造は、更に、外力がMEMSデバイスのバックプレートに加えられた時におけるMEMSアレイの損傷をも防ぎ得る。
【0014】
以下に示した詳細な説明は、本発明のいくつかの具体的な実施形態を対象にしたものである。しかしながら、本発明は、数多くの異なった形で具体化することが可能である。本説明では図面を参照しており、同一のものについては図面全体に渡って同一の参照数字を付してある。以下の説明から明らかになるように、本発明は、動画(映像、等)又は静止画(静止画像、等)のいずれであるかにかかわらず、さらに、テキスト又は絵のいずれであるかにかかわらず、画像を表示するように構成されているあらゆる装置において実装することができる。さらに、これよりも重要なことであるが、本発明は、非常に様々な電子機器、例えば、移動電話、無線装置、パーソナルデータアシスタント(PDA)、携帯式コンピュータ、ポータブルコンピュータ、GPS受信装置/ナビゲーター、カメラ、MP3プレーヤー、カムコーダー、ゲームコンソール、腕時計、柱時計、計算器、テレビモニター、フラットパネルディスプレイ、コンピュータモニター、自動車の表示盤(オドメーターの表示盤、等)、コックピットの制御盤及び/又は表示盤、カメラのディスプレイ(車両内のリアビューカメラのディスプレイ、等)、電子写真、電子広告掲示板又は看板、プロジェクター、建築構造物、梱包、美的構造物(宝石上におけるイメージの表示、等)(但し、これらの電子機器に限定するものではない)の内部に又はこれらの電子機器と関連させて実装することができる。さらに、本出願明細書において説明しているMEMSデバイスと同様の構造を有するMEMSデバイスは、電子式開閉装置等の表示以外の用途においても使用することができる。
【0015】
干渉型MEMS表示素子を具備する1つのインターフェロメトリックモジュレータディスプレイの実施形態を図1に例示してある。これらのデバイスにおいて、画素は、明るい状態又は暗い状態のいずれかである。明るい(「オン」又は「開いた」)状態においては、該表示素子は、入射可視光の大部分をユーザーに対して反射させる。暗い(「オフ」又は「閉じた」)状態においては、表示素子は、ユーザーに対して入射可視光をほとんどまったく反射させない。該「オン」状態及び「オフ状態」の光反射特性は反転させることができ、実施形態に依存する。MEMS画素は、白黒に加えてカラーディスプレイを考慮して、主に選択された色において反射するように構成させることができる。
【0016】
図1は、ビジュアルディスプレイの一連の画素内の2個の隣接する画素を描いた等角投影図であり、各画素は、MEMSインターフェロメトリックモジュレータを具備している。いくつかの実施形態においては、インターフェロメトリックモジュレータディスプレイは、これらのインターフェロメトリックモジュレータのロー/コラムアレイを具備している。各インターフェロメトリックモジュレータは、一対の反射層を含んでいる。これらの一対の反射層は、可変でかつ制御可能な距離に互いに配置されており、少なくとも1つの可変寸法を有する共鳴光学空洞を形成している。1つの実施形態においては、該反射層のうちの1つは、2つの位置の間を移動させることができる。第1の位置(本出願明細書では解放状態と呼んでいる)においては、該移動可能な反射層は、固定された部分的反射層から相対的に遠く離れた距離に配置される。第2の位置においては、該移動可能な層は、上記部分的反射層のほうにより近づけて配置される。これらの2つの反射層から反射された入射光は、該移動可能な層の位置に依存して建設的に又は破壊的に干渉し、各画素に関して全体的な反射状態又は非反射状態を作り出す。
【0017】
図1において、画素配列のうちの描いた部分は、2つの隣接するインターフェロメトリックモジュレータ12a及び12bを含んでいる。左側のインターフェロメトリックモジュレータ12aにおいては、移動可能で反射能力が非常に高い層14aが、固定された部分的反射層16aから予め決められた距離にある位置において解放された状態になっている。右側のインターフェロメトリックモジュレータ12bにおいては、移動可能で反射能力が非常に高い層14bが、固定された部分的反射層16bに隣接した位置において作動された状態になっている。
【0018】
上記の固定層16a及び16bは、電導性で、部分的に透明でさらに部分的反射性であり、例えば、各々がクロム及びインジウム−スズ酸化物から成る1つ以上の層を透明な基板20上に蒸着することによって製作する。後述するように、これらの層は、平行なストリップから成るパターンが付けられており、ディスプレイデバイス内においてロー電極を形成している。移動可能層14a及び14bは、ポスト18の頂部に蒸着した(ロー電極16a及び16bと直交の)蒸着金属層の一連の平行ストリップとして及びポスト18間に蒸着した介在犠牲材料として形成することができる。該犠牲材料をエッチングによって取り除くと、変形可能な金属層が定められたエアギャップ19よって固定金属層から分離される。変形可能な層には伝導性が高い反射性材料(アルミニウム、等)を用いることができ、これらのストリップは、ディスプレイデバイス内においてコラム電極を形成する。
【0019】
図1において画素12aによって例示したように、電圧が印加されていない状態では、空洞19は層14a及び16aの間にとどまっており、変形可能層は、機械的に緩和された状態になっている。しかしながら、選択したロー及びコラムに電位差を印加すると、対応する画素におけるロー電極及びコラム電極の交差部において形成されているコンデンサが荷電され、静電力がこれらの電極を引き寄せる。図1内の右側の画素12bによって例示したように、電圧が十分に高い場合は、移動可能層が変形されて固定層に引き寄せられて押し付けられる(本図に示していない誘電材料を固定層に蒸着することによって短絡を防止すること及び分離距離を制御することができる)。この挙動は、印加した電位差の極性にかかわらず同じである。このように、反射性対非反射性画素状態を制御することができるロー/コラム作動は、従来のLCD及びその他の表示技術において用いられている作動と多くの点で類似している。
【0020】
図2乃至図5は、表示用途においてインターフェロメトリックモジュレータアレイを用いるための1つの典型的なプロセス及びシステムを例示した図である。図2は、本発明のいくつかの側面を組み入れることができる電子デバイスの1つの実施形態を例示したシステムブロック図である。この典型的実施形態においては、該電子デバイスはプロセッサ21を含んでおり、該プロセッサ21は、あらゆる汎用の単チップ又は多チップのマイクロプロセッサ(例えば、ARM、Pentium(登録商標)、PentiumII(登録商標)、PentiumIII(登録商標)、PentiumIV(登録商標)、Pentium Pro(登録商標)、8051、MIPS(登録商標)、PowerPC(登録商標)、ALPHA(登録商標)、等)、又は、あらゆる専用マイクロプロセッサ(例えば、デジタル信号プロセッサ、マイクロコントローラ、プログラマブルゲートアレイ、等)にすることができる。当業においては従来の方法であるが、プロセッサ21は、1つ以上のソフトウエアモジュールを実行するように構成することができる。プロセッサ21は、オペレーティングシステムを実行することに加えて、1つ以上のソフトウエアアプリケーション(例えば、ウェブブラウザー、電話に関するアプリケーション、電子メールプログラム、又はその他のあらゆるソフトウエアアプリケーション)を実行するように構成することができる。
【0021】
1つの実施形態においては、プロセッサ21は、アレイコントローラ22と通信するようにも構成されている。1つの実施形態においては、アレイコントローラ22は、画素配列30に信号を供給するロードライバー回路24及びコラムドライバー回路26を含む。図1に示した画素配列の横断面は、図2では線1−1によって示してある。MEMSインターフェロメトリックモジュレータにおいては、ロー/コラム作動プロトコルは、図3に示したこれらのデバイスのヒステリシス特性を利用することができる。例えば、移動可能層を解放状態から作動状態に変形させるためには10Vの電位差が必要である。しかしながら、同値から電圧を減じたときには、移動可能層は、電圧が低下して再び10Vよりも低くなったとしてもその状態を維持する。図3に示した典型的実施形態においては、移動可能層は、電圧が2Vよりも低くなるまで完全には解放されない。このため、図3に示した例においては、約3乃至7Vの電圧範囲が存在しており、デバイスが解放された状態又は作動された状態において安定している印加電圧のウインドーが存在している。本出願明細書では、このウインドーを「ヒステリシスウインドー」又は「安定ウインドー」と呼んでいる。図3に示したヒステリシス特性を有する表示配列の場合は、ローストローブ中に、ストローブされたロー内の作動対象画素が約10Vの電圧差にさらされ、さらに、解放対象画素が約ゼロVの電圧差にさらされることになるようにロー/コラム作動プロトコルを設計することができる。ストローブ後は、画素は、約5Vの定常状態電圧差にさらされ、このため、ローストローブによって置かれたあらゆる状態にとどまる。本例においては、各画素は、書かれた後には、3乃至7Vの「安定ウインドー」内において電位差にさらされる。この特長は、図1に示した画素設計を、先在する作動状態又は解放状態のいずれであるかにかかわらず同じ印加電圧状態の下で安定させることになる。インターフェロメトリックモジュレータの各画素は、作動状態又は解放状態のいずれであるかにかかわらず、本質的には、固定反射層および移動可能反射層によって形成されたコンデンサであるため、この安定状態は、電力散逸がほとんどゼロの状態でヒステレシスウインドー内のある1つの電圧において保持することができる。本質的に、印加電位が固定されている場合は、画素内には電流は流れ込まない。
【0022】
典型的な用途においては、第1のロー内の希望する作動画素の集合に従ってコラム電極の集合をアクティブな状態にすることによって表示フレームを作る。次に、ローパルスをロー1電極に加え、アクティブな状態にされたコラムラインに対応する画素を作動させる。次に、アクティブな状態にされたコラム電極の集合を変更し、第2ロー内の希望する作動画素の集合に対応させる。次に、ロー2電極にパルスを加え、アクティブな状態にされたコラム電極に従ってロー2内の該当画素を作動させる。この際、ロー1の画素は、ロー2のパルスによる影響を受けず、ロー1のパルス中に設定された状態にとどまる。このプロセスを一連のロー全体に関して逐次的に繰り返すことによって表示フレームを生成する。一般的には、これらの表示フレームは、1秒当たりの希望する何らかのフレーム数の時点において、該プロセスを連続的に繰り返すことによって一新されるか及び/又は新しい表示データによって更新される。画素配列のロー電極及びコラム電極を駆動して表示フレームを生成するためのプロトコルは非常に様々であることが良く知られており、これらのプロトコルを本発明と関連させて使用することができる。
【0023】
図4及び図5は、図2の3×3の配列上において表示フレームを作るための1つの可能な作動プロトコルを例示した図である。図4は、図3のヒステリシス曲線を示している画素に関して使用することができる一組のロー/コラム電圧レベルを示した図である。図4の実施形態において、画素を作動させることは、該当するコラムを−Vbiasに設定すること及び該当するローを+ΔVに設定することが関わっており、これらの電圧は、−5V及び+5Vにそれぞれ該当する。画素の解放は、該当するコラムを+Vbiasに設定してさらに該当するローを同じ+ΔVに設定し、該画素においてゼロボルトの電位差を作り出すことによって達成させる。ロー電圧がゼロボルトに保持されているローにおいては、画素は、コラムが+Vbias又は−Vbiasのいずれであるかにかかわらず、最初に置かれていた状態において安定している。
【0024】
図5Bは、図2の3×3の配列に加えた一連のロー信号及びコラム信号を示したタイミング図であり、結果的には、図5Aに示した表示配置になる(同図における作動画素は非反射性である)。図5Aに示したフレームを書く前においては、画素はあらゆる状態になることが可能であり、本例では、すべてのローが0V、すべてのコラムが+5Vである。これらの電圧を印加した状態では、すべての画素は、印加以前における作動状態又は解放状態で安定している。
【0025】
図5Aのフレームにおいては、画素(1、1)、(1、2)、(2、2)、(3、2)及び(3、3)を作動させる。該作動させるためには、ロー1に関する「ラインタイム」中に、コラム1及び2を−5Vに設定し、コラム3を+5Vに設定する。この場合、すべての画素が3V乃至7Vの安定ウインドー内にとどまっているためいずれの画素の状態も変化しない。次に、パルスを用いてロー1をストローブし、0から最高5Vまで上昇させて0に戻る。この動作は、画素(1、1)及び(1、2)を作動させ、画素(1、3)を解放する。画素配列内のその他の画素は影響を受けない。ロー2を希望どおりに設定するためには、コラム2を−5Vに設定し、コラム1及び3を+5Vに設定する。これで、ロー2に加えられた同じストローブが、画素(2、2)を作動させ、画素(2,1)及び(2、3)を解放する。この場合も、画素配列内のその他の画素は影響を受けない。同様に、コラム2及び3を−5Vに設定し、コラム1を+5Vに設定することによってロー3を設定する。ロー3のストローブは、ロー3の画素を図5Aに示したように設定する。表示フレームを書いた後は、ロー電位はゼロであり、コラム電位は、+5V又は−5Vのいずれかにとどまることができ、従って、図5Aに示した配置において表示が安定する。この手順は、何十ものローとコラムの配列さらには何百ものローとコラムの配列に関しても採用できるという点が高く評価されることになる。さらに、ロー及びコラムの作動を実施するために用いるタイミング、順序、及び電圧レベルは、上述した一般原理内において大きく変化させることが可能である点、及び、上例は典型的な例であるにすぎず、本発明の適用範囲内においてあらゆる作動電圧方法を用いることができる点、も高く評価されることになる。
【0026】
上記の原理に従って動作するインターフェロメトリックモジュレータの構造の細部は、大きく変更することができる。例えば、図6A乃至図6Cは、移動式鏡構造物の3つの異なった実施形態を示した図である。図6Aは、図1の実施形態の横断面であり、直交的に延びている支持物18の上に細長い金属材料14が蒸着されている。図6Bにおいては、移動可能な反射材料14が、支持物の角のみに取り付けられている(テザー32の上)。図6Cにおいては、移動可能な反射材料14は、変形可能な層34から吊り下げられている。この実施形態においては、反射材料14に関して用いられる構造設計および材料を光学的性質に関して最適化することができ、さらに、変形可能層34に関して用いられる構造設計および材料を希望する機械的性質に関して最適化することができるためいくつかの利点を有している。尚、様々な出版物(例えば、U.S.Published Application 2004/0051929、等)において様々な型の干渉型デバイスの生産に関する説明が行われている。さらに、材料蒸着、パターニング、及びエッチングの一連の手順が関わる上記の構造物は、非常に様々な良く知られた技術を用いて生成することができる。
【0027】
図7は、基板101に形成されたMEMSアレイ111の実施形態を示している。該MEMSアレイ111は、上記基板101上に配列された多数のMEMS要素を具備する。MEMS要素103,105,107はそれぞれ、インターフェロメトリックモジュレータ12aまたは12bに対応している。図示されている実施形態においては、上記MEMS要素は、実質的には規則正しく配列されている。点線は、上記MEMS要素の配列を表している。一実施形態においては、上記アレイ111中の全てのMEMS要素は、異なるサイズを採る。上記MEMSアレイ111の拡大部分に示されているように、例えば、上記要素107が近傍の6つのポスト18により囲まれている一方、上記要素103及び105は、近傍の4つのポスト18により囲まれている。図示されている実施形態においては、上記ポスト18は実質的に等間隔にて規則的に配列されているが、上記ポスト18の配置及び上記の近傍のポスト18間の間隔に関しては、その他のバリエーションも考えられ得る。
【0028】
上記MEMSアレイ111及びMEMS要素103,105,107は、頑強な構造を形成する。例えば、図1,図6A,図6B及び図6Cに細いコラムとして示されているが、上記ポスト18,18’、18”は、上記空洞19の奥行き(垂直距離)及び幅(水平距離)に比べて、図示されているよりも幅広く構成され得る。したがって、上記MEMS要素の部材14(図6A及び6B)及び部材34(図6C)に上方から加えられる力または圧力は、そのような力または圧力が、単一のMEMS要素またはその一部分に集中して加えられない限り、上記部材14及び部材36を容易に破壊することはできない。それにも関わらず、この頑強に構成されたMEMSアレイ111及び個々のMEMS要素は、いまだそこに加えられ得る幾分強い力には影響されやすい。そこで、MEMS要素のアレイを具備するMEMSデバイスの実装においては、上記MEMS要素及びMEMSアレイの上記構成及び完全性を防護する機能が与えられている。
【0029】
図8は、MEMSデバイス100の典型的な実装構造を示している。図7に示されているように、MEMSアレイ111は、上記基板101の上に形成されている。上記MEMSアレイ111の働きにより、上記基板101の底表面109にイメージまたはインフォメーションが表示され得る。バックプレート121は、上記MEMSアレイ111のトップ表面に直接触れることなく且つ上に配置され、その周辺付近にまで拡張されてシーリングまたはボンディングの材料123により支持されている。上記シーリングまたはボンディングの材料123は、上記バックプレート121と上記基板101とを結合する。
【0030】
上記シーリング123は、例えばエポキシをベースにした接着剤といったような材料からなる従来の非密封シールである。その他の実施形態においては、上記シーリング材料は、ポリイソブチレン(ブチルラバーやPIBと呼称されることもある)、オーリング、ポリウレタン、薄膜金属ウェルド、リキッドスピンオングラス、半田、ポリマー、またはプラスチック、水蒸気の透過性の範囲が一日当たり0.2−4.7g mm/m2kPa(0.2−4.7g mm/m2kPa day)程度であるその他のシールであり得る。さらに他の実施形態においては、上記シーリング123は、密封シールであり得る。
【0031】
いくつかの実施形態では、実装されたMEMSデバイス100は、空洞124内にて湿度を減少させるよう構成された乾燥剤(不図示)を含む。当業者は、密閉実装に乾燥剤が不要たり得ることを高く評価する一方、該実装中の湿度を制御することを望むだろう。一実施形態においては、上記乾燥剤は、上記MEMSアレイ111と上記バックプレート121との間に配置される。乾燥剤は、密閉実装または非密閉実装においても使用され得る。密封実装においては、該実装の内側の湿度をコントロールする為に、乾燥剤は通常使用される。非密封実装においては、周囲から侵入してくる湿気をコントロールする為に、乾燥剤は通常使用される。一般的に、インターフェロメトリックモジュレータアレイの光学的特性に干渉することなく湿気を捕捉するあらゆる物質が、乾燥剤として使用される。適切な乾燥剤材料は、以下のものに限られることはないが、ゼオライト、モレキュラーシーブ、表面吸着剤、バルク吸着剤、化学反応物質を含む。
【0032】
乾燥剤は、異なる形状、型材、サイズであり得る。乾燥剤は、固体形状に加えて、代替的には粉末形状もとり得る。このような粉末は、実装に直接入れられるか、接着材に添加され得る。代替実施形態においては、乾燥剤は、実装内に加えられる前に、例えばシリンダー状やシート状の異なる形状に形成され得る。
【0033】
当業者は、乾燥剤は様々な方法で利用され得るということを理解しているだろう。一つの実施形態においては、乾燥剤は、上記MEMSアレイ111の一部として配置される。他の実施形態において、乾燥剤は、噴霧や浸漬被覆として実装100内に加えられる。
【0034】
上記基板101は、その上にMEMSデバイスを形成できる薄膜を具備し得る半透明または透明な基板である。そのような透明な物質は、以下のものに限定されることはないが、ガラス、プラスチック、そして透明なポリマーを含む。上記MEMSアレイ111は、膜モジュレータまたは分離し得るタイプのモジュレータを具備し得る。高度な熟練工は、バックプレート121が例えばガラス、金属、フォイル、ポリマー、プラスチック、セラミック、または半導体材料(例えばシリコン)のような適切な材料から形成され得ることを高く評価するだろう。
【0035】
実装プロセスは、真空下、真空と大気圧の間、または大気圧よりも高い圧力下において遂行され得る。実装プロセスはシーリングプロセス中において可変制御された高圧または低圧の環境下においてもまた遂行され得る。完全に乾燥した環境下であれば、上記MEMSアレイ111の実装において利点はあり得るが、その必要はない。同様に、実装環境は周囲条件における不活性ガスからなり得る。デバイスの働きに影響を与えることなく周囲条件のもとで輸送され得ることから、周囲条件における実装は、低コストプロセス及び装置選択における汎用性の可能性拡大を可能にさせる。
【0036】
一般的に、実装構造への水蒸気の浸透を最小限に抑えること、上記MEMSデバイス100内の環境の制御をすること、及び該環境を一定に保つことを確かにする為にそれを密閉させることが望まれる。インターフェロメトリックモジュレータ10内の移動可能要素(不図示)の復元力よりも高くなる水分の表面張力を超えるレベルを、実装内の湿度が超過したとき、該移動可能要素はその表面に永久に張り付いてしまう。もし湿度が低すぎるレベルであったら、該要素がコーティング加工された表面と接触したとき、水分は移動可能要素と同じ極性まで充電する。
【0037】
上述したように、乾燥剤は、上記MEMSデバイス100内の湿度をコントロールする為に使用される。しかしながら、乾燥剤の必要性は、水分を雰囲気中から上記MEMSデバイス100の内部への侵入を防ぐ為の密閉シールの実施により低減または除去し得る。
【0038】
上記MEMS100内における乾燥剤を配置できるエリアは小さいので、続けられているディスプレイデバイスの小面積化は、上記MEMSデバイス100内の環境を管理する為の利用可能な方法を制限している。乾燥剤の必要性の除去は、上記MEMSデバイス100の薄型化をも可能とし、それはいくつかの実施形態において望まれていることでもある。一般的には、乾燥剤を含む実装においては、実装デバイスの期待できるライフタイムは、乾燥剤のライフタイムに依存し得る。乾燥剤が完全に消費されたとき、充分な湿気が実装構造に入って、インターフェロメトリックモジュレータアレイに損傷を与えるので、インターフェロメトリックモジュレータデバイスは機能しなくなる。
【0039】
図9は、バックプレート121がそのエッジ部に沿ったリップのような突起部125を有するMEMSデバイス100にて使用されている実装の他の実施形態を示している。該突起部125は、ボンディング材料123により基板101に接続されている。バックプレート121におけるこの突起部を利用することで、シーリングまたはボンディング材料123の必要な厚さを減少させることなく、望まれるスペースまたはバックプレート121と上記MEMSアレイ111との間のギャップ124を生み出す。図示された上記のリップ突起部125を有するバックプレート121は、モールディングまたはフォーミングにより生産され得る。あるいは、上記のリップ突起部125を形成する構造は、実質的にはそのエッジ部におけるフラットパネル(不図示)に付随し、その結果図9に示されている上記バックプレート121の構成を生みだす。さらなる代替案は、上記のリップ突起部125を有する上記バックプレート121が、フラットパネルの表面のリセスを作ることでも形成され得ることであり、ここで、その表面の中央エリアは切り出され、それにより、そのエッジ部における上記の突起部125を形成するフラットバックプレート121中で、複数のリセスを作ることができる。これは、後に詳述するように、リブを作ったりまたはバックプレート(図16乃至図24)の構造を強化したりという効果を有する。ここで、上記のリブ及び強化構造は、バックプレート121の本来の材料をいくつかの領域におき、他の場所にリセスを形成することで、形成され得る。
【0040】
上記バックプレート121は、上記MEMSアレイ111と上記バックプレート121との間のギャップ124を有する上記MEMSデバイス100に、組み入れられるのが好ましい。しかしながら、ギャップ無しの構造(不図示)も可能である。上記ギャップ124は、上記バックプレート121へ加えられる外力による上記MEMSアレイ111のダメージに対する防護を提供し得る。図10に示すように、上記バックプレート121は、上記MEMSアレイ111との接触は無いか、または取るに足らないわずかな接触だけで、例えば上記ギャップ124内のたわみによって印加されるような力を吸収する。それ故、外力は、上記MEMSアレイ111に転移し得ることは無いか、またはほんのわずかな力のみが、上記MEMSアレイ111に掛かる。上記ギャップ124が大きければ大きい程、上記MEMSアレイ111の防護はより良くなる。上記ギャップ124のサイズは、シーリングまたはボンディング材料123の厚さまたは高さを調整することでコントロールし得る。さらにまた、上記ギャップ124のサイズは、上記リップ突起部125の厚さ及び/または上述したリセスの深さを調節することでコントロールし得る。
【0041】
上述したように、上記ギャップ124は、上記MEMSデバイス100を防護するが、上記MEMSデバイス100の全体の厚さが増加する結果になるので、大きなギャップとなることが常に望まれるわけではない。さらには、大きなディスプレイエリアを有するMEMSディスプレイデバイスにおいては、上記MEMSアレイ111と上記バックプレート121との間のギャップ124を形成することは、上記MEMS111を損傷から効果的には防護しない。図11に示すように、バックプレート201の中央エリア126は、特に大きなディスプレイエリアを有するディスプレイにおいては、上記基板101と上記バックプレート201との間の距離を維持するシーリング/ボンディング材料123から隔たっており、それ故、上記ギャップ124のサイズが維持される。図8乃至図10に示す実装構造において、上記バックプレート121(図11)の上記中央エリア126内の上記ギャップ124のサイズを維持する為の構造上のサポートは無い。それ故、上記中央エリア126に加わる外力は、上記シーリング/ボンディング材料123に近いエリアよりは、上記MEMSアレイ111に転移する。
【0042】
図12は、湾曲したバックプレート121aを有するMEMSデバイス100のその他の実施形態を示す。図示された実施形態において、湾曲したバックプレート121aは、上記MEMSアレイ111に対して、カバーし且つ湾曲により距離を置く。それ故、上記湾曲したバックプレート121aは、上記MEMSアレイ111をカバーする一つの手段を提供する。詳しくは後述するように、上記湾曲の構造は、上記MEMSアレイ111と上記バックプレート121aとの間のより大きなギャップ124を、特に上記バックプレート121aの上記中央エリア126(図11)中に、提供する。さらには、上記湾曲の構造は、上記バックプレート121aの剛性を増す。この増した剛性は、同様の厚さのフラットプレートに比べて、所定の負荷に対してのたわみを減少させる結果となる。
【0043】
図12に示した実施形態によれば、上記ギャップ124の深さは、図8に示すギャップ124に示されたMEMSデバイスのそれよりも大きくなり得る。上記ギャップ124の深さという語は、上記MEMSアレイ111のトップ表面と上記バックプレート121aの内表面との距離を意味する。上記バックプレート121aにおける上記の湾曲構造は、上記バックプレート121aへの外力印加時に、あまりたわまない。より大きなギャップ深さ及び上記バックプレート12aの増した剛性によれば、この実施形態における上記MEMSアレイ111は、図8におけるフラットバックプレート実施形態の場合よりも、上記バックプレート121aに加えられた外力による、接触及び損傷の影響を受けにくい。それ故、上記の湾曲した構造は、バックプレートが直接上記MEMSアレイ111に接触するのを防ぐ一つの手段、またそのような接触の可能性を減少させるまたは最小限に抑える一つの手段を提供する。
【0044】
その上、上記バックプレート121aの湾曲した構造においては、上記ギャップ124の深さは、上記バックプレートにおけるどのエリアよりも上記中央エリアにおいて、より大きい。したがって、大きなディスプレイにおいてさえも、上記中央エリア126に加えられた外力は、その他のエリア130に加えられた力よりも、必ずしもより容易には上記MEMSアレイ111に転移しない。それ故、上記バックプレート121aの上記中央エリア126に対応する上記MEMSアレイ111のエリアは、図8におけるフラットバックプレート121の実施形態の場合よりも、外力や圧力による損傷からより良く防護される。
【0045】
図13Aには、上記湾曲したバックプレート121aの斜視図が示されている。図示されている実施形態において、上記バックプレート121aは、エッジ133に沿ってのみ弓なりになっているが、エッジ135に沿ってもまた弓なりであり得る。上記バックプレート121aが、上記エッジ133及び135の双方に沿って弓なりである実施形態において、上記エッジ133及び135の湾曲の半径は、同じ値であり得る。したがって、上記バックプレート121aは、本質的には、球形シェルのフラグメントである。他の実施形態においては、上記エッジ133及び135の湾曲の半径は、互いに異なる値であり得る。
【0046】
本発明の実施形態においては、上記バックプレート121aは、上記湾曲の半径(R)は、一定の値または上記バックプレート121aの湾曲により異なる。他の実施形態においては、上記湾曲したバックプレート121aは、平坦部を含み得る。上記湾曲の半径(R)は、変数であれ定数であれ、例えば50mm程度から5000mm程度である。上記湾曲の半径は、100mm程度から700mm程度の間で選択されるのが好ましい。上記バックプレート121aの厚さは、これらに限定されるわけではないが0.1mm程度から5.0mm程度である。上記厚さは、0.4mm程度から1.5mm程度であるのが好ましい。当業者は、上記バックプレート121aに使用される物質の特性を鑑みて、記載されている厚さのレンジ内で適当な厚さに調節し得る。
【0047】
上記湾曲したバックプレート121aは、様々な物質から構成され得る。例えば、上記バックプレート121aに使用する物質としては、ステンレス合金鋼を含む合金鋼、金属、合金、ガラス、ポリマー、金属酸化物や酸化物半導体材料、セラミックス等である。好ましくは、これらの物質は、上記MEMSアレイ111が形成されている上記基板101の熱膨張率と調和のとれる熱膨張率を有するかという観点から選ばれる。このような物質の例としては、主要なアロイ要素として、Ni及びCoを含む鉄合金であるKOVAR(登録商標)合金を含む。
【0048】
上記湾曲したバックプレート121aは、様々な方法で生産され得る。一つの実施形態においては、例えば、実質的に平坦なシートは、上記湾曲したバックプレート121aを生産する為に、反りやすいし、圧力を受けやすい。上記の実質的に平坦なシートは、形作りやすいし、延伸しやすい。図13B及び図13Cに図示されている他の実施形態においては、例えば二つの異なる材料から成る二つの層137及び139を有している、実質的に平坦なパネル136、は熱しやすい。上記の二つの層137及び139を構成する二つの材料は異なる熱反応、例えば異なる熱膨張率または熱収縮率を有する。フラットパネル136に熱を加えることは、上記の層137及び139の材料の異なる熱反応に起因して湾曲構造を生み出す。他の実施形態においては、上記フラットパネル136は、二つ以上の層を含み得る。
【0049】
いくつかの実施形態においては、上記バックプレート121aの形成は、上記MEMSデバイス100の組み立てプロセスにおいて生産され得る。一つの実施形態においては、基板101、フラットパネル136、及び周囲シーリング123に使用される熱硬化材料は、図8または図9に図示されているように構成される。これは、組み立てプロセスにおける装置100の中間体構成である。熱硬化材料を硬化させる為に、この中間生産物に熱が加えられたとき、上記フラットパネル136は、上記の層137及び139の材料の異なる熱反応に起因して湾曲構造を生み出す(図13B及び図13C)。このプロセスにおいて、湾曲は、当該構造がシール123が硬化させられたと同時に製造され、硬化させられたシール123により、上記バックプレート123及び基板101が堅固に一体化されている為、当該構造が常温にまで冷却させられた後でさえも湾曲は維持される。
【0050】
他の実施形態においては、上記バックプレート121aは、異なる熱膨張率である二つ以上の層を有する上記フラットパネル136に反して、単一の熱膨張率を有する実質的に平坦なパネルを使用することで弓なり構造に形成され得る。バックプレート材料の単一の熱膨張率は、上記基板101のそれとは異なる。バックプレート材料の熱膨張率は、上記基板101のそれよりも小さいことが好ましい。上述した実施形態のように、組み立てプロセスにおける中間体構造は、熱硬化材料であるシーリング123がまた硬化していない場合を除いて、図8または図9に図示されているとおりである。このデバイスは、熱硬化材料における硬化温度以下にて、徐々に温度が上げられていき、これにより、バックプレート121a及び基板101の材料が、シーリング材料に強固にボンディングされることなく膨張する。そして、周囲温度は、硬化温度まで上昇し、それ故シーリング材料は硬化し、上記基板101、シーリング材料123、及び上記バックプレート121aのフラットパネルは強固に一体化される。この一体化されたデバイスは、常温まで冷却される。熱膨張率の違いにより、上記バックプレート(フラットパネル)の材料は上記基板101よりも縮む。上記基板101及び上記フラットパネルは強固に一体化されている為、上記基板101における大きな縮みは、上記フラットパネルにおいてストレスを生み、このことは、図12に示すように、上記フラットパネルを湾曲構造へ変形させる。
【0051】
さらに他の実施形態においては、組み立てプロセスでの中間体デバイスは、図8及び図9に示すように構成され、同図においては、中間体デバイスにおける上記シーリング123は、実質的には該デバイスの周囲をシールするUV光硬化材料であるが、まだ完全には硬化されていない。該デバイスはチャンバー内に配置され、該チャンバー内は、上記中間体デバイスの内部の圧力よりもより低い圧力になりやすい。上記のUV光硬化材料は、実質的に上記デバイスの周囲をシールするものであるから、上記デバイスの外の圧力は、実質的には上記デバイスの中の圧力に影響を及ぼすものではない。上記デバイスにおける内部に比べてより低い外部の圧力は、上記フラットパネル(図8または図9)が弓なりになる、または湾曲することを表面に引き起こす。それ故、上記UV光硬化材料は、そこへのUV光の照射で完全に硬化され、上記バックプレートの湾曲が固定される。通常技術を有する当業者は、利用可能な上記バックプレート121aの適切な製造方法を評価するだろう。
【0052】
図14及び図15は、本発明に基づいた上記バックプレート121bの他の実施形態を示している。この実施形態において、上記バックプレート121bは、エッジ133に沿って厚さが変っている。可変厚さを有する上記バックプレート121bは、上記MEMSアレイ111をカバーリングする一つの手段を提供する。中間エリアにおける厚さは、上記エッジ133に沿った上記中間エリアの両サイドにおける厚さよりも厚みがある。図示された実施形態においては、上記MEMSアレイ111に対向している内側表面129は、反対に上記バックプレート121bの外部表面130が隆起している一方、実質的に平坦な構造に形成される。上記バックプレート121bの厚さは、上記エッジ133の一端から徐々に増していき、上記エッジ133の他端へ向かって徐々に減少していく。上記バックプレート121bの厚さは、0.1mm程度から5mm程度の範囲が好ましく、より好ましくは、0.4mm程度から1.5mm程度の範囲である。上記エッジ(最も薄い部分)に沿った上記バックプレート121bの二つの終端は、0.1mm程度から3.0mm程度の厚さであることが好ましく、より好ましくは、0.2mm程度から1.5mm程度である。上記バックプレート121bのセンター(最も厚い部分)は、0.4mm程度から5mm程度の厚さであることが好ましく、より好ましくは0.4mm程度から3mm程度である。上記バックプレート121bの厚さ及びそのエリアは、上述した範囲に限定されることはない。当業者は、上記バックプレート121bの適切な厚さ、及び上記バックプレート121bの材料の特性に鑑みてそのエリアを設計することができるだろう。
【0053】
図14及び図15に示すバックプレート121bは、様々な材料で製造されている。図12におけるバックプレート121aの製造に用いられる材料は、上記バックプレート121bの製造にも利用され得る。上記バックプレート121bは、様々な方法により製造され得る。一つの実施形態においては、例えば、図8に示されているような実質的に平坦なパネルは、図14及び図15に示すような構造を得る為に機械加工される。その他の実施形態においては、図14及び図15に示す上記バックプレート121bは、モールディングにより製造される。通常技術を有する当業者は、上記バックプレート121bに用いる材料の選択においてバックプレート121bを製造する適切な方法が利用できることを高く評価するだろう。
【0054】
図14及び図15の実施形態においては、ギャップ124の深さは、もし他の条件が全て同じであれば、図8の実施形態におけるそれと、およそ同じである。また、上記バックプレート121bの中央エリアにおける上記ギャップ124の深さは、上記バックプレート121bのその他のエリアにおけるそれと、およそ同じである。しかしながら、より厚い中央エリアの構造は、特に中央エリアにおける上記バックプレート121bの剛性を増す。エッジ133に沿った上記中央エリアの増加した剛性により、上記バックプレート121bは、特に上記の中央エリア126において、図8に示す実施形態よりも、外側から加えられる外力や圧力の影響を受けにくい。したがって、上記の可変厚さ構造は、上記バックプレートが上記MEMSアレイ111に直接接触することを防ぐ一つの手段を提供し、さらにまた、そのような接触の可能性の軽減または最小限にする一つの手段を提供する。いくつかの実施形態(不図示)においては、上記バックプレート121bの厚さは、直線的に、または段階的に変化し得る。他の実施形態(不図示)においては、上記バックプレートの厚さは、他のエッジ135に沿って変化し、そこでは厚さは徐々にまたは段階的に変化し得る。さらに他の実施形態(不図示)においては、外表面130が実質的に平坦を維持する一方、内表面129は上記MEMSアレイ111に向かって隆起する。また、その他の実施形態(不図示)では、上記内表面129及び外表面130の双方共、互いに離れるように湾曲させられる。そのような実施形態の一つでは、上記内表面と外表面との最大距離は、上記バックプレートの中央に存在する。さらに他の実施形態では、上記バックプレートの厚さが、上記エッジ133に沿って、または上記エッジ133及び135の双方に沿って変化する一方、上記内表面129及び外表面130の双方共が、図12の実施形態のように湾曲させられる。
【0055】
いくつかの実施形態において、図15に示す上記バックプレート121bは、内表面129(不図示)に形成された、一又はそれ以上のリセスを有する。一又はそれ以上のリセスを有する上記バックプレートは、上記MEMSアレイ111をカバーリングする手段を提供する。また、一又はそれ以上のリセスは、上記バックプレート111が直接上記MEMSアレイに接触するのを防ぐ手段や、そのような接触の可能性の減少または最小限化を行なう手段を提供する。例えば、一又はそれ以上のリセスは、上記バックプレート121bの中央エリアに形成され得る。そのような構造においては、上記中央エリア126における上記ギャップ124の深さは、その他のエリアにおけるそれよりも、より深い。一つの実施形態においては、一又はそれ以上のリセスは、乾燥を保持することを促進させる為に構成される。他の実施形態においては、複数のリセスは、図16乃至図26を参照して詳しく後述するように、複数のリセスの隔壁が構造やリブを強化する働きをし、それが上記バックプレートの剛性を増すように形成される。一又はそれ以上のリセスは、リセスを有しない上記バックプレート121bのいくつかの物質を除去することで形成され得る。
【0056】
図16乃至図26は、上記MEMSアレイ111の実装において、121c,121d,121e,121f,121g,121h,そして121iとして識別される上記バックプレートの更なる模範的な実施形態を示している。上記バックプレート121c,121d,121e,及び121f(図16乃至図23)は,図12の上記バックプレート121aの強化された形状である。上記バックプレート121aのバリエーションの全ては、図16乃至図23を参照して述べたのと同様の方法により、さらに強化されている。そして、上記バックプレート121b(図14及び図15)及びそのバリエーションもまた、同じような方法により強化され得る。さらに、その全ての特性及びバリエーションは、図9の実施形態を参照して述べた上記リップ突起部の特性と組み合わされ得る。強化構造を採るこれらバックプレートは、上記MEMSアレイ111をカバーリングする一つの手段を提供する。また、詳細は後述するが、強化構造は、バックプレートが上記MEMSアレイ111に接触するのを防ぐ一つの手段や、そのような接触の可能性の減少や最小限化する一つの手段を提供する。
【0057】
図16乃至図23に示すように、上記バックプレート121c,121d,121e,及び121fは、その内表面に形成された強化構造即ちリブ127a,127b及び/または127cを有する。図16及び図17の実施形態においては、強化構造やリブ127a及び127bは、それぞれ、上記バックプレート121cのエッジ133及び135に実質的に平行に伸びる。図17A及び図17Bに示すように、強化構造127a及び127bは、バックプレート121cの中央付近にて互いに交差する。図17Aに示すように、強化構造127a及び127bは、上記バックプレート121cの一部分内のみで延長する。代替的には、図17Bに示すように、強化構造127a及び127bは、上記バックプレート121cの一エッジから反対のエッジにまで延長し得る。リップ突起部125(図9参照)が存在する実施形態において、上記強化構造127a及び127bは、上記バックプレート121cの二つの相対するエッジに沿って配置された突起部125の所定部分に結合し得る。図17Cに示すように、複数の強化構造127a及び127bは、互いに交差し、グリッド構造を形成する。いくつかの強化構造は、上記バックプレート121cの一エッジから反対のエッジにまで延長し得り、一方、他の強化構造はそうし得ない。上記強化構造127a及び127bの個数及び密集度は、他の設計要素に依存し、変化し且つ調整し得る。
【0058】
図18及び図19の実施形態においては、強化構造即ちリブ127a及び127bもまた、上記バックプレート121dの中央付近にて互いに交差する。しかしながら、強化構造127a及び127bは、その平面図(図19)においては、実質的には上記バックプレート121dの対角線方向に延長する。図示はされていないが、バックプレート121dの対角線方向への強化構造は、例えばそのエッジへの延長及び図17B及び図17Cに示されるグリッド構造のようなバリエーションを持ち得る。類似のバリエーションは、上述したようなまたは後述するような強化構造の他の実施形態に適用し得る。
【0059】
上記バックプレート121c及び121d(図16乃至図19)において、上記MEMSアレイ111に対向する上記強化構造127a(または127a及び127bの双方共)は、実質的に平坦である。それ故、上記強化構造127a(または127a及び127bの双方共)の厚さは、上記バックプレート121c及び121dの内表面129が湾曲させられるにしたがって、変化する。特に、強化構造127a及び127bの厚さは、上記バックプレート121c及び121dの中央エリアにおいて、その周辺エリアよりも厚くなる。他の実施形態においては、上記強化構造127a及び/または127bの厚さは、バックプレートの内表面の湾曲に関わりなく変化し得る。その他の実施形態においては、上記厚さは、上記強化構造127a及び/または127bの全体に渡って実質的に一定である。
【0060】
図20及び図21に示すバックプレート121eにおいて、更なる強化構造127cが、上記バックプレート121d(図19)の構造に加えられている。この加えられた強化構造127cは、全体として他の強化構造127a及び127bと結合している同心円である。上記強化構造127cは、全体として上記バックプレート121eの中央エリアに形成される。他の構造127a及び127bと結合している上記強化構造127cは、同心円以外にも、ネットワーキングメッシュ構造(不図示)を含むあらゆる形状を採ることができる。上記の結合強化構造127cは、バックプレート121c及びバックプレート121d(図17及び18)の構造に加えられ得る。
【0061】
図22及び図23に示す上記バックプレート121fにおいては、突起部即ちスペーサ131が、バックプレート121c(図17)または121d(図18)の構成の強化構造127a及び127bに形成される。上記突起部即ちスペーサ131は、これらがなければ、上記MEMSアレイ111の小さなフォーカスエリアに加わり得る力を、複数の位置へ分散させ、それ故上記MEMSアレイ111へのそのような力の衝撃を軽減させ得る。図示された実施形態において、上記突起部即ちスペーサ131は、一般的且つ恒常的に、上記強化構造127a及び127bの表面の全体に渡って提供される。上記突起部即ちスペーサ131は、所定のエリアにて種々の密集度にて配置され得る。上記突起部即ちスペーサ131は、同じまたは種々の高さを持ち得る。類似の突起部またはスペーサ131は、上記バックプレート121c乃至121eの上記強化構造127a,127b及び/または127cの全部または一部に形成され得る。また、突起部またはスペーサ131は、上記バックプレート121a乃至121bの内表面129に形成され得る。
【0062】
他の実施形態において、上記突起部即ちスペーサ131は、外力が上記バックプレートに加えられたとき、それらが上記MEMSアレイ111の所定の部分にのみ接触するよう形成されまたは配置される。この実施形態において、外力は、実質的に上記MEMSアレイの所定の部分にのみしか転移しない。上記の所定の部分は、もし損傷を受けた場合であっても、上記MEMSデバイスの動作に影響を与えにくい上記MEMSアレイの部分であることが望ましい。更には又は代替的には、上記の所定の部分は、外力による損傷を受けにくい上記MEMSアレイの部分である。さらに他の実施形態においては、上記突起部即ちスペーサ131は、あるエリア、例えば上記バックプレート121fの中央エリア等にのみ形成され得る。上述したように、上記突起部即ちスペーサ131は、バックプレートが直接的に上記MEMSアレイ111に接触するのを防ぐ一つの手段を提供する。また、上記突起部即ちスペーサ131は、加えられた力をバックプレートに分散する一つの手段、及び/または上記MEMSアレイへの損傷を最小限化または防ぐ一つの手段を提供する。
【0063】
図24に示すように、上記バックプレート121gの形状は、上記バックプレート121及び121a乃至121fにおけるそれと、わずかに異なっている。上記バックプレート121gは、中央エリアの周辺エリア130においてよりも、中央エリアにおいて、より薄い。この形状は、上記強化構造127a,127b及び127cと結びついている。上記バックプレート121g自身は、上記周辺エリアにおいてよりも上記中央エリアにおいて、より影響を受けやすいが、上記強化構造127a及び127bは、上記バックプレート121gに剛性を加え、上記バックプレート121gが上記MEMSアレイ111に向かって容易に曲がることを防ぎ得る。強化構造のその他のどの形状も、上記バックプレート121gのこの構成において使用され得る。また、図22及び23に示す上記突起部またはスペーサ131は、この構成に加えられ得る。
【0064】
図25は、強化構造127a及び127bと一体化された、実質的に平面なバックプレート121h、を有するMEMSデバイスを示している。強化構造127a及び強化構造127bを有さない上記バックプレート121hは、全体に渡って実質的に同じ厚さである。この実施形態において、上記バックプレート121hの中央エリアにおけるギャップ124の深さは、強化構造127a及び127bの厚さにより、周辺エリアにおけるそれよりも小さい。しかしながら、上記強化構造127a及び127bは、バックプレート121gに剛性を加え、上記バックプレート121gが上記MEMSアレイ111と接触するのを防ぎ得る。上記バックプレート121hは、図9に示すように、リップ突起部125をも有し得る。強化構造のその他のどの形状も、上記バックプレート121hのこの構造に利用し得る。また、図22及び図23に示す上記突起部またはスペーサ131は、この構造に加えられ得る。
【0065】
上記バックプレート121c,121d,121e,121f,121g,または121hの強化構造及び/またはスペーサは、上記バックプレートの中間体構造に形成され得る。一実施形態においては、例えば、中間体構造は、そこに形成されるどのような強化構造をも有しないバックプレートを具備する。中間体バックプレート121aの表面に強化構造を加えることは、上記バックプレート121c,121d,121e,121f、または121gを生み出す。湾曲したバックプレート構造においては、強化構造は、当該バックプレートのベンディング前またはベンディング後に、実質的にフラットパネルまたはシートに設けられる。代替的には、強化構造及び/またはスペーサは、上記バックプレート121c,121d,121e,121f,121g、121hの製造プロセスの一部にて製造され得る。一実施形態においては、例えば、いくつかの部位のいくらかの材料を除去する機械加工にてブランクが作られ、該材料は他の場所へ放置され、それ故、強化構造及び/またはスペーサを有するバックプレートが製造される。さらに他の実施形態においては、例えば、強化構造及び/またはスペーサを有するバックプレートは、モールディングやフォーミングで製造される。当業者は、バックプレート、強化構造、及び/またはスペーサを製造するのに利用できる方法を高く評価するだろう。逆に、強化構造及びスペーサを製造する方法は、上記リップ突起部125を製造する方法において利用され得る。
【0066】
上述した強化構造に利用できる材料は、例えば、ポリマー、ガラス、セラミック、金属、金属酸化物または酸化物半導体材料、スピンオングラス、フリット、フォトパターナブルポリマー、乾燥剤を含むポリマー、等々である。強化構造はバックプレート121,121aまたは121bに用いられる同じ材料から作られ、そして上記バックプレート121aまたは121b上に強化構造が形成される。突起部の材料は、例えば、ポリマー、ガラス、セラミック、金属、金属酸化物または酸化物半導体、スピンオングラス、フリット、フォトパターナブルポリマー、乾燥剤を含むポリマー、等々である。強化構造は、突起部が形成される強化構造127a,127b及び/または121cに用いられるのと同じ材料から作られるのが望ましい。
【0067】
強化構造及び突起部は、一つかそれ以上の乾燥剤単独で、または例えばポリマーのような一つかそれ以上の構造材料と組み合わせて、形成され得る。乾燥剤を有する強化構造を形成することは、上記のMEMSメカニズムの適切な操作を保証する為に湿度調整の要請があるディスプレイの実装中における乾燥剤の為の余分なスペース及び/または容器の必要性を取り去る、または少なくとも軽減させる。上述したどのような乾燥剤も利用し得る。適用できる乾燥剤は、例えば、アルミニウム錯体、酸化カルシウム、ゼオライト、カーボンナノチューブを含むモレキュラーシーブが望ましい。通常技術を有する当業者は、強化構造及び/または突起部に使用される乾燥剤の選択時に、上記の構造材料の種類及び量を高く評価するだろう。
【0068】
図26は、強化構造127d及び127eと一体化された薄膜バックプレート121iを有するMEMSデバイスを示す。一つの実施形態において、上記薄膜バックプレート121iは、10μm程度から100μm程度の厚さである。図示された実施形態は、薄膜バックプレート121iの上記周辺部分141が、上記MEMSアレイ111が形成されていない上記基板101の表面に、直接的に蒸着される場合を除いて、図25に示した実施形態に類似して設計される。また、図示はしていないが、一かそれ以上の介在層が、上記薄膜バックプレート121iの上記周辺部分141と、上記基板101との間に差し込まれ得る。図示された実施形態において、上記周辺部分141は、上記バックプレート121iの中央部分と一体的に被着されるのが好ましい。上記強化構造127d及び127eは、様々な形状を採り得る。図示はしていないが、図22及び23に示された突起部131は、この構造に加えられ得る。
【0069】
図26の実施形態は、さらに図27の模範的なプロセスフローチャートを参照して描かれている。実施形態によると、追加ステップが加えられ及び/または既存のステップのいくつかが除去され得、残りのステップは不変である。ステップS2701においては、上記MEMSアレイ111が上記基板101に形成される。次のステップS2703においては、犠牲層(不図示)が、上記MEMSアレイ111上に形成される。犠牲層は、例えばモリブデン(Mo)、シリコン(Si)、タングステン(W)、またはチタニウム(Ti)などの材料で形成され得り、後に乖離させ得る。一実施形態においては、上記犠牲層は、例えばポリマー、スピンオングラス、または酸化物等の材料で形成される。当業者は、上記犠牲層が望みの厚さで成膜され得ることを高く評価するだろう。犠牲層の厚さは、上記薄膜バックプレート121i及び上記MEMSアレイ111を分離させるのに充分な厚さとするべきである。一実施形態においては、上記犠牲層は、1000オングストローム程度から10μm程度の範囲の厚さで成膜されるが、1000オングストローム程度から1μm程度の範囲の方が、より好ましい。
【0070】
ステップS2705に進むと、上記犠牲層は、フォトリソグラフィック技術を用いることで、パターニングされ、リセス(不図示)を形成する為に選択的にエッチングされる。上記犠牲層に形成された上記リセスは、そこに強化構造127d及び127eを作る為のネガとして利用される。上記リセスは、強化構造127d及び127eを製造するのに充分な深さ及び形状で形成される。そして、ステップS2707において、上記リセスは、強化構造127d及び127eを形成する材料で満たされる。上記強化構造127d及び127eは、以下に限られないが、半導体、金属、合金、ポリマーまたはプラスチック及び複合材料を含むあらゆるタイプの物質であり得る。引き続きステップS2709においては、薄膜バックプレート121iは、上記基板101、上記犠牲層、及び上記強化構造127d及び127eの材料で満たされた上記リセスを含む全体構造の上に蒸着される。いくつかの実施形態においては、上記薄膜バックプレート121iは、以下に限られないが、ニッケル、アルミニウム、及び金属及び箔のその他のタイプを含む不浸透性及び疎水性の物質であり得る。上記の薄膜もまた、以下に限られないが、シリコン、ダイオード、酸化アルミニウム、または窒化物を含む絶縁体で形成され得る。代替的には、薄膜は浸透性のある物質で形成され得る。適切な浸透性のある物質は、例えば、PMMA、エポキシ、及び有機または無機のスピンオングラス(SOG)型物質のようなポリマーを含む。いくつかの実施形態において、上記薄膜バックプレート121i及び上記強化構造127d及び127eは、同じ物質から形成され得る。
【0071】
次のステップS2711においては、上記薄膜バックプレート121iは、少なくとも一つの開口を上記バックプレート121iに形成するために、パターニングされ、エッチングされる。上記薄膜バックプレート121iはさらに、上記MEMSアレイ111及び当該デバイスの他の部分との電気的接続及び接触を可能とする為に、パターニング及び処理され得る。続くステップS2713では、上記MEMSアレイ111及び上記バックプレート121i及び/または上記強化構造127d及び127eとの間に位置する上記犠牲層が、選択的に除去される。上記のギャップ124は、上記犠牲層が除去される場所に形成される。エッチャントは、上記薄膜バックプレート121iに形成された上記開口を経由して供給される。上記エッチャントが、上記犠牲層の露出したエリアに触れ反応すると、上記犠牲層の物質は、選択的にエッチングされる。例えば、モリブデン(Mo)、シリコン(Si)、タングステン(W)、またはチタニウム(Ti)、二フッ化キセノンの犠牲層を除去することは、少なくとも一つの開口を通じて、上記MEMSデバイスの内側に導入される。上記犠牲層が除去され、ギャップ124が製造された後、上記薄膜バックプレート121iの上記開口は塞がれる。半導体プロセスまたはフォトリソグラフィー分野の当業者は、ここに記述された処理を高く評価し、上記強化構造127d及び127eを有する上記バックプレート121iを製造する適切なパラメータを決定するだろう。
【0072】
上述した実施形態、特に図16乃至図26の実施形態においては、上記強化構造及び上記バックプレートの上記内表面は、ポケットやリセスを形成する。上記ポケットやリセスのエリアは、上記バックプレートに形成された強化構造の壁面や表面にて定められる。いくつかの実施形態において、上記ポケットやリセスの一部または全部は、ディスプレイデバイスの中で水分子を吸収し得る一つかそれ以上の乾燥剤で満たされる。上記ポケットやリセスのエリアに収納されている上記乾燥剤は、上記バックプレートの構造的な強度及び剛性をさらに強化する。図12乃至図15は、上記バックプレート121a,121b(不図示)の上記内表面129に乾燥剤の層を形成することで乾燥剤も適用可能である。代替的には、乾燥剤を収納している収容器は、バックプレートの内表面に形成され得る。
【0073】
図28A及び図28Bは、ディスプレイデバイス2040の一実施形態を示すシステムブロックダイアグラムである。ディスプレイデバイス2040は、例えば、携帯電話や移動可能電話であり得る。しかしながら、ディスプレイデバイス2040と同じ構成要素や、それの僅かな変形例は、例えばテレビジョン及びポータブルメディアプレイヤーのようなディスプレイデバイスの様々なタイプの実例ともなる。
【0074】
上記ディスプレイデバイス2040は、ハウジング2041、ディスプレイ2030、アンテナ2043、スピーカ2045、入力デバイス2048、及びマイクロフォン2046を含む。上記ハウジング2041は、一般的に、射出成形及び真空成形を含む当業者の間でよく知られているような様々なあらゆる製造プロセスにて形成される。加えて、上記ハウジング2041は、プラスチック、金属、ガラス、ラバー、及びセラミック、またはそれらの組み合わせ、これらに限られないが、を含む様々なあらゆる材料から製造される。一実施形態においては、上記ハウジング2041は、異なる色、または異なるロゴ、絵、またはシンボルを含む他の除去可能な部分と置き換えることが出来得る除去可能な部分(不図示)を含む。
【0075】
模範的なディスプレイデバイス2040の上記ディスプレイ2030は、ここに述べたように、双安定ディスプレイを含む様々なあらゆるディスプレイであり得る。他の実施形態においては、上記ディスプレイ2030は、例えば上述したようにプラズマ、EL,OLED,STN LCD,またはTFT LCDフラットパネルディスプレイのようなフラットパネルディスプレイ、または例えばCRTまたは当業者によく知られている他のチューブデバイスのような非フラットパネルディスプレイ、を含む。しかしながら、この実施形態を説明するという目的に照らすと、上記ディスプレイ2030は、ここに述べたようにインターフェロメトリックモジュレータディスプレイを含む。
【0076】
模範的なディスプレイデバイス2040の一つの実施形態の構成要素が、図28Bに概略的に示されている。図示された模範的なディスプレイデバイス2040は、ハウジング2041を含み、少なくとも部分的にそこに封入される追加的な構成要素を含むこともできる。例えば、一実施形態においては、上記の模範的なディスプレイデバイス2040は、トランシーバー2047と組み合わされたアンテナ2043を含むネットワークインターフェイス2027を含む。上記トランシーバー2047は、コンディショニングハードウェア2052と接続されている上記プロセッサ2021と接続されている。上記コンディショニングハードウェア2052は、信号を調節する(例えば信号をフィルターする)ように構成されている。上記コンディショニングハードウェア2052は、スピーカ2045及びマイクロフォン2046に接続されている。上記プロセッサ2021もまた、入力デバイス2048及びドライバーコントローラ2029に接続されている。上記ドライバーコントローラ2029は、フレームバッファー2028及びアレイドライバー2022と連結されている。電源2050は、特に模範的なディスプレイデバイス2040の設計には要求されることであるが、全ての構成要素に電力を供給する。
【0077】
上記ネットワークインターフェイス2027は、上記の模範的なディスプレイデバイス2040が一又はそれ以上のデバイスとネットワークを通じて通信を行えるように、上記アンテナ2043及びトランシーバー2047を含む。一つの実施形態においては、上記ネットワークインターフェイス2027は、上記プロセッサ2021の必要要件を軽減させるいくつかの処理機能をも有する。上記アンテナ2043は、信号の送受信に用いられる、当業者にとってよく知られているあらゆるアンテナである。一実施形態において、上記アンテナは、IEEE802.11(a),(b),または(g)を含むIEEE802.11規格に従ってRF信号の送受信を行う。他の実施形態においては、上記アンテナは、BLUETOOTH規格に従ってRF信号の送受信を行う。携帯電話の場合には、上記アンテナは、ワイヤレスセルフォンネットワーク内で通信を行うのに利用されているCDMA,GSM,AMPSまたは他の知られた信号を受信できるよう設計されている。上記トランシーバー2047は、上記信号を上記プロセッサ2021が受信して更に操作し得るように、上記アンテナ2043で受信した上記信号の予備的処理を行う。上記トランシーバー2047もまた、上記信号が上記アンテナ2043を通して上記の模範的なディスプレイデバイス2040から伝送され得るように、上記プロセッサ2021で受信された信号を処理する。
【0078】
代替的な実施形態においては、上記トランシーバー2047は、受信機で置き替え得る。さらに他の代替的な実施形態においては、ネットワークインターフェイス2027は、上記プロセッサ2021に送られるイメージデータの記憶または生成し得るイメージソースで置き換え得る。例えば、上記イメージソースは、イメージデータを含むデジタルビデオディスク(DVD)またはハードディスクドライブ、またはイメージデータを生成するソフトウェアモジュールであり得る。
【0079】
プロセッサ2021は、一般的に、上記の模範的なディスプレイデバイス2040の全体の操作を制御する。上記プロセッサ2021は、例えば上記ネットワークインターフェイス2027またはイメージソースからの圧縮したイメージデータを受信し、該データを生データまたは生データへすぐに処理できるフォーマットへ処理する。そして、上記プロセッサ2021は、上記の処理が施されたデータを、上記ドライバーコントローラ2029またはフレームバッファー2028へ記憶させる為に送る。生データは、一般的には、イメージ内のそれぞれの位置におけるイメージ特性を特定する情報に関わる。例えば、そのようなイメージ特性は、色、彩度、及びグレイスケールレベルを含み得る。
【0080】
一実施形態において、上記プロセッサ2021は、上記の模範的なディスプレイデバイス2040の動作の制御を行う為に、マイクロコントローラ、CPU、または論理演算装置を含む。上記スピーカ2045へ信号を送信する為、及び上記マイクロフォン2046から信号を受信する為に、コンディショニングハードウェア2052は、一般的には、増幅器及びフィルターを含む。コンディショニングハードウェア2052は、上記模範的なディスプレイデバイス2040内では別個の構成要素でも、また上記プロセッサ2021や他の構成要素に組み込まれていても良い。
【0081】
上記ドライバーコントローラ2029は、上記プロセッサ2021から直接、または上記フレームバッファー2028からのどちらかからのデータにより上記プロセッサ2021で生成された生イメージデータを取得し、上記アレイドライバー2022へ高速で送信できるように、上記生イメージデータを適切にリフォーマットする。特に、上記ドライバーコントローラ2029は、上記生イメージデータを、例えば上記ディスプレイアレイ2030をスキャンするのに適したタイムオーダーを有するようなラスターライクフォーマットを有するデータフローにリフォーマットする。例えばLCDコントローラのようなドライバーコントローラ2029は、多くの場合、独立した集積回路(IC)として上記システムプロセッサ2021と結びつくが、そのようなコントローラはたくさんの方法で実行され得る。それらは、ハードウェアとして、ソフトウェアとして、またはハードウェアにおいて上記アレイドライバー2022と完全に一体化されて、上記プロセッサ2021に組み込まれる。
【0082】
一般的に、上記アレイドライバー2022は、上記ドライバーコントローラ2029からフォーマットされた情報を受信し、ビデオデータを、ディスプレイにおける画素のx−yマトリックスからくる数百及び時には数千ものリードに一秒間に多数回印加される並列な波形の組にリフォーマットする。
【0083】
一実施形態において、ドライバーコントローラ2029、アレイドライバー2022、及びディスプレイアレイ2030は、ここに述べられているどのタイプのディスプレイにとっても適切である。例えば、一実施形態において、ドライバーコントローラ2029は、従来のディスプレイコントローラまたは双安定ディスプレイコントローラ(例えばインターフェロメトリックモジュレータコントローラ)である。他の実施形態においては、アレイドライバー2022は、従来のドライバーまたは双安定ディスプレイドライバー(例えばインターフェロメトリックモジュレータディスプレイ)である。一実施形態においては、ドライバーコントローラ2029は、上記アレイドライバー2022と一体化されている。そのような実施形態は、例えば携帯電話、時計、及び他の小エリアディスプレイのような高度に統合化されたシステムにおいては共通である。さらに他の実施形態においては、ディスプレイアレイ2030は、典型的なディスプレイアレイまたは双安定ディスプレイアレイ(例えばインターフェロメトリックモジュレータのアレイを含むディスプレイ)である。
【0084】
上記入力デバイス2048は、ユーザーが上記の模範的なディスプレイデバイス2040の動作の制御をすることを可能とする。一実施形態において、入力デバイス2048は、例えばQWERTYキーボードまたはテレフォンキーパッド、ボタン、スイッチ、接触感知スクリーン、圧力感知または熱感知膜のようなキーパッドを含む。一実施形態において、上記マイクロフォン2046は、上記の模範的なディスプレイデバイス2040への入力デバイスである。上記マイクロフォン2046が上記デバイスへのデータ入力に用いられるとき、ボイスコマンドは、上記の模範的なディスプレイデバイス2040の動作を制御する為にユーザーにより供給される。
【0085】
上記電源2050は、当業者でよく知られている種々のエネルギーストレージを含み得る。例えば、一実施形態において、電源2050は、例えばニッケル−カドミウムバッテリーまたはリチウムイオンバッテリーのような再充電可能なバッテリーである。他の実施形態においては、電源2050は、再生し得るエネルギー源、コンデンサー、またはプラスチック太陽電池及び太陽電池塗装を含む太陽電池である。他の実施形態においては、電源2050は、壁コンセントから電力を受けとるよう構成されている。
【0086】
いくつかの実施においては、電子ディスプレイシステムのいくつかの場所に配置され得るドライバーコントローラには、上述したようにプログラム制御能力が備わっている。いくつかのケースにおいては、プログラム制御能力は、上記アレイドライバー2022に備わっている。当業者は、上述した最適化はあらゆるハードウェア及び/またはソフトウェア構成要素及び様々な構成において、実施され得ると理解するだろう。
【0087】
当業者は、本発明の有利な効果を達成する為に、ここに述べた本発明を若干変えるだろうと思われる。したがって、上記の記述は、幅広く理解されるように当業者に開示情報を教えるものであり、また本発明に限られるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】インターフェロメトリックモジュレータディスプレイの1つの実施形態の一部分を描いた等角投影図であり、第1のインターフェロメトリックモジュレータの移動可能な反射層が解放位置にあり、第2のインターフェロメトリックモジュレータの移動可能な反射層が作動位置にある。
【図2】3×3インターフェロメトリックモジュレータディスプレイを組み込んだ電子デバイスの1つの実施形態を例示したシステムブロック図である。
【図3】図1に示したインターフェロメトリックモジュレータの1つの典型的な実施形態に関する移動可能な鏡の位置及び印加電圧の関係を示した図である。
【図4】インターフェロメトリックモジュレータディスプレイを駆動するために使用する一組のロー電圧及びコラム電圧を示した図である。
【図5A】図2に示した3×3インターフェロメトリックモジュレータディスプレイに表示データフレームを書くために使用するロー信号及びコラム信号に関する1つの典型的なタイミング図である(その1)。
【図5B】図2に示した3×3インターフェロメトリックモジュレータディスプレイに表示データフレームを書くために使用するロー信号及びコラム信号に関する1つの典型的なタイミング図である(その2)。
【図6A】図1に示した電子デバイスの横断面を示した図である。
【図6B】インターフェロメトリックモジュレータの1つの代替実施形態の横断面を示した図である。
【図6C】インターフェロメトリックモジュレータのもう1つの代替実施形態の横断面を示した図である。
【図7】MEMSアレイを示した平面図である。
【図8】実装されたMEMSディスプレイデバイスの横断面を示した側面図である。
【図9】実装されたMEMSディスプレイデバイスの横断面を示した側面図である。
【図10】実装されたMEMSディスプレイデバイスのバックプレートの湾曲を示した側面図である。
【図11】図10のバックプレートの平面図である。
【図12】バックプレートの様々な構造により実装されたMEMSディスプレイデバイスの横断面を示した側面図である。
【図13A】図12で使用されているバックプレートの形状を示す斜視図である。
【図13B】図12及び図13Aに示されているバックプレートの生産物を図示したバックプレートの側面図である。
【図13C】図12及び図13Aに示されているバックプレートの生産物を図示したバックプレートの側面図である。
【図14】バックプレートの様々な構造により実装されたMEMSディスプレイデバイスの横断面を示した側面図である。
【図15】図14で使用されているバックプレートの形状を示す斜視図である。
【図16】バックプレートの様々な構造により実装されたMEMSディスプレイデバイスの横断面を示した側面図である。
【図17A】図16で使用されているバックプレートの強化構造を図示した底面図である。
【図17B】図16で使用されているバックプレートの強化構造を図示した底面図である。
【図17C】図16で使用されているバックプレートの強化構造を図示した底面図である。
【図18】バックプレートの様々な構造により実装されたMEMSディスプレイデバイスの横断面を示した側面図である。
【図19】図18で使用されているバックプレートの強化構造を図示した底面図である。
【図20】バックプレートの様々な構造により実装されたMEMSディスプレイデバイスの横断面を示した側面図である。
【図21】図20で使用されているバックプレートの強化構造を図示した底面図である。
【図22】バックプレートの様々な構造により実装されたMEMSディスプレイデバイスの横断面を示した側面図である。
【図23】図22で使用されているバックプレートの強化構造を図示した底面図である。
【図24】バックプレートの様々な構造により実装されたMEMSディスプレイデバイスの横断面を示した側面図である。
【図25】バックプレートの様々な構造により実装されたMEMSディスプレイデバイスの横断面を示した側面図である。
【図26】バックプレートの様々な構造により実装されたMEMSディスプレイデバイスの横断面を示した側面図である。
【図27】図26に示す実施形態を製造する模範的な工程を示したフローチャートである。
【図28A】複数のインターフェロメトリックモジュレータを具備するビジュアルディスプレイデバイスの実施形態を示したシステムブロック図である(その1)。
【図28B】複数のインターフェロメトリックモジュレータを具備するビジュアルディスプレイデバイスの実施形態を示したシステムブロック図である(その2)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
上記基板上に形成された微小電気機械デバイスのアレイと、
上記アレイの上方に配置され且つ内表面及び外表面を有するバックプレートと、
を具備し、
上記内表面は上記アレイとその間のギャップを挟んで対向し、上記外表面は上記基板と対向せず、
上記バックプレートの上記内表面と上記基板との間の距離は、上記基板の全面に渡って変化していることを特徴とする電子装置。
【請求項2】
上記微小電気機械デバイスは、インターフェロメトリックモジュレータを有することを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
上記内表面は中央エリア及び周辺エリアを有し、上記距離は、上記周辺エリアにおいてよりも上記中央エリアにおいて、より大きいことを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項4】
上記バックプレートは全体として、湾曲して上記アレイに対して距離を置いていることを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項5】
上記距離は、上記内表面の一点から上記基板における最近点までの距離であることを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項6】
上記内表面は、実質的に滑らかに湾曲していることを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項7】
上記距離は、上記内表面の少なくともある一つの位置において、実質的に急峻に変化することを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項8】
上記距離は、実質的に上記内表面の少なくとも一つの部分において同じ値であることを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項9】
上記バックプレートは、全体に渡って実質的に同じ厚さであることを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項10】
上記内表面は中央エリア及び周辺エリアを有し、上記バックプレートの厚さは全体として上記周辺エリアにおいてよりも上記中央エリアにおいて、より厚いことを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項11】
上記バックプレートの上記外表面は実質的に平坦であり、上記外表面と上記基板との間の距離は、上記基板のいたるところで、実質的に同じであることを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項12】
上記外表面と上記基板との間の距離は、上記基板の全面に渡って実質的に変化していることを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項13】
上記バックプレートの上記内表面及び上記外表面のうち少なくとも一つに形成された強化構造を、一又はそれ以上更に具備することを特徴とする上記請求項1に記載の電子装置。
【請求項14】
強化構造が形成された上記内表面のある位置においては、上記距離は、上記強化構造の遠心端から上記基板までの距離であることを特徴とする請求項13に記載の電子装置。
【請求項15】
上記強化構造が形成されていない場所においては、上記距離は上記内表面のあるエリアにおいて変化していることを特徴とする請求項13に記載の電子装置。
【請求項16】
上記バックプレートは、上記バックプレートのエッジに沿って上記基板に向かって伸びる突起部を有することを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項17】
上記内表面のエッジに沿って上記基板と上記内表面との間に配置されたシールを更に具備することを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項18】
イメージデータを処理するよう構成されており、上記微小電気機械デバイスのアレイと電気通信を行うプロセッサと、
上記プロセッサと電気通信を行うメモリーデバイスと、
を更に具備することを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項19】
上記微小電気機械デバイスのアレイに少なくとも一つの信号を送信するよう構成されたドライバー回路を更に具備することを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項20】
上記ドライバー回路に上記イメージデータの少なくとも一部を送信するよう構成されたコントローラを更に具備することを特徴とする請求項19に記載の電子装置。
【請求項21】
上記イメージデータを上記プロセッサに送信するよう構成されたイメージソースモジュールを更に具備することを特徴とする請求項18に記載の電子装置。
【請求項22】
上記イメージソースモジュールは、レシーバー、トランシーバー、及びトランスミッターのうち少なくとも一つを有することを特徴とする請求項21に記載の電子装置。
【請求項23】
入力データの受信及び上記入力データの上記プロセッサへの伝達を行うよう構成された入力デバイスを更に具備することを特徴とする請求項18に記載の電子装置。
【請求項24】
基板と該基板上に形成された微小電気機械デバイスのアレイとを有する中間体デバイスを供給する工程と、
上記中間体デバイスのアレイの上方に、上記アレイと対向する内表面を有するバックプレートを、該バックプレートと上記アレイとの間にギャップを持って形成する工程と、
を具備し、
上記内表面と上記基板との間の距離は、上記基板の全面に渡って変化していることを特徴とする電子装置を製造する方法。
【請求項25】
上記バックプレートを形成する工程は、
上記内表面を有するバックプレートを供給する工程と、
上記内表面が上記アレイと対向するように上記バックプレートを上記アレイの上方に配置する工程と、
上記バックプレートと上記基板とを上記バックプレートの周囲に沿って結合する工程と、
を有することを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項26】
上記内表面は実質的に湾曲していることを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項27】
上記内表面は、全体としてその中央エリアにおいて凹んでいることを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項28】
上記バックプレートは全体に渡って実質的に同じ厚さであることを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項29】
上記バックプレートは、厚さが変っていることを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項30】
上記内表面は中央エリア及び周辺エリアを有し、上記バックプレートは上記周辺エリアにおいてよりも上記中央エリアにおいて、より厚みがあることを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項31】
上記バックプレートは湾曲部を有することを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項32】
上記バックプレートを供給する工程は、実質的に平坦なパネルを反らせやすくする工程を有することを特徴とする請求項31に記載の方法。
【請求項33】
上記バックプレートを供給する工程は、
互いに異なる熱膨張率を持つ二つの層を有する実質的に平坦なパネルを供給する工程と、
上記実質的に平坦なパネルに熱を加えて、上記パネルに湾曲を形成する工程と、
を有することを特徴とする請求項31に記載の方法。
【請求項34】
上記バックプレートを供給する工程は、互いに異なる熱膨張率を持つ二つの層を持つ実質的に平坦なパネルを供給する工程を有し、
上記バックプレートを配置する工程は、上記基板と上記実質的に平坦なパネルとの間にその周囲に沿って挟まれた熱硬化材料の層を形成する工程を有し、
上記バックプレートを結合する工程は、熱硬化材料を硬化させるに充分な熱を加える工程を有することを特徴とする請求項31に記載の方法。
【請求項35】
請求項24の方法により製造された電子装置。
【請求項36】
光を伝送する為の伝送手段と、
該伝送手段により伝送された光を変調する為の変調手段と、
該変調手段をカバーするカバーリング手段と、
を具備し、
上記カバーリング手段は、内表面及び外表面を有し、
上記内表面は上記伝送手段とその間のギャップを挟んで対向しており、上記外表面は上記伝送手段と対向せず、
上記カバーリング手段における内表面と上記伝送手段との間の距離は、上記伝送手段の全体に渡って変化していることを特徴とする電子装置。
【請求項37】
上記伝送手段は、透明基板を有することを特徴とする請求項36に記載の電子装置。
【請求項38】
上記変調手段は、インターフェロメトリックモジュレータアレイを有することを特徴とする請求項36または37に記載の電子装置。
【請求項39】
上記カバーリング手段は、湾曲したバックプレートを有することを特徴とする請求項36,37、または38の何れかに記載の電子装置。
【請求項40】
上記カバーリング手段は、当該カバーリング手段に一体化された強化構造を、一又はそれ以上有することを特徴とする請求項36に記載の電子装置。
【請求項41】
上記カバーリング手段は、その内表面に形成されたリセスを有することを特徴とする請求項36に記載の電子装置。
【請求項42】
上記カバーリング手段は、厚さが変っていることを特徴とする請求項36に記載の電子装置。
【請求項1】
基板と、
上記基板上に形成された微小電気機械デバイスのアレイと、
上記アレイの上方に配置され且つ内表面及び外表面を有するバックプレートと、
を具備し、
上記内表面は上記アレイとその間のギャップを挟んで対向し、上記外表面は上記基板と対向せず、
上記バックプレートの上記内表面と上記基板との間の距離は、上記基板の全面に渡って変化していることを特徴とする電子装置。
【請求項2】
上記微小電気機械デバイスは、インターフェロメトリックモジュレータを有することを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
上記内表面は中央エリア及び周辺エリアを有し、上記距離は、上記周辺エリアにおいてよりも上記中央エリアにおいて、より大きいことを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項4】
上記バックプレートは全体として、湾曲して上記アレイに対して距離を置いていることを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項5】
上記距離は、上記内表面の一点から上記基板における最近点までの距離であることを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項6】
上記内表面は、実質的に滑らかに湾曲していることを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項7】
上記距離は、上記内表面の少なくともある一つの位置において、実質的に急峻に変化することを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項8】
上記距離は、実質的に上記内表面の少なくとも一つの部分において同じ値であることを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項9】
上記バックプレートは、全体に渡って実質的に同じ厚さであることを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項10】
上記内表面は中央エリア及び周辺エリアを有し、上記バックプレートの厚さは全体として上記周辺エリアにおいてよりも上記中央エリアにおいて、より厚いことを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項11】
上記バックプレートの上記外表面は実質的に平坦であり、上記外表面と上記基板との間の距離は、上記基板のいたるところで、実質的に同じであることを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項12】
上記外表面と上記基板との間の距離は、上記基板の全面に渡って実質的に変化していることを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項13】
上記バックプレートの上記内表面及び上記外表面のうち少なくとも一つに形成された強化構造を、一又はそれ以上更に具備することを特徴とする上記請求項1に記載の電子装置。
【請求項14】
強化構造が形成された上記内表面のある位置においては、上記距離は、上記強化構造の遠心端から上記基板までの距離であることを特徴とする請求項13に記載の電子装置。
【請求項15】
上記強化構造が形成されていない場所においては、上記距離は上記内表面のあるエリアにおいて変化していることを特徴とする請求項13に記載の電子装置。
【請求項16】
上記バックプレートは、上記バックプレートのエッジに沿って上記基板に向かって伸びる突起部を有することを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項17】
上記内表面のエッジに沿って上記基板と上記内表面との間に配置されたシールを更に具備することを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項18】
イメージデータを処理するよう構成されており、上記微小電気機械デバイスのアレイと電気通信を行うプロセッサと、
上記プロセッサと電気通信を行うメモリーデバイスと、
を更に具備することを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項19】
上記微小電気機械デバイスのアレイに少なくとも一つの信号を送信するよう構成されたドライバー回路を更に具備することを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項20】
上記ドライバー回路に上記イメージデータの少なくとも一部を送信するよう構成されたコントローラを更に具備することを特徴とする請求項19に記載の電子装置。
【請求項21】
上記イメージデータを上記プロセッサに送信するよう構成されたイメージソースモジュールを更に具備することを特徴とする請求項18に記載の電子装置。
【請求項22】
上記イメージソースモジュールは、レシーバー、トランシーバー、及びトランスミッターのうち少なくとも一つを有することを特徴とする請求項21に記載の電子装置。
【請求項23】
入力データの受信及び上記入力データの上記プロセッサへの伝達を行うよう構成された入力デバイスを更に具備することを特徴とする請求項18に記載の電子装置。
【請求項24】
基板と該基板上に形成された微小電気機械デバイスのアレイとを有する中間体デバイスを供給する工程と、
上記中間体デバイスのアレイの上方に、上記アレイと対向する内表面を有するバックプレートを、該バックプレートと上記アレイとの間にギャップを持って形成する工程と、
を具備し、
上記内表面と上記基板との間の距離は、上記基板の全面に渡って変化していることを特徴とする電子装置を製造する方法。
【請求項25】
上記バックプレートを形成する工程は、
上記内表面を有するバックプレートを供給する工程と、
上記内表面が上記アレイと対向するように上記バックプレートを上記アレイの上方に配置する工程と、
上記バックプレートと上記基板とを上記バックプレートの周囲に沿って結合する工程と、
を有することを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項26】
上記内表面は実質的に湾曲していることを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項27】
上記内表面は、全体としてその中央エリアにおいて凹んでいることを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項28】
上記バックプレートは全体に渡って実質的に同じ厚さであることを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項29】
上記バックプレートは、厚さが変っていることを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項30】
上記内表面は中央エリア及び周辺エリアを有し、上記バックプレートは上記周辺エリアにおいてよりも上記中央エリアにおいて、より厚みがあることを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項31】
上記バックプレートは湾曲部を有することを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項32】
上記バックプレートを供給する工程は、実質的に平坦なパネルを反らせやすくする工程を有することを特徴とする請求項31に記載の方法。
【請求項33】
上記バックプレートを供給する工程は、
互いに異なる熱膨張率を持つ二つの層を有する実質的に平坦なパネルを供給する工程と、
上記実質的に平坦なパネルに熱を加えて、上記パネルに湾曲を形成する工程と、
を有することを特徴とする請求項31に記載の方法。
【請求項34】
上記バックプレートを供給する工程は、互いに異なる熱膨張率を持つ二つの層を持つ実質的に平坦なパネルを供給する工程を有し、
上記バックプレートを配置する工程は、上記基板と上記実質的に平坦なパネルとの間にその周囲に沿って挟まれた熱硬化材料の層を形成する工程を有し、
上記バックプレートを結合する工程は、熱硬化材料を硬化させるに充分な熱を加える工程を有することを特徴とする請求項31に記載の方法。
【請求項35】
請求項24の方法により製造された電子装置。
【請求項36】
光を伝送する為の伝送手段と、
該伝送手段により伝送された光を変調する為の変調手段と、
該変調手段をカバーするカバーリング手段と、
を具備し、
上記カバーリング手段は、内表面及び外表面を有し、
上記内表面は上記伝送手段とその間のギャップを挟んで対向しており、上記外表面は上記伝送手段と対向せず、
上記カバーリング手段における内表面と上記伝送手段との間の距離は、上記伝送手段の全体に渡って変化していることを特徴とする電子装置。
【請求項37】
上記伝送手段は、透明基板を有することを特徴とする請求項36に記載の電子装置。
【請求項38】
上記変調手段は、インターフェロメトリックモジュレータアレイを有することを特徴とする請求項36または37に記載の電子装置。
【請求項39】
上記カバーリング手段は、湾曲したバックプレートを有することを特徴とする請求項36,37、または38の何れかに記載の電子装置。
【請求項40】
上記カバーリング手段は、当該カバーリング手段に一体化された強化構造を、一又はそれ以上有することを特徴とする請求項36に記載の電子装置。
【請求項41】
上記カバーリング手段は、その内表面に形成されたリセスを有することを特徴とする請求項36に記載の電子装置。
【請求項42】
上記カバーリング手段は、厚さが変っていることを特徴とする請求項36に記載の電子装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図13C】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17A】
【図17B】
【図17C】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28A】
【図28B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図13C】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17A】
【図17B】
【図17C】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28A】
【図28B】
【公開番号】特開2006−119603(P2006−119603A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−237240(P2005−237240)
【出願日】平成17年8月18日(2005.8.18)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(505258472)アイディーシー、エルエルシー (122)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−237240(P2005−237240)
【出願日】平成17年8月18日(2005.8.18)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(505258472)アイディーシー、エルエルシー (122)
【Fターム(参考)】
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