説明

非従来型供給体からのポリオレフィン

本発明に基づき作成されるポリオレフィン(飽和異性化ポリオレフィン)は、不飽和オレフィン又は複数の不飽和オレフィンの組み合わせの重合による不飽和ポリオレフィンの生成、不飽和ポリオレフィンの無水素条件、酸触媒の存在下での異性化による実質的な不飽和異性化ポリオレフィンの生成、そして不飽和異性化ポリオレフィンの水素付加による飽和異性化ポリオレフィンの生成により、生成される。発明による飽和異性化ポリオレフィンを含む潤滑油も開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、潤滑油の分野に関する。さらに詳しくは、本発明は、C及至C24のアルファオレフィンを含む供給体から調製されるポリオレフィンに関する。
【0002】
背景技術
ポリアルファオレフィン(PAOs)は、潤滑油市場での重要性を獲得した炭化水素潤滑油の一分類からなる。これらの物質は、これらのアルファオレフィンは典型的には、アルファオレフィンの重合により生成され、これらのアルファオレフィンは典型的には、1‐オクテン、1‐デセン、及び1‐ドデセンであり、1‐デセンが好まれる。しかし、米国特許第4,956,122及びそれに関連する特許に記載されているように、より高級なオレフィンとともにエチレンのコポリマーを含め、エチレン及びプロピレン等のより低級なオレフィンのポリマーも使用される。
【0003】
前記ポリアルファオレフィン生成物は、100℃で約2cstの粘度を有する高移動性流動体からより高分子で100℃において100cstを超える粘度を有する粘稠性の物質まで、変化に富んだ粘度の広域性を持たせることができる。前記ポリアルファオレフィンは、AlCl、BF、又はBF複合体等の触媒、及び水素の存在下で、オレフィン供給体の重合により生成できる。ポリアルファオレフィン潤滑油生成の工程は、例えば、米国特許番号3,382,291、4,172,855、3,742,082、3,780,128、3,149,178、4,956,122、5,082,986に記載されている。また、ポリアルファオレフィン潤滑油は、Lubrication Fundamentals(潤滑の基礎)、J.G.Wills、マーセル・デッカー・インク(Marcel Dekker Inc.)(ニューヨーク州、1980年)にも記載されている。典型的には、重合反応は、水素の非存在下で行われる。潤滑油範囲製品は、その後研磨加工又は残余の不飽和を減らすため水素付加される。この反応の過程で、通常90重量パーセントを超えて不飽和量は減る。
【0004】
潤滑油範囲で沸騰する直鎖アルファオレフィン、通常C20+は、許容しえない程高い、すなわち−20℃以上の流動点を有し、潤滑油としての使用には適さない。しかしながら、従来通りC14及びより高い炭素数の直鎖アルファオレフィンにより作られるポリアルファオレフィンは、C及至C12の直鎖アルファオレフィンにより作られるポリアルファオレフィンと比べてより高い流動点を有するため、ポリアルファオレフィン潤滑油の生成は限定的である。さらに、C12の直鎖アルファオレフィンから常法により作られるポリアルファオレフィンは、C又はC10の直鎖アルファオレフィンから作られるポリアルファオレフィンと比べ、より高い流動点を有する。所定のポリアルファオレフィンは、例えば、冷却エンジンスタートの改善、摩擦の減少及び燃料効率の増加を引き起こす低温での低い粘度、高粘度指数(すなわち50以上)、高熱安定性及び不純物の蓄積を予防する酸化耐性、蒸発損失を最小化する粘度に適した高沸点範囲等の様々な価値ある特性を有する。
【0005】
今まで、しかしながら、生成はC又はC10の直鎖アルファオレフィンを含むポリアルファオレフィンに限られていた。なぜなら、高級炭素直鎖アルファオレフィンから、低流動点のポリアルファオレフィンへ高収率で転換する方法が開発されていなかったからである。本発明は、この点及び当該分野での別の欠点を解決することに向けられる。
【0006】
発明の概要
本発明の最初の側面は、飽和異性化ポリオレフィンの生成方法であって、
不飽和オレフィンを含む供給原料を重合させ、不飽和ポリオレフィンを形成する工程、
実質的無水素環境で酸触媒の存在下、不飽和ポリオレフィンを異性化し、不飽和異性化ポリオレフィンを形成する工程、及び
不飽和異性化ポリオレフィンに水素付加し、飽和異性化ポリオレフィンを形成する工程
を含む前記生成方法である。
【0007】
本発明の別の側面は、飽和異性化ポリオレフィンの生成方法であって、
不飽和オレフィンを含む供給原料を重合し、不飽和ポリオレフィンを形成する工程、
実質的無水素環境で約200℃から約475℃の温度下、不飽和ポリオレフィンと酸性ゼオライト触媒とを接触させ、不飽和ポリオレフィンを異性化し、不飽和異性化ポリオレフィンを生成する工程であって、前記ゼオライト触媒が12以下の拘束指数を有するように設けられる工程、及び
不飽和異性化ポリオレフィンに水素付加し、飽和異性化ポリオレフィンを生成する工程
を含む前記生成方法である。
【0008】
本発明のさらに別の側面では、潤滑油が上記飽和異性化ポリオレフィンを含む。
【0009】
本発明に基づき作成されるポリオレフィン(飽和異性化ポリオレフィン)は、従って、不飽和オレフィン又は複数の不飽和オレフィンの組み合わせの重合による不飽和ポリオレフィンの生成、不飽和ポリオレフィンの無水素条件、酸触媒の存在下での異性化による、不飽和異性化ポリオレフィンの生成、及び不飽和異性化ポリオレフィンの水素付加により生成できる。
【0010】
本発明において、不飽和オレフィンの供給原料は、C8+のアルファオレフィン及びそのオリゴマーの単独もしくは任意の組み合わせ、直鎖アルファオレフィンでC10+の二量体、三量体、共二量体、共三量体、及びより高級なオリゴマーの単独もしくは任意の組み合わせ、C10+の直鎖インターナルオレフィン及びそのオリゴマーの単独もしくは任意の組み合わせ、C8+のわずかに分枝したアルファオレフィン又はインターナルオレフィン及びそのオリゴマーの単独もしくは任意の組み合わせ、並びにこれらの不飽和オレフィン及び/又はオリゴマーの任意の組み合わせの混合物を含むが、これらに限られない。さらに、不飽和オレフィン供給原料は、例えば直鎖アルファポリオレフィン、わずかに分枝したアルファポリオレフィン、直鎖インターナルポリオレフィン、及びわずかに分枝したインターナルポリオレフィンの単独もしくは任意の組み合わせ、及び上記オレフィンとの任意の組み合わせ等よりなるC24+のポリオレフィンを含むことができる。
【0011】
また、本発明において、ポリアルファオレフィンは、アルファオレフィン又は複数のアルファオレフィンの組み合わせの重合による不飽和ポリアルファオレフィンの生成、不飽和ポリアルファオレフィンの無水素条件、酸触媒の存在下での異性化による不飽和異性化ポリアルファオレフィンの生成、及び不飽和異性化ポリアルファオレフィンの水素付加により生成される。
【0012】
本発明の異性化工程で使用する酸触媒は、ゼオライト、例えばフリーデル・クラフツ(Friedel−Crafts)触媒、ブロンステッド(Bronsted)酸、及びルイス(Lewis)酸等の均質酸触媒、酸性樹脂、酸性固体酸化物、酸性シリコアルミノホスフェート、IVB、VB、及びVIB族酸化金属、VIII族金属の水酸化物又は遊離金属状のもの、及びそれらの任意の組み合わせを含むがこれらに限定されない。本発明の別の側面では、少なくとも1のアルファ値を有する酸触媒は、異性化反応でも使用されることができる。
【0013】
発明の詳細な説明
本発明は、本明細書で潤滑油として示す飽和異性化ポリオレフィンの生成方法に関する。本発明に基づいて作成したポリオレフィンは、不飽和オレフィン又は複数の不飽和オレフィンの組み合わせを重合し、不飽和ポリオレフィンを生成することにより生成される。不飽和ポリオレフィンは、次に無水素条件、酸触媒の存在下で異性化され、不飽和異性化ポリオレフィンが生成される。不飽和異性化ポリオレフィンは、次に水素付加され、飽和異性化ポリオレフィンが生成される。飽和異性化ポリオレフィンは、例えば、低揮発性、低CCS粘度、低流動点等の優れた高温及び低温での特性を有する最終的な潤滑基油として使用されることができる。本発明に係る前記飽和異性化ポリオレフィン流動体は、優れた酸化安定性を有するとして特徴付けられる。
【0014】
本発明において、不飽和オレフィンの供給原料は、C8及びより高級なアルファオレフィン及びそのオリゴマーの単独もしくは任意の組み合わせ、直鎖アルファオレフィンでC10及びより高級な二量体、三量体、共二量体、共三量体、及びより高級なオリゴマーの単独又は組み合わせのいずれか、C10及びより高級な直鎖インターナルオレフィン及びそのオリゴマーの単独もしくは任意の組み合わせ、C及びより高級なわずかに分枝したアルファオレフィン又はインターナルオレフィン及びそれらのオリゴマーの単独もしくは任意の組み合わせ、並びにこれらの不飽和オレフィン及び/又はオリゴマーの任意の組み合わせの混合物を含むがこれらに限られない。さらに、不飽和オレフィンの供給原料は、例えば直鎖アルファポリオレフィン、わずかに分枝したアルファポリオレフィン、ビニリデンオレフィン、直鎖インターナルポリオレフィン、わずかに分枝したインターナルポリオレフィンの単独もしくは任意の組み合わせ、及び上記オレフィンとの任意の組み合わせ等のC24及びより高級なポリオレフィンを含むことができる。
【0015】
また、本発明において、ポリアルファオレフィンは、アルファオレフィン又は複数のアルファオレフィンの組み合わせを重合し、不飽和ポリアルファオレフィンを生成することにより生成される。不飽和ポリアルファオレフィンは、無水素条件、酸触媒の存在下で異性化され、不飽和異性化ポリアルファオレフィンが生成される。次に不飽和異性化ポリアルファオレフィンは、水素付加され、異性化ポリアルファオレフィンの二重結合が飽和される。当該飽和異性化ポリアルファオレフィンは、さらに優れた高温及び低温での特性を有する最終的な潤滑基油として使用されることができる。
【0016】
本発明の異性化反応で使用する酸触媒は、ゼオライト、例えばフリーデル・クラフツ(Friedel−Crafts)触媒、ブロンステッド(Bronsted)酸、及びルイス(Lewis)酸等の均質酸触媒、酸性樹脂、酸性固体酸化物、酸性シリコアルミノホスフェート、IVB、VB、及びVIB族酸化金属、VIII族金属の水酸化物又は遊離金属状のもの、及びそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない。本発明の別の側面では、少なくとも1のアルファ値を有する酸触媒は、異性化反応でも使用されることができる。本発明の別の側面では、少なくとも1のアルファ値を有する酸ゼオライトは、異性化反応でも使用されることができる。
【0017】
本発明に係る方法では、不飽和オレフィンから、本明細書で「潤滑油」又は基油としても示される、優れた揮発性及び低温粘性を有する飽和異性化ポリオレフィン生成物を提供する。例えば、本発明に係る方法の1つの実施形態では、従来ポリアルファオレフィン供給物として実用化できなかったアルファオレフィンから、商業的に使用可能な潤滑基油の生成に用いられる優れた揮発性及び低温粘性を有する飽和ポリアルファオレフィン生成物を提供する。
【0018】
従って、本発明は、ポリアルファオレフィン生成に用いる供給原料の選択に自由度を与える。本発明に基づき生成された潤滑油は、低粘性、低流動点、及び/又は高粘度指数を有するとして特徴付けられる。
【0019】
従って、本発明に係る飽和異性化ポリオレフィン(潤滑油)は、100℃で200以下の粘度、好ましくは100℃で50cSt未満、さらに好ましくは100℃で10cSt未満の粘度を有することができる。1つの実施形態において、本発明に係る潤滑油は、100℃で約3から約200cStの粘度を有し、及び/又は
40℃で200以下の粘度、好ましくは40℃で50cSt未満、さらに好ましくは100℃で45cSt未満の粘度を有する。1つの実施形態において、本発明に係る潤滑油は、40℃で約4から約3000cStの粘度を有し、及び/又は
約−20℃以下の流動点、好ましくは約−30℃以下、さらに好ましくは約−40℃以下、及び最も好ましくは約−50℃の流動点を有し、及び/又は50以上の粘度指数、好ましくは80以上、好ましくは90以上、好ましくは100以上、好ましくは110以上の粘度指数を有する。
【0020】
さらに、本発明に係る潤滑油は、商業的に入手可能なポリアルファオレフィンの潤滑油と同等、又はより低い低揮発性を有する。好ましい実施形態において、本発明に係る飽和異性化ポリオレフィンは、同程度の分子量を有するC及至C10のポリアルファオレフィンの揮発性以下の揮発性を有する。
【0021】
従って、低粘度、低揮発性、及び優れた粘性の組み合わせは、配合者に本発明に係る潤滑油を用いたエンジンオイルの広範囲にわたる階級(例えば、0W20又は0W30)の製造を可能にする。
【0022】
本発明により、無水素又は実質的に無水素(すなわち、水素が意図的に加えられていない)の環境下で行われる不飽和又は非水素化ポリオレフィンの異性化が優れた収率を示すことが実証される。例えば、無水素又は実質的に無水素の環境下で行われる不飽和アルファオレフィンの異性化が、水素を含む環境下での従来のポリアルファオレフィンの異性化と比較し、改善された収率を示す。前記水素を含む環境は、本明細書では、水素を意図的に加えた環境も含む。以下の例で示されるように、本発明により、異性化反応中の副生物の形成を最小量に抑える潤滑油が高収率で生成される。さらに、下記の例で示されるように、本発明に基づき生成された潤滑基油は、非常に低い流動点と優れた低温粘性を有する。
【0023】
及至C12のアルファオレフィンから作成されるポリアルファオレフィンは、非常に低い流動点、高粘度指数(VI)、及び優れた潤滑作用の性質を有する。C14より高級なオレフィンからBF3触媒を用いて作成されたポリアルファオレフィンは通常、より高い流動点を有し、高性能合成基油としては適さない。例えばMCM22、MCM56、USY等のC14より高級なオレフィンからゼオライトを用いて作成されたポリアルファオレフィンは、従来のフリーデル・クラフツ(Friedel−Crafts)触媒から作成されたポリアルファオレフィンと比較し、著しく改善された流動点を有する。C14より高級なアルファオレフィンから従来の触媒又はゼオライトを用いて作成された本発明に係るポリマーにおいては、水素の同時供給を伴わず、例えばゼオライト等の中程度又は大孔径の触媒を用いて異性化することによりさらに流動点が改善される。加えて、本発明に係る方法は、例えば1‐ドデセンのような従来のアルファオレフィンから作成されたポリアルファオレフィンの流動点等の特性を改善するために使用されることもできる。異性化後、必要であれば前記ポリアルファオレフィンは、水素付加され、飽和ポリアルファオレフィンが生成される。結果として得られた飽和ポリアルファオレフィンは、優れた低温特性を有し、高収率で作成される。
【0024】
本発明において、異性化触媒は、VIII族金属と共に、又は当該金属を除いて使用されることができる。当該反応は、無水素又は実質的に無水素の環境下で行われるため、オレフィン活性中心は、水素付加されない。従って、供給体オレフィンの異性化は、約200℃から約300℃のより低い温度領域で行われ、それにより分解又は副反応が最小化され、高い潤滑油の収率が保たれる。さらに、本発明に係る異性化反応で使用される酸触媒により、ワックス状成分すなわち不飽和ポリオレフィンから、非ワックス状成分すなわち不飽和異性化ポリオレフィンへの選択的転換が提供される。
【0025】
従って、本明細書の目的から異性化ポリオレフィンは、異性化工程前の同様のポリオレフィンと比べ、異性化後により低い流動点を有するポリオレフィンとして定義される。別の言葉では、異性化反応中に不飽和ポリオレフィンの異性化が行われるので、供給原料の不飽和ポリオレフィンの流動点よりも低い流動点のものが得られる。当該不飽和異性化ポリオレフィンの水素付加において、異性化されていない飽和生成物と比べ、改善された(すなわちより低い)流動点と好ましくはより高い粘度指数を有する潤滑油成分が形成される。
【0026】
温度や圧力等の触媒異性化条件は、使用される供給原料及び潤滑油生成物の所望の流動点に依存する。異性化は通常、約150℃から約475℃の間の温度範囲で行われる。しかしながら、それよりも高い又は低い温度も使用されることができる。本発明に係る別の実施形態では、異性化は、約200℃から約450℃の間の温度範囲で行われる。圧力は典型的には約1psigから約2000psigであるが、より高い又は低い圧力も使用されることができる。本発明に係る別の実施形態では、圧力は約10psigから約1000psigの間である。本発明に係るさらに別の実施形態では、圧力は約100psigから約600psigの間である。液時空間速度(Liquid hourly space velocity)(LHSV)は、異性化反応中で約0.05から約20である。本発明に係る別の側面では、LHSVは、約0.1から約5である。本発明に係るさらに別の側面では、LHSVは約0.1から約2.0である。低い液時空間速度により、優れた選択性が提供され、結果として異性化をより促進し、供給体の分解を抑え、生産収率を増加させる。
【0027】
次の水素付加反応において、通常はわずかに過剰の水素から大過剰の水素までが使用される。不飽和異性化ポリオレフィンの水素付加は、引用により本明細書に組み込まれた米国特許第4,125,569号に記載された条件下で行われることができる。不反応の水素は、水素付加されたポリオレフィン潤滑油生成物から分離され、水素付加反応域に再循環される。
【0028】
オレフィン供給原料
粗原料として本発明に係る飽和ポリオレフィンの生成に使用することができる供給原料は、オレフィン及びポリオレフィンの以下のタイプを含む:
1.例えば直鎖C10及至C24のアルファオレフィン等の不飽和C8+の直鎖アルファオレフィン及びそれらのオリゴマーの単独もしくは任意の組み合わせは、本発明で使用されることができる。当該アルファオレフィンは、例えば引用して本明細書に組み込まれる「Macromolecular Chemistry、Macromolecular Symposium(高分子化学、高分子シンポジウム)」、1988年、12‐14、271から287ページに記載されている修正したフィッシャー・トロプシュ法(Fischer−Tropsch Process)を用いて、例えば、エチレン成長法、ワックス分解法、及び合成気体交換法等の従来の直鎖アルファオレフィン技術に従って生成されることができる。
【0029】
2.直鎖アルファオレフィンでC10+の二量体及び三量体、好ましくは、C12+の二量体及び三量体、共二量体、共三量体、及びより高級なオリゴマーの単独もしくは任意の組み合わせを本発明で使用することができる。
【0030】
3.例えばC12及至C24の直鎖インターナルオレフィン、それらの組み合わせ等のC10+の直鎖インターナルオレフィン、又はその不飽和オリゴマーの単独もしくは任意の組み合わせを供給原料として本発明で容易に使用することができる。当該インターナルオレフィンは、引用として本明細書に組み込まれる米国特許第3,448,165号及び「Encyclopedia of Chemical Processing and Design(化学プロセス及び設計百科事典)」、Vol.15、マーセル・デッカー(Marcel Dekker)、ニュージャージー州、1982年、266から284ページに記載されている通常の直鎖パラフィンの脱水素反応により生成することができる。これらのインターナルオレフィンは、重合され、本発明でさらに処理される不飽和又は実質的に不飽和のポリオレフィンを生成することができる。
【0031】
4.例えばC12及至C24の分枝オレフィン、それらの任意の組み合わせ等のわずかに分枝したC8+のアルファオレフィンもしくはインターナルオレフィン、又はそれらの不飽和オリゴマーの単独もしくは任意の組み合わせを本発明で容易に使用することができる。これらのオレフィンは、直鎖アルファオレフィン工程、又はわずかに分枝したワックスの分解又は合成気体変換の副生成物とすることができる。これらのオレフィンの例は、2‐オクチルテトラデセン又はその異性体オレフィン、メチルペンタデセン等を含む。従って、本明細書で使用されるわずかに分枝したアルファオレフィン又はインターナルオレフィンは、オレフィン中に存在する10炭素原子数当たり5未満、好ましくは4未満、好ましくは3未満、好ましくは2未満、最も好ましくは1つの分枝鎖を有するオレフィンを含む。
【0032】
5.上記オレフィンの任意の組み合わせの混合物は、本発明で使用されることができる。
【0033】
6.不飽和C24+のポリオレフィンは、本発明で使用されることができる。これらの不飽和ポリオレフィンは、直鎖アルファポリオレフィン、わずかに分枝したアルファポリオレフィン、直鎖インターナルポリオレフィン、わずかに分枝したインターナルポリオレフィン、及びそれらの任意の組み合わせを含む。必要ではないが、これらのポリオレフィンは、異性化反応の前にさらに重合されることができる。
【0034】
7.上記オレフィンの任意の組み合わせの混合物、それらのオリゴマー、及びポリオレフィンは、本発明で使用されることができる。必要とされないが、当該混合物は、異性化の前に本発明に基づき重合されることができる。しかしながら、以下の例で示されるように、もし望むのであれば、不飽和オレフィンは、異性化の前に蒸留によって前記混合物から除去されることができる。さらに、供給原料は、C及至Cの不飽和オレフィンを含むことができ、上記オレフィン及びポリオレフィンのいずれかと共にC及至Cのアルファオレフィンを含む。
【0035】
8.通常の化学式CH=CRのビニリデンオレフィン。ここでR及びRがC及至C40の長鎖アルキル基であり、通常R+Rが12炭素数よりも多い。
【0036】
当該分野において、直鎖アルファオレフィンの生成方法は知られている。適した方法の例は、引用として本明細書に組み込まれる米国特許第3,477,813号及び米国特許第3,482,000号に記載されている。同様に当該分野において、ポリアルファオレフィン生成の方法も知られている。適した方法の例は、全て引用として本明細書に組み込まれる米国特許第3,382,291号、米国特許第3,742,082号及び米国特許第6,703,356号に記載されている。ポリアルファオレフィン合成に適した別の触媒は、塩化アルミニウム、促進塩化アルミニウム、塩化アルキルアルミニウム、又は他の典型的フリーデル・クラフツ(Friede−Crafts)重合触媒を含む。ポリアルファオレフィン合成の別の方法は、「Synthetic Lubricants and High‐Performance Functional Fluids(合成潤滑油及び高性能機能性流動体)」、第2版、L.R.Rudnick及びR.L.Shubkin編集、マーセル・デッカー・インク(Marcel Dekker Inc.)1999年、第1章、ポリアルファオレフィン、第III節、9から12ページで見られる。
【0037】
異性化触媒
上述したように、酸触媒は、本発明の異性化反応の好ましい異性化触媒として使用される。本発明で使用することができる当該触媒の例は、ゼオライト、例えばフリーデル・クラフツ(Friedel−Crafts)触媒、ブロンステッド(Bronsted)酸、及びルイス(Lewis)酸等の均質酸触媒、酸性樹脂、酸性固体酸化物、酸性シリコアルミノホスフェート、IVB、VB、及びVIB族酸化金属、VIII族金属の水酸化物又は遊離金属状のもの、及びそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限られない。加えて、少なくとも約1つのアルファ値を有する酸触媒は、異性化反応で使用されることができる。
【0038】
好ましい実施形態におけるゼオライト、修飾ゼオライト、又は複数のゼオライトの組み合わせは、本発明の方法で使用される。好ましいゼオライトは、中孔径又は大孔径のゼオライトを含むが、これらに限られない。好ましいゼオライトは、約12以下の本明細書で定義される拘束指数を有する。2から12の拘束指数を有するゼオライトは通常、中孔径のゼオライトと見なされる。1未満の拘束指数を有するゼオライトは通常、大孔径のゼオライトと見なされる。ゼオライトの当該クラスの有する結晶構造の特徴から、結晶内自由空間(free space)へ選択的に制限されたアクセス及び排出が可能となる。当該選択的に制限されたアクセス及び排出は、小孔のリンデA及び大孔のリンデX間の有効な孔径、すなわち、当該結晶構造の孔口が、酸素原子で相互結合されたケイ素原子の10員環のおよそのサイズである孔径を有することにより可能とされる。これらの環は、酸素原子自身が四面体の中心に位置するケイ素(もしくはアルミニウム等)原子と結合した結晶アルミノシリケートの陰イオン性構造を作る四面体の規則的配置により形成された環であることが理解される。まとめて言えば、本発明の1つの実施形態において、本発明の方法で触媒として有益なゼオライトは、約1から約12の「拘束指数(Constraint Index)」(以下定義される)と、少なくとも約12のシリカ・アルミナ比と、及び結晶内自由空間へ選択的に制限されたアクセスを可能とする構造との組み合わせである。
【0039】
シリカ・アルミナモル比は、従来の分析法により測定される。当該比は、ゼオライト結晶の強固な陰イオン構造でのシリカ・アルミナ比を表し、結合剤に存在するアルミニウム及び陽イオンやチャンネル内にあるその他の形態物に存在するアルミニウムは除外される。例えば、少なくとも12のシリカ・アルミナモル比を有するゼオライトを本発明で使用することができる。本発明の別の実施形態では、少なくとも約30のシリカ・アルミナモル比を有するゼオライトを使用することができる。本発明のさらに別の実施形態では、場合により例えば1600以上の実質的により高いシリカ・アルミナ比を有するゼオライトを使用することができる。
【0040】
本発明で有益なゼオライトは通常、直鎖ヘキサンを自由に吸着するような一般的に約5から約8オングストロームの有効な孔径を典型的に有する。加えて、前記構造により、大きな分子のアクセスが制限される。公知の結晶構造から当該アクセスが制限されるか否かの予測は、時には可能である。例えば、結晶内の唯一の孔口が、ケイ素とアルミニウム原子の8員環により形成されている場合、直鎖ヘキサンより大きい断面の分子によるアクセスは、通常排除され、当該ゼオライトは、望ましいタイプではない。10員環の孔口は通常、本発明の方法で使用されることができる。さらに、アクセスの制限を有する12員環は、本発明の方法で通常使用されることができる。例えば、TMA(テトラメチルアンモニウム)オフレタイトのひだ状12環構造は、いくらかのアクセスの制限を示す。
【0041】
ゼオライトのその内部構造へ異なるサイズの分子のアクセスが制御される程度を簡易に評価する手段は、当該ゼオライトの拘束指数である。当該拘束指数は、2炭化水素の分解速度定数の割合に近い。内部構造へのアクセス及び排出を高度に制限するゼオライトは、拘束指数の高い値を有し、この種類のゼオライトは通常、例えば5オングストローム未満の小さい径の孔を有する。
【0042】
一方で、比較的内部ゼオライト構造への自由なアクセスを可能とするゼオライトは、低い値の拘束指数を有し、通常、例えば8オングストロームよりも大きい大径の孔を有する。拘束指数は、下記の方法に従い、外気圧で少量の触媒、適切には1グラム以下の触媒を用いて、直鎖ヘキサンと3‐メチルペンタンとが等量ずつの混合物を連続的に通過させることにより決定ことができる。
【0043】
ペレット状触媒又は押出成形触媒の試料は、およそ粗砂程度の粒子径に分解され、ガラスチューブに封入される。試験前に触媒は、少なくとも15分間1000°Fの気流で処理される。その触媒は、ヘリウムですすがれ、550°Fから950°Fの間に調節された温度で全体に10%から60%の間の転換が行われる。炭化水素の混合物は、ヘリウム・全炭化水素モル比が4:1となるようなヘリウム希釈とともに、触媒を用いて1液時空間速度(すなわち、1液体炭化水素の体積/触媒の体積/時)で通過される。20分の流動後、流出物の試料は採取され、任意の従来法及び最も便宜的なガスクロマトグラフィーにより分析され、2炭化水素の各々が未変化で残った留分を検出する。
【0044】
「拘束指数」は、下記により計算される:
【式1】
【0045】

下記の特定のゼオライト(具体的に同定されていないいくつかのゼオライトを含む)の特性を決定するために通常用いられる拘束指数値は、複数の変動要因により影響を受けた累積結果である。従って、上記550°Fから950°Fの範囲内での温度に依存し、及び10%から60%の間の交換率のゼオライトにおいて、約1から約12の範囲に入る拘束指数値を示す一定のゼオライトの場合、拘束指数は、約1から12の示される範囲で変化する可能性がある。同様に例えばゼオライトの結晶径、吸蔵の可能性のある汚染物質の存在、ゼオライトと密接した結合剤等の他の変動要因は、拘束指数に影響を及ぼしえる。従って、目的のゼオライトの特性の決定において特に有益な手段を与える拘束指数が、試験条件に依存するということは、当業者に理解されよう。しかしながら、全ての場合で、550°Fから950°Fの上記特定の範囲内の温度では、拘束指数は、本明細書で目的とされるゼオライトにおいて、1から12の適切な範囲内の値を示すだろう。
【表1】

【0046】
上述の拘束指数は、本発明で使用できる当該ゼオライトの同定に通常有益なパラメーターである。従って、温度等の試験条件を選択することで、特定のゼオライトに1以上の拘束指数の値を定める可能性があることは理解されうる。これにより、例えばZSM‐5、ZSM‐11及びベータ等のいくつかのゼオライトの拘束指数に幅があることが説明される。
【0047】
本明細書で考慮されるゼオライトの1つの種類は、例えばZSM‐5、ZSM‐11、ZSM‐12、ZSM‐22、ZSM‐23、ZSM‐35、ZSM‐38、及びZSM‐48であるが、これらに限定されない。
【0048】
ZSM‐5は、米国特許第3,702,886号及び米国再発行特許出願第29,948にさらに詳しく記載されている。それらの特許に含まれる全記載、特にそこに記載されるZSM‐5のX線回析は、引用として本明細書に組み込まれる。
【0049】
ZSM‐11は、米国特許第3,709,979号にさらに詳しく記載されている。その記載、及び特にそこに記載されるZSM‐11のX線回析は、引用として本明細書に組み込まれる。
【0050】
ZSM‐12は、米国特許第3,832,449号に記載されている。その記載、及び特にそこに記載されるX線回析は、引用として本明細書に組み込まれる。
【0051】
ZSM‐22は、米国特許第4,556,477号、その引用として本明細書に組み込まれる全内容に記載される。
【0052】
ZSM‐23は、米国特許第4,076,842号に記載されている。その全内容、特に記載されるゼオライトのX線回析の特定は、引用として本明細書に組み込まれる。
【0053】
ZSM‐35は、米国特許第4,016,245号に記載されている。そのゼオライトの記載、及び特にそのX線回析パターンは、引用として本明細書に組み込まれる。
【0054】
ZSM‐38は、さらに詳細に米国特許第4,406,859号に記載されている。そのゼオライトの記載、及び特にそのX線回析パターンは、引用として本明細書に組み込まれる。
【0055】
ZSM‐48は、さらに詳細に米国特許第4,234,231号に記載され、その全内容が引用として本明細書に組み込まれる。
【0056】
2未満の拘束指数を有するゼオライトを含む大孔ゼオライトは、当該分野で公知であり、供給チャージ原料で通常見られる成分の大部分を収容するのに十分な大きさの孔径を有する。大孔ゼオライトは通常、6オングストロームを超える大きさの孔径を有するものとされ、例えば、ゼオライトベータ、ゼオライトUHP‐Y、ゼオライトY、ウルトラステイブルY(Ultrastable Y)(USY)、脱アルミ化Y(Dealuminized Y)、モルデナイト(Mordenite)、ZSM‐3、ZSM‐4、ZSM‐14、ZSM‐18、及びZSM‐20等の構造を有するゼオライトがある。当該分野でよく知られ、さらに本発明で有益な結晶ケイ酸ゼオライトは、フォージャサイトである。ZSM‐20は、構造のある側面では、フォージャサイトに似ているが、脱アルミ化Y(Dealuminized Y)がそうであるように、フォージャサイトより顕著に高いシリカ・アルミナ比を有する。
【0057】
ゼオライトZSM‐14は、米国特許第3,923,636号に記載されている。その記載は、引用として本明細書に組み込まれる。
【0058】
ゼオライトZSM‐20は、米国特許第3,972,983号に記載されている。その記載は、引用として本明細書に組み込まれる。
【0059】
ゼオライトベータは、米国特許第3,308,069号及び米国再発行特許出願第28,341号に記載されている。これらの各々の記載は、引用として本明細書に組み込まれる。
【0060】
ゼオライトY及びウルトラステイブルY(Ultrastable Y)は、米国特許第4,962,269号に記載されている。その記載は、引用として本明細書に組み込まれる。
【0061】
低ナトリウムウルトラステイブルY(Ultrastable Y)分子ふるい(USY)は、米国特許第3,293,192号及び米国特許第3,449,070号に記載されている。これらの各々の記載は、引用として本明細書に組み込まれる。
【0062】
脱アルミ化Y(Dealuminized Y)ゼオライトは、米国特許第3,442,795号に見られる方法で調製されることができる。その記載は、引用として本明細書に組み込まれる。
【0063】
ゼオライトUHP‐Yは、米国特許第4,401,556号に記載されている。その記載は、引用として本明細書に組み込まれる。
【0064】
従って、好ましい実施形態において、触媒は、均質酸触媒、酸性樹脂、酸性固体オキシド、酸性シリカアルミノホスフェート、IVB族金属酸化物、VIII、IVA、又はVB族金属の酸化物、VIII、IVA、又はVB族金属の水酸化物、VIII、IVA、又はVB族金属の遊離状のもの、又はそれらの任意の組み合わせからなりもしくはさらに含むことができる。
【0065】
好ましい酸触媒は、1以上のVIBからVIIIB族金属要素含むゼオライトである。さらに好ましい酸触媒は、Pt、Pd、Ni、Co、Rh、Ir、Ru、W、Mo、及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる1以上の金属を含むゼオライトである。
【0066】
一般的に、均質酸触媒は、異性化工程において使用されることができ、潤滑基油の低温度特性を改善する。均質触媒の種類は、フリーデル・クラフツ(Friedel−Crafts)触媒、ブロンステッド(Bronsted)酸、及びルイス(Lewis)酸を含む。例えば、バロンハライド(BF、BCl、BBr)、アルミニウムハライド(AlCl、AlBr)、SbF、TiCl、TiCl、SnCl、PF、SnF、HSO、HCOOH、HF、HCl、HBr、トリフル酸(triflic acid)等である。これらの均質酸は、供給潤滑基油と共に混合され、異性化反応を起こすのに十分な温度で熱を加えられ、不飽和異性化ポリオレフィンを生成する。当該反応が完了した際、均質触媒は、水及び/又は希酸水溶液又は希塩基水溶液で洗浄し、有機潤滑組成物から水質層を分離することにより除去されることができる。前記潤滑組成物はその後、水素付与され、ポリマー中の不飽和を除去することができる。最終潤滑油は通常、優れた低温特性を示す。
【0067】
触媒用の固体ゼオライト物質に加えて、固体酸性触媒の他の種類も使用されることができる。例えば、次に限定されないが、酸性イオン交換樹脂(AMBERLITE IR 120 PLUS(登録商標)、AMBERLITE IRC‐50(登録商標)、AMBERLITE IRP‐69(登録商標)、AMBERLYST 15(登録商標)、AMBERLYST 36(登録商標)、DOWEX 50W(登録商標)シリーズ、DOWEX HCR‐W2(登録商標)、DOWEX 650C(登録商標)、DOWEX MARATHON C(登録商標)、DOWEX DR‐2030(登録商標)、NAFION(登録商標)シリーズ等)のような酸性樹脂を含む。固体イオン交換樹脂が触媒として使用される場合、加工工程は、ゼオライト触媒と同様とすることができる。それらは、固定ベッド、スラリー反応器、又はCSTR型反応器で使用されることができる。
【0068】
酸性固体オキシドは、本発明で異性化触媒として使用されることができる。本発明の1つの実施形態で使用される特定の酸性固体オキシドは、MCM‐36である。MCM‐36は、ゼオライトの層を有する柱状層物質である。MCM‐36は、米国特許第5,250,277号及び第5,292,698号に記載されている。それらの記載は、引用として本明細書に組み込まれる。
【0069】
加えて、MCM‐22、MCM‐49、MCM‐56、及びMCM‐68は、本発明の異性化反応の触媒に有益な酸性固体オキシドである。MCM‐22は、米国特許第4,992,606号、第5,077,445号及び第5,334,795号に記載され、それらの記載は、引用として本明細書に組み込まれる。MCM‐49は、米国特許第5,236,575号に記載されている。その記載は、引用として本明細書に組み込まれる。MCM‐56は、米国特許第5,600,048号に記載されている。その記載は、引用として本明細書に組み込まれる。MCM‐68は、米国特許第6,049,018号に記載されている。その記載は、引用として本明細書に組み込まれる。
【0070】
MCM‐56は、下記のモル関係を含む組成物を有する層状物質である:
:(n)YO
ここで、Xは、アルミニウム、ホウ素、鉄、及び/又はガリウム等の三価元素である。Yは、ケイ素及び/又はゲルマニウム等の四価元素である。さらにnは、約35未満、例えば約5から約25、通常約10から約20未満、さらに一般的に約13から約18である。合成された形成物において、当該物質は、無水を基本としてYOのnモル当たりのオキシドのモル数に関して、下記の式を有する:
(0‐2)MO:(1‐2)R:X:(n)YO
ここでMは、アルカリ又はアルカリ土類金属であり、Rは、有機部分である。当該M及びR成分は、合成過程でMとRの存在の結果として生じる物質に関連し、米国特許第5,600,048号で記載されているように合成後に容易に除去される。
【0071】
MCM‐56物質は、熱的に処理され、か焼形成物は、広表面積(300m/gmより広い)を示し、米国特許第5,600,048号で全て記載されているか焼PSH‐3、SSZ‐25、MCM‐22、及びMCM‐49等の物質と比べた際に、通常所定の大きさの分子を許容する大型吸着を示す。MCM‐56の湿潤ろ塊すなわち、合成されたMCM‐56は、内部層ブリッジの不存在を示す膨潤性である。これは、MCM‐49が非膨潤性であることの逆である。
【0072】
所望する程度で、オリジナルのアルカリ又はアルカリ土類金属、例えばナトリウム、合成された物質の陽イオンは、当該分野で知られた技術に従い少なくとも一部が、別の陽イオンとのイオン交換により置換されることができる。置換により生ずる陽イオンは、金属イオン、水素イオン、水素前駆体、例えば、アンモニウム、イオン、及びそれらの混合物を含む。さらに、置換陽イオンは、所定の炭化水素交換反応の触媒活性を調製する陽イオンを含む。これらは、水素、希土類金属、及び元素周期表のIIA、IIIA、IVA、IB、IIB、IIIB、IVB、及びVIII族金属を含む。
【0073】
酸性固体オキシド触媒は、多様な粒子径に形作られることができる。通常、粒子は、2メッシュ(タイラー)スクリーンで通過し、400メッシュ(タイラー)スクリーンでは非通過な粒子径を有する粉状、顆粒状、又は押出等の成形物の形状であることができる。押出等により触媒が成形される場合、当該触媒は、乾燥後、又は部分的に乾燥された後に押出されることができる。
【0074】
酸性固体オキシド結晶物質は、温度耐性で本発明の方法に使用される他の条件に耐えうる別の物質と混成されることができる。これらの物質は、活性及び非活性物質、合成又は天然起源のゼオライト同様、クレイ及び/又は例えばアルミナ、シリカ、シリカアルミナ、ゼルコニア、チタニア、マグネシウム、又はそれらの混合物及び他の酸化物等の酸化物のような他の無機物質が含まれる。当該無機酸化物は、天然起源又は、シリカ及び金属酸化物の混合を含むゼラチン状沈殿物もしくはゲルの形状であることができる。
【0075】
クレイは、酸化型結合剤を含むこともでき、触媒の力学的性質の修飾又は製造面での補助に使用される。酸性固体結晶と共に用いる物質、すなわち酸性固体結晶と結合し又は合成中に存在し、それ自体が触媒活性である物質を用いると、触媒の転換及び/又は選択性を変化させることができる。非活性物質は、賦形剤として提供され、転換量を調整し、経済的に、かつ反応速度の調整に用いる他の方法を使用することなく生成物を獲得することができる。これらの物質は、例えば、ベントナイトやカオリン等の天然起源のクレイに組み込まれることができ、商業的な実施条件下での触媒の圧潰強度を改善し、結合剤又は触媒の基質として機能する。
【0076】
細かく分割された固体酸及び結晶物質及び無機酸化基質の相対的割合は多様に変化し、固体酸結晶成分は重量で約1から約90パーセントを範囲とし、さらに一般的に組成物がビーズ状に調製される特定の場合には、組成物の約2から約80重量パーセントの範囲である。
【0077】
中間孔径酸性シリコアルミノホスフェートは、本発明の1つの実施形態で異性化触媒として使用されることができる。当該シリコアルミノホスフェートの例は、SAPO‐11、SAPO‐31、及びSAPO‐41を含むが、これらに限られない。任意に、当該シリコアルミノホスフェートは、白金又は白金成分と組み合わされることができる。
【0078】
SAPO‐11は、中間孔径シリコアルミノホスフェート酸性分子ふるいであり、米国特許第4,440,871号及び第5,082,986号に記載されている。それらの記載は、引用として本明細書に組み込まれる。当該SAPO‐11中間孔径シリコアルミノホスフェート分子ふるいは、角共有(SiO)四面体、(AlO)四面体、及び(PO)四面体(すなわち(SiAlP)O2四面体単位)の分子骨格を含む。
【0079】
SAPO‐31は、(PO)、(AlO)、及び(SiO)の3次元微少孔結晶骨格を有する中間孔径シリコアルミノホスフェート酸性分子ふるいである。SAPO‐31は、米国特許第5,082,986号に記載され、その記載は、引用として本明細書に組み込まれる。
【0080】
SAPO‐41は、(PO)、(AlO)、及び(SiO)四面体単位の3次元微少孔結晶骨格構造を有する中間孔径シリコアルミノホスフェート酸性分子ふるいである。SAPO‐41は、米国特許第5,082,986号に記載され、その記載は、引用として本明細書に組み込まれる。
【0081】
異性化触媒として使用することができる固体酸性触媒の別の種類は、VIB族金属のオキシアニオンにより修飾されるIVB族金属酸化物を含む。VIB族金属のオキシアニオンの例は、タングステン酸のようなタングステンのオキシアニオン等であり、IVB族金属酸化物の例は、ジルコニア又はチタニア等である。当該VIB族金属のオキシアニオンによるIVB族金属酸化物の修飾は、酸官能基を物質に与えると信じられている。VIB族金属のオキシアニオン(特に、タングステン酸)によるIVB族金属酸化物(特に、ジルコニア)の修飾の例は、米国特許第5,113,034号、日本公開特許出願第平1(1989)‐288339号、K.Arata及びM.HinoのProceedings 9th International Congress on Catalysis(触媒国際委員会第9回会報)、ボリューム4、ページ1727‐1735(1988)の文献に記載され、それらの全ての記載は、引用として本明細書に組み込まれる。
【0082】
本記載の目的として、VIB族金属のオキシアニオンにより修飾されたIVB族金属酸化物の表現は、VIB族金属、及び酸素を含み、別個に形成されたVIB族金属又はオキシアニオンを別個に形成されたIVB族金属酸化物と混合した単純混合よりも高い酸性度を有する物質を意味することを意図している。いずれの特定の理論による結び付けを望むのではないが、VIB族金属のオキシアニオン、例えばタングステンにより修飾された本IVB族金属、例えばジルコニウム、の酸化物は、IVB族金属酸化物の供給原料及びVIB族金属又はオキシアニオンの供給原料との間の実際の化学相互反応から結果として得られると信じられている。
【0083】
アルカリ(IA族)又はアルカリ土類(IIA族)化合物等の他の要素は、触媒特性を変更する目的で任意に本触媒に加えられる。本触媒への当該アルカリ又はアルカリ土類化合物の添加は、水素付加/脱水素成分又は酸成分として機能する能力の点で、Pt又はW等の本触媒成分の触媒特性を増強することができる。
【0084】
本触媒のIVB族金属(すなわちTi、Zr又はHf)及びVIB族金属(すなわちCr、Mo又はW)類は、それらの類の任意特定の原子価状態に限られない。これらの類は、任意の可能なポジティブ酸化値で本触媒中に存在することができる。例えば当該触媒がタングステンを含み、触媒を還元の条件に、例えばタングステンの原子価状態を還元させる等に当てることでn‐ヘキサンの異性化等の所定の反応を触媒する触媒の全触媒能力を増強することができる。
【0085】
修飾されたIVB族金属酸化物触媒の調製に使用されるIVB族金属酸化物の適した供給原料は、例えばオキシクロライド、クロライド、ニトレート、特にジルコニウム又はチタニウム等の前記酸化物の生成が可能な化合物を含む。当該金属のアルコキシドは、IVB族金属酸化物の前駆体又は供給原料として使用されることもできる。当該アルコキシドの例は、ジルコニウムn‐プロポキシド及びチタニウムi‐プロポキシドを含むが、これらに限られない。IVB族金属酸化物の好ましい供給原料は、ジルコニウム水酸化物すなわちZr(OH)、及び水素付加されたジルコニアである。水素付加されたジルコニアの表現は、別のジルコニウム原子と酸素原子とのブリッジングにより共有結合で結合したジルコニウム原子すなわち、Zr‐O‐Zrを含み、可能な表面ヒドロキシ基をさらに含む物質を意味することを意図している。これらの可能な表面ヒドロキシ基は、タングステンのようなIVB族金属のアニオンの供給原料に反応し、修飾されたIVB族金属酸化物酸性触媒成分を形成すると信じられている。前述したK.Arata及びM.HinoのProceedings 9th International Congress on Catalysis(触媒国際委員会第9回会報)、ボリューム4、1727から1735ページ(1988年)の文献で示されているように、約100℃から約400℃の温度でのZr(OH)のか焼前工程は、タングステン酸とより好ましく反応する種類を結果として生じる。当該か焼前工程は、ZrOH基の凝集を結果として生じ、表面ヒドロキシ基を有する重合ジルコニア類を形成すると信じられている。か焼前工程の結果として生じる当該種類は、水素付加されたジルコニア形成物として本明細書で示される。
【0086】
タングステン酸の供給原料と接触する前に水素付加されたジルコニアを基本溶液で処理することができる。さらに、7より高いpH、例えば約9のpH、を有するNHOH溶液中で水素付加されたジルコニアを還流することができる。
【0087】
モリブデン又はタングステン等のVIB族金属のオキシアニオンに適した供給原料は、アンモニウムメタタングステン酸又はメタモリブデン酸、タングステンクロライド又はモリブデンクロライド、タングステンカルボニル又はモリブデンカルボニル、タングステンの又はモリブデンの酸、及びタングステン酸ナトリウム又はモリブデン酸ナトリウムを含むが、これらに限られない。
【0088】
修飾されたIVB族金属酸化触媒は、例えば、IVB族金属の水酸化物又は酸化物、特に水和酸化物と、VIB族金属の陰イオンを含む水性溶液とを含浸処理し、その後乾燥させることにより調製することができる。結果として得られた修飾されたIVB族物質のか焼は、本発明の1つの実施形態において約500℃から約900℃の温度、本発明の別の実施形態において約700℃から約850℃の温度、本発明のさらに別の実施形態において約750℃から約820℃の温度の好ましい酸化雰囲気で行われることができる。か焼の時間は、本発明の1つの実施形態において48時間以内、本発明の別の実施形態において約0.5から24時間、及び本発明のさらに別の実施形態において約1.0から10時間とすることができる。例えば、か焼は、約800℃で約1から約3時間行うことができる。
【0089】
ジルコニウムの水酸化物又は水和酸化物の供給原料が使用される場合、全物質の所望の酸性度を導入するために、当該供給原料とタングステンのオキシアニオンの供給原料との組み合わせにおけるか焼で、例えば約500℃より高い温度が必要とされうる。しかしながら、ジルコニアのさらに反応性の高い供給原料が使用される場合、当該高温のか焼温度は必要とされない可能性がある。
【0090】
修飾されたIVB族金属酸化触媒の中で、IVB族酸化物ではジルコニウム酸化物が使用されることができる。さらに、VIB族陰イオンではタングステン酸も使用されることができる。
【0091】
品質面において、任意の従来方法により、修飾されたIVB族金属酸化触媒の元素分析を行えば、IVB族金属、VIB族金属、及び酸素の存在が明らかされるだろう。当該分析で測定される酸素の量は、例えば、IVB族及びVIB族金属の原子価状態、水素付加/脱水素の成分の状態、湿度含量等の様々な要因に依存するだろう。従って、本発明に係る触媒の組成物の特徴付けにおいて、任意特定の酸素量により制限されないのが最良である。機能面において、本触媒のVIB族オキシアニオンの量は、IVB族酸化物の酸性度を増加させる量として示されることができる。当該量は、酸性度増加量として本明細書で示されている。本触媒の元素分析は、触媒中のIVB族金属及びVIB族金属の相対量の決定に使用されることができる。これらの量から、式XO/YOのモル比を計算することができ、ここでXはIVB族金属であり式XOの形で存在すると仮定され、YはVIB族金属であり式YOの形で存在すると仮定される。しかしながら、酸化物のこれらの式すなわち、XO及びYOは実際には存在しておらず、単に本触媒中のX及びY相対量を計算する目的で本明細書に示されるにすぎない。本触媒は、式XO/YOで示される計算されたモル比を有することができる。ここで、Xは少なくとも1個のIVB族金属(すなわちTi、Zr、及びHf)であり、Yは少なくとも1個のVIB族金属(すなわちCr、Mo、又はW)であり、これらは多くて1000個未満、例えば300個未満、例えば2個から100個、例えば4個から30個である。
【0092】
本明細書で記載されているIVB族金属酸化物の任意の修飾において、水素付加/脱水素成分を、IVB族金属酸化物、ゼオライト、SAPO又は酸クレイと結合させることができる。当該水素付加/脱水素成分により、有機化合物が十分な水素付加条件又は脱水素条件下で修飾された物質と接触する時に、該物質は1以上の酸素原子、窒素原子、金属又は硫黄等のヘテロ原子と任意に置換されている炭化水素等の有機化合物へ水素を添加し、又は、当該有機化合物から水素を除去する触媒的機能を有することができる。
【0093】
本発明による異性化反応中において、水素ガス等の独立した水素供給原料又は供給体は、異性化反応環境では提供されない。従って、異性化反応中において、飽和異性化ポリオレフィンの形成は、完全に又は実質的に抑止され、それにより不飽和の異性化ポリオレフィンが生成される。前記触媒は異性化反応で使用されることができ、その後、異性化ポリオレフィンとともに水素付加反応に進められ、続いて異性化ポリオレフィンを飽和する。
【0094】
しかしながら、本発明による不飽和異性化ポリオレフィン形成のポリオレフィンの異性化反応の際、水素は異性化反応環境へ取り込まれるべきでないことが特に強調される。従って、十分な水素付加条件が存在してはならず、ポリオレフィンに水素付加がされるべきでない。しかしながら、偶発性の水素は、外部発生源から導入されたり、実質的に収率や生成物の特性に影響しない工程において、分解等により、オレフィン又はポリオレフィンからの水素遊離によって異性化反応環境内へ入り込むことが理解される。従って、当該側面は、本発明の範囲内として考慮される。
【0095】
水素付加/脱水素成分の例は、VIII族金属(すなわちPt、Pd、Ir、Rh、Os、Ru、Ni、Co、及びFe)、IVA族金属(すなわちSn及びPb)、VB族金属(すなわちSb及びBi)、及びVIIB族金属(すなわちMn、Tc及びRe)の酸化物、水酸化物、又は遊離金属(すなわちゼロ原子価)状のものを含むが、これらに限られない。本触媒は、1つ以上の貴金属(すなわちPt、Pd、Ir、Rh、Os、又はRu)の1つ以上の触媒型を含むことができる。貴金属又は貴金属でない金属の触媒型の組み合わせ及びPtとSnの組み合わせが、使用されることができる。水素付加/脱水素成分の金属の原子価状態は、例えば当該成分が酸化又は水酸化の状態等の時、還元されたバランス状態であることが好ましい。金属を還元させる前の所定期間で水素等の還元剤が上記した反応のための供給体に含まれる場合、当該金属の還元されたバランス状態は、反応の過程中にその場で達成されることができる。或いはさらに好ましい還元された金属は、還元剤、通常は水素による金属酸化物又は水酸化物の前還元によって得られる。金属が還元された後、水素は中止され、その後オレフィンが供給され、当該固体触媒により異性化される。触媒の酸部位と共同して作用する金属の存在は、オレフィンの異性化反応を触媒又は促進する。
【0096】
上記により調製された酸性固体物質は、多様な粒子径に成形されることができる。一般的に、粒子は、2メッシュ(タイラー)スクリーンで通過し、400メッシュ(タイラー)スクリーンでは非通過な粒子径を有する粉状、顆粒状、又は押出等の成形物の形状であることができる。押出等により触媒が成形される場合、当該酸性固体は、乾燥後、又は部分的に乾燥された後に押出されることができる。
【0097】
上述したように、修飾されたIVB族金属酸化物触媒は、任意に、タングステン、バナジウム、モリブデン、レニウム、ニッケル、コバルト、クロミウム、マンガン、又は白金やパラジウム等の貴金属等の水素付加成分との密接な併用で使用されることができる。当該成分は、共沈殿、組成物への交換、組成物への含浸、又は組成物との物理的に密着した混合の方法により触媒組成物へ取り込ませることができる。当該成分は、例えば白金の場合、酸性固体物質と白金金属含有イオン含む溶液とで処理することにより、酸性固体物質中にまたは酸性固体物質上に含浸することができる。従って、当該目的に適した白金化合物は、クロロ白金酸、白金ハライド、及び白金アミン複合体を含む様々な化合物を含む。
【0098】
触媒工程中での使用の前に、当該酸性固体物質は、少なくとも一部が脱水されることができる。これは、固体物質を約200℃から約595℃の範囲の温度で、空気、窒素等の雰囲気中、約30分から約48時間、大気圧、準大気圧、又は超大気圧下で熱することにより行うことができる。脱水はまた単に物質を真空状態に置くことで室温でも行うことができるが、十分量の脱水を得るには、より長時間を必要とする。
【0099】
酸性固体物質に別の温度耐性物質を取り込むこと、また有機転換過程で使用される別の条件を取り込むことが望まれるだろう。当該別の温度耐性物質は、活性物質及び非活性物質、合成又は天然起源ゼオライト、同様にクレイ、シリカ、及び/又はアルミナのような金属酸化物等の無機物質を含む。後者は、シリカ及び金属酸化物の混合物を含む天然起源物もしくはゼラチン状沈殿物又はゲルのいずれかであることができる。酸性固体物質と併用する、すなわち、酸性固体物質と結合する又は酸性固体物質の合成中に存在する別の活性物質の使用は、所定の有機転換過程での触媒の交換及び/又は選択性を変化させる傾向がある。不活性物質は、任意の過程で転換量の調整に希釈剤として適切に扱われ、反応率の調整に用いる他の手段を使用せずに、生成物を経済的かつ規則的に得ることができる。当該酸性固体物質は、例えばベントナイト及びカオリン等の天然起源クレイに組み込むことができ、商業的実施条件で触媒の圧潰強度を改善することができる。クレイ、酸化物等の当該他の物質は、触媒の結合剤として機能する。商業的用途において、触媒が粉状に分解されるのを防止することが望まれるため、触媒は、優れた圧潰強度を有することが望まれる。当該クレイ及び/又は酸化結合体は通常、触媒の圧潰強度の改善を目的として使用されてきた。
【0100】
酸性固体物質に混成することができる天然起源クレイは、モンモリロナイト及びサブベントナイトを含むカオリンファミリー、及び、ディキシー(Dixie)、マクナメー(McNamee)、ジョージアクレイ及びフロリダクレイとして一般に知られたカオリンもしくは主鉱物成分がハロイサイト、カオリナイト、ディッカイト、ナクライト又はアナトキシンであるその他の物質を含むが、これらに限られない。当該クレイは、本来採掘された未処理の状態で使用されるか又は初期にか焼、酸処理、又は化学修飾されることができる。本酸性固体物質との混成に有益な結合剤は、無機酸化物、特にアルミナを含む。
【0101】
前述の物質に加え、酸性固体物質は、シリカ‐アルミナ、シリカ‐マグネシウム、シリカ‐ジルコニア、シリカ‐トリア、シリカ‐ベリリウム、シリカ‐チタン等の多孔質マトリックス物質と同様に、シリカ‐アルミナ‐トリア、シリカ‐アルミナ‐ジルコニア、シリカ‐アルミナ‐マグネシウム、及びシリカ‐マグネシウム‐ジルコニア等の三成分組成物の多孔質マトリックス物質と混成することができる。
【0102】
微粉酸性固体物質と無機酸化マトリックスとの組成比は、多様に変化し、結晶成分は、重量で約1から約90パーセントの範囲であり、さらに一般的に、特に複合体がビーズ状に調製される場合においては、複合体の約2から約80重量パーセントの範囲である。当該IVB族金属酸化触媒は、米国特許第5,516,954号に記載されている。
【0103】
上述の通り、本発明の別の実施形態では、少なくとも1のアルファ値を有する酸触媒は、異性化反応の触媒に使用されることができる。当該分野で知られ、本願で使用されるように、触媒の酸性度は、そのアルファ値で測ることができる。アルファ値は、標準触媒と比べて、当該触媒の触媒分解活性の適切な指標であり、相対比定数(単位時間当たりの触媒量に対する直鎖ヘキサン転換速度)を与える。それは、高活性シリカ‐アルミナゼオライト分解触媒の活性を1アルファ(比定数=0.016 秒‐1)としたものに基づいている。ゼオライトHZSM‐5の場合、四面体に配置したAlの174ppmのみがアルファ値1を与えるのに必要とされる。アルファ試験は、米国特許第3,354,078号に記載され、The Journal of Catalysis(触媒ジャーナル)、6、522から529ページ(1965 年8月)、The Journal of Catalysis、61、395ページ(1980年)に記載され、それぞれ引用として本明細書の記載として組み込まれている。
【0104】
本発明による異性化反応は、供給原料を触媒の固定静止ベッド又は移動ベッド反応器と接触させることにより行われることができる。下記の実施例で示されるように、細粒ベッド構成を使用することができる。細粒ベッド構成において、本発明の異性化反応中に触媒の静止固定ベッドを通して、供給体を滴下させることができる。加えて、異性化反応は、バッチスラリー反応器中又は連続攪拌(stir)タンク反応器中で行われることができる。
【0105】
水素付加反応
上述の異性化反応の完了において、実質的に不飽和異性化されたポリオレフィンは、水素と反応し、ポリオレフィンを水素付加及び飽和する。いずれの従来の水素付加反応も本発明で使用されることができる。例えば、引用として本願明細書に組み込まれる米国特許第4,125,569号で記載されている水素付加の過程は、本発明で使用されることができる。水素付加触媒は、ニッケル‐珪藻土触媒(Ni−on Kieselguhr catalyst)及び例えばコバルト、ニッケル、パラジウム、及び白金等のVIII族金属の酸化物、水酸化物、又は遊離金属状のもの等の従来の金属水素付加触媒を含むが、これらに限られない。当該金属は通常、ボーキサイト、アルミナ、シリカゲル、シリカ‐アルミナ複合体、活性型炭素、結晶アルミノシリケートゼオライト、及びクレイ等のキャリアーと共に用いられる。また、非貴VIII族金属、金属酸化物、及び硫化物が使用されることができる。水素付加反応で使用されることができる触媒の追加例は、引用として本明細書に組み込まれる米国特許第3,852,207号、第4,157,294号、第3,904,513号、及び第4,673,487号に記載されている。上記触媒の全ては、単独で又は他との組み合わせで使用されることができる。
【0106】
前記水素付加は、水素不存在下の最初の異性化の後、PtZSM48、Pt‐beta又は他の金属修飾ゼオライト等の同じ金属含有異性化ゼオライトを用いた水素圧下で行われることもできる。当該実施の例は、オレフィン供給原料を異性化用の金属含有触媒と初期混合することとなるだろう。異性化が完了した時に、水素を反応系に添加し、同じ金属含有異性化触媒を用いた水素付加反応を開始することができる。当該実施は、1つの触媒を両方の工程に使用する利点を有するだろう。
【0107】
異性化又は水素付加反応のいずれかに使用される触媒の物理的形態は、使用される触媒反応器の種類に依存し、顆粒状や粉状とすることができる。また、当該形態は、これは通常、流動ベッド反応用にシリカ又はアルミナ結合剤と共に凝集した形状に圧縮されることができ、又はピル剤、噴射造粒物、球形、押出状、又はその他の適切な触媒反応の混合に調和する調整されたサイズの形状に用いられる。前記触媒は、流動触媒としてか、又はバッチ反応器もしくは連続攪拌タンク反応器で固定されたもしくは移動しているベッド内のいずれかで、1以上の反応工程で使用されることができる。さらに上述の通り、当該触媒は、液体状とすることもできる。
【0108】
本発明により生成された潤滑油は、ポリアルファオレフィン、エステル、ポリエーテル、ポリアルキレングリコール(PAG)、ポリイソブチレン(PIB)、アルキル芳香族もしくはポリアルキル芳香族等の他の合成流動体と混合した成分として使用されることができる。前記潤滑油は、グレードI又はグレードII鉱物油と混合した成分として使用し、当該油の粘度及び粘度指数特性を改善することもできる。また、当該潤滑油は、異性化石油ワックス又はグレードIII基油又はフィッシャー・トロプシュワックス(Fischer−Tropsch wax)由来の異性化潤滑油と組み合わせることができる。
【0109】
加えて、下記の1以上の添加物:増粘剤、VI改善剤、抗酸化剤、抗摩耗添加物、清浄/分散/阻害剤(DDI)パッケージ、及び/又は抗さび添加物を、本発明により調製された基油又は本発明に係る流動体と上記他の流動体との配合体に添加することができる。好ましい実施形態において、本明細書の流動体又は配合体は、1以上の分散剤、洗浄剤、摩擦調整剤、牽引改善添加物(traction improving additives)、脱乳化剤(de‐emulsifiers)、脱気泡剤(defoamants)、発色剤(染料)、及び/又は曇り阻害剤(haze inhibitors)と組み合わされる。これらの完全に配合された潤滑油は、自動車両クランクケースオイル(エンジンオイル)、商業油、グリース、又はガスタービンエンジンオイルに使用されることができる。これらは、最終潤滑油の配合に使用される添加物の例として挙げられる。完全合成、半合成又は部分合成の潤滑油又は機能的流動体の配合におけるPAOの用途の追加情報は、「Synthetic Lubricants and High‐Performance Functional Fluids(合成潤滑油及び高性能機能的流動体)」、第2版L.Rudnick他編集、マーセル・デッカー・インク(Marcel Dekker,Inc.)、ニューヨーク州(1999年)で見られる。添加物の生成物配合での使用における追加情報は、「Lubricants and Lubrications(潤滑油及び潤滑)」、T.Mang、W.Dresel編集、Wiley‐VCH GmbH、ワインハイム、2001年で見られる。
【0110】
実施例
下記の実施例により、C14及びより高級な直鎖アルファオレフィンは、ゼオライト、BF触媒、及び酸性固体酸化物等の酸触媒による大型オレフィンの初めの異性化の後、水素付加されていないポリアルファオレフィンの中孔径又は大孔径の酸性ゼオライトを用いた反応による異性化で、不飽和異性化ポリアルファオレフィンを形成し、さらに水素付加し、ポリオレフィンを飽和することにより高品質潤滑基油ポリアルファオレフィンへ交換されることが示めされた。当該最終潤滑油は、顕著に優れた低温特性、流動点、VI、及び揮発性を有した。
【0111】
下記の実施例では、全潤滑油の特性は、生成物が下記の標準水素付加条件下で水素付加され、分子中の不飽和が実質的に取り除かれた後に測定された。標準水素付加条件下では、流動体を、約1重量%から約2重量%の間の60%ニッケル‐珪藻土触媒とオートレーブ内で混合した。当該ニッケル‐珪藻土触媒は、アルドリッチケミカル会社(Aldrich Chemical Company)、Milwaukee、ウィスコンシン州から提供される。さらに当該流動体は、約225℃、1平方インチ当たり(psi)H圧力が約800ポンドの下で約8時間から約24時間、水素付加される。使用されるニッケル‐珪藻土触媒の量は、不飽和ポリアルファオレフィンの相対的純度に依存する。例えば、前記試料が実質的に透明及び/又は無色の場合、ニッケル‐珪藻土触媒は、全混合物の約1重量%からなる。しかし、前記試料が有色の場合、ニッケル‐珪藻土触媒は、全混合物の約2重量%からなる。
【0112】
粘度は、下記の実施例でASTM D445で記載されている方法により、キャノン‐マンニングセミマイクロ‐粘度計(Cannon‐Manning semi‐micro viscometer)を用いて測定された。粘度指数(VI)は、ASTM D2270で記載された方法で計算された。流動点は、ヘルゾグ流動点測定装置(Herzog Pour Point Apparatus)により測定され、ASTM D97法と同程度の流動点の結果を示した。
【0113】
潤滑油収率は、反応から回収される潤滑油生成物の重量を前記反応中で使用される潤滑油の重量で割り、100をかけて計測された。通常下記実施例では、軽留分、すなわち750°Fより低い沸点を有する潤滑油は、異性化の生成物又は水素付加反応の生成物として生成されなかった。しかし、稀であるが軽留分が生成された場合、生成物を150℃、約1ミリトールの圧力で約2時間蒸留し、軽留分を除去した。従って、軽留分が除去された場合、回収された潤滑油生成物の重量は、未加工の潤滑油生成物の重量から軽留分の重量を引いた量に相当した。
【0114】
実施例に使用される供給原料
1‐ヘキサデセンは、促進BF触媒を用いて重合化され、重合体の混合物を生成した。当該未加工の混合物から、約130℃、約1ミリトールの減圧で約2時間蒸留することにより粘性流動体が単離され、未反応の出発物質が除去された。当該粘性流動体は、出発物質(供給原料1)として下記の実施例に使用された。
【0115】
比較例1
約100グラムの供給原料1が上述通りにニッケル‐珪藻土触媒を用いてさらに水素付加され、いくらかの不飽和成分が除去された。最終生成物の潤滑油の特性は、比較例1として表1にまとめている。
【0116】
実施例2
約100グラムの供給原料1流動体は、約1グラムの水素型ゼオライトベータ触媒と混合された後、約265℃で約24時間加熱された。前記液体は、ろ過及び標準条件下で水素付加され、最終潤滑油が得られた。当該最終潤滑油の特性は表1にまとめられている。当該水素型ゼオライトベータ処理潤滑油は、約−51℃の流動点を有し、比較例1の未処理潤滑油に比べ、顕著に優れている。
【0117】
実施例3
約100グラムの供給原料1流動体は、約1グラムの白金型ゼオライトベータ触媒と混合された後、約265℃で約24時間加熱された。前記液体は、ろ過及び標準条件下で水素付加され、最終潤滑油が得られた。当該最終潤滑油の特性は表1にまとめられている。当該白金型ゼオライトベータ処理潤滑油は、約−49℃の流動点を有し、比較例1の未処理潤滑油に比べ、顕著に優れている。
【0118】
実施例4
約100グラムの供給原料1流動体は、約1グラムのH‐ZSM‐12触媒と混合された後、約265℃で約24時間加熱された。前記液体は、ろ過及び標準条件下で水素付加され、最終潤滑油が得られた。当該最終潤滑油の特性は表1にまとめられている。当該H‐ZSM‐12触媒処理潤滑油は、約−56℃の流動点を有し、比較例1の未処理潤滑油に比べ、顕著に優れている。
【0119】
実施例5から実施例8
約100グラムの試料の供給原料1流動体は、それぞれ約1グラムの中型から大型孔のゼオライト触媒と混合された後、約265℃で約24時間加熱された。前記各液体は、ろ過及び標準条件下で水素付加され、最終潤滑油が得られた。当該最終潤滑油の特性は表1にまとめられている。全ての場合において、最終潤滑油の流動点は、比較例1の未処理潤滑油に比べ、顕著に優れていた。さらに全ての場合において、潤滑油の収率は、80から95%と高い範囲であった。
【表2】

【0120】
比較例9及び実施例10
当該実施例により、混合されたアルファオレフィンから生成されたポリアルファオレフィンは、その特性を改善するため、ゼオライト触媒と共に処理できることが示された。およそ等量の1‐テトラデセン、1‐ヘキサデセン、及び1‐オクタデセンを含む約200グラムの混合物と、約2グラムのか焼MCM56触媒を反応器で混合し、約24時間不活性窒素雰囲気下で約200℃に加熱した。粘性流動体は、触媒のろ過により単離され、約130℃、約1ミリトールの減圧で約2時間蒸留し、未反応出発オレフィンを除去した。粘性流動体の一部を標準条件下で水素付加し、100℃で約5.31cSt及び約−28℃の流動点を有する最終潤滑油を比較例9として得た。実施例10において、粘性流動体の他方をさらにPt‐ZSM48触媒で約250℃において約24時間処理し、水素付加後の結果として得られた潤滑油は100℃で約5.30cStの粘度及び約−38℃の流動点を有した。
【0121】
比較例11及び実施例12
当該実施例により、水素付加されていないポリアルファオレフィンが従来の水素異性化スキームと同様の方法により処理された場合、潤滑油の特性は改善されないことが示された。1‐ヘキサデセンを30/80メッシュサイズのMCM56触媒に約200℃において約1g/g‐触媒/時で通過させて、ポリアルファオレフィンを生成した。流出物を10日間かけて回収した。粘性流動体を蒸留により単離し、未反応出発オレフィンを除去した。比較例11において、粘性流動体の一部に水素付加し、100℃で約4.93cStの粘度及び約−45℃の流動点を有する潤滑油生成物を得た。実施例12において、粘性流動体の他方を水素と共に約200cc/mmにおいて約250℃約800psiでPt‐ZSM48触媒に通過させた。結果として得られた潤滑油生成物は、100℃で約4.96cStの粘度及び約−47℃の流動点を有した。当該実施例12により、水素ガスの存在下で、異性化が行われた場合、生成物の流動点は、−45℃から−47℃の極わずかな改善のみ見られることが示された。
【0122】
比較例13
粘性流動体を促進BF触媒による1‐ドデセンの重合から生成し、その後供給原料1で記載される蒸留をし、いずれの未反応出発オレフィンも除去した。当該粘性流動体(供給原料2)の一部にさらに標準条件下で水素付加し、約6.37cStの粘度、約151VI、及び約−39℃の流動点を有するポリアルファオレフィンを比較例13として得た。
【0123】
比較例14
比較例13の供給原料2の一部を、Pt‐ZSM23を含む固定ベッド触媒に約232℃において約0.5ml/ml触媒/時で通過させた。処理されたポリアルファオレフィンは、95%以上の収率で得られ、その後通常の条件下で水素付加された。実施例14の最終潤滑油は、100℃で約6.31cStの粘度、約142VI、及び約−57℃の流動点を有した。当該試料の流動点は、比較例13のゼオライト処理をしないポリアルファオレフィン(約−39℃の流動点)に比べ、優位に改善された。当該実施例により、前記プロセス概念をドデセン‐ベースのポリアルファオレフィンに適用できることが示された。
【0124】
比較例15
約200グラムの1‐ヘキサデセンと約2グラムのか焼MCM56触媒とをフラスコ内で混合した後、約200℃で24時間加熱し、供給原料3を生成した。当該混合物を冷却した後、ろ過し、触媒を除去した。前記液体生成物を、700°Fより低い温度で沸騰蒸留し軽質分を除去した後、潤滑油分画生成物は、87%の収率で単離された。供給原料3の水素付加後の潤滑油の特性は、比較例15として表2にまとめた。
【0125】
実施例16
約100グラムの供給原料3と約1グラムの微粉Pt‐ZSM48触媒とを混合し、約24時間非活性窒素雰囲気下で約250℃に加熱した。触媒をろ過し、潤滑油生成物を単離した後、標準条件下で水素付加した。当該異性化潤滑油の特性は、表2にまとめた。
【0126】
これらのデータは、異性化されていないPAO(実施例13)の約−31℃の流動点に比べ、水素付加されていないポリアルファオレフィンの異性化により流動体の流動点が約−53℃(実施例14)に減少したことを示した。異性化の収率は95%より高かった。
【0127】
比較例17
約200グラムの1‐オクタデセンを出発物質として使用し、さらにMCM56/アルミナ‐結合触媒を使用し、供給原料4を生成した以外は、供給原料3と同様であり、その後上述の通り、水素付加した。
【0128】
実施例18
実施例16と同様の方法により供給原料4を異性化した。標準条件下で当該生成物を水素付加した(表2)。
【0129】
比較例19
約50重量%の1‐テトラデセンと約50重量%の1‐オクタデセンとを含む約200グラムの混合物を出発物質として使用し、供給原料5生成した以外は、供給原料4と同様である。供給原料5を、上述の通り水素付加し、比較例19(表2)を生成した。
【0130】
実施例20
実施例16と同様の方法で供給原料5の異性化を行った。その生成物を標準条件下で水素付加した(表2)。
【0131】
比較例21
等量の1‐テトラデセン、1‐ヘキサデセン、及び1‐オクタデセンを含む約200グラムの混合物を出発物質として使用し、供給原料6生成した以外は、供給原料3と同様である。供給原料6を、上述の通り水素付加し、比較例21(表2)を生成した。
【0132】
実施例22
実施例16と同様の方法で供給原料6の異性化を行った。その生成物を標準条件下で水素付加した(表2)。
【表3】

【0133】
供給原料7
約2グラムの30/80メッシュサイズのMCM56触媒と約12mlの30/80メッシュサイズの不活性石英チップとを混合し、1/2インチ、固定ベッド、管状反応器の中央に充填し、全触媒層量を約16mlにした。当該反応器は、約175℃から約200℃に加熱され、約2cc/時で1‐ヘキサデセンを反応器に通過させた。流出液は、約10日間にかけて回収された。前記液体生成物を、実施例1及び9のように減圧下で蒸留し、軽留分を除去した。
【0134】
比較例23
供給原料7を上述の通り水素付加した。水素付加後の残渣潤滑油生成物の特性は表3にまとめられている。
【0135】
実施例24
約2グラムの30/80メッシュサイズのPt‐ZSM48触媒と約12mlの30/80メッシュサイズの不活性石英チップとを混合し、1/2インチ、固定ベッド、管状反応器の中央に充填し、全触媒層量を約16mlにした。当該反応器は、約250℃反応温度に加熱され、その後約2cc/時で供給原料7を反応器に通過させた。流出液を回収した後、ガスクロマトグラフによる分析を行い、蒸留し、実施例1及び9のように軽留分を除去し、標準水素付加条件下で水素付加した。当該生成物の特性は、表3にまとめた。これらのデータは、水素付加されていないポリアルファオレフィンの異性化により、その流動点が約−45℃(比較例23)から約−63℃(実施例24)に減少したことを示した。異性化工程からの潤滑油の収率は、90%より高く、潤滑油生成物は、優れたVI及び低粘度を維持した。
【0136】
比較例25
水素を液体原料と同時に反応器に通過させ、供給原料8を生成した以外は、比較例23と同様である。この種の操作は、従来の水素異性化工程と同様である。前記生成物(供給原料8)は、不飽和の有意量を含み、さらに標準条件で水素付加され、比較例25を生成した。当該比較例は、従来の水素異性化(又は、水素存在下の金属修飾ゼオライトによるオレフィンの異性化)工程により流動点が有意に変化しなかった(約−45℃の出発流動点と比べ約−47℃)ことを示した。
【0137】
実施例26
当該実施例において、約2グラムの30/80メッシュサイズのPt‐ZSM48触媒と約12mlの30/80メッシュサイズの不活性石英チップとを混合し、1/2インチ、第一の固定ベッド反応器の中央に充填し、全触媒層量を約16mlにした。約2グラムの微細に粉砕された(30/80メッシュサイズ)65%ニッケル‐珪藻土触媒と約12mlの30/80メッシュサイズの不活性石英チップとを混合し、1/2インチ管状、固定ベッド反応器の中央に充填し、第二の固定ベッド反応器として準備した。両反応器を、約250℃で加熱し、両反応器に約800psiの圧力を維持した。供給原料7を約2.5cc/時で第一の反応器に通過させ、異性化した。第一の反応器の流出液を約500cc/時で水素を加えた第二の反応器に通過させた。24時間の流動により回収された第一の試料の特性を、表3にまとめた。これらのデータは、水素付加前の異性化における2つの工程での反応の実施により、潤滑油の流動点が約−45℃から約−65℃未満に減少されたことを示した。潤滑油の収率及び粘度は、優れた値で維持された。
【表4】

【0138】
上述の記載及び添付の請求の範囲において、自らの構造に特定数の炭素原子を有するオレフィン及びポリオレフィンが言及されている。これは「C」と小文字の整数の表示により表される。当該整数は、オレフィン構造又はポリオレフィン構造に存在する炭素原子の数を示す。例えば、C10のアルファオレフィンは、アルファオレフィンが、10炭素原子を有することを意味する。前記整数と共に「+」の添字が使用される場合、前記「+」は、「及びより多い炭素原子の数」を意味する。例えば、C10+のオレフィンは、C10、C12、C14等のオレフィンを含む。
【0139】
当該発明は、説明の目的で詳細に記載されたが、この記載は、専らその目的のためであり、下記の請求項により定義される発明の趣旨及び範囲からそれることなく、当業者はこれに変化を加え得ることが理解される。
【0140】
従って、本発明は、一定の国の法律上の要件を充たす場合には下記も含む:
1a.飽和異性化ポリオレフィンの生成方法であって、
不飽和オレフィンを含む供給原料を重合させ、不飽和ポリオレフィンを形成する工程、
実質的無水素環境で酸触媒の存在下、不飽和ポリオレフィンを異性化し、不飽和異性化ポリオレフィンを形成する工程、及び
不飽和異性化ポリオレフィンに水素付加し、飽和異性化ポリオレフィンを形成する工程
を含む前記生成方法。
【0141】
2a.不飽和オレフィンが、不飽和直鎖アルファオレフィン、不飽和直鎖インターナルオレフィン、不飽和分枝アルファオレフィン、不飽和分枝インターナルオレフィン、又はそれらの組み合わせからなる、1aに記載の方法
3a.直鎖アルファオレフィンが、C又はより高級な直鎖アルファオレフィン又はそれらの組み合わせからなる、2aに記載の方法。
【0142】
4a.直鎖アルファオレフィンが、C10からC24の直鎖アルファオレフィン又はそれらの組み合わせからなる、2aから3aのいずれか1つに記載の方法。
【0143】
5a.直鎖インターナルオレフィンが、C10又はより高級な直鎖インターナルオレフィンからなる、2aから4aのいずれか1つに記載の方法。
【0144】
6a.直鎖インターナルオレフィンが、C12からC24の直鎖インターナルオレフィンからなる、2aから5aのいずれか1つに記載の方法。
【0145】
7a.分枝アルファオレフィンが、C又はより高級な分枝アルファオレフィンからなる、2aから6aのいずれか1つに記載の方法。
【0146】
8a.分枝アルファオレフィンがC12からC24の分枝アルファオレフィンからなる、2aから7aのいずれか1つに記載の方法。
【0147】
9a.分枝インターナルオレフィンが、C又はより高級な分枝インターナルオレフィンからなる、2aから8aのいずれか1つに記載の方法。
【0148】
10a.分枝インターナルオレフィンが、C12からC24の分枝インターナルオレフィンからなる、2aから9aのいずれか1つに記載の方法。
【0149】
11a.不飽和オレフィンが、C8+のアルファオレフィン及びそのポリマーの単独もしくは任意の組み合わせ、直鎖アルファオレフィンでC10+の二量体、三量体、共二量体、共三量体、及びより高級なオリゴマーの単独もしくは任意の組み合わせ、C10+の直鎖インターナルオレフィン及びそのポリマーの単独もしくは任意の組み合わせ、C8+の分枝したアルファオレフィン又はインターナルオレフィン及びそれらのポリマーの単独もしくは任意の組み合わせ、C25+の直鎖ポリアルファオレフィン、分枝ポリアルファオレフィン、直鎖インターナルポリオレフィン、及び分枝インターナルポリオレフィンの単独もしくは任意の組み合わせ、又はこれらの不飽和オレフィン及びポリオレフィンの任意の組み合わせの混合物からなる、1aから10aのいずれか1つに記載の方法。
【0150】
12a.供給原料がさらに、CからCの不飽和オレフィンを含む、1aから11aのいずれか1つに記載の方法。
【0151】
13a.酸触媒が、少なくとも1のアルファ値を有する、1aから12aのいずれか1つに記載の方法。
【0152】
14a.酸触媒が、約12以下の拘束指数を有するゼオライトである、1aから13aのいずれか1つに記載の方法。
【0153】
15a.酸触媒が、約2から約12の拘束指数を有するゼオライトである、1aから14aのいずれか1つに記載の方法。
【0154】
16a.酸触媒が、ZSM‐3、ZSM‐4、ZSM‐5、ZSM‐11、ZSM‐12、ZSM‐14、ZSM‐18、ZSM‐20、ZSM‐22、ZSM‐23、ZSM‐35、ZSM‐38、ZSM‐48、ZSM‐50、ゼオライトベータ、ゼオライトUHP‐Y、ウルトラステイブルY、脱アルミ化Y、クリノプチロライト、モルデナイト、フォージャサイト、オフレタイト、及びそれらの任意の組み合わせからなる群より選ばれる、1aから15aのいずれか1つに記載の方法。
【0155】
17a.酸触媒が、フリーデル・クラフツ触媒、ブロンステッド酸、ルイス酸、又はそれらの任意の組み合わせから選ばれる均質酸触媒である、1aから16aのいずれか1つに記載の方法。
【0156】
18a.酸触媒が、BF、BCl、BBr、AlCl、AlBr、SbF、TiCl、TiCl、SnCl、PF、SnF、HSO、HCOOH、HF、HCl、HBr、トリフル酸、又はそれらの組み合わせから選ばれる均質酸触媒である、1aから17aのいずれか1つに記載の方法。
【0157】
19a.酸触媒が、バロンハライド、アルミニウムハライド、又はそれらの組み合わせである、1aから18aのいずれか1つに記載の方法。
【0158】
20a.酸触媒が、MCM‐22、MCM‐36、MCM‐49、MCM‐56、MCM‐68、及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる、1aから19aのいずれか1つに記載の方法。
【0159】
21a.酸触媒が、ゼオライト、均質酸触媒、酸性樹脂、酸性固体酸化物、酸性シリコアルミノホスフェート、IVB族金属酸化物、VIII族金属、IVA族金属、VB族金属、及びVIIB族金属の酸化物、水酸化物、又は遊離金属状のものからなる、1aから20aのいずれか1つに記載の方法。
【0160】
22a.酸触媒が、ゼオライト上に堆積されたVIIIB族金属からなる、1aから21aのいずれか1つに記載の方法。
【0161】
23a.飽和異性化ポリオレフィンが、約−30℃以下の流動点を有する、1aから22aのいずれか1つに記載の方法。
【0162】
24a.飽和異性化ポリオレフィンが、約−40℃以下の流動点を有する、1aから23aのいずれか1つに記載の方法。
【0163】
25a.飽和異性化ポリオレフィンが、約−50℃以下の流動点を有する、1aから24aのいずれか1つに記載の方法。
【0164】
26a.飽和異性化ポリオレフィンが、100℃で約200cSt未満の粘度を有する、1aから25aのいずれか1つに記載の方法。
【0165】
27a.飽和異性化ポリオレフィンが、100℃で約10cSt未満の粘度を有する、1aから26aのいずれか1つに記載の方法。
【0166】
28a.飽和異性化ポリオレフィンが、40℃で約50cSt未満の粘度を有する、1aから27aのいずれか1つに記載の方法。
【0167】
29a.飽和異性化ポリオレフィンが、約50以上の粘度指数を有する、1aから28aのいずれか1つに記載の方法。
【0168】
30a.飽和異性化ポリオレフィンが、約100以上の粘度指数を有する、1aから29aのいずれか1つに記載の方法。
【0169】
31a.飽和異性化ポリオレフィンが、約120以上の粘度指数を有する、1aから30aのいずれか1つに記載の方法。
【0170】
32a.飽和異性化ポリオレフィンが、同程度の分子量を有するC及至C10のポリアルファオレフィンと同等又はより少ない揮発度を有する、1aから31aのいずれか1つに記載の方法。
【0171】
33a.飽和異性化ポリオレフィンの生成方法であって、
不飽和オレフィンを含む供給原料を重合し、不飽和ポリオレフィンを形成する工程、
実質的無水素環境で約200℃から約475℃の温度下、不飽和ポリオレフィンと酸性ゼオライト触媒とを接触させ、不飽和ポリオレフィンを異性化し、不飽和異性化ポリオレフィンを生成する工程であって、前記ゼオライト触媒が12以下の拘束指数を有するように設けられる工程、及び
不飽和異性化ポリオレフィンに水素付加し、飽和異性化ポリオレフィンを生成する工程
を含む前記生成方法。
【0172】
34a.不飽和オレフィンが、C8+のアルファオレフィン及びそのポリマーの単独もしくは任意の組み合わせ、直鎖アルファオレフィンでC10+の二量体、三量体、共二量体、共三量体、及びより高級なオリゴマーの単独もしくは任意の組み合わせ、C10+の直鎖インターナルオレフィン及びそのポリマーの単独もしくは任意の組み合わせ、C8+の分枝したアルファオレフィン又はインターナルオレフィン及びそれらのポリマーの単独もしくは任意の組み合わせ、C25+の直鎖ポリアルファオレフィン、分枝ポリアルファオレフィン、直鎖インターナルポリオレフィン、及び分枝インターナルポリオレフィンの単独もしくは任意の組み合わせ、又はこれらの不飽和オレフィン及びポリオレフィンの任意の組み合わせの混合物からなる、33aに記載の方法。
【0173】
35a.供給原料がさらに、CからCの不飽和オレフィンを含む、33a又は34aに記載の方法。
【0174】
36a.ゼオライト触媒が、ZSM‐5、ZSM‐11、ZSM‐12、ZSM‐22、ZSM‐23、ZSM‐35、ZSM‐38、ZSM‐48、及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる、33aから35aのいずれか1つに記載の方法。
【0175】
37a.ゼオライト触媒が、ZSM‐22である、33aから36aのいずれか1つに記載の方法。
【0176】
38a.触媒が、約2から12の拘束指数を有するゼオライトである、33aから37aのいずれか1つに記載の方法。
【0177】
39a.触媒がさらに、均質酸触媒、酸性樹脂、酸性固体酸化物、酸性シリコアルミノホスフェート、IVB族金属酸化物、VIII族金属、IVA族金属、又はVB族金属の酸化物、VIII族金属、IVA族金属、又はVB族金属の水酸化物、又はVIII族金属、IVA族金属、又はVB族金属の遊離型、又はそれらの任意の組み合わせを含む、33aから38aのいずれか1つに記載の方法。
【0178】
40a.1aから39aのいずれか1つに記載の飽和異性化ポリオレフィンを含む潤滑油。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
飽和異性化ポリオレフィンの生成方法であって、
不飽和オレフィンを含む供給原料を重合させ、不飽和ポリオレフィンを形成する工程、
実質的無水素環境で酸触媒の存在下、不飽和ポリオレフィンを異性化し、不飽和異性化ポリオレフィンを形成する工程、及び
不飽和異性化ポリオレフィンに水素付加し、飽和異性化ポリオレフィンを形成する工程
を含む前記生成方法。
【請求項2】
不飽和オレフィンが、不飽和直鎖アルファオレフィン、不飽和直鎖インターナルオレフィン、不飽和分枝アルファオレフィン、不飽和分枝インターナルオレフィン、又はそれらの組み合わせからなる、請求項1に記載の方法
【請求項3】
直鎖アルファオレフィンが、C又はより高級な直鎖アルファオレフィン又はそれらの組み合わせからなる、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
直鎖アルファオレフィンが、C10からC24の直鎖アルファオレフィン又はそれらの組み合わせからなる、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
直鎖インターナルオレフィンが、C10又はより高級な直鎖インターナルオレフィンからなる、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
直鎖インターナルオレフィンが、C12からC24の直鎖インターナルオレフィンからなる、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
分枝アルファオレフィンが、C又はより高級な分枝アルファオレフィンからなる、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
分枝アルファオレフィンがC12からC24の分枝アルファオレフィンからなる、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
分枝インターナルオレフィンが、C又はより高級な分枝インターナルオレフィンからなる、請求項2に記載の方法。
【請求項10】
分枝インターナルオレフィンが、C12からC24の分枝インターナルオレフィンからなる、請求項2に記載の方法。
【請求項11】
不飽和オレフィンが、
8+のアルファオレフィン及びそのポリマーの単独もしくは任意の組み合わせ、
直鎖アルファオレフィンでC10+の二量体、三量体、共二量体、共三量体、及びより高級なオリゴマーの単独もしくは任意の組み合わせ、
10+の鎖インターナルオレフィン及びそのポリマーの単独もしくは任意の組み合わせ、
8+の分枝したアルファオレフィン又はインターナルオレフィン及びそれらのポリマーの単独もしくは任意の組み合わせ、
25+の直鎖ポリアルファオレフィン、分枝ポリアルファオレフィン、直鎖インターナルポリオレフィン、及び分枝インターナルポリオレフィンの単独もしくは任意の組み合わせ、又は
これらの不飽和オレフィン及びポリオレフィンの任意の組み合わせの混合物
からなる、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
供給原料がさらに、CからCの不飽和オレフィンを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
酸触媒が、少なくとも1のアルファ値を有する、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
酸触媒が、約12以下の拘束指数を有するゼオライトである、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
酸触媒が、約2から約12の拘束指数を有するゼオライトである、請求項1から12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
酸触媒が、ZSM‐3、ZSM‐4、ZSM‐5、ZSM‐11、ZSM‐12、ZSM‐14、ZSM‐18、ZSM‐20、ZSM‐22、ZSM‐23、ZSM‐35、ZSM‐38、ZSM‐48、ZSM‐50、ゼオライトベータ、ウルトラステイブルY、脱アルミ化Y、クリノプチロライト、モルデナイト、フォージャサイト、オフレタイト、及びそれらの任意の組み合わせからなる群より選ばれる、請求項1から12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
酸触媒が、フリーデル・クラフツ触媒、ブロンステッド酸、ルイス酸、又はそれらの任意の組み合わせから選ばれる均質酸触媒である、請求項1から11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
酸触媒が、BF、BCl、BBr、AlCl、AlBr、SbF、TiCl、TiCl、SnCl、PF、SnF、HSO、HCOOH、HF、HCl、HBr、トリフル酸、又はそれらの組み合わせから選ばれる均質酸触媒である、1aから17aのいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
酸触媒が、バロンハライド、アルミニウムハライド、又はそれらの組み合わせである、請求項1から11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
酸触媒が、MCM‐22、MCM‐36、MCM‐49、MCM‐56、MCM‐68、及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる、請求項1から11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
酸触媒が、ゼオライト、均質酸触媒、酸性樹脂、酸性固体酸化物、酸性シリコアルミノホスフェート、IVB族金属酸化物、VIII族金属、IVA族金属、VB族金属、及びVIIB族金属の酸化物、水酸化物、又は遊離金属状のものからなる、請求項1から11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
酸触媒が、ゼオライト上に堆積されたVIIIB族金属からなる、請求項1から11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
飽和異性化ポリオレフィンが、約−30℃以下の流動点を有する、請求項1から22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
飽和異性化ポリオレフィンが、約−40℃以下の流動点を有する、請求項1から22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
飽和異性化ポリオレフィンが、約−50℃以下の流動点を有する、請求項1から22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
飽和異性化ポリオレフィンが、100℃で約200cSt未満の粘度を有する、請求項1から25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
飽和異性化ポリオレフィンが、100℃で約10cSt未満の粘度を有する、請求項1から25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
飽和異性化ポリオレフィンが、40℃で約50cSt未満の粘度を有する、請求項1から25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
飽和異性化ポリオレフィンが、約50以上の粘度指数を有する、請求項1から25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
飽和異性化ポリオレフィンが、約100以上の粘度指数を有する、請求項1から25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
飽和異性化ポリオレフィンが、約120以上の粘度指数を有する、請求項1から25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
飽和異性化ポリオレフィンが、同程度の分子量を有するC及至C10のポリアルファオレフィンと同等又はより少ない揮発度を有する、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
酸触媒が、1以上のVIBからVIIIB族金属要素を含むゼオライトである、請求項1から12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項34】
酸触媒が、Pt、Pd、Ni、Co、Rh、Ir、Ru、W、Mo、及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる1以上の金属を含むゼオライトである、請求項1から12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項35】
飽和異性化ポリオレフィンの生成方法であって、
不飽和オレフィンを含む供給原料を重合し、不飽和ポリオレフィンを形成する工程、
実質的無水素環境で約200℃から約475℃の温度下、不飽和ポリオレフィンと酸性ゼオライト触媒とを接触させ、不飽和ポリオレフィンを異性化し、不飽和異性化ポリオレフィンを生成する工程であって、前記ゼオライト触媒が12以下の拘束指数を有するように設けられる工程、及び
不飽和異性化ポリオレフィンに水素付加し、飽和異性化ポリオレフィンを生成する工程
を含む前記生成方法。
【請求項36】
不飽和オレフィンが、C8+のアルファオレフィン及びそのポリマーの単独もしくは任意の組み合わせ、直鎖アルファオレフィンでC10+の二量体、三量体、共二量体、共三量体、及びより高級なオリゴマーの単独もしくは任意の組み合わせ、C10+の直鎖インターナルオレフィン及びそのポリマーの単独もしくは任意の組み合わせ、C8+の分枝したアルファオレフィン又はインターナルオレフィン及びそのポリマーの単独もしくは任意の組み合わせ、C25+の直鎖ポリアルファオレフィン、分枝ポリアルファオレフィン、直鎖インターナルポリオレフィン、及び分枝インターナルポリオレフィンの単独もしくは任意の組み合わせ、又はこれらの不飽和オレフィン及びポリオレフィンの任意の組み合わせの混合物からなる、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
供給原料がさらに、CからCの不飽和オレフィンを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
ゼオライト触媒が、ZSM‐5、ZSM‐11、ZSM‐12、ZSM‐22、ZSM‐23、ZSM‐35、ZSM‐38、ZSM‐48、及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる、請求項35に記載の方法。
【請求項39】
ゼオライト触媒が、ZSM‐22、ZSM‐23、又はZSM‐48である、請求項35に記載の方法。
【請求項40】
触媒が、約2から12の拘束指数を有するゼオライトである、請求項35に記載の方法。
【請求項41】
触媒がさらに、均質酸触媒、酸性樹脂、酸性固体酸化物、酸性シリコアルミノホスフェート、IVB族金属酸化物、VIII族金属、IVA族金属、又はVB族金属の酸化物、VIII族金属、IVA族金属、又はVB族金属の水酸化物、又はVIII族金属、IVA族金属、又はVB族金属の遊離型、又はそれらの任意の組み合わせを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項42】
酸触媒が、1以上のVIBからVIIIB族金属要素を含むゼオライトである、請求項35に記載の方法。
【請求項43】
酸触媒が、Pt、Pd、Ni、Co、Rh、Ir、Ru、W、Mo、及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる1以上の金属を含むゼオライトである、請求項35に記載の方法。
【請求項44】
請求項1に記載の飽和異性化ポリオレフィンを含む潤滑油。
【請求項45】
請求項35に記載の飽和異性化ポリオレフィンを含む潤滑油。

【公表番号】特表2009−517523(P2009−517523A)
【公表日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−543274(P2008−543274)
【出願日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際出願番号】PCT/US2006/038069
【国際公開番号】WO2007/064392
【国際公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【出願人】(599134676)エクソンモービル・ケミカル・パテンツ・インク (301)
【Fターム(参考)】