非接触ICチップ実装体装着ダンボールおよびその製造方法
【課題】ダンボールに容易に非接触ICチップ実装体を取り付けられ、外部物品・内容物による衝突・擦過を回避が可能な非接触ICチップ実装体装着ダンボールを提供する。
【解決手段】 少なくとも一つのライナ1,3と前記ライナの表面に接着された波型の中しん2の間の空隙部V2に非接触ICチップ実装体4を備える非接触ICチップ実装体装着ダンボール。
【効果】容易に非接触ICチップ実装体を装着でき、かつ実装体に対する外部物品・内容物による衝突・擦過が防ぐことができる。
【解決手段】 少なくとも一つのライナ1,3と前記ライナの表面に接着された波型の中しん2の間の空隙部V2に非接触ICチップ実装体4を備える非接触ICチップ実装体装着ダンボール。
【効果】容易に非接触ICチップ実装体を装着でき、かつ実装体に対する外部物品・内容物による衝突・擦過が防ぐことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触にてデータの読み出しおよび/または書き込みが可能な非接触ICチップ実装体を搭載する非接触ICチップ実装体装着ダンボール、その製造方法、およびそのダンボールを使用したダンボール箱に関するものである。ここで言う非接触ICチップ実装体は、ユーザー側において情報データを新たに記録することが可能なものを使用しても差し支えないことは言うまでも無い。
【背景技術】
【0002】
ダンボール箱は多くの物流用途の容器として現代生活になくてはならないものとなっている。ダンボール箱はその表面に品名、メーカー、ロット番号、取扱い上の注意点、光学バーコード等が印刷され、これらの光学情報を利用して人間が直接目視確認したり、バーコードリーダで情報を読み取ることによって、その入出庫、配送、棚卸などの管理に使用されている。
【0003】
このようなバーコードは、オフセット印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷などの方式で、直接ダンボール箱に印刷したり、印刷済みのラベルとしてダンボール箱に貼付されて使用される。
【0004】
しかしながら物流の更なる合理化のため、近年SCM(サプライチェーンマネジメント)他の、物流に関わる企業間で横断的に活用できる、大規模かつ精緻な管理システムを求める声が高まっており、それを現実化する手段として従来のバーコードに代わるICタグやRFID等と呼ばれる非接触ICチップ実装体を利用した非接触非接触ICチップ実装体を搭載した物流管理が提案されている。
【0005】
理想的には非接触ICチップ実装体を個々の商品に付与し、商品を個別管理することが最良であるが、管理数量が増えすぎると管理システムにかかる負担が非常に大きくなり、迅速性が犠牲になるし、システム構築・運用コストが膨大になる。
また商品単価が安いものの場合は非接触ICチップ実装体コストを吸収することが困難であり、このような場合は複数の商品を包含するダンボール箱単位で非接触ICチップ実装体を取り付け管理することが現実的である。
【0006】
現状の実証試験では非接触ICチップ実装体の単価1に対して取り付けコストは5と言われており、ダンボール紙に非接触ICチップ実装体を自動で搭載することにより取り付けコストを大幅に圧縮でき、非接触ICチップ実装体によるSCMの普及に大きく寄与できることが期待できる。
【0007】
非接触ICチップ実装体はリーダ/ライタと電磁波をやり取りすることによって内部メモリに記憶された情報を、いろいろな角度から読み取り/書き込みすることが可能である。物流の途中段階で情報を書き込める点が既存のバーコードとは異なっている。また、バーコードは光学系を使用しているため、擦過等によって表面のバーコード部分が汚れると情報が判読できないことがあるが、非接触ICチップ実装体では問題にならない。
【0008】
非接触非接触ICチップ実装体をダンボール箱に搭載する多くのケースはラベル型に加工された非接触非接触ICチップ実装体を、ダンボール箱に貼り付けようとするものが多い。一般的に非接触ICチップ実装体はこのような手法を用いた場合、表示ラベルと兼用となるためにダンボール箱の外部へ貼付されることが多い。しかし輸送中の他の物品との衝突や擦過により電子部品であるICチップが損傷したり、ICチップとアンテナの接合箇所の導通が不安定になるなどの機能上の問題点が指摘されている。
【0009】
これを防ぐためにダンボール箱の内側に非接触ICチップ実装体を貼り付けることも提案されている。しかしながらこの場合でもダンボール箱に収納された内容物との衝突や擦過傷は避けがたく、非接触ICチップ実装体の機能不全を招く原因になる。
【0010】
さらにダンボール紙重合部やジョイント部に非接触ICチップ実装体を取りつけることも提案されている。例えば特許文献1には板紙やダンボール紙等厚紙製の容器本体の製函組み立て用の厚紙重合部または厚紙ジョイント部に、ICメモリタグが取り付けられていることを特徴とするICメモリタグ付き厚紙容器が提案されている。
【0011】
しかしながらこの場合は基本的にラベル状の非接触ICチップ実装体を貼り付けることが想定されているため、取りつける際の貼付圧力やダンボール箱形成時に厚紙重合部、厚紙ジョイント部に集中的に圧力が印加されることになり、非接触ICチップ実装体が損傷するリスクが拭いきれない。
非接触ICチップ実装体の取り付け部位が厚紙重合部または厚紙ジョイント部に限定されるため、あらかじめ決められた特定の位置にしか非接触ICチップ実装体を設置することができなかった。厚紙重合部または厚紙ジョイント部に、非接触ICチップ実装体を取りつける場合は天面、底面、側面の角付近に非接触ICチップ実装体設置箇所が限定されるため、読取りアンテナの設置場所など制限事項も多い。
【0012】
また、ダンボール箱製造時点でしか非接触ICチップ実装体を設置できず、ユーザーの方で取り付け部位を指定された場合など、対応するために大規模な非接触ICチップ実装体搭載装置の移設等が必要となり、ダンボール箱作成の段取り変更に手間がかかるなどの問題があった。
【特許文献1】特開2003−137267号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
ダンボールに容易に非接触ICチップ実装体を取り付けられ、外部物品・内容物による衝突・擦過を回避が可能な非接触ICチップ実装体装着ダンボールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係る非接触ICチップ実装体装着ダンボールは、少なくとも一つのライナ、
前記ライナの表面に接着された波型の中しん、
前記ライナと中しんの形成する空隙部に配置された非接触ICチップ実装体を備える。
【0015】
前記非接触ICチップ実装体の形状が筒状または扁平状であることが空隙部に配置する上で挿入しやすいので好ましい。
前記非接触ICチップ実装体と前記ライナまたは中しんの少なくとも一つが固定されていることが、移動中や動きのあった場合に非接触ICチップ実装体の位置が変わらないので好ましい。
前記ライナの非接触ICチップ実装体が存在する部位に非接触ICチップ実装体が存在することを表すマークを設けることがリーダ/ライタをあてる時の目印になるので好ましい。
【0016】
前記ライナおよび中しんの非接触ICチップ実装体が存在する部位の周囲に非接触ICチップ実装体が存在する部分を含んで切り取り可能な切断容易加工部を設けりことが非接触ICチップ実装体の回収やリユース上で好ましい。
前記非接触ICチップ実装体の外形部が筒状であって、該筒状外形部に略ネジ状の螺旋溝部を有する非接触ICチップ実装体であることが、ダンボールの空隙部に挿入したり固定したりする上でより好ましい。
前記非接触ICチップ実装体が外形部の少なくとも一部に係合形状部を持つ非接触ICチップ実装体であることがダンボールの空隙部に固定する上でより好ましい。
非接触ICチップ実装体装着ダンボールを使用して組み立てたダンボール箱は非接触ICチップ実装体が装着されているので好ましい。
【0017】
本発明の非接触ICチップ実装体装着ダンボールの製造方法は、少なくとも一つのライナと前記ライナの表面に接着された波型の中しんによって形成される空隙部の少なくとも一つに略円筒状容器先端部を挿入し、該略円筒状容器内に装填された非接触ICチップ実装体を押し出し、前記少なくとも一つの空隙部に該非接触ICチップ実装体を配置するものであり、非接触ICチップ実装体を所望の空隙部の所望の位置に配置できる。
【0018】
本発明の別の非接触ICチップ実装体装着ダンボールの製造方法は、ライナまたは中しんの壁面側から、略注射器状先端部を壁面に並行に近い角度で該壁面側から挿入し、ライナとライナの表面に接着された波型の中しんによって形成される空隙部の少なくとも一つに突き通し、該略注射器状先端部に接続された略円筒状容器内に装填された非接触ICチップ実装体を押し出し前記少なくとも一つの空隙部に該非接触ICチップ実装体を配置する。ダンボールの外側から非接触ICチップ実装体を所望の空隙部の所望の位置に配置できる。したがって、ダンボール箱として完成した後でも非接触ICチップ実装体を配置できる。
【発明の効果】
【0019】
本発明にかかる非接触ICチップ実装体装着ダンボールは、容易に非接触ICチップ実装体を取り付けられ、外部物品・内容物による非接触ICチップ実装体自体に対する衝突・擦過を回避が可能な非接触ICチップ実装体装着ダンボールである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の非接触ICチップ実装体装着ダンボールの実施の形態を図に基づいて説明する。本発明の非接触ICチップ実装体装着ダンボール一つの例を図1に示した。図1は本発明の非接触ICチップ実装体装着ダンボールの一部の断面図である。図1に示したように一般にダンボールシート(断裁加工前のダンボール紙をこう呼ぶ)は上部ライナ紙1、波型中しん紙2、下部ライナ紙3を部分的に接着することによって一体化され形成される。この形状のダンボールは所謂両面ダンボールと呼ばれる。この上部ライナ紙1と波型中しん紙2または下部ライナ紙3と波型中しん紙2によって形成される空隙部V1、V2…のいずれか少なくとも一つに非接触ICチップ実装体4を挿入している。
【0021】
本発明はこのようにダンボールシート特有の空隙部に非接触ICチップ実装体を搭載したダンボールである。このような空隙部に非接触ICチップ実装体が収容されることによってダンボールのクッション性を利用して、非接触ICチップ実装体に対するダンボール箱内外からの衝撃によるダメージや、擦過傷を大幅に軽減できるため、非接触ICチップ実装体の信頼性を十分保つことが可能である。
【0022】
重量機械輸出用など、用途によっては図2に示したダンボールのように上部ライナ紙1、上部波型中しん紙2a、中部ライナ紙5、下部波型中しん紙2b、下部ライナ紙3のように多層構造のダンボールシートとし、剛性を付与したものもあるが、基本構成は同じである。図2は本発明の非接触ICチップ実装体装着ダンボールの別の一例の一部の断面図である。このようなダンボールの例であっても例えば空隙部V3に非接触ICチップ実装体4を挿入して非接触ICチップ実装体装着ダンボールの一例を形成することができる。この場合、例えば下部ライナ紙3がダンボール箱外部面を成すことになっていれば、V4やV5のごとくの空隙部に非接触ICチップ実装体を挿入するようにすることが外部からの機械力に対してより強くなるので好ましい。なお、中しん紙、ライナ紙は場合によって合成樹脂や合成紙によって製作されることもあるのでそれらの場合を含めて請求項ではライナ、中しんと表現する。
【0023】
また、図1において例えば上部ライナ紙1又は下部ライナ紙3の少なくとも一つのライナ紙があって波型中しん紙2と接合すれば上記のような非接触ICチップ実装体が挿入される空隙部を作成できることは言うまでも無い。この形状のダンボールは所謂片面ダンボールと呼ばれるものである。
【0024】
このようなダンボールを使用して組み立てたダンボール箱は青果物、各種電気製品、布製品など、ほぼ全ての物流用途他に好んで使用されるが、これはダンボールシートがクッション性を持ち、内容物への衝撃ダメージを防ぐことによる。このクッション性は、波型中しん紙の波形頂点部位のみを上下のライナ紙と接合することにより、ダンボールシート内に空隙部Vを確保し、また波型中しん紙がせん断応力に対して変形、復元能力を有することに由来する。
【0025】
本発明に使用する一般的な非接触ICチップ実装体の一部透明斜視図を図3に示した。図3は筒状の非接触ICチップ実装体の一例の一部透明斜視図である。この非接触ICチップ実装体の基本構造は、少なくとも専用LSIであるICチップ21がアンテナ22a、22bに接合された構造を有している。アンテナおよび専用LSIは普通は樹脂、紙等よりなる支持体23上に設けてあることが一般的である。アンテナは銅線をコイル状に巻き込んで形成したり、金属箔をエッチングしたり、導電性インクで印刷して形成するなど、既知の方法で形成される。このアンテナを通して電磁波を媒介としてLSIに動作電力を供給すると共にデジタル情報をやり取りする。専用LSIは少なくともメモリにユニークIDと呼ばれる固有番号を保有していることが必要である。アンテナとLSIは接着剤や物理的な接合などの既知の方法で導通が確保される。この非接触ICチップ実装体は、結局これらの専用LSIとアンテナが樹脂中に埋め込まれた形態をとったり、本図に示したように薄い樹脂フィルム、金属箔、紙やこれらの積層体からなる平板状基材23に専用LSIとアンテナが搭載されたような形態をとったりする。またこの図の例では専用LSIとアンテナがその平板状基材23と一体になって細い軸状の筒24に収納されており、平板状基材23やICチップ21の周囲が樹脂25により封止され筒状の非接触ICチップ実装体26を構成している。
【0026】
尚、前述した樹脂中に埋め込まれた形態の非接触ICチップ実装体は外形を筒状にする上で好ましい形態である。また筒24を使用せずに平板状基材23やICチップ21の周囲を封止する樹脂25そのものを円筒状に加工、成形等することもできる。
【0027】
筒状の非接触ICチップ実装体の断面積はダンボール紙の空隙部Vに収納できれば特に制限はないが、ダンボール紙の空隙部を生かしたクッション性を活用するためには、空隙部の壁面に軽く接触するか、しない程度であることが好ましい。特にライナ、中しん等に2箇所以下で接することが好ましい。非接触ICチップ実装体の筒部の長さは使用する非接触ICチップ実装体が使用する波長域に適合するアンテナを格納できれば特に制限は無い。該筒の材料は紙、布、樹脂、セラミック、ガラス、網など、電磁波を遮蔽・吸収しない材料や形状であれば特に制限は無い。
【0028】
また可撓性の樹脂フィルム、金属箔、紙やこれらの積層体の平板の一部に細長い形態で専用LSIとアンテナを搭載し、この専用LSI等の周囲に残りの平板部を巻きまわしていくことにより外形を筒状にした非接触ICチップ実装体を得ることができる。このような非接触ICチップ実装体の一例の斜視図を図4に示した。図4は外形を筒状にした非接触ICチップ実装体の一例を得る際の組み立て途中の斜視図である。平板状の基材としての樹脂フィルム31の端部にICチップ21およびそれに接続されたアンテナ22a、22bが搭載され、このICチップとアンテナ部分を芯に平板状の樹脂フィルム31を円筒形に巻きまわしていく途中の状態である。平板状の基材としては紙、布、樹脂フィルムやこれらの材料製の網やそれらの積層体のように、電磁波を遮蔽・吸収しない材料や形状であれば特に制限は無く、基材の終末端は必要に応じて接着剤等で固定することが好ましい。
【0029】
135KHz帯などでは、円筒形等に加工された磁束を通す低保磁力磁性材のコア材の周囲に銅線などでコイルを形成しコイルの両端をLSIに接合することにより円筒形の非接触ICチップ実装体を形成することも可能である。このタイプは感度も高くなりやすいので好適に使用される。
【0030】
このような円筒形状の外形を持つ非接触ICチップ実装体の特徴は、円筒形であるがゆえに座屈強度が強いことが上げられる。このことによりダンボール紙の空隙部に非接触ICチップ実装体を挿入するときに、該実装体が折れたり曲がったりし難いので、自動機械による挿入が容易となる。
【0031】
尚、現在実質的に使用されているダンボールは、段の数が30cmあたり30〜100段であるものが多いので、非接触ICチップ実装体の円筒外径の好ましい範囲は1から10mmとなる。中でもとくに好ましい範囲は1mmから5mmである。この範囲のものは適合するダンボールの種類、量も多く、適応範囲が広い。この範囲の外形で樹脂封止等行った非接触ICチップ実装体はそれ自体に柔軟性を持たせ易く、少し曲がった空隙部に沿っても挿入しやすく、また耐衝撃性に優れる点でも有利である。
【0032】
外形が平板状で扁平状の非接触ICチップ実装体も本発明のようにダンボールの特有の空隙部に非接触ICチップ実装体を挿入する上で好ましい。このような場合は幅が数mmで長さは数cm以上の長方形状の非接触ICチップ実装体となる。構造的には先に述べたように薄い樹脂フィルム、金属箔、紙やこれらの積層体からなる平板状基材に専用LSIとアンテナが搭載されたような形態となる。このような扁平状の非接触ICチップ実装体の一例を図5に示した。図5は扁平状の非接触ICチップ実装体の一例の平面図である。樹脂フィルム製の平板状基材33の上にICチップ21およびそれに接続されたアンテナ22a、22bが搭載されている。このような扁平状の非接触ICチップ実装体を挿入する場合は平板状基材として比較的腰のある樹脂フィルムを利用することが非接触ICチップ実装体を挿入を容易にする上で好ましい。このような樹脂フィルムの材料としてはPP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PC(ポリカーボネート)等の樹脂が挙げられる。厚みは20μm以上程度が好ましい。更に、扁平状の非接触ICチップ実装体を簡便に挿入する上で薄いへらや滑り台のような治具を用いることが好ましい。
【0033】
本発明はこのようにダンボールシート特有の空隙部に好ましくは円筒形や扁平形状の非接触ICチップ実装体を搭載したダンボールである。この空隙部はライナと波型中芯の作る空隙部となるので略3角形状の断面形状を有するため外部からの圧力に強く、当然その中に収容される非接触ICチップ実装体も強力に保護されることになるので非常に好ましい。
【0034】
情報量が比較的少なく、LSIに物流の途中段階で情報を読み取り/書き込みする必要がない場合は、読取専用のユニークID(UID)のみを保持する規模の小さい安価なLSIを使用することが可能である。この場合リーダ/ライタ(R/W)は読取専用で良い。
各非接触ICチップ実装体のLSIのUID、搭載物品、出荷日、仕向け先等の情報を予めシステムサーバに登録しておき、物流の各段階で物品に搭載された非接触ICチップ実装体からUIDを読み取り、何時何処に該当物品が存在するのかを管理することが可能である。この場合は非接触ICチップ実装体自体の単価は抑えることが可能であるが、各物流段階に設置されたR/Wとシステムサーバをオンラインで結ぶ必要があり、また大量の情報を高速で処理できる高性能のシステムが必要になるため、システム構築コストが大きくなる。
【0035】
情報量が多く、使用過程で追記や書き換えが必要な場合、セキュリティー上の暗号化処理が必要な場合などは規模の大きいLSIを使用することが必要である。動作電力も大きくなり、通信距離を確保するためには大きなアンテナが必要となるので、非接触ICチップ実装体自体も相対的に大型化する。当然、使用されるR/Wの出力も大きくなる傾向となる。
【0036】
この場合は非接触ICチップ実装体自体に書き換え可能なメモリを保有するため、高性能かつ大規模なシステムサーバ等のインフラは必要ないが、LSIの単価が比較的高くなるので、非接触ICチップ実装体をリユースすることが好ましい。
【0037】
本発明に使用する非接触ICチップ実装体は一般的に知られた帯域のものが使用可能であり、特に制限は無い。代表的なものとしては135KHz、13.56MHz、800〜1000MHz(いわゆるUHF帯)、2.45GHz(いわゆるマイクロ波)などが上げられるが、非接触ICチップ実装体の形状としては、ダンボールシートの空隙部に挿入可能な略フィラメント状、棒状、針状といった細いものに仕上げやすいものが好ましい。
【0038】
この観点から考えると、非接触ICチップ実装体のアンテナ開口部が広くなりがちな13.56MHzよりも、UHF、マイクロ波帯域といった細長いダイボールアンテナを使用できるものが好ましい。またアンテナの巻き回数を多くして開口部を比較的小さくできる135KHzなども好ましい。
【0039】
前記非接触ICチップ実装体と第1のライナ、第2のライナまたは中しんの少なくとも一つが接着固定されていることが好ましい。すなわち使用、移動中等に非接触ICチップ実装体の位置がずれたり、はなはだしい場合は外部に抜け出てしまうことを未然に防ぐことが好ましい。このような固定の例を図6に示した。図6は図1の非接触ICチップ実装体装着ダンボールのA−A’断面である。非接触ICチップ実装体がライナと中しんに挿入された状態の非接触ICチップ実装体の軸方向の垂直方向の断面図である。図中非接触ICチップ実装体4が空隙部V2の中の所定位置まで挿入され、前後をそれぞれ接着剤35a、35bによって下部ライナ紙3に固定されている。この場合、前後両方を固定される必要はなく片側だけでも良い。また図では下部ライナ紙3にのみ固定されているが、波型中しん紙2に固定されても良いし、両方に固定されても良い。接着固定の方法は接着剤、粘着剤、粘着テープなど、既知の方法が使用できる。
【0040】
具体的には以下のような方法が挙げられる。
(1)非接触ICチップ実装体の一部にホットメルト接着剤を付加しておき、非接触ICチップ実装体を空隙部に挿入後、ライナ紙の上や空隙部の端から熱風を送ってホットメルト接着剤を溶融させて接着固定する方法。
(2)非接触ICチップ実装体を空隙部に挿入後、接着剤を吐出することができるチューブを空隙部に挿入して非接触ICチップ実装体を接着固定する方法。
(3)非接触ICチップ実装体の少なくとも一部に水溶性接着剤を予め塗付等しておき、非接触ICチップ実装体を空隙部に挿入後、空隙内部にチューブ等を挿入して水を噴霧することによって非接触ICチップ実装体を接着固定する方法。
【0041】
いずれの方法においても、R/W装置の感度をできるだけ下げて、非接触ICチップ実装体が所定の位置に挿入されたことを検知して、その後上述のような方法で非接触ICチップ実装体の固定を行うことによって所望の位置に非接触ICチップ実装体を固定できる。
又固定された位置に応じてその部分にマークをつけることが好ましい。マークはあらかじめ印刷しておいても良いし、判子、インクジェット印刷等により固定時に施してもよい。詳細は後段においても説明している。
【0042】
更にマークの一種として切断容易加工部を非接触ICチップ実装体の存在する表側のライナ紙に設けることも好ましい。この切断容易加工部についても後段に詳述している。
R/Wを使用して非接触ICチップ実装体の情報を読み書きする際、R/Wと非接触ICチップ実装体の相対位置が適正範囲からずれていると、通信が不安定になったり、通信距離が短くなり、通信の信頼性が確保できない。このため、非接触ICチップ実装体の位置を固定することは極めて重要となる。特定の位置で接着固定することによって、ダンボール箱内の非接触ICチップ実装体位置が確定でき、R/Wの位置を設定することが可能となる。特にダンボール紙の空隙部の長さに比べて短い小型の非接触ICチップ実装体を使用する場合に有効である。
【0043】
非接触ICチップ実装体の位置を固定する一つの方法としては、挿入するダンボール紙の空隙部の特定の位置に、一つ以上の機械的変形を生じさせて、その範囲以外の場所へ非接触ICチップ実装体が入り込まないようにすることが挙げられる。
【0044】
機械的変形を形成する方法は、略半球状の突起物でライナ紙または波型中しん紙上から押し痕を形成する方法、錐やドリル状の突起物でライナ紙を突き破り機械的変形を形成する方法などが挙げられる。また、この方法によっても外部より非接触ICチップ実装体の位置を特定することが可能にできる。
【0045】
また更に、具体的な非接触ICチップ実装体挿入方法としては、一つ目の機械的変形を形成した後、非接触ICチップ実装体を一つ目の変形部位で止まるまで挿入した後、一つ目の機械的変形と非接触ICチップ実装体をはさんで反対側に二つ目の機械的変形を形成する方法も挙げられる。
【0046】
予め非接触ICチップ実装体の長さよりやや長い間隔で2箇所の機械的変形を形成しておいて、その間に非接触ICチップ実装体を挿入する方法などがあげられる。機械的変形があると非接触ICチップ実装体を若干入れ難いが、円筒形なら機械的変形部を通過しないことはなく、いったん入ってしまうとある程度の固定は可能である。
【0047】
以上ではダンボール側に何らかの加工等を行って非接触ICチップ実装体を固定する例を挙げた。以下は非接触ICチップ実装体の側になんらかの加工を行って固定する例を説明する。
【0048】
非接触ICチップ実装体の外形形状として略ネジ状になるよう螺旋溝を形成しておくということが挙げられる。実際には樹脂中に埋め込まれた形態の非接触ICチップ実装体などでは樹脂に溝きり加工を施すことができる。射出成型によって非接触ICチップ実装体を内包した略ネジ状成型物とすることもできる。
【0049】
このような非接触ICチップ実装体の例を図7に示した。図7は本発明の非接触ICチップ実装体装着ダンボールの一実施形態の断面図である。図に示したようにダンボールの空隙部V2にネジ状の非接触ICチップ実装体44をねじ込むことにより、ダンボール紙の特定の位置に非接触ICチップ実装体を固定する方法である。すなわち非接触ICチップ実装体の外形に螺旋溝部をつくり実装体自体をネジ状にするのである。あたかも木ネジのように非接触ICチップ実装体のねじ込み先端部を先鋭にしておくことも、機械的に本非接触ICチップ実装体を空隙部に挿入する上でより好ましい。
【0050】
また、非接触ICチップ実装体の固定を確実するものの別の例として非接触ICチップ実装体をくさび状にすることが挙げられる。このような非接触ICチップ実装体の例を図8に示した。図8は本発明の非接触ICチップ実装体装着ダンボールの一実施形態の断面図である。図8に例示した非接触ICチップ実装体はその外形が略くさび状に形成されているのでその図中の例では2箇所のくさび形状部45a,45bにより空隙V2内の所定の位置に固定される。すなわち非接触ICチップ実装体の長手方向の形状の途中に、ダンボール紙の空隙部よりやや太い部位、すなわち空隙部のライナや中しんと係合する係合形状部を有すればよい。係合形状部の例としては所謂くさび形状の三角錐形状やその組み合わせだけに限らずそろばん玉形状等種々のものや単に円筒部の一部が太くなった部位であっても良い。またそれらの部位が円筒状の非接触ICチップ実装体の周囲部の全周に存在する必要はなく、所々にあっても良い。すなわち係合形状部を少なくとも一箇所以上好ましくは複数箇所形成しておくわけである。本非接触ICチップ実装体を押し込むとその係合形状部と空隙部の壁面の摩擦抵抗で非接触ICチップ実装体が固定されることになる。
【0051】
非接触ICチップ実装体を空隙部に挿入する装置の一例を図9に示した。図9は図1のB−B’方向のダンボール断面方向において挿入装置を説明する概略断面図。図1の紙面表側から非接触ICチップ実装体を挿入する状態を示している。挿入装置の中のピストン部は分かりやすくするために断面とはせずに表記している。波形中しん紙2と下部ライナ紙3によって形成された空隙部V2にシリンダ51を挿入している。シリンダ51の位置が決まったらピストン52で非接触ICチップ実装体4を押し出す。尚、非接触ICチップ実装体4の下に順次次の挿入のための非接触ICチップ実装体4a、4b…が図示を省略したフォルダー部に収容されている。押し出し後、非接触ICチップ実装体を所定の位置に挿入した状態を図10に示した。図10は図9の非接触ICチップ実装体を押し出し後の状態を示す概略断面図である。図示したように非接触ICチップ実装体4は空隙部V2の所定の位置までピストン52により押し出され配置される。その後、先に説明したような方法、すなわち接着剤等で波形中しん紙2や下部ライナ紙3に固定される。ピストンの動作力はバネ等の機械力や空気、ガス、油等の流体の力を利用しても得られる。
【0052】
上記のような例において更に、非接触ICチップ実装体を押し出した後、所謂ピストルのように次の非接触ICチップ実装体を自動装填される機構を有しているとさらに効率的である。またY軸方向にダンボール紙がずれないように銃口部には半開きの鳥の嘴のようなガイドを付けたり、目標の空隙部がX軸方向にずれるのを防ぐために、銃口の両側に目標の空隙部の両側に位置する他の空隙部に容易に挿入可能な針状のガイドピンを付けることも好ましい。また、空隙部を正確に捉えるためにCCDカメラで位置を確定することも勿論可能である。
【0053】
ダンボール箱として組み立てた時に外部から目視して非接触ICチップ実装体が存在する場所が簡単に分かるようにしておけばR/Wをかざすことが容易にできる。この観点からライナの非接触ICチップ実装体が存在する部位に非接触ICチップ実装体が存在するマークを設けることが好ましい。マークを設けることは矢印や非接触ICチップ実装体の形状に合せて四角い形状の印を印刷、インクジェットプリント、シールを貼る等の方法により行うことが挙げられる。
【0054】
ライナおよび中しんの非接触ICチップ実装体が存在する部位の周囲に非接触ICチップ実装体が存在する部分を含んで切り取り可能な切断容易加工部として所謂ミシン目や紐または糸付き加工部やティアテープを設けることが好ましい。すなわちこのミシン目等があるので、ダンボール箱として使用後、古紙に出したりする際に本ミシン目等により少なくとも非接触ICチップ実装体をその周辺部の一部のダンボール紙が付着するおそれはあるものの、回収することが可能になり、非接触ICチップ実装体をリユースできる。また先に説明したマークと同様にミシン目等を目安にすればダンボール箱として組み立てた時に外部から目視して非接触ICチップ実装体が存在する場所が簡単に分かるので同様に便利である。
【0055】
更なる非接触ICチップ実装体の搭載方法の一例を図について説明する。図11は主にダンボール組み立て後に空隙部の入り口がダンボール箱外部に現れていないような場合でも非接触ICチップ実装体装着ダンボールを製作する装置の一例の一部概略断面図である。つまり、製函済のダンボール箱の、前記第1のライナまたは前記第2のライナと中しんの間に非接触ICチップ実装体実装体を配置するものである。この場合はダンボール箱へ商品を収納するフラップ板部のダンボール紙に非接触ICチップ実装体を搭載することが好ましい。図中ダンボールの壁面W側から、略注射器状のとがった先端53sを設けたシリンダ53を壁面Wに並行に近い角度でダンボール箱外面を形成する下部ライナ紙3に突き刺し、下部ライナ紙3のみまたは波形中しん紙2も合せて貫通させ、その後シリンダ内部を通して非接触ICチップ実装体4を下部ライナ紙3と波型中しん紙2の間または波型中しん紙2と上部ライナ紙1の間に非接触ICチップ実装体4を配置することができる。シリンダ51aはカテーテルのように自在に曲がり、先端部は注射針のようにライナ紙等を突き破りやすいように尖っている。ピストン54もシリンダと同様に自在に曲がりシリンダ内を摺動して非接触ICチップ実装体を運び配置する。この場合もピストンの動作力はバネ等の機械力や空気、ガス、油等の流体の力を利用して得られる。尚、本図は非接触ICチップ実装体4を下部ライナ紙3と波型中しん紙2の間に配置した例である。このような場合使用する非接触ICチップ実装体は柔軟性を有するものが好ましい。
【0056】
実施例
本発明の実施例の一例を図について説明する。
【0057】
実施例1
ルネサンステクノロジ社製テープ型TCPインレット(長さ53mm*幅1.5mm*厚さ0.25mm;使用周波数2.45GHz)を米坪60g/平米の紙の上に貼付し、インレットごと前記紙を筒状に巻いた。この状態は前出の図3に示した非接触ICチップ実装体のごとくである。円筒部紙端面をポリ酢酸ビニル系接着剤で接合して、巻きがほどけないようにした。さらに同円筒を長さ60mmになるように断裁し、直径2mm*長さ60mmの筒状のICタグを得た。
このICタグの円筒部に水溶性接着剤(デンプン糊)を塗布した後、段ボール箱の空隙部の深さ10cmの位置まで棒状の冶具で挿入した後、2日間自然乾燥し、ICタグ付き段ボール箱を作成した。
適合するリーダ/ライタで読み取ったところ、通信可能距離は20cm以上であり、実用に耐えることが確認できた。
【0058】
実施例2
スイスのソキマッド社(SOKYMAT)製グラスタグ(GLASS TAG UNIQUE 2.12X12)(直径2.12mm*長さ12mmのカプセル状;使用周波数125KHz)の外装部にポリエステル系ホットメルト接着剤を塗布・冷却し、ホットメルト接着剤つきICタグを得た。
段ボール箱の空隙部の深さ10cmの位置まで棒状の冶具で挿入し、ライナ紙上からヘアドライヤーでホットメルト接着剤を加熱溶融させた後冷却し、ICタグ付き段ボール箱を作成した。
適合するリーダ/ライタで読み取ったところ、通信可能距離は20cm以上であり、実用に耐えることが確認できた。
【0059】
以上説明したように本発明は、容易に非接触ICチップ実装体を装着でき、かつ実装体に対する外部物品・内容物による衝突・擦過が防ぐことができる。
【0060】
一連の本発明はダンボール紙に存在する波型中しん紙と上下のライナ紙により形成される空隙部に非接触ICチップ実装体を搭載することにより、ダンボールシート(断裁加工前のダンボール紙)段階、打ち抜き直後の折り畳まれた形状でのダンボール箱、製函済の完成ダンボール箱、内容物充填後ダンボール箱といった任意の加工段階で、ダンボールシート・ダンボール箱製造業者、ダンボール箱のユーザーが容易に非接触ICチップ実装体を搭載することを可能とし、ダンボール箱を使用した物流の合理化に寄与しようとするものである。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明の空隙部に非接触ICチップ実装体を搭載したダンボールやそのダンボールを使用したダンボール箱を使用すれば、ダンボール箱の任意の位置に非接触ICチップ実装体を搭載することが可能となり、商品に関する各種情報や物品情報以外の各種情報を管理したり、公開することが可能となる。また、非接触ICチップ実装体の情報を書き換えることにより、該ダンボール箱を例えば衣料業界であればリラベリングすることなくアウトレット配送に向けに転用することも可能となる。
【0062】
近年サプライチェーンマネジメント(SCM)が話題になっているが、梱包業者、製造業者、販売業者、輸送業者等といった物流の各ステージで誰が非接触ICチップ実装体を搭載するのか、が議論の的になっている。規格化された非接触ICチップ実装体を搭載した本発明のダンボールを使用すればすることは、この課題を解決する大きな助けになると考えられる。
本発明は、更に設置場所の制限無く完成ダンボール箱を取り扱うユーザーレベルでも非接触ICチップ実装体を設置して非接触ICチップ実装体装着ダンボールを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の非接触ICチップ実装体装着ダンボールの一部の断面図。
【図2】本発明の非接触ICチップ実装体装着ダンボールの別の一例の一部の断面図。
【図3】筒状の非接触ICチップ実装体の一例の一部透明斜視図。
【図4】外形を筒状にした非接触ICチップ実装体の一例を得る際の組み立て途中の斜視図。
【図5】扁平状の非接触ICチップ実装体の一例の平面図。
【図6】図1の非接触ICチップ実装体装着ダンボールのA−A’断面図。
【図7】本発明の非接触ICチップ実装体装着ダンボールの一実施形態の断面図。
【図8】本発明の非接触ICチップ実装体装着ダンボールの一実施形態の断面図。
【図9】図1のB−B’方向のダンボール断面方向において挿入装置を説明する概略断面図。
【図10】図9の非接触ICチップ実装体を押し出し後の状態を示す概略断面図。
【図11】非接触ICチップ実装体装着ダンボールを製作する装置の一例の一部概略断面図。
【符号の説明】
【0064】
1 上部ライナ紙
2 波型中しん紙
3 下部ライナ紙
4 非接触ICチップ実装体
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触にてデータの読み出しおよび/または書き込みが可能な非接触ICチップ実装体を搭載する非接触ICチップ実装体装着ダンボール、その製造方法、およびそのダンボールを使用したダンボール箱に関するものである。ここで言う非接触ICチップ実装体は、ユーザー側において情報データを新たに記録することが可能なものを使用しても差し支えないことは言うまでも無い。
【背景技術】
【0002】
ダンボール箱は多くの物流用途の容器として現代生活になくてはならないものとなっている。ダンボール箱はその表面に品名、メーカー、ロット番号、取扱い上の注意点、光学バーコード等が印刷され、これらの光学情報を利用して人間が直接目視確認したり、バーコードリーダで情報を読み取ることによって、その入出庫、配送、棚卸などの管理に使用されている。
【0003】
このようなバーコードは、オフセット印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷などの方式で、直接ダンボール箱に印刷したり、印刷済みのラベルとしてダンボール箱に貼付されて使用される。
【0004】
しかしながら物流の更なる合理化のため、近年SCM(サプライチェーンマネジメント)他の、物流に関わる企業間で横断的に活用できる、大規模かつ精緻な管理システムを求める声が高まっており、それを現実化する手段として従来のバーコードに代わるICタグやRFID等と呼ばれる非接触ICチップ実装体を利用した非接触非接触ICチップ実装体を搭載した物流管理が提案されている。
【0005】
理想的には非接触ICチップ実装体を個々の商品に付与し、商品を個別管理することが最良であるが、管理数量が増えすぎると管理システムにかかる負担が非常に大きくなり、迅速性が犠牲になるし、システム構築・運用コストが膨大になる。
また商品単価が安いものの場合は非接触ICチップ実装体コストを吸収することが困難であり、このような場合は複数の商品を包含するダンボール箱単位で非接触ICチップ実装体を取り付け管理することが現実的である。
【0006】
現状の実証試験では非接触ICチップ実装体の単価1に対して取り付けコストは5と言われており、ダンボール紙に非接触ICチップ実装体を自動で搭載することにより取り付けコストを大幅に圧縮でき、非接触ICチップ実装体によるSCMの普及に大きく寄与できることが期待できる。
【0007】
非接触ICチップ実装体はリーダ/ライタと電磁波をやり取りすることによって内部メモリに記憶された情報を、いろいろな角度から読み取り/書き込みすることが可能である。物流の途中段階で情報を書き込める点が既存のバーコードとは異なっている。また、バーコードは光学系を使用しているため、擦過等によって表面のバーコード部分が汚れると情報が判読できないことがあるが、非接触ICチップ実装体では問題にならない。
【0008】
非接触非接触ICチップ実装体をダンボール箱に搭載する多くのケースはラベル型に加工された非接触非接触ICチップ実装体を、ダンボール箱に貼り付けようとするものが多い。一般的に非接触ICチップ実装体はこのような手法を用いた場合、表示ラベルと兼用となるためにダンボール箱の外部へ貼付されることが多い。しかし輸送中の他の物品との衝突や擦過により電子部品であるICチップが損傷したり、ICチップとアンテナの接合箇所の導通が不安定になるなどの機能上の問題点が指摘されている。
【0009】
これを防ぐためにダンボール箱の内側に非接触ICチップ実装体を貼り付けることも提案されている。しかしながらこの場合でもダンボール箱に収納された内容物との衝突や擦過傷は避けがたく、非接触ICチップ実装体の機能不全を招く原因になる。
【0010】
さらにダンボール紙重合部やジョイント部に非接触ICチップ実装体を取りつけることも提案されている。例えば特許文献1には板紙やダンボール紙等厚紙製の容器本体の製函組み立て用の厚紙重合部または厚紙ジョイント部に、ICメモリタグが取り付けられていることを特徴とするICメモリタグ付き厚紙容器が提案されている。
【0011】
しかしながらこの場合は基本的にラベル状の非接触ICチップ実装体を貼り付けることが想定されているため、取りつける際の貼付圧力やダンボール箱形成時に厚紙重合部、厚紙ジョイント部に集中的に圧力が印加されることになり、非接触ICチップ実装体が損傷するリスクが拭いきれない。
非接触ICチップ実装体の取り付け部位が厚紙重合部または厚紙ジョイント部に限定されるため、あらかじめ決められた特定の位置にしか非接触ICチップ実装体を設置することができなかった。厚紙重合部または厚紙ジョイント部に、非接触ICチップ実装体を取りつける場合は天面、底面、側面の角付近に非接触ICチップ実装体設置箇所が限定されるため、読取りアンテナの設置場所など制限事項も多い。
【0012】
また、ダンボール箱製造時点でしか非接触ICチップ実装体を設置できず、ユーザーの方で取り付け部位を指定された場合など、対応するために大規模な非接触ICチップ実装体搭載装置の移設等が必要となり、ダンボール箱作成の段取り変更に手間がかかるなどの問題があった。
【特許文献1】特開2003−137267号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
ダンボールに容易に非接触ICチップ実装体を取り付けられ、外部物品・内容物による衝突・擦過を回避が可能な非接触ICチップ実装体装着ダンボールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係る非接触ICチップ実装体装着ダンボールは、少なくとも一つのライナ、
前記ライナの表面に接着された波型の中しん、
前記ライナと中しんの形成する空隙部に配置された非接触ICチップ実装体を備える。
【0015】
前記非接触ICチップ実装体の形状が筒状または扁平状であることが空隙部に配置する上で挿入しやすいので好ましい。
前記非接触ICチップ実装体と前記ライナまたは中しんの少なくとも一つが固定されていることが、移動中や動きのあった場合に非接触ICチップ実装体の位置が変わらないので好ましい。
前記ライナの非接触ICチップ実装体が存在する部位に非接触ICチップ実装体が存在することを表すマークを設けることがリーダ/ライタをあてる時の目印になるので好ましい。
【0016】
前記ライナおよび中しんの非接触ICチップ実装体が存在する部位の周囲に非接触ICチップ実装体が存在する部分を含んで切り取り可能な切断容易加工部を設けりことが非接触ICチップ実装体の回収やリユース上で好ましい。
前記非接触ICチップ実装体の外形部が筒状であって、該筒状外形部に略ネジ状の螺旋溝部を有する非接触ICチップ実装体であることが、ダンボールの空隙部に挿入したり固定したりする上でより好ましい。
前記非接触ICチップ実装体が外形部の少なくとも一部に係合形状部を持つ非接触ICチップ実装体であることがダンボールの空隙部に固定する上でより好ましい。
非接触ICチップ実装体装着ダンボールを使用して組み立てたダンボール箱は非接触ICチップ実装体が装着されているので好ましい。
【0017】
本発明の非接触ICチップ実装体装着ダンボールの製造方法は、少なくとも一つのライナと前記ライナの表面に接着された波型の中しんによって形成される空隙部の少なくとも一つに略円筒状容器先端部を挿入し、該略円筒状容器内に装填された非接触ICチップ実装体を押し出し、前記少なくとも一つの空隙部に該非接触ICチップ実装体を配置するものであり、非接触ICチップ実装体を所望の空隙部の所望の位置に配置できる。
【0018】
本発明の別の非接触ICチップ実装体装着ダンボールの製造方法は、ライナまたは中しんの壁面側から、略注射器状先端部を壁面に並行に近い角度で該壁面側から挿入し、ライナとライナの表面に接着された波型の中しんによって形成される空隙部の少なくとも一つに突き通し、該略注射器状先端部に接続された略円筒状容器内に装填された非接触ICチップ実装体を押し出し前記少なくとも一つの空隙部に該非接触ICチップ実装体を配置する。ダンボールの外側から非接触ICチップ実装体を所望の空隙部の所望の位置に配置できる。したがって、ダンボール箱として完成した後でも非接触ICチップ実装体を配置できる。
【発明の効果】
【0019】
本発明にかかる非接触ICチップ実装体装着ダンボールは、容易に非接触ICチップ実装体を取り付けられ、外部物品・内容物による非接触ICチップ実装体自体に対する衝突・擦過を回避が可能な非接触ICチップ実装体装着ダンボールである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の非接触ICチップ実装体装着ダンボールの実施の形態を図に基づいて説明する。本発明の非接触ICチップ実装体装着ダンボール一つの例を図1に示した。図1は本発明の非接触ICチップ実装体装着ダンボールの一部の断面図である。図1に示したように一般にダンボールシート(断裁加工前のダンボール紙をこう呼ぶ)は上部ライナ紙1、波型中しん紙2、下部ライナ紙3を部分的に接着することによって一体化され形成される。この形状のダンボールは所謂両面ダンボールと呼ばれる。この上部ライナ紙1と波型中しん紙2または下部ライナ紙3と波型中しん紙2によって形成される空隙部V1、V2…のいずれか少なくとも一つに非接触ICチップ実装体4を挿入している。
【0021】
本発明はこのようにダンボールシート特有の空隙部に非接触ICチップ実装体を搭載したダンボールである。このような空隙部に非接触ICチップ実装体が収容されることによってダンボールのクッション性を利用して、非接触ICチップ実装体に対するダンボール箱内外からの衝撃によるダメージや、擦過傷を大幅に軽減できるため、非接触ICチップ実装体の信頼性を十分保つことが可能である。
【0022】
重量機械輸出用など、用途によっては図2に示したダンボールのように上部ライナ紙1、上部波型中しん紙2a、中部ライナ紙5、下部波型中しん紙2b、下部ライナ紙3のように多層構造のダンボールシートとし、剛性を付与したものもあるが、基本構成は同じである。図2は本発明の非接触ICチップ実装体装着ダンボールの別の一例の一部の断面図である。このようなダンボールの例であっても例えば空隙部V3に非接触ICチップ実装体4を挿入して非接触ICチップ実装体装着ダンボールの一例を形成することができる。この場合、例えば下部ライナ紙3がダンボール箱外部面を成すことになっていれば、V4やV5のごとくの空隙部に非接触ICチップ実装体を挿入するようにすることが外部からの機械力に対してより強くなるので好ましい。なお、中しん紙、ライナ紙は場合によって合成樹脂や合成紙によって製作されることもあるのでそれらの場合を含めて請求項ではライナ、中しんと表現する。
【0023】
また、図1において例えば上部ライナ紙1又は下部ライナ紙3の少なくとも一つのライナ紙があって波型中しん紙2と接合すれば上記のような非接触ICチップ実装体が挿入される空隙部を作成できることは言うまでも無い。この形状のダンボールは所謂片面ダンボールと呼ばれるものである。
【0024】
このようなダンボールを使用して組み立てたダンボール箱は青果物、各種電気製品、布製品など、ほぼ全ての物流用途他に好んで使用されるが、これはダンボールシートがクッション性を持ち、内容物への衝撃ダメージを防ぐことによる。このクッション性は、波型中しん紙の波形頂点部位のみを上下のライナ紙と接合することにより、ダンボールシート内に空隙部Vを確保し、また波型中しん紙がせん断応力に対して変形、復元能力を有することに由来する。
【0025】
本発明に使用する一般的な非接触ICチップ実装体の一部透明斜視図を図3に示した。図3は筒状の非接触ICチップ実装体の一例の一部透明斜視図である。この非接触ICチップ実装体の基本構造は、少なくとも専用LSIであるICチップ21がアンテナ22a、22bに接合された構造を有している。アンテナおよび専用LSIは普通は樹脂、紙等よりなる支持体23上に設けてあることが一般的である。アンテナは銅線をコイル状に巻き込んで形成したり、金属箔をエッチングしたり、導電性インクで印刷して形成するなど、既知の方法で形成される。このアンテナを通して電磁波を媒介としてLSIに動作電力を供給すると共にデジタル情報をやり取りする。専用LSIは少なくともメモリにユニークIDと呼ばれる固有番号を保有していることが必要である。アンテナとLSIは接着剤や物理的な接合などの既知の方法で導通が確保される。この非接触ICチップ実装体は、結局これらの専用LSIとアンテナが樹脂中に埋め込まれた形態をとったり、本図に示したように薄い樹脂フィルム、金属箔、紙やこれらの積層体からなる平板状基材23に専用LSIとアンテナが搭載されたような形態をとったりする。またこの図の例では専用LSIとアンテナがその平板状基材23と一体になって細い軸状の筒24に収納されており、平板状基材23やICチップ21の周囲が樹脂25により封止され筒状の非接触ICチップ実装体26を構成している。
【0026】
尚、前述した樹脂中に埋め込まれた形態の非接触ICチップ実装体は外形を筒状にする上で好ましい形態である。また筒24を使用せずに平板状基材23やICチップ21の周囲を封止する樹脂25そのものを円筒状に加工、成形等することもできる。
【0027】
筒状の非接触ICチップ実装体の断面積はダンボール紙の空隙部Vに収納できれば特に制限はないが、ダンボール紙の空隙部を生かしたクッション性を活用するためには、空隙部の壁面に軽く接触するか、しない程度であることが好ましい。特にライナ、中しん等に2箇所以下で接することが好ましい。非接触ICチップ実装体の筒部の長さは使用する非接触ICチップ実装体が使用する波長域に適合するアンテナを格納できれば特に制限は無い。該筒の材料は紙、布、樹脂、セラミック、ガラス、網など、電磁波を遮蔽・吸収しない材料や形状であれば特に制限は無い。
【0028】
また可撓性の樹脂フィルム、金属箔、紙やこれらの積層体の平板の一部に細長い形態で専用LSIとアンテナを搭載し、この専用LSI等の周囲に残りの平板部を巻きまわしていくことにより外形を筒状にした非接触ICチップ実装体を得ることができる。このような非接触ICチップ実装体の一例の斜視図を図4に示した。図4は外形を筒状にした非接触ICチップ実装体の一例を得る際の組み立て途中の斜視図である。平板状の基材としての樹脂フィルム31の端部にICチップ21およびそれに接続されたアンテナ22a、22bが搭載され、このICチップとアンテナ部分を芯に平板状の樹脂フィルム31を円筒形に巻きまわしていく途中の状態である。平板状の基材としては紙、布、樹脂フィルムやこれらの材料製の網やそれらの積層体のように、電磁波を遮蔽・吸収しない材料や形状であれば特に制限は無く、基材の終末端は必要に応じて接着剤等で固定することが好ましい。
【0029】
135KHz帯などでは、円筒形等に加工された磁束を通す低保磁力磁性材のコア材の周囲に銅線などでコイルを形成しコイルの両端をLSIに接合することにより円筒形の非接触ICチップ実装体を形成することも可能である。このタイプは感度も高くなりやすいので好適に使用される。
【0030】
このような円筒形状の外形を持つ非接触ICチップ実装体の特徴は、円筒形であるがゆえに座屈強度が強いことが上げられる。このことによりダンボール紙の空隙部に非接触ICチップ実装体を挿入するときに、該実装体が折れたり曲がったりし難いので、自動機械による挿入が容易となる。
【0031】
尚、現在実質的に使用されているダンボールは、段の数が30cmあたり30〜100段であるものが多いので、非接触ICチップ実装体の円筒外径の好ましい範囲は1から10mmとなる。中でもとくに好ましい範囲は1mmから5mmである。この範囲のものは適合するダンボールの種類、量も多く、適応範囲が広い。この範囲の外形で樹脂封止等行った非接触ICチップ実装体はそれ自体に柔軟性を持たせ易く、少し曲がった空隙部に沿っても挿入しやすく、また耐衝撃性に優れる点でも有利である。
【0032】
外形が平板状で扁平状の非接触ICチップ実装体も本発明のようにダンボールの特有の空隙部に非接触ICチップ実装体を挿入する上で好ましい。このような場合は幅が数mmで長さは数cm以上の長方形状の非接触ICチップ実装体となる。構造的には先に述べたように薄い樹脂フィルム、金属箔、紙やこれらの積層体からなる平板状基材に専用LSIとアンテナが搭載されたような形態となる。このような扁平状の非接触ICチップ実装体の一例を図5に示した。図5は扁平状の非接触ICチップ実装体の一例の平面図である。樹脂フィルム製の平板状基材33の上にICチップ21およびそれに接続されたアンテナ22a、22bが搭載されている。このような扁平状の非接触ICチップ実装体を挿入する場合は平板状基材として比較的腰のある樹脂フィルムを利用することが非接触ICチップ実装体を挿入を容易にする上で好ましい。このような樹脂フィルムの材料としてはPP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PC(ポリカーボネート)等の樹脂が挙げられる。厚みは20μm以上程度が好ましい。更に、扁平状の非接触ICチップ実装体を簡便に挿入する上で薄いへらや滑り台のような治具を用いることが好ましい。
【0033】
本発明はこのようにダンボールシート特有の空隙部に好ましくは円筒形や扁平形状の非接触ICチップ実装体を搭載したダンボールである。この空隙部はライナと波型中芯の作る空隙部となるので略3角形状の断面形状を有するため外部からの圧力に強く、当然その中に収容される非接触ICチップ実装体も強力に保護されることになるので非常に好ましい。
【0034】
情報量が比較的少なく、LSIに物流の途中段階で情報を読み取り/書き込みする必要がない場合は、読取専用のユニークID(UID)のみを保持する規模の小さい安価なLSIを使用することが可能である。この場合リーダ/ライタ(R/W)は読取専用で良い。
各非接触ICチップ実装体のLSIのUID、搭載物品、出荷日、仕向け先等の情報を予めシステムサーバに登録しておき、物流の各段階で物品に搭載された非接触ICチップ実装体からUIDを読み取り、何時何処に該当物品が存在するのかを管理することが可能である。この場合は非接触ICチップ実装体自体の単価は抑えることが可能であるが、各物流段階に設置されたR/Wとシステムサーバをオンラインで結ぶ必要があり、また大量の情報を高速で処理できる高性能のシステムが必要になるため、システム構築コストが大きくなる。
【0035】
情報量が多く、使用過程で追記や書き換えが必要な場合、セキュリティー上の暗号化処理が必要な場合などは規模の大きいLSIを使用することが必要である。動作電力も大きくなり、通信距離を確保するためには大きなアンテナが必要となるので、非接触ICチップ実装体自体も相対的に大型化する。当然、使用されるR/Wの出力も大きくなる傾向となる。
【0036】
この場合は非接触ICチップ実装体自体に書き換え可能なメモリを保有するため、高性能かつ大規模なシステムサーバ等のインフラは必要ないが、LSIの単価が比較的高くなるので、非接触ICチップ実装体をリユースすることが好ましい。
【0037】
本発明に使用する非接触ICチップ実装体は一般的に知られた帯域のものが使用可能であり、特に制限は無い。代表的なものとしては135KHz、13.56MHz、800〜1000MHz(いわゆるUHF帯)、2.45GHz(いわゆるマイクロ波)などが上げられるが、非接触ICチップ実装体の形状としては、ダンボールシートの空隙部に挿入可能な略フィラメント状、棒状、針状といった細いものに仕上げやすいものが好ましい。
【0038】
この観点から考えると、非接触ICチップ実装体のアンテナ開口部が広くなりがちな13.56MHzよりも、UHF、マイクロ波帯域といった細長いダイボールアンテナを使用できるものが好ましい。またアンテナの巻き回数を多くして開口部を比較的小さくできる135KHzなども好ましい。
【0039】
前記非接触ICチップ実装体と第1のライナ、第2のライナまたは中しんの少なくとも一つが接着固定されていることが好ましい。すなわち使用、移動中等に非接触ICチップ実装体の位置がずれたり、はなはだしい場合は外部に抜け出てしまうことを未然に防ぐことが好ましい。このような固定の例を図6に示した。図6は図1の非接触ICチップ実装体装着ダンボールのA−A’断面である。非接触ICチップ実装体がライナと中しんに挿入された状態の非接触ICチップ実装体の軸方向の垂直方向の断面図である。図中非接触ICチップ実装体4が空隙部V2の中の所定位置まで挿入され、前後をそれぞれ接着剤35a、35bによって下部ライナ紙3に固定されている。この場合、前後両方を固定される必要はなく片側だけでも良い。また図では下部ライナ紙3にのみ固定されているが、波型中しん紙2に固定されても良いし、両方に固定されても良い。接着固定の方法は接着剤、粘着剤、粘着テープなど、既知の方法が使用できる。
【0040】
具体的には以下のような方法が挙げられる。
(1)非接触ICチップ実装体の一部にホットメルト接着剤を付加しておき、非接触ICチップ実装体を空隙部に挿入後、ライナ紙の上や空隙部の端から熱風を送ってホットメルト接着剤を溶融させて接着固定する方法。
(2)非接触ICチップ実装体を空隙部に挿入後、接着剤を吐出することができるチューブを空隙部に挿入して非接触ICチップ実装体を接着固定する方法。
(3)非接触ICチップ実装体の少なくとも一部に水溶性接着剤を予め塗付等しておき、非接触ICチップ実装体を空隙部に挿入後、空隙内部にチューブ等を挿入して水を噴霧することによって非接触ICチップ実装体を接着固定する方法。
【0041】
いずれの方法においても、R/W装置の感度をできるだけ下げて、非接触ICチップ実装体が所定の位置に挿入されたことを検知して、その後上述のような方法で非接触ICチップ実装体の固定を行うことによって所望の位置に非接触ICチップ実装体を固定できる。
又固定された位置に応じてその部分にマークをつけることが好ましい。マークはあらかじめ印刷しておいても良いし、判子、インクジェット印刷等により固定時に施してもよい。詳細は後段においても説明している。
【0042】
更にマークの一種として切断容易加工部を非接触ICチップ実装体の存在する表側のライナ紙に設けることも好ましい。この切断容易加工部についても後段に詳述している。
R/Wを使用して非接触ICチップ実装体の情報を読み書きする際、R/Wと非接触ICチップ実装体の相対位置が適正範囲からずれていると、通信が不安定になったり、通信距離が短くなり、通信の信頼性が確保できない。このため、非接触ICチップ実装体の位置を固定することは極めて重要となる。特定の位置で接着固定することによって、ダンボール箱内の非接触ICチップ実装体位置が確定でき、R/Wの位置を設定することが可能となる。特にダンボール紙の空隙部の長さに比べて短い小型の非接触ICチップ実装体を使用する場合に有効である。
【0043】
非接触ICチップ実装体の位置を固定する一つの方法としては、挿入するダンボール紙の空隙部の特定の位置に、一つ以上の機械的変形を生じさせて、その範囲以外の場所へ非接触ICチップ実装体が入り込まないようにすることが挙げられる。
【0044】
機械的変形を形成する方法は、略半球状の突起物でライナ紙または波型中しん紙上から押し痕を形成する方法、錐やドリル状の突起物でライナ紙を突き破り機械的変形を形成する方法などが挙げられる。また、この方法によっても外部より非接触ICチップ実装体の位置を特定することが可能にできる。
【0045】
また更に、具体的な非接触ICチップ実装体挿入方法としては、一つ目の機械的変形を形成した後、非接触ICチップ実装体を一つ目の変形部位で止まるまで挿入した後、一つ目の機械的変形と非接触ICチップ実装体をはさんで反対側に二つ目の機械的変形を形成する方法も挙げられる。
【0046】
予め非接触ICチップ実装体の長さよりやや長い間隔で2箇所の機械的変形を形成しておいて、その間に非接触ICチップ実装体を挿入する方法などがあげられる。機械的変形があると非接触ICチップ実装体を若干入れ難いが、円筒形なら機械的変形部を通過しないことはなく、いったん入ってしまうとある程度の固定は可能である。
【0047】
以上ではダンボール側に何らかの加工等を行って非接触ICチップ実装体を固定する例を挙げた。以下は非接触ICチップ実装体の側になんらかの加工を行って固定する例を説明する。
【0048】
非接触ICチップ実装体の外形形状として略ネジ状になるよう螺旋溝を形成しておくということが挙げられる。実際には樹脂中に埋め込まれた形態の非接触ICチップ実装体などでは樹脂に溝きり加工を施すことができる。射出成型によって非接触ICチップ実装体を内包した略ネジ状成型物とすることもできる。
【0049】
このような非接触ICチップ実装体の例を図7に示した。図7は本発明の非接触ICチップ実装体装着ダンボールの一実施形態の断面図である。図に示したようにダンボールの空隙部V2にネジ状の非接触ICチップ実装体44をねじ込むことにより、ダンボール紙の特定の位置に非接触ICチップ実装体を固定する方法である。すなわち非接触ICチップ実装体の外形に螺旋溝部をつくり実装体自体をネジ状にするのである。あたかも木ネジのように非接触ICチップ実装体のねじ込み先端部を先鋭にしておくことも、機械的に本非接触ICチップ実装体を空隙部に挿入する上でより好ましい。
【0050】
また、非接触ICチップ実装体の固定を確実するものの別の例として非接触ICチップ実装体をくさび状にすることが挙げられる。このような非接触ICチップ実装体の例を図8に示した。図8は本発明の非接触ICチップ実装体装着ダンボールの一実施形態の断面図である。図8に例示した非接触ICチップ実装体はその外形が略くさび状に形成されているのでその図中の例では2箇所のくさび形状部45a,45bにより空隙V2内の所定の位置に固定される。すなわち非接触ICチップ実装体の長手方向の形状の途中に、ダンボール紙の空隙部よりやや太い部位、すなわち空隙部のライナや中しんと係合する係合形状部を有すればよい。係合形状部の例としては所謂くさび形状の三角錐形状やその組み合わせだけに限らずそろばん玉形状等種々のものや単に円筒部の一部が太くなった部位であっても良い。またそれらの部位が円筒状の非接触ICチップ実装体の周囲部の全周に存在する必要はなく、所々にあっても良い。すなわち係合形状部を少なくとも一箇所以上好ましくは複数箇所形成しておくわけである。本非接触ICチップ実装体を押し込むとその係合形状部と空隙部の壁面の摩擦抵抗で非接触ICチップ実装体が固定されることになる。
【0051】
非接触ICチップ実装体を空隙部に挿入する装置の一例を図9に示した。図9は図1のB−B’方向のダンボール断面方向において挿入装置を説明する概略断面図。図1の紙面表側から非接触ICチップ実装体を挿入する状態を示している。挿入装置の中のピストン部は分かりやすくするために断面とはせずに表記している。波形中しん紙2と下部ライナ紙3によって形成された空隙部V2にシリンダ51を挿入している。シリンダ51の位置が決まったらピストン52で非接触ICチップ実装体4を押し出す。尚、非接触ICチップ実装体4の下に順次次の挿入のための非接触ICチップ実装体4a、4b…が図示を省略したフォルダー部に収容されている。押し出し後、非接触ICチップ実装体を所定の位置に挿入した状態を図10に示した。図10は図9の非接触ICチップ実装体を押し出し後の状態を示す概略断面図である。図示したように非接触ICチップ実装体4は空隙部V2の所定の位置までピストン52により押し出され配置される。その後、先に説明したような方法、すなわち接着剤等で波形中しん紙2や下部ライナ紙3に固定される。ピストンの動作力はバネ等の機械力や空気、ガス、油等の流体の力を利用しても得られる。
【0052】
上記のような例において更に、非接触ICチップ実装体を押し出した後、所謂ピストルのように次の非接触ICチップ実装体を自動装填される機構を有しているとさらに効率的である。またY軸方向にダンボール紙がずれないように銃口部には半開きの鳥の嘴のようなガイドを付けたり、目標の空隙部がX軸方向にずれるのを防ぐために、銃口の両側に目標の空隙部の両側に位置する他の空隙部に容易に挿入可能な針状のガイドピンを付けることも好ましい。また、空隙部を正確に捉えるためにCCDカメラで位置を確定することも勿論可能である。
【0053】
ダンボール箱として組み立てた時に外部から目視して非接触ICチップ実装体が存在する場所が簡単に分かるようにしておけばR/Wをかざすことが容易にできる。この観点からライナの非接触ICチップ実装体が存在する部位に非接触ICチップ実装体が存在するマークを設けることが好ましい。マークを設けることは矢印や非接触ICチップ実装体の形状に合せて四角い形状の印を印刷、インクジェットプリント、シールを貼る等の方法により行うことが挙げられる。
【0054】
ライナおよび中しんの非接触ICチップ実装体が存在する部位の周囲に非接触ICチップ実装体が存在する部分を含んで切り取り可能な切断容易加工部として所謂ミシン目や紐または糸付き加工部やティアテープを設けることが好ましい。すなわちこのミシン目等があるので、ダンボール箱として使用後、古紙に出したりする際に本ミシン目等により少なくとも非接触ICチップ実装体をその周辺部の一部のダンボール紙が付着するおそれはあるものの、回収することが可能になり、非接触ICチップ実装体をリユースできる。また先に説明したマークと同様にミシン目等を目安にすればダンボール箱として組み立てた時に外部から目視して非接触ICチップ実装体が存在する場所が簡単に分かるので同様に便利である。
【0055】
更なる非接触ICチップ実装体の搭載方法の一例を図について説明する。図11は主にダンボール組み立て後に空隙部の入り口がダンボール箱外部に現れていないような場合でも非接触ICチップ実装体装着ダンボールを製作する装置の一例の一部概略断面図である。つまり、製函済のダンボール箱の、前記第1のライナまたは前記第2のライナと中しんの間に非接触ICチップ実装体実装体を配置するものである。この場合はダンボール箱へ商品を収納するフラップ板部のダンボール紙に非接触ICチップ実装体を搭載することが好ましい。図中ダンボールの壁面W側から、略注射器状のとがった先端53sを設けたシリンダ53を壁面Wに並行に近い角度でダンボール箱外面を形成する下部ライナ紙3に突き刺し、下部ライナ紙3のみまたは波形中しん紙2も合せて貫通させ、その後シリンダ内部を通して非接触ICチップ実装体4を下部ライナ紙3と波型中しん紙2の間または波型中しん紙2と上部ライナ紙1の間に非接触ICチップ実装体4を配置することができる。シリンダ51aはカテーテルのように自在に曲がり、先端部は注射針のようにライナ紙等を突き破りやすいように尖っている。ピストン54もシリンダと同様に自在に曲がりシリンダ内を摺動して非接触ICチップ実装体を運び配置する。この場合もピストンの動作力はバネ等の機械力や空気、ガス、油等の流体の力を利用して得られる。尚、本図は非接触ICチップ実装体4を下部ライナ紙3と波型中しん紙2の間に配置した例である。このような場合使用する非接触ICチップ実装体は柔軟性を有するものが好ましい。
【0056】
実施例
本発明の実施例の一例を図について説明する。
【0057】
実施例1
ルネサンステクノロジ社製テープ型TCPインレット(長さ53mm*幅1.5mm*厚さ0.25mm;使用周波数2.45GHz)を米坪60g/平米の紙の上に貼付し、インレットごと前記紙を筒状に巻いた。この状態は前出の図3に示した非接触ICチップ実装体のごとくである。円筒部紙端面をポリ酢酸ビニル系接着剤で接合して、巻きがほどけないようにした。さらに同円筒を長さ60mmになるように断裁し、直径2mm*長さ60mmの筒状のICタグを得た。
このICタグの円筒部に水溶性接着剤(デンプン糊)を塗布した後、段ボール箱の空隙部の深さ10cmの位置まで棒状の冶具で挿入した後、2日間自然乾燥し、ICタグ付き段ボール箱を作成した。
適合するリーダ/ライタで読み取ったところ、通信可能距離は20cm以上であり、実用に耐えることが確認できた。
【0058】
実施例2
スイスのソキマッド社(SOKYMAT)製グラスタグ(GLASS TAG UNIQUE 2.12X12)(直径2.12mm*長さ12mmのカプセル状;使用周波数125KHz)の外装部にポリエステル系ホットメルト接着剤を塗布・冷却し、ホットメルト接着剤つきICタグを得た。
段ボール箱の空隙部の深さ10cmの位置まで棒状の冶具で挿入し、ライナ紙上からヘアドライヤーでホットメルト接着剤を加熱溶融させた後冷却し、ICタグ付き段ボール箱を作成した。
適合するリーダ/ライタで読み取ったところ、通信可能距離は20cm以上であり、実用に耐えることが確認できた。
【0059】
以上説明したように本発明は、容易に非接触ICチップ実装体を装着でき、かつ実装体に対する外部物品・内容物による衝突・擦過が防ぐことができる。
【0060】
一連の本発明はダンボール紙に存在する波型中しん紙と上下のライナ紙により形成される空隙部に非接触ICチップ実装体を搭載することにより、ダンボールシート(断裁加工前のダンボール紙)段階、打ち抜き直後の折り畳まれた形状でのダンボール箱、製函済の完成ダンボール箱、内容物充填後ダンボール箱といった任意の加工段階で、ダンボールシート・ダンボール箱製造業者、ダンボール箱のユーザーが容易に非接触ICチップ実装体を搭載することを可能とし、ダンボール箱を使用した物流の合理化に寄与しようとするものである。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明の空隙部に非接触ICチップ実装体を搭載したダンボールやそのダンボールを使用したダンボール箱を使用すれば、ダンボール箱の任意の位置に非接触ICチップ実装体を搭載することが可能となり、商品に関する各種情報や物品情報以外の各種情報を管理したり、公開することが可能となる。また、非接触ICチップ実装体の情報を書き換えることにより、該ダンボール箱を例えば衣料業界であればリラベリングすることなくアウトレット配送に向けに転用することも可能となる。
【0062】
近年サプライチェーンマネジメント(SCM)が話題になっているが、梱包業者、製造業者、販売業者、輸送業者等といった物流の各ステージで誰が非接触ICチップ実装体を搭載するのか、が議論の的になっている。規格化された非接触ICチップ実装体を搭載した本発明のダンボールを使用すればすることは、この課題を解決する大きな助けになると考えられる。
本発明は、更に設置場所の制限無く完成ダンボール箱を取り扱うユーザーレベルでも非接触ICチップ実装体を設置して非接触ICチップ実装体装着ダンボールを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の非接触ICチップ実装体装着ダンボールの一部の断面図。
【図2】本発明の非接触ICチップ実装体装着ダンボールの別の一例の一部の断面図。
【図3】筒状の非接触ICチップ実装体の一例の一部透明斜視図。
【図4】外形を筒状にした非接触ICチップ実装体の一例を得る際の組み立て途中の斜視図。
【図5】扁平状の非接触ICチップ実装体の一例の平面図。
【図6】図1の非接触ICチップ実装体装着ダンボールのA−A’断面図。
【図7】本発明の非接触ICチップ実装体装着ダンボールの一実施形態の断面図。
【図8】本発明の非接触ICチップ実装体装着ダンボールの一実施形態の断面図。
【図9】図1のB−B’方向のダンボール断面方向において挿入装置を説明する概略断面図。
【図10】図9の非接触ICチップ実装体を押し出し後の状態を示す概略断面図。
【図11】非接触ICチップ実装体装着ダンボールを製作する装置の一例の一部概略断面図。
【符号の説明】
【0064】
1 上部ライナ紙
2 波型中しん紙
3 下部ライナ紙
4 非接触ICチップ実装体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つのライナ、
前記ライナの表面に接着された波型の中しん、
前記ライナと中しんの形成する空隙部に配置された非接触ICチップ実装体を備える非接触ICチップ実装体装着ダンボール。
【請求項2】
前記非接触ICチップ実装体の形状が筒状または扁平状である請求項1記載の非接触ICチップ実装体装着ダンボール。
【請求項3】
前記非接触ICチップ実装体と前記ライナまたは中しんの少なくとも一つが固定されている請求項1又は2記載の非接触ICチップ実装体装着ダンボール。
【請求項4】
前記ライナの非接触ICチップ実装体が存在する部位に非接触ICチップ実装体が存在することを表すマークを設けた請求項1から3のいずれか一項に記載の非接触ICチップ実装体装着ダンボール。
【請求項5】
前記ライナおよび中しんの非接触ICチップ実装体が存在する部位の周囲に非接触ICチップ実装体が存在する部分を含んで切り取り可能な切断容易加工部を設けた請求項1から4のいずれか一項に記載の非接触ICチップ実装体装着ダンボール。
【請求項6】
前記非接触ICチップ実装体の外形部が筒状であって、該筒状外形部に略ネジ状の螺旋溝部を有する非接触ICチップ実装体である請求項1から5のいずれか一項に記載の非接触ICチップ実装体装着ダンボール。
【請求項7】
前記非接触ICチップ実装体が外形部の少なくとも一部に係合形状部を持つ非接触ICチップ実装体である請求項1から5のいずれか一項に記載の非接触ICチップ実装体装着ダンボール。
【請求項8】
前記請求項1から7に記載された少なくとも一つの非接触ICチップ実装体装着ダンボールを使用して組み立てたダンボール箱。
【請求項9】
少なくとも一つのライナと前記ライナの表面に接着された波型の中しんによって形成される空隙部の少なくとも一つに略円筒状容器先端部を挿入し、該略円筒状容器内に装填された非接触ICチップ実装体を押し出し、前記少なくとも一つの空隙部に該非接触ICチップ実装体を配置する請求項1から7のいずれか一項に記載の非接触ICチップ実装体装着ダンボールの製造方法。
【請求項10】
ライナまたは中しんの壁面側から、略注射器状先端部を壁面に並行に近い角度で該壁面側から挿入し、ライナとライナの表面に接着された波型の中しんによって形成される空隙部の少なくとも一つに突き通し、該略注射器状先端部に接続された略円筒状容器内に装填された非接触ICチップ実装体を押し出し前記少なくとも一つの空隙部に該非接触ICチップ実装体を配置する請求項1から7のいずれか一項に記載の非接触ICチップ実装体装着ダンボールの製造方法。
【請求項1】
少なくとも一つのライナ、
前記ライナの表面に接着された波型の中しん、
前記ライナと中しんの形成する空隙部に配置された非接触ICチップ実装体を備える非接触ICチップ実装体装着ダンボール。
【請求項2】
前記非接触ICチップ実装体の形状が筒状または扁平状である請求項1記載の非接触ICチップ実装体装着ダンボール。
【請求項3】
前記非接触ICチップ実装体と前記ライナまたは中しんの少なくとも一つが固定されている請求項1又は2記載の非接触ICチップ実装体装着ダンボール。
【請求項4】
前記ライナの非接触ICチップ実装体が存在する部位に非接触ICチップ実装体が存在することを表すマークを設けた請求項1から3のいずれか一項に記載の非接触ICチップ実装体装着ダンボール。
【請求項5】
前記ライナおよび中しんの非接触ICチップ実装体が存在する部位の周囲に非接触ICチップ実装体が存在する部分を含んで切り取り可能な切断容易加工部を設けた請求項1から4のいずれか一項に記載の非接触ICチップ実装体装着ダンボール。
【請求項6】
前記非接触ICチップ実装体の外形部が筒状であって、該筒状外形部に略ネジ状の螺旋溝部を有する非接触ICチップ実装体である請求項1から5のいずれか一項に記載の非接触ICチップ実装体装着ダンボール。
【請求項7】
前記非接触ICチップ実装体が外形部の少なくとも一部に係合形状部を持つ非接触ICチップ実装体である請求項1から5のいずれか一項に記載の非接触ICチップ実装体装着ダンボール。
【請求項8】
前記請求項1から7に記載された少なくとも一つの非接触ICチップ実装体装着ダンボールを使用して組み立てたダンボール箱。
【請求項9】
少なくとも一つのライナと前記ライナの表面に接着された波型の中しんによって形成される空隙部の少なくとも一つに略円筒状容器先端部を挿入し、該略円筒状容器内に装填された非接触ICチップ実装体を押し出し、前記少なくとも一つの空隙部に該非接触ICチップ実装体を配置する請求項1から7のいずれか一項に記載の非接触ICチップ実装体装着ダンボールの製造方法。
【請求項10】
ライナまたは中しんの壁面側から、略注射器状先端部を壁面に並行に近い角度で該壁面側から挿入し、ライナとライナの表面に接着された波型の中しんによって形成される空隙部の少なくとも一つに突き通し、該略注射器状先端部に接続された略円筒状容器内に装填された非接触ICチップ実装体を押し出し前記少なくとも一つの空隙部に該非接触ICチップ実装体を配置する請求項1から7のいずれか一項に記載の非接触ICチップ実装体装着ダンボールの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−7888(P2007−7888A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−188156(P2005−188156)
【出願日】平成17年6月28日(2005.6.28)
【出願人】(000122298)王子製紙株式会社 (2,055)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月28日(2005.6.28)
【出願人】(000122298)王子製紙株式会社 (2,055)
【Fターム(参考)】
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