説明

非水系顔料分散剤

【課題】顔料の分散化能に優れる非水系顔料分散剤及び分散安定性の優れた顔料分散組成物を提供する。
【解決手段】枝部分が2種以上の異なるセグメントを有する多分岐ポリマーからなる非水系顔料分散剤であって、該多分岐ポリマーが、窒素原子を含まない(メタ)アクリル酸エステル及び/又はスチレン類由来の構造単位を含むセグメント(A)、及び1〜3級窒素原子を有するエチレン性不飽和単量体由来の構造単位を含むセグメント(B)を有する非水系顔料分散剤、及びこの非水系顔料分散剤と顔料と有機溶媒を含む顔料分散組成物である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顔料の分散化能に優れる非水系顔料分散剤、及びそれを用いた分散安定性の優れた顔料分散組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
スターポリマー、スターバーストポリマー、デンドリマー等の多分岐ポリマーは、分岐枝数が多いことによる1分子当たりの末端基数の多さ、溶液にあっては同分子量の線状ポリマーよりも粘度が低くなること、希薄溶液中では剛体球として振る舞うこと等の特徴的な物性を示す。しかしながら、高分子の特徴である、絡み合いが殆どないために、脆い、皮膜形成能がない等、構造材料としては致命的な欠点を有している。
このような多分岐ポリマーについては、種々の分野への応用検討がなされている。例えば、特許文献1には、多分岐ポリマーの末端基に不飽和二重結合を高濃度で導入し、レジストの感度を飛躍的に向上することが示されている。
一方、非水系分散剤としては、ブロックポリマーやグラフトポリマーが良好な性能を有することが知られている。例えば、特許文献2には、少なくとも側鎖に特定の4級アンモニウム塩基を有する構成単位と特定のエステル構造を有する構成単位とが連結した分子構造を含み、かつポリエーテル鎖及び酸性官能基を含まないブロックポリマー及びグラフトポリマーの組成物が開示されている。また、特許文献3には、主鎖にアミド官能基を顔料固定基として含むグラフトポリマー組成物が開示されている。しかしながら、特許文献2及び3のポリマー組成物では、顔料の微細化が十分にできないという問題がある。
【0003】
【特許文献1】特開2007−041502号公報
【特許文献2】特開2004−287367号公報
【特許文献3】特表2003−517063号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、顔料の分散化能に優れる非水系顔料分散剤、及び分散安定性の優れた顔料分散組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、非水系における顔料分散剤として、2種以上の異なるセグメントを有する特定構造の多分岐ポリマーを用いることにより、前記課題を解決し得ることを見出した。
すなわち、本発明は、次の(1)及び(2)を提供する。
(1)枝部分が2種以上の異なるセグメントを有する多分岐ポリマーからなる非水系顔料分散剤であって、該多分岐ポリマーが、窒素原子を含まない(メタ)アクリル酸エステル及び/又はスチレン類由来の構造単位を含むセグメント(A)、及び1〜3級窒素原子を有するエチレン性不飽和単量体由来の構造単位を含むセグメント(B)を有する、非水系顔料分散剤。
(2)上記(1)の非水系顔料分散剤と、顔料と有機溶媒とを含む顔料分散組成物。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、顔料の分散化能に優れる非水系顔料分散剤、及び該水系顔料分散剤を用いてなる分散安定性の優れた顔料分散組成物を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の非水系顔料分散剤は、枝部分が2種以上の異なるセグメントを有する多分岐ポリマーからなる。以下、該多分岐ポリマーについて説明する。
[多分岐ポリマー]
本発明の非水系顔料分散剤を構成する多分岐ポリマーは、窒素原子を含まない(メタ)アクリル酸エステル及び/又はスチレン類由来の構造単位を含むセグメント(A)、及び1〜3級窒素原子を有するエチレン性不飽和単量体由来の構造単位を含むセグメント(B)を有する。
本発明でいう多分岐ポリマーとは、1分子中に複数の分岐鎖を有するポリマーであって、デンドリマー、スターバーストポリマー、スターポリマー、コア−シェル型ミクロスフェア等を指す。本発明においては、中でもスターポリマーが好ましく用いられる。
ここでスターポリマーとは、「3本以上のアーム(腕)となるポリマー鎖が、そのアームの中心であるコアで連結したポリマー」と定義される。枝部分が2種以上の異なるセグメントを有するスターポリマーとしては、(1)2種以上の異なるポリマー鎖が、コアで連結したポリマー(ヘテロアームスターポリマー、ミクトアームスターポリマー)、(2)ブロック共重合体がコアで連結したポリマー((AB)n型スターポリマー、(ABC)n型スターポリマー)等が挙げられる。
これらの多分岐ポリマーの構成単位としては、非水系溶媒に溶解するセグメントと、顔料に吸着するセグメントを有することが好ましいが、本発明で用いられる多分岐ポリマーの構造単位であるセグメント(A)は非水系溶媒に溶解するセグメントであり、セグメント(B)は顔料に吸着するセグメントである。
【0008】
非水系溶媒に溶解するセグメントとしては、溶媒と近い溶解度パラメーター(sp値)を有するモノマーの重合体、共重合体が好ましい。セグメント(A)を構成するポリマーのsp値と溶媒のsp値の差は、2.0以下が好ましく、1.5以下がより好ましく、1.0以下であることが更に好ましい。
ここで溶解度パラメーター(sp値)とは、Fedorsの方法〔Robert F.Fedors, Polymer Engineering and Science, 14, 147-154 (1974)〕により、下記のFedorsの式に基づいて求められた値δ[(MPa)1/2]であり、化合物の化学構造の原子または原子団の蒸発エネルギーの総和(Δei)とモル体積の総和(Δvi)の比の平方根から求められる。
Fedorsの式: δ=(ΣΔei/ΣΔvi)1/2
前記セグメント(A)を構成する重合体、共重合体としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ベンジル等の窒素原子を含まない(メタ)アクリル酸エステル類、スチレン類、さらには(メタ)アクリル酸等のモノマーの単独重合体、その他のモノマーとの共重合体が挙げられる。
これらの中では、溶媒をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをした場合、メタクリル酸メチルやスチレンの単独重合体及び/又は共重合体が好ましい。
【0009】
顔料に吸着する前記セグメント(B)としては、ビニルピリジン類、含窒素スチレン系モノマー、(メタ)アクリルアミド類、含窒素(メタ)アクリル酸エステル、N−ビニルピロリドン等のモノマーの単独重合体、共重合体が挙げられる。
ビニルピリジン類としては、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン等のビニルピリジン類等が挙げられ、含窒素スチレン系モノマーとしては、p−スチレンスルホンアミド、p−アミノスチレン、アミノメチルスチレン等が挙げられる。
(メタ)アクリルアミド類としては、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキル(アルキル基の好ましい炭素数1〜8、更に好ましくは炭素数1〜4)(メタ)アクリルアミド、N−アルキル(アルキル基の好ましい炭素数1〜8、更に好ましくは炭素数1〜4)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキル(アルキル基の好ましい炭素数1〜8、更に好ましくは炭素数1〜4)アミノアルキル(アルキル基の好ましい炭素数1〜6)(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミド2−メチルプロピルスルホン酸、モルホリノ(メタ)アクリルアミド、ピペリジノ(メタ)アクリルアミド、N−メチル−2−ピロリジル(メタ)アクリルアミド、N,N−メチルフェニル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
【0010】
含窒素(メタ)アクリル酸エステルとしては、N,N−ジアルキル(アルキル基の好ましい炭素数1〜8、更に好ましい炭素数1〜4)アミノアルキル(アルキル基の好ましい炭素数1〜6)(メタ)アクリレート、1−(N,N−ジアルキル(アルキル基の好ましい炭素数1〜8、更に好ましい炭素数1〜4)アミノ)−1,1−ジメチルメチル(メタ)アクリレート、モルホリノエチル(メタ)アクリレート、ピペリジノエチル(メタ)アクリレート、1−ピロリジノエチル(メタ)アクリレート、N,N−メチル−2−ピロリジルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−メチルフェニルアミノエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの中では、N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキル(アルキル基の好ましい炭素数1〜8、更に好ましくは炭素数1〜4)アミノアルキル(アルキル基の好ましい炭素数1〜6)(メタ)アクリレート、1−(N,N−ジアルキル(アルキル基の好ましい炭素数1〜8、更に好ましくは炭素数1〜4)アミノ)−1,1−ジメチルメチル(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドンが好ましく、より具体的には、2−(N,N−ジアルキルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、2−(N−アルキルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、N−アルキル(メタ)アクリルアミド及びN,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミドが好ましい。
【0011】
多分岐ポリマーは、リビングアニオン重合法、リビングカチオン重合法、リビングラジカル重合法等を用いて合成できる。なかでも、種々の感応性のあるモノマーを共重合することができるリビングラジカル重合法が好ましい。リビングラジカル重合法によるスターポリマーの合成法は、Matyjaszewski Macromolecules.2006,39,7216等を参考に行うことができる。
多分岐ポリマーにおいては、分散化性能の観点から、セグメント(A)とセグメント(B)との重量比は、20:80〜80:20であることが好ましく、40:60〜80:20であることがより好ましく、50:50〜80:20であることが更に好ましい。
また、セグメント(A)の数平均分子量は、分散化性能の観点から、500〜30,000であることが好ましく、1000〜20,000であることがより好ましく、1000〜10,000であることが更に好ましい。
多分岐ポリマーの好適例としては、下記のようなスターポリマーが挙げられる。
セグメント(A)としては、数平均分子量500〜30000のポリメタクリル酸メチル、セグメント(B)としては、(メタ)アクリル酸2−メチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸2−エチルアミノエチル、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミドが選ばれる重合体が挙げられる。
スターポリマーのアーム(腕)数は、示差屈折率計を検出器として持つゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定した分子量から計算した値で、3〜50が好ましい。また、その形態としては、ヘテロアームスターポリマー、ブロック共重合体がコアで連結したポリマー((AB)n型スターポリマー、(ABC)n型スターポリマー)、コアシェル型ミクロスフェア等が選ばれる。ブロック共重合体がコアで連結した、スターポリマーや、コアシェル型ミクロスフェアの場合は、セグメント(A)が外側に配置されていることが好ましい。
【0012】
[多分岐ポリマーの製造]
本発明の多分岐ポリマーからなる非水系顔料分散用ポリマーの製造方法に特に制限はないが、下記工程(I)及び(II)を有する方法によれば、効率的に製造することができる。
工程(I):ハロゲン化銅、又は銅と配位可能な有機化合物の存在下で、窒素原子を含まない(メタ)アクリル酸エステル及び/又はスチレン類由来の構造単位を含むモノマーを重合させる工程
工程(II):ハロゲン化銅、又は銅と配位可能な有機化合物の存在下で、工程(I)で得られたポリマーと、1〜3級窒素原子を有するエチレン性不飽和結合を含むモノマーとを反応させる工程
さらに、工程(II)の前又はその後に、ハロゲン化銅、又は銅と配位可能な有機化合物の存在下で、工程(I)又は(II)で得られたポリマーと、エチレン性不飽和結合を2個以上含むモノマーとを反応させる工程を有してもよい。
また、工程(II)において、エチレン性不飽和結合を2個以上含むモノマーを、1〜3級窒素原子を有するエチレン性不飽和結合を含むモノマーと一緒に反応させてもよい。
【0013】
本発明の多分岐ポリマーとしては、前記のとおり、2種以上の異なるポリマー鎖がコアで連結したポリマー、ブロック共重合体がコアで連結したポリマー等が挙げられるが、これらの多分岐ポリマーは前記工程を有する方法で製造することができる。
前記の工程において、触媒としては、ハロゲン化銅、又は銅と配位可能な有機化合物が用いられ、その具体例としては、塩化銅(I)、臭化銅(I)、塩化銅(II)、臭化銅(II)等が挙げられる。また、銅と配位可能な有機化合物としては、スパルテインやChemical Review、2001、101巻、2941項にある例示されている窒素酸化物等が挙げられる。
重合を行う際には、例えば2−ブロモ酪酸エチル等のリビングラジカル重合開始剤が好ましく用いられる。また、溶媒としては、特に制限はないが、アニソール等の芳香族化合物やメチルエチルケトン等のケトン化合物、ヘキサン等の炭化水素化合物、テトラヒドロフラン等のエーテル化合物、酢酸エチル等のエステル化合物等を用いることができる。
また、エチレン性不飽和結合を2個以上含むモノマーとしては、ジビニルベンゼン等の多官能芳香族類、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の2個以上の水酸基を持つアルコールの(メタ)アクリル酸エステル類、メチレンビスアクリルアミド等の多官能アクリルアミド類が挙げられる。
反応温度は、用いる触媒、溶媒の種類等により適宜選択できるが、通常30〜100℃の範囲が好ましい。
【0014】
次に、本発明の顔料分散組成物について説明する。
[顔料分散組成物]
本発明の顔料分散組成物は、前述の非水系顔料分散剤と、顔料と有機溶媒とを含む。
顔料分散組成物中の顔料濃度は1〜30重量%が好ましく、より好ましくは2〜20重量%である。1重量%未満では着色性が低くなり、30重量%を超えると顔料分散組成物の粘度が高くなる。また、非水系顔料分散剤量は顔料に対し1〜200重量%が好ましく、より好ましくは2〜100重量%であり、更に好ましくは5〜50重量%である。非水系顔料分散剤が顔料に対し1重量%より少ないと顔料分散液の粘度が高くなり、200重量%を超えると、塗膜物性に悪影響を与える。
【0015】
(有機溶媒)
本発明の顔料分散組成物に用いられる有機溶媒としては、特に限定はされないが、特にカラーフィルター用の油性インクとして用いる場合、沸点が100℃以上の高沸点の有機溶媒を用いることが好ましい。このような有機溶媒としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のエチレングリコールアルキルエーテル類(セルソルブル類)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のジエチレングリコールアルキルエーテル類(カルビトール類)、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル等のプロピレングリコールジアルキルエーテル類、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のアルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン等のアルコール類を挙げることができる。特にアルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類が好ましい。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記溶媒は全固形分に対して、100〜500重量%で使用することが好ましい。
【0016】
(顔料)
本発明に用いられる顔料は、無機顔料及び有機顔料いずれであってもよい。また必要に応じて、それらと体質顔料を併用することもできる。
無機顔料としては、例えばカーボンブラック、金属酸化物、金属硫化物、金属塩化物等が挙げられる。
有機顔料としては、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、縮合多環顔料、レーキ顔料等が挙げられる。アゾ顔料としてはC.I.ピグメントレッド3等の不溶性アゾ顔料、C.I.ピグメントレッド48:1等の溶性アゾ顔料、C.I.ピグメントレッド144等の縮合アゾ顔料が挙げられる。フタロシアニン顔料としては、C.I.ピグメントブルー15:6等の銅フタロシアニン顔料等が挙げられる。
縮合多環顔料としては、C.I.ピグメントレッド177等のアントラキノン系顔料、C.I.ピグメントレッド123等のペリレン系顔料、C.I.ピグメントオレンジ43等のペリノン系顔料、C.I.ピグメントレッド122等のキナクリドン系顔料、C.I.ピグメントバイオレット23等のジオキサジン系顔料、C.I.ピグメントイエロー109等のイソインドリノン系顔料、C.I.ピグメントオレンジ66等のイソインドリン系顔料、C.I.ピグメントイエロー138等のキノフタロン系顔料、C.I.ピグメントレッド88等のインジゴ系顔料、C.I.ピグメントグリーン8等の金属錯体顔料、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド255、C.I.ピグメントオレンジ71等のジケトピロロピロール系顔料等が挙げられる。
これらの中では、本発明の効果をより有効に発現させる観点から、下記一般式(1)で表される、ジケトピロロピロール系顔料が好ましい。
【0017】
【化1】

【0018】
式(1)中、X1及びX2は、それぞれ独立して、水素原子又はフッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子を示し、Y1及びY2は、それぞれ独立して、水素原子又は−SO3H基を示す。
顔料は、明度Y値の向上の観点から、その平均一次粒子径は、好ましくは100nm以下、更に好ましくは20〜60nmにした微粒化処理品を用いることが望ましい。顔料の平均一次粒子径は、電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で求めることができる。具体的には、個々の一次粒子の短軸径と長軸径を計測してその平均をその粒子の粒子径とし、次に100個以上の粒子について、それぞれの粒子の体積(重量)を、求めた粒子径の直方体と近似して求め、体積平均粒子径を求めそれを平均一次粒子径とする。
ジケトピロロピロール系顔料の市販品の好適例としては、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ株式会社製、C.I.ピグメントレッド254、商品名「Irgaphor Red B−CF」、「Igaphor Red BK−CF」、「Irgaphor Red BT−CF」、「Irgazin DPP Red BO」、「Irgazin DPP Red BL」、「Cromophtal DPP Red BP」、「Cromophtal DPP Red BOC」等が挙げられる。
上記の顔料、特にジケトピロロピロール系顔料は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の顔料分散組成物においては、前記多分岐ポリマーと顔料との含有割合は、顔料の分散性及び分散安定性の観点から、顔料に対しポリマー1〜300重量%が好ましく、2〜200重量%がより好ましく、5〜100重量%が更に好ましい。
【0019】
(その他任意成分)
本発明の顔料分散組成物はバインダー、多官能モノマー、光重合開始剤、分散剤等を適宜添加して使用することもできる。
バインダーとしては、(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体とアルコール類との反応物等を挙げることができる。その重量平均分子量は、5000〜200,000が好ましい。バインダーの含有量は、顔料分散組成物中の全固形分に対して20〜80重量%が好ましい。
多官能モノマーとしては、エチレン性不飽和二重結合を2個以上有する(メタ)アクリル酸エステル、ウレタン(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アミド、アリル化合物、ビニルエステル等を挙げることができる。多官能モノマーの含有量は、顔料分散組成物中の全固形分に対して10〜60重量%が好ましい。
光重合開始剤としては、芳香族ケトン類、ロフィン2量体、ベンゾイン、ベンゾインエーテル類、ポリハロゲン類を挙げることができる。特に4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンと2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体の組み合わせ、4−[p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン]が好ましい。光重合開始剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。光重合開始剤の含有量は、顔料分散組成物中の全固形分に対して0.2〜10重量%が好ましい。
【0020】
(顔料分散組成物の調製)
本発明の顔料分散組成物は、前述した非水系顔料分散剤、着色剤及び有機溶媒を混合することにより得ることができる。
顔料分散組成物の混合方法に特に制限はなく、例えば、ロールミル、ビーズミル、ニーダー、エクストルーダ等の混練機、高圧ホモゲナイザー(株式会社イズミフードマシナリ、商品名)、ミニラボ8.3H型(Rannie社、商品名)に代表されるホモバルブ式の高圧ホモジナイザー、マイクロフルイダイザー(Microfluidics社、商品名)、ナノマイザー(ナノマイザー株式会社、商品名)、アルティマイザー(スギノマシン株式会社、商品名)、ジーナスPY(白水化学株式会社、商品名)、DeBEE2000(日本ビーイーイー株式会社、商品名)等のチャンバー式の高圧ホモジナイザー等を用いて、各成分を混合することにより、所望の顔料分散組成物を調製することができる。
【実施例】
【0021】
以下の製造例、実施例及び比較例において、「部」及び「%」は特記しない限り、「重量部」及び「重量%」である。
製造例1[ヘテロアームスター共重合体の合成]
モノマーは使用前に活性アルミナ(200mesh)(和光純薬工業株式会社製、試薬)を用いたカラム精製を行った。
(1)スターPMMA(星形開始剤)の合成
冷却管、攪拌モーター、温度計を取り付けた四つ口フラスコに、塩化銅(I)(99.9%、和光純薬工業株式会社製、試薬)1.24g、塩化銅(II)(99.9%、和光純薬工業株式会社製、試薬)0.84gを仕込み、ドライアイス/メタノールにて冷却、窒素置換した。冷却しながら、メタクリル酸メチル(MMA:和光純薬工業株式会社製、試薬、sp値:8.93)50g、2−ブロモイソ酪酸エチル(EBIB:東京化成工業株式会社製、試薬)4.8g、リガントとしてスパルテイン(Sp:シグマアルドリッチ社製、試薬)8.8g、アニソール(和光純薬工業株式会社製、試薬)100gを混合し、良く窒素置換した液を添加し、更に冷却下20min窒素バブリングを行った。窒素フロー、攪拌しながら、内温70℃まで加熱し、7時間重合した。その後、更にジメタクリル酸エチレングリコール(EGDM:新中村化学工業株式会社製、NK−1G)5gを含むアニソール溶液55gを添加し80℃で14hr重合した。反応液はアニソールで希釈し、活性アルミナカラムで銅錯体を除去した後に、ヘキサンで再沈後、乾燥し、スターPMMAを得た。
分子量はGPC(カラム:東ソー株式会社製G40000HXL+G2000HXL溶離液:50mmol/L CH3COOH/THF:ポリスチレン換算)により決定し、EGDM添加前のポリマーの数平均分子量(Mn)は2660、多分散性指数(重量平均分子量(Mw)/Mn)は1.17であった。EGDM反応後のMnは21000、Mw/Mnは1.31であった。EGDM添加前のMMAの反応率はNMR(溶媒:CDCl3)のピーク面積比(0.5〜1.5ppm付近のポリメタクリル酸メチルのα−メチルと5.5〜6.2ppm付近のメタクリル酸メチルのビニル基のプロトンのピーク)により算出し、98.6%であった。
仕込み条件及び結果を表1に示す。
【0022】
【表1】

【0023】
(2)ヘテロアームスター共重合体の合成
前記(1)と同様の四つ口フラスコに塩化銅(I)0.3g、塩化銅(II)0.2gを仕込み、十分に窒素置換を行った後、ドライアイス/メタノールで冷却し、前記(1)で合成したスターPMMA(スターイニシエータ)14.3g、リガンドとしてN,N,N’,N’,N’’,N’’’−ヘキサメチルトリエチルテトラアミン(HMTETA:シグマアルドリッチ社製、試薬)1.1g、メタクリル酸2−(ジメチルアミノエチル)(DMAEMA:和光純薬工業株式会社製、試薬)7.5g、アニソール14gの混合液を添加し、攪拌しながら40℃で16hr重合を行った。反応液はアニソールで希釈し、中性活性アルミナカラムで銅錯体を除去した後に、ヘキサンで再沈後、乾燥し、ヘテロアームスター共重合体を得た。
ヘテロアームスター共重合体の分子量はGPC(カラム:昭和電工株式会社製、K−804L+K−804L、溶離液:1mmol/LファーミンDM20/CH3Cl:ポリスチレン換算)により決定しMn=27000、Mw/Mn=1.71、組成比はNMR(溶媒:CDCl3)のピーク面積比(2.3ppm付近のポリDMAEMA N−CH3、3.6ppm付近のポリMMA O−CH3のプロトンのピーク)により、決定し、ポリMMA/ポリDMAEMA=60/40(重量比)であった。
【0024】
【表2】

【0025】
製造例2[(AB)n型スターブロック共重合体の合成]
(1)高分子開始剤の合成
製造例1と同様の四つ口フラスコに、塩化銅(I)2.47g、塩化銅(II)1.68gを仕込み、ドライアイス/メタノールにて冷却、窒素置換した。冷却しながら、メタクリル酸メチル100g、2−ブロモイソ酪酸エチル9.74g、リガントとしてスパルテイン17.6g、アニソール100gを混合し、良く窒素置換した液を添加し、更に冷却下20min窒素バブリングを行った。窒素フロー、攪拌しながら、内温60℃まで加熱し、19時間重合した。反応液はアニソールで希釈し、中性活性アルミナカラムで銅錯体を除去した後に、ヘキサンで再沈後、乾燥し、高分子開始剤を得た。
製造例1(1)と同様にして、分子量、反応率を求めた結果、Mn=3700、Mw/Mn=1.14、転化率99%であった。仕込み条件及び結果を表3に示す。
【0026】
【表3】

【0027】
(2)(AB)n型スターブロック共重合体の合成
製造例1で使用したものと同様の装置に、塩化銅(I)0.32g、塩化銅(II) 0.21gを仕込み、窒素置換した後にドライアイス/メタノールで冷却し、上記(1)で合成した高分子開始剤14.3g、DMAEMA 7.5g、スパルテイン 2.24g、アニソール 14gの混合液を添加した。製造例1と同様に窒素バブリングした後に70℃で15hr反応させた。一部をサンプリングした後に、更に、EGDM 0.95gを加え70℃で8hr反応させた。反応液は製造例1と同様にして銅錯体を除去した後にヘキサンで再沈後、乾燥し、(AB)n型スターブロック共重合体を得た。(AB)n型スターブロック共重合体の分子量、組成比は製造例1(2)と同様にして求め、EGDM添加前のブロック共重合体の分子量は、Mn=4500、Mw/Mn=1.16、組成比はポリMMA/ポリDMAEMA=69/31、EGDM添加、重合後の(AB)n型スターブロック共重合体の数平均分子量はMn=31700、Mw/Mn=1.35、組成比はポリMMA/ポリDMAEMA=65/35であった。仕込み条件及び結果を表4に示す。
【0028】
【表4】

【0029】
製造例3
製造例1で使用したものと同様の装置に、塩化銅(I)0.32g、塩化銅(II) 0.21gを仕込み、窒素置換した後にドライアイス/メタノールで冷却し、製造例1で合成した高分子開始剤14.3g、DMAEMA 7.5g、EGDM 0.95gリガンドとしてスパルテイン2.24g、アニソール14gの混合液を添加した。製造例1と同様に窒素バブリングした後に70℃で15hr反応させた。一部をサンプリングした後に、70℃で8hr反応させた。反応液は製造例1と同様にして銅錯体を除去した後にヘキサンで再沈後、乾燥し、コアシェル型ミクロスフェアを得た。コアシェル型ミクロスフェアの分子量、組成比は製造例1(2)と同様にして求め、分子量はMn=4700、Mw/Mn=1.32、組成比はポリMMA/ポリDMAEMA=66/34であった。
仕込み条件及び結果を表5に示す。
【0030】
【表5】

【0031】
比較製造例1
製造例1で使用したものと同様の装置に、塩化銅(I)0.7g、塩化銅(II) 0.5gを仕込み、窒素置換した後にドライアイス/メタノールで冷却し、EBIB2.9g、MMA30g、リガントとしてスパルテイン5.3g、アニソール30gの混合液を添加した。製造例1と同様に窒素バブリングした後に70℃で15hr反応させた。一部をサンプリングした後に、更に、DMAEMA20gを加え70℃で8hr反応させた。反応液は製造例1と同様にして銅錯体を除去した後にヘキサンで再沈、乾燥し、ジブロック共重合体を得た。ジブロック共重合体の分子量、組成比は製造例1と同様にして求め、ポリMMA(プレポリマー)の分子量はMn=3200、Mw/Mn=1.14、転化率は92.1%、ジブロック共重合体の分子量はMn=4200組成比はポリMMA/ポリDMAEMA=68/32であった。
仕込み条件及び結果を表6に示す。
【0032】
【表6】

【0033】
比較製造例2
(1)マクロモノマーの合成
還流冷却器、温度計、窒素ガス導入管及び攪拌装置を取り付けたセパラブルフラスコに、MMA(sp値:8.93)200g、3−メルカプトプロピオン酸(MPA)14.2g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA:sp値:8.73)25gを仕込み、窒素置換したあと、80℃で攪拌しながら、MMA800g、MPA56.9g、PGMEA400g、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業株式会社製、商品名:V−65B)8gを3時間かけて滴下した。更に1時間、80℃で攪拌後、V−65B 8g、MPA3.6g、PGMEA400gを加えた。更に、80℃で2時間攪拌し、末端カルボン酸型ポリ(MMA)溶液を得た。
得られた末端カルボン酸型ポリメタクリル酸メチル溶液450g、メタクリル酸グリシジル18.4g、テトラブチルアンモニウムブロマイド(TBAB)6.2g、メトキシフェノール0.6g、PGMEA10gを、還流冷却器、温度計、空気導入管、攪拌装置を取り付けた4つ口フラスコに仕込み、空気バブリングを行いながら、90℃で12時間攪拌し、片末端メタクリロイル化ポリ(DMAAm)を得た。90℃で12時間後の溶液の酸価は0.11mgKOH/gであった。反応液をヘキサンにて再沈、乾燥し、マクロモノマーを得た、GPC(溶媒:クロロホルム)により求めた数平均分子量は1800、重量平均分子量3200であり、不揮発分は60%であった。
【0034】
(2)グラフト共重合体の合成
還流管、攪拌装置、温度計、窒素導入管を取り付けた、セパラブルフラスコを窒素置換し、70℃に加熱する。DMAEMA42.3g、上記(1)で製造したPMMAマクロモノマー57.7g、重合開始剤(V−65B)0.9g、アニソール(溶媒)115gの混合物を3時間かけて滴下した。70℃で1hr攪拌後、重合開始剤(V−65B)0.9gを含むアニソール溶液116gを添加し、更に2hr攪拌した。反応液はヘキサンに再沈後、乾燥し、グラフト共重合体を得た。グラフト共重合体の分子量、組成比は製造例1と同様にして求め、グラフト共重合体の分子量はMn=15000、Mw/Mn=4.78、組成比はポリMMA/ポリDMAEMA=55/45であった。
仕込み条件及び結果を表7に示す。
【0035】
【表7】

【0036】
実施例1
C.I.ピグメントレッド254 10g、製造例1のポリマー10g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート80gを直径0.3mmのジルコニアビーズ 200gと一緒に250mLのプラスチック瓶に量り、ペイントシェーカー(浅田鉄工株式会社製)で3時間振とうし、その後、直径0.05mmのジルコニアビーズ200gと一緒に4時間振とうし、顔料分散物を得た。
【0037】
実施例2
実施例1において、製造例1のポリマーを製造例2のポリマーに代えた以外は、実施例1と同様にして顔料分散組成物を得た。
実施例3
実施例1において、製造例1のポリマーを製造例3のポリマーに代えた以外は、実施例1と同様にして顔料分散組成物を得た。
【0038】
比較例1
実施例1において、製造例1のポリマーを比較製造例1のポリマーに代えた以外は、実施例1と同様にして顔料分散組成物を得た。
比較例2
実施例1において、製造例1のポリマーを比較製造例2のポリマーに代えた以外は、実施例1と同様にして顔料分散組成物を得た。
比較例3
実施例1において、製造例1のポリマーを製造例1(1)で得たスターPMMAに代えた以外は、実施例1と同様にして顔料分散組成物を得た。
【0039】
実施例1〜3及び、比較例1〜3で得られた顔料分散組成物について、下記方法により評価を行った。それらの結果を表9に示す。
(1)D50(粒径分布における小粒子側からの累積50%の値)
調製直後の顔料分散組成物を500倍に希釈し、粒度分析計Microtrac UPA MODEL:9340−UPA(HONEYWELL社製)を用いて分散粒径を測定した。
(2)粘度
分散直後の分散液、及び40℃で1週間保存後の分散液の粘度を、E型粘度計を用いて、20℃、回転数50r/minで測定した。
【0040】
【表8】

【0041】
表8から分かるように、顔料分散剤として多分岐ポリマーを用いた本発明の顔料分散組成物(実施例1〜3)は、顔料分散性に優れ、経時による粘度上昇が少なく、優れた保存安定性を有している。
これに対し、顔料分散剤として、ジブロック共重合体を用いた比較例1及びグラフト共重合体を用いた比較例2では、いずれも、増粘のために、ビーズによる顔料の分散ができず、顔料分散組成物を調製することができなかった。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明の非水系顔料分散剤は、特定の構造を有する多分岐ポリマーからなり、顔料分散化能に優れており、カラーフィルター用色材等として好適な分散安定性に優れる顔料分散組成物を与えることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
枝部分が2種以上の異なるセグメントを有する多分岐ポリマーからなる非水系顔料分散剤であって、該多分岐ポリマーが、窒素原子を含まない(メタ)アクリル酸エステル及び/又はスチレン類由来の構造単位を含むセグメント(A)、及び1〜3級窒素原子を有するエチレン性不飽和単量体由来の構造単位を含むセグメント(B)を有する、非水系顔料分散剤。
【請求項2】
セグメント(A)とセグメント(B)との重量比が、20:80〜80:20である請求項1に記載の非水系顔料分散剤。
【請求項3】
セグメント(A)の数平均分子量が、500〜30,000である請求項1又は2に記載の非水系顔料分散剤。
【請求項4】
セグメント(B)が、(メタ)アクリル酸N,N−ジアルキルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N−アルキルアミノエチル、N−アルキル(メタ)アクリルアミド及びN,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミドの中から選ばれる少なくとも1種の単量体由来の構造単位を有する請求項1〜3のいずれかに記載の非水系顔料分散剤。
【請求項5】
多分岐ポリマーが、スターポリマーである請求項1〜4のいずれかに記載の非水系顔料分散剤。
【請求項6】
下記工程(I)及び(II)を有する方法により得られる多分岐ポリマーからなる請求項1〜5のいずれかに記載の非水系顔料分散剤。
工程(I):ハロゲン化銅、又は銅と配位可能な有機化合物の存在下で、窒素原子を含まない(メタ)アクリル酸エステル及び/又はスチレン類由来の構造単位を含むモノマーを重合させる工程
工程(II):ハロゲン化銅、又は銅と配位可能な有機化合物の存在下で、工程(I)で得られたポリマーと、1〜3級窒素原子を有するエチレン性不飽和結合を含むモノマーとを反応させる工程
【請求項7】
さらに、工程(II)の前又はその後に、ハロゲン化銅、又は銅と配位可能な有機化合物の存在下で、工程(I)又は(II)で得られたポリマーと、エチレン性不飽和結合を2個以上含むモノマーとを反応させる工程を有する、請求項6に記載の非水系顔料分散剤。
【請求項8】
工程(II)において、さらに、エチレン性不飽和結合を2個以上含むモノマーを反応させる、請求項6に記載の非水系顔料分散剤。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載の非水系顔料分散剤と、顔料と有機溶媒とを含む顔料分散組成物。
【請求項10】
多分岐ポリマーと顔料との含有割合が、重量比で3:1〜0.1:1である請求項9に記載の顔料分散組成物。
【請求項11】
有機溶媒が、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートである、請求項9又は10に記載の顔料分散組成物。
【請求項12】
顔料が、ジケトピロロピロール系の有機顔料である、請求項9〜11のいずれかに記載の顔料分散組成物。

【公開番号】特開2010−111781(P2010−111781A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−285760(P2008−285760)
【出願日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】