非直角粒子検出システム及び方法
粒子の電磁放射のビームとの相互作用を空間的に分離することができる粒子検出システムが本明細書で説明される。特定の電磁ビームの断面形状及び方位を使用して、粒子検出システムの検出感度を改善することができる。低バックグラウンド信号を有し、粒子からの電磁放射の散乱又は放射を空間的に分離するのを可能にする方法で、粒子を検出及びサイズ分類する方法がさらに提供される。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
[0001]本出願は、それぞれ2007年12月4日、2007年12月4日、及び2008年10月22日に出願された米国特許仮出願第61/005,336号、第60/992,192号、及び第61/107,397号の利益を主張するものであり、それらは参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【連邦政府による資金提供を受けた研究開発の記載】
【0002】
[0002]該当せず。
【背景技術】
【0003】
[0003]本発明は光学粒子カウンタの分野に関する。本発明は、一般に、粒子から散乱された又は粒子によって放射された電磁放射を空間的に分離することができる光学粒子カウンタに関する。本発明は、さらに、粒子を検出及びサイズ分類する方法、並びに粒子の電磁放射のビームとの相互作用を空間的に分離する方法に関する。
【0004】
[0004]大部分の微量汚染産業は、米国特許第3,851,169号、第4,348,111号、第4,957,363号、第5,085,500号、第5,121,988号、第5,467,188号、第5,642,193号、第5,864,399号、第5,920,388号、第5,946,092号、及び第7,053,783号を含む多数の米国特許に記載されているような粒子カウンタの使用に依存している。米国特許第4,728,190号、第6,859,277号、及び第7,030,980号、5,282,151も粒子カウンタを開示しており、それらは参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。エアロゾル粒子カウンタは、多くの場合、クリーンルーム及びクリーン区域中の浮遊微粒子汚染を測定するために使用される。液相粒子カウンタは、多くの場合、水処理産業及び化学処理産業において微粒子汚染を測定するために使用される。
【0005】
[0005]粒子によって散乱又は放射された電磁放射を空間的に分離することができる粒子カウンタは、一般に、米国特許第5,282,151号に記載されている粒子検出器などの2次元検出器を使用する。米国特許第7,170,601号及び米国特許出願公開第2006/0001874A1号にも粒子によって散乱又は放射された電磁放射を空間的に分離することができる粒子カウンタが開示されている。これらの光学粒子カウンタは、流体流れの方向と平行な方向の散乱又は放射された電磁放射を収集し、散乱又は放射された電磁放射の発生源を流体流れの方向に垂直な方向に沿って空間的に分離することができる。しかし、これらの粒子カウンタは、散乱又は放射された電磁放射を流体流れの方向と平行な方向に空間的に分離する能力を欠いている。本明細書で説明される粒子検出システムは、粒子によって散乱又は放射された電磁放射を流体流れの方向に平行な方向並びに流体流れの方向に垂直な方向に空間的に分離するのを可能にする幾何学的構成を利用する。
【発明の概要】
【0006】
[0006]粒子の電磁放射のビームとの相互作用を空間的に分離することができる粒子検出システムを本明細書で説明する。特定の電磁ビームの断面形状及び方位を使用して、粒子検出システムの検出感度を改善することができる。低バックグラウンド信号を有し、粒子からの電磁放射の散乱又は放射を空間的に分離するのを可能にする方法で粒子を検出及びサイズ分類する方法を本明細書でさらに説明する。
【0007】
[0007]一実施形態では、粒子検出システムは、流体を収容するためのフローセル(流体室)で、この流体はフローセルを通って所定の流れの方向に流れる、フローセルと、長軸及び短軸を有する断面プロファイルを有する電磁放射のビームを生成するための供給源であり、この供給源がビームをフローセル経由で導くように位置決めされ、ビームの断面プロファイルの主軸と流れの方向との間の角度が非直角であり、流体内に含まれる粒子がビームと相互作用し、それによって散乱又は放射された電磁放射を生成する、供給源と、散乱又は放射された電磁放射の少なくとも一部を受け取るためにフローセルと光通信して位置決めされた2次元検出器とを含む。
【0008】
[0008]これらなどの粒子検出システムは、粒子を検出及び/又はサイズ分類する方法に対して有用である。一実施形態では、この態様の方法は、流れの方向を有する流体中の粒子を供給するステップと、長軸及び短軸を有する断面プロファイルを有する電磁放射のビームを流体経由で通過させるステップであり、長軸と流れの方向との間の角度が非直角であり、粒子がビームと相互作用し、それによって散乱又は放射された電磁放射を生成する、ステップと、散乱又は放射された電磁放射の少なくとも一部を2次元検出器で検出し、それによって粒子を検出するステップとを含む。いくつかの用途にとって好ましい一実施形態では、散乱又は放射された電磁放射は光学系によって2次元検出器に収集されるか又は導かれる。実施形態によっては、ビーム断面の長軸と流れの方向との間の角度は非平行である。
【0009】
[0009]限定はしないが、レンズ、ミラー、フィルタ、ビームスプリッタ、光ファイバ、光導波路、ウィンドウ、開口、スリット、プリズム、回折格子、偏光器、波長板、結晶、及びこれら光学要素又は他の光学要素の任意の組合せを含む、任意の光学要素が本明細書で説明される方法及びシステムに対して有用となり得る。いくつかの用途にとって好ましい一実施形態では、散乱又は放射された電磁放射は光学系によって2次元検出器上に画像化される。いくつかの実施形態では、粒子カウンタは、粒子からの散乱又は放射された放射を2次元検出器上に適切に画像化するための光学系の自動合焦を適宜含む。
【0010】
[0010]いくつかの用途にとって好ましい一実施形態では、有用な2次元検出器は、複数の検出器要素が散乱又は放射された電磁放射を受け取るように位置決めされた検出器要素のアレイを備える。限定はしないが、光検出器の2次元アレイ、電荷結合素子(CCD)検出器、相補形金属酸化膜半導体(CMOS)検出器、金属酸化膜半導体(MOS)検出器、能動画素センサ、マイクロチャネルプレート検出器、光電子増倍管の2次元アレイ、フォトダイオードの2次元アレイ、フォトトランジスタの2次元アレイ、光抵抗器の2次元アレイ、及び光伝導薄膜を含む、任意の2次元検出器は、粒子を検出又はサイズ分類するシステム及び方法に対して有用となり得る。
【0011】
[0011]いくつかの用途にとって好ましい実施形態では、2次元検出器は、2次元検出器の活性区域の端から端まで散乱又は放射された電磁放射の鮮明に合焦された画像を可能にするように位置決めされた方位を有する。いくつかの用途にとって好ましい一実施形態では、2次元検出器は散乱又は放射された電磁放射の空間的に分離された画像を与えるように位置決めされた方位を有し、散乱又は放射された電磁放射がビームの伝搬軸と平行な第1の方向に及び流れの方向と平行な第2の方向に空間的に分離される。別の実施形態では、2次元検出器の方位により、ビームの伝搬軸と平行な第1の方向に及びビーム断面プロファイルの長軸と平行な第2の方向に、散乱又は放射された電磁放射の空間的に分離された画像が可能になる。
【0012】
[0012]別の態様では、粒子の電磁放射のビームとの相互作用を空間的に分離する方法が提供される。この態様の方法は、流れの方向に流れる流体内に浮遊する粒子を供給するステップと、電磁放射のビームを流体経由で通過させるステップであり、ビームが長軸及び短軸を有する断面プロファイルを有し、長軸と流れの方向との間の角度が非直角であり、粒子がビームと相互作用し、それによって散乱又は放射された電磁放射を生成する、ステップと、散乱又は放射された電磁放射の少なくとも一部を2次元検出器に導き、それによって、散乱又は放射された電磁放射をビームの伝搬軸と平行な第1の方向に及びビーム断面プロファイルの長軸と平行な第2の方向に空間的に分離する、ステップとを含む。実施形態では、散乱又は放射された電磁放射は、2次元検出器に達すると、2次元検出器によって検出され、それによって、散乱又は放射された電磁放射の強度に対応する複数の出力信号を生成する。実施形態によっては、ビーム断面の長軸と流れの方向との間の角度は非平行である。
【0013】
[0013]いくつかの用途にとって好ましい一実施形態では、粒子によって散乱又は放射された電磁放射は、流体を囲むフローセルの壁によって散乱又は放射された電磁放射から空間的に分離される。別の実施形態では、第1の粒子がビームと相互作用することによって散乱又は放射された電磁放射は2次元検出器の第1の位置に画像化され、第1の粒子とは異なる位置を有する、第2の粒子によって生成された散乱又は放射された電磁放射は2次元検出器の第2の位置に画像化される。
【0014】
[0014]この態様のいくつかの実施形態では、この方法は、散乱又は放射された電磁放射に応じて検出器によって供給される信号を分析するステップをさらに含む。一実施形態では、この分析は、時間遅延積分(TDI)、画像閾値分析、画像形状分析、パルス高分析、パルス幅分析、又は粒子を検出するのに有用な他の技法を含む1つ又は複数の技法を含む。
【0015】
[0015]別の態様では、粒子をサイズ分類する方法が提供される。この態様の方法は、フローセルを通って流れの方向に流れる流体内に浮遊する粒子を供給するステップと、電磁放射のビームを流体経由で通過させるステップであり、ビームが長軸及び短軸を有する断面プロファイルを有し、長軸と流れの方向との間の角度が非直角であり、粒子がビームと相互作用し、それによって散乱又は放射された電磁放射を生成する、ステップと、散乱又は放射された電磁放射の少なくとも一部を2次元検出器上に画像化するステップと、散乱又は放射された電磁放射の強度を2次元検出器で決定するステップと、散乱又は放射された電磁放射の強度を1つ又は複数の閾値基準値と比較し、それによって粒子のサイズを決定するステップとを含む。例えば、閾値基準値は、既知のサイズの粒子からの散乱又は放射された電磁放射の強度に対応することができ、粒子から散乱又は放射された電磁放射の強度が2つの閾値基準値間に入る場合、粒子はそれらの閾値基準値に対応する既知の粒子サイズ間にサイズ分類される。
【0016】
[0016]この態様の一実施形態では、閾値基準値はフローセル内の粒子の位置に依存する。別の実施形態では、閾値基準値は流体の流速に依存する。さらなる別の実施形態では、流体の流速はフローセル内の位置に依存することがあり、例えば、フローセルの壁の近くを流れる流体は、フローセルの中心の近くを流れる流体よりも遅い流れとなることがある。別の実施形態では、閾値基準値はビームの強度に依存する。さらなる実施形態では、閾値基準値はビームの強度及びフローセル内の位置の両方に依存する。
【0017】
[0017]いくつかの用途にとって好ましい一実施形態では、この方法はフローセル内の粒子の位置を決定するステップをさらに含むことができる。実施形態によっては、このステップは、散乱又は放射された電磁放射の強度を1つ又は複数の閾値基準値と比較するステップの前に行われることが好ましい。別の実施形態では、フローセル内の粒子の位置を使用して、後続の比較のための1つ又は複数の閾値基準値が決定される。
【0018】
[0018]いかなる理論にも拘束されることを望むことなく、本発明に関連する根本原理の見解又は知識について本明細書で説明される。任意の機械論的説明又は仮説の最終的妥当性にかかわらず、本発明の実施形態はそれにもかかわらず有効で有用となり得ることが認識されよう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】粒子検出システムの一実施形態の概略図である。
【図2A】粒子検出システムの一実施形態の斜視図である。
【図2B】粒子検出システムの一実施形態の斜視図である。
【図3A】粒子検出システムのフローセルを照明する電磁放射のビームの別の斜視図である。
【図3B】図3Aの一領域の拡大図である。
【図3C】図3Aのフローセルの俯瞰図である。
【図3D】流体流れの方向に沿った図3Aのフローセルの図である。
【図3E】図3Aのフローセルの側面図である。
【図4A】粒子検出システムの2次元検出器によって検出された画像を示す図であり、ビーム断面プロファイルの長軸と流れの方向との間の角度が90°である。
【図4B】粒子検出システムの2次元検出器によって検出された画像を示す図であり、ビーム断面プロファイルの長軸と流れの方向との間の角度が45°である。
【図4C】粒子検出システムの2次元検出器によって検出された画像を示す図であり、ビーム断面プロファイルの長軸と流れの方向との間の角度が21°である。
【図5】ビーム断面プロファイルの長軸と流れの方向との間の様々な角度における粒子検出システムによる80nmの粒子の計数効率を例示するデータを示す図である。
【図6】ビーム断面プロファイルの長軸と流れの方向との間の様々な角度における粒子検出システムによる125nmの粒子の計数効率を例示するデータを示す図である。
【図7】ビーム断面プロファイルの長軸と流れの方向との間の様々な角度における80nm及び125nmの粒子の計数効率を集約するデータを示す図である。
【図8】例示的な細管マウントの図である。
【図9】例示的な自動合焦システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[0035]一般に、本明細書で使用される用語及び句は、当業者にとって既知の標準テキスト、雑誌参考文献、及びコンテキストを参照することによって見いだすことができる、当技術分野で認められている意味を有する。以下の定義は本発明のコンテキスト中の特定の使用を明確にするために提供される。
【0021】
[0036]「流れの方向」は、流体が流れている場合に流体の大部分が移動している方向と平行な軸を参照する。直線フローセルを通って流れる流体では、流れの方向は流体の大部分が占める経路と平行である。湾曲フローセルを通って流れる流体では、流れの方向は流体の大部分が占める経路の接線であると見なすことができる。
【0022】
[0037]「ビーム伝搬軸」は、電磁放射のビームの進行の方向と平行な軸を参照する。
【0023】
[0038]「断面プロファイル」は、伝搬又は進行の軸に直角に物体を通って切断する平面によって形成されたプロファイルを参照する。例えば、電磁放射のビームの断面プロファイルは、ビーム伝搬軸に垂直な平面によって形成されるビームのプロファイルである。フローセルの断面プロファイルは、流れの方向に垂直な平面によって形成されるフローセルのプロファイルである。
【0024】
[0039]「長軸」は形状の最長軸と平行な軸を参照する。例えば、楕円の長軸は楕円の最長径と平行であり、長方形の長軸は長方形の長い寸法と平行である。
【0025】
[0040]「短軸」は形状の最短軸と平行な軸を参照する。例えば、楕円の短軸は楕円の最短径と平行であり、長方形の短軸は長方形の短い寸法と平行である。
【0026】
[0041]「光通信」は、光又は電磁放射が構成要素間を移動できるように構成要素が配置されるような構成要素の方位を参照する。
【0027】
[0042]「光軸」は、電磁放射がシステムを通って伝搬する方向を参照する。
【0028】
[0043]「スポットサイズ」は、点又は物体の画像が1つ又は複数のレンズによって合焦されるサイズを参照する。一般に、スポットサイズは平方自乗平均(RMS)スポットサイズを参照する。RMSスポットサイズは、総エネルギーの66%、例えば電磁放射の合焦されたビームの総エネルギーの66%を含むスポットのサイズである。
【0029】
[0044]「2次元検出器」は、検出器の活性区域の端から端まで2次元で入力信号(例えば電磁放射)を空間的に分離できる検出器を参照する。2次元検出器は、画像、例えば、検出器の活性区域の強度パターンに対応する画像を生成することができる。好ましい2次元検出器には、検出器要素又は画素のアレイ、例えば光検出器の2次元アレイ、電荷結合素子(CCD)検出器、相補形金属酸化膜半導体(CMOS)検出器、金属酸化膜半導体(MOS)検出器、能動画素センサ、マイクロチャネルプレート検出器、光電子増倍管の2次元アレイ、フォトダイオードの2次元アレイ、フォトトランジスタの2次元アレイ、光抵抗器の2次元アレイ、又は光伝導薄膜が含まれる。
【0030】
[0045]「粒子」は、多くの場合、汚染物質と見なされる小さい物体を参照する。例えば、2つの表面が機械的接触状態になり、機械的運動がある場合、粒子は摩擦行為によって生成される任意の材料であり得る。粒子は、粉塵、汚物、煙、灰、水、すす、金属、鉱物、又はこれら若しくは他の材料若しくは汚染物質の任意の組合せなどの材料の集合体からなることがある。「粒子」は、さらに、生物学的粒子、例えば、ウィルスと、胞子と、バクテリア、菌類、古細菌、原生生物、他の単細胞微生物、及び具体的には1〜15μmの程度のサイズを有する微生物を含む微生物とを参照することができる。粒子は、光を吸収又は散乱し、それにより光学粒子カウンタによって検出できる任意の小さい物体を参照することができる。本明細書で使用される「粒子」は、搬送流体の個々の原子又は分子、例えば水分子、酸素分子、ヘリウム原子、窒素分子などを除外するように意図される。本発明のいくつかの実施形態では、50nmを超える、100nm、1μm以上、又は10μm以上のサイズを有する材料の集合体を含む粒子を検出、サイズ分類、及び/又は計数することができる。特定の粒子は、50nm〜50μmから選択されたサイズ、100nm〜10μmから選択されたサイズ、又は500nm〜5μmから選択されたサイズを有する粒子を含む。
【0031】
[0046]いくつかの実施形態の粒子検出システムは、流体を収容するためのフローセルを備え、このフローセルを通って流体は所定の流れの方向に流れる。いくつかの用途にとって好ましい一実施形態では、フローセルは透明な壁のある試料セルを含む。有用なフローセルには、液体又はガスを含む流体を移送することができるフローセルが含まれる。流体の流れの方向は、本明細書で説明されるシステム及び方法の追加の構成要素を画定するのに有用な基準軸をさらに提供する。一実施形態では、フローセルは、第1のより長い側及び第2のより短い側を有する断面プロファイルを有する。実施形態によっては、第1のより長い側は、0.25mm〜10mmの範囲から選択された長さ、好ましくは5mmの長さを有する。実施形態によっては、第2のより短い側は、80μm〜500μmの範囲から選択された幅、好ましくは100μmの幅を有する。一実施形態では、フローセルの断面は、20以上又は50以上の、より長い側の長さをより短い側の幅で割り算したものに等しい、アスペクト比を有する。実施形態によっては、フローセルの第1のより長い側は電磁ビーム伝搬軸と平行に位置合わせされ、フローセルの第2のより短い側は電磁ビーム伝搬軸に垂直に位置合わせされる。
【0032】
[0047]いくつかの実施形態の粒子検出システムは、電磁放射のビームを生成するための供給源をさらに含む。好ましい実施形態では、電磁放射のビームは、長軸及び短軸を有する断面プロファイルを有する。そのような断面プロファイルは、供給源自体によって、又はレンズ、ミラー、開口、若しくは他のビーム整形要素を含む1つ又は複数のビーム整形要素と組み合わせて供給源によって生成することができる。ある実施形態では、ビーム断面プロファイルは楕円又は長方形の形状を有する。他の実施形態では、ビーム断面プロファイルは、実質的に楕円又は実質的に長方形である形状を有する。いくつかの用途にとって好ましい一実施形態では、ビーム断面プロファイルは、5μmと100μmとの間から選択された、好ましくは40μmの短軸に沿った幅を有する。いくつかの用途にとって好ましい別の実施形態では、ビーム断面プロファイルは、50μmと1200μmとの間から選択された、好ましくは600μmの長軸に沿った幅を有する。例示的な一実施形態では、ビーム断面プロファイルは、フローセルの壁まで又はそれを超えて延びる長軸に沿った幅を有する。この実施形態及び他の実施形態では、粒子検出システムは流体の容量分析を行うことができる。別の実施形態では、ビーム断面プロファイルは、フローセルの壁に達しない、長軸に沿った幅を有する。この実施形態及び他の実施形態では、粒子検出システムは流体の非容量分析を行うことができる。
【0033】
[0048]好ましい実施形態では、供給源は、ビーム断面プロファイルの長軸と流れの方向との間の角度が非直角となるようにビームをフローセル経由で導くように位置決めされる。いくつかの実施形態では、ビーム断面プロファイルの長軸と流れの方向との間の角度は、5°〜85°の範囲から、又は好ましくは16°〜26°の範囲から、又はより好ましくは20°〜22°の範囲から選択される。しかし、実施形態によっては、ビーム断面プロファイルの長軸は流れの方向に垂直又は平行とすることができる。
【0034】
[0049]別の実施形態の粒子検出システムは、フローセルと光通信して位置決めされた2次元検出器をさらに含む。フローセルと光通信して位置決めされた検出器は、粒子がビームと相互作用することによって散乱又は放射された電磁放射の少なくとも一部を検出するのに有用である。いくつかの用途にとって好ましい一実施形態では、2次元検出器は、複数の検出器要素が散乱又は放射された電磁放射の少なくとも一部を受け取るように位置決めされた検出器要素のアレイを含む。有用な2次元検出器には、限定はしないが、光検出器の2次元アレイ、CCD検出器、CMOS検出器、MOS検出器、能動画素センサ、マイクロチャネルプレート検出器、光電子増倍管の2次元アレイ、フォトダイオードの2次元アレイ、フォトトランジスタの2次元アレイ、光抵抗器の2次元アレイ、及び光伝導薄膜が含まれる。
【0035】
[0050]この態様のいくつかの実施形態は光学系をさらに含むことができる。そのようなシステムの光学要素は、電磁放射のビームを整形するのに、或いは粒子がビームと相互作用することによって散乱又は放射された電磁放射を2次元検出器に収集するか又は導くのに有用である。光学系は1つ又は複数の光学要素を含むことができる。例えば、光学系は2つの非球面レンズを含むことができる。有用な光学要素には、レンズ、ミラー、フィルタ、ビームスプリッタ、光ファイバ、光導波路、ウィンドウ、開口、スリット、プリズム、回折格子、偏光器、波長板、結晶、及びこれら又は他の整形要素、合焦要素、若しくは誘導要素の任意の組合せが含まれる。いくつかの用途にとって好ましい一実施形態では、光学系は、散乱又は放射された放射を2次元検出器上に画像化する。別の実施形態では、散乱又は放射された電磁放射は、5μm〜80μmの範囲から選択されたサイズ、好ましくは12μmのサイズを有する2次元検出器上のスポットに合焦される。
【0036】
[0051]散乱又は放射された電磁放射を収集するか又は導くための光学系は、好ましくは、フローセルと2次元検出器との間に位置決めされる。一実施形態では、2次元検出器は、ビームを2次元検出器に収集するか又は導くための光学系の光軸に非直角に向けられる。この実施形態における非直角は、光学系の光軸に対する、能動要素を含む2次元検出器の平面の位置を参照している。
【0037】
[0052]別の実施形態では、光学系の光軸は、ビーム断面プロファイルの長軸に非直角に向けられる。例示的な一実施形態では、2次元検出器は、2次元検出器の活性区域の端から端まで散乱又は放射された電磁放射の鮮明に合焦された画像を可能にするように位置決めされた方位を有する。別の例示的実施形態では、2次元検出器は散乱又は放射された電磁放射の空間的に分離された画像を与えるように位置決めされた方位を有し、散乱又は放射された電磁放射はビーム伝搬軸と平行な第1の軸に沿って及びビーム断面プロファイルの長軸と平行な第2の軸に沿って空間的に分離される。
【0038】
[0053]次に、図面を参照すると、図1は粒子検出システムの一実施形態の概略図を示す。図で分かるように、供給源100は、ビーム伝搬軸115と平行にフローセル120経由で導かれる電磁放射のビーム110を生成する。この実施形態では、ビーム110はレンズ130によって整形され導かれ、その後フローセル120に入る。フローセル120を通って流れる流体中に浮遊する粒子は、ビーム110と相互作用すると、散乱又は放射された電磁放射160を生成する。光学系170は、光学検出軸175に沿って、散乱又は放射された電磁放射160を収集し、それを2次元検出器180上に合焦する。この実施形態では、光学系170は2つの非球面レンズで構成される。
【0039】
[0054]図2Aは、粒子検出システムの実施形態の斜視図を示す。この実施形態では、供給源200は電磁放射のビーム210を生成し、それはフローセル220経由で導かれる。ビーム210はレンズ230によって整形され導かれ、その後、フローセル220に入る。この実施形態では、ビーム210は、軸205と平行な長軸を有する楕円形状を有する断面プロファイル235及び流れの方向250に垂直な伝搬軸を有するようにレンズ230によって整形される。粒子240は流れの方向250と平行にフローセル220を通って流れる。断面プロファイルの長軸205は流れの方向250に対して角度290を形成する。粒子は、ビーム210によって照明されるフローセル220の領域を通って流れ、ビームと相互作用し、散乱又は放射された電磁放射260を生成する。散乱又は放射された電磁放射260は、光学系270によって光学検出軸275に沿って2次元検出器280に収集され導かれる。この実施形態では、2次元検出器280は光学検出軸275に非直角である。
【0040】
[0055]図2Bは、別の粒子検出システムの実施形態の斜視図を示す。この実施形態では、供給源200は電磁放射のビーム210を生成し、それはフローセル220経由で導かれる。ビーム210はレンズ230によって整形され導かれ、その後、フローセル220に入る。この実施形態では、ビーム210は、軸205と平行な長軸を有する楕円形状を有する断面プロファイル235及び流れの方向250に非直角な伝搬軸を有するようにレンズ230によって整形される。粒子240は流れの方向250と平行にフローセル220を通って流れる。この実施形態では、流れの方向250と断面プロファイルの長軸205とは垂直である。粒子は、ビーム210によって照明されるフローセル220の領域を通って流れ、ビームと相互作用し、散乱又は放射された電磁放射260を生成する。散乱又は放射された電磁放射260は、光学系270によって光学検出軸275に沿って2次元検出器280に収集され導かれる。この実施形態では、2次元検出器280は光学検出軸275に非直角である。
【0041】
[0056]図3Aは、フローセルを照明する電磁放射のビームの別の斜視図を示す。この図において、ビーム310はビーム伝搬軸315と平行に進行している。フローセル320を流れる粒子及び流体は流れの方向350と平行に移動する。図3Bは、フローセル320の領域の拡大図を示す。粒子340は、軌道355に沿って流れの方向350と平行に移動し、領域365でビーム310と相互作用し、その領域で散乱又は放射された電磁放射を生成する。図3C、3D、及び3Eは、フローセル320及びビーム310の様々な図を示す。図3Cは、ビームの伝搬軸に沿って見たフローセル320及びビームの図を示す。ビームの断面プロファイル335がこの図に示されている。この実施形態では、断面プロファイル335は楕円形状を有する。図3Cは、さらに、この図が流れの方向350、光学収集軸375、及びビーム断面プロファイルの長軸305を示すために1組の軸を示している。角度390は、流れの方向350とビーム断面プロファイルの長軸305との間に形成される。様々な実施形態において、角度390は90°とは異なり、すなわち、流れの方向350とビーム断面プロファイルの長軸305とは非直角である。しかし、実施形態によっては、角度390は90°である。図3Dは、流れの方向に沿って見たフローセル320の図を示す。ビーム310は、フローセル320を照明するビーム伝搬軸315に沿って伝搬する。粒子がビーム310と相互作用することによって生成された散乱又は放射された電磁放射は光学収集軸375に沿って収集される。図3Eは、光学収集軸に沿った図を示す。粒子及び流体は流れの方向350にフローセル320を通って流れる。ビーム310は、フローセル320を照明するビーム伝搬軸315に沿って伝搬する。この実施形態では、フローセル320のわずかな部分しかビーム310によって照明されない。照明される領域は図3Eの破線によって示される。しかし、流体はすべてビームを通って流れる。
【0042】
[0057]本発明は、以下の非限定の実施例によってさらに理解することができる。
【0043】
実施例1:粒子検出器画像及び計数効率
[0058]図4A、4B、及び4Cは、流れの方向とビーム断面プロファイルの長軸との間の様々な角度について粒子検出システムの実施形態の2次元検出器によって検出された画像を示す。これらのグレースケール画像は2次元検出器によって観察された強度を表し、黒色は低い強度であり、白色は高い強度である。これらの画像は図3Eと同様のフローセルの図を表す。これらの画像において、画像の最上部の明るい白色スポットは、ビームがフローセルに入るフローセルの壁とビームが相互作用することによって生成された散乱又は放射された電磁放射を表す。画像の最下部の明るい白色スポットは、ビームがフローセルを出るフローセルの壁とビームが相互作用することによって生成された散乱又は放射された電磁放射を表す。これらの画像において、125nmのサイズを有する粒子が、流れの方向350に沿って流体中で移動しており、ビームは軸315に沿って伝搬している。これらの画像中の差込み図は、ビーム伝搬軸に沿ったフローセルの図を示し、フローセル及び流れの方向350に対するビーム断面プロファイルの長軸305の方位を示す。
【0044】
[0059]図4Aにおいて、ビーム断面プロファイルの長軸305は流れの方向350に垂直であり、すなわち、角度390は90°である。画像の中心にある明るい白色スポットはフローセルの壁の汚染の結果である。画像の最上部から画像の最下部に移動するかすかな線は、軸315に沿って伝搬するビームとフローセル中の流体が相互作用するによって散乱された電磁放射を表す。図4Aの画像において、周辺よりも明るいかすかなスポットは単一の粒子の検出を示すことができる(画像中の矢印によって示されている)。明るい白色スポットは、恐らく、ビームと相互作用するフローセルの壁にある汚染の結果である。この方位で、これのような汚染によって散乱又は放射された電磁放射は、粒子が移動することができる流れの領域に沿って位置し、それによりこれらの領域からの粒子の検出を不明瞭にする。角度390が90°とは異なる場合、フローセルの壁の汚染は画像の左側又は右側の方に現れ、そのような大きい領域を不明瞭にしないはずである。
【0045】
[0060]図4Bにおいて、ビーム断面プロファイルの長軸305及び流れの方向350は約45°の角度390を形成する。画像の左側に沿った2つの明るい白色スポットはフローセルの壁の汚染の結果である。以前に述べたように、ビームの断面プロファイルは、今では、45°の角度390であるので、汚染からの散乱又は放射された電磁放射は、もはや流れ領域の主要部分を不明瞭にせず、画像の両側に現れる。画像の最上部から画像の最下部に移動するかすかなグローは、軸315に沿って伝搬するビームとフローセル中の流体が相互作用することによって散乱された電磁放射を表す。図4Bの画像において、周辺よりも明るいいくつかのかすかなスポットは粒子の検出を示すことができる(画像中の矢印によって示された3つの例)。角度390が90°である図4Aの幾何学的構成では、長い矢印によって示された粒子は、恐らく、画像の左側にある最高に明るい汚染スポットにより検出が不明瞭となるであろう。これは、雑音を低減し、検出効率及び感度を向上する際に非直角幾何学的構成の有用な利点を示している。さらに、ビーム断面プロファイルの長軸305が、図4Bのように流れの方向350に非直角である場合、散乱又は放射された放射が2次元検出器上で検出される場所は、フローセル中の散乱又は放射された放射の起点の位置に関連する。例えば、画像の左側の明るい汚染スポットは、差込み図中の要素395によって示されるようにフローセルの一方の側の汚染からのものであるように見え、一方、長い矢印によって示された粒子は、差込み図中の要素340によって示されたフローセルの反対側の近くを移動する粒子からのものであるように見える。
【0046】
[0061]図4Cにおいて、ビーム断面プロファイルの長軸305は約21°の角度390で流れの方向350に位置合わせされる。画像の最上部から画像の最下部に移動するかすかなグローは、軸315に沿って伝搬するビームとフローセル中の流体が相互作用することによって散乱された電磁放射を表す。図4Cの画像において、周辺よりも明るいいくつかのかすかなスポットは粒子の検出を示している(画像中の矢印によって示された5つの例)。フローセルの壁からの散乱又は放射された電磁放射の分離とは別に、ビーム断面プロファイルの長軸305が流れの方向350に非直角である場合、粒子はビームを通って移動する距離がより長く、それにより、より多く光散乱された粒子及びより小さい粒子を検出することができる。
【0047】
[0062]粒子の計数効率を決定するために、80nm及び125nmのサイズを有するポリスチレンラテックス粒子を、粒子検出システムを通して流すことができた。流れの方向とビーム断面プロファイルの長軸との間の角度は、3つの方向に、すなわち、流れの方向とビーム断面プロファイルの長軸との間の21°の角度、流れの方向とビーム断面プロファイルの長軸との間の45°の角度、及び流れの方向とビーム断面プロファイルの長軸との間の90°の角度に変更された。図5は、流れの方向とビーム断面プロファイルの長軸との間の角度の関数として80nmの粒子の計数効率を例示するデータを示す。図5で分かるように、80nmの粒子の計数効率は、角度が21°から45°、さらに90°に増加するにつれて低下している。図6は、125nmの粒子の計数効率を例示する同様のデータを示す。図6で分かるように、125nmの粒子の計数効率は21°及び45°でほぼ100%であるが、90°の角度で80%未満の計数効率にかなり減少している。図7は、80nm及び125nmのポリスチレンラテックス粒子の計数効率を集約している。
【0048】
実施例2:一体化シールをもつ粒子計数法用細管マウント
[0063]液体粒子カウンタを悩ませてきた1つの問題は、フローセルに試料細管を封着するための化学耐性シールがないことである。この問題を解決する一手法は、細管入口との封止を生成するために、反応しにくく実質的に剛性のポリマー、例えば、80 Shore DのKel−fを含むホルダ又はマウントを使用する。ホルダ又はマウントは、ホルダ又はマウントに一体化される細管の開口のまわりに1つ又は複数の同心シールを含む。これにより、潜在的な漏れ経路の数が減らされ、不適切に取り付けられることがある構成要素が除去され、許容範囲の数値が低減され、より均一なシール圧力が保証される。実施形態では、粒子カウンタ又は粒子検出システムはそのような細管マウントを含む。
【0049】
[0064]本発明の画像化ベース粒子カウンタは、例えば、ホルダと一体化する細管開口のまわりに一連の同心シールを生成するように機械加工又は成型によって形成される剛性ポリマー(例えば、80 Shore DのKel−f)を使用する一体化シールを備えた粒子計数用細管マウントを適宜含む。一体化シールを備えた細管マウントを使用するのは、用途によっては、それにより、潜在的な漏れ経路の数が減らされ、不適切に取り付けられることがある構成要素が除去され、許容範囲の数値が低減され、より均一なシール圧力が保証されるので有益である。
【0050】
[0065]図8は、例示的な細管マウント800の斜視図を示す。細管マウント800は、細管との封止を生成するための複数の封止領域801を含む。細管マウント800は、フローセルと、フローセルへのレーザビームの入りと出を可能にするための複数のウィンドウ領域802とをさらに含む。追加のウィンドウ領域803は散乱光を検出器に送出するために含まれる。いくつかの実施形態では、細管マウント800は単一構造体であり、すなわち、1つ又は複数の細管との封止を形成するための単一片の材料を含む。
【0051】
実施例3:非直角粒子検出器の自動合焦
[0066]粒子走行時間、適用区域を最大化し、被写界深度を最小にするために、粒子検出器中のレーザ経路は細管セルに対して傾けられる。一実施形態では、ビーム断面プロファイルの長軸は、細管セル内の流れの方向に非直角に向けられる。別の実施形態では、ビーム伝搬軸は細管セル内の流れの方向に非直角に向けられる。例えば、これらの軸は69°又は21°の相対角度で向けることができる。流れ中の粒子から散乱された又は流れ中の粒子によって放射された放射を収集すること、及び適切な合焦を保証することのために、検出器及び細管は、任意のセンサ画像化光学系、例えば上述のような光学系に対して傾けられる。本発明の画像化ベース粒子カウンタは、粒子スポットサイズ若しくはレーザビーム構造のいずれか又は両方の組合せを使用する自動合焦を適宜含む。
【0052】
[0067]画像化光学系の光軸に沿った検出器の場所は、散乱又は放射された放射の最良の合焦を達成するように移動によって調整することができるが、さらに、移動の範囲の全体にわたって検出器の同じ場所に画像を保持しなければならない。これを達成する方法には、画像化光学系の光軸に対して固定角で検出器を取り付けるステップと、合焦するために画像化軸に沿って検出器を移動するステップとが含まれる。一実施形態では、検出器は、検出器を光軸に沿って移動するために光軸に位置合わせされた直線レールシステムに取り付けられる。特定の実施形態では、ばねを取り付けて、画像化光学系に予圧をかけて傾いた面の一方の側に押し付け、移動ステップモーターの精度を向上させ(例えば5倍以上)、ステップモーターのステップ当たりの直線運動のより小さい増加(例えば2μm以下)を可能にする。一実施形態では、粒子カウンタ又は粒子検出システムは自動合焦システムを含む。
【0053】
[0068]図9は特定の自動合焦システムの実施形態900を示す。細管セルは細管マウント901に取り付けられ、検出器902はブロック903内に収容された画像化光学系に対してある角度で取り付けられる。直線レールシステム904は、ブロック903内に収容された画像化光学系の光軸に沿った検出器902の移動のために、検出器902及びステップモーター905に取り付けられる。
【0054】
実施例3:検出器アレイ処理
[0069]実施形態では、電磁放射は、粒子が粒子検出システムの電磁放射のビームと相互作用することによって散乱又は放射され、2次元検出器に達する散乱又は放射された電磁放射は検出され、それによって、散乱又は放射された電磁放射の強度に対応する複数の出力信号を生成する。これらの出力信号をさらに処理及び/又は分析して、粒子の特性を決定することができる。
【0055】
[0070]いくつかの実施形態では、2次元検出器のすべての要素からの出力信号が記録されるか、又はさらなる分析のためにプロセッサに送出される。しかし、他の実施形態では、2次元検出器の要素のサブアレイ(すなわち一部だけ)からの出力信号が記録されるか、又はさらなる分析のためにプロセッサに送出される。このように、粒子の特性の検出又は感知に使用するために2次元検出器のサブセットを選択することが可能である。特定の実施形態では、サブアレイの出力信号の一部だけが粒子の特性を決定する際に利用される。注目するそのような領域は、例えば、検出された粒子のより良好なサイズ解像度の生成及び/又は検出にかけられる試料容積の増大の防止に有用である。
【0056】
[0071]例えば、2次元検出器全体は、粒子検出システムのフローセル全体を画像化することができる。特定のサブアレイは、フローセルの画像化領域、例えば、電磁放射のビームによって照明されたフローセルの領域の出力信号に対応することができる。別の例として、サブアレイは、電磁放射のビームによって照明されたフローセルの画像化領域の出力信号に対応するが、フローセルの壁を排除することができる。注目する領域は、例えば、電磁放射のビームの中心によって照明されたフローセルの画像化領域及び/又は電磁放射のビームの強度が実質的に均一である場所に対応する出力信号を含むことができる。
【0057】
[参照による援用及び変形に関する説明]
[0072]本出願の全体にわたるすべての参考文献、例えば、発行済み特許若しくは登録特許又は均等物を含む特許文献、特許出願公開、及び非特許文献若しくは他の資料は、あたかも各参照が本出願の開示と少なくとも部分的に矛盾しない範囲で参照により個々に組み込まれる(例えば、部分的に矛盾する参照は、参照の部分的に矛盾する部分を除いて参照により組み込まれる)ように、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。それぞれ2007年12月4日、2007年12月4日、及び2008年10月22日に出願された米国特許仮出願第61/005,336号、第60/992,192号、及び第61/107,397号は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。代理人整理番号No.171−07を有し、2008年12月2日に出願された、発明者のMitchell、Sandberg、Sehler、Williamson、及びRiceによる「Two−Dimensional Optical Imaging Methods and Systems for Particle Detection」という名称の米国非仮出願は参照によりその全体が本明細に組み込まれる。
【0058】
[0073]明細書で述べられたすべての特許及び刊行物は本発明が関係する当業者の技術レベルを示している。本明細書に引用された参考文献は、いくつかの場合それらの出願日の時点での最新技術を示すために参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれ、この情報は、必要であれば、先行技術である特定の実施形態を除外するために(例えば、放棄するために)本明細書で使用することができるものである。例えば、化合物が特許請求される場合、本明細書で開示された参考文献に(特に参照された特許文献に)開示されているいくつかの化合物を含む先行技術で既知の化合物は、特許請求の範囲に含まれるものではないことが理解されるべきである。
【0059】
[0074]置換基の群が本明細書で開示される場合、群のメンバーの任意の異性体及び鏡像異性体を含むそれらの群及びすべての亜群のすべての個別のメンバー、並びに置換基を使用して形成することができる化合物の種類は別々に開示されることが理解されよう。化合物が特許請求される場合、本明細書で開示された参考文献に開示されている化合物を含む当技術分野で既知の化合物は含まれるものではないことが理解されるべきである。マーカッシュ群又は他の群分けが本明細書で使用される場合、群の個々のメンバーのすべて、及び群の可能な組合せ及び部分組合せ(subcombination)のすべては本開示に個別に含まれるものである。
【0060】
[0075]記載又は例示された成分のあらゆる調合物又は組合せは、特に明言されない限り本発明を実施するために使用することができる。当業者が同じ化合物を異なるように命名することができることが知られている場合、化合物の特定の名称は例示的なものである。化合物の特定の異性体又は鏡像異性体が例えば化学式又は化学名で指定されていないような化合物が本明細書で説明されている場合、その説明は個別に又は任意の組合せで記載された化合物の各異性体及び鏡像異性体を含むものである。方法、デバイス要素、出発原料、及び詳細に例示されたもの以外の合成方法は、必要以上の実験に頼ることなく本発明の実行において使用することができることが当業者には理解されよう。任意のそのような方法、デバイス要素、出発原料、及び合成方法の当技術分野で既知の機能的均等物はすべて本発明に含まれるものである。範囲、例えば温度範囲、時間範囲、又は組成範囲が明細書に与えられている場合はいつでも、すべての中間範囲及び部分範囲並びに所与の範囲に含まれるすべての個々の値は本開示に含まれるものである。
【0061】
[0076]本明細書で使用される「含む(comprising)」は、「含む(including)」、「含む(containing)」、又は「によって特徴づけられる(characterized by)」と同義であり、包括的(inclusive)又は非限定的(open−ended)であり、追加要素、記載されなかった要素、又は方法ステップを排除しない。本明細書で使用される「からなる(consisting of)」は請求項の要素に指定されていないいかなる要素、ステップ、又は成分も排除する。本明細書で使用される「本質的に〜からなる(consisting essentially of)」は、請求項の基本的及び新規な特徴に実質的に影響を与えない材料又はステップを排除しない。特に組成物の成分の説明又はデバイスの要素の説明における「含む(comprising)」という用語の本明細書でのいかなる詳述も記載された成分又は要素から本質的になる、及び記載された成分又は要素からなるこれらの組成物及び方法を包含することが理解されよう。本明細書で例示として説明された本発明は、本明細書で詳細には開示されていないいかなる1つ又は複数の要素、1つ又は複数の限定がない状態でも適切に実施することができる。
【0062】
[0077]使用された用語及び表現は制限のためではなく説明のための用語として使用されており、そのような用語及び表現の使用において図示及び説明された特徴又はそれらの一部のいかなる均等物も排除することを意図していないが、本発明の特許請求の範囲内で様々な改変が可能であることが認識されよう。したがって、本発明が好ましい実施形態及び任意選択の特徴によって詳細に開示されたが、本明細書で開示された概念の改変及び変形を当業者は用いることができること、並びにそのような改変及び変形は添付の特許請求の範囲によって規定されるような本発明の範囲内にあると見なされることが理解されるべきである。
【関連出願の相互参照】
【0001】
[0001]本出願は、それぞれ2007年12月4日、2007年12月4日、及び2008年10月22日に出願された米国特許仮出願第61/005,336号、第60/992,192号、及び第61/107,397号の利益を主張するものであり、それらは参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【連邦政府による資金提供を受けた研究開発の記載】
【0002】
[0002]該当せず。
【背景技術】
【0003】
[0003]本発明は光学粒子カウンタの分野に関する。本発明は、一般に、粒子から散乱された又は粒子によって放射された電磁放射を空間的に分離することができる光学粒子カウンタに関する。本発明は、さらに、粒子を検出及びサイズ分類する方法、並びに粒子の電磁放射のビームとの相互作用を空間的に分離する方法に関する。
【0004】
[0004]大部分の微量汚染産業は、米国特許第3,851,169号、第4,348,111号、第4,957,363号、第5,085,500号、第5,121,988号、第5,467,188号、第5,642,193号、第5,864,399号、第5,920,388号、第5,946,092号、及び第7,053,783号を含む多数の米国特許に記載されているような粒子カウンタの使用に依存している。米国特許第4,728,190号、第6,859,277号、及び第7,030,980号、5,282,151も粒子カウンタを開示しており、それらは参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。エアロゾル粒子カウンタは、多くの場合、クリーンルーム及びクリーン区域中の浮遊微粒子汚染を測定するために使用される。液相粒子カウンタは、多くの場合、水処理産業及び化学処理産業において微粒子汚染を測定するために使用される。
【0005】
[0005]粒子によって散乱又は放射された電磁放射を空間的に分離することができる粒子カウンタは、一般に、米国特許第5,282,151号に記載されている粒子検出器などの2次元検出器を使用する。米国特許第7,170,601号及び米国特許出願公開第2006/0001874A1号にも粒子によって散乱又は放射された電磁放射を空間的に分離することができる粒子カウンタが開示されている。これらの光学粒子カウンタは、流体流れの方向と平行な方向の散乱又は放射された電磁放射を収集し、散乱又は放射された電磁放射の発生源を流体流れの方向に垂直な方向に沿って空間的に分離することができる。しかし、これらの粒子カウンタは、散乱又は放射された電磁放射を流体流れの方向と平行な方向に空間的に分離する能力を欠いている。本明細書で説明される粒子検出システムは、粒子によって散乱又は放射された電磁放射を流体流れの方向に平行な方向並びに流体流れの方向に垂直な方向に空間的に分離するのを可能にする幾何学的構成を利用する。
【発明の概要】
【0006】
[0006]粒子の電磁放射のビームとの相互作用を空間的に分離することができる粒子検出システムを本明細書で説明する。特定の電磁ビームの断面形状及び方位を使用して、粒子検出システムの検出感度を改善することができる。低バックグラウンド信号を有し、粒子からの電磁放射の散乱又は放射を空間的に分離するのを可能にする方法で粒子を検出及びサイズ分類する方法を本明細書でさらに説明する。
【0007】
[0007]一実施形態では、粒子検出システムは、流体を収容するためのフローセル(流体室)で、この流体はフローセルを通って所定の流れの方向に流れる、フローセルと、長軸及び短軸を有する断面プロファイルを有する電磁放射のビームを生成するための供給源であり、この供給源がビームをフローセル経由で導くように位置決めされ、ビームの断面プロファイルの主軸と流れの方向との間の角度が非直角であり、流体内に含まれる粒子がビームと相互作用し、それによって散乱又は放射された電磁放射を生成する、供給源と、散乱又は放射された電磁放射の少なくとも一部を受け取るためにフローセルと光通信して位置決めされた2次元検出器とを含む。
【0008】
[0008]これらなどの粒子検出システムは、粒子を検出及び/又はサイズ分類する方法に対して有用である。一実施形態では、この態様の方法は、流れの方向を有する流体中の粒子を供給するステップと、長軸及び短軸を有する断面プロファイルを有する電磁放射のビームを流体経由で通過させるステップであり、長軸と流れの方向との間の角度が非直角であり、粒子がビームと相互作用し、それによって散乱又は放射された電磁放射を生成する、ステップと、散乱又は放射された電磁放射の少なくとも一部を2次元検出器で検出し、それによって粒子を検出するステップとを含む。いくつかの用途にとって好ましい一実施形態では、散乱又は放射された電磁放射は光学系によって2次元検出器に収集されるか又は導かれる。実施形態によっては、ビーム断面の長軸と流れの方向との間の角度は非平行である。
【0009】
[0009]限定はしないが、レンズ、ミラー、フィルタ、ビームスプリッタ、光ファイバ、光導波路、ウィンドウ、開口、スリット、プリズム、回折格子、偏光器、波長板、結晶、及びこれら光学要素又は他の光学要素の任意の組合せを含む、任意の光学要素が本明細書で説明される方法及びシステムに対して有用となり得る。いくつかの用途にとって好ましい一実施形態では、散乱又は放射された電磁放射は光学系によって2次元検出器上に画像化される。いくつかの実施形態では、粒子カウンタは、粒子からの散乱又は放射された放射を2次元検出器上に適切に画像化するための光学系の自動合焦を適宜含む。
【0010】
[0010]いくつかの用途にとって好ましい一実施形態では、有用な2次元検出器は、複数の検出器要素が散乱又は放射された電磁放射を受け取るように位置決めされた検出器要素のアレイを備える。限定はしないが、光検出器の2次元アレイ、電荷結合素子(CCD)検出器、相補形金属酸化膜半導体(CMOS)検出器、金属酸化膜半導体(MOS)検出器、能動画素センサ、マイクロチャネルプレート検出器、光電子増倍管の2次元アレイ、フォトダイオードの2次元アレイ、フォトトランジスタの2次元アレイ、光抵抗器の2次元アレイ、及び光伝導薄膜を含む、任意の2次元検出器は、粒子を検出又はサイズ分類するシステム及び方法に対して有用となり得る。
【0011】
[0011]いくつかの用途にとって好ましい実施形態では、2次元検出器は、2次元検出器の活性区域の端から端まで散乱又は放射された電磁放射の鮮明に合焦された画像を可能にするように位置決めされた方位を有する。いくつかの用途にとって好ましい一実施形態では、2次元検出器は散乱又は放射された電磁放射の空間的に分離された画像を与えるように位置決めされた方位を有し、散乱又は放射された電磁放射がビームの伝搬軸と平行な第1の方向に及び流れの方向と平行な第2の方向に空間的に分離される。別の実施形態では、2次元検出器の方位により、ビームの伝搬軸と平行な第1の方向に及びビーム断面プロファイルの長軸と平行な第2の方向に、散乱又は放射された電磁放射の空間的に分離された画像が可能になる。
【0012】
[0012]別の態様では、粒子の電磁放射のビームとの相互作用を空間的に分離する方法が提供される。この態様の方法は、流れの方向に流れる流体内に浮遊する粒子を供給するステップと、電磁放射のビームを流体経由で通過させるステップであり、ビームが長軸及び短軸を有する断面プロファイルを有し、長軸と流れの方向との間の角度が非直角であり、粒子がビームと相互作用し、それによって散乱又は放射された電磁放射を生成する、ステップと、散乱又は放射された電磁放射の少なくとも一部を2次元検出器に導き、それによって、散乱又は放射された電磁放射をビームの伝搬軸と平行な第1の方向に及びビーム断面プロファイルの長軸と平行な第2の方向に空間的に分離する、ステップとを含む。実施形態では、散乱又は放射された電磁放射は、2次元検出器に達すると、2次元検出器によって検出され、それによって、散乱又は放射された電磁放射の強度に対応する複数の出力信号を生成する。実施形態によっては、ビーム断面の長軸と流れの方向との間の角度は非平行である。
【0013】
[0013]いくつかの用途にとって好ましい一実施形態では、粒子によって散乱又は放射された電磁放射は、流体を囲むフローセルの壁によって散乱又は放射された電磁放射から空間的に分離される。別の実施形態では、第1の粒子がビームと相互作用することによって散乱又は放射された電磁放射は2次元検出器の第1の位置に画像化され、第1の粒子とは異なる位置を有する、第2の粒子によって生成された散乱又は放射された電磁放射は2次元検出器の第2の位置に画像化される。
【0014】
[0014]この態様のいくつかの実施形態では、この方法は、散乱又は放射された電磁放射に応じて検出器によって供給される信号を分析するステップをさらに含む。一実施形態では、この分析は、時間遅延積分(TDI)、画像閾値分析、画像形状分析、パルス高分析、パルス幅分析、又は粒子を検出するのに有用な他の技法を含む1つ又は複数の技法を含む。
【0015】
[0015]別の態様では、粒子をサイズ分類する方法が提供される。この態様の方法は、フローセルを通って流れの方向に流れる流体内に浮遊する粒子を供給するステップと、電磁放射のビームを流体経由で通過させるステップであり、ビームが長軸及び短軸を有する断面プロファイルを有し、長軸と流れの方向との間の角度が非直角であり、粒子がビームと相互作用し、それによって散乱又は放射された電磁放射を生成する、ステップと、散乱又は放射された電磁放射の少なくとも一部を2次元検出器上に画像化するステップと、散乱又は放射された電磁放射の強度を2次元検出器で決定するステップと、散乱又は放射された電磁放射の強度を1つ又は複数の閾値基準値と比較し、それによって粒子のサイズを決定するステップとを含む。例えば、閾値基準値は、既知のサイズの粒子からの散乱又は放射された電磁放射の強度に対応することができ、粒子から散乱又は放射された電磁放射の強度が2つの閾値基準値間に入る場合、粒子はそれらの閾値基準値に対応する既知の粒子サイズ間にサイズ分類される。
【0016】
[0016]この態様の一実施形態では、閾値基準値はフローセル内の粒子の位置に依存する。別の実施形態では、閾値基準値は流体の流速に依存する。さらなる別の実施形態では、流体の流速はフローセル内の位置に依存することがあり、例えば、フローセルの壁の近くを流れる流体は、フローセルの中心の近くを流れる流体よりも遅い流れとなることがある。別の実施形態では、閾値基準値はビームの強度に依存する。さらなる実施形態では、閾値基準値はビームの強度及びフローセル内の位置の両方に依存する。
【0017】
[0017]いくつかの用途にとって好ましい一実施形態では、この方法はフローセル内の粒子の位置を決定するステップをさらに含むことができる。実施形態によっては、このステップは、散乱又は放射された電磁放射の強度を1つ又は複数の閾値基準値と比較するステップの前に行われることが好ましい。別の実施形態では、フローセル内の粒子の位置を使用して、後続の比較のための1つ又は複数の閾値基準値が決定される。
【0018】
[0018]いかなる理論にも拘束されることを望むことなく、本発明に関連する根本原理の見解又は知識について本明細書で説明される。任意の機械論的説明又は仮説の最終的妥当性にかかわらず、本発明の実施形態はそれにもかかわらず有効で有用となり得ることが認識されよう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】粒子検出システムの一実施形態の概略図である。
【図2A】粒子検出システムの一実施形態の斜視図である。
【図2B】粒子検出システムの一実施形態の斜視図である。
【図3A】粒子検出システムのフローセルを照明する電磁放射のビームの別の斜視図である。
【図3B】図3Aの一領域の拡大図である。
【図3C】図3Aのフローセルの俯瞰図である。
【図3D】流体流れの方向に沿った図3Aのフローセルの図である。
【図3E】図3Aのフローセルの側面図である。
【図4A】粒子検出システムの2次元検出器によって検出された画像を示す図であり、ビーム断面プロファイルの長軸と流れの方向との間の角度が90°である。
【図4B】粒子検出システムの2次元検出器によって検出された画像を示す図であり、ビーム断面プロファイルの長軸と流れの方向との間の角度が45°である。
【図4C】粒子検出システムの2次元検出器によって検出された画像を示す図であり、ビーム断面プロファイルの長軸と流れの方向との間の角度が21°である。
【図5】ビーム断面プロファイルの長軸と流れの方向との間の様々な角度における粒子検出システムによる80nmの粒子の計数効率を例示するデータを示す図である。
【図6】ビーム断面プロファイルの長軸と流れの方向との間の様々な角度における粒子検出システムによる125nmの粒子の計数効率を例示するデータを示す図である。
【図7】ビーム断面プロファイルの長軸と流れの方向との間の様々な角度における80nm及び125nmの粒子の計数効率を集約するデータを示す図である。
【図8】例示的な細管マウントの図である。
【図9】例示的な自動合焦システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[0035]一般に、本明細書で使用される用語及び句は、当業者にとって既知の標準テキスト、雑誌参考文献、及びコンテキストを参照することによって見いだすことができる、当技術分野で認められている意味を有する。以下の定義は本発明のコンテキスト中の特定の使用を明確にするために提供される。
【0021】
[0036]「流れの方向」は、流体が流れている場合に流体の大部分が移動している方向と平行な軸を参照する。直線フローセルを通って流れる流体では、流れの方向は流体の大部分が占める経路と平行である。湾曲フローセルを通って流れる流体では、流れの方向は流体の大部分が占める経路の接線であると見なすことができる。
【0022】
[0037]「ビーム伝搬軸」は、電磁放射のビームの進行の方向と平行な軸を参照する。
【0023】
[0038]「断面プロファイル」は、伝搬又は進行の軸に直角に物体を通って切断する平面によって形成されたプロファイルを参照する。例えば、電磁放射のビームの断面プロファイルは、ビーム伝搬軸に垂直な平面によって形成されるビームのプロファイルである。フローセルの断面プロファイルは、流れの方向に垂直な平面によって形成されるフローセルのプロファイルである。
【0024】
[0039]「長軸」は形状の最長軸と平行な軸を参照する。例えば、楕円の長軸は楕円の最長径と平行であり、長方形の長軸は長方形の長い寸法と平行である。
【0025】
[0040]「短軸」は形状の最短軸と平行な軸を参照する。例えば、楕円の短軸は楕円の最短径と平行であり、長方形の短軸は長方形の短い寸法と平行である。
【0026】
[0041]「光通信」は、光又は電磁放射が構成要素間を移動できるように構成要素が配置されるような構成要素の方位を参照する。
【0027】
[0042]「光軸」は、電磁放射がシステムを通って伝搬する方向を参照する。
【0028】
[0043]「スポットサイズ」は、点又は物体の画像が1つ又は複数のレンズによって合焦されるサイズを参照する。一般に、スポットサイズは平方自乗平均(RMS)スポットサイズを参照する。RMSスポットサイズは、総エネルギーの66%、例えば電磁放射の合焦されたビームの総エネルギーの66%を含むスポットのサイズである。
【0029】
[0044]「2次元検出器」は、検出器の活性区域の端から端まで2次元で入力信号(例えば電磁放射)を空間的に分離できる検出器を参照する。2次元検出器は、画像、例えば、検出器の活性区域の強度パターンに対応する画像を生成することができる。好ましい2次元検出器には、検出器要素又は画素のアレイ、例えば光検出器の2次元アレイ、電荷結合素子(CCD)検出器、相補形金属酸化膜半導体(CMOS)検出器、金属酸化膜半導体(MOS)検出器、能動画素センサ、マイクロチャネルプレート検出器、光電子増倍管の2次元アレイ、フォトダイオードの2次元アレイ、フォトトランジスタの2次元アレイ、光抵抗器の2次元アレイ、又は光伝導薄膜が含まれる。
【0030】
[0045]「粒子」は、多くの場合、汚染物質と見なされる小さい物体を参照する。例えば、2つの表面が機械的接触状態になり、機械的運動がある場合、粒子は摩擦行為によって生成される任意の材料であり得る。粒子は、粉塵、汚物、煙、灰、水、すす、金属、鉱物、又はこれら若しくは他の材料若しくは汚染物質の任意の組合せなどの材料の集合体からなることがある。「粒子」は、さらに、生物学的粒子、例えば、ウィルスと、胞子と、バクテリア、菌類、古細菌、原生生物、他の単細胞微生物、及び具体的には1〜15μmの程度のサイズを有する微生物を含む微生物とを参照することができる。粒子は、光を吸収又は散乱し、それにより光学粒子カウンタによって検出できる任意の小さい物体を参照することができる。本明細書で使用される「粒子」は、搬送流体の個々の原子又は分子、例えば水分子、酸素分子、ヘリウム原子、窒素分子などを除外するように意図される。本発明のいくつかの実施形態では、50nmを超える、100nm、1μm以上、又は10μm以上のサイズを有する材料の集合体を含む粒子を検出、サイズ分類、及び/又は計数することができる。特定の粒子は、50nm〜50μmから選択されたサイズ、100nm〜10μmから選択されたサイズ、又は500nm〜5μmから選択されたサイズを有する粒子を含む。
【0031】
[0046]いくつかの実施形態の粒子検出システムは、流体を収容するためのフローセルを備え、このフローセルを通って流体は所定の流れの方向に流れる。いくつかの用途にとって好ましい一実施形態では、フローセルは透明な壁のある試料セルを含む。有用なフローセルには、液体又はガスを含む流体を移送することができるフローセルが含まれる。流体の流れの方向は、本明細書で説明されるシステム及び方法の追加の構成要素を画定するのに有用な基準軸をさらに提供する。一実施形態では、フローセルは、第1のより長い側及び第2のより短い側を有する断面プロファイルを有する。実施形態によっては、第1のより長い側は、0.25mm〜10mmの範囲から選択された長さ、好ましくは5mmの長さを有する。実施形態によっては、第2のより短い側は、80μm〜500μmの範囲から選択された幅、好ましくは100μmの幅を有する。一実施形態では、フローセルの断面は、20以上又は50以上の、より長い側の長さをより短い側の幅で割り算したものに等しい、アスペクト比を有する。実施形態によっては、フローセルの第1のより長い側は電磁ビーム伝搬軸と平行に位置合わせされ、フローセルの第2のより短い側は電磁ビーム伝搬軸に垂直に位置合わせされる。
【0032】
[0047]いくつかの実施形態の粒子検出システムは、電磁放射のビームを生成するための供給源をさらに含む。好ましい実施形態では、電磁放射のビームは、長軸及び短軸を有する断面プロファイルを有する。そのような断面プロファイルは、供給源自体によって、又はレンズ、ミラー、開口、若しくは他のビーム整形要素を含む1つ又は複数のビーム整形要素と組み合わせて供給源によって生成することができる。ある実施形態では、ビーム断面プロファイルは楕円又は長方形の形状を有する。他の実施形態では、ビーム断面プロファイルは、実質的に楕円又は実質的に長方形である形状を有する。いくつかの用途にとって好ましい一実施形態では、ビーム断面プロファイルは、5μmと100μmとの間から選択された、好ましくは40μmの短軸に沿った幅を有する。いくつかの用途にとって好ましい別の実施形態では、ビーム断面プロファイルは、50μmと1200μmとの間から選択された、好ましくは600μmの長軸に沿った幅を有する。例示的な一実施形態では、ビーム断面プロファイルは、フローセルの壁まで又はそれを超えて延びる長軸に沿った幅を有する。この実施形態及び他の実施形態では、粒子検出システムは流体の容量分析を行うことができる。別の実施形態では、ビーム断面プロファイルは、フローセルの壁に達しない、長軸に沿った幅を有する。この実施形態及び他の実施形態では、粒子検出システムは流体の非容量分析を行うことができる。
【0033】
[0048]好ましい実施形態では、供給源は、ビーム断面プロファイルの長軸と流れの方向との間の角度が非直角となるようにビームをフローセル経由で導くように位置決めされる。いくつかの実施形態では、ビーム断面プロファイルの長軸と流れの方向との間の角度は、5°〜85°の範囲から、又は好ましくは16°〜26°の範囲から、又はより好ましくは20°〜22°の範囲から選択される。しかし、実施形態によっては、ビーム断面プロファイルの長軸は流れの方向に垂直又は平行とすることができる。
【0034】
[0049]別の実施形態の粒子検出システムは、フローセルと光通信して位置決めされた2次元検出器をさらに含む。フローセルと光通信して位置決めされた検出器は、粒子がビームと相互作用することによって散乱又は放射された電磁放射の少なくとも一部を検出するのに有用である。いくつかの用途にとって好ましい一実施形態では、2次元検出器は、複数の検出器要素が散乱又は放射された電磁放射の少なくとも一部を受け取るように位置決めされた検出器要素のアレイを含む。有用な2次元検出器には、限定はしないが、光検出器の2次元アレイ、CCD検出器、CMOS検出器、MOS検出器、能動画素センサ、マイクロチャネルプレート検出器、光電子増倍管の2次元アレイ、フォトダイオードの2次元アレイ、フォトトランジスタの2次元アレイ、光抵抗器の2次元アレイ、及び光伝導薄膜が含まれる。
【0035】
[0050]この態様のいくつかの実施形態は光学系をさらに含むことができる。そのようなシステムの光学要素は、電磁放射のビームを整形するのに、或いは粒子がビームと相互作用することによって散乱又は放射された電磁放射を2次元検出器に収集するか又は導くのに有用である。光学系は1つ又は複数の光学要素を含むことができる。例えば、光学系は2つの非球面レンズを含むことができる。有用な光学要素には、レンズ、ミラー、フィルタ、ビームスプリッタ、光ファイバ、光導波路、ウィンドウ、開口、スリット、プリズム、回折格子、偏光器、波長板、結晶、及びこれら又は他の整形要素、合焦要素、若しくは誘導要素の任意の組合せが含まれる。いくつかの用途にとって好ましい一実施形態では、光学系は、散乱又は放射された放射を2次元検出器上に画像化する。別の実施形態では、散乱又は放射された電磁放射は、5μm〜80μmの範囲から選択されたサイズ、好ましくは12μmのサイズを有する2次元検出器上のスポットに合焦される。
【0036】
[0051]散乱又は放射された電磁放射を収集するか又は導くための光学系は、好ましくは、フローセルと2次元検出器との間に位置決めされる。一実施形態では、2次元検出器は、ビームを2次元検出器に収集するか又は導くための光学系の光軸に非直角に向けられる。この実施形態における非直角は、光学系の光軸に対する、能動要素を含む2次元検出器の平面の位置を参照している。
【0037】
[0052]別の実施形態では、光学系の光軸は、ビーム断面プロファイルの長軸に非直角に向けられる。例示的な一実施形態では、2次元検出器は、2次元検出器の活性区域の端から端まで散乱又は放射された電磁放射の鮮明に合焦された画像を可能にするように位置決めされた方位を有する。別の例示的実施形態では、2次元検出器は散乱又は放射された電磁放射の空間的に分離された画像を与えるように位置決めされた方位を有し、散乱又は放射された電磁放射はビーム伝搬軸と平行な第1の軸に沿って及びビーム断面プロファイルの長軸と平行な第2の軸に沿って空間的に分離される。
【0038】
[0053]次に、図面を参照すると、図1は粒子検出システムの一実施形態の概略図を示す。図で分かるように、供給源100は、ビーム伝搬軸115と平行にフローセル120経由で導かれる電磁放射のビーム110を生成する。この実施形態では、ビーム110はレンズ130によって整形され導かれ、その後フローセル120に入る。フローセル120を通って流れる流体中に浮遊する粒子は、ビーム110と相互作用すると、散乱又は放射された電磁放射160を生成する。光学系170は、光学検出軸175に沿って、散乱又は放射された電磁放射160を収集し、それを2次元検出器180上に合焦する。この実施形態では、光学系170は2つの非球面レンズで構成される。
【0039】
[0054]図2Aは、粒子検出システムの実施形態の斜視図を示す。この実施形態では、供給源200は電磁放射のビーム210を生成し、それはフローセル220経由で導かれる。ビーム210はレンズ230によって整形され導かれ、その後、フローセル220に入る。この実施形態では、ビーム210は、軸205と平行な長軸を有する楕円形状を有する断面プロファイル235及び流れの方向250に垂直な伝搬軸を有するようにレンズ230によって整形される。粒子240は流れの方向250と平行にフローセル220を通って流れる。断面プロファイルの長軸205は流れの方向250に対して角度290を形成する。粒子は、ビーム210によって照明されるフローセル220の領域を通って流れ、ビームと相互作用し、散乱又は放射された電磁放射260を生成する。散乱又は放射された電磁放射260は、光学系270によって光学検出軸275に沿って2次元検出器280に収集され導かれる。この実施形態では、2次元検出器280は光学検出軸275に非直角である。
【0040】
[0055]図2Bは、別の粒子検出システムの実施形態の斜視図を示す。この実施形態では、供給源200は電磁放射のビーム210を生成し、それはフローセル220経由で導かれる。ビーム210はレンズ230によって整形され導かれ、その後、フローセル220に入る。この実施形態では、ビーム210は、軸205と平行な長軸を有する楕円形状を有する断面プロファイル235及び流れの方向250に非直角な伝搬軸を有するようにレンズ230によって整形される。粒子240は流れの方向250と平行にフローセル220を通って流れる。この実施形態では、流れの方向250と断面プロファイルの長軸205とは垂直である。粒子は、ビーム210によって照明されるフローセル220の領域を通って流れ、ビームと相互作用し、散乱又は放射された電磁放射260を生成する。散乱又は放射された電磁放射260は、光学系270によって光学検出軸275に沿って2次元検出器280に収集され導かれる。この実施形態では、2次元検出器280は光学検出軸275に非直角である。
【0041】
[0056]図3Aは、フローセルを照明する電磁放射のビームの別の斜視図を示す。この図において、ビーム310はビーム伝搬軸315と平行に進行している。フローセル320を流れる粒子及び流体は流れの方向350と平行に移動する。図3Bは、フローセル320の領域の拡大図を示す。粒子340は、軌道355に沿って流れの方向350と平行に移動し、領域365でビーム310と相互作用し、その領域で散乱又は放射された電磁放射を生成する。図3C、3D、及び3Eは、フローセル320及びビーム310の様々な図を示す。図3Cは、ビームの伝搬軸に沿って見たフローセル320及びビームの図を示す。ビームの断面プロファイル335がこの図に示されている。この実施形態では、断面プロファイル335は楕円形状を有する。図3Cは、さらに、この図が流れの方向350、光学収集軸375、及びビーム断面プロファイルの長軸305を示すために1組の軸を示している。角度390は、流れの方向350とビーム断面プロファイルの長軸305との間に形成される。様々な実施形態において、角度390は90°とは異なり、すなわち、流れの方向350とビーム断面プロファイルの長軸305とは非直角である。しかし、実施形態によっては、角度390は90°である。図3Dは、流れの方向に沿って見たフローセル320の図を示す。ビーム310は、フローセル320を照明するビーム伝搬軸315に沿って伝搬する。粒子がビーム310と相互作用することによって生成された散乱又は放射された電磁放射は光学収集軸375に沿って収集される。図3Eは、光学収集軸に沿った図を示す。粒子及び流体は流れの方向350にフローセル320を通って流れる。ビーム310は、フローセル320を照明するビーム伝搬軸315に沿って伝搬する。この実施形態では、フローセル320のわずかな部分しかビーム310によって照明されない。照明される領域は図3Eの破線によって示される。しかし、流体はすべてビームを通って流れる。
【0042】
[0057]本発明は、以下の非限定の実施例によってさらに理解することができる。
【0043】
実施例1:粒子検出器画像及び計数効率
[0058]図4A、4B、及び4Cは、流れの方向とビーム断面プロファイルの長軸との間の様々な角度について粒子検出システムの実施形態の2次元検出器によって検出された画像を示す。これらのグレースケール画像は2次元検出器によって観察された強度を表し、黒色は低い強度であり、白色は高い強度である。これらの画像は図3Eと同様のフローセルの図を表す。これらの画像において、画像の最上部の明るい白色スポットは、ビームがフローセルに入るフローセルの壁とビームが相互作用することによって生成された散乱又は放射された電磁放射を表す。画像の最下部の明るい白色スポットは、ビームがフローセルを出るフローセルの壁とビームが相互作用することによって生成された散乱又は放射された電磁放射を表す。これらの画像において、125nmのサイズを有する粒子が、流れの方向350に沿って流体中で移動しており、ビームは軸315に沿って伝搬している。これらの画像中の差込み図は、ビーム伝搬軸に沿ったフローセルの図を示し、フローセル及び流れの方向350に対するビーム断面プロファイルの長軸305の方位を示す。
【0044】
[0059]図4Aにおいて、ビーム断面プロファイルの長軸305は流れの方向350に垂直であり、すなわち、角度390は90°である。画像の中心にある明るい白色スポットはフローセルの壁の汚染の結果である。画像の最上部から画像の最下部に移動するかすかな線は、軸315に沿って伝搬するビームとフローセル中の流体が相互作用するによって散乱された電磁放射を表す。図4Aの画像において、周辺よりも明るいかすかなスポットは単一の粒子の検出を示すことができる(画像中の矢印によって示されている)。明るい白色スポットは、恐らく、ビームと相互作用するフローセルの壁にある汚染の結果である。この方位で、これのような汚染によって散乱又は放射された電磁放射は、粒子が移動することができる流れの領域に沿って位置し、それによりこれらの領域からの粒子の検出を不明瞭にする。角度390が90°とは異なる場合、フローセルの壁の汚染は画像の左側又は右側の方に現れ、そのような大きい領域を不明瞭にしないはずである。
【0045】
[0060]図4Bにおいて、ビーム断面プロファイルの長軸305及び流れの方向350は約45°の角度390を形成する。画像の左側に沿った2つの明るい白色スポットはフローセルの壁の汚染の結果である。以前に述べたように、ビームの断面プロファイルは、今では、45°の角度390であるので、汚染からの散乱又は放射された電磁放射は、もはや流れ領域の主要部分を不明瞭にせず、画像の両側に現れる。画像の最上部から画像の最下部に移動するかすかなグローは、軸315に沿って伝搬するビームとフローセル中の流体が相互作用することによって散乱された電磁放射を表す。図4Bの画像において、周辺よりも明るいいくつかのかすかなスポットは粒子の検出を示すことができる(画像中の矢印によって示された3つの例)。角度390が90°である図4Aの幾何学的構成では、長い矢印によって示された粒子は、恐らく、画像の左側にある最高に明るい汚染スポットにより検出が不明瞭となるであろう。これは、雑音を低減し、検出効率及び感度を向上する際に非直角幾何学的構成の有用な利点を示している。さらに、ビーム断面プロファイルの長軸305が、図4Bのように流れの方向350に非直角である場合、散乱又は放射された放射が2次元検出器上で検出される場所は、フローセル中の散乱又は放射された放射の起点の位置に関連する。例えば、画像の左側の明るい汚染スポットは、差込み図中の要素395によって示されるようにフローセルの一方の側の汚染からのものであるように見え、一方、長い矢印によって示された粒子は、差込み図中の要素340によって示されたフローセルの反対側の近くを移動する粒子からのものであるように見える。
【0046】
[0061]図4Cにおいて、ビーム断面プロファイルの長軸305は約21°の角度390で流れの方向350に位置合わせされる。画像の最上部から画像の最下部に移動するかすかなグローは、軸315に沿って伝搬するビームとフローセル中の流体が相互作用することによって散乱された電磁放射を表す。図4Cの画像において、周辺よりも明るいいくつかのかすかなスポットは粒子の検出を示している(画像中の矢印によって示された5つの例)。フローセルの壁からの散乱又は放射された電磁放射の分離とは別に、ビーム断面プロファイルの長軸305が流れの方向350に非直角である場合、粒子はビームを通って移動する距離がより長く、それにより、より多く光散乱された粒子及びより小さい粒子を検出することができる。
【0047】
[0062]粒子の計数効率を決定するために、80nm及び125nmのサイズを有するポリスチレンラテックス粒子を、粒子検出システムを通して流すことができた。流れの方向とビーム断面プロファイルの長軸との間の角度は、3つの方向に、すなわち、流れの方向とビーム断面プロファイルの長軸との間の21°の角度、流れの方向とビーム断面プロファイルの長軸との間の45°の角度、及び流れの方向とビーム断面プロファイルの長軸との間の90°の角度に変更された。図5は、流れの方向とビーム断面プロファイルの長軸との間の角度の関数として80nmの粒子の計数効率を例示するデータを示す。図5で分かるように、80nmの粒子の計数効率は、角度が21°から45°、さらに90°に増加するにつれて低下している。図6は、125nmの粒子の計数効率を例示する同様のデータを示す。図6で分かるように、125nmの粒子の計数効率は21°及び45°でほぼ100%であるが、90°の角度で80%未満の計数効率にかなり減少している。図7は、80nm及び125nmのポリスチレンラテックス粒子の計数効率を集約している。
【0048】
実施例2:一体化シールをもつ粒子計数法用細管マウント
[0063]液体粒子カウンタを悩ませてきた1つの問題は、フローセルに試料細管を封着するための化学耐性シールがないことである。この問題を解決する一手法は、細管入口との封止を生成するために、反応しにくく実質的に剛性のポリマー、例えば、80 Shore DのKel−fを含むホルダ又はマウントを使用する。ホルダ又はマウントは、ホルダ又はマウントに一体化される細管の開口のまわりに1つ又は複数の同心シールを含む。これにより、潜在的な漏れ経路の数が減らされ、不適切に取り付けられることがある構成要素が除去され、許容範囲の数値が低減され、より均一なシール圧力が保証される。実施形態では、粒子カウンタ又は粒子検出システムはそのような細管マウントを含む。
【0049】
[0064]本発明の画像化ベース粒子カウンタは、例えば、ホルダと一体化する細管開口のまわりに一連の同心シールを生成するように機械加工又は成型によって形成される剛性ポリマー(例えば、80 Shore DのKel−f)を使用する一体化シールを備えた粒子計数用細管マウントを適宜含む。一体化シールを備えた細管マウントを使用するのは、用途によっては、それにより、潜在的な漏れ経路の数が減らされ、不適切に取り付けられることがある構成要素が除去され、許容範囲の数値が低減され、より均一なシール圧力が保証されるので有益である。
【0050】
[0065]図8は、例示的な細管マウント800の斜視図を示す。細管マウント800は、細管との封止を生成するための複数の封止領域801を含む。細管マウント800は、フローセルと、フローセルへのレーザビームの入りと出を可能にするための複数のウィンドウ領域802とをさらに含む。追加のウィンドウ領域803は散乱光を検出器に送出するために含まれる。いくつかの実施形態では、細管マウント800は単一構造体であり、すなわち、1つ又は複数の細管との封止を形成するための単一片の材料を含む。
【0051】
実施例3:非直角粒子検出器の自動合焦
[0066]粒子走行時間、適用区域を最大化し、被写界深度を最小にするために、粒子検出器中のレーザ経路は細管セルに対して傾けられる。一実施形態では、ビーム断面プロファイルの長軸は、細管セル内の流れの方向に非直角に向けられる。別の実施形態では、ビーム伝搬軸は細管セル内の流れの方向に非直角に向けられる。例えば、これらの軸は69°又は21°の相対角度で向けることができる。流れ中の粒子から散乱された又は流れ中の粒子によって放射された放射を収集すること、及び適切な合焦を保証することのために、検出器及び細管は、任意のセンサ画像化光学系、例えば上述のような光学系に対して傾けられる。本発明の画像化ベース粒子カウンタは、粒子スポットサイズ若しくはレーザビーム構造のいずれか又は両方の組合せを使用する自動合焦を適宜含む。
【0052】
[0067]画像化光学系の光軸に沿った検出器の場所は、散乱又は放射された放射の最良の合焦を達成するように移動によって調整することができるが、さらに、移動の範囲の全体にわたって検出器の同じ場所に画像を保持しなければならない。これを達成する方法には、画像化光学系の光軸に対して固定角で検出器を取り付けるステップと、合焦するために画像化軸に沿って検出器を移動するステップとが含まれる。一実施形態では、検出器は、検出器を光軸に沿って移動するために光軸に位置合わせされた直線レールシステムに取り付けられる。特定の実施形態では、ばねを取り付けて、画像化光学系に予圧をかけて傾いた面の一方の側に押し付け、移動ステップモーターの精度を向上させ(例えば5倍以上)、ステップモーターのステップ当たりの直線運動のより小さい増加(例えば2μm以下)を可能にする。一実施形態では、粒子カウンタ又は粒子検出システムは自動合焦システムを含む。
【0053】
[0068]図9は特定の自動合焦システムの実施形態900を示す。細管セルは細管マウント901に取り付けられ、検出器902はブロック903内に収容された画像化光学系に対してある角度で取り付けられる。直線レールシステム904は、ブロック903内に収容された画像化光学系の光軸に沿った検出器902の移動のために、検出器902及びステップモーター905に取り付けられる。
【0054】
実施例3:検出器アレイ処理
[0069]実施形態では、電磁放射は、粒子が粒子検出システムの電磁放射のビームと相互作用することによって散乱又は放射され、2次元検出器に達する散乱又は放射された電磁放射は検出され、それによって、散乱又は放射された電磁放射の強度に対応する複数の出力信号を生成する。これらの出力信号をさらに処理及び/又は分析して、粒子の特性を決定することができる。
【0055】
[0070]いくつかの実施形態では、2次元検出器のすべての要素からの出力信号が記録されるか、又はさらなる分析のためにプロセッサに送出される。しかし、他の実施形態では、2次元検出器の要素のサブアレイ(すなわち一部だけ)からの出力信号が記録されるか、又はさらなる分析のためにプロセッサに送出される。このように、粒子の特性の検出又は感知に使用するために2次元検出器のサブセットを選択することが可能である。特定の実施形態では、サブアレイの出力信号の一部だけが粒子の特性を決定する際に利用される。注目するそのような領域は、例えば、検出された粒子のより良好なサイズ解像度の生成及び/又は検出にかけられる試料容積の増大の防止に有用である。
【0056】
[0071]例えば、2次元検出器全体は、粒子検出システムのフローセル全体を画像化することができる。特定のサブアレイは、フローセルの画像化領域、例えば、電磁放射のビームによって照明されたフローセルの領域の出力信号に対応することができる。別の例として、サブアレイは、電磁放射のビームによって照明されたフローセルの画像化領域の出力信号に対応するが、フローセルの壁を排除することができる。注目する領域は、例えば、電磁放射のビームの中心によって照明されたフローセルの画像化領域及び/又は電磁放射のビームの強度が実質的に均一である場所に対応する出力信号を含むことができる。
【0057】
[参照による援用及び変形に関する説明]
[0072]本出願の全体にわたるすべての参考文献、例えば、発行済み特許若しくは登録特許又は均等物を含む特許文献、特許出願公開、及び非特許文献若しくは他の資料は、あたかも各参照が本出願の開示と少なくとも部分的に矛盾しない範囲で参照により個々に組み込まれる(例えば、部分的に矛盾する参照は、参照の部分的に矛盾する部分を除いて参照により組み込まれる)ように、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。それぞれ2007年12月4日、2007年12月4日、及び2008年10月22日に出願された米国特許仮出願第61/005,336号、第60/992,192号、及び第61/107,397号は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。代理人整理番号No.171−07を有し、2008年12月2日に出願された、発明者のMitchell、Sandberg、Sehler、Williamson、及びRiceによる「Two−Dimensional Optical Imaging Methods and Systems for Particle Detection」という名称の米国非仮出願は参照によりその全体が本明細に組み込まれる。
【0058】
[0073]明細書で述べられたすべての特許及び刊行物は本発明が関係する当業者の技術レベルを示している。本明細書に引用された参考文献は、いくつかの場合それらの出願日の時点での最新技術を示すために参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれ、この情報は、必要であれば、先行技術である特定の実施形態を除外するために(例えば、放棄するために)本明細書で使用することができるものである。例えば、化合物が特許請求される場合、本明細書で開示された参考文献に(特に参照された特許文献に)開示されているいくつかの化合物を含む先行技術で既知の化合物は、特許請求の範囲に含まれるものではないことが理解されるべきである。
【0059】
[0074]置換基の群が本明細書で開示される場合、群のメンバーの任意の異性体及び鏡像異性体を含むそれらの群及びすべての亜群のすべての個別のメンバー、並びに置換基を使用して形成することができる化合物の種類は別々に開示されることが理解されよう。化合物が特許請求される場合、本明細書で開示された参考文献に開示されている化合物を含む当技術分野で既知の化合物は含まれるものではないことが理解されるべきである。マーカッシュ群又は他の群分けが本明細書で使用される場合、群の個々のメンバーのすべて、及び群の可能な組合せ及び部分組合せ(subcombination)のすべては本開示に個別に含まれるものである。
【0060】
[0075]記載又は例示された成分のあらゆる調合物又は組合せは、特に明言されない限り本発明を実施するために使用することができる。当業者が同じ化合物を異なるように命名することができることが知られている場合、化合物の特定の名称は例示的なものである。化合物の特定の異性体又は鏡像異性体が例えば化学式又は化学名で指定されていないような化合物が本明細書で説明されている場合、その説明は個別に又は任意の組合せで記載された化合物の各異性体及び鏡像異性体を含むものである。方法、デバイス要素、出発原料、及び詳細に例示されたもの以外の合成方法は、必要以上の実験に頼ることなく本発明の実行において使用することができることが当業者には理解されよう。任意のそのような方法、デバイス要素、出発原料、及び合成方法の当技術分野で既知の機能的均等物はすべて本発明に含まれるものである。範囲、例えば温度範囲、時間範囲、又は組成範囲が明細書に与えられている場合はいつでも、すべての中間範囲及び部分範囲並びに所与の範囲に含まれるすべての個々の値は本開示に含まれるものである。
【0061】
[0076]本明細書で使用される「含む(comprising)」は、「含む(including)」、「含む(containing)」、又は「によって特徴づけられる(characterized by)」と同義であり、包括的(inclusive)又は非限定的(open−ended)であり、追加要素、記載されなかった要素、又は方法ステップを排除しない。本明細書で使用される「からなる(consisting of)」は請求項の要素に指定されていないいかなる要素、ステップ、又は成分も排除する。本明細書で使用される「本質的に〜からなる(consisting essentially of)」は、請求項の基本的及び新規な特徴に実質的に影響を与えない材料又はステップを排除しない。特に組成物の成分の説明又はデバイスの要素の説明における「含む(comprising)」という用語の本明細書でのいかなる詳述も記載された成分又は要素から本質的になる、及び記載された成分又は要素からなるこれらの組成物及び方法を包含することが理解されよう。本明細書で例示として説明された本発明は、本明細書で詳細には開示されていないいかなる1つ又は複数の要素、1つ又は複数の限定がない状態でも適切に実施することができる。
【0062】
[0077]使用された用語及び表現は制限のためではなく説明のための用語として使用されており、そのような用語及び表現の使用において図示及び説明された特徴又はそれらの一部のいかなる均等物も排除することを意図していないが、本発明の特許請求の範囲内で様々な改変が可能であることが認識されよう。したがって、本発明が好ましい実施形態及び任意選択の特徴によって詳細に開示されたが、本明細書で開示された概念の改変及び変形を当業者は用いることができること、並びにそのような改変及び変形は添付の特許請求の範囲によって規定されるような本発明の範囲内にあると見なされることが理解されるべきである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を収容するフローセルであり、流体は該フローセルを通って所定の流れの方向に流れる、フローセルと、
長軸及び短軸を有する断面プロファイルを有する電磁放射のビームを生成するための供給源であり、前記供給源が前記ビームを前記フローセル経由で導くように位置決めされ、前記流体内に含まれる粒子が前記ビームと相互作用し、それによって散乱又は放射された電磁放射を生成する、供給源と、
前記散乱又は放射された電磁放射の少なくとも一部を受け取るように前記フローセルと光通信して位置決めされた2次元検出器であり、前記2次元検出器が前記光軸に非直角に位置決めされる、2次元検出器と
を備える粒子検出システム。
【請求項2】
前記散乱又は放射された電磁放射を収集し、該電磁放射を前記2次元検出器に導くための光学系をさらに備え、前記光学系が前記長軸に非直角に位置決めされた光軸を有する、請求項1に記載の粒子検出システム。
【請求項3】
前記長軸と前記流れの方向との間の角度が非直角である、請求項1に記載の粒子検出システム。
【請求項4】
前記2次元検出器は、複数の前記検出器要素が前記散乱又は放射された電磁放射を受け取るように位置決めされた検出器要素のアレイを備える、請求項1に記載の粒子検出システム。
【請求項5】
前記角度が5°〜85°の範囲から選択される、請求項3に記載の粒子検出システム。
【請求項6】
前記断面プロファイルが、楕円又は長方形である形状を有する、請求項1に記載の粒子検出システム。
【請求項7】
前記断面プロファイルが、5μmと100μmとの間から選択された、前記短軸に沿った幅を有する、請求項1に記載の粒子検出システム。
【請求項8】
前記断面プロファイルが、50μmと1200μmとの間から選択された、前記長軸に沿った幅を有する、請求項1に記載の粒子検出システム。
【請求項9】
前記断面プロファイルが、前記フローセルの縁部まで、又はその縁部を超えて延びる、前記長軸に沿った幅を有する、請求項1に記載の粒子検出システム。
【請求項10】
前記フローセルが、前記ビームの伝搬軸に平行な第1のより長い側と、前記ビームの前記伝搬軸に垂直な第2のより短い側とを有する断面プロファイルを有する、請求項1に記載の粒子検出システム。
【請求項11】
前記第1のより長い側が0.25mm〜10mmから選択された幅を有する、請求項10に記載の粒子検出システム。
【請求項12】
前記第2のより短い側が80μm〜500μmから選択された幅を有する、請求項10に記載の粒子検出システム。
【請求項13】
前記フローセルのアスペクト比が20以上である、請求項10に記載の粒子検出システム。
【請求項14】
前記ビームの伝搬軸が前記流れの方向に垂直である、請求項1に記載の粒子検出システム。
【請求項15】
前記ビームの伝搬軸が前記流れの方向に非直角である、請求項1に記載の粒子検出システム。
【請求項16】
前記光学系が前記散乱又は放射された放射を前記2次元検出器上に画像化する、請求項2に記載の粒子検出システム。
【請求項17】
前記2次元検出器が前記光学系の光軸に非直角である、請求項2に記載の粒子検出システム。
【請求項18】
前記散乱又は放射された電磁放射が、前記光学系によって、5μm〜80μmの間から選択されたサイズを有する2次元検出器上のスポットに合焦される、請求項2に記載の粒子検出システム。
【請求項19】
前記2次元検出器が、前記2次元検出器の活性区域の端から端まで前記散乱又は放射された電磁放射の鮮明に合焦された画像を可能にするように位置決めされた方位を有する、請求項2に記載の粒子検出システム。
【請求項20】
前記2次元検出器が前記散乱又は放射された電磁放射の空間的に分離された画像を与えるように位置決めされた方位を有し、前記散乱又は放射された電磁放射が前記ビームの伝搬軸と平行な第1の軸及び前記ビームの前記断面プロファイルの前記長軸と平行な第2の軸に沿って空間的に分離される、請求項1に記載の粒子検出システム。
【請求項21】
前記2次元検出器が時間遅延積分を行うことができる、請求項1に記載の粒子検出システム。
【請求項22】
前記流れの方向が前記ビームの伝搬軸に垂直である、請求項1に記載の粒子検出システム。
【請求項23】
粒子を検出する方法であって、
所定の流れの方向を有する流体中の粒子を供給するステップと、
長軸及び短軸を有する断面プロファイルを有する電磁放射のビームを前記流体経由で通過させるステップであり、前記長軸と前記流れの方向との間の角度が非直角であり、前記粒子が前記ビームと相互作用し、それによって散乱又は放射された電磁放射を生成する、ステップと、
前記散乱又は放射された電磁放射の少なくとも一部を2次元検出器で検出し、それによって前記粒子を検出するステップと
を含む方法。
【請求項24】
前記散乱又は放射された電磁放射が光学系によって前記2次元検出器上に収集されるか又は導かれる、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記光学系が前記散乱又は放射された放射を前記2次元検出器上に画像化する、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記2次元検出器は、複数の検出器要素が前記散乱又は放射された電磁放射を受け取るように位置決めされた検出器要素のアレイを備える、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記角度が5°〜85°の範囲から選択される、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
前記2次元検出器が、前記2次元検出器の活性区域の端から端まで前記散乱又は放射された電磁放射の鮮明に合焦された画像を可能にするように位置決めされた方位を有する、請求項23に記載の方法。
【請求項29】
前記2次元検出器が前記散乱又は放射された電磁放射の空間的に分離された画像を与えるように位置決めされた方位を有し、前記散乱又は放射された電磁放射が前記ビームの伝搬軸と平行な第1の方向に及び前記ビームの前記断面プロファイルの前記長軸と平行な第2の方向に空間的に分離される、請求項23に記載の方法。
【請求項30】
粒子の電磁放射のビームとの相互作用を空間的に分離する方法であって、
流れの方向に流れる流体内に浮遊する粒子を供給するステップと、
電磁放射のビームを前記流体経由で通過させるステップであり、前記ビームが長軸及び短軸を有する断面プロファイルを有し、前記長軸と前記流れの方向との間の角度が非直角であり、前記粒子が前記ビームと相互作用し、それによって散乱又は放射された電磁放射を生成する、ステップと、
前記散乱又は放射された電磁放射の少なくとも一部を2次元検出器に導き、それによって、前記散乱又は放射された電磁放射を前記ビームの伝搬軸と平行な第1の方向に及び前記ビームの前記断面プロファイルの前記長軸と平行な第2の方向に空間的に分離する、ステップと
を含む方法。
【請求項31】
前記散乱又は放射された電磁放射が、前記流体を囲むフローセルの壁から散乱又は放射された電磁放射から空間的に分離される、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
第1の粒子が前記ビームと相互作用することによって生成された散乱又は放射された電磁放射が前記2次元検出器の第1の位置に画像化され、前記第1の粒子とは異なる位置を有する、第2の粒子との前記ビームの相互作用によって生成された散乱又は放射された電磁放射が前記2次元検出器の第2の位置に画像化される、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
前記散乱又は放射された電磁放射に応じて前記検出器によって供給された信号を分析するステップをさらに含む、請求項30に記載の方法。
【請求項34】
前記分析が、時間遅延積分、画像閾値分析、画像形状分析、パルス高分析、及びパルス幅分析からなる群から選択された1つ又は複数の技法を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
粒子をサイズ分類する方法であって、
フローセルを通って流れの方向に流れる流体内に浮遊する粒子を供給するステップと、
電磁放射のビームを前記流体経由で通過させるステップであり、前記ビームが長軸及び短軸を有する断面プロファイルを有し、前記長軸と前記流れの方向との間の角度が非直角であり、前記粒子が前記ビームと相互作用し、それによって散乱又は放射された電磁放射を生成する、ステップと、
前記散乱又は放射された電磁放射の少なくとも一部を2次元検出器上に画像化するステップと、
前記散乱又は放射された電磁放射の強度を前記2次元検出器で決定するステップと、
前記散乱又は放射された電磁放射の前記強度を1つ又は複数の閾値基準値と比較し、それによって前記粒子のサイズを決定するステップと
を含む方法。
【請求項36】
前記閾値基準値が前記フローセル内の前記粒子の位置に依存する、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
比較する前記ステップの前に、前記フローセル内の前記粒子の前記位置を決定するステップをさらに含む、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
比較する前記ステップの前に、前記フローセル内の前記粒子の前記位置を使用して1つ又は複数の基準閾値の値を決定するステップをさらに含む、請求項37に記載の方法。
【請求項1】
流体を収容するフローセルであり、流体は該フローセルを通って所定の流れの方向に流れる、フローセルと、
長軸及び短軸を有する断面プロファイルを有する電磁放射のビームを生成するための供給源であり、前記供給源が前記ビームを前記フローセル経由で導くように位置決めされ、前記流体内に含まれる粒子が前記ビームと相互作用し、それによって散乱又は放射された電磁放射を生成する、供給源と、
前記散乱又は放射された電磁放射の少なくとも一部を受け取るように前記フローセルと光通信して位置決めされた2次元検出器であり、前記2次元検出器が前記光軸に非直角に位置決めされる、2次元検出器と
を備える粒子検出システム。
【請求項2】
前記散乱又は放射された電磁放射を収集し、該電磁放射を前記2次元検出器に導くための光学系をさらに備え、前記光学系が前記長軸に非直角に位置決めされた光軸を有する、請求項1に記載の粒子検出システム。
【請求項3】
前記長軸と前記流れの方向との間の角度が非直角である、請求項1に記載の粒子検出システム。
【請求項4】
前記2次元検出器は、複数の前記検出器要素が前記散乱又は放射された電磁放射を受け取るように位置決めされた検出器要素のアレイを備える、請求項1に記載の粒子検出システム。
【請求項5】
前記角度が5°〜85°の範囲から選択される、請求項3に記載の粒子検出システム。
【請求項6】
前記断面プロファイルが、楕円又は長方形である形状を有する、請求項1に記載の粒子検出システム。
【請求項7】
前記断面プロファイルが、5μmと100μmとの間から選択された、前記短軸に沿った幅を有する、請求項1に記載の粒子検出システム。
【請求項8】
前記断面プロファイルが、50μmと1200μmとの間から選択された、前記長軸に沿った幅を有する、請求項1に記載の粒子検出システム。
【請求項9】
前記断面プロファイルが、前記フローセルの縁部まで、又はその縁部を超えて延びる、前記長軸に沿った幅を有する、請求項1に記載の粒子検出システム。
【請求項10】
前記フローセルが、前記ビームの伝搬軸に平行な第1のより長い側と、前記ビームの前記伝搬軸に垂直な第2のより短い側とを有する断面プロファイルを有する、請求項1に記載の粒子検出システム。
【請求項11】
前記第1のより長い側が0.25mm〜10mmから選択された幅を有する、請求項10に記載の粒子検出システム。
【請求項12】
前記第2のより短い側が80μm〜500μmから選択された幅を有する、請求項10に記載の粒子検出システム。
【請求項13】
前記フローセルのアスペクト比が20以上である、請求項10に記載の粒子検出システム。
【請求項14】
前記ビームの伝搬軸が前記流れの方向に垂直である、請求項1に記載の粒子検出システム。
【請求項15】
前記ビームの伝搬軸が前記流れの方向に非直角である、請求項1に記載の粒子検出システム。
【請求項16】
前記光学系が前記散乱又は放射された放射を前記2次元検出器上に画像化する、請求項2に記載の粒子検出システム。
【請求項17】
前記2次元検出器が前記光学系の光軸に非直角である、請求項2に記載の粒子検出システム。
【請求項18】
前記散乱又は放射された電磁放射が、前記光学系によって、5μm〜80μmの間から選択されたサイズを有する2次元検出器上のスポットに合焦される、請求項2に記載の粒子検出システム。
【請求項19】
前記2次元検出器が、前記2次元検出器の活性区域の端から端まで前記散乱又は放射された電磁放射の鮮明に合焦された画像を可能にするように位置決めされた方位を有する、請求項2に記載の粒子検出システム。
【請求項20】
前記2次元検出器が前記散乱又は放射された電磁放射の空間的に分離された画像を与えるように位置決めされた方位を有し、前記散乱又は放射された電磁放射が前記ビームの伝搬軸と平行な第1の軸及び前記ビームの前記断面プロファイルの前記長軸と平行な第2の軸に沿って空間的に分離される、請求項1に記載の粒子検出システム。
【請求項21】
前記2次元検出器が時間遅延積分を行うことができる、請求項1に記載の粒子検出システム。
【請求項22】
前記流れの方向が前記ビームの伝搬軸に垂直である、請求項1に記載の粒子検出システム。
【請求項23】
粒子を検出する方法であって、
所定の流れの方向を有する流体中の粒子を供給するステップと、
長軸及び短軸を有する断面プロファイルを有する電磁放射のビームを前記流体経由で通過させるステップであり、前記長軸と前記流れの方向との間の角度が非直角であり、前記粒子が前記ビームと相互作用し、それによって散乱又は放射された電磁放射を生成する、ステップと、
前記散乱又は放射された電磁放射の少なくとも一部を2次元検出器で検出し、それによって前記粒子を検出するステップと
を含む方法。
【請求項24】
前記散乱又は放射された電磁放射が光学系によって前記2次元検出器上に収集されるか又は導かれる、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記光学系が前記散乱又は放射された放射を前記2次元検出器上に画像化する、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記2次元検出器は、複数の検出器要素が前記散乱又は放射された電磁放射を受け取るように位置決めされた検出器要素のアレイを備える、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記角度が5°〜85°の範囲から選択される、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
前記2次元検出器が、前記2次元検出器の活性区域の端から端まで前記散乱又は放射された電磁放射の鮮明に合焦された画像を可能にするように位置決めされた方位を有する、請求項23に記載の方法。
【請求項29】
前記2次元検出器が前記散乱又は放射された電磁放射の空間的に分離された画像を与えるように位置決めされた方位を有し、前記散乱又は放射された電磁放射が前記ビームの伝搬軸と平行な第1の方向に及び前記ビームの前記断面プロファイルの前記長軸と平行な第2の方向に空間的に分離される、請求項23に記載の方法。
【請求項30】
粒子の電磁放射のビームとの相互作用を空間的に分離する方法であって、
流れの方向に流れる流体内に浮遊する粒子を供給するステップと、
電磁放射のビームを前記流体経由で通過させるステップであり、前記ビームが長軸及び短軸を有する断面プロファイルを有し、前記長軸と前記流れの方向との間の角度が非直角であり、前記粒子が前記ビームと相互作用し、それによって散乱又は放射された電磁放射を生成する、ステップと、
前記散乱又は放射された電磁放射の少なくとも一部を2次元検出器に導き、それによって、前記散乱又は放射された電磁放射を前記ビームの伝搬軸と平行な第1の方向に及び前記ビームの前記断面プロファイルの前記長軸と平行な第2の方向に空間的に分離する、ステップと
を含む方法。
【請求項31】
前記散乱又は放射された電磁放射が、前記流体を囲むフローセルの壁から散乱又は放射された電磁放射から空間的に分離される、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
第1の粒子が前記ビームと相互作用することによって生成された散乱又は放射された電磁放射が前記2次元検出器の第1の位置に画像化され、前記第1の粒子とは異なる位置を有する、第2の粒子との前記ビームの相互作用によって生成された散乱又は放射された電磁放射が前記2次元検出器の第2の位置に画像化される、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
前記散乱又は放射された電磁放射に応じて前記検出器によって供給された信号を分析するステップをさらに含む、請求項30に記載の方法。
【請求項34】
前記分析が、時間遅延積分、画像閾値分析、画像形状分析、パルス高分析、及びパルス幅分析からなる群から選択された1つ又は複数の技法を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
粒子をサイズ分類する方法であって、
フローセルを通って流れの方向に流れる流体内に浮遊する粒子を供給するステップと、
電磁放射のビームを前記流体経由で通過させるステップであり、前記ビームが長軸及び短軸を有する断面プロファイルを有し、前記長軸と前記流れの方向との間の角度が非直角であり、前記粒子が前記ビームと相互作用し、それによって散乱又は放射された電磁放射を生成する、ステップと、
前記散乱又は放射された電磁放射の少なくとも一部を2次元検出器上に画像化するステップと、
前記散乱又は放射された電磁放射の強度を前記2次元検出器で決定するステップと、
前記散乱又は放射された電磁放射の前記強度を1つ又は複数の閾値基準値と比較し、それによって前記粒子のサイズを決定するステップと
を含む方法。
【請求項36】
前記閾値基準値が前記フローセル内の前記粒子の位置に依存する、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
比較する前記ステップの前に、前記フローセル内の前記粒子の前記位置を決定するステップをさらに含む、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
比較する前記ステップの前に、前記フローセル内の前記粒子の前記位置を使用して1つ又は複数の基準閾値の値を決定するステップをさらに含む、請求項37に記載の方法。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公表番号】特表2011−505577(P2011−505577A)
【公表日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−537010(P2010−537010)
【出願日】平成20年12月2日(2008.12.2)
【国際出願番号】PCT/US2008/085236
【国際公開番号】WO2009/073649
【国際公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【出願人】(506061299)パーティクル・メージャーリング・システムズ・インコーポレーテッド (8)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月2日(2008.12.2)
【国際出願番号】PCT/US2008/085236
【国際公開番号】WO2009/073649
【国際公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【出願人】(506061299)パーティクル・メージャーリング・システムズ・インコーポレーテッド (8)
【Fターム(参考)】
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