説明

非磁性管の拡管方法および熱交換器の製造方法、ならびに拡管装置

【課題】安定した導通を確保することができ、径に比較して長さが長い非磁性管の拡管を高い加工率で可能とする非磁性管の拡管方法および熱交換器の製造方法、ならびに拡管装置を提供する。
【解決手段】外周が絶縁され、端部5aにおいて導通部5が露出した導体2を、非磁性の被加工金属管1の管内に挿入する挿入工程と、被加工金属管1の一端部4aを縮径して縮径部4を形成し、縮径部4を導通部5に密着させる密着工程と、被加工金属管1と導体2とに流れる電流の方向が対向するように電流を流すことで被加工金属管1を拡管する拡管工程と、を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非磁性の被加工金属管を拡管する非磁性管の拡管方法、および、この拡管方法を用いた熱交換器の製造方法、ならびに、これらの方法に用いる拡管装置に係り、特に、外径に比較して拡管部の長さが長い被加工金属管の拡管に適した非磁性管の拡管方法および熱交換器の製造方法、ならびに拡管装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、家庭用、業務用の熱交換器には、複数の管をフィンに相通するフィンドコイル(F/C)タイプのものや、多数の管を管板に取り付けるシェルアンドチューブタイプのものが多く製造されている。これらの管は、通常は機械的拡管によりフィンや管板に取り付けられている事が一般的であり、管については管径に比較して、長さが管径の10倍以上という長尺であることが多い。これらの管としては、銅または銅合金管、アルミニウムまたはアルミニウム合金管といった非磁性管が用いられており、高性能の伝熱性能が求められる場合は、管内に溝を設けた内面溝付管が用いられる。
【0003】
このような内面溝付管においては、近年のコストダウン・伝熱性能向上の要求により薄肉化が進められており、内面溝付管の山形状についてもよりスリムなものが求められている。しかし、前記の機械拡管においては、図10(a)に示すように、フィン303の孔に内面溝付管である非磁性管301を挿入した後、非磁性管301の内径よりも径の大きい球状のビレット302を管内に通して拡管するため、管内面の山が潰れ、その結果、非磁性管301の伝熱性能が向上しないという問題があった。さらに、ビレット302による拡管は、管径比でフィンカラー潰れとの関係で通常3〜8%程度であるが、フィンとの密着性を高めるべく8%近辺で拡管を行うと山のつぶれが大きくなるという問題が生じていた。また、機械拡管には、潤滑油が必要なため、拡管加工後に脱脂工程が必要であり、量産性の向上が図れなかった。
【0004】
一方、前記のような問題を解決するために、図10(b)に示すように、非磁性管401の間に絶縁した導体402を通し、非磁性管401の端部で導体板403により導通させて、通電により生じる反発力で拡管するという拡管方法が開示されている(例えば特許文献1、特許文献2参照)。この方法によれば、機械拡管のような内面溝の山潰れや、脱脂の問題を解消することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−206862号公報
【特許文献2】特開平8−174102号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、前記の拡管方法には下記の問題があった。
まず、特許文献1、2の拡管方法においては、通電部分を管の端面に設けているため、この通電部分が拡径により生じる大きな変形に追従できず、十分に拡径しないうちに通電が終了するという問題があった。また同様に、管の端面での接触導通のため、安定した通電(導通)が得られず、量産においては拡径にばらつきが生じる恐れがあるという問題があった。
【0007】
本発明は、前記問題点に鑑みてなされたものであり、安定した導通を確保することができ、径に比較して長さが長い非磁性管の拡管を高い加工率で可能とする非磁性管の拡管方法および熱交換器の製造方法、ならびに拡管装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る非磁性管の拡管方法は、外周が絶縁され、端部において導通部が露出した導体を、非磁性の被加工金属管の管内に挿入する挿入工程と、前記被加工金属管の一端部を縮径して縮径部を形成し、当該縮径部を前記導通部に密着させる密着工程と、前記被加工金属管と前記導体とに流れる電流の方向が対向するように電流を流すことで前記被加工金属管を拡管する拡管工程と、を有することを特徴とする。
【0009】
このような手順によれば、挿入工程において、被加工金属管の一端部の管内に導体の導通部が配置され、密着工程において、被加工金属管の縮径部が導通部に密着し、被加工金属管と導体とが導通可能な状態となる。そして拡管工程において、電流の方向が対向するように被加工金属管と導体とに電流を流すことで、導体と被加工金属管との間でフレミングの左手の法則に従った反発力が生じて拡管が生じる。
【0010】
本発明に係る非磁性管の拡管方法は、外周が絶縁され、端部において導通部が露出した導体を、非磁性の被加工金属管の管内に前記導通部が前記被加工金属管から突出するように挿入する挿入工程と、前記被加工金属管と前記導体とを導通させる導体接続部材を、前記被加工金属管の一端部と、当該一端部から突出した前記導通部とに密着させる密着工程と、前記被加工金属管と前記導体とに流れる電流の方向が対向するように電流を流すことで前記被加工金属管を拡管する拡管工程と、を有することを特徴とする。
【0011】
このような手順によれば、挿入工程において、被加工金属管の一端部から突出して導体の導通部が配置され、密着工程において、導体接続部材が被加工金属管の一端部と導通部とに密着し、被加工金属管と導体とが導通可能な状態となる。そして拡管工程において、電流の方向が対向するように被加工金属管と導体とに電流を流すことで、導体と被加工金属管との間でフレミングの左手の法則に従った反発力が生じて拡管が生じる。
【0012】
本発明に係る非磁性管の拡管方法は、例えば、管外径が4mm〜30mm、かつ管長が50〜3000mmである被加工金属管について適用することができる。
【0013】
本発明に係る非磁性管の拡管方法は、前記被加工金属管が、銅または銅合金や、アルミニウムまたはアルミニウム合金であることが好ましい。これらの材質の管は伝熱性能および加工性に優れるため、より拡管を行い易い。
【0014】
本発明に係る熱交換器の製造方法は、管を挿入する孔を有するフィンを複数積層した後に前記孔に非磁性の被加工金属管を挿入し、当該被加工金属管を拡管して前記被加工金属管を前記フィンに固着する熱交換器の製造方法であって、外周が絶縁され、端部において導通部が露出した導体を、前記被加工金属管の管内に挿入する挿入工程と、前記被加工金属管の一端部を縮径して縮径部を形成し、当該縮径部を前記導通部に密着させる密着工程と、前記被加工金属管と前記導体とに流れる電流の方向が対向するように電流を流すことで前記被加工金属管を拡管して前記フィンに固着する固着工程と、を有することを特徴とする。
【0015】
このような手順によれば、挿入工程において、被加工金属管の一端部の管内に導体の導通部が配置され、密着工程において、被加工金属管の縮径部が導通部に密着し、被加工金属管と導体とが導通可能な状態となる。そして固着工程において、電流の方向が対向するように被加工金属管と導体とに電流を流すことで、導体と被加工金属管との間でフレミングの左手の法則に従った反発力が生じて拡管が生じ、この拡管した金属管がフィンに強固に固着する。
【0016】
本発明に係る熱交換器の製造方法は、管を挿入する孔を有するフィンを複数積層した後に前記孔に非磁性の被加工金属管を挿入し、当該被加工金属管を拡管して前記被加工金属管を前記フィンに固着する熱交換器の製造方法であって、外周が絶縁され、端部において導通部が露出した導体を、前記被加工金属管の管内に前記導通部が前記被加工金属管から突出するように挿入する挿入工程と、前記被加工金属管と前記導体とを導通させる導体接続部材を、前記被加工金属管の一端部と、当該一端部から突出した前記導通部とに密着させる密着工程と、前記被加工金属管と前記導体とに流れる電流の方向が対向するように電流を流すことで前記被加工金属管を拡管して前記フィンに固着する固着工程と、を有することを特徴とする。
【0017】
このような手順によれば、挿入工程において、被加工金属管の一端部から突出して導体の導通部が配置され、密着工程において、導体接続部材が被加工金属管の一端部と導通部とに密着し、被加工金属管と導体とが導通可能な状態となる。そして固着工程において、電流の方向が対向するように被加工金属管と導体とに電流を流すことで、導体と被加工金属管との間でフレミングの左手の法則に従った反発力が生じ、この拡管した金属管がフィンに強固に固着する。
【0018】
本発明に係る非磁性管の拡管方法は、例えば、管外径が4〜30mm、かつ管長が50〜3000mmである被加工金属管について適用することができる。
【0019】
本発明に係る拡管装置は、端部に導通部が露出するように外周が絶縁され、非磁性の被加工金属管の管内に挿入し、前記被加工金属管の一端部を縮径した縮径部に前記導通部を密着させる導体と、前記被加工金属管と前記導体とに流れる電流の方向が対向するように電流を流すコンデンサと、を備え、前記導体は、当該導体と前記被加工金属管とが直接接触する接触部を有することを特徴とする。
【0020】
このような構成によれば、被加工金属管の一端部に密着した導通部を有する導体により、被加工金属管と導体が導通可能となる。また、コンデンサにより、電流の方向が対向するように被加工金属管と導体に電流が流される。この際、導体と被加工金属管とが直接接触する接触部により、電流が被加工金属管を通じて導体に流れる。これにより、導体と被加工金属管との間でフレミングの左手の法則に従った反発力が生じて拡管を生じさせる。
【0021】
本発明に係る拡管装置は、端部に導通部が露出するように外周が絶縁され、非磁性の被加工金属管の管内に前記導通部が前記被加工金属管から突出するように挿入する導体と、前記被加工金属管の一端部と、当該一端部から突出した前記導通部とに密着させ、前記被加工金属管と前記導体とを導通させる導体接続部材と、前記被加工金属管と前記導体とに流れる電流の方向が対向するように電流を流すコンデンサと、を備えることを特徴とする。
【0022】
このような構成によれば、被加工金属管の一端部と、導体接続部材を介して連結した導通部を有する導体により、被加工金属管と導体が導通可能となる。また、コンデンサにより、電流の方向が対向するように被加工金属管と導体に電流が流される。この際、被加工金属管の一端部および導通部に密着した導体接続部材により、電流が被加工金属管を通じて導体に流れる。これにより、導体と被加工金属管との間でフレミングの左手の法則に従った反発力が生じて拡管を生じさせる。
【0023】
本発明に係る拡管装置において、前記コンデンサ内のスイッチは、前記被加工金属管または前記導体の電流流入側接点から500mm以内の位置に設置されていることが好ましい。
スイッチを被加工金属管または導体の電流流入側接点に近づけることで、インピーダンスの増加を抑えることができ、拡管加工の際のエネルギーのロスを抑えることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の非磁性管の拡管方法によれば、被加工金属管の一端部を縮径して導体の導通部に密着させることで、拡管時に被加工金属管と導体とが剥離せず良好な導通を維持することができる。そのため、大きな加工率で拡管加工ができるという効果が生じる。
本発明の非磁性管の拡管方法によれば、被加工金属管の一端部と導体の導通部とを導体接続部材で接続することにより、前記と同様に良好な導通を維持したまま、大きな加工率で拡管加工ができるという効果が生じる。
また、これらの方法により、径に比較して長さが長い非磁性管についても大きな加工率で拡管加工ができる。
【0025】
本発明の非磁性管の拡管方法を行なう被加工金属管が、非磁性体である銅または銅合金や、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなるものであれば、管径がより小さく、長さがより長い場合であっても拡管加工を行い易くなる。
【0026】
本発明の熱交換器の製造方法によれば、本発明の非磁性管の拡管方法を適用することで、フィンドコイルタイプの熱交換器において、大きな加工率で拡管加工でき、フィンと熱交換器の密着度を従来の機械拡管よりも大き目に設定することができ、内面に溝を有する溝付き管に適用した場合には、山を潰さずに加工することができる。
【0027】
本発明の拡管装置は、本発明の非磁性管の拡管方法および熱交換器の製造方法に使用することができ、被加工金属管について大きな加工率で拡管加工することが可能となる。
また、スイッチを被加工金属管または導体の電流流入側接点に近づけることで、エネルギーのロスが少なくなるため、拡管の効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の第1実施形態において、被加工金属管の縮径部を導通部に密着させた状態を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る拡管装置を示す模式図である。
【図3】(a)〜(e)は、本発明の第1実施形態に係る非磁性管の拡管方法を説明するための模式図である。
【図4】フィンドコイルタイプの熱交換器を示す断面図であり、(a)は、拡管前の熱交換器、(b)は、拡管後の熱交換器、(c)は、(b)よりも拡管率をさらに拡大させた場合の拡管後の熱交換器を示す。
【図5】(a)は、本発明の第2実施形態において、被加工金属管の一端部および導通部に導体接続部材を密着させる状態を示す斜視図、(b)は、(a)の導体接続部材についてのX−X断面図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る拡管装置を示す模式図である。
【図7】(a)は、導体接続部材の他の形態であるスプリング部材を模式的に示す斜視図であり、(b)は、スプリング部材を被加工金属管の一端部および導通部に密着させた状態を示す断面図である。
【図8】(a)〜(e)は、本発明の第2実施形態に係る非磁性管の拡管方法を説明するための模式図である。
【図9】実施例で使用した被加工金属管を示す模式図であり、(a)は、一部をきり欠いて側面方向から見た模式図、(b)は、(a)のY−Y断面図である。
【図10】(a)、(b)は、従来における被加工金属管の拡管方法について説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明に係る非磁性管の拡管方法および熱交換器の製造方法、ならびに拡管装置を実現するための形態について、第1実施形態、および、第2実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、各図面が示す部材のサイズや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については、原則として同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。
【0030】
≪第1実施形態≫
まず、図1、2を参照して本発明に係る非磁性管の拡管方法に用いる拡管装置について説明する。
【0031】
<拡管装置>
図1、2に示すように、拡管装置100は、端部5a(以下、適宜、導体端部5aという)に導通部5が露出するように外周が絶縁され、非磁性の被加工金属管1の管内に挿入し、被加工金属管1の一端部4a(以下、適宜、管端部4aという)を縮径した縮径部4に導通部5を密着させる導体2と、被加工金属管1と導体2とに流れる電流の方向が対向するように電流を流すコンデンサ10と、を主に備える。
【0032】
ここで、管端部4aとは、後記するように、絞り加工が施され、縮径部4が形成される部位をいう。例えば、管端部4aの長さは、好ましくは1〜10mmである。また、導体端部5aとは、導体2の先端から、被加工金属管1と導通部5とを導通させることができるように導通部5を形成することができる長さまでの部位をいう。例えば、導体端部5aの長さは、好ましくは1〜10mmである。
【0033】
導体2は、被加工金属管1との間で電流を導通させる部材である。導体2は、電流のロスを極力少なくするという観点から、銅または銅合金が好ましい。さらに導体2は、加工による発熱を抜熱するためにエアー等の冷却媒体を通す冷却孔を設けることが、導体2の寿命低下の防止等の観点から好ましい。
【0034】
導体2は、導体端部5aを除く外周が絶縁体3で覆われている。絶縁体3はコンデンサーキャップ等に用いるような熱収縮チューブでも良いし、ガラスクロステープを導体2に螺旋巻きして樹脂を含浸させたものでも良い。導体端部5aでは絶縁体3は除去されており、この導体端部5aに導体2が剥き出しになった部位である導通部5が形成されている。なお、導通部5は、導体2の少なくとも一方にあればよい。
【0035】
そして、導体2は被加工金属管1の管内に挿入され、導体2の軸方向に沿って、つまり、導通部5に沿わせて密着させるように被加工金属管1の管端部4aを絞り加工して導体2に固着させる。すなわち、被加工金属管1に絞り加工が施された部位である縮径部4を形成してこの縮径部4を導通部5に密着させる。このようにして、導体2は、導体2と被加工金属管1とが直接接触する部位である接触部6を形成している。拡管装置100は、この接触部6により、被加工金属管1と導体2とを導通させる。
【0036】
被加工金属管1と、絶縁体3を被覆した導体2の距離はなるべく近い方が好ましいが、被加工金属管1内面と導体2のクリアランスは、拡管効率上および導体2の挿入作業性の観点から、例えば0.1〜0.5mmとする。そして、このようにして被加工金属管1の管端部4aと導通部5とを密着させた被加工金属管1および導体2は、クランプ14,14により支持台13に支持されている。
【0037】
ここで、対象とする被加工金属管1は、伝熱性能および加工性の観点から、銅または銅合金管とするか、アルミニウムまたはアルミニウム合金管とすることが好ましい。なお、被加工金属管1は内面溝付管であってもよく、平滑管であってもよい。また、本発明を適用することができる被加工金属管1の寸法の一例として、管外径が4〜30mm(溝付き管の場合は底肉厚0.15〜1.5mm)、かつ管長が50〜3000mmのものが挙げられる。
【0038】
コンデンサ10は、被加工金属管1と導体2とに流れる電流の方向が対向するように電流を流すものである。コンデンサ10は、スイッチ11、電流計12、導線15a,15b等を備えており、ここでは導線15bを介して正端子が被加工金属管1に接続され、導線15aを介して負端子が導体2に接続されている。なお、被加工金属管1に負端子、導体2に正端子を接続したものであってもよい。
【0039】
ここで、コンデンサ10内のスイッチ11は、被加工金属管1または導体2の電流流入側接点から500mm以内の位置に、さらに好ましくは300mm以内の設置されていることが好ましい。なお、電流流入側接点とは、被加工金属管1または導体2のうち、電流を流入するための正端子が接続された部位のことをいう。すなわち、図2のコンデンサ10では、スイッチ11は、被加工金属管1の電流流入側接点から500mm以内の位置に、さらに好ましくは300mm以内の設置されていることが好ましい。スイッチ11を被加工金属管1または導体2に極力近づけることで、被加工金属管1、導体2、コンデンサ10からなる回路のインピーダンスを抑止することができ、エネルギーのロスを減らすことができるので、拡管の効率を向上させることができる。
【0040】
図2に示すように、拡管装置100においてコンデンサ10から電流を流すと、電流は、被加工金属管1を通じて、被加工金属管1の縮径部4を経由して縮径部4と密着している導体2の導通部5を流れ、導体2を通じてコンデンサ10に戻る。この際、導体2と被加工金属管1に流れる電流の方向は、絶縁体3を介した位置において対向している。これにより導体2と被加工金属管1との間でフレミングの左手の法則に従った反発力が生じて拡管が生じる。この際、導体2に被加工金属管1を沿わせるように管端部4aを導通部5に密着させているため、拡管開始から終了までの間、常に良好な導通が得られ、大きな拡管率(加工率)で拡管加工が可能となる。
【0041】
この反発力の発生について具体的に説明する。
電流が一定方向に流れると、その進行方向に対し右回り(時計回り)の磁界(磁力線)が発生する。また、磁界において電流が流れると、その電流には一定方向の力が作用する。この力の作用する方向は、フレミングの左手の法則に従う。即ち、電流が流れる方向を中指、磁界の方向(磁力線の方向)を人差し指とすると、親指の示す方向が力の作用する方向である(図1参照)。従って、2方向に流れる電流が平行である場合、各電流の回りに磁界が発生し、お互いに他方の電流の磁界の影響により一定方向の力の作用を受ける。この場合、2方向の電流の流れる方向が同一である場合には、夫々の電流が引き合うかの如く夫々の電流に作用する力は内側に作用し、逆に2方向の電流の流れる方向が逆方向の場合には、各電流が反発し合うかの如く夫々の電流に作用する力は外側に作用する。従って、前記のように導体2と拡管する被加工金属管1とに流れる電流の方向が相反する場合は、導体2と被加工金属管1とには反発し合う斥力が作用することとなり、この力により拡管が行われる。
なお、拡管の割合(拡管率)は、被加工金属管1および導体2に流す電流の大きさによって制御することができる。
【0042】
<非磁性管の拡管方法>
次に、非磁性管の拡管方法について説明する。
非磁性管の拡管方法は、外周が絶縁され、端部において導通部が露出した導体を、非磁性の被加工金属管の管内に挿入する挿入工程と、前記被加工金属管の一端部を縮径して縮径部を形成し、当該縮径部を前記導通部に密着させる密着工程と、前記被加工金属管と前記導体とに流れる電流の方向が対向するように電流を流すことで前記被加工金属管を拡管する拡管工程と、を有する。
以下、図3(a)〜(e)を参照して具体的に説明する。
【0043】
まず、被加工金属管1に、導体端部5aに導通部5を形成するように、外周を絶縁体3で被覆した導体2を挿入する(図3(a)、(b))。次に、導通部5に沿わせて密着させるように管端部4aを絞り加工して縮径部4を形成し、縮径部4を導体2の導通部5に密着させ、被加工金属管1と導体2とを固着する(図3(c))。なお、密着工程後または同時に被加工金属管1と導体2とを密着部において、抵抗溶接等により溶接しても良い。
【0044】
次に、被加工金属管1に正端子、導体2に負端子を接続し、コンデンサ10から被加工金属管1と導体2とに電流を流す(図2参照)。これにより、電流は、図3を正面視した場合において、紙面上、被加工金属管1では右から左へ流れ、被加工金属管1の縮径部4を経由して導体2に移行し、導体2では紙面上、左から右へ流れる。このようにして、被加工金属管1と導体2とに流れる電流の方向が対向するように、被加工金属管1と導体2とに電流が流れる(図3(d))。そして、前記したように、フレミングの左手の法則に従った反発力が生じて拡管が生じ、拡管した金属管1aとなる(図3(e))。
なお、上記とは逆に被加工金属管1に負端子、導体2に正端子を接続し、導体2から被加工金属管1に電流を流してもよい。
【0045】
拡管後は、導体2を引き抜いた後、縮径部4を除去するように管端部4aを切断する。あるいは、導体2を引き抜かずにそのままの状態で、管端部4aの切断と同時に導体2を切断しても良い。
【0046】
<熱交換器の製造方法>
次に、熱交換器の製造方法について説明する。
熱交換器の製造方法は、管を挿入する孔を有するフィン(例えばアルミニウムフィン)を複数積層した後に前記孔に非磁性の被加工金属管を挿入し、当該被加工金属管を拡管して前記被加工金属管を前記フィンに固着するものである。すなわち、フィンドコイルタイプの熱交換器を対象とするものである。そして、熱交換器の製造方法は、挿入工程と、密着工程と、固着工程と、を有する。
以下、図4(a)〜(c)を参照して具体的に説明する。なお、図4(a)は、拡管前の熱交換器200、(b)は、拡管後の熱交換器201、(c)は、(b)よりも拡管率をさらに拡大させた場合の拡管後の熱交換器201を模式的に示している。
【0047】
図4(a)に示すように、まず、エンドプレート21および複数のフィン22に、夫々、孔(貫通)24a、24bを形成する。次に、フィン22を互いが平行となるように配置し、さらに、このフィン22の両端に、エンドプレート21をフィン22と平行となるように配置する。
【0048】
その後、外周が絶縁され、端部5aにおいて導通部5が露出した導体2を、被加工金属管1の管内に挿入する挿入工程と、被加工金属管1の一端部4a(管端部4a)を縮径して縮径部4を形成し、縮径部4を導通部5に密着させる密着工程と、を行なう。
挿入工程および密着工程は、前記した非磁性管の拡管方法で説明したとおりであるので、ここでは説明を省略する。
【0049】
次に、固着工程を行なう。固着工程は、被加工金属管1と導体2とに流れる電流の方向が対向するように電流を流すことで被加工金属管1を拡管してフィン22に固着する工程である。固着工程により、図4(b)に示すように、拡管した金属管1aがフィン22に固着する。これにより、金属管1aをフィン22に強固に固着させることができ、フィン22と熱交換器201の密着度を従来の機械拡管に比べて大きくすることができる。なお、図4(c)に示すように拡管率をさらに拡大させた場合には、拡管した金属管1aが波状となり、エンドプレート21とフィン22が横にずれず、金属管1aとフィン22がより強固に固着する。その他については、前記した非磁性管の拡管方法の拡管工程と同様であるので、ここでは説明を省略する。このようにして、フィンドコイルタイプの熱交換器201を製造することができる。
【0050】
なお、熱交換器の製造方法においては、被加工金属管1に導体2を挿入し、絞り加工を施して管端部4aと導通部5を密着させてから孔24a、24bに被加工金属管1を挿入すればよい。ただし、先に被加工金属管1のみを孔24a、24bに挿入し、その後、導体2を管内に挿入して絞り加工を施してもよい。
【0051】
≪第2実施形態≫
第2実施形態では、主に第1実施形態と異なる事項について説明する。なお、第1実施形態と同様の部材等については同一の符号を付して適宜説明を省略する。
まず、図5、6を参照して本発明に係る非磁性管の拡管方法に用いる拡管装置について説明する。
【0052】
<拡管装置>
図5、6に示すように、拡管装置100Aは、端部5aに導通部5が露出するように外周が絶縁され、非磁性の被加工金属管1の管内に導通部5が被加工金属管1から突出するように挿入する導体2と、被加工金属管1の一端部4a(管端部4a)と、当該一端部4aから突出した導通部5とに密着させ、被加工金属管1と導体2とを導通させる導体接続部材20であるリング板部材20aと、被加工金属管1と導体2とに流れる電流の方向が対向するように電流を流すコンデンサ10と、を主に備える。
【0053】
導体2については、被加工金属管1に縮径部4を形成せずに、導通部5を導体接続部材20と密着させること以外は、第1実施形態で説明したとおりであり、コンデンサ10についても第1実施形態で説明したとおりであるので、ここでは説明を省略する。
【0054】
拡管装置100Aは、被加工金属管1の管端部4aを潰さずに、すなわち絞り加工により縮径せずにそのままにしておき、その代わりに、被加工金属管1の拡管変形に追従するリング板部材20aを設けたものである。
リング板部材20aは、管端部4aと、当該管端部4aから突出した導通部5とが導通するように管端部4aおよび導通部5に密着させる部材であり、被加工金属管1に密着したまま拡径が可能な部材である。図5(a)に示すように、リング板部材20aは導体2を挿入した被加工金属管1から脱着自在であり、使用の際には管端部4aから突出した導体2の導通部5を介して管端部4aに嵌合させる。
【0055】
リング板部材20aは、導通部5と密着し、かつ管端部4aと密着する寸法で形成されている。さらに被加工金属管1の拡管に追従して拡径変形するように形成されている。具体的には、図5(b)に示すように、径方向の断面視において、板の端部を重ね、両端が上下に噛合するようにリング状に形成されている。これにより、被加工金属管1の拡径に追従してリング板部材20aが一定の緊迫力を維持したまま拡大変形するため、良好な導通を維持しつつ拡管加工ができる。
【0056】
また、図7(a)、(b)に示すように、導体接続部材20は、銅平板条のスプリング部材20bとしてもよい。
スプリング部材20bは、前記したリング板部材20aと同様に被加工金属管1の変形に追従してスプリングが拡径するため、リング板部材20aと同様に一定の緊迫力を維持して良好な導電性を維持しつつ拡管加工を行うことができる。
なお、導体接続部材20(20a,20b)の材質としては、銅を用いることができる。
【0057】
<非磁性管の拡管方法>
次に、非磁性管の拡管方法について説明する。
非磁性管の拡管方法は、外周が絶縁され、端部において導通部が露出した導体を、非磁性の被加工金属管の管内に前記導通部が前記被加工金属管から突出するように挿入する挿入工程と、前記被加工金属管と前記導体とを導通させる導体接続部材を、前記被加工金属管の一端部と、当該一端部から突出した前記導通部とに密着させる密着工程と、前記被加工金属管と前記導体とに流れる電流の方向が対向するように電流を流すことで前記被加工金属管を拡管する拡管工程と、を有する。
以下、図8(a)〜(e)を参照して具体的に説明する。
【0058】
まず、被加工金属管1に、導体端部5aに導通部5を形成するように、外周を絶縁体3で被覆した導体2を挿入する(図8(a)、(b))。次に、管端部4aの方向から導体2を介して導体接続部材20を挿入し、管端部4aと、当該管端部4aから突出した導通部5とが導通するように導体接続部材20を管端部4aおよび導通部5に密着させ、被加工金属管1と導体2とを固着する(図8(c))。
【0059】
次に、被加工金属管1に正端子、導体2に負端子を接続し、コンデンサ10から被加工金属管1と導体2とに電流を流す(図2参照)。これにより、電流は、図8を正面視した場合において、紙面上、被加工金属管1では右から左へ流れ、管端部4aおよび導通部5に密着した導体接続部材20を経由して導体2に移行し、導体2では紙面上、左から右へ流れる。このようにして、被加工金属管1と導体2とに流れる電流の方向が対向するように、被加工金属管1と導体2とに電流が流れる(図8(d))。そして、前記したように、フレミングの左手の法則に従った反発力が生じて拡管が生じ、拡管した金属管1aとなる(図8(e))。この際、導体接続部材20は拡管に追従するように拡径変形するため、拡管の過程で管端部4aおよび導通部5から分離することがない。
なお、上記とは逆に被加工金属管1に負端子、導体2に正端子を接続し、導体2から被加工金属管1に電流を流してもよい。
拡管後は、導体接続部材20を取り外した後、導体2を被加工金属管1から引き抜く。
【0060】
<熱交換器の製造方法>
次に、熱交換器の製造方法について説明する。
熱交換器の製造方法は、管を挿入する孔を有するフィン(例えばアルミニウムフィン)を複数積層した後に前記孔に非磁性の被加工金属管を挿入し、当該被加工金属管を拡管して前記被加工金属管を前記フィンに固着するものである。そして、熱交換器の製造方法は、挿入工程と、密着工程と、固着工程と、を有する。
【0061】
第2実施形態に係る熱交換器の製造方法は、第2実施形態に係る拡管装置および非磁性管の拡管方法で説明したとおり、導体接続部材を用いて被加工金属管の管端部と、当該管端部から突出した導通部とを導通させることにより拡管を行うものである。そしてこの拡管により、被加工金属管をフィンに固着させるものである。第2実施形態に係る熱交換器の製造方法は、導体接続部材を用いること以外については、第1実施形態における熱交換器の製造方法と同様であるので、ここでは説明を省略する。なお、熱交換器の製造方法においては、被加工金属管に導体を挿入し、導体接続部材を管端部および導通部に密着させてから孔に被加工金属管を挿入すればよい。ただし、先に被加工金属管のみを孔に挿入し、その後、導体を管内に挿入してから導体接続部材を密着させてもよい。
【実施例】
【0062】
以下、本発明の実施例について説明する。
なお、第1実施形態のように管端部を絞り加工することにより導体と密着させた場合でも、第2実施形態のように導体接続部材を用いた場合でも、拡管時に良好な導通を維持することができることから、ここでは、代表して第1実施形態に基づき実験を行なった。
【0063】
材質が、JIS C1220(りん脱酸銅)、または、りん脱酸銅に0.6質量%のSnを添加した合金(JIS C5010)である材料を用いて、図9(a)、(b)および表1に示す寸法の被加工金属管(内面溝付管)1を形成した。
【0064】
【表1】

【0065】
この被加工金属管1の一端部を絞り加工により潰して、導体(C1220 外径5mm)に密着させた(図1、2参照)。なお、導体と被加工金属管1の密着部の長さは略5mmである。次にコンデンサ容量を200μF、通電電圧を5〜12.5kVとして通電して拡管する成形実験を行なった。成形実験の条件および結果を表2に示す。
【0066】
【表2】

【0067】
この結果、拡管前の外径に比較すると、200μFで、10kV〜12.5kVで通電することにより約7.5〜20%の拡径が得られ、全体的に従来よりも大幅に拡径することができた。また、拡管後も山の潰れ等は生じていなかった。一方、200μFで、5kVで通電させた場合には、投入エネルギーが少ないため、本実施例で用いたサイズおよび材質の被加工金属管1では、ほとんど拡管されていなかった。なお、本実施例では単管で拡管試験を行ったが、フィンドコイルタイプの熱交換器で管を拡管する場合であって、管の拡管に伴いフィンのカラー割れが生じる場合は、投入エネルギーを下げて拡管すればよい。この場合であっても、溝の山潰れが生じないのは勿論である。
【0068】
以上、本発明に係る非磁性管の拡管方法および熱交換器の製造方法、ならびに拡管装置について実施の形態および実施例を示して詳細に説明したが、本発明の趣旨は前記した内容に限定されるものではない。なお、本発明の内容は、前記した記載に基づいて広く改変・変更等することができることはいうまでもない。
【0069】
例えば、第1実施形態では、導体を被加工金属管の管内に挿入した後、管端部を縮径して縮径部を導通部に密着させるものとしたが、予め管端部を導体の径に合わせて縮径しておき、その後、導体を管内部に挿入して縮径部に導通部を密着させるものとしてもよい。
また、第2実施形態では、導体を被加工金属管の管内に挿入した後、導体接続部材を、管端部と導通部とに密着させるものとしたが、予め導体接続部材を管端部あるいは導通部に嵌合させておき、その後、導体を管内部に挿入して導体接続部材に導通部を密着させる、あるいは、導体接続部材に管端部を密着させるものとしてもよい。
【符号の説明】
【0070】
1 被加工金属管
1a 拡管後の金属管
2 導体
3 絶縁体
4 縮径部
4a 被加工金属管の一端部(管端部)
5 導通部
5a 導体の端部(導体端部)
6 接触部
10 コンデンサ
11 スイッチ
12 電流計
13 支持台
14 クランプ
15a,15b 導線
20 導体接続部材
20a リング板部材
20b スプリング部材(平板条スプリング部材)
21 エンドプレート
22 フィン
24a,24b 孔
100,100A 拡管装置
200 拡管前の熱交換器
201 拡管後の熱交換器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周が絶縁され、端部において導通部が露出した導体を、非磁性の被加工金属管の管内に挿入する挿入工程と、
前記被加工金属管の一端部を縮径して縮径部を形成し、当該縮径部を前記導通部に密着させる密着工程と、
前記被加工金属管と前記導体とに流れる電流の方向が対向するように電流を流すことで前記被加工金属管を拡管する拡管工程と、を有することを特徴とする非磁性管の拡管方法。
【請求項2】
外周が絶縁され、端部において導通部が露出した導体を、非磁性の被加工金属管の管内に前記導通部が前記被加工金属管から突出するように挿入する挿入工程と、
前記被加工金属管と前記導体とを導通させる導体接続部材を、前記被加工金属管の一端部と、当該一端部から突出した前記導通部とに密着させる密着工程と、
前記被加工金属管と前記導体とに流れる電流の方向が対向するように電流を流すことで前記被加工金属管を拡管する拡管工程と、を有することを特徴とする非磁性管の拡管方法。
【請求項3】
前記被加工金属管の管外径が4〜30mm、かつ管長が50〜3000mmであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の非磁性管の拡管方法。
【請求項4】
前記被加工金属管が、銅または銅合金であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の非磁性管の拡管方法。
【請求項5】
前記被加工金属管が、アルミニウムまたはアルミニウム合金であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の非磁性管の拡管方法。
【請求項6】
管を挿入する孔を有するフィンを複数積層した後に前記孔に非磁性の被加工金属管を挿入し、当該被加工金属管を拡管して前記被加工金属管を前記フィンに固着する熱交換器の製造方法であって、
外周が絶縁され、端部において導通部が露出した導体を、前記被加工金属管の管内に挿入する挿入工程と、
前記被加工金属管の一端部を縮径して縮径部を形成し、当該縮径部を前記導通部に密着させる密着工程と、
前記被加工金属管と前記導体とに流れる電流の方向が対向するように電流を流すことで前記被加工金属管を拡管して前記フィンに固着する固着工程と、を有することを特徴とする熱交換器の製造方法。
【請求項7】
管を挿入する孔を有するフィンを複数積層した後に前記孔に非磁性の被加工金属管を挿入し、当該被加工金属管を拡管して前記被加工金属管を前記フィンに固着する熱交換器の製造方法であって、
外周が絶縁され、端部において導通部が露出した導体を、前記被加工金属管の管内に前記導通部が前記被加工金属管から突出するように挿入する挿入工程と、
前記被加工金属管と前記導体とを導通させる導体接続部材を、前記被加工金属管の一端部と、当該一端部から突出した前記導通部とに密着させる密着工程と、
前記被加工金属管と前記導体とに流れる電流の方向が対向するように電流を流すことで前記被加工金属管を拡管して前記フィンに固着する固着工程と、を有することを特徴とする熱交換器の製造方法。
【請求項8】
前記被加工金属管の管外径が4〜30mm、かつ管長が50〜3000mmであることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の熱交換器の製造方法。
【請求項9】
端部に導通部が露出するように外周が絶縁され、非磁性の被加工金属管の管内に挿入し、前記被加工金属管の一端部を縮径した縮径部に前記導通部を密着させる導体と、
前記被加工金属管と前記導体とに流れる電流の方向が対向するように電流を流すコンデンサと、を備え、
前記導体は、当該導体と前記被加工金属管とが直接接触する接触部を有することを特徴とする拡管装置。
【請求項10】
端部に導通部が露出するように外周が絶縁され、非磁性の被加工金属管の管内に前記導通部が前記被加工金属管から突出するように挿入する導体と、
前記被加工金属管の一端部と、当該一端部から突出した前記導通部とに密着させ、前記被加工金属管と前記導体とを導通させる導体接続部材と、
前記被加工金属管と前記導体とに流れる電流の方向が対向するように電流を流すコンデンサと、を備えることを特徴とする拡管装置。
【請求項11】
前記コンデンサ内のスイッチが、前記被加工金属管または前記導体の電流流入側接点から500mm以内の位置に設置されていることを特徴とする請求項9または請求項10に記載の拡管装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−200771(P2012−200771A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−68761(P2011−68761)
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【出願人】(000001199)株式会社神戸製鋼所 (5,860)
【出願人】(504136753)株式会社コベルコ マテリアル銅管 (79)
【出願人】(596150529)テクノ電気工業株式会社 (9)