説明

非自動運転型電動ポンプの自動運転装置

【課題】液位検知の位置調整を不要とし、取り扱いが容易な非自動運転型電動ポンプの自動運転装置により、液位に即応した非自動運転型電動ポンプの自動運転装置を提供する。
【解決手段】液位を検知する検知部2aと、該検知の信号を無線通信6する送信回路部および電池収納部を水密状態に内装した検出センサーユニット2から無線送信6される検出信号を受信する受信回路部と該受信信号に基づいて、非自動運転型電動ポンプ1のモータへの電源の供給又は停止を制御する制御回路部を装備した電源開閉制御ユニット3に、上記非自動運転型電動ポンプ1の電源ケーブル1wを接続し、吸排水処理対象の場所に、上記検出センサーユニット2を接液させて置くことで、上記検出センサーユニット2の検知信号に基づいて、非自動運転型電動ポンプ1への電源の供給又は停止を、上記電源開閉制御ユニット3で適正に制御するよう夫々を個別に構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液位検知の信号を無線送信することで、非自動運転型電動ポンプを自動運転させる非自動運転型電動ポンプの自動運転装置に関するもである。
【背景技術】
【0002】
従来の電動ポンプの自動運転装置では、電動ポンプと一体不可分に設けられた、液位を検知する電極又はフロート式の検出部および、該検出部の検知信号に基づいて電動ポンプを自動運転制御するため、上記検知信号を信号線により電動ポンプに装備された制御部に送信され、該制御部はその送信に応じて電動ポンプを自動運転制御させていることから、電動ポンプの自動運転装置を電動ポンプと一体不可分に付設されるよう構成されていることは公知である(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−122093号公報 (第4,5図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の従来の電動ポンプの自動運転装置においては、電動ポンプを駆動制御する起動および停止の液位の設定変更に際して、電動ポンプに付設された電極やフロートの装着位置を高さ方向に移動調整する必要があり、調整作業が面倒であると共に、検出部および制御部を電動ポンプと一体不可分に付設した自動運転専用の電動ポンプとしなければならず、非自動運転型ポンプのように小型・軽量化することができないことなどから、急な災害時の漏水や冠水等の使用には不向きであるという欠点があった。
【0005】
そこで、本発明は上記問題点を鑑み、急な自然災害等による漏水や冠水および、工場や一般住宅での設備劣化による漏水においては、特に漏水や冠水の確認が困難な夜間、照明が届かないエリア、照明の無い場所、確認が困難な狭い場所や人体に有害なガス雰囲気中などの場所に対して、人為的に漏水や冠水などを確認すること無く、漏水や冠水の有無を自動的に検出し、該検出の信号に応じて非自動運転型電動ポンプのモータへの電源の供給又は停止を的確に行うことで、漏水や冠水時に即応した適正な吸排水処理を自動的に行うことにより、省エネルギーを達成することができるということに加えて、回転磨耗部品やモータの故障を少なくし信頼性を高めると共に、取り扱いが容易な非自動運転型電動ポンプの自動運転装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために本発明の請求項1に係る発明は、非自動運転型電動ポンプを自動排水運転させるための自動運転装置において、液位を検知する検知部と、該検知の信号を無線通信する送信回路部および電池収納部を水密状態に内装した検出センサーユニットと、該検出センサーユニットから無線送信される検出信号を受信する受信回路部と該受信信号に基づいて、上記非自動運転型電動ポンプのモータへの電源の供給又は停止を制御する制御回路部を装備した電源開閉制御ユニットに、上記非自動運転型電動ポンプの電源ケーブルを接続し、吸排水処理対象の場所に、上記検出センサーユニットを接液させて置くことで、上記検出センサーユニットの検知信号に基づいて、非自動運転型電動ポンプへの電源の供給又は停止を、上記電源開閉制御ユニットで適正に制御するよう夫々を個別に構成さている。
【0007】
上記請求項1の非自動運転型電動ポンプの自動運転装置において、請求項2に係る発明は、上記検出センサーユニットの検知部に電極を設けて導電性液体の液位を検知するよう構成している。
【0008】
また、上記請求項1の非自動運転型電動ポンプの自動運転装置において、請求項3に係る発明は、上記検出センサーユニットの検知部に水圧センサを設けて非導電性液体に対しても液位を検知するよう構成している。
【0009】
更に、上記請求項1ないし3のいずれかに記載の非自動運転型電動ポンプの自動運転装置において、請求項4に係る発明は、上記出センサーユニットを液面に浮上し浮遊するよう構成している。
【0010】
そして、上記請求項1ないし4のいずれかに記載の非自動運転型電動ポンプの自動運転装置において、請求項5に係る発明は、上記検出センサーユニットの液位の検知信号により、非自動運転型電動ポンプが起動して液体排出後、液位が所定の非検知の液位に低下した後の一定時間後に、停止信号を送信するタイマー機能を検出センサーユニットに備えている。
【0011】
更にまた、上記請求項1ないし4のいずれかに記載の非自動運転型電動ポンプの自動運転装置において、請求項6に係る発明は、上記電源開閉制御ユニットへの液位検出信号の受信により、非自動運転型電動ポンプが起動して液体排出後、液位が所定の非検知の液位に低下し、液位検出信号が途絶えてた後の一定時間後に、非自動運転型電動ポンプへの電源を停止するタイマー機能を電源開閉制御ユニットに備えている。
【発明の効果】
【0012】
本発明の非自動運転型電動ポンプの自動運転装置によれば、従来のような検出部および制御部を電動ポンプと一体不可分に付設した自動運転専用の電動ポンプとする必要がないことから、非自動運転型電動ポンプの電源ケーブルを電源開閉制御ユニットに接続し、吸排水処理対象の場所に、検出センサーユニットを接液させて置くだけで、極めて容易に非自動運転型電動ポンプを液位に応じて適正に自動運転の排水処理をすることができるので、簡単な構成でポンプ本体の構造変更をすることなく非自動運転型電動ポンプの自動運転を可能することができ、自動運転することにより常時の連続運転が解消され、該電動ポンプを構成する回転磨耗部品や温度上昇によるモータの故障を少なくし信頼性を高めることができ、しかも液体の有無を無線通信によって検知送信するため、検出信号を伝達する配線やコードなどを必要としないため、仮設や移動を行っても配線や検出器の取り付け工事を必要とせず作業性に優れている。
【0013】
更に、急な自然災害等による漏水や冠水時に対しても効率の良い運転により省エネルギー運転ができることに加えて、漏水の確認が困難な夜間、照明が届かないエリア、照明の無い場所、人の確認が困難な狭い場所や人体に有害なガス雰囲気中などの場所においても、使用できるため現場での作業安全性が高められる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の非自動運転型電動ポンプの自動運転装置に係る電気回路のブロック図である。
【図2】本発明に係る非自動運転型電動ポンプの自動運転装置を、残水処理排水に使用される非自動運転型電動ポンプに用いた実施例を説明する説明図である。
【図3】本発明に係る非自動運転型電動ポンプの自動運転装置を、水没して使用される非自動運転型電動ポンプに用いた実施例を説明する説明図である。
【図4】本発明に係る非自動運転型電動ポンプの自動運転装置の検出センサーユニットを、浮遊構成とした実施例を説明する説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の非自動運転型電動ポンプの自動運転装置の実施の形態を実施例に基づき、図面を参照して詳細に説明する。
【実施例1】
【0016】
図1ないし4において、1はポンプ部4にモータ5を搭載した非自動運転型電動ポンプ、2は液位を検知する検知部2aと該検知の信号を無線送信6する送信回路部2cおよび電池収納部2bを水密状態に内装した検出センサーユニット、3は該検出センサーユニット2から無線送信6される検出信号を受信する受信回路部3aと該受信信号に基づいて上記非自動運転型電動ポンプ1のモータ5への電源の供給又は停止を制御する制御回路部3bを装備した電源開閉制御ユニットに、上記非自動運転型電動ポンプ1の電源ケーブル1wを接続し、吸排水処理対象の場所に、上記検出センサーユニット2を接液させて置くことで、上記検出センサーユニット2の検知信号に基づいて、非自動運転型電動ポンプ1への電源の供給又は停止を、上記電源開閉制御ユニット3で適正に制御するよう夫々を個別に構成さている。
【0017】
そして、図2に示すように残水処理排水の非自動運転型電動ポンプ1の吸込ホースの先端開口部を排水処理場所の水溜りに浸漬させて吸水し、吐出ホースの導出開口部(図示せず)より排水させる非自動運転型電動ポンプ1に、本発明の検出センサーユニット2と電源開閉制御ユニット3用いることで、従来は自動運転の吸排水ができない極めて水深の浅い水溜りような排水処理場所においても、分離された検出センサーユニット2を接液させて置くだけで、溜り水がなくなれば検出センサーユニット2からの検知信号が停止または停止信号の無線送信6により、電源開閉制御ユニット3によって非自動運転型電動ポンプ1への電源供給が停止されて残水処理排水が停止され、再び水溜りに漏水が溜まれば検出センサーユニット2から液位検知の信号が無線送信6され、電源開閉制御ユニット3は非自動運転型電動ポンプ1へ電源が供給され残水処理排水が開始される。
【0018】
また図3に示すように排水槽内に非自動運転型電動ポンプ1を設置し、該非自動運転型電動ポンプ1の下部に穿設された複数の吸水孔から吸水し、吐出ホースの導出開口部(図示せず)より排水させる非自動運転型電動ポンプ1の電源ケーブル1wの所定位置に検出センサーユニット2を繋留して所定の液位深さに設置するだけで、検出センサーユニット2から液位検知の信号が無線送信6されれば、電源開閉制御ユニット3は非自動運転型電動ポンプ1へ電源が供給されて、非自動運転型電動ポンプ1は自動的に排水運転を開始し、排水槽内の液位は次第に低下して検出センサーユニット2からの検知信号が停止または停止信号の無線送信6により、電源開閉制御ユニット3によって非自動運転型電動ポンプ1への電源供給が停止され、非自動運転型電動ポンプ1は自動的に排水運転が停止される。
【実施例2】
【0019】
前記実施例1に基づいて、図1に示された検出センサーユニット3の検知部2aを導電性液体を検知対象とした電極で構成することで、電極が接液して導通されることで直接導電性の液位を検出することができると共に、電極を用いることでシンプルかつ安価に検出センサーユニット3を構成することができる。
【実施例3】
【0020】
しかし、前記実施例2においては、非導電性液体の液位を検出できないという欠点を有しているので、検出センサーユニット3の検知部2aを水圧センサで構成することで、非導電性液体の液位検出にも対処することができる。
【実施例4】
【0021】
前記実施例1ないし3のいずれかの実施例に基づいて、図4に示された検出センサーユニット3を液面に浮上し浮遊するよう構成することで、非自動運転型電動ポンプ1の電源ケーブル1wに、上記検出センサーユニット3を遊嵌して連繋しておけば、検出センサーユニット3が浮遊状体である限り、水深には関係なく液位検知信号が的確に電源開閉制御ユニット3へ無線送信6されると共に、別途検出センサーユニット3用の遊嵌連繋ガイドを必要としないことから、シンプルかつ安価に構成することができる。
【実施例5】
【0022】
前記実施例1ないし4のいずれかの実施例に基づいて、図3および4に示された検出センサーユニット3の液位検出機能に液位が所定の非検知の液位に低下した後の一定時間後に、停止信号を送信するタイマー機能を具備させたことで、非自動運転型電動ポンプ1の起動と停止の液位差を大きく確保することができるので、非自動運転型電動ポンプ1の頻繁な発停運転のチャタリング現象が回避でき、安定した自動運転の排水処理ができると共に、起動時の大きな起動電流がモータに印加されることも少なくなるので、モータ寿命も延命されることに加えて、省エネルギー運転にも大きく貢献される。
【実施例6】
【0023】
前記実施例1ないし4のいずれかの実施例に基づいて、図3および4に示された電源開閉制御ユニットへの液位検出信号の受信機能に液位が所定の非検知の液位に低下し、液位検出信号が途絶えてた後の一定時間後に、非自動運転型電動ポンプへの電源を停止するタイマー機能を電源開閉制御ユニットに具備させたことで、前記実施例5と同様に、非自動運転型電動ポンプ1の起動と停止の液位差を大きく確保することができるので、非自動運転型電動ポンプ1の頻繁な発停運転のチャタリング現象が回避でき、安定した自動運転の排出処理ができると共に、起動時の大きな起動電流がモータに印加されることも少なくなるので、モータ寿命も延命されることに加えて、省エネルギー運転にも大きく貢献される。
【符号の説明】
【0024】
1 非自動運転型電動ポンプ
1w 電源ケーブル
2 検出センサーユニット
2a 検知部
2b 電池収納部
2c 送信回路部
3 電源開閉制御ユニット
3a 受信回路部
3b 制御回路部
4 ポンプ部
5 モータ
6 無線送信

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非自動運転型電動ポンプを自動排水運転させるための自動運転装置において液位を検知する検知部と、該検知の信号を無線通信する送信回路部および電池収納部を水密状態に内装した検出センサーユニットと、該検出センサーユニットから無線送信される検出信号を受信する受信回路部と該受信信号に基づいて、上記非自動運転型電動ポンプのモータへの電源の供給又は停止を制御する制御回路部を装備した電源開閉制御ユニットに、上記非自動運転型電動ポンプの電源ケーブルを接続し、吸排水処理対象の場所に、上記検出センサーユニットを接液させて置くことで、上記検出センサーユニットの検知信号に基づいて、非自動運転型電動ポンプへの電源の供給又は停止を、上記電源開閉制御ユニットで適正に制御するよう夫々を個別に構成したことを特徴とする、非自動運転型電動ポンプの自動運転装置。
【請求項2】
前記検出センサーユニットの検知部に電極を設けて導電性液体の液位を検知するよう構成したことを特徴する、請求項1記載の非自動運転型電動ポンプの自動運転装置。
【請求項3】
前記検出センサーユニットの検知部に水圧センサを設けて非導電性液体に対しても液位を検知するよう構成したことを特徴する、請求項1記載の非自動運転型電動ポンプの自動運転装置。
【請求項4】
前記検出センサーユニットを液面に浮上し浮遊するよう構成したことを特徴する、請求項1ないし3のいずれかに記載の非自動運転型電動ポンプの自動運転装置。
【請求項5】
前記検出センサーユニットの液位の検知信号により、非自動運転型電動ポンプが起動して液体排出後、液位が所定の非検知の液位に低下した後の一定時間後に、停止信号を送信するタイマー機能を検出センサーユニットに備えたことを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の非自動運転型電動ポンプの自動運転装置。
【請求項6】
前記電源開閉制御ユニットへの液位検出信号の受信により、非自動運転型電動ポンプが起動して液体排出後、液位が所定の非検知の液位に低下し、液位検出信号が途絶えてた後の一定時間後に、非自動運転型電動ポンプへの電源を停止するタイマー機能を電源開閉制御ユニットに備えたことを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の非自動運転型電動ポンプの自動運転装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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