面光源装置及びそれを有するバックライトユニット
【課題】輝度均一性に優れた面光源装置を提供する。
【解決手段】面光源装置は、第1基板、及び第1基板と結合して複数個の放電空間を形成する第2基板を含む。反射層を第1基板上に形成する。放電ガスが反射層に吸着することを防止する第1吸着防止層を反射層上に形成する。第1蛍光層を第1吸着防止層上に形成する。第2蛍光層を第2基板の内面に形成する。放電ガスに電圧を印加する電極を第1基板及び第2基板に具備する。前記の構成によって、放電空間内に放電ガスの均一分布が可能になり、面光源装置は向上した輝度均一性を有するようになる。
【解決手段】面光源装置は、第1基板、及び第1基板と結合して複数個の放電空間を形成する第2基板を含む。反射層を第1基板上に形成する。放電ガスが反射層に吸着することを防止する第1吸着防止層を反射層上に形成する。第1蛍光層を第1吸着防止層上に形成する。第2蛍光層を第2基板の内面に形成する。放電ガスに電圧を印加する電極を第1基板及び第2基板に具備する。前記の構成によって、放電空間内に放電ガスの均一分布が可能になり、面光源装置は向上した輝度均一性を有するようになる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、面光源装置及びそれを有するバックライトユニットに関するもので、より詳細には、面形態で光を出射する面光源装置と、該面光源装置を光源として有するバックライトユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、液晶(liquid crystal;LC)は、電気的特性及び光学的特性を兼ね備えている。液晶は、電気的特性によって電界の方向に対応して配列が変更され、光学的特性によって配列に対応して光の透過率を変更させる。
【0003】
液晶表示装置は、液晶の電気的特性及び光学的特性を利用して映像を表示する。液晶表示装置は、CRT等に比べて体積が非常に小さくて軽いという長所を有し、そのためにポータブルコンピュータ、通信機器、液晶テレビ及び宇宙航空産業等に広く使用されている。
【0004】
液晶表示装置は、液晶を制御するための液晶制御部及び液晶に光を供給する光供給部を必要とする。
【0005】
液晶制御部は、第1基板に配置された画素電極(pixel electrode)、第2基板に配置された共通電極(common electrode)及び画素電極と共通電極の間に介在する液晶を含む。画素電極は、解像度に対応して多数個からなり、共通電極は画素電極と対向して一つで成り立っている。各画素電極には、お互いに異なるレベルを有する画素電圧(pixel voltage)を印加するために薄膜トランジスタ(thin film transistor;TFT)が連結されて、共通電極には等しいレベルのレファレンス電圧(reference voltage)が印加される。画素電極及び共通電極は、導電性を有する透明な物質で成り立っている。
【0006】
光供給部は、液晶制御部の液晶に光を供給する。光は、画素電極、液晶及び共通電極を順次に通過する。ここで、液晶を通過した映像の表示品質は、光供給部の輝度及び輝度均一性によって大きく左右される。一般的に輝度及び輝度均一性が高いほど、表示品質は良好になる。
【0007】
従来、液晶表示装置の光供給部は、棒形状を有する冷陰極蛍光ランプ(CCFL)またはドット形状を有する発光ダイオード(LED)が主に使用されてきた。冷陰極蛍光ランプは、輝度が高くて寿命が長く、白熱燈に比べて発熱量が非常に少ないという長所がある。一方、発光ダイオードは、輝度が高いという長所がある。しかし、従来の冷陰極蛍光ランプまたは発光ダイオードには、輝度均一性が良くないという短所がある。
【0008】
したがって、冷陰極蛍光ランプまたは発光ダイオードを光源に持つ光供給部は、輝度均一性を高めるために導光板(light guide panel;LGP)、拡散部材(diffusion member)及びプリズムシート(prism sheet)等の光学部材(optical member)を含んでいる。それによって冷陰極蛍光ランプまたは発光ダイオードを使用する液晶表示装置は、光学部材によって体積及び重さが大きく増加する問題点を有している。
【0009】
このような問題点を解消するため、平板形態の面光源装置が提案されている。従来の面光源装置は、複数の放電空間は、独立した隔壁によって形成されている隔壁分離型と、波形基材に形成されている統合的な隔壁によって形成されている隔壁一体型とに分けることができる。
【0010】
従来の隔壁分離型面光源装置は、第1基板、該第1基板上に配置された第2基板、及び第1基板及び第2基板の端部の間に配置されて内部空間を限定する密封部材を含む。独立した隔壁は、内部空間に配列し、内部空間を水銀ガスを含む放電ガスが注入される複数個の放電空間に区切る。第1基板及び第2基板の内面には、蛍光層が形成される。第1基板及び第2基板の両側端部外面に沿って放電ガスに電圧を印加するための電極が形成される。また、反射層が第1基板と蛍光層の間に介在する。
【0011】
一方、従来の隔壁一体型面光源装置は、第1基板と、該第1基板上に配置された第2基板を含む。第2基板は、複数個の隔壁部を一体に有し、該隔壁部が第1基板に突き合わせられることによって、放電ガスが注入される複数個の放電空間が形成される。第2基板の縁部(端部)は、シーリング用フリットを介して第1基板に接合される。第1基板及び第2基板の内面に蛍光層が形成され、放電ガスに電圧を印加するための電極は、第1基板及び第2基板の外周面(両側端部外面)を覆う。また、反射層が第1基板と蛍光層の間に介在する。
【0012】
ここで、放電ガスに含まれる水銀ガスは、温度に非常に敏感な特性を有する。すなわち、相対的に温度が低い部分に水銀ガスが片寄る。
【0013】
前述した従来の面光源装置で、光が出射される第2基板に隣接した放電空間領域が第1基板に隣接した放電空間領域より低い温度を有する。それによって、水銀ガスは第2基板と隣接した放電空間領域に移動するようになる。このように一方に片寄った水銀ガスは、第2基板の内面に形成された反射層と蛍光層に物理的に吸着される。結果的に、第2基板と隣接した放電空間領域に第1基板と隣接した放電空間領域より相対的により多い水銀ガスが分布するようになる。それによって、放電空間内に水銀ガスが均一に分布することができなくなり、面光源装置の輝度均一性が大きく低下する問題点があった。
【0014】
また、従来の面光源装置では、基板と蛍光層が直接突き合わせられることによって、基板内のナトリウムイオンが蛍光層に溶出して、面光源装置の黒化現象を引き起こす問題点もあった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、放電空間内の温度が相対的に低い領域に片寄った水銀ガスが反射層と蛍光層に吸着することを防止すると同時に基板内のナトリウムイオンが蛍光層内に溶出する現象も抑制することができる面光源装置を提供する。
【0016】
また、本発明は、前記のような面光源装置を光源として有するバックライトユニットを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の面光源装置は、第1基板及び第2基板を具備し、該第1基板及び第2基板の間に放電ガスと、複数個の放電空間を形成する光源体と、前記第1基板の内面に形成された反射層と、該反射層上に形成され、前記放電ガスが前記反射層に吸着することを防止する第1吸着防止層と、該第1吸着防止層上に形成された第1蛍光層と、前記第2基板の内面に形成された第2蛍光層と、及び前記放電ガスに放電電圧を印加する電極を含む。
【0018】
本発明の一実施例によると、放電ガスが第1蛍光層に吸着することを防止する第2吸着防止層が、第1蛍光層上に形成される。また、第1吸着防止層は、第2吸着防止層より厚い。また、第2基板内の金属が、第2蛍光層内に溶出することを防止する溶出防止層を、第2蛍光層と第2基板との間に介在させる。
【0019】
本発明の他の態様による面光源装置は、第1基板及び第2基板を具備し、該第1基板及び第2基板の間に放電ガスが注入される複数個の放電空間を形成する光源体と、前記第1基板の内面に形成された反射層と、前記第1基板の反射層及び前記第2基板の内面の中で少なくともいずれかの面上に形成され、蛍光体と吸着防止物が混合した複合蛍光層と、及び前記放電ガスに放電電圧を印加する電極を含む。
【0020】
本発明のもう一つのバックライトユニットは、第1基板及び第2基板を具備し、前記第1基板及び第2基板の間に放電ガスが注入される複数個の放電空間を形成する光源体、前記第1基板の内面に形成された反射層、前記反射層上に形成されて、前記放電ガスが前記反射層に吸着することを防止する第1吸着防止層、該第1吸着防止層上に形成された第1蛍光層、前記第2基板の内面に形成された第2蛍光層、及び前記放電ガスに電圧を印加する電極を含む面光源装置、前記面光源装置を収納するケース、前記面光源装置と前記ケースの間に介在する光学シート、及び前記面光源装置を駆動するための前記放電電圧を前記電極に供給するインバーターを含む。
【発明の効果】
【0021】
本発明によると、反射層上に形成された吸着防止層によって、放電ガスが反射層と蛍光層に物理的に吸着することを抑制する。したがって、たとえ放電ガスが放電空間の両端部の間の温度差によっていずれか一方の端部側に片寄るようになっても、放電ガスが反射層と蛍光層に吸着されることがなくなる。また、溶出防止層が基板内のナトリウムイオンが蛍光層に溶出することを抑制する。結果的に、放電ガスは放電空間内に均一に分布することが可能になって、面光源装置は向上した輝度均一性を有するようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、添付した図面を参照して本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。
【実施例1】
【0023】
図1は、本発明の第1実施例による面光源装置を示した斜視図で、図2は図1のII−II線に沿って切断した断面図である。
【0024】
図1及び図2を参照すると、本実施例による面光源装置100は、放電ガスが注入される内部空間を有する光源体、及び放電ガスに電圧を印加するための電極150を含む。一方、放電ガスには、水銀ガス、アルゴンガス、ネオンガス、キセノンガス等が使用できる。
【0025】
本実施例による面光源装置100は、隔壁分離型である。光源体は、第1基板111、該第1基板111上に配置された第2基板112、第1基板及び第2基板の端部の間に配置されて内部空間を限定する密封部材130、及び内部空間を複数個の放電空間140に区切る隔壁120を含む。
【0026】
第1基板及び第2基板は、可視光は透過させるが紫外線は遮断するガラス材質からなる。第2基板112は、放電空間140で発生した光が出射する出射面になる。
【0027】
隔壁120は、第1方向に沿って内部空間に平行に配列され、内部空間をストライプ形態の複数個の放電空間140に区切る。隔壁120の下面は、第1基板111に突き合わせられて、上面は第2基板112に突き合わせられる。各放電空間140に放電ガスを注入するために、隔壁120は蛇行構造としたり、または連通路(未図示)(passage hole)を隔壁120に形成することができる。
【0028】
電極150は、第1基板111の底面(下面)に形成された第1電極152、及び第2基板112の上面に形成された第2電極154を含む。特に、第1電極152及び第2電極154は、第1方向と実質的に直交する第2方向に沿って第1基板111及び第2基板112の両側端部に配置される。一方、電極150は、導電性テープまたは導電性ペーストを含むことができる。
【0029】
反射層160は、第1基板111の表面(内面)に形成される。反射層160は、放電空間140で発生した光の中で第1基板111方向に向かう光を第2基板112の方向に反射させる役目をする。
【0030】
電圧が印加された放電ガスから発生した紫外線によって励起される第1蛍光層171を反射層160の表面(内面)に形成する。第1蛍光層171と同じ機能を有する第2蛍光層172を第2基板112の底面(内面)に形成する。
【0031】
ここで、光が出射される第2基板112と隣接した放電空間140部分は、第1基板111と隣接した放電空間140より低い温度を有する。それによって、水銀ガスは第2基板112と隣接した放電空間140の部分に片寄るようになる。一方に片寄った水銀ガスは、反射層160と第1蛍光層171及び第2蛍光層172に物理的に吸着されやすくなる。吸着された水銀ガスは、それ以上移動することができなくなるので、水銀ガスが低い温度を有する放電空間140の一部分に集中する。それによって、面光源装置100から発生される光の輝度が不均一になる。
【0032】
これを防止するため、第1吸着防止層185を反射層160と第1蛍光層171の間に介在させる。また、第2吸着防止層181と第3吸着防止層182を、第1蛍光層171上(内面)と第2蛍光層172の底面(内面)にそれぞれ形成する。第1吸着防止層185は、水銀ガスが反射層160と反応することを防止して、水銀が反射層160に物理的に吸着することを防止する。第2吸着防止層181及び第3吸着防止層182は、水銀ガスが第1蛍光層171及び第2蛍光層172と反応することを防止し、水銀が蛍光体に物理的に吸着することを防止する。ここで、本実施例では、第1蛍光層171上及び第2蛍光層172上に第2吸着防止層181及び第3吸着防止層182をそれぞれ形成することを例示したが、第2吸着防止層181は、省略して水銀ガスが主に吸着する第2蛍光層172にのみ第3吸着防止層182を形成することもできる。
【0033】
このような役割をする第1吸着防止層185、第2吸着防止層181及び第3吸着防止層182の例としては、金属酸化物を挙げることができる。詳細には、金属酸化物の例として、アルミナ(alumina)、ジルコニア(zirconia)、チタニア(titania)、イットリア(yttria)またはそれらの組み合わせを挙げることができる。
【0034】
ここで、第1吸着防止層185は、第2吸着防止層181より厚いことが好ましい。詳細には、第1吸着防止層185は約2μmの厚さを有し、第2吸着防止層181は約1μmの厚さであることが好ましい。
【0035】
また、第2吸着防止層181及び第3吸着防止層182は、第1蛍光層171及び第2蛍光層172の厚さの20%以下であることが好ましい。詳細には、第2吸着防止層181及び第3吸着防止層182は、10nm乃至10μm、好ましくは、10nm乃至0.5μmの厚さである。
【0036】
第2基板112内に含有されたナトリウムイオンが、第2蛍光層172内に溶出することを防止するための溶出防止層186が、第2基板112と第2蛍光層172との間に介在する。溶出防止層186に使用できる材質は、第3吸着防止層182の材質として例示された物質の中のいずれか一つを挙げられる。
【0037】
本実施例によると、第1吸着防止層185が、水銀ガスが反射層160に物理的に吸着することを防止する。また、第2吸着防止層181及び第3吸着防止層182は、水銀ガスが第1蛍光層171及び第2蛍光層172に物理的に吸着することを防止する。したがって、たとえ放電空間140内の温度差によって水銀ガスが一方に片寄る現象が起きても、片寄った水銀ガスが反射層160と第1蛍光層171及び第2蛍光層172に物理的に吸着しなくなる。したがって、放電空間140の温度差がなくなれば、水銀ガスは放電空間140内に均一な分布が可能になる。また、溶出防止層186が、第2基板112内のナトリウムイオンが第2蛍光層172内に溶出することを防止するので、面光源装置100の黒化現象が抑制される。結果的に、面光源装置100は、向上した輝度均一性を有するようになる。
【実施例2】
【0038】
図3は、本発明の第2実施例による面光源装置を示した断面図で、図4は図3の部位IVを拡大して示した断面図である。
【0039】
本実施例による面光源装置100aは、複合蛍光層191、192を除き実施例1の面光源装置100と実質的に同じ構成要素を含んでいる。したがって、同じ構成要素は同じ参照符号で示し、また同じ構成要素に対する説明は省略する。
【0040】
図3及び図4を参照すると、第1複合蛍光層191は、反射層160上に形成される。また、第2複合蛍光層192は、第2基板112の底面(内面)に形成される。
【0041】
第1複合蛍光層191及び第2複合蛍光層192は、蛍光体193に吸着防止物194を混合して製造されたスラリー形態である。吸着防止物194は、水銀ガスが反射層160と蛍光体193に物理的に吸着することを防止する。吸着防止物194の例としては、アルミナ(alumina)、ジルコニア(zirconia)、チタニア(titania)、イットリア(yttria)またはそれらの組み合わせを挙げることができる。
【0042】
本実施例によると、第1複合蛍光層191、第2複合蛍光層192内に蛍光体193と吸着防止物194が混合されているので、実施例1の第1吸着防止層185、第2吸着防止層181、及び第3吸着防止層182を塗布する工程を省略することができる。
【実施例3】
【0043】
図5は、本発明の第3実施例による面光源装置を示した斜視図で、図6は図5のVI−VI線に沿って切断した断面図である。
【0044】
図5及び図6を参照すると、本実施例による面光源装置200は、放電ガスが注入される内部空間を有する光源体、及び放電ガスに電圧を印加するための電極250を含む。
【0045】
本実施例による面光源装置200は、複数の放電空間が統合的な隔壁によって形成されている隔壁一体型である。
【0046】
したがって、光源体は第1基板211、及び第1基板211上に配置されて隔壁部220を一体に有する第2基板212を含む。第1方向に沿って(平行に)配列された隔壁部220が第1基板211に突き合わせられて、略アーチ形状の複数個の放電空間240を形成する。各放電空間240に放電ガスを注入するために、隔壁部220は蛇行構造に配列するかまたは連通路(passage hole)225を隔壁部220に形成することができる。特に、連通路225は、隔壁部220上に斜線型またはS字形態に形成することができる。一方、本実施例による隔壁部220は、1乃至5mm程度の幅を有する。
【0047】
電極250は、第1方向と実質的に直交する第2方向に沿って光源体の両側端部上に沿って配列される。電極250は、第1基板211の底面(下面)に形成された第1電極252、及び第2基板212の上面に形成された第2電極254を含む。
【0048】
反射層260は、第1基板211の内面に形成される。第1蛍光層271は、反射層260上に形成される。第2蛍光層272は、第2基板212の底面(内面)に形成される。
【0049】
第1吸着防止層285を反射層260と第1蛍光層271との間に介在させる。第2吸着防止層281を第1蛍光層271上に形成する。また、第3吸着防止層282を、第2蛍光層272の底面(内面)に形成する。第1吸着防止層285、第2吸着防止層281及び第3吸着防止層282は、水銀ガスが反射層260と第1蛍光層271及び第2蛍光層272と反応することをそれぞれ防止することにより、水銀が反射層260、第1蛍光層271及び第2蛍光層272に物理的に吸着することを防止する。第1吸着防止層285、第2吸着防止層281及び第3吸着防止層282の例としては、アルミナ(alumina)、ジルコニア(zirconia)、チタニア(titania)、イットリア(yttria)またはそれらの組み合わせを挙げることができる。
【0050】
ここで、第1吸着防止層285は、第2吸着防止層281より厚いことが好ましい。詳細には、第1吸着防止層285は約2μmの厚さを有し、第2吸着防止層281は約1μmの厚さを有することができる。
【0051】
また、第2吸着防止層281及び第3吸着防止層282は、第1蛍光層271及び第2蛍光層272の厚さの20%以下の厚さであることが好ましい。詳細には、第2吸着防止層281及び第3吸着防止層282は、10nm乃至10μm、好ましくは10nm乃至0.5μmの厚さを有する。
【0052】
さらに、第2基板212内に含有されたナトリウムイオンが、第2蛍光層272内に溶出することを防止するための溶出防止層286が、第2基板212と第2蛍光層272との間に介在する。
【0053】
一方、図3に図示された実施例2の複合蛍光層191、192を本実施例の面光源装置200に採用することもできる。
【実施例4】
【0054】
図7は、本発明の第4実施例によるバックライトユニットを示した分解斜視図である。
【0055】
図7を参照すると、本実施例によるバックライトユニット1000は、実施例3による面光源装置200、上部ケース1100、下部ケース1200、光学シート900及びインバーター1300を含む。
【0056】
面光源装置200は、図5に図示した面光源装置と実質的に同じ構成からなるので、面光源装置200に対する説明は省略する。一方、前述した他の実施例による面光源装置をバックライトユニット1000に採用することもできる。
【0057】
下部ケース1200は、面光源装置200を収納するために底部1210及び底部1210の縁から収納空間を形成するために延長された複数の側壁1220とからなる。面光源装置200は、下部ケース1200の収納空間に収納される。
【0058】
インバーター1300は、下部ケース1200の背面に配置され、面光源装置200を駆動するための放電電圧を発生させる。インバーター1300から発生された放電電圧は、第1電源線1352及び第2電源線1354を通じて面光源装置200の電極250にそれぞれ印加される。
【0059】
光学シート900は、面光源装置200から出射される光を均一に拡散させるための拡散板(未図示)と、拡散した光に直進性を付与するためのプリズムシート(未図示)からなることができる。
【0060】
上部ケース1100は、下部ケース1200に結合されて面光源装置200と光学シート900を支持する。上部ケース1100は、面光源装置200が下部ケース1200から離脱することを防止する。
【0061】
一方、映像を表示する液晶表示パネル(未図示)を上部ケース1100の上部に配置することができる。
【0062】
面光源装置の製造
<実験例1>
150μmの厚さを有する反射層を第1基板上(内面)に形成した。5μmの厚さを有するイットリア材質の第1吸着防止層を反射層上に形成した。続いて、40μmの厚さを有する第1蛍光層を第1吸着防止層上に形成した。5μmの厚さを有するイットリア材質の溶出防止層を第2基板の底面(内面)に形成した。その後、20μmの厚さを有する第2蛍光層を溶出防止層上に形成した。5μmの厚さをそれぞれ有するイットリア材質の第2吸着防止層及び第3吸着防止層を第1蛍光層及び第2蛍光層上にそれぞれ形成した。
【0063】
<実験例2>
150μmの厚さを有する反射層を第1基板上(内面)に形成した。40μmの厚さを有する第1蛍光層を反射層上に形成した。20μmの厚さを有する第2蛍光層を第2基板の底面(内面)に形成した。5μmの厚さを有するイットリア層を第2蛍光層上(内面)にのみ形成した。
【0064】
<実験例3>
150μmの厚さを有する反射層を第1基板上に形成した。5μmの厚さを有するイットリア材質の第1吸着防止層を反射層上に形成した。40μmの厚さを有する第1蛍光層を第1吸着防止層上に形成した。20μmの厚さを有する第2蛍光層を第2基板の底面(内面)に形成した。5μmの厚さを有するイットリア材質の第2吸着防止層を第1蛍光層上にのみ形成した。
【0065】
<実験例4>
150μmの厚さを有する反射層を第1基板上に形成した。5μmの厚さを有するイットリア材質の第1吸着防止層を反射層上に形成した。40μmの厚さを有する第1蛍光層を第1吸着防止層上に形成した。20μmの厚さを有する第2蛍光層を第2基板の底面に形成した。イットリアと蛍光体を混合した5μm厚さの複合蛍光層を第1蛍光層上にのみ形成した。
【0066】
<比較例>
150μmの厚さを有する反射層を第1基板上に形成した。40μmの厚さを有する第1蛍光層を反射層上に形成した。20μmの厚さを有する第2蛍光層を第2基板の底面に形成した。
【0067】
[実験例1及び実験例2と比較例の面光源装置の輝度均一性評価]
実験例1及び実験例2による面光源装置と比較例による面光源装置の輝度を、100時間毎に測定した。
【0068】
図8aは、実験例1による面光源装置の最初の輝度を示した写真で、図8bは実験例2による面光源装置の最初の輝度を示した写真であり、図8cは比較例による面光源装置の最初の輝度を示した写真である。
【0069】
図8a、図8b及び図8cに示されたように、面光源装置の最初の輝度はすべて均一な状態であることが確認される。すなわち、面光源装置の最初駆動時には放電空間内の温度差がほとんど発生しないので、水銀ガスが放電空間内に均一に分布していることが分かる。
【0070】
図9aは、100時間経過後の実験例1による面光源装置の輝度を示した写真で、図9bは、100時間経過後の実験例2による面光源装置の輝度を示した写真であり、図9cは、100時間経過後の比較例による面光源装置の輝度を示した写真である。
【0071】
図9a及び図9bに示されたように、実験例1及び実験例2による面光源装置は、100時間が経過後も均一な輝度を示すことが分かる。一方、図9cに示されたように、比較例の面光源装置では非点灯領域が部分的に存在することを確認することができる。それは、吸着防止層と溶出防止層を持たない比較例の面光源装置では、水銀ガスが蛍光層に物理的に吸着されることにより、水銀ガスが放電空間内に不均一に分布し始めたことを証明している。また、基板内のナトリウムイオンが蛍光層に溶出して、黒化現象が発生していることも証明している。
【0072】
図10aは、200時間経過後の実験例1による面光源装置の輝度を示した写真で、図10bは、200時間経過後の実験例2による面光源装置の輝度を示した写真であり、図10cは、200時間経過後の比較例による面光源装置の輝度を示した写真である。
【0073】
図10a及び図10bに示されているように、実験例1及び実験例2による面光源装置は、200時間経過後も継続して均一な輝度を示している。すなわち、放電空間内に温度差が発生しても、水銀ガスが蛍光層に物理的に吸着することを吸着防止層が防止することで、水銀ガスが放電空間内に均一に分布していることを確認することができる。また、溶出防止層が基板内のナトリウムイオンが蛍光層に溶出することを防止して、面光源装置の黒化現象が抑制されていることが分かる。一方、図10cに示されたように、比較例の面光源装置では非点灯領域がより増加していることを確認することができる。
【0074】
図11aは、300時間経過後の実験例1による面光源装置の輝度を示した写真で、図11bは、300時間経過後の実験例2による面光源装置の輝度を示した写真であり、図11cは、300時間経過後の比較例による面光源装置の輝度を示した写真である。
【0075】
図11a及び図11bに示されているように、実験例1及び実験例2による面光源装置は、300時間が経過しても継続して均一な輝度を示している。一方、図11cに示されているように、比較例の面光源装置では非点灯領域が大きく増加したことを確認することができる。
【0076】
図12aは、500時間経過後の実験例1による面光源装置の輝度を示した写真で、図12bは、500時間経過後の実験例2による面光源装置の輝度を示した写真であり、図12cは、500時間経過後の比較例による面光源装置の輝度を示した写真である。
【0077】
図12a及び図12bに示されているように、実験例1及び実験例2による面光源装置は、500時間が経過しても継続して均一な輝度を示している。すなわち、実施例1及び2による面光源装置では、500時間経過後にも初期の輝度がほとんどそのまま維持されている。一方、図12cに示されているように、比較例の面光源装置では非点灯領域が非常に多いことを確認することができる。
【0078】
このような結果から、本発明による吸着防止層が、水銀ガスが蛍光層に物理的に吸着することを防止することが分かる。また、溶出防止層が基板内のナトリウムイオンが蛍光層に溶出することを防止して、面光源装置の黒化現象が抑制されていることも分かる。したがって、たとえ放電空間内の温度差によって水銀ガスが低い温度を有する放電空間領域に移動しても、水銀ガスが蛍光層に物理的に吸着されなくなる。結果的に、水銀ガスが放電空間内に均一に分布されることで、長期間駆動させた本発明の面光源装置は、継続して均一な輝度を有するようになる。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明によると、吸着防止層は、放電ガスが反射層と蛍光層に物理的に吸着することを防止する。また、溶出防止層が基板内のナトリウムイオンが蛍光層内に溶出することを防止する。したがって、放電ガスは放電空間内に均一に分布することができるようになり、また黒化現象も抑制されて面光源装置は向上した輝度均一性を有するようになる。
【0080】
先に説明した本発明の詳細な説明では、本発明の好ましい実施例を参照して説明したが、該当の技術分野の熟練された当業者または該当の技術分野に通常の知識を有する者なら、特許請求の範囲に記載した本発明の思想及び技術領域から逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正及び変更させることができることを理解することができるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の第1実施例による面光源装置を示した斜視図である。
【図2】図1のII−II線に沿って切断した断面図である。
【図3】本発明の第2実施例による面光源装置を示した断面図である。
【図4】図3のIV部位を拡大して示した断面図である。
【図5】本発明の第3実施例による面光源装置を示した斜視図である。
【図6】図5のVI−VI線に沿って切断した断面図である。
【図7】本発明の第4実施例によるバックライトユニットを示した分解斜視図である。
【図8a】実験例1による面光源装置の最初の輝度を示した写真である。
【図8b】実験例2による面光源装置の最初の輝度を示した写真である。
【図8c】比較例による面光源装置の最初の輝度を示した写真である。
【図9a】100時間経過後の実験例1による面光源装置の輝度を示した写真である。
【図9b】100時間経過後の実験例2による面光源装置の輝度を示した写真である。
【図9c】100時間経過後の比較例による面光源装置の輝度を示した写真である。
【図10a】200時間経過後の実験例1による面光源装置の輝度を示した写真である。
【図10b】200時間経過後の実験例2による面光源装置の輝度を示した写真である。
【図10c】200時間経過後の比較例による面光源装置の輝度を示した写真である。
【図11a】300時間経過後の実験例1による面光源装置の輝度を示した写真である。
【図11b】300時間経過後の実験例2による面光源装置の輝度を示した写真である。
【図11c】300時間経過後の比較例による面光源装置の輝度を示した写真である。
【図12a】500時間経過後の実験例1による面光源装置の輝度を示した写真である。
【図12b】500時間経過後の実験例2による面光源装置の輝度を示した写真である。
【図12c】500時間経過後の比較例による面光源装置の輝度を示した写真である。
【符号の説明】
【0082】
111 第1基板
112 第2基板
120 隔壁
130 密封部材
140 放電空間
150 電極
160 反射層
171、172 蛍光層
181、182、185 吸着防止層
186 溶出防止層
【技術分野】
【0001】
本発明は、面光源装置及びそれを有するバックライトユニットに関するもので、より詳細には、面形態で光を出射する面光源装置と、該面光源装置を光源として有するバックライトユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、液晶(liquid crystal;LC)は、電気的特性及び光学的特性を兼ね備えている。液晶は、電気的特性によって電界の方向に対応して配列が変更され、光学的特性によって配列に対応して光の透過率を変更させる。
【0003】
液晶表示装置は、液晶の電気的特性及び光学的特性を利用して映像を表示する。液晶表示装置は、CRT等に比べて体積が非常に小さくて軽いという長所を有し、そのためにポータブルコンピュータ、通信機器、液晶テレビ及び宇宙航空産業等に広く使用されている。
【0004】
液晶表示装置は、液晶を制御するための液晶制御部及び液晶に光を供給する光供給部を必要とする。
【0005】
液晶制御部は、第1基板に配置された画素電極(pixel electrode)、第2基板に配置された共通電極(common electrode)及び画素電極と共通電極の間に介在する液晶を含む。画素電極は、解像度に対応して多数個からなり、共通電極は画素電極と対向して一つで成り立っている。各画素電極には、お互いに異なるレベルを有する画素電圧(pixel voltage)を印加するために薄膜トランジスタ(thin film transistor;TFT)が連結されて、共通電極には等しいレベルのレファレンス電圧(reference voltage)が印加される。画素電極及び共通電極は、導電性を有する透明な物質で成り立っている。
【0006】
光供給部は、液晶制御部の液晶に光を供給する。光は、画素電極、液晶及び共通電極を順次に通過する。ここで、液晶を通過した映像の表示品質は、光供給部の輝度及び輝度均一性によって大きく左右される。一般的に輝度及び輝度均一性が高いほど、表示品質は良好になる。
【0007】
従来、液晶表示装置の光供給部は、棒形状を有する冷陰極蛍光ランプ(CCFL)またはドット形状を有する発光ダイオード(LED)が主に使用されてきた。冷陰極蛍光ランプは、輝度が高くて寿命が長く、白熱燈に比べて発熱量が非常に少ないという長所がある。一方、発光ダイオードは、輝度が高いという長所がある。しかし、従来の冷陰極蛍光ランプまたは発光ダイオードには、輝度均一性が良くないという短所がある。
【0008】
したがって、冷陰極蛍光ランプまたは発光ダイオードを光源に持つ光供給部は、輝度均一性を高めるために導光板(light guide panel;LGP)、拡散部材(diffusion member)及びプリズムシート(prism sheet)等の光学部材(optical member)を含んでいる。それによって冷陰極蛍光ランプまたは発光ダイオードを使用する液晶表示装置は、光学部材によって体積及び重さが大きく増加する問題点を有している。
【0009】
このような問題点を解消するため、平板形態の面光源装置が提案されている。従来の面光源装置は、複数の放電空間は、独立した隔壁によって形成されている隔壁分離型と、波形基材に形成されている統合的な隔壁によって形成されている隔壁一体型とに分けることができる。
【0010】
従来の隔壁分離型面光源装置は、第1基板、該第1基板上に配置された第2基板、及び第1基板及び第2基板の端部の間に配置されて内部空間を限定する密封部材を含む。独立した隔壁は、内部空間に配列し、内部空間を水銀ガスを含む放電ガスが注入される複数個の放電空間に区切る。第1基板及び第2基板の内面には、蛍光層が形成される。第1基板及び第2基板の両側端部外面に沿って放電ガスに電圧を印加するための電極が形成される。また、反射層が第1基板と蛍光層の間に介在する。
【0011】
一方、従来の隔壁一体型面光源装置は、第1基板と、該第1基板上に配置された第2基板を含む。第2基板は、複数個の隔壁部を一体に有し、該隔壁部が第1基板に突き合わせられることによって、放電ガスが注入される複数個の放電空間が形成される。第2基板の縁部(端部)は、シーリング用フリットを介して第1基板に接合される。第1基板及び第2基板の内面に蛍光層が形成され、放電ガスに電圧を印加するための電極は、第1基板及び第2基板の外周面(両側端部外面)を覆う。また、反射層が第1基板と蛍光層の間に介在する。
【0012】
ここで、放電ガスに含まれる水銀ガスは、温度に非常に敏感な特性を有する。すなわち、相対的に温度が低い部分に水銀ガスが片寄る。
【0013】
前述した従来の面光源装置で、光が出射される第2基板に隣接した放電空間領域が第1基板に隣接した放電空間領域より低い温度を有する。それによって、水銀ガスは第2基板と隣接した放電空間領域に移動するようになる。このように一方に片寄った水銀ガスは、第2基板の内面に形成された反射層と蛍光層に物理的に吸着される。結果的に、第2基板と隣接した放電空間領域に第1基板と隣接した放電空間領域より相対的により多い水銀ガスが分布するようになる。それによって、放電空間内に水銀ガスが均一に分布することができなくなり、面光源装置の輝度均一性が大きく低下する問題点があった。
【0014】
また、従来の面光源装置では、基板と蛍光層が直接突き合わせられることによって、基板内のナトリウムイオンが蛍光層に溶出して、面光源装置の黒化現象を引き起こす問題点もあった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、放電空間内の温度が相対的に低い領域に片寄った水銀ガスが反射層と蛍光層に吸着することを防止すると同時に基板内のナトリウムイオンが蛍光層内に溶出する現象も抑制することができる面光源装置を提供する。
【0016】
また、本発明は、前記のような面光源装置を光源として有するバックライトユニットを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の面光源装置は、第1基板及び第2基板を具備し、該第1基板及び第2基板の間に放電ガスと、複数個の放電空間を形成する光源体と、前記第1基板の内面に形成された反射層と、該反射層上に形成され、前記放電ガスが前記反射層に吸着することを防止する第1吸着防止層と、該第1吸着防止層上に形成された第1蛍光層と、前記第2基板の内面に形成された第2蛍光層と、及び前記放電ガスに放電電圧を印加する電極を含む。
【0018】
本発明の一実施例によると、放電ガスが第1蛍光層に吸着することを防止する第2吸着防止層が、第1蛍光層上に形成される。また、第1吸着防止層は、第2吸着防止層より厚い。また、第2基板内の金属が、第2蛍光層内に溶出することを防止する溶出防止層を、第2蛍光層と第2基板との間に介在させる。
【0019】
本発明の他の態様による面光源装置は、第1基板及び第2基板を具備し、該第1基板及び第2基板の間に放電ガスが注入される複数個の放電空間を形成する光源体と、前記第1基板の内面に形成された反射層と、前記第1基板の反射層及び前記第2基板の内面の中で少なくともいずれかの面上に形成され、蛍光体と吸着防止物が混合した複合蛍光層と、及び前記放電ガスに放電電圧を印加する電極を含む。
【0020】
本発明のもう一つのバックライトユニットは、第1基板及び第2基板を具備し、前記第1基板及び第2基板の間に放電ガスが注入される複数個の放電空間を形成する光源体、前記第1基板の内面に形成された反射層、前記反射層上に形成されて、前記放電ガスが前記反射層に吸着することを防止する第1吸着防止層、該第1吸着防止層上に形成された第1蛍光層、前記第2基板の内面に形成された第2蛍光層、及び前記放電ガスに電圧を印加する電極を含む面光源装置、前記面光源装置を収納するケース、前記面光源装置と前記ケースの間に介在する光学シート、及び前記面光源装置を駆動するための前記放電電圧を前記電極に供給するインバーターを含む。
【発明の効果】
【0021】
本発明によると、反射層上に形成された吸着防止層によって、放電ガスが反射層と蛍光層に物理的に吸着することを抑制する。したがって、たとえ放電ガスが放電空間の両端部の間の温度差によっていずれか一方の端部側に片寄るようになっても、放電ガスが反射層と蛍光層に吸着されることがなくなる。また、溶出防止層が基板内のナトリウムイオンが蛍光層に溶出することを抑制する。結果的に、放電ガスは放電空間内に均一に分布することが可能になって、面光源装置は向上した輝度均一性を有するようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、添付した図面を参照して本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。
【実施例1】
【0023】
図1は、本発明の第1実施例による面光源装置を示した斜視図で、図2は図1のII−II線に沿って切断した断面図である。
【0024】
図1及び図2を参照すると、本実施例による面光源装置100は、放電ガスが注入される内部空間を有する光源体、及び放電ガスに電圧を印加するための電極150を含む。一方、放電ガスには、水銀ガス、アルゴンガス、ネオンガス、キセノンガス等が使用できる。
【0025】
本実施例による面光源装置100は、隔壁分離型である。光源体は、第1基板111、該第1基板111上に配置された第2基板112、第1基板及び第2基板の端部の間に配置されて内部空間を限定する密封部材130、及び内部空間を複数個の放電空間140に区切る隔壁120を含む。
【0026】
第1基板及び第2基板は、可視光は透過させるが紫外線は遮断するガラス材質からなる。第2基板112は、放電空間140で発生した光が出射する出射面になる。
【0027】
隔壁120は、第1方向に沿って内部空間に平行に配列され、内部空間をストライプ形態の複数個の放電空間140に区切る。隔壁120の下面は、第1基板111に突き合わせられて、上面は第2基板112に突き合わせられる。各放電空間140に放電ガスを注入するために、隔壁120は蛇行構造としたり、または連通路(未図示)(passage hole)を隔壁120に形成することができる。
【0028】
電極150は、第1基板111の底面(下面)に形成された第1電極152、及び第2基板112の上面に形成された第2電極154を含む。特に、第1電極152及び第2電極154は、第1方向と実質的に直交する第2方向に沿って第1基板111及び第2基板112の両側端部に配置される。一方、電極150は、導電性テープまたは導電性ペーストを含むことができる。
【0029】
反射層160は、第1基板111の表面(内面)に形成される。反射層160は、放電空間140で発生した光の中で第1基板111方向に向かう光を第2基板112の方向に反射させる役目をする。
【0030】
電圧が印加された放電ガスから発生した紫外線によって励起される第1蛍光層171を反射層160の表面(内面)に形成する。第1蛍光層171と同じ機能を有する第2蛍光層172を第2基板112の底面(内面)に形成する。
【0031】
ここで、光が出射される第2基板112と隣接した放電空間140部分は、第1基板111と隣接した放電空間140より低い温度を有する。それによって、水銀ガスは第2基板112と隣接した放電空間140の部分に片寄るようになる。一方に片寄った水銀ガスは、反射層160と第1蛍光層171及び第2蛍光層172に物理的に吸着されやすくなる。吸着された水銀ガスは、それ以上移動することができなくなるので、水銀ガスが低い温度を有する放電空間140の一部分に集中する。それによって、面光源装置100から発生される光の輝度が不均一になる。
【0032】
これを防止するため、第1吸着防止層185を反射層160と第1蛍光層171の間に介在させる。また、第2吸着防止層181と第3吸着防止層182を、第1蛍光層171上(内面)と第2蛍光層172の底面(内面)にそれぞれ形成する。第1吸着防止層185は、水銀ガスが反射層160と反応することを防止して、水銀が反射層160に物理的に吸着することを防止する。第2吸着防止層181及び第3吸着防止層182は、水銀ガスが第1蛍光層171及び第2蛍光層172と反応することを防止し、水銀が蛍光体に物理的に吸着することを防止する。ここで、本実施例では、第1蛍光層171上及び第2蛍光層172上に第2吸着防止層181及び第3吸着防止層182をそれぞれ形成することを例示したが、第2吸着防止層181は、省略して水銀ガスが主に吸着する第2蛍光層172にのみ第3吸着防止層182を形成することもできる。
【0033】
このような役割をする第1吸着防止層185、第2吸着防止層181及び第3吸着防止層182の例としては、金属酸化物を挙げることができる。詳細には、金属酸化物の例として、アルミナ(alumina)、ジルコニア(zirconia)、チタニア(titania)、イットリア(yttria)またはそれらの組み合わせを挙げることができる。
【0034】
ここで、第1吸着防止層185は、第2吸着防止層181より厚いことが好ましい。詳細には、第1吸着防止層185は約2μmの厚さを有し、第2吸着防止層181は約1μmの厚さであることが好ましい。
【0035】
また、第2吸着防止層181及び第3吸着防止層182は、第1蛍光層171及び第2蛍光層172の厚さの20%以下であることが好ましい。詳細には、第2吸着防止層181及び第3吸着防止層182は、10nm乃至10μm、好ましくは、10nm乃至0.5μmの厚さである。
【0036】
第2基板112内に含有されたナトリウムイオンが、第2蛍光層172内に溶出することを防止するための溶出防止層186が、第2基板112と第2蛍光層172との間に介在する。溶出防止層186に使用できる材質は、第3吸着防止層182の材質として例示された物質の中のいずれか一つを挙げられる。
【0037】
本実施例によると、第1吸着防止層185が、水銀ガスが反射層160に物理的に吸着することを防止する。また、第2吸着防止層181及び第3吸着防止層182は、水銀ガスが第1蛍光層171及び第2蛍光層172に物理的に吸着することを防止する。したがって、たとえ放電空間140内の温度差によって水銀ガスが一方に片寄る現象が起きても、片寄った水銀ガスが反射層160と第1蛍光層171及び第2蛍光層172に物理的に吸着しなくなる。したがって、放電空間140の温度差がなくなれば、水銀ガスは放電空間140内に均一な分布が可能になる。また、溶出防止層186が、第2基板112内のナトリウムイオンが第2蛍光層172内に溶出することを防止するので、面光源装置100の黒化現象が抑制される。結果的に、面光源装置100は、向上した輝度均一性を有するようになる。
【実施例2】
【0038】
図3は、本発明の第2実施例による面光源装置を示した断面図で、図4は図3の部位IVを拡大して示した断面図である。
【0039】
本実施例による面光源装置100aは、複合蛍光層191、192を除き実施例1の面光源装置100と実質的に同じ構成要素を含んでいる。したがって、同じ構成要素は同じ参照符号で示し、また同じ構成要素に対する説明は省略する。
【0040】
図3及び図4を参照すると、第1複合蛍光層191は、反射層160上に形成される。また、第2複合蛍光層192は、第2基板112の底面(内面)に形成される。
【0041】
第1複合蛍光層191及び第2複合蛍光層192は、蛍光体193に吸着防止物194を混合して製造されたスラリー形態である。吸着防止物194は、水銀ガスが反射層160と蛍光体193に物理的に吸着することを防止する。吸着防止物194の例としては、アルミナ(alumina)、ジルコニア(zirconia)、チタニア(titania)、イットリア(yttria)またはそれらの組み合わせを挙げることができる。
【0042】
本実施例によると、第1複合蛍光層191、第2複合蛍光層192内に蛍光体193と吸着防止物194が混合されているので、実施例1の第1吸着防止層185、第2吸着防止層181、及び第3吸着防止層182を塗布する工程を省略することができる。
【実施例3】
【0043】
図5は、本発明の第3実施例による面光源装置を示した斜視図で、図6は図5のVI−VI線に沿って切断した断面図である。
【0044】
図5及び図6を参照すると、本実施例による面光源装置200は、放電ガスが注入される内部空間を有する光源体、及び放電ガスに電圧を印加するための電極250を含む。
【0045】
本実施例による面光源装置200は、複数の放電空間が統合的な隔壁によって形成されている隔壁一体型である。
【0046】
したがって、光源体は第1基板211、及び第1基板211上に配置されて隔壁部220を一体に有する第2基板212を含む。第1方向に沿って(平行に)配列された隔壁部220が第1基板211に突き合わせられて、略アーチ形状の複数個の放電空間240を形成する。各放電空間240に放電ガスを注入するために、隔壁部220は蛇行構造に配列するかまたは連通路(passage hole)225を隔壁部220に形成することができる。特に、連通路225は、隔壁部220上に斜線型またはS字形態に形成することができる。一方、本実施例による隔壁部220は、1乃至5mm程度の幅を有する。
【0047】
電極250は、第1方向と実質的に直交する第2方向に沿って光源体の両側端部上に沿って配列される。電極250は、第1基板211の底面(下面)に形成された第1電極252、及び第2基板212の上面に形成された第2電極254を含む。
【0048】
反射層260は、第1基板211の内面に形成される。第1蛍光層271は、反射層260上に形成される。第2蛍光層272は、第2基板212の底面(内面)に形成される。
【0049】
第1吸着防止層285を反射層260と第1蛍光層271との間に介在させる。第2吸着防止層281を第1蛍光層271上に形成する。また、第3吸着防止層282を、第2蛍光層272の底面(内面)に形成する。第1吸着防止層285、第2吸着防止層281及び第3吸着防止層282は、水銀ガスが反射層260と第1蛍光層271及び第2蛍光層272と反応することをそれぞれ防止することにより、水銀が反射層260、第1蛍光層271及び第2蛍光層272に物理的に吸着することを防止する。第1吸着防止層285、第2吸着防止層281及び第3吸着防止層282の例としては、アルミナ(alumina)、ジルコニア(zirconia)、チタニア(titania)、イットリア(yttria)またはそれらの組み合わせを挙げることができる。
【0050】
ここで、第1吸着防止層285は、第2吸着防止層281より厚いことが好ましい。詳細には、第1吸着防止層285は約2μmの厚さを有し、第2吸着防止層281は約1μmの厚さを有することができる。
【0051】
また、第2吸着防止層281及び第3吸着防止層282は、第1蛍光層271及び第2蛍光層272の厚さの20%以下の厚さであることが好ましい。詳細には、第2吸着防止層281及び第3吸着防止層282は、10nm乃至10μm、好ましくは10nm乃至0.5μmの厚さを有する。
【0052】
さらに、第2基板212内に含有されたナトリウムイオンが、第2蛍光層272内に溶出することを防止するための溶出防止層286が、第2基板212と第2蛍光層272との間に介在する。
【0053】
一方、図3に図示された実施例2の複合蛍光層191、192を本実施例の面光源装置200に採用することもできる。
【実施例4】
【0054】
図7は、本発明の第4実施例によるバックライトユニットを示した分解斜視図である。
【0055】
図7を参照すると、本実施例によるバックライトユニット1000は、実施例3による面光源装置200、上部ケース1100、下部ケース1200、光学シート900及びインバーター1300を含む。
【0056】
面光源装置200は、図5に図示した面光源装置と実質的に同じ構成からなるので、面光源装置200に対する説明は省略する。一方、前述した他の実施例による面光源装置をバックライトユニット1000に採用することもできる。
【0057】
下部ケース1200は、面光源装置200を収納するために底部1210及び底部1210の縁から収納空間を形成するために延長された複数の側壁1220とからなる。面光源装置200は、下部ケース1200の収納空間に収納される。
【0058】
インバーター1300は、下部ケース1200の背面に配置され、面光源装置200を駆動するための放電電圧を発生させる。インバーター1300から発生された放電電圧は、第1電源線1352及び第2電源線1354を通じて面光源装置200の電極250にそれぞれ印加される。
【0059】
光学シート900は、面光源装置200から出射される光を均一に拡散させるための拡散板(未図示)と、拡散した光に直進性を付与するためのプリズムシート(未図示)からなることができる。
【0060】
上部ケース1100は、下部ケース1200に結合されて面光源装置200と光学シート900を支持する。上部ケース1100は、面光源装置200が下部ケース1200から離脱することを防止する。
【0061】
一方、映像を表示する液晶表示パネル(未図示)を上部ケース1100の上部に配置することができる。
【0062】
面光源装置の製造
<実験例1>
150μmの厚さを有する反射層を第1基板上(内面)に形成した。5μmの厚さを有するイットリア材質の第1吸着防止層を反射層上に形成した。続いて、40μmの厚さを有する第1蛍光層を第1吸着防止層上に形成した。5μmの厚さを有するイットリア材質の溶出防止層を第2基板の底面(内面)に形成した。その後、20μmの厚さを有する第2蛍光層を溶出防止層上に形成した。5μmの厚さをそれぞれ有するイットリア材質の第2吸着防止層及び第3吸着防止層を第1蛍光層及び第2蛍光層上にそれぞれ形成した。
【0063】
<実験例2>
150μmの厚さを有する反射層を第1基板上(内面)に形成した。40μmの厚さを有する第1蛍光層を反射層上に形成した。20μmの厚さを有する第2蛍光層を第2基板の底面(内面)に形成した。5μmの厚さを有するイットリア層を第2蛍光層上(内面)にのみ形成した。
【0064】
<実験例3>
150μmの厚さを有する反射層を第1基板上に形成した。5μmの厚さを有するイットリア材質の第1吸着防止層を反射層上に形成した。40μmの厚さを有する第1蛍光層を第1吸着防止層上に形成した。20μmの厚さを有する第2蛍光層を第2基板の底面(内面)に形成した。5μmの厚さを有するイットリア材質の第2吸着防止層を第1蛍光層上にのみ形成した。
【0065】
<実験例4>
150μmの厚さを有する反射層を第1基板上に形成した。5μmの厚さを有するイットリア材質の第1吸着防止層を反射層上に形成した。40μmの厚さを有する第1蛍光層を第1吸着防止層上に形成した。20μmの厚さを有する第2蛍光層を第2基板の底面に形成した。イットリアと蛍光体を混合した5μm厚さの複合蛍光層を第1蛍光層上にのみ形成した。
【0066】
<比較例>
150μmの厚さを有する反射層を第1基板上に形成した。40μmの厚さを有する第1蛍光層を反射層上に形成した。20μmの厚さを有する第2蛍光層を第2基板の底面に形成した。
【0067】
[実験例1及び実験例2と比較例の面光源装置の輝度均一性評価]
実験例1及び実験例2による面光源装置と比較例による面光源装置の輝度を、100時間毎に測定した。
【0068】
図8aは、実験例1による面光源装置の最初の輝度を示した写真で、図8bは実験例2による面光源装置の最初の輝度を示した写真であり、図8cは比較例による面光源装置の最初の輝度を示した写真である。
【0069】
図8a、図8b及び図8cに示されたように、面光源装置の最初の輝度はすべて均一な状態であることが確認される。すなわち、面光源装置の最初駆動時には放電空間内の温度差がほとんど発生しないので、水銀ガスが放電空間内に均一に分布していることが分かる。
【0070】
図9aは、100時間経過後の実験例1による面光源装置の輝度を示した写真で、図9bは、100時間経過後の実験例2による面光源装置の輝度を示した写真であり、図9cは、100時間経過後の比較例による面光源装置の輝度を示した写真である。
【0071】
図9a及び図9bに示されたように、実験例1及び実験例2による面光源装置は、100時間が経過後も均一な輝度を示すことが分かる。一方、図9cに示されたように、比較例の面光源装置では非点灯領域が部分的に存在することを確認することができる。それは、吸着防止層と溶出防止層を持たない比較例の面光源装置では、水銀ガスが蛍光層に物理的に吸着されることにより、水銀ガスが放電空間内に不均一に分布し始めたことを証明している。また、基板内のナトリウムイオンが蛍光層に溶出して、黒化現象が発生していることも証明している。
【0072】
図10aは、200時間経過後の実験例1による面光源装置の輝度を示した写真で、図10bは、200時間経過後の実験例2による面光源装置の輝度を示した写真であり、図10cは、200時間経過後の比較例による面光源装置の輝度を示した写真である。
【0073】
図10a及び図10bに示されているように、実験例1及び実験例2による面光源装置は、200時間経過後も継続して均一な輝度を示している。すなわち、放電空間内に温度差が発生しても、水銀ガスが蛍光層に物理的に吸着することを吸着防止層が防止することで、水銀ガスが放電空間内に均一に分布していることを確認することができる。また、溶出防止層が基板内のナトリウムイオンが蛍光層に溶出することを防止して、面光源装置の黒化現象が抑制されていることが分かる。一方、図10cに示されたように、比較例の面光源装置では非点灯領域がより増加していることを確認することができる。
【0074】
図11aは、300時間経過後の実験例1による面光源装置の輝度を示した写真で、図11bは、300時間経過後の実験例2による面光源装置の輝度を示した写真であり、図11cは、300時間経過後の比較例による面光源装置の輝度を示した写真である。
【0075】
図11a及び図11bに示されているように、実験例1及び実験例2による面光源装置は、300時間が経過しても継続して均一な輝度を示している。一方、図11cに示されているように、比較例の面光源装置では非点灯領域が大きく増加したことを確認することができる。
【0076】
図12aは、500時間経過後の実験例1による面光源装置の輝度を示した写真で、図12bは、500時間経過後の実験例2による面光源装置の輝度を示した写真であり、図12cは、500時間経過後の比較例による面光源装置の輝度を示した写真である。
【0077】
図12a及び図12bに示されているように、実験例1及び実験例2による面光源装置は、500時間が経過しても継続して均一な輝度を示している。すなわち、実施例1及び2による面光源装置では、500時間経過後にも初期の輝度がほとんどそのまま維持されている。一方、図12cに示されているように、比較例の面光源装置では非点灯領域が非常に多いことを確認することができる。
【0078】
このような結果から、本発明による吸着防止層が、水銀ガスが蛍光層に物理的に吸着することを防止することが分かる。また、溶出防止層が基板内のナトリウムイオンが蛍光層に溶出することを防止して、面光源装置の黒化現象が抑制されていることも分かる。したがって、たとえ放電空間内の温度差によって水銀ガスが低い温度を有する放電空間領域に移動しても、水銀ガスが蛍光層に物理的に吸着されなくなる。結果的に、水銀ガスが放電空間内に均一に分布されることで、長期間駆動させた本発明の面光源装置は、継続して均一な輝度を有するようになる。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明によると、吸着防止層は、放電ガスが反射層と蛍光層に物理的に吸着することを防止する。また、溶出防止層が基板内のナトリウムイオンが蛍光層内に溶出することを防止する。したがって、放電ガスは放電空間内に均一に分布することができるようになり、また黒化現象も抑制されて面光源装置は向上した輝度均一性を有するようになる。
【0080】
先に説明した本発明の詳細な説明では、本発明の好ましい実施例を参照して説明したが、該当の技術分野の熟練された当業者または該当の技術分野に通常の知識を有する者なら、特許請求の範囲に記載した本発明の思想及び技術領域から逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正及び変更させることができることを理解することができるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の第1実施例による面光源装置を示した斜視図である。
【図2】図1のII−II線に沿って切断した断面図である。
【図3】本発明の第2実施例による面光源装置を示した断面図である。
【図4】図3のIV部位を拡大して示した断面図である。
【図5】本発明の第3実施例による面光源装置を示した斜視図である。
【図6】図5のVI−VI線に沿って切断した断面図である。
【図7】本発明の第4実施例によるバックライトユニットを示した分解斜視図である。
【図8a】実験例1による面光源装置の最初の輝度を示した写真である。
【図8b】実験例2による面光源装置の最初の輝度を示した写真である。
【図8c】比較例による面光源装置の最初の輝度を示した写真である。
【図9a】100時間経過後の実験例1による面光源装置の輝度を示した写真である。
【図9b】100時間経過後の実験例2による面光源装置の輝度を示した写真である。
【図9c】100時間経過後の比較例による面光源装置の輝度を示した写真である。
【図10a】200時間経過後の実験例1による面光源装置の輝度を示した写真である。
【図10b】200時間経過後の実験例2による面光源装置の輝度を示した写真である。
【図10c】200時間経過後の比較例による面光源装置の輝度を示した写真である。
【図11a】300時間経過後の実験例1による面光源装置の輝度を示した写真である。
【図11b】300時間経過後の実験例2による面光源装置の輝度を示した写真である。
【図11c】300時間経過後の比較例による面光源装置の輝度を示した写真である。
【図12a】500時間経過後の実験例1による面光源装置の輝度を示した写真である。
【図12b】500時間経過後の実験例2による面光源装置の輝度を示した写真である。
【図12c】500時間経過後の比較例による面光源装置の輝度を示した写真である。
【符号の説明】
【0082】
111 第1基板
112 第2基板
120 隔壁
130 密封部材
140 放電空間
150 電極
160 反射層
171、172 蛍光層
181、182、185 吸着防止層
186 溶出防止層
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板及び第2基板を具備して、前記第1基板及び第2基板の間に放電ガスが注入される複数個の放電空間を形成する光源体と、
前記第1基板の内面に形成された反射層と、
前記反射層上に形成され、前記放電ガスが前記反射層に吸着することを防止する第1吸着防止層と、
前記第1吸着防止層上に形成された第1蛍光層と、
前記第2基板の内面に形成された第2蛍光層と、
前記放電ガスに放電電圧を印加する電極と、を含む面光源装置。
【請求項2】
前記第1蛍光層上に形成され、前記放電ガスが前記第1蛍光層に吸着することを防止する第2吸着防止層と、
前記第2蛍光層上に形成されて、前記放電ガスが前記第2蛍光層に吸着することを防止する第3吸着防止層をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の面光源装置。
【請求項3】
前記第2吸着防止層が、前記第1蛍光層の20%以下の厚さを有することを特徴とする請求項2に記載の面光源装置。
【請求項4】
前記第2吸着防止層が、10nm乃至10μmの厚さを有することを特徴とする請求項2に記載の面光源装置。
【請求項5】
前記第1吸着防止層が、前記第2吸着防止層より厚いことを特徴とする請求項2に記載の面光源装置。
【請求項6】
前記第1吸着防止層及び第2吸着防止層が、金属酸化物を含むことを特徴とする面光源装置。
【請求項7】
前記金属酸化物が、アルミナ、ジルコニア、チタニア及びイットリアからなる群から選択される少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項6に記載の面光源装置。
【請求項8】
前記第2基板と前記第2蛍光層の間に介在して、前記第2基板内の金属が前記第2蛍光層内に溶出することを防止する溶出防止層をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の面光源装置。
【請求項9】
第1基板及び第2基板を具備して、前記第1基板及び第2基板の間に放電ガスが注入される複数個の放電空間を形成する光源体と、
前記第1基板の内面に形成された反射層と、
前記第1基板の反射層及び前記第2基板の内面の中で少なくても一方の面上に形成されて蛍光体と吸着防止物が混合した複合蛍光層と、
前記放電ガスに放電電圧を印加する電極と、を含む面光源装置。
【請求項10】
第1基板及び第2基板を具備して、前記第1基板及び第2基板の間に放電ガスが注入される複数個の放電空間を形成する光源体と、前記第1基板の内面に形成された反射層と、前記反射層上に形成されて前記放電ガスが前記反射層に吸着することを防止する第1吸着防止層と、該第1吸着防止層上に形成された第1蛍光層、前記第2基板の内面に形成された第2蛍光層と、前記放電ガスに電圧を印加する電極と、を含む面光源装置と、
前記面光源装置を収納するケースと、
前記面光源装置と前記ケースの間に介在させる光学シートと、
前記面光源装置を駆動するための前記放電電圧を前記電極に供給するインバーターと、を含むバックライトユニット。
【請求項1】
第1基板及び第2基板を具備して、前記第1基板及び第2基板の間に放電ガスが注入される複数個の放電空間を形成する光源体と、
前記第1基板の内面に形成された反射層と、
前記反射層上に形成され、前記放電ガスが前記反射層に吸着することを防止する第1吸着防止層と、
前記第1吸着防止層上に形成された第1蛍光層と、
前記第2基板の内面に形成された第2蛍光層と、
前記放電ガスに放電電圧を印加する電極と、を含む面光源装置。
【請求項2】
前記第1蛍光層上に形成され、前記放電ガスが前記第1蛍光層に吸着することを防止する第2吸着防止層と、
前記第2蛍光層上に形成されて、前記放電ガスが前記第2蛍光層に吸着することを防止する第3吸着防止層をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の面光源装置。
【請求項3】
前記第2吸着防止層が、前記第1蛍光層の20%以下の厚さを有することを特徴とする請求項2に記載の面光源装置。
【請求項4】
前記第2吸着防止層が、10nm乃至10μmの厚さを有することを特徴とする請求項2に記載の面光源装置。
【請求項5】
前記第1吸着防止層が、前記第2吸着防止層より厚いことを特徴とする請求項2に記載の面光源装置。
【請求項6】
前記第1吸着防止層及び第2吸着防止層が、金属酸化物を含むことを特徴とする面光源装置。
【請求項7】
前記金属酸化物が、アルミナ、ジルコニア、チタニア及びイットリアからなる群から選択される少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項6に記載の面光源装置。
【請求項8】
前記第2基板と前記第2蛍光層の間に介在して、前記第2基板内の金属が前記第2蛍光層内に溶出することを防止する溶出防止層をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の面光源装置。
【請求項9】
第1基板及び第2基板を具備して、前記第1基板及び第2基板の間に放電ガスが注入される複数個の放電空間を形成する光源体と、
前記第1基板の内面に形成された反射層と、
前記第1基板の反射層及び前記第2基板の内面の中で少なくても一方の面上に形成されて蛍光体と吸着防止物が混合した複合蛍光層と、
前記放電ガスに放電電圧を印加する電極と、を含む面光源装置。
【請求項10】
第1基板及び第2基板を具備して、前記第1基板及び第2基板の間に放電ガスが注入される複数個の放電空間を形成する光源体と、前記第1基板の内面に形成された反射層と、前記反射層上に形成されて前記放電ガスが前記反射層に吸着することを防止する第1吸着防止層と、該第1吸着防止層上に形成された第1蛍光層、前記第2基板の内面に形成された第2蛍光層と、前記放電ガスに電圧を印加する電極と、を含む面光源装置と、
前記面光源装置を収納するケースと、
前記面光源装置と前記ケースの間に介在させる光学シートと、
前記面光源装置を駆動するための前記放電電圧を前記電極に供給するインバーターと、を含むバックライトユニット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8a】
【図8b】
【図8c】
【図9a】
【図9b】
【図9c】
【図10a】
【図10b】
【図10c】
【図11a】
【図11b】
【図11c】
【図12a】
【図12b】
【図12c】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8a】
【図8b】
【図8c】
【図9a】
【図9b】
【図9c】
【図10a】
【図10b】
【図10c】
【図11a】
【図11b】
【図11c】
【図12a】
【図12b】
【図12c】
【公開番号】特開2007−250544(P2007−250544A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−63272(P2007−63272)
【出願日】平成19年3月13日(2007.3.13)
【出願人】(504303539)サムスン コーニング カンパニー リミテッド (14)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月13日(2007.3.13)
【出願人】(504303539)サムスン コーニング カンパニー リミテッド (14)
【Fターム(参考)】
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