面光源装置
【課題】所望の図柄で表現された表示部の縁を滑らかに、あるいはくっきりと表現することのできる面光源装置を提供する。
【解決手段】面光源装置は、光源17と偏向パターン18からなる。偏向パターン18の下面の一部には、発光により図柄を表示するための表示部19が設けられている。表示部19は多数の微少な偏向パターン18を配置して構成されている。表示部19で表現しようとする図柄の縁に沿って一定間隔毎に偏向パターン18が並べられている。
【解決手段】面光源装置は、光源17と偏向パターン18からなる。偏向パターン18の下面の一部には、発光により図柄を表示するための表示部19が設けられている。表示部19は多数の微少な偏向パターン18を配置して構成されている。表示部19で表現しようとする図柄の縁に沿って一定間隔毎に偏向パターン18が並べられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は面光源装置に関し、表示用の面光源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォンやタブレット型コンピュータ、電子ブックリーダーデバイスなどでは、スイッチの場所でアイコンが光っていて、アイコンでスイッチの位置や種類を表示している。たとえば、図1(A)に示すスマートフォン11では、液晶表示画面12の下にアイコン13が表示されている。そして、アイコン13を指で押さえると、その下のスイッチ14がオンになってスマートフォン11の機能が切り替わるといった仕組みになっている。
【0003】
図1(B)は、図1(A)のスマートフォン11の下部に納められている表示用の面光源装置15である。また、図2(A)は、この面光源装置15の概略断面を表している。面光源装置15は、導光板16と光源17からなる。導光板16は、透明で屈折率の高い樹脂材料、たとえばポリカーボネイト樹脂(PC)やポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA)によって成形されている。光源17はLEDを用いた微小な光源(点光源)であって、導光板16の一方端面(光入射端面16a)に光出射窓を対向させて配置されている。導光板16の下面(上面の場合もある)には、微小なプリズム状の偏向パターン18が多数形成され、図2(B)に示すように、偏向パターン18の集合によってアイコン形状の表示部19が構成されている。各偏向パターン18は光源17の近傍の点を中心として円弧状に配列され、この点を中心とする円弧に沿った方向に延びている。なお、表示部19の下にスイッチ14を配置する場合には、導光板16には、厚みが薄くて柔軟性のある導光シートを用いる。また、図1(A)、図1(B)などでは、アイコン13や表示部19を「A」という文字で表しているが、実際にはたとえば図3に示すように虫眼鏡や送受話器などの図案が用いられることが多い。
【0004】
この面光源装置15において光源17が発光すると、光入射端面16aから導光板16内に入射した光は、導光板16の上面、下面及び両側面で全反射しながら導光板16内を導光する。こうして導光板16内を導光する光が、図2(A)に示すように表示部19に達すると、その光は偏向パターン18の偏向反射面18aで全反射される。偏向反射面18aにより上方へ向けて全反射された光のうち、導光板16の上面(光出射面16c)に対して全反射の臨界角よりも小さな角度で入射した光は、光入射端面16aを透過して上方へ出射される(偏向パターン18が光出射面16cに設けられている場合には、偏向パターン18で光が屈折しながら透過する)。この結果、アイコン形状で光が出射されてスマートフォン11のアイコン13が光って見えることになる。
【0005】
しかしながら、アイコンを映し出すための表示部19は、微小な偏向パターン18の集合によって構成されている。しかも、表示部19を均一に光らせるためには、偏向パターン18を配置する位置にも制約がある。そのため、アイコンとして採用したい図案があっても、たとえば図2(B)に見られるように、その図案を滑らかな縁を有する図案として偏向パターン18で表現することが難しかった。特に、アイコンが小さくなると、少ない数の偏向パターン18でそれを表現しなければならないので、滑らかな図案にすることは難しくなる。
【0006】
また、単純な図案であったとしても、偏向パターン18は光源17の近傍の点を中心として円弧状に配列されているため、たとえば直線上の縁でさえ滑らかに表現することは難しい。
【0007】
また、図案が決まってから、その図案に合わせて偏向パターン18の位置を決めるとなると、表示部全体で均一に発光し、しかも縁が滑らかになるように偏向パターン18の配置をその都度設計しなければならなくなる。これはコンピュータの助けを借りたとしても非常に困難であり、納品までの時間が長くなったり、コストが高くついたりすることになる。
【0008】
そのため、実際には、図4に示すような、全体を均一に発光させるこのできる大面積の偏向パターン配置を利用する。これはバックライト用の面光源装置に用いられているものである。そして、あたかも図4のパターン配置から所望の図案を切り取るかのようにして、所望の図案となる偏向パターン18の配置を決定している。図5(A)は、図4のパターン配置から送受話器の図案を取り出したものである。なお、パターン配置図は導光板と同じくらいの面積を有するものであるが、図4はその一部だけを表している。したがって、図4では、図5(A)よりも偏向パターン18の分布が粗くなっている。また、光源17は図4のパターン配置の左側に位置する。
【0009】
図5(A)は図4から送受話器の図案を切り取ったものであり、図5(B)は図5(A)のQ部を拡大した図である。このようにして決めた偏向パターン18の配置では、子細に見ると図案の縁が滑らかになっていない。図5(B)から分かるように、向かって右側の縁では偏向パターン18を欠いていて縁が凹んだ箇所が周期的に見られる。また、上の縁はスパイク状に偏向パターン18が飛び出ていて縁がジグザグになっている。図5(A)は直線だけで構成された図案であるが、斜線や滑らかな曲線を含む図柄になると、縁のギザギザは一層ひどくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2001−243822号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上記のような技術的課題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、所望の図柄や図形、文字などで表現された表示部の縁を滑らかに、あるいはくっきりと表現することのできる面光源装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る面光源装置は、光源と、前記光源から導入された光を光出射面の表示領域から出射させる導光板と、前記導光板の光出射面又はその反対面のうち少なくとも一方の面において、前記表示領域に形成された複数個の偏向パターンとを有する面光源装置であって、前記表示領域は、前記偏向パターンの集合によってある図柄を表現したものであり、前記図柄の縁に沿って前記図柄を縁取るように複数個の偏向パターンが並んでいることを特徴としている。ここで、図柄とは、図形と模様と文字を含み、意味を認識できるものに限らない。
【0013】
本発明の面光源装置にあっては、図柄の縁に沿って図柄を縁取るように複数個の偏向パターンが並んでいるので、偏向パターンの集合によって構成される表示部をくっきりと発光表示させることができ、また、表示部の縁を滑らかにすることができる。
【0014】
本発明に係る面光源装置のある実施態様は、前記図柄を縁取る前記偏向パターンが、前記図柄の縁に沿って一定間隔で並んでいることを特徴としている。かかる実施態様によれば、表示部の縁を均一な輝度で発光させることができる。
【0015】
本発明に係る面光源装置の別な実施態様は、前記図柄の縁で角となるそれぞれの箇所に前記偏向パターンを内接させている。かかる実施態様によれば、図柄の角が丸くならず、シャープな表示部を作製することができる。
【0016】
本発明に係る面光源装置のさらに別な実施態様は、前記図柄の縁で変曲点となるそれぞれの箇所に前記偏向パターンを内接させている。なお、ここでいう変曲点には、直線と曲線との接続点を含むものとする。かかる実施態様によれば、表示部の表している図柄がわかりやすくなる。
【0017】
本発明に係る面光源装置のさらに別な実施態様は、前記図柄の縁において2つの変曲点間に挟まれた曲線部分では、両端を含めて少なくとも3個の前記偏向パターンが前記図柄の縁に内接している。かかる実施態様によれば、表示部の縁における曲線の表現が容易になる。
【0018】
本発明に係る携帯電話機は、送受話機能を有する携帯電話機であって、ある図柄を光で表示させるために本発明に係る面光源装置を備えたものである。かかる実施態様は、本発明の面光源装置をスマートフォンその他の携帯電話機に用いたものである。かかる実施態様によれば、アイコンなどの表示をくっきりさせることができる。
【0019】
本発明に係る情報端末は、情報処理機能を備えた情報端末において、ある図柄を光で表示させるために本発明に係る面光源装置を備えたものである。かかる実施態様は、本発明の面光源装置をモバイルコンピュータやタブレット型コンピュータ、電子手帳、電子辞書などの情報端末に用いた場合である。かかる実施態様によれば、アイコンなどの表示をくっきりさせることができる。
【0020】
なお、本発明における前記課題を解決するための手段は、以上説明した構成要素を適宜組み合せた特徴を有するものであり、本発明はかかる構成要素の組合せによる多くのバリエーションを可能とするものである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1(A)は、スマートフォンの平面図である。図1(B)は、図1(A)に示すスマートフォンの内部に納められている面光源装置の平面図である。
【図2】図2(A)は、従来例による面光源装置の概略断面図であって、併せて1つの偏向パターンを拡大して示す。図2(B)は、従来例の導光板に設けられた表示部(偏向パターン領域)の平面図である。
【図3】図3は、表示部の具体的なデザインを示す図である。
【図4】図4は、ある図柄となる偏向パターンの配列を決定する元になるパターン配置図である。
【図5】図5(A)は、図4のパターン配置図から切り出した、送受話器の形をした表示部である。図5(B)は、図5(A)のQ部拡大図である。
【図6】図6(A)及び図6(B)は、本発明の一実施形態による面光源装置を示す平面図及び断面図である。
【図7】図7(A)及び図7(B)は、それぞれ偏向パターンの平面図及び断面図である。
【図8】図8は、表示部の縁に沿って一定間隔で配列された偏向パターンを示す図である。
【図9】図9は、角を有する表示部に配置された偏向パターンを示す概略図である。
【図10】図10は曲線及び変曲点を有する表示部に配置された偏向パターンを示す概略図である。
【図11】図11(A)は、図5(A)のQ部拡大図である。図11(B)は、図11(B)の偏向パターン配置を修正した偏向パターンの配置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明する。
【0023】
図6(A)は、本発明の一実施形態による面光源装置31の平面図である。また、図6(B)は、面光源装置31の断面図である。この面光源装置31の構成は、図1(B)及び図2(A)に示された面光源装置15と同じ構造を有しているので、面光源装置15と同じ構成要素には同じ符号を付すことによって説明を省略する。ただし、表示部19を構成する偏向パターン18は、図7(A)に示すような三角プリズム状、特に断面直角三角形状をしたものが一般的であるが、図7(B)に示すように偏向反射面18aが湾曲したものであってもよい。
【0024】
面光源装置31の表示部19は、図8のようにして構成されている。図8における2点鎖線は、表示部19で表示しようとする図柄の縁を表している。偏向パターン18は、この表示部19の縁に沿って略一定間隔毎に配列されている。
【0025】
また、角を有する図柄の場合には、図9に示すように、各角に偏向パターン18の端が位置するようにしている。これによって、角のある図柄が丸味を帯びて見えるのを防いでいる。
【0026】
また、図柄の縁が曲線である場合には、図10に示すように、曲線の湾曲方向が反転している変曲点Tには必ず偏向パターン18を配置する。また、1つの曲線たとえば変曲点と変曲点との間の略円弧状の曲線には、両端の変曲点Tを含めて3個以上、好ましくは5個以上の偏向パターン18を図柄の縁に配置するようにする。これによって曲線が折れ線に見えたりするのを防ぐ。
【0027】
図11(A)は、図5(A)のQ部を示す拡大図である(図5(B)と同じ)。この表示部19(の一部)では、左右の縁に凹みが生じてシャープさに欠けている。図11(B)は、この表示部19の左右の縁に沿って偏向パターン18が直線状に並ぶよう、偏向パターン18を再配置したものである。
【0028】
また、図示しないが、偏向パターン18を再配置するのでなく、図11(A)の表示部19において、縁が引っ込んでいる箇所にそれぞれ偏向パターン18を付加して直線状に並ぶようにしてもよい。図11(B)では、内部の偏向パターン18の位置も変化しているが、偏向パターン18を付加する方法によれば、表示部19の内部の偏向パターン18の位置は変化しない。
【0029】
なお、図11(B)の表示部19では、上縁がジグザグになっているが、下縁と同様に平らに揃えてもよい。
【符号の説明】
【0030】
11 スマートフォン
12 液晶表示画面
13 アイコン
16 導光板
17 光源
18 偏向パターン
19 表示部
31 面光源装置
T 変曲点
【技術分野】
【0001】
本発明は面光源装置に関し、表示用の面光源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォンやタブレット型コンピュータ、電子ブックリーダーデバイスなどでは、スイッチの場所でアイコンが光っていて、アイコンでスイッチの位置や種類を表示している。たとえば、図1(A)に示すスマートフォン11では、液晶表示画面12の下にアイコン13が表示されている。そして、アイコン13を指で押さえると、その下のスイッチ14がオンになってスマートフォン11の機能が切り替わるといった仕組みになっている。
【0003】
図1(B)は、図1(A)のスマートフォン11の下部に納められている表示用の面光源装置15である。また、図2(A)は、この面光源装置15の概略断面を表している。面光源装置15は、導光板16と光源17からなる。導光板16は、透明で屈折率の高い樹脂材料、たとえばポリカーボネイト樹脂(PC)やポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA)によって成形されている。光源17はLEDを用いた微小な光源(点光源)であって、導光板16の一方端面(光入射端面16a)に光出射窓を対向させて配置されている。導光板16の下面(上面の場合もある)には、微小なプリズム状の偏向パターン18が多数形成され、図2(B)に示すように、偏向パターン18の集合によってアイコン形状の表示部19が構成されている。各偏向パターン18は光源17の近傍の点を中心として円弧状に配列され、この点を中心とする円弧に沿った方向に延びている。なお、表示部19の下にスイッチ14を配置する場合には、導光板16には、厚みが薄くて柔軟性のある導光シートを用いる。また、図1(A)、図1(B)などでは、アイコン13や表示部19を「A」という文字で表しているが、実際にはたとえば図3に示すように虫眼鏡や送受話器などの図案が用いられることが多い。
【0004】
この面光源装置15において光源17が発光すると、光入射端面16aから導光板16内に入射した光は、導光板16の上面、下面及び両側面で全反射しながら導光板16内を導光する。こうして導光板16内を導光する光が、図2(A)に示すように表示部19に達すると、その光は偏向パターン18の偏向反射面18aで全反射される。偏向反射面18aにより上方へ向けて全反射された光のうち、導光板16の上面(光出射面16c)に対して全反射の臨界角よりも小さな角度で入射した光は、光入射端面16aを透過して上方へ出射される(偏向パターン18が光出射面16cに設けられている場合には、偏向パターン18で光が屈折しながら透過する)。この結果、アイコン形状で光が出射されてスマートフォン11のアイコン13が光って見えることになる。
【0005】
しかしながら、アイコンを映し出すための表示部19は、微小な偏向パターン18の集合によって構成されている。しかも、表示部19を均一に光らせるためには、偏向パターン18を配置する位置にも制約がある。そのため、アイコンとして採用したい図案があっても、たとえば図2(B)に見られるように、その図案を滑らかな縁を有する図案として偏向パターン18で表現することが難しかった。特に、アイコンが小さくなると、少ない数の偏向パターン18でそれを表現しなければならないので、滑らかな図案にすることは難しくなる。
【0006】
また、単純な図案であったとしても、偏向パターン18は光源17の近傍の点を中心として円弧状に配列されているため、たとえば直線上の縁でさえ滑らかに表現することは難しい。
【0007】
また、図案が決まってから、その図案に合わせて偏向パターン18の位置を決めるとなると、表示部全体で均一に発光し、しかも縁が滑らかになるように偏向パターン18の配置をその都度設計しなければならなくなる。これはコンピュータの助けを借りたとしても非常に困難であり、納品までの時間が長くなったり、コストが高くついたりすることになる。
【0008】
そのため、実際には、図4に示すような、全体を均一に発光させるこのできる大面積の偏向パターン配置を利用する。これはバックライト用の面光源装置に用いられているものである。そして、あたかも図4のパターン配置から所望の図案を切り取るかのようにして、所望の図案となる偏向パターン18の配置を決定している。図5(A)は、図4のパターン配置から送受話器の図案を取り出したものである。なお、パターン配置図は導光板と同じくらいの面積を有するものであるが、図4はその一部だけを表している。したがって、図4では、図5(A)よりも偏向パターン18の分布が粗くなっている。また、光源17は図4のパターン配置の左側に位置する。
【0009】
図5(A)は図4から送受話器の図案を切り取ったものであり、図5(B)は図5(A)のQ部を拡大した図である。このようにして決めた偏向パターン18の配置では、子細に見ると図案の縁が滑らかになっていない。図5(B)から分かるように、向かって右側の縁では偏向パターン18を欠いていて縁が凹んだ箇所が周期的に見られる。また、上の縁はスパイク状に偏向パターン18が飛び出ていて縁がジグザグになっている。図5(A)は直線だけで構成された図案であるが、斜線や滑らかな曲線を含む図柄になると、縁のギザギザは一層ひどくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2001−243822号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上記のような技術的課題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、所望の図柄や図形、文字などで表現された表示部の縁を滑らかに、あるいはくっきりと表現することのできる面光源装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る面光源装置は、光源と、前記光源から導入された光を光出射面の表示領域から出射させる導光板と、前記導光板の光出射面又はその反対面のうち少なくとも一方の面において、前記表示領域に形成された複数個の偏向パターンとを有する面光源装置であって、前記表示領域は、前記偏向パターンの集合によってある図柄を表現したものであり、前記図柄の縁に沿って前記図柄を縁取るように複数個の偏向パターンが並んでいることを特徴としている。ここで、図柄とは、図形と模様と文字を含み、意味を認識できるものに限らない。
【0013】
本発明の面光源装置にあっては、図柄の縁に沿って図柄を縁取るように複数個の偏向パターンが並んでいるので、偏向パターンの集合によって構成される表示部をくっきりと発光表示させることができ、また、表示部の縁を滑らかにすることができる。
【0014】
本発明に係る面光源装置のある実施態様は、前記図柄を縁取る前記偏向パターンが、前記図柄の縁に沿って一定間隔で並んでいることを特徴としている。かかる実施態様によれば、表示部の縁を均一な輝度で発光させることができる。
【0015】
本発明に係る面光源装置の別な実施態様は、前記図柄の縁で角となるそれぞれの箇所に前記偏向パターンを内接させている。かかる実施態様によれば、図柄の角が丸くならず、シャープな表示部を作製することができる。
【0016】
本発明に係る面光源装置のさらに別な実施態様は、前記図柄の縁で変曲点となるそれぞれの箇所に前記偏向パターンを内接させている。なお、ここでいう変曲点には、直線と曲線との接続点を含むものとする。かかる実施態様によれば、表示部の表している図柄がわかりやすくなる。
【0017】
本発明に係る面光源装置のさらに別な実施態様は、前記図柄の縁において2つの変曲点間に挟まれた曲線部分では、両端を含めて少なくとも3個の前記偏向パターンが前記図柄の縁に内接している。かかる実施態様によれば、表示部の縁における曲線の表現が容易になる。
【0018】
本発明に係る携帯電話機は、送受話機能を有する携帯電話機であって、ある図柄を光で表示させるために本発明に係る面光源装置を備えたものである。かかる実施態様は、本発明の面光源装置をスマートフォンその他の携帯電話機に用いたものである。かかる実施態様によれば、アイコンなどの表示をくっきりさせることができる。
【0019】
本発明に係る情報端末は、情報処理機能を備えた情報端末において、ある図柄を光で表示させるために本発明に係る面光源装置を備えたものである。かかる実施態様は、本発明の面光源装置をモバイルコンピュータやタブレット型コンピュータ、電子手帳、電子辞書などの情報端末に用いた場合である。かかる実施態様によれば、アイコンなどの表示をくっきりさせることができる。
【0020】
なお、本発明における前記課題を解決するための手段は、以上説明した構成要素を適宜組み合せた特徴を有するものであり、本発明はかかる構成要素の組合せによる多くのバリエーションを可能とするものである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1(A)は、スマートフォンの平面図である。図1(B)は、図1(A)に示すスマートフォンの内部に納められている面光源装置の平面図である。
【図2】図2(A)は、従来例による面光源装置の概略断面図であって、併せて1つの偏向パターンを拡大して示す。図2(B)は、従来例の導光板に設けられた表示部(偏向パターン領域)の平面図である。
【図3】図3は、表示部の具体的なデザインを示す図である。
【図4】図4は、ある図柄となる偏向パターンの配列を決定する元になるパターン配置図である。
【図5】図5(A)は、図4のパターン配置図から切り出した、送受話器の形をした表示部である。図5(B)は、図5(A)のQ部拡大図である。
【図6】図6(A)及び図6(B)は、本発明の一実施形態による面光源装置を示す平面図及び断面図である。
【図7】図7(A)及び図7(B)は、それぞれ偏向パターンの平面図及び断面図である。
【図8】図8は、表示部の縁に沿って一定間隔で配列された偏向パターンを示す図である。
【図9】図9は、角を有する表示部に配置された偏向パターンを示す概略図である。
【図10】図10は曲線及び変曲点を有する表示部に配置された偏向パターンを示す概略図である。
【図11】図11(A)は、図5(A)のQ部拡大図である。図11(B)は、図11(B)の偏向パターン配置を修正した偏向パターンの配置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明する。
【0023】
図6(A)は、本発明の一実施形態による面光源装置31の平面図である。また、図6(B)は、面光源装置31の断面図である。この面光源装置31の構成は、図1(B)及び図2(A)に示された面光源装置15と同じ構造を有しているので、面光源装置15と同じ構成要素には同じ符号を付すことによって説明を省略する。ただし、表示部19を構成する偏向パターン18は、図7(A)に示すような三角プリズム状、特に断面直角三角形状をしたものが一般的であるが、図7(B)に示すように偏向反射面18aが湾曲したものであってもよい。
【0024】
面光源装置31の表示部19は、図8のようにして構成されている。図8における2点鎖線は、表示部19で表示しようとする図柄の縁を表している。偏向パターン18は、この表示部19の縁に沿って略一定間隔毎に配列されている。
【0025】
また、角を有する図柄の場合には、図9に示すように、各角に偏向パターン18の端が位置するようにしている。これによって、角のある図柄が丸味を帯びて見えるのを防いでいる。
【0026】
また、図柄の縁が曲線である場合には、図10に示すように、曲線の湾曲方向が反転している変曲点Tには必ず偏向パターン18を配置する。また、1つの曲線たとえば変曲点と変曲点との間の略円弧状の曲線には、両端の変曲点Tを含めて3個以上、好ましくは5個以上の偏向パターン18を図柄の縁に配置するようにする。これによって曲線が折れ線に見えたりするのを防ぐ。
【0027】
図11(A)は、図5(A)のQ部を示す拡大図である(図5(B)と同じ)。この表示部19(の一部)では、左右の縁に凹みが生じてシャープさに欠けている。図11(B)は、この表示部19の左右の縁に沿って偏向パターン18が直線状に並ぶよう、偏向パターン18を再配置したものである。
【0028】
また、図示しないが、偏向パターン18を再配置するのでなく、図11(A)の表示部19において、縁が引っ込んでいる箇所にそれぞれ偏向パターン18を付加して直線状に並ぶようにしてもよい。図11(B)では、内部の偏向パターン18の位置も変化しているが、偏向パターン18を付加する方法によれば、表示部19の内部の偏向パターン18の位置は変化しない。
【0029】
なお、図11(B)の表示部19では、上縁がジグザグになっているが、下縁と同様に平らに揃えてもよい。
【符号の説明】
【0030】
11 スマートフォン
12 液晶表示画面
13 アイコン
16 導光板
17 光源
18 偏向パターン
19 表示部
31 面光源装置
T 変曲点
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
前記光源から導入された光を光出射面の表示領域から出射させる導光板と、
前記導光板の光出射面又はその反対面のうち少なくとも一方の面において、前記表示領域に形成された複数個の偏向パターンと、
を有する面光源装置であって、
前記表示領域は、前記偏向パターンの集合によってある図柄を表現したものであり、
前記図柄の縁に沿って前記図柄を縁取るように複数個の偏向パターンが並んでいることを特徴とする面光源装置。
【請求項2】
前記図柄を縁取る前記偏向パターンは、前記図柄の縁に沿って一定間隔で並んでいることを特徴とする、請求項1に記載の面光源装置。
【請求項3】
前記図柄の縁で角となるそれぞれの箇所に前記偏向パターンを内接させたことを特徴とする、請求項1に記載の面光源装置。
【請求項4】
前記図柄の縁で変曲点となるそれぞれの箇所に前記偏向パターンを内接させたことを特徴とする、請求項1に記載の面光源装置。
【請求項5】
前記図柄の縁において2つの変曲点間に挟まれた曲線部分では、両端を含めて少なくとも3個の前記偏向パターンが前記図柄の縁に内接していることを特徴とする、請求項4に記載の面光源装置。
【請求項6】
送受話機能を有する携帯電話機であって、ある図柄を光で表示させるために請求項1に記載の面光源装置を備えたことを特徴とする携帯電話機。
【請求項7】
情報処理機能を備えた情報端末において、ある図柄を光で表示させるために請求項1に記載の面光源装置を備えたことを特徴とする情報端末。
【請求項1】
光源と、
前記光源から導入された光を光出射面の表示領域から出射させる導光板と、
前記導光板の光出射面又はその反対面のうち少なくとも一方の面において、前記表示領域に形成された複数個の偏向パターンと、
を有する面光源装置であって、
前記表示領域は、前記偏向パターンの集合によってある図柄を表現したものであり、
前記図柄の縁に沿って前記図柄を縁取るように複数個の偏向パターンが並んでいることを特徴とする面光源装置。
【請求項2】
前記図柄を縁取る前記偏向パターンは、前記図柄の縁に沿って一定間隔で並んでいることを特徴とする、請求項1に記載の面光源装置。
【請求項3】
前記図柄の縁で角となるそれぞれの箇所に前記偏向パターンを内接させたことを特徴とする、請求項1に記載の面光源装置。
【請求項4】
前記図柄の縁で変曲点となるそれぞれの箇所に前記偏向パターンを内接させたことを特徴とする、請求項1に記載の面光源装置。
【請求項5】
前記図柄の縁において2つの変曲点間に挟まれた曲線部分では、両端を含めて少なくとも3個の前記偏向パターンが前記図柄の縁に内接していることを特徴とする、請求項4に記載の面光源装置。
【請求項6】
送受話機能を有する携帯電話機であって、ある図柄を光で表示させるために請求項1に記載の面光源装置を備えたことを特徴とする携帯電話機。
【請求項7】
情報処理機能を備えた情報端末において、ある図柄を光で表示させるために請求項1に記載の面光源装置を備えたことを特徴とする情報端末。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−195116(P2012−195116A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−57301(P2011−57301)
【出願日】平成23年3月15日(2011.3.15)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月15日(2011.3.15)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】
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