説明

面熱源

【課題】本発明は、面熱源に関する。
【解決手段】本発明の面熱源は、加熱素子と、前記加熱素子と電気的に接続された少なくとも二つの電極と、を含む。前記加熱素子が線状のカーボンナノチューブ複合構造体であり、前記線状のカーボンナノチューブ複合構造体が少なくとも一本のカーボンナノチューブ線状構造体及び基体材料を含み、該カーボンナノチューブ線状構造体及び基体材料が複合される。該カーボンナノチューブ線状構造体が、複数のカーボンナノチューブを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、面熱源に関し、特にカーボンナノチューブを利用した面熱源に関するものである。
【背景技術】
【0002】
熱源は、人々の生活及び科学の研究などの分野において重要な役割を果たす。例えば、電気加熱器、電気ストーブ及び赤外線治療器などに応用される。面熱源は、熱源の一種であり、二次元構造体である。面熱源は、加熱される物の各々の部分を同時に加熱することができ、加熱する面積が大きく、加熱の均一性がよく、効率が高い。
【0003】
従来技術として、面熱源は、加熱素子及び少なくとも、二つの電極を含む。該少なくとも、二つの電極は、前記加熱素子の表面に設置され、該加熱素子に電気的に接続される。前記少なくとも二つの電極によって前記加熱素子に電流を流す場合、熱が該加熱素子から放出される。従来の面熱源は、金属のフィラメント又は炭素繊維を加熱素子として、電気エネルギーを熱エネルギーに転換するものである。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Kaili Jiang、Qunqing Li、Shoushan Fan、“Spinning continuous carbon nanotube yarns”、Nature、2002年、第419巻、p.801
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、前記金属のフィラメント又は炭素繊維は、強度が悪く、折れやすく、重量が重い。特に前記金属のフィラメントを所定の角度に曲げる場合には、該金属のフィラメントがより折れやすくなるという欠点がある。また、前記金属のフィラメント又は炭素繊維から放出した熱は、標準的な波長で外部に放射するので、電気エネルギーを熱エネルギーに転換する効率が低く、エネルギーが浪費されるという欠点がある。
【0006】
従って、本発明は、電気エネルギーを熱エネルギーに転換する効率が高い面熱源を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
面熱源は、加熱素子と、前記加熱素子と電気的に接続された少なくとも二つの電極と、を含む。前記加熱素子が線状のカーボンナノチューブ複合構造体であり、前記線状のカーボンナノチューブ複合構造体が少なくとも一本のカーボンナノチューブ線状構造体及び基体材料を含み、該カーボンナノチューブ線状構造体及び基体材料が複合される。該カーボンナノチューブ線状構造体が、複数のカーボンナノチューブを含む。
【0008】
前記カーボンナノチューブ線状構造体において、複数の微孔が形成され、前記基体材料が、前記複数の微孔の中に浸透されている。
【0009】
前記カーボンナノチューブ線状構造が、少なくとも一本のカーボンナノチューブワイヤを含み、単一の前記カーボンナノチューブワイヤが複数のカーボンナノチューブのみからなる。
【0010】
前記カーボンナノチューブ線状構造が、少なくとも二本のカーボンナノチューブワイヤを含み、非ねじれ状のカーボンナノチューブ線状構造又はねじれ状のカーボンナノチューブ線状構造である。
【0011】
前記非ねじれ状のカーボンナノチューブ線状構造は、各々の前記カーボンナノチューブワイヤが該カーボンナノチューブ線状構造の長手方向に沿って、平行に配列されている。
【0012】
前記ねじれ状のカーボンナノチューブ線状構造は、各々の前記カーボンナノチューブワイヤが該カーボンナノチューブ線状構造の長手方向に沿って、螺旋状に配列されている。
【発明の効果】
【0013】
従来の面熱源と比べると、本発明の面熱源には、下記の優れた点がある。前記基体材料と前記自立構造体を有するカーボンナノチューブ構造体とを直接複合し、加熱素子を形成することによって、前記カーボンナノチューブが、前記加熱素子において、カーボンナノチューブ構造体の形態を保持するので、前記加熱素子におけるカーボンナノチューブが、均一的に分布し、導電通路を形成することができ、従来技術におけるカーボンナノチューブが、溶液に分散された濃度に制限されることと比べて、該カーボンナノチューブは、前記加熱素子における含有量が99%に達することができる。従って、前記熱源の放熱温度が高めることができる。
【0014】
前記面熱源において、加熱素子がカーボンナノチューブ構造体を含み、該カーボンナノチューブ構造体におけるカーボンナノチューブが均一的に配列され、該加熱素子が均一な厚さ及び抵抗を有するので、該加熱素子は、均一的に熱を放出することができる。前記カーボンナノチューブが電気エネルギーを熱エネルギーに転換する効率が高いので、前記面熱源は、昇温速度が速く、熱応答速度が速く、熱交換速度が速い。
【0015】
前記加熱素子おけるカーボンナノチューブは、優れた力学性能、優れた靭性及び優れた機械強度を有するので、該加熱素子は、優れた力学性能、優れた靭性と機械強度を有し、使用寿命が長くなる。更に、カーボンナノチューブ構造体及び柔軟性の基体が複合し、前記加熱素子が形成される場合、該加熱素子を利用して、柔軟性の面熱源を製造することができる。
【0016】
前記加熱素子おけるカーボンナノチューブの直径が小さいので、該加熱素子は、厚さが小さい。従って、極めて小型の面熱源を製造することができ、該小型の面熱源を利用して、小型の加熱対象となる素子を加熱することができる。
【0017】
前記カーボンナノチューブ構造体が、超配列カーボンナノチューブアレイから引き出して得られたカーボンナノチューブフィルムからなる場合、前記カーボンナノチューブフィルムにおける複数のカーボンナノチューブが同じ方向に沿って、端と端が接続されるので、優れた導電性を有する。従って、前記面熱源は、優れた加熱性能を有する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施例に係る面熱源における、ドローン構造カーボンナノチューブフィルムのSEM写真である。
【図2】ドローン構造カーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブセグメントの構造を示す図である。
【図3】図1中のドローン構造カーボンナノチューブフィルムを引き出す見取り図である。
【図4】本発明の実施例に係る面熱源における、プレシッド構造カーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブが等方的に配列されたカーボンナノチューブフィルムのSEM写真である。
【図5】本発明の実施例に係る面熱源における、プレシッド構造カーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブが同じ方向に沿って配列されたカーボンナノチューブフィルムのSEM写真である。
【図6】本発明の実施例に係る面熱源における、綿毛構造のカーボンナノチューブフィルムのSEM写真である。
【図7】本発明の実施例に係る面熱源における、綿毛構造のカーボンナノチューブフィルムの写真である。
【図8】ろ過された綿毛構造のカーボンナノチューブ構造体の写真である。
【図9】本発明の実施例に係る面熱源における、超長構造カーボンナノチューブフィルムのSEM写真である。
【図10】本発明の実施例に係る非ねじれ状のカーボンナノチューブワイヤのSEM写真である。
【図11】本発明の実施例に係るねじれ状のカーボンナノチューブワイヤのSEM写真である。
【図12】本発明の実施例に係る面熱源の製造方法のフローチャートである。
【図13】本発明の第一実施例に係る面熱源の構造を示す図である。
【図14】本発明の第一実施例に係る面熱源の図1に示すXIV−XIV線に沿って切断した断面図である。
【図15】本発明の第一実施例に係る面熱源のドローン構造カーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブの配列方向に沿って、前記カーボンナノチューブ複合構造体を切断し、形成された断面の写真である。
【図16】異なる電圧で、測量機器を利用して、本発明の実施例1におけるカーボンナノチューブ構造体の表面温度を測量したグラフである。
【図17】本発明の実施例2に係る面熱源の構造を示す図である。
【図18】本発明の実施例2に係る面熱源の図17に示すXIII−XIII線に沿って切断した断面図である。
【図19】本発明の実施例3に係る面熱源の構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して、本発明の実施例について説明する。
【0020】
(実施例1)
本発明は、面熱源を提供する。該面熱源は、二次元構造体であり、即ち、二次元方向に沿って延長する構造体である。該面熱源は、加熱素子、第一電極及び第二電極を含む。前記加熱素子は、前記第一電極及び前記第二電極に電気的に接続する。
【0021】
前記加熱素子は、カーボンナノチューブ複合構造体である。該カーボンナノチューブ複合構造体は、カーボンナノチューブ構造体及び基体を含む。該カーボンナノチューブ構造体及び基体が複合される。具体的には、前記カーボンナノチューブ構造体が複数の微孔を含むので、前記基体の材料は、前記カーボンナノチューブ構造体の微孔に浸漬し、カーボンナノチューブ複合構造体が形成される。前記基体の体積が大きい場合、前記カーボンナノチューブ構造体が前記基体の中に置かれ、該基体に被覆される。前記加熱素子は膜状構造体である。具体的には、前記加熱素子は、平面構造体又は曲面構造体である。
【0022】
前記カーボンナノチューブ構造体が自立構造を有する。ここで、自立構造とは、支持体材を利用せず、前記カーボンナノチューブ構造体を独立して利用することができるという形態のことである。すなわち、前記カーボンナノチューブ構造体を対向する両側から支持して、前記カーボンナノチューブ構造体の構造を変化させずに、前記カーボンナノチューブ構造体を懸架させることができることを意味する。前記カーボンナノチューブ構造体は、複数のカーボンナノチューブを含み、該複数のカーボンナノチューブが分子間力で接続され、均一に分布されるので、該カーボンナノチューブ構造体が所定の形状を有する。前記カーボンナノチューブ構造体は、膜状構造又は線状構造である。前記カーボンナノチューブ構造体において、隣接するカーボンナノチューブの間に複数の隙間があるので、前記カーボンナノチューブ構造体は、複数の微孔が形成される。従って、前記基体の材料は、前記カーボンナノチューブ構造体における微孔の中に浸漬し、該カーボンナノチューブ構造体と緊密に結合する。
【0023】
前記カーボンナノチューブ構造体は、複数のカーボンナノチューブを含み、該複数のカーボンナノチューブが分子間力で接続され、均一に分布される。前記カーボンナノチューブ構造体に、前記複数のカーボンナノチューブが配向し又は配向せずに配置されている。前記複数のカーボンナノチューブの配列方式により、前記カーボンナノチューブ構造体は非配向型のカーボンナノチューブ構造体及び配向型のカーボンナノチューブ構造体の二種に分類される。本実施例における非配向型のカーボンナノチューブ構造体では、カーボンナノチューブが異なる方向に沿って配置され、又は絡み合っている。配向型のカーボンナノチューブ構造体では、前記複数のカーボンナノチューブが同じ方向に沿って配列している。又は、配向型のカーボンナノチューブ構造体において、配向型のカーボンナノチューブ構造体が二つ以上の領域に分割される場合、各々の領域における複数のカーボンナノチューブが同じ方向に沿って配列されている。この場合、異なる領域におけるカーボンナノチューブの配列方向は異なる。前記カーボンナノチューブ構造体の厚さが0.5ナノメートル〜1.0ミリメートルである。前記カーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブ、二層カーボンナノチューブ又は多層カーボンナノチューブである。前記カーボンナノチューブが単層カーボンナノチューブである場合、直径は0.5nm〜50nmに設定され、前記カーボンナノチューブが二層カーボンナノチューブである場合、直径は1nm〜50nmに設定され、前記カーボンナノチューブが多層カーボンナノチューブである場合、直径は1.5nm〜50nmに設定される。前記カーボンナノチューブ構造体は、配向型のカーボンナノチューブ構造体であることが好ましい。
【0024】
前記カーボンナノチューブ構造体の熱応答速度は、該カーボンナノチューブ構造体の厚さと関係がある。前記カーボンナノチューブ構造体は、同じ表面積を有する場合、その厚さが厚ければ、熱応答速度が遅くなり、その厚さが薄ければ、熱応答速度が速くなる。前記カーボンナノチューブ構造体の純度が高く、該カーボンナノチューブ構造体は大きな比表面積(例えば、100m/g以上)を有するので、該カーボンナノチューブ構造体の単位面積当たりの熱容量は、0(0は含まず)〜2×10−4J/cm・Kであるが、好ましくは、0(0は含まず)〜1.7×10−6J/cm・Kである。前記カーボンナノチューブ構造体の単位面積当たりの熱容量が非常に低いので、前記加熱素子を速やかに加熱させることができる。即ち、前記カーボンナノチューブ構造体は、速い熱応答速度がある。前記カーボンナノチューブ構造体の密度が低く、1.35g/cm程度に達するので、前記カーボンナノチューブ構造体の光透過性が高い。
【0025】
具体的には、前記カーボンナノチューブ構造体は、少なくとも一枚の、カーボンナノチューブフィルム、カーボンナノチューブ線状構造体、又はカーボンナノチューブフィルム及びカーボンナノチューブ線状構造体の組み合わせを含む。前記カーボンナノチューブ構造体が複数のカーボンナノチューブフィルムを含む場合、前記複数のカーボンナノチューブフィルムが積層して設置される。前記カーボンナノチューブ構造体が複数のカーボンナノチューブ線状構造体を含む場合、該複数のカーボンナノチューブ線状構造体が平行して設置され、交差して設置され、又は編んで、二次元のカーボンナノチューブ構造体を形成することができる。また、前記カーボンナノチューブ構造体は、前記カーボンナノチューブ線状構造体を巻き付くことにより、二次元のカーボンナノチューブ構造体を形成することができる。
【0026】
(一)ドローン構造カーボンナノチューブフィルム
前記カーボンナノチューブ構造体は、少なくとも一枚のドローン構造カーボンナノチューブフィルムを含む。図1を参照すると、単一の前記ドローン構造カーボンナノチューブフィルム143aは、超配列カーボンナノチューブアレイ(Superaligned array of carbon nanotubes,非特許文献1を参照)から引き出して得られ、自立構造を有したものである。単一の前記カーボンナノチューブフィルム143aにおいて、前記複数のカーボンナノチューブの大部分は、前記カーボンナノチューブフィルムの表面に平行に、カーボンナノチューブフィルムを引き出す方向に沿って、且つ、同じ方向に沿って配列されている。前記複数のカーボンナノチューブは、分子間力で端と端が接続されている。
【0027】
微視的には、前記カーボンナノチューブフィルム143aにおいて、前記同じ方向に沿って配列された複数のカーボンナノチューブ以外に、該同じ方向に沿っておらずランダムな方向を向いたカーボンナノチューブも存在している。ここで、該ランダムな方向を向いたカーボンナノチューブは、前記同じ方向に沿って配列された複数のカーボンナノチューブと比べて、割合は小さい。
【0028】
図2を参照すると、単一の前記カーボンナノチューブフィルム143aは、複数のカーボンナノチューブセグメント143bを含む。前記複数のカーボンナノチューブセグメント143bは、長さ方向に沿って分子間力で端と端が接続されている。それぞれのカーボンナノチューブセグメント143bは、相互に平行に、分子間力で結合された複数のカーボンナノチューブ145を含む。単一の前記カーボンナノチューブセグメント143bにおいて、前記複数のカーボンナノチューブ145の長さは実質的に同じである。前記カーボンナノチューブフィルム143aを有機溶剤に浸漬させることにより、前記カーボンナノチューブフィルム143aの強靭性及び機械強度を高めることができる。前記カーボンナノチューブフィルム143aの厚さが10マイクロメートル以下である場合、該カーボンナノチューブフィルム143aの透光率が96%以上程度に達するため、透明熱源に用いられることも可能である。一枚の前記カーボンナノチューブフィルム143aの単位面積当たりの熱容量は、1.7×10−6J/cm・K以下である。
【0029】
前記カーボンナノチューブ構造体が積層された複数の前記カーボンナノチューブフィルム143aを含む場合、隣接する前記カーボンナノチューブフィルム143aは、分子間力で結合されている。隣接する前記カーボンナノチューブフィルム143aにおけるカーボンナノチューブ145は、それぞれ0°〜90°の角度で交差している。隣接する前記カーボンナノチューブフィルム143aにおけるカーボンナノチューブ145が0°以上の角度で交差する場合、前記カーボンナノチューブ構造体に複数の微孔が形成され、該微孔の直径が10マイクロメートル以下である。又は、前記複数のカーボンナノチューブフィルム143aは、同一平面上に隙間なく並列されることもできる。
【0030】
前記カーボンナノチューブフィルムの製造方法は次のステップを含む。
【0031】
第一ステップでは、カーボンナノチューブアレイを提供する。該カーボンナノチューブアレイは、超配列カーボンナノチューブアレイ(Superaligned array of carbon nanotubes,非特許文献1を参照)であり、該超配列カーボンナノチューブアレイの製造方法は、化学気相堆積法を採用する。該製造方法は、次のステップを含む。ステップ(a)では、平らな基材を提供し、該基材はP型のシリコン基材、N型のシリコン基材及び酸化層が形成されたシリコン基材のいずれか一種である。本実施例において、4インチのシリコン基材を選択することが好ましい。ステップ(b)では、前記基材の表面に、均一的に触媒層を形成する。該触媒層の材料は鉄、コバルト、ニッケル及びその2種以上の合金のいずれか一種である。ステップ(c)では、前記触媒層が形成された基材を700℃〜900℃の空気で30分〜90分間アニーリングする。ステップ(d)では、アニーリングされた基材を反応炉に置き、保護ガスで500℃〜740℃の温度で加熱した後で、カーボンを含むガスを導入して、5分〜30分間反応を行って、超配列カーボンナノチューブアレイ(Superaligned array of carbon nanotubes,非特許文献1)を成長させることができる。該カーボンナノチューブアレイの高さは100マイクロメートル以上である。該カーボンナノチューブアレイは、互いに平行し、基材に垂直に生長する複数のカーボンナノチューブからなる。該カーボンナノチューブは、長さが長いため、部分的にカーボンナノチューブが互いに絡み合っている。生長の条件を制御することによって、前記カーボンナノチューブアレイは、例えば、アモルファスカーボン及び残存する触媒である金属粒子などの不純物を含まなくなる。
【0032】
本実施例において、前記カーボンを含むガスとしては、例えば、アセチレン、エチレン、メタンなどの活性な炭化水素が選択され、エチレンを選択することが好ましい。保護ガスは窒素ガスまたは不活性ガスであり、アルゴンガスが好ましい。
【0033】
本実施例により提供されたカーボンナノチューブアレイは、前記の製造方法により製造されることに制限されず、アーク放電法またはレーザー蒸発法で製造してもよい。
【0034】
第二ステップでは、前記カーボンナノチューブアレイから、少なくとも、一枚のカーボンナノチューブフィルムを引き伸ばす。まず、ピンセットなどの工具を利用して複数のカーボンナノチューブの端部を持つ。例えば、一定の幅を有するテープを利用して複数のカーボンナノチューブの端部を持つ。次に、所定の速度で前記複数のカーボンナノチューブを引き出し、複数のカーボンナノチューブ束からなる連続のカーボンナノチューブフィルムを形成する。
【0035】
前記複数のカーボンナノチューブを引き出す工程において、前記複数のカーボンナノチューブがそれぞれ前記基材から脱離すると、分子間力で前記カーボンナノチューブ束が端と端で接合され、連続のカーボンナノチューブフィルムが形成される(図3を参照)。
【0036】
(二)プレシッド構造カーボンナノチューブフィルム
前記カーボンナノチューブ構造体は、少なくとも一枚のプレシッド構造カーボンナノチューブフィルム(pressed carbon nanotube film)を含む。図4又は図5を参照すると、前記カーボンナノチューブフィルムにおける複数のカーボンナノチューブは、等方的に配列されているか、所定の方向に沿って配列されているか、または、異なる複数の方向に沿って配列されている。前記カーボンナノチューブフィルムは、押し器具を利用することにより、所定の圧力をかけて前記カーボンナノチューブアレイを押し、該カーボンナノチューブアレイを圧力で倒すことにより形成された、シート状の自立構造を有するものである。前記カーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブの配列方向は、前記押し器具の形状及び前記カーボンナノチューブアレイを押す方向により決められている。
【0037】
図4を参照すると、単一の前記カーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブが配向せずに配置される。該カーボンナノチューブフィルムは、等方的に配列されている複数のカーボンナノチューブを含む。隣接するカーボンナノチューブが分子間力で相互に引き合い、接続する。該カーボンナノチューブ構造体が平面等方性を有する。該カーボンナノチューブフィルムは、平面を有する押し器具を利用して、カーボンナノチューブアレイが成長された基板に垂直な方向に沿って前記カーボンナノチューブアレイを押すことにより形成される。
【0038】
図5を参照すると、単一の前記カーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブが配向して配列される。該カーボンナノチューブフィルムは、同じ方向に沿って配列された複数のカーボンナノチューブを含む。ローラー形状を有する押し器具を利用して、同じ方向に沿って前記カーボンナノチューブアレイを同時に押す場合、基本的に同じ方向に配列されたカーボンナノチューブを含むカーボンナノチューブフィルムが形成される。また、ローラー形状を有する押し器具を利用して、異なる方向に沿って、前記カーボンナノチューブアレイを同時に押す場合、前記異なる方向に沿って、選択的な方向に配列されたカーボンナノチューブを含むカーボンナノチューブフィルムが形成される。
【0039】
前記カーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブの傾斜の程度は、前記カーボンナノチューブアレイにかけた圧力に関係する。前記カーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブと該カーボンナノチューブフィルムの表面とは、角度αを成し、該角度αは0°以上15°以下である。好ましくは、前記カーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブが該カーボンナノチューブフィルムの表面に平行する。前記圧力が大きくなるほど、前記傾斜の程度が大きくなる。前記カーボンナノチューブフィルムの厚さは、前記カーボンナノチューブアレイの高さ及び該カーボンナノチューブアレイにかけた圧力に関係する。即ち、前記カーボンナノチューブアレイの高さが大きくなるほど、また、該カーボンナノチューブアレイにかけた圧力が小さくなるほど、前記カーボンナノチューブフィルムの厚さが大きくなる。これとは逆に、カーボンナノチューブアレイの高さが小さくなるほど、また、該カーボンナノチューブアレイにかけた圧力が大きくなるほど、前記カーボンナノチューブフィルムの厚さが小さくなる。前記カーボンナノチューブフィルムにおける隣接するカーボンナノチューブの間に隙間があるので、該カーボンナノチューブフィルムにおいて、複数の微孔が形成され、該微孔の直径が10マイクロメートル以下である。
【0040】
(三)綿毛構造カーボンナノチューブフィルム
前記カーボンナノチューブ構造体は、少なくとも一枚の綿毛構造カーボンナノチューブフィルム(flocculated carbon nanotube film)を含む。図6及び図7を参照すると、単一の前記カーボンナノチューブフィルムにおいて、複数のカーボンナノチューブは、相互に絡み合い、等方的に配列されている。前記カーボンナノチューブ構造体においては、前記複数のカーボンナノチューブが均一に分布されている。複数のカーボンナノチューブは配向せずに配置されている。単一の前記カーボンナノチューブの長さは、10マイクロメートル以上であり、200マイクロメートル〜900マイクロメートルであると好ましい。前記カーボンナノチューブ構造体は、自立構造の薄膜の形状に形成されている。ここで、自立構造とは、支持体材を利用せず、前記カーボンナノチューブ構造体を独立して利用することができるという形態である。前記複数のカーボンナノチューブは、分子間力で接近して、相互に絡み合って、カーボンナノチューブネット状に形成されている。前記複数のカーボンナノチューブは配向せずに配置されて、複数の微小な穴が形成されている。ここで、単一の前記微小な穴の直径が10マイクロメートル以下になる。前記カーボンナノチューブ構造体におけるカーボンナノチューブは、相互に絡み合って配置されるので、該カーボンナノチューブ構造体は柔軟性に優れ、任意の形状に湾曲して形成させることができる。用途に応じて、前記カーボンナノチューブ構造体の長さ及び幅を調整することができる。前記カーボンナノチューブ構造体の厚さは、1.0マイクロメートル〜1.0ミリメートルであり、100マイクロメートルであることが好ましい。
【0041】
前記カーボンナノチューブフィルムの製造方法は、下記のステップを含む。
【0042】
第一ステップでは、前記カーボンナノチューブのもとになるカーボンナノチューブの原料を提供する。
【0043】
ナイフのような工具で前記カーボンナノチューブを前記基材から剥離し、カーボンナノチューブの原料が形成される。前記カーボンナノチューブは、ある程度互いに絡み合っている。前記カーボンナノチューブの原料においては、該カーボンナノチューブの長さは、10マイクロメートル以上であり、200マイクロメートル〜900マイクロメートルであることが好ましい。
【0044】
第二ステップでは、前記カーボンナノチューブの原料を溶剤に浸漬し、該カーボンナノチューブの原料を処理して、綿毛構造のカーボンナノチューブ構造体を形成する。
【0045】
前記カーボンナノチューブ原料を前記溶剤に浸漬した後、超音波式分散、又は高強度攪拌又は振動などの方法により、前記カーボンナノチューブを綿毛構造に形成させる。前記溶剤は水または揮発性有機溶剤である。超音波式分散方法により、カーボンナノチューブを含む溶剤に対して10〜30分間処理する。カーボンナノチューブは大きな比表面積を有し、カーボンナノチューブの間に大きな分子間力が生じるので、前記カーボンナノチューブはそれぞれもつれて、綿毛構造に形成されている。
【0046】
第三ステップでは、前記綿毛構造のカーボンナノチューブ構造体を含む溶液をろ過して、最終的な綿毛構造のカーボンナノチューブ構造体を取り出す。
【0047】
まず、濾紙が置かれたファネルを提供する。前記綿毛構造のカーボンナノチューブ構造体を含む溶剤を濾紙が置かれたファネルにつぎ、しばらく放置して、乾燥させると、綿毛構造のカーボンナノチューブ構造体が分離される。図8を参照すると、前記綿毛構造のカーボンナノチューブ構造体におけるカーボンナノチューブが互いに絡み合って、不規則的な綿毛構造となる。
【0048】
分離された前記綿毛構造のカーボンナノチューブ構造体を容器に置き、前記綿毛構造のカーボンナノチューブ構造体を所定の形状に展開し、展開された前記綿毛構造のカーボンナノチューブ構造体に所定の圧力を加え、前記綿毛構造のカーボンナノチューブ構造体に残留した溶剤を焙り、或いは、該溶剤が自然に蒸発すると、図6と図7に示す綿毛構造のカーボンナノチューブフィルムが形成される。
【0049】
前記綿毛構造のカーボンナノチューブ構造体が展開される面積によって、綿毛構造のカーボンナノチューブフィルムの厚さと面密度を制御できる。即ち、一定の体積を有する前記綿毛構造のカーボンナノチューブ構造体は、展開される面積が大きくなるほど、綿毛構造のカーボンナノチューブフィルムの厚さと面密度が小さくなる。
【0050】
また、微多孔膜とエアーポンプファネル(Air−pumping Funnel)を利用して綿毛構造のカーボンナノチューブフィルムが形成される。具体的には、微多孔膜とエアーポンプファネルを提供し、前記綿毛構造のカーボンナノチューブ構造体を含む溶剤を、前記微多孔膜を通して前記エアーポンプファネルにつぎ、該エアーポンプファネルに抽気し、乾燥させると、綿毛構造のカーボンナノチューブフィルムが形成される。前記微多孔膜は、平滑な表面を有する。該微多孔膜において、単一の微小孔の直径は、0.22マイクロメートルにされている。前記微多孔膜が平滑な表面を有するので、前記カーボンナノチューブフィルムは容易に前記微多孔膜から剥落することができる。さらに、前記エアーポンプを利用することにより、前記綿毛構造のカーボンナノチューブフィルムに空気圧をかけるので、均一な綿毛構造のカーボンナノチューブフィルムを形成させることができる。
【0051】
(四)超長構造カーボンナノチューブフィルム
前記カーボンナノチューブ構造体は、少なくとも一枚の超長構造カーボンナノチューブフィルム(ultra−long carbon nanotube film)を含む。図9を参照すると、前記カーボンナノチューブフィルムは、ほぼ同じ長さを有する複数のカーボンナノチューブを含む。単一の前記カーボンナノチューブフィルムにおいて、前記複数のカーボンナノチューブは、同じ方向に沿って、均一に並列されている。単一の前記カーボンナノチューブフィルムの厚さは、10ナノメートル〜100マイクロメートルである。前記複数のカーボンナノチューブは、それぞれ前記複数のカーボンナノチューブフィルムの表面に平行に配列され、相互に平行に配列されている。隣接する前記カーボンナノチューブは所定の距離で分離して設置される。前記距離は0マイクロメートル〜5マイクロメートルである。前記距離が0マイクロメートルである場合、隣接する前記カーボンナノチューブは分子間力で接続されている。前記カーボンナノチューブフィルムにおける各々の前記カーボンナノチューブの長さは、前記カーボンナノチューブフィルムの長さと基本的に同じである。単一の前記カーボンナノチューブの長さは、1センチメートル以上であり、1センチメートル〜30センチメートルであることが好ましい。さらに、各々の前記カーボンナノチューブには結節がない。本実施形態において、前記カーボンナノチューブフィルムの厚さは10マイクロメートルである。単一の前記カーボンナノチューブの長さは10センチメートルである。
【0052】
前記カーボンナノチューブ構造体は少なくとも一本のカーボンナノチューブ線状構造体を含むことができる。前記カーボンナノチューブ線状構造体は、少なくとも一本のカーボンナノチューブワイヤを含む。一本の前記カーボンナノチューブワイヤの熱容量は、2×10−4J/cm・K以下であり、0(0は含まず)〜5×10−5J/cm・Kであることが好ましい。一本の前記カーボンナノチューブワイヤの直径は4.5nm〜1cmであり、1.0μm〜100μmであることが好ましい。
【0053】
図10を参照すると、前記カーボンナノチューブワイヤ(非ねじれ状カーボンナノチューブワイヤ)は、端と端とが接続された複数のカーボンナノチューブセグメント(図示せず)を含む。前記カーボンナノチューブセグメントは、同じ長さ及び幅を有する。さらに、各々の前記カーボンナノチューブセグメントに、同じ長さの複数のカーボンナノチューブが平行に配列されている。前記複数のカーボンナノチューブはカーボンナノチューブワイヤの中心軸に平行に配列されている。この場合、一本の前記カーボンナノチューブワイヤの直径は、1μm〜1cmである。
【0054】
図11を参照すると、前記カーボンナノチューブワイヤをねじり、ねじれ状カーボンナノチューブワイヤを形成することができる。ここで、前記複数のカーボンナノチューブは前記カーボンナノチューブワイヤの中心軸を軸に、螺旋状に配列されている。この場合、一本の前記カーボンナノチューブワイヤの直径は、1μm〜1cmである。前記カーボンナノチューブ線状構造体は、前記非ねじれ状カーボンナノチューブワイヤ、ねじれ状カーボンナノチューブワイヤ又はそれらの組み合わせのいずれか一種からなる。
【0055】
前記カーボンナノチューブワイヤを形成する方法は、カーボンナノチューブアレイから引き出してなるカーボンナノチューブフィルムを利用する。前記カーボンナノチューブワイヤを形成する方法は、次の三種がある。第一種では、前記カーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブの長手方向に沿って、前記カーボンナノチューブフィルムを所定の幅で切断し、カーボンナノチューブワイヤを形成する。第二種では、前記カーボンナノチューブフィルムを有機溶剤に浸漬させて、前記カーボンナノチューブフィルムを収縮させてカーボンナノチューブワイヤを形成することができる。第三種では、前記カーボンナノチューブフィルムを機械加工(例えば、紡糸工程)してねじれたカーボンナノチューブワイヤを形成する。詳しく説明すれば、まず、前記カーボンナノチューブフィルムを紡糸装置に固定させる。次に、前記紡糸装置を動作させて前記カーボンナノチューブフィルムを回転させ、ねじれたカーボンナノチューブワイヤを形成する。
【0056】
前記カーボンナノチューブ線状構造体が二本以上のカーボンナノチューブワイヤを含む場合、各々のカーボンナノチューブワイヤが平行に配列され、非ねじれ状のカーボンナノチューブ線状構造体を形成する。或いは、各々のカーボンナノチューブワイヤが、螺旋状に配列され、ねじれ状のカーボンナノチューブ線状構造体を形成する。即ち、前記非ねじれ状のカーボンナノチューブ線状構造体におけるカーボンナノチューブワイヤは、前記カーボンナノチューブ線状構造体の長手方向に沿って、配列される。前記ねじれ状のカーボンナノチューブ線状構造体におけるカーボンナノチューブワイヤは、前記線状構造体の軸向に沿って、螺旋状に配列される。
【0057】
前記非ねじれ状のカーボンナノチューブ線状構造体におけるカーボンナノチューブワイヤは、非ねじれ状のカーボンナノチューブワイヤ又はねじれ状のカーボンナノチューブワイヤである。前記ねじれ状のカーボンナノチューブ線状構造体におけるカーボンナノチューブワイヤは、非ねじれ状のカーボンナノチューブワイヤ又はねじれ状のカーボンナノチューブワイヤである。
【0058】
前記カーボンナノチューブ線状構造体の直径は、0.5ナノメートル〜2ミリメートルである。単一の前記カーボンナノチューブワイヤの直径が大きく、前記カーボンナノチューブワイヤの数量が多いほど、前記カーボンナノチューブ線状構造体の直径が大きくなる。この逆に、単一の前記カーボンナノチューブワイヤの直径が小さく、前記カーボンナノチューブワイヤの数量が少ないほど、前記カーボンナノチューブ線状構造体の直径が小さくなる。
【0059】
前記カーボンナノチューブワイヤにおけるカーボンナノチューブが配向して配列されるので、該カーボンナノチューブワイヤからなるカーボンナノチューブ線状構造体におけるカーボンナノチューブが配向して配列される。
【0060】
また、前記ねじれ状のカーボンナノチューブワイヤを揮発性有機溶剤で処理してもよい。前記揮発性有機溶剤の表面力の作用で前記ねじれ状のカーボンナノチューブワイヤにおける隣接するカーボンナノチューブが分子間力で緊密に接続されるので、該ねじれ状のカーボンナノチューブワイヤは、直径及び比表面積が小さくなり、大きな密度、優れた機械強度及び優れた強靭性を有する。
【0061】
前記カーボンナノチューブ構造体が、一つの前記カーボンナノチューブ線状構造体を含む場合、該カーボンナノチューブ線状構造体におけるカーボンナノチューブの両端は、それぞれ、前記電極に電気的に接続される。前記カーボンナノチューブ構造体は、複数のカーボンナノチューブ線状構造体を含む場合、該複数のカーボンナノチューブ線状構造体が平行に配列され、又は交叉して配列される。前記交叉して配列されたカーボンナノチューブ線状構造体の交叉する角度は、特に制限されない。前記各々のカーボンナノチューブ線状構造体を設置する方式は制限されず、均一な加熱素子を形成することができることを確保してもよい。
【0062】
前記カーボンナノチューブ線状構造体が、揮発性有機溶剤又は機械外力で前記ドローン構造カーボンナノチューブフィルムを処理し、形成されたものであり、且つ前記ドローン構造カーボンナノチューブフィルムが、自立構造体を有するので、該カーボンナノチューブ線状構造体は、自立構造体も有する。前記カーボンナノチューブ線状構造体におけるカーボンナノチューブの間に、隙間があるので、該カーボンナノチューブ線状構造体には、複数の微孔があり、該微孔の直径が10マイクロメートル以下である。
【0063】
前記基体の材料は、高分子材料及び無機非金属材料などの一種又は数種である。前記面熱源の加熱素子を製造する過程において、前記基体の材料又は該基体の材料に形成された前駆体は、前記カーボンナノチューブ構造体の微孔の中に浸透し、該カーボンナノチューブ構造体と緊密に接合することができる。前記基体の材料は、固化された後、複合構造が形成されるように、所定の温度で液体又は気体でなければならない。また、前記面熱源が作動して生じた熱で、前記面熱源を破壊し、又は変形させないために、前記基体は耐熱性材料からなることが必要である。
【0064】
具体的には、前記高分子材料は、熱可塑性ポリマー及び熱硬化性ポリマーの一種又は数種である。例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、繊維素、ポリエチレンテレフタラート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニルなどの一種又は数種である。前記無機非金属材料は、ガラス、セラミックス、半導体材料の一種又は数種である。また、前記基体の材料は、柔軟性の高分子材料であってもよい。例えば、シリコーンゴム、ポリウレタン、ポリメタクリル酸メチル樹脂の一種又は数種である。
【0065】
前記基体の材料は、前記カーボンナノチューブ構造体の微孔の中だけに添加してもよく、前記カーボンナノチューブ構造体を完全に被覆してもよい。前記加熱素子は、複数のカーボンナノチューブ構造体を含む場合、該カーボンナノチューブ構造体が間隔を置いて、或いは、互いに接触して前記基体の材料の中に設置される。前記カーボンナノチューブ構造体が二次元の構造体である場合、該二次元の構造体が間隔を置いて、又は接触して前記基体の中に設置される。前記カーボンナノチューブ構造体が線状構造体である場合、該線状構造体が間隔を置いて、又は接触して前記基体の中に設置される。また、前記加熱素子に異なる位置に異なる加熱温度を有させるように、実際の応用に応じて、前記カーボンナノチューブ構造体を前記基体材料における所定の位置に設置することができる。
【0066】
前記基体の材料は、前記カーボンナノチューブ構造体の微孔の中に浸漬するので、該カーボンナノチューブ構造体におけるカーボンナノチューブを固定することができる。従って、前記面熱源が使用される過程において、前記カーボンナノチューブ構造体におけるカーボンナノチューブが外力で脱離することができない。前記基体の材料で、前記カーボンナノチューブ構造体を被覆させる場合、更に、該カーボンナノチューブ構造体を保護でき、前記基体が、絶縁性の有機高分子材料又は無機非金属材料である場合、前記加熱素子と外部とを絶縁させる。また、前記基体により、熱を均一的に伝送することができる。前記カーボンナノチューブ構造体が急速に昇温する場合、該基体により、前記加熱素子を徐々に昇温させることができる。さらに、前記基体の材料が柔軟性の高分子材料を採用することができ、前記面熱源の柔軟性及び強靱性を増加することができる。
【0067】
前記基体の材料と前記自立構造体を有するカーボンナノチューブ構造体とを直接複合して製造する加熱素子において、前記カーボンナノチューブは、均一的に分布し、その含有量が99%に達することができるので、前記加熱素子を利用した熱源の放熱温度を高めることができる。前記加熱素子におけるカーボンナノチューブが、均一的に分布し、導電通路を形成することができ、従来技術におけるカーボンナノチューブが、溶液に分散された濃度に制限されることと比べて、該カーボンナノチューブは、前記加熱素子における含有量が99%に達することができる。
【0068】
前記第一電極及び前記第二電極は、前記加熱素子に電気的に接続しなければならない。前記第一電極及び前記第二電極は、導電材料からなり、前記加熱素子の同じ表面、又はそれぞれ前記加熱素子の対向する両表面に設置される。前記カーボンナノチューブ構造体の接着性又は導電接着剤を利用して、前記第一電極及び前記第二電極を前記加熱素子の表面に設置することができる。前記導電接着剤を利用する場合、前記第一電極及び前記第二電極と前記カーボンナノチューブ構造体とを電気的に接続させると同時に、前記第一電極及び前記第二電極を前記カーボンナノチューブ構造体の表面によく固定させることができる。前記第一電極及び前記第二電極によって、前記加熱素子に電圧を印加することができる。前記加熱素子が作動する場合、前記第一電極と前記第二電極との間の短路を防止し、該第一電極及び第二電極との間に所定の抵抗を接続するために、該第一電極及び第二電極は、所定の距離を置いて設置しなければならない。
【0069】
前記加熱素子の基体を前記カーボンナノチューブ構造体の微孔にしか添加しない場合、前記カーボンナノチューブ構造体における一部のカーボンナノチューブが前記加熱素子の表面に露出するので、前記第一電極及び前記第二電極は、前記加熱素子の同じ表面又は異なる表面に設置して、前記カーボンナノチューブ構造体と電気的に接続できる。前記加熱素子の基体は、前記カーボンナノチューブ構造体を被覆する場合、前記第一電極、前記第二電極と前記カーボンナノチューブ構造体とに電気的に接続させるために、該第一電極及び前記第二電極を前記カーボンナノチューブ複合構造体の中に設置し、前記カーボンナノチューブ構造体に直接に接続させる。前記第一電極及び前記第二電極を外部電源に電気的に接続させるために、該第一電極及び前記第二電極の一部は、前記加熱素子の外部に露出し、或いは、二つのリード線により、それぞれ第一電極及び前記第二電極を、前記カーボンナノチューブ複合構造体の外部に引き出す。
【0070】
前記カーボンナノチューブ構造体におけるカーボンナノチューブの配列方向が同じである場合、前記カーボンナノチューブは、前記第一電極から、前記第二電極へ延伸するように配列されている。例えば、前記カーボンナノチューブ構造体がドローン構造カーボンナノチューブフィルムを含む場合、前記第一電極及び前記第二電極を、それぞれ前記カーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブの長軸方向に垂直して配置させる。前記カーボンナノチューブ構造体が平行して配列された複数のカーボンナノチューブ線状構造体を含む場合、該カーボンナノチューブ線状構造体の両端にそれぞれ、前記第一電極及び前記第二電極と電気的に接続させる。
【0071】
前記第一電極及び前記第二電極は、導電フィルム、金属シート又は金属リード線である。前記導電フィルムの材料は、金属、合金、酸化インジウムスズ(ITO)フィルム、酸化アンチモンスズ(ATO)、銀ペースト、導電重合体又はカーボンナノチューブ構造体などである。前記金属は、アルミニウム、銅、タングステン、モリブデン、金、チタン、ネオジム、パラジウム又はセシウムなどである。前記合金は、前記金属の合金である。前記第一電極及び前記第二電極がカーボンナノチューブ構造体からなる場合、該カーボンナノチューブ構造体は、上述の図1又は図9に示されたカーボンナノチューブフィルム、或いは、図10又は図11に示されたカーボンナノチューブワイヤを含む。該カーボンナノチューブフィルム又はカーボンナノチューブワイヤは、金属性を有するカーボンナノチューブを含むことが必要である。この場合、該カーボンナノチューブ構造体が自体の接着性又は導電接着剤によって、前記加熱素子又は前記カーボンナノチューブ構造体の表面に固定する。前記金属シート又は金属リード線の材料は、銅又はアルミニウムなどである。前記第一電極及び前記第二電極が金属シートである場合、該金属シートは、導電接着剤で前記加熱素子又は前記カーボンナノチューブ構造体の表面に固定することができる。前記導電接着剤は、前記第一電極及び前記第二電極に前記カーボンナノチューブ構造体と電気的に接続させると同時に、該第一電極及び該第二電極に前記カーボンナノチューブ構造体の表面によく固定させる。
【0072】
図12を参照すると、本発明は、面熱源を製造する方法を提供する。具体的には、下記のステップを含む。
【0073】
第一ステップでは、カーボンナノチューブ構造体を提供し、該カーボンナノチューブ構造体が複数の微孔を有する。
【0074】
カーボンナノチューブ構造体の構造及びその製造方法は、上述のカーボンナノチューブ構造体の構造及びその製造方法である。
【0075】
第二ステップでは、第一電極及び第二電極を、間隔を置いて設置し、該第一電極及び第二電極にカーボンナノチューブ構造体と電気的に接続させる。
【0076】
前記第一電極及び第二電極は、導電材料からなり、前記カーボンナノチューブ構造体の同じ表面、又は前記カーボンナノチューブ構造体の対向する両表面にそれぞれ設置され、又は前記カーボンナノチューブ構造体の表面に巻き付く。前記第一電極及び第二電極は、前記カーボンナノチューブ構造体の接着性又は導電接着剤を利用して、前記加熱素子の表面に設置することができる。前記導電接着剤は、前記第一電極及び第二電極と前記カーボンナノチューブ構造体とが電気的に接続する同時に、前記第一電極及び第二電極を前記カーボンナノチューブ構造体の表面によく固定することができる。前記第一電極及び第二電極によって、前記加熱素子に電圧を印加することができる。前記加熱素子が加熱された場合、短路を防止するように、所定の抵抗を接続するために、前記第一電極及び第二電極は、所定の距離を置いて設置しなければならない。
【0077】
前記第一電極及び第二電極は、導電フィルム、金属シート又は金属リード線である。前記導電フィルムの材料は、金属、合金、酸化インジウムスズ(ITO)フィルム、酸化アンチモンスズ(ATO)、銀ペースト、導電重合体又はカーボンナノチューブ構造体などである。前記導電フィルムは、物理気相堆積法、化学気相堆積法又は他の方法で前記カーボンナノチューブ構造体の表面に形成する。前記金属シート又は金属リード線の材料は、銅又はアルミニウムなどである。該金属シート又は金属リード線は、導電接着剤で前記カーボンナノチューブ構造体の表面に固定することができる。
【0078】
前記第一電極及び第二電極は、金属性のカーボンナノチューブ構造体であってもよい。該カーボンナノチューブ構造体は、図1、図9、図10又は図11に示された構造である。前記カーボンナノチューブ構造体におけるカーボンナノチューブの表面に金属層を被覆し、該カーボンナノチューブ構造体の導電性を高めるようにすることが好ましい。
【0079】
第三ステップでは、基体の前駆体を提供し、該基体の前駆体と前記カーボンナノチューブ構造体とを複合し、加熱素子を形成する。
【0080】
前記基体の前駆体は、基体の材料、基体材料からなる溶液、該基体材料を製造する前駆反応物である。該基体の前駆体は、所定の温度で液体又は気体である。前記の基体の前駆体と前記カーボンナノチューブ構造体とが複合する方法は、塗布、堆積、印刷及び浸漬などの一種である。
【0081】
前記基体の材料は、高分子材料及び非金属材料などの一種又は数種である。具体的には、前記高分子材料が熱可塑性ポリマー及び熱硬化性ポリマーの一種又は数種であるので、前記基体の前駆体の材料は、熱可塑性ポリマー及び熱硬化性ポリマーを形成するポリマー単体の溶液である。或いは、前記熱可塑性ポリマー又は熱硬化性ポリマーが揮発性の有機溶剤に溶解し、形成された混合溶液である。前記カーボンナノチューブ構造体を前記液体の基体の前駆体に浸漬した後、該液体の基体の前駆体を固化し、前記基体と前記カーボンナノチューブ構造体とを複合させる。
【0082】
前記非金属材料が、ガラス、セラミックス又は半導体材料などであり、前記基体の前駆体は、非金属材料粒子で製造されたペースト、非金属材料を製造する反応気体、気体状態の非金属材料である。具体的には、真空蒸着、スパッター、化学気相堆積法、物理気相堆積法などの方法で気体の基体の前駆体を形成し、該基体の前駆体を前記カーボンナノチューブ構造体におけるカーボンナノチューブの表面に堆積させる。また、複数の非金属材料粒子を溶剤に分散し、ペーストを形成し、前記基体の前駆体として、前記カーボンナノチューブ構造体を前記ペーストの中に浸漬した後、溶剤を蒸発させ、前記基体と前記カーボンナノチューブ構造体とを複合させる。
【0083】
前記基体の前駆体が液体である場合、前記カーボンナノチューブ構造体を前記液体の基体の前駆体の中に浸漬した後、該液体の基体の前駆体を固化することによって、前記基体の材料を前記カーボンナノチューブ構造体の微孔の中に浸透させ、加熱素子を形成するようになる。前記基体の前駆体が気体である場合、該基体の前駆体を前記カーボンナノチューブ構造体におけるカーボンナノチューブの表面に堆積することによって、前記基体の材料を前記カーボンナノチューブ構造体の微孔の中に添加させ、加熱素子を形成するようになる。
【0084】
前記第二ステップにおける第一電極及び第二電極を形成するステップを、前記第三ステップにおける前記カーボンナノチューブ複合構造体を形成した後に、行なってもよい。前記基体材料を前記カーボンナノチューブ構造体の微孔の中だけに添加する場合、即ち、前記一部のカーボンナノチューブが前記カーボンナノチューブ複合構造体の表面に露出する場合、前記第二ステップと同じ方法で前記第一電極及び第二電極を前記加熱素子の表面に直接形成し、該第一電極及び第二電極を前記加熱素子におけるカーボンナノチューブ構造体と電気的に接続させる。前記基体材料が前記カーボンナノチューブ構造体の表面を被覆する場合、前記カーボンナノチューブに前記カーボンナノチューブ複合構造体の表面に露出させるように切断する方法で前記カーボンナノチューブ複合構造体を切る。その後、前記第二ステップと同じ方法で前記第一電極及び第二電極に前記露出したカーボンナノチューブ構造体と電気的に接続させることができる。
【0085】
(実施例1)
図13及び図14を参照すると、本発明実施例1に係る面熱源10は、加熱素子16、第一電極12及び第二電極14を含む。前記加熱素子16は、前記第一電極12及び前記第二電極14に電気的に接続する。前記加熱素子16は、基体162及びカーボンナノチューブ構造体164を含み、該カーボンナノチューブ構造体164が前記基体162の中に複合される。前記基体162は、平板状の長方体であり、その材料は、エポキシ樹脂である。前記カーボンナノチューブ構造体164は、積層された百枚のドローン構造カーボンナノチューブフィルムを含む。前記カーボンナノチューブ構造体164において、隣接するカーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブの配列された方向が平行する。カーボンナノチューブは、前記第一電極12から前記第二電極14へ延伸する方向に沿って配列される。前記加熱素子16は、面積が9平方センチメートルであり、長さが3センチメートルであり、幅が3センチメートルである。前記基体162の材料が前記カーボンナノチューブ構造体164の微孔の中に浸漬されたので、該カーボンナノチューブ構造体164におけるカーボンナノチューブを固定することができる。また、前記基体162の材料が前記カーボンナノチューブ構造体164を被覆するので、該カーボンナノチューブ構造体164を更に保護することができる。
【0086】
前記第一電極12及び前記第二電極14は、材料がパラジウムであり、その厚さが5ナノメートルである。該第一電極12及び該第二電極14は、それぞれ、銀ペーストで前記カーボンナノチューブ構造体164の両端に設置され、該カーボンナノチューブ構造体164と電気的に接続され、且つ前記基体162に被覆される。前記パラジウムと前記カーボンナノチューブとが優れた金属ぬれ性を有するので、前記第一電極12及び前記第二電極14と前記加熱素子16との間が優れた電気的な接続を有し、前記面熱源10が電気エネルギーを利用する比例を高めることができる。
【0087】
前記面熱源10の第一電極12及び第二電極14をそれぞれ電源(図示せず)に電気的に接続させ、前記第一電極12及び第二電極14により前記加熱素子16に電圧を印加した場合、該面熱源10における加熱素子16のカーボンナノチューブ構造体は、所定の波長を有する電磁波を放出することができる。加熱対象が、前記面熱源10に直接接触し、又は、前記面熱源10と所定の距離を置いて設置されてもよい。前記カーボンナノチューブ構造体から放出された電磁波が生じた熱により、前記加熱対象を加熱することができる。
【0088】
図15は、本発明実施例1におけるカーボンナノチューブの長軸方向に垂直な方向沿って、前記カーボンナノチューブ複合構造体を切断し、形成された断面の写真である。図15を参照すると、前記カーボンナノチューブとエポキシ樹脂とが複合した後、前記カーボンナノチューブが前記エポキシ樹脂において、基本的に同じ方向に沿って配列する状態を保持することができることが分かる。
【0089】
前記面熱源10は、複数の第一電極12及び複数の第二電極14を含んでもよい。該複数の第一電極12及び複数の第二電極14は、間隔を置いて設置され、それぞれ、前記加熱素子16に電気的に接続される。
【0090】
前記加熱素子16の面積が一定である場合、該加熱素子16に印加された電圧の大きさ及び前記カーボンナノチューブ構造体164の厚さを制御することにより、前記加熱素子16から放出した熱を制御することができる。前記電圧が一定である場合、前記加熱素子16の厚さを変換させることにより、前記加熱素子16から放出した電磁波の波長を調整することができる。即ち、前記加熱素子16が厚くなるほど、前記加熱素子16から放出した電磁波の波長は短くなる。前記加熱素子16が薄くなるほど、前記加熱素子16から放出した電磁波の波長は長くなる。前記加熱素子16の厚さが一定である場合、前記加熱素子16に印加された電圧が大きくなるほど、記加熱素子16から放出した電磁波の波長は短くなる。前記加熱素子16に印加された電圧が小さくなるほど、記加熱素子16から放出した電磁波の波長は長くなる。従って、前記面熱源10を簡単に制御することができる。
【0091】
前記面熱源10が応用される時、前記基体162の耐熱程度に応じて、前記第一電極12及び第二電極14に印加された電圧を制御し、前記カーボンナノチューブ構造体164の放熱温度を前記基体材料の耐熱温度範囲に制限させることができる。例えば、前記基体162の材料が有機高分子ポリマーである場合、前記加熱素子16に印加された電圧は、0V〜10Vであり、該面熱源10の放熱温度を120℃以下に上げ、且つ前記有機高分子ポリマーの融点より低くする。前記基体162の材料がセラミックスである場合、前記加熱素子16に印加された電圧は、10V〜30Vであり、該面熱源10の放熱温度を120℃〜500℃に上げる。図16から実施例1における面熱源10に印加された電圧が高くなるほど、該面熱源10の昇温が速くなり、放熱温度が高くなることが分かる。
【0092】
また、前記基体162が熱耐材料を採用し、前記カーボンナノチューブ構造体164の厚さが5ミリメートルであり、加熱素子16に印加された電圧が10V〜30Vである場合、前記面熱源10を酸化性気体あるいは大気環境の中に置き、該面熱源10は、長い波長を有する電磁波を放出することができる。測量機器で測量すると、前記面熱源10の温度は50℃〜500℃である。黒体であるカーボンナノチューブにとって、温度が200℃〜450℃である場合、人の目に見えない赤外線を放出することができる。この時の熱輻射は安定であり、熱放出の効率が高く、放出する熱量が大きいという優れた点がある。前記カーボンナノチューブ構造体164を利用した面熱源10は、電気加熱器、電気ストーブ及び赤外線治療器などに応用されることができる。
【0093】
また、前記面熱源10におけるカーボンナノチューブ構造体164は、厚さが小さく、透明であり、且つ前記基体162の材料が透明の有機材料又は透明の無機材料である場合、該面熱源10は透明の面熱源である。前記面熱源10における加熱素子16の基体162が柔軟性のポリマーからなる場合、該面熱源10は、柔軟性の面熱源である。
【0094】
図13、図14を参照すると、前記実施例1の面熱源10を製造する方法を例として、詳しく説明する。
【0095】
第一ステップでは、カーボンナノチューブ構造体164を提供し、該カーボンナノチューブ構造体164が複数の微孔を有する。
【0096】
前記カーボンナノチューブ構造体164は、積層された百枚のドローン構造カーボンナノチューブフィルムを含む。前記カーボンナノチューブ構造体164において、隣接するカーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブの配列された方向が平行する。
【0097】
第二ステップでは、第一電極12及び第二電極14を、間隔を置いて設置し、該第一電極12及び第二電極14をカーボンナノチューブ構造体164と電気的に接続させる。
【0098】
スパッターの方法で前記カーボンナノチューブ構造体164の表面に前記第一電極12及び第二電極14とする二つのパラジウムフィルムを堆積した後、該二つのパラジウムフィルムをそれぞれ、金属リード線に電気的に接続する。
【0099】
第三ステップでは、基体の前駆体を提供し、該基体の前駆体と前記カーボンナノチューブ構造体164とを複合し、加熱素子16を形成する。
【0100】
本実施例において、グルーを注入する方法で、高分子材料とカーボンナノチューブ構造体164とを複合し、加熱素子16を形成する。該方法は、下記のステップを含む。
【0101】
第一サブステップでは、液体の熱硬化性の高分子材料を提供する。
【0102】
前記液体の熱硬化性の高分子材料の粘度が5パスカル・秒以下であり、室温で前記粘度が30分時間以上を保持することができる。前記熱硬化性の高分子材料は、高分子材料及び、固化剤、改質剤、填料又は稀釈剤などの添加物を含む。
【0103】
前記高分子材料が前記熱硬化性の高分子材料における質量パーセンテージの含有量は、70%〜95%である。前記添加物が前記熱硬化性の高分子材料における質量パーセンテージの含有量は、5%〜30%である。前記高分子材料は、フェノール樹脂(Phenolic resin)、エポキシ樹脂(Epoxy resin)、ビスマレイミド樹脂(Bismaleimide)ポリベンゾオキサジン樹脂(Polybenzoxazines resin)樹脂、シアネート エステル樹脂(Cyanate seter resin)、ポリイミド樹脂、(Polyimide resin)、ポリウレタン(Polyurethane)、ポリメタクリル酸メチル樹脂 (PMMA) などの一種又は数種である。
【0104】
前記固化剤は、前記熱硬化性の高分子材料の固化を加速することに用いられ、脂肪族アミン(Aliphatic amine)、脂環式アミン(Alicyclic amine)、芳香族アミン(Aromatic amine)、ポリアミド(Polyamide)、酸無水物 (Acid anhydride)、第三級アミン(Tertiary amines)、樹脂などの一種又は数種である。
【0105】
前記改質剤は、前記熱硬化性の高分子材料の柔軟性、抗せん断性、抗折性、絶縁性などを高めることができる。前記改質剤は、多硫化ゴム(Polysulfide rubber)、ポリアミド樹脂(Polyamide resin )などの一種又は数種である。
【0106】
前記添加物は、前記熱硬化性の高分子材料が固化された時の放熱条件を改善することに用いられ、該熱硬化性の高分子材料の用量を減少し、コストを減少することもできる。前記添加物は、石綿繊維、ガラス繊維、石英の粉末、酸化アルミニウム、シリカゲルの粉などの一種又は数種である。
【0107】
前記稀釈剤は、ジグリシジルエーテル(Diglycidyl ether)、ポリグリシジルエーテル(Polyglycidyl ether)、アリルフェノール(Allylphenol)などの一種又は数種である。
【0108】
本実施例は、エポキシ樹脂で液体の熱硬化性の高分子材料を製造する。具体的には、下記のステップを含む。
【0109】
まず、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂及びグリシド酸エステル型エポキシ樹脂の混合物を容器に置き、該混合物を30℃〜60℃に加熱し、且つ該混合物を均一的に混合させるように、該混合物を10分間撹拌する。
【0110】
次に、脂肪族アミン及びジグリシジルエーテルを前記混合物に添加し、化学反応を行なって、反応生成物を形成する。
【0111】
最後に、前記反応生成物を30℃〜60℃に加熱し、エポキシ樹脂を含む液体の熱硬化性の高分子材料を形成する。
【0112】
第二サブステップでは、前記液体の熱硬化性の高分子材料で前記カーボンナノチューブ構造体164を浸漬する。
【0113】
前記液体の熱硬化性の高分子材料で前記カーボンナノチューブ構造体164を浸漬する方法は、下記のステップを含む。
【0114】
まず、前記カーボンナノチューブ構造体164を金型の中に置く。
【0115】
次に、前記カーボンナノチューブ構造体164を浸漬するために、前記液体熱硬化性の高分子材料を前記金型の中に注入する。前記液体の熱硬化性の高分子材料が前記カーボンナノチューブ構造体164を十分に浸漬するために、該カーボンナノチューブ構造体164を浸漬する時間は、10分間以上である。
【0116】
前記液体の熱硬化性の高分子材料で前記カーボンナノチューブ構造体164を浸漬する方法は、前記注入する方法に限られず、該液体の熱硬化性の高分子材料が毛細管現象により、前記カーボンナノチューブ構造体164に吸入され、該カーボンナノチューブ構造体164を浸漬するようになり、或いは、前記カーボンナノチューブ構造体164を前記液体の熱硬化性の高分子材料の中に浸漬することは理解されたい。
【0117】
第三サブステップでは、前記液体の熱硬化性の高分子材料に浸漬された前記カーボンナノチューブ構造体164を固化し、カーボンナノチューブ複合構造体を形成する。
【0118】
本実施例において、エポキシ樹脂を含む熱硬化性の高分子材料を固化する方法は、下記のステップを含む。
【0119】
まず、加熱装置により、前記金型を50℃〜70℃に加熱して、該温度の下で、前記エポキシ樹脂を含む熱硬化性の高分子材料が液体を加熱する。前記熱硬化性の高分子材料が固化される程度を増加するように、前記温度を1時間〜3時間保持し、前記熱硬化性の高分子材料に熱を吸収させ続けさせる。
【0120】
次に、前記熱硬化性の高分子材料が固化される程度を増加するように、前記金型を80℃〜100℃に加熱し続けて、該温度の下で1時間〜3時間保持する。
【0121】
その後で、前記熱硬化性の高分子材料が固化される程度を増加するように、前記金型を110℃〜150℃に加熱し続けて、該温度の下で2時間〜20時間保持する。
【0122】
最後に加熱することを止めて、前記金型が室温に下がた後で、離型してカーボンナノチューブ複合構造体を形成する。
【0123】
前記加熱方法において、前記金型を直接に110℃〜150℃に加熱することにより、前記熱硬化性の高分子材料を固化することもできる。
【0124】
(実施例2)
図17及び図18を参照すると、本発明の実施例2に係る面熱源20を提供する。該面熱源20は、加熱素子26、第一電極22、第二電極24、支持体28、反射層27及び保護層25を含む。前記加熱素子26は、例えば、平面構造又は曲面構造である二次元の構造である。該加熱素子26は、基体262及び、該基体262の中に設置されたカーボンナノチューブ構造体264を含む。
【0125】
前記反射層27は、前記支持体28の表面に設置される。前記加熱素子26は、前記反射層27の、前記支持体28と対向する表面とは反対の表面に設置される。前記第一電極22及び第二電極24は、間隔を置いて、前記加熱素子26の表面に設置し、該加熱素子26と電気的に接続する。前記保護層25は、前記加熱素子26の、前記反射層27と対向する表面とは反対の表面に設置される。前記面熱源20は、二つのリード線29を含み、該二つのリード線29がそれぞれ、前記第一電極22及び前記第二電極24に電気的に接続する。
【0126】
前記支持体28は、前記加熱素子26を支持することに用いられる。該支持体28の材料は、例えば、セラミックス、ガラス、樹脂、石英などの硬性材料であってもよく、プラスチック及び柔らかい繊維などの柔らかい材料であってもよい。前記支持体28が柔らかい材料からなる場合、前記面熱源20は、任意の形状に湾曲することができる。前記支持体28の材料は絶縁材料であることが好ましい。前記支持体28は、長さ及び直径が制限されず、実際の応用に応じて選択することができる。本実施例において、前記支持体28は、セラミックスの平板形状の基板である。
【0127】
前記反射層27は、前記加熱素子26から放出した熱を外部の空間に反射し、加熱効率を高めることに用いられる。該反射層27の材料は、例えば、金属酸化物、金属塩及びセラミックスなどの絶縁材料である。前記反射層27の厚さが100マイクロメートル〜0.5ミリメートルである。本実施例において、前記反射層27は、酸化アルミニウム膜であり、その厚さが100マイクロメートルである。前記反射層27は、スパッターの方法で前記支持体28の表面に形成される。勿論、前記反射層27は、前記支持体28の、前記加熱素子26と対向する表面とは反対する表面に設置される。即ち、前記支持体28は、前記加熱素子26と前記反射層27との間に設置される。前記反射層27を設置せず、即ち、前記加熱素子26を前記支持体28の表面に直接設置することもできる。
【0128】
前記保護層25の材料は、例えば、プラスチック、ゴム及び樹脂などの絶縁材料である。前記保護層25の厚さが0.5ミリメートル〜2ミリメートルであることが好ましい。前記保護層25を、前記加熱素子26、前記第一電極22及び前記第二電極24の表面に被覆させることにより、前記面熱源20を絶縁状態で使用でき、ほこりが前記加熱素子26に付着することを防止できる。勿論、前記保護層25を設置しなくてもよい。本実施例において、前記保護層25は、ゴムからなり、その厚さが0.5ミリメートルである。
【0129】
本発明の実施例2に係る面熱源20の製造方法は、下記のステップを含む。
【0130】
第一ステップでは、カーボンナノチューブ構造体264を提供し、該カーボンナノチューブ構造体264が複数の微孔を有する。
【0131】
前記カーボンナノチューブ構造体264は、積層された百枚のドローン構造カーボンナノチューブフィルムを含む。前記カーボンナノチューブ構造体264において、隣接するカーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブの配列された方向が平行する。
【0132】
第二ステップでは、第一電極22及び第二電極24を、間隔を置いて設置し、該第一電極22及び第二電極24をカーボンナノチューブ構造体264と電気的に接続させる。
【0133】
第三ステップでは、基体の前駆体を提供し、該基体の前駆体と前記カーボンナノチューブ構造体264とを複合し、加熱素子26を形成する。
【0134】
前記第一ステップ、第二ステップ及び第三ステップの製造方法は、前記実施例1における面熱源10を製造する方法と同じである。
【0135】
第四ステップでは、支持体28を提供し、該支持体28の表面に反射層27を形成する。前記支持体28は、セラミックスの平板形状の基板である。塗布又はコーティングなどの方法で前記支持体28の表面に反射層27を形成してもよい。該反射層27の材料が金属酸化物又は金属塩である場合、該金属酸化物又は金属塩の粒子を溶剤に分散し、ペーストが形成される。該ペーストを前記支持体28の表面に塗布又は印刷することによって、反射層27を形成する。前記溶剤は、前記金属酸化物又は金属塩と化学反応を行なわない溶剤である。本実施例において、物理気相堆積法でセラミックスの基板の表面に前記反射層27とする酸化アルミニウム膜を堆積する。
【0136】
第五ステップでは、前記加熱素子26を前記反射層27の表面に設置する。
【0137】
前記加熱素子26は、銀ペーストなどの導電接着剤で前記反射層27の表面に固定することができる。
【0138】
第六ステップでは、前記加熱素子26の表面に前記保護層25を形成する。
【0139】
前記保護層25は、接着剤又は機械固定の方法で前記加熱素子26の表面に固定する。また、前記保護層25の材料が熱可塑性ポリマーである場合、該熱可塑性ポリマーを高温で前記加熱素子26の表面に塗布又は被覆し、低温で固化し、前記保護層25を形成するようになる。前記保護層25の材料が例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの柔軟性のポリマーである場合、熱プレスの方法で前記保護層25と前記加熱素子26とを結合させ、該保護層25を前記加熱素子26の表面に固定させる。
【0140】
(実施例3)
図19を参照すると、本発明の実施例3による面熱源30が提供される。該面熱源30は、加熱素子36、第一電極32及び第二電極34を含む。前記加熱素子36は、例えば、平面構造又は曲面構造である二次元の構造である。該加熱素子36は、それぞれ、前記第一電極32及び第二電極34に電気的に接続する。
【0141】
前記面熱源30と前記実施例1における面熱源10の構造とは、基本的に同じである。異なることは、前記加熱素子36が複数の線状のカーボンナノチューブ複合構造体366を含み、該複数の線状のカーボンナノチューブ複合構造体366は交叉して配列し、二次元の加熱素子が形成されていることである。前記線状のカーボンナノチューブ複合構造体366は、前記カーボンナノチューブ線状構造体と基体材料とが複合されたものである。該基体材料は、前記カーボンナノチューブ線状構造体の微孔の中に添加される。前記線状のカーボンナノチューブ複合構造体366は、いろいろな形状を有する加熱素子36を編むことができる。前記基体材料は、柔軟性のポリマーであることが好ましい。
【0142】
本発明の実施例3における面熱源30の製造方法は、下記のステップを含む。
【0143】
第一ステップでは、カーボンナノチューブ線状構造体を提供し、該カーボンナノチューブ線状構造体の製造方法は、前記カーボンナノチューブ線状構造体の製造方法と同じである。
【0144】
第二ステップでは、基体の前駆体を提供し、該基体の前駆体と前記カーボンナノチューブ線状構造体とを複合し、線状のカーボンナノチューブ複合構造体366を形成する。前記カーボンナノチューブ線状構造体と基体の前駆体とを複合する方法は、前記実施例1における第三ステップと同じである。
【0145】
前記線状のカーボンナノチューブ複合構造体366は交叉して配列し、巻き付き、編んで二次元の加熱素子36が形成される。前記線状のカーボンナノチューブ複合構造体366が編むことによって、加熱素子36を形成する場合、該加熱素子36が面状を保持することができる。前記線状のカーボンナノチューブ複合構造体366が交叉して配列し、又は巻き付くことによって、加熱素子36を形成する場合、該複数の線状のカーボンナノチューブ複合構造体366の間が接着剤で接着し、該加熱素子36が面状を保持することができる。
【0146】
第三ステップでは、第一電極32及び第二電極34を、間隔を置いて設置し、該第一電極32及び第二電極34にカーボンナノチューブ構造体264と電気的に接続させる。
【0147】
前記面熱源及び該面熱源の製造方法は、下記の優れた点がある。
【0148】
前記基体材料と前記自立構造体を有するカーボンナノチューブ構造体とを直接複合し、加熱素子を形成することによって、前記カーボンナノチューブが、前記加熱素子において、カーボンナノチューブ構造体の形態を保持するので、前記加熱素子におけるカーボンナノチューブが、均一的に分布し、導電通路を形成することができ、従来技術におけるカーボンナノチューブが、溶液に分散された濃度に制限されることと比べて、該カーボンナノチューブは、前記加熱素子における含有量が99%に達することができる。従って、前記熱源の放熱温度を高めることができる。
【0149】
前記面熱源において、加熱素子がカーボンナノチューブ構造体を含み、該カーボンナノチューブ構造体におけるカーボンナノチューブが均一的に配列され、該加熱素子が均一な厚さ及び抵抗を有するので、該加熱素子は、均一的に熱を放出することができる。前記カーボンナノチューブが電気エネルギーを熱エネルギーに転換する効率は、高いので、前記面熱源は、昇温速度が速く、熱応答速度が速く、熱交換速度が速い。
【0150】
前記加熱素子おけるカーボンナノチューブは、優れた力学性能、優れた靭性及び優れた機械強度を有するので、該加熱素子は、優れた力学性能、優れた靭性と機械強度を有し、使用寿命が長くなる。更に、カーボンナノチューブ構造体及び柔軟性の基体が複合し、前記加熱素子を形成する場合、該加熱素子を利用して、柔軟性の面熱源を製造することができる。
【0151】
前記加熱素子おけるカーボンナノチューブの直径が小さいので、該加熱素子は、厚さが小さい。従って、極めて小型の面熱源を製造することができ、該小型の面熱源を利用して、小型の加熱対象となる素子を加熱することができる。
【0152】
前記カーボンナノチューブ構造体が、超配列カーボンナノチューブアレイから引き出して得られたカーボンナノチューブフィルムからなる場合、前記カーボンナノチューブフィルムにおける複数のカーボンナノチューブが同じ方向に沿って、端と端が接続されるので、優れた導電性を有する。従って、前記面熱源は、優れた加熱性能を有する。また、前記カーボンナノチューブフィルムが所定の透明度を有するので、透明の面熱源を製造することができる。
【0153】
前記カーボンナノチューブ線状構造体をいろいろな形状の加熱素子に編むことができるので、いろいろな形状を有する面熱源を製造することができる。
【0154】
前記基体材料と前記自立構造体を有するカーボンナノチューブ構造体とを直接に複合し、加熱素子を形成する方法は、簡単である。且つ前記カーボンナノチューブの前記加熱素子における含有量を容易に制御することができる。前記自立構造体を有するカーボンナノチューブ構造体と前記基体材料とを直接複合した後、該カーボンナノチューブ構造体は従来の状態を保持することができる。従って、前記加熱素子は、純カーボンナノチューブ構造体からなる加熱素子とほとんど同じ熱を放出することができる。
【符号の説明】
【0155】
10、20、30 面熱源
12、22、32 第一電極
14、24、34 第二電極
16、26、36 加熱素子
25 保護層
27 反射層
28 支持体
29 リード線
162、262 基体
164、264 カーボンナノチューブ構造体
143a カーボンナノチューブフィルム
143b カーボンナノチューブセグメント
145 カーボンナノチューブ
366 線状のカーボンナノチューブ複合構造

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱素子と、前記加熱素子と電気的に接続された少なくとも二つの電極と、を含み、
前記加熱素子が線状のカーボンナノチューブ複合構造体であり、
前記線状のカーボンナノチューブ複合構造体が少なくとも一本のカーボンナノチューブ線状構造体及び基体材料を含み、該カーボンナノチューブ線状構造体及び基体材料が複合されており、
該カーボンナノチューブ線状構造体が、複数のカーボンナノチューブを含むことを特徴とする面熱源。
【請求項2】
前記カーボンナノチューブ線状構造体において、複数の微孔が形成され、前記基体材料が、前記複数の微孔の中に浸透されていることを特徴とする、請求項1に記載の面熱源。
【請求項3】
前記カーボンナノチューブ線状構造が、少なくとも一本のカーボンナノチューブワイヤを含み、単一の前記カーボンナノチューブワイヤが複数のカーボンナノチューブのみからなることを特徴とする、請求項1又は2に記載の面熱源。
【請求項4】
前記カーボンナノチューブ線状構造が、少なくとも二本のカーボンナノチューブワイヤを含み、非ねじれ状のカーボンナノチューブ線状構造又はねじれ状のカーボンナノチューブ線状構造であることを特徴とする、請求項1又は2のいずれか一項に記載の面熱源。
【請求項5】
前記非ねじれ状のカーボンナノチューブ線状構造は、各々の前記カーボンナノチューブワイヤが該カーボンナノチューブ線状構造の長手方向に沿って、平行に配列されていることを特徴とする、請求項4に記載の面熱源。
【請求項6】
前記ねじれ状のカーボンナノチューブ線状構造は、各々の前記カーボンナノチューブワイヤが該カーボンナノチューブ線状構造の長手方向に沿って、螺旋状に配列されていることを特徴とする、請求項4に記載の面熱源。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2010−257975(P2010−257975A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−97285(P2010−97285)
【出願日】平成22年4月20日(2010.4.20)
【出願人】(598098331)ツィンファ ユニバーシティ (534)
【出願人】(500080546)鴻海精密工業股▲ふん▼有限公司 (1,018)
【Fターム(参考)】