説明

面状光源装置、液晶表示装置組立体、発光素子組立体、及び、発光素子・光センサー組立体

【課題】光源の特性変化を検出するための光センサーあるいは光センサーに付帯した装置等が光学的に何ら悪影響を与えない構成、構造を有する面状光源装置を提供する。
【解決手段】面状光源装置は、発光素子101及びレンズ102を具備した発光素子組立体100を、複数、光源として備え、更に、底面52A及び側面を備えた筐体、並びに、光センサー110を備え、少なくとも1つの発光素子組立体100において、レンズ102の側面102A若しくは底面102Bに発光素子101から出射された光を外部に取り出すための光取出し部103が設けられており、発光素子組立体100は筐体の底面の内面52B上に配置されており、光取出し部103の先端は筐体の底面に設けられた貫通孔52Dを介して底面の外面52Cに露出しており、光センサー110は光取出し部103の先端から出射された光を検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光素子組立体、及び、発光素子・光センサー組立体、並びに、係る発光素子組立体を用いた面状光源装置(所謂、バックライト)、及び、係る面状光源装置を組み込んだ液晶表示装置組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置にあっては、液晶材料それ自体は発光しない。従って、例えば、液晶表示装置の表示領域を照明する直下型の面状光源装置(バックライト)を、複数の画素から構成された表示領域の背面に配置する。尚、カラー液晶表示装置において、1画素は、例えば、赤色発光副画素、緑色発光副画素、及び、青色発光副画素の3種の副画素から構成されている。そして、各画素あるいは各副画素を構成する液晶セルを、一種の光シャッター(ライト・バルブ)として動作させることによって、即ち、各画素あるいは各副画素の光透過率(開口率)を制御し、面状光源装置から出射された照明光(例えば、白色光)の光透過率を制御することで、画像を表示している。
【0003】
従来、液晶表示装置組立体における面状光源装置は、表示領域全体を、均一、且つ、一定の明るさで照明しているが、このような面状光源装置とは別の構成、即ち、複数の面状光源ユニットから構成され、複数の表示領域ユニットにおける照度の分布を変化させる構成を有する面状光源装置(部分駆動方式あるいは分割駆動方式の面状光源装置)が、例えば、特開2005−17324から周知である。そして、このような面状光源装置の制御(面状光源装置の部分駆動あるいは分割駆動とも呼ばれる)によって、液晶表示装置における白レベルの増加、黒レベルの低下によるコントラスト比の増加を図ることができる結果、画像表示の品質の向上を図ることができるし、面状光源装置の消費電力の低減を図ることができる。尚、面状光源ユニットは、光源として、赤色発光ダイオード、緑色発光ダイオード、及び、青色発光ダイオードを具備している。
【0004】
ところで、このように、赤色発光ダイオード、緑色発光ダイオード、及び、青色発光ダイオードから出射された各色の光を混色することで照明光としての白色光を得ているが、発光ダイオードに経時変化等に起因した特性変化が生じると、この白色光の色度、ホワイト・バランス(色温度)に変動が生じる。
【0005】
【特許文献1】特開2005−17324
【特許文献2】特開平10−49074号公報
【特許文献3】特開2004−7237
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
それ故、このような光源の特性変化に対処するために、面状光源装置を構成する光源の発光状態(光量)を測定するための光センサーを、発光ダイオードの近傍に配置している(例えば、特開平10−49074号公報参照)。然るに、光センサーに光が当たることによって光センサーの影が生じ、面状光源装置に輝度ムラが生じる虞がある。また、特開平10−49074号には、外部に光センサーを配置し、発光ダイオードから出射された光を光ファイバーを用いて光センサーに導光する技術も開示されている。しかしながら、このような技術にあっても、光ファイバーに光が当たることによって光ファイバーの影が生じ、面状光源装置に輝度ムラが生じる虞がある。
【0007】
従って、本発明の目的は、面状光源装置における光源の特性変化を検出するための光センサーを配置するにあたり、光センサーあるいは光センサーに付帯した装置等が光学的に何ら悪影響を与えない構成、構造を有する面状光源装置(所謂、バックライト)、及び、係る面状光源装置を組み込んだ液晶表示装置組立体、並びに、係る面状光源装置での使用に適した発光素子組立体、及び、発光素子・光センサー組立体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するための本発明の第1の態様に係る面状光源装置は、発光素子、及び、発光素子から出射された光が通過するレンズを具備した発光素子組立体を、複数、光源として備え、更に、底面及び側面を備えた筐体、並びに、光センサーを備え、2次元マトリクス状に配列された画素から構成された表示領域を有する透過型の液晶表示装置を背面から照明する面状光源装置であって、
少なくとも1つの発光素子組立体において、レンズの側面若しくは底面に、発光素子から出射された光を外部に取り出すための光取出し部が設けられており、
発光素子組立体は、筐体の底面の内面上に配置されており、
光取出し部の先端は、筐体の底面に設けられた貫通孔を介して底面の外面に露出しており、
光センサーは、光取出し部の先端から出射された光を検出することを特徴とする。
【0009】
上記の目的を達成するための本発明の第1の態様に係る液晶表示装置組立体は、
(a)2次元マトリクス状に配列された画素から構成された表示領域を有する透過型の液晶表示装置、並びに、
(b)発光素子、及び、発光素子から出射された光が通過するレンズを具備した発光素子組立体を、複数、光源として備え、更に、底面及び側面を備えた筐体、並びに、光センサーを備え、該液晶表示装置を背面から照明する面状光源装置、
を備えた液晶表示装置組立体であって、
少なくとも1つの発光素子組立体において、レンズの側面若しくは底面に、発光素子から出射された光を外部に取り出すための光取出し部が設けられており、
発光素子組立体は、筐体の底面の内面上に配置されており、
光取出し部の先端は、筐体の底面に設けられた貫通孔を介して筐体の底面の外面に露出しており、
光センサーは、光取出し部の先端から出射された光を検出することを特徴とする。
【0010】
本発明の第1の態様に係る面状光源装置あるいは液晶表示装置組立体にあっては、あるいは又、後述する本発明の第2の態様に係る面状光源装置あるいは液晶表示装置組立体にあっては、複数の光源を同時に同じ駆動条件にて駆動してもよい。あるいは又、複数の光源を部分駆動(分割駆動)してもよい。即ち、面状光源装置を、液晶表示装置の表示領域をP×Q個の仮想の表示領域ユニットに分割したと想定したときのこれらのP×Q個の表示領域ユニットに対応したP×Q個の面状光源ユニットから構成し、P×Q個の面状光源ユニットの発光状態は個別に制御され、各面状光源ユニットに備えられた光源は複数の発光素子組立体から成り、少なくとも1つの面状光源ユニットに備えられた光源を構成する複数の発光素子組立体の少なくとも1つの発光素子組立体において、レンズの側面若しくは底面に、発光素子から出射された光を外部に取り出すための光取出し部が設けられている構成とすることができる。
【0011】
上記の好ましい構成を含む本発明の第1の態様に係る面状光源装置あるいは液晶表示装置組立体において、光センサーは、筐体の底面の外面上に配置されていることが好ましいが、これに限定するものではなく、光センサーを、例えば、筐体の側面の外面上に配置してもよい。
【0012】
上記の目的を達成するための本発明の発光素子組立体は、発光素子、及び、発光素子から出射された光が通過するレンズを具備しており、レンズの側面若しくは底面に、発光素子から出射された光を外部に取り出すための光取出し部が設けられていることを特徴とする。
【0013】
また、上記の目的を達成するための本発明の発光素子・光センサー組立体は、発光素子、発光素子から出射された光が通過するレンズ、及び、光センサーを具備しており、レンズの側面若しくは底面に、発光素子から出射された光を外部に取り出すための光取出し部が設けられており、光センサーは、光取出し部から出射された光を検出することを特徴とする。
【0014】
以上に説明した種々の好ましい構成を含む本発明の第1の態様に係る面状光源装置、液晶表示装置組立体、あるいは、本発明の発光素子組立体、発光素子・光センサー組立体にあっては、光取出し部は、レンズと一体に作製されている構成とすることもできるし、光取出し部は、レンズとは別の部材から作製されている構成とすることもできる。ここで、光取出し部は発光素子から出射される光量測定のために設けられている。
【0015】
上記の目的を達成するための本発明の第2の態様に係る面状光源装置は、発光素子を、複数、光源として備え、2次元マトリクス状に配列された画素から構成された表示領域を有する透過型の液晶表示装置を背面から照明する面状光源装置であって、
発光素子の非発光時、該発光素子を、他の発光素子から出射された光を検出する光センサーとして動作させることを特徴とする。
【0016】
上記の目的を達成するための本発明の第2の態様に係る液晶表示装置組立体は、
(a)2次元マトリクス状に配列された画素から構成された表示領域を有する透過型の液晶表示装置、並びに、
(b)発光素子を、複数、光源として備え、該液晶表示装置を背面から照明する面状光源装置、
を備えた液晶表示装置組立体であって、
発光素子の非発光時、該発光素子を、他の発光素子から出射された光を検出する光センサーとして動作させることを特徴とする。
【0017】
以上に説明した好ましい構成、形態を含む本発明の第1の態様に係る面状光源装置、液晶表示装置組立体、あるいは、本発明の発光素子組立体、発光素子・光センサー組立体(以下、これらを総称して、単に、本発明の第1の態様と呼ぶ場合がある)において、レンズの設計や仕様の決定は、最終的に、発光素子組立体から出射される光の出射立体角や輝度プロファイル、発光素子組立体から出射された光が照明すべき液晶表示装置(あるいは表示領域ユニット)の大きさや要求される液晶表示装置上(あるいは表示領域ユニット上)の輝度プロファイル等に基づき行えばよく、例えば、ランバーシアン方式のように光強度が等方的なレンズを備えた発光素子組立体を得ることができるし、光が水平方向に主に出射される2次元方向出射構成を有するレンズを備えた発光素子組立体を得ることもできる。
【0018】
レンズは、光学ガラス、あるいは、プラスチックから作製すればよい。また、光取出し部は、光学ガラス、光ファイバー、あるいは、プラスチックから作製すればよい。ここで、プラスチックレンズや光取出し部を構成するプラスチックとして、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ビニル系樹脂、ハロゲン系樹脂といった熱可塑性樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、尿素系樹脂、フェノール系樹脂、シリコーン系樹脂といった熱硬化性樹脂を挙げることができる。光取出し部と一体となったプラスチックレンズや、光取出し部とは別部材のプラスチックレンズ、光取出し部は、材料にも依るが、例えば、射出成形法にて成形することができる。レンズは、発光素子を覆うように適切な方法で固定すればよいし、あるいは又、レンズと発光素子とを一体的に作製してもよい。即ち、後者の場合、発光素子の上に例えばポッティング樹脂を用いて半球状(ドーム状)のレンズを形成してもよいし、リソグラフィ技術とエッチング技術の組合せに基づきレンズを形成してもよい。光取出し部がレンズとは別の部材から作製されている構成の場合、レンズの側面若しくは底面に孔部を形成し、係る孔部に、棒状あるいは繊維状の光取出し部の根本(後端部)を挿入すればよい。光取出し部は、例えば、筐体の底面に設けられた貫通孔内に挿入すればよい。場合によっては、レンズの底面に孔部を設け、筐体の底面に設けられた貫通孔及びレンズの底面に設けられた孔部に透明な樹脂を充填することで、光取出し部を形成してもよい。
【0019】
光取出し部の先端に光センサーが取り付けられていてもよいし、光取出し部の先端の近傍に光センサーが取り付けられていてもよい。あるいは又、光取出し部の先端とは離れた位置に光センサーが取り付けられていてもよく、この場合には、光取出し部の先端と光センサーとの間に光ファイバー等の導光部材を配置すればよい。
【0020】
光センサーは、検出すべき光に適した周知の光センサーを選択すればよく、例えば、赤色検出用フォトダイオード、緑色検出用フォトダイオード、青色検出用フォトダイオード、白色検出用フォトダイオード、カラー用フォトダイオードといった各種のフォトダイオードを例示することができる。あるいは又、光センサーとして、周知のCCD装置を挙げることもできる。
【0021】
本発明の第1の態様にあっては、少なくとも1つの発光素子組立体において、レンズの側面若しくは底面に光取出し部が設けられているが、全ての発光素子組立体において、レンズの側面若しくは底面に光取出し部が設けられていてもよいし、一部の発光素子組立体において、レンズの側面若しくは底面に光取出し部が設けられていてもよい。光センサーは、光取出し部を有する発光素子組立体の全てに対して配設されていてもよいし、光取出し部を有する発光素子組立体の一部に対して配設されていてもよい。また、光取出し部を有する複数の発光素子組立体に対して1つの光センサーを配設してもよい。
【0022】
また、以上に説明した好ましい構成、形態を含む本発明の第2の態様に係る面状光源装置、液晶表示装置組立体(以下、これらを総称して、単に、本発明の第2の態様と呼ぶ場合がある)にあっては、少なくとも1つの発光素子を光センサーとして動作させればよく、全ての発光素子を光センサーとして動作させてもよいし、一部の発光素子を光センサーとして動作させてもよい。尚、本発明の第2の態様においても、発光素子を覆うように、前述したと同様のレンズ(但し、光取出し部は不要である)を配設してもよい。
【0023】
本発明の第1の態様、あるいは、本発明の第2の態様(以下、これらを総称して、単に、本発明と呼ぶ場合がある)において、発光素子として、発光ダイオード(LED,Light Emitting Diode)を例示することができる。光源を発光ダイオードから構成する場合、例えば波長640nmの赤色を発光する赤色発光ダイオード、例えば波長530nmの緑色を発光する緑色発光ダイオード、及び、例えば波長450nmの青色を発光する青色発光ダイオードを組として構成することで白色光を得ることができるし、白色発光ダイオード(例えば、紫外又は青色発光ダイオードと蛍光体粒子とを組み合わせて白色を発光する発光ダイオード)の発光によって白色光を得ることもできる。場合によっては、赤色、緑色、青色以外の第4番目の色、第5番目の色・・・を発光する発光ダイオードを更に備えていてもよい。発光ダイオードから成る光源は占有体積も小さく、好適である。
【0024】
ここで、光源を構成する発光素子組立体の組合せとして、より具体的には、(1つの赤色発光素子組立体,1つの緑色発光素子組立体,1つの青色発光素子組立体)、(1つの赤色発光素子組立体,2つの緑色発光素子組立体,1つの青色発光素子組立体)、(2つの赤色発光素子組立体,2つの緑色発光素子組立体,1つの青色発光素子組立体)等の組合せを例示することができる。
【0025】
光源を発光ダイオードから構成する場合、所謂フェイスアップ構造を有していてもよいし、フリップチップ構造を有していてもよい。即ち、発光ダイオードは、基板、及び、基板上に形成された発光層から構成されており、発光層から光が外部に出射される構造としてもよいし、発光層からの光が基板を通過して外部に出射される構造としてもよい。より具体的には、発光ダイオード(LED)は、例えば、基板上に形成された第1導電型(例えばn型)を有する第1化合物半導体層、第1化合物半導体層上に形成された活性層、活性層上に形成された第2導電型(例えばp型)を有する第2化合物半導体層の積層構造を有し、第1化合物半導体層に電気的に接続された第1電極、及び、第2化合物半導体層に電気的に接続された第2電極を備えている。発光ダイオードを構成する層は、発光波長に依存して、周知の化合物半導体材料から構成すればよい。
【0026】
発光ダイオードは、更に、発光層から光が外部に出射される部分に砲弾型やドーム型のキャップを備えた構造とすることもできる。ところで、発光層とキャップとの間に空気層が存在すると、発光層から出射された光がキャップに直ちに入射せず、キャップ内面によって全反射される現象が生じる場合がある。このような現象が発生すると、全反射された光が発光層に再吸収されるために、光の取り出し効率が減少するといった問題が生じる。従って、発光層とキャップとの間に充填剤を充填しておくことが望ましい。充填剤は、ゲル状材料、フルオレン系アクリル樹脂、シリコーンゴム、又は、シリコーンオイルコンパウンドから成り、屈折率は1.40以上であることが好ましい。より具体的には、ゲル状材料として、例えば、Nye社の商品名OCK−451(屈折率:1.51)や商品名OCK−433(屈折率:1.46)を例示することができるし、シリコーンゴムやシリコーンオイルコンパウンドといったオイルコンパウンド材料[例えば、東芝シリコーン株式会社の商品名TSK5353(屈折率:1.45)]を例示することができる。尚、砲弾型やドーム型のキャップが、レンズとして機能し、別にレンズを配する必要がない場合には、係るキャップをレンズと見做すことができる。
【0027】
面状光源装置は、光拡散板を備え、更には、拡散シート、プリズムシート、偏光変換シートといった光学機能シート群や、反射シートを備えている構成とすることができる。光学機能シート群は、離間配置された各種シートから構成されていてもよいし、積層され一体として構成されていてもよい。光拡散板や光学機能シート群は、面状光源装置と液晶表示装置との間に配置される。光拡散板を構成する材料として、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリスチレン系樹脂(PS)、メタクリル樹脂を挙げることができる。
【0028】
面状光源ユニットと面状光源ユニットとの間に隔壁を配設してもよい。隔壁を構成する材料として、具体的には、アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂といった、面状光源ユニットに備えられた光源から出射された光に対して不透明な材料を挙げることができるし、面状光源ユニットに備えられた光源から出射された光に対して透明な材料として、PMMA樹脂、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリアリレート樹脂(PAR)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ガラスを例示することができる。隔壁表面に光拡散反射機能を付与してもよいし、鏡面反射機能を付与してもよい。隔壁表面に光拡散反射機能を付与するためには、サンドブラスト法に基づき隔壁表面に凹凸を形成したり、凹凸を有するフィルム(光拡散フィルム)を隔壁表面に貼り付ければよい。また、隔壁表面に鏡面反射機能を付与するためには、光反射フィルムを隔壁表面に貼り付けたり、例えばメッキによって隔壁表面に光反射層を形成すればよい。
【0029】
透過型の液晶表示装置は、例えば、透明第1電極を備えたフロント・パネル、透明第2電極を備えたリア・パネル、及び、フロント・パネルとリア・パネルとの間に配された液晶材料から成る。尚、液晶表示装置は、モノクロ液晶表示装置であってもよいし、カラー液晶表示装置であってもよい。
【0030】
フロント・パネルは、より具体的には、例えば、ガラス基板やシリコン基板から成る第1の基板と、第1の基板の内面に設けられた透明第1電極(共通電極とも呼ばれ、例えば、ITOから成る)と、第1の基板の外面に設けられた偏光フィルムとから構成されている。更には、透過型のカラー液晶表示装置においては、第1の基板の内面に、アクリル樹脂やエポキシ樹脂から成るオーバーコート層によって被覆されたカラーフィルターが設けられている。カラーフィルターの配置パターンとして、デルタ配列、ストライプ配列、ダイアゴナル配列、レクタングル配列を挙げることができる。そして、フロント・パネルは、更に、オーバーコート層上に透明第1電極が形成された構成を有している。尚、透明第1電極上には配向膜が形成されている。一方、リア・パネルは、より具体的には、例えば、ガラス基板やシリコン基板から成る第2の基板と、第2の基板の内面に形成されたスイッチング素子と、スイッチング素子によって導通/非導通が制御される透明第2電極(画素電極とも呼ばれ、例えば、ITOから成る)と、第2の基板の外面に設けられた偏光フィルムとから構成されている。透明第2電極を含む全面には配向膜が形成されている。これらの透過型のカラー液晶表示装置を含む液晶表示装置を構成する各種の部材や液晶材料は、周知の部材、材料から構成することができる。スイッチング素子として、単結晶シリコン半導体基板に形成されたMOS型FETや薄膜トランジスタ(TFT)といった3端子素子や、MIM素子、バリスタ素子、ダイオード等の2端子素子を例示することができる。
【0031】
透明第1電極と透明第2電極の重複領域であって液晶セルを含む領域が、1画素(ピクセル)あるいは1副画素(サブピクセル)に該当する。そして、透過型のカラー液晶表示装置においては、各画素(ピクセル)を構成する赤色発光副画素(副画素[R]と呼ぶ場合がある)は、係る領域を構成する液晶セルと赤色光を透過するカラーフィルターとの組合せから構成され、緑色発光副画素(副画素[G]と呼ぶ場合がある)は、係る領域を構成する液晶セルと緑色光を透過するカラーフィルターとの組合せから構成され、青色発光副画素(副画素[B]と呼ぶ場合がある)は、係る領域を構成する液晶セルと青色光を透過するカラーフィルターとの組合せから構成されている。副画素[R]、副画素[G]、及び、副画素[B]の配置パターンは、上述したカラーフィルターの配置パターンと一致する。尚、画素は、副画素[R]、副画素[G]、及び、副画素[B]の3種の副画素[R,G,B]を1組として構成される構成に限定されず、例えば、これらの3種の副画素[R,G,B]に更に1種類あるいは複数種類の副画素を加えた1組(例えば、輝度向上のために白色光を発光する副画素を加えた1組、色再現範囲を拡大するために補色を発光する副画素を加えた1組、色再現範囲を拡大するためにイエローを発光する副画素を加えた1組、色再現範囲を拡大するためにイエロー及びシアンを発光する副画素を加えた1組)から構成することもできる。
【0032】
ここで、画素あるいは副画素の光透過率(開口率とも呼ばれる)Lt、画素あるいは副画素に対応する表示領域の部分の輝度(表示輝度)y、及び、面状光源ユニットの輝度(光源輝度)Yを、以下のとおり、定義する。
【0033】
1・・・・光源輝度の、例えば最高輝度であり、以下、光源輝度・第1規定値と呼ぶ場合がある。
Lt1・・・表示領域ユニットにおける画素あるいは副画素の光透過率(開口率)の、例えば最大値であり、以下、光透過率・第1規定値と呼ぶ場合がある。
Lt2・・・表示領域ユニットを構成する全ての画素を駆動するために駆動回路に入力される入力信号の値の内の最大値である表示領域ユニット内・入力信号最大値xU-maxに等しい値を有する入力信号に相当する制御信号が画素あるいは副画素に供給されたと想定したときの画素あるいは副画素の光透過率(開口率)であり、以下、光透過率・第2規定値と呼ぶ場合がある。尚、0≦Lt2≦Lt1
2・・・・光源輝度が光源輝度・第1規定値Y1であり、画素あるいは副画素の光透過率(開口率)が光透過率・第2規定値Lt2であると仮定したときに得られる表示輝度であり、以下、表示輝度・第2規定値と呼ぶ場合がある。
2・・・・表示領域ユニット内・入力信号最大値xU-maxに等しい値を有する入力信号に相当する制御信号が画素あるいは副画素に供給されたと想定し、しかも、このときの画素あるいは副画素の光透過率(開口率)が光透過率・第1規定値Lt1に補正されたと仮定したとき、画素あるいは副画素の輝度を表示輝度・第2規定値(y2)とするための面状光源ユニットの光源輝度。但し、光源輝度Y2には、各面状光源ユニットの光源輝度が他の面状光源ユニットの光源輝度に与える影響を考慮した補正が施される場合がある。
【0034】
面状光源装置の部分駆動時、表示領域ユニット内・入力信号最大値xU-maxに等しい値を有する入力信号に相当する制御信号が画素に供給されたと想定したときの画素の輝度(光透過率・第1規定値Lt1における表示輝度・第2規定値y2)が得られるように、表示領域ユニットに対応する面状光源ユニットを構成する光源の輝度を駆動回路によって制御するが、具体的には、例えば、画素あるいは副画素の光透過率(開口率)を、例えば光透過率・第1規定値Lt1としたときに表示輝度y2が得られるように、光源輝度Y2を制御すればよい(例えば、減少させればよい)。即ち、例えば、以下の式(1)を満足するように、画像表示フレーム毎に面状光源ユニットの光源輝度Y2を制御すればよい。尚、Y2≦Y1の関係にある。
【0035】
2・Lt1=Y1・Lt2 (1)
【0036】
2次元マトリクス状に配列された画素(ピクセル)の数M0×N0を(M0,N0)で表記したとき、(M0,N0)の値として、具体的には、VGA(640,480)、S−VGA(800,600)、XGA(1024,768)、APRC(1152,900)、S−XGA(1280,1024)、U−XGA(1600,1200)、HD−TV(1920,1080)、Q−XGA(2048,1536)の他、(1920,1035)、(720,480)、(1280,960)等、画像表示用解像度の幾つかを例示することができるが、これらの値に限定するものではない。また、(M0,N0)の値と(P,Q)の値との関係として、限定するものではないが、以下の表1に例示することができる。1つの表示領域ユニットを構成する画素の数として、20×20乃至320×240、好ましくは、50×50乃至200×200を例示することができる。表示領域ユニットにおける画素の数は、一定であってもよいし、異なっていてもよい。
【0037】

【0038】
液晶表示装置及び面状光源装置を駆動するための駆動回路は、例えば、発光ダイオード(LED)駆動回路、演算回路、記憶装置(メモリ)、光センサー制御回路等から構成された面状光源装置制御回路及び面状光源ユニット駆動回路、並びに、タイミングコントローラ等の周知の回路から構成された液晶表示装置駆動回路を備えている。表示領域の部分の輝度(表示輝度)及び面状光源ユニットの輝度(光源輝度)の制御は、1画像表示フレーム毎に行われる。尚、駆動回路に電気信号として1秒間に送られる画像情報の数(毎秒画像)がフレーム周波数(フレームレート)であり、フレーム周波数の逆数がフレーム時間(単位:秒)である。
【発明の効果】
【0039】
本発明の第1の態様にあっては、少なくとも1つの発光素子組立体において、レンズの側面若しくは底面に、発光素子から出射された光を外部に取り出すための光取出し部が設けられているだけである。また、本発明の第2の態様にあっては、発光素子の非発光時、該発光素子を、他の発光素子から出射された光を検出する光センサーとして動作させる。従って、面状光源装置における光源の特性変化(発光光量の変化や変動であり、例えば、経時的な変化や変動、発熱に起因した変化や変動)を検出するための光センサーを配置するにあたり、発光素子の周囲には光センサーあるいは光センサーに付帯した装置(例えば、光ファイバー)等を配置する必要が無く、光センサーあるいは光センサーに付帯した装置等が光学的に何ら悪影響を与えない。即ち、光センサーあるいは光センサーに付帯した装置等によって影が生成する結果、面状光源装置に輝度ムラが生じるといった問題の発生を確実に防止することができる。
【0040】
また、面状光源装置におけるどの部分あるいは領域における光源の特性変化を検出するかは、本質的に任意であり、例えば面状光源ユニットの数に依存することが無く、容易に検出することができ、しかも、光源に対して、一種、独立しており、光源の特性変化の検出の自由度が極めて高い。
【0041】
更には、本発明において、部分駆動方式(分割駆動方式)を採用し、表示領域ユニット内・入力信号最大値xU-maxに等しい値を有する入力信号に相当する制御信号が画素に供給されたと想定したときの画素の輝度(光透過率・第1規定値Lt1における表示輝度・第2規定値y2)が得られるように、表示領域ユニットに対応する面状光源ユニットを構成する光源の輝度を駆動回路によって制御すれば、面状光源装置の消費電力の低減を図ることができるばかりか、白レベルの増加や黒レベルの低下を図り、高いコントラスト比(液晶表示装置の画面表面における、外光反射等を含まない、全黒表示部と全白表示部の輝度比)を得ることができ、所望の表示領域の明るさを強調することが可能となるので、画像表示の品質の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
以下、図面を参照して、実施例に基づき本発明を説明するが、それに先立ち、実施例においての使用に適した透過型の液晶表示装置(具体的には、透過型のカラー液晶表示装置)や面状光源装置の基本的な構成、構造の概要を、図5、図6、図7の(A)及び(B)、図8を参照して、説明する。
【0043】
尚、以下の説明における面状光源装置は、液晶表示装置の表示領域をP×Q個の仮想の表示領域ユニットに分割したと想定したときのこれらのP×Q個の表示領域ユニットに対応したP×Q個の面状光源ユニットから成り、P×Q個の面状光源ユニットの発光状態は、個別に制御され、各面状光源ユニットに備えられた光源は、複数の発光素子組立体から成る、所謂、部分駆動方式(分割駆動方式)の面状光源装置とする。但し、このような方式の面状光源装置に限定するものではなく、複数の光源を同時に同じ駆動条件にて駆動する方式を採用してもよい。
【0044】
図5に概念図を示すように、実施例1〜実施例2における透過型のカラー液晶表示装置10は、第1の方向に沿ってM0個、第2の方向に沿ってN0個の、合計M0×N0個の画素が2次元マトリクス状に配列された表示領域11を備えている。ここで、表示領域11を、P×Q個の仮想の表示領域ユニット12に分割したと想定する。各表示領域ユニット12は複数の画素から構成されている。具体的には、例えば、画像表示用解像度としてHD−TV規格を満たすものであり、2次元マトリクス状に配列された画素(ピクセル)の数M0×N0を(M0,N0)で表記したとき、例えば、(1920,1080)である。また、2次元マトリクス状に配列された画素から構成された表示領域11(図5において、一点鎖線で示す)がP×Q個の仮想の表示領域ユニット12(境界を点線で示す)に分割されている。(P,Q)の値は、例えば、(19,12)である。但し、図面の簡素化のため、図5における表示領域ユニット12(及び面状光源ユニット42)の数は、この値と異なる。各表示領域ユニット12は複数(M×N)の画素から構成されており、1つの表示領域ユニット12を構成する画素の数は、例えば、約1万である。各画素は、それぞれが異なる色を発光する複数の副画素を1組として構成されている。より具体的には、各画素は、赤色発光副画素(副画素[R])、緑色発光副画素(副画素[G])、及び、青色発光副画素(副画素[B])の3種の副画素(サブピクセル)から構成されている。この透過型のカラー液晶表示装置10は、線順次駆動される。より具体的には、カラー液晶表示装置10は、マトリクス状に交差する走査電極(第1の方向に沿って延びている)とデータ電極(第2の方向に沿って延びている)とを有し、走査電極に走査信号を入力して走査電極を選択、走査し、データ電極に入力されたデータ信号(制御信号に基づく信号である)に基づき画像を表示させ、1画面を構成する。
【0045】
カラー液晶表示装置10は、図8に模式的な一部断面図を示すように、透明第1電極24を備えたフロント・パネル20、透明第2電極34を備えたリア・パネル30、及び、フロント・パネル20とリア・パネル30との間に配された液晶材料13から成る。
【0046】
フロント・パネル20は、例えば、ガラス基板から成る第1の基板21と、第1の基板21の外面に設けられた偏光フィルム26とから構成されている。第1の基板21の内面には、アクリル樹脂やエポキシ樹脂から成るオーバーコート層23によって被覆されたカラーフィルター22が設けられ、オーバーコート層23上には、透明第1電極(共通電極とも呼ばれ、例えば、ITOから成る)24が形成され、透明第1電極24上には配向膜25が形成されている。一方、リア・パネル30は、より具体的には、例えば、ガラス基板から成る第2の基板31と、第2の基板31の内面に形成されたスイッチング素子(具体的には、薄膜トランジスタ、TFT)32と、スイッチング素子32によって導通/非導通が制御される透明第2電極(画素電極とも呼ばれ、例えば、ITOから成る)34と、第2の基板31の外面に設けられた偏光フィルム36とから構成されている。透明第2電極34を含む全面には配向膜35が形成されている。フロント・パネル20とリア・パネル30とは、それらの外周部で封止材(図示せず)を介して接合されている。尚、スイッチング素子32は、TFTに限定されず、例えば、MIM素子から構成することもできる。また、図面における参照番号37は、スイッチング素子32とスイッチング素子32との間に設けられた絶縁層である。
【0047】
これらの透過型のカラー液晶表示装置を構成する各種の部材や、液晶材料は、周知の部材、材料から構成することができるので、詳細な説明は省略する。
【0048】
直下型の面状光源装置(バックライト)40は、P×Q個の仮想の表示領域ユニット12に対応したP×Q個の面状光源ユニット42から成り、各面状光源ユニット42は、面状光源ユニット42に対応する表示領域ユニット12を背面から白色光にて照明する。面状光源ユニット42に備えられた光源43は、個別に制御される。但し、面状光源ユニット42の光源輝度は、他の面状光源ユニット42に備えられた光源43の発光状態等による影響を受けない。尚、カラー液晶表示装置10の下方に面状光源装置40が位置しているが、図5においては、カラー液晶表示装置10と面状光源装置40とを別々に表示した。面状光源装置40における発光素子組立体等の配置、配列状態を図7の(A)に模式的に示し、カラー液晶表示装置10及び面状光源装置40から成る液晶表示装置組立体の模式的な一部断面図を図7の(B)に示す。光源43は、パルス幅変調(PWM)制御方式に基づき駆動される発光素子組立体100から成る。面状光源ユニット42の輝度の増減は、面状光源ユニット42を構成する発光素子組立体100のパルス幅変調制御におけるデューティ比の増減制御によって行う。
【0049】
図7の(B)に液晶表示装置組立体の模式的な一部断面図を示すように、面状光源装置40は、外側フレーム53と内側フレーム54とを備えた筐体51から構成されている。そして、透過型のカラー液晶表示装置10の端部は、外側フレーム53と内側フレーム54とによって、スペーサ55A,55Bを介して挟み込まれるように保持されている。また、外側フレーム53と内側フレーム54との間には、ガイド部材56が配置されており、外側フレーム53と内側フレーム54とによって挟み込まれたカラー液晶表示装置10がずれない構造となっている。筐体51の内部であって上部には、光拡散板61が、スペーサ55C、ブラケット部材57を介して、内側フレーム54に取り付けられている。また、光拡散板61の上には、拡散シート62、プリズムシート63、偏光変換シート64といった光学機能シート群が積層されている。
【0050】
筐体51の内部であって下部には、反射シート65が備えられている。ここで、この反射シート65は、その反射面が光拡散板61と対向するように配置され、筐体51の底面52Aに図示しない取付け用部材を介して取り付けられている。反射シート65は、例えば、シート基材上に、銀反射膜、低屈折率膜、高屈折率膜を順に積層された構造を有する銀増反射膜から構成することができる。反射シート65は、複数の発光素子組立体100から出射された光や、筐体51の側面52E、あるいは、図1の(A)あるいは図7の(A)に示す隔壁41によって反射された光を反射する。こうして、例えば波長640nmの赤色を発光する赤色発光素子組立体100R、例えば波長530nmの緑色を発光する緑色発光素子組立体100G、及び、例えば波長450nmの青色を発光する青色発光素子組立体100Bから出射された赤色光、緑色光、及び、青色光が混色され、色純度の高い白色光を照明光として得ることができる。この白色光の照明光は、面状光源ユニット42から光拡散板61を介して出射され、拡散シート62、プリズムシート63、偏光変換シート64といった光学機能シート群を通過し、カラー液晶表示装置10を背面から照明する。
【0051】
図5及び図6に示すように、外部(ディスプレイ回路)からの入力信号に基づき面状光源装置40及びカラー液晶表示装置10を駆動するための駆動回路は、パルス幅変調制御方式に基づき、面状光源装置40を構成する赤色発光素子組立体100Rを構成する赤色発光ダイオード101R、緑色発光素子組立体100Gを構成する緑色発光ダイオード101G、及び、青色発光素子組立体100Bを構成する青色発光ダイオード101Bのオン/オフ制御を行う面状光源装置制御回路70及び面状光源ユニット駆動回路80、並びに、液晶表示装置駆動回路90から構成されている。
【0052】
面状光源装置制御回路70は、演算回路71及び記憶装置(メモリ)72から構成されている。一方、面状光源ユニット駆動回路80は、演算回路81、記憶装置(メモリ)82、LED駆動回路83、光センサー制御回路84、FETから成るスイッチング素子85R,85G,85B、発光ダイオード駆動電源(定電流源)86から構成されている。面状光源装置制御回路70及び面状光源ユニット駆動回路80を構成するこれらの回路等は、周知の回路等とすることができる。一方、カラー液晶表示装置10を駆動するための液晶表示装置駆動回路90は、タイミングコントローラ91といった周知の回路から構成されている。カラー液晶表示装置10には、液晶セルを構成するTFTから成るスイッチング素子32を駆動するための、ゲート・ドライバ、ソース・ドライバ等(これらは図示せず)が備えられている。
【0053】
また、発光ダイオード101R,101G,101Bの下流には電流検出用の抵抗体rR,rG,rBが、発光ダイオード101R,101G,101Bと直列に挿入されており、抵抗体rR,rG,rBを流れる電流が電圧に変換され、抵抗体rR,rG,rBにおける電圧降下が所定の値となるように、LED駆動回路83の制御下、発光ダイオード駆動電源86の動作が制御される。ここで、図6には、発光ダイオード駆動電源(定電流源)86を1つで描写しているが、実際には、発光ダイオード101R,101G,101Bのそれぞれを駆動するための発光ダイオード駆動電源86が配されている。
【0054】
2次元マトリクス状に配列された画素から構成された表示領域11がP×Q個の表示領域ユニットに分割されているが、この状態を、「行」及び「列」で表現すると、Q行×P列の表示領域ユニットに分割されていると云える。また、表示領域ユニット12は複数(M×N)の画素から構成されているが、この状態を、「行」及び「列」で表現すると、N行×M列の画素から構成されていると云える。更には、赤色発光副画素(副画素[R])、緑色発光副画素(副画素[G])、及び、青色発光副画素(副画素[B])を一括して纏めて『副画素[R,G,B]』と呼ぶ場合があるし、副画素[R,G,B]の動作の制御(具体的には、例えば、光透過率(開口率)の制御)のために副画素[R,G,B]に入力される赤色発光副画素・制御信号、緑色発光副画素・制御信号、及び、青色発光副画素・制御信号を一括して纏めて『制御信号[R,G,B]』と呼ぶ場合があるし、表示領域ユニットを構成する副画素[R,G,B]を駆動するために駆動回路に外部から入力される赤色発光副画素・入力信号、緑色発光副画素・入力信号、及び、青色発光副画素・入力信号を一括して纏めて『入力信号[R,G,B]』と呼ぶ場合がある。
【0055】
各画素は、前述したように、赤色発光副画素(赤色発光サブピクセル,副画素[R])、緑色発光副画素(緑色発光サブピクセル,副画素[G])、及び、青色発光副画素(青色発光サブピクセル,副画素[B])の3種の副画素(サブピクセル)を1組として構成されている。以下の実施例1〜実施例2の説明においては、副画素[R,G,B]のそれぞれの輝度の制御(階調制御)を8ビット制御とし、0〜255の28段階にて行うとする。従って、各表示領域ユニット12を構成する各画素における副画素[R,G,B]のそれぞれを駆動するために液晶表示装置駆動回路90に入力される入力信号[R,G,B]の値xR,xG,xBのそれぞれは、28段階の値をとる。また、各面状光源ユニットを構成する赤色発光素子組立体100R、緑色発光素子組立体100G及び青色発光素子組立体100Bのそれぞれの発光時間を制御するためのパルス幅変調出力信号の値SR,SG,SBも、0〜255の28段階の値をとる。但し、これに限定するものではなく、例えば、10ビット制御とし、0〜1023の210段階にて行うこともでき、この場合には、8ビットの数値での表現を、例えば4倍すればよい。
【0056】
副画素のそれぞれに、副画素のそれぞれの光透過率Ltを制御する制御信号が駆動回路から供給される。具体的には、副画素[R,G,B]のそれぞれに、副画素[R,G,B]のそれぞれの光透過率Ltを制御する制御信号[R,G,B]が液晶表示装置駆動回路90から供給される。即ち、液晶表示装置駆動回路90においては、入力された入力信号[R,G,B]から制御信号[R,G,B]が生成され、この制御信号[R,G,B]が副画素[R,G,B]に供給(出力)される。尚、面状光源ユニット42の輝度である光源輝度Y2を1画像表示フレーム毎に変化させるので、制御信号[R,G,B]は、例えば、入力信号[R,G,B]の値xR,xG,xBを2.2乗した値に対して、光源輝度Y2の変化に基づく補正(補償)を行った値XR-corr,XG-corr,XB-corrを有する。そして、液晶表示装置駆動回路90を構成するタイミングコントローラ91から、カラー液晶表示装置10のゲート・ドライバ及びソース・ドライバに、制御信号[R,G,B]が周知の方法で送出され、制御信号[R,G,B]に基づき各副画素を構成するスイッチング素子32が駆動され、液晶セルを構成する透明第1電極24及び透明第2電極34に所望の電圧が印加されることで、各副画素の光透過率(開口率)Ltが制御される。ここで、制御信号[R,G,B]の値XR-corr,XG-corr,XB-corrが大きいほど、副画素[R,G,B]の光透過率(開口率)Ltが高くなり、副画素[R,G,B]に対応する表示領域の部分の輝度(表示輝度y)の値が高くなる。即ち、副画素[R,G,B]を通過する光によって構成される画像(通常、一種、点状である)は明るい。
【0057】
表示輝度y及び光源輝度Y2の制御は、カラー液晶表示装置10の画像表示における1画像表示フレーム毎、表示領域ユニット毎、面状光源ユニット毎に行われる。また、1画像表示フレーム内におけるカラー液晶表示装置10の動作と面状光源装置40の動作とは同期させられる。尚、駆動回路に電気信号として1秒間に送られる画像情報の数(毎秒画像)がフレーム周波数(フレームレート)であり、フレーム周波数の逆数がフレーム時間(単位:秒)である。
【実施例1】
【0058】
実施例1は、本発明の第1の態様に係る面状光源装置、液晶表示装置組立体、及び、本発明の発光素子組立体、発光素子・光センサー組立体に関する。
【0059】
実施例1の面状光源装置40は、上述したとおり、発光素子(発光ダイオード101)、及び、発光素子(発光ダイオード101)から出射された光が通過するレンズ102を具備した発光素子組立体100(発光素子組立体100R,100G,100B)を、複数、光源43として備え、更に、底面52A及び側面52Eを備えた筐体51、並びに、フォトダイオードから成る光センサー110を備えている。尚、1つの発光素子組立体100、光センサー110及び筐体51の一部分の概念図を図1の(B)に示し、1つの面状光源ユニット42の模式的な平面図を図1の(A)に示す。尚、図1の(B)あるいは、図2の(A)、(B)においては、反射シート65等の図示を省略している。
【0060】
実施例1にあっては、各面状光源ユニット42に備えられた光源43は複数の発光素子組立体100から成る。より具体的には、光源43を構成する発光素子組立体100の組合せとしては、例えば、(1つの赤色発光素子組立体100,1つの緑色発光素子組立体100,1つの青色発光素子組立体100)である。尚、1つの仮想三角形の頂点に位置する複数の発光素子組立体(具体的には、1つの赤色発光素子組立体100R、1つの緑色発光素子組立体100G、及び、1つの青色発光素子組立体100B)によって1つの発光素子組立体群が構成されている。尚、図1の(A)にあっては、赤色発光素子組立体100Rを「R」を円で囲んで表示し、緑色発光素子組立体100Gを「G」を円で囲んで表示し、青色発光素子組立体100Bを「B」を円で囲んで表示した。
【0061】
発光素子組立体100R,100G,100Bは、筐体51の底面52Aの内面52B上に配置されている。より具体的には、発光素子組立体100R,100G,100Bは、適切な方法で筐体51の底面52Aの内面52B上に固定されている。また、レンズ102は、発光素子(発光ダイオード101)を覆うように、接着剤を用いて固定されている。尚、かしめることで、レンズ102を発光素子(発光ダイオード101)に固定してもよい。赤色発光ダイオード101R、緑色発光ダイオード101G、及び、青色発光ダイオード101Bは、上述したとおり、パルス幅変調(PWM)制御方式に基づき駆動され、赤色発光ダイオード101Rは、赤色(例えば、波長640nm)を発光し、緑色発光ダイオード101Gは、緑色(例えば、波長530nm)を発光し、青色発光ダイオード101Bは、青色(例えば、波長450nm)を発光する。レンズ102は、例えば、ランバーシアン方式のように光強度が等方的なレンズとすることもできるし、光が水平方向に主に出射される2次元方向出射構成を有するレンズとすることもできる。
【0062】
そして、少なくとも1つの発光素子組立体100において(実施例1にあっては、全ての発光素子組立体100において)、レンズ102の底面102Bに、発光素子(発光ダイオード101)から出射された光を外部に取り出すための光取出し部103が設けられている。尚、光取出し部103は、発光素子(発光ダイオード101)から出射される光量測定のために設けられている。実施例1にあっては、光取出し部103はレンズ102と一体に、アクリル系樹脂から射出成形法に基づき作製されている。光取出し部103の先端は、筐体51の底面52Aに設けられた貫通孔52Dを介して筐体51の底面52Aの外面52Cに露出している(具体的には、突出している)。即ち、光取出し部103は、筐体51の底面52Aに設けられた貫通孔52D内に挿入されている。但し、光取出し部103をレンズ102とは別の部材から作製してもよい。そして、この場合には、レンズ102の底面102Bに孔部を形成し、係る孔部に、例えば棒状の光取出し部103の根本(後端部)を挿入すればよい。
【0063】
光センサー110は、光取出し部103の先端から出射された光を検出する。具体的には、光センサー110は、筐体51の底面52Aの外面52C上に配置されており、光取出し部103の先端に取り付けられている。尚、光取出し部103の先端の近傍に光センサー110が取り付けられていてもよい。あるいは又、光取出し部103の先端とは離れた位置に光センサー110が取り付けられていてもよく、この場合には、光取出し部103の先端と光センサー110との間に光ファイバー等の導光部材を配置すればよい。光センサー110Rは、赤色光の光強度を測定するために赤色フィルターが取り付けられたフォトダイオードであり、光センサー110Gは、緑色光の光強度を測定するために緑色フィルターが取り付けられたフォトダイオードであり、光センサー110Bは、青色光の光強度を測定するために青色フィルターが取り付けられたフォトダイオードである。光センサー110R,110G,110Bによって、発光ダイオード101R,101G,101Bの輝度及び色度が測定される。
【0064】
そして、或る画像表示フレームにおける発光ダイオード101R,101G,101Bの発光状態は、光センサー110R,110G,110Bによって測定され、光センサー110R,110G,110Bからの出力は光センサー制御回路84に入力され、光センサー制御回路84、演算回路81において、発光ダイオード101R,101G,101Bの例えば輝度及び色度としてのデータ(信号)とされ、係るデータがLED駆動回路83に送られ、次の画像表示フレームにおける発光ダイオード101R,101G,101Bの発光状態が制御されるといったフィードバック機構が形成される。
【0065】
発光ダイオード101の模式的な断面図を図4に示す。この発光ダイオード101は、支持体に固定された発光層120、及び、プラスチック製のキャップ130から構成されている。具体的には、発光層120の光出射部にキャップ130が被せられている。また、キャップ130は、発光層120を空間131を介して覆っている。また、具体的には、発光層120はサブマウント121に固定され、発光層120は、サブマウント121に設けられた配線(図示せず)、金線124A,124Bを介して外部電極125A,125Bに電気的に接続され、外部電極125A,125Bは駆動回路(図示せず)に電気的に接続されている。サブマウント121は接着剤を介してヒートシンク122に取り付けられており、ヒートシンク122は支持部材123に取り付けられている。キャップ130と発光ダイオード101との間の空間131内には、発光層120から出射される光に対して透明な充填剤140が充填されている。キャップ130は、アクリル系樹脂から成り、射出成形法にて成形されている。また、支持体は、PMMA樹脂から成り、射出成形法にて成形された支持部材123、及び、支持部材123に接着剤にて接着されたヒートシンク122から構成されている。充填剤140は、ゲル状材料、フルオレン系アクリル樹脂、シリコーンゴム、又は、シリコーンオイルコンパウンドから成り、屈折率は1.40以上である。具体的には、ゲル状材料として、例えば、Nye社の商品名OCK−451(屈折率:1.51)や商品名OCK−433(屈折率:1.46)を例示することができるし、シリコーンゴムやシリコーンオイルコンパウンドといったオイルコンパウンド材料[例えば、東芝シリコーン株式会社の商品名TSK5353(屈折率:1.45)]を例示することができる。このような充填剤140を空間131に充填することによって、発光層120から出射された光が、キャップ130によって全反射することなく、キャップ130に確実に進入することができる。即ち、発光層120から出射された光がキャップ130によって全反射されると、全反射された光が発光層120に再吸収されるために、光の取り出し効率が減少するといった問題が生じるが、充填剤140を空間131に充填することによって、このような問題の発生を確実に回避することができる。
【0066】
実施例1の発光素子組立体の変形例を、図2の(A)及び(B)に示す。図2の(A)に示す発光素子組立体100’にあっては、レンズ102の側面102Aに、発光素子(発光ダイオード101)から出射された光を外部に取り出すための光取出し部103’が設けられている。また、図2の(B)に示す発光素子組立体100”にあっては、レンズ102の底面102Bに孔部102Cを設け、筐体51の底面52Aに設けられた貫通孔52D及びレンズ102の底面102Bに設けられた孔部102Cに透明な樹脂を充填することで、光取出し部103”が形成されている。
【0067】
実施例1にあっては、例えば、液晶表示装置組立体の動作開始時(スイッチ・オン時)、液晶表示装置の画像を表示することなく、即ち、液晶表示装置において、各副画素を構成する液晶セルを閉じた状態で、P×Q個の面状光源ユニット42の光源43を、順次、所定の時間、点灯することで、各光センサー110によって、面状光源ユニット42における光源43の光量を測定するといった操作を、P×Q回、繰り返す。そして、測定された光量値を、予め測定し、液晶表示装置組立体に記憶された光量値あるいは設計光量値(基準値と呼ぶ)と、駆動回路(面状光源ユニット駆動回路80)において比較する。そして、光量測定値と基準値との間に、何らかの原因によって差異が生じた場合には、係る面状光源ユニット42における光源43の発光の調整(補正)を行えばよい。尚、このような方式を、便宜上、第1の調整方式と呼ぶ。
【0068】
あるいは又、液晶表示装置組立体の動作中に、例えば、垂直帰線期間に相当する液晶表示装置の動作期間において、表示領域ユニット12を構成する全ての画素の光透過率を最低とした状態で、この表示領域ユニット12に対応する面状光源ユニットを構成する光源43を発光状態として光センサー110によって発光状態を測定し、駆動回路(面状光源ユニット駆動回路80)において測定結果を基準値と比較して、基準値に等しくなるように(近づくように)、面状光源ユニット42を構成する光源43の発光状態を制御すればよい。尚、このような方式を、便宜上、第2の調整方式と呼ぶ。1垂直帰線期間に相当する液晶表示装置の動作期間において、P×Q個の全ての面状光源ユニット42を構成する光源43を発光状態としてもよいし、1個あるいはQ個の面状光源ユニット42を構成する光源43を発光状態としてもよい。また、複数の垂直帰線期間に相当する液晶表示装置の動作期間において、1回、P×Q個の全ての面状光源ユニット42を構成する光源43を発光状態としてもよいし、1個あるいはQ個の面状光源ユニット42を構成する光源43を発光状態としてもよい。
【実施例2】
【0069】
実施例2は、本発明の第2の態様に係る面状光源装置、及び、液晶表示装置組立体に関する。
【0070】
実施例2における面状光源装置は、発光素子を、複数、光源として備え、2次元マトリクス状に配列された画素から構成された表示領域を有する透過型の液晶表示装置を背面から照明し、発光素子の非発光時、非発光状態の発光素子を、他の発光素子から出射された光を検出する光センサーとして動作させる。また、実施例2の液晶表示装置組立体は、(a)2次元マトリクス状に配列された画素から構成された表示領域を有する透過型の液晶表示装置、並びに、(b)発光素子を、複数、光源として備え、該液晶表示装置を背面から照明する面状光源装置を備えており、発光素子の非発光時、非発光状態の発光素子を、他の発光素子から出射された光を検出する光センサーとして動作させる。即ち、非発光状態の発光素子において、他の発光素子から出射された光に基づいた起電力を生じさせ、係る起電力を測定することで、他の発光素子から出射された光の光量測定を行う。
【0071】
ここで、実施例2における面状光源装置、液晶表示装置組立体の基本的な構成、構造は、上述した面状光源装置、液晶表示装置組立体と同じとすることができるので、以下、相違点のみを説明する。また、発光素子組立体も、レンズに光取出し部が設けられていない点を除き、実施例1の発光素子組立体100と同じ構成、構造とすることができるので、詳細な説明は省略する。
【0072】
図6に示したと若干異なり、実施例2にあっては、駆動回路の一部分の概念図を図3に示すように、光センサーが省略されている。そして、その代わりに、光センサー制御回路84Aが、スイッチ回路87R,87G,87Bを介して、発光ダイオード101R,101G,101Bに電流を供給するラインの上流側に接続され、また、スイッチ回路88R,88G,88Bを介して、発光ダイオード101R,101G,101Bに電流を供給するラインの下流側に接続されている。ここで、スイッチ回路87R,87G,87B,88R,88G,88Bは、発光素子(発光ダイオード101R,101G,101B)を光センサーとして動作させないときには、光センサー制御回路84Aの制御下、オフ状態にある。一方、発光素子(発光ダイオード101R,101G,101B)を光センサーとして動作させるときには、光センサー制御回路84Aの制御下、スイッチ回路87R,87G,87B,88R,88G,88Bをオン状態とする。そして、非発光状態の発光素子(発光ダイオード101R,101G,101B)において、他の発光素子(発光ダイオード101R,101G,101B)から出射された光に基づいた起電力を生じさせ、係る起電力を光センサー制御回路84Aにおいて測定することで、他の発光素子(発光ダイオード101R,101G,101B)から出射された光の光量測定を行う。光センサー制御回路84Aや、スイッチ回路87R,87G,87B,88R,88G,88Bは、周知の回路とすることができる。実施例2にあっては、光センサーが省略されているので、面状光源装置の製造コストの低減をも図ることができる。
【0073】
実施例2にあっては、少なくとも1つの発光素子(発光ダイオード101)を光センサーとして動作させればよく、全ての発光素子(発光ダイオード)を光センサーとして動作させてもよいし、一部の発光素子(発光ダイオード101)を光センサーとして動作させてもよい。より具体的には、面状光源装置における光源としての動作時でないときに、複数の発光ダイオードから構成された1つの発光ダイオード群において、1又は複数の発光ダイオードを発光させ、残りの発光ダイオードを光センサーとして機能させてもよい。あるいは又、面状光源装置における光源としての動作時でないときに、複数の発光ダイオードから構成された或る発光ダイオード群において、1又は複数又は全部の発光ダイオードを発光させ、係る発光ダイオード群の近傍(隣接には限定しない)に位置する他の発光ダイオード群における1又は複数又は全部の発光ダイオードを光センサーとして機能させてもよい。具体的には、上述したと同様の第1の調整方式あるいは第2の調整方式を採用すればよい。
【0074】
尚、発光ダイオードを、外来光に応じて起電力を発生させる光センサーとして兼用し、発生した起電力に基づいて携帯端末に備えられたディスプレイのバックライトの点灯を制御する技術が、特開2004−7237に開示されているが、係る特開2004−7237には、発光ダイオードそれ自体の特性変化(発光光量の変化や変動)を検出するために、近傍に位置する発光ダイオードを用いる技術については、何ら、言及されていない。
【0075】
以下、実施例1〜実施例2における液晶表示装置組立体の駆動方法を、図5、図6、図3及び図9を参照して説明する。尚、図9は、実施例1〜実施例2における液晶表示装置組立体の駆動方法を説明するための流れ図である。
【0076】
実施例1〜実施例2にあっては、副画素のそれぞれに、副画素のそれぞれの光透過率Ltを制御する制御信号が駆動回路から供給される。より具体的には、各画素を構成する副画素[R,G,B]のそれぞれに、副画素[R,G,B]のそれぞれの光透過率Ltを制御する制御信号[R,G,B]が駆動回路90から供給される。そして、面状光源ユニット42のそれぞれにおいて、各表示領域ユニット12を構成する全ての画素(副画素[R,G,B])を駆動するために駆動回路70,80,90に入力される入力信号[R,G,B]の値xR,xG,xBの内の最大値である表示領域ユニット内・入力信号最大値xU-maxに等しい値を有する入力信号に相当する制御信号が副画素に供給されたと想定したときの画素(副画素[R,G,B])の輝度(光透過率・第1規定値Lt1における表示輝度・第2規定値y2)が得られるように、この表示領域ユニット12に対応する面状光源ユニット42を構成する光源43の輝度を、面状光源装置制御回路70及び面状光源ユニット駆動回路80によって制御する。具体的には、例えば、画素あるいは副画素の光透過率(開口率)を、例えば光透過率・第1規定値Lt1としたときに表示輝度y2が得られるように、光源輝度Y2を制御すればよい(例えば、減少させればよい)。即ち、例えば、以下の式(1)を満足するように、画像表示フレーム毎に面状光源ユニット42の光源輝度Y2を制御すればよい。尚、Y2≦Y1の関係にある。
【0077】
2・Lt1=Y1・Lt2 (1)
【0078】
[ステップ−100]
スキャンコンバータ等の周知のディスプレイ回路から送出された1画像表示フレーム分の入力信号[R,G,B]及びクロック信号CLKは、面状光源装置制御回路70及び液晶表示装置駆動回路90に入力される(図5参照)。尚、入力信号[R,G,B]は、例えば撮像管への入力光量をy’としたとき、撮像管からの出力信号であり、例えば放送局等から出力され、副画素の光透過率Ltを制御するために液晶表示装置駆動回路90にも入力される入力信号であり、入力光量y’の0.45乗の関数で表すことができる。そして、面状光源装置制御回路70に入力された1画像表示フレーム分の入力信号[R,G,B]の値xR,xG,xBは、面状光源装置制御回路70を構成する記憶装置(メモリ)72に、一旦、記憶される。また、液晶表示装置駆動回路90に入力された1画像表示フレーム分の入力信号[R,G,B]の値xR,xG,xBも、液晶表示装置駆動回路90を構成する記憶装置(図示せず)に、一旦、記憶される。
【0079】
[ステップ−110]
次いで、面状光源装置制御回路70を構成する演算回路71においては、記憶装置72に記憶された入力信号[R,G,B]の値を読み出し、第(p,q)番目[但し、先ず、p=1,q=1]の表示領域ユニット12において、この第(p,q)番目の表示領域ユニット12を構成する全ての画素における副画素[R,G,B]を駆動するための入力信号[R,G,B]の値xR,xG,xBの内の最大値である表示領域ユニット内・入力信号最大値xU-maxを、演算回路71において求める。そして、表示領域ユニット内・入力信号最大値xU-maxを、記憶装置72に記憶する。このステップを、m=1,2,・・・,M、n=1,2,・・・,Nの全てに対して、即ち、M×N個の画素に対して、実行する。
【0080】
例えば、xRが「110」に相当する値であり、xGが「150」に相当する値であり、xBが「50」に相当する値である場合、xU-maxは「150」に相当する値である。
【0081】
この操作を、(p,q)=(1,1)から(P,Q)まで繰り返し、全ての表示領域ユニット12における表示領域ユニット内・入力信号最大値xU-maxを、記憶装置72に記憶する。
【0082】
[ステップ−120]
そして、表示領域ユニット内・入力信号最大値xU-maxに等しい値を有する入力信号[R,G,B]に相当する制御信号[R,G,B]が副画素[R,G,B]に供給されたと想定したときの輝度(光透過率・第1規定値Lt1における表示輝度・第2規定値y2)が面状光源ユニット42によって得られるように、表示領域ユニット12に対応する面状光源ユニット42の光源輝度Y2を、面状光源ユニット駆動回路80の制御下、増減する。具体的には、以下の式(1)を満足するように、1画像表示フレーム毎、1面状光源ユニット毎に光源輝度Y2を制御すればよい。より具体的には、光源輝度制御関数g(xnol-max)である式(2)に基づき発光素子組立体100の輝度を制御し、且つ、式(1)を満足するように光源輝度Y2を制御すればよい。このような制御の概念図を、図11の(A)及び(B)に示す。但し、後述するように、他の面状光源ユニット42の影響に基づいた補正を、光源輝度Y2に対して、必要に応じて施す。尚、光源輝度Y2の制御に関するこれらの関係、即ち、表示領域ユニット内・入力信号最大値xU-max、この最大値xU-maxに等しい値を有する入力信号に相当する制御信号の値、このような制御信号が画素(副画素)に供給されたと想定したときの表示輝度・第2規定値y2、このときの各副画素の光透過率(開口率)[光透過率・第2規定値Lt2]、各副画素の光透過率(開口率)を光透過率・第1規定値Lt1としたときに表示輝度・第2規定値y2が得られるような面状光源ユニット42における輝度制御パラメータの関係等を、予め求めておき、記憶装置72等に記憶しておけばよい。
【0083】
2・Lt1=Y1・Lt2 (1)
g(xnol-max)=a1・(xnol-max2.2+a0 (2)
【0084】
ここで、画素(あるいは、画素を構成する副画素[R,G,B]のそれぞれ)を駆動するために液晶表示装置駆動回路90に入力される入力信号(入力信号[R,G,B])の最大値をxmaxとしたとき、
nol-max≡xU-max/xmax
であり、a1,a0は定数であり、
1+a0=1
0<a0<1,0<a1<1
で表すことができる。例えば、
1=0.99
0=0.01
とすればよい。また、入力信号[R,G,B]の値xR,xG,xBのそれぞれは、28段階の値をとるので、xmaxの値は「255」に相当する値である。
【0085】
ところで、面状光源装置40にあっては、例えば、(p,q)=(1,1)の面状光源ユニット42の輝度制御を想定した場合、他のP×Q個の面状光源ユニット42からの影響を考慮する必要がある場合がある。このような面状光源ユニット42が他の面状光源ユニット42から受ける影響は、各面状光源ユニット42の発光プロファイルによって予め判明しているので、逆算によって差分を計算でき、その結果、補正が可能である。演算の基本形を以下に説明する。
【0086】
式(1)及び式(2)の要請に基づくP×Q個の面状光源ユニット42に要求される輝度(光源輝度Y2)を行列[LPxQ]で表す。また、或る面状光源ユニットのみを駆動し、他の面状光源ユニットは駆動していないときに得られる或る面状光源ユニットの輝度を、P×Q個の面状光源ユニット42に対して予め求めておく。係る輝度を行列[L’PxQ]で表す。更には、補正係数を行列[αPxQ]で表す。すると、これらの行列の関係は、以下の式(3−1)で表すことができる。補正係数の行列[αPxQ]は、予め求めておくことができる。
[LPxQ]=[L’PxQ]・[αPxQ] (3−1)
よって、式(3−1)から行列[L’PxQ]を求めればよい。行列[L’PxQ]は、逆行列の演算から求めることができる。即ち、
[L’PxQ]=[LPxQ]・[αPxQ-1 (3−2)
を計算すればよい。そして、行列[L’PxQ]で表された輝度が得られるように、各面状光源ユニット42に備えられた光源43(発光素子組立体100)を制御すればよく、具体的には、係る操作、処理は、記憶装置(メモリ)72に記憶された情報(データテーブル)を用いて行えばよい。尚、発光素子組立体100の制御にあっては、行列[L’PxQ]の値は負の値を取れないので、演算結果は正の領域にとどめる必要があることは云うまでもない。従って、式(3−2)の解は厳密解ではなく、近似解となる場合がある。
【0087】
このように、面状光源装置制御回路70を構成する演算回路71において得られた式(1)及び式(2)の値に基づき得られた行列[LPxQ]、補正係数の行列[αPxQ]に基づき、上述したとおり、面状光源ユニットを単独で駆動したと想定したときの輝度の行列[L’PxQ]を求め、更には、記憶装置72に記憶された変換テーブルに基づき、0〜255の範囲内の対応する整数(パルス幅変調出力信号の値)に変換する。こうして、面状光源装置制御回路70を構成する演算回路71において、面状光源ユニット42における赤色発光ダイオード101Rの発光時間を制御するためのパルス幅変調出力信号の値SR、緑色発光ダイオード101Gの発光時間を制御するためのパルス幅変調出力信号の値SG、青色発光ダイオード101Bの発光時間を制御するためのパルス幅変調出力信号の値SBを得ることができる。
【0088】
[ステップ−130]
次に、面状光源装置制御回路70を構成する演算回路71において得られたパルス幅変調出力信号の値SR,SG,SBは、面状光源ユニット42に対応して設けられた面状光源ユニット駆動回路80の記憶装置82に送出され、記憶装置82において記憶される。また、クロック信号CLKも面状光源ユニット駆動回路80に送出される(図6、図3参照)。
【0089】
[ステップ−140]
そして、パルス幅変調出力信号の値SR,SG,SBに基づき、面状光源ユニット42を構成する赤色発光ダイオード101Rのオン時間tR-ON及びオフ時間tR-OFF、緑色発光ダイオード101Gのオン時間tG-ON及びオフ時間tG-OFF、青色発光ダイオード101Bのオン時間tB-ON及びオフ時間tB-OFFを演算回路81は決定する。尚、
R-ON+tR-OFF=tG-ON+tG-OFF=tB-ON+tB-OFF=一定値tConst
である。また、発光ダイオードのパルス幅変調に基づく駆動におけるデューティ比は、
ON/(tON+tOFF)=tON/tConst
で表すことができる。
【0090】
そして、面状光源ユニット42を構成する赤色発光ダイオード101R、緑色発光ダイオード101G、青色発光ダイオード101Bのオン時間tR-ON,tG-ON,tB-ONに相当する信号が、LED駆動回路83に送られ、このLED駆動回路83から、オン時間tR-ON,tG-ON,tB-ONに相当する信号の値に基づき、スイッチング素子85R,85G,85Bが、オン時間tR-ON,tG-ON,tB-ONだけオン状態となり、発光ダイオード駆動電源86からのLED駆動電流が、各発光ダイオード101R,101G,101Bに流される。その結果、各発光ダイオード101R,101G,101Bは、1画像表示フレームにおいて、オン時間tR-ON,tG-ON,tB-ONだけ発光する。こうして、各表示領域ユニット12を、所定の照度において照明する。
【0091】
こうして得られた状態を、図10の(A)及び(B)に実線で示すが、図10の(A)は、副画素を駆動するために液晶表示装置駆動回路90に入力される入力信号の値を2.2乗した値(x’≡x2.2)とデューティ比(=tON/tConst)との関係を模式的に示す図であり、図10の(B)は、副画素の光透過率Ltを制御するための制御信号の値Xと表示輝度yとの関係を模式的に示す図である。
【0092】
[ステップ−150]
一方、液晶表示装置駆動回路90に入力された入力信号[R,G,B]の値xR,xG,xBはタイミングコントローラ91へ送られ、タイミングコントローラ91にあっては、入力された入力信号[R,G,B]に相当する制御信号[R,G,B]を、副画素[R,G,B]に供給(出力)する。液晶表示装置駆動回路90のタイミングコントローラ91において生成され、液晶表示装置駆動回路90から副画素[R,G,B]に供給される制御信号[R,G,B]の値XR,XG,XBと、入力信号[R,G,B]の値xR,xG,xBとは、以下の式(4−1)、式(4−2)、式(4−3)の関係にある。但し、b1_R,b0_R,b1_G,b0_G,b1_B,b0_Bは定数である。また、面状光源ユニット42の光源輝度Y2を画像表示フレーム毎に変化させるので、制御信号[R,G,B]は、基本的に、入力信号[R,G,B]の値を2.2乗した値に対して、光源輝度Y2の変化に基づく補正(補償)を行った値を有する。即ち、実施例1〜実施例2にあっては、1画像表示フレーム毎に光源輝度Y2が変化するので、光源輝度Y2(≦Y1)において表示輝度・第2規定値y2が得られるように制御信号[R,G,B]の値XR,XG,XBを決定、補正(補償)して、画素あるいは副画素の光透過率(開口率)Ltを制御している。ここで、式(4−1)、式(4−2)、式(4−3)の関数fR,fG,fBは、係る補正(補償)を行うための予め求められた関数である。
【0093】
R=fR(b1_R・xR2.2+b0_R) (4−1)
G=fG(b1_G・xG2.2+b0_G) (4−2)
B=fB(b1_B・xB2.2+b0_B) (4−3)
【0094】
こうして、1画像表示フレームにおける画像表示動作が完了する。ところで、先に述べたように、第1の調整方式を採用してもよいが、以下に説明する第2の調整方式を採用してもよい。
【0095】
[ステップ−160]
即ち、次いで、カラー液晶表示装置10の動作期間は、垂直帰線動作期間となる。そして、この垂直帰線動作期間にあっては、表示領域ユニット12を構成する全ての画素の光透過率Ltを最低とした状態で、即ち、カラー液晶表示装置10が「黒表示」の状態で、この表示領域ユニット12に対応する面状光源ユニット42を構成する光源43を発光状態として、光センサー110(あるいは発光ダイオード101)によってこれらの発光状態を測定する。
【0096】
そして、光センサー110(あるいは発光ダイオード101)からの出力は光センサー制御回路84(84A)に入力され、光センサー制御回路84(84A)においてアナログ−デジタル変換され、発光ダイオード101R,101G,101Bの輝度データ(デジタル信号)とされる。そして、これらの輝度データ(デジタル信号)は演算回路81に送られ、記憶装置82において記憶されていた輝度の基準値と演算回路81において比較される。こうして、発光ダイオード101R,101G,101Bの輝度の基準値からの逸脱量、発光ダイオード101R,101G,101Bの輝度に基づく色度の基準値からの逸脱量を得ることができる。ここで、これらの逸脱量と、面状光源ユニット42における赤色発光ダイオード101Rの発光時間を制御するためのパルス幅変調出力信号の値の補正量ΔSR、緑色発光ダイオード101Gの発光時間を制御するためのパルス幅変調出力信号の値の補正量ΔSG、青色発光ダイオード101Bの発光時間を制御するためのパルス幅変調出力信号の値の補正量ΔSBを予め決定し、記憶装置82において記憶しておく。そして、これらの補正量ΔSR,ΔSG,ΔSBに基づき、次の画像表示フレームにおける[ステップ−140]において、パルス幅変調出力信号の値SR,SG,SBを補正する。
【0097】
尚、第1の調整方式においても、基本的には、以上に説明した操作(動作)が行われる。
【0098】
このような液晶表示装置組立体の駆動方法においては、部分駆動方式あるいは分割駆動方式を採用しているので、面状光源装置40の消費電力の低減を図ることができるばかりか、高いコントラスト比を得ることができる。しかも、垂直帰線動作期間において、表示領域ユニット12を構成する全ての画素の光透過率を最低とした状態で、即ち、カラー液晶表示装置10が「黒表示」の状態で、表示領域ユニット12に対応する面状光源ユニット42を構成する光源43を発光状態として光センサー110(あるいは発光ダイオード101)によってこれらの発光状態を測定すれば、所望の安定した条件下、光源43の発光状態を光センサー110(あるいは発光ダイオード101)によって測定することができる。従って、高い精度で、1画像表示フレーム毎の光源43の輝度や色度の制御を行うことができる。
【0099】
以上、本発明を好ましい実施例に基づき説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例において説明した透過型のカラー液晶表示装置や面状光源装置、面状光源ユニット、液晶表示装置組立体、駆動回路の構成、構造は例示であるし、これらを構成する部材、材料等も例示であり、適宜、変更することができる。実施例においては、レンズ102とキャップ130とを備えた発光素子組立体100について説明をしたが、キャップ130がレンズ102として充分に機能し、別にレンズ102を配する必要がない場合には、係るキャップ130をレンズと見做すことができ、キャップ130の上方のレンズを省略することができる。
【0100】
発光ダイオードの温度を温度センサーで監視し、その結果を、面状光源ユニット駆動回路にフィードバックすることで、面状光源ユニットの輝度補償(補正)や温度制御を行ってもよい。実施例においては、液晶表示装置の表示領域をP×Q個の仮想の表示領域ユニットに分割したと想定して説明を行ったが、場合によっては、透過型の液晶表示装置は、P×Q個の実際の表示領域ユニットに分割された構造を有していてもよい。
【0101】
実施例1にあっては、光取出し部103,103’,103”の先端と光センサー110とが離れている場合、これらの間に光ファイバーを配置すればよいし、あるいは又、以下に説明する導光部材を配置すればよい。
【0102】
係る導光部材210を上方から眺めた模式図を図12の(B)に示し、導光部材210を横方向から眺めた模式的な断面図を図12の(C)に示す。また、図12の(B)の一点鎖線を含み、紙面垂直方向に延びる仮想平面で導光部材210を切断したときの模式的な一部端面図を図13の(A)に示すが、図13の(A)においては、断面に付する斜線を省略した。更には、導光部材210の端部の模式的な部分的斜視図を図13の(B)に示す。
【0103】
透明な細長い材料から作製された係る導光部材210は、図12の(A)、(B)及び(C)に示すように、具体的には、側面、第1端面211、及び、第2端面212を有している。そして、光センサー110が、第1端面211の近傍に配置されている。ここで、導光部材210の側面には、複数(具体的にはP箇所であり、図12の(A)の模式的な平面図には、その内の5つを示す)の光取入れ部220が設けられている。導光部材210は、具体的には、透明なアクリル系樹脂から射出成形法にて作製されており、導光部材210の軸線(矢印210Aで示す)に対して垂直な仮想平面で導光部材210を切断したときの導光部材210の断面形状は矩形(具体的には、例えば、5mm×5mm)である。導光部材210の側面は、具体的には、上面213、下面214、及び、2つの壁面215A,215Bから構成されている。光取入れ部220は、導光部材210の上面213に設けられている。そして、溝部あるいは切欠部から成る光取入れ部220は、2つの対向面221,222を備えている。ここで、光取入れ部220の2つの対向面221,222の内、第1端面211から遠い対向面(第1対向面221)は鋭角の傾斜角θ(例えば、35度)を有しており、第1端面211に近い対向面(第2対向面222)は略垂直である。溝部から成る光取入れ部220をこのような形状とすることで、光取出し部103,103’,103”からの光が、光取入れ部220に入射し、導光部材210の内部に侵入して導光部材210の内部を伝わることを、確実なものとすることができる。尚、複数(P箇所)の光取入れ部220にあっては、導光部材210の軸線210Aと光取入れ部220の軸線(矢印220Aで示す)との成す角度は、第1端面211から遠い光取入れ部220ほど大きい。また、光取入れ部220の深さは、第1端面211に近い光取入れ部220ほど浅い。このように、導光部材210の軸線210Aと光取入れ部220の軸線220Aとの成す角度を、第1端面211から遠い光取入れ部220ほど大きくすることによって、内部伝達光の光量を一層多くすることができる。また、内部伝達光は、途中に他の光取入れ部220が存在しているので、この他の光取入れ部220から外部に出射してしまう可能性が生じるが、光取入れ部220の深さを、第1端面211に近い光取入れ部220ほど浅くすることによって、途中に存在する他の光取入れ部220による内部伝達光の進行の妨害を少なくすることができ、内部伝達光の光量の損失を少なくすることができる。図12の(B)及び(C)に示すように、第1端面211を構成する導光部材210の端部には、2つの壁面215A,215Bから導光部材210の軸線210Aに対して直角方向に延びる第1の突起部216、及び、各第1の突起部216の先端部から導光部材210の軸線210Aに対して平行に、且つ、第1端面211の側に延びる第2の突起部217が設けられている。尚、第1端面211を構成する導光部材210の端部を上面から眺めた形状は、概ね「コ」の字形状である。光センサー110は、2つの第2の突起部217の間に位置する第1端面211に適切な方法で固定されている。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】図1の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例1における1つの面状光源ユニットの模式的な平面図、及び、1つの発光素子組立体、光センサー及び筐体の一部分の概念図である。
【図2】図2の(A)及び(B)は、実施例1における、1つの発光素子組立体の変形例、光センサー及び筐体の一部分の概念図である。
【図3】図3は、実施例2での使用に適した駆動回路の一部分の概念図である。
【図4】図4は、発光ダイオードの模式的な断面図である。
【図5】図5は、実施例での使用に適したカラー液晶表示装置及び面状光源装置から成る液晶表示装置組立体の概念図である。
【図6】図6は、実施例での使用に適した駆動回路の一部分の概念図である。
【図7】図7の(A)は、実施例の面状光源装置における発光素子組立体等の配置、配列状態を模式的に示す図であり、図7の(B)は、実施例のカラー液晶表示装置及び面状光源装置から成る液晶表示装置組立体の模式的な一部断面図である。
【図8】図8は、カラー液晶表示装置の模式的な一部断面図である。
【図9】図9は、実施例1〜実施例2における液晶表示装置組立体の駆動方法を説明するための流れ図である。
【図10】図10の(A)は、副画素を駆動するために液晶表示装置駆動回路に入力される入力信号の値を2.2乗した値(x’≡x2.2)とデューティ比(=tON/tConst)との関係を模式的に示す図であり、図10の(B)は、副画素の光透過率を制御するための制御信号の値Xと表示輝度yとの関係を模式的に示す図である。
【図11】図11の(A)及び(B)は、表示領域ユニット内・入力信号最大値xU-maxに等しい値を有する入力信号に相当する制御信号が画素に供給されたと想定したときの表示輝度・第2規定値y2が面状光源ユニットによって得られるように、面状光源ユニットの光源輝度Y2を、面状光源ユニット駆動回路の制御下、増減する状態を説明するための概念図である。
【図12】図12の(A)は、実施例1の面状光源装置の変形例の模式的な平面図であり、図12の(B)及び(C)は、それぞれ、導光部材を上方から眺めた模式図及び、導光部材を横方向から眺めた模式的な断面図である。
【図13】図13の(A)は、図12の(B)の一点鎖線を含み、紙面垂直方向に延びる仮想平面で導光部材を切断したときの導光部材の模式的な一部端面図であり、図13の(B)は、導光部材の端部の模式的な部分的斜視図である。
【符号の説明】
【0105】
10・・・カラー液晶表示装置、11・・・表示領域、12・・・表示領域ユニット、13・・・液晶材料、20・・・フロント・パネル、21・・・第1の基板、22・・・カラーフィルター、23・・・オーバーコート層、24・・・透明第1電極(共通電極)、25・・・配向膜、26・・・偏光フィルム、30・・・リア・パネル、31・・・第2の基板、32・・・スイッチング素子、34・・・透明第2電極、35・・・配向膜、36・・・偏光フィルム、37・・・絶縁層、40・・・面状光源装置(バックライト)、41・・・隔壁、42・・・面状光源ユニット、43・・・光源、51・・・筐体、52A・・・筐体の底面、52B・・・筐体の底面の内面、52C・・・筐体の底面の外面、52D・・・貫通孔、52E・・・筐体の側面、53・・・外側フレーム、54・・・内側フレーム、55A,55B,55C・・・スペーサ、56・・・ガイド部材、57・・・ブラケット部材、61・・・光拡散板、62・・・拡散シート、63・・・プリズムシート、64・・・偏光変換シート、65・・・反射シート、70・・・面状光源装置制御回路、71・・・演算回路、72・・・記憶装置(メモリ)、80・・・面状光源ユニット駆動回路、81・・・演算回路、82・・・記憶装置(メモリ)、83・・・LED駆動回路、84,84A・・・光センサー制御回路、85R,85G,85B・・・スイッチング素子、86・・・発光ダイオード駆動電源(定電流源)、87R,87G,87B,88R,88G,88B・・・スイッチ回路、90・・・液晶表示装置駆動回路、91・・・タイミングコントローラ、100,100’,100”,100R,100G,100B・・・発光素子組立体、101,101R,101G,101B・・・発光ダイオード、102・・・レンズ、102A・・・レンズの側面、102B・・・レンズの底面、102C・・・孔部、103,103’,103”・・・光取出し部、110,110R,110G,110B・・・光センサー(フォトダイオード)、120・・・発光層、121・・・サブマウント、122・・・ヒートシンク、123・・・支持部材、124A,124B・・・金線、125A,125B・・・外部電極、130・・・キャップ、131・・・空間、140・・・充填剤、210・・・導光部材、210A・・・導光部材の軸線、211・・・第1端面、212・・・第2端面、213・・・上面、214・・・下面、215A,215B・・・壁面、216・・・第1の突起部、217・・・第2の突起部、220・・・光取入れ部、220A・・・光取入れ部の軸線、221・・・第1対向面、222・・・第2対向面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子、及び、発光素子から出射された光が通過するレンズを具備した発光素子組立体を、複数、光源として備え、更に、底面及び側面を備えた筐体、並びに、光センサーを備え、2次元マトリクス状に配列された画素から構成された表示領域を有する透過型の液晶表示装置を背面から照明する面状光源装置であって、
少なくとも1つの発光素子組立体において、レンズの側面若しくは底面に、発光素子から出射された光を外部に取り出すための光取出し部が設けられており、
発光素子組立体は、筐体の底面の内面上に配置されており、
光取出し部の先端は、筐体の底面に設けられた貫通孔を介して筐体の底面の外面に露出しており、
光センサーは、光取出し部の先端から出射された光を検出することを特徴とする面状光源装置。
【請求項2】
液晶表示装置の表示領域をP×Q個の仮想の表示領域ユニットに分割したと想定したときの該P×Q個の表示領域ユニットに対応したP×Q個の面状光源ユニットから成り、
P×Q個の面状光源ユニットの発光状態は、個別に制御され、
各面状光源ユニットに備えられた光源は、複数の発光素子組立体から成り、
少なくとも1つの面状光源ユニットに備えられた光源を構成する複数の発光素子組立体の少なくとも1つの発光素子組立体において、レンズの側面若しくは底面に、発光素子から出射された光を外部に取り出すための光取出し部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の面状光源装置。
【請求項3】
光センサーは、筐体の底面の外面上に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の面状光源装置。
【請求項4】
光取出し部は、レンズと一体に作製されていることを特徴とする請求項1に記載の面状光源装置。
【請求項5】
光取出し部は、レンズとは別の部材から作製されていることを特徴とする請求項1に記載の面状光源装置。
【請求項6】
(a)2次元マトリクス状に配列された画素から構成された表示領域を有する透過型の液晶表示装置、並びに、
(b)発光素子、及び、発光素子から出射された光が通過するレンズを具備した発光素子組立体を、複数、光源として備え、更に、底面及び側面を備えた筐体、並びに、光センサーを備え、該液晶表示装置を背面から照明する面状光源装置、
を備えた液晶表示装置組立体であって、
少なくとも1つの発光素子組立体において、レンズの側面若しくは底面に、発光素子から出射された光を外部に取り出すための光取出し部が設けられており、
発光素子組立体は、筐体の底面の内面上に配置されており、
光取出し部の先端は、筐体の底面に設けられた貫通孔を介して筐体の底面の外面に露出しており、
光センサーは、光取出し部の先端から出射された光を検出することを特徴とする液晶表示装置組立体。
【請求項7】
発光素子、及び、発光素子から出射された光が通過するレンズを具備した発光素子組立体であって、
レンズの側面若しくは底面に、発光素子から出射された光を外部に取り出すための光取出し部が設けられていることを特徴とする発光素子組立体。
【請求項8】
光取出し部は、発光素子から出射される光量測定のために設けられていることを特徴とする請求項7に記載の発光素子組立体。
【請求項9】
光取出し部は、レンズと一体に作製されていることを特徴とする請求項7に記載の発光素子組立体。
【請求項10】
光取出し部は、レンズとは別の部材から作製されていることを特徴とする請求項7に記載の発光素子組立体。
【請求項11】
発光素子、発光素子から出射された光が通過するレンズ、及び、光センサーを具備した発光素子・光センサー組立体であって、
レンズの側面若しくは底面に、発光素子から出射された光を外部に取り出すための光取出し部が設けられており、
光センサーは、光取出し部から出射された光を検出することを特徴とする発光素子・光センサー組立体。
【請求項12】
発光素子を、複数、光源として備え、2次元マトリクス状に配列された画素から構成された表示領域を有する透過型の液晶表示装置を背面から照明する面状光源装置であって、
発光素子の非発光時、該発光素子を、他の発光素子から出射された光を検出する光センサーとして動作させることを特徴とする面状光源装置。
【請求項13】
(a)2次元マトリクス状に配列された画素から構成された表示領域を有する透過型の液晶表示装置、並びに、
(b)発光素子を、複数、光源として備え、該液晶表示装置を背面から照明する面状光源装置、
を備えた液晶表示装置組立体であって、
発光素子の非発光時、該発光素子を、他の発光素子から出射された光を検出する光センサーとして動作させることを特徴とする液晶表示装置組立体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−153014(P2008−153014A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−338484(P2006−338484)
【出願日】平成18年12月15日(2006.12.15)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】