説明

鞍乗型車両

【課題】充電用コードの収納性や使い勝手に優れ、且つ部品の重量増を可及的に少なくできる充電用コードの巻き掛け構造を備えた鞍乗型車両を提供する。
【解決手段】車体フレーム10と、電動モータ31と、当該モータに電力を供給するバッテリと、当該バッテリに充電用の電力を供給する充電用コード101と、車体フレーム10の側方を覆うリアカバー45と、を備える電動二輪車1において、リアカバー45により側方が覆われる車体フレーム10の位置に、充電用コード101を巻き掛け可能な複数のフック部が設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動二輪車等の鞍乗型車両に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、駆動輪を駆動する動力源として、電気式のモータを搭載した電動二輪車が開発されている。このうち、スクータ型の電動二輪車において、開閉式のシートの裏側に設けられた底板に、バッテリ充電用のコード(以下、「充電用コード」という)を巻き掛けて収納する構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平4−243677号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、乗員が駆動源を跨ぐようにして乗車するモータサイクル型やカブ型(以下、適宜に「モータサイクル型等」という)の電動二輪車では、スクータ型の電動二輪車のようにシートを開閉式にすることは一般的ではない。このため、従来例における充電用コードの巻き掛け構造を、モータサイクル型等の電動二輪車に適用することは難しい。
【0005】
また、従来例における充電用コードの巻き掛け構造では、充電用コードの重量を支えるために、シートの底板の剛性を高める必要がある。シートの底板の剛性を高めるには、例えば、シートの底板の板厚を厚くしたり、補強用のリブ等を複数設けたりすることが考えられる。しかし、このような構造とした場合には、シートが高くなることによる足つき性の低下や、車両の重量増を招く。
【0006】
上述した事情に鑑み、スクータ型やモータサイクル型等の電動二輪車において、車両の外観を損なうことなく充電用コード(充電用電線)を収納することができ、また充電用コードの出し入れが容易な巻き掛け構造の開発が望まれている。また、巻き掛け構造を採用するに際して、部品の重量増を可及的に少なくすることも望まれている。
【0007】
従って、本発明は、充電用電線の収納性や使い勝手に優れ、且つ部品の重量増を可及的に少なくできる充電用電線の巻き掛け構造を備えた鞍乗型車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、車体フレームと、モータと、当該モータに電力を供給するバッテリと、当該バッテリに充電用の電力を供給する充電用電線と、前記車体フレームの側方を覆うカバーと、を備える鞍乗型車両において、前記カバーにより側方が覆われる前記車体フレームの位置に、前記充電用電線を巻き掛け可能な複数のフック部が設けられることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明においては、請求項1に記載の構成に加えて、前記車体フレームは、後部にシートレールを有し、前記シートレールの上方にシートが配置され、前記カバーは、前記シートレールの側方を覆うように形成され、前記カバーの一端に、当該カバーと前記シートレールとを連結するヒンジ部材が設けられると共に、前記シートレールの外側面に、複数の前記フック部が設けられることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明においては、請求項2に記載の構成に加えて、前記カバーの車幅方向における内側の側面且つ上部には、前記シートレールの上部に向けて突出したキャッチ部が設けられ、前記シートレールの上部には、前記キャッチ部をロック可能なロック部が設けられることを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の発明においては、請求項2に記載の構成に加えて、前記カバーの上縁は、前記シートの外側の下縁よりも車幅方向における内側で且つ上方に位置するように形成されることを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の発明においては、請求項4に記載の構成に加えて、前記シートの底板の車幅方向における外側の下部には、上方に反り返った取手部が設けられることを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載の発明においては、請求項2に記載の構成に加えて、前記シートレールの車幅方向における内側の下部にリアフェンダが設けられ、当該リアフェンダの上方には、収納空間が形成され、前記充電用電線は、前記収納空間の外側領域に収納されることを特徴とする。
【0014】
請求項7に記載の発明においては、請求項2に記載の構成に加えて、前記シートレールは、前記シートが載置されるアッパーメンバと、当該アッパーメンバの下方に配置され、前記アッパーメンバの後部と連結されるロアメンバと、前記アッパーメンバと前記ロアメンバとを連結する前側コネクティングメンバと、を備え、複数の前記フック部のうちの少なくとも一つは、前記前側コネクティングメンバに設けられることを特徴とする。
【0015】
請求項8に記載の発明においては、請求項7に記載の構成に加えて、前記ヒンジ部材は、前記シートレールのロアメンバに設けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に記載の発明によれば、カバーにより側方が覆われる車体フレームの位置に、充電用電線を巻き掛けるフック部を設けている。これによれば、フック部を設ける箇所に、充電用電線の重量を支えるための剛性の確保が容易となるため、部品の重量増を可及的に少なくできる。また、充電用電線を覆うカバーは、車体フレームの側方を覆っているため、充電用電線を車体フレームの内部に収納する場合に比べて、充電用電線の収納性や使い手に優れている。
【0017】
請求項2に記載の発明によれば、充電用電線を巻き掛けるフック部は、シートレールに設けられる。シートレールは、剛性の高い部材であるため、充電用電線の重量を支えるために、部材の厚みを増やしたり、補強用の部材を設けたりする必要がない。従って、充電用電線の巻き掛け構造を採用するに際して、部品の重量増を可及的に少なくできる。
【0018】
また、請求項2に記載の発明によれば、充電用電線を、シートレールの側方を覆うカバーの内部に設けたので、長尺の充電用電線を容易に車両に収納できる。また、充電用電線が車両の外部にはみ出すことがなく、また視認されることもないので、車両の外観を損なうことがない。更に、シートレールは、車体フレームの側方且つ上部にある。このため、乗員は、降車時に直ぐに充電用電線を取り出すことができる。また、乗員は、充電後に速やか且つ容易に充電用電線を収納できる。従って、充電用電線の収納性や使い勝手に優れている。
【0019】
請求項3に記載の発明によれば、カバーは、カバーの内側の側方且つ上部に設けたキャッチ部と、シートレールの上部に設けたロック部と、により固定される。従って、カバーを、差し込み式等の構造により車体フレームに固定する場合に比べて、着脱時にカバーにかかる変形荷重を極力小さくできると共に、走行時においてもカバーを安定して固定できる。
【0020】
請求項4に記載の発明によれば、カバーの上縁は、シートの外側の下縁よりも車幅方向における内側で、且つ上方に位置するように形成される。これによれば、カバーの上縁は、平面視において、シートの下縁に覆われる。従って、充電用電線の収納空間への雨水等の侵入を抑制できる。
【0021】
請求項5に記載の発明によれば、シートの底板の車幅方向における外側の下部に、上方に反り返った取手部が設けられる。このため、乗員は、取手部を持ち上げることにより、カバーを開閉する際のシートのめくり上げを容易に行うことができる。
【0022】
請求項6に記載の発明によれば、シートレールの車幅方向における内側の下部にリアフェンダが設けられ、その上方に収納空間が形成される。そして、充電用電線は、収納空間の外側領域に収納される。このため、充電用電線を収納する際に、充電用電線の表面に付着した塵埃等の異物が収納空間に入るのを抑制することができる。
【0023】
請求項7に記載の発明によれば、シートレールは、アッパーメンバ、ロアメンバ及び前側コネクティングメンバを備え、フック部の少なくとも一方が前側コネクティングメンバに設けられる。このため、フック部に充電用電線を巻き掛けた際に、充電用電線をシートレールよりも上下方向にはみ出しにくくすることができる。従って、充電用電線を車体フレームに対してコンパクトに収納できる。
【0024】
請求項8に記載の発明によれば、ヒンジ部材がシートレールのロアメンバに設けられる。このため、ヒンジ部材の重量を支えるために、部材の厚みを増やしたり、補強用の部材を設けたりする必要がない。従って、カバーの取り付け部分において、更に部品の重量増を可及的に少なくできる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】第1実施形態の電動二輪車1の全体構成図である。
【図2】第1実施形態の電動二輪車1における動力発生機構30を示す機能ブロック図である。
【図3】シート27を取り外した状態におけるシートレール15の概略平面図である。
【図4】第1実施形態のコード収納部50を開いた状態を示す概略側面図である。
【図5】第1実施形態のコード収納部50を閉じた状態を示す概略側面図である。
【図6】図5のA−A線断面図である。
【図7】第2実施形態の電動二輪車1Aの全体構成図である。
【図8】第3実施形態の電動二輪車1Bの全体構成図である。
【図9】図8のB−B線断面図である。
【図10】第4実施形態の電動二輪車1Cの全体構成図である。
【図11】第4実施形態のコード収納部50Cを示す概略側面図である。
【図12】第5実施形態のコード収納部50Dを示す概略側面図である。
【図13】第6実施形態のコード収納部50Eを示す概略正面図である。
【図14】第7実施形態の電動二輪車1Fの全体構成図である。
【図15】第7実施形態のコード収納部50Fを示す概略側面図である。
【図16】第8実施形態のコード収納部50Gを示す概略平面図である。
【図17】図16のE−E線断面図である。
【図18】充電スタンド200のコンセントカバーを開いた状態を示す概略斜視図である。
【図19】充電スタンド200のコンセントカバーを閉じた状態を示す概略斜視図である。
【図20】図19のF−F線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の鞍乗型車両を電動二輪車に適用した場合の各実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の各実施形態において、前後、左右及び上下の方向の記載は、特に明記がない限り、電動二輪車に乗車する乗員(運転者)から見た方向に従う。また、図中に記載された矢印FRは車両の前方(進行方向)、矢印UPは車両の上方、矢印LHは車両の進行方向から見て左方をそれぞれ示す。
【0027】
(第1実施形態)
まず、第1実施形態の電動二輪車1の全体構成について、図1及び図2を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態の電動二輪車1の全体構成図である。図2は、第1実施形態の電動二輪車1における動力発生機構30を示す機能ブロック図である。
【0028】
第1実施形態の電動二輪車1は、電動モータ31で発生する動力により後輪25を回転駆動させて走行するモータサイクル型の鞍乗型車両である。以下、各実施形態の電動二輪車を、適宜に「車両」ともいう。なお、後述する第2及び第3実施形態の電動二輪車も、第1実施形態と同じモータサイクル型の鞍乗型車両である。
【0029】
図1に示すように、本実施形態の電動二輪車1は、車体フレーム10と、前輪21と、フロントフォーク22と、ステアリングコラム23と、ハンドル24と、後輪25と、スイングアーム26と、シート27と、収納ボックス28と、動力発生機構30と、車体カバー40と、を備える。なお、本実施形態(及び以降の実施形態)においては、ブレーキ機構や動力伝達機構等の図示及び説明を適宜に省略する。
【0030】
車体フレーム10は、ヘッドパイプ11と、メインフレーム12と、ダウンフレーム13と、ピボットプレート14と、シートレール15と、複数のクロスメンバ(符号省略又は不図示)と、を備える。
【0031】
ヘッドパイプ11は、車体フレーム10の前端部に配置されるフレーム部材である。メインフレーム12は、左右一対に設けられたフレーム部材である。メインフレーム12の前端部は、ヘッドパイプ11の後側面の上部に連結されている。メインフレーム12は、ヘッドパイプ11から後方に、且つ下向きに傾斜して延びている。また、メインフレーム12の後端部は、ピボットプレート14に連結されている。メインフレーム12の後端側には、シートレール15を構成するアッパーメンバ151(後述)の前端部が連結されている。
【0032】
ダウンフレーム13は、左右一対に設けられたフレーム部材である。ダウンフレーム13の前端部は、ヘッドパイプ11の後側面の下部に連結されている。ダウンフレーム13は、ヘッドパイプ11から後方に、且つメインフレーム12よりも下向きに傾斜して延びている。また、ダウンフレーム13の後端部は、電動モータ31(後述)と連結されている。
【0033】
ピボットプレート14は、左右一対のフレーム部材である。ピボットプレート14には、メインフレーム12の後端部、及びシートレール15を構成するロアメンバ152(後述)の前端部がそれぞれ連結されている。
【0034】
シートレール15は、左右一対のフレーム部材である。シートレール15は、アッパーメンバ151と、ロアメンバ152と、前側コネクティングメンバ153と、後側コネクティングメンバ154と、を備える。アッパーメンバ151は、シート27が載置される部材である。ロアメンバ152は、アッパーメンバ151の下方に配置された部材である。アッパーメンバ151の前端部は、メインフレーム12に連結されている。ロアメンバ152の前端部は、ピボットプレート14に連結されている。
【0035】
アッパーメンバ151及びロアメンバ152は、それぞれの略中間部において、前側コネクティングメンバ153により上下方向に連結されている。また、アッパーメンバ151及びロアメンバ152は、それぞれの後端部において、後側コネクティングメンバ154により上下方向に連結されている。更に、シートレール15の車幅方向における内側、且つ下部には、リアフェンダ49が取り付けられている。リアフェンダ49の上方には、収納エリア17(図1では図示を省略する)が形成されている。
【0036】
フロントフォーク22は、前輪21を回転自在、且つ上下に揺動自在に支持する部材であり、左右一対に設けられている。フロントフォーク22の車幅方向における内側、且つ前輪21の上方には、フロントフェンダ48が取り付けられている。
【0037】
ステアリングコラム23は、フロントフォーク22をヘッドパイプ11に対して操舵自在に支持する部材である。ハンドル24は、ステアリングコラム23の上端に連結された操舵部材である。乗員は、シート27に着座し、ハンドル24の両端を把持することにより、電動二輪車1を操舵することができる。
【0038】
スイングアーム26は、後輪25を回転自在、且つ上下に揺動自在に支持する部材であり、左右一対に設けられている。スイングアーム26の前端部は、ピボットプレート14に回動自在に支持されている。スイングアーム26は、不図示のリアクッションに連結されている。後輪25の回転軸には、不図示のリアスプロケットが取り付けられている。
【0039】
シート27は、走行時に乗員が着座する部材である。シート27は、電動二輪車1の前後方向における略中央部であって、シートレール15の上方に配置されている。収納ボックス28は、工具や荷物等を収納するための物入れである。収納ボックス28は、シート27の前方であって、メインフレーム12の上部に配置されている。
【0040】
動力発生機構30は、後輪25を回転駆動するための動力を発生する装置である。ここで、動力発生機構30の機能的な構成を、図2を参照しながら説明する。
【0041】
動力発生機構30は、図2に示すように、バッテリ100と、チャージャ(充電器)110と、電動モータ31と、BMU(battery managing unit)32と、PDU(power control unit)33と、コンタクタ120と、スロットルセンサ130と、ECU(electric control unit)34と、を備える。
【0042】
バッテリ100は、複数のバッテリセルが結合されて構成されている。バッテリ100は、不図示の外部電源から充電用電線としての充電用コード101(後述)を介して供給される電力を蓄電する。チャージャ110は、バッテリ100の一次側に接続される。
【0043】
チャージャ110は、充電用コード101を介して外部電源に接続される。チャージャ110は、外部電源から供給される交流電力を直流電力に変換してバッテリ100に供給する。また、チャージャ110は、バッテリ100の充電状態を制御する。
【0044】
電動モータ31は、バッテリ100から供給される電力により動力を発生する動力源である。なお、図1には図示していないが、電動モータ31の出力軸には、駆動スプロケットに連結されたギヤボックスが取り付けられている。ギヤボックスは、電動モータ31で発生した動力(回転出力)を、所定の減速比で減速させる装置である。駆動スプロケットは、ギヤボックスの出力軸に取り付けられている。電動モータ31で発生した動力は、駆動スプロケットから、チェーン(不図示)を介して後輪25のリアスプロケット(不図示)に伝達される。
【0045】
PDU33は、バッテリ100から電動モータ31に供給される電流や電圧を調整する装置である。PDU33は、コントロールユニット20(後述)に配置される。
コンタクタ120は、ECU34の制御に応じて、バッテリ100とPDU33とを電気的に接続又は遮断する回路である。
【0046】
BMU32は、バッテリ100に接続された回路であり、バッテリ100の充放電状況やバッテリ100の温度等を監視する。
スロットルセンサ130は、ハンドル24に設けられた操作子(スロットルグリップ)の操作状態を検出する検出手段である。
【0047】
ECU34は、スロットルセンサ130から入力される信号に基づいて、動力発生機構30の動作を制御する装置である。具体的には、ECU34は、コンタクタ120を制御して、バッテリ100からPDU33(電動モータ31)に対しての電力の供給を実行又は停止させる。また、ECU34は、PDU33を制御して、電動モータ31の駆動状態を制御する。
【0048】
また、この動力発生機構30には、ライト/インジケータ140等の低電圧の電力を使用する機器に電力を供給する構成として、DC−DCコンバータ150及びサブバッテリ160が接続されている。
【0049】
DC−DCコンバータ150は、コンタクタ120に接続される。DC−DCコンバータ150は、バッテリ100から供給される高圧(例えば72V)の直流電力の電圧を、低圧の電圧(例えば、12V)に変換する回路である。
サブバッテリ160は、DC−DCコンバータ150に接続され、DC−DCコンバータ150で変換された低電圧の電力を蓄電する。
【0050】
再び図1に戻って、動力発生機構30を構成する電動モータ31、バッテリ100、チャージャ110、BMU32、PDU33、及びECU34の配置について説明する。
電動モータ31は、前輪21と後輪25とのほぼ中間部に配置される。電動モータ31の前端は、ダウンフレーム13の後端部に連結されている。また、電動モータ31の後端は、ピボットプレート14に連結されている。電動モータ31は、ダウンフレーム13、ピボットプレート14及び複数のクロスメンバ(不図示)により車体フレーム10に取り付けられている。
【0051】
バッテリ100は、電動モータ31の上部に配置されている。バッテリ100は、車体フレーム10のメインフレーム12、ダウンフレーム13及び複数のクロスメンバ(不図示)により車体フレーム10に取り付けられている。チャージャ110は、バッテリ100の前方に配置されている。チャージャ110は、車体フレーム10のダウンフレーム13及び複数のクロスメンバ(不図示)により車体フレーム10に取り付けられている。
【0052】
また、図2に示す動力発生機構30のうち、PDU33、ECU34及びコンタクタ120は、図1に示すコントロールユニット20に収納されている。コントロールユニット20は、電動モータ31の後方であって、シート27の下方に配置されている。コントロールユニット20は、車体フレーム10のピボットプレート14、ロアメンバ152及び複数のクロスメンバ(不図示)により車体フレーム10に取り付けられている。
【0053】
次に、車体カバー40について説明する。車体カバー40は、車体フレーム10の側方を覆う部材である。車体カバー40は、フロントカバー41と、センターカバー42と、サイドカバー43と、アンダーカバー44と、リアカバー45と、を備える。各カバーは、車体フレーム10の側方において、隣接するカバー同士が同一面で連なるように、又は一部が相互に重なるように取り付けられている。
【0054】
フロントカバー41は、車両の前面に配置されるカバーである。センターカバー42は、フロントカバー41の後方に連なり、車体フレーム10の前部の両側面を覆うカバーである。サイドカバー43は、センターカバー42の後方に連なり、車体フレーム10の中央部の両側面を覆うカバーである。アンダーカバー44は、サイドカバー43の下方に連なり、車体フレーム10の下部の両側面を覆うカバーである。リアカバー45は、サイドカバー43の後方に連なり、車体フレーム10の後部の両側面、具体的には、シートレール15の両側面を覆うカバーである。本実施形態では、リアカバー45の内側に、充電用コードを収納するためのコード収納部50(後述)が設けられている。コード収納部50の近傍には、キーシリンダ59(後述)が設けられている。
【0055】
次に、本実施形態における充電用コード101の収納構造について、図3〜図6を参照しながら説明する。本実施形態では、図3は、シート27を取り外した状態におけるシートレール15の概略平面図である。図4は、コード収納部50を開いた状態を示す概略側面図である。図5は、コード収納部50を閉じた状態を示す概略側面図である。図6は、図5のA−A線断面図である。
【0056】
本実施形態のコード収納部50は、充電用コード101を収納する部位であり、図3に示すように、第1フック部51と、第2フック部52と、を備える。第1フック部51及び第2フック部52は、充電用コード101を巻き掛けるための部材であり、略コ字形に形成されている。なお、図3では、充電用コード101の一部を断面で示している。
【0057】
第1フック部51は、図4及び図5に示すように、前側コネクティングメンバ153の側面に取り付けられている。第2フック部52は、後側コネクティングメンバ154の側面に取り付けられている。各フック部51、52は、溶接、ボルト止め等により各メンバ153、154に取り付けられる。
【0058】
充電用コード101は、チャージャ110(図2参照)から車体フレーム10の内部空間を介して、コード収納部50まで引き出されている。充電用コード101は、コード収納部50から、更に数メートル程度延長することができる。
【0059】
図4に示すように、リアカバー45の内側の下端には、ヒンジ部55、56が設けられている。ヒンジ部55、56は、リアカバー45とロアメンバ152(シートレール15)とを連結する部品である。ヒンジ部55、56は、リアカバー45の長手方向に沿って所定間隔で設けられている。リアカバー45は、ヒンジ部55、56により回動自在に支持されている。リアカバー45は、図5に示す閉じ位置から外側(下向き)に開くことができる。図6では、リアカバー45を途中まで開いた状態を二点鎖線で示す。
【0060】
リアカバー45を外側に開くことにより、コード収納部50から充電用コード101を引き出すことができる。また、リアカバー45を内側に閉じることにより、充電用コード101をコード収納部50に収納することができる。なお、アッパーメンバ151には、充電用コード101のプラグ102を係止するためのプラグ係止部(不図示)が設けられている。
【0061】
また、図6に示すように、リアカバー45の上縁45aは、シート27の外側の下縁27aよりも車幅方向における内側で、且つ上方に位置するように形成されている。また、シート27が載置されたシート底板29の車幅方向における外側の下部には、上方に反り返った取手部29aが設けられている。リアカバー45の上縁45aと、シート底板29の取手部29aとの間には、乗員が指を差し入れるための空間Sが形成されている。
【0062】
また、図6に示すように、リアフェンダ49は、シートレール15の車幅方向における内側、且つ下部に取り付けられている。そして、リアフェンダ49の上方には、収納空間としての収納エリア17が形成されている。収納エリア17は、収納ボックス28と同じく工具や荷物等を収納するための物入れである。充電用コード101は、収納エリア17の車幅方向の外側領域に収納される。
【0063】
一方、リアカバー45の内側の上部(ヒンジ部55、56と反対側)には、略U字形のキャッチ部57が設けられている。キャッチ部57は、リアカバー45を閉じたときに、ロック部58(後述)と係合して、リアカバー45が外側に開かないように固定するための部品である。キャッチ部57は、リアカバー45の内側に設けられたボス47に固定されている。
【0064】
一方、図6に示すように、シートレール15のアッパーメンバ151には、支持ステー部158を介してロック部58が設けられている。ロック部58は、キャッチ部57をロック/アンロック状態とするロック機構を備えた部品である(各図において、内部構造の図示を省略する)。ロック部58は、キーシリンダ59とロッド(不図示)により連通している。
【0065】
リアカバー45を閉じると、図6に示すように、キャッチ部57がロック部58に挿入され、キャッチ部57とロック部58とが係合する。これにより、リアカバー45はロック状態となる。このロック状態では、リアカバー45に外部から力が加わっても、リアカバー45は開かない。
一方、図5に示すように、リアカバー45が閉じられた状態において、キーシリンダ59に正規のキーを挿入して所定方向に回転させると、キャッチ部57とロック部58との係合が解除され、キャッチ部57はアンロック状態となる。このアンロック状態では、リアカバー45の上方から下方に向けて力を加えることにより、図4に示すように、リアカバー45を外側に開くことができる。
【0066】
上記のように構成されたコード収納部50を備える電動二輪車1において、使用者は、ロック部58をアンロック状態とし、リアカバー45を外側に開くことにより、コード収納部50を開放することができる。そして、使用者は、コード収納部50に収納された充電用コード101を、第1フック部51及び第2フック部52から取り外すことができる。更に、使用者は、充電用コード101をコード収納部50の外部に引き出し、充電用コード101のプラグ102を充電スタンド(不図示)のコンセントに差し込むことにより、バッテリ100を充電することができる。
【0067】
また、使用者は、充電終了時には、充電用コード101を第1フック部51及び第2フック部52に巻き掛けて、リアカバー45を内側に閉じることにより、充電用コード101をコード収納部50に収納することができる。
【0068】
図3に示すように、コード収納部50に充電用コード101を収納した状態では、充電用コード101がリアカバー45から外部にはみ出すことがない。また、図5に示すように、コード収納部50に充電用コード101を収納した状態において、充電用コード101は外部から視認されることもない。
【0069】
以上説明した第1実施形態の電動二輪車1によれば、以下のような効果を奏する。
第1実施形態の電動二輪車1において、充電用コード101を巻き掛ける第1フック部51及び第2フック部52は、前側コネクティングメンバ153及び後側コネクティングメンバ154を介してシートレール15に設けられる。シートレール15は、剛性の高い部材であるため、充電用コード101の重量を支えるために、部材の厚みを増やしたり、補強用の部材を設けたりする必要がない。従って、充電用コード101の巻き掛け構造を採用するに際して、部品の重量増を可及的に少なくできる。
【0070】
また、コード収納部50を、シートレール15の側方を覆う横長のリアカバー45の内部に設けたので、長尺の充電用コード101を容易に車両に収納できる。また、充電用コード101が車両の外部にはみ出すことがなく、また視認されることもないので、車両の外観を損なうことがない。更に、シートレール15は車体フレーム10の側方、且つ上部にあるため、乗員は、降車時に直ぐにコード収納部50を開けて充電用コード101を取り出すことができる。また、乗員は、充電後に速やかに、且つ容易に充電用コード101を収納できる。従って、充電用コード101の収納性や使い勝手に優れている。
【0071】
また、リアカバー45は、リアカバー45の内側の側方、且つ上部に設けたキャッチ部57と、シートレール15のアッパーメンバ151に設けたロック部58と、により固定される。従って、リアカバー45を、差し込み式等の構造により車体フレーム10に固定する場合に比べて、着脱時にリアカバー45にかかる変形荷重を極力小さくできると共に、走行時においてもリアカバー45を安定して固定できる。
【0072】
また、リアカバー45の上縁45aは、シート27の外側の下縁27aよりも車幅方向における内側で、且つ上方に位置するように形成されている。これによれば、リアカバー45の上縁45aは、平面視において、シート27の下縁27aに覆われる。従って、コード収納部50の内部への雨水等の侵入を抑制することができる。
【0073】
また、シート底板29の車幅方向における外側の下部には、上方に反り返った取手部29aが設けられている。このため、乗員は、取手部29aを持ち上げることにより、リアカバー45を開閉する際のシート27のめくり上げを容易に行うことができる。
【0074】
また、シートレール15の車幅方向における内側の下部にはリアフェンダ49が設けられ、その上方に収納エリア17が形成されている。そして、充電用コード101は、収納エリア17の外側領域に収納される。このため、充電用コード101をコード収納部50に収納する際に、充電用コード101の表面に付着した塵埃等の異物が収納エリア17に入るのを抑制することができる。
【0075】
また、アッパーメンバ151とロアメンバ152とは、それぞれの間が前側コネクティングメンバ153と後側コネクティングメンバ154とで連結されている。そして、充電用コード101を巻き掛ける第1フック部51及び第2フック部52は、前側コネクティングメンバ153と後側コネクティングメンバ154との側面にそれぞれ取り付けられている。このため、第1フック部51及び第2フック部52に充電用コード101を巻き掛けた際に、シートレール15よりも上下方向にはみ出しにくくすることができる。従って、充電用コード101を車体フレーム10に対してコンパクトに収納できる。
【0076】
また、リアカバー45を開閉するためのヒンジ部55、56は、剛性の高いシートレール15のロアメンバ152に設けられる。このため、リアカバー45やヒンジ部55、56の重量を支えるために、部材の厚みを増やしたり、補強用の部材を設けたりする必要がない。従って、リアカバー45の取り付け部分において、更に部品の重量増を可及的に少なくできる。
【0077】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態の電動二輪車1Aについて、図7を参照しながら説明する。図7は、第2実施形態の電動二輪車1Aの全体構成図である。なお、第2実施形態では、上記実施形態と同一(又は同等)の部分には同一の符号を付し、その説明を適宜に省略する。また、本実施形態に特徴的な構成及び主要な構成以外については、図面への記載や符号、説明を適宜に省略する。
【0078】
本実施形態の電動二輪車1Aでは、サイドカバー43の内側に、充電用コード101を収納するためのコード収納部50Aが設けられている。
【0079】
本実施形態のコード収納部50Aにおいて、第1フック部51及び第2フック部52は、シートレール15を構成するアッパーメンバ151の側面に取り付けられている。第1フック部51及び第2フック部52は、アッパーメンバ151の延出方向に沿って所定間隔で配置されている。充電用コード101は、アッパーメンバ151に沿って巻き掛けられる。コード収納部50Aには、充電用コード101のプラグを係止するためのプラグ係止部(不図示)が設けられている。
【0080】
サイドカバー43の一端には、ヒンジ部55、56が設けられている。ヒンジ部55は、サイドカバー43の一端とメインフレーム12とを連結する。ヒンジ部56は、サイドカバー43とピボットプレート14とを連結する。サイドカバー43は、ヒンジ部55、56により回動自在に支持されている。サイドカバー43は、図7に示す閉じ位置から外側に開くことができる。
【0081】
また、メインフレーム12には、不図示の取り付けプレートを介してロック部58が設けられている。サイドカバー43の内側の上部(ヒンジ部55、56と反対側)には、キャッチ部57が設けられている。サイドカバー43を閉じ位置まで押し込むと、図7に示すように、キャッチ部57とロック部58とが係合して、サイドカバー43はロック状態となる。また、キーシリンダ59に正規のキーを挿入して所定方向に回転させると、キャッチ部57とロック部58との係合が解除され、サイドカバー43はアンロック状態となる。これにより、サイドカバー43を閉じ位置から外側に開くことができる。
【0082】
以上説明した第2実施形態の電動二輪車1Aによれば、第1実施形態と同様の効果を奏するほか、更に、以下のような効果を奏する。
【0083】
本実施形態では、車両の略中央付近にコード収納部50Aを設けている。これによれば、重量のある充電用コード101を、車体中心に寄せることができる。従って、車両の重心位置をより車体中心に近づけることができ、マスの集中化を図ることが可能となる。また、乗員は、乗車時にサイドカバー43の開閉状態を容易に確認できるため、サイドカバー43の閉め忘れを可及的に防止できる。
【0084】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態の電動二輪車1Bについて、図8及び図9を参照しながら説明する。図8は、第3実施形態の電動二輪車1Bの全体構成図である。図9は、図8のB−B線断面図である。なお、第3実施形態では、上記実施形態と同一(又は同等)の部分には同一の符号を付し、その説明を適宜に省略する。また、本実施形態に特徴的な構成及び主要な構成以外については、図面への記載や符号、説明を適宜に省略する。例えば、図8では、図1に示すチャージャ110、バッテリ100、コントロールユニット20の図示を省略している。
【0085】
本実施形態の電動二輪車1Bは、主に、車体フレーム10A及び車体カバー40Aの構成が第1実施形態と異なる。
本実施形態の車体フレーム10Aにおいて、メインフレーム12の前端部は、ダウンフレーム13の後側面の上部に連結されている。そして、メインフレーム12は、ダウンフレーム13から後方に、且つ下向きに傾斜して延びている。メインフレーム12の後端部は、ロアメンバ152に連結されている。
【0086】
車体カバー40Aは、第1実施形態の車体カバー40と同様に、複数のカバーにより構成される。本実施形態では、コード収納部50Bが設けられた収納ボックス側方カバー46についてのみ説明する。
第3実施形態の電動二輪車1Bにおいては、図8に示すように、収納ボックス28の側方を覆う収納ボックス側方カバー46の内側に、充電用コード101を収納するためのコード収納部50Bが設けられている。
【0087】
本実施形態の収納ボックス側方カバー46には、凹部46aが形成されている。凹部46aは、図9に示すように、収納ボックス側方カバー46の略中央部分に形成された凹みである。この凹部46aは、ニーグリップとして機能する。乗員は、乗車時に両膝を収納ボックス側方カバー46の凹部46aに押し付けることにより、体を安定させることができる。
【0088】
収納ボックス28は、図9に示すように、左右一対に設けられたメインフレーム12の間に渡されたボックス支持ステー16の上に載置されている。収納ボックス28は、収納ボックス蓋部281と、収納ボックス側壁部282と、収納ボックス底部283と、を備える。収納ボックス28は、これら各部により箱枠形に形成されている。収納ボックス蓋部281は、不図示のヒンジ機構により上部が開閉するように構成されている。
【0089】
また、収納ボックス側壁部282及び収納ボックス底部283は、ボックス支持ステー16を介してメインフレーム12と連結されている。収納ボックス側壁部282及び収納ボックス底部283は、車体フレーム10Aの一部を構成する。従って、第1フック部51及び第2フック部52(後述)は、収納ボックス28を介して車体フレーム10Aと連結されている。
【0090】
収納ボックス側壁部282の側面には、第1フック部51及び第2フック部52が取り付けられている。第1フック部51及び第2フック部52は、上下方向に所定間隔を開けて配置されている。充電用コード101は、収納ボックス側壁部282の上下方向に沿って略円形に巻き掛けられる。収納ボックス側壁部282の側面には、充電用コード101のプラグ102(図8参照)を係止するためのプラグ係止部(不図示)が設けられている。
【0091】
収納ボックス側方カバー46は、収納ボックス28の側面を覆うように設けられたカバーである。収納ボックス側方カバー46の下端には、収納ボックス側方カバー46とメインフレーム12とを連結するヒンジ部55、56が取り付けられている。ヒンジ部55、56は、図9に示すように、ヒンジ部ステー124を介してメインフレーム12に取り付けられている。収納ボックス側方カバー46は、ヒンジ部55、56により回動自在に支持されている。収納ボックス側方カバー46は、図9に示す閉じ位置から外側に開くことができる。図9において、収納ボックス側方カバー46を外側に途中まで開いた状態を二点鎖線で示す。
【0092】
また、収納ボックス側壁部282には、ロック部58(図8参照)が設けられている。一方、収納ボックス側方カバー46の内側の上部(ヒンジ部55、56と反対側)には、キャッチ部57(図8参照)が設けられている。収納ボックス側方カバー46を閉じ位置まで押し込むと、図8に示すように、キャッチ部57とロック部58とが係合して、収納ボックス側方カバー46はロック状態となる。また、このとき、収納ボックス側方カバー46の凹部46aは、略円形に巻き掛けられた充電用コード101の中心の空間に入り込む(図9参照)。
【0093】
また、図8に示すキーシリンダ59に正規のキーを挿入して所定方向に回転させると、キャッチ部57とロック部58との係合が解除され、収納ボックス側方カバー46はアンロック状態となる。これにより、収納ボックス側方カバー46を閉じ位置から外側に開くことができる。
【0094】
以上説明した第3実施形態の電動二輪車1Bによれば、第1実施形態と同様の効果を奏するほか、更に、以下のような効果を奏する。
【0095】
本実施形態では、収納ボックス28の側方に配置された収納ボックス側方カバー46の内側にコード収納部50Bが設けられている。収納ボックス側方カバー46は、ニーグリップとして機能するため、乗車中に収納ボックス側方カバー46が不用意に開いてしまう不具合を少なくできる。また、乗員は、乗車時に収納ボックス側方カバー46の開閉状態を容易に確認できるため、収納ボックス側方カバー46の閉め忘れを可及的に防止できる。更に、収納ボックス側方カバー46を閉じたときに、凹部46aは、略円形に巻き掛けられた充電用コード101の中心の空間に入り込む。このため、凹部46aが充電用コード101と干渉することがなく、また充電用コード101を収納するために、収納ボックス28の車幅方向の寸法を広げる必要もない。従って、収納ボックス側方カバー46(凹部46a)のニーグリップとしての機能や外観を損なうことなしに、充電用コード101をコンパクトに収納することができる。
【0096】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態の電動二輪車1Cについて、図10及び図11を参照しながら説明する。図10は、第4実施形態の電動二輪車1Cの全体構成図である。図11は、第4実施形態のコード収納部50Cを示す概略側面図である。図10では、後述する第5実施形態の電動二輪車1D及び第6実施形態の電動二輪車1Eの符号を図示する。
【0097】
なお、第4実施形態では、第1実施形態と同一(又は同等)の部分については同一の符号を付し、その説明を適宜に省略する。また、本実施形態に特徴的な構成及び主要な構成以外については、図面への記載や符号、説明を適宜に省略する。
【0098】
第4実施形態の電動二輪車1Cは、電動モータ31の動力により後輪25を回転駆動させて走行するカブ型の鞍乗型車両である。
【0099】
図10に示すように、本実施形態の電動二輪車1Cにおいて、車体フレーム10Bは、ヘッドパイプ11と、メインフレーム12と、ピボットプレート14と、シートレール15と、複数のクロスメンバ(不図示)と、を備える。
【0100】
ヘッドパイプ11は、車体フレーム10Bの前端部に配置されるフレーム部材である。ヘッドパイプ11には、フロントカバーステー111と、ヒンジ部ステー112(図11参照)と、が取り付けられている。フロントカバーステー111は、フロントカバー61(後述)をヘッドパイプ11に取り付けるための支持部材である。フロントカバーステー111は、正面視において略Y字形に形成されている。フロントカバーステー111は、略Y字形に分岐した部分でフロントカバー61を支持している。ヒンジ部ステー112は、ヒンジ部55(後述)を取り付けるための支持部材である。
【0101】
メインフレーム12は、左右一対に設けられたフレーム部材である。メインフレーム12の前端部は、ヘッドパイプ11の後側面に連結されている。メインフレーム12は、ヘッドパイプ11から後方に、且つ下向きに傾斜して延びている。また、メインフレーム12の後端部は、ピボットプレート14に連結されている。メインフレーム12の後端側には、シートレール15を構成するアッパーメンバ151の前端部が連結されている。
【0102】
また、メインフレーム12には、バッテリハンガ121、122、及びモータハンガ123が設けられている。バッテリハンガ121、122は、バッテリ100を支持する部材である。本実施形態のバッテリ100は、側面視において、略L字形に構成されている。バッテリ100は、上端部においてバッテリハンガ121、122に連結されている。すなわち、バッテリ100は、バッテリハンガ121、122を介してメインフレーム12に取り付けられている。
【0103】
モータハンガ123は、電動モータ31を支持する部材である。電動モータ31は、前端部においてモータハンガ123に連結され、後端部においてピボットプレート14に連結されている。
【0104】
ピボットプレート14は、左右一対のフレーム部材である。ピボットプレート14には、メインフレーム12の後端部、及びシートレール15を構成するロアメンバ152の前端部がそれぞれ連結されている。また、上述したように、ピボットプレート14には、バッテリ100の後端部と、電動モータ31の後端部と、がそれぞれ連結されている。
【0105】
シートレール15は、左右一対のフレーム部材である。シートレール15は、アッパーメンバ151と、ロアメンバ152と、複数のコネクティングメンバ(不図示)と、を備える。アッパーメンバ151は、シート27が載置される部材である。ロアメンバ152は、アッパーメンバ151の下方に配置された部材である。アッパーメンバ151及びロアメンバ152は、複数のコネクティングメンバにより連結されている。
【0106】
また、本実施形態の電動二輪車1Cにおいて、車体カバー60は、フロントカバー61と、レッグシールドカバー62と、アンダーカバー63と、跨ぎ部カバー64と、リアカバー65と、を備える。各カバーは、車体フレーム10Bの側方において、隣接するカバー同士が同一面で連なるように、又は一部が相互に重なるように取り付けられている。
【0107】
フロントカバー61は、車両の前面に配置されるカバーである。レッグシールドカバー62は、フロントカバー61の後方に連なり、車体フレーム10Bの前部の両側面を覆うカバーである。本実施形態では、レッグシールドカバー62の内側にコード収納部50Cが設けられている。
【0108】
アンダーカバー63は、レッグシールドカバー62の下方に連なり、車体フレーム10Bの下部の両側面を覆うカバーである。跨ぎ部カバー64は、レッグシールドカバー62の後方に連なり、車体フレーム10Bの上部を覆うカバーである。リアカバー65は、レッグシールドカバー62及びアンダーカバー63の後方に連なり、車体フレーム10Bの後部の両側面、具体的には、シートレール15の両側面を覆うカバーである。
【0109】
次に、本実施形態のコード収納部50Cについて説明する。図11に示すように、レッグシールドカバー62の内部において、バッテリ100の上部且つ側面には、第1フック部51及び第2フック部52が取り付けられている。第1フック部51及び第2フック部52は、バッテリ100の上端部に沿って所定間隔で配置されている。充電用コード101は、バッテリ100の上端部に沿って巻き掛けられる。また、コード収納部50Cには、充電用コード101のプラグ102を係止するためのプラグ係止部(不図示)が設けられている。
【0110】
レッグシールドカバー62の一端には、レッグシールドカバー62とヒンジ部ステー112とを連結するヒンジ部55が取り付けられている。同様に、レッグシールドカバー62の一端には、レッグシールドカバー62とバッテリ100の上端部とを連結するヒンジ部56が取り付けられている。レッグシールドカバー62は、ヒンジ部55、56により回動自在に支持されている。レッグシールドカバー62は、図11に示す閉じ位置から外側に開くことができる。図11において、レッグシールドカバー62を開いた状態を二点鎖線で示す。
【0111】
また、メインフレーム12には、不図示のロック部が設けられている。一方、レッグシールドカバー62の内側の上部(ヒンジ部55、56と反対側)には、不図示のキャッチ部が設けられている。これによれば、レッグシールドカバー62を閉じ位置まで押し込むと、上記キャッチ部とロック部とが係合して、レッグシールドカバー62はロック状態となる。また、不図示のキーシリンダに正規のキーを挿入して所定方向に回転させると、上記キャッチ部とロック部との係合が解除され、レッグシールドカバー62はアンロック状態となる。これにより、レッグシールドカバー62を閉じ位置から外側に開くことができる。
【0112】
以上説明した第4実施形態の電動二輪車1Cによれば、第1実施形態と同様の効果を奏する。すなわち、充電用コード101の収納性や使い勝手に優れ、且つ充電用コード101の巻き掛け構造を採用するに際して、部品の重量増を可及的に少なくできる。更に、以下のような効果を奏する。
【0113】
本実施形態では、バッテリ100の上部における側面に、第1フック部51及び第2フック部52が取り付けられる。第1フック部51及び第2フック部52は、バッテリ100の上端部に沿って所定間隔で配置されている。充電用コード101は、バッテリ100の上端部に沿って巻き掛けられる。このため、充電用コード101を、車体フレーム10Bの内部を貫通させてバッテリ100から離れた位置まで延長させる必要がない。従って、充電用コード101の長さを可及的に短くすることができる。
【0114】
(第5実施形態)
次に、第5実施形態の電動二輪車1Dについて、図12を参照しながら説明する。図12は、第5実施形態のコード収納部50Dを示す概略側面図である。
第5実施形態における電動二輪車1Dの全体構成は、第4実施形態の電動二輪車1Cと同じであるため、全体構成の説明を省略する。
【0115】
この第5実施形態では、第4実施形態と同一(又は同等)の部分については同一の符号を付し、その説明を適宜に省略する。また、本実施形態に特徴的な構成及び主要な構成以外については、図面への記載や符号、説明を適宜に省略する。
【0116】
本実施形態では、図10に示すフロントカバー61の内側にコード収納部50Dが設けられている。
図12に示すように、フロントカバー61の内側において、左右一対に設けられたフロントカバーステー111の側面には、第1フック部51及び第2フック部52がそれぞれ取り付けられている。第1フック部51及び第2フック部52は、車幅方向に所定間隔で配置されている。充電用コード101は、車幅方向に巻き掛けられる。また、フロントカバーステー111には、充電用コード101のプラグ102を係止するためのプラグ係止部103が取り付けられている。
【0117】
フロントカバー61の一端には、フロントカバー61とフロントカバーステー111の根本部分とを連結するヒンジ部55が取り付けられている。フロントカバー61は、ヒンジ部55により回動自在に支持されている。フロントカバー61は、図12に示す閉じ位置から外側に開くことができる。図12において、フロントカバー61を開いた状態を二点鎖線で示す。
【0118】
また、フロントカバーステー111の上方、且つ中央部には、不図示のステーを介してロック部58が設けられている。一方、フロントカバー61の内側の上部(ヒンジ部55と反対側)には、キャッチ部57が設けられている。フロントカバー61を閉じ位置まで押し込むと、図12に示すように、キャッチ部57とロック部58とが係合して、フロントカバー61はロック状態となる。また、キーシリンダ(不図示)に正規のキーを挿入して所定方向に回転させると、キャッチ部57とロック部58との係合が解除され、フロントカバー61はアンロック状態となる。これにより、フロントカバー61を閉じ位置から外側に開くことができる。
【0119】
以上説明した第5実施形態の電動二輪車1Dによれば、第1実施形態と同様の効果を奏する。すなわち、充電用コード101の収納性や使い勝手に優れ、且つ充電用コード101の巻き掛け構造を採用するに際して、部品の重量増を可及的に少なくできる。
【0120】
(第6実施形態)
次に、第6実施形態の電動二輪車1Eについて、図13を参照しながら説明する。図13は、第6実施形態のコード収納部50Eを示す概略正面図である。
第6実施形態における電動二輪車1Eの全体構成は、第4実施形態の電動二輪車1Cと同じであるため、全体構成の説明を省略する。
【0121】
この第6実施形態では、第4実施形態と同一(又は同等)の部分については同一の符号を付し、その説明を適宜に省略する。また、本実施形態に特徴的な構成及び主要な構成以外については、図面への記載や符号、説明を適宜に省略する。
【0122】
本実施形態では、図10に示す跨ぎ部カバー64の内側にコード収納部50Eが設けられている。
図13に示すように、コード収納部50Eの内側において、メインフレーム12の上方、且つ側面には、第1フック部51及び第2フック部52が取り付けられている。第1フック部51及び第2フック部52は、メインフレーム12の延出方向に所定間隔で取り付けられている。このため、充電用コード101は、メインフレーム12に沿って巻き掛けられる。また、メインフレーム12には、充電用コード101のプラグ102を係止するためのプラグ係止部103が設けられている。
【0123】
跨ぎ部カバー64の一端には、跨ぎ部カバー64とメインフレーム12とを連結するヒンジ部55が取り付けられている。跨ぎ部カバー64は、ヒンジ部55により回動自在に支持されている。跨ぎ部カバー64は、図13に示す閉じ位置から外側に開くことができる。図13において、跨ぎ部カバー64を開いた状態を二点鎖線で示す。
【0124】
また、メインフレーム12のヘッドパイプ11近傍には、ロック部58が設けられている。一方、跨ぎ部カバー64の内側の上部(ヒンジ部55と反対側)には、キャッチ部57が設けられている。跨ぎ部カバー64を閉じ位置まで押し込むと、図13に示すように、キャッチ部57とロック部58とが係合して、跨ぎ部カバー64はロック状態となる。また、キーシリンダ(不図示)に正規のキーを挿入して所定方向に回転させると、キャッチ部57とロック部58との係合が解除され、跨ぎ部カバー64はアンロック状態となる。これにより、跨ぎ部カバー64を閉じ位置から外側に開くことができる。
【0125】
以上説明した第6実施形態の電動二輪車1Eによれば、第1実施形態と同様の効果を奏する。すなわち、充電用コード101の収納性や使い勝手に優れ、且つ充電用コード101の巻き掛け構造を採用するに際して、部品の重量増を可及的に少なくできる。
【0126】
(第7実施形態)
次に、第7実施形態の電動二輪車1Fについて、図14及び図15を参照しながら説明する。図14は、第7実施形態の電動二輪車1Fの全体構成図である。図15は、第7実施形態のコード収納部50Fを示す概略側面図(図14の矢視C)である。図14では、後述する第8実施形態の電動二輪車1G及びコード収納部50Gの符号を図示する。
【0127】
第7実施形態では、第4実施形態と同一(又は同等)の部分については同一の符号を付し、その説明を適宜に省略する。また、本実施形態に特徴的な構成及び主要な構成以外については、図面への記載や符号、説明を適宜に省略する。
【0128】
第7実施形態の電動二輪車1Fは、スイングアーム26に内蔵された電動モータ31の動力により後輪25を回転駆動させて走行するスクータ型の鞍乗型車両である。
【0129】
図14に示すように、本実施形態の電動二輪車1Fにおいて、車体フレーム10Cは、ヘッドパイプ11と、メインフレーム12と、アンダーフレーム18と、シートレール15と、複数のクロスメンバ(不図示)と、を備える。
【0130】
ヘッドパイプ11は、車体フレーム10Cの前端部に配置されるフレーム部材である。メインフレーム12は、左右一対に設けられたフレーム部材である。メインフレーム12の前端部は、ヘッドパイプ11の後側面に連結されている。メインフレーム12は、ヘッドパイプ11から後方に、且つ下向きに傾斜して延びている。また、メインフレーム12の後端部には、アンダーフレーム18が連結されている。
【0131】
アンダーフレーム18は、車体フレーム10Cの下部に配置されるフレーム部材であり、左右一対に設けられている。アンダーフレーム18の前端部は、メインフレーム12の後端部に連結されている。アンダーフレーム18の後端部は、シートレール15を構成するロアメンバ152の前端部に連結されている。左右一対のアンダーフレーム18の間には、バッテリ100が配置されている。バッテリ100は、アンダーフレーム18及び複数のコネクティングメンバ(不図示)により支持されている。
【0132】
シートレール15は、左右一対のフレーム部材である。シートレール15は、アッパーメンバ151と、ロアメンバ152と、複数のコネクティングメンバ(不図示)と、を備える。アッパーメンバ151は、シート27が載置される部材である。シート27の下方には、収納ボックス36(後述)が設けられている。
【0133】
ロアメンバ152は、アッパーメンバ151の下方に配置された部材である。アッパーメンバ151及びロアメンバ152は、複数のコネクティングメンバにより連結されている。
【0134】
アッパーメンバ151の前端部には、フロントサポート19が連結されている。フロントサポート19は、左右一対に設けられている。フロントサポート19は、アッパーメンバ151の前端部を支持して、シート27に着座した乗員の荷重を受け止めるフレーム部材である。左右一対のフロントサポート19の間には、ヒンジ部ステー191(後述)と、ロック部ステー192(後述)と、が取り付けられている。また、フロントサポート19の後端部は、シートレール15のロアメンバ152に連結されている。
【0135】
ロアメンバ152の下方には、コントロールユニット20が配置されている。コントロールユニット20は、ロアメンバ152及び複数のクロスメンバ(不図示)により車体フレーム10Cに取り付けられている。また、ロアメンバ152の前端部には、ピボットプレート(不図示)が連結されている。このピボットプレートには、スイングアーム26の前端部が回動自在に支持されている。スイングアーム26には、電動モータ31が内蔵されている。
【0136】
また、本実施形態の電動二輪車1Fにおいて、車体カバー70は、フロントカバー71と、レッグシールドカバー72と、フロアカバー73と、アンダーカバー74と、シート下前部カバー75と、サイドカバー76と、リアカバー77と、を備える。各カバーは、車体フレーム10Cの側方において、隣接するカバー同士が同一面で連なるように、又は一部が相互に重なるように取り付けられている。
【0137】
フロントカバー71は、車両の前面に配置されるカバーである。レッグシールドカバー72は、フロントカバー71の後方に連なり、車体フレーム10Cの前部の両側面を覆うカバーである。フロアカバー73は、レッグシールドカバー72の下方に連なり、バッテリ100を上方から覆うカバーである。アンダーカバー74は、レッグシールドカバー72の下方に連なり、バッテリ100を下方から覆うカバーである。
【0138】
シート下前部カバー75は、フロアカバー73の後端から立ち上がり、シート27の前方且つ下部を覆うカバーである。本実施形態では、シート下前部カバー75の内側にコード収納部50Fが設けられている。サイドカバー76は、アンダーカバー74及びシート下前部カバー75の後方に連なり、シート27の下部の両側面を覆うカバーである。リアカバー77は、サイドカバー76の後方に連なり、車体フレーム10Cの後部の両側面、具体的には、シートレール15の両側面を覆うカバーである。
【0139】
次に、本実施形態のコード収納部50Fについて説明する。図15に示すように、シート下前部カバー75の内側において、左右一対に設けられたフロントサポート19の側面には、第1フック部51、第2フック部52、第3フック部53、第4フック部54がそれぞれ取り付けられている。充電用コード101は、4箇所に配置された各フック部に沿って略円形に巻き掛けられる。また、コード収納部50Fには、充電用コード101のプラグ102を係止するためのプラグ係止部103が設けられている。
【0140】
シート下前部カバー75の一端には、シート下前部カバー75とフロントサポート19とを連結するヒンジ部55が取り付けられている。ヒンジ部55は、ヒンジ部ステー191を介してフロントサポート19に取り付けられている。シート下前部カバー75は、ヒンジ部55により回動自在に支持されている。シート下前部カバー75は、図15に示す閉じ位置から外側に開くことができる。図14において、シート下前部カバー75を外側に途中まで開いた状態を二点鎖線で示す。
【0141】
また、フロントサポート19の上部には、ロック部ステー192を介してロック部58が設けられている。一方、シート下前部カバー75の内側の上部(ヒンジ部55と反対側)には、キャッチ部57が設けられている。シート下前部カバー75を閉じ位置まで押し込むと、図15に示すように、キャッチ部57とロック部58とが係合して、シート下前部カバー75はロック状態となる。また、キーシリンダ(不図示)に正規のキーを挿入して所定方向に回転させると、キャッチ部57とロック部58との係合が解除され、シート下前部カバー75はアンロック状態となる。これにより、シート下前部カバー75を閉じ位置から外側に開くことができる。
【0142】
以上説明した第7実施形態の電動二輪車1Fによれば、第1実施形態と同様の効果を奏する。すなわち、充電用コード101の収納性や使い勝手に優れ、且つ充電用コード101の巻き掛け構造を採用するに際して、部品の重量増を可及的に少なくできる。
【0143】
(第8実施形態)
次に、第8実施形態の電動二輪車1Gについて、図16及び図17を参照しながら説明する。図16は、第8実施形態のコード収納部50Gを示す概略平面図(図14の矢視D)である。図17は、図16のE−E線断面図である。
【0144】
第8実施形態における電動二輪車1Gの全体構成は、第7実施形態の電動二輪車1Fと同じであるため、全体構成の説明を省略する。
この第8実施形態では、第7実施形態と同一(又は同等)の部分については同一の符号を付し、その説明を適宜に省略する。また、本実施形態に特徴的な構成及び主要な構成以外については、図面への記載や符号、説明を適宜に省略する。
【0145】
本実施形態では、シート27の下方にコード収納部50Gが設けられている。詳しくは、コード収納部50Gは、収納ボックス36の開口部に設けられている。充電用コード101は、収納ボックス36の外周に沿って巻き掛けられる。
【0146】
図17に示すように、シート27の下方、且つ左右一対のアッパーメンバ151の間には、収納ボックス36が設けられている。収納ボックス36は、収納ボックス側壁部361と、収納ボックス底部362と、を備え、箱枠形に一体に形成されている。また、収納ボックス側壁部361の外周には、フック部363が設けられている。フック部363は、充電用コード101を巻き掛けるための部材であり、略L字形に形成されている。フック部363は、収納ボックス側壁部361の外周に沿って環状に設けられている。
【0147】
アッパーメンバ151の上部の側面には、支持ステー155が取り付けられている。支持ステー155は、断面が略コ字形に形成された支持部材である。収納ボックス36のフック部363は、支持ステー155の上部に取り付けられている。すなわち、フック部363は、支持ステー155を介して車体フレーム10C(アッパーメンバ151)に取り付けられている。
【0148】
収納ボックス36の開口端部36aには、下部シール部材38が設けられている。下部シール部材38は、断面略凸形状の部材であり、開口端部36aに沿って環状に設けられている。一方、シート底板29の下部には、上部シール部材39が設けられている。上部シール部材39は、断面略凹形状の部材であり、下部シール部材38と同様に環状に設けられている。シート27を閉じ位置まで押し込むと、図17に示すように、下部シール部材38と上部シール部材39とが係合して、収納ボックス36の内部が密閉される。
【0149】
図16に示すように、シート27の一端には、シート27(シート底板29)とアッパーメンバ151とを連結するヒンジ部55が取り付けられている。ヒンジ部55は、ヒンジ部ステー156を介してアッパーメンバ151に取り付けられている。ヒンジ部ステー156は、左右一対のアッパーメンバ151の間に設けられた略凸形状の支持部材である。シート27は、ヒンジ部55により回動自在に支持されている。シート27は、図14に実線で示す閉じ位置から外側に開くことができる。図14及び図15において、シート27を外側に開いた状態を二点鎖線で示す。
【0150】
また、アッパーメンバ151には、ロック部ステー157を介してロック部58が設けられている。ロック部ステー157は、左右一対のアッパーメンバ151の間に設けられた支持部材である。一方、シート27(シート底板29)の後部(ヒンジ部55と反対側)には、キャッチ部57が設けられている。シート27を閉じ位置まで押し込むと、図16に示すように、キャッチ部57とロック部58とが係合して、シート27はロック状態となる。また、キーシリンダ(不図示)に正規のキーを挿入して所定方向に回転させると、キャッチ部57とロック部58との係合が解除され、シート27はアンロック状態となる。これにより、シート27を閉じ位置から外側に開くことができる。
【0151】
以上説明した第8実施形態の電動二輪車1Gによれば、第1実施形態と同様の効果を奏する。すなわち、充電用コード101の収納性や使い勝手に優れ、且つ充電用コード101の巻き掛け構造を採用するに際して、部品の重量増を可及的に少なくできる。
【0152】
(本発明に関連する他の実施形態)
次に、上述した電動二輪車(1〜1G)を充電するための充電スタンド(充電器)に関する実施形態ついて説明する。図18は、充電スタンド200のコンセントカバーを開いた状態を示す概略斜視図である。図19は、充電スタンド200のコンセントカバーを閉じた状態を示す概略斜視図である。図20は、図19のF−F線断面に対応する概略断面図である(図20では、断面形状を簡略化して図示する)。なお、図18及び図19では、本実施形態の説明に必要な部分のみ図示し、充電スタンド200の全体的な構成を省略する。
【0153】
図18に示すように、充電スタンド200は、複数の登録されたユーザにより使用される設備である。充電スタンド200は、コンセント201と、コンセントカバー202と、キーシリンダ203と、を備える。なお、充電スタンド200には、不図示の電源装置や認証/決済用のカードキー挿入口等が設けられている。
【0154】
コンセント201は、充電用コード101のプラグ102を挿入する部分であり、差し込み口201aを備える。コンセントカバー202は、充電中におけるプラグ102の抜き取りを防止するためのカバー部材である。キーシリンダ203は、コンセントカバー202の開閉時にキーを挿入する鍵穴である。
【0155】
コンセントカバー202は、コンセント上カバー210と、コンセント下カバー220と、を備える。コンセント上カバー210は、コンセント201の上側に配置されている。コンセント下カバー220は、コンセント201の下側に配置されている。
【0156】
コンセント上カバー210は、コンセントカバー202を閉じたときに、コンセント下カバー220の外側を覆うカバーである。コンセント上カバー210は、断面が略U字形に形成されている。コンセント上カバー210には、上カバースリット211が形成されている。上カバースリット211においては、一端側がカバーの端部において開放され、他端側がカバーの略中央部まで延出されている。上カバースリット211の他端側は、半円形に形成されている。
【0157】
コンセント上カバー210の一端には、左右一対のヒンジ部212が設けられている。ヒンジ部212は、コンセント上カバー210と充電スタンド200の側壁とを接続するための部材である。コンセント上カバー210は、ヒンジ部212により回動自在に支持されている。また、コンセント上カバー210の他端には、左右一対のキャッチ部213が設けられている。キャッチ部213は、ロック部223(後述)と係合する部品である。
【0158】
コンセント下カバー220は、コンセントカバー202を閉じたときに、コンセント上カバー210の内側に収納されるカバーである。コンセント下カバー220は、コンセント上カバー210と略同一形状に形成されると共に、コンセントカバー202を閉じたときに、コンセント上カバー210の内側に収納される大きさに形成されている。
【0159】
コンセント下カバー220は、断面略U字形に形成されている。コンセント下カバー220には、下カバースリット221が形成されている。下カバースリット221においては、一端側がカバーの端部において開放され、他端側がカバーの略中央部まで延出されている。下カバースリット221の他端側は、半円形に形成されている。
【0160】
コンセント下カバー220の一端には、左右一対のヒンジ部222が設けられている。ヒンジ部222は、コンセント下カバー220と充電スタンド200の側壁とを接続するための部材である。コンセント下カバー220は、ヒンジ部222により回動自在に支持されている。また、ヒンジ部222の近傍には、左右一対のロック部223が設けられている。ロック部223は、キャッチ部213をロック/アンロック状態とするロック機構を備えた部品である(内部構造の図示を省略する)。ロック部223は、キーシリンダ203とロッド(不図示)により連通している。
【0161】
充電用コード101のプラグ102には、コンセント201の差し込み口201aに挿入される2本のピン104が取り付けられている。また、プラグ102には、円盤状のフランジ部105が設けられている。フランジ部105は、充電中におけるプラグ102の抜き取りを防止、及びコンセントカバー202と充電用コード101との間をシールするための部材である。フランジ部105は、コンセント下カバー220の外側にコンセント上カバー210を被せたときに形成される開口孔230(後述)よりも大きな径を有する。
【0162】
また、充電用コード101は、中心から外側に向かって、導体106、絶縁体層107、及びワイヤー層108が積層されている。導体106は、充電スタンド200から供給される電力を電気的に伝達する芯材であり、銅やアルミ等により構成される。絶縁体層107は、導体の表面を被覆する部材であり、塩化ビニルやポリエチレン等により構成される。ワイヤー層108は、絶縁体層の表面を被覆する部材であり、鉄やステンレス材等の金属により構成される。
【0163】
上記のように構成された充電スタンド200において、電動二輪車に充電するユーザは、充電スタンド200のキーシリンダ203に正規のキーを挿入して所定方向に回転させる。すると、キャッチ部213とロック部223との係合が解除され、コンセント上カバー210はアンロック状態となる。これにより、ユーザは、コンセント上カバー210を外側に開くことができる。また、コンセント上カバー210の内側に収納されていたコンセント下カバー220も同様に外側に開くことができる。
【0164】
次に、ユーザは、充電用コード101のプラグ102をコンセント201の差し込み口201aに挿入する。そして、図19に示すように、コンセント下カバー220を閉じ、続いて、コンセント下カバー220の上にコンセント上カバー210を被せる。コンセント下カバー220の上にコンセント上カバー210を被せると、下カバースリット221と上カバースリット211とにより、円形の開口孔230が形成される。充電用コード101は、この開口孔230を貫通した状態で保持される。また、このとき、コンセント上カバー210のキャッチ部213がロック部223(図19では不図示)に挿入され、キャッチ部213とロック部223とが係合する。これにより、コンセントカバー202は、全体がロック状態となる。このロック状態では、コンセントカバー202に外部から力を加えても、コンセントカバー202は開かない。
【0165】
また、図20に示すように、ロック状態においては、プラグ102に設けられたフランジ部105がコンセントカバー202の内側に位置する。フランジ部105は、コンセント下カバー220の外側にコンセント上カバー210を被せたときに形成される開口孔230よりも径が大きい。このため、充電用コード101を引っ張っても、フランジ部105は開口孔230から抜けることがない。
【0166】
一方、キーシリンダ203に正規のキーを挿入して所定方向に回転させると、キャッチ部213とロック部223との係合が解除され、コンセント上カバー210はアンロック状態となる。これにより、ユーザは、コンセント上カバー210を外側に開くことができる。また、コンセント上カバー210の内側に収納されていたコンセント下カバー220も同様に外側に開くことができる。この状態でユーザは、充電用コード101のプラグ102をコンセント201の差し込み口201aから引き抜くことができる。なお、充電後は、充電用コード101のプラグ102をコンセント201の差し込み口201aに挿入せずに、コンセント下カバー220とコンセント上カバー210とを閉じた状態とする。
【0167】
本実施形態によれば、充電中は、コンセントカバー202がロック状態となる。このため、外部から力が加えられても、コンセントカバー202が開くことはない。また、コンセント下カバー220とコンセント上カバー210とにより形成される開口孔230よりも大きな径のフランジ部105がコンセントカバー202の内側となる。このため、充電用コード101を引っ張っても、フランジ部105は開口孔230から抜けることがなく、プラグ102とコンセント201との接続状態を維持することができる。従って、充電中における、充電用コード101の抜き取りを可及的に防止することができる。
【0168】
また、充電後において、コンセント下カバー220とコンセント上カバー210とを閉じた状態とすることにより、コンセントカバー202をロック状態とすることができる。このため、正規のキーを持たないユーザが無断で充電スタンド200を使用することを可及的に防止することができる。
【0169】
更に、充電用コード101の表面には、金属により構成されたワイヤー層108が形成されている。このため、充電中に充電用コード101を切断して、車両を無断で移動することを可及的に防止することができる。
【0170】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、種々の形態で実施することができる。
【0171】
上記実施形態では、充電用コードを巻き掛けるフック部(51、52等)を、2又は4箇所に設ける例について説明したが、本発明の適用はこれに限定されない。すなわち、フック部を3箇所に設けた構成としてもよいし、5箇所以上設けた構成としてもよい。
【0172】
また、車体カバーにより側方が覆われる位置において、フック部を直接又はステー等を介して車体フレームに取り付け可能であれば、上記実施形態に示す位置に限らず、他の位置にコード収納部を設けた構成としてもよい。
【0173】
上記実施形態では、本発明を電動モータ31の動力のみにより後輪25を回転駆動させて走行する電動二輪車に適用した例について説明したが、本発明の適用はこれに限定されない。すなわち、本発明を内燃機関で発生させた動力、及び電動モータの動力の2つの動力を組み合わせて後輪を回転駆動させて走行するハイブリッド型の鞍乗型車両に適用することもできる。
【0174】
詳述すると、本発明の「モータ」とは、電気のみにより動力を得る電動モータ、この電動モータと内燃機関とを組み合わせたハイブリッドのパワーユニット等を含む概念である。つまり、動力の全部又は一部を電動モータにより得るパワーユニットであれば、モータは特に制限されない。
【0175】
また、本発明に係る鞍乗型車両は、上記実施形態のように、モータサイクル型、カブ型、スクータ型に適用することができる。しかし、本発明の適用はこれに限定されない。例えば、本発明を、三輪又は四輪の鞍乗型車両に適用することもできる。すなわち、鞍乗型車両は、乗員が車体に跨って乗車する乗り物全般を含む。
【符号の説明】
【0176】
1,1A〜1G 電動二輪車(鞍乗型車両)
10,10A〜10C 車体フレーム
15 シートレール
17 収納エリア(収納空間)
27 シート
29a 取手部
31 電動モータ(モータ)
40,40A,60,70 車体カバー(カバー)
49 リアフェンダ
50,50A〜50G コード収納部
51 第1フック部(フック部)
52 第2フック部(フック部)
53 第3フック部(フック部)
54 第4フック部(フック部)
55,56 ヒンジ部(ヒンジ部材)
57 キャッチ部
58 ロック部
100 バッテリ
101 充電用コード(充電用電線)
151 アッパーメンバ
152 ロアメンバ
153 前側コネクティングメンバ
363 フック部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体フレームと、
モータと、
当該モータに電力を供給するバッテリと、
当該バッテリに充電用の電力を供給する充電用電線と、
前記車体フレームの側方を覆うカバーと、
を備える鞍乗型車両において、
前記カバーにより側方が覆われる前記車体フレームの位置に、前記充電用電線を巻き掛け可能な複数のフック部が設けられる鞍乗型車両。
【請求項2】
前記車体フレームは、後部にシートレールを有し、
前記シートレールの上方にシートが配置され、
前記カバーは、前記シートレールの側方を覆うように形成され、
前記カバーの一端に、当該カバーと前記シートレールとを連結するヒンジ部材が設けられると共に、前記シートレールの外側面に、複数の前記フック部が設けられる請求項1に記載の鞍乗型車両。
【請求項3】
前記カバーの車幅方向における内側の側面且つ上部には、前記シートレールの上部に向けて突出したキャッチ部が設けられ、
前記シートレールの上部には、前記キャッチ部をロック可能なロック部が設けられる請求項2に記載の鞍乗型車両。
【請求項4】
前記カバーの上縁は、前記シートの外側の下縁よりも車幅方向における内側で且つ上方に位置するように形成される請求項2に記載の鞍乗型車両。
【請求項5】
前記シートの底板の車幅方向における外側の下部には、上方に反り返った取手部が設けられる請求項4に記載の鞍乗型車両。
【請求項6】
前記シートレールの車幅方向における内側の下部にリアフェンダが設けられ、
当該リアフェンダの上方には、収納空間が形成され、
前記充電用電線は、前記収納空間の外側領域に収納される請求項2に記載の鞍乗型車両。
【請求項7】
前記シートレールは、前記シートが載置されるアッパーメンバと、当該アッパーメンバの下方に配置され、前記アッパーメンバの後部と連結されるロアメンバと、前記アッパーメンバと前記ロアメンバとを連結する前側コネクティングメンバと、を備え、
複数の前記フック部のうちの少なくとも一つは、前記前側コネクティングメンバに設けられる請求項2に記載の鞍乗型車両。
【請求項8】
前記ヒンジ部材は、前記シートレールのロアメンバに設けられる請求項7に記載の鞍乗型車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−171556(P2012−171556A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−37612(P2011−37612)
【出願日】平成23年2月23日(2011.2.23)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】