説明

鞍乗型車両

【課題】鞍乗型車両において、シートの下方の収納部の荷物を出し入れし易くできるようにする。
【解決手段】運転者が着座するシートと、該シートより下方で側方に開放する右開口部72を有する収納部20とを備えた鞍乗型車両において、運転者の足を載せるステップ板28を有し、ステップ板28は収納部20の左右側方に配置され、平板状の上面を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納部を備えた鞍乗型車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シートの下方で側方に開放する収納部を備えた鞍乗型の自動二輪車が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平3−217384号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来の鞍乗型車両では、収納部が側方に開放するとともに、シートの下方の比較的低い位置にあるため、収納部の荷物を入れ難いという課題がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、鞍乗型車両において、シートの下方の収納部の荷物を出し入れし易くできるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明は、運転者が着座するシート(19)と、該シート(19)より下方で側方に開放する開口部(71,72)を有する収納部(20)とを備えた鞍乗型車両において、運転者の足を載せるステップ(28)を有し、該ステップ(28)は前記収納部(20)の左右側方に配置され、平板状の上面を有することを特徴とする。
この構成によれば、運転者が着座するシートより下方で側方に開放する収納部の左右側方に、運転者の足を載せる平板状の上面を有するステップが配置され、収納部に荷物を出し入れする際には、ステップの上に一度荷物を載せ、姿勢を変えたり、荷物の持ち方を変えたりした後に、荷物を車幅方向内側に押し込む、或いは、荷物を取り上げることができるため、収納部の荷物を出し入れし易くできる。
【0006】
また、上記構成において、前記開口部(71,72)は、車体カバー(56,57)により塞がれており、該車体カバー(56,57)は、該車体カバー(56,57)と前記開口部(71,72)の下縁部とが離れるように開く構成としても良い。
この場合、開口部を塞ぐ車体カバーは、車体カバーと開口部の下縁部とが離れるように開くため、収納部の荷物を出し入れする際に、車体カバーが邪魔にならず、収納部の荷物を出し入れし易くできる。
また、前記車体カバー(56)は、上下方向に指向する回動軸(56A)によって回動することにより前記開口部(71)を開く構成としても良い。
この場合、上下方向に指向する回動軸によって車体カバーが回動することにより開口部が開くため、簡単な構造で荷物を出し入れし易くできる。
【0007】
さらに、車体フレーム(11)と前記車体カバー(57)の上部とを連結するリンクであって、前記車体カバー(57)が閉じている状態では、中間部で折れ曲がるように形成され、前記車体カバー(57)の前後に設けられる連結リンク(115A,115B)と、前記車体カバー(57)の下部から前後に突出するように設けられる軸部(114A,114B)と、前記車体カバー(57)の前後の位置に取り付けられるものであって、上下方向に延びる溝部(62,67)を備えるとともにこの溝部(62,67)に前記軸部(114A,114B)が上下に移動可能に嵌合されるレール部材(61,66)とを備え、前記車体カバー(57)は、前記軸部(114A,114B)が前記レール部材(61,66)の下端部(63A)に位置する状態で、該車体カバー(57)の上縁部(57A)を開き前記連結リンク(115A,115B)が突っ張る状態となる第1の開状態と、その状態から前記軸部(114A,114B)を前記レール部材(61,66)に沿って上方に持ち上げることで該車体カバー(57)の内側面(81)が上方に向き、該車体カバー(57)がテーブル状となる第2の開状態とをつくることができる構成としても良い。
この場合、車体カバーを第1の開状態とすることで、収納部の小物等を出し入れでき、車体カバーを第2の開状態とすることで車体カバーが上方に移動し、収納部の開口部が大きく開放されるため、収納部の側方のステップを利用して、荷物を出し入れし易くできる。
【0008】
また、前記ステップ(28)の前端(28A)は、前記開口部(72)の下縁部(130)の前端部(130A)に対し、前後方向において同等、もしくは前方に位置し、前記ステップ(28)の後端(28B)は、前記開口部(72)の下縁部(130)の後端部(130B)に対し、前後方向において同等、もしくは後方に位置する構成としても良い。
この場合、ステップの前端は、開口部の下縁部の前端部に対し、前後方向において同等、もしくは前方に位置し、ステップの後端は、開口部の下縁部の後端部に対し、前後方向において同等、もしくは後方に位置し、少なくとも開口部の下縁部の前後端部までステップがあるため、ステップを利用して収納部の荷物を出し入れでき、荷物を出し入れし易い。
【0009】
また、前記ステップ(28)の前端(28A)は、前記開口部(72)の最前端部(72A)に対し、前後方向において同等、もしくは前方に位置し、前記ステップ(28)の後端(28B)は、前記開口部(72)の最後端部(72B)に対し、前後方向において同等、もしくは後方に位置する構成としても良い。
この場合、ステップの前端は、開口部の最前端部に対し、前後方向において同等、もしくは前方に位置し、ステップの後端は、開口部の最後端部に対し、前後方向において同等、もしくは後方に位置し、少なくとも開口部の最前端部及び最後端部までステップがあるため、ステップを利用して収納部の荷物を出し入れでき、荷物を出し入れし易い。
【0010】
さらに、前記収納部(20)の床面(74)は脱着可能となっており、前記床面(74)の下方にさらに床下収納部(85)を備えていても良い。
この場合、使用頻度の少ない物を床下収納部に入れておくことができるため、床上の収納部の荷物を出し入れし易い。
また、前記収納部(20)の床面(74)と前記ステップ(28)とは略同等の高さに設けられても良い。
この場合、収納部の床面とステップとは略同等の高さであるため、荷物を出し入れし易い。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る鞍乗型車両では、シートより下方で側方に開放する収納部の左右側方に、平板状の上面を有するステップが配置され、収納部に荷物を出し入れする際には、ステップの上に一度荷物を載せ、姿勢を変えたり、荷物の持ち方を変えたりした後に、荷物を車幅方向内側に押し込む、或いは、荷物を取り上げることができるため、収納部の荷物を出し入れし易くできる。
また、開口部を塞ぐ車体カバーは、車体カバーと開口部の下縁部とが離れるように開くため、収納部の荷物を出し入れする際に、車体カバーが邪魔にならず、収納部の荷物を出し入れし易くできる。
【0012】
また、上下方向に指向する回動軸によって車体カバーが回動することにより開口部が開くため、簡単な構造で荷物を出し入れし易くできる。
さらに、車体カバーを第1の開状態とすることで、収納部の小物等を出し入れでき、車体カバーを第2の開状態とすることで車体カバーが上方に移動し、収納部の開口部が大きく開放されるため、収納部の側方のステップを利用して、荷物を出し入れし易くできる。
また、開口部の下縁部の前後端部までステップがあるため、ステップを利用して収納部の荷物を出し入れでき、荷物を出し入れし易い。
【0013】
また、開口部の最前端部及び最後端部までステップがあるため、ステップを利用して収納部の荷物を出し入れでき、荷物を出し入れし易い。
さらに、使用頻度の少ない物を床下収納部に入れておくことができるため、床上の収納部の荷物を出し入れし易い。
また、収納部の床面とステップとは略同等の高さであるため、荷物を出し入れし易い。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る自動二輪車の右側面図である。
【図2】自動二輪車の左側面図である。
【図3】自動二輪車の平面図である。
【図4】車体フレームの斜視図である。
【図5】車体フレームの右側面図である。
【図6】車体フレームの平面図である。
【図7】図5におけるVII−VII断面図である。
【図8】図5におけるVIII−VIII断面図である。
【図9】収納部の近傍を右側面側から見た斜視図である。
【図10】図1におけるX−X断面図である。
【図11】開かれた状態における左サイドカバーの内側面を示す図である。
【図12】前シートの内側面を示す平面図である。
【図13】右サイドカバーを収納部の内側から見た斜視図である。
【図14】右サイドカバーが開かれた状態を示す後面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態に係る自動二輪車について図面を参照して説明する。なお、以下の説明で、上下、前後、左右の方向は、車両の運転者から見た方向をいう。
【0016】
図1は本発明に係る自動二輪車の右側面図である。図2は自動二輪車の左側面図である。図3は自動二輪車の平面図である。
自動二輪車10(鞍乗型車両)は、車体フレーム11と、車体フレーム11の前部のヘッドパイプ12に取付けられた左右一対のフロントフォーク13と、フロントフォーク13の下端に取付けられた前輪14と、フロントフォーク13の上部に連結されたハンドル15と、車体フレーム11の後部に上下にスイング可能に取付けられたユニットスイングエンジン16と、ユニットスイングエンジン16の後部に取付けられた後輪17と、ユニットスイングエンジン16の後端部と車体フレーム11の後部との間に掛け渡されたリヤクッションユニット18と、乗員が着座するシート19と、シート19の下方に配置される収納部20と、車体フレーム11を覆う樹脂製のボディカバー21と、燃料タンク140とを、主要構成としたスクータ型の鞍乗型車両である。
【0017】
図1に示すように、車体フレーム11は、ヘッドパイプ12と、ヘッドパイプ12の後面から下方に延びる1本のダウンフレーム30と、ダウンフレーム30の下部から後方に延びる左右一対のロアフレーム31と、各ロアフレーム31の後部から後上方に延びる左右一対のリアフレーム32と、ヘッドパイプ12から後方に延びてリアフレーム32の上部に連結される左右一対のシートフレーム33と、シートフレーム33から前輪14の上方まで前方に延びる左右一対のフロントフレーム34とを備えて構成される。
【0018】
リアフレーム32の中間部には、ユニットスイングエンジン16が揺動可能に連結されるエンジン連結部35が設けられている。
前輪14及びフロントフォーク13を含む操向系は、ヘッドパイプ12に軸支されるステアリングシャフト(不図示)によって回動自在に軸支される。
ロアフレーム31の前部には、左右一対のスタンドステー36が設けられ、スタンドステー36には、自動二輪車10を直立状態に支持するメインスタンド22が取り付けられている。
【0019】
ユニットスイングエンジン16は、前部のエンジン(不図示)と、このエンジンの後部に連なって後輪17を駆動する動力伝達機構部23とを有し、その前部に設けられた連結部(不図示)を介してエンジン連結部35に揺動可能に連結される。ユニットスイングエンジン16は、リアフレーム32の下方を後方に延びて後輪17を右側面側に軸支しており、後輪17を支持するスイングアームとしての機能も備えている。
ユニットスイングエンジン16の上部には、エアクリーナーボックス24が連結されている。エンジンから延びるマフラー25は、後輪17の右側方に配置されている。また、ユニットスイングエンジン16の後部には、後輪17の後部を覆うリアフェンダー17Aが固定される。
【0020】
シート19は、運転者が着座する前シート26と、同乗者が着座する後シート27とを有している。前シート26及び後シート27は、略水平に延びるシートフレーム33に支持されることで、上面の高さが略一致しており、シート19は前後に延びる平らなシートになっている。前シート26は、ダウンフレーム30の後面近傍からエンジン連結部35の前方近傍まで延び、収納部20の上面は前シート26によって塞がれている。
収納部20の側方には、運転者及び同乗者が足を載せる左右一対のステップ板28(ステップ)が設けられている。各ステップ板28は、ロアフレーム31に沿うように前後に延びる板状に形成され、各ロアフレーム31の側面の前後2カ所に設けられたステップ支持部29に支持される。
【0021】
ボディカバー21は、ヘッドパイプ12の周囲を覆うアッパーカバー51、フロントフレーム34を覆う左右一対のフロントカバー52、ヘッドライトを覆うライトカバー53、車体フレーム11の左側面の大部分を覆う左メインカバー54、車体フレーム11の右側面の大部分を覆う右メインカバー55、収納部20の左側面を覆う左サイドカバー56(車体カバー)、収納部20の右側面を覆う右サイドカバー57(車体カバー)、及び、リアフレーム32の後部を覆うテールカバー58を備えている。
フロントカバー52及びシート19の上面は略等しい高さに形成されており、自動二輪車10の上面は、アッパーカバー51の近傍を除き、平坦な連続した面になっている。
フロントカバー52は、シート19と同じ素材で形成されており、クッション性や外観をシートと同じにしている。
【0022】
図2に示すように、左サイドカバー56は、その前縁に設けられたヒンジ部56A(回動軸)を介して左メインカバー54に取り付けられており、ヒンジ部56Aを中心に左サイドカバー56が前方向に回動されることで、左サイドカバー56は開かれ、収納部20が露出する。また、後述するが、右サイドカバー57は、上下に回動することで図3に示すように開かれる。
【0023】
図4は、車体フレーム11の斜視図である。図5は、車体フレーム11の右側面図である。図6は、車体フレーム11の平面図である。
図1及び図4〜図6に示すように、ダウンフレーム30はわずかに前傾して設けられ、左右のロアフレーム31は、ダウンフレーム30の下部から車幅方向外側に延びる延出部31Aと、延出部31Aから屈曲して後方に延びる前後延在部31Bとを有している。前後延在部31Bの後端には、左右の前後延在部31Bを連結するセンタークロスパイプ37Aが連結されている。また、左右の前後延在部31Bの前部は、前部クロスパイプ37Bによって連結されている。さらに、前部クロスパイプ37Bとセンタークロスパイプ37Aとは、前後に延びる一対のボトムパイプ44によって連結されている。
【0024】
リアフレーム32は、ダウンフレーム30に連続するようにセンタークロスパイプ37Aに連結され、センタークロスパイプ37Aから後上方に延びる傾斜部32Aと、傾斜部32Aの後端から略水平に後方へ延びる水平部32Bとを有している。左右の水平部32Bの間には、クロスフレーム38、及び、クロスフレーム38の後方に位置するクロスパイプ39が掛け渡されている。クロスフレーム38とクロスパイプ39とは、補強板40によって連結されている。
【0025】
シートフレーム33は、ヘッドパイプ12の近傍のダウンフレーム30の上部から車幅方向に延びる幅方向延出部33Aと、幅方向延出部33Aの後面から後方に延びつつ車幅方向に広がる延出部33Bと、延出部33Bの端から後方に延びて前シート26を支持する水平部33Cと、水平部33Cの後端とリアフレーム32の水平部32Bとを連結し、後シート27を支持する後部水平部33Dとを有している。水平部33Cの後端には、左右の水平部33Cを連結するクロスパイプ41が設けられている。また、水平部33Cの後端には、下方に延びて水平部33Cと傾斜部32Aとを連結する鉛直フレーム42A,42Bが設けられている。水平部33Cの前端には、下方に延びてダウンフレーム30に連結される左右一対の上下連結フレーム43が設けられている。
収納部20は、左右のシートフレーム33及び左右のロアフレーム31に囲われた空間を利用して設けられ、前後方向においては、ダウンフレーム30と傾斜部32Aの前部及び鉛直フレーム42A,42Bとの間に形成される。
【0026】
フロントフレーム34は、シートフレーム33の延出部33Bの端から前方に延びている。左右のフロントフレーム34は、幅方向延出部33Aによって車幅方向に連結されるとともに、前部に掛け渡されるクロスプレート46によっても連結されている。また、クロスプレート46には、ヘッドパイプ12の前面から前下方に延びる前方延出パイプ47が連結されている。
【0027】
図7は、図5におけるVII−VII断面図である。
図7に示すように、右側の上下連結フレーム43の後面に、上下連結フレーム43に沿って上下に延びるレールプレート60が取り付けられることで、右サイドカバー57(図1)の前側に位置する前側レール部材61(レール部材)が形成されている。レールプレート60は、略L字状に形成されたガイド溝部62(溝部)を有し、ガイド溝部62は、上下連結フレーム43の上下方向の略一杯に延びる縦溝63と、縦溝63の上端から車幅方向内側に屈曲する横溝64とを有している。前側レール部材61は、上端がシートフレーム33に連結され、下端がロアフレーム31に連結されることで、車体フレーム11に強固に固定されている。
また、左側の上下連結フレーム43には、ヒンジ部56Aが固定される一対のヒンジ固定部43Aが設けられている。
【0028】
図8は、図5におけるVIII−VIII断面図である。
図8に示すように、右側の鉛直フレーム42Bは、リアフレーム32の傾斜部32Aよりも下方に延びる延長部を有している。鉛直フレーム42Bの前面に、鉛直フレーム42Bに沿って上下に延びるレールプレート65が取り付けられることで、右サイドカバー57(図1)の後側に位置する後側レール部材66(レール部材)が形成されている。
レールプレート65は、略L字状に形成されたガイド溝部67(溝部)を有し、ガイド溝部67は、鉛直フレーム42Bの上下方向の略一杯に延びる縦溝63と、縦溝63の上端から車幅方向内側に屈曲する横溝64とを有している。後側レール部材66は、上端がシートフレーム33に連結され、中間部及び下端がリアフレーム32の傾斜部32Aに連結されることで、車体フレーム11に強固に固定されている。
【0029】
図9は、収納部20の近傍を右側面側から見た斜視図である。図10は、図1におけるX−X断面図である。図9及び図10では、右サイドカバー57が開かれた状態が示されるとともに、図9ではシート19が取り外されている。
図9及び図10に示すように、収納部20は、略箱型の収容部であり、左側方に開口する左開口部71(開口部)と、右側方に開口する右開口部72(開口部)と、上方に開口する上面開口部73とを有し、左開口部71が左サイドカバー56で覆われ、右開口部72が右サイドカバー57で覆われ、上面開口部73が前シート26で覆われている。
【0030】
左開口部71及び右開口部72は、収納部20の側方の左メインカバー54及び右メインカバー55に矩形の開口をそれぞれ形成して設けられる。
また、上面開口部73に対向する床面部74(床面)は左右のロアフレーム31の上方に設けられ、収納部20の前面を構成する前壁部75は、ダウンフレーム30の後方に位置し、収納部20の後面を構成する後壁部(不図示)は傾斜部32A及び鉛直フレーム42A,42Bの前方に設けられている。
【0031】
図11は、開かれた状態における左サイドカバー56の内側面を示す図である。
左サイドカバー56は、ドア状に形成されて前後に長い略矩形のカバーであり、上下に指向する回転軸をするヒンジ部56Aの該回転軸を中心に前後に回動することで開閉される。
左サイドカバー56の内側面の後縁部には、板状の係合片56Bが設けられ、係合片56Bが車体側のロック部材(不図示)に係合することで左サイドカバー56は閉状態にロックされる。また、左サイドカバー56の内側面の下部には、前後に延びるポケット部56Cが形成されており、ポケット部56Cには、上部の開口から小物等が収容される。さらに、左サイドカバー56の内側面の上縁には、前後に延びる凹部56Dが形成されており、左サイドカバー56が閉じられた状態では、凹部56Dはシートフレーム33の側面に位置する。
【0032】
図12は、前シート26の内側面を示す平面図である。
図12に示すように、前シート26の内面側には、前シート26のクッション(不図示)を受ける略矩形のシート底板90が設けられている。シート底板90の左縁部の前後には、左側のシートフレーム33の上面に当接する受け部材91がそれぞれ取り付けられている。また、シート底板90の幅方向の中央部には、前後に延びる収容凹部92と、収容凹部92の後方に位置する後部収容凹部93とが形成されている。収容凹部92の縁部には、複数のピン92Aが立設され、これらピン92Aにネット92Bが取り付けられている。収容凹部92には、長尺物が収容されてネット92Bで支持される。後部収容凹部93には、バックル付きのベルト93Aが設けられ、ベルト93Aによって車載工具93Bが支持される。
【0033】
シート底板90の右縁部の前後には、樹脂製のバックル94Aが複数設けられており、バックル94Aは、左側のシートフレーム33側に設けられたワンタッチで着脱自在なバックル94B(図13参照)に係合される。また、シート底板90の左縁部の後部には、車体側のシートロック部材(不図示)に係合する係合片95が設けられている。すなわち、前シート26は、左縁部が係合片95によってロックされ、右縁部がバックル94Aによって係合されることで車体側に固定される。尚、バックル94Bは、ベルトを介してシートフレーム33に支持されている。このベルトは、シートフレーム33に巻き付けられるように支持され、前シート26は、ベルトが回動することでシートフレーム33に対して回動自在となる。また、上記ベルトは、ブラケット121に挟まれることで前後の位置が規制される。
前シート26を取り外すことで上面開口部73が露出し、上方からの荷物の出し入れが可能となる。
【0034】
図13は、右サイドカバー57を収納部20の内側から見た斜視図である。
右サイドカバー57は、前後に長い略矩形のカバーであり、右サイドカバー57の外側面を構成する外側カバー部80に、外側カバー部80の内面の略全面を覆う内側カバー部81(内側面)を連結して中空に構成されている。内側カバー部81は、平面部81Aと、内側カバー部81が外側カバー部80側に凹んだカップホルダー部81Bとを有している。平面部81Aには、前後に延びて滑り止めとなる凸状部81Cが複数設けられ、カップホルダー部81Bには、飲み物のカップ等を収容可能である。
【0035】
収納部20の前壁部75は、左右のロアフレーム31間においてロアフレーム31の上面近傍から左右のシートフレーム33の近傍まで延びる板状に形成されている。前壁部75の右上部には、着脱可能な蓋部75Aが設けられており、蓋部75Aを開けると、燃料タンク140の給油口(不図示)が露出する。
図10及び図13に示すように、収納部20の床面部74の下方には、略箱型の床下収納部85が形成されている。床下収納部85は、左右のロアフレーム31の間でボトムパイプ44の上方に位置している。床面部74の中央部は、床下収納部85の上面の開口を塞ぐ着脱自在な蓋板部85Aとなっており、使用頻度の低い物品を床下収納部85に収納しておき、通常使用する物品を、蓋板部85Aを含む床面部74に載せることができるため、収納スペースを有効に使用できる。
【0036】
次に、右サイドカバー57の開閉機構について詳細に説明する。
図9及び図10に示すように、右メインカバー55は、右サイドカバー57を収容した際に右サイドカバー57の外側カバー部80と右メインカバー55とが略面一になるサイドカバー収容部100を有している。サイドカバー収容部100の前壁101は、前側レール部材61を後方から覆っており、前壁101には、ガイド溝部62が露出するように形成された開口101Aが形成されている。また、図には示されていないが、サイドカバー収容部100の後壁は、後側レール部材66を前方から覆っており、この後壁には、ガイド溝部67(図8)が露出するように形成された開口(不図示)が形成されている。
また、サイドカバー収容部100の底面102は、ステップ板28と略同一の高さに形成されている。
【0037】
図14は、右サイドカバー57が開かれた状態を示す後面図である。
図9、図10及び図14に示すように、右サイドカバー57は、サイドカバー収容部100に収容された状態において前壁101に対向する前面部110と、上記後壁に対向する後面部111とを有し、前面部110及び後面部111の内側面には、右サイドカバー57内を上下方向に略一杯に延びる板状のフレーム112A(図10),112B(図14)がそれぞれ設けられている。フレーム112A,112Bの長手方向の中間部には、フレーム112A,112Bを前後方向に一体に繋ぐ連結パイプ113(図10)が設けられており、右サイドカバー57の剛性が高められている。
【0038】
右サイドカバー57を閉じた状態における前側のフレーム112Aの下端には、前方に突出するように軸部114A(図10)が設けられ、軸部114Aは、前側レール部材61のガイド溝部62に嵌合される。
後側のフレーム112Bの下端には、軸部114Aと同軸の位置で後方に突出するように軸部114B(図14)が設けられ、軸部114Bは、後側レール部材66のガイド溝部67に嵌合される。
右サイドカバー57は、その下端に設けられた軸部114A及び軸部114Bがガイド溝部62,67に沿ってガイド溝部62,67内を上下に移動することで姿勢が変化する。
【0039】
右サイドカバー57は、右サイドカバー57の上部において右サイドカバー57の前後にそれぞれ連結される連結リンク115A(図10),115B(図14)によって車体フレーム11に連結される。各連結リンク115A,115Bは、シートフレーム33に連結される板状の車体側リンク116と、右サイドカバー57側に連結される板状のサイドカバー側リンク117とを有している。
【0040】
車体側リンク116は前後に一対で設けられ、車体側リンク116のシートフレーム33側の一端には、シートフレーム33に沿って延びるフレーム側シャフト118が連結され、前後の車体側リンク116は、フレーム側シャフト118によって一体に連結されている。車体側リンク116は、フレーム側シャフト118を軸にして回動自在に支持されている。各車体側リンク116の他端は、フレーム側シャフト118と平行な回動軸119によって各サイドカバー側リンク117の一端に連結されている。車体側リンク116とサイドカバー側リンク117とは、回動軸119を中心に相対回転可能である。
【0041】
サイドカバー側リンク117の他端には、前後に延びて前後のサイドカバー側リンク117を繋ぐカバー側シャフト120が設けられ、前後のサイドカバー側リンク117は、カバー側シャフト120によって一体に連結されている。
カバー側シャフト120は、右サイドカバー57を前後に貫通して設けられており、右サイドカバー57はカバー側シャフト120を中心に回動自在である。詳細には、カバー側シャフト120は、フレーム112A,112Bの上端を貫通して設けられている。
【0042】
図9、図13及び図14に示すように、シートフレーム33にはフレーム側シャフト118を軸支するブラケット121が前後にそれぞれ設けられており、フレーム側シャフト118はブラケット121を中心に回動可能である。このように、フレーム側シャフト118を、シートフレーム33で支持するため、右サイドカバー57を簡単な構造で支持できる。
また、シートフレーム33の中間部には、右サイドカバー57を閉状態にロックするロック部材122が設けられており、右サイドカバー57の内側カバー部81の上部に設けられた係合片123(図9)がロック部材122に係合されることで、右サイドカバー57は閉状態にロックされる。フレーム側シャフト118はロック部材122を貫通して設けられている。
【0043】
本実施の形態では、右サイドカバー57は、収納部20の右開口部72を塞ぐ閉状態、右開口部72を開放する第1の開状態、及び、右開口部72を開放するとともに内側カバー部81が上方を向く第2の開状態をつくることができる。
右サイドカバー57の閉状態では、図1に示すように右サイドカバー57は略鉛直に立ってサイドカバー収容部100に収容されており、この状態では、図10に2点鎖線で示すように、連結リンク115A,115Bは、車体側リンク116が下方に指向するとともにサイドカバー側リンク117が回動軸119を中心に回動して折れ曲がるように上方に指向し、また、フレーム112A,112Bの軸部114A,114Bは、ガイド溝部62,67の縦溝63の下端部63Aに嵌合されている。
【0044】
右サイドカバー57の第1の開状態では、ロック部材122が解除され、図14に示すように右サイドカバー57は上縁部57Aが車体側から車幅方向外側へ離れるように開かれ、右開口部72は開放され、右開口部72を介して収納部20の荷物の出し入れが可能となる。第1の開状態では、右サイドカバー57は、縦溝63の下端部63Aに位置する軸部114A,114Bを中心に車幅方向に回動し、車体側リンク116及びサイドカバー側リンク117は、右サイドカバー57が下方に倒れすぎないように突っ張るようにして右サイドカバー57を支持している。
【0045】
右サイドカバー57の第2の開状態では、図3、図9及び図10に示すように、右サイドカバー57は、内側カバー部81が上方を向いて略水平となり、右開口部72が開放されるとともに、内側カバー部81をテーブルとして使用可能になる。右サイドカバー57を第2の開状態にセットする際には、第1の開状態から軸部114A,114Bを前後の縦溝63に沿って上方に移動させつつ、右サイドカバー57を軸部114A,114Bの軸線回りに回転させることで右サイドカバー57の下部を上方に持ち上げ、その後、軸部114A,114Bを前後の各横溝64に嵌め込めば良い。この状態では、右サイドカバー57の自重によって軸部114A,114Bが横溝64の先端側に押し付けられることで右サイドカバー57の移動が規制され、第2の開状態が維持される。
【0046】
自動二輪車10の乗員は、自動二輪車10をメインスタンド22で駐車状態とし、右サイドカバー57を第2の開状態にセットすることで、右サイドカバー57をテーブルとして効果的に利用できる。運転者及び同乗者は、脚を自動二輪車10の左側方に出して左側方を向くようにして駐車状態の自動二輪車10の前シート26及び後シート27に着座し、運転者及び同乗者の後方に位置する右サイドカバー57に手を伸ばすことで、右サイドカバー57に物を置いたり、右サイドカバー57上の物を取ったりすることができる。ここで、右サイドカバー57は、下端の軸部114A,114Bが上昇することでテーブル面となる内側カバー部81がシートフレーム33の近傍に移動するため、テーブル面がシート19に近くなる。このため、シート19に着座した乗員は、右サイドカバー57をテーブルとして使い易い。
また、運転者等がシート19に着座していない状態においても、右サイドカバー57をテーブルとして使用できる。
【0047】
また、自動二輪車10は、前輪14の後方のロアフレーム31の前部に設けられたメインスタンド22によって駐車状態とされるため、駐車状態では前輪14が地面から浮くことになる。これにより、駐車状態で前輪14及びフロントフォーク13を含む操向系が回動したとしても安定した駐車状態を維持できるため、右サイドカバー57をテーブルとして安定して使用できる。
また、前側レール部材61は、上端がシートフレーム33に連結され、下端がロアフレーム31に支持され、後側レール部材66は、上端がシートフレーム33に連結され、下端がリアフレーム32に支持されるため、前側レール部材61及び後側レール部材66を車体フレーム11に強固に取り付けでき、テーブルとして使用される右サイドカバー57を安定して支持できる。
【0048】
また、サイドカバー側リンク117が、右サイドカバー57内を貫通するカバー側シャフト120によって一体的に連結されるため、前後のサイドカバー側リンク117の動きを同調させることができ、右サイドカバー57を開閉する際の右サイドカバー57の剛性感を向上させることができる。
さらに、車体側リンク116が、シートフレーム33に対し略平行に延びるフレーム側シャフト118によって一体的に連結されるため、前後の車体側リンク116の動きを同調させることができ、右サイドカバー57を開閉する際の右サイドカバー57の剛性感を向上させることができる。
【0049】
次に、ステップ板28の周辺の構造について説明する。
図9に示すように、ステップ板28は、サイドカバー収容部100の底面102に沿って前後に略水平に延びている。ステップ板28は一枚で構成される板であり、ステップ板28の前端28Aは、前輪14の後部近傍に位置し、ステップ板28の後端28Bは、ユニットスイングエンジン16の前部近傍に位置している。
ステップ板28は乗員が体重をかける部分であるため、ロアフレーム31に設けられる一対のステップ支持部29によって強固に固定される。また、ステップ板28は、ステップ板28の外縁部に沿ってステップ板28の下面に設けられるパイプフレーム29Aによって支持されている。
【0050】
収納部20の右開口部72の下縁部130は、サイドカバー収容部100の前後長よりも短く形成されており、ステップ板28の前端28Aは、下縁部130の前端部130Aよりも前方に位置し、ステップ板28の後端28Bは、下縁部130の後端部130Bよりも後方に位置している。このように、ステップ板28の前端28A及び後端28Bが、下縁部130の前端部130A及び後端部130Bを越えて前後に長く形成されているため、下縁部130に沿わせて荷物を出し入れする際に、右開口部72に荷物を容易に通すことができる。
【0051】
また、ステップ板28の前端28Aは、収納部20の右開口部72の最前端部72Aよりも前方に位置し、ステップ板28の後端28Bは、右開口部72の最後端部72Bよりも後方に位置している。このように、ステップ板28の前端28A及び後端28Bが、右開口部72の最前端部72A及び最後端部72Bを越えて前後に長く形成されているため、右開口部72に荷物を容易に通すことができる。
また、図2に示すように、自動二輪車10の左側面においても、収納部20の左開口部71とステップ板28との大きさ及び位置関係は右側面と同様に構成されており、ここでは詳細な説明を省略する。
【0052】
収納部20に右開口部72から荷物を出し入れする場合には、右サイドカバー57を第2の開状態にセットし、平板状のステップ板28上に荷物を一度載せ、作業者は、姿勢を変えたり、荷物の持ち方を持ち易いように変え、その後、荷物を収納部20に押し込んだり、或いは、取り上げたりすることができる。このため、収納部20がシート19の下方で側方に開放している構成であっても、収納部20の荷物を容易に出し入れできる。この際、右サイドカバー57は、右サイドカバー57の下部と右開口部72の下縁部130とが離れるように開いて第2の開状態となり、収納部20の荷物を出し入れする際に右サイドカバー57が邪魔にならないため、収納部20の荷物を容易に出し入れできる。
【0053】
また、図11に示すように、左サイドカバー56は、上下方向に指向する回動軸であるヒンジ部56Aを中心に回動し、左開口部71の下縁部と左サイドカバー56とが離れるように開かれる。このため、収納部20の荷物を出し入れする際に左サイドカバー56が邪魔にならず、収納部20の荷物を容易に出し入れできる。
さらに、収納部20の床面部74とステップ板28とは略同等の高さであるため、床面部74及びステップ板28上を滑らすようにして荷物を出し入れでき、荷物を出し入れし易い。
【0054】
以上説明したように、本発明を適用した実施の形態によれば、運転者が着座するシート19より下方で側方に開放する収納部20の左右側方に、運転者の足を載せる平板状の上面を有するステップ板28が配置され、収納部20に荷物を出し入れする際には、ステップ板28の上に一度荷物を載せ、姿勢を変えたり、荷物の持ち方を変えたりした後に、荷物を車幅方向内側に押し込む、或いは、荷物を取り上げることができるため、収納部20の荷物を出し入れし易くできる。
また、左開口部71及び右開口部72をそれぞれ塞ぐ左サイドカバー56及び右サイドカバー57は、左サイドカバー56及び右サイドカバー57と左開口部71及び右開口部72の下縁部とが離れるように開くため、収納部20の荷物を出し入れする際に、左サイドカバー56及び右サイドカバー57が邪魔にならず、収納部20の荷物を出し入れし易くできる。
【0055】
また、上下方向に指向する回動軸を有するヒンジ部56Aによって左サイドカバー56が回動することにより左開口部71が開くため、簡単な構造で荷物を出し入れし易くできる。
さらに、右サイドカバー57を第1の開状態とすることで、収納部20の小物等を出し入れでき、右サイドカバー57を第2の開状態とすることで右サイドカバー57が上方に移動し、収納部20の右開口部72が大きく開放されるため、収納部20の側方のステップ板28を利用して収納部20荷物を出し入れでき、荷物を出し入れし易くできる。
【0056】
また、ステップ板28の前端28Aは、右開口部72の下縁部130の前端部130Aに対し、前後方向において前方に位置し、ステップ板28の後端28Bは、下縁部130の後端部130Bに対して後方に位置し、少なくとも右開口部72の下縁部130の前後端部130A,130Bまでステップ板28があるため、ステップ板28を利用して収納部20の荷物を出し入れでき、荷物を出し入れし易い。
また、ステップ板28の前端28Aは、右開口部72の最前端部72Aに対し、前後方向において前方に位置し、ステップ板28の後端28Bは、右開口部72の最後端部72Bに対して前後方向において後方に位置し、少なくとも右開口部72の最前端部72A及び最後端部72Bまでステップ板28があるため、ステップ板28を利用して収納部20の荷物を出し入れでき、荷物を出し入れし易い。
【0057】
さらに、収納部20の床面部74は脱着可能となっており、床面部74の下方にさらに床下収納部85を備えており、使用頻度の少ない物を床下収納部85に入れておくことができるため、床面部74の上の収納部20の荷物を出し入れし易い。
また、収納部20の床面部74とステップ板28とは略同等の高さであるため、荷物を出し入れし易い。
【0058】
なお、上記実施の形態は本発明を適用した一態様を示すものであって、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。
上記実施の形態では、シートフレーム33は、ヘッドパイプ12の近傍のダウンフレーム30の上部から延びるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、シートフレーム33の前端はヘッドパイプ12に接続されてヘッドパイプ12から延びても良い。
また、上記実施の形態では、ステップ板28の前端28Aは、下縁部130の前端部130Aよりも前方に位置し、ステップ板28の後端28Bは、下縁部130の後端部130Bよりも後方に位置しているものとして説明したが、これに限らず、前端28Aは前後方向において前端部130Aと同等の位置に位置し、後端28Bは後端部130Bと同等の位置に位置しても良い。
さらに、ステップ板28の前端28Aは、収納部20の右開口部72の最前端部72Aよりも前方に位置し、ステップ板28の後端28Bは、右開口部72の最後端部72Bよりも後方に位置しているものとして説明したが、これに限らず、前端28Aは前後方向において最後端部72Bと同等の位置に位置し、後端28Bは最後端部72Bと同等の位置に位置しても良い。
【符号の説明】
【0059】
10 自動二輪車(鞍乗型車両)
11 車体フレーム
19 シート
20 収納部
28 ステップ板(ステップ)
28A 前端
28B 後端
56 左サイドカバー(車体カバー)
56A ヒンジ部(回動軸)
57 右サイドカバー(車体カバー)
57A 上縁部
61 前側レール部材(レール部材)
62,67 ガイド溝部(溝部)
63A 下端部
66 後側レール部材(レール部材)
71 左開口部(開口部)
72 右開口部(開口部)
72A 最前端部
72B 最後端部
74 床面部(床面)
81 内側カバー部(内側面)
85 床下収納部
114A,114B 軸部
115A,115B 連結リンク
130 下縁部
130A 前端部
130B 後端部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転者が着座するシート(19)と、該シート(19)より下方で側方に開放する開口部(71,72)を有する収納部(20)とを備えた鞍乗型車両において、
運転者の足を載せるステップ(28)を有し、該ステップ(28)は前記収納部(20)の左右側方に配置され、平板状の上面を有することを特徴とする鞍乗型車両。
【請求項2】
前記開口部(71,72)は、車体カバー(56,57)により塞がれており、該車体カバー(56,57)は、該車体カバー(56,57)と前記開口部(71,72)の下縁部とが離れるように開くことを特徴とする請求項1記載の鞍乗型車両。
【請求項3】
前記車体カバー(56)は、上下方向に指向する回動軸(56A)によって回動することにより前記開口部(71)を開くことを特徴とする請求項2記載の鞍乗型車両。
【請求項4】
車体フレーム(11)と前記車体カバー(57)の上部とを連結するリンクであって、前記車体カバー(57)が閉じている状態では、中間部で折れ曲がるように形成され、前記車体カバー(57)の前後に設けられる連結リンク(115A,115B)と、前記車体カバー(57)の下部から前後に突出するように設けられる軸部(114A,114B)と、前記車体カバー(57)の前後の位置に取り付けられるものであって、上下方向に延びる溝部(62,67)を備えるとともにこの溝部(62,67)に前記軸部(114A,114B)が上下に移動可能に嵌合されるレール部材(61,66)とを備え、
前記車体カバー(57)は、前記軸部(114A,114B)が前記レール部材(61,66)の下端部(63A)に位置する状態で、該車体カバー(57)の上縁部(57A)を開き前記連結リンク(115A,115B)が突っ張る状態となる第1の開状態と、その状態から前記軸部(114A,114B)を前記レール部材(61,66)に沿って上方に持ち上げることで該車体カバー(57)の内側面(81)が上方に向き、該車体カバー(57)がテーブル状となる第2の開状態とをつくることができることを特徴とする請求項2記載の鞍乗型車両。
【請求項5】
前記ステップ(28)の前端(28A)は、前記開口部(72)の下縁部(130)の前端部(130A)に対し、前後方向において同等、もしくは前方に位置し、前記ステップ(28)の後端(28B)は、前記開口部(72)の下縁部(130)の後端部(130B)に対し、前後方向において同等、もしくは後方に位置することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の鞍乗型車両。
【請求項6】
前記ステップ(28)の前端(28A)は、前記開口部(72)の最前端部(72A)に対し、前後方向において同等、もしくは前方に位置し、前記ステップ(28)の後端(28B)は、前記開口部(72)の最後端部(72B)に対し、前後方向において同等、もしくは後方に位置することを特徴とする請求項5記載の鞍乗型車両。
【請求項7】
前記収納部(20)の床面(74)は脱着可能となっており、前記床面(74)の下方にさらに床下収納部(85)を備えることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の鞍乗型車両。
【請求項8】
前記収納部(20)の床面(74)と前記ステップ(28)とは略同等の高さに設けられることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の鞍乗型車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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